- 1124/10/06(日) 22:16:45
- 2124/10/06(日) 22:19:24
前スレ
【クロス注意】ここだけ|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>個性は dice1d3=@2 (2)@1. 二人とも使えない2. かっち…bbs.animanch.com【クロス注意】幼馴染みinNRC|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com前回までのざっくりあらすじ
エースの謝罪を成功させるためにマロンタルトを作ることになった出久一行。
トレイが作ったマロンタルトを『100000000辛の麻婆豆腐味』にしてしまったかっちゃんの運命やいかに!
- 3124/10/06(日) 22:24:50
パソスト風SS
緑谷出久 制服パソスト 「年上なのか!?」 | Writening■オンボロ寮 ―玄関― 「ありがとう二人とも、助かるよ」 「これくらい良いよ。お前には恩があるし、その礼だ」 「通りがかっただけで雑用押しつけてきた学園長はどうかと思うけど」 オンボロ寮を訪れたエー…writening.net爆豪勝己 制服パソスト 「なんか変な話だね」 | Writening■オンボロ寮 ―リビングルーム― 「でさ~、聞きそびれてたけど、結局個性って何なわけ?」 オンボロ寮のソファに身を沈めながら、エースが質問を投げかけた。 現在四人と一匹はオンボロ寮のリビングルーム…writening.net章をクリアするごとに増やしていきたい所存
素敵な支援イラスト様は前スレに!
- 4二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 22:26:16
2
- 5124/10/06(日) 22:28:57
現在好感度まとめ
【出久→相手/相手→出久】
*グリム 91/92
*エース 43/98
*デュース 56/43
*リドル 21/11
*ケイト 64/66
*トレイ 30/27
*レオナ 2/18
*アズール 93/69
*クルーウェル 56/-
*トレイン 78/-
*バルガス 16/-
【爆豪→相手/相手→爆豪】
*グリム 67/46
*エース 9/80
*デュース 88/88
*リドル 47/94
*ケイト 79/71
*トレイ 60/40
*レオナ 36/16
*アズール 73/21
*クルーウェル 13/-
*トレイン 36/-
*バルガス 6/- - 6二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 22:52:22
スレ立て感謝!!!!
- 7124/10/06(日) 23:00:20
「ではマロンタルトをもう一口どうぞ」
トレイに促され、出久たちはもう一口タルトをかじった。
「ん?んんん?これは……マロンタルトなのにチェリーパイの味がする!」
「ツナ缶の味だ!はぐはぐっ!おわっ、今度はチーズオムレツ!」
トレイの魔法の効果なのか、それぞれのマロンタルトが好物の味に変化しているようだ。
「……かっちゃんのタルトって何の味がしてるの?」
「ア?100000000辛の麻婆豆腐」
「本当に!?本当に一億辛の味なの!!?」
「スゴいですね。味を変える魔法がクローバー先輩のユニーク魔法なんですか?」
「正確には、『要素を上書きする魔法』だな。味だけじゃなく、色や匂いなんかも上書きできる。効力は短時間しか持たないから、落書きみたいなものだ。だから俺はこの魔法をドゥードゥル、落書きって呼んでる」
「ええっ!!すごい!!!」
「なになに~?スゴい食いつきだね~ミドリヤちゃん」
「色や匂いを上書きできるなんて、誰とチームアップしてもすごく色々な使い方ができるぞ……!かっちゃんの『爆破』の音を上書きできれば一気に隠密行動がとりやすくなるし、青山君の『ネビルレーザー』の性質を上書きすれば光だけじゃなくて熱とか水とかを噴射させられるってことだからどんな相手にも有利をとれるようになるし……。峰田君の『もぎもぎ』が味方全員にくっつかないようにするだけでも汎用性が上がるのに、くっつく以外の性質なんかに変化させたらブツブツブツブツ……。うひょお、想像が止まらないぞ……!」
*トレイ困惑度 dice1d100=100 (100)
*ケイト困惑度 dice1d100=46 (46)
「そのナード語りやめろや……!」
「なんか……、ミドリヤちゃん、ウチのクラスメイトのイデア君にそっくり!」
「そのイデアってヤツも、こんなに早口でブツブツしゃべるのか?」
「そうだよ~。彼の場合はテンション上がったとき以外はあんまり喋んないけどね」
「クソナードってのはどこの世界にもいんのかよ……」
- 8二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 23:08:07
色々応用できそうな魔法だとそうなるよね
- 9二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 23:23:21
たておつ!
ケイトの困惑度が低いのはイデアで見慣れてるからか… - 10二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 23:23:31
うひょお好きすぎる
- 11124/10/06(日) 23:24:21
「それにしてもトレイの魔法、意地悪なリドルの魔法なんかより全然スゴイんだゾ!」
「いや……俺の魔法なんか、寮長の魔法に比べれば子どものオモチャみたいなものだ。レベルが違うよ」
「そんなことないです!」
「はは、ミドリヤ。そんなに褒めてもなんにも出ないぞ。…………さ!今日はもう遅い。タルトを寮長に渡すのは明日にして、寮に戻ろう。明日は『なんでもない日』のパーティーだ。遅刻するなよ」
トレイは一瞬だけ目を伏せたが、すぐに明るい表情に戻った。
「ミドリヤ、また泊めてくんない?オレ、意地悪な先輩に寮に入れてもらえないみたいだし!」
「こらエース。あまりミドリヤに甘えるのはよせ」
「そうだゾ!今日も泊まるなら宿賃払え!ツナ缶10缶!」
「えー!じゃあ野宿しろってのかよ~」
エースが駄々をこねるのをみて、ふむ、とトレイが腕を組んだ。
「じゃあ、デュースもお目付け役としてオンボロ寮に泊めてもらったらどうだ。副寮長の俺が外泊許可を出してやるぞ」
「人数増やしてどうすんだクソ眼鏡!」
「ミドリヤ、うちのが2人も邪魔して悪いが、明日までよろしくな」
「はい、また明日」
「ホイホイ引き受けてんじゃねえ!!ウチは託児所じゃねェんだぞ!!!」
「いいでしょ、寮の監督生は僕なんだから僕が決めても。野宿は流石にかわいそうだよ」
「ミドリヤぁ~~~~!」
「チィッ!宿代として後で掃除手伝わせ殺したるわ……!」
*オンボロ寮での二人
体の傷は…… (1:極力表に出さないように気を使っている、100:特に隠さず堂々としている)
出久 dice1d100=45 (45)
爆豪 dice1d100=31 (31)
- 12124/10/06(日) 23:31:16
「昨日オレは談話室のソファ借りたけど、デュースはどうすんの?」
「僕は別に床でもいい」
「流石にお客さんに床で寝てもらうのは忍びないよ、僕のベッド使って」
「それは流石にミドリヤに悪い。急に来たのはこっちなんだし……」
*ベッドはどうする? dice1d4=2 (2)
1.3台のベッドをくっつけて4人と1匹で雑魚寝する
2.デュースが床で寝る
3.出久が床で寝る
4.出久がグリムのベッドにお邪魔して、デュースが出久のベッドで寝る
*泊っている間、エースとデュースは二人の傷を (↑の数字以下で見てしまう)
エース dice1d100=43 (43) (見た場合の気になる度 dice1d100=)
デュース dice1d100=28 (28) (見た場合の気になる度 dice1d100=)
- 13124/10/06(日) 23:32:35
ダイスミス振り直します
*エース
出久の傷のみ目撃 気になる度 dice1d100=89 (89)
*デュース
両方の傷を目撃 気になる度 dice1d100=63 (63)
- 14二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 23:41:32
このレスは削除されています
- 15二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 23:44:25
そりゃ気になるよな
- 16二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 23:47:50
ちょっとケンカしちゃって・・・(過小報告)
- 17二次元好きの匿名さん24/10/06(日) 23:59:02
- 18二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 00:10:43
一つ上なのに傷のない場所の方が少ないとか言うレベルだからなにがあった…?ってなってもおかしくないよね…。
- 19二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 00:20:39
- 20二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 00:25:28
前スレのイベントネタだけど、ゴスマリの後片付けの最中に出久の恋愛観が出るんだろうか…クレープはんぶんこ
そういや、かっちゃんってお茶子ちゃんの出久への気持ちって把握しているのかな?
クラスの半数ぐらいは把握してそうだけど - 21二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 01:47:21
デュースが「お前も昔やんちゃしてたのか‥?」って勘違いしそう
- 22二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 02:08:03
ハッピービーンズデーはフィジカル強者の幼馴染が強いのは分かる。楽しんで欲しいね
フェアリーガラは二人共体の傷的にクルーウェル先生とヴィル様から戦略外通告されてそう。それはそうとしておめかしはしてほしい
他A組が何故か来てしまったふわふわ時空なら口田くん砂藤くん障子くんの背丈ガタイトップ3に来てランウェイ歩いてほしいな、Ifのほうだけどジャックくんも確かヒール履いて歩いてたしイケるイケる
ゴスマリはギャップの男瀬呂くんでどうでしょう。上手く護衛の恋心を誘導してスマートに解決してほしい
スターゲイザーは青山くんとか…女性用にアレンジして葉隠さんとか似合いそう、二人ともキラキラしてるし!基本皆良い子だからデュースくんと一緒に星集め頑張ってそうで考えるだけで微笑ましい… - 23二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 02:22:30
続き
今の時期だとハロウィンとかタイムリーよね
砂藤くんはマジカメのためだけに商品買って捨てようとするカップル(だったはず)に対していい顔はしないし迷惑客に皆「ダメですよ!」ってしながら追い払うのが目に見える。飯田くんの過労が凄そうだ
そういえば新たなハロウィンイベントとキャラが来たけどその新キャラのあの行動に対して皆はどう反応するんだろうか。かっちゃんが爆ギレするのはわかる
まぁ仮装を楽しんでキャイキャイ過ごしてほしいぜ。女子陣が張り切ってメイクしてそれにぐったりするまで付き合う男子陣とか良いと思うんです、私
マスターシェフの格好をした皆も見たいね
髪の毛纏めてヒゲも剃る相澤先生とか、前髪長いからピン借りる障子くんとか、そのままだと帽子被れないからオフ島になる切島くんとか。要は皆の髪の毛アレンジが見たいんスよ、俺はァ!!
A組の生徒を寮に当てはめるのも楽しいよね
青山くんにはポムフィオーレの寮服を着てほしいしヤオモモと障子くんにはスカラビアの寮服、あと飯田くんは絶対ハーツラビュル
正直言うとヒーロー科に限らず雄英は全体がプルスウルトラの精神でなりたい物の為に日々頑張ってるから不屈・慈悲・奮励辺りは皆標準装備なのでは?と思っていたり
ルールに厳しくいないとヒーローやってけないから厳格、主に救助方面で熟慮、日々頑張ってるなら勤勉もワンチャン…それこそ人によるものってもしかして高尚くらい?
- 24二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 02:45:29
続きその2
アリアーブ・ナーリヤでターバン?巻いて観光する皆が見たいね…
ココナッツジュース飲んだり花火見て「スゴイスゴイ!」ってはしゃいでほしい。本来ならまだワイワイ過ごしても許される年齢だよ…文化祭みたいな雰囲気でいてくれ…
えっバルガスCAMP?
…皆なら付いていけるだろうね!イベントはふわふわ時空だからかっちゃんもストイックに自分を追い込んでいるだろうさ!
ポートフェストは是非Aバンドにやっていただきたい
ちょっと楽器のテイスト違うけど見たい。俺の命が助かるので…
正月イベントでサムさんのお手伝いの為に着物着てなんとなく落ち着くな…とホケーしてる轟焦凍くんは居てもいいと思います
タマーシュナ・ムイナは…個人的にはフィジカル強い尾白くんや芦戸ちゃんとか良いのでは…と…
それ相応に動けるから他に見劣りしないし観客の皆さんも見ててウキウキすると思うの
ツムステはツムを可愛がってくれればそれで満足です。可愛いは正義
ラビット・フェスは確実にミルコさんなんだよな…あっ結ちゃんを飼ってる口田くんとか癒やされそうよね
公式でミルココスした緑谷くん、切島くん、轟くん、耳郎ちゃん、お茶子ちゃんも行こうぜ!
ス○ィッチイベントは皆で夏に浮かれてはしゃいでくれ頼む。日焼けヤベェし疲れて寝ちゃうくらい楽しんでくれ。いつもダウナーな心操くんとかもテンションブチ上がっえキャッキャッしてほしい
あとなんか美術館が100周年記念でプラチナのタキシード着てミューズするみたいな内容のツイステ3周年イベントありましたよね?あれ皆着てほしいね。何人かで固まって美術館の中を見学してほしい。相澤先生でマナーは鍛えられてるからいかにもはしゃいでそうな中間学力テスト男女ワーストコンビも静かに真剣に鑑賞しててほう…と感心されててほしい
- 25二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 03:01:52
暫定最後
お前を待っていたんだよグロリアス・マスカレード!!花の街観光してヒーロー活動して劇場版してくれ!!そういやロロさんって若AFOだね
プレイフルランドは皆でレイバッパ!歌ってくれ。金なら出す。かっちゃんはBOOOMして「何のんきに歌っとンだテメェら!!」って言うよ。あの梅雨ちゃんや障子くんがノリノリで歌ってるから尚更警戒強めるよ(幻覚)。そういやフェローさんってスケプティックだね
ケルッカロト…十傑で冬の民族衣装着てたイラストのメンバーで行くか…!ここだけロディも参戦するとかどうでしょう。イベントなら許されると思うの
そうだ寮服もいいけど式典服も良いな。黒いメイクでいつもの光属性オーラ掻き消してダークな雰囲気を纏ってくれ。常闇くんとか絶対似合うでしょ!?B組なら黒色くんとかヒロコス黒めの物間とかさ!!
スレ主様へ。長文&スレのプチ占拠、誠に申し訳ありません。けどツイステのイベントって凝ってて魅力的な物しかなくてェ…どれが一番とか、省くとか考えられなくてェ…僕は言いたいこと一通り言えたのでとりあえず満足です∩∩
あ、問題があればすぐに削除していただいて全然大丈夫です!荒れるのは本意ではないので…
皆様もご静聴ありがとうございました。
- 26二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 05:51:59
- 27二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 07:45:14
ロロって思想的にオバホに近いのかな?
- 28二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 07:51:29
- 29二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 10:20:45
過少が過ぎる…
- 30二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 11:42:19
- 31二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 14:53:47
- 32二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 15:41:59
- 33二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 16:30:20
- 34二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 19:58:17
- 35124/10/07(月) 21:06:58
二人の客を迎えて騒がしい夜も更け、出久は再び不思議な夢をみた。
――私の花片、よくも汚したね!覚悟はいいかい!
怒り狂った女王が薔薇の木を抜いて振りかぶっている。薔薇は美しい赤色が剥げかかり、白い花弁がのぞいている。
薔薇を赤くぬったトランプ兵たちが恐ろしそうに身震いした。
――女王様どうかお助けを。悪いのはアイツです。
――お前か?
――いいえ、アイツです!
――お前かね?
――いいえ、悪いのはアイツです!
――いいえ、アイツです!
命惜しさに罪をなすりつけ合うトランプ兵に、女王が判決を下した。
――3人まとめて首を刎ねろ!!
哀れなトランプ兵たちは、別のトランプ兵に引き摺られ断頭台へと連れられていった。
*出久 夢への違和感 dice1d10=9 (9) +6
- 36124/10/07(月) 21:19:38
「おい、起きろミドリヤ。今日は『なんでもない日』のパーティーだぞ。遅刻したら首を刎ねられる」
「おはようデュース君……。ううん、なんか変な夢みたかも……」
デュースの声に重たい頭を持ち上げてなんとか目を開くと、デュースの気まずそうな表情が目に入った。
「その、悪いミドリヤ。別に覗こうとかそういうこと思ったわけじゃないんだ」
昨晩、出久は鏡がある寝室に戻るまで二人に配慮して傷を見せないように上着を羽織っていた。
しかし、寝室に入ってからはTシャツだけになっていたし、そのTシャツも寝ている間にお腹まで捲れ上がっていた。
出久を起こしに寝室に入ったデュースは、出久の身体中に残る傷を見てしまったらしい。
「……別にお前が話さないことを無理に聞こうとは思わないから安心してくれ、そんなの漢らしくないからな」
「うん、ありがとうデュース君」
寝室を見渡すと、グリムが横で涎を垂らして寝ていたので、出久はふわふわの毛に手を埋めて揺すって起こした。勝己は先に起きたようですでにいない。
コンコン。そのとき、オンボロ寮のドアを叩く音がした。
「ん?誰か来たみたいだな」
「おっはよー!昨日のお泊まり会は楽しかった?枕投げとかトランプとかして青春しちゃった?」
*トランプはやった? dice1d2=1 (1)
1.やった
2.やらなかった
- 37124/10/07(月) 21:29:00
寮を訪れたのはケイトだった。明るい声に、談話室のソファでまだ寝ていたエースが起きて欠伸をした。
「ふぁ~…。ケイト先輩おはよーございまーす。しましたよ、トランプ。バクゴーは速攻風呂入って寝ちゃったんで、あいつ抜きですけど」
「かっちゃん、寝不足でパフォーマンス落とすの嫌がるからね。夜勤体勢のとき以外はすごく早寝早起きなんだ」
「夜勤体勢ってなに!?」
「だァーっ、出久!!テメェは他人の個人情報をベラベラと喋ンな!!」
「あっ、隣の部屋にいたんだね、おはようかっちゃん!」
談話室の声が聞き漏れていたのか、勝己が隣りの部屋から怒鳴り込んできた。隣の部屋は現在使える机を集めた勉強部屋になっているので、朝から自習していたようだ。
出久があわてて着替えて朝食の支度をしようとしたところでケイトに止められた。曰く、『なんでもない日』のパーティーにはご馳走が並ぶので、食べてこなくてもいいらしい。
「それじゃあ早速、昨日作ったタルトを持ってリドルくんに謝りにいこっか」 - 38124/10/07(月) 21:46:58
ケイトを先頭にして出久一行がハーツラビュル寮に訪れると、ケイトが目の前からやってきて出迎えてくれた。
「おーい!やっと来た。待ってたよー、オレくん」
「たっだいまー。お待たせ、オレくん」
「ええっ、ケイト先輩が二人!!??」
全く同じ顔で二人のケイトが挨拶し合った。ケイトのユニーク魔法『舞い散る手札(スプリット・カード)』は自身の分身を作れる魔法らしい。
「すごい!先輩の分身って本人が全部動かしてるんですか?それともそれぞれに自由意志が?分身も魔法を使えるんですか?複製するごとに性質が変わったりするんですか??分身の持続時間と耐久性は???」
「んん~ミドリヤちゃん、今は時間ないから、後で答えたげるね!」
「あっ、すみませんつい……」
ケイトと出久が話す間に、更にぞろぞろとケイトが集まってきた。
「本物のケイトくんはオレでーす♪増えるのってめっちゃしんどいからあんま長持ちしないんだけどね」
複数のケイトに指示を出す本物のケイトは疲れを滲ませた笑顔を浮かべながら、また4人と1匹に薔薇を赤く塗る仕事を言い渡した。
そうすればリドルに繋いでくれるというので、やるより他にない。
「ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!このクッッッソ無駄な工数なんとかしろや!!!!水に食紅でも混ぜてやってろ!!!!!」
「バクゴーさっきからうるさんだけど~!」
「コイツ、猛獣みたいな顔で塗ってるのに、一番仕上がりが綺麗なんだゾ……」
「片手なのにすごいよな。バクゴーって左利きなのか?」
「ううん、かっちゃんは右利きだよ」
「テメェは俺が朝になんて言ったかもう忘れたんか、鳥の巣頭のクソナードが!!」 - 39二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 22:00:49
2人が身近に感じる分身系はエクトプラズム先生だけど、直近でヤベえのはトゥワイス(トガヒミコ)のサンドマンズパレードだよね…
- 40124/10/07(月) 22:01:29
「我らがリーダー!赤き支配者!リドル寮長のおなーりー!」
「「「リドル寮長、バンザーイ」」」
金管楽器の華やかなファンファーレとともにリドルが姿を現した。
カツカツをヒールの音を鳴らしながら、リドルは『なんでもない日』のパーティーの用意が完璧であることを確認していく。
リドルの道となるように列をなすハーツラビュルの生徒たちは、皆トランプのような赤と白の衣装を身にまとっている。
「ふわっ!なんだあの服!かっけーんだゾ!」
「ふふーん、かっこいいっしょ、ハーツラビュルの寮服!というわけでオレもお着替え!」
マジカルペンを一振りすると、ケイトも華やかな寮服姿になった。今日はサービスでお兄さんがコーディネートしてあげよう、と更にペンを一振りすると、出久たちもハーツラビュルの寮服姿に変わっていた。
グリムのリボンも、トランプを思わせる赤白黒のチェッカー模様に変化している。
*出久 グリムのリボン満足度 dice1d100=31 (31)
「はいグリム、こっち向いて~!」
「にゃはは♪いかすオレ様の姿、いっぱい撮るんだゾ~♪」
「TPO考えろや」
ゴーストカメラでパシャリと一枚。可愛らしいグリムの姿を収めて、とりあえず出久は満足した。
「マロンタルトの贈り物を忘れずに。んじゃ、パーティーれっつらごー!」
- 41124/10/07(月) 22:15:00
「では、誰の誕生日でもない『なんでもない日』を祝して!乾杯!」
「「カンパーイ!!」」
リドルが乾杯を告げ、いよいよパーティーが始まった。
明るく楽しげな雰囲気はエースの謝罪を円滑に進めるのに追い風だ。出久がエースの背を押して、エースはマロンタルトをもって一通り乾杯を終えたリドルのもとに近づいた。
「えーっと、タルトを食べちゃったことを謝りたいと思って、新しくタルトを焼いてきたんです」
「ふぅん?一応聞くけど、なんのタルトを?」
「よくぞ聞いてくれました!旬の栗をたっぷり使ったマロンタルトです!」
―――しん。
エースが自慢げにタルトを掲げた瞬間、リドルが放つ空気が凍りついた。次の瞬間、リドルの怒声が響き渡る。
『なんでもない日』のパーティーにマロンタルトをもちこむのは、ハートの女王の法律に違反するらしい。
「マロンタルトはすぐに破棄しろ!それから、こいつらを寮外へつまみ出せ!」
「ちょっと待てよ!そんな無茶苦茶なルールあるか!」
「寮長、申し訳ありません。マロンタルトを作ろうと言ったのは俺です」
「そうそう。まさかそんな決まりがあるなんて全然思ってなくて」
ケイトとトレイが宥めるが、リドルの怒りは収まらない。
「作ったことが重要なんじゃない。今日!今、ここに!持ち込んだこと“だけ”が問題なんだ!」
*かっちゃんブチギレメーター dice1d100=39 (39)
(50超えると暴れる、90超えると爆破。章の間累積する)
- 42二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 22:25:11
多分アグレッシブな監督生ならここで怒っただろう
『食える食いもん粗末にしてんじゃねーよこのボルボックスが』と - 43二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 22:44:18
死柄木ブートキャンプの賜物よ
- 44二次元好きの匿名さん24/10/07(月) 23:45:21
かっちゃんギリ耐えたな…
- 45二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 06:56:54
バカ飼い主になりつつある出久監督生
- 46二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 10:50:13
- 47二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 12:40:20
あの法律のことだ、料理関係の法律が100や200あってもおかしくない
- 48二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 13:30:52
どうして駄目なのか?が明白なら納得できるんだけどね
数百年前の法律をそっくりそのまま守れ!○○するのは禁止!何故禁止なのか?それは法律にあるからだ!はちょっと、ねえ? - 49二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 13:43:38
- 50二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 14:04:07
第53条はまあせやなって納得できるし第271条も納得いく理由こじつけようと思えばこじつけられるけど第124条や第304条みたいな条項も理由も達成条件すらもわけわからんのも混ざってるのがなあ
日常で使う系・してはいけない系・パーティ関連・条件が特殊なやつとかで分類して纏めた冊子とか作って寮生に配ったりするだけでもだいぶマシになったと思う - 51二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 15:02:27
こうして振り返ると幼馴染はもちろん、過去と比較すると捻れた世界の皆も成長したんだなて実感するから楽しい
- 52二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 16:03:50
序盤でその時の寮長の裁量次第って言われているもんね…
- 53二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 19:05:36
デクもかっちゃんもハーツ寮服似合わなさそうだな
最もハーツ寮服似合いそうなキャラって色んな作品探してもほとんどいない気がするけど
イケメンの轟だけどハーツ寮服はきっと似合わない 色合いがめでたすぎるから
- 54二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 19:20:24
このスレのデクとデュースの関係に気ぶっちゃったんだけど、このスレにしか供給がなくて胸が苦しくなってる
- 55二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 19:26:40
このレスは削除されています
- 56二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 23:22:48
このレスは削除されています
- 57二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 00:19:13
わかる。気ぶって立ち上がって座ってる
- 58二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 00:39:36
- 59二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 07:43:37
リドルの強みは本編曰く「初手が早い」「初手からトップギアで魔法打てる」「それでいて(魔法の)スタミナがある」なんで、先手必勝も難しく、かと言って長期戦になってもなかなか弱らないっていう、攻略が難しいスペックしてるんだよなあ…。
- 60二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 08:14:06
リドルで許せんのは勝手に哀れんできた時だな
幼馴染みは家族大事にする方だし怒る - 61二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 08:34:45
魔法と個性で機序が違うけど、リドルはかっちゃんの爆破を封じられるのかな
- 62二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 13:29:03
あくまで魔法だけなんじゃないか?
- 63124/10/09(水) 16:05:37
「こんなイカレ狂った法律を守れってんなら、当然何かありがてえ意味があるんだよなァ、ハイヒール野郎がよォ」
「……なんだい君は、随分無礼な口をきくね」
苛々と低い声で挑発する勝己に、リドルの片眉がピクと痙攣した。
「さっきから聞いてりゃ、意味不明なクソルールばっか並べやがって。伝統に則って法律を守るだァ?ルールってのは守るためにあるんじゃねェ、組織や社会を良くするためにあンだよ。そこ履き違えてンならテメェは思考停止の馬鹿野郎だわ!」
「馬鹿……だって?」
「ちょ、ストップ!それは言っちゃダメなやつ!あとリドルくんも、コイツらまだ入学し立てほやほやの新入生だからね?」
争いの火種の気配を察知したケイトが仲裁に入ろうとするが、ピリピリとした空気が緩むことはない。
「バクゴーの言う通りだわ。そんなルールに従ってタルトを捨てるなんて馬鹿だって思うだろ。ふざけんなよ」
「俺もバクゴーとエースに賛成です。もちろん、ルールは守らなければいけないものだとは思いますが……流石に突飛すぎる!」
エースとデュースも口答えしたことで、いっそう場の緊張感が強まった。
「他の奴らも、魔法封じられるのが怖くて言い出せないけど、こんなのおかしいと思ってるんだろ!!」
エースが周囲の寮生に同意を求めて叫んだ。
パーティーの会場が一瞬揺れる。しかし、リドルが一瞥すると、寮生は口々にリドルにおもねる言葉を口にした。
「チィッ、クソ腰抜けどもが……!」
「チッ……日和りやがって。ダッセー」
理不尽と恐怖を天秤にかけて後者を取った寮生たちの言葉に、勝己とエースの舌打ちが同時に小さく響いた。 - 64124/10/09(水) 16:30:27
「ボクが寮長になって1年。ハーツラビュル寮からは1人の留年者・退学者も出していない。これは全寮内でハーツラビュルだけだ」
「入学早々2人くらい退学者出るとこだったけどな」
「この寮の中でボクが一番成績が優秀で、一番強い。だから、ボクが一番正しい!口答えせず、ボクに従っていれば間違いないんだ!」
「それは違う!絶対に正しい人なんていないんだ、耳を傾けることを放棄したらダメだ!」
出久も思わず叫んだが、リドルには響かず、その眉間の皺がより一層深くなっただけだった。
「ボクだって、やりたくて首をはねてるわけじゃない。お前たちがルールを破るからいけないんじゃないか。ボクに従えないのなら、まとめて首をはねてやる!」
リドルから滲む怒気が一層強くなり、いつ爆発するか分からないような空気が立ち込める。リドルの両隣に控えるトレイとケイトが冷や汗をかいた。
「みんな、ほら。『はい、寮長』って言って」
「今の流れで言う訳ねェだろが、馬鹿か!!」
「……僕も、言えません」
「こんなワガママな暴君、こっちから願い下げだ!」
ピシ、と会場の空気が凍り付く。まるで嵐の前の静けさのように。
「今、なんて言った?」
「オマエはおこりんぼでワガママで食べ物を粗末にする暴君って言ったんだゾ!」
グリムの正直すぎる言葉が、ついにリドルの導火線に火をつけた。リドルが呪文を唱える声がパーティー会場に響き渡る。
次の瞬間には、出久たち全員にハートの首枷がかかっていた。
「――速い!くっ、外れない……!」
「フン。さっきの言葉といい、寮長張ってンのは伊達じゃねェみてーだな」
出久と勝己がありったけの力を込めても首輪はびくともしない。首輪に金具はついているが、あくまで見せかけだけ。魔法でできた概念的な首輪であるらしい。
「トレイ、ケイト!こいつらをつまみ出せ!」
「…………。はい、寮長」
暗い目をしたケイトとトレイが出久たちの腕を掴み、謝罪の言葉とともに引っ張った。
*かっちゃんブチギレメーター(現在値39)dice1d50=38 (38)
- 65124/10/09(水) 16:56:22
「テメェらは一丁前にハイヒールの臣下気取りか?随分な下僕根性じゃねェか!!アァ!?」
耐えてはいるが勝己の苛立ちも相当なもので、額に太い青筋が浮いて目が血走り始めてきている。
「ちょ、バクゴーちゃんあんまり暴れないでよ!オレたちは穏便に済まてあげたいんだからさ!」
「ハッ、生憎こっちにその気はねェんだよタレ目!アイツを一発ぶん殴らねェと気が済まねェ!!」
「くっ、すごい力……!オレ君たち!バクゴーちゃんの手足一本ずつ抑えて!」
「待って待って、左腕担当のオレやばくない!?」
「脚もヤバいって!活きのいいマグロ生け捕りしてるみたいなんだけど!!」
「オレは右腕担当でよかった~」
「離せやクソがあ”あ”あ”あ”あ”!!!!!」
暴れまわろうとする勝己をケイトの分身たちが担ぎ上げ、胴上げのようにして運ばれていく。
接触状態で爆破を使わなかったのは理性が残っているからだろうが、キレている勝己はまるで獣のようだった。その暴れっぷりは見ている出久やエースたちの方が逆に冷静になるほどだ。
「……悪いなお前たち。リドルのことは俺が宥めておくから、またタルトをもってくると良い。そうすれば今度こそエースは寮に戻れるようになるよ」
出久の腕を引くトレイは言葉こそ穏やかだが、いつでもマジカルペンを握れるようにしているのが視線や息遣いから感じ取れた。やはり油断ならない相手らしい。
「……その言葉、信じて良いんですよね」
「ああ。アイツは良くも悪くも規則を守る奴だからな」
そもそもの目的はエースの謝罪を成功させ、寮からの追放令を解いてもらうことだった。此度の失敗の明確な代替案を提示されては、出久がトレイたちに歯向かう理由はない。出久は握っていた拳を解いた。
「……助かる。お前と喧嘩したら、タダじゃ済まなさそうだからな」
「あっ、ミドリヤ!なんでそんな奴の言うこと聞くんだよ!」
「ここは引こう、エース君。リドル君の怒りが落ちいた頃に、もう一度ちゃんと話そう?」
「是非そうしてくれると助かるよ」
結局、勝己はケイトたちに鏡の中にぶん投げられて、エースとデュースとグリムはトレイに鏡の中に押し込まれた。
出久だけが自分の足で鏡を潜ったが、振り返りざまに見た、こちらに手を振るケイトとトレイの疲れたような笑顔が、どうしようもなく救けを求めているようにみえて仕方がなかった。 - 66124/10/09(水) 17:01:47
この段階で鏡潜ったらダメなんだった!
でも書いちゃったのでそのまま続行しますね - 67二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 17:10:10
トレイが出久のこと警戒してるのなんか良いな‥
- 68二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 17:15:58
このスレの出久とトレイは相互に好感度低いからな
お互いに油断ならないと直感的に感じてそう - 69二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 17:30:27
軍人並みに訓練された高校生だもんな、絶対に喧嘩したくない
- 70二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 17:37:57
二人ともヒロスに首まわりに重量があるコスしてたから首輪ありでも平気で暴れまわれそうなのがなんとも
ユニ魔分析されてそうなのもやっかいなんだよな - 71二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 17:56:47
デクのOFAが復活してくれたら黒鞭で止めれたのに………
- 72二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 18:17:44
「あーくそっ、腹立つ!!あの赤毛のチビ暴君!自分がハートの女王にでもなったつもりかよ」
「寮長に逆らって追い出されるなんて……。どんどん優等生から遠ざかってる‥…」
鏡の間に戻ってもストレスが収まらないので、出久たちは風に当たるために植物園の近くに出ていた。
「うぅ、首輪が苦しくて重たいんだゾ~……」
「その首輪の重ねづけ、イカしとるにゃあ~」
「「「うわっ!!??」」」
その瞬間、4人と1匹の傍に人間の生首が突如現れた。
「ふぎゃーーーーーーーッ!!」
「おっと。身体を出すの忘れとったわ」
飄々とした様子で体を虚空から浮かび上がらせた青年は、アルチェーミ・アルチェーミヴィチ・ピンカーと名乗った。彼の頭には大きなとがった耳が生えている。どうやら猫の獣人属のようだった。
「みんなチェーニャって呼ぶかねぇ」
「何だテメェ、何処寮だオラァ」
「そりゃこっちのセリフだにゃあ、寮章つけてないツンツン君。オレが何寮なのか、当ててみにゃぁ~」
チェーニャは恐ろしく制服を着崩しているので、寮どころかもはやどこの学生なのかも分からないような装いだ。チェーニャは結局意味があるようでないような不思議な言葉を並べたて、結局勝己の質問には答えなかった。
「オレは暴君に理不尽な目にあわされて機嫌が悪いんだよ。どっか行け!」
「リドルが暴君……フフフ。まあ、そう言えなくもないかもしれないけどにゃあ」
歌うような陽気な口調で、チェーニャはリドルについて知っているようなことを言った。その核心には触れずじまいだったが、知りたいのならトレイに聞くと良い、とも。
どうやら、トレイとリドルは幼馴染だったらしい。
意味深なことだけ呟いて、チェーニャは鼻歌とともに体が透けて消えてしまった。
「なんか変なヤツだったんだにゃあ。……あっ!口調がうつった!」
「今のってユニーク魔法?葉隠さんみたいに透明になれる魔法なのかな。それにしては気配丸ごと消えてたし、どちらかといえば通形先輩に近い感じなのかな……ブツブツ」
「うわ~……。ミドリヤってマジでユニーク魔法に見境ないね」
「チッ。俺ァもうツッコまねェぞ」 - 73124/10/09(水) 18:18:38
(コテ消えてますが↑は1です)
「とにかく、クローバー先輩に話を聞きに行ってみよう。それに……」
「謝って外してもらうなんて、ダセーから絶対やだ!」
エースはひどく腹を立てていて、穏やかな話し合いはもはや望めそうもない。
リドルの横暴に怒る気持ちは十分理解できるが、随分拗れて解決するのが難しくなってしまったなあ、と出久は頭の中でエースの謝罪プランをほとんど白紙に戻すことになった。 - 74二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 18:59:38
リドル寮長に対しての言葉とか、デクがしっかりヒーローした考え方してるのすごい好き 個性こそ使えないけど頼もしい
- 75124/10/09(水) 19:31:14
『なんでもない日』のパーティーも終わった夕方、出久たちはマロンタルトのレシピ本を図書室に返却しにきたトレイのもとを訪れた。
「オレたち、やっぱ寮長のやり方に納得いかねーんだけど」
「……だろうな」
エースのド直球の告白に、トレイはこめかみをおさえて深いため息をついた。
「アンタ実際アイツのことどう思ってんの?小さい頃からずっとそうやってアイツにぺこぺこしてきたわけ?」
「!!……誰から聞いた?」
エースの言葉にトレイが険しい顔をする。チェーニャの名前を出すと、トレイはまた一つため息をついて表情を緩めた。
トレイはリドルの幼少期と母親について4人と1匹に語って聞かせた。
厳しい母親に全てを管理されて育ち、それ故に厳しいルールで縛ることが相手のためになると信じているのだと。そして、ルールを破るのが絶対的に悪だと思っているのだと。
「……。お前たちがリドルを横暴に思うのはわかる。リドルのやり方が正しくないことも。だけど、俺には……やっぱりあいつを叱ることなんて出来ない」
トレイは目を瞑って思いつめたような表情を浮かべた。それを納得がいかないような顔でエースが睨む。
「…………。今の話を聞いて、よーく分かった。リドル寮長があんななのは、アンタのせいだわ」
アンタはリドルのやり方が悪いと分かっていたのに諫めることをせず孤立するの見ていただけだ、とエースはトレイを詰った。
「それともなに?アンタも首をはねられるのが怖くて黙ってるって?ダッセえな!!」
*口をはさむのは dice1d2=2 (2)
1.出久
2.爆豪
- 76124/10/09(水) 19:48:58
「ハート野郎の言う通り、他人に言われて初めて気づくってこともあンだろ。テメェのやり方じゃ、あのハイヒールは自分の弱みに気づけねえ。それじゃ成長する機会も訪れねえよ」
悔しいことだが、己の間違いや弱さに直面して初めて成長できることは、勝己自身が身をもって証明している。気を使われて耳障りの言い言葉を並べられるだけでは先に進めないのだ。
それに、リドルの話は、どこか轟が語った過去の話と通じるものがあった。
子は親を選べないが、子は親の影響を強く受ける。親の呪縛を子が自分だけで破ることは難しい。
あの日、控室で出久の言葉を反芻する轟の、困惑しつつも何か光明を見出したような表情が勝己の脳裏に蘇った。
「誰かがアイツに言ってやらねェと、アイツはマジであのまま大人になっちまうぞ。それとも何だ。学園卒業したら離れ離れになるから、今さえよければ後は関係ありませんってか?」
勝己が顎を持ち上げて挑発の仕草をする。トレイは呆然と目を見開いて言葉に詰まった。
気まずい沈黙が訪れるかとおもいきや。ドタドタと走る騒音がこちらに近づいてきた。
「コラ!君たち!図書室では静かに!!」
走ってきたのは学園長で、出久たちを𠮟りつけてきた。
「アァ!?テメェが一番うるっせええンだよクソ烏!!!」
「たった今かっちゃんの方がうるさくなったよ……」 - 77124/10/09(水) 20:00:34
どうやら学園長は図書室で出久と勝己が元の世界に戻る方法について調べていたらしい。
出久が事情を説明すると、ふむ、と学園長は顎に手を当てた。
学園長は、それならばリドルに決闘を挑んで自分が寮長になってはどうか、と提案した。
決闘で勝利する、というのは、ナイトレイブンにおいて寮長の座を得るための正当な方法の一つであるらしい。
「たしか決闘の相手に事前にハンデをかすことは禁じられているから、リドルに謝ることなく首輪を外してもらうこともできるか。いや、でも……」
「寮長に挑む権利は入学した瞬間から全生徒に与えられていますよ。どうしますか?トラッポラくん。ローズハートくんに挑みますか?」
「おっし、ならいっちょやってやろうじゃん」
「なら僕も」
学園長の提案にエースとデュースが乗った。
「上等、俺もあのクソハイヒールを一発ぶん殴りたかったところだ!」
「カツキくん、残念ながら別の寮生は挑むことができないんですよ」
「アァ!?何だそのルール!!」
「ふな”っ!?じゃあオレ様の首輪は誰が外してくれるんだゾ!?」
「オレが寮長になれれば、リドルに命令して外してやるよ♪」 - 78124/10/09(水) 20:08:03
二人の意志を受け、学園長は決闘の手続きをにこやかに請け負った。
「君たちがリドル君と戦うなら、なにか作戦を立てないと」
魔法についての知識が殆ど皆無の出久からみても、リドルが非常に優秀な魔法士だということは分かった。
正面からバカ正直に挑んで勝てる相手ではないということも。
「だな。ってわけで、なんか良いアイデアない?」
「そこ丸投げすんな!クソハート!!テメェプライドは無ェんか!!」
「うーん、正直魔法では寮長に勝てるイメージが湧かないな。でも拳でなら勝てるかもしれない」
「確かにアイツ貧弱そうなんだゾ!」
「おっと、言い忘れてました。この決闘では魔法以外の攻撃は使用禁止ですからね」
ルールを守って楽しい決闘!と謎の標語を言い残して、学園長はその場から立ち去った。どうやら明日には決闘の手続きを済ませてくれるらしい。
「よ、よーし!魔法にはちょっと自身ないけど……なんとかなるっしょ!」
「お、おう!」
エースとデュースがなんともふんわりとしたことを言って気合を入れた。
正直なところ、頼りないことこの上ない。
*口をはさむのは dice1d2=1 (1)
1.出久
2.爆豪
- 79124/10/09(水) 20:25:45
「……厳しいことを言うんだけど、魔法だけで君たちがリドル君に勝つのは、とても難しいと思う」
出久にハートの首輪をかけたリドルの魔法は、洞窟で怪物と戦った際に見たエースとデュースの魔法と比べると立ち上がりの速度も正確さもまるで異なっていた。
その差はまるで現役時代のオールマイトと雄英に入学したての頃の出久のよう。まさに格が違うのだ。
「決闘が魔法以外の攻撃が禁止ならリドル君のユニーク魔法が発動した瞬間に勝敗が決定するよね。勝つなら先手必勝以外ありえない。リドル君より早く魔法を出せるプランはある?」
「うっ……。ミドリヤに正論言われるとキッツイわ……」
「分かってはいたけど、こうも直球で言われると胸が痛いな……」
「なに甘えたこと抜かしてやがる!!出久の指摘したことはガキでもすぐに分かることなんだわ!!勝つためにもっと頭絞れやカスどもが!!!」
「バクゴーはいつも通りか……」
エースとデュースはがっくりと肩を落としたが、リドルと戦うなら避けては通れない問題だ。
「作戦を立てても先手を取られたら意味がない。明日まで魔法を素早く発動させる特訓に注力した方が良いと思う。もちろん作戦も立てるけど」
「だな。おいテメェら。魔法ってのはイマジネーションが大事だとか言ってたな。魔法の発動スピードもそうか」
「そうだけど……」
「首輪のせいで魔法が使えないから、明日までイメージトレーニングするしかないね。大丈夫、僕たちができる限りサポートするよ!」
「認識が甘いテメェらをビシバシ鍛え殺してやっから覚悟しろや」
「「ひえ」」
その日、分かりやすくスパルタ指導な勝己と笑顔でキツイ特訓を言い渡してくる出久に扱かれまくり、夜までエースとデュースの悲鳴が運動場に響いた。
*幼馴染'sブートキャンプの成果
エース dice2d100=51 51 (102)
デュース dice2d100=19 59 (78)
- 80二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 20:58:21
デクと大・爆・殺・神ダイナマイトの個人レッスンとか雄英の後輩がハンカチ噛み締めて羨ましがりそうです
よかったな、喜べよエーデュース - 81二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 21:06:58
プルスウルトラって言葉がトラウマになってそうなエーデュースだ
- 82二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 21:32:31
デクもかっちゃんも同レベルのメニューを涼しい顔でこなすから文句も言えないやつだ
- 83二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 21:41:48
- 84124/10/09(水) 22:11:41
特訓を終えて心地よい疲れに身を任せて眠ったその夜、出久はまた夢を見た。
(また不思議な夢?)
裁判所のような場所で、証言台に幼い少女が立っている。その向かいに立つのは、恐ろしい顔をした女王だった。
――言わせてもらうわ。なにが女王陛下よ!貴女はワガママで、意地悪で、底意地の悪い暴君……
――ハハハハ、お前、今、なんとお言いだね?
口を滑らせた少女が慌てるが、女王の頭の上に突如現れた猫が歌うように告げ口をした。
――アンタはワガママで、意地悪で、底意地の暴君だとさ♪
――ウギイイィィ!!首を刎ねろ!!
怒り狂った女王の顔が真っ赤に染まる。
命令を受けた無数のトランプ兵が、幼い少女に襲い掛かった。
*出久 夢への違和感 dice1d10=10 (10) +15
- 85124/10/09(水) 22:31:14
「――――!!」
後味の悪い夢に出久が飛び起きたとき、寝室には誰もいなかった。
談話室の方から声がする。既に出久以外は起きているらしい。
「……みんなおはよう」
「おはようなんだゾ、イズク!」
「今日は決戦日だ!さ、行こうぜ」
「さっさとそのモサモサ頭なんとかしてこいや!」
「ごめん、ちょっと待ってて!」
支度を整えた出久たちが決闘の舞台に指定されたハーツラビュル寮の薔薇の庭園に着くと、そこにはすでにたくさんのギャラリーが集まっていた。
「これよりハーツラビュル寮の寮長の座をかけた決闘を行います」
学園長に名前を呼ばれ、挑戦者であるエースとデュース、そして挑戦を受けるリドルが前に出る。
決闘の掟に従い、リドルが二人にかけた魔法封じの首輪を外した。
「正直めちゃくちゃ不安だけど、がんばれ二人とも!プルスウルトラだよ!」
「がんばるんだゾ~~!!オレ様の首輪をさっさと外してくれ~~!!」
「アイツらしくじったらタダじゃおかねぇ」
実力差は絶望的だが、諦めなければ勝利の可能性はゼロではない。
出久と勝己だって、まだまだ実力が足りなかった時期にオールマイトの期末試験に合格できたのだ。ゲロを吐いてもプライドを擲っても勝とうとする気力があれば、あるいは。 - 86124/10/09(水) 22:33:11
「リドルくん、今日の午後のお茶の用意はどうする?」
「愚問だね。ボクのお茶の時間は毎日キッカリ16時とルールで決まってる」
「でももう15時半を過ぎてるけど……」
「ボクが遅刻をすると思うのか?どうせすぐ決着がつく。そういうわけで、ボクには時間がない。1人ずつ相手をするのも面倒だ。2人まとめてかかっておいで」
リドルの言葉でエースとデュースが同時に戦えることになった。
「カ~ッ!カンジ悪いんだゾ!」
「……これで勝率が少しは上がったかな」
「ケッ、舐めプ野郎が!」
戦いの舞台の上でエースとデュースがマジカルペンを握り、リドルは寮長にのみ所持を許される杖を構えた。
「では……レディ、ファイッ!!」
学園長が手鏡を割り、決闘の始まりを告げる音が高らかに響いた。
*決闘ロール
リドル dice1d5000=3513 (3513)
エース&デュース dice2d100=15 13 (28) +(102+78)
- 87二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 22:34:22
エースとデュースの出目が悪いのもあるけどリドルが強い!
- 88124/10/09(水) 22:50:04
結論から言うのであれば、まるで勝負にならなかった。
鏡の音が響いた瞬間に魔法の詠唱に入る特訓を集中的に行ったが、所詮は付け焼刃。幼い頃から英才教育を叩きこまれ、その全てを飲み込もうと努力してきたリドルの相手にならず、瞬きした次の瞬間にはエースとデュースの首に再びハートの首枷がかかっていた。
「――やっぱり速い!魔法ってここまで個人の力量差が出るのか」
「オラ根性見せろテメェら!!無理矢理でも首輪ァ外して戦えやコラァ!!!」
首輪を外せずにもがくエースとデュースをリドルが冷たく見下す。
「その程度の実力で、よくボクに挑もうと思ったものだ。恥ずかしくないの?やっぱりルールを破る奴は、なにをやってもダメ。お母様の言う通りだ」
無茶苦茶なルールを押し付けるのはただの横暴だ、と叫ぶデュースの言葉を一蹴し、リドルは説いた。
ルールを守ることの正しさと、この寮ではリドルこそがルールであることを。
「――そんな簡単なこともわからないなんて、キミは一体どんな教育を受けてきたの?どうせ大した魔法も使えない親から生まれて、この学園に入るまでろくな教育も受けられなかったんだろう。実に不憫だ」
「……テメッ……」
「なんてことを……!」
自身のみならず親までも侮辱されたデュースが殺気を帯びる。
温厚な出久でさえ今の一言には拳を握らずにはいられなかった。
*出久ブチギレメーター dice1d100=22 (22)
*かっちゃんブチギレメーター(現在値77) dice1d50=41 (41)
- 89二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 22:51:49
かっちゃんキレた?
- 90二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 22:56:59
「絶対に正しい人なんていない」デクらしい発言だ
- 91124/10/09(水) 23:15:27
「ふざっっっっっけんなよ!!!!!!!!!」
エースの怒声が響き渡り、続いて鈍い音がした。エースの右ストレートがリドルの顔面に炸裂したのだ。
リドルは初めて他者に殴られるという経験に、バランスを崩したまま立ち上がれずに呆然としている。
「あー、もういい、寮長とか、決闘とか、どうでもいいわ。お前がそんなクソ野郎なのは親のせいでもなんでもねーって、たった今よ~くわかったわ!」
立ち位置が逆転し、今度はエースが怒りに満ちた顔でリドルを見下ろしている。
「この学年に来てから1年、お前の横暴さを注意してくれるダチの1人も作れなかった、てめーのせいだ!」
「よく言ったハート野郎!俺もテメェに言いてぇことがあんだわ、クソハイヒール!」
怒りのままに勝己も飛び出して、エースの隣に降り立った。その左手がバチバチと今にも爆発しそうな音を立てていたので、慌てて出久もその後を追いかけた。
「テメェの努力も実力も否定しねェ。でもなァ、テメェの頭空っぽな部分を棚上げして周りに当たり散らしてっとこ見てっと、虫唾が走るんだわ!!」
「頭が空っぽだって……?この僕が……?」
「バクゴーの言う通りじゃん。そりゃお前はガッチガチの教育ママにエグい育て方されたかもしんないけどさ、ママ、ママってそればっかかよ!自分ではなにも考えてねーじゃん!なにが赤き支配者だ!お前は魔法が強いだけの、ただの赤ちゃんだ!!」
エースが言い放った言葉に、リドルがわなわなと震えた。何も知らないくせに、とリドルが低く唸る。
誰がいつ爆発するか分からない一触即発の空気の中、出久とグリムもようやく決闘の中心にたどり着いた。 - 92124/10/09(水) 23:19:07
書いてる途中ですが、オバブロ前後のセリフは気を使いますね
センシティブな問題に対する発言って励ましとか激励のつもりでも書き手の道徳・倫理観がずれてるとグロい追い打ちの言葉になっちゃうので
原作にないセリフはなるべく言葉を選びますが、もし解釈違いがあってもそっとブラバしていただけると助かります - 93124/10/09(水) 23:32:20
「うるさい、うるさい、うるさい!!黙れ!!」
エースと問答をするうちに、リドルの頭に血が上っていく。癇癪を起こした子どものように叫び散らす姿は、完全に冷静さを失っていた。
「お母様は正しいんだ!だからボクも絶対に正しいんだ!!」
「リドル君!君のお母さんがすごい人なんだってことは良く分かった、君がその人の下ですごく努力したってことも!でも―――」
出久は怒りに身を任せて喚き散らすリドルを見つめた。鬼のように目を吊り上げて怒った顔をしているのに、なぜだか出久にはそれが泣き顔のように見えた。
「でも、もし君のお母さんが絶対に正しいなら、どうして君はそんなに辛そうな顔をしているんだ!!」
「ええい、黙れと言っているのがわからないのか!!この愚図が!!」
「リドル、落ち着け。決闘はもう終わってる!」
「クローバーくんの言う通りです。挑戦者は暴力行為で失格!これ以上争いを続けるのであれば、校則違反になりますよ!」
怒りが渦巻く空気の中で最初に爆発したのは、リドルでもエースでも勝己でもなかった。
ぐしゃりと軽いものが割れる音がした。
それは、ハーツラビュル寮生がリドルに投げた卵が割れる音だった。 - 94二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 23:34:07
スレ主のそういう配慮がきちんと伝わるから気持ちよく楽しめてます
ありがとう - 95124/10/09(水) 23:57:16
「!?なんだ…卵?寮生が投げた……のか?」
リドルの頭の上でドロリと流れていく卵の中身を見ながら、トレイが呆然と呟いた。
リドルに対する不満が満ち溢れ、周囲の寮生たちが卵で汚れたリドルを冷たい目で睨んでいた。
「フ……ハハハ、アハハ!!うんざりだって?うんざりなのはボクのほうだ!!」
怒りがついに臨界点に達したリドルが高笑いを上げ、次の瞬間にはその場にいた物全員の首にハートの首枷がかかっていた。
薔薇の庭園がパニック状態に陥り、誰もが冷静さを失っていく。
「この状況はマズい……!かっちゃん!」
「ああ。ハレーション起こして、下手したら大怪我するヤツが出ンぞ……!」
冷静さを失って恐慌状態に陥ったとき、ときとして民衆は思わぬ暴力性を発揮する。集団の中で増幅する憎悪や怒りが、なんの力ももたなかったただの人を暴力にかき立てるのだ。
出久の脳裏に雨の日の雄英の光景が蘇る。あの日、出久は危機感知の力で体中に走る痛みに耐えながら民衆たちの罵詈雑言の渦の中心にいた。あのとき、出久を取り囲んでいた誰かが石を投げて、暴力沙汰になっていてもおかしくなかった。
そうならなかったのは麗日の演説があったからだ。
「皆さん、落ち着いて!!この首輪は魔法を封じるだけだ、危険なものじゃない!!」
「うわああああ、逃げろ!!!」
「チィッ、聞こえちゃいねぇか……!」 - 96二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 00:02:26
- 97124/10/10(木) 00:12:56
「おやめなさいローズハートくん!ルールを守る君らしくのない!」
「トレイ、これヤバイよ。あんなに魔法を連発したら……」
「くっ…!リドル!もうやめろ!」
尚も魔法を振りかざすリドルに向かってケイトとトレイも説得にかかるが、暴走状態に入ったリドルは聞く耳をもたなかった。
「おい、お前!なんでも自分の思い通りになるはずないだろ!?そうやってすぐ癇癪起こすとこが赤ん坊だっつってんの!」
「今すぐ撤回しろ!串刺しにされたいのか!」
「やだね。絶っ対にしねえ」
「うぎいいいいいいいい!!!!!!」
エースの言葉を受けたリドルが顔を真っ赤にして目を剝いて、まるで本当の鬼のような形相に変化する。
「エース君これ以上はダメだ!逃げて!!」
迸る怒気とともに、リドルの魔力があふれ出す。
リドルの怒りに呼応するように薔薇の木々が次々を持ちあがり、槍のように根の先端をエースに向けた。
「薔薇の木よ、あいつの身体をバラバラにしてしまえーーー!!!」
「かっちゃん!!!」
「ああ!!テメェはハート野郎の傍にいろ!!」
「うん!!細かい防御は任せて!!!」
今にもエースに降り注ごうとする木々の槍の前に二人は進み出た。
勝己が一歩前に出て、左腕を真っすぐ上にかざす。
「バクゴー!!首輪つけられてるなら魔法は使えないだろ!!!逃げろ!!!」
「アァ?俺の『爆破』は魔法じゃなくて個性!!魔法封じなんて関係ねェ、ただの身体機能なんだわ!!!!」
無数の木々を木っ端にするなら、それなりの規模の爆発がいる。
自分の心臓の加減を見ながら、勝己は左手の掌の汗腺に全ての力を集中させた。
*爆豪 反動ダメージ dice1d50=9 (9)
- 98二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 00:37:58
才能マンすっご…
- 99二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 00:44:41
掛け声一つでスっと連携するおさなな好き
- 100二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 07:13:20
バトルかっこよ!
- 101二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 08:10:02
ここの卵を投げるシーン、出禁のモグラの人魚の島編の鮫島家の顛末でモグラが言った言葉思い出すから、まぁ当然だよね…っていう気持ちになった(あそこまで酷くないけど)
- 102二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 08:55:21
最初のダイスが最終決戦後の二人を指定してくれてよかった
戦闘能力こそごっそり落ちてるけど精神的な落ち着きと安心感が違いすぎるし、戦闘能力がナーフされてるからハラハラ感も楽しめる
センキューダイス神、センキュースレ主 - 103二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 10:28:51
ほんまそれすぎる。
- 104124/10/10(木) 17:35:48
「目ェ閉じとけモブ共!!!!」
KABOOOOOOOOM!!!と大きな爆音が轟き、木々の槍が跡形もなく爆散した。爆破し損ねた木がエースに飛来しないよう出久が控えていたが、もはやその必要もなかった。
「すっげえ……」
「気ィ抜くなハート野郎、第二波が来んぞ!!」
リドルが杖を振ると、再び薔薇の木が宙に浮きあがった。
勝己は再び爆破の体制に入るが、今の勝己は何度も大規模な爆破を打つことができない。勝己と出久の背を冷や汗が伝った。
しかし、二度目の木々の槍が振ることはなく、代わりに舞い散るのは可愛らしいトランプだった。
「リドル、もうやめろ!!」
「トレイの『ドゥードゥル・スート』!?えっ……どういうこと?」
出久たちの首にかかっていたハートの首輪もトランプに変化してひらひらと落ちていった。
「……!そうか、魔法で魔法を……そこまで上書きできるのか!」
「そうだ。俺の『ドゥードゥル・スート』は少しの間だけならどんな要素も上書きできる。だから……“リドルの魔法”を”俺の魔法”で上書きした」
「く……っ、首をはねろ!首をはねろったら!なんでトランプしか出てこないんだよ!」
リドルが杖を振るが、ただトランプが増えて散っていくだけだった。 - 105124/10/10(木) 17:48:23
「リドル、もうやめろ。これ以上はお前が孤立していくだけだ!みんなの顔を見てみろ!」
いつも穏やかな表情を崩さなかったトレイが、必死な様子でリドルに訴える。
リドルの後ろには恐怖と嫌悪で染まった表情のハーツラビュル寮生たちがいる。
だが、リドルの目に彼らが留まることはなかった。
「は……?トレイに魔法を上書きされた……?ボクの魔法よりキミの魔法の方が優れてるってこと?」
「そんなことあるわけないだろ。リドル、いったん落ち着いて話を聞け!」
「キミもボクが間違ってるって言いたいの?ずっと厳しいルールを守って頑張ってきたのに!」
冷静さを完全に失ったリドルは杖を振り続ける。ぱさぱさとトランプ同士が擦れる音だけが虚しく響いた。
「いけませんローズハートくん!それ以上魔法を使えば、魔法石が『ブロット』に染まりきってしまう!」
「ボクは……ボクこそが!!!絶対、絶対、正しいんだーーーーーーー!!!!」
リドルが絶叫すると、“何か”が溢れ出した。
ヘドロのように黒くドロドロとした何かはリドルを包み、邪悪な姿へと変貌させる。
さらに、その背後に鉱山にいたものと似た気配の化け物が現れ、黒い何かがへその緒のようにリドルと繋いでいた。 - 106124/10/10(木) 18:12:24
「ああ、なんてことだ!私がついていながら生徒をオーバーブロットさせてしまうなんて!」
「……!?おい、クソ烏!その『オーバーブロット』ってのは何だ!!」
未知の現象に出久たちは少なからず戸惑ったが、学園長の様子を見る限りでは、これは魔法の世界では前例のある事態らしい。
オーバーブロットとは、簡単にいうと闇堕ちバーサーカー状態、負のエネルギーに囚われて魔力のコントロールを失った状態だという。
魔法士が一番避けるべき事態で、その状態が続けば本人の命さえ失いかねないらしい。
「それなら、絶対に救けなきゃ!!」
「あのクソ化け物共々ハイヒールに勝って、んで救けたらァ!!」
禍々しい魔力を振りまくリドルの前に二人が立つ。ヒーローとしてここで戦わないという選択肢はなかった。
「無茶です貴方たち!君たちは魔法も使えないのに!!」
「僕たちは大丈夫です!!学園長は周りの学生の避難を!!」
吹き荒れる魔力の渦の中心に出久と勝己は駆け出した。
その瞬間、二人の背を押すように突風が吹き、続けて大釜が怪物の上に落ちてくる。一拍遅れて青い炎がリドルの周囲を燃やした。
「エース君、デュース君、グリム!!」
「アイツ、あのままじゃ大変なことになっちまうんだゾ!?」
「さすがにそこまでいくと寝覚めが悪い。それに……」
「また『ボクが間違ってました、ごめんなさい』って言わせてねーし!!」
本来ならば戦いの素人であるグリムたちを激しい戦闘に巻き込むわけにはいかないが、今の二人だけでは魔法に対する手数と継戦能力が不足しているのも事実。
2人と1匹の力は心強い助力だった。 - 107二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 18:26:28
きたー!オバブロ!!
- 108124/10/10(木) 18:30:55
「テメェらは出久の指揮に入って一歩引いたとこから魔法を打て、死んでも勝手に動くな!!最前線には俺が出る!!出久、お前は戦闘指揮とクソ狸たちの防御に徹しろ!!目標はクソ化け物の破壊!!」
「了解!!!」
リドルを包む禍々しいオーラは背後の化け物から溢れている。化け物とリドルを引きはがすことでオーバーブロット状態を解除できる、と二人は直感した。
「……お前たち。……わかった!少しの時間なら俺がリドルの魔法を上書きできる。その間に、頼む!」
「トレイくんまでなに言ってんの?リドルくんに勝てるわけないじゃん!」
「足手まといは邪魔だ!!さっさと避難しろタレ目!!」
「ケイト先輩!!危険なので避難してください!!大丈夫、エース君たちは僕が守りぬいて、リドル君も必ず救け出してみせます!!」
「あぁ、あいつを失うわけにはいかない。俺は……、あいつに伝えなきゃいけないことがあるから」
ケイトは焦り呆然とした表情で二の足を踏んだが、無謀にも化け物に対峙する後輩たちと、隣でマジカルペンを握りしめたトレイの姿を見て、ぐっと歯を食いしばった。
「………あ~~、くそっ!わかりましたよ。こういうの柄じゃないんですけどね、ホント!」
「どいつもこいつも良い度胸がおありだね……。みんなまとめて、首をはねてやる!!」
*リドル戦 ダメージ
出久 dice1d100=23 (23)
爆豪 dice1d50=10 (10) (反動ダメージ dice1d50=41 (41) )
グリム dice1d100=51 (51)
エース dice1d100=18 (18)
デュース dice1d100=41 (41)
トレイ dice1d100=2 (2)
ケイト dice1d100=86 (86)
- 109二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 18:34:37
かっちゃんとケイト先輩がー!
- 110124/10/10(木) 19:05:41
1章ダメージ累積リザルト
出久 23
爆豪 80 (反動含む)
グリム 53
エース 63、 デュース 44
トレイ 2、 ケイト 86
***
「トレイ先輩は遠方から援護を!先輩の魔法が要です!!ケイト先輩、守り切れないので今は分身を使わないで、別の魔法で防御を!」
「ミドリヤ、了解した!」
「守るって……、魔法も使えないのにミドリヤちゃんはどうやって戦うの!?」
「大丈夫。僕もかっちゃんも、こういうときのために鍛えてるので!」
ヒーローはいつだって命がけ。絶やさぬ笑顔は内に湧く恐怖を欺くため。そして、背後で守るものを安心させるため。オールマイトの言葉を胸に、出久は歯を見せてニカリと笑顔を作る。
出久のヒーローたりうる混じり気のない心が、今だけナイトレイブンカレッジ生たちの心を一つに導いた。
「うっぎいいいぃぃぃぃぃぃ!!!どいつもこいつも!!!」
「そんな攻撃当たんねェよ!!正気ンときのテメェの魔法のがまだキレがあったぜ!!!」
BOOOOM!!派手な爆発が地雷のように化け物の足元を吹き飛ばしてバランスを崩し、その着地点に青い火柱が上がる。もがく化け物の上に巨大な釜が落ちて動きを封じた。
「――危ない!!」
「消えろ化け物!!!」
力を失った化け物がリドルの上に倒れようとする。出久は素早くリドルに駆け寄って抱き去り、勝己の爆破が化け物を跡形もなく吹き飛ばした。
「ボクが…間違っていた…?そんなわけない、よね……。お母…様……」
黒い何かがリドルの体から流れ出ていく。出久の腕の中で気を失いつつあるリドルが小さな声でつぶやいた。
*出久 精神感応 dice1d100=70 (70)
- 111二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 19:21:25
結構ダイス振ってたけど体調不良圏外に反動抑えたかっちゃん流石だぜ!
- 112二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 19:31:41
ユニ魔的にダメージ少ないのが分かるトレイ先輩はともかく2番目にダメージ少ないデクは流石だね
後方支援なのは勿論なんだけど相手がどう動くか?の予測と防御はそりゃあ鍛え上げられてるもんね - 113二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 20:22:17
精神感応ロールて死柄木の精神世界にお邪魔しますしたノリでオバブロ組の記憶が見れるのかな?
- 114二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 20:42:44
精神感応ロール高ぇ!
- 115二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 22:25:28
OFAの個性因子の影響?
- 116二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 22:53:18
- 117二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 23:37:27
魔法そのものを書き換えられるならトレ先って魔法攻撃に対してはルミリオン並の防御力ありそう
やっぱドゥードゥル・スートぶっ壊れすぎんよ - 118二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 06:58:07
全体的にかっちゃんがリドルの実力買ってそうな感じなの好き
かっちゃん強くてストイックなやつ好きそうだもんな - 119二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 15:34:46
薔薇の木だったり首輪だったりバルキャンの岩だったりと今のところ物理的な質量がある物の上書きしか見たことないけど例えば炎とか風とかの質量のない攻撃を上書きすることは出来るんだろうかトレイ先輩
- 120二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 15:36:53
性格は合わなそうだけどね…
- 121二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 21:04:54
出久は精神に他の人が住んでた影響か、色々とリンクしやすいのかな
- 122二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 22:45:03
逆にオバブロ組は出久の記憶を覗いちゃうのかも
そんで多分(特にアズールとジャミルが)疑問の一つに「どうして苛めてきたバクゴーと一緒にいたのか」がうかんでる
リドルはトレイチェーニャとそんな風になってないからマジで疑問視しそう
※顔金玉の悪意で何人がビビるか見てみたくなってきてます - 123124/10/11(金) 22:45:04
リドルから最後の黒い何かが滴り落ちる一瞬、出久は白昼夢のような不思議な光景を見た。
出久は真っ白な空間に立っていた。
時間の流れも自身の存在も曖昧な空間は、かつて転弧の精神と干渉しあった際に足を踏み入れた精神世界とどこか似ていた。
小さな男の子と厳しい母親の声が白い空間にこだまして、誰かの感情が出久の中に流れ込んでくる。
暴力の一つも伴わない、真綿で首を絞められるような苦しみ。その真綿が愛情と善意で紡がれているから、引きちぎろうと思うことさえままならない。逃げ道のない心からの不自由はひどく窮屈で息苦しい。
気が付くと、白い空間で小さな男の子が泣いていた。
男の子を守る繭のように、あるいは閉じ込める鳥籠のように、茨が彼を覆っている。
出久は泣いている男の子の手を握ってあげたくて、自らの幼く柔らかい手に棘がささるのも厭わずに茨をかき分けた。
「もう大丈夫だよ、僕が来た」
出久の声を聞き、泣いている男の子が顔を上げた。
「僕と一緒に行こう。君がやりたかったこと、みんなと一緒にやりに行こうよ」
「僕がやりたかったこと……?」
男の子が涙を止めると、彼の傍にイチゴのタルトを持った男の子と奔放に体を揺らす猫耳の男の子の影が現れた。
「そうだよ。君のやりたいこと、これから沢山やろう」
――さあ、行こう。君を心配する人たちが待ってるよ。
出久の伸ばした手を男の子が握り返したところで、眩い光が溢れて視界が明転した。 - 124124/10/11(金) 23:03:08
「あ、目ぇあけた!」
エースの声で出久は我にかえった。出久が抱えているリドルが、薄っすらとまぶたを開いて周りを見渡している。
「ハァ~……マジ、もう起きなかったらどうしようって超焦った……」
「ボクは……一体……?」
「良かった。正気を取り戻していますね」
「今はなにも考えなくていい。寝てろ」
「あーっ、そうやって甘やかすからちょっと怒られただけで暴走とかするんすよ!庭はヤバイとこだったんだからな!」
「確かに、ヤバかったな」
「まったく。ストレスを溜めるとろくなことがねぇんだゾ」
ともに戦ったハーツラビュルの寮生たちが口々にリドルに声をかける。心なしかその声色は柔らかい。皆リドルを心配していて、無地を確認して気が抜けたのだろう。
リドルが身を起こそうとする気配を感じたので、出久はその背をそっと押してリドルを芝生の上に座らせた。
「……お前なんかボサッとしてたけど大丈夫か?」
「かっちゃん。僕は大丈夫、ちょっと立ち眩みかも。かっちゃんは?」
「誰にモノ言っとんだ。ピンピンしとるわ」
激しい戦闘の後でも平常運転の幼馴染の無事を確認して、出久もまた安心の笑みを一つ零した。 - 125二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 23:15:21
ヒーローすぎるよデク…!めっちゃ好きな文章…!
- 126124/10/11(金) 23:27:33
「ボク……本当は、マロンタルトが食べたかった」
長い沈黙を破ってリドルがぽつりとつぶやいた。
それをきっかけに、リドルはハートの女王の法律に縛られない自分が本当に好きなものと、本当はやりたかったことを一つずつ零していく。
「ずっと、もっとトレイたちと、遊びたかった……」
ため込んでいた想いとともに、リドルの大きな目から涙の粒が落ちる。
わぁあああん!と大きな声を上げ、顔を真っ赤にして泣き始めたリドルは、幼い頃の自分の分まで涙を流しているようだった。
「おいこら!泣けば許されると思うなよ!」
「……こんなときくらい泣かせとけや」
「えっバクゴー、マジ?お前そっち派なの!?」
「チッ……。そっち派もこっち派も無ェわクソボケハート野郎」
人前で泣くのは恥ずかしいが、思い切り泣くと頭と胸が晴れてスッキリする。
全く癪なことだが、勝己は自身が転換点を迎えた度に出久に涙を見せまくっている前科がある手前、リドルの号泣を否定することができなかった。
が、それを人に知られるのは大変に嫌なので、出久の口が「か」の形になった瞬間に余計なことを口走らないように左のアイアンクローを決めてやった。
「もがもが」
「いやマジでバクゴー急にどうしたの!?」
「アァ!?俺が何しようと俺の勝手だわ!!文句あっか!!」
「バクゴーはいつも変なんだゾ」 - 127二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 23:35:24
これは全章見るのが楽しみですね…頼むぞダイスの女神
- 128二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 23:46:16
- 129二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 06:52:45
ベストジーニストの矯正でもどうにもならん男だったもんな…
- 130二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 08:37:40
絶対リドル母のほうが折れるな
- 131二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 08:41:26
うわああ!ヒーロー!!
- 132二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 16:48:42
トレイってブルースさんと同じ声優さんなんだな
どうでもいいけど♣️の3とOFA3代目で3繋がりだなと思った - 133二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 19:02:36
- 134124/10/12(土) 21:23:21
「俺も悪かった。お前が苦しんでるの知ってたのに、ずっと見ない振りをしてた。」
子どものように泣き続けるリドルの傍に、トレイが膝を着いた。眼鏡の下の厳しい目は、リドルを想う優しさにが滲んでいる。
「だから、今日は言うよ。リドル、お前のやり方は間違ってた。だからみんなにちゃんと謝るんだ」
トレイの言葉を受けて、リドルは泣きながらごめんなさい、と何度も謝った。
「……これで一件落着なのかな。……エース君?」
エースが出久の横を通り抜け、ツカツカとリドルの傍まで歩いていく。
「オレ、寮長が今までの行動を謝ってくれたら言おうとおもってたことがあんスけど……」
スゥ、とエースは息を吸い、そして言い放った。
「ゴメンの一言で済むわけねーだろ!絶ッッ対許してやらねーーー!!!!!」
爆ギレ中の勝己にも負けない大声で叫んだ後、エースはリドルの敷いていた圧政への恨みつらみを吐き捨てた。
「そもそも今回の件はテメェが意地汚ェ真似したのが原因だろうが!!」
「う~ん。つまみ食いの件に関してはエース君が悪いね」
自分のしたことを完全に棚に上げているエースに二人がツッコミを入れたが、エースは止まらない。
挙句の果てに、『なんでもない日』のパーティーのリベンジを要求し、リドルにタルトを持ってくるように言いつけている。
「あっ、トレイ先輩に手伝ってもらうのはナシだから!自分で苦労しろ!……そしたら、許してやらないことも、ない」
「テメェは散々眼鏡に協力してもらってただろーが!!」
「エース君……。なんというか……みみっちいね」
「バクゴー、ミドリヤ!外野は黙ってろっ!」 - 135124/10/12(土) 21:30:13
話がひと段落すると、オーバーブロットが体調にどんな影響が分からないということで、リドルは学園長とトレイに付き添われて医務室へと向かっていった。
「うう、いっぱい魔法を使ったら腹が減ったんだゾ~……ん?コレは……」
グチャグチャに荒れた芝生の上で寝転がっていたグリムが、黒い石を拾い上げた。それはドワーフ鉱山でグリムが食べたものとよく似ていた。
「本当だ。どこから落ちてきたんだ?」
「今度は食べちゃダメだよ」
「一度食べたら忘れられないあのお味!いっただっきまーす!」
「「ああ~~~~~っ!!?」」
デュースと出久の目の前で、グリムは再び黒い石をゴクンと飲み込んでしまった。
出久 dice1d3=3 (3)
1.この前も大丈夫だったし今回も大丈夫かな?
2.今度こそ喉に詰まらせるかも!(グリムを逆さまにする)
3.グリムごめん!恐慌手段に出るよ!(グリムに腹パンする)
- 136二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 21:30:56
これはつよいデク
- 137124/10/12(土) 21:42:40
「グリムごめん!でもやっぱりそれは食べちゃいけない物な気がする!!」
「ふな”っ!?ウグ、オゲェ~~~」
当然手加減はしているが、隠れ筋肉ダルマの出久が繰り出すパンチにグリムのぽよぽよのお腹は耐えられず、嘔吐した。
「えぇ……ミドリヤちゃん容赦ないね~」
「なにするんだイズク!うぅ~、こってりとした甘みがありながらほんのりビターな香ばしさを感じさせる味が、胃液の酸っぱい味で上書きされちまったんだゾ!」
グリムは猫のようなツナ缶混じりの吐瀉物を吐いたが、そこに黒い石は含まれていなかった。
「あれっ、石がない!?もしかして溶けちゃったの!?」
「ププッ。だとしたらグリム、ゲロ吐き損だな」
「ふな”~~っ!!何笑ってるんだエース!!」
「ごめんねグリム、口の中で溶けるなら吐かせることなかったね」
「マジで死ぬかと思ったんだゾ!しばらくはイズクの分のツナ缶は全部オレ様の分にするんだゾ!」
緊迫した戦闘の後とは思えない、くだらなくて和やかな雰囲気が戻ってくる。
「あーあ。ったくもー……」
やれやれ、と頬をかきながら、ケイトが後輩たちを見守る。
「お前たち、ありがとな」と呟いたケイトの小さな声が、薔薇の庭園に吹いた風にさらわれて消えていった。
*ケイトのつぶやき (1.聞こえた 2.聞こえなかった)
出久 dice1d2=2 (2)
爆豪 dice1d2=2 (2)
- 138124/10/12(土) 21:54:34
数日後、ハーツラビュル寮で再び『なんでもない日』のパーティーが開かれた。
今回、オンボロ寮の2人と1匹はリドルから正式にパーティーに招かれている。
「我らがリーダー!赤き支配者!リドル寮長のおなーりー!」
「「リドル寮長、バンザーイ!!」」
お茶会に響き渡るハーツラビュル寮生の声は、心なしか前回よりもずっと明るく聞こえた。
華やかなファンファーレとともに現れたリドルはお茶会の準備が完璧なものであるか一つずつ確認していく。
憑き物が落ちたように凛としつつも柔らかな表情を浮かべてたリドルは塗り忘れた白い薔薇を見つけても怒ったりはしなかった。
「もう薔薇の木の1本や2本で罰したりしないさ」
「ほ、ほんとー!?リドルくん寛大!」
「みんなで塗れば早いだろうしね」
結局薔薇を赤くすることに変わりはないようだが、それでもリドルはとても良い方に変わったように思う。
「またあのクソ薔薇塗りやらされンのかよ」
「ふふ。リドルくんも一緒に塗るなら、バクゴーちゃんたちペンキ隊の役目はないかもね」
まあ見てなよ、とケイトは目線でリドルを指した。
リドルが杖を一振りすると、薔薇の庭園に塗り残されていた薔薇が一斉に赤く染まった。
デュースとグリムがちまちまと一輪ずつ魔法で染めていたのとは比べ物にならない、鮮やかな手腕だった。
「ほらね♪」
ケイトがパチンとウインクをする。
堂々と薔薇の庭園の中心にいるリドルは、寮生からの尊敬のまなざしを一身に受けていた。 - 139124/10/12(土) 22:06:54
「で、寮長の詫びタルトは結局どうなったの?」
「ち、ちゃんと作ってきてるよ。これ。この苺のタルトはボクが作った」
エースにつつかれて、リドルが少し遠慮がちにクローシュから苺のタルトを取り出した。
「わぁ~、美味しそう!」
「うんうん。形は少し不格好だけど、苺の艶を出すナパージュを塗るひと手間もかけてるし、初めてにしては上出来じゃないか」
トレイからの評価も上々、苺のタルトは薔薇の庭園に入り込む日差しを浴びてキラキラと輝いてみえた。
ナイフで切り分けられたタルトを出久と勝己も一切れずつもらって口に運ぶ。その味は――
「「「しょっぱい!!!!!」」」
咳き込む出久たちにリドルがオロオロと慌てた。厳密に材料を量っていれたはずなのに、と呟いた次の瞬間、「もしかしてオイスターソースを入れたから…?」とリドルが目を困惑で見開いた。しかもリドルは隠し味に丸一瓶もオイスターソースを入れたらしい。
「オイスターソースなんかタルトに入れるはず無ェだろうが!!しかも丸一本って、テメェ馬鹿か!!!」
「かっちゃんも騙されてたくせに……」ボソ
「……プッ、あはは!まさかあの冗談を真に受けて本当に入れる奴がいたなんて……あははは!」
「……あは、あはは、そうだね。馬鹿だな、ボク……あはははっ!」
あまりにも不味いタルトの味に、お茶会が笑いに包まれる。
大きな声をあげて笑うトレイとリドルは、背伸びしたところのない年相応の少年のようだった。 - 140二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 22:18:21
そういや出久は記憶を通してリドルの魂に触れたんだよね
なんか影響出るのかな?
上記にあった通り出久の記憶少し見えたり疑似的にOFA復活したり - 141124/10/12(土) 22:24:30
- 142124/10/12(土) 22:45:46
「ふんふふーん♪トレイのお菓子はいつ食べても絶品だにゃあ~。モグモグ」
歌うような陽気な声が、いつの間にかお茶会に紛れ込んでいた。
「チェーニャ!なんでここに!?」
「ん?『なんでもない日』だからお祝いにきただけさ。おめでとう、リドル」
「『なんでもない日』はハーツラビュル寮の伝統行事だ。キミには関係ないだろう?」
「それはそっちの人たちも同じじゃにゃーの。もじゃもじゃ君とツンツン君と毛玉君」
「あっ、テメェ!俺の質問を煙に巻きやがったクソ猫野郎!テメェ結局何処寮だ、ア”ァ!?」
突如現れたチェーニャに勝己がプチ爆発する。ニヤニヤ笑うチェーニャの代わりに、トレイが質問に答えた。
「そもそもチェーニャはうちの学園の生徒じゃない。ナイトレイブンカレッジの長年のライバル学校、ロイヤルソードアカデミーの生徒だ」
他にも魔法学校があるのか、と出久と勝己は特に感慨もなく聞いていたが、周囲のハーツラビュル寮生たちは「ロイヤルソードアカデミー」の単語を聞いた瞬間に急に血の気を帯びた。
「おっと。それじゃ、タルトも食べたし俺は帰るとするかにゃ。フッフフーン♪」
チェーニャの身体がスゥ…と透明になって消えていく。殺気だったハーツラビュル寮生たちは、血眼になってチェーニャを追いかけた。
「……一体どうしたんですか?」
「ナイトレイブンカレッジの生徒は高確率でロイヤルソードアカデミーをラ敵視してるからね」
「100年も延々負け続けてれば、そうもなるというか……」
どうやら同じ魔法学校同士といっても、雄英と士傑の関係とはまた違うようだ。
「つーか100年も負け続けとるって、対策方法が何か間違っとンだろソレ」
「まーまー!お祝いの日にそんな暗い話はナシナシ!今日は『なんでもない日』のパーティを楽しもう!」
ケイトが明るく音頭を取って、お茶会が再び楽しい雰囲気に包まれる。
芳醇な花の香りの紅茶に、色とりどりで美しいお茶菓子。バターブレッドは蝶の形で、ビスケットは「私を食べて」と誘う。白いクロスがかかったテーブルの中央のティーポットの中にはすやすや眠る小さなネズミ。
皆で祝うのは、誰の誕生日でもない『なんでもない日』。
束の間、出久と勝己は摩訶不思議な異世界でもてなされたお茶会を楽しんだ。
*第一章をクリアしました - 143二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 22:48:28
おおー!1章クリア!
2章楽しみだなー - 144124/10/12(土) 22:54:54
章終わったのでダイスタイム挟みます
*オンボロ寮の掃除の進捗(現在値20) dice4d10=2 6 6 2 (16)
(かっちゃんが宿代としてエースとデュースに労役を課しまくりました)
*雨漏り修繕率 dice1d50=33 (33)
*図書室探索進捗 dice1d20=5 (5)
*好感度変動
出久→エース(現在値43) + dice1d50=10 (10)
出久→デュース(現在値56) + dice1d100=51 (51)
出久→リドル(現在値21) + dice1d50=23 (23)
デュース→出久(現在値43) + dice1d100=59 (59)
リドル→出久(現在値11) + dice1d50=25 (25)
爆豪→エース(現在値9) + dice1d50=10 (10)
- 145二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 22:55:51
デクとデュースすっごい仲良いな
- 146二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 23:00:02
頑なにエースへの好感度上げないかっちゃんでワロタ
- 147124/10/12(土) 23:00:31
パソスト風SSも書きたいですが、時系列で書いていくと後半寮のメンツを出せないのでダイス神の力を借りますね
パソスト時空は原作通り全員面識があってギスりが少ない謎時系列でいきます
dice3d6=3 5 2 (10)
1.エース
2.デュース
3.ジャック
4.エペル
5.オルト
6.セベク
- 148二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 23:11:59
お、わりかし素直な子が多い
- 149二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 23:18:37
1章クリアおめでとうございます!
このスレのお話丁寧だしキャラエミュが高いしで読んでて楽しい〜〜!ってなってます。ほぼ毎日なにかしらの更新ありがとうございます。これからも楽しみにしてます! - 150二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 23:22:44
そもそも原作監督生が夢通して元ネタ見れる人だから元OFAの器となんらかの反応が起きてもおかしくないかと
- 151二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 23:42:39
ジャックは全NRCキャラの中でもぶっちぎりで二人とと価値観が合いそうだな
あと二人の筋肉にめっちゃ興味もちそう - 152二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 23:51:00
うわ〜〜一章クリアおめでとう!すごく面白かった
続き待ってるので、スレ主のペースでお願いします!最高だ! - 153二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 01:02:13
オーバーレイの跡も残ってそう(舌とか…)
- 154二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 04:05:38
一章完結おめでとうございます!!
本編だけでなくパソストも沢山見れるの嬉しすぎる
キャラエミュも文もうますぎて読んでてとても楽しいです!ありがとうございます! - 155二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 07:34:29
一章クリアおめでとうありがとう!!
- 156二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 11:21:22
さて……獣の本能はどこまで二人を警戒するのかな
- 157二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 12:17:05
一章クリアおめでとうございます!ツイステのキャラもヒロアカのキャラも書き方が丁寧で本当に最高 いつもありがとうございます
- 158二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 16:28:20
このままこのスレで二章にいくの?
- 159二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 19:28:53
パソスト楽しみ!
それぞれの衣装のおさななをホームに置いておいたらどんな話するのか気になる - 160二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 22:38:41
⭐︎
- 161二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 22:43:42
かっちゃんが本調子だったらジャックとトレーニングしてほしかった……
- 162二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 08:24:57
デクとかっちゃん部活に参加するとしたらどこだろうか
雄英高校ヒーロー科は部活ないっぽいもんなぁ - 163二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 08:42:58
- 164二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 08:47:56
キノコ狂いにかっちゃん放り込むの酷くて笑った
- 165二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 09:07:46
きっとかっちゃんなら美味しいキノコ料理の作り方を教えてくれるよ
- 166二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 09:16:21
デクはなんだろう?と思ったけどヒーロー同好会みたいなのを立ち上げる姿しか浮かばなかった
- 167二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 09:23:36
- 168二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 10:04:24
幼馴染が狂人な男ならあの意志強すぎイカれウツボ(論外な方)とそれなりに仲良くできそうって?そうかな…?相手はあの相方も昔馴染みも時々全力で匙投げるジェイドやで…?
でもジェイドからしたら爆豪のかっちゃんは陸の先輩山登りの先輩だからめちゃめちゃ有益なアドバイスくれるしウェアの相談したらちゃんとしたおすすめ教えてくれるしで気に入りそうではある。 - 169二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 10:14:04
- 170二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 10:15:53
- 171124/10/14(月) 10:24:29
パソスト置いときます
緑谷出久 運動着パソスト 「忘れないって約束したから」 | Writening■運動場 -更衣室- 「お前らって良い体してるよな」 きっかけは、学年合同での体力育成の授業が終わった後の更衣室でジャックが放ったこの一言だった。 大半の生徒がはけた後の少人数の更衣室は、人の目が少…writening.net爆豪勝己 運動着パソスト 「おいかけっこ」 | Writening■ハーツラビュル寮 -薔薇の庭園- 「そろそろ休憩にしようか」 麗らかな昼下がり、ハーツラビュル寮で開催されたクロッケー交流会にひと区切りついたところで、爽やかな汗をかいたリドルが号令をかけた。 …writening.net気を抜くと爆発オチにしそうになるところを必死に耐えました
- 172二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 10:29:21
うおおおおお更新だーーー!
- 173124/10/14(月) 10:34:42
二章以降ですが、世界観もキャラの大半ツイステですが一応ヒロアカメインのつもりで書いてるので、原作で監督生が見聞きしていないシーンは基本的にカットしていこうと思います
ただ完全にカットするとストーリーが歯抜けになりすぎるので、デクとかっちゃんを別行動させて回収できそうな部分は回収できるように改変する予定です
ストーリーが全部知りたい方はツイステをダウンロードしよう!(ダイレクト宣伝) - 174二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 10:56:52
更新だーーー!!!どっちのパソストもめっちゃよかった!!ツイステキャラもヒロアカキャラもエミュがうまくてとても読みやすい…ありがとう…。
筋肉話に盛り上がる一年生たちかわいいし、強引メディカルチェックするオルトもさすがオルトだし、改めてこう…現状羅列されるとよくもまあ生きてるなこの二人ってなる…。そしてよく考えるとほんとやばいねヒロアカ世界ってやつは…。
最後にさっさと逃げ出すみんながなんか手慣れてる感じして仲良しさんで良い。
幼馴染との日常生活に憧れがあるリドルと、普通とは言い難い幼馴染だった二人のギャップはやばい…嘘は言ってないんだけど…最悪のピタゴラスイッチして一点阿鼻叫喚になってるの面白いけども突然の惨劇を目の当たりにしたハーツラビュルの皆さんが可哀想…。
きちんと監督生が関与してない部分への配慮もありがとうございます。ヒロアカもいいしツイステもいいぞ。
- 175二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 11:14:48
- 176二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 12:43:53
そんなポケモンの題名みたいな…と思ってしまったけど確かにそう
- 177二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 13:17:10
地雷が……地雷がすごい………
- 178二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 13:28:46
>ケイトは一人で手分けして
分身できるからって無茶ぶりされるケイトに笑ってしまった
クロッケーのフラミンゴに舐められてるデク可愛い
アリスみたいにお腹こちょこちょされたり、首を脱力されて振れなくなったりしてるんだろうな
- 179二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 14:12:06
ぶっちゃけあの兄弟もどっちも物騒で論外だから些事だと思うよ
- 180二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 15:23:45
地獄の五七五に自爆するかっちゃん面白いし覚悟ガンギマリヒーローズまじで良い〜
かっちゃんも心臓パン!なったけど出久もやべぇことやらかしてたもんな‥ヒーローってマジで自分のこと顧みないよな‥
「忘れない」って言ってる出久、絶対穏やかな笑み浮かべてるよ‥
パソストありがとうございます🙏🙏
- 181124/10/14(月) 17:39:08
その日、出久は不思議な夢を見た。
広大な草原を吹き抜ける風の音が聞こえる。
草原に住まう生き物たちが、皆恭しく頭を垂れた。
その中心、雄大な朝日が照らし出す大岩の上に、王たる獅子が王妃たる番の獅子と呪術師の狒々を伴って歩み出る。
狒々が王の下に授かった新たな命を掲げると、その誕生を祝福するように雲の切れ間から一際眩い光が零れた。
*出久 夢への違和感 dice1d10=5 (5) +25
- 182124/10/14(月) 17:44:30
(なんだか壮大な夢だったなぁ)
出久が目を覚ますと、朝の支度を始めるのに丁度良い時間だった。
勝己は先に起きているようですでに寝室にいない。
横で大きな寝言を言っているグリムのお腹を揺すって起こし、異世界での「いつもの一日」を始める準備に取りかかった。
*かっちゃんの朝のルーチン dice1d3=2 (2)
1.自習
2.軽いロードワーク
3.右手のリハビリ
- 183124/10/14(月) 18:00:20
数日も過ごすと、異世界にも慣れて一日のルーチンができてくる。
グリムと一緒に朝ご飯を食べ終わった頃に、シャワーを浴びた後の勝己と同じようなタイミングで制服に着替えて。
グリムが忘れ物をしていないか確認した後、教室で授業を受けて。
魔法史の授業でグリムはあっという間にウトウトして眠ってしまって。
昼休みになるとエースとデュースも一緒に食堂へ行って昼食を食べる。
ここまではいつもの流れだが、今日の昼食はいつもと様子が違っていた。
「昼飯なに食べよっかな~♪……って、あれ?なんか今日やたら食堂が混んでるな」
食堂はいつも賑わっているが、今日は長い行列ができている一角がある。
「今日は月に一度のスペシャルデー!麓の街から大人気のベーカリーが出張営業だよ!早い者勝ちの売り切れゴメンだ!」
食堂のゴーストが声を張り上げて宣伝している。ゴーストが働いている光景にはもうすっかり慣れた。
4人と1匹が見守っているそばから次々とパンが売り切れていく。
「デラックスメンチカツサンド、最後の1つでーす!」
「へー、どれも美味そうじゃん。オレも買ってこよっかな?」
「スゴい人気だな。ミドリヤとバクゴーとグリムはどうする?」
エースとデュースが興味ありげに背伸びして行列の先を覗き込んだ。
*二人はどうする? (1.ほしい、2.いらない)
出久 dice1d2=2 (2)
爆豪 dice1d2=1 (1)
- 184124/10/14(月) 18:11:22
「折角なら食ってみっか」
「おっ今日のバクゴーはノリ良いね!」
「僕はいいかな。パンだとすぐにお腹空いちゃうから。先に席取っておくよ」
出久が席を確保しておく間にパンの行列に並ぼうとしたところで、ふとグリムの姿がないことに気がついた。
「あれっ、グリムは?」
「あそこだ!あんのクソ狸……!」
勝己の視線の先、行列の先頭の方がにわかに騒がしくなっている。
「オラオラ~~!!テメェらどくんだゾ!デラックスメンチカツサンドはオレ様のものだ!」
「てめぇ割り込みすんじゃねぇ!」
「新入生の分際で先輩の前に割り込むとは良い度胸だな!表出ろ!」
グリムは小さな体を行かして行列の先頭に割り込んでいた。あわわ、と焦る出久に勝己が肘打ちをする。
「いたっ!」
「ちゃんと躾けとけや、監督生がよォ!普段テメェが甘やかしてっからだわ!」
「ぐぅ……。とにかくグリムを回収しないと……」
あわや乱闘騒ぎになりかけている列の先頭に、出久は慌てて駆け出した。
*対抗ロール
出久 dice1d1000=542 (542)
一般生徒 dice1d100=11 (11)
- 185二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 18:13:26
相変わらずデクの体幹が強すぎる
- 186二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 18:19:33
もう二章始まったの?!
筆速い……!!!ありがとう! - 187124/10/14(月) 18:22:18
「グリム戻って、割り込みはダメだよ!すみません、すみません!」
出久は乱闘になりかけていた先頭集団の中に割り込んで、飛び交う拳を片っ端から受けながしていった。
そのおかげで誰も怪我をせずに済んだのだが、その隙にグリムはちゃっかりパン屋に注文を通していた。
「どうだ見たか、オレ様の力を!このデラックスメンチカツサンドのラストワンはオレ様のものだあ!」
「グリム!?……僕、割り込みを幇助したみたいになっちゃった!」
「にゃっはっは!あと焼きそばパンとクリームパンもオレ様のものなんだぞ~~」
「こらグリム、いい加減にして!皆さんすみません!」
デラックスメンチカツサンドを受け取った後も欲張ろうとするグリムを抱えてなんとか列から脱出する。周囲の生徒の視線がチクチクと痛かった。
「にゃっはっは!!勝利の味、とくと味わわせてもらうんだゾ!」
グリムが戦利品を目の前に掲げていると、正面からやってきた生徒に声をかけられた。
「おっ、そこの君。すごいッスねぇ。超人気のデラックスメンチカツサンド、ゲットできたんスか」
「あん?なんなんだゾ、オマエ」
*出久 dice1d2=2 (2)
1.ラギーを覚えている
2.ラギーにすぐに思い出せない
- 188124/10/14(月) 18:51:06
茶色のハイエナのような耳の生徒に見覚えがある気がしたが、それがいつのことだったか出久はすぐに思い出せなかった。エースのタルト盗み食い騒動で色々あり過ぎたのだ。
「あのさ、オレ、今日ど~してもそのパン買わないといけないんスけど、直前で売り切れちゃって。そこで相談なんスけど、こっちのミニあんぱんとそっちのデラックスメンチカツサンド、交換してくんないスか?」
「はぁ!?絶対に嫌なんだゾ!」
「まあまあ、そう言わずに。……はいっ、どーぞ♪」
ハイエナの耳の生徒がミニあんぱんを差し出すと、信じられないことに、グリムが交換に応じてデラックスメンチカツサンドを相手に差し出した。
「ふなっ!?なんだコレ!?前足が勝手に……」
「はい、交渉成立。シシシッ♪」
デラックスメンチカツサンドを受け取った少年は、歯で空気を擦るような音を立てて笑った。
「いやー、優しいヤツが交換してくれて助かったッス!そのミニあんぱんもめっちゃ美味いッスから」
小さいのが玉に瑕だけどね、と小さく呟くと、ハイエナ耳の生徒は「ってわけで、ばいばーい!」と手を振ってあっという間に食堂から出て行ってしまった。
「ふ、ふ、ふなぁ~~~~!!!オレ様のデラックスメンチカツサンド~!!!」
*出久 違和感 dice1d100=4 (4)
- 189二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 18:53:16
う~ん、これは木偶の坊って感じのデクだ!
- 190124/10/14(月) 19:14:30
- 191二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 19:26:40
- 192二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:41:32
- 193二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:45:54
うめ
- 194二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:47:23
うめ
- 195二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:50:11
おつ
いつも楽しませていただいてます! - 196二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:51:37
スレの最後のほうだから言っちゃうけど閲覧注意ついてるわけでもないのに一部書き込み怪しい人間がいるのだけ残念だったな…
- 197二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:53:00
いたっけ?
- 198二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:54:03
かっちゃん↔出久の場合、加害者が勝己で被害者が出久、抑圧する側が勝己で抑圧される側が出久っていう一方的で分かりやすい関係
ジャミル↔カリムの場合、加害者はジャミルで被害者はカリム、抑圧(無意識)する側がカリムで抑圧される側がジャミルっていう複雑な関係
個人的なイメージだけど、構造的にはこの二組逆なんだよな
- 199二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:57:05
おつでした!
2章終わったら今度は式典服か実験着のパソスト見れるのかな
楽しみにしてます1 - 200二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 21:00:20
戦闘力でいえばレオナはリドルより強いだろうから、今からオバブロ戦が楽しみだ
今の二人だとキングスロアー掻い潜って攻撃当てるのも結構苦労しそう