ふわふわ｜あにまん掲示板

1◆5XnobFEZUQ22/02/23(水) 23:14:44

漆黒の空に、きらきらと瞬く星々。その中で、私は橙色に光耀く星を見上げた。
吐いた息は白く、月の無い夜空の闇に浮かんで、消えていく。星に届くことなく、消えていく。
私は一人、静かに語る。ここには居ない、"そら"の向こう側にいるであろうあなたに、私は一人、語りかけている。

あなたの一生を背負うと決めた。それが私の生きる意味で、私が背負うべき罪なのだと信じていた。
新月の日は私にとって、『懺悔』の日だった。

「──もう行くね」

返事はないけれど、きっとあなたは手を振って、別れを告げているのだろう。
目には見えないけれど、きっと近くにいてくれた私の『妹』に、別れを告げた。

「もういいのかい？」
「……待たなくていいって言ったはずだけど？」

私のトレーナーは返事も聞かず、橙色のマフラーを首に掛けてきた。
私が好きだと言った、暖かい、ふかふかのマフラーを。

「帰ろうか」
「……ええ」

──また、逢いに来るわ。
私が感じた幸せな時間を、あなたが喜んでくれるのなら、それが、あなたへのプレゼントだというのなら、たくさんあげられるわ。

たくさん、この人から貰っているから。