- 1二次元好きの匿名さん22/02/24(木) 20:53:13
- 2◆1etE4I37IGul22/02/24(木) 20:54:16
- 3◆1etE4I37IGul22/02/24(木) 21:01:40
ここは不思議な迷宮、ダンジョンマンション
少年、「城戸 翔」はこの迷宮の中で目を覚ました。記憶は何も無く、思い出すことは叶わない。
少年に呼びかけたのはマリと名乗る女性だった。彼女は手を差し伸べる。このダンジョンの中を一緒に冒険しよう、と
それに了承した少年は記憶を思い出せぬまま、女性の後についてゆく。
かくして着いたのは居住区、あれよあれよと言うままに同棲することにされてしまったのだった。 - 4◆1etE4I37IGul22/02/24(木) 21:12:14
プツッ、ザザ…
翔「え?」
突然部屋のテレビが点く。
『あー、テステスー、テスー、本日は晴天、え?もう本番?あ、コホン』
テレビの画面には長い髪を縛ってポニーテールにした女性が映っていた。…何故かなんとなくポンコツ感漂っているな
マリ「ああ、丁度いいか。見ておこう」
『やあ諸君。快適にダンジョンライフを満喫しているだろうか。私は自治会会長「神継(かみつぎ)・イザナ」だ。いつも通りの内容となるので既に見た人は消してもらって構わない。初見の人は少しだけ付き合ってもらえると嬉しい』
『自治会とはいっても会費を徴収したりなんてはしていない。我々は支配階級でも何でもなく、ただの善意のボランティアだ。お節介が趣味の集団とも言うね』
『ダンジョンでの困りごと。居住区での困りごとは何でも相談質問してくれ。居住区に関しては事前に安全確認してから提供しているが何が起こるかは分からないのでね』
『あと食材等が手に入らなくて困窮した時も訪ねてほしい。他にも初心者への道具等の提供も行っている』
『フロア14533は共有スペースになっている。ここは酒場として料理を提供している他、ゲームによくある依頼掲示板のようなものを設置してある。遺物の捜索依頼、危険生物討伐依頼、パーティやルームメイトの募集等、好きに活用してくれ。我々自治会のメンバーも誰か一人は必ず常駐するようにしている、何かあったら気軽に話しかけてほしい』
『最後に、ダンジョン内の拾得物でいらないものがあれば引き取らせていただきたい。要望があれば物々交換にも応じる』
『では諸君、今後も楽しいダンジョンライフを。…紫苑ー、終わったー―ブツッ - 5◆1etE4I37IGul22/02/24(木) 21:39:59
映像が途切れ、全く違う映像が流れだす。バラバラにされた手足が何かを話し合い、背景では判読不明な文字列が縦横無尽に飛び交っている。
翔「…何だったんですか、今のポンコツ感あふれる人」
マリ「ポンコツかどうかはともかく、今言っていた通り色々やっている人たちだよ。長い間人が暮らしていると何かと自治をしたくなる連中が現れてくるものさ」
翔「怪しくないですか?」
マリ「今のところはただの良い人たちだよ。私もよく情報交換したりいらない収穫物を交換してもらったりしてる」
マリ「それとこれ、彼女らが作った冊子だ」
そう言いながらテーブルに置いてあった簡単な装丁の本を手渡してくる。
中を開くと注意書きの様なものが真っ先に目に入る。 - 6◆1etE4I37IGul22/02/24(木) 21:40:44
新規入居者への警告
1.壁や天井、床などを壊すべからず。何が起こるか分からない。
2.居住区では夜に決して扉を開けてはならぬ。徘徊する闇は未だ撃退する術が無し。
3.無闇に他人を襲うこと無かれ。それが人とは限らない。
4.無闇に他人を信ずるべからず。それが人とは限らない。
5.人ならざるものをパートナーとして居住区へ連れ帰る事は自由である。ただし何かあった場合討伐されるのは覚悟すべし。
6.ペットとしてもまた同上。
7.収穫物を外の世界に持ち帰るのは自由である。ただし外の世界に出た途端ガラクタに変わることもよくある話。
8.エレベーターは素直だが時たま指定していないフロアに連れて行かれることがある。そういう場合は大抵とても危険なフロアである、初心者ならばもう一度他のフロアを指定すべし。
9.自身に疑問を持つこと無かれ、自己統一性の喪失を招く。スワンプマンは詭弁なり
10.上記は全て君の身を案じた物であり、反したとて罰はない。ただし相応の危険は覚悟すべし。警告の警告たる故を理解せよ。
11.退去する時は出来るだけ鍵を返してほしい。自然ポップを探すのは骨が折れるんだ。 - 7◆1etE4I37IGul22/02/24(木) 22:55:56
次にめくると様々な数字とフロア名の一覧の様なものが書き連ねてある。
数字はエレベーターの入力パネルに入れるものだろうか、フロア名は
居住区、共有フロア、の他に
「水族館フロア」「動物園フロア」「倉庫フロア」「樹海フロア」「工場フロア」「美術館フロア」
等様々なものが書かれていた
翔「ダン、ジョン…?」
ダンジョンというにはその…ずいぶん日常的というかダンジョンらしくないものが多い気が
マリ「さて、お姉さんは風呂にでも入ってくるとしよう」
そう言って立ち上がる
マリ「君も一緒に入るかい?」ニヤニヤ
①翔「行きません」
②翔「いいですよ?」
③翔「自由安価」