- 1二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 21:52:27
- 2二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 21:54:19
おお楽しみ
- 3スレ主24/10/02(水) 22:01:48
『…ぎ……さき………』
「ん…」
「潔!!」
「うわぁっ!!!!」
自分の名前を呼ぶ声がして、潔は目を覚ました。
飛び起きるとその先には頼もしい相棒の蜂楽がいた。
「ば、蜂楽…?」
「あ、目覚めた」
「やっとかよ寝坊助」
目線を少し上げれば呆れた目で見てくる千切がいた。どうやら潔が起きるまで何度も呼びかけてくれていたらしい。
「悪い、えっと…俺何してたっけ…確かみんなで合宿行くためにバスに乗ってて…」
なんとか寝起きの頭で記憶を掘り起こそうとするが、覚えていたのはここまでだった。バスの中で寝たにしても目が覚めると全く違う部屋にいるなんてこと普通はあり得ないので、もう少し何か思い出せないかと奮闘した。
「大丈夫だよ、俺もそこまでしか覚えてないし〜」
「俺も、周りの奴らみんなそうだってよ」
「みんな…?」
無理に思い出そうとしている潔を止めるかのように蜂楽は口を開いた。
千切につられて辺りを見渡すが、そこには一緒にバスに乗っていたブルーロックのみんながいた。 - 4スレ主24/10/02(水) 22:14:05
状況を理解しようと立ち上がると、遠くから何か大きな音がした。
「クソッ!!おい出せよこっから!!」
「雷市!?」
声のした方へ行くと雷市が扉を開けようとドアを蹴り上げていた。もう何分も続けているらしく、ドアは蹴り後でいっぱいだ。
別の方からは「うるっせぇぞ!」という声が聞こえ、今にも喧嘩の始まりそうな雰囲気だが起きたばかりの潔はついて行けそうにない。
「え、ドア開かないって…俺ら閉じ込められてんの?」
「潔くん、目覚めたの?」
近くにいた雪宮が状況を説明してくれた。
どうやらここにいる19人のブルーロックメンバーの全員ここがどこなのか、誰の仕業なのか何も知らされていないらしい。
「あかん、隅々まで見てきたけどこの部屋ドア以外なんもないで」
「辺り一面真っ白だし、これじゃ天井から脱出もできねーな」
「それできんのお前だけやろ」
部屋の周りを見てきてくれたらしい烏と乙夜だが、どうやら状況を変えられそうなものは何もなかったらしい。
こんな状況でもふざける乙夜だが一緒にいることの多い烏はもうすっかり慣れた様子であった。
「凪ー!なんか見つかったか?」
「いや何も」
他にも何人かはこの場を挽回できるものがないか探そうと動いているようだ。
無表情で壁にもたれる凛、不機嫌そうに辺りを見渡す馬狼、ドアを蹴り上げる雷市に「楽しそージャン♪次変わって」と声をかけている士道を除いて。 - 5スレ主24/10/02(水) 22:33:19
「最後に起きた潔くんが何も知らないんじゃもうお手上げだね…」
「くっそ…!いい加減にし…どわぁ!!!」
「え!?」
ドアを蹴り続けていた雷市がいっそドアノブを壊そうと手をかければその勢いに乗せられ倒れ込んだ。隣で手伝うフリをして見ていただけの我牙丸が「あ、開いた」と呑気に呟く。
「なんで…さっきは開かなかったのに…」
「雷市が壊したんじゃなくて?」
「いやドアノブ曲げたら急に開いたぞ」
「なら…潔くんが目覚ましたからやない?」
「え」
氷織の推測だと全員の目が覚めるまでこのドアは開かない仕組みなのではないかというものだった。
確かに先ほど違うことといえば氷織のいう通り「全員が目を覚ましている」という状況であった。
「んだよ潔のせいかよ!!」
「いやそうだとしても俺のせいなの!?」
「でも氷織くん、自動ドアならまだしも手動だし…」
「でもそれ以外考えられんし…」
「とりあえず、行く行く」
黒名が待ちきれないとばかりに袖を掴んできた。こんな状況だというのに心なしかどこか楽しそうだ。
「ハハ、なんだよ黒名こういうの好きなの?」
「楽しい、楽しい」
ドアが開いたことにより、19人のブルーロックメンバーが動き出した。 - 6スレ主24/10/02(水) 22:34:21
- 7二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 22:39:24
二子が俺らの二子すぎる
- 8スレ主24/10/02(水) 22:44:34
部屋から出ると、また別の部屋へつながっていた。
「んだよ…また真っ白い部屋かよ」
「で、でも今度は左右二つに扉があるよ」
先ほどの部屋と同じ真っ白な部屋かと思われたが、今回は今使った扉を除いて二つあった。
「待て、向こうの壁に何か書いてある」
蟻生が指を刺した先には大きな字で何か書かれていた。
『偽物を探せ』
「偽物…?」
「な、なに…偽物って」
「内通者…のようなものか?」
蟻生の後ろで時光が怯えながら聞く。蟻生はそれを自分なりの解釈で答える。
馬狼に至っては、なんの説明もされず何か手掛かりがあるかと思えば訳のわからない一文のみという状況に余程頭にきてるらしく、今にも血管が切れそうである。
「…とりあえず入れる部屋には入って行くぞ、俺らこっちに行くから何人かは向こうの部屋行ってくれ」
烏の指示通り、何人かを除いてブルーロックメンバーは二手に分かれた。 - 9スレ主24/10/02(水) 22:52:43
左側の部屋には先ほどの部屋のように何か書かれていた。
『それぞれのポケットにこのゲームに必要な情報が書いてある紙が入っている』
「紙…?」
「あ、ほんとだ入ってる」
潔が呟くと蜂楽が紙を持った手を上に上げた。
潔もポケットに手を突っ込むと、部屋に書かれてあるものの通り紙が入っていた。他のみんなも同じように紙を確認する。
「…潔なんて書いてた?」
「もう読んだのかよ!待てよ…えっと」
「俺はね、ーーーーー、ーーーーーーー」
「え?なんて?」
「?だから、ーーーーーーーーーーーー」
「………は?」
蜂楽の声が突然聞こえなくなった。蜂楽の声だけでなく、蜂楽が書いてあるものを言おうとした瞬間周りの声も無音になった。
「どういうことだ…」
「潔、これ読めるか?」
千切が手に持っている紙を広げながら目の前に出してきた。そこには何も書かれておらず、白紙そのものだった。
「いや…何も」
「まじか…他の奴らもそうなんだよ」
「え、共有できないってことか?」
先ほどのドアならまだしも、特定のものを他人に見せない、聞かせないようにすることなどこんな何もない空間で可能なのか、それともこの紙が特殊なものでできているのか。どちらにせよ信じがたかった。 - 10二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 22:56:43
おお…続きがすごく気になるスレだ…
- 11スレ主24/10/02(水) 23:04:59
「いやなんでだよ」
「なんや乙夜」
「ーーーってしか書いてないのよ」
「いや聞こえんて」
「二子!!ーーーーーーーーーーーーーーと書いてあるんだがどういう意味だ!?」
「聞こえませんって」
周りも情報の仕組みに気づいたらしく、潔たちと同じように聞き手も話し手も混乱している。
「そっちも何かあったか?」
すると右の部屋へ行っていたメンバーたちが用事を終えたらしくこちらの部屋へ入ってきた。玲王がみんなに聞こえるように声をかける。
「お前らんとこもなんか書いてたか?」
烏が聞くと、玲王が重そうに口を開ける。
「…『偽物はお前達の中にいる』って」
シン…と周りが静まり返る。
「…この中って、俺らのことか」
「蟻生くんの言った通り、やっぱり内通者なのかな…?」
「そもそも偽物ってなんだよ…」
どうやら部屋に書かれてある”偽物”が誰なのか、不本意ながらもそれを突き止めなければいけないらしい。
潔は自分の手元にある『偽物は1人ではない』と書かれている紙を見つめながら、無意識に顔を青ざめた。 - 12二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 23:13:24
1人じゃないのか!?!?
厄介すぎる… - 13二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 23:16:55
やばいこーゆースレ大好きなんだまじ愛してる
完結まで全力で保守するからな!頑張れスレ主! - 14スレ主24/10/02(水) 23:21:37
「ま、まぁ、まだ幽霊とか怪奇系ってきまったわけじゃねーし…そこまで気重くするような内容じゃねーだろ!」
空気が重くなったことを察した玲王は、みんなのやる気を取り戻すために不自然に声を上げた。
そしてその声に応えようとするかのように、隣の男が口を開いた。
「ねぇ玲王、この部屋もう一個扉あるよ」
「え?あ、ほんとだ」
先に入っていたみんな紙のことで頭がいっぱいで扉に気が付かなかったらしい。玲王と同じ右の部屋を見てきた凪がそれに気づいた。
近くにいた潔がドアノブに手をかける。
「ドアは…開くな、よし、とりあえず先進もうぜ、情報全部わかってから整理したいし」
「そうやね、こんなとこでウジウジしてられんな」
潔の声かけにより氷織が同意の声を上げた。それにつられ重い空気の中なんとかみんな動き出した。
部屋に入ると前方に扉があり、その上には…
『偽物を殺○すれば、元の世界へ帰れます』
先ほど収まりかけていた重々しい空気にトドメを刺すには十分すぎる情報が書かれていた。
最後に入ってきた凛がその文を視界に入れた瞬間、目の前の扉からガチャという音がした。 - 15二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 23:24:50
レオみたいな良い奴ポジほんとに心配だ
- 16二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 23:29:38
- 17二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 23:30:29
まぁソイツが偽物の可能性があるんだがな!
- 18二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 23:32:34
- 19二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 23:34:43
素手でも◯せなくはないけど、◯しやすい凶器とかはこの先見つかるのかな?
- 20スレ主24/10/02(水) 23:39:23
『偽物を殺○』
死が遠い存在である学生にとって、その言葉はあまりにも精神を削るものであった。最初の部屋では花を飛ばしていた黒名も青ざめながら両手で口を押さえている。
「…玲王?大丈夫?」
「い、いや大丈夫…ハハ、楽しいゲームが始まるかと思ったら…なんだよこれ」
先ほどとは打って変わって声を震えさせる玲王。それもそうだ。人を殺すことを命令されている状況で冷静でいられる方が無理な話だ。
「クソッ…おいさっさと進むぞ」
「あ、おい馬狼!」
全員が固まっている間最初に動いたのは馬狼だった。
潔の声に背を向け苛立った手つきでドアを開ける。
「…ここ、は」
「?馬狼、何かあったのか?」
馬狼を先頭に他のみんなも続けて入っていく。
この部屋を見た全員が同じ思考に至っただろう。
そこは仲間全員、見知った場所である…
「…ここ、ブルーロックじゃね?」
監獄そのものだった。 - 21スレ主24/10/02(水) 23:55:57
「ーーーー!!ーーーー!!!!」
「んーだめだ、なんも聞こえない」
「潔もっと声出せよ」
「いや出してるって全力だからこれ!ゼェ…ゼェ…」
潔達は全員が集まりやすい食堂で情報共有を行っていた。
あれからブルーロック全体を捜索したが、誰も何も見つからず、普段なら置いてあるタオルや食べ物もそこには存在していなかった。
唯一あったのは、サッカーボールが一つだけ。
そんな食糧危機の状況の中、もし部屋に書かれている「偽物を○害すれば元の世界に帰れる」というものが本当のことなら、一刻も早く見つけ出さなければいけない。
そうして情報をまとめようとみんななんとか方法を探すが、やはり紙に書かれていることの共有はできなかった。
「ていうかこーゆーのって雷市の役目だろ?なぁ雷市」
「……」
「…雷市?」
大声を出すなら試合中でも鼓膜が破れそうなくらい叫んでいる雷市の役目だと思った我牙丸は隣にいる雷市に声をかけるが、雷市は瞬きせず紙を見つめるばかりで何も答えてくれない。
「そういえば時光も様子が変だけど大丈夫か?」
「っ…な、なんにもない!!」
2人の様子を見ながら千切は時光に声をかける。普段からビクビクとしている時光だが、今は親しい人間も含め全ての人間に怯えているような様子である。
2人だけでなく何人か紙を見てから動揺しており、中にはショッキングな情報が書かれているものもあるのかもしれない。
そういった情報を出しやすくするために、自分の情報をさっさと打ち明けたい。千切はそう思いながら四つ折りに畳んであった紙をもう一度広げた。
「ハァ…」
『このゲームには制限時間があります、しかしそれは正確な時間で決まっているわけではありません』 - 22二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 23:58:12
めっちゃワクワクしてきた(ド畜生)
神スレの予感 - 23二次元好きの匿名さん24/10/02(水) 23:58:32
これかなりク.ソゲーじゃないか??
- 24スレ主24/10/02(水) 23:59:08
現在開示できる情報
【ルール】
・仲間の中に偽物がいる
・それぞれが受け取った紙に情報が書かれているが、他の人との共有はできない
・偽物を見つけ、○害せよ
【キャラクターの情報】
潔『偽物は1人ではない』
千切『このゲームには制限時間がある、しかしそれは正確な時間で決まっているわけではない』
(一旦今日は終わりです) - 25二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 00:03:25
これ例えば「〇〇は偽物」みたいな文字が紙に書かれてる人が居たとして(そこまで直接的なことはないだろうが)、その偽物を殺そうとしても周りの人はその情報を把握できないから襲いかかった側がトチ狂った/こいつが偽物っていう風に見えかねないんだよな
- 26二次元好きの匿名さん24/10/03(木) 00:05:01
下手したら一つの単語で終わってそうな乙夜のクッソ短いメモの内容かなり気になる