- 1お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/09/30(月) 19:47:47
- 2お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/09/30(月) 19:48:35
- 3二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 19:48:46
建て乙でしてよ!
- 4お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/09/30(月) 19:49:25
- 5お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/09/30(月) 19:51:43
パーソナルデータ
名前:落成カナデ
ケイオス・イシス社長令嬢
アビドス編入生(1年生。ホシノと同学年)
身長:161
髪 :金髪縦ロール(鋼の意思!!)
性格:なんちゃって高飛車お嬢様
お胸:たゆん
瞳色:#78D757
※カラーコード
所有車両
73式大型トラック中距離多目的誘導弾搭載【レガーツ1号】
現在の好感度
カナデからの好感度
ユメ:99
ホシノ:97
カナデへの好感度
ユメ:98
ホシノ:100 - 6お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/09/30(月) 19:54:30
ステータス:初期→現在
戦闘:36→51
神秘:82→94
知識:79
学力:55
倫理:79→84
慈悲:48
社交:35
経理:64
???:0→19
戦闘詳細
近接:33
射撃:99
防御:36→46
耐久:54→57
敏捷:96
技術:59→53
戦術:74
属性
貫通/軽装甲
立ち位置/役割
Back/サポーター
兵装:AR(M4A1)
固有名【Sacred_Buddy】
カラーリング:デザートイエローにデザートピンクのワンポイント - 7お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/09/30(月) 19:58:51
前回の3行あらすじですわ
自分より強い人にしか従わないと噛みついてきたシロコさんと勝負をすることに!?
互いに機動力勝負になった結果わたくしは勝利いたしましたわ。
先輩風を吹かせる気は今のところありませんがどうぞよろしくですわ。シロコさん♪ - 8二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 19:59:14
8ですわ〜
- 9お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/09/30(月) 20:13:07
「おつかれぇ~。シロコちゃんをあっさり抑えちゃうなんてカナデやるねぇ。
もうおじさんじゃ勝てないかも~。」
二人を出迎えたホシノはひらひらと手を振って賞賛する。
「冗談にも程はありますわよホシノさん?いまだにホシノさんは疎かユメさんにも勝てる気は致しませんわ。」
愛銃のロックを上げストラップバンドで肩にかけたカナデは手を振り返す。
口調や雰囲気は二年前と変わっているホシノとのやり取りも違和感は無く互いの信頼が見え隠れしている。
「さ、シロコさん。どこまで先輩として正しく振舞えるかはわかりませんが是非仲良くしてくださいな?」
「ん。こちらこそよろしく。カナデ先輩。」
その握手を皮切りに興奮した様子の後輩たちから質問攻めにされるカナデだった。
好感度判定
カナデからみんなへ先輩補正一律40
シロコ:dice1d60=37 (37) +40
ノノミ:dice1d60=42 (42) +40
セリカ:dice1d60=40 (40) +40
アヤネ:dice1d60=39 (39) +40
みんなからカナデへ(初期好感度20保障)
シロコ:dice1d60=14 (14) +40(勝利補正で2倍)
ノノミ:dice1d80=60 (60) +20
セリカ:dice1d80=57 (57) +20
アヤネ:dice1d80=10 (10) +20
- 10お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/09/30(月) 20:20:28
- 11お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/09/30(月) 20:21:13
- 12お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/09/30(月) 22:50:02
※フフフ。スレ落とし、遅筆、僅かなダイスのみで此処まで好き勝手にやってきておいて今更初安価などと無知蒙昧にも浮かれている貴方の姿はお笑いでしたわよ。
此処まで残って付き合ってくれている皆様にお楽しみいただくには衝動と妄想に委ね書き連ねるしかない事を浅学非才な貴方ももう気付いたでしょう?
さぁ書きなさい。四の五の言わずに書きなさい。
それが皆に報いる唯一無二の方法なのです。
"はぁい。書きまーす" - 13お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/09/30(月) 23:04:56
「さ、そろそろ会議をはじめるよ~。アヤネちゃん進行お願いねー。」
「はい。それでは対策委員会定例会議を始めますね。」
対策委員会の部室と銘打たれた小部屋に集まった6人。
大目標として9億越えの借金の完済、目下の目標としての今月の7百万円ほどの返済。
アビドス自治区の現状などを再確認した後に各々の意見を募り方針を話し合う。
そんな中にノックの音が響き先生が入ってくる。
"遅れちゃったね。ごめんごめん。あれ?この間は見なかった子がいるね?君は?"
「あら、貴方は今噂のシャーレの顧問先生ですの?わたくしは落成カナデですわ。」
自己紹介、そしてホシノからの補足が入る。
「カナデは私と同じ3年生で、ちょっとした都合でアビドスを離れてたんだけどこの間戻ってきたんだ。」
そんなやり取りを終え先生を加えた7人で会議に戻っていく。 - 14二次元好きの匿名さん24/09/30(月) 23:26:31
ようやく見つけましたわ!今度こそは落とさせませんわ!
- 15お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/09/30(月) 23:53:15
銀行強盗、拉致勧誘、アイドル結成、詐欺商法。
本人たちはいたって真面目にトンチキな案を出しアヤネは頭を抱える。
そんな中カナデは意見も案もあるものの言い出して良いものかの判断に悩んでいた。
*ある意味有力な情報はありますわ。ただ、この大人…先生が信用に足る人物なのか。
初対面のわたくしには判断が付きませんわね。
会議は進展を見せないまま時間は過ぎこの日は解散の流れとなった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
その夜
なんとなしに帰る気になれないカナデは自分の持つ情報を整理しようと教室に残っていた。
鞄から強化カーボン製のフレームを取り出す。
先日の一件でヘルメット団が使っていたドローンの残骸だった。
「カイザーArsenal……。」
ひしゃげ千切れたフレームを繋ぎ合わせて現れたその刻印はカナデの脳裏に苦い記憶をフラッシュバックさせる。
『カイザーが…』
『あの子だけは守る…』
『おとーさま、おかーさま。わたくしをひとりにしないで…。』
「う…くぅっ…!」
薄れかけていた幼いころの記憶が鮮明になると同時に頭痛と眩暈に襲われる。
立っていられずに屈み込んだところで教室の扉が開かれる。
「あ~。やっぱり残って…。カナデ!?どうしたの?」
呑気に入ってきたホシノは様子の可笑しいカナデに気付き血相を変えて駆け寄る。
「だい…じょうぶ……。ですわ。少し嫌なことを思い出した…だけ。」
「そんな真っ青な顔して大丈夫なわけないでしょ!?お水だよ、飲める?」
ホシノが取り出したペットボトルの水に口を付け深く息をつくカナデ。 - 16二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 06:58:27
保守〜
- 17お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/01(火) 10:38:04
「落ち着いてきましたわ…。感謝いたしますわホシノさん……。」
ゆっくりと深呼吸を繰り返すと頭痛や眩暈は次第に引き、真っ青だった顔も血色を取り戻していく。
「そんなになるなんていったい何して…。カイザーArsenal?」
ホシノの目にカナデが広げていたドローンの残骸が移る。
「先日の襲撃の際に落としたドローンですわ。【カイザー軍事工廠】どんな経緯であのヘルメット連中がカイザー製品を持っていたかまでは分かりませんが……。」
「カナデ、会議の時に何か悩んでると思ったけどこれのことだったんだね。」
「ホシノさん、わたくしには判断が付きませんでしたわ。あの大人…先生は。信用して良い方ですの?」
「そっか、カナデは昨日が先生との初対面だったね。」
カナデの言わんとすることを理解したホシノは話し出す。
「私も最初は今更大人なんて来たって…って思ったよ。でも、あの日。
先生が来た初めての日にセリカちゃんがヘルメット団に攫われたんだ。」
ホシノは振り返るように話を続ける。
「セリカちゃんが先生に大人なんて信用できないって言って飛び出して行っちゃってね。
一人になったところをヘルメット団に襲われた。
私たちは勿論だけど。先生が必死に探してくれた。
先生の持ってるサンクトゥムタワーの権限を使ってセリカちゃんのスマホの座標を割り出してくれたんだ。
それで私たちは無事セリカちゃんを助けることが出来た。」
「そんなことがありましたの……。」
「だからね、私は少し信じてみようと思った。
どこまで力を貸してくれるかはわからないけど、少なくとも私たちが今まで見てきた大人たちとは違うんだって。」 - 18お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/01(火) 10:54:51
「……。分かりましたわ。」
話を聞いていたカナデは口を開く。
「先生を信じることにしたホシノさんを信じますわ。
明日の会議でわたくしが掴んでいる情報を皆にお話ししますわ。
どう転ぶかはさておき、事態は動くと思いますわ。」
「うん、わかった。」
ホシノはそばにあった机に腰を下ろした。
カナデも何となくそれに倣いホシノの隣に腰を下ろす。
「……こうしてるとさ。二年前を少し思い出すね。
あの時は二人してユメ先輩のことで二人して悩んだっけ。」
ホシノはカナデの肩に頭を預けもたれ掛かる。
「そうですわね。今ではユメさんも頼れる連邦生徒会のエースですけれど……。ホシノさん?」
気付けばホシノは静かに寝息を立てていた。
「全く、羨ましくなるほどの寝つきの良さですわね。」
小さく笑い、あのころに比べて長く伸びたホシノの桃色の髪に手櫛を通す。
「カイザー……。あの時のことは吹っ切れたつもりですけれど。」
カナデは窓から見上げた月に独り誓う。
「またわたくしの前に現れわたくしの大切な人たちを傷つけるというなら……。容赦は致しませんわ。」
肩にかかる暖かで心地好い重さ、それを今度こそ手放さないと。
好感度上昇
ホシノへの好感度
97→100
【???上昇(現在値19)】
dice1d15=2 (2) +5
- 19二次元好きの匿名さん24/10/01(火) 17:05:06
かなり早いが保守っとこう
- 20お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/01(火) 19:59:22
「カイザーArsenal?」
翌朝の会議でカナデはドローンの残骸を広げみんなに見せていた。
「そうですわ。もっとも、ブラックマーケットには此処の製品も流れているのでヘルメット団とカイザーに繋がりがあるとまでは言えませんが。」
「ん、でも手掛かりにはなる。闇雲に調べるよりはいい。」
「一歩前進ですね☆」
行き詰っていた会議に光明が差し対策委員会の面々の表情は明るい。
"そうだね、私の方でも調べてみるね。"
「いえ、先生はなるべく表舞台には立たないほうが良いかもしれませんわ。」
「どうして?先生の指揮があったほうが色々とうまくいかない?」
セリカは疑問を呈する。
「だから、ですわ。少し前の先生が指揮を執ったサンクトゥムタワー奪還作戦はクロノスにより大々的に報道されていましたわ。」
「なるほどねー。先生が目立っちゃうと狙われることになっちゃうのか―。」
ホシノはカナデの危惧を補足する。
「確かに先生はおじさんたちと違ってキヴォトスの外から来た人。前に立つには危険が大きすぎるねー。」
"ありがとう、でも。"
「先生?」
"生徒たちが頑張ってるのに。"
"私だけ安全なところで指を咥えてる訳にはいかないからね。"
"危険も承知の上だよ。"
「先生……。分かりました。でしたらアビドスで活動する際にはわたくしたちの中から最低2名が護衛に付く。
これがわたくしからの提案ですわ。」
"ありがとう。カナデは優しいね。"
「こっ、これくらいは当然のことですわ!!」
*面と向かっていきなり手放しで褒めるだなんて、やはり油断ならないお人ですわね先生は。 - 21お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/01(火) 22:13:20
保守ですわ~。
シナリオ読み込むので夜更新はお休みですわ~。 - 22二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 07:40:21
朝保守ですの
- 23二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 15:11:09
頑張ってほしいねぇ
- 24お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/02(水) 17:39:57
プルルル、プルルル
薄暗い部屋に電話の呼び出し音が響く。
『はい、どんなことでも解決します。便利屋68です。』
「仕事を頼みたい、便利屋。」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「みなさん、何かわかりましたか?」
アヤネの言葉を皮切りに今日も引き続き会議が始まる。
本来ならば金策に充てたい時間ではあるものの不安の芽は摘んでおきたい。
いつもは昼寝していたといって遅れてくるホシノも連日の会議では最初からいる。
「わたくしのほうで調べた範囲ではヘルメット団に明確なバックが居る情報は掴めませんでしたわ。」
「ん、私も。裏で流れていた製品をたまたまヘルメット団が入手した線が否定しきれない。」
"みんなから見て偶然ってことは考えにくいことなの?"
先生のスタンスは結論を急ぎすぎない事に一貫している。
確かに読み違えて派手に動いてしまえばただでさえ危うい均衡の上にあるアビドスは致命傷を負うだろう。
「歯痒いねー、結局向こうから仕掛けてくるのを待って情報を引き出すしかないかも―。」
落ち着いて見えるホシノも、内心穏やかではないだろう。
「はぁ、埒があきませんわね。こんな事態ですけど一度息抜きしませんこと?」
カナデはちらりとホシノにアイコンタクトを取る。
「そうしよっか。セリカちゃんは今日バイトだったっけ?」
「え?そうだけど突然どうしたのホシノ先輩……?」
「こーゆーときはみんなでラーメンだよ!!セリカちゃん。」
ホシノの鶴の一声によって一行は会議を打ち切り紫関ラーメンへと赴くこととなった。 - 25お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/02(水) 22:17:52
「わたくしは2年振りになりますわね。紫関ラーメン。」
「わぁ☆カナデ先輩も紫関ラーメンに行ったことがあるんですね?」
「へぇー。以外かも。カナデ先輩ってもっとお上品なものばかり食べてるイメージあったー。」
紫関ラーメンに向かう道すがら、カナデは両脇に並ぶノノミ、セリカと話に花を咲かせていた。
「わたくしが1年生の時はよくユメさんに連れられてホシノさんと3人で行っていたのですわ。
わたくしジャンクなものも結構口にしましてよ?」
"しっかりしてるけどやっぱり皆年相応の女の子なんだね。"
後方でそう呟く先生にホシノはからかうように声をかけた。
「なぁに~?青春時代でも思い出しちゃった?」
"いや、そんなんじゃないよ。"
"もっと皆には毎日を楽しんで貰いたいなって。"
"学生時代から借金なんかに振り回されて辛い顔をしてるのは……。"
"大人としては嫌だなって……。"
「そっか、ちゃんと皆のこと見てくれてるんだね。」 - 26二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 06:22:27
ほ
- 27お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/03(木) 09:54:38
※一晩立って見返してみると誤字脱字がチラホラありますわね。精進せねば。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「大将ー皆来たよー。」
セリカを先頭に紫関ラーメンの暖簾を潜る。
着替えるためにセリカは奥の従業員スペースに消えていった。
「よぉ。いらっしゃい。っと、懐かしい顔が居るじゃねぇか。」
「大将さん、ご無沙汰していましたわ。」
紫関大将はカナデの顔を見ると嬉しそうに微笑んだ。
「こないだ戻ってきたんだよ~。アビドス全員集合だねぇ。」
ホシノが得意げに言葉を返す。
「へっ。嬉しいねぇ。腕が鳴るぜ。」
奥の拾いテーブル席に着き制服に着替え戻ってきたセリカに各々の注文を伝える。
暫くして注文が運ばれるとアヤネが驚きの声を上げる。
「か、カナデ先輩それ本当に食べるんですか?」
カナデの注文
ラーメンdice1d10=10 (10) 割り増し
チャーシューdice1d3=2 (2) 倍
- 28お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/03(木) 09:55:44
※ダブル盛りですわ~
- 29二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 19:23:40
保守〜
- 30二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 06:59:01
保守〜
- 31お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/04(金) 08:52:51
「えぇ、麺チャーシュー2倍盛の紫関ラーメン。わたくしの【いつもの】ですわ。」
「カナデちゃんはいつも本当に旨そうに食ってくれるから俺も作り甲斐があるってもんよ。」
紫関大将は得意げに鼻を鳴らす。
「それでは、いただきますわ。」
カナデは手を合わせると一口だけ水を飲み箸を手に取る。
少量の麺を摘み流れるような動作で口に運ぶ。
するすると口に吸いこまれていく麺。
「いつ食べても美味しいですわ。スープに良く絡む中細麵。
決して濃すぎず、それでいてコシのある面に負けない濃厚なスープ。
よく煮込まれて口の中で解けていくチャーシュー。
それらにまろやかさを与える味の染みた半熟の煮卵。まさに究極の1杯ですわ。」
"気合の入った食レポだね。"
「あら、失礼しましたわ。思わず口に出してしまいましたわ。」
あくまで上品に、しかし止まることのない箸捌きによってカナデの器はみるみるその量を減らしていき…。
結果的に他のメンバーとほぼ同時に食べ終わっていた。
そのくせ会話にはきっちり参加していて口数も少ないわけではない。
傍から見れば奇妙な光景だっただろう。
「カナデ先輩、それだけ食べててそのプロポーション維持してるのは反則……。」
器を下げながら呟くセリカを尻目にカナデは食後の烏龍茶を片手に話に花を咲かせていた。
「あのぅ、すみません。」
ガラガラと引き戸が遠慮がちに開けられ店内を覗き込んだ少女に、一同は視線を集めた。
「あの制服、ゲヘナですわね…。」 - 32二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 20:20:34
hosyu
- 33二次元好きの匿名さん24/10/04(金) 20:51:42
一杯で2杯分はフードファイターなのよ
- 34二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 06:04:42
保守
- 35二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 16:36:59
保守
- 36お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/05(土) 23:29:19
保守ですわー。
朝には更新できるはず…。ですわ。 - 37お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/06(日) 09:26:26
「……。こ、ここで一番安いメニューって、お、おいくらですか?」
おっかなびっくりと言った様子で、そのゲヘナの生徒は尋ねる。
「一番安いのは……
580円の紫関ラーメンです!看板メニューなんで、美味しいですよ!」
その生徒とは対照に溌剌と答えるセリカ。
「あ、ありがとうございます。」
そう答えるとその生徒は外へ出てしまう。そして。
「えへへっ、やっと見つかった、600円以下のメニュー!」
「ふふふ。ほら、何事にも解決策はあるのよ。全部想定内だわ。」
「そ、そうでしたか、さすが社長、何でもご存じですね……。」
「はあ……。」
連れ添って入店してきたのは。
先程の生徒。
小柄で大きめのバッグを下げた快活な生徒。
赤毛長身の堂々とした風体の生徒。
きつめの目をした気だるそうな生徒。
「4名様ですか?お席にご案内しますね。」
「んーん、どうせ1杯しか頼まないし大丈夫。」
「1杯だけ……?でも……どうせならごゆっくりお席へどうぞ。
今は暇な時間なので、空いてる席も多いですし。」
セリカは一瞬訝し気な顔をするが気を取り直して席を勧める。
「おー、親切な店員さんだね!ありがとう、それじゃあお言葉に甘えて。
あ、わがままついでに。箸は4膳でよろしく。優しいバイトちゃん。」
小柄な生徒のその言葉にセリカは驚く。
「えっ?4膳ですか?ま、まさか1杯を4人で分け合うつもり?」
「ご、ご、ごめんなさいっ。貧乏ですみません!!お金がなくてすみません!!」
「あ、い、いや……!その、別にそう謝らなくても……。」
申し訳ないほどに腰の低いその生徒の態度に逆にセリカが恐縮してしまう。 - 38お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/06(日) 09:26:36
そんなやり取りを見て、カナデは物思いに耽る。
*あの4人組、どこかで見た覚えがあるような気がしますわね。
ゲヘナで、4人組で、【社長】……。うーん、なんだったかしら……?
dice1d100=69 (69)
出目70以上で知っている。
更に90以上なら結構詳細な情報がある。
- 39出先お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/06(日) 14:58:42
※続きが書きたいですわー。
しかしながら私はお仕事中のお昼ご飯中。
ダイスの女神様が絶妙な数値を出したお陰でネタは充填済みなのですわー。
皆様今晩規制に刺されなければまたお会いしましょうなのですわ〜。(保守時間調整兼土日仕事の小さな愚痴) - 40お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/06(日) 23:22:48
「ゲヘナ……。4人組……。学生起業……。」
「カナデ―?おーい…。ダメだこりゃ。カナデがどっか行っちゃったよぅ。」
"こういうことはよくあるの?"
「ん~。全くないわけじゃないけど……。おじさんとかユメ先輩と一緒の時は見たことないなぁ。
一人で考え事してるときとかにたま~に。って感じだよぉ。」
「ん、今なら勝てる。……!?」
物思いに耽るカナデに不意打ちを食らわせようとしたシロコは愕然とする。
構えようとした銃の戦端が既に押さえられていることに。
「ダメだよシロコちゃん。こう見えて周りは見えてるからねカナデは。」
「こ、これでホシノ先輩やユメ先輩に勝てないんですかカナデ先輩って。」
アヤネは驚きを通り越して見てはいけないなにかを見てしまったかのような顔をしている。
そう、見えている。深く集中していても周りの動きを無意識に追っている。
しかし、今回はそれが裏目に出ることになった。
「はい、お待たせいたしました!お熱いのでお気をつけて!」
ダンッ!!!
セリカの声と共にゲヘナ4生徒のテーブルに置かれたそれが目に入る。
*あ、あれはまさか!幻の紫関ラーメンサンクトゥムタワー盛!?実在したというんですの!?
衝撃を受けフリーズするカナデを尻目に舌鼓を打つ4人に声をかけるノノミやシロコ。
喉元まで出かかっていた【便利屋68】の名は今や忘却の彼方に追いやられカナデがその場で真相にたどり着くことは無かった。 - 41お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/06(日) 23:24:50
※そのうち書きたいと思ってたカナデお嬢様のクソボケシーンが書けましたわ~。
- 42お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/06(日) 23:54:42
「社長。
……あの子たちの制服、気づいた?」
「えっ?制服?何が?」
「アビドスだよ、あいつら。」
「なななな、なっ、何ですってーーーーーー!!!???」
「あはははは、その反応うけるー。」
「はぁ……本当に全然気づいてなかったのか……。」
「えっ?それって私たちのターゲットってことですよね?わ、私が始末してきましょうかっ!?」
「あははは、遅い、遅い。
どうせもうちょっとしたら攻撃を仕掛けるんだし、その時暴れよっ、ハルカちゃん。」
「う、うそでしょ……あの子たちが?アビドスだなんて……
う、うう……何という運命のいたずら……。」
ーーーーーーーーーー
「少しは落ち着いた?社長。」
「えぇ、ありがとうカヨコ課長……。」
襲撃の刻限は刻一刻と近づいている。
便利屋68。アル、ムツキ、カヨコ、ハルカの面々は雇った傭兵バイトを伴いアビドス高校を目指していた。
「で、実際どうするの?社長。多分だけど、雇ったバイトのみんなじゃ、ちょっと心許ないかも。」
カヨコは目を細める。
「どういう事?向こうは6人、こっちは大半が雇ったバイトとは言え人数差は圧倒的に有利でしょう?」
「会話に混ざってこなかった奥の席のピンク髪と金髪。あれ多分【アビドスの双璧】だよ。」
2年前、当時のアビドス生徒会長を支えた立役者。
悪徳企業や不良の集団を相手に大立ち回りをしたその二人の噂は、アルにも聞き覚えがあった。
「なっ。実物?他人の空似とかじゃなくて?」
「特徴と得物が一致してた。多分当人たちだと……。思う。」 - 43二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 06:46:40
保守
- 44お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/07(月) 17:49:31
保守―。今日も書いていきますわよー
- 45お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/07(月) 22:08:12
アルは大きくため息をつく。
数秒間の重い沈黙を経てゆっくりと顔を上げたアルが垣間見せた凍り付くかのような冷淡な表情。
「行くわよ……。バイトを集めて!」
「あ、アルちゃん……?」
その落差に幼馴染であり見慣れている筈のムツキすら困惑する。
「私たちは便利屋68。あの子たちに正面切って勝つことが目的じゃない。
あの子たちを上手く抑えてアビドスを占領すれば依頼は完了よ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なんだよ~、遅かったじゃん。」
雇った傭兵バイト達との合流地点。リーダー格の傭兵が軽く声をかけてくる。
「少し野暮用よ。準備はできてるわね?」
「もちろん。何でもいいけど、残業はナシでね。時給も値切られてるし。」
「細かいことは今は置いておいて!
さぁ、行きましょう!アビドスを襲撃するわよ!」
ばさりとコートを翻し先頭に立つアル。
「出動~!」
楽し気にあるの脇に付くムツキ。
「はあ……。」
気だるげに数歩後ろを歩くカヨコ。
「アル様!わっ、私、頑張りますから!
ひとり残らず、ぶっ潰しちゃいますっ!」
アルの前に出て獰猛な笑みを浮かべるハルカ。
そして、決戦の幕が上がる。 - 46お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/07(月) 22:41:23
「校舎より南15㎞地点付近で大規模な兵力を確認!」
アヤネの火急を告げる声に全員に緊張が走る。
「まさか、ヘルメット団が?」
シロコの問いにアヤネは首を振る。
「ち、違います!ヘルメット団ではありません!
……傭兵です!おそらく日雇いの傭兵!」
「へぇー、傭兵かあ。結構高いはずだけど。」
「何にせよ、ヘルメット団やその辺の不良とは格が違う相手ですわね。」
アヤネの報告を聞きながら手早く装備を整えるホシノとカナデ。
穏やかに見える表情とは裏腹に両者の目は笑ってはいなかった。
「これ以上接近されるのは危険です!
先生、出動命令を!」
"うん、出動だ。"
アヤネに促された先生の号令と共に一同は銃のセーフティーを上げた。 - 47お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/07(月) 22:41:49
「前方に傭兵を率いている集団を確認!」
「あれ……ラーメン屋さんの……?」
ノノミは相手が先刻紫関で出会った4人組と知り声をかける。
「あら、奇遇ね。」
先頭に立つアルは不敵な笑みを浮かべる。
「誰かと思えばあんたたちだったのね!?
ラーメンも無料で特盛にしてあげたのに、この恩知らず!!」
食って掛かるセリカ。
「あははは、その件はありがと。それはそれ、これはこれ。こっちも仕事でさ。」
「残念だけど、公私はハッキリ区別しないと。受けた仕事はきっちりこなす。」
ムツキ、カヨコはその糾弾を軽く流す。
「あぁ、今更思い出しましたわ。お金さえ積めば迷子のペット探しから大規模作戦まで何でもこなすゲヘナの便利屋。【便利屋68】」
「知られているとは光栄ね。だからと言って情けは掛けないけど。」
舌戦を経て両者の間に火花が散る。
「誰の差し金?……いや、答えるわけないか。
力尽くで口を割らせるしか。」
ガチャリと銃口を突きつけるシロコ。
「ふふふ、心得ているじゃない。
総員!攻撃!」 - 48二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 05:48:46
ほ
- 49二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 12:46:42
バトルだ
- 50二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 20:24:50
展開が楽しみ
- 51お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/08(火) 20:45:18
「カナデ、前線指揮は任せるよー。」
アルが銃を引き抜くと同時にホシノは盾を展開し弾かれるように前へ飛び出す。
間髪入れずに飛来するライフル弾を盾で受ける。
「うへぇ、凄い威力だねぇ。でも、好きにはやらせないよ。」
左右に展開しようとする傭兵バイト達にショットガンを乱射する。
距離による威力減衰で打撃は見込めないが牽制にはなっている様で全体の動きが鈍る。
「お任せあれ。先生、全体指揮は任せますわ。アヤネさんは先生の護衛とサポート。
ノノミさんは敵集団への制圧射撃、セリカさんは浮いた敵をお願いいたしますわ。」
"任せて。"
「了解しました。」
「がんばりますね~。」
「わかった!」
カナデの短い言葉に各々が返事を返す。
「ん、私には言わなくても伝わってる。」
そういって遮蔽を伝うようにアルへと迫っていくシロコ。
*シロコさんの戦闘IQの高さには助けられますわね。わたくしも遅れは取りませんわよ。
「いざ、鎧袖一触ですわ!!」
傭兵の数
dice1d30=22 (22) +30
カナデの射撃(出目99以下で成功。出目40以下で2倍、出目10以下で3倍)
dice1d100=96 (96)
成功時の撃破数
dice1d5=4 (4)
- 52お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/08(火) 21:15:53
傭兵残数48
「個人は大したことはないですわね。如何せん数が多くて辟易しますわ。」
カナデの居る後衛からは有効射線が少ない、とは言え卓越した射撃能力は遺憾なく発揮され先走った敵前衛の出鼻を挫く。
"便利屋の子たちが動き始めたから警戒してね。"
インカムから聞こえる声に俯瞰した戦場を予想する。
「ホシノさん、シロコさんの強襲タイミングに合わせて敵主力を引き込めますわね?」
「無茶言ってくれるね~。ま、やてみるよっ。」
無線越しのやり取りに淀みはない、互いをよく知っているからこその立案と実行は背中を預けあった信頼の証だった。
「アル様、敵が下がります。突入しますね。」
「待ちなさいハルカ、むやみに突っ込まない。ムツキ、援護を。カヨコは遊撃に。」
「まっかせてー。ハルカちゃん、いっくよー。」
「わかった、アルは前に出すぎないように。」
アルの号令の下散開していく便利屋の面々。
「じゃーん!花火を始めよっかな!」
ムツキが放ったバッグに弾丸を叩きこむ、満載された爆薬が散らばり次々と炸裂し破壊と爆炎をまき散らす。
爆発の被害(高いほど大きい)
dice1d200=197 (197)
- 53お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/08(火) 21:50:25
爆発の威力は凄まじく、その影響は後衛のカナデやノノミにまで及ぶ。
「ノノミさん!!」
傍にいたノノミをとっさに庇う。
距離があった分マシな方だったがそれでも無傷とはいかずに吐き捨てる。
「くっ、本当に容赦ないですわね……。皆さん無事ですの?」
「こっちは何とか無事だよー、盾が飛ばされちゃってちょっと状況は悪いかなー。」
ホシノからはいつもの調子の返事が返る。
「ん、遮蔽のおかげで何とか致命傷はない。だけど強襲ルートが押さえられた。」
身を潜める遮蔽物が一掃され負傷を負ったシロコは敵に囲まれつつあった。
「ごめんカナデ先輩、すぐに継戦は無理そう……。一度下がるね。」
セリカは負傷により離脱、声音からして重傷ではない様で胸をなでおろす。
「私は大丈夫です、カナデ先輩が庇ってくれたので。」
*広く展開したのがミスでしたわね。シロコさんを回収してホシノさんと合流……。
相手を過小評価したつもりは無いけれど、これ以上の失策は致命傷になりかねない……。
「ノノミさんはここから援護を、厳しいようならセリカさんを連れて撤退してくださって構いませんわ。」
「カナデ先輩はどうするんですか……?」
不安を隠せないノノミに優しく笑いかける。
「少し苦手分野を頑張ってきますわね。」
【EXskill:Noblesse Oblige】
指定した位置に移動した後、ポジションをFRONTに変更。
自身の戦術の50%(小数点以下切り捨て)を近接、防御、耐久に加算。
「さぁ、行きますわよ!!」 - 54お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/08(火) 23:40:58
「わたくしだって【アビドス生徒会】の一員。ホシノさんやユメさんには及ばずとも……。
有象無象に後れを取ることは……。ありませんわッ!!」
爆発に吹き飛ばされ地面に突き刺さったホシノの盾を拾い敵陣の中央へ切り込む。
*悠長に戦線を立て直している暇はありませんわね。一撃離脱でシロコさんを救出してホシノさんと合流。雑兵を蹴散らして一気に頭を叩きますわ。
「先生、ナビゲートをお願いいたしますわ!」
"わかった。右前方の木陰にシロコ。便利屋のショットガンの子が近づいてきてるから気を付けて。"
"アヤネはドローンで弾薬の補給準備、それとセリカがもう少しで戻ってくるから治療の準備を。"
「わかりました、オペレートはお任せします先生。」
噂に聞く先生の指揮は迅速で的確するカナデ。
*まさか残弾まで把握しているとは驚きですわ。
「頼もしい限りですわね!!」
集中砲火を受けているシロコと相手の間に盾を構え割り込む。
「無事ですの?シロコさん?」
「ん、なんとか。」
樹木を遮蔽に粘っていたシロコはすぐさまカナデのすぐ後ろに着く。
決して少なくないダメージと疲労の見え隠れする表情でシロコは強がる。
「少しだけ休んでなさいな。まずはこの場を切り抜けますわ。」
盾をシロコに預け包囲網を一瞥する。
「こ、これも仕事です。恨まないでください。」
包囲の中心にはショットガンを構えるハルカ。
「安心なさい、恨む気はありませんわ……。ですが、負ける気はもっとありませんわ!!」 - 55お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/08(火) 23:41:13
【命中/回避判定】
相手の攻撃
ハルカ(近距離散弾補正あり)
dice1d100=20 (20) +30
取り巻き傭兵
dice10d10=10 3 2 7 1 3 1 1 7 1 (36)
カナデ(敏捷補正あり)
dice1d100=88 (88) +96
※合計値が上回った側が差の大きいほど有利。
- 56お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/08(火) 23:43:06
※お嬢様覚醒しすぎでは?
- 57二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 06:25:45
ガチで守りたい時は馬鹿力発揮するってのが普通だから無問題
- 58お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/09(水) 08:08:02
「い、行きます!」
ショットガンを連射しながら突っ込むハルカ。
周りの傭兵たちは回避を潰すように弾幕を形成している。
……だがしかし。
「この程度でッ!!」
合計攻撃値86
合計回避値184
「わたくしは……ッ。捉えられませんわ!!!」
平面ではなく立体に。僅かに身を屈め大きく跳躍する。
太陽を背に文字通り宙を舞うカナデ。
引いた位置で見ていたシロコ以外にその姿を目で終えた者はいなかった。
「勝機は我が手に……。ですわ。」
直上からの掃射に次々と戦闘不能に陥る傭兵たち。
そして。
「これで詰みですわ。」
落下の勢いを乗せた蹴りはハルカの手から銃を叩き落とした。
「恨まないで下さいませ。今はわたくしも退けないのですわ。」
意趣返しと言わんばかりの台詞と共に接射を浴びせかける。
「急所は外してありますわ。少しの間お眠りなさい。」
意識を失い崩れ落ちるハルカを抱えゆっくりとその場に横たえる。
「凄い……。」
終始を見ていたシロコは只々そう呟き勝利をもぎ取ったカナデへ駆け寄る。
「ありがとうシロコさん。貴女はまだ戦えますわね?」
「ん、勿論。私も負けてられない。」
盾を受け取りシロコの目に闘志が宿っていることを確認したカナデはホシノが孤軍奮闘する最前線へ急ぐ。
傭兵残数38/ハルカ撃破 - 59お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/09(水) 19:24:03
「この…、ちょこまかと!!」
アルは吐き捨てる。盾を奪い数では圧倒的に有利。
アル、ムツキ、カヨコによる波状攻撃に加え傭兵たちによる圧力を以てしても未だにホシノに対する有効打は与えられていない。
それどころか僅かな隙を突かれこちら側の傭兵たちが戦闘不能にされている始末だ。
「うへぇ~。辛いなぁ…。でも、好きにはさせないよ。覚悟して。」
類稀な集中力で多数の射線を見切り的確に隙を詰め反撃に転じるホシノ。
このまま放っておけばホシノの体力が尽きるか傭兵が全滅し便利屋の3人にも被害が出始めるか。
根競べのような状態だった。しかしここで風向きが変わる。
ホシノの周囲に小型ミサイルが降り注ぎ爆炎が辺りを覆う。
それが晴れたときには、ホシノの傍らにはカナデ、シロコが立っていた。
「お待たせしましたわ、ホシノさん。盾無しだというのにピンピンしてらっしゃるのね。」
「ん、私達必要なかった。」
「うへぇ~。そんなこと言わないでー。おじさんもう限界だよー。」
カナデの皮肉にシロコが乗っかり、ホシノはわざとらしくショックを受ける。
そのやり取りは敵中ど真ん中で劣勢だとはとても思えないほどの余裕を感じさせた。
ホシノの傭兵撃破数
dice1d38=25 (25)
- 60二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 20:54:03
ホシノもやっぱヤベぇな盾なしの状態で便利屋の三人いる中25人倒してるとは
- 61二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 07:00:47
保守〜
- 62二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 10:30:07
紹介から一気見してきましたわ〜
筋の通った強気なお嬢様、良いですわね! - 63お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/10(木) 14:55:23
「な、増援!?ハルカはどうしたの……?」
想定外の合流にアルは戸惑う。
「しばらくお休みしていただきましたわ。」
カナデの返答にアルはギリリと歯を食いしばる。
僅かに戦闘不能を免れた傭兵たちは仲間の手当て等でとてもじゃないが戦力には見込めない。
~♪~♪
両者が睨み合う中17時を告げるチャイムが鳴り響く。
それを聞いた傭兵たちは「定時だから」と仲間を助け起こし方々に散っていく。
事実上の終戦。そんな空気が辺りに立ち込める。
「ふぅ、やめやめ。このままじゃ仮にここから逆転しても大赤字よ。」
アルはやれやれと言って銃を降ろす。
「お待ちなさい。」
踵を返し撤収しようとするアルをカナデは呼び止める。
「業務外となればわたくしたちと貴方たちに因縁は無い。そうですわね?」
「カナデ先輩、何を……。」
「カナデ、まさかとは思うけど。」
困惑するシロコとカナデの言わんとすることをなんとなく察したホシノは同時に声をかける。
「お夕食、食べていくといいのですわ。」
「はぁ!???」
驚きのあまり大声で叫ぶアル。
やれやれと顔を見合わせるホシノとカヨコ。
アル同様に面白いことを言うやつを見つけたと笑いだすムツキ。
食事と聞いて耳を立てるシロコ。
その全員を夕日が赤く照らしていた。 - 64お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/10(木) 14:58:38
※この後の為に生えてきた小ネタダイス。
カナデのグルメ度
dice1d60=12 (12) +40
カナデの料理スキル
dice1d100=69 (69) +グルメ度の半分(小数点以下切り捨て)
- 65お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/10(木) 15:01:17
※味にうるさいというほどでもないグルメ度52と補正いらなかったんじゃないかと言うほどの料理95…。
これお嬢様が料理作る流れですの? - 66二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 21:35:02
2年前も料理はカナデが作っていたんだろうか。
もしくはこの2年で腕を上げてきたのか? - 67二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 05:22:28
よく作る料理は何なのカナデちゃん?
- 68お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/11(金) 08:24:34
※お嬢様の料理歴
dice1d3=2 (2)
1.幼少期から
2.アビドス編入から(2年前)
3.アビドス離脱中
得意料理
dice1d5=3 (3)
1.和食
2.洋食
3.中華
4.家庭料理
5.何でもそれなりに
- 69お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/11(金) 08:31:36
※料理の傾向
dice1d3=3 (3)
1.割と本格派
2.家庭用お手軽アレンジ
3.気分次第でどちらでも
- 70お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/11(金) 08:44:05
※お嬢様きっとアビドスに居ない間に紫関が恋しくなって暇を見つけてはラーメン作ってた期間がありそうですわね…。
因みに料理数値はフウカやルミみたいな学生到達点レベルで120
プロ料理人クラスで150くらいを想定していますわー。
つまりお嬢様はまだ伸び代ありですわよー。 - 71お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/11(金) 09:24:58
その後気を失っているハルカを保健室に運び目が覚めたことを確認したのち。
カナデはホシノ、アルを連れて買い出しに出ていた。
「アビドスは財政難だと聞いていたのだけれど。こんな車両まで保有しているなんてね。」
カナデのカナデがハンドルを握るレガーツ1号の車内。アルは口を開いた。
「この子はわたくし個人の持ち物ですわね。あ、アヤネさんは少し教えたら器用に運転なさるようになりましたけど。」
「アヤネちゃんの操縦技術は凄いよねぇ。そのうち航空機なんかも飛ばせるようになったりして。」
なぜか自慢げなホシノはうんうんと頷く。
「そう……。それで?まさか本当に買い出しだけで互いのトップを連れだしたわけではないのでしょう?」
アルは真面目な声色で尋ねる。
「話が早くて助かりますわ。よく気づきましたわね?」
「まぁ、アウトローの勘ってやつかしらね。」
一拍の間をおいてカナデは話し始める。
「わたくしたちアビドスは少数。
わたくし達を本気で害そうとする勢力があるならばわたくしたちの目を盗んで盗聴器の1つや2つ仕掛けていても不思議ではありませんわ。
だからこうして外に連れ出したのですわ。」
「なるほどねー。おじさんそこまで気が回らなかったや。」
「……言っておくけど。登頂の危険が無いからと言って私が雇い主の情報をばらすことはないわよ?」
アルは釘を刺す。
「えぇ、それには及びませんわ。証拠が無いだけで大方の見当はついているのですわ。」
「ふぅん……。」
カナデは続ける。
「ですから、わたくしの提案は一つ。アルさん、貴方がわたくしたちを信じられると判断した時は。
わたくしに雇われ……。いえ、わたくしたちの側に鞍替えしてほしいのですわ。」
カナデが言いかけて飲み込んだ言葉をアルは指摘する。
「以外ね、私たちを買収して上から雇いなおす。その言葉を飲み込んだ理由を聞いてもいいかしら?」
「そうですわね。対等でありたい。雇い主と雇われという上下をつけたくないから……。ですわね。
無論お礼と言う形で報酬はお渡しするのでそこは安心してほしいのですわ。」
「おじさんもそれには賛成だよー。下手に契約なんて関係を作っちゃうときっとこの件が無事に片付いても軋轢が残る。」
カナデとホシノはあくまで友人であることを選んだ。 - 72お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/11(金) 09:26:38
「面白いわね。ただし、少し見極める時間を頂戴。私には私なりの責任がある。
あの子たち……。便利屋のメンバーを勝算も曖昧な場に連れ出したくはないの。」
「分かりましたわ。先にも言った通り、アルさんがわたくしたちを信じるに値すると判断できた時で良いですわ。
答えを急ぐつもりはありませんわ。」
こうして、アビドスとゲヘナ。学校の垣根を超えた交流が結ばれたのだった。
好感度発生
カナデ→アル
dise1d70= +30
アル→カナデ
dice1d100=12 (12)
- 73お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/11(金) 09:27:34
※ダイススペルミスったのですわー
dice1d70=70 (70) +30
- 74お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/11(金) 09:29:06
※?????お嬢様がアルちゃんに全幅の信頼を……?
これはアルちゃんの人の良さを完全に見抜いてますわね……。 - 75二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 19:47:00
保守ですわ
- 76お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/11(金) 21:50:47
キッと軽いブレーキ音を奏でトラックは停車する。
手分けして荷物を運び対策委員会、便利屋といつもより人数が多く賑やかな教室へ帰る。
「ただいまぁ~。」
「ただいま戻りましたわ。」
「帰ったわよ。」
三者三様にメンバーに声をかけ入室すると互いの近況やとりとめのない雑談で盛り上がる両メンバーと先生の姿があった。
カナデは真っ先に回復し話の輪に混ざっていたハルカの許へ歩を進める。
「ハルカさん……。と仰いましたわね?申し訳ないですわ。敵対していたとはいえ手酷い真似を致しましたわ。」
深く頭を下げるカナデ。
「い、いえ。謝らないでください。わ、わたしもあの時は本気で倒す気でしたから。負けてしまいましたけど。」
カナデの謝罪が意外だったのだろう、ブンブンと首を振るハルカ。
「お身体はもう大丈夫なのですか?」
「は、はい。頑丈さくらいしか取り柄が無いので……。」
ハルカが痛手を負っていないことに安堵するカナデ。
「それでは。皆さんをあまりお待たせするわけにもいきませんので、これから腕によりをかけてお食事をご用意いたしますわね?」
カナデは買ってきた食材を手に、今はキッチンとして使われている給湯室へと向かった。 - 77二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 08:41:05
お料理タイムだ
- 78二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 08:41:14
保守よ~
- 79お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/12(土) 08:46:03
~カナデのお料理タイム~
さて、今日のメイン食材は安売りしていた鶏胸肉ですわ。
人数が多いのでテキパキ進めていきますわよ?
わたくしの得手である中華風に仕立てていきますわ。
まずはペーパーを敷いたまな板の上にお肉を並べて軽く叩いていきますわ。
身が柔らかくなったところで水気を拭き取り一口大に切り分ける…、と。
切り分けたら別口で下味用のたれの調合ですわ。
調理種にお醤油、すりおろしのニンニクとショウガ、少々のごま油を加えよく混ぜ合わせたら、お肉を漬け込みますの。
袋に入れて揉みこむのが手っ取り早いですわね。
十分に馴染んだら薄力粉と片栗粉を1:1で投入。
全体に纏わせたらこれを揚げていきますわ。
ん?揚げるなら胸肉ではなくもも肉?
甘いですわね。確かにもも肉の方が脂の乗りはよろしいですが胸肉なれば安価に量が買えますわ。
そしてもも肉を使うよりくどくなくお肉本来の旨味も感じやすいのですわ。
揚げるときのワンポイントですわ!
高温で一気に揚げ切るのも悪くは無いのですがサクサクした口当たりを追求するのなら2度上げがおススメですわ!
まずは少し低めの160~170°の油でじっくり火を通しますの。
火が通ったら一度油から上げ冷めてしまわない程度に休ませておきますわ。目安としては3分程度ですわね。 - 80お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/12(土) 08:46:16
お肉を休ませている間に味の決め手であるタレを作っていきますわ。
長葱を刻み、お砂糖、お酢、お醤油、おろしショウガ、ごま油。
基本中の基本ですが料理のさしすせそはきちんと守るのですわ。
これで香味だれの完成ですわ。刺激が欲しい方は辛味としてコチュジャンを咥えるのもアリですわ。
それではお肉に戻りまして。
今度は180°の油でカラリと揚げていくのですわ。
「カナデ―。そろそろご飯が炊けるよぉ。うへ~いい匂い……。」
ホシノさんありがとうございますわ。
こちらも仕上げですわ。揚がったお肉の油を切ってお皿に盛って。
先程作った香味だれを回しかければ…。
わたくし特性。鶏のから揚げ油淋鶏風の完成ですわ!!
さて、皆様のご想像は当たりまして? - 81お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/12(土) 08:48:41
※随分丁寧にお料理してしまいましたわ……。
本業がそれ系統だとどうしても凝ってしまいますわね。
お料理レシピ解説スレではないのですわー。 - 82お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/12(土) 08:59:31
「さぁ皆さま。お待たせいたしましたわ。」
量が量だけにずしりと重みのある大皿を皆が待つテーブルの上に乗せる。
見た目もさることながら香ばしい香りにその場にいた全員がごくりと生唾をのむ。
「たくさん作ったので遠慮せずに召し上がって下さいな。
特に先生?貴方は忙しさにかまけて食事を疎かにしがちと小耳に挟んだのですわ。
せめてこういった時だけでもしっかり食べてほしいのですわ。」
"うん、そうだね。それじゃあみんなで一緒に。"
「「「「いただきます!!!」」」」
*美味しい食事と賑やかな会話。
これだけで明日の活力になりますわ!
それはさておき、明日からはまた情報収集になりますわね。
久々にブラックマーケットにでも足を運んでみようかしら? - 83二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 18:20:19
保守のカービィ
- 84二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 18:31:42
お料理解説読んでたらお腹空いてきたな
- 85お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/12(土) 22:45:22
~番外編~
-モモトーク-
・朝早くから失礼いたしますわ先生
今お手隙でしたでしょうか?
:おはよう、大丈夫だよ
どうしたの?
・実はエンジンオイルを切らしてしまって
注文はしてあるので今日アビドスにいらっしゃるときに受け取ってきていただけませんか?
:それくらいなら
お安い御用だよ
どこのお店?
・****商店ですわ。
馴染みの店ですのでわたくしの名前を出せば対応してくれるはずですわ
【カナデの絆ストーリーへ】 - 86お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/12(土) 23:24:11
EP.1 無防備なお嬢様
早朝、カナデに教えられた場所で品物を受け取りカナデが居るという体育館に顔を出した。
"居ない。"
辺りを見回すと体育館の隅に扉を見つける。
扉の上に貼られたプレートには体育倉庫、もう片方は体育教官室…それと。
"カナデの部屋?"
比較的新しいマグネットプレートが扉に貼られていた。
(扉をノックする)
「はぁい、今出ますわー。せ、先生!?」
扉が開き現れたのはジャージ姿のカナデ。
驚いた表情のカナデは部屋に引っ込んでしまう。
"頼まれてた物貰ってきたよ"
扉越しに声をかける。
「しょ、少々お待ちいただけますか?こんなに早くから来ていただけると思っていなかったもので。」
慌てた声とバタバタという慌ただしい音が帰ってくる。
「お、お待たせしましたわ。おはようございます、先生。」
1分程待つといつものように制服姿のカナデが出てくる。
"散歩がてらにね、迷惑だった?"
「め、滅相もありませんわ。だらしない姿を見せてしまい申し訳ありません。」
微かに頬を染めてあたふたするカナデの姿は新鮮だった。
"無防備なカナデも可愛かったよ。"
「む、そういうところですわよ先生。」
その後、車両整備しているカナデとの雑談を楽しんだ。 - 87二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 07:58:34
ジャージお嬢様は良い
- 88二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 12:14:33
学生だしな
- 89二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 21:11:58
ふと思ったけど、カナデはブラックマーケットをよく使うのかな?
- 90お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/13(日) 23:02:17
便利屋の一件以来アビドス高校とそれを取り巻く情勢は一種の小康状態になっていた。
自分たちが動くには情報不足。周りから何かを仕掛けられる様子もない。
度重なるヘルメット団の襲撃に辟易していたこともあってか対策委員会のメンバーは日夜金策に精を出しつつも各々の日常を楽しんでいた。
「カナデ―、どっか行くの?」
身支度を整えていたカナデを見かけたホシノはそう声をかける。
「あらホシノさん。ちょっとブラックマーケットにでも顔を出そうかと思っていましたわ。」
「カナデは本当にブラックマーケットが好きだよねぇ。」
「あんなところ好きではありませんわ、できる事なら関わりたくないのが本心ですわよ。
ただ……。良くも悪くも他所じゃ手に入らない物だったり情報だったりが手に入るので度々足を運んでいるのですけれど。」
「そっかそっかー。でもまぁ、程々にしときなよー?あの頃みたいにユメ先輩にお説教されちゃうかもよ~?」
ホシノの言う事ももっともである。ユメ在学中にブラックマーケットへの出入りをたしなめられたことは一度や二度では済まなかった。
「確かにユメさんの言う通り物騒な所ではありますものね。注意は致しますわ。」
ホシノと備品の在庫や物資の有無を確認したのちカナデは愛車を走らせる。
比較的安全な近場の駐車施設に車を預け徒歩でブラックマーケットの区画へと入っていく。
「今日は何か見つかるのかしら?」
dice1d10=10 (10)
1~3.めぼしいものは無いですわね。
4~6.「カナデちゃ~ん?」
7~8.何か視線を感じる……。
9.「クックック、これは奇遇ですねぇ。」
10.あれはまさか……。
- 91お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/13(日) 23:46:56
視界の端に捉えた人影、恰幅の良い大柄な男の後と追う。
*まさか、こんなところで見ることになるなんて。
全身から嫌な汗が噴き出す、逸る鼓動を無理やり押さえつけて呼吸を落ち着かせる。
気付かれてはいないはずだ、しかし注意への警戒を厳にする。
尾行がばれてることがあってはならない。
誘いこまれている可能性も捨ててはならない。
カナデは自分に向いている視線が無いことを神経質な程に確認し男の後を追う。
程なくして男は建物の中へ消えていった。
「銀行……。ですわね。」
男が消えていったのは【オクトパスバンク】と銘打たれた銀行だった。
「確かここはカイザーの下部企業…。」
嫌な想像が脳裏を駆け巡る。先程の男が単なる見間違いでただの一般人であることを切に願うカナデ。
「落ち着くのですわわたくし。早合点は命取りになる。裏を取らなくては……。」
周囲への警戒を切らないままスマホを取り出す。
画面に立ち上がったモモトークからホシノへのメッセージを開き短く文章を送る。
〈調べたいことが出来ましたので今日は戻りませんわ。〉
「今夜は長丁場になりそうですわね。」
そう呟き手近な潜伏場所を探し始めたカナデを見ることなく視ていた人物がいた……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「攻略法その1。真実は時として判断を狂わせる劇薬となる……。」 - 92二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 11:25:49
保守!
- 93二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 19:54:17
大丈夫かね
- 94お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/14(月) 23:47:17
※文章が上手く纏まらないので今日の更新はお休みさせて頂きますわ。大変申し訳ございません。
0時回っても深夜規制されていなければ更新できるかもですわー。 - 95二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 07:21:20
ほ
- 96お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/15(火) 08:23:13
ピコン♪とモモトークの通知音が鳴り意識が覚醒する。
「うへぇ~。寝ちゃってたかあ。今何時だろ?」
教室に差し込む夕日と時刻を確認してホシノはぐっと伸びをする。
「もうこんな時間かぁ。カナデは帰ってきてるかな…。」
スマホを手に取り新着のメッセージが入っていることを示すモモトークのアイコンに触れる。
「お~。カナデからだ。なになに~?」
〈調べたいことが出来ましたので今日は戻りませんわ。〉
「カナデ…?」
その一文を目にしたホシノは直感的に不穏なものを感じる。
バッと跳ね起きカナデがねぐらにしている体育教官室へ走る。
「1度戻ってきた…ってことはなさそうだね。」
朝にカナデを見送ったときから何一つ変化のない部屋を確認して情報を整理する。
何かしらのトラブルが起こったならばそれを簡潔に伝えてくるはずだ。
規模の大きい調査の場合自分に手助けを求めるはずだ。
しかしそのどちらもない。
「行かなきゃ……。」
ざわざわと胸騒ぎの止まない心を深呼吸で鎮め駆け出す。
段々と日が落ちていく夕刻の街並みを置き去りにするかのように疾駆する。
カナデが足しげく通うアビドス郊外のブラックマーケットならばそう遠くはない。
「私の気のせいであって……。」
この心のざわめきが杞憂であることを願いながらホシノは走った。 - 97出先お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/15(火) 09:33:29
勿体ぶっているかのようにじわじわと日が沈んでいく。
ひとつ所に身を潜め様子を窺う時間は実際より何倍も長く感じられる。
「ホシノさん、心配しているかしら?」
悪い事をしたと思う。しかしそれと同時に個人的な因縁に巻き込む訳にはいかないとも思う。
見張っている銀行から数名のグループが出てくる。
「あれは……やはり見間違いでは無かったですわね。」
数名の部下と思わしき人影を連れる大柄な男。
「カイザーPMC理事……。」
忘れようとしても忘れられない苦い過去。
過去落成の地位や利権を奪おうと画策し襲撃を企てた男。
失われてしまった両親の仇。
しかしそれだけならば、自分が目を瞑ればいい話。
キヴォトスに於いて武力抗争は日常茶飯事だ。
だが、もしも……。
『例の連中はまだ根を上げないのか?』
その一線を土足で踏み越えてくると言うならば。
『全くしぶとい連中だな。例の兵器の完成を急がせろ!』
容赦無く叩き潰す。
『忌々しいアビドスの連中め。』
ぶつん……。
理性で取り繕っていた平静が音を立てて弾け飛ぶ。
「ここで……全てを終わらせますわ。」
思考が殺意と憎悪に塗り込められていく。
「カナデ!!」 - 98二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 19:36:38
ほ
- 99二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 21:27:52
あっぶね
ホシノ間に合った? - 100二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 08:35:06
ほ
- 101二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 19:04:16
保守ですの
- 102二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 20:54:21
止まる?
- 103お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/17(木) 08:03:53
背中に軽い衝撃が走る。
驚いて振り向くと後ろには抱き着いたホシノの姿。
「ホシノ……さん?」
ホシノは泣きそうな顔でカナデを見つめゆっくりと言葉を紡ぐ。
「ダメだよ、カナデ。落ち着いて、銃を降ろして?」
「放してくだしなホシノさん、わたくしは冷静ですわ。」
「嘘、いつもの冷静なカナデならたとえ集中してても後ろから近付く私に気付かないはずがない。そうでしょ?」
言われてハッとするカナデだがそれで心に渦巻くどす黒い感情が消えるわけではない。
「ですがホシノさんここできれいさっぱり禍根を断ってしまえば。」
「残念だけどカナデ、カイザーは幹部一人をどうこうしたところで致命傷になる企業じゃないよ、悔しいけど。
それに、今は証拠が無い。迂闊に手を出してもカナデが追い詰められるだけだよ。」
ホシノの言いたいことは頭では理解できる……だが心がそれを拒む。
いっそ感情のままに全てを壊せと。覚悟を決めて修羅の道へ堕ちる決断をしろと。
「わたくし、わたくし……は。」
自分ではない自分からとめどなく発せられる黒い甘言と大切な友の言葉が胸の内でせめぎ合う。
気付けば血の滲むほどに強く握りしめた銃はその手から零れ落ち、行き場を探して宙を彷徨った手は自然とホシノを抱き返していた。
「ぅ……ああっ。ほ…しのさん。わたくし…、わたくし……っは。」
堪え切れなくなりボロボロと溢れ出す涙。
嗚咽交じりにすすり泣く声。
それをあやす様に背をさするホシノ。
「大丈夫だよカナデ。いつか私とユメ先輩をカナデが助けてくれた様に。
今度は私がカナデを助ける。私だけじゃない。対策委員会のみんなも、ユメ先輩も、先生だって力になってくれる。
カナデを苦しいままになんてさせない。だから今は帰ろう?私たちの、みんなが居るアビドスに。」
ホシノはちらりとあたりを窺う。カイザーの連中は疾うに去り、辺りに自分たち以外の気配はなかった。
泣きじゃくるカナデを決して話さないように優しく抱きしめ。ホシノは決意する。
「今度はこっちの番だ、カナデをここまで追いつめて泣かせた罪は。しっかりと払わせてやる。」 - 104お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/17(木) 08:29:49
ずっと気を張り詰めていたのだろう。
緊張の糸が切れてしまった瞬間に眠りに落ちてしまったカナデを背負い、トラックまで戻ってきたホシノ。
偶然にこのトラックを見つけられたから間に合った。一歩遅ければカナデはきっと後戻りが出来ない一線を越えてしまっていただろう。
「もしかしてカイザーの狙いはアビドスだけじゃない……?
以前カナデから聞いた幼少期の話、自治区を手に入れるためとは言え価値が高いとは言えないアビドス地区を執拗に狙い続ける不可解な行動。
「だとしたら……カイザーの裏で糸を引いてるやつが居てもおかしくはない……。のかな?」
情報が足りない以上、いくら考えても憶測の域を出ないことは分かっている。
自分も冷静じゃないなと自嘲し後部座席に寝かせたカナデの顔を覗き込む。
良く寝ている、その寝顔は安らかとはいかなかったが。
ヘルメット団の襲撃でドローンからカイザーの関与が浮上した一件以降カナデが眠れていないことに薄々と勘づいていた。
立場がらか手慣れた化粧で隠していた目元の隈に気付いていたのは恐らく自分だけではあるのだけれど。
「今晩はここで明かすことになりそう。」
器用に色々とこなすカナデとは違い自分に車両を運転する能力は無い。
ダッシュボードからカナデが常備している携帯食料を取り出しパサついたそれを齧る。
「カナデの料理を食べる前ならこれはこれで嫌いじゃなかったんだけどね。舌が肥えちゃったな。」
ホシノは思い出したかのようにスマホを取り出しメッセージを打つ。
〈先生、ごめんね。明日からすごく迷惑をかけると思うから先に謝っておくね。〉 - 105二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 13:15:40
セーフ
- 106二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 22:37:00
せっかく皆がいるんだしね
- 107二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 08:18:54
下手が運転すると危ないからね
- 108お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/18(金) 09:51:51
先の見通せない真っ暗な闇の中。
どこに向かっているのかも分からずに歩き続ける。
足を止めてはいけない、決断し掴み取ることを止めてはいけない。
-力には相応の責任が、代償が付き纏う。分かっていたはずでしょう?-
「えぇ、忘れてなどいませんわ。」
-だったら、こんなところで燻っていないで目覚めるのですわ-
あぁ、やはりこれは夢だ。目の前には自分が居る。
「そうですわね。わたくし自身が【決めた】道ですものね。」
-そうですわ、いずれその神秘の代償に我が身が焼かれる可能性など、疾うに覚悟しているでしょう?-
今はまだその時ではない、だが無限に時間があるわけでもない。
振り向けば遠目に光の差す場所が見えた。
塞ぎ込んでなんかいられない。
この物語にまだ結末〈オチ〉は要らない。
走り出すカナデを見送った人影は呟く。
ブルーアーカイブ
-落無き青天井の物語-
-今はまだ前を見て進みなさい。そして来るべき時にまた相まみえましょう。その時は夢ではなく現世で-
【数値上昇】
???:dice1d20=4 (4) +現在値26
- 109お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/18(金) 10:04:45
ゆっくりと意識が覚醒する。
見慣れた車内の内装に自分がトラックまで戻ってきていることを理解する。
「何か重いような…?」
自分の身体を確認して初めて、隣で抱き着いたホシノが寝ていることに気付く。
「ホシノさん、ずっと傍に居てくれたのですわね。」
心地いいような少し気恥しいような気がする。
子供のようにホシノに縋り付いて泣きじゃくった事を思い出し一人顔を赤くする。
「ありがとうホシノさん。お陰でわたくしはまた前に進めますわ。」
ホシノを起こしてしまわないように運転席へと移動しエンジンをかける。
静寂性に優れたエンジンが僅かに唸りゆっくりとアクセルを踏む。
「遅刻ですわね、これは。」
時刻は昼前を指していた、二人そろってアヤネにお小言を言われるだろうか?
小さく笑みを浮かべながらカナデはアビドスへの帰途に着いた。 - 110二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 21:18:40
よかった、落ち着いてた
- 111お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/18(金) 21:27:43
"ブラックマーケットの調査?"
昼過ぎに揃って現れたホシノとカナデの連名により急遽開かれた対策委員会の緊急会議。
その内容はブラックマーケット、ひいてはカイザーローンやカイザー下部企業のオクトパスバンクの調査をするべきという内容だった。
「そ、おじさんとカナデでこっそり動向調査をやった結果ヘルメット団のバックや便利屋のみんなに依頼を出したのはカイザーグループだって可能性が高かったんだ。」
ホシノは前日の出来事から必要な情報だけを対策委員会の面々に共有しこれからの行動指針を示す。
カナデとカイザーとの因縁等は今は秘匿するべきだと判断し触れないようにする。
"なるほどね。"
"先生としてはあんまり危険なことに手を出してほしくはないけど。"
"それが必要なことなら手伝うよ。"
「ありがとね、先生。あ、それと今回カナデは顔が割れちゃってるかもしれないからアヤネちゃんとサポートに回ってね。」
「分かりましたわ。」
これもホシノとカナデが事前に話し合って決めたことで淀みなく話は進む。
「それじゃあ決行は明日。いつものローンの回収車が来たらそれを追跡するところから始めよっか。シロコちゃん、使いそうなルートを割り出しておいてくれる?」
「ん、任せて。」
そこで会議はお開きとなりその日は各自自由行動となった。 - 112お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/18(金) 21:48:39
会議の後、対策委員会室にはホシノ、カナデの二人だけが残っていた。
「ごめんねカナデ、ホントは一番調査に行きたいはずなのに。」
「その話は良いのですわホシノさん。二人で話し合って決めたこと。実際私の顔が割れている可能性は高いですわ。」
二人背中合わせで座っていた。
互いの熱を、鼓動を分かち合いながら。
「今回わたくしは傍に居れないけれど。ホシノさんとあの子たちの帰ってくる此処を守っておきますわ。」
穏やかな、しかし芯のこもった声音。
「うん、私たちもきっと突破口を見つけて必ず無事に帰ってくるよ。アヤネちゃんをよろしくね。」
それきり言葉は無い。沈黙に互いへの信頼を乗せてゆっくりと時間が流れていく。
後にシロコ、ノノミが部屋へ訪れた時には二人はそのままの体勢で寝息を立てていたらしい。 - 113お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/18(金) 21:53:15
【カナデ、ホシノの好感度上限突破】
dice1d70=63 (63) +30
※上限突破分は共有値
- 114お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/18(金) 21:56:29
※お互い好感度193!?これもう結婚では…?
- 115二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 08:26:38
ツーカーの仲ってやつかね
- 116お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/19(土) 09:14:09
「それじゃあ、行ってくるね。」
ローンの回収車を見送り、こっそり仕掛けた発信機が機能していることを確認したホシノは。
シロコ、ノノミ、セリカと先生を連れ行動を開始する。
「向こうから報告があるまで私たちは待機ですね。」
事が事だけに緊張した面持ちのアヤネ。
「そうですわねえ、お部屋のお掃除でもしましょうか?」
「へ?そ、掃除?今からですか?」
「始まる前から気を張っていると疲れてしまいますわよ?沙汰を待つしかないわたくしたちは楽観的なくらいで丁度いいのですわ。」
突発的に始まる対策委員会室の掃除。
アヤネは戸惑いながらもカナデに倣って作業を始める。
無論、二人ともオペレーター用のインカムは着けたままではあるが。
「この部屋も生活感が出てますわねえ。」
各々が持ち込んだ私物、買い揃えてきた備品を丁寧に扱いながらカナデは呟く。
「ユメ先輩がいたころはまだ生徒会室を使っていたんですよね?カナデ先輩はそっちの方が馴染み深いですか?」
アヤネの些細な質問にカナデはうーんと首を傾げる。
「確かにわたくし、ホシノさん、ユメさんは生徒会室で過ごした時間の方が長いですわね。ただどちらの方が馴染み深いかと聞かれるとわかりませんわね。今となってはどちらにも思い入れはありますし。」
今では使われなくなった生徒会室はカナデとホシノが交代でたまに整理を行っている。
「アビドス生徒会は……。わたくしとホシノさんをメンバーとして形こそ残っていますが、今のアビドスの中核は間違いなく対策委員会ですわ。仮にどちらが大切かと問われれば対策委員会と答えますわね。」
アビドス生徒会ユメの代ではその役目を終えた。というのがカナデの認識だった。
今のアビドスには新しい芽が育ってきている。自分とホシノもいずれ卒業する。
2年生のシロコ、ノノミを始めとした後輩たちのためにできる限りのことをしたいと……。
きっと自分だけではなくホシノも同じようなことを考えているのだろう、とカナデはぼんやりと思うのであった。
【好感度上昇】
カナデからアヤネ
dice1d21=5 (5) +現在値79
アヤネからカナデ
dice1d70=26 (26) +現在値30
- 117二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 21:14:04
保守
- 118お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/20(日) 08:02:26
※朝は保守のみで失礼しますわ。
- 119二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 16:06:02
仲良し!
- 120二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 21:54:05
改めて数字並べるとカナデちゃん後輩好き好きやな
- 121お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/21(月) 05:48:35
「……。で、どうしてそんな話になっているんですの?」
通信機越しの会話、待っていた報告が聞けたと思った矢先に告げられたこの後の行動方針にカナデは思わず頭を抱える。
「わたくしが行くと顔が割れていて危ないかもしれないから待機、それはもっともですわ。
それでわたくしが居ないところで危険な行動をするとなると話が変わりますわよ?」
にこやかなカナデの表情とは裏腹に発せられる空気は突き刺すような冷たさを伴っている。
「ま、まぁまぁカナデ先輩。ホシノ先輩たちも悪気があって言ってるんじゃないですし。」
その雰囲気に圧され普段は説教に回る側のアヤネが仲裁に入っている。
「ん、でもどう考えてもこれが一番確実。銀行を襲う。」
「し、シロコちゃん~後でカナデに怒られるのおじさんなんだけど~。カナデが本気で怒るとすごく怖いんだよ~。」
意見を曲げる気配がないシロコと後のことを考え冷や汗が止まらないホシノ。
「わ、私は先輩たちの決定に従うだけだからね?」
「あらあらセリカちゃん。さっきは割とノリノリだったじゃないですか~。」
思わず矛先から逃れようとするセリカと逃げ道を塞ぐノノミ。
「はぁ……。少し考えますからまだ動くんじゃありませんわよ?」
大きくため息をつき天を仰ぐカナデ。
想定される彼我の戦力差、所要時間、逃走経路、先生の安全確保。
想定内から想定外まで考えに考える。
「アヤネさん、レガーツ1号でこのポイントまで支援に出ていただいてもよろしいですか?」
さらさらと手帳に手書きの地図と各ポイントの注意点、作戦の注釈を書き込み車両の鍵と共にアヤネに手渡す。
「この短時間でこんなに詳細な地図と注釈まで!?」
アヤネは驚きの声を上げる。短時間で書き上げたはずの地図には細かな路地や時間帯別の通行量。
果てには不良たちの抗争で通行不良を起こす可能性とその場合の迂回路まで細かな情報が満載されたものだった。
「やるからには徹底的に安全に、ですわよ。先生の安全が最優先、アヤネさんが現地へ到着するまで動かない事。いいですわね?みなさん?」
こうして、対策委員会による銀行襲撃が開始されることとなった。 - 122二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 10:20:11
ん、銀行を襲う
- 123お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/21(月) 20:54:28
「ええと、その。ヒフミさん……。決行直前になって言うのもアレですが…。本当にこんなことに付き合ってよろしいんですの?」
アヤネの到着を待っていたホシノ率いる現地組はチンピラに絡まれていたトリニティ総合学園の生徒であるヒフミを助けた。
度々ブラックマーケットに出入りするというヒフミを現地の案内人として(半ば強制的に)連れ歩き目的地付近に潜伏、今に至っている。
「あ、あはは。こうなったら最後までお付き合いします。」
対策委員会のメンバーは事前に用意していた覆面を、ヒフミは即席で覗き穴を開けた紙袋を被っていた。
「やっぱりやるんですのね、【覆面水着団】……。」
「ほら、通信機越しとはいえカナデも何か準備しないと。」
最早ノリノリと言った様子のホシノに言われカナデが取り出したものは……。
dice1d3=3 (3)
1.無難に覆面
2.その辺に転がっていたバケツ
3.出処不明の蝶マスク
- 124お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/21(月) 20:55:20
※やりましたわお嬢様
- 125お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/21(月) 21:08:10
「これで宜しくって?」
カナデが取り出し着けて見せたのは【6】とナンバーが振られた蝶を模した仮面だった。
「覆面水着団仮面の参謀長パピオンとはわたくしの事ですわ!!」
半ばやけくそ気味に言い放ったカナデに対しおぉ~。と感嘆の声を上げる一同。
「こちら0号。回収ポイントに到着しました。」
「ありがとう0号さん。それでは皆様指令ですわ。皆さんの居るポイントαから銀行を襲撃。
目的の物を入手したらポイントβまで退避。
そうしたらわたくしが遠隔でトラックの誘導弾を撃ち込みますのでその混乱に乗じてトラックのあるポイントcまで行き合流。
トラックが離脱地点であるポイントδを過ぎるまでは追手がある可能性を考慮してくださいな。」
「「「了解。」」」
カナデの作戦に一同が返し覆面水着団の初陣となる銀行襲撃作戦が始まるのだった。 - 126お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/21(月) 21:32:17
銀行襲撃は迅速に済み、襲撃開始から目的の奪取、撤退までが5分とかからずに済み颯爽と姿を眩ませる……。
筈だったのだが。
「どうして……。どうして……ッ!!マーケットガードを待ち伏せて全滅させるなんていう事をしでかしてくれたんですの!!」
アヤネの運転するトラック。
その幌付きの荷台部分で通信機越しにカナデは吠えていた。
「いやぁごめんごめん。つい熱が入っちゃって。」
「ん、これで覆面水着団の名声は不動になった。」
「クリスティーナも満足だお♧」
「あはは…ごめんなさいナギサ様……。」
ちゃっかりお説教を逃れて運転席側へ乗車したセリカと先生、運転手であるアヤネを除いた4名は言い訳だったり完走だったりとたいそう盛り上がっていた。
「はぁ……。それよりも目当ての物はありましたの?」
「ん、集金・出金記録の書類は手に入った。あと、銀行員が勘違いして詰めた1億円。」
「お金はどうでもいいですわよ。カバンごとその辺に棄ててしまうといいですわ。持っていてもどうせ厄介のタネが増えるだけですわ。」
「それにはおじさんも同感かなあ。」
「ん、わかった。」
丁度路肩にあったゴミ捨て場にシロコはカバンごと大金を投げ捨てる。
後にそのことを知ったセリカが勿体ないと嘆くのだがそれはまた別の話。
「それでは今後のことを考えるついでにご飯にいたしますわ。わたくしも向かいますので皆さんはそのまま紫関ラーメンへ。ヒフミさんにもご迷惑をおかけしたので是非ご馳走させて下さいな。」
通信を終え先程までつけていた仮面を弄ぶカナデ。
その表情は厳しい物だった。
「どうせいるのでしょう?わたくしは早く合流しに行きたいので手早く済ませて頂けますの?」
その言葉を合図に対策委員会室の扉が開く。 - 127二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 08:02:54
お蝶婦人…!
- 128お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/22(火) 08:50:17
「クックック、気付いていましたか。」
黒いスーツ。白焔を宿した双眸。
予想していた通りの人物にカナデは辟易する。
「こんなところまで出張ってくるなんてよほど暇ですのね【黒服】」
「此処のところ貴方は一人でいることが少ないのでこうでもしないと接触できないのですよ、落成カナデ。
まぁ、出向いて正解ではありましたねぇ。まだ【ソレ】を持ち続けているとは思いませんでした。」
黒服はカナデの手の中にある仮面を指して言う。
「わたくしがこれを手放すなんてありませんわ。お母様の形見ですもの。」
「確かに貴方の御母上は常にそれを携帯していましたねえ。
当時生徒でもあり【ゲマトリア】でもあった貴方の御母上は。」
「事実とは言え貴方が我が物顔で【ゲマトリア】を語るのは業腹ですわね。
お父様とお母様が所属していたころと今の貴方達では何もかもが違うでしょう?
すくなくとも昔の【ゲマトリア】は【崇高】へ至る研究こそすれど自分達の研究のために他者をその他大勢と断じて蔑ろにする愚者の集団ではなかった筈ですわ。」
キヴォトスの外からやってきた父とキヴォトスの生徒であった母。
二人は次第に自欲を満たすだけの過激な研究者集団に移り変わっていくゲマトリアを見限り離反した。
この仮面は母が素顔を隠すために着けていたものだった。
「ふむ。生徒たちのなかでは貴方が一番こちら側だと思っているのですが……。
この反応だと我々に組していただくことは出来なさそうですねぇ……。」
質の悪い冗談だと切って捨てようとしたカナデの返答は遮られることになる。
"私の大切な生徒に胡散臭い勧誘をするのは止めて貰えるかな?" - 129お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/22(火) 09:14:12
「先生……。どうしてここに?」
予想外の人物の登場に困惑するカナデ。
"虫の知らせってやつかな?忘れ物ついでにカナデを迎えに行くって言ってみんなとは別れたんだよ。"
相対するカナデと黒服の間、黒服の前に立ちはだかるように先生は立つ。
「クックック……。初めまして、貴方が【先生】ですか。お噂はかねがね。
【神秘】を研究し【崇高】に至る為の機関、【ゲマトリア】所属。黒服と呼ばれております。お見知り置きを。」
"ご丁寧にどうも。悪いけど仲良くは出来そうには無いかな、話を聞いている限りだと。"
「立ち聞きですか。まあ、良いでしょう。そもそも今日は別件できただけですから。」
"要件があるなら私が聞くよ。もっとも、聞くだけだけどね。"
「これは手厳しい……。」
先生と黒服、静かな会話の中に見え隠れする重苦しい雰囲気にカナデは口を挟めなくなっていた。
*これが【大人】の会話。わたくしでは背伸びしたところで太刀打ちできる気がしませんわ、悔しいですけれど。
「では、手短に済ませると致しましょう。かつて我々ゲマトリアから追放された人物がアビドスの地で秘密裏に動いているらしいです。
元、とは言え知らぬ存ぜぬを通して後に非難を受けたくは無いのでお伝えする事と致しました。危険な人物ですから精々お気をつけて。
それでは私はこれで……。恐らくはまたお会いしましょう、落成カナデ。それと先生……。」
それだけを告げると黒服はあっさりと背を向け去っていった。
立ち込めていた重苦しい雰囲気は霧散していく。
"ごめんねカナデ、余計な御世話だったかな?"
「そんなこと……。ありませんわ!!ごめんなさい先生、厄介なことに巻き込んでしまって。」
"それは気にしないで。"
"好きでやってることだから。"
ポンポンと頭を撫でられる。改めて敵わないな……。そうカナデは思った。 - 130二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 15:33:39
よかった
- 131二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 21:09:14
とりあえずもう一安心
- 132二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 08:23:02
保守しよう
- 133二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 14:22:47
敵だと面倒だなぁ黒服
- 134二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 20:27:39
保守
- 135お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/23(水) 22:11:16
「遅いよ~二人とも。」
紫関ラーメンへと到着した二人を出迎えた対策委員会の面々と協力者のヒフミ。
「あら、申し訳ありませんわ。身支度に少しかかってしまって。」
「あれ?カナデ、何かあった?」
カナデの表情や纏う雰囲気から違和感を感じ取ったホシノは首を傾げる。
「いえ、特に何もないはずですわよ?」
「う~ん。おじさんの気のせいだったかな?それじゃ気を取り直して。今回の立役者で我らがリーダーのヒフミちゃん、乾杯の音頭よろしくー。」
「えぇ!?私ですか?そ、それでは。作戦成功に乾杯。」
各々がそれに倣いコップを掲げる。
流されて貧乏くじを引いてしまう性格なのだろうとカナデはヒフミを称した。
"それで、書類の方はどうだったの?"
先生の疑問にアヤネが答える。
「はい、私たちの予想通り。私たちアビドスから回収したローンの一部がヘルメット団や過激派な不良グループに流れている証拠となる内容が書かれていました。」 - 136二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 08:41:17
証拠ゲットだぜ
- 137二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 13:56:03
これが押さえれれば後はこっちのものよ
- 138出先お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/24(木) 19:57:07
「まぁ、とは言えこの紙切れ1枚で全てが解決…という訳には行きませんわ。」
ラーメンを食べつつ頭の中で算板を弾き、その上で会話にも加わる。
器用な真似をしていたカナデが話の中心を引き継ぐ。
「どうして?少なくともコレがあればカイザーを糾弾してアビドスへの攻撃を止めさせられるんじゃないの?」
セリカが口を挟む。
「私たちが糾弾したところでカイザー程の大企業であればどうとでも言い訳は付きますわ。
例えばわたくし達が支払いを渋ったから外部からローンの回収班を雇った、交戦になったのは想定外だ。
そう言われただけでわたくしたちの動きは封殺されかねませんわ。」
もとよりブラックマーケットにまで活動の手を広げている連中だ。
真当な対処法が通用するとは思えない。
「それでは銀行強盗なんて危険を冒してまで皆さんが手に入れたのはカイザーが関与しているって情報だけなんですか?」
ヒフミは沈痛の面持ちで尋ねる。
「ふふ、お任せなさい。わたくしに策ありですわ。きっちり反撃して差し上げますわよ。」
カナデは不敵に笑うのだった。 - 139お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/25(金) 01:11:13
カナデは店内に自分達しか客が居ないことを確認し続ける。
「コレの重要な部分は実はお金の動きの部分ではないのですわ。
一番重要なのは此処。」
カナデは書類の右下を指す。
「承認欄……。ですか?」
「その通りですわアヤネさん。では、ここからどんな情報が抜けるか分かりますか?」
"あぁ、成程ね。カナデは策士だね。"
先生は合点がいった様子でカナデを称賛する。
「どういう事?」
シロコが要領を得ないといった顔でカナデに問う。
「説明いたしますわね。責任者、カイザーPMC理事。カイザーPMCはカイザーグループの軍需産業部門の中心会社ですわ。
この部門には警備会社や兵器生産会社。平たく言えばカイザーArsenalが含まれていますわ。」
「ん!!カタカタヘルメット団が襲撃に使っていたドローン!」
「正解ですわシロコさん。今まで不明瞭だった情報の断片がここで全て繋がるのですわ。」
「セリカちゃんを襲うときに使った違法兵器とかもカイザーが直接渡してたんだねー。」
ホシノは出所不明だった兵器類も同じルートで動いていたと結論付ける。
「恐らくそうですわね。これでわたくしたちは戦う相手がなんなのか、それとその規模がどれくらいなのかを推察できるようになりましたわ。
相手を理解しないままでは作戦も立てられませんからこれは大きなアドバンテージですわ。
それとこの書類のもう一つの使い道。ある意味ではこちらが本命ですわね。」
「あ、わかりました。大義名分と正当性ですね?」
ヒフミは律義に手を挙げて答える。
「ヒフミさん100点ですわ。流石はトリニティの生徒ですわね。
そうですわ。この書類はあちらが明確に敵意を持ってわたくし達アビドスに対して侵略行動を起こしたという証拠になりますわ。
これでわたくしたちはカイザーに攻撃しても第三者から非難されない正当性を手に入れたのですわ。
仮に無効に大きな被害が出ても正当防衛と言い張ることが出来るのですわ。」
とはいえ、自分達から仕掛けるリスクはまだまだ大きい故にしばらくはカイザーの動向を探る。
という方針で纏まり各々の自由な時間ができたのだった。 - 140二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 08:38:42
正当性は大事だからね
- 141二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 18:59:56
ほ
- 142二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 06:10:11
あさのほ
- 143二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 14:15:24
このレスは削除されています
- 144出先お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/26(土) 14:29:42
ーモモトークー
先生
明日のご予定はございますか?
カナデ?
明日は空いてるよ
何かあった?
大した様では無いのですが
お買い物に付き合っていただけませんか?
先生が良ければ…で構いませんわ
大丈夫だよ
どこに行けば良いかな?
!!
ありがとうございます
ではお昼前に、D.U.地区の駅前で落ち合いましょう
分かった
楽しみにしてるね
えぇ、是非
私も楽しみにしていますわ
【カナデの絆ストーリーへ】 - 145二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 01:46:04
保守
- 146二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 09:52:26
お買い物だ
- 147二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 20:48:25
今度は何買うんだ
- 148お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/27(日) 22:31:20
EP.2 お嬢様の素顔
カナデに言われた集合場所にやって来た。
予定よりも随分早く到着してしまったのだが……。
「先生!お早いお着きですわね?」
予想に反して既にカナデは居た。
"おはよう、待たせちゃったかな?"
「いえ、わたくしも今来たところですわ。気が急いてしまって、お恥ずかしいですわ。」
"今日は何を買いに来たの?"
カナデは計画的な子だ、学校の備品だったり装備だったり、事前のリサーチをしっかりしている印象がある……のだが。
「じ、実は。特に何も考えていないのですわ。」
予想外の答えだった、よく見ればいつもの制服姿ではあるがうっすらと化粧をしているしどこかそわそわしている。
"そっか。"
"じゃあ今日は息抜きデートだね。"
「!!先生もお上手ですわね。」
パッと花が咲いたような笑みを浮かべるカナデ。小さくガッツポーズをしていたのは見なかったことにしよう。
-アパレルショップ-
「こちらはどうですか、先生?」
"うーん、私にはちょっとカジュアルすぎるかなぁ。"
「あら?いつもスーツ姿ですから新鮮味があってよろしいのではなくて?」
"じゃあ逆にカナデはコレとか?"
「わ、わたくしにこんな可愛らしいものは似合いませんわよ?」
お互いの服を選び合ったり。
-ペットショップ-
「この子ホシノさんに似ていますわ。」
"ほんとだ、このやる気のなさそうな表情なんかすごくホシノっぽい。"
ショーケースで戯れている動物を眺めたり。
-スイーツカフェ-
「では、この【魅惑の10段パンケーキ】を2人前。」
"カナデ!?私はそんなに食べられないよ?"
カナデおススメのスイーツを二人で堪能するうちにあっという間に時間は過ぎて行った。 - 149お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/27(日) 22:31:32
「先生。今日はお付き合いいただきありがとうございました。」
"うん、私も楽しかったよ。それに……。"
「?」
"少しほっとしたかな。"
"いつも大人びているカナデも。"
"ちゃんと可愛い女の子な一面があるんだなって。"
「先生……。わたくしには良いですけど他の子に同じようなことを言うのは控えたほうが良いですわよ?
きっと勘違いさせてしまいますわ。」
"うーん"
"勘違いなんかじゃないよ。カナデは凄く魅力的な女の子だ。"
「せ、先生……。」
カナデの顔が赤くなっているのは、きっと夕日のせいだけではないだろう。
「わたくしも、まだまだ精進しますわ。先生の様な魅力的な殿方に並んでも恥ずかしくないように。」
それだけ言うと俯いて赤くなってしまうカナデ。
その後、たまたま出くわしたホシノにからかわれて二人揃って赤面したのだった。 - 150二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 06:40:32
ほ
- 151二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 11:58:07
そういう日もある
- 152お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/28(月) 16:31:45
ー時は少し遡り。
〈……。と言う訳だ。結果的に騙した形になってしまって悪いが依頼は達成された。謝礼は指定の口座に振り込んでおこう。〉
「…。そう、じゃあこれで私たちとの契約はここまででいいのね?」
〈あぁ、ご苦労だった便利屋の諸君。また何かあった際には声を掛けさせてもらおう。〉
通話が切れる。
スマホを手放したアルは椅子に深く腰掛けて天井を仰ぎ見る。
「はぁ…。」
思わずため息が零れる。
「社長。依頼者は何だって?」
その様子にカヨコは首尾を尋ねる。
ムツキとハルカもアルの言葉を待ちつつ装備の手入れをしていた。
「私たちをぶつけた真の目的はアビドスの戦力把握の為でそれ自体は完遂された。
アビドス占領完了の追加報酬はないけど依頼量自体は振り込むそうよ。
当初の金額からは目減りするらしいけど。」
「ふーん、要するに体よく使われちゃったってことか。
やり手のカイザーらしいと言えばそうだけど、気持ちのいいものでは無いね。」
「ふふーん?アルちゃん騙されちゃったんだぁ。」
「アル様を騙すなんて……。私が行って爆破してきましょうか?」
三者三様の反応を返す便利屋の面々。
「ハルカ、止めておきなさい。真意を読めなかった私の落ち度よ、悔しいけど今回は向こうが一枚上手だったわ。
…それに目減りとは言ったけど纏まった収入も入るししばらくは家賃で困ることは無いわね。」
既にアルの興味は別に移っているらしくその声に怒りの感情は感じられない。
「アル様がそうおっしゃるなら。」
それを見てハルカも留飲を下げた。
「気になるの?アビドスの子たちが。」
カヨコは続けて尋ねる、察しのいい彼女はいつも真っ先に自分の考えを代弁してくれる。
「気にならないといえば嘘になるわね。ご相伴にも預かったし。」
買い出しにかこつけたホシノ、カナデとの密会を思い返す。
改めてフリーになった今彼女たちの側に着くというのも無理な話ではない……。のだが。 - 153お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/28(月) 16:57:34
「出るわよ。アビドスの動向を探りに。」
「やっぱり気になるんだ~アルちゃん。」
退屈しなさそうだと楽し気なムツキ。
「まぁ、私も気にはなってるし。」
既に準備を終えているカヨコ。
「ごはんの恩もありますしね。」
すぐさまアルの傍らに付き従うハルカ。
この先アビドスの面々と手を組むことになればカイザーと敵対することになるのは明白。
その危険に自分を慕ってくれているこの子たちを巻き込んでもいいものかと悩んでいたアルはアビドスを見極めることにした。
ーーーーーーーーーーーー
「あの子たち……。ぶっ飛びすぎじゃない?」
「うひょー。やっるぅ!」
「あの連携力。5分足らずでやり切って逃走する統率力。おまけにマーケットガードが相手にならない戦闘力。凄いね。」
「どうしますアル様?接触してみましょうか?」
対策委員会がブラックマーケットの銀行を襲撃するという情報を掴み偵察に来ていた便利屋一同は遠巻きにその一部始終を見ていた。
そしてアルは……。
目には目を、歯には歯を。無慈悲に、孤高に、我が道の如く魔境を行く?
あの子たち……最ッ高にアウトローじゃない!?
「覆面水着団…。やるじゃない、気に入ったわ。」
見事に心を奪われていた。
「アレこそが在るべきアウトローの姿よ!!」
「わぁ、アルちゃんがもろに影響受けちゃった~。」
驚愕の表情のアルに心底楽しそうなムツキ。
「?あの子たち何か捨てて行ったよ?」
車両から投げ捨てられたバッグに気付くカヨコ。
「なんでしょう?拾ってきますね。」
人目に付かないうちに回収に向かうハルカ。 - 154二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 20:03:56
気付かないアルちゃん
- 155二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 06:56:00
ほ
- 156出先お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/29(火) 16:59:03
夕保守ですわ
- 157お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/29(火) 22:52:59
「アル様、拾ってきました。どうしましょうコレ。」
カバンを回収したハルカが戻ってくる。
「変装道具か何かかしら?証拠に繋がるかもしれないからこっちで処分してしまっても良いけれど…。」
アルは周囲を見渡す。
「少ないとはいえ人通りがあるわね。一度事務所に戻ってから中身を検めましょう?」
その言葉で帰路に着いた。
その後事務所でカバンから溢れてくる札束にアルは絶叫したのであった。
「な、なななな…なんですってぇぇ~~~!!!」 - 158二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 08:28:52
やはりこうなる定め…
- 159お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/30(水) 08:30:02
そして時は現在に戻りアビドス高等学校。
「平和…。とはまだ言えないですけどゆっくりできる時間は良いものですわね。」
日の出の頃、自治区内のパトロールを終え戻ってきたカナデは対策委員会室で珈琲を片手に日報をまとめていた。
朝の静謐な空間に誰かが廊下を歩く足音が聞こえてくる。
「あら?こんな朝早くに……。」
ガラガラ。と引き戸が開けられ足音の主が姿を現す。
「戻ってたんだねぇ。おはよぉ~。」
「あらホシノさん、珍しいですわね。こんな時間に。」
ホシノは眠そうな表情こそしているものの、以前は度々見受けられた目元の隈もなくよく眠れている様だった。
「カナデが夜のパトロールをローテーションしてくれるおかげでぐっすり寝れてるからねぇ~。いつもありがとね。
ふわぁ~、それでも朝は眠いんだけどねぇ~。」
僅かな照れ隠しを含んだ大欠伸にクスっと笑みを零したのちにカナデは自身の膝をポンポンと叩く。
「ほら、ホシノさん?寝癖が付いていますわよ?」
招かれるままにカナデの膝上に収まったホシノ。その綺麗な桃色の長髪にカナデは手櫛を通していく。
「いやぁ、カナデには世話を掛けっぱなしだねぇ。」
「それはお互い様ですわ。わたくしもホシノさんに助けられてばかりですもの。」
徐々に昇っていく朝日に照らされた室内。
お互いに多くは語らずとも心の深いところで通じ合えていると思える満ち足りた時間。
時々どちらともなく他愛もない雑談を口にしながら二人の時間はゆったりと過ぎて行った。 - 160お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/30(水) 19:48:35
「そういえばさ。」
ホシノは切り出す。
「おじさんやユメ先輩のことは何度も話してたけど、カナデの話ってあんまりしたことなかったよね?
帰らずにずっと体育館の一室で寝泊まりしてるけど前にちょっと言ってたメイドさんとか爺や?さんとかは心配してないの?」
カナデの身の上話は昔の物を二つ三つ聞いた程度だったと思い至ったホシノは尋ねる。
「そうですわねぇ。あまり話す機会が無かったというのもあるにせよ……。」
カナデも言われてみれば、と言った体で話し始める。
「結論から言ってしまえば問題は無いですわね。使用人やメイドたちには暇を出してしまいましたし。爺や……。
爺やと言うと老齢の殿方を連想すると思いますわ。
ですがその実わたくしが幼いころに勘違いで呼んでしまって定着しただけでわたくしやホシノさんと同い年の学生なのですわ。」
「へ?」
予想だにしなかった事実にホシノは目を丸くする。
「彼女はわたくしと違い住まいがアビドスではなくトリニティなのでそちらに通っていますわね。
つまりわたくしの自宅は誰もいない状態ですわ。時々爺やが掃除をしに行っているとは聞いていますが。」
「ほへぇ~。いつかその子とも会ってみたいねぇ。」
「そうですわねぇ。折を見て皆をわたくしのお家に招待するのも面白いかもしれませんわね。」 - 161二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 06:27:34
ほ
- 162二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 07:58:19
ほ
- 163二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 14:08:20
ほぼあだ名だったか
- 164出先お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/10/31(木) 20:28:36
"おはよう、ホシノとノノミだけ?"
「おはよ先生、さっきまではカナデも居たんだけど出掛けちゃった。」
ノノミに膝枕をされていたホシノはむくりと起き上がり答えた。
「最近自由な時間が取れるようになったので皆やりたいことをやっているんだと思います。」
「アヤネちゃんは図書館で勉強、セリカちゃんはアルバイト。
シロコちゃんはトレーニングかライディングかな〜?」
ノノミの言葉にホシノが付け加える。そして…。
「おじさんはお昼寝してくるねー。」
そう言い残しホシノも部屋を出ていく。
"?"
その横顔が若干曇っているように思えた先生は首を傾げた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「……。」
校門を出て1度校舎を振り返ったホシノはそのまま何処かへと向かっていった。 - 165二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 20:31:57
- 166二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 22:40:21
まぁ言いたいことは分かる
- 167出先お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/01(金) 00:09:42
- 168二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 08:53:33
はぁい
- 169二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 14:33:50
このレスは削除されています
- 170二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 23:32:07
保守ですわ
- 171二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 08:33:32
ホシノはやっぱり一人で行っちゃったかな
- 172お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/02(土) 10:08:48
光源の乏しい部屋。デスクに鎮座する男。
招かれざる客は男の背後で銃を握っていた。
「貴女から訪ねてくるなんて珍しいですねぇ。小鳥遊ホシノ。」
後頭部に突き付けられた銃口を意に介さず男……。黒服は上機嫌に嗤う。
「聞きたいことがある。それさえ聞ければ直ぐにでも帰るよ。」
「ほぅ?まぁいいでしょう。話せる範囲でならなんでも答えましょう。」
「カイザー。裏で手を引いてるのは黒服?」
「クックック……。何故そう思ったのか尋ねても?」
「質問してるのはこっちなんだけど。……カナデ一人に対してやけに有利な手口ばかりだからだよ。
カナデと接触したことのある相手は限られてる。」
「ふむ、答えは否。ですねぇ……。」
「そう、邪魔したね。」
答えを聞いたホシノは立ち去ろうと黒服に背を向ける。
「小鳥遊ホシノ。私は一度表舞台から離れます。そうそう会う事も無くなるでしょう。
無論、観測者として貴女方の行動は見させて貰いますが。」
「ふぅん?その胡散臭い顔を見なくて済むなら清々するよ。」
ホシノの皮肉にもどこ吹く風と言った様子の黒服は続ける。
「ですので、決して無視できない忠告を一つ。脅威とは、悪意とは。自分たちの手の届く範囲のみから発せられているとは限りませんよ?」
「それはどういう……。」
その言葉の真意を問いただそうと振り向くホシノ。
しかしそこに居たはずの黒服の姿はすでに消え失せていた。
「私たちが気付いていない私たちの敵……。か。」
部屋を後にしたホシノは誰に向けるでもなく呟く。
「うん、今は帰ろう。私たちの居るべき場所に。」 - 173お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/02(土) 10:31:22
同時刻。
ミレニアムのとある施設にカナデの姿はあった。
「それで、これを預かればいいの?カナデちゃん。」
「えぇ。宜しくお願いしますわユメさん。もし近いうちにホシノさんが訪ねてくることがあれば渡してくださいな。」
研究施設の休憩室の一角。いつも通りの服装の上から白衣を羽織ったユメと向かい合って座るカナデ。
「うん、いいよぉ。ホシノちゃんやカナデちゃんの為ならそれぐらいお安い御用だよ。」
ミレニアムサイエンススクール研究生。それが今のユメの肩書だった。
各校の卒業生を対象に自治区への招待。より専門的な研究を行うための制度。近年三大校を中心に広まりつつある制度を利用してアビドス地区の砂漠化を研究する。それがユメが見つけた道だった。
「ごめんねぇ、最近忙しくって。折角カナデちゃんが帰って来たのに学校に顔を出す暇もなくて。」
「お気になさらずユメさん。わたくしもこうして急に押しかけてしまって申し訳ありませんわ。」
和やかな会話から一転、少しだけ真面目な顔つきになったユメは尋ねる。
「カナデちゃん。今危ないことしようって考えてるでしょ?」
「ユメさん……。」
図星を刺される。現状を打破するためには多少の危険に身を投じることも止む無し。
そう考えていたカナデは返事に困る。
「止めたりはしないよ?それがカナデちゃんが決めたことだったら。
でもね、もしカナデちゃんやアビドスのみんなで手に負えないって思ったら遠慮なく頼って欲しいな。私はこれでもみんなの先輩だからね?」
「ユメさん……。ありがとうございます。」
その後、互いの近況を報告し合ってアビドスへの帰路に着く。
そのカナデの横顔は何かの決意を秘めていた。 - 174二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 20:41:39
皆頑張ってるね
- 175二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 08:07:58
ho
- 176二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 18:24:11
syu
- 177二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 02:54:32
このレスは削除されています
- 178お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/04(月) 09:01:15
ほ、保守ですわ。
保守だけでスレが埋まっていく瞬間が辛すぎますわー。
今晩には更新を……。 - 179二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 18:00:48
お待ちしておりますですわ
- 180二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 21:33:23
ユメちゃんが平和だからOkです
- 181お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/04(月) 23:18:14
「お?カナデも今帰り?奇遇だねぇ。」
「あらホシノさん。見回りですの?」
「ん~?おじさんもちょっと野暮用でね、今帰りだよ~。」
見慣れたアビドスの市街を並んで歩く。いつもと変わらない穏やかな昼下がり…。
の筈なのだが……。
「……ホシノさん。」
「うん、何だろうねこの感じ。」
何とは言えないが違和感がある。空気がぴりついているというか、燃え上がる前の不気味な静けさと言うか。
「特におかしなところは無いように見えますわね。」
「うん、でも何か違和感がある。それが何なのかはわからないけど…。」
招かれざる得体のしれない何者かが入り込んだような感覚。
「どうするカナデ?一度学校に戻ってみる?」
「そうですわね、何かあるにせよ皆さんと合流したほうが良い気がしますわね。」
結局、学校に帰り対策委員会で情報を交換しても違和感の出所にたどり着くことは無かった。
二人が感じた違和感は気のせいだという事で済ませたものの、抜けない棘のように心の奥深くにしこりとして残るのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ヒヒッ。アビドス、そして先生よ。キャンペーンの2幕が始まるのだ。」 - 182二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 10:13:25
ho
- 183二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 21:15:49
うわ出た
- 184二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 08:16:21
良い空気なんだから出てこなくてもいいんだぞ
- 185二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 13:16:05
このレスは削除されています
- 186二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 21:05:20
保守
- 187二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 07:49:38
大丈夫かな
- 188二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 15:16:33
このレスは削除されています
- 189二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 20:23:43
保守
- 190二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 23:47:34
たいき
- 191お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/08(金) 01:00:06
「情報部からの報告書です、委員長。」
「ありがとう、アコ。」
ゲヘナ学園・風紀委員会執務室
報告書を受け取った風紀委員長空崎ヒナは目を細める。
「これはどこの筋からの情報?少なくともここ最近は他の学園自治区まで足を伸ばしているとは聞いていなかったけど。」
便利屋68の目撃情報。アビドス自治区に潜伏の可能性ありと注釈の振られた書類を抜き出して尋ねる。
「なんでも匿名の触れ込みがあったと。相手は変声機を通した声だったと聞いているので信憑性は疑問ですが。」
質問を返すは行政官である天雨アコ。
「そう、面倒だけど一度出向く必要があるかしら。あの自治区はある意味危険地帯。均衡が崩れれば厄介な企業が台頭してくる。」
「仰る通りかと。ですが中々予定に空白がありません。」
アコの言う通り風紀委員会、取り分け委員長であるヒナのスケジュールは過密の一言に尽きるのが現状だ。
「良いわ、今回されて来ている案件を全て万魔殿…。マコトに突き返しなさい。
隙を見せるのは癪だけどこの件の優先度は高い。」
「分かりました。確かに美食研究会も温泉開発部も先日叩いたばかりですし暫くは大人しいはず。遠征のタイミングとしては最適かと。」
ばさりと翼を広げ立ち上がるヒナ、その手には長身の愛銃。
「緊急時の即応員を除く全ての風紀委員を招集。穏便に済めば良いけど交戦の可能性もあるから完全武装を徹底させなさい。」
傍で控えていた伝達員に指示を飛ばし自らも準備のために動き出す。
かくしてアビドスを巡る一連の騒動に新たな勢力が介入することとなった。 - 192お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/08(金) 01:51:41
「あら、アルさん。それに便利屋の皆さん。お元気そうで何よりですわ。」
一人紫関ラーメンへと足を運んでいたカナデはたまたま居合わせた便利屋68の面々と遭遇する。
「奇遇ね。貴女もよくここに来るの?」
アルは落ち着き払った様子で挨拶を返す。
「アルちゃん珍しく取り乱さないね、ある意味因縁の相手なのに。」
「まぁ、ご馳走になったこともある相手だしね。」
横から茶化すムツキ、特段動じていないカヨコ。
「そ、そういえば私たちもう敵同士ではないんですよね?」
咄嗟に構えそうになった銃を降ろすハルカ。
「ハルカ、易々と内情を暴露するものではないわよ?まぁ、結局は同じことになるけど。」
依頼の失効を匂わせたハルカをアルは軽く諫め改めてカナデに向き直る。
「諸々の説明は省くけど私たちに依頼されていたアビドス占領の依頼は切れたわ。できる事には限りがあるけど前に貴女が言っていた協力の話、乗ってあげる。」
「その返事が聞けるのはまだまだ先になると思っていましたわ。」
差し出されたアルの手を取るカナデ。
「でも、それは一旦置いておいて。大将さん。いつもの。お願いいたしますわ。」
此処へ足を運んだ当初の目的を果たそうと注文するカナデ。
「はいよぉ。ちょっと待ってなー。」
その言葉を待っていたといわんばかりに返す紫関大将の言葉を聞き、カナデはアルたちが座っていたテーブル席へと相席する。
「いつもので通じるなんて、結構通い詰めているのね?」
カナデの令嬢然とした振る舞いとのギャップに小さく笑みを零すアル。
「わたくしのお気に入りですもの。堅い話は後日わたくし達対策委員会の会議に招くとして、今は食を楽しむ時間ですわ。」 - 193二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 08:45:35
一難去ったのにまた来るな
- 194二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 17:24:48
よく間違えてるの見るけど紫関ラーメンじゃなくて柴関ラーメン
- 195お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/08(金) 19:32:01
「大将さん。ご馳走様でした。今日も美味しかったですわ。」
「おう、また来てくれよ。」
ラーメンを平らげ柴関を後にする。
それに追従するように便利屋の面々も店を出た。
「みなさんこれから時間はありまして?先にも言った通り一度学校においで下さいな。」
「えぇ、私たちに急ぎの用事は無いし構わないわ。」
学校へとむけて歩き出そうとする一向。
「随分と仲が好さそうね、私たちも混ぜてくれないかしら?」
不意に投げられる声。反射的にそちらを向いた一同。その中でも真っ先にアルの顔色が変わる。
「なんで、あんたが此処に居るのよ……。ヒナ。」
「っ!風紀委員。まさか私たちを追って。」
「どうするアルちゃん?やる?逃げる?」
「わ、私が食い止めます。アル様たちはその隙に。」
あるに続いて次々に臨戦態勢を取る便利屋の面々。
「面倒だから一度しか言わないわ。便利屋をこちらに引き渡しなさい。アビドス生徒会落成カナデ。」
見渡せばどこに隠れていたのか。風紀委員の腕章をつけた生徒たちが続々と集ってきている。
*旗色が悪いですわね、待ち構えられていた?目的は分からない。そしてこの雰囲気、この方間違いなくホシノさんに匹敵する実力者……。
「あらあら、どなたか存じませんが物々しいですわね。まずは落ち着いて自己紹介でも…。」
カナデの言葉を遮るようにヒナの持つ銃が火を噴きカナデの足元が穿たれる。
「一度しか言わない、と言ったわ。応じるならそれで良し、邪魔をするなら排除する。」
カナデは理解する。少なくとも目の前のゲヘナ生は。敵対すると言っているのだ。
このアビドスの地で、自分をアビドスの生徒だと知ったうえで。
深く長い溜息が零れる。
「仕方ありませんわね…。聞く耳を持たない相手にお話しをするのは骨が折れるんですのよ?」 - 196お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/08(金) 19:33:23
※誤字指摘助かります。
これはもう辞書登録しておかないといけないですね。
それはそうと次スレ建てますねー。 - 197お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/08(金) 19:39:29
- 198二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 19:46:39
たておつ
- 199二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 00:24:13
こちらは埋めておきますね
- 200二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 10:55:50