厄ネタ聖杯戦争をしよう3【🎲/⚓️】

11 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:01:16

あにまんの厄ネタと曇らせが大好きなあんちゃんたちと一緒に厄ネタまみれの聖杯戦争つくっていくよ〜〜〜〜
おい……なんでこんなにトンチキまみれになっていやがる………………

21 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:01:57

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厄ネタ聖杯戦争をしよう【🎲/⚓️】｜あにまん掲示板厄ネタと曇らせが大好きなあにまんのみんなー！厄ネタと曇らせがいっぱい入った聖杯戦争しようとりあえずレギュレーションおいとくね①召喚サーヴァントは水着や季節等のものと他作品キャラ本人(ふじのんとか)は無…bbs.animanch.com

3二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:03:13

すまない。最近ブラックアダムとキン肉マン見たからつい...

41 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:03:40

設定①
マリア:ランスロットのマスター
人妻妖精の子孫英霊剣豪根源接続者愛する人を自らの手で殺してしまい、後悔の末死にたがってる
目的
妖精等の幻想種の血筋根絶やし
見た目
ゼノビアみてえな服のセンス・死ぬお母さんの髪型・若々しいがよく見れば中年とわかる・巨乳・銀髪緑眼
戦闘スタイル
拳を強化して殴る

土御門トリスタン(仮名)/篠森ナナシ:バーヴァンシーのマスター
ケルヌンノスの化身(ミニヌンノスになれる) cvジョージ父母からも愛されなかった被虐待児肢体不自由双子の姉がブラック企業で過労死
目的
健常な肉体になること
見た目
黒髪ロング・目が死んでるし隈がすごい・枯れ木みたいに痩せ細ってる・中性的なイケメン・目玉以外作り物
戦闘スタイル
遠隔から遅効性の呪詛

ゴータマ・シッダールタ(仮名)/土御門明星:道満のマスター
攻撃的クソメンヘラ転生した晴明(血筋直系) 才能コンプ皆から慕われてる悪人伝承科関係者
目的
土御門家の再興
見た目
和製ドウェイン・ジョンソン・白髪肌黒・190cm・テンプレ陰陽師衣装・マッチョ
戦闘スタイル
陰陽師パンチ

5二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:03:54

厄ネタと曇らせ全混ぜしたらそりゃトンチキ極まりない色物ができるわ

61 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:04:19

設定②
アンセヲ:メディアのマスター
ホムンクルス(無性別) アステカ菌の適合者猪の人造獣他者からは姿と声がモザイクとして観測される典型的魔術師思想彷徨海出身
目的
人間になること
見た目
猪耳の獣人・ぼさぼさ茶髪・太ももが太い・イケメン(ただしモザイクなので気づかれない)
戦闘スタイル
ククルカン譲りの空中殺法

YAMAの翁(仮名)/八夜史鬼:輝星のハサンのマスター
自称山の翁の子孫 YAMA育ち過去8回の前世の記憶を持っている特殊な動機で特殊清掃員や遺体修復士などに就職した青年ユニヴァースの香り
目的
全歴代のハサン・サッバーハを超えた真のハサン・サッバーハになること
見た目
ポニテ褐色肌美乳美尻・黙っていればイケメン・おしゃれメガネ・パンダの着ぐるみ・黒ジャージ
戦闘スタイル
環境利用闘法

殺生院夏希
アーチャーのマスターを始末するためならどんな手も使う
そのマスターを始末できなくなった時は自爆するつもり。やけっぱち。カルト宗教でご神体として崇められている幼女母を探し求める元人間の怪物頭バーサーカー鬼の血をひいている
目的
自分を怪物にした実母(キアラ)と実父(篠森ナナシの父でもある)、およびその関係者への復讐
見た目
ほぼキアラ・白髪超ロング(床に着くほど)・貧乳・尻がデカい・角度によって色が違う目
戦闘スタイル
見た目と弱いフリを使って近づいて首狩り特攻

7二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:04:21

アサシン陣営は並んだら兄弟みたいな感じなんだろうか

81 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:06:21

設定③
ナギコサン(仮名)/獣道進:蘆屋道満(ビースト)のマスター
希死念慮が強いがそれに勝るフィジカルの強さで生き残っている全ての元凶遠い先祖である竜種の血が色濃く出ており気が高まるとドラゴンに変身するベランダで怪しい植物を育てている見た目はなぎこさん
目的
元人間の怪物達の居場所を作る
見た目
普段:なぎこさん＋爬虫類目＋ゴスロリ
竜形態:髪色と同じ色の鱗のハルファルク
戦闘スタイル
八極拳

開催地:冬木
聖杯:人の骨で作られている
道満がなぜビーストに？:聖杯ぱぅわー

91 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:07:26

道満、クラス的にはビーストだけどより正確に言うと大聖杯パゥワーでビーストクラスの霊基を与えられたって感じなのかな
おいこれトンチキに見えるけどやべーやつやんけ

10二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:08:17

…誰の骨から作られたのこれ

111 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:09:25

よしっ、安価だ安価を取ろう

フィーヒヒヒヒ

聖杯、誰の骨が原材料なの……？

>>16までからダイス

12二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:09:56

アルビオン

13二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:10:14

キアラの父親

14二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:10:15

ノッブ

15二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:10:26

冬木の被災者達

16二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:10:40

この世界線の士郎

>>11

171 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:11:32

dice1d5=2 (2)

1.アルビオン

2.キアラ父

3.ノッブ

4.冬木の被災者

5.この世界の士郎

181 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:11:56

き、キアラパパ…………な、なぜ

19二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:13:34

うちの宗教オリジナルの聖杯欲しいですね→材料は教祖でええか……的な？

20二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:14:13

まあ快楽天の親ならいい材料にはなる……のか？

211 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:15:14

あれかな
例の宗教の方でオリジナル聖杯を作ってやねえ
教祖を材料にしてやねえ

でも獣道が全ての元凶ということは獣道が「教祖を材料に聖杯を作るのです」した感じなのかな

22二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:17:43

バーサーカーマスターちゃん監督役のフリしてそう

23二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:17:44

夏希とドラゴンは教団関係者枠で、土御門は技術協力とかかな？

241 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:19:07

あっ、せやもひとつ

史鬼くんなんで特殊清掃員やってるの？？？

特殊な動機っつってたけど

>>29までからダイス

25二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:20:08

いずれ真のハサンになる予定だから特殊な死体や現場に慣れるため

26二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:20:48

闇市場のアルトリウムを補給してくれるバイト先だから(ユニヴァースとの交信に必要)

27二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:20:57

両親が不審死(死因は不明)した理由を探すため

28二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:21:52

死霊術の材料探し

29二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:21:58

ハサンになるための部品集め(魔術使いなどの遺体から)

>>24

301 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:22:45

dice1d5=3 (3)

1.いずれ真のハサンになる予定だから特殊な死体や現場に慣れるため

2.闇市場のアルトリウムを補給してくれるバイト先だから(ユニヴァースとの交信に必要)

3.両親が不審死(死因は不明)した理由を探すため

4.死霊術の材料探し

5.ハサンになるための部品集め(魔術使いなどの遺体から)

311 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:23:03

うおっ
急にお労しくなるな

32二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:24:32

でもこいつパンダの着ぐるみ着て変な時空の電波受信してたり口を開けばイケメンが台無しになるくらい変な奴なんだよな……

331 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:26:02

よしっ

両親が不審死した原因は他マスターの中に

dice1d2=2 (2)

1.いる

2.いない

341 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:26:49

いないか、いたらトンチキなわりに泥沼なのがさらに泥沼になると思ったんだがな

35二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:27:57

両親が不審死とは関係なく奴は狂っていた────

361 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:30:27

あとあれかな〜〜この聖杯戦争の起こってる冬木はどの時空？

dice1d3=1 (1)

1.SN(つまり第五次後)

2.fake

3.Apo

371 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:31:13

草
多分解体戦争とか終わったあとになんか変な連中がやってきて別の聖杯移植してったやつじゃん
大変だなァ

38二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:31:45

士郎、凛~早く戻ってきてくれ~(UBW√なら)

391 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:33:24

そういやビースト道満の元になってるのはあれなのかな
本来のキャスター道満なのかな？リンボとかリンボの記憶を持つものとかじゃなくて

40二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:36:28

ビーストなっちまった(比較的)まともな史実道満と自分に先を越されたリンボですかな

411 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:40:17

よーーーし
あと決めることは……なんか……あるかな

42二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:41:03

サーヴァントとの関係値とか？

43二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:41:44

ダイスでマスターとサーヴァントの関係性(好感度)を測るとか？

44二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:41:49

SNやhollowの面子は不在？

>>47

45二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:41:50

鯖と鱒のお互いの印象とか？

46二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:45:16

このレスは削除されています

471 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:47:06

>>44

んあ〜〜〜……技量的にだいぶギリギリだから多分カメオ出演になると思われる

よしっ、関係値だ関係値

1に行くほど悪い、100に行くほどいいって感じで

セイバー陣営

dice1d100=3 (3)

アーチャー陣営

dice1d100=12 (12)

アルターエゴ陣営

dice1d100=68 (68)

キャスター陣営

dice1d100=78 (78)

アサシン陣営

dice1d100=24 (24)

バーサーカー陣営

dice1d100=99 (99)

ビースト陣営

dice1d100=68 (68)

481 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:48:19

せ、セイバー陣営が壊滅だァっ
アーチャー陣営もだいぶなんですがこれ……

あとバーサーカー陣営これいちばん最悪な噛み合い方してるな

49二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:48:51

頼光さんの好感度が高いアッ...

50二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:49:00

バーサーカー陣営疑似母娘関係築いてそう

51二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:49:20

セイバーは……まあ……ランスロットの逸話知ってるなら人妻未亡人の身からしたらそりゃ警戒する……

>>52

52二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:49:58

>>51

なお服のセンス

531 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:50:55

アサシン陣営、まあせやろなって感じで笑う
真面目な輝星くんとよりにもよってハサンの中のハサンになるとか言い出すアホが相性いいわけねんだなぁ

54二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:53:19

道満数値おんなじで笑う

55二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:53:34

そもそも史鬼がハサン抜きにしても頭おかしい奴だからそりゃ相性悪いやろとしか…

56二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:54:00

アーチャー陣営はバーヴァンシーの悪逆ムーヴで喧嘩しちゃったのか......？

道満はなんでどっちもしれっと同じ関係値なんだよ

>>58

57二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:55:02

アーチャーはお互い色々共通点ありすぎてあんまり直視したくないんじゃない？

>>58

581 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 22:56:36

>>56

>>57

同族嫌悪っつーか、鏡を見せられてるようなって感じだな！

バーヴァンシーがたまにお母様のこと話題に出すの聞いたナナシくんが「お前みたいな母親に愛されてたやつに俺の気持ちなんかわかるか！」みたいなこと言っちゃったりしたのかもねぎ

59二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 22:59:14

ま、まあ関係値は今後動き次第で変動するものだからセーフセーフ

601 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 23:01:54

初期関係値がこうって感じだな、とりあえずな
初期関係値が99なこのバーサーカーは………………？

61二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:03:35

設定的に親に恵まれていない可能性大で母を求めている夏希を頼光さんが放っておけるか？

62二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:03:37

可哀想な女の子を前に母パワー全開の頼光さん

63二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:04:38

そういやメディアさんは前回の記憶ある感じかな？時期近いし

>>64

641 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 23:07:03

>>63

どうだろ

時期関係なく基本的にサーヴァントは召喚されたら記憶は持ち越せんし無いと思われる

そういやしれっと明星は伝承科関係者だしアンセヲは彷徨海出身なんだなぁ…………

65二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:09:17

特殊な環境下でなければ基本記憶の持ち越しは無いんじゃないかな

66二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:12:31

そうなのかセイバーがケリィに召喚されたの覚えてた気がしたから勘違いしてた

671 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 23:13:50

アンセヲとメディアさんの仲がわりといい感じなの、なんだろうね、アンセヲがホムンクルスなのが功を奏してんのかな？
出身の都合上神代の相手には礼儀尽くしそうだしね

68二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:14:29

第四次と第五次のセイバーは実際にはまだ生者の状態だから特殊枠だね

69二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:21:21

召喚されたと思ったら謎のモザイクが目の前にいるメディアさんェ

701 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 23:22:55

アンセヲ、推定ケツァルコアトルっつーかククルカンの伝承保菌者的なアレなんだよな
ケツァルコアトルと汎ククルカンは実質同質ってことでええんかな

71二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:23:12

これにはメディアさんも二度見

721 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 23:28:51

ちゅーかなんだって明星は晴明の生まれ変わりだってのに才能コンプに…………？

73二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:31:49

晴明の生まれ変わり(憑神的な儀式)として生を受けたけど回路が今一つだったり、特性の種類や記憶の転写が合わなかったのかもしれない

74二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:31:54

理由安価？

751 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 23:38:55

するか安価！！！

明星が才能コンプな理由！

>>80までからダイス

76二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:40:08

晴明の生まれ変わりだと自覚していないせい

77二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:40:52

晴明の生まれ変わりだというのに平凡な成果しか出せないから

78二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:41:16

完璧主義が祟って病んでる

79二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:41:33

生まれる際の儀式が失敗し、刻印に適合出来なかった

80二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:42:10

自分は晴明でない人間であることに拘っている

>>75

81二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:42:11

更に優秀な兄と比較されてきた

821 ◆7prKFkU5YqFi24/10/05(土) 23:43:45

dice1d5=3 (3)

1. 晴明の生まれ変わりだと自覚していないせい

2. 晴明の生まれ変わりだというのに平凡な成果しか出せないから

3. 完璧主義が祟って病んでる

4. 生まれる際の儀式が失敗し、刻印に適合出来なかった

5. 自分は晴明でない人間であることに拘っている

ついでに

明星は伝承科関係者だけど具体的にはどう関わってた？

>>85までから安価

83二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:48:18

外宇宙に繋がる物品を偶然回収し引き渡したから

84二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:56:37

ロード直属の兵隊

85二次元好きの匿名さん24/10/05(土) 23:57:23

所属人員の護衛係

>>82

861 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 00:05:16

dice1d3=2 (2)

1. 外宇宙に繋がる物品を偶然回収し引き渡したから

2. ロード直属の兵隊

3. 所属人員の護衛係

871 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 00:06:53

明星サンすげえことやってんね…………
SCPのエージェントかなんか？？？？？

決めることはだいたい決めた感じあるし、明日から本格的に執筆してこうかねえ、ダイスと安価を交えつつ

88二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 00:08:17

お疲れ様でした。ブラック職場の完璧主義者とは何とも胃が痛くなる

89二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 00:10:18

乙です
史鬼くんは確実にコメディリリーフになるな

901 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 09:04:26

朝が来たので再開していこうかねえ

911 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 09:11:06

──プロローグ

場所は冬木。
空には月が輝いている。
約十年ほど前か、この土地にはあるひとつのアーティファクトがあった。
大聖杯、と呼ばれたそれ。
過去五回もの『戦争』を引き起こし、災害という形で傷跡を残し続けたそれは、とある時計塔のロードとその弟子たちにより取り除かれた。
だが、今だ魔力はそこにある。
今だ災厄はそこにある。
今だ憎悪はそこにある。

染み付いた悪が、そこにある。

それに手をつけた者がいた。それを望んだ者がいた。たとえその結果、誰が死のうとも、誰が傷つこうとも、それでいいと言ってしまえる者達の。
これは、そんな我欲が最も集った戦争の話だ。

921 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 09:31:22

かつ、かつ、と地下空洞に音が響く。
山奥の深く、小さく建設されたそれはひとつの工房。
その金属製の床に、チョークが当たって音が反響していた。
チョークを繰る者の姿は見えない。
見えないのだ。それはまるで、テレビの中、何かを見せぬように被せられたそれ。モザイクそのものだった。
モザイクが床にただひたすらに何かを書き込んでいく。
──魔法陣。
書き終わったそれのそば、うやうやしく置かれた何か木のような破片。
そうしてそれは、ゆっくりと手を構え、魔力を集め、言葉をつむぎ出す。

『素に銀と鉄』

その声もまた、なにか編集されたかのように響く。
低く、高く、誰かなど判別できないようにされたそれ。

『礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。閉じよ(みたせ)、閉じよ(みたせ)、閉じよ(みたせ)、閉じよ(みたせ)、閉じよ(みたせ)。繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する』

魔法陣は、あからさまに何かを喚び出そうと輝いている。

『――――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ』

そうして、その声に、光は───

『誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――』

収束し───応えた。

「サーヴァント・キャスター。召喚に応じ参上したわ」

紫のローブを身に纏う、魔女がそこに立っていた。

931 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 09:43:18

召喚された『キャスター』が真っ先に目を留めたものは自らを召喚した魔術師の姿だった。

「姿がうまく見えないわね」

隠蔽術式か、認識操作か、どちらにせよそれはわざわざ呼び出された彼女としてはあまり快くはないものであった。

『ああ、不快にさせて申し訳ない。これは体質なんだ……そのように産み出されてしまったもので』

聞き取るのが難しい、これまたあまり快くない声だ。
だが、そんな状況下で。

「ああ、貴方、ホムンクルスなの」

ただそれだけでそうと判別したのはさすがに魔術師のサーヴァントというわけなのだろう。

『わかりますか』
「ええ、すぐにわかるわ」

その言葉に恭しくそのモザイクは跪く。

『そのお姿。コルテスの王女メディア殿とお見受けする。どうか我が野望に力を貸してはくれまいか』

どうやらモザイクといえどもある程度の礼儀は知っているらしい。

「ええ、そうね。サーヴァントですもの……聞いてあげるわ」
『心より礼を申し上げる。私は───』

そうして次の瞬間に飛び出した言葉に、彼女は少々目を見開いたのだった。

『私は、人間になりたいのです』

94二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 10:26:34

キャスターからか。wktk

951 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 11:23:17

『わたしのこの身は見ての通り、ホムンクルスです。このモザイクを例え剥いでも、その中にあるものは人と程遠い異形……』

そうそれは語り出す。

『ええ、貴女だからこそ先に言ってしまうのですが、この下にあるものは猪の顔の化物なのですよ』
「それで？」

さしたる興味もなさげに魔女は続きを促した。

『……私は、意味もなく作られた』

魔女の眉が少し、顰められた。

「意味もなく？貴方、ホムンクルスなのでしょう。造られたからには意味があるはずでしょう？」
『ええ、そうでしょう。そうでしょうとも。それが普通です。しかし、違う、違うのです。私の創造主は私に言いました。「もう用はない」と。その意味を尋ねようとする前に重ねて言いました。「作れたから作った、それだけだ」と』

少し、ほんの少しだがそのなんとも言い難い声に熱が篭もる。

『意味など、ないのです。出来るから作られたこの身には、なんの意味もないのです。…………造られたものは造られた様にしか生きられない。私には生きる意味が無い。だが人間はそうではないのでしょう、人とは、生きる意味がなくとも生きていい生き物なのでしょう？だから、私は────』

と、息を詰まらせた。

『……少し、感情的になりすぎました。ご容赦ください。これ以上はとくに必要のない話です、早速この戦いのための準備を致しましょう』

そう言ってそそくさと離れていくモザイクの後ろ姿。
放置された触媒を手に取ってキャスター・メディアは少し呆れたように呟いた。

「………………そそっかしい子」

96二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 12:28:41

─────
青年はがたつく枯れ木のような手足をばたつかせながら逃げていた。ひどく不格好な有様で、ただひたすらに足を動かしていた。

「なんで、なんで、なんで……」

ひどく低い声が、か細く喉から漏れる。

「なにも、わるいことはしてない、俺は、なにも、わるくない……！」

横転。後ろから、鎧の音。

「いいえ、いいえ。貴方はマスターの怨敵がひとり。あなたのその首、置いていってもらいます」
「ますたー、て、なんなん、だよ……！しら、ねえよ……！」

ずる、ずる、細い腕を動かして這う。
這う手の甲に熱を持っていることすら分からないまま逃げる。刀が、迫る。

「お覚悟を」

振り下ろされる、刃。

「嫌だ、まだ、まだ、俺は、嫌だ、嫌だ……！まだ一度だって誰にも、誰にも……！愛されたことすらないのに……こんな、身体で……！こんな、中身で……！誰か、誰か、誰か──────！！！」

光。光が、溢れた。
光が、どこかから溢れ、そうして、そこに、形をとった。
振り下ろされた刃を受け止める弓がそこにあった。

「あー、もう、なんなんだよ！急に召喚されたと思えば自己紹介する暇もないワケ！？」

赤い、赤い、赤い少女がそこに……立っていた。女武者の一撃を必死に止めて立っていた。

97二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 12:36:06

篠森視点か
案の定襲撃から始まっておられる

981 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 12:47:29

「おいザコ！そこで這ってないで早く立て！」
「む、むり、むり、だ、俺の、足……うごか、な」
「っはあ！？」

ち、と舌打ち。

「邪魔だてする、というのなら……そのまま切り伏せるのみ！」

対して女武者、急に現れたそれにさほど動ずることも無く刀に力を込める。この程度、彼女には障害にもなりはしない。

どうする、と少女は考える。
目の前にはおっかない武士、後ろには役立たずのマスター。
どうする、どうする、どうする。

「あ゛ーーーー！もうこの雑魚マスター！！！令呪！令呪使え！！！」
「れ、いじゅ？」
「それすらわかんねーのかよ！いいからその右手の痣に！魔力込めて命令しろっつってんの！！！」
「うあ、あ、あ……わかんねえよ、なんも、わかんねえよ……！う、ううううう！！」

青年は、まったくもって覚束無いまま急に発現したそれに魔力を込める。

「ええと、えーと……お、俺を、俺を助けろ────！！！」

991 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 12:55:00

あまりに曖昧な命令はしかし、膨大な……膨大すぎるほどの魔力となって少女の体内を駆け巡った。
とんでもないほどの魔力の高まりに女武者も一瞬……ほんの一瞬、手が緩んだ。その、隙に。

「…………何も分からないまま、死んじゃえば？」

その両手にはハンマーと釘。
ハンマーこそ、洋風のそれであったが。しかし女武者は直感した。あれは、そう、日ノ本でも非常にありふれた呪い……それに似た……。

「痛幻の哭奏(フェッチ・フェイルノート)！！！」

それが、撃ち込まれ────

「が、は……！！！！」

膝をつく、も、すぐに顔をあげる。
だが倒れたその一瞬を突き、二人はとうに逃げ出していた。

「く………………この、程度の呪詛など……！」

追おうとする、だがその呪詛はあまりにも──。

(バーサーカー、戻って)
「マスター……私は」
(お願い、戻ってきて。ここで貴女のこと、失いたくないの)
「わかり、ました……」

1001 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 12:55:12

─────
「あーーーーもうなんだったのあの牛女！アンタなんであんなのに追われてたわけ！？」
「しら、な……も……無理……」
「聞こえないんだけど！？」

青年を横脇に抱え少女は走る。

「そこ、曲がったら……俺の、いえ、だから、おれ、も、う…………」

かくん、と青年の身体から力が抜ける。

「は？お、おいちょっと……起きろザコ！」

と、その瞬間、ぽんっと可愛らしい音がして、青年の体が小さなぬいぐるみのような生き物になっていた。

「は……は？はぁ……！！？！ってちょっとまってこれ……この姿……おい！説明しろっつーの！！！」

101二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 13:17:50

トリ子も流石にミニヌンノス形態にはびっくりするかぁ
あと異聞帯鯖召喚できている時点で今回の聖杯の厄ネタぶりが伺える

1021 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 13:23:19

─────
「お初にお目に掛かります。拙僧、蘆屋道満と申……………………ンンン？」
アルターエゴ・蘆屋道満が召喚されたその時、目の前に一番最初に飛び込んできたのは筋骨隆々の陰陽師であった。
しかも、その上、その魔力。決して決して忘れもしない、どう読み取っても晴明のものであるそれが目の前の男から流れ込んでいた。

「せ……いめい……？」
「ふうむ。蘆屋道満ともあろう陰陽師からすらそうと呼ばれるあたり、我はここに在る魔力ないし魂のみは本当にかの安倍晴明のものであるらしい。妬けるなオイ、はは、魂だけが同じであってもそれ以外がそうでないならなにひとつ正しいものなどないと言うに」
「ははァ察するに……マスターはかの晴明の魂を降ろしたもの……であると？」
「家のもんが言うにはな、我に自覚などありはしないが。なにひとつとっても完璧では無いこの身ではとてもとてもああ恨めしい！！！！！憎らしい、羨ましい、アイツも！コイツも！どいつも！我より、我よりも才能を持つ癖に！どうしてこうも……！」
「っひえ」

急に発狂し出したそれにさしもの道満も一歩引く。
アルターエゴ、道満の悪性だけを戯画化した霊基。で、あれど、それゆえに、『本物の狂人』にはすこしばかり分が悪いのだった。

1031 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 13:33:56

「あ゛ーー……んん……ゴホッ。醜態を見せたな」

この時道満の中では様々な感情が荒れ狂っていた。
あの晴明が簡単に他人の身体に降ろされていること。
降ろされているにも関わらず記憶が無いこと。
そのうえどうやら驚くほどなにかを拗らせているらしいこと。
その全てが受け入れがたく同時に────なにか、妙な感情を覚えさせた。

「とにかく、だ。クラスは……キャスターか？」
「いいえ、いいえ。アルターエゴにて！」
「アルターエゴ……ある英霊の抱く側面ないし感情を切り出し集め戯画化させたクラス、か。察するにお前は蘆屋道満の中の………………ふむ、悪性、か」
「……なんと？」
「蘆屋道満、と呼ぶのも少し申し訳が無いかもしれん。アルターエゴ……あるいはリンボ、と呼んでもいいかもしれんな」

この、男。
ぐ、と黙り込む道満にマスターは頷いた。

「それではアルターエゴ。……我が野望、土御門家の復興のため……協力してもらうぞ」
「ええ、ええ。もちろんですとも……ところでマスター、まだ御名を伺っておりませぬ」
「ゴータマ・シッダールタ」
「今、なんと」
「ゴータマ・シッダールタ」

それまで複雑な心地であった道満の心はただひとつの感情で埋められた。……なんだこいつ！？

104二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 13:44:12

リンボをそう思わせるとは大した奴だ…

1051 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 14:08:36

───
「はじめまして、セイバー。わたくしのことはマリア、と呼んでくださる？」

麗しい、という言葉の良く似合う女性が微笑んだ。
セイバーと呼ばれた騎士は流麗に跪き忠誠を誓う。

「ええ、貴女がそう望むなら。マリア殿」
「うふふ。ありがとう、セイバー・ランスロット」

その声は珠のよう。きらりと静かに輝く銀の良く似合う女性であった。……すこしばかり、露出の多い服なのは気になるところではあるが。

「ねえ、ランスロット。私たち、一蓮托生、というものなのでしょう？そうでしょう？」
「もちろんですとも。我が剣は、貴女のために」
「うふ、うふ、そう、うふふ……ねえ、なら、教えてくださらない？教えてくださるでしょう？貴女の望み、聖杯にかける望み……。ふふ、うふふ」
「……！」

騎士の最も柔らかな部分に戯れにナイフを突きつけるように女は笑った。

「我が望みは……ただひとつ。我が王に」
「アーサー王に裁いてもらうこと？貴方の不義理を、不貞を？王女ギネヴィアと密通し、真白の円卓を穢したことかしら？うふ、うふふふふっ」
「っ！」

目を見開く騎士に女は唄う。

「うふ、うふ、私知ってるの、全部知ってるわ、うふふ、うふ。全部知ってるの。あなたの王様が女だったことも、だからこそギネヴィアが貴方に身体を許したことも、うふ、知ってるわ、知ってる。それ以外も全部、私何もかも知ってることなのよ」

笑う、笑う、女が笑う。足元に円卓の欠片が煌めいている。

1061 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 14:18:03

「ねえ、セイバー、ねえ。私の望みも教えてあげるわ。うふふ、ねえ、私たち、この戦争をたった二人で駆けるのよ」

女が踊る。女が笑う。

「私の望みは、私の願いは、幻想に生きるもの全てを根絶やしにすることよ。私を含めた全ての血筋を根絶やしにすることよ……！」

酷く、煮詰まったような、泥ついた声が美しい庭園の中に落ちていく。

「あは、ふふ、あはは、ねーえ？セイバー。今回の戦いはね、うふふ！精霊を殺す戦いなのよ！あはは、あははははははは！！！！」

セイバーの顔色は酷く青く、汗が一筋垂れていく。

絞り出すような「……は」という焦燥滲む了承に何を反応することも無く、女はただ笑っていた。

>>108

107二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 14:25:04

こ、壊れてる…

108二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 14:26:45

>>106

「精霊を殺す戦いなのよ！あはは、あははははははは！！！！」

狂ってるのかまじなのかわからんのこわいぞい…

109二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 14:32:25

下手したらバーサーカーよりバーサーカーしてそうだな…

1101 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 14:48:46

────
「お初にお目に掛かります。拙僧、キャスター、蘆屋道満とも……う……」

召喚されたその瞬間。与えられたその霊基にその英霊は戦慄した。

「否、否！この霊基は……ビースト！？なぜ、一体なにが……！」

この蘆屋道満は、蘆屋道満本人である。そう、本人。切り出されたアルターエゴでない正真正銘の本物である。ゆえに、彼自身がそうあれないことを……全ての人間を愛せるほどの度量など己が内にはないことを知っていた。人類愛たる人類悪になど成れるはずがないと知っていた。

「これは一体どういった術を使ったのです？マス………………清少納言、殿……？否、貴方は一体……」

獣と化した蘆屋道満の目前には、既知の女とそっくりの姿をした何かが立っていた。
だが、数多の化生と対峙した陰陽師は一目でそれが違うと見抜く

「清少納言、清少納言か……なんだ、この姿はそんなにそいつにそっくりか。あは、そりゃあいい。なればそれにちなんでナギコサンとでも名乗るかね、ははっ」

ぎらり、と蛇じみた瞳をギラつかせたそれが笑っている。姿こそ女のそれだがしかし、その身から出る圧は、性など超越したなにかであることを示していた。

「ああ、しかし、上手くいったな。こんなに上手くいくとは。凄いな、凄いだろう、この聖杯は。資格のないものすらそんなものにしたてあげる極上の歪んだ盃だ！」

黒と白で構成された派手なリボンの装飾されたスカートでふわりと一回り。テンション高くそれな笑う。

1111 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 14:56:06

「どころで道満、どうだ？その霊基は。なんだって出来そうか？」
「え……ええ。これほどの力があれば……」
「晴明にも勝てる、とかか？」
「っ！それは」

頷きたい、頷いてしまいたい、だがその身に刻まれた数多の敗北の記憶が邪魔をした。

「ああ、すまんな、でりかしぃとやらに欠けていた。ま、だが安心するといいさ、お前今回晴明とやり合うぞ」
「っは！？あやつが……召喚されているので……！？」
「正確には生まれ変わりってやつだが。んまあでも、お前が見たら拍子抜けかもしれんが」

一気に意識がそちらを向く。晴明が……ここに、この戦場にいる……？生まれ変わって、ここに……？

「ま、そんな固くならずに気ぃ抜けよ。戦いは始まったばかりだ……気楽に行こうぜ。お前のその力がありゃ誰にも負けん、負けないさ」

ギラギラとした瞳に射抜かれながら、この怒涛の展開を咀嚼しながら、道満はふと思う。
ああ、姿ばかりだ、似ても似つかぬ外法の者だ、と。

112二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 15:10:59

こっちの道満は(まだ)正気だな！うん！

1131 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 15:21:03

────
「なんって酷い呪詛！さすがに英霊よね、解けるかな、これ……。ううん、解くの！解いてやる！いざとなったらその呪詛、噛み砕いちゃうんだから！」
「申し訳ありません……マスター……。あそこまで追い詰めておきながら逃すなど……」
「いいの、バーサーカー。あいつ……あいつらは……そうなの、そういう生き物、なのよ」

バーサーカーと呼ばれた女武者に抱きついた少女がじりじりと悪意を言葉の端に滲ませた。
その真っ白な髪は長く、地面に着くようだ。肌も白く、顔立ちは甘い。十にもゆかぬ童女である。

「憎い、憎い、あの男。あの男の息子。次は、次こそ……絶対に追い詰めて逃がさない……」

ふう、ふう、と青筋すら立てながら少女が喘ぐ。あまりにも大きな怒りにその身はずっと焼かれ続けている。

「あの虫ケラ共を、潰すためならあたしなんでもする、なんでもするわ。どんな卑怯だってやってやる。どんなことでも、どんなことだって」

114二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 15:27:20

トリにシンプル頭おかしいYAMA育ちがくるのか…

1151 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 15:27:40

「ねえ！来て！」

パンパン、と少女が手を叩くとすぐ、着物の男が現れた。彼女の膨大な部下の一人である。

「あの男をここに招きなさい。乱暴はしないで、ただ『聖杯戦争の監督者』と偽りなさい。あれは何も知らない虫ケラ、騙されてくれるわ」

部下がぺこりと頷き去っていく。それを見て幼女は笑う。

「あの卑怯な男のことだもの、このまま普通に責めたってやれっこないわ。徹底的に油断させるの、油断させて、させまくって、それで……寝首をかいてやるわ。その時までに貴女の身体、ちゃんと治すから」

小さな身で、大きな憎悪に身体を浸すその少女をただバーサーカーは抱きしめる。いつかその憎悪が昇華されますように。そしていつか───。

「父様を殺す、母様も殺すわ。その血が流れるものなにもかも殺す。そしたら、ねえ、バーサーカー。貴女、私の母様になってくれる？」
「っ……！！ええ、ええ、ええ！もちろん、もちろんですとも！ええ、どうか、この母にお任せを。必ず貴女の望みを叶えてみせます」

そう言ってバーサーカーは少女をより一層抱きしめる。……その血の中に流れるものを知っている、だが、それ以上に目の前の少女は……母を求める子であったのだから。

116二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 15:31:30

わ、わぁ…絶対酷い目に合う(予知)

117二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 15:32:35

生まれが悪過ぎたんだ…

118二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 15:41:30

謂れのない理由で命狙われてるナナシくんかわいそ……

1191 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 15:44:59

────
「っとまあこんな感じで、全てのサーヴァントが出揃ったみたいだ」
「いよぉっし！ごっくろう！我が𝓐𝓼𝓼𝓪𝓼𝓼𝓲𝓷……」

あるビルの屋上、柵の上に立った黒髪の長い男が笑った。

「猪男にガリガリマスコット、変な陰陽師に狂った人妻、ちっせぇロリっ子によくわかんねえゴスロリのバケモン……うん、オレの敵じゃあねえな！ギャハハ！！！」

なんてことのないように柵を歩きながら男は笑い声をあげる。

「話、聞いてたか？マスターもサーヴァントもだいぶ化物ぞろいだぞ」
「聞いてる聞いてるって！案じるなよ耀星！なーにこのYAMAの翁に全てを任せておけ！なんたってオレは……」

と、ここでとても不自然に溜めると仁王立ちになり宣言した。

「全てのハサン・サッバーハを超える真のハサン・サッバーハになるんだからなぁ！はーっはっはっはっ！はーっはっはっはっはあやべ」
「おいマスター！」

笑った拍子に滑って落ちそうになった青年をぐい、と引っ張って戻しつつ耀星のハサンはそっと額に手を当てた。

(これ……全体的に大丈夫なのか……？)

全ては出揃った。
話は始まったばかり。
あらゆる思惑を抱えながら、聖杯は廻る、廻る、廻る。

1201 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 15:45:17

───プロローグ・終

121二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 15:46:31

耀星くん…頑張れ

122二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 15:46:53

境遇でいえばそう変わりない、なんならナナシの方が悪いように見えるのに抹殺リスト入りしての本当不憫

123二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 15:47:48

こう見ると主人公感あるなYAMAの翁

1241 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 15:50:40

私も書いててこれ主人公にするなら史鬼くんかナナシくんのどっちかやな……って思ったよ
ただ同時に史鬼くんはサプライズハサン理論がすげー似合うタイプだなってなってるよ

まあこの話は全ての厄が主人公であってほしいためそんな感じですけども

125二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 15:54:08

この後の進め方って安価とかダイスで決めるの？

126二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 15:55:24

肉弾戦でも環境利用闘法とかいうエンタメ性あるのがズルいわ

127二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 15:57:05

この中で巻き込まれが七森だけなのかわいそ…しかも周りバケモノだけだし

128二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 16:00:52

史鬼も巻き込まれじゃね？と思ったけどこいつユニヴァースと接続してな

1291 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 16:02:05

そうですねえプロローグも終わったし

安価で決めてこうかな〜と思っています

それじゃあこのあとぶちあたるのどことどこ？

>>132までからダイス順

130二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 16:03:40

アルエゴvsキャスター

131二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 16:04:40

セイバーアルターエゴ...のマスター

132二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 16:08:40

アルターエゴvsセイバー

>>129

1331 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 16:13:08

アルターエゴが人気すぎる！！！

dice1d3=1 (1)

1.アルエゴvsキャスター

2.セイバーvsアルエゴマスター

3.アルエゴvsセイバー

1341 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 16:15:23

とりあえず書いていくし思いついちゃったら展開とかアドリブで入れてったりする所存ですけども実は聖杯戦争スレ初めてでしてね、こんなキチィんだと思いながら書いてるんで時間が……かかります……
その間は好きにご歓談してくれるとそのネタ拾ったりするかもなんでよろしくお願いします…………

135二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 16:15:39

これもうリンボ確定ガチャやないかい！

136二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 16:18:57

初戦闘がイロモノ陰陽師とマッスル晴明とかメディアさんかわいそ…アンセヲなんとかしろ

137二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 16:21:16

アンセヲもアンセヲでイロモノと言っちゃダメ…？

138二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 16:23:05

どうする？どう足掻いてもリンボが宝具使った瞬間強制的な総力戦始まっちゃうけどスレ主過労で倒れちゃわない？

>>139

1391 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 16:25:28

>>138

初っ端から総力戦はマジで荷が重〜＆そういうのは終盤にがいいよォ！なので最初はね、小競り合い程度でね、何とかしたいと思います

小競り合いですむんか？

しらぬい

アンセヲ、なんとかしろ、猪頭なだけで一応はテンプレ魔術…………テンプレか？これ。別にテンプレではねえな……

140二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 16:34:22

…駄目だ、神代の魔術師VS日本が誇る陰陽師(悪性)の魔術と呪術の弾幕勝負よりマスターの空中殺法と陰陽師パンチに全部持ってかれた。魔術師と陰陽師なんですよね？？

141二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 16:36:10

マスター陣が軒並み物理…うん！何もおかしくないな！

1421 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 16:38:29

───第一話・The dawn of

『うむ……これはまた面倒にして面妖……』

遠見の使い魔から報せを受けた魔術師──アンセヲは呟く。
どうやらこの戦争、誰も彼もが切り札を隠す気が全く無い。まともな魔術師と言っていいものが誰一人としていないのだ。だが、それは同時にそんなものを隠さなくとも勝ち残る自信があるということでもある。大きな力はただそこにあるだけで全てを威圧する。ここに集ったマスターたちは一部を除いてみな「それ」だ。誤魔化す必要は無い、コソコソ隠れる必要も無い、そんな連中が多すぎる。
そしてさらに面倒なことには。

『キャスター』
「あら、何かしら」
『工房の準備は完成したでしょうか？』
「ええ、ある程度。……本当はね、どこかに紐づけて別のサーヴァントも呼んでやろうかしらと思ったのだけどもう既に枠は全て埋まっていたようね、残念だわ」
『そうですか……。キャスター、賊が来ます』
「あら、もうバレていた、とでも？」
『ええ、もうとうに。なにせ今ここに来たるのは稀代の陰陽師の生まれ変わり……。当たり前のように全てを見通す目を持っている。アレは最初から全てを見越しています。おそらくは……もっとも【簡単に始末できるもの】から終わらせる気だ』
「それは……舐められたものね」
『ええ、とても、腹立たしい』

モザイクが震え、おそらくは握り拳であろうものを作る。

『上々、ですとも。見せてやりましょう……魔術のなんたるかを！』

1431 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 16:52:56

「キャスターの工房、ですか」
「応とも。サーヴァント共の居場所はとうに把握している。我には全て見えるからな」

道満には覚えのあるものであった。かの憎き晴明もまたそんな目を持っていたはずだ。やはり、この男は──。

「今はそこに向かっている。戦いとは速攻だ、速攻で決めた者が全てを制す。ゆえになるべく害の無く、倒したところで呪詛を撒くわけでなく、被害が少なく終わりそうなところから責めていこうというわけだ。我が宿願は土御門家の復興……それが為される前に国を滅ぼす訳にはいかん」
「ははァなるほど」
「だからお前の宝具は暫くしまっておけ。それがなくともお前は負けん」

不快なような、むず痒いような、そんな気持ちだ。
外見は似ても似つかないが、魂だけはそのままのそれにそんな言葉を吐かれるのはなかなか堪えた。

「それにあそこに居るのは魔術師だ……そう……魔術師……それもどうやら彷徨海などという秘境の……深き神秘を持つ……グァァァ！才能ある魔術師だ！許しておけん！！！その才能を叩き潰し我こそが最も才あるものと証明する！そうだ、我より才を持つ人間を全て潰せば我こそが一番の天才だ！フゥハハハ！……虚しい！！！！！」

ああ……ルチフェロなりしサタンよ……カルデアのマスターよ……最終的に好き勝手やったことは謝るからホントどうにかなりませんかねこれ。そんなことを思考の片隅で考えていた。本人の心根が邪魔をしてマスターの目的が達成される前に後ろから刺すことが出来ぬ己を恨むといい……そんな声が聞こえた気がした。おのれ晴明いつか倒す。

1441 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 17:05:13

山の工房、辿り着いたその場所は、なるほど異様な雰囲気だ。

「ンンン……この場所、なにか妙な結界が組まれておりますな」
「応。横入りを許さず、必ず正面からでないと入れない仕掛けが施されている。……聞くところによればこの場所には少し前まで寺があったそうだ」
「寺が」
「ま、今は瓦礫と化して誰も居ないこの場所に魔術師が一人住み着いている有様だがな」

とん、と、踏み入る。

山門を、潜り抜ける。
と、攻撃！魔力の塊が二人に迫る。式神がそれを受け止め千々と散る。

「あら、本当にノコノコやって来たわ」
「キャスター、貴様の主共々その命、速攻に摘み取らせてもらう！」

1451 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 18:12:50

始まるは魔術戦。
神代の魔術と平安の呪術とか交錯する！
ただ一言、ただの杖の一振で降らされるそれはまさに魔力の雨。その全てを式神で打ち払いながら距離を詰める陰陽師。
互角にも見える……ともすれば魔術師が追い詰められているようにも見えるその光景はしかし、陰陽師の方がかなりと不利である。
ここは魔術師の工房、神代の魔女がもっとも力を発揮できる空間なのだから。

……その後ろ、なにか追撃できる隙を伺うゴータマに、ひとつの影が近づく。

ドガァッ

「っ！」
『ふむ……勘づかれたか』

間一髪で転がり避けたそこには大穴。直撃すれば無事ではすまなかったろうそれを放ったのは……目の前の、モザイクだった。

「魔術師、と聞いていたが」
『ああ、そうだな。だが生憎……一番得意とするのは格闘技でね。こい、下賎な陰陽師。かの太陽神ククルカンから受け継ぎし空中殺法……受けてもらう！』

146二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 18:52:34

初の肉弾戦来るか…！？

1471 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 19:23:42

先にしかけたのはまたしてもモザイクだ。

『このアンセヲが太陽神より受け継ぎし技、食らうがいい！はぁあ！！！』

それは───飛び蹴りだった。しかし、ただの飛び蹴りでは無い。その足に保菌者としての力を集め太陽の熱を凝縮した飛び蹴りだ。エネルギーにより足は光り輝き、その様はまるで流れ星のよう！

『くらえい！カウイル・インパクトォ！！！』

その衝撃に石畳が弾け飛び、裏の土まで抉れ、まさに隕石の落ちたような有様！しかし、そんな一撃を受けながら……ゴータマは、立っていた。

『ふむ。やるな』
「アンセヲ、と言ったか。では、今度はこちらから行こう。お前たちのような才能を抱く連中を全て吹き飛ばすために生み出した新しき戦闘技術だ──！」

1481 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 19:24:58

(なんかマジでトンチキ格闘漫画みたいになってきちゃったな、まあええ曇らせまわりはナナシくんとマリアさんと夏希ちゃんが十分補充してくるだろうからここはこれでええか)

149二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 19:26:06

でもマリアさんも敵は殴っていくタイプなんだよね

1501 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 20:17:07

ゴータマが構える。そして……

「はぁっ！！！」

繰り出されたのは殴打、殴打、殴打！
ただの連続パンチに見えるが、無論そうではない。
禹歩、というものを知っているだろうか。おそらくはこれを読んでいる人のほとんどは知っているだろう。
彼の繰り出すパンチはそのステップと共に行われている。
詳しい説明は省くが、ようするに魔除けの類である。彼が使うものは己の技術でさらに精鋭化させたものであり、一歩で悪霊を祓い二歩で妖を祓い三歩で低級の荒神すらも退散させるほどのものである。それを踏みながら殴打を繰り出すことでそこにある全てを浄化させる、そのような攻撃を生み出すことが出来るのだ。
しかしながら相手は人間……正確にはホムンクルスではあるが、化生とは言い難い。それに効くのか。問題ない、まるで問題ない。なぜなら生きとし生ける全ての存在には必ず『悪しき心』という名の化生があるからだ────！

『ぐ、ふ……！！！』

事実それを食らったアンセヲはぐらり、とふらついた。しかし空中殺法の使い手としてのプライドは、膝を着くことを許さなかった。

『なるほどな、貴様もなかなか……やるらしい』

1511 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 20:17:57

Q.つまり？ A.陰陽師パンチです。当たりさえすればどんな悪も打ち砕くと言われています。まあ肝心の使い手の悪しき心は砕けないんやけどな、ぶへへへ

1521 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 20:36:15

マスター達が苛烈な肉弾戦を繰り広げている一方、サーヴァント達は魔術と呪術による攻防を続けていた。
発される大量の魔弾。畳み掛ける氷と炎、周りを取り囲む竜牙兵。
……あまりにマスター達の攻防が烈しいがため、万一にでも己がマスターを傷つけることのないようにと竜牙兵があちら側に差し向けられていないことが幸いか。

「あら、もう終わり？」

さしもの「二番目に高名な陰陽師」も神代の魔術師には型なしか、と思われたその時だった。

「…………隙を、見せましたねェェェ！！！イツパパロトル！！！」

アステカの暗黒神、それがその影より飛び出し黒き雷撃が降り注ぐ！
神代の魔術師、確かに驚異であろう！しかし、しかし、神なれば！！！

「ぎぃああああああ！！！」

さすがのメディアとはいえど、あまりの痛み、あまりの衝撃、蝶の羽が力を失い落ちていく。

『な……イツパパロトル神、なぜそこに……！』

そしてそれは、アンセヲにとっても。アステカ・マヤの神の力を継ぐ彼にとって、自らの崇拝する神の一柱がまさか、まさか敵の内にあろうというのはあまりにも────！

「よそ見をするな魔術師ィ！！！」

その隙をつき、ゴータマがアンセヲを吹き飛ばした！

1531 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 20:43:00

形勢は、逆転。
ぎ、と立ち上がるアンセヲ、痺れと痛みに呻くメディア。
彼らに近づくゴータマ、道満、そして────。

爆発音が、した。

「あれは……我らの根城が……！？く………………戻るぞ、アルターエゴ」
「……よろしいので？彼らはもはや虫の息、今なれば仕留められるでしょう」
「いいや、彼らはまだ闘志を失っていない。そも最初から敵地での戦いだ、この状態では勝てぬ」

そう言って身を翻すゴータマに、アンセヲが『……待て』と声をかけた。

「なんだ」
『名を聞かせろ。陰陽師。あれほどの戦いぶりを見せた男の名を知らぬのは耐え難い』

それに、ふ、と虚をつかれた様な顔をして。

「ゴー…………否。答えよう。我は土御門明星、いずれ土御門家を復興させ本物の天才となる男だ」
『ツチミカド……ミョウジョウ……ああ、覚えておこう』

にやり、笑い合い、そうして改めて駆けていくその後ろで追従しながら道満は(そのような名であったか……)と腑に落ちぬ顔をしていた。

1541 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 20:48:21

「こ、れは」

根城へと帰り、ゴータマ改め明星は呆然とそこを見た。

「明星殿！」
「おい、これは一体どうしたことだ。ここは居なくなった冬木のセカンドオーナーであった魔術師が根城としていた極上の土地に我らの最高の防御魔術を施して作った拠点だろう。それがどうして……大穴が、空いている……！？」
「それ、が、その……」
「はっきりと言え！」
「は、はいぃ！ええとその、YAMAの翁を名乗る不審な青年が『アルターエゴのマスターはどこだ！』『は？いない？無駄足じゃんかよ。よし、とりあえず破壊しとこう！』と私たちの作成した攻撃型礼装を誘爆させて────！」

声にもならぬ怒りの声が、そこに響いていた。

>>158

155二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 20:54:09

名前のせいでアサシンの仕業と勘違いされそう

1561 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 20:57:45

───
閑話休題/一方その頃

「それで、ザコマスター。私まだアンタの名前聞いてないんだけど」
「ひぃ、え、えと、お、俺自分の名前あんまり好きじゃなくて」
「はぁ？」
「ひぇぇ……」

青年は彼の家で、アーチャー・妖精騎士トリスタンと名乗る少女に詰め寄られていた。

「えと、俺、俺はその、篠森……ナナシ」
「へえ、ふぅん……篠森ナナシ、ねえ。ダッサ」
「俺も、そう思う、ほんとに、その名前好きじゃなくて、だから……よ、呼ばないで……」
「はぁ？じゃあアンタのことなんて呼べばいいのよ」
「ま、マスターだけで」
「は？」
「ご、ごめんなさい…………」

1571 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 20:57:56

ぷるぷる、と震える青年にはぁ〜〜〜と長い溜息をひとつ零し、アーチャーは言った。

「じゃああんたトリスタンって名乗りなさいよ」
「と、トリスタン。でもそれきみの」
「そうよ、私の騎士名。お母様がくれた大事な名前」
「お、かあさま……」
「でもアンタ自分の名前嫌いなんでしょ？なら私と同じ『トリスタン』、名乗らせてあげるわよ」
「……！！う、れしい」
「っは！」

ほんと少し、満更でもなさげな少女にそういえば、とナナシは尋ねた。

「じゃあ君の本名は」
「まだ教えてやーんない」

べえ、と舌を出すアーチャーに、またナナシは身体を縮ませた。
その時である、チャイムの音がした。
飛び上がって少しして、ドアに近づく。

「あ、あの……な、なんでしょう」
「この聖杯戦争の監督役の使いです。監督役・殺生院夏希様より伝言です。『この戦いに巻き込まれたあなたにいろはを教えてあげるから、冬木教会跡地にくるように』とのことです」
「冬木教会……跡地……」

つづく

158二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 20:58:35

>>154

ハサン・サッバーハの卑劣な術だ

1591 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 20:58:41

とりあえず第一回戦＋幕間はここまで
仕事早いので続きは明日になりそうです

160二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 21:10:37

乙
濡れ衣被せられた輝星くんかわいそ…

1611 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 21:14:35

あっせや次回戦の組み合わせ

>>164までからダイスで

162二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 21:17:29

バーサーカーVSセイバー

163二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 21:20:17

アーチャーvsアサシン

164二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 21:22:58

セイバーvsアーチャー

>>161

1651 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 21:24:45

dice1d3=3 (3)

1.狂vs剣

2.弓vs殺

3.剣vs弓

1661 ◆7prKFkU5YqFi24/10/06(日) 21:25:45

次回、ランスロット＆マリアvsバーヴァンシー＆ナナシ
あっ、妖精種あっあっあっ

では続きが始まるまでしばしご歓談＆考察＆保守のほどよろしくお願いしますネ…………

167二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 21:27:26

乙です
某二世が今回のことを知ったら「フ◯ック！」って叫びそう

168二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 21:38:15

現状ナナシ君に勝ち目がなさすぎる
ろくに体が動かせない上にほぼ八つ当たりで頭バーサーカー幼女にピンポイントで狙われてるのと、契約鯖が妖精だから根源接続者とかいうデタラメな存在と敵対が確定してるから本当にどうしようもない

169二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 21:41:13

本当にどうしてこうなったんだろうね
キアラさんもそう思うよね？

170二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 21:45:23

ナナシの名前を考えた人だけど役所に出生届を提出する時に考えるのメンドクセーって雑に記入されたイメージの名前なんで篠森君はもうトリスタンに改名してもいいと思うよ
姉に名前を付けるとしたらシイナ(粃)とかアクタ(芥)とか付けてそう

171二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 21:47:52

ナナシ君はセイバーとバーカーカー以外のどこかと同盟結ばないと生き残れなさそうなのがな…

172二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 21:49:43

まぁ命の危機に見舞われているのは主人公(ポジション)らしいともいえる

1731 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 05:11:09

再開、します

1741 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 05:17:08

────第二話・The call of
「冬木教会跡地、ねえ」

監督者とやらに呼び出された2人は連れ立って歩いていた。……とはいえ、ナナシ──トリスタンの方はよく足が動かないために雑に背負われているのだが。

「お、お、おお重くない……？」
「サーヴァント舐めてるの？」
「うう……」
「ま、戦闘になったら放り出すけどな」
「ううう……」

不甲斐なさで縮こまる。そも自分の虚弱さが悪いとはいえやはり少女に背負われるというのは中々に男という性にとっては堪えるものだった。

「そんで？その跡地……は新都にあるんだっけか」
「う、うん、そう。あ、あのね……そもそもこの冬木、廃墟が多いんだ…………」

1751 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 05:24:31

「昔は、この深山町には柳洞寺ってお寺があって……それで新都には、冬木教会ってとこが、あったんだけど、そのどっちももうその……なぜか無くなっちゃって、そこに居た人もいなくなった、らしいんだよね。あ、あと、お……れの、住んでるとこ、も、昔はおかねもちのひと、が住んでた……とか。マトウ、て、いったかな。ちょっと、むこうにあるトオサカって人が住んでた？らしいとこも、今はなんか、変なマッチョがうろついてるし……」

あまり興味が無さそうに聞き流すアーチャーにうう、となりながらたどたどしくトリスタンは話す。

「えと、あの、そうだ、それで冬木教会、には今はなんか、別の宗教の団体があるみたいで。監督者、て、もしかしてそこの人、なのかなぁ……？」
「シューキョー、ね。私そういうのよくわかんない」
「そ、そなんだ…………」

会話が途切れ、微妙な時間が経ち、そして二人は教会跡地にたどり着いた。

1761 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 08:17:46

たどり着いた冬木教会跡地は、今は████教なる怪しい宗教団体の根城になっていた。
とはいえ怪しいのは名前だけ、基本的に信仰者の人々はどちらかといえば親切で、無理な勧誘も無い。最初は訝しがっていた地元住民も今ではもうすっかりと慣れていた。

「うわ……なんか悪趣味……。ホントにここがカントクシャのいる場所なのかよ」
「う、うん……訪ねてきた人の、言ってた、こ、とが、ただしければ、だけど」

と、ぎぃ……と触っていない扉が開き、そこにスーツの男が立っていた。

「ようこそいらっしゃいました、篠森ナナシ様。監督者様がお待ちです」
「ひゃぇ、は、はぃ……」

アーチャーに背負われながら中核へと近づいていく。
そこには豪勢なクッションの上、一人の少女……否、幼女と言ってもいい年頃の子供が座っていた。

「ようこそ、おこしくださいました！しのもりななしさま！」
「へぁ、」

たどたどしい、幼女らしい口調で、その子供が挨拶をした。

1771 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 08:37:49

「おまちしておりました、しちにんめのマスターさま！」
「は、はぁ…………」

もしかして、これはこの目の前の幼女が監督者……って奴だったりするのだろうか。

「アンタがカントクシャ？」
「はい！わたしがこの『聖杯戦争』の監督者。審判です！」
「アンタみたいなガキにそんなのできるの？」
「もちろんです！『聖堂教会』、というものからいたくをうけてますから！」

こんな小さな子供に大変そうな役目を任すなんて、ずいぶんブラックだな……とぼんやり考える。

「ほんらいは戦いのゆくすえをみて、じもとのひとたちに知られないようにするだけのやくわりなのですが、ななしさまはよていがいの参加者、ということで説明会をおこなおうと思いまして！」

1781 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 08:52:04

「説明……」
「はい！あなたは『聖杯戦争』のマスターにえらばれました！予定外、とはいえこうなっては参加する義務がありますので〜〜。なにもわからないであろうあなたに、きちんと説明をおこないたいとおもいます！ホワイトボード！」

その声に応じて黒服の男たちがホワイトボードを持ってきた。

「二度ほどいいましたが、あなたは聖杯戦争、というものに参加することになりました」

ホワイトボードに文字が記されていく。

「聖杯戦争、とは聖杯をめぐってあらそう魔術師たちのころしあいなのです」
「殺し合い……」
「はい！ころしあい、なのです！聖杯にえらばれたマスターたちにはかならず令呪とよばれる紋様が肌にうかびます。ほんらいなら開催地にいる魔術師に浮かぶのですが……どうやらあなたも魔術を使う身、意図せずえらばれてしまったのでしょう！そしてマスターはサーヴァントを召喚します」
「サーヴァント……」
「はい、サーヴァント！サーヴァントとはかんたんに言ってしまえば過去の英雄の影法師。マスターはそれを使い魔として他のマスターと最後のひとりになるまで争うのです！」

1791 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 09:32:24

「な、なんでそんなこわい、こと」
「それはもちろん聖杯のためです！聖杯は、簡単に言ってしまうとひとのねがいをなんでもかなえる願望器なのです！わーぱちぱち！」
「聖杯……聖杯、って、なんなの。誰かが、作ったの……？それに、これってもしかして、何度か起きてるの……？」
「聖杯は聖杯なのです！とてもおおくの魔力でできた願望器なのです！それと、ごめいとう、です！実は聖杯戦争はいままでに五回ひらかれています！そのどれもがひどい結果におわりました。四度目にはひどい大火災が起き、五度目にいたっては参加者全員死亡ないし失踪というけっかにおわったのです。しかも聖杯は一部をのこし消滅！そとからきたある魔術師がその残り……泥といってもいい穢れを始末した、そうなのですが……。そもそも魔力がたまりやすいとち、こんどは自然発生したのです！いえーい！」

180二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 12:21:12

試されすぎた大地冬木

1811 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 13:33:17

ひどく、頭がぐらぐらとする。そんな恐ろしい儀式に、俺が？
「あ、ああああ、あ、あのっっっ」
「はい！」
「お、降りることって……出来ない、んですか……？」
「っおいザコ！」

アーチャーが止めるのも聞かずに言葉を紡ぐ。

「お、俺、しにたくない、こ、ここころすのなんて、むり、です……！」
「できますよ」
「へぇっ！？」
「その令呪をてきとーに消費してしまえばよいのです。そうすれば晴れて自由の身、なのです。もちろんサーヴァントとはお別れ、ですけど」
「あ、う」

逃げられる？この恐ろしい状況から、にげられる？

「でも、よいのですか？」
「っえ」
「ねがいが、かなうのですよ。どんなねがいも。どんなたかのぞみも。ねがってはいけなかったことも、かなうのです」

1821 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 13:37:52

───どんな、願いも。どんな高望みも、叶う。

【この役立たず、足腰立たず、無駄飯ぐらい】
【お前は何も出来ないもんなあ、こんなことされても抵抗出来ないだろ】
【まるで芋虫みたい】
【お前がいると皆不幸になるんだよ】
【おい、アイツが死んだの、お前のせいなんじゃないのか】
【うるせぇ！ならなんでお前の周りに居る人間は、みんな死ぬんだよ！】

どんな、願いも。

「……本当に？」
「ほんとうに」
「う。あ、ああ、お、おれ、やり、ます。やります、やります、やります─────！」

1831 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 13:50:27

「おお〜〜〜はくりょくあるせんげん、ありがとうございます！」

幼女がぱちぱちと手を叩く。

「いやでも、よかったです！なんせこの聖杯戦争、よばれるサーヴァントもまたねがいがあってよばれるものですから。もしここで降りる……なんて言ってたら、そのサーヴァントに逆にころされちゃってたかもですね！」
「へぇっっっ！？そ、そそそうだだたの」
「やるわけね……いややっぱやったかも」
「あわわわわ」

一人慌てるトリスタンをクスクスと笑い、幼女が言う。

「では、篠森ナナシさん！あなたを、アーチャーのマスターとしてあらためてみとめます！」
「あ、あああの」
「はい」
「おっ、おれのことは篠森ナナシじゃなくて、と、トリスタン。トリスタンて、呼んでください。あっ、えと、苗字とかついてたほうがいいかな。苗字、苗字、えと、えと、あっ、土御門トリスタンで」

ぽん、と頭に思い浮かんだ苗字とともに先程貰った名を名乗る。

「土御門トリスタン、ですか。ふふふふふっ、わかりました、そうしますね！トリスタンさん！よろしくおねがいします！」
「よ、よよよろしくおねがいします。えと……」
「殺生院夏希、です」
「殺生院さん……」
「夏希ちゃん、でいいですよ！これからはあまりさぽーとはできないのですが……。聖杯戦争かんれんいがいならいつでも来てもらっていいですし、あともしも敗退したらこちらで保護しますので！」
「ほ、ほご……？」
「はい！あなたの残った令呪、あるいは魔力を狙ってほかのマスターがやってくるかもですから！」
「あ、あのそれやっぱりさっきことわってたら」
「かもしれませんね！あはは！」

いつのまにかとんでもない綱渡りをやっていたことに、トリスタンの汗が吹き出ていた。

1841 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 13:50:41

「それでは、最後のひとりになるまで！頑張ってくださいね！おうえんしてまーす！」
「あ、ありがとう……」

そうして。帰っていくふたりを見ながら夏希は呟いた。

「ええ。そうして油断しきったその隙に……殺してやるから、篠森ナナシ。……ふざけきった名前を名乗って、私の名前も知らないで、のうのうと生きて、絶対に、許してたまるものか」

1851 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 13:57:08

……
「あ〜〜。なーんかヤな感じだったなあそこ」
「な、なんてこというの。あんな一生懸命な子に」
「はァ！？」
「あうっ、ごめんなさい……」

てこてことふたりはまた家に向かって歩いていく。

「そ、そそそういえばアーチャーにも願いが……あるの？」
「…………」
「アーチャー……？」
「教えねぇよ」
「そんなぁ……」
「お前こそどうなんだよ」
「俺、は────」

おれ、は。

「お、れも、教えない」
「は？」
「お、おおおしえない、から」
「生意気！」

やいやいと、話しながら歩いていく。

「あっ、そういやマスター。お前、最初のあのモフいぬいぐるみみたいな姿なんだったワケ────っ！？」

ざ、と。アーチャーが飛び退き、物陰にトリスタンを置いた。

「なんか……来る！」

186二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 14:01:31

やはりこの異母妹怖い…
そしてとうとうセイバー陣営と対面か？

187二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 14:06:13

ナナシ君の境遇とか知ったらどうなんのやろ？
組織力考えたら事前調査くらいしてそうだけど

1881 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 14:34:24

「妖精の、匂いがするわ。妖精の、気持ちの悪い、臭いが」

かつん、かつん、ヒールの音を響かせて。
女が一人そこにいた。
美しい肌を惜しげもなく晒し、堂々と。

「っ……なにあの痴女」

銀色の髪をゆうらりと揺らし、女が言った。

「ああ、アナタ、妖精ね。妖精よ。妖精だわ」
「そっ……れがなんだよ」
「セイバー。殺しなさい。頭を割ってしまいなさい。あのかわいい少女騎士にしたように」
「っ……………………はっ」

紫の、騎士が飛び出して。

「我がマスターの命だ。恨みは無いが……倒させてもらう」
「っ………………やれるものなら、やってみればァ！？」

ビリビリと、隠れているトリスタンにすら伝わる圧を跳ね除けるように、アーチャーが吠えた。

1891 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 14:47:39

───勝負は。圧倒的だった。
セイバーの剣は、容赦なくアーチャーの攻撃をことごとく切り伏せる。

「その技巧は覚えがある。私の同僚も、同じ技を使っていた──故に、効かん！」
「っっっ！くそっ、円卓の騎士かオマエ……！」

魔術も、弓も、届きはしない。その剣のもと切り伏せられていく。

「この強さ！オマエ、『ランスロット』だろ！？」
「ああ、その通り。私はランスロット、湖の騎士！故に……もはや逃げ場などないと知れ！」

ああ、ああ、このまま、では。トリスタンは思う。このままでは、負けてしまう。殺されてしまう。俺も、アーチャーも、殺されてしまう！でも、どうすれば。令呪はあと二角、残りは六人、令呪が無くなればそれでおしまい、俺は、俺は。

「っあ…………」

そうだ、と思い出す。サーヴァントはマスターによって召喚されるもの。ならば、召喚主にして楔たるマスターが、いなくなれば……。

「っ！」

そうか、だから、マスター同士の殺し合い。
強いサーヴァントでなく、弱いマスターを倒すことで征するもの……。マスターは間違いなくあそこにいる女性、なら、俺がやるべきことは……！

震えている。トリスタンにとって誰かを傷つけるということは、死んでしまいたくなるほどに痛みを伴うものだった。だが、それでも。

「う、うう……！」

できることがある、あってしまう。指先すらあまり自由に動かぬこの身なれど、誰かを壊すことに関しては、誰よりも得意……と言えてしまう、そういうものであった。

1901 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 15:02:38

「呪層、解放。俺の指は奈落を包む」

その文言に応えるようにトリスタンの身体から呪いが染み出していく。触手を伸ばすように、あっという間に、女性の身体へと届き染み込んでいく。

「あら、あら。いたずらっ子」

ぐるん、と女性がトリスタンの方を向く。物陰で隠れ、見えないはずのそれを射抜く。

「マスター」
「あの子は私がやるわ、私が受けた呪詛だもの。いいからその妖精を潰しなさい。虫ケラを、殺すように」

とす、とす、とゆっくりと近づく。
──本来その呪詛はどこまでも重い。本質的に遅効性とはいえ、しかし、受けたその時点で動きに支障が出るほどには強力であるはずなのだ。
だが、そんなものは全くもって効かぬとばかりにそれが近づく。

「ひっ、ひっ……呪層、深化。俺の掌は大地を抱く……！」

効かない。初めてのことだ。
そも、彼はそこにあるだけでゆっくりと人を呪うもの。蝕むもの。それから放たれる呪詛は必ず人を壊し殺すもの。事実効いているはずだ、だのに全く動じない──！

「見つけたわ。……ああ、貴方からも、人ではない匂いがするわ。殺すわね」
「っあ゛」

殴られた。枯れ木のような身体は容易に吹っ飛び壁に叩きつけられる。

「マスター！っくそ、どけ！」
「そうはいかん」

円卓最強の名は伊達では無い。どうにか致命的な怪我こそ避けられているが、そもそも力の差がありすぎる！

1911 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 15:08:17

「殺すわ、殺すわ、貴方たち。みんな、殺すの」

ただの一発殴られただけでこれである。もう一度喰らえばどうなるか。そんなものは火を見るよりも明らかだった。

追い詰められていく。叶わない。最強の騎士。呪詛の届かぬマスター。なにもできない、なにもならない。二人は今……ここで死ぬ─────。

「ほいっと電撃！」

突然、電線が切られ。ちょうど女の背に当たった。

「ぎあっ！？！？！！！」

強力すぎる電圧が女を襲う。

「っマスター！」
「今のうちに回収だっ耀星！」
「ぁ゛ーーーわかったわかったから！」
「はっ？」
「へっ」

セイバーがマスターに気を取られたその一瞬で。
トリスタンとアーチャーは謎の二人組によって回収されて行ったのだった。

「よーっしゃ回収回収！このYAMAの翁様が来たからにはもーう大丈夫だぜー！」
「なにやってんだよこのマスターは…………」

1921 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 15:15:58

ぴょんぴょんと、飛ぶように去っていく二人とそれに抱えられた二人。
セイバーに介抱されながらふと、女はそれを見上げて呟いた。

「……見えないわ」
「マスター？」
「見えないわ、あの子。あの、ジャージの子。私、何でも知ってるのよ。何でも分かるの。何でも出来るの。何でも見えるの。でも、あの子、見えない……見えないわ。別の宇宙と繋がってるみたい」
「別の宇宙、ですか」
「うふふ、うふ、こんなの初めて、初めてよ！あはは！私の最愛はあの人よ。あの人と、息子よ。でもそうね、あの子、あの子のこと、ペットにしちゃおうかしら。そうしたら、ね、そうしたら私……私、私、私……………………きっと…………」

あは、あはは、力のない笑い声が路地裏に響いていた。

1931 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 15:16:55

レスの残りが少ないため続きは次スレで行います。

194二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 15:18:26

サプライズハサン（自称）理論

195二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 15:19:24

仮にもハサン目指してるくせにやってることが全然アサシンらしくない

1961 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 15:25:32

次スレこちら

スレタイのナンバリング間違えたけどごめんね

厄ネタ聖杯戦争をしよう3【🎲/⚓️】｜あにまん掲示板前回までのあらすじ発狂済みセイバーマスター、ド虚弱にしてやたら他マスターに狙われることが確定したアーチャーマスター、ほぼほぼ格闘漫画のアルエゴマスター＆キャスターマスター、全体的に怖いバーサーカーマス…bbs.animanch.com

197二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 15:26:11

立て乙

1981 ◆7prKFkU5YqFi24/10/07(月) 15:48:52

うめうめ

199二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 15:51:05

梅

200二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 15:52:03

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