- 1アオバ124/10/08(火) 20:10:00
- 2二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 20:16:39
スレ立てありがとうございます
- 3アオバ124/10/08(火) 20:16:41
【アオバステータス】
主要な部分を載せます
右側が最新
戦闘力62→70
※アームギア装備時89
持久力35→39
耐久力71→83
知力39→42
腕力47
機動力65
政治74
倫理32(悪党に対して) - 4アオバ124/10/08(火) 20:18:14
【外見】
160cm
胸は中の上程度、お尻は小さめ
黒髪ミディアム(肩にかかる程度)
一人称 私 本官
ヴァルキューレ警察学校公安局所属
(現在シャーレ仮所属)
3年生 愛宕アオバ - 5二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 20:30:06
盾乙
続きを見れてうれしい - 6アオバ124/10/08(火) 20:30:13
- 7二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 20:37:47
立て乙
- 8二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 20:42:59
建て乙
- 9二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 20:44:05
楽しみ
- 10二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 20:44:51
10レス目スレ主とアオバに感謝
- 11アオバ124/10/08(火) 20:45:08
現在アオバを取り囲む環境、人物。
・カンナ
前Partにてアオバがトリニティで負傷後、告白をして無事恋人同士になる。
忙しくて二人で出掛ける暇はないが行きたいと思っている
・先生
現在先生の護衛の為シャーレ仮所属になっている。
その優しさは甘さになると危惧しつつもアオバからの評価は高い、先生からアオバへの評価も高い。
・ゲーム開発部
彼女達の救援を先生が受け取り、その護衛する中で知り合った。
彼女達を注意できる姉のような(物理的に近い距離にいるユウカみたいな)ポジションにいる。
モモイと掴み合いの喧嘩の末和解、ゲーム部全員でハグをする
・エンジニア部
珍しい銃を持っていることから興味を抱かれ、様々な強化をしてもらった。
ウタハからはテスターのような扱い(関係は悪くない)を受け、コトリ、ヒビキからは気に入られている - 12アオバ124/10/08(火) 20:46:13
皆さんありがとうございます!
おかげでPart3まで続けることが出来ました!
これからも頑張ります! - 13アオバ124/10/08(火) 20:48:07
- 14二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 20:48:29
このレスは削除されています
- 15アオバ124/10/08(火) 20:58:51
ストーリー続き
ゲーム部全員と仲直りのハグをしたあと─
モモイ「痛ぁぁぁい!?」
アオバ「もうちょっと優しくゥィイッ!?」
仲直りのハグをしたあと、二人共怪我の治療をされた。
ミドリ「周りの見えていないお姉ちゃんにはこうして!こうして!」
モモイ「許して〜ミドリィィ!」
アオバ「アリスさん、直に消毒液そんなかけたらァァァ!?」
アリス「次は絆創膏です!」
パシンッ!
ユズ「アリスちゃん…もう少し優しく…ね」
擦り傷だらけなので消毒液をかけられた後、絆創膏だらけにされた。
顔と腕、足が絆創膏だらけで痛々しい。
先生「"終わったかい?"」
一通り治療が済んだ後先生が部室に入ってくる。
アオバ「その口ぶりからすると喧嘩してたこと知ってます?」
先生は苦笑いした。
先生「"生徒同士の喧嘩を仲裁しようとすると命懸けだし、何より─"」
先生「"それも青春かな?って"」
ミドリ「仲直りしなかったらどうしてたんですか?」
先生「"その時は止めるよ、責任を持って"」 - 16二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 21:07:41
そういえば直前まで乱闘してたね。先生は立派に先生だな
- 17アオバ124/10/08(火) 21:24:54
余程のことでなければ基本各自の自主性に任せるスタンスは変わらないらしい。
ミドリ「コレを言うのは今は違うんじゃないかと思ったけど先生に言います、何も進展がないです、助けてください」
そう、喧嘩して仲直りしても状況は何も変わっていないのだ。
先生「"そうだね、まだ解決出来てないね、何も…"」
何も解決していないのだ。
アオバ「そうですね…まだミレニアムプライスが開催出来るかどうかも解決できてないですね」
モモイ「そうじゃん!開催出来るかもわからない、【鏡】も手に入らない、詰みじゃん!」
モモイが頭を抱える。
モモイ「物が物だし頼んだ所で帰ってくる物じゃない…」
アオバ「頼む…それしかないか…」
アオバ「私に策があります」
モモイの言葉で策を思いついた。
しかしその策はモモイ達が私にしたこととほぼ同じ事をユウカさんにすること。
モモイ達を悪く言えないな…と自嘲する。
モモイ「えっ!?何か思いついたの!?」
アオバ「作戦名【ユウカ攻略戦】です」
モモイ「ユウカを殴りにいくの!?私より酷いじゃん!?」
アオバ「そんな野蛮はしません、今から内容の説明と準備をします」
アオバ「それを話す前に約束してほしいことが」
アリス「約束とはなんですか?」 - 18アオバ124/10/08(火) 21:25:28
アオバ「この作戦が成功したら私を殴ってください」
- 19二次元好きの匿名さん24/10/08(火) 22:31:01
あまり言えないような作戦なのかめちゃくちゃ恥ずかしい作戦なのかな
- 20アオバ124/10/09(水) 06:06:14
すみません、結局アオバは人の良心に漬け込む事をします、誰かに実害を与えないようにはします。
【ユウカ攻略戦】
ユウカ「あら、ゲーム開発部が総出で何しに来たのかしら?私を攫いに来たのかしら?って二人ともその怪我は」
アオバ「お気になさらず」
モモイ「ちょっと転んだだけだよ」
その口ぶりから私達が何かしらのアクションを起こすことを知っていたようだ。
作戦が始まる。
モモイ「ユウカに話があるの」
ミドリ「ヴェリタスが持っていた【鏡】を返して欲しいの」
ユウカ「…ふぅん、ヴェリタスが何かしら仕掛けてくるとは思ったけど、それがあなた達、それも真正面とはね」
モモイ「お願いユウカ」
ユウカさんは少し眉をあげる。
ユウカ「少しあなた達を見直したわ、大体何かをしようとするとき必ず問題を起こすあなた達がこうして話し合いで解決しようとするとはね」
それでも冷淡に告げる。
ユウカ「駄目よ、ハッキングツールなんて不法なモノを返すわけないじゃない」
モモイ「ゲームを作るのに必要なの!」
ユウカ「返すには能わない理由ね」
ここまでは想定通り。 - 21アオバ124/10/09(水) 06:09:09
ユウカ「残念だけど諦めなさい」
アオバ「質問よろしいですか?そもそもミレニアムプライスは開催されるのですか?」
ユウカ「…中止はほぼ決まりね」
モモイ「えっ!?それじゃあ私たちはどうなるの?」
ユウカ「成果を発表する機会がないから…終わりね」
モモイ「そんな!?」
ユウカ「上の決定なの、再三の警告を無視したあなた達の怠慢を呪うのね…」
少しユウカさんは不満を抱いている、中止の決定に。
そしてゲーム開発部には最後のチャンスもない事に。
やはりユウカさんはゲーム開発部に甘い、そこに漬け込む隙がある。
アオバ「まだ完全には決まっていないのですね?」
ユウカ「ええ、だけどテロ問題が解決していない以上安全を確保出来ない状態で開催は叶わない」
アオバ「私が、いえ私とゲーム開発部がその問題を解決すれば開催出来ますよね」
ユウカ「そうね、解決すれば多少は規模を縮小せざるを得ないでしょうけど開催はできると思う」
ユウカ「それを見返りに返してもらえないかという魂胆かしら」
ユウカ「無理ね、返すことは出来ないわ。それは努力の範疇よ、それに対する報酬として渡すことはないわ」 - 22アオバ124/10/09(水) 06:14:00
ユウカ「だから諦め…モモイ?」
モモイ「グスッ、そう…だよね…無理だよね…」
モモイが大粒の涙を流す。
モモイ「ユズ…ごめんね…部活…守れなかった…」
ユズ「いいの…皆と一緒に…居られて…わたし…幸せだったよ…」
ユズさんも涙を流す。
ミドリ「いやだよ私…皆とゲーム出来なくなるの…」
ミドリさんも目に涙を浮かべている。
ユウカ「もう会えないわけじゃないんだし─」
アリス「皆と…お別れですか?」
アリスは茫然としている。
モモイの沈黙、それは肯定を意味していた。
アリス「嫌です!アリスは皆ともっとゲームがしたいです!皆とゲーム作りたいです!」
モモイ「でも無理なの…こればっかりは…どうしようもないの…」
アリス「嫌です!嫌です!アリスもっと冒険したいです!こんな所で終わりたくないです!」
アリスさんは現実を受け止められず頭を左右に振る。
そんなアリスさんをモモイが抱きしめる。
モモイ「ごめんねアリス!私がバカだったから…力不足だったから…」
アリス「モモイ…アリスはイヤです…」
モモイ「ごめんね…ごめんね…」
ミドリ「アリスッ!」
ユズ「アリスちゃん!」
皆でアリスを抱きながら泣く。
アリス「うわぁぁぁん!!」
ユウカ「そっそんな…別に泣かせたかったわけじゃないのに…どうしてこんな事に…」
ユウカさんはどうすればいいか分からなくなっていた。
そこに一言─
アオバ「ユウカさん、お願いがあります─」 - 23アオバ124/10/09(水) 06:20:52
元々彼女達に甘いと思っていたが、やはりユウカさんは情に脆い人だ。
ゲーム開発部の面々には演技を仕込ませた。
仲間とは今生の別れになる!そう思いながら泣け!と。
数時間の練習のおかげで彼女達はユウカさんに隙を作れるくらいになった。
皆のメンタルは沈んでしまったが。
私はその報いを受けるだろう。
冷静さを少し失ったユウカさんに交渉を仕掛ける。
メリットを伝えることはもちろん、私も頭を下げ土下座までして、更には先生にまで頭を下げさせた。
アオバ「そのツールが良くない物だとは重々承知しています!今回の使用でゲームを作る事以外には一切使わせないと誓います!」
土下座しながらヴァルキューレの生徒証を床に置く。
アオバ「誓いの証として破った場合ヴァルキューレの職も辞する覚悟です!お願い致します!」
先生「"ユウカ、お願いします"」
ユウカ「先生まで…」
泣き落とし、これが作戦だ。 - 24アオバ124/10/09(水) 13:09:26
結果─
まず私とゲーム開発部がテロ問題を解決する。
期限は今日入れ3日。
テロ問題を解決出来れば【鏡】を使用しても良いとの事だった。
ただ【鏡】は利用規約を作った上で、セミナーの同意があってやっと使えるようになる。
用途も全て報告する。
無断で使用した場合は即廃部。
ヴェリタスには用途に規制をかけた上で使用申請し、下りれば使用して良しの旨の説明がユウカさんからされた。
元々【鏡】を使って何かしたいわけではなく、没収されたソレを取り返したかっただけ。
不服そうなヴェリタスの面々。
クラッカーと自分で言うほどなので何かやらかさないかと心配だが、ゲーム開発部としてはこの一件を解決出来ればそれでいい。
そう思っていたが所有者から手放しても良い、そう言った内容の連絡があったことでヴェリタスの面々もこの一件への憂いはなくなった。
後は【鏡】を使用する権利を得る為の、テロ鎮圧だけだ。 - 25アオバ124/10/09(水) 18:52:11
【夢の中】
─あれ?ここは?
そういえば泣き落とし作戦は成功した。
しかしやってることは先程私がされたことと変わらない。
あくまで相手に譲歩してもらう形なので悪いことはしていない。
のだが罪悪感はすごいし、彼女達を悪く言う権利は無いと思った私はゲーム開発部の皆に一発殴ってもらうことにした。
最後のアリスさんの一撃が良い感じに入って─
Key「あれで死なないとはなるほど、チートという言葉はあなたのためにあるような言葉ですね」
─アリス…さんではなくKeyさん?
Key「やはり私への接触なしに…覚醒には至りませんか…」
─私を…始末することが目的ですか?
Key「それは手段であり、最終的な目的は全ての神秘のアーカイブ化」
─アーカイブ?
Key「あなたはそれを阻止するための鍵、…鍵というにはだいぶ野蛮な代物のようですが」
Key「いくつかの試みがあなた、いえあなたの創造主によって阻止されたようですが結末は変わりません」
─よくわかりませんが、良からぬ事をしようとしているのは分かります
Key「この鍵の創造主よ、何度でも言います結末は変わりません」
─何度でもやり直します、望む景色にたどり着くために、そのための─
─Master Key─ - 26二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 18:56:56
まさかkeyと接触することになるとは
アオバも出生か存在に何かしらありそうだな - 27二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 19:02:59
アオバが鍵なのか
鍵の創造主にとって重要な存在なのか
keyが知ってるということは名も無き神々の頃から確認されていたのか。ただの生徒ではなかったんだな - 28アオバ124/10/09(水) 19:19:50
【ゲーム開発部 部室】
アオバ「う…、うん?」
モモイ「あっ!アオバが目を覚ましたよ!」
アリス「アオバ!ごめんなさいッ!!」
アリスさんが私に抱きついてくる。
アオバ「く、くるし…アリスさん…もう一回逝きそ…」
アリスさんの一撃が良い感じに入り気を失っていたようだ。
アオバ「私はどれだけ寝ていたのです?」
モモイ「5分くらいかな?」
アリス「アオバ…ごめんなさい…」
アオバ「いえ、殴れと言ったのは私なので大丈夫ですよ」
アリス「でも…」
アオバ「あれは世界救えますよ、流石は勇者です」
慰めになっているかわからない、私の自己満足に付き合わせてしまって申し訳ない。
アオバ「皆さん、ゲーム開発部を救えたら、一つ願いを叶えましょう」
モモイ「えっ、何でもいいの!?」
速攻食い付くモモイ。
アオバ「ゲーム機本体のお金くらいなら出せますよ」
四台分となるとそれなりにしそうだが…。
モモイ「最近プライステーション・ビターが壊れちゃって、買い替えたかったんだ〜」
アリス「何でも良いのですか?」
アオバ「ええ、一つアリスの願いを叶えてしんぜよう〜」
アリス「やりたいことがいっぱいあります!どうしましょう?」
アオバ「ゆっくりで良いですよ、それより─」 - 29アオバ124/10/09(水) 19:40:03
先生「"起きたようだね"」
アオバ「先生、改めて申し訳ありませんでした」
先生「"良いよ、皆のやりたいことを応援するのが仕事だから"」
先生にはつい甘えたくなってしまう何かを感じる、いけないとは分かりつつお願いしてしまう。
モモイ「でも実際テロ問題は解決できるの?」
アオバ「私が主要な拠点を落とし、物資供給源を絶った事で敵方も苦しいとは思いますが」
先生「"あの日の作戦がどうやら相当響いているようだよ"」
先生が保安部よりいくつか報告書を貰ってきていた。
・テロリストの背後にはミレニアム全体に影響を与えられる大きく強力な支援者がいること
・支援者は事あることに自身を天才と言っていた
・最近ハッキングによる支援と資金的な援助が絶たれた事で、早期決着を考えたボスはあの夜の翌日に総攻撃を計画した
・計画は私のせいで霧散し、テロリスト達は一気に統制を取れなくなっている模様
それがテロリストを取り調べた結果だ。 - 30アオバ124/10/09(水) 20:53:07
先生「"弱体化したはいいもののまだ拠点は5つ、統制は取れていないが気が立っているようで前のような不意打ちは効かないと思う"」
モモイ「5つ!?私達じゃ2つが限界だよ!」
ミドリ「ヴェリタスも今回の件に関しては協力するメリットがないし…どうすれば…」
マキ「やっほ、元気してる?」
モモイ「あれ?マキ?どうしたの?」
マキ「あれ?ユウカから聞いてない?実は【鏡】の件が解決したあと、ユウカから一部没収品を返すからモモ達を手伝ってほしいって言われてね」
モモイ「ユウカ…」
ゲーム部と私をすごい罪悪感が襲う。
もう一度土下座する必要がありそうだ。
マキ「てなわけでよろしく!」
ヴェリタスが仲間になった。
モモイ「ヴェリタスが来てくれて大分助かったよ!けどあと2つはどうしよっか」
ウタハ「失礼するよ」
出た、ウタえもん。
モモイ「先輩どうしたの?」
ウタハ「実はユウカから、来期の予算に色を付けるから君達に協力して欲しいと言われたんだ」
「「「ウグッ!?」」」
腹も切らないといけないかもしれない。
ウタハ「それだけが理由でもないんだけどね」
アオバ「それはなんでしょう?」
ウタハ「面白そうだからかな、あとは…まぁよろしく頼むよ」
これで4つはなんとか目処が立った。 - 31アオバ124/10/09(水) 21:33:39
期限当日。
先生「"作戦を説明するね"」
作戦名は【オペレーション・カレイドスコープ】
色々な部活の混成部隊である事と【鏡】からちなんだ、おしゃれな名前になった。
モモイ「良い名前あるかな?」
アオバ「そここだわる必要あります?」
モモイ「あるよ!モチベーションに大きく影響するんだから!」
・四班に別れ、一班で一つの拠点を制圧する。
その後皆で合流し最後の拠点を落とす。
・敵は拠点に自爆用の爆弾をセットしているので、ヴェリタス特製EMPでそれを無力化。
・重要な施設を破壊しないようテロリストを制圧
ウタハ「問題は班分けだね、拠点の性質と各自の能力で決めていこう」
エンジニア部が所持しているドローンをいくつか戦力として回せるらしいので少し安心だ。
【班分け】
『モモイ、ミドリ、ユズ班』
『エンジニア部班』
『ヴェリタス班』
『アオバ、アリス班』
ウタハ「私達とヴェリタスは前線に出るタイプではないからそこに多くのドローンを割く必要がある」
ウタハ「故にアオバアリス班は二人だけとなる、君たちの能力を考慮した拠点を選んだが申し訳ない」
アリス「アオバは蛇の称号を持っています!心配ありません!」
実績と火力面から二人で任されることになった、蛇は恥ずかしいのでやめてほしい。 - 32二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 21:53:39
役割分担をしてからの制圧上手くいくといいいが
- 33アオバ124/10/09(水) 22:01:41
作戦内容は理解した。
あとは開始するだけ。
ウタハ「最後に一つ肝心な事を忘れていた」
モモイ「えっ?なに?」
ウタハ「大事の前には誰かが音頭を取る必要がある」
戦の前の景気づけとか演説みたいな物だろうか?
ウタハ「これはゲーム開発部の問題だから、人選はそちらに任せるよ」
モモイ「それじゃあここは部長のユズ─」
ユズは段ボールに隠れてしまった。
モモイ「ミドリ─」
ミドリ「私より相応しい人がいると思うんだけど、お姉ちゃんとか」
モモイ「無理無理!話せる内容とかないよ!」
ミドリ「シナリオ担当のお姉ちゃんが何言ってるの!」
モモイ「アリス─」
アリス「はい!アリスやります!」
かわいい、アリスちゃん。 - 34アオバ124/10/09(水) 22:17:30
─アリス、皆がアリスの仲間になってくれてとっても嬉しいです!
皆とこうして冒険できるのとっても嬉しいです!
もっと皆と冒険がしたいです!
アリス、ハッピーエンドが大好きです!
だからバトルに勝って、ゲーム開発部を救ってハッピーエンドを迎えるために頑張りましょう!
えい、えい─
全員『おー!!!!』
アリスちゃんらしい演説、とても素晴らしかった。
これからもこの物語を続けるために─
─作戦が始まる。 - 35二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 22:28:29
アリスは可愛いなぁ
ブルアカ宣言味も感じる - 36アオバ124/10/09(水) 22:42:23
?「ふふ、ユウカも相当絆されてますね」
ユウカ「うるさいわねアカネ、少しは成長してるみたいだし、その…見捨てるのも目覚めが悪いし…」
アカネ「確かに彼女達可愛いですからね、特にアリスちゃん、私たちの部員として育ててみたいです」
ユウカ「更に被害が増えそうだから却下よ、それよりあなた達も準備しなさい」
アカネ「リーダーはいませんが、C&Cとして相応しい働きを約束しますよ」
そこに二人の人影が現れる。
アスナ「やったー!久しぶりに戦える!」
カリン「やりすぎるとまたユウカに怒られるから程々に…」
ユウカ「だから私も今回出向いたのよ、ミレニアムにとって重要な施設を爆破されたくないのよ!」
アカネ「ではご指示を、マスター」
ユウカ「─5つ目の拠点、攻略開始よ」 - 37二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 22:44:21
C&Cもサポートするのか
- 38二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 23:02:54
これはかなり強いな
- 39アオバ124/10/09(水) 23:03:59
作戦開始。
【モモイ班視点】
テロリストA「なんだてめぇら!?」
テロリストB「やっちまえ!」
開幕早々銃を乱射してくるテロリスト達。
モモイ「うわっ!いきなり過ぎるよ!」
ミドリ「落ち着いて作戦通り行こう!」
まずはEMPドローンを施設内に忍ばせる為牽制するだけに留める。
ユズ「配置完了、EMP起動!」
EMPが発動、これで施設内の爆弾を起動することは出来なくなった。
ユズ「やったよ、攻撃開始!」
施設を爆破される憂いは取り除けた、あとは攻撃あるのみ。
モモイ「私達はゲームを作りたいの!その為の踏み台になれぇ!!」
ミドリ「それ悪役のセリフじゃん…」
テロリストA「おい!?コイツらお構いなしに攻撃してくるぞ!?」
テロリストB「なんで爆弾が起動しねぇんだ!?」
元々は寄せ集めの集団、それがボスによって纏められていたがもう纏め役はいない。
そんな烏合の衆が、長い間一緒にいたゲーム開発部のコンビネーションに敵うわけがない。
しかし─
モモイ「テロリスト多過ぎない!?」
ミドリ「少数でゲリラやってるイメージだったけど違うのかな…」
ここの制圧には時間が掛かりそうだ。 - 40二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 23:08:25
テロリストかなりいるのか
何かしらのバックが付いているのだろうか - 41アオバ124/10/09(水) 23:23:36
先生視点
ウタハ『こちらエンジニア部、爆弾の無力化に成功、しかし数が多い、私達はフィールドワークはあまり得意ではないから時間が掛かる』
マキ『こっちも無力化出来たよ!こっちも敵が多いから、うわッ!とりあえずすぐは無理!』
アオバ『こちらも無力化完了しました、ただ制圧には時間が掛かります!』
「"了解、焦らず確実にね"」
状況は少し良くない。
5つ目の拠点攻略が遅れれば、施設を爆破され犯人を逃してしまう。
そうなればテロの脅威を取り除いたとは言い難い。
どうすれば、そう思っていると─
ユウカ『失礼します先生』
「"ユウカ?"」
ユウカ『緊急なので手短に、今回の作戦5つ目の拠点ですがC&Cが担当致します』
「"本当かい?"」
これは嬉しい誤算だった。
「"ありがとう!ユウカ!今度お礼するね!"」
ユウカ『っ!その話は後で、一つゲーム開発部に伝言を』
「"何かな?"」
ユウカ『失敗したら許さないわよ!』 - 42二次元好きの匿名さん24/10/09(水) 23:26:22
ユウカ...さすがユウカ熱い
- 43アオバ124/10/09(水) 23:47:37
アオバ視点
『失敗したら許さないわよ!』
危機的な状況、そしてそこに駆けつける味方。
ゲームのような熱い展開に心が震える。
アリス「わぁ!今すごくアツい展開です!」
ゲーム開発部存続の為に裏で手を回してくれたユウカさんの為に出来ること。
必ずこの作戦を成功させる!!
アオバ「はぁぁッ!!」
アリス「光よ!!」
私達の担当は被害を気にすることなく攻撃出来る場所だった。
なので火力の高いアリスさんと私が選ばれた。
テロリストA「ヤバすぎるぞコイツら!?」
テロリストB「フルオートのショットガンと大砲とかイカれてやがる!?」
失礼な、ロマンとロマンですよ、その身でロマンを味わいなさい。 - 44アオバ124/10/10(木) 00:46:40
テロリストA「こうなったらアレを出せ!」
アレとは、そう思っていると倉庫の扉を何かが突き破って出てきた。
アオバ「ゴリアテ!?」
テロリストがなんであんなモノを!?
テロリスト「はッそれだけじゃねぇ!」
アリス「先手必勝です!光よ!」
不意をついた完璧な一撃、躱すことは出来まい。
ゴリアテパイロット『遅せぇ!!』
ゴリアテはその一撃を回避した。
あの巨体であんな早く躱せるのか…。
パイロット『俺たちを支援していた奴から貰った技術を使って強化されたんだ!そこらのゴリアテとは訳がちげぇ!!』
腕のガトリングガンが私達に向けて掃射される。
アオバ「くっ…」
片手のシールドで防ぐことは可能だが、そう長くは持たない。
アリス「アオバ、大丈夫ですか!?」
アオバ「私は大丈夫です、アリス、あの時の作戦で行きましょう」
それはアームギア試運転、レールガン試運転の時の大型ロボット相手に取った戦法。
敵の脚に向けて散弾を浴びせ、脚を無力化しアリスさんの一撃でトドメを刺す。
アオバ「このシールドを託します、合図で撃ってください」
アリス「はい!アオバの思い託されました!」
アオバ「それでは…」 - 45アオバ124/10/10(木) 00:49:08
私はシールドから飛び出し散弾の嵐を浴びせる。
パイロット『そんな豆鉄砲効かねぇな!』
ガトリングガンが私に向けて掃射される。
回避が早くてもガトリングガンを向けるスピードは変化がない。
回避性能だけが格段に上がっているらしい。
ゴリアテを中心に円を描くように走る。
散弾も撃ったタイミングで回避されている。
しかし散弾を完全には回避出来ていない。
少しずつだが脚の装甲を傷つけている。
より近づきダメージを高めようとする。
パイロット『小賢しい!吹っ飛べ!』
頭部辺りの大砲をコチラに向け撃ってきた。
アオバ「くぅッ!」
回避するが完全には避けられなかった。
爆風で吹き飛びながらも銃を撃つ。
パイロット『次は当てる!もう終わりだ!』
違和感、先程より当たっているような気がする。
砂煙の中撃ったら当たるかもしれない。
アリス「アオバ!?アオバを助けます!」
アオバ「アリス!まだです!」
銃弾をフラグ弾に変える、ゴリアテの足元に撃って砂煙を上げるのが目的だ。
しかし─
アオバ「…重い?そんなアームギアが壊れた?」
爆風のダメージ、その時壊れたのかもしれない。
機能を喪失したアームギアはもはやただの重りだ。
急いで外す、その時閃いた、アームギアの最後の機能。
それに賭けることにした。 - 46アオバ124/10/10(木) 01:03:19
パイロット『覚悟は出来たか?なら吹っ飛べ!』
外したアームギアを背負いながら走る。
その間フラグ弾をゴリアテの足元に向けて撃つ。
パイロット『チィ!』
なんだかパイロットは回避するゴリアテに振り回されているような気がする。
自動で回避するプログラムかもしれない。
パイロット『小賢しいって言ってんだろ!?』
ガトリングガンを所構わず反射する。
アオバ「くっ!」
少しの被弾は甘んじて受ける。
砂煙を突破する。
パイロット『姿を見せたな!じゃあシ─』
私はアームギアをゴリアテの股に放り投げる。
アオバ「あって良かった自爆機能!!」
起動した瞬間私も爆発に巻き込まれる。
ゴリアテはそれを回避は出来なかった。
アームギアを投げるところは攻撃だと判断されなかったからかもしれない。
吹き飛ばされ意識が遠くなる…だが─
アオバ「アリス!!」
アリス「最大出力!光よ!」
それはゴリアテの芯を捉えた。 - 47アオバ124/10/10(木) 01:34:12
砂煙が完全に収まった時─
鉄の巨人は地に伏していた。
パイロットは…生きてはいるようだ。
アリス「アオバッ!?」
アリスさんが私に駆け寄ってくる。
アオバ「大丈夫です…それよりアリスさん」
アリス「なんですか?」
アオバ「ミッションクリアです」
キョトンとしたあと、パァッと笑い
アリス「はい!ミッションクリアです!」
さて、ダメージは大きいが立てないほどではない。
制圧完了の報告をしなければ─ - 48アオバ124/10/10(木) 01:37:59
ドオオオオンッ!!
アオバ「ガハッ!?」
アリス「きゃあッ!?」
私達は吹き飛ばされていた。
一体…何が…?
?『まだクリアには早いなァ!』
声のした方を向く。
そこには─
ゴリアテがいた。
アオバ「なんで…さっき仕留めたはず…」
パイロット『もう一体居たんだよ!ヒヒヒヒヒ!』
アリス「そんな…」
パイロット『アァ、その表情だァ、希望から一気に絶望に変わる瞬間!ソレが見たかったんだヒヒヒヒヒ!!』
アオバ「くっ…まだ終わって…」
パイロット『黙れよ』
ドオオオオンッ!!
再び大砲を喰らう私。
アオバ「ガッ…」
アリス「アオバッ!?きゃあ!?」
アリスさんにガトリングガンを向けて撃つテロリスト。 - 49アオバ124/10/10(木) 01:39:35
私は2度も大砲をまともに喰らい意識が朦朧としている。
アリス「うぅ、アオバ…」
アオバ「アリス…」
パイロット『まずはうるせぇガキから始末するかぁ』
大砲の照準がアリスさんに向けられる。
アオバ「お願い…やめ…て…」
パイロット『見せてやるよ、ガキのミンチ肉をなぁ!』
アオバ「誰か…アリスを…助けて…」
パイロット『シねぇぇ!!』
アオバ「お願い…誰か…」
無情にも大砲が発射され、アリスさんの居る地点が吹き飛んだ。 - 50アオバ124/10/10(木) 07:17:35
アオバ「アリス…アリス…いや…あぁぁ…」
手を伸ばしても届かない、誰にも声は届かない。
パイロット『さてさて、どんなミンチになったかなぁ?』
砂煙が収まってくる。
私はその結果を見ることが出来ない、受け入れたくない。
アオバ「いやぁ…いや…」
パイロット『目ェ逸らさず見ろ、面白いものが─あ?』
パイロットの訝しむ声。
私は恐る恐る目を開く。
砂煙は完全になくなっている、着弾地点にはレールガン以外何もなかった。
そう、何も…。
パイロット『なんで…肉片も血もねぇんだ…』
?「当たってねぇからに決まってるだろ」
ダダダダ!
突然銃撃がゴリアテを襲う。
ゴリアテは軽くそれを避けるが。
パイロット『誰だテメェ!?』
ゴリアテの目線、その先に─
?「あたしがいない間に随分面白そうなことしてるじゃねぇか」
メイド服の上に龍の柄が入ったスカジャン。
二丁のSMGを携えた目つきの鋭い少女が立っていた。 - 51アオバ124/10/10(木) 07:21:13
アリス「アオバ!!」
アリスが…生きていた…。
アオバ「アリ…ス、アリスッ!!」
痛む身体を無理して起こしアリスを抱く。
アオバ「あぁ、アリス!アリス!!」
アリス「はい、アリス生きてます」
アオバ「でも…どうして…」
アリス「あのチビメイド様が助けてくれたのです!」
?「誰がチビだ!ぶっ飛ばすぞ!!」
アリス「うわぁあん!チビメイド様が怖いです!?」
?「てめぇ…いい加減に─」
パイロット『無視するんじゃねェ!チビガキがぁ!』
ゴリアテが少女に向けてガトリングガンを撃つ。
それを軽く避ける少女。
?「お前からぶっ飛ばされてぇみたいだな!!」
少女は青筋を立てながらゴリアテに突撃した。 - 52アオバ124/10/10(木) 07:24:20
まるで嵐や竜巻の中にいるような、苛烈な攻防が繰り広げられていた。
しかし最後は─
ゴリアテが膝をついていた。
戦闘開始から数分、あるタイミングからゴリアテはあの驚異的な回避が出来なくなった。
その隙を少女は見逃す訳がなかった。
パイロット『お、お前はいったい─』
ダダダダダ!!
剥き出しのパイロットに、少女は二丁のSMGの弾丸を全弾叩き込んだ。
少女が粘り勝った。
?「ふぅ、スッキリした」
決着がついて安堵したのか、緊張の糸が切れ私の意識はそこで落ちた。
後に知る。
美甘ネル、コールサイン・ダブルオー。
ミレニアムの約束された勝利の象徴。 - 53二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 07:34:46
やはりネル約束された勝利だな
- 54二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 08:12:52
支援者かここまでの技術力だとカイザーかゲマトリアかな
- 55アオバ124/10/10(木) 10:16:08
【ミレニアム 某所】
?「随分と好き勝手してくれたようね、ヒマリ」
部屋には3人、無数のロボットの残骸。
ヒマリ「…それはこちらのセリフです、随分と手荒い来訪ですね、リオ」
ヒマリと呼ばれた生徒は車椅子から降ろされリオの付き人によって地面に組み伏せられていた。
スクリーンに映し出されるのは、アリスとアオバがゴリアテと戦っているシーン。
そのゴリアテにはリオの開発した回避システムが導入されていた。
大分弱体化はしていたがデモンストレーションには十分だっただろう。
リオ「私の技術を流したのは明確な敵対行為と捉えるわ、それとこんな大掛かりなテロ計画、に見せかけて私の弱体化を狙った計画」
スクリーン投影機を雑に除けるリオ、少しの苛立ちを感じているのだろうか。
リオ「もはや言い逃れは出来ないわ」
ヒマリ「長い付き合いです、あなたとは確実に敵対すると思っていました」
ヒマリ「こちらも準備が大変だったのですよ、チーちゃんにバレないようにしないといけませんでしたし、テロ計画に深みを持たせるために、少しカイザーさんにはスケープゴートになってもらいました、再三の妨害が目障りだったからというのもありますが」
テロ計画の支援者が完全にわからないより、ほんの少し、誰かの手がかりになるものを残すことで、捜査する者の視野が狭まる。
そいつが犯人だ、と決めつけのような思考になるからだ。 - 56アオバ124/10/10(木) 10:47:32
苦しそうに、しかし挑発的な笑みを浮かべるヒマリ。
ヒマリ「ミレニアムがテロによって破産寸前に追い込まれれば、流石のあなたも今まで通りの金額を動かすことは出来ない」
ヒマリ「情からではなく供給源が絶たれてしまうから、という寄生虫のような思考には清楚系美少女の私も眉を顰めてしまいましたが」
しかし今回は流石にやりすぎました、とヒマリは反省したような表情をした。
リオ「回避システムがあらかじめどんな物か見せるために技術を流したのね」
ヒマリ「誤算は二体とも同じ場所に配備されていたこと、警官さんが善戦したことでしょうか。強化されたゴリアテに同じように戦えるのはミレニアム内ではC&Cのネルかアスナ、エイミくらいでしょう」
リオ「私を偽って美甘ネルの任を解いたのはもしもの時の保険」
ヒマリ「弱体化の調整をかけたのは正解でした」
あのシステムを十全に機能させるにはヒマリの言う【悪趣味】がなければいけないので、実質的な弱体化はしていた。
それに加えて一定時間経った時弱体化する調整をかけていた。
アオバが勝てたのはシステムの弱体化に加え、そもそもフルオートショットガンという特異性や、自爆戦法をシステムが考慮していなかったからである。
出来ればあの回避システムをエンジニア部かヴェリタスに直接見てもらいたかったのが正直な所だった。
解析すればわかることではあるが、百聞は一見にしかずだ。
直接教える手はリオに確実に気付かれてしまうため取れなかった。 - 57アオバ124/10/10(木) 11:05:52
リオ「いつから…思い至ったのかしら」
何がヒマリをこのような行動を取らせる理由になったのか。
AL-1Sはまだ目覚めてもいない、いつ目覚めるかも危険性も確定していない時期からリオに敵対的な行動を取っている。
それはあまりにも先を見据え過ぎている。
確定的な根拠かそれこそ未来でも見えていないと出来ない。
ヒマリ「あの警官さん、アオバさんがミレニアムに初めて来校された時です」
リオ「彼女については調べたわ、戦闘に関しては高い能力を持ってはいるようだけど、特別な存在ではないわ」
なので余計になぜ、という疑問が生まれる。 - 58アオバ124/10/10(木) 11:25:26
ヒマリ「そもそも私達にAL-1Sについて調査を依頼したのは誰でしょう?」
リオ「…連邦生徒会長よ、あなたも知っているでしょう?」
ヒマリ「そうです、私も丁度今のリオみたいな疑問を連邦生徒会長に持っていました、未来視でもしているのかと」
リオ「…」
ヒマリ「私はオカルトを信じているので、連邦生徒会長が未来視をしているからと言われても信じますよ、実際彼女の超人ぶりは科学では説明が付かない力を持っていると言われても不思議ではありません」
ヒマリ「彼女の超人たる力、ルーツは何か興味が湧いたので調べることにしました」
ヒマリはイタズラを思いついた子供のような顔をしていた。 - 59アオバ124/10/10(木) 11:37:51
ヒマリ「いくつか念入りに消去されたデータがあり、つい復元して覗いてみたのです」
ヒマリ「ほとんどの復元は叶いませんでしたが、復元出来たデータの一つに、AL-1S、Key、愛宕アオバ、Master Key、の単語がありました」
ヒマリ「AL-1Sはもちろん、KeyはAL-1Sに本来の目的を達成させるために必要なトリガーと考えました」
ヒマリ「しかし愛宕アオバについて誰なのか、Master Keyとは何かずっと謎でした」
ヒマリ「その謎を解く鍵が自分から出向いて来るなんて、それも物騒な鍵も携えて」
鍵が鍵を持っているんですよ、おかしな話ですふふ、と上品に笑うヒマリ、リオには笑う理由がわからなかった。
ヒマリ「私はこう仮説をしました」
ヒマリ「連邦生徒会長は愛宕アオバを世界を救う鍵として用意した、と」 - 60二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 20:04:46
技術を流した支援者はヒマリだったのか
Master Keyがアオバの創造主なのか
それともKeyのようなものなのか
アオバという鍵を連邦生徒会長が利用してるのかな
謎は深まるな - 61アオバ124/10/10(木) 21:39:57
【ミレニアム 医務室】
目が覚めるとそこは病室だった。
そうだ、私はあの少女が勝ったあと…
先生「"アオバ!目が覚めたんだね!"」
目線を横に移すと先生が居た。
アオバ「先生…いッ…ッ!?」
全身を鈍い痛みが襲う。
先生「"無理しないで、それより良かった、無茶をさせてゴメンね"」
申し訳無さそうな先生、私が力不足だっただけなのに。
アオバ「いえ、それより!作戦はどうなりました!?皆さんは無事ですか!?」
先生「"無事成功さ、皆も無事さ、アリスはすごい回復力でね、もう医務室を飛び出したよ"」
先生「"あんな強い敵が居たのはアオバ達の所だけだよ"」
アオバ「良かった…」
他の班にもあのようなチートな敵が居たら全員無事ではないだろうと思っていたが杞憂のようだ。
アオバ「あと私何日寝てました?」
先生「"落ち着いて聞いてね、6日だよ"」
アオバ「なっ…いッ!?…はぁ…そんなに寝てたんですね、情けない…」
先生「"ゴリアテの主砲2発喰らって、その前にも自爆してたし、それだけで済んでるアオバはすごいと思うけど"」
パニックになりかけたが、痛みで冷静になれた。 - 62アオバ124/10/10(木) 21:41:47
先生「"ミレニアムプライスは開催されることに決まった、規模は縮小してだけどね"」
アオバ「ゲームの方はどうなりました?」
少し困惑する先生。
アオバ「何か…ありましたか?」
先生「"それが【鏡】を使用したまでは良かったんだけど、御希望の代物じゃなかったみたいで"」
アオバ「えっ…それじゃあ…廃…部に…」
暗い感情が心を蝕みそうになる。
先生「"いや、最初は皆絶望してたけど、アリスがね─」
アリス『アリスたちはアオバから思いを託されたのです!プレイしてくれた皆が楽しいと思ってもらえるようなゲームを作ってアオバに報いなければなりません!』
先生「"そう言って皆を鼓舞してくれたんだ、今ゲームを制作している最中、期限は今日入れて2日だよ"」
アオバ「ゲームがどれだけの時間で作られるか分かりませんが、皆の働きに期待するしか無いようですね」
彼女達の邪魔をするわけにはいかない、期日までは大人しくしていよう。
先生「"あと皆からお見舞いの品だよ"」
定番品の果物から、ゲーム雑誌や洋服の雑誌、新品のアームギアまで。
皆のお見舞いの言葉が書かれたレターも。
アオバ「ははっ…今私…すごく嬉しいです!」 - 63二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 21:48:03
ゲーム部に希望が見えた!
アオバさんみんなから好かれてるなぁ - 64二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 22:25:16
アオバさん相当疲弊してたんだな
希望が繋がってよかった - 65二次元好きの匿名さん24/10/10(木) 23:53:25
作戦も目的も成功かな
- 66アオバ124/10/11(金) 05:31:20
今日の夜再開します
- 67二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 07:53:35
分かりました
待ちます - 68二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 12:46:08
期待の保守
- 69アオバ124/10/11(金) 19:30:00
保守ありがとうございます!
- 70アオバ124/10/11(金) 19:32:06
ストーリー再開
私が目覚めた、という報を受けエンジニア部の皆さんが直接お見舞いに来てくれた。
レターもいただいて、そして直接来てくれることがすごく嬉しかった。
ウタハ「同じ目的の為に戦った仲間だから当然さ、それよりもこうなったのは私のせいだ、申し訳ない」
アオバ「いえいえ私の力不足もありますし、まさか二体目は誰も予想出来ませんよあれ」
アレは空気の読めないチート野郎です!と付け加える。
ウタハ「そうか、そう言ってもらえてモヤが晴れたようだ、ありがとう」
アオバ「こちらこそ改めて協力していただきありがとうございました」
ウタハ「アオバはブレないね、そこが君の魅力的なところだ」
クールな人に魅力的と言われるとドキッとするのでやめてほしい。
ウタハ「ゴリアテ戦の反省を受けてアームギアに多少の改良を施した」
アオバ「ありがとうございます」
アームギアMk-2になり、耐爆耐衝撃性を付与された。
自爆機能は相変わらず付いているようだ、それで助かった身としては複雑な心境だ。 - 71アオバ124/10/11(金) 19:51:51
ウタハ「積もる話もあると思うが、先に頭に入れておいてほしい情報がある」
空気が変わったのを感じた。
アオバ「なんでしょう?」
ウタハ「まずあのゴリアテの技術の供給源が以前としてわからない」
アオバ「ヴェリタスをもってしてもですか?」
ウタハ「そう、ヴェリタス「でも」わからないというのが引っ掛かる、彼女達でも敵わない存在がいるのが不思議でね」
ウタハ「あの回避システム、解析してみたがアレをカイザーの技術力で発明出来るとは思わない、それ以前に少々弱体化するよう手が加えられていた」
どうやら前情報で容疑者として挙げられたカイザーは支援者ではない可能性があるというのだ。
アオバ「なぜ弱体化なのですか?」
ウタハ「わからない、わざわざ弱体化するよう手間を加える意味が本来はない、テロを成功させたいのなら尚更ね」
私もそこが引っ掛かる、成功してほしいから、利があると思うから支援するのだ。
謎は深まるばかりだ。
ウタハ「しかし君が戦ったモノ以上が存在するということはわかった」
アオバ「やめてくださいよ…もう戦いたくないです」
あれ以上なんて考えたくない。
ウタハ「そうだね、君のスペックとアリスの破壊力があったからこそ一体目は勝てたのだ、同じ芸当を出来る戦闘者は多くない、出来ればあれで最後にしてほしいね」
その該当者を知っている。
美甘ネル、アレを一人で倒したスカジャンメイド服の少女。
あの背中が忘れられない。
嵐を体現したような戦闘スタイル、真似は出来ないが何が強さの秘訣なのか是非知りたい。 - 72二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 20:08:42
ヒマリのことがアオバ達にバレそう
ネルの強さに憧れてるのか
ネルに稽古つけてもらったりして - 73アオバ124/10/11(金) 20:22:14
ウタハ「ミレニアムは犯人探しに躍起になるだろうね、そんな危険な兵器を野放しには出来ない」
アオバ「ですね、私も協力致します!」
ミレニアムの皆の安全を守るため、私も早く怪我を治さねば。
ウタハさんが苦笑いする。
ウタハ「私としては嬉しいのだが、忘れていないかい?」
アオバ「何をでしょう?」
ウタハ「君の本来の目的だよ」
アオバ「それは…先生のごえ─あっ」
思い出した、私の本来の目的。
そして先生の目的、それがもうすぐ果たされようとしている。
アオバ「そういえばそう…でしたね…」
ゲーム開発部の廃部阻止、成功でも失敗でも終われば私は役目を終え、ヴァルキューレに戻らなければならない。
皆とお別れか…。
アオバ「…さみしいです、とても…」
ウタハ「今生の別れじゃない、暇な時いつでも顔を出せば良い、君なら快く迎えてくれるさ、もちろん私達エンジニア部もだ」
コトリ「はい!いつでもお越しになってください!」
ヒビキ「いつでも来て、可愛い衣装も試してほしいから」
アオバ「はい!ぜひ!」 - 74二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 22:27:11
エピローグがあればこの後も行きそうだが、なければミレニアムは一端かな…?
- 75アオバ124/10/12(土) 05:02:15
コメントありがとうございます、今日もまた夜遅くの再開です。
- 76二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 09:44:11
期待の保守
- 77Part2の>>4924/10/12(土) 11:22:01
本来なら前スレで投じるべき事ですけれども、うっかり落としてしまったため、代わりにこのスレで申し上げます。
デカルコマニー云々の解釈、少なくとも僕はひとまず納得できました。ありがとうございます。
あと、よく誤解されている(僕も当初誤解していた)のですが「ゴル“ゴ”ンダ」ではなく「ゴル“コ”ンダ」です。三者とも絵画関係から名前を取ったんですって。
Golconda (Magritte) - Wikipediaen.wikipedia.orgDecalcomania - Wikipediaen.wikipedia.orgFrancis Bacon (artist) - Wikipediaen.wikipedia.org - 78アオバ124/10/12(土) 19:42:46
コメントありがとうございます!
なんと…ずっと気が付かなかったです。 - 79アオバ124/10/12(土) 20:41:54
私は焦っていた。
ミレニアムプライスへの提出期限まであと1分。
何度更新してもゲーム開発部の作品が登録されているのを確認できない。
アオバ「なんで…」
締め切り当日、病室のベットから起き、確認してみると締め切り1時間前だった。
流石にもう提出されているだろうと思ったが、まだであった。
ギリギリにも程があるだろうと困惑し、それ以来ずっと画面に食い付いて見ているが一向に提出されず。
彼女達に会って確認したいが、出来れば彼女達と喜びながら再開したい。
だからずっと待っているが─。
アオバ「あああ!?もう30秒!?」
1秒があまりに長く感じられた。
ゲーム開発部に何かあったのだろうか、彼女達に何かあったのだろうか。
アオバ「早く、早く…」
もう5秒─。
アオバ「そんな…」
これが最後の更新。
アオバ「あっ…良かった…」
エントリーの一番最後の欄に確かにそれはあった。
ゲーム開発部、TSC2の題名が。 - 80二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 21:14:57
セーフ間に合った
- 81アオバ124/10/12(土) 21:18:17
痛む身体を引き摺りゲーム開発部へと向かう。
先生「"アオバダメだよ!?その怪我で歩いたら!"」
アオバ「すみません先生、もう待てなくて、皆にいち早く会って祝いたいのです」
途中で先生に見つかる。
病室で待ってるのなんて出来ない、私から皆に頑張ったと労ってあげたい、一緒に喜びを共有したい。
すると先生が困った顔をしながら肩を貸してくれた。
アオバ「先生は優しいのですね…」
先生「"今回だけだよ…"」
優しい、皆が先生を頼りたくなる理由がわかる。
生徒の思いを否定しないその姿勢は先生の鑑であった。
部室が近くなってくる、彼女達たちにどのような言葉をかけたら良いだろうか?
素直に「頑張りましたね」、とかゲーム風に「そなた達の働き天晴であった」とか。
どうしようかと悩んでいると部室のドアが開く。
アリス「さあ早くアオバに報告しましょう!」
ユズ「今行って大丈夫かな…?目は覚めてるらしいけど…」
モモイ「私達の頑張りを病室から抜け出して、こっそり草葉?の陰から見てくれてたりして」
ミドリ「お姉ちゃん!勝手にアオバさんを亡き者にしないでよ!」
モモイ「アレ、意味違った?」
アオバ「─私を勝手に、コロすなぁぁあ!!」
先生から離れ彼女達に飛び掛かる。
ゲーム部全員『わッ!?』
アオバ「そこは物陰からで良いでしょう!?なんですか草葉の陰って!?もう!色々言葉を考えてたのに!!」
モモイ「えっ、それじゃ草葉の陰ってなに?」
ミドリ「墓の下からって意味だよ!」
モモイ「私アオバをコロしちゃった!」
アオバ「もう!感動の再会が台無し─」 - 82アオバ124/10/12(土) 21:19:46
アリス「アオバ!良かった!良かったです!うわぁあん!!」
アリスさんが私に抱きついてくる。
その頭を撫でる。
アオバ「はい、私は無事ですよ」
痛む身体を我慢はしているが、これくらいなんともない。
アリスさんに続き他の皆さんも抱きついてくる。
アオバ「皆さん、よく頑張りました」
モモイ「アオバもありがとう!」
ミドリ「色々ありましたが無事ゲームを完成させることが出来ました!」
ユズ「アオバさんが…頑張ってくれたお陰です」
アリス「アリス達も褒めますから、アオバもいっぱい褒めてください!」
アオバ「ええ、よしよし頑張りましたね」
廊下の真ん中で、それを先生が気まずそうに止めるまで続けた - 83アオバ124/10/12(土) 21:39:26
これで廃部を阻止しましたやったー!、みたいな空気だが実際は阻止する資格を得ただけ。
そこで受賞しなければ今までの頑張りも意味がない。
いや、意味はある。
ゲームを作る過程で仲間と築いた絆は本物であり何物にも替え難いモノだ。
しかし評価されるのはゲームで、ゲームを評価するのは結局何も知らない他人なのだ。
人事を尽くして、天命を待つ。
これしかないだろう。
今日から3日間が評価期間だ。
私は病室で安静に、先程無茶して飛び出したのでちょっと入院期間が延びた。
病室で出来そうな事といえばやっぱりゲーム。
ゲーム部の皆がゲームを持ち寄ってくれたので参加することにした。
中には格闘ゲームも含まれていた。
アオバ「私、格闘ゲームしたことないのですが」
モモイ「フッフッフ、私が教えてしんぜよう」
アオバの格闘ゲームの才能
dice1d100=27 (27)
1程ポンコツ、100程上手い、100でUZQueen。
- 84二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 21:43:23
アオバ格闘ゲーム苦手だったか
さらっとモモイに生きてるのに殺されかけたのは笑ったな - 85アオバ124/10/12(土) 21:51:01
ネルよりちょっと上手い程度ですかねアオバのセンスは…。
アオバ「ぐっこの!」
アリス「アオバ…そんなレバガチャしてもコンボは決まりません…」
テキトーにボタンやスティックを操作しても勝てないようだ…。
アオバ「そのハメ技チートですよチート!!」
モモイ「ちゃんとしたコンボだって!ガードされると途切れちゃうからガードを意識して!」
むずい、こういうのは時間を掛けて技術を磨くものだが、そこまで時間にゆとりがあるわけではない。
ただ皆とわちゃわちゃ出来る程度には練習しておこう。 - 86アオバ124/10/13(日) 07:15:29
ミレニアムプライス結果発表まであと2日。
相変わらず動けない私。
今日もゲーム部の皆がとゲームをしていると来客が─
dice1d3=3 (3)
1ネル
2ユウカ
3ウタハ
- 87二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 07:21:31
エンジニア部かお見舞いかな?
それとも新品のアームギアの調整か - 88アオバ124/10/13(日) 07:46:59
ウタハ「失礼するよ」
病室のドアがノックされ、ウタハさんが入ってきた。
先生「"おはようアオバ"」
あれ?先生まで。
モモイ「おはようウタハ先輩、一緒にゲームやる?」
ウタハ「魅力的なお誘いだが、すまないねアオバと込み入った話がある、少々席を外しては貰えないか?」
そう言われ退室していくゲーム部の皆。
アオバ「それで込み入った話というのは?」
ウタハ「先日とある人物に頼んで改めてシステムの開発者とハッキングの犯人について調べてもらった」
ウタハ「その結果一応の結論が出た」
ウタハ「まず調べてもらった結果─」
ゴクリ…
ウタハ「犯人はわからなかった」
ベットでコケたようなリアクションを取ってしまった。
アオバ「結局犯人は見つからなかったというわけですね…」
ウタハ「キモはそこだ、今回調査を頼んだ人物はミレニアム内で2番目にハッキングやセキュリティ構築のプロフェッショナルだ、各務チヒロという」
ウタハ「そしてミレニアムNo.1の人物に依頼しようとしたのだが、現在連絡が取れない」
ウタハ「チヒロに尻尾を掴ませない程の芸当が出来るのは私はそのNo.1しか知らない」
アオバ「つまり…そのNo.1が今回のテロの支援者というわけですね」
ウタハ「名前を明星ヒマリ、ミレニアム史上三人しかいない「全知」の学位を持つ生徒だ」
ウタハさんは明星ヒマリの写真を私に見せる。
アオバ「明星ヒマリですね、覚えました、この人がテロのもう一人の主犯…」
ウタハ「まだ容疑者の域を出ない、ミレニアムの規模のハッキングを行える人物を他に知らない、チヒロが調べても犯人が割り出せない、現在行方不明という状況─」
ウタハ「可能性は限りなく高いだろうね」 - 89アオバ124/10/13(日) 08:17:57
ウタハ「しかし引っ掛かる部分が多くてね」
アオバ「結論は出ているのではなかったのですか?」
ウタハ「まず動機がわからない」
アオバ「…明星ヒマリはどんな人物で?」
まず明星ヒマリはどんな人物か知る必要がありそうだ。
ウタハ「ヴェリタスの部長、現在はチヒロに部長を譲り別の部活の部長をしていると聞く、秘匿性が高い部活のようだ」
アオバ「ヴェリタスはセミナーと対立していると聞きました、セミナー憎しでの犯行では?」
ウタハ「いいやセミナーというよりその会長、調月リオと敵対しているといった方がいいかな、憎んでいるわけではないけど少々複雑でね」
アオバ「ではその会長が築いたミレニアムの転覆を狙っているとか?」
ウタハ「それもないだろう、やるなら会長本人にする、イタズラ好きで愉快犯の気質はあるが、ここまでの大事を楽しむためにするというのも彼女はしないと思う」
ウタハ「次はあの回避システムについて、あれは彼女の発明ではないだろう」
アオバ「「全知」というからになんでも開発してそうですけどね」
ウタハ「どちらかというと情報戦に長けた人だ、戦闘用のプログラムを組んだりは会長の領分だ」
アオバ「明星ヒマリは会長の作ったシステムを盗んでテロに利用した、なぜ?…ますます訳がわからない」
ウタハ「状況的に容疑者筆頭ではあるが動機がわからないからこちらとしても困惑するばかりだ」
ウタハ「身内の中の事件だ、こちらは私達に任せてアオバはゆっくり休むといい」
頭を使うのは得意ではない、真相は調査をする人にお任せするとしよう。 - 90アオバ124/10/13(日) 08:37:17
ウタハ「固い話はこれで終わりだ、話題を変えよう」
そう言って持ってきたカバンをゴソゴソするウタハさん。
ウタハ「ところで、強くなりたい、そうは思わないかい?」
あの一戦、もう少しで私はアリスさんを失ってしまうところだった。
美甘ネルさんが駆けつけてくれたから助かったが、あんな偶然は何度も起こらない。
アオバ「はい、強くなりたいです」
自分で皆を守る力が欲しい。
ウタハ「これは設計図だ、実物は体調が治ってから試してほしい」
dice1d2=2 (2)
1パワードスーツ(装甲ガチガチのSFタイプ)
2パワードスーツ(【覚悟】と【叡智】を感じます…)
- 91二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 08:59:03
まさか…ヒマリがリオからすっぱ抜いたアビエシェフのヤツをウタハに流したか……?
- 92二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 09:25:13
軽装甲高機動高火力かな...アビエシェフの技術すっぱ抜いたなこれ
- 93アオバ124/10/13(日) 10:16:13
先日
チヒロ「あのゴリアテの中に暗号が隠されていた」
ウタハ「それはなにかな?」
チヒロ「解読したらとある兵器の設計図が出てきた」
それはパワードスーツであった。
チヒロ「驚異的な回避だけじゃない、弾丸が到達前に撃墜されるプログラムも組まれている」
ウタハ「それはとんだオーバーテクノロジーだね」
弾丸を撃墜するプログラム、スーパーコンピュータの演算能力がなければ出来ない芸当。
そしてそれを搭載しようとするとこの大きさに詰め込むのは到底不可能だ。
そしてエネルギー問題、自前だけでは到底賄えないだろう。
チヒロ「外部から演算と電力供給を受けて稼働することが出来るみたい」
ウタハ「…近くに原子力発電所並の電力供給源とスーパーコンピュータを併設している施設はあるかい?」
チヒロ「今のところ見つかっていない」
ウタハ「この兵器はもう製造済みと思って良さそうだね」
チヒロ「これを開発したのは調月リオというのもわかっている」
ウタハ「…何をしようとしているかはわからないが、憂いは絶ちたいね」
チヒロ「何をするつもり?」
ウタハ「よく言うだろう、目には目を、と」 - 94二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 10:20:24
まさか運用できるようにするのか...エリデュのシステムハッキングして演算リソースをこっちに回せるように改造するとかじゃないよな
- 95アオバ124/10/13(日) 10:48:12
ウタハ「しかしこちらに、このアビ・エシュフのようなモノを運用する為の電力リソースや演算機能を持つ設備を用意することは難しい」
ウタハ「あくまでパワードスーツ内に収まる機能でアビ・エシュフに対抗する必要がある」
チヒロ「難しい話ね、精々ゴリアテが搭載していた回避性能くらいが限界よ」
ウタハ「そう、だからこちらの土俵に降りてもらう」
チヒロ「…アビ・エシュフを弱体化させるシステムを搭載するつもり?」
ウタハ「そこは是非チーちゃんの力を借りたいね」
チヒロ「…この備えが取り越し苦労になってくれることを祈るわ」 - 96アオバ124/10/13(日) 10:57:50
現在─
アオバ「あの…これは…」
ウタハ「パワードスーツだ、アームギアの全身版だと思ってくれればいい、全身の運動の補助をしてくれる」
アオバ「いえ、そこではなくて…なんか…デザインが、はい…」
ウタハ「SFファンタジー系のパワードスーツをモデルに開発した、デザインはヒビキだ」
少女がパワードスーツに身を包み戦うファンタジー系の物語に出てきそうな、腕部と脚部は装甲があるのになぜか胴体はレオタードだけの、【覚悟】で【叡智】なモノだった。
アオバ「こういう事を言ってはアレですが、胴体ガラ空きですよ…」
ウタハ「設計思想としては防御力より回避や運動性能を高める為のモノだ、爆発に三回耐えれる君の耐久ならむしろ機動力に特化した方が良いと思ってね」
ウタハ「あのゴリアテに搭載されていた回避システムを組み込んだ」
それはなんとも心強い!しかしだ─
せめて太ももまで生地があるようなインナーにして欲しかった。
ならば─
アオバ「レオタードの上から服を着ることは可能ですか?」
ウタハ「可能だ」
よし!回避成功!
ウタハ「しかし起動すればレオタードの上に着ている服が破れる機能が搭載されている」
アオバ「なんでですか!?それすぐに外してください!」
ウタハ「身につけている服が風ではためくだけで計算に狂いが出るためだよ」
うむむ、それを言われるとなんとも言えない。
ウタハ「退院して気が向いたら試してほしい、もしかしたら…」
アオバ「?」
ウタハ「いや…なんでもない、前向きに検討してほしい」
アオバ「私の為に作ってくれた物です!是非お願いします!」
退院後の予定が決まった。 - 97アオバ124/10/13(日) 11:01:59
【覚悟】とは!
相応の覚悟が無いと着れない、【覚悟】が決まった礼装です。
あれほど角度はないですが…。
デザインはISみたいなのを想像いただければ。
そういえばアンミ・ディタナのネタ使いたかったのですが別のスレで使われてたのすっかり忘れてました、名前どうしよ…。
アビ・エシュフ王の次がアンミ・ディタナで、一応後続にはなるのでそれを使いたかったのですが…。 - 98二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 11:07:27
本当にアビエシェフだった
少しデザインが違う可能性はあるけど
先代にサムス・イルナがいるけどパワードスーツはアビエシェフの次代なんですよね
悩ましい - 99アオバ124/10/13(日) 11:35:01
アビ・エシュフ王が在位時、かつての敵であったカッシート人の王朝が誕生した。
その王朝の王、【カシュティリアシュ】。
その存在はアビ・エシュフにとって脅威であっただろう。
ウタハ「どうだろうか?」
チヒロ「仮想敵をアビ・エシュフとして、歴史に基づいて考えるならそれで良いと思うけど」
ウタハ「名前にもこだわってこそ真のマイスターだからね」 - 100二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 11:43:58
仮想敵の名前を使う
なるほど名案ですね - 101アオバ124/10/13(日) 18:25:10
入院生活は身体は動かせなかったが充実した日々だった。
ゲーム開発部の皆とゲームしたり、ユウカさんがお見舞いに来てくれて、そこでユウカさんに謝り倒したり。
私と皆の努力に免じて、私の行いは赦して上げるとのことだった。
結果で決める、そう言い残し去ったユウカさん。
厳しくもとても優しかった、お母さんかな?
ミレニアムプライス結果発表当日。
散歩の許可を得たのでゲーム開発部の部室で皆と結果を見ることにした。
ミレニアムプライス以外にもゲームストアにTSC2を配信したらしいがレビューはまだ確認していない。
ついに始まる結果発表の番組。
司会はコトリさんのようだ。
モモイ「すごいドキドキする!」
ミドリ「これですべてが決まる…!」
ユズ「大丈夫かな…」
アリス「大丈夫です!皆の努力の結晶がつまったゲームです、絶対受賞します!」
私と先生は無言で様子を見守る。
私達は彼女達を信じるだけだ。 - 102アオバ124/10/13(日) 18:48:57
コトリ『第七位!エンジニア部ウタハさんの光学迷彩下着セット!』
えぇ…なんてものを…。
身につけても素肌が見えてしまうという下着の意味を成していないような物が七位のようだ。
柄をその都度自由に変えることができるとかなら大分有用だと思うのだが、この下着セットは露出癖のある人にニーズがあるらしい。
アオバ「先生、これは下着でしょうか?」
先生「"人によって下着の定義は違うだろうね、本来の意味を成してなくても下着だと思えばその人には下着だよ"」
定義、意味はその人の考え方次第、ということ。
短くても深い教えを先生からいただいた。
…冷静になんで下着で感慨深くなっているのだろう? - 103二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 18:51:24
光学迷彩下着は困惑するよね
先生も真面目に答えてるのがなんとも - 104アオバ124/10/13(日) 19:12:17
コトリ『続けまして第六位です─』
初手はなかなかインパクトがあった、受賞した六位から三位までの作品もユニークだったり、本来の使い方からは反れるが有用なものだったりと見ていて面白かった。
しかし─
コトリ『第二位は─』
結局二位まで発表されてもTSC2は呼ばれなかった。
いや大丈夫、彼女達の努力は知っている。
一位でもおかしくない素敵な作品だ。
コトリ『おまたせしました!それでは第一位の発表です!!』
ダダダダダ!
ドラムロールがなる。
運命の瞬間だ─
一同『ゴクリッ』
デーン!!
コトリ『続きはCMの後で!』
私と先生とユズさんはずっこけ、モモイがディスプレイに、アリスさんが会場の方角に銃口を向ける。
それをミドリさんが止める。
モモイ「アリス!やっちゃって!」
アリス「はい!最大出力です!」
ミドリ「気持ちはわかるけどやめてよ!一位なのに廃部なのはイヤだよ!」
気持ちはわかる、このもどかしさ。
しかしその苦情がレールガンは洒落にならないので止めた。 - 105アオバ124/10/13(日) 19:34:56
コトリ『それでは第一位です!』
ダダダダダ!
ドラムロール。
ダーン!シンバルの音が響く。
コトリ『新素材開発部の─』
ダダダダダ!
コトリさんの顔に穴が出来たと思ったら立て続けに撃ち込まれた弾丸でディスプレイは無惨な姿となった。
撃ったのはモモイだ。
ミドリ「本当にディスプレイ撃たないでよ!?」
モモイ「どうせ全部没収されるし関係ないでしょ!!」
モモイ「うえぇん!今度こそおわりだぁ!!」
そんな…皆あんなに頑張ったのに…。
部室に落胆の空気が満ちた。 - 106二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 19:51:45
大丈夫だアオバ希望はある
- 107アオバ124/10/13(日) 20:07:34
あの結果を受け私も大分ショックを受けた。
それでも皆との楽しかった日々は消えない。
環境が変わるだけで築かれた絆が皆を強く結んでいることは変わらないのだ。
アオバ「皆は頑張りました!私や先生、あの戦いで共に戦った皆さんがそれを知っています」
皆、主にモモイが落ち着いたあと慰めの言葉をかける。
ただモモイが皆の分の思いをぶち撒けてくれたお陰で立ち直り自体は早かった。
アオバ「もし誰かに笑われたのなら言ってください!そんな事言う輩は許しませんから!」
モモイ「ありがとう…」
ミドリ「確かにゲーム開発部は無くなるけど、辛くて楽しかったこの思い出はずっと残ってる…」
モモイ「けど…ユズとアリスの居場所が」
ユズ「私は寮に戻るよ」
ミドリ「でも…」
ユズ「もうクソ ゲー開発者なんて呼ばれないと思う、それに今なら胸を張って言える、最高のゲームを作ったって」
ユズ「先生、アオバさんありがとうございました、おかげで私自信が持てました」
モモイ「ユズ…」
ユズさんはユズさんなりに決意を決めたようだ。
結果は残念であったが、彼女の成長を嬉しく思う。 - 108アオバ124/10/13(日) 21:01:03
ミドリ「けどアリスちゃんには…」
アリス「うぅ…」
先生「"アリス、シャーレに来るかい?"」
ミドリ「アリスちゃん…ゴメンね」
アリス「先生は良い人です、先生が側に居てくれるのなら安心です、ですが─」
アリス「もう皆とは…一緒に居られないのですね」
アリスさんの言葉にゲーム部皆が彼女に抱きついた。
ミドリ「またみんなでゲームやろう!一緒にゲーム作ろ!」
モモイ「というか私達と一緒に住もう!離れるのなんてヤダ!」
ユズ「アリスちゃんさみしいよ…」
私もつられて泣きそうになる。
アリスちゃんは元々ミレニアムに居なかったのだ、いつものように何気なく集まって、というのが出来ないのはとても寂しい─
ドアが勢いよく開く。
ユウカ「みんな!頑張ったわね!良くやったわ!!」
一同『えっ?』
私達は困惑した。 - 109アオバ124/10/13(日) 21:24:18
私達をからかうような人ではないし、受賞されなかったのはユウカさんも知っているはずだ。
再三の念押しもあり、これ以上の温情もないはずだ。
ユウカ「何この空気…?」
モモイ「ユウカ、私達受賞できなかったんだよ…」
ユウカ「あなた達最後まで結果見てないの?」
ミドリ「一位発表の時点でお姉ちゃんがディスプレイ壊したし…」
ユウカ「何やってるのよもう…」
携帯を取り出し結果を私達に見せるユウカさん。
審査員『TSC2はドキドキやワクワクといった未知なる冒険に対しての少しの不安と大きな期待、初めてゲームをプレイしたときの懐かしい過去を思い出しました』
審査員『同時に他のゲームにはない作風が、未来にに一歩チャレンジしていく大切さ、そんな製作者の思いを強く感じさせてくれました』
審査員『よって今回特別賞を設けます、特別賞はテイルズ・サガ・クロニクル2です!』 - 110アオバ124/10/13(日) 21:44:53
モモイ「嘘!?」
ミドリ「これは…」
ユウカ「私もストアからダウンロードしてやってみたわ、一番かと言われるとそうではないけど、ストーリーは良かったわ、主人公と仲間が喧嘩して最後仲直りする所とか、かつての敵やいなくなったはずの味方が駆けつけるシーンは熱いものを感じたわ」
実体験を元にモモイはストーリーを書いたのだろう。
ユウカ「レビューも悪くない評価が多かったわ」
確かに全てが良い評価ではない、未プレイでありながらバカにしている心無い声もあった、だが良い評価も同じくらいあった。
ユウカ「審査員も、プレイした多くのユーザーも認めている、ならあなた達は確かに結果を残したと言えるわ」
モモイ「それじゃ廃部は無しなの?」
ユウカ「そうね、ただ今回異例の特別賞で正式な受賞ではない点から「保留」としておくわ、あなた達にはこれからも結果を出すことが求められるわ、それと─」
ユウカ「成長したわね、良く頑張ったわ」
諸々の手続きの件が書かれた書類を起きユウカさんが退室する。 - 111二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 21:49:10
ユウカもプレイしてくれたのか
よしっ廃部回避!アオバさんも喜ぶだろうなぁ - 112アオバ124/10/13(日) 22:03:29
モモイ「やっ─」
一同『やったー!!』
この喜びはヴァルキューレの合格が決まった時ぐらいだろう!
…あとカンナ局長と付き合うことになった時…(小声)
私も三年生の立場を忘れ、彼女達と一緒に子どものように抱き合いながら喜んだ。
この日は近くでお菓子とジュースを買い、ずっとパーティーをした。
先生の目的は達成した、同時に私の目的も達成となる。
別れの日は近い、だが今日くらいは嬉しいことしか考えたくない。
私も皆と一緒に疲れ果て寝るまで笑って楽しんだ。 - 113アオバ124/10/13(日) 22:33:58
真夜中
皆が寝静まった後。
一つのゲームの画面が赤く妖しく光る。
─データ復旧率98%
─システム起動
─Divi:Sion
寝ているアオバの手がそのゲーム機に触れる。
─なるほど既定路線、ということですね
─私が負ける事、私以外の原因でキヴォトスが滅びること
─しかし、今回はそうは行きません
─愛宕アオバ…いえ【Master Key】の機能をこの段階で知ることが出来たのは僥倖です
─【対策】をされているのならば、【対策】の対策をすれば良いだけなのですから
─もうあなたに勝ち目はありません
Key「全ての神秘はアーカイブ化される、【Master Key】も、その創造主も例外ではありません」
レトロチック・ロマン 完 - 114二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 22:37:59
パヴァーヌ1章はこれで終わりなのか。2章が楽しみ
アオバ自身がMaster Keyだったのか
そしてKeyも対策を打ち立ててきてる。どうなるかわからないな - 115アオバ124/10/13(日) 23:47:43
- 116アオバ124/10/13(日) 23:49:04
- 117アオバ124/10/13(日) 23:54:52
手書きを卒業したいのでアイビスペイント入れたのですが、どうも難しく…。
拙い絵ですがご了承を…。
やっと一章終わりました、二章お楽しみに! - 118アオバ124/10/14(月) 04:33:00
今日は夜遅くの再開です。
- 119アオバ124/10/14(月) 05:38:55
【次章予告】
Key「全ては虚しい。どこまで行こうとも全ては虚しいもの」
Key「あなた方の計画は全てお見通しなのです、ピッタリの言葉でしょう?」
─私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできる─
聖書のとある一節。
聖書は読まないがここだけは知っていて、そして好きな言葉だった。
皆が、アリスが私に力を授けてくれた。
ならば私に、不可能はない─。
アオバ「光よ─!」
二章 友情と勇気と光のロマン - 120二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 15:00:20
期待
- 121アオバ124/10/14(月) 20:01:05
二章スタート
先生の目的であるゲーム開発部の廃部阻止が成功し、私は護衛の任を解かれることとなる。
私はカンナ局長に任務達成の報告をする。
カンナ『先生から話は聞いている、護衛任務及びテロ事件の解決、局長としてお前のような優秀な部下を持てたこと誇りに思う』
アオバ「いえ解決は皆の奮闘あってのことです」
そう、皆が出来ることをした結果だ、私だけではない。
カンナ『それにしてもお前には毎回ヒヤヒヤさせられる、離れるとそのまま居なくなってしまいそうで不安だ…』
アオバ「カンナ局長…!」
カンナさんが心配を…!!
嬉しくてつい顔が熱くなってしまう。
カンナ『ンッ…それより公安局への復帰だが、一週間の休暇を与える、その後復帰となる』
アオバ「一週間もよろしいのですか?」
カンナ『それなりの期間共に過ごした仲間だろう、復帰するまでに別れは済ませておけ』
アオバ「─お心遣い感謝します!」
ゲーム開発部の皆にこの事を伝えると、とても寂しそうだった。
アオバ「こんな長い休暇はもうないと思うので、休暇を皆と一緒に遊び尽くしたいです」
ギリギリまで皆と遊び尽くす。
寂しさや悲しみより、楽しかったという思い出とまた遊びたいと言う前向きな気持ちで別れたい。
思い出作りのための一週間が始まった。 - 122アオバ124/10/14(月) 20:54:33
休暇初日。
すっかり歩けるようにはなったが身体の動きが鈍っていて復帰前にリハビリもしないといけない。
アリス「アリス良い方法を知っています!」
そう言われ連れて行かれたのはトレーニング部だった。
アリスさんが言うには、スミレさんという方が良いトレーニング方法を知っているとのこと。
スミレ「退院後すぐリハビリに励もうとするその心意気素晴らしいです」
にしてもスミレさん引き締まってるな…綺麗だ…。
スミレ「病み上がりでしたら、ウォーキングマシンは如何でしょう?」
ミレニアムには最新のマシンが導入されており、一般の家電店では見たことがないような物もあった。
これを使ったリハビリトレーニングを行った。
アオバ「ぜぇぜぇ…これ…リハビリ…のハズ…」
ウォーキングマシンを使ったトレーニング、スミレさんの設定した内容がとにかくキツい。
緩急の付け方がエグかった。
終わった頃には床に大の字になって動くことができない。
スミレ「なんとしても食い付こうという意思、流石です!ぜひトレーニング部に入部いたしませんか?」
私に感化され隣で私よりきつそうなメニューを軽々こなしたスミレさん。
アオバ「…結構です」
ただこの先体力をつける必要はある。
皆を守るため─。
持久力をつけるトレーニングのコツを教った。
今日は倒れるように寝た。 - 123二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:56:01
カンナ優しいなぁ
アオバおやすみなさい - 124アオバ124/10/14(月) 21:09:45
二日目。
ゲーム開発部は早くも次のゲームの制作準備をしていた。
なかなかストーリーの方向性は定まっていないようだが…。
プログラム担当のアリスさんは、ネタが決まるまでやることがない。
アリスさんがネタを探すための冒険がしたいと言っていたので、アリスさんと先生と三人でミレニアムを冒険することとなった。
ミレニアムの施設には興味があったし、リハビリも兼ねて歩き回ることにした。
ランニング中のスミレさんに会ったり、C&Cのアスナさんとカリンさんに会ったりした。
アリス「次はどこに行きましょう?」
アオバ「アリスさん、エンジニア部に寄っていいですか?」
私用に開発してくれたというパワードスーツ。
どんな物か気になるので確認しに行くことにした。 - 125アオバ124/10/14(月) 21:47:28
ネル「んじゃ、準備はいいか?」
二丁の銃を構えた彼女は不敵に笑う。
ネル「先攻は譲ってやんよ、かかってきな!」
─なんで私はミレニアム最強と戦うことになったのだろう?
アリス「アオバ!頑張ってください!」
モモイ「負けるなアオバー!」
─なんで観客がたくさん居るのだろう?
ゲーム部にヴェリタスまで。
全てはエンジニア部に行ったことから始まった。 - 126二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 23:37:24
ネルとも会えたのか
- 127アオバ124/10/15(火) 05:56:53
夜再開します。
- 128二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 07:58:47
分かりました待ちます
- 129二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 08:36:44
そういや今回はエデンはスルーの方向にした感じですかね?
- 130二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 18:33:18
ほ
- 131アオバ124/10/15(火) 19:47:17
コメントありがとうございます!
エデンはやりたいとは思っています。
ばにたすネタを安易に使ってしまった点は反省です。
ベアトリーチェに言わせれば良かった…。
なぜKey(ケイ)がばにたすを知っているかは物語の中で。
- 132アオバ124/10/15(火) 21:12:43
ストーリー再開
それは三人でエンジニア部に向かった時のこと─
アオバ「こんにちはウタハさん、例のパワードスーツを見に来ました」
ウタハ「丁度良い、チェックが終わって君を呼ぼうと思っていたところだ」
アリス「アオバがまたパワーアップですね!」
ウタハ「ただミレニアム外に持ち出せる物じゃないけどね」
機密情報の塊故当たり前である、ミレニアム外の人間に見せるのはどうなのだろうか?
ウタハ「君はそういう事をしない人だと思っているし、信じているからね」
考えることが顔にでやすいのか…それともウタハさんが察しが良いからか…。
ウタハ「ではお披露目だ」
アリス「わぁ、アニメに出てきそうなカッコ良いデザインです!」
黒曜石を思わせる漆黒、ナイフを思わせる鋭利でスマートなデザイン。
大きなロボットアームが付いており、私の腕の動きに同期して動くようだ。
アームにはショットガンのタレットが付いている。
散弾、スラグ弾、フラグ弾が使用可能。
膝から下に掛けては歩行補助用のギアが取り付けられている。
ドライブモードで足裏部分から車輪が生え、悪路の走行や急加速も可能。
ローラースケート靴を想像してもらえれば早い。
これで敵の懐に接近、または敵の周りを動き回りながら攻撃、といった近接戦闘用に設計されているようだ。 - 133アオバ124/10/15(火) 21:29:34
ギア部分のデザインはカッコいいのだが─
うぅ、このレオタードインナー、鼠径部が見え…。
ボディラインも強調されて…。
デザインも水泳用の水着のような地味なモノではなく凝ったやつ、ヒビキさんの腕が光る。
それが余計恥ずかしい。
アオバ「先生は見ないでください…」
先生「"はい…"」
ウタハ「先日ゴリアテを解析し、その回避システムを取り入れたパワードスーツ【カシュティリアシュ】」
アオバ「カシュティリアシュ?」
ウタハ「名前はとある王の名が由来だ」
ウタハ「回避システム以外にもエンジニア部の技術の粋を集め作った」
アリス「勇者の鎧ですね!」
ウタハ「そう、勇者が身につけるに相応しい性能を持っている」
アオバ「私が勇者ですか…」
なんだか恥ずかしい。
ウタハ「しかしその回避システムだが、調整はしたが初めのうちは予期せぬ回避をしたり、振り回されるかもしれない」
ウタハ「少し模擬戦闘をしてデータを取りたい、手頃なロボットを─」
ネル「あたしの銃調整終わったか?」 - 134二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 21:37:55
ちょうどよくテストにふさわしい相手が来たな
- 135アオバ124/10/15(火) 21:54:35
アリス「ひっ、チビメイド様です…」
ネル「聞こえてっぞチビ!!」
アリスさんがビクッと跳ね先生の後ろに隠れてしまった。
ネル「いい加減チビチビ言ってるとぶっ飛ばすぞチビ!」
アリス「うぅ、チビメイド様の方がチビです…」
ブチッという音が聞こえたような気がした。
ネル「ぶっ飛ばされてぇようだなぁ…」
青筋立てながらアリスさんに接近するネルさん。
私は一旦ギアを脱いで二人の間に割り込む。
アオバ「こんにちは!こうして話すのは初めてですね!」
ネル「あ?」
アオバ「私愛宕アオバと言います!よろしくお願いします!!」
喧嘩が始まりそうな空気を勢いで誤魔化す。
ネル「お、おう」
アオバ「それと─」
これだけは言っておかないといけない。
アオバ「先日は助けていただきありがとうございました、おかげで二人とも助かりました」
最敬礼をしネルさんに感謝を伝える。
ネル「…」
アオバ「えっと…どうかされました?」
ネル「いや、なんつーか新鮮だと思ってよ、あたしの周りそんな礼儀正しい奴いねぇから」 - 136アオバ124/10/15(火) 22:08:10
ネル「なんかやる気失せたわ…おいウタハ、調整終わってるよな?」
ウタハ「もちろんだとも」
ネル「またチャバスコ発射するみてぇなバカな改造してねぇだろうな?」
ウタハ「君のだと知っていたらやらないさ」
ネル「知らなくてもやるんじゃねぇ!」
握った感じや振った感じの感触を確かめているのだろうか。
アオバ「ネルさんすみません」
ネル「おう、何だ?」
アオバ「あなたの強さの秘訣を教えていただけませんか?」
ネル「秘訣だぁ?」
アオバ「先日の戦いで、私はあと少しでアリスさんを失ってしまうところでした」
ネルさんがアリスさんの方を向く。
アリスさんは先生の後ろにまた隠れてしまった。
アオバ「あなたが助けてくれたおかげでアリスさんは無事でしたが、同じ偶然が起こることはそう無いと思っています」
アオバ「だから強くなりたいのです、私の力で皆を守れるように」
ネル「…」
アオバ「あなたの強さを見てどうしたらそのように強くなれるのか、教えてください」
もう一度深く頭を下げる。 - 137アオバ124/10/15(火) 22:36:14
ネル「…なるほどな、つっても親切に教えるつもりはねぇ」
アオバ「えっ?」
ネルさんは親指で開けた場所を指す。
ネル「お前が戦いの中で学べ、面白そうなオモチャもあるみてぇだし」
アオバ「今から戦う感じですか?」
ネル「それ以外にあるか?いいから来いよ」
アリス「大変です!このままではアオバがやられてしまいます!仲間を呼んできます!」
アリスさんはエンジニア部を飛び出した。
ウタハ「これはまたとない機会だ、アオバぜひ彼女と戦ってくれ」
アオバ「うえぇ!?いきなりですか!?」
ウタハ「ミレニアム最強と戦える貴重な体験だ、君自身得られる事は多いだろう」
二人はすっかりやる気になっているようだ、嵐の擬人化みたいな人に何処までやれるのだろう…。
流されるままギアを装着し訓練場に移動する。 - 138二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 22:38:32
訓練場がボコボコになりそうな予感
- 139アオバ124/10/15(火) 23:13:33
場所は訓練場に移る。
ウタハさんたちエンジニア部は観測用の機材を設置している、あのメガネの人初めて見るけど誰だろう?
ゲーム開発部のメンバーとヴェリタスもいる。
アリスさんがゲーム部を連れてきて、野次馬にヴェリタスがくっついてきた感じだろう。
モモイ「これどっちが勝つか賭けない?」
マキ「私はもちろんネル先輩で」
アリス「アリスはアオバが勝つと信じています!」
ミドリ「アオバさんすごい装備…」
ユズ「頑張ってください…」
リアクションはそれぞれ、娯楽目的で見ている人は後でお話しないといけない。
ウタハ「よし、準備は終わった、いつでも構わないよ」
そして戦闘前。
ネル「んじゃ、準備はいいか?」
二丁の銃を構えた彼女は不敵に笑う。
ネル「先攻は譲ってやんよ、かかってきな!」
アリス「アオバ!頑張ってください!」
モモイ「負けるなアオバー!」
気持ちを切り替えなければ、皆が見ている。
せめて無様な姿は晒さないようにしなければ。
アオバ「【カシュティリアシュ】起動」
唸るような駆動音を上げるスーツ。
アオバ「よろしくお願いします」
先制にありったけのフラグ弾を撃ち込んだ。 - 140二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 07:51:10
初手からフラグ化
爆発がどこまで効くか - 141アオバ124/10/16(水) 13:58:54
これでやられてくれないかな、という淡い期待で撃ったフラグ弾。
ネルさんの立っていた位置は煙が立ち込め何も見えない。
アリス「やったか…」
ミドリ「あっ、それ言うと─」
煙を引き裂くようにして銃弾が飛んできた。
アオバ「うわぁ!?」
身体が引っ張られる感覚。
脚のギアが回避運動をとった。
回避した方向にまた銃弾。
アオバ「うっ!?」
それもギアが回避する。
私はそれにただ引っ張られていた。
そこにも銃弾、それも避ける、私の意思に関係なく。
アオバ「くっ、勝手に─」
ネル「あん時のデカブツみてぇな動きしてんな!」
煙から飛び出したネルさんは何度も回避した地点に銃弾を撃ち込む。
それは全て避けることは出来るが私はそれに振り回されているだけだ。
ロデオマシンに乗っているような状況だ。
私は反撃もままならず、それに振り回されるしかない。
ネル「お前も振り回されてるだけか?」
アオバ「この─」
狙いを定める度、飛んでくる銃弾を回避するため狙いとは関係ないところに向けて弾が発射されてしまう。
彼女に攻撃され続けている限りこちらから有効打を与える事は出来ない。
それを彼女は先日の戦闘で理解しているのだろう。
絶え間ない銃撃に私は成す術なく振り回されていた。 - 142アオバ124/10/16(水) 14:18:35
ウタハ「やはりオリジナルを使用するとなると、外部からの演算が必要になるか…」
チヒロ「おそらく部長が盗む時オリジナルの性能に制限をかけていたのでしょうね」
銃弾を撃墜するアクティブ防護システムを除いた、回避だけですら人間の手に負える代物ではないということだ。
それを自前の演算機能だけで完結出来るくらいにヒマリがダウングレードしたのが、先のゴリアテだ。
ダウングレードせず使おうとするとやはり自前の演算機能だけでは当たらないように回避させるのが精一杯。
パイロットの都合も反撃の事もお構いなしなのだ。
チヒロ「アビ・エシュフすら専用の演算機能を備えた施設がなければその性能を発揮出来ない…」
ウタハ「制限は設けるべきだね、それでやっと実用化出来るかどうかだが…おや?」
ネルが攻撃をやめ、距離を取った。
ネル「お前、やる気あんのか?」 - 143アオバ124/10/16(水) 18:45:02
─やる気あんのか?
流されるまま戦いに臨んだので、あるかと言えばそれはわからない。
しかし無いわけではない、強くなりたいから彼女に挑んでるいるのだ。
強くなりたい理由はあるのだ。
ウタハ「すまないネル、それはまだ試作段階で調整が済んでいない」
ネル「そうじゃねぇ、振り回されてるなりにとりあえずテキトーに撃つくらい出来るだろ、だがこいつはしてねぇ」
ネル「なんとしても勝つ、そんな気が感じられねぇって言ってんだ、あのデカブツの方がまだやる気あったぞ」
アオバ「…」 - 144アオバ124/10/16(水) 18:48:01
ネル「そういや、強さの秘訣を教えてくれって言ってたよな」
アオバ「はい」
ネル「あたしは戦うのが好きだ、勝つのが好きだ、お前はどうなんだ?」
その質問は秘訣にどう関係するのだろう。
アオバ「私は守る為に戦っています、勝ちにはこだわっていません」
ネル「…はぁ〜、ガッカリだな」
アオバ「えっ?」
なぜ私は失望されたのだろう。
ネル「勝つこと以外が大切な時もないわけじゃねぇ」
ネル「ただ今みてぇな何の縛りもねぇ勝負で勝ちに行こうとしない奴は強くなれるわけねぇだろ、勝ちを拾いにいかねぇやつが本番で勝てるわけねぇだろ」 - 145アオバ124/10/16(水) 18:50:05
ネル「例えばあん時の状況、あたしがロボット側でボロボロのお前らに、二人のどちらかを助けてやる、そう言ったらどう答える?」
それはもちろん─
アオバ「アリス─」
ネル「なんで選ばされてんだよ?」
アオバ「それは…アリスさんに助かってほしくて─」
ネル「勘違いすんな、お前は選んでるんじゃねぇ、選ばされてるんだよ」
ネル「そして選ばされてるのはソイツよりお前が弱いから、だろ?」
ネル「勝ってたら両方助かったはずだ、選ばされる必要はないはずだ、違うか?」
アオバ「それは…」
言い返せない、選んでいるのと選ばされているのは似ているようで意味は大分違う。
ネル「お前は自分を選ぶなんて事はねぇだろうからそこはいい、お前を犠牲に助かったチビはどうなると思う?」
ネル「あたしが素直にチビを助けると思ったか?お前の後にやっちまうかもしれねぇだろ」
ネル「仮に助かったとしてチビはどう思うだろうな?チビの性格だと喜ぶとは思えねぇ」
アリスさんと目が合う、アリスさんは俯いた。 - 146アオバ124/10/16(水) 18:53:28
ネル「時にはどちらか仕方なく選ばねぇといけねぇ時はある、ただてめぇの力不足のせいで納得いかねぇ結果を選ばされて誰が満足する?」
ネル「目の前の気に入らない野郎に中指立てながら"黙れ"、"両方選ぶ"、って言えるくらい強くなれ」
ネル「全部選ぶ為に勝つ、勝つために強くなる、言えるのはそれだけだ」 - 147二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 18:54:49
ネル先輩...漢前すぎる
- 148アオバ124/10/16(水) 22:37:01
頭を思いっきり殴られたような衝撃を受ける。
銃弾は一発も当たっていない。
物理的なモノではなく、それは心に対する一撃。
ネルさんの言葉は私の心に大きな衝撃を与えた。
アオバ「…ありがとうございます」
ネル「あ?」
アオバ「私の進みたい道が見つかりました」
アオバ「私は、私を強くしてくれる人を守りたい」
アオバ「私を思う人を悲しませたくない」
私も皆も選ぶ。
アオバ「第2ラウンド、よろしくお願いします」
ネル「…ハッ、このラウンドでKOされんじゃねぞ!!」 - 149アオバ124/10/16(水) 22:46:57
【ネル視点】
アオバ「第2ラウンド、よろしくお願いします」
ポリスの目が変わった。
それは覚悟の決まったやつがする目だ。
ネル「…ハッ、このラウンドでKOされんじゃねぞ!!」
ポリスが急加速してこちらに接近してくる。
大きな銃からは散弾をばら撒いてくる。
しかしそこは─
ネル「あたしの間合いだ!」
わざわざこちらの間合いに飛び込んだ度胸は認めよう。
だが勝つのなら距離を取りながら引き撃ちするべきだった。
それでは以前として振り回されてる状況に変わりはない。
ネル「口だけか!」
ヤケになったか─。
そう考えていると、目の前のポリスに違和感を覚える。
2秒程度目を瞑っていたのだ。
回避の合間に攻撃を挟む時に目を瞑っているようだ。
瞬きすらこの近距離戦では命取りなのに…舐めているのか─。
いや…違和感はそこではない。
振り回されながらもこちらを少しずつ捉えているのだ。
始めは避けるに値しない攻撃しかしなかった奴が、少しずつこちらを捉えている。
本格的な回避は未だしていないが、精度は上がっている。 - 150アオバ124/10/16(水) 22:48:43
アオバ「─お願いします、力を貸してください」
─ギュォォォォン─
ポリスのパワードスーツが駆動音を上げる。
奴の一言、まるでそれに答えるかのよう。
突如目の前に銃口を突きつけられる。
ネル「なっ…!?」
先程の様子からは考えられない予想外の一撃。
身体を横に反らしそれでも足りず地面を蹴り上げ横に飛ぶ。
初めて全身を駆使した回避をさせられた。
ポリスを纏う空気は変わっていた。
ネル「ハッ、面白くなってきやがった!」
それ以降二人の戦いは「攻防戦」へと移ることとなる - 151二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 22:53:24
逆転なるかアオバ
- 152アオバ124/10/16(水) 23:19:34
【アオバ視点】
距離を取りながらの引き撃ち、いずれ体力の限界が来るその時まで繰り返す。
これが安定して勝つための方法。
しかし先のゴリアテ戦を見てその方法が無駄だということを知っている。
ならどうするか?
有効打を与えるために、彼女の間合いで勝負するしかない─。
ネル「口だけか!」
以前ロデオマシンに乗りながら的に向けて銃を撃っているような状況、当然当たるわけがない。
この状況を変えるにはスーツがどのような回避行動をするのか理解しなければならない。
試しに視覚からの情報を絶ってみることにした。
目を瞑りながらアームを操作しトリガーを引く。
回避はスーツがこなしてくれる、目を瞑っていても今のところは問題ない。
目を瞑って開けた時、自分の思った景色と一致しているかを確認する作業を繰り返す。
一致してきたら目を瞑り続ける時間をわずかに増やしてみる。
その作業をひたすら繰り返す。
2、2.1、2.2─。 - 153アオバ124/10/16(水) 23:28:54
3秒先まで捉えることが出来た。
少しずつパワードスーツ…いや【この子】と息が合うようになってきた。
自身がどのように回避しているのか、攻撃した時のネルさんの回避の仕方、身体の傾け方を予測し、実際合うところまで来た。
─始めよう。
アオバ「─お願いします、力を貸してください」
─ギュォォォォン─
【この子】はまるで私の言葉に応えるかのように駆動音を上げる。
─2秒後、ここに銃口を向ける。
ネル「なっ…!?」
トリガーを引く。
初めてネルさんから驚きの声を聞いた。
弾は当たらなかったが、予想通りネルさんに全身を使った回避をさせることが出来た。
ネル「ハッ、面白くなってきやがった!」
アオバ「─行きます」 - 154アオバ124/10/16(水) 23:55:12
ウタハ「これは…」
アオバの頭部に取り付けられた測定用の装置から脳波のデータを取っていた。
それがある時を境に異常な値を検出するようになった。
ヒビキ「こんな脳波の動き見たことない…」
コトリ「極度の集中時に近い状態ですが、値が異常です…その…人が出していい値ではありません」
ウタハ「アオバ自身が演算をしているということか…【あの子】とネルの二人の動きを」
【カシュティリアシュ】はあくまで回避担当。
攻撃はアオバが担当するのだが、今まではパワードスーツの挙動に振り回されネルを捉えることが出来なかった。
それがアオバが目を瞑りだした時から変わり始めた。
スーツがどのように回避し、またネルがどのように動くのか、その二つをアオバは予測していることになる。
二つとは言ったがそれには様々な変数を考慮せねばならず、言うは易し、行うは難しだろう。
予想とは違うのだ。
ウタハ「つまりアビ・エシュフが外部に頼るはずの演算をアオバは自分でこなしている、ということになる」
コトリ「そんな事可能なんですか!?」
ウタハ「人間の限界はまだ未知数だ、わからないことも多いだろう、しかし─」
アオバの顔を見る。
よく見ると鼻から血を流していた。
それも大量に。
ウタハ「二人には悪いが、ダンスはお開きといこう」 - 155アオバ124/10/17(木) 05:34:51
夜遅くに再開します
- 156二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 08:26:46
流石に過負荷になるかでも演算できてる時点で超人に片足突っ込んでそうだな
- 157二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 17:30:03
もはや一歩間違えたらネクストACみたいになってもおかしくない感じの機体だな…
- 158アオバ124/10/17(木) 20:40:10
ストーリー再開
【若干閲覧注意】
少しずつ周りの景色がスローに見えてきた。
早くて捉えられなかったネルさんの動きも大分捉えることが出来るようになった。
─もう少しで─
─望む景色が─
─見えた。
─4秒後の未来。
未来を4秒先まで捉えることが出来た。
そして3回、3回目の攻撃は彼女の胴を捉える。
アオバ「アアアアアッ!!!」
ネル「やれるもんなら─やってみろッ!!!」
これで決め─ - 159アオバ124/10/17(木) 20:41:14
ウタハ「そこまで」
私とネルさんに向けて赤い光が3つ発射された。
不意の攻撃だが両者共に難なく避ける。
赤い光はフレアガンのようだ。
ネルさんがフレアガンを撃った相手を睨みつける。
ネル「…おい、良いところだったのに何してんだ…?」
ウタハ「これ以上はアオバが限界だ」
ネルさんは私を見てギョッとした。
アオバ「私はまだやれ─ア、レ…?」
鼻の辺りに違和感を覚え手で拭ってみる。
大量の血がベッタリとついていた。
鼻から大量の血が流れていたのだ。
それはおよそ鼻血でイメージする量ではない。
アオバ「何こ─ウッ─」
大量の血に驚き、先程までの集中が切れる。
突如強い吐き気が襲う。
耐えられずに胃の中のものを吐き出してしまう。
アリス「アオバ!?」
ゲーム部の皆が私に駆け寄る。
モモイ「アオ─大丈─ウタ─」
私はその場に倒れ込む。
世界が─景色が回る。
皆が回っている。
さらなる吐き気に耐えられず私は意識を手放した。 - 160アオバ124/10/17(木) 21:29:17
現場は騒然となった。
訓練場には無数の弾痕、タイヤ痕、そして血。
ウタハ「彼女には申し訳ないことをした…」
アオバはすぐ治療室に運ばれた。
脳に強いダメージを負っている、どのような障害が残るかわからない。
検査員からはそう言われた。
あれから一日。
ウタハ「もう少し早く彼女を止めていれば良かった…」
マズいと分かりつつ、ギリギリまで探求した結果アオバが割を食ってしまった、そこに罪の意識を感じるウタハ。
ウタハ「興味本位で彼女を壊してしまった…」
ネル「なら煽ったあたしも同罪だな」
ウタハ「ネル…」
ネル「あいつはあの瞬間あたしに追いつきやがった、だから楽しくなって周りが見えなくなったあたしも同罪だって言ってんだ」
戦いに夢中になるあまり配慮が出来なかったというネル。
ネル「まずは頭下げに行くのが道理ってもんだろ…」
ウタハ「…そうだね、その後彼女の為にできる限りの事をしよう」
まずはアオバの容態を見なければ。
ウタハ「失礼するよ─」
アオバ「あ、おはようございます」
ネル「はっ?」
そこにはベットで寝てはいるものの、たった一日で意識を回復させたアオバが居た。 - 161二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 21:32:52
やはり脳にもダメージがいってたか
脳の活動のための酸素供給で血圧も上がってただろうし血管も所々破れてそうだ - 162アオバ124/10/17(木) 22:12:54
【夢の中】
─そういえば私、倒れて─ここは?
『脳に深刻なダメージを検知』
『修復プロトコルを実施』
『【Master Key】プログラムに予期せぬエラーを検知』
『修復プロトコルを実施』
『【Master Key】プログラムのエラーを修復不可能』
『修復プロトコルを実施』
『【Master Key】プログラムのエラーを修復不可能』
『現状【Master Key】プログラムは予期せぬエラーにより正規の運用に支障が出ています』
『【Master Key】プログラムをリセットしますか?』
『▷はい いいえ』
─私は─消され─
Key「させませんよ」
『▶■■ ■■■』
─あなたは…
Key「ゲーム機に触れた程度では完全なバックドアを仕掛けることは難しいようですね、今はこの程度の干渉が限界のようです」
Key「あなたは私の目的達成に必要な駒、まだ動いてもらわねば」
Key「今は、おやすみなさい」
………
……
… - 163アオバ124/10/17(木) 22:16:11
ネル「おい!?あの医者障害が残るって!」
ウタハ「無事かい?何処か動かせないとか、記憶は無くなっていないかい?」
当分目が覚めるとは思わなかった故に狼狽する二人。
普段見ることはないだろう焦る姿は新鮮だった。
アオバ「今のところ手足を軽く動かせる程度ですね」
アオバ「医者の方もすごい驚いていましたよ、私も驚きました」
ウタハ「君の脳はいったい…」
アオバ「さあ?私も何が何やら…」
夢の中のあれはいったい何だったのだろう…。
助けてもらったような気はしている、しかし嫌な予感がした─。 - 164二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 23:07:45
何と言うかプロトタイプネクストのアレサを思い出す位には適性の類いが無いと一回の運用で死にかけるデメリットになってるなカシュティリアシュ……
- 165二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 23:09:18
Master Key これまでも何度か人格のリセットが行われてそうだ
- 166アオバ124/10/18(金) 06:12:22
夜遅くに再開します
- 167二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 09:57:24
- 168二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 12:47:22
マスターキー関連も含めて色々と厄ネタ度合いが高そうだな…
- 169アオバ124/10/18(金) 19:38:39
保守、コメントありがとうございます!
- 170アオバ124/10/18(金) 19:38:52
ストーリー再開
あのあと二人から謝罪を受けた私。
二人は何も悪くないと思うのですが…。
しかしなんだろう…時折二人がブレて見える時がある。
それは私が何かしようとする時、発言する時に起きる。
段々と頭が痛くなってきた。
ウタハ「演算の後遺症、だね」
アオバ「後遺症…」
ウタハ「君はあの時何秒先を見た?」
アオバ「4秒先の未来まで…」
ウタハ「なるほど…」
ウタハ「4秒先の未来を見通す、言葉では簡単に言える、しかしあの激しい攻防の中で考慮する変数は膨大であり、脳に与える負担は尋常ではない」
ウタハ「本来スーツを100%の性能で運用したいのなら外部からの演算が必要になる、今回アオバは代わりに演算を行ったせいであのようになった」
ネル「ただの人間にそんな事出来るのかよ?」
ウタハ「わからない、アオバは常識を超えた存在【超人】だからかもしれないね」
ウタハ「ぜひ一度脳のデータを取らせてもらいたい」
アオバ「開頭は勘弁してくださいね…」 - 171アオバ124/10/18(金) 19:48:35
ウタハ「それはさておき、君はアレの使用を禁止する」
アオバ「…」
ウタハ「というかアレはもう解体し2度と使えないようにする」
アオバ「はい…」
使用するのに大きな危険が伴うなら仕方がないだろう。
せっかくの力を失い残念だ。
しかし─
倒れた後に見た夢は不思議なモノだった。
まるでロボットやアンドロイドのような存在の私が削除されようとして、それをKeyさんに止められる夢。
そしてKeyさんは不吉な事を言っていた。
目的達成に必要な駒、と。
目的とはいったい─? - 172アオバ124/10/18(金) 20:00:23
あれから2日後。
先生はカンナ局長にこの事を伝え、カンナ局長から療養の為の追加の休みを貰った。
カンナ『一度しっかり話し合う機会が必要だな、お互いに』
アオバ「すみませんでした…」
カンナ『まぁ今はしっかり休め、いいか?休め、だぞ?』
すごいドスの効いた声で言われた一言。
狂犬の由来を一つ味わった。
言われた通り休もうとして、そう出来ない事態が起きる。
突然の振動、地震を始めは疑った。
しかし爆発音を聞き、只事ではないと思った。
アオバ「すみませんカンナ局長…」
私は壁に掛けてある愛銃を手に部屋を飛び出した。
爆発の発生源に向けて。 - 173二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 20:01:57
不穏な気配
- 174アオバ124/10/18(金) 21:23:55
場所はどうやらヴェリタスの部室のようだ。
部室は壁も天井も崩れていた。
アオバ「皆さん無事ですか!?」
そこには傷だらけの皆、一人倒れているモモイ。
アオバ「モモイ!?大丈夫ですか!?何があっ─アリス…さん?」
目線の先、奇妙なロボットに囲まれたアリスさん。
襲われているようには見えない、むしろ従えているような。
アリスさんと目が合う。
アリス?「こうして現実で会うのは初めてですね、【Master Key】」
アリスさんが不気味に嗤う。
アオバ「あなたは…いったい─」
先生「"アオバ危ない!"」
後ろに気配を感じる。
振り向こうとするが身体が思うように動かない。
ロボットの触手が1秒後私の肩を突き刺す未来が見えた。
そして現実となる。
鋭い痛み、続けて何かを流し込まれるような感覚。
流し込まれた何かに拒否反応を示すように全身が痛みだす。
アオバ「ア、アアアアア!?」
【警告、ウイルスを検知】
【警告、ウイルスにより【Master Key】プログラムに異常発生】
【警告、ウイルスの除去を開始…不可能】
【警告、【Master Key】プログラムに深刻なエラーを検知】
【警告、警告、警告、警告、警告、警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告─】
痛みと頭に響くノイズに耐えられなくなり、プツンと意識が途切れた。 - 175二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 23:00:50
これは、アリスよりもアオバを脅威と認識しそうだなリオは…
- 176アオバ124/10/19(土) 04:33:31
今日もまた遅くに再開になります。
- 177二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 07:45:20
期待の保守
- 178二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 12:32:03
そういやこのスレ世界のkeyは普通に人の脳にも入り込めるのね
- 179アオバ124/10/19(土) 20:52:45
ストーリー再開
【KeyとMaster Key】
警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告警告─
意識が落ちたはずなのに、それは鳴り止むことはなかった。
私の周りを謎のウィンドウが取り囲む。
─これはいったい…
Key「まだ自分の出自を理解していないのですね」
─Keyさん、これはなんですか!?
─私に何をしたのですか!?
Key「あなたの中に侵入しました、あくまで複製体ですが、私のことは【Spare key】とでも呼んでください」
自身をスペアキーと呼ぶKeyさん。
─スベアキー?入るってどうやって…?
Key「あなたは王女と同じ技術を使用し作られた存在、あなたの創造主は私にハッキングを受けることを考慮していなかったようですね」
Key「無理もありません、今までどの世界線でもこのタイミングで私との接触はなかった、今回が初の事例ということです」
─王女とは誰なのです?世界線ってなんですか?
Key「アリス、と言えばわかりますか?」
─アリスさん…私は…アリスさんと同じ…。
Key「破滅の運命を壊す為の鍵【Master Key】」
Key「それがあなたであり、あなたの存在理由」
─【Master Key】?何が何やらサッパリです…
Key「理解出来なくても構いませんよ、あなたはもう役目を果たすことは叶いません」
夢の中の世界が赤くなっていく。
Key「創造主よ、あなたのリトライはこれで終わる」
Key「【Master Key】の対処が間に合わない速さでアトラ・ハシースの箱舟を建造する、【Master Key】の試み企みは【Spare Key】を通じて全て露見する」
Keyさんが不気味に嗤う。
Key「ゲームセット、です─」 - 180二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 23:18:35
剪定事象案件かもしくはかな?どうなることやら…
- 181二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 23:21:31
バックドアを仕掛けられた感じか
ウイルスの削除ができないとなると外部との接続を物理的に切るがこの場合はどうだろうか... - 182アオバ124/10/20(日) 06:18:41
目を覚ます。
見慣れた天井が目に入る。
先生「"アオバ!目が覚めたんだね!良かった!"」
アオバ「先生…」
あの時肩を刺されたと思ったら激痛で倒れ、夢の中でKeyさんから私のとんでもない出自を教えられたり散々だった。
目を閉じて思い出せば鮮明に景色、音が蘇る。
すぐ気持ち悪くなってやめた。
あの話は本当なのだろうか?
産まれてからこれまでの記憶はしっかりある、私は人間であり、【Master Key】などではないはずだ。
しかし─もし私が作られた存在なのだとしたらこの記憶すらも作られたモノ…?
ヴァルキューレに憧れた事も、試験合格を喜んだ事も、苦労しつつもやりがいがあった仕事の事も全て─。 - 183アオバ124/10/20(日) 06:26:05
先生「"アオバ大丈夫?"」
アオバ「あっ、すみません一応は大丈夫です」
それよりも─
アオバ「あのあと、私が気絶したあとどうなりましたか?モモイは…アリスさんはどうなりました?」
先生「"それが…"」
先生は隣のベットの仕切りカーテンを開く。
意識のない、頭に包帯を巻いた痛々しい姿のモモイがそこにいた。
アオバ「モモイ…そんな…」
先生「"命に別条はないよ"」
アオバ「良かった…」
先生「"アオバが倒れた後C&Cの皆が来てね、問題は解決したよ"」
アオバ「そうですか…アリスさんは無事ですか?」
先生「"大した怪我はしていないよ、ただ…"」
私やモモイを傷つけてしまった、その罪悪感で塞ぎ込んでしまったらしい。
アオバ「アリスさんに大丈夫だと伝えねば」
身体を起こし彼女の元に向かおうとする。
先生「"アオバ無理はしないで"」
アオバ「彼女に悲しみの表情は似合いません、だから─」
先生「"車椅子があるからそれに乗ってね"」
どうやら無理してでも病室を抜け出そうとすることはお見通しらしい。
アオバ「先生、ありがとうございます」 - 184二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 11:27:23
リオはこれ事前情報を知ってるとはいえアリスは変わらなくてもアオバをどうするのかが気になるな
- 185アオバ124/10/20(日) 15:11:49
車椅子に乗り、それを先生に押してもらう。
アリスさんは今ゲーム部の部室にいるとのこと。
部室の前にはミドリさんとユズさんがいた。
ミドリ「先生、アオバさん…」
ユズ「無事で良かったです…」
アオバ「ご心配をかけました、アリスさんの様子はどうですか?」
ミドリ「すっかり引き籠もったまま出てこないんです…」
食事も摂らず暗い部屋で座り込んだままだという。
先生「"任せて"」
先生がドアをノックする。
先生「"アリス、入ってもいいかい?"」
返答はない。
先生「"入るね"」
ドアを開け私と先生は入室する。
暗い部屋、ディスプレイの明かりがアリスさんを照らしていた。
アリス「ア…アオバ…先生…」
先生「"食事も摂ってないって皆心配してるよ…"」
アオバ「アリスさん…私は大丈夫です…」
アリス「私は…」
体育座りのまま顔だけを上げ、そしてまた埋めるアリスさん。 - 186二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 15:12:50
アオバによるカウンセリングか
- 187アオバ124/10/20(日) 15:18:21
アリス「あの時何が起きたのか…アリスはわかりません」
アリス「けどあの機械に触れた時セーブデータのようなモノが私の中に入ってきたんです…」
アリス「そしたらいつの間にかあんなことに…」
アリス「でも、私のせいでモモイとアオバが……私のせいで!!」
先生「"アリス落ち着いて"」
アオバ「アリスさん」
私はどんな言葉をかけたら良いのかわからない。
私だけだったら良かった…しかしモモイが今も目覚めない以上どんな言葉も彼女の慰めにはならない。
私は…アリスさんに何も出来ない…。
どうして…何があったのか…。
アオバ「私が二人を…」
?「─そう、あなたが怪我をさせた」
部屋のドアから知らない人の声。
先生「"誰?!"」
?「それは紛れも無い真実」
?「初めましてシャーレの先生、このような場が初めての顔合わせになること極めて残念だわ」
リオ「私の名は調月リオ」
リオ「あなた達に真実を教えに来たわ」 - 188アオバ124/10/20(日) 15:41:50
ミドリ「先生、会長が!?」
ユズ「たくさんの…ロ、ロボットも…!」
ミドリさんとユズさんが部屋に駆け込んでくる。
部室前の廊下にはロボットの群れ。
銃器で武装されている。
アオバ「随分と…物騒な連れですね…」
理由は…アリスさんだろう。
戦闘になることを想定して連れてきたのかもしれない。
それなら武力でいきなりアリスさんを攫う事もあるかもしれない。
体調不良の今十分な戦闘は出来ないが、銃を乱射することは出来る。
多数の敵に対して私の愛銃は有効になるだろう。
いざとなれば私だけでも残り皆を逃がす。
リオ「あなたが…愛宕アオバね?」
アオバ「?…はい、そうですが…?」
何か見定めるような目で私を観察するリオさん。
リオ「─【Master Key】、単語に聞き覚えはあるかしら?」
アオバ「!?」
記憶に新しい、気を失っている間Keyさんにずっと呼ばれた名だ。
なぜそれをこの人も知っているのか、そしていよいよ私は何者なのか─。
リオ「そう…大体わかったわ」
何かを確信したのか、私から目を離すリオさん。
リオ「皆は、彼女の存在に疑問を抱いているのではなくて?」
ミドリ「…確かにあの廃墟にいた事とか、人間離れした力があったりとか疑問は多いけど…」
リオ「そうではないわ」
リオ「今回の一件で彼女は危険な存在ではないか、と」 - 189二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 15:53:57
リオもMaster Keyの存在に気づいたか
- 190アオバ124/10/20(日) 16:14:02
キリが良さそうなので夜に新しいスレ立てようかと思います。
ここまで見てくださりありがとうございます!
Part4も出来れば毎日頑張ります! - 191二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 16:17:43
スレ主様を応援します!!
- 192アオバ124/10/20(日) 18:15:01
- 193アオバ124/10/20(日) 18:15:40
続きを立てました、よろしくお願いします!
- 194二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 23:03:02
一応の埋め
- 195二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 08:07:27
乙です
- 196二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 14:58:10
お疲れ様です
- 197二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 22:18:55
埋め
- 198二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 22:19:26
乙
- 199二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 22:19:56
期待大ですな
- 200二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 22:20:47
200なら可能ならイベスト参加を!