(オリキャラ注意)キヴォトス D.U.近郊 シラトリ区立図書館へようこそ!

  • 1本好きの無銘24/10/11(金) 16:13:51

    ここはキヴォトス、様々な学園が集う学園都市です。そして、学校と言うものにつきものなのは図書館! 外の世界は法律で設置が義務だったりしますが、今回のお話は学校図書館ではありません。

     舞台は、ここ! DU近郊にあるシラトリ区立図書館。そう、公共図書館です!
     そして私はその図書館の司書、花鏡 ヒジリと申します。

     先生さんのように胸を張って大人とは言えませんし、どんなことでも導いてあげることはできませんが、探している本ぐらいになら導けるように頑張りますので、よろしくお願いします!

     あら、さっそく本日最初の利用者さんがいらっしゃったみたいですね。
     最初の利用者さんは……どうやら、どこかの学校の生徒さんみたいです。あっ、真っすぐこちらに向かってきますね。

  • 2本好きの無銘24/10/11(金) 16:15:02

    「あの、すみません、少しいいですか?」
    「はい、何かお探しですか?」

     肩までの長さのブロンド、それをハーフアップにした生徒さんは、恐る恐ると言った感じで声をかけてきます。

    「『短くて読みやすい本』を探してて……でも、『詩とかポエミーなのはよく分からない』ので、お話がいいんですけど」

     これは意外と簡単なお願いですね。記憶だよりで、こんなお話がのってたはず~だったり、タイトルしか覚えてないというけれど、そのタイトルも間違ってるなんてお願いもあるので、明確で分かりやすい条件は探しやすくて助かります。

    「……それでしたら、短編集などいかがでしょうか? ご案内しましょうか?」

     一体この子の気に入るジャンルは何かな? なんて立ち上がろうとしたとき、利用者さんは、モジモジとしながらさらに声を小さくして言いました。

    「できれば『2頁で終わる』くらいで、あと『全部共通したテーマ』が欲しいです」

     私は立ち上がろうとしたままの姿勢で固まります。前半だけなら『三円小説』をお渡ししようと思っていました。でも、さすがに全部共通のテーマではありません。
     ですが、本の神様は私を見捨てません。大丈夫、そんな本がちゃんと一冊思いつきました。

    「わかりました、一冊思い当たる本があるので、ご案内いたします」

     当館での分類は953.7 つまり、20世紀以降のフランス文学を示す番号を背表紙に貼る一冊。
     レーモン・クノー 著 『文体練習』です。

    「これが、そうなんですか?」
    「はい、2頁ぐらいの短くて読みやすく、一つのテーマだけで書かれた本です……ちょっとポエミーだったりするものもあるので、全部の条件を完全に満たせるものじゃないですけど。きっと面白いものだと思いますよ」

     そう伝えて、私は離れます。
     あぁ、そうそう。皆様にも軽く説明しておきましょうか。この本は、たった一つの内容を何十通りもの書き方で描写したものです。
     『バスの中に居た変な乗客が、数時間後に彼の友人と思わしき人物からファッションについて助言を受けている所をまた見かけた』
     上記の内容を、倒置法を使って描写したり、変な乗客の主観で書いたり、メモに書きつけるように書いてみたり……たぶん、条件は満たせたんじゃないかなと思うんですけどね。

  • 3本好きの無銘24/10/11(金) 16:19:03

     なんて、話してたら次の利用者さんが質問にやってきたようです。次の利用者さんは……


    1.探偵の格好をしたゲーム開発部

    2.珍しそうに館内を眺めて歩くモミジ

    3.文学の棚から歩いてきたヒナ


    dice1d3=3 (3)

  • 4本好きの無銘24/10/11(金) 17:02:40

    「少し、いいかしら」
    「はい、何かお探しですか?」

     ふわふわとした長い白髪と強そうな角を生やし、軍服チックな制服の生徒さんのお願いです。

    「その……『恋愛小説』を探してて、『大人の男性と少女の恋愛もの』とかがいいのだけれど……それと『依存気味』なのが」
    「はい、分かりました。現在当館にあるか検索いたしますね」

     白い頬に朱が差す。そして最後のお願いはとっても小さい声でしたけど、ライブラリアン・イヤーは地獄耳! 小さいお喋りも聞き逃さない耳なのです。

     さて、早速ですが、おすすめの一冊にご案内しましょう。
     目指す先はYA書架、大人と子供の間にいる人たちに向けた本を集めた本棚です。ライトノベルはコッチに置いていることが多いですね。他だと進路や職業についての本も置いてあります。

    「これが、そうなの? ……随分物騒なタイトルね」
    「そうですね、私もそう思います。でも多分これが一番綺麗な言い方だと、個人的には思いますね」

     お渡ししたのは、斜線堂有紀 著 『私が大好きな小説家を殺すまで』 当館では913.6の近代以降の小説に貼る分類を背表紙に持つ一冊です。
     確かに物騒ですね。でも、実際に手にかけるわけじゃないので安心してください……いやまぁ、これも確かに手にかけると言えばそうなのですが。

    「他にもありますが、どうしましょうか?」
    「いえ、一番最初に思いついたのがこれなら、私の条件に一番合う者だったんでしょ? この本の貸出手続きしたいのだけれど、良いかしら?」
    「はい、喜んで」

  • 5本好きの無銘24/10/11(金) 17:04:45

     正直、『斜陽』なんかもいいかなとは思ったんですけど、もう読んでいそうだなと思ったので、こちらを勧めてみました。

     あぁ、あらすじですよね、分かってます。
     この本は、虐待家庭の少女と小説家の男性の共依存関係を描いた作品です。最初は順風かなと思いきや、小説家の男性が小説が書けなくなってしまった為に、その関係は変化していきます。
     少女はゴーストライターとなって、彼を救おうとするのですが、しだいに……と言った具合で、尊敬と執着とは何か、愛って、信仰って、何なんだろうかって読んだ後に思う作品です。

     同じ作者で、似た雰囲気の作品は多くあるので、皆様もよろしければ一冊、図書館でも本屋でも見かけたら手に取ってみて下さいね。
     例えば、死が近い大人の女性に振り回されながら、将来や家庭に不安を抱え今日を生きている男の子とか好きな人は好きなんじゃないでしょうか?
    『夏の終わりに君がタヒねば完璧だったから』もおススメですよ。

  • 6本好きの無銘24/10/11(金) 17:07:26

     さてさて、次の利用者さんが、待っていたようですね。

     お次は?


    1.カウンターからは見えて、他の場所からは見えにくい場所にいるサオリ

    2.ニコニコして座ってるハナコ

    3.難しい専門書の棚をうろうろしていたユカリ


    dice1d3=2 (2)

  • 7本好きの無銘24/10/11(金) 17:08:13

    書いておいたのは自分ですけど、何で一番書くのが難しいから嫌だなって思ってる奴ほど当ててくるんですか????
    ダイスくんさぁ

  • 8本好きの無銘24/10/11(金) 17:51:53

     おや、桃色の長い髪をした女の子がやってきましたね。

    「こんにちは、何かご用ですか?」
    「その……ここには、『えっちな本』とかありますか?」

     うーん、こう言うのって可愛い女の子がしてくるものじゃないと思うんですけどね。まぁいいや。ほんとに無いもの以外は無いことはない。が当館のモットーなのでね。ご紹介いたしましょう。

    「そうですね……見たところ学生さんですしR18はご紹介できませんが、それ以外でなら……できればもうちょっと条件が欲しいところなんですけど」
    「うふふ♡ じゃあ、『いっぱい載ってる』のと『ちょっと特殊なの』がいいです」
    「あぁ、それなら一冊良いのがあります……閉架の方なので少々お待ち下さい」

     私は席を立って、閉架書庫に向かいます。図書館は一般の人が自由に本を手に取れる開架と、その逆の閉架があります。本当に効率よくするなら全て閉架が一番なのですけど、図書館は本を貯め込むだけでなく、その知識を市民の皆さんに還元するのも大事なお仕事なのです。

     さて、じゃあ閉架書庫行きになるのはどんな本かという話もしておきましょう。基本的には貴重な本や余り人気が無い本、古い本が閉架行きになります。どうやってもスペースの問題はありますからね。
     さらに時間が経つと廃棄されることになるのですが、そこについてはまたいつか語りましょう。

  • 9本好きの無銘24/10/11(金) 17:52:05

    「まぁ、これが、貴女の思う『エッチな本』なのですね!?」
    「すみません、大きい声は他の利用者様のご迷惑となりますので」

     渡したのは、ヨシジマシウ 絵 『フェチ用語辞典』です……私の趣味じゃないですよ? これは頼まれた条件の中で出した検索結果なだけで……この本の分類は145.7 異常心理学の分類です。意外ですか? でも.7の意味を知ればそう思わなくなるんじゃないでしょうか。
     .7は意欲の異常。そう聞くとちょっとしっくりきませんか?

     何はともあれ、桃髪の女の子は興味津々と言った感じで人目につかない机の方に向かって行きました。

     あらすじの時間ですね、ご紹介しましょう。
     あらすじも何もない本です。いろんな性癖について解説する本です。背の高い人、低い人や牙なんかから眼球や病人、嘔吐だったりなんかまで、色々載ってます。えぇ、本当に色々……
     絵も可愛いですが、所謂萌え絵ではなく、カートゥーンって言うんですかね? 絵は詳しくないので間違ってるかもしれませんが、インモラルさ、淫靡さが際立つ絵です。
     ちょっと性癖に詳しくなりたい方、新しい扉を開きたい方にはおススメできますよ。

  • 10本好きの無銘24/10/11(金) 17:52:31

     さて、ではお次の利用者さんは誰でしょうか。


    1.入ってきたばかりのカヨコ

    2.雑誌のエリアでうろうろしてるヒヨリ

    3.珍しそうに館内を眺めて歩くモミジ


    dice1d3=3 (3)

  • 11本好きの無銘24/10/11(金) 17:54:23

    さっきから壱が出ないな……なに?抜かれとるのか?

  • 12本好きの無銘24/10/11(金) 18:12:19

     あらあら、なんだかあったかそうな服を着ている子ですね。緑髪の少女はこちらへ近寄ってきた。

    「こんにちは、とっても素敵な図書館ですね」
    「はい、ありがとうございます。私もこの図書館が大好きなんですよ(雇用してくれた恩もあって)」
    「それで私、自分たちの学園以外の『図書館』をあまり知らなくて、そういうのが知れる本ってないですか? 『建築』のところを見ても無くて」
    「はい、ではご案内いたしますね」

     同じ司書として、意外と気づかない落とし穴にはまってしまった後輩を助けるのも一つの仕事だろう。

     さて、図書館には分類というものがある。
     さっきから言っていた三桁の数字と小数点、それが分類です。古い図書館だと三桁だけのところもあるかもしれませんね。
     話を戻して、三桁の数字はそれぞれ本がどんな内容なのかを示しています。三桁をそれぞれABCとしましょうか。

  • 13本好きの無銘24/10/11(金) 19:33:01

     Aが第一次区分、類目表とも言います。ここで主なジャンルが決まります。0が総記、2が歴史、6が産業で7が芸術やスポーツになります。馴染み深いのは9の文学でしょうかね?

     Bが第二次区分、綱目表とも言います。ここでさらに細かくジャンル分けされるわけですね。11だと哲学各論、29なら地理や紀行みたいな感じですね。また全般的に網羅するなら70や30みたいにやることもありますね。

     Cが第三次区分、細目表とも言います。ここでさらに細かくなります。ただし、ものによるから必ず分類があるわけじゃないです。

     最後に小数点以下の数。これは一般補助表と固有補助表があって、分かりやすく言うなら三桁までで分類しきれなかった情報を載せるためのものになるわけです。
     分かりやすいのは地理とかかな。地図とか特定の県だけのものには三桁の後に北海道なら.11ってつくし、関東なら13みたいな感じでつきますね。

     図書館はその分類に沿って棚により分けてるんですけど、特集などで別の場所に出してあったり、内容によっては思ってる番号と変わったりするんですよね。漫画は726なんですけど、内容が歴史漫画なら歴史の方に置かれるかもしれません。
     今回もその例ですね。

    「こちらなんかどうでしょう?」
    「わっ、すごい綺麗です!」

     当館では建築の520ではなく、010.2の図書館情報学についての書架にある一冊。
     gestalten 編 『世界の図書館を巡る:進化する叡智の神殿』です。キヴォトスの図書館はランクインできませんでしたが、キヴォトスの外の図書館の中から選ばれた53の図書館について書かれた図書です。

    「図書館によっては思っても見ない所にあることもありますし、こんなところにあったんだって思うことたまにありますよね」
    「あ、それわかります! この綺麗な図書、大事に読ませてもらいますね」

     ぜひぜひと私は彼女の元を離れてカウンターに戻りました。

  • 14本好きの無銘24/10/11(金) 19:39:49

     さて、では解説にしましょうか。
     建築のところと言われたように、この本は建築関係の内容を含んでいます。世界最古の図書館から最新の図書館やマインクラフトのデジタル図書館まで様々な図書館を網羅しています。どこか見覚えのある名前の学校もありますね。トリニティカレッジ……嘘だと思います?

     ともかく、色々な図書館について、その歴史や機能美、どういった図書館なのかを解説した文章と綺麗な写真で、気分だけでもその図書館を訪れた気分になりますよ。新アレクサンドリア図書館とかカタール国立図書館やオーストリア国立図書館なんかはとても美しい場所だと思いましたね。

     動画で見られるオーストリア国立はぜひ見るべきですよ。リアですよ? ラリアじゃありません。ら抜き言葉ですから勘違いされないでくださいね。

  • 15本好きの無銘24/10/11(金) 19:43:03

     ふぅ、ちょっと疲れましたね。
     皆様も司書となって、やってきた生徒の皆さんのお悩みを解決してみてくださいね。

  • 16本好きの無銘24/10/11(金) 19:50:09

    1.探偵の格好をしたゲーム開発部
     古畑任三郎の小説版

    2.カウンターからは見えて、他の場所からは見えにくい場所にいるサオリ
     簿記の本や教科書

    3.難しい専門書の棚をうろうろしていたユカリ
     自己流の物の調べ方講座 ※本の解説ではない

    4.入ってきたばかりのカヨコ
     CDやレコードの案内 ※単体の資料じゃない

    5.雑誌のエリアでうろうろしてるヒヨリ
     上の雑誌バージョン ※図書館の使い方講座

    の予定でした。

    ダイス君が選んでくれなかったからね仕方ないね。
    普段はハーメルンの方に自生しています。今回は偵察のつもりで立ててみました。お目汚しすみません。
    エデン分派という作品を見かけたらその時はぜひ読んでみてください。

    あと紹介した本は全て実在の本ですので、調べてご購入して見たらいいんじゃないかな!!!!

    以上、司書の勉強をしてる本が好きなだけの無銘の人間でした。

    落ちてなければひょっこり帰って続き書きに来るかもしれません。

  • 17二次元好きの匿名さん24/10/11(金) 21:35:20

    かなり……ガチな司書さんじゃな!?

  • 18二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 08:43:28

    普通に知らんタイトルを知れて面白いな

  • 19二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 08:56:39

    これ落としちゃいけない知識系スレだろ

  • 20二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 10:25:11

    意外と高評価いただけたようで良かった……
    今日は外に出てるので、落とす気満々だったのですが、これなら夜にでも、もうちょっと投下してもいいかもしれませんね。

  • 21二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 10:27:45

    とりあえず、図書館のシステムについて説明する回と先生登場回とか書きたいですね。

    ハーメルンだとこういうのやつはしにくいので……こういう所で消費できて良かったです。

  • 22本好きの無銘24/10/12(土) 14:04:45

     はい、おはようございます。今日も頑張る司書のヒジリです。名前の由来は、生まれたとき泉鏡花の高野聖が目に留まったからだそうです。本好きな私らしい名前となりました。

     さて、では今日の業務と行きましょうか。
     早速着てくださったのは、シスター服の女の子です。シスター服いいですよね。私も大好きです。昔は教会が図書館をやっていることも多かったので、司書も実質聖職者ですよ。

    「その、予約をしていた者なのですが・・・・・・」
    「はい、利用者カードをお借りしてもよろしいですか?」
    「どうぞ、お願いします」

     当館では予約などは利用者カードで確認をしています。本当は名前や電話番号などの登録情報をお願いするのですが、描写の都合上カットです。

    「はい、ではこちら『新編 ユダヤ笑話集』です。お間違いないですか?」
    「間違いありません」

  • 23本好きの無銘24/10/12(土) 14:05:18

     日に焼けた文庫本の貸出手続きをする。ただし、今回は当館の図書では無いので、ちょっとだけ手間を加えます。
     その間に少し解説を・・・・・・今、当館の図書ではないと言いましたが、ではこの図書は何なのか。私の私物ではありませんよ?
     答えは、他の図書館の図書です。勝手に又貸ししているわけではありません。『図書館間相互貸借』というシステムです。

     字面が堅いですね。わかりやすくしましょう。
     つまりは、自分の図書館にない資料を持ってる図書館から貸して貰って提供します。また逆に、お願いされればウチから貸すこともあります。メリットはいろいろありますが、私としては、一つの図書館では到底提供できない量の資料が提供できるのが一番だと思います。勿論、自前でそろえるのが一番なのは分かっていますよ。

    「ありがとうございました。これとっても面白くて、笑ってしまうんですよ」
    「いえいえ、お楽しみくださいね」

     手続きをすると、シスター服の生徒さんは帰って行かれました。古い本ですし、出版社も無くなってしまって入手できないものなので、連携先の図書館にあって良かったです。

  • 24本好きの無銘24/10/12(土) 14:06:15

     さて、あらすじのお時間ですよ。といっても、この本はあらすじはありません。笑話、つまりジョーク集です。ジョークってとっても面白いですよね。宗教ネタがわかりにくいと思いますか? 大丈夫、宗教ネタは勿論ありますが、それ以外にも、お金儲けや結婚と異性関係、ちょび髭伍長ネタだってあります。やっぱり人の笑いのネタは時代や人種を越えて笑えるネタってのはありますね。
     最後に一つ、みなさまもなじみ深いものを一つ。
    『貴方の葉巻はいい匂いがしますね。一体いくらですか?
     一本2ズロディだ。
     これは驚いた、で、一日に何本吸われますか?』
    これ、どこかで聞いた話ですよね。

  • 25本好きの無銘24/10/12(土) 14:08:40

    出先ですので、ちょっと分類番号までは調べる隙ありませんでした。国立国会図書館で調べると多分出てくるので、気になる方はぜひそちらでご確認ください。

  • 26二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 21:41:06

    ハーメルン内でエデン分派で検索して出てきたのを読んでみたが・・・・・・
    えっ、これであってるよな!?
    面白かったけどジャンルが斜め上でビックリした

  • 27本好きの無銘24/10/12(土) 21:42:44

    もしも見るなら、どんな生徒のお話が見たいとかありますかね……
    持ってなかったり、あんまり深くまで知らない生徒だったらエミュしきれないとは思うんですけど、先着一名様で、生徒さんのお話書きたいと思います。

  • 28本好きの無銘24/10/12(土) 21:45:53

    >>26


    えっと、一応自分でも検索してみて確かめはしましたが、露出教のやべーやつが出てくる作品にたどり着いたって認識でいいですよね?

    そうならば、その通り、ヤベー奴の小説書いてます。

    お読みいただき、ありがとうございます。

  • 29二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 21:48:55

    >>27

    サオリとか?普通に読める大量の本にどんな反応示すか気になる

  • 30本好きの無銘24/10/12(土) 21:49:55

    >>29


    分かりました。

    元から書いてあげたい子なので、頑張って用意してきます!!!

  • 31二次元好きの匿名さん24/10/12(土) 21:50:58

    >>30

    待ってます!さっちゃん可愛いですよね……

  • 32本好きの無銘24/10/12(土) 21:52:00

    >>31


    わかります、さっちゃん幸せになって……本いっぱい読んでいいし、なんなら、司書のアルバイトしていって……

  • 33本好きの無銘24/10/13(日) 00:44:28

    とりあえず、方向性は図書館の理念と学びについてのお話中心にします。
    サオリ……お前は学びの園に入ったのだ、有効に使ってくれ……

    ちなみに、私は司書の勉強をしただけで資格はまだですし、ところどころ忘れてたり間違えて覚えてたりするので、話七割ぐらいで真に受けてくださいね。

    紹介した本が存在することは100%ですので、そこはご信用ください。今のところは読んだことのある本だけなので、ネタが尽きたら皆さんを頼るかもしれません。

  • 34本好きの無銘24/10/13(日) 00:45:09

    チョット長文気味になるので、明日の朝にまたお会いしましょう。

  • 35本好きの無銘24/10/13(日) 11:02:33

     おはようございます。今日も元気なヒジリです。
     今日はなんだか、忙しくなりそうな気がします。

     さて、皆さんも知っての通り、図書館は色々な人が来ます。子どもからお年寄りまで、男性も女性もやってきます。彼ら彼女らは各々知りたいことが異なり、それに応えるために図書館は様々な資料を収集します。

    「すまない、少しいいだろうか」
    「はい、なんでしょうか?」

     わぁ、モデルさんみたいな生徒さんがやってきましたね。高身長で、紺色の長髪に青のインナーカラー、ちょっとメタリックなマスクも、最近のお洒落なんでしょうか。ファッション誌も定期購入して雑誌コーナーにおいてはいるんですけど、自分から読みに行くことは少なくて……。

    「その、本を探しているんだ。これらが欲しいのだが……」
    「お預かりしますね」

     メモ用紙に書きつけられた文字列。お年寄りの方に多いんですが、新聞広告やテレビで紹介された本のタイトルをメモして持ってくる方がいらっしゃいます。学生の方がレポートを書く為に参考資料をメモして持ってこられることもあります。
     これがあると調べるとき楽なので、あると嬉しいですね。

  • 36本好きの無銘24/10/13(日) 11:03:00

     さて、リストの内容ですが……契約関係の法律や労働関係の書籍が何冊もですね。どれも難しい内容ですが……そちらの方を専門にしている方なんでしょうか。でもそれなら、自力で調べられるかな? 蔵書が貸出されてないか調べて欲しかったんですかね?
     まぁ何はともあれ、案内する為に、私はカウンターを出ました。

     今回案内する書架は複数あります。それは何故かと言うと労働や法律などは、何度もお話しした分類が離れているからです。
     と言っても3番の社会科学ではあるんですが……。

     一番多かった労働系の分類は366の労働経済・労働問題ですが、人事財務や労務管理、人間関係などの分類は336.4になります。法律を直接というなら328.6の労働法が分類の本もあります。
     なんだか、ラジオの周波数みたいな感じになってきましたね。
     ちなみに広告やマーケティングについては674か675になります。

     分野がまたがる題材は第一次区分全部見てみる気でやった方がいいかもしれません。利用者の方が間違った場所に戻している可能性もあるので、変な場所に飛んでる図書とかありますし……
     とりあえずお願いされた分の図書は探し当てて、お渡ししました。

  • 37本好きの無銘24/10/13(日) 12:20:24

     さて、お次は返却図書を書架に戻すお仕事……なんですが、その途中で先程の生徒さんが険しい表情をして本を読んでいらっしゃるのを見かけました。マスクも外されていて、綺麗なお顔が全部見えた状態です。

     けれど、そのお顔も今は眉間にしわが寄っていて、大学ノートにシャープペンシルをトントントンと打ち付けながら、分厚い本のページをめくっていらっしゃいます。
     そういえば、あの顔どこかで見たことあるような……?

     って、それよりも、もしかして、基礎も無く難しい本に手を出してしまったんでしょうか……?
     えぇ、図書館は知識の宝庫。言い方は悪いですが、身の丈に合わない知識というのもあります。
     例えば貴方が急に経済学の論文や数学の難問の証明を渡されて理解しろというのは、その専門の人でなければ難しいですよね?
     知識は山みたいなものです。軽く登れるものもあれば、必要な装備を揃えて、訓練を積んでやっと挑める山だってあります。

  • 38本好きの無銘24/10/13(日) 12:20:47

    「あの、少しよろしいですか?」
    「……あっ、あぁ。何か邪魔だったのか、すまないすぐに離れる」
    「いえ、そういうわけでは……その、失礼ながら先ほどから見ていたら、お顔が険しかったので、思ったのですが」
    「ッ!? すまない、何か危害を加える気は無いんだ。見なかったことにしてくれ」

     整ったお顔から急速に血の気が抜けていき、慌ててノートや文房具をしまおうとする生徒さん。きっとなにか思い当たる節でもあったのかもしれません。

    「だ、大丈夫です! 利用者さんがどんな方であろうと、知識を求めて訪れた時から、絶対に守ります。過去に何があろうと、当館は他の利用者さんの邪魔をしない限り、拒むようなことを絶対にしません」

     図書館は知識の宮殿。これを侵すものには抵抗しますが、知りたいと思って足を運んだ人を拒むようなことはまずありえません。
     過去に何があろうと、現在追われる身でも、人は知る権利を持ちます。利用した事実、読んだ事実を知りたかったら令状持って来いってもんです。

  • 39本好きの無銘24/10/13(日) 13:22:08

     本来であれば、おせっかいを焼きすぎるのはいけないことだと思いますが、今回は焼くべきだと感じたので焼きます。

    「児童書コーナーに行きませんか?」
    「……?」

     何故? といった表情をうかべていらっしゃいますが、これには訳があります。
     これは自己流で、絶対にこうしろというわけではありませんが、一番わかりやすい専門書は児童書です。

     大人になって、子どもの読むものだから、幼稚なものだから、大人の内容が書いてあるわけがない。そう思ってる人いませんか? そう思っているのなら、考えを改めるべきだと思います。

     子どもはいろんなことを知りたがります。なぜなぜ期とかいいますしね。そして、その質問は多岐に渡ります。ちょっとでも不思議に思えば、それを追ってしまうのが子どもです。
     そして、その興味が将来に繋がるんですが、そんな子どもたちに向けた、『子どもでも分かるように書かれた本』は、どんな分野でも最初のとっかかり、入門書になりえます。

     でも、法律って子どもが知りたがるのか? そんな疑問もあると思います。でも、労働は身近にあります。いつかすることでもあります。その中で不思議に思うこと、親が将来のために買ってあげることもあるでしょう。

     知っていますか? 幼児向け絵本にニュートン力学や相対性理論についての絵本があるんですよ?

  • 40本好きの無銘24/10/13(日) 14:16:15

    「労働問題の入門なら……これとこれですかね?」
    「あっ、あぁ」

     児童書コーナーは当館にとって力を入れる場所ですから、場所を広く取っています。
     けれど、利用者さんは気まずそうに辺りを見渡しています。まぁ、ちょっと恥ずかしいと思ってしまう人が居るのも分かります。
     実際、完全に分離してしまう図書館もありますし、そもそも設けない図書館もあります。犯罪を防ぐ名目でわざと入りにくくする思想もあるのですが……それは犯罪心理学とかなので、今回は省略です。
     私としては知りたいために必要なら入ればいいのにと思いますよ。

     幾つかの図書を渡し、テラスに出ることが出来る扉近くで、人があまり来ない机の場所に案内する。

    「もし、入口から出られないようになってしまったらこちらからどうぞ。でも、貸出手続きをしてない本は持ち帰らないでくださいね。もしするなら……誰よりも先に私が貴方を捕まえますから」
    「肝に銘じる。それと、ありがとう」

     彼女は、そう言って頭を下げました。

    「……ここは、知識を求める誰にでも分け隔てなく知識を与える場所です。この一冊一冊が、貴方のためにあります。もし、何かあれば司書にお声がけください。力になれるよう努力しますので」

     誰にも、知る権利はあります。その為に私たちはいるのです。

  • 41本好きの無銘24/10/13(日) 14:19:13

     というわけで、図書館の理念を中心にしたサオリのお話しでした。

     今回は専門外の本でもあるので、細かい紹介とかはできないのですが、調べたところ『こども労働法』という本は今回のテーマに沿った本だと思います。
     こんな風に、おススメできる書籍が思いつかない時は、そういうのがないお話になってしまうのですが、ご容赦ください。

     図書館の理念については、『図書館の自由に関する宣言』をご覧ください。

  • 42二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 14:21:04

    良かったよ
    サオリはカッコイイ一面もあるけど、こういうところではカワイイよね
    にしても児童書にそんなもんあるのか……

  • 43二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 14:23:05

    さっちゃん‼次はみんなで来たりしないかな……
    やっぱ可愛いよさっちゃんは、ちょっと難しい本で悩んでるのも可愛い(表現能力が足りない!)

  • 44二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 14:25:20

    にしても博識ですね……流石は本職
    ミサキとか本に興味持ってくれるかな……?

  • 45本好きの無銘24/10/13(日) 14:31:48

    >>43

    >>44


     私的なイメージですと……


    アツコ 園芸書や文学書のところにいる


    ヒヨリ 雑誌コーナーで雑誌を漁ってる


    ミサキ 動物の可愛い写真集とかを隠れて読んでる


     性癖に従うと、ミサキかアツコが先生に何読んでるのか聞かれてちょっと頬を染めながら秘密っていうとベリーグッドです。

     読んでる本は……春琴抄とか斜陽とか刺青とかだと……

  • 46二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 14:38:36

    >>45

    ああ~いいなこれ

    なんか久しぶりに普通にサオリが楽しんでるスレ見つけた気がする

    そしてミサキ可愛すぎか?動物の本を隠れて読むとか……アアッ⁉(想像して尊死)

    あともうこれSSとして小説投稿サイトに出したほうが正当な評価を受けれる気がする

  • 47本好きの無銘24/10/13(日) 14:43:06

    普段はハーメルンに自生してるんですけど……その、書籍紹介とかやっていいものか分からないので。

    あにまんでならやっていいのかと言われるとグゥの音も出ないのですが。

  • 48二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 14:44:12

    性癖は従うものなんだよなぁ……

    >>47

    こういう形ならブルアカ二次としていいと思うよ

    そしてあにまんは二次創作なら何でもOKだから

  • 49二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 14:45:26

    >>47

    むしろ書籍紹介はやった方が人気になりそう

    文章力もあって知識もあるから普通に良いと思うよ

  • 50本好きの無銘24/10/13(日) 14:47:01

    >>48

    >>49


    なら、折を見てハーメルンの方にもまとめて投げておきますか……

    絶対需要とかないだろうなと思っていたので、こんなに反応いただけて嬉しいです。

    大学の講義聞き流しながら続きを頑張ります!

  • 51二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 14:48:47

    ぶっちゃけあにまんでやるメリットが読者と話し合えるぐらいだからな

  • 52本好きの無銘24/10/13(日) 14:49:30

    >>51


    スレ立てて思いました。

    それが一番楽しい気がします。

  • 53二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 14:49:39

    >>50

    ハメで探しとくよ、相談とかしながら作りでもしないならあにまんでやる意味は薄めだし

  • 54本好きの無銘24/10/13(日) 14:50:19

    >>53

    ありがとうございます。

  • 55二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 14:52:12

    >>50

    楽しみに待っておきます!ハーメルンでこういうの少なかったからね……供給助かる

  • 56本好きの無銘24/10/13(日) 14:56:36

    あと、皆様にご紹介するなら、『税金で買った本』という漫画もおススメします!
    このスレと同じで図書館を舞台に、司書のお仕事や図書館ってどんなところかを教えてくれる楽しい漫画です!

    ぶっちゃけスレの内容を思いついた理由の半分は『税金で買った本』が目に留まったからですね。

  • 57本好きの無銘24/10/13(日) 15:03:58

    スレの内容をちょこちょこ修正するか、全面改稿してハーメルンの文章に戻すか……どうしましょうね。
    それと、次の生徒さんとか、こんなジャンルの奴紹介してみたいなご注文はありますか?

  • 58二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 15:05:54

    >>56

    丁度無料公開されてたので見させていただきましたが

    良さそうな話ですね、買おうと思います

    >>57

    スレと並行で書いてくならスレ内容ベースのほうがいいかな?すでにクオリティ自体は高いものだし

  • 59二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 15:08:03

    学業の都合でふるーーい地方の新聞必要になるんだけど市役所と同じくらい図書館の世話になってる

  • 60本好きの無銘24/10/13(日) 15:13:58

    >>58

    では、そうさせてもらいます!



    >>59

    古い雑誌や新聞なんかはやっぱり図書館が強いですね。

    各社、自社記事のデータベースを出していますが、有料ですからね……まぁ、商売だから仕方ないですけど。

  • 61二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 15:15:28

    >>57

    あんまり記憶能力が良いわけじゃないのでこんな良い作品に会えた以上早めにお気に入り登録しときたいのでスレベースのほうがいいです、その方が早めにできそうだし(あと書き直しは労力ヤバそう)

    このSS自体がハメで書いて持ってきてる場合でもスレと同時並行感があって好みではあります

    あと見てみたい生徒ですか……スズミかレイサですかね?

    レイサは騒いで怒られそうって言うのと以外にも静かだったりしそうって両方イメージがありますけど

    スズミは純粋に落ち着いた雰囲気でのんびり読んでる様子が見たい

  • 62本好きの無銘24/10/13(日) 15:22:34

    >>61


    宇沢持ってないですが、イメージとしては児童文庫の英雄譚とか読んでそうだなと思います。


    スズミさんなら、欧米文学とか読んでいそうですね。


    どちらか書けそうなのやってみようと思います。


    あと、スレをコピペして手直しするだけなので、すぐにハーメルンでも読めると思いますよ。(希望的観測)

  • 63二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 15:25:04

    >>62

    分かりました、このスレの内容の時点で普通に良いので☆10準備して待っておきます

  • 64二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 15:44:59

    >>63

    ☆10入れました、続きも楽しみにしておきます

  • 65本好きの無銘24/10/13(日) 15:47:36

    >>64

    ありがとうございます!!!


    とりあえず、持っていないのでキャラが完全に定まり切って無いですが、宇沢レイサを執筆してきます。

  • 66本好きの無銘24/10/13(日) 16:09:57

    宇沢を求めて、一回図書館力をチャージしに図書館に行くか……

  • 67二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 17:17:16

    カヨコとアリス見てぇな…‥‥(願望)

  • 68二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 18:26:24

    あにまんの問題点はアカウントって物がないから成りすましが出やすいのと、割と短時間でも不安になってしまうんよな(時間制限があるから)

  • 69本好きの無銘24/10/13(日) 18:45:54

    あにまん出身ブルアカ司書概念増えないかなぁ……
    書籍紹介や図書館解説なくていいからさ。

    私に続け!!
    お前たちも本と生徒に寄り添う司書になろうぜ!!!!
    先生以外の学校の大人になれ!!!
    購買部のおばさんとか用務員とかもっと増えろ!!!
    (宇沢に英雄譚を与えようとして何を推すか考えあぐねてる人)

  • 70二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 18:49:44

    >>69

    すまぬ……(真逆のIT系行ってる)

  • 71本好きの無銘24/10/13(日) 18:57:03

    >>70

    ITもいいですよね!

    ミレニアムとか世界観ににあった職だしいいと思います。


    なんで起きてるか分からないバグに悩み、なんで上手くいってるか分からないが表面上問題ないからよしの状況を甘んじて受け入れる……懐かしい思い出があります。

    高校は情報系だったので、ミレニアム系生徒でそっちの話もしてみようかな……

  • 72本好きの無銘24/10/13(日) 20:13:49

     はい、いつの間にやらおなじみの司書、ヒジリです。
     前回はしんみりしたので今回はちょっとほんわかする回にしたいですね。
     そんなことを思っていると、カウンターにてってってーと近寄ってくる薄い青とピンクの髪を二つ結びにした女の子がやってきました。

    「こんにちは! 宇沢レイサです!」
    「はい、こんにちは。もう少しだけ声のボリュームを落としていただけると……」
    「あっ、ごめんなさい」

     少女は声を落とす。ちゃんと言うことを聞いてくれる子で助かりました。

    「それでは、宇沢さん。御用はなんでしょうか?」
    「その、『カッコイイヒーロー』のお話はありますか」

     うーん、困りましたね。ヒーローものですか……英雄譚は物語の基礎的な形のひとつに数えられ、その分類に恥じぬほど大量にあります。ヒーローなんて全部カッコイイですからね。

     こんな時には、オープンクエスチョンの出番です。オープンクエスチョンとは、はいかいいえで答えられない質問のことです。その逆に答えられるものはクローズドクエスチョンと言います。
     とりあえず情報を増やしたい時はオープン、減らしたい時はクローズドクエスチョンをします。

    「それでは、候補が多いので、どう言った物がカッコイイになるんでしょうか?」
    「えっ……あ、アーサー王伝説とか……?」
    「アーサー王伝説……では、特に好きな場面などは?」
    「……えっと、仲間と冒険したり、決闘したりです」

     おかしいですね。だんだん声のボリュームが下がっていっています……恥ずかしいのでしょうか?

    「騎士道はカッコイイですからね。わかりました。では、『仲間がいる冒険譚』で『戦闘するシーン』がある本にしましょうか。大丈夫ですよ。面白いものを責任もって紹介します!」
    「ッ! はい、お願いします!」

  • 73本好きの無銘24/10/13(日) 20:52:15

     仲間のいる冒険譚、バトルあり涙ありはカッコイイヒーローですからね……どうしましょうか、とでも言うと思いましたか? あらゆる英雄譚の原典を出します。

     さて、取り出したるは、粘土板……ではなく、分類Eの『ギルガメシュ王ものがたり』です。分類は数字じゃないのかって思った人いますよね?  これは特別なのです。Eは絵本のEです。そう、これ絵本なんです。
     もう絵本を見る年頃ではないと言いたくなるかもしれませんけど、やっぱり絵の迫力は文字に勝ります。だからこその絵本です。もちろん文庫の方もあるので、気に入ってくださるならそちらも案内します。

    「これが、カッコイイ奴ですか?」
    「仲間との冒険は二冊目の方ですが、一冊目から面白いと思いますよ。城壁の中の民のために大いなる杉を取りに行ったり、街を壊そうとする女神と戦ったり、きっとカッコイイと思うはずですよ」

     絵本三冊と文庫本を一冊渡しました。ちょっと首を捻って不思議そうにしていましたが、絵本を読み終わった後は、楽しそうに文庫本のページをめくり始めたところは見ましたよ。

  • 74本好きの無銘24/10/13(日) 21:06:49

     さて、あらすじ……といっても知ってる人も多いのではないでしょうか?
     神の血を引く王様が、若さゆえに暴君となり、それを止めるために遣わされた神々の楔エンキドゥ……エルキドゥの方がいいですか? まぁ、それはともかく、殴り合って、分かりあって、友を得た王は、民を省みるようになりました。
     人のために、木材を求めて自然を切り開き、自業自得の要素が強い気もしますが、襲い掛かる女神を撃退する為に戦い……それはカッコイイヒーローだと思いますけどね。

     あの子も、きっと何か、強くて突っかかっていきたくなる友人でもいるんじゃないかと、直感が告げたので選んだんですよ。


     そして、今回は絵本ですので、絵の方も感想を述べましょうか。
     絵のタッチは、魔女の宅急便でクロネコの人形を探すときに知り合った画家の人の絵や、『かいじゅうたちのいるところ』のような感じの……そうですね、アンリ・ルソーの蛇使いの女のような絵のタッチを感じる絵です。
     人によってはちょっと不気味かもしれませんね。
     でも私は、こう言う絵柄は伝説を描いてる感があって好きなんですよね。

  • 75本好きの無銘24/10/13(日) 21:08:02

    はい、趣味に走りました。許してください。
    あとレイサのエミュが上手くできた気がしません。
    ごめんなぁ、レイサ……とりあえず手元に来てくれ……演習で使うから……。

  • 76二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 21:17:30

    >>75

    持ってない子をエミュしずらいのはもはやSS書き共通なのな

    あとハメの方は早めに更新した方が良くないかな?わりと初動が大事だよハメは(書き溜めで適当に大量投下したSSの方が人気という事実にぶん殴られた)

  • 77二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 21:21:42

    >>76

    あいあいさー(*`・ω・)ゞ

    お風呂上がったら速攻で追いつかせます!!!

  • 78本好きの無銘24/10/13(日) 22:58:26

    四冊目までは更新完了。
    明日用に何か考えとかなきゃいけませんね……

  • 79二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 23:15:01

    >>78

    明日の文はサオリとかの子たちの分そのまま上げるんじゃいかんの?

    あとやっぱりしっかりした文なんだな、自分よりすでにお気に入りが多い

  • 80本好きの無銘24/10/13(日) 23:22:56

    >>79


    スレ用の新しいお話のことですね。

    ミレニアム組をそろそろ誰か出しておきたいなって……


    今のところトリニティに偏りがあるので、他の学校も出しておきたいなと。

    といっても、ミレニアム組って自分で調べる力持ってそうで、お話の広げ方難しいんですよね。

  • 81二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 23:24:57

    >>80

    一緒に言われたのに拒否られたスズミの悲しき現在……

  • 82本好きの無銘24/10/13(日) 23:29:09

    >>81

    すっ、スズミさんは……何読んでるのがいいのか。その……!

    私、海外文学あまり詳しくないんですよね。


     言い訳ではありますが、最初は宇沢レイサの保護者として出そうとしたんです!、でも描写がかみ合わないので、ちょっと退場してもらって……あれ? これブルアカ本編と同じ道辿ったか?

  • 83本好きの無銘24/10/13(日) 23:31:50

    本棚にある海外文学は電気羊か月と六ペンスくらいなので……

  • 84本好きの無銘24/10/13(日) 23:33:03

    うちの本棚の一部がこんな感じですね。

  • 85二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 23:38:49

    別にスズミが海外の本を読んでる保証はないし、懐メロ好きみたいだから古めの音楽歴史書とか?

  • 86二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 23:39:44

    >>85

    ・・・別に古くなくても普通の音楽本でよかったかな

  • 87本好きの無銘24/10/13(日) 23:41:25

    >>85

    音楽関係ですか……カヨコ用だったけどストーリーを移動させてみます。

    カヨコはカヨコで似合う本見繕ってあげなきゃ……

  • 88二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 23:44:00

    >>87

    カヨコはもうにゃんこの一覧でも見せとけばいいんじゃないかな?飼い猫の変化とか世界の猫の変化とか

  • 89二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 23:44:37

    あ、依頼主ではないので注意を

  • 90本好きの無銘24/10/13(日) 23:46:47

    カヨコに猫は鉄板ですし、そこらを第一候補に、いくらか探してみようと思います。

  • 91二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 23:49:31

    カヨコは歴史書とか詩をのんびり読んでるイメージだったんですが、猫も鉄板ですよね

  • 92二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 00:03:36

    わ~そっちの道進んだのがありありと浮かんでる本棚だ……
    初手のやりとり見た時点であれ?と思って十進分類法出た時点で確信したけどやっぱり本職の方ですね……
    ちょっと出遅れたの割と後悔するレベルだ……

    僕も司書志望なので憧れます~!頑張ってくださいね!

  • 93本好きの無銘24/10/14(月) 00:09:36

    >>92

    あ、司書志望さんですか!?

    私もまだ志望ですので、そんなに畏まらないでください。


    この図書館概念広がって欲しいので、描きたいシチュエーションあるなら書いていただいて大丈夫ですよ!!

  • 94本好きの無銘24/10/14(月) 00:12:37

    このスレ記憶の再定着目当てで書いてる部分もあるので……

  • 95本好きの無銘24/10/14(月) 08:15:49

    とりあえず、夜までに何か考えて出しますので気長にお待ちください

  • 96二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 15:11:20

    保守

  • 97本好きの無銘24/10/14(月) 18:10:05

     皆さんこんにちは、今日も今日とて、がんばるヒジリです。昨日は英雄譚がテーマでしたね。いいですよね英雄譚、私はギリシアや北欧の方が好きですが・・・・・・と、話が逸れますね。今回のテーマは英雄譚のような話の書かれた資料以外のもの、つまりは本ではない資料についてです。

     本日、カウンターを訪れた生徒さんは、白髪の長髪・・・・・・あれ、来る人みんな長髪なんじゃ。気にしないことにしましょう。サイドテールのようにも見える片翼の羽がある生徒さんです。

  • 98本好きの無銘24/10/14(月) 18:10:23

    「すみません、こちらの資料はどこにあるのでしょうか?」
    「拝見します・・・・・・あぁ、視聴覚資料ですね。ご案内いたします」

     差し出されたのはレシートのような紙。これは利用者さんが使える検索機で資料の情報を印刷したものです。
     情報化の波はこの知識の殿堂にもきちんと届いており、当館は館内に数台の検索機を設置しています。利用者の方が本のタイトルや作者名、またはキーワードを打ち込むとそれにあった本を表示してくれるのです。
     ちなみに、私たち司書も検索機を使いますが、利用者さんが使える検索機よりもより多くの情報が表示されますよ。まぁ、業務用と一般用です。

     話を戻しましょう。渡された紙に書かれていたのは、視聴覚資料の文字です。まぁ、わかりやすく言うならDVDやCD、レコードやらマイクロフィルムやらですね。

  • 99本好きの無銘24/10/14(月) 18:10:44

     図書と同じフロアに視聴覚資料の書架を設ける図書館や、一階と二階のようにフロアを分ける図書館、同じフロアでも部屋を分ける図書館もあります。スペース分けは建築物によって異なりますからね、図書館ごとに部屋割りが異なるのは仕方ないことです。
     当館は二階に用意しています。

     カウンター近くの階段を昇り、二階に向かう。二階には視聴覚スペース以外にも学習スペースや新聞閲覧スペースなどもあります。

    「これは・・・・・・壮観ですね」
    「えぇ、学習用BDなどもシャーレから寄付をいただき、全学校が揃っています。勿論、映画や音楽も色々と揃えていますよ」

     白髪の生徒さんは、壁一面のCD、DVD、VHS、レコードに近づいていく。
     CDの棚に歩み寄った彼女は、立ち止まって順番に眺めていた。

    「ここで聞いて行かれるなら、ブースへどうぞ。ヘッドホンは備え付けがありますが、お持ちになられているなら、そちらを使っていただいてもかまいませんよ」
    「ありがとうございます、楽しませていただきます」

     私は棚からCDを一つ抜き取り、生徒さんに手渡す。彼女は視聴覚スペースの脇に用意された、視聴ブースの方へ歩いていった。

  • 100本好きの無銘24/10/14(月) 18:11:36

     さて、今回は紹介できる作品が無いので、もう少し図書以外の資料についてお話ししましょう。

     図書館の収集する資料にどんなものがあるのかは、みなさまの国に併せて、国立国会図書館法と図書館法に書かれています。

     まずは国立国会図書館法第二十四条から行きましょう。

     図書、小冊子、逐次刊行物、楽譜、地図、映画フィルム、前各号に掲げるものの他、印刷その他の方法により複製した文書又は図面、蓄音機用レコード、電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によっては認識できない方法によって文字・映像・音又はプログラムを記録したもの。

     大変長いし、まどろっこしいですね。これらは納本制度で集めるものを示した条文です。逐次刊行物は雑誌のような定期的に発行されるもので、電子的~はDVDやVHSなどに記録されたものを指します。

     ちなみにプログラムを含むのでゲームソフトなんかも収集対象です。それをプレイできなきゃ意味ないので、本体も備品であるとか何とか・・・・・・。

  • 101本好きの無銘24/10/14(月) 18:12:01

     では次に、図書館法です。こちらは第三条ですね。こちらであげられてる資料は、郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルム、図書、記録、視聴覚教育の資料、電磁的記録になります。
     こちらは短いですね、まぁ、集めるものは国立国会図書館に倣えばいいですからね。

     図書館は地域に根付くものでもありますから、郷土資料などを積極的に集めたりするわけです。集めると言ってもなんにもかんにも集められるわけでは無いですからね。それに郷土資料は自費出版なども多いですし・・・・・・とにかく、図書館の集める資料は色んなものがある、そう言うお話でした。

     ちなみに、私の最近のマイブームはプレスリーです。かっこいいですよね彼・・・・・・

  • 102本好きの無銘24/10/14(月) 18:16:03

    というわけで、スズミさん編です。
    上手く……書けたのか???

  • 103二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 18:25:57

    >>102

    スズミの描写が少なかった気がせんでもない……でもまあ、音楽なら仕方ないか

  • 104本好きの無銘24/10/14(月) 18:27:28

    >>103

    まぁ、そうですよねぇ……

    スズミさんのイメージと語れるもの的にやっぱり、描写は少なく……

  • 105本好きの無銘24/10/14(月) 20:47:00

    明日は……ミレニアム? かな? たぶん!

  • 106二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 21:16:52

    >>105

    ミレニアムですか、ならネルとかいかがです?情報集めとか趣味とか探しに来る可能性はなくはないと思います

  • 107本好きの無銘24/10/14(月) 21:31:42

    >>106

    ネル……ネルかぁ……何かピカッと来るものがあれば書きます!


    ネルのネタを練る……フフッ

  • 108本好きの無銘24/10/14(月) 22:04:17

    ハーメルンが、追いついた……?
    びっくりだね

  • 109本好きの無銘24/10/14(月) 22:13:17

    あ、それと……ネタが割とつきかけになって来てるので、このスレにpart2は無いかと思われます。
    誰かが後を継いでくれることを信じているよ

  • 110二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 22:40:37

    >>109

    別に今の感じでのんびりやってくのもいいと思うけどね、継続スレなんてそんなもんだし

    あと解説をメインじゃなくてキャラとの媒体を通じた関わりや思いをメインをシフトしてくのもありだと思う

  • 111本好きの無銘24/10/14(月) 22:50:31

    >>110

    まぁ、書籍紹介、図書館解説の感じで始めたものですし……

    でも、キャラとの関わりや思いだったら……追走者増えたのかな?

    と思うこともありますね。

  • 112二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 23:06:25

    >>111

    だって専門知識なしじゃ分類とかイマイチわかんないし……本に対する感情とかをベースにしたら続く人が出たんじゃないかな?

    ところでハーメルンの方も同様に止まる感じ?

  • 113本好きの無銘24/10/14(月) 23:07:55

    >>112


    ネタが無くなったほうならそうなると思います。

    200の場合はもし残っているのがあったらぶち込むと思います。

  • 114二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 23:09:30

    >>111

    専門的な物は人気が出にくいから仕方ない

    この方向性で大量の追走者出たらそれは凄い事だからね

  • 115本好きの無銘24/10/14(月) 23:12:10

    なら、試しに生徒濃度を増やして書籍度を下げ……できるかな。

  • 116二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 23:15:21

    続けられるならともかく、続けられないなら何かしら別のベースにシフトしないとね
    現在ハーメルンは☆9が二個も既についてるし(この期間なら1個付けば歓喜するような物)
    需要はどっちの方向性でもあるんじゃないかな?継続すれば大人気になってもおかしくない位しっかりしてるし

  • 117本好きの無銘24/10/14(月) 23:23:33

    じゃあ、明日はちょっといつもの書き方に戻してみようかな……
    書きやすいのは……サオリかな?

    ネル先輩も考えてはおかなくちゃ

  • 118二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 23:24:44

    >>117

    継続は力なり~応援してるよ~

  • 119二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 23:41:48

    このレスは削除されています

  • 120二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 23:44:08

    >>117

    サオリの司書アルバイトとか?上の方で働いてって言ってたしバイトサオリとか書いてみる?

    紹介が一人じゃなくて二人になったら会話が自然と増えるはず(複数人が苦手な人もいるし強制はしないけど)

  • 121二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 23:45:58

    >>119

    え、大丈夫?スレに貼ると荒れたりすることあるけど

    荒らしは暇人だから理由もなく荒らしていくし

    見たことはないけどあり得る事だからちょっと不安

  • 122本好きの無銘24/10/14(月) 23:49:14

    >>121

    そうなんですか?

    ならタイトルでググったら出てきますし、消しておきますか

  • 123二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 00:28:46

    建てたスレを紹介する系スレにでも宣伝として貼ってこなきゃ人の集まりが悪いね……
    オリキャラじゃ見る人少なそうだし……宣伝して、軽く内容を紹介しといたら人気は出やすくなるかな……?

  • 124本好きの無銘24/10/15(火) 00:46:55

    >>123

    そういうのもあるんですね!

    是非そうしていただけると嬉しいです

  • 1259224/10/15(火) 00:52:09
  • 126二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 01:09:13

    >>125

    このスレの欠点はスレ主が自己紹介って形でしか乗せれねぇってことなんだよな……面白く感じても勝手にはできん

  • 127本好きの無銘24/10/15(火) 10:05:09

    ご紹介されたところに宣伝してきました

  • 128本好きの無銘24/10/15(火) 10:07:32

    これは耳寄り情報ですが、レファ協のサイトではめっちゃ興味深いレファレンス事例乗ってたりするので、暇な時にちらっと見たりTwitterでレファ協垢フォローしておくと、たまにおもしろ事例流れてきますよ。


    レファレンス協同データベースレファレンス協同データベース(レファ協)は、国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築する調べ物のための検索サービスです。参加館の質問・回答サービスの事例、調べ方、コレクション情報など調査に役立つ情報を公開しています。crd.ndl.go.jp
  • 129本好きの無銘24/10/15(火) 12:47:51

    書けたとこまでで、どんどん投げていきますよー
    ________________________

     暖かな日差しと本の香り、話し声などは聞こえず、時たま誰かの足音が微かに聞こえるぐらい。私は今日もこの場所で勉強に励んでいた。所属する学校から脱出した私に、身元を保証してくれるものはない。あるとすれば指名手配の人相書きぐらいだろうというこの身でも、図書館は私を拒まない。今では教えてもらった棚以外からも本を探せるようになった。

    「……そろそろか」

     腕時計を眺め、時間を確認して席を立つ。最初に教えてもらった人気のない場所だが、この図書館は他にもいくつかそういう場所がある。一か所に留まるよりは、移動した方が安心できるのは染み付いてしまった癖だ。
     確かにいちいち全ての荷物を持って移動するのは面倒だ。いっそ本を借りてしまえばいいと思ったこともあるが、貸出カードには身分証明が必要で私にはそれが無い。シャーレの先生なら頼めば幾らでも身元を保証してくれるのだろうが、こんなことで迷惑を掛けたくないし、持ち帰っても私の拠点は廃墟であり、汚してしまいかねない。それは申し訳ないどころの話ではない。

    「おはようございます、はかどってますか?」
    「あぁ、貴女か、大丈夫だ。なかなか理解できるようになってきた」

     移動の最中に声を掛けられ、私は振り向いて答える。声をかけてきたのは、この図書館の司書だ。少しウェーブのかかった青い髪、胸元には瞳の色と同じ緑の十字架のネックレスをつけている。彼女はその十字の前で黒手袋を合わせて、私の答えに喜ぶ。

    「それは良かったです。何かあればいつでも頼ってくださいね」

     彼女はワゴンを押して、棚と棚の間に消えていく。普段の彼女の行動として自分から話しかけることは少ない……のだが、何故か私を見かけるとよく話しかけてくる。要監視ということなのかとも思ったが、彼女と話している限り、そのように感じられることは少なかった。どちらかというと先生の様なタイプだと思われる。

  • 130本好きの無銘24/10/15(火) 14:21:16

     次の場所に向かって私は、本棚の森の中を進んでいく。あまり人とすれ違いたくない為に、気配を感じれば別の棚の方へ移動するせいで移動には少し時間がかかる。だが、私にとっては、この時間のかかってしまう移動にも楽しみを感じることがある。

     咄嗟に入り込んだ棚の分類を見ているはずもなく、本の背表紙からなんとなくのジャンルを読み取る。人が居て通れず待つしかないなら、そのまま本棚を眺めて待ち、近づいてくるのなら本棚から本を引き抜き、腕を盾に顔を隠す。だが、終われば棚に戻す前についついとページを少しパラパラとめくってしまうのだ。

     この前、司書の彼女にこの話をすると、こういう目的も無く偶然に任せて本棚を歩くことを『ブラウジング』というのだと教わった。このブラウジング中に出会えた本のことを、奇跡的に出会えた運命の本であると彼女はニコニコしながら言っていた。まぁ、その後に私は良くないことを聞いてしまったのだが……。

    「だって、目的を持って、それを突き詰めていけばいつかは出会えますよ? でも、ふと歩いていて見つけた本って、気まぐれが無かったら辿り着いたか分からないんですよ? それって神様が導いてくれた運命じゃないですか」
    「……だから、十字架を首に掲げているのか?」

     つい気になった疑問を口にしてしまう。気になったことをつい調べたくなってしまったのは、この場所によく来るようになってしまってからのことだ。普段なら私も少し変われたかなと思うところだが、今回は質問が悪かった。彼女はポカンと数瞬フリーズしてから、胸元の十字架を手に取る。

    「その、気にしないでくれ、普通聞くべきでは無いよな───こんなこと」

     焦って言い訳が口から飛び出していく。だが、司書の彼女はクスクスと笑い始めた。

    「そうですね。司書としては、そのような質問にはお答えできません。けれど、私個人としては気分がいいので答えます。私は神様を信じてますよ……特定の宗派じゃないですけどね。ただ居たら楽しいなって思ってます。だからこの十字架もただのファッションですよ。ほら、私の目と似たような色してて良いでしょう?」

     貴女が宗教に厳格な人じゃないといいんですけど、と彼女は付け足す。

  • 131本好きの無銘24/10/15(火) 14:21:26

    「それは……心配しなくていい」

     アリウスがトリニティを出た原因の一端は、信じるものに厳格だったからだ。だが、その厳格さを恨みの中に薄れさせていってしまった今、私の中に残る教えは虚無だった。そんな私に彼女の信仰について何かを言う権利はない。

    「あぁ、良かった……まぁ、神様も本も同じですよ。あった方が心は安らかで、なにかの時には縋れるし、未知の存在が在るなんてワクワクするでしょ?」

     彼女は十字架を持っていなかった方の手で側にあった一冊の本を持ち上げ、前後に揺らす。

    「そうだな、確かに救ってくれるかもな」

    「ところで知っていますか? 図書館司書にも守護聖人がいるんですよ。聖ヒエロムニスっていう人なんですが……あれ? どうしました?」
    「あぁ~……えっと、すまない」

     守護聖人を倒したことがあるとは流石にいえない、というか信じてもらえるかも怪しいだろう。頭の上にクエスチョンマークを浮かべる彼女にとりあえず謝るしか私はできなかった。

  • 132本好きの無銘24/10/15(火) 14:25:56

    とりあえず、その後って感じで書いてみました。
    司書さん目線じゃないのはあの感じで描写深くするのはちょっと無理そうだったのと、利用者として変わっていく姿が書ければなと思いまして……

  • 133本好きの無銘24/10/15(火) 17:33:31

    皆様の応援もあり、ハーメルンの日間透明ランキングで25位になれました!
    ありがとうございます!

  • 134二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 20:23:35

    おおすっご、自分は一度も入ったことないからなぁ……やっぱ知識がある人には勝てんか……
    でもおめでとうございます!これからも応援しておきます!

  • 135本好きの無銘24/10/15(火) 20:30:08

    >>134

    ありがとうございます

    頑張ります!

  • 136本好きの無銘24/10/16(水) 08:04:13

    今日は……ネルかアリスか

  • 137本好きの無銘24/10/16(水) 11:55:47

     はい、おはようございます。昨日はそんなにお仕事のなかったヒジリです。
     いえ、レファレンス以外の仕事もきちんとやってるので、暇だったわけではないのですが……ともあれ、今日はレファレンスのお仕事もありそうです。

     そんな風に考えてると、図書館の入口から小さな女の子がやってきました。青髪の長髪───この図書館長髪の人しか来てないんじゃ? いえ、ただの偶然ただの偶然……
     気を取り直してやっていきましょう。

    「おはようございます! アリスはアリスです!」
    「おはようございます。元気なのはいいんですけど、図書館ではお静かにお願いしますね」

     わかりました。とお返事をいただき、本題に入ります。

    「アリスは勇者ですが、小説家にもなりたいです。だから図書館の賢者に聞いてみることにしました!」
    「勇者? 賢者? ……えっと、まぁ、分かりました。『小説の書き方がわかる本』を探して欲しいわけですね?」
    「はい、アリスは小説家勇者になりたいです」

     身の丈に合わない大きな銃?を背負った少女は目を輝かせて私を見ています。ゲームが大好きな子なのかな? 私も嗜みますよ。勇者が出てくるのはそこまでですが。

  • 138本好きの無銘24/10/16(水) 11:58:37

     さて、小説の書き方というのは様々な方法があります。まぁ、どういう風に出来事を綴るかなんて、どのような側面から描くかで変わるものですから。また、媒体によっても変わります。歌劇は台本のようにも見えますからね。『ファウスト』とか見てみると分かりやすいかもですね。

     では、ここで問題です。小説の書き方は第一次区分で言うと、言語の8と文学の9 どちらだと思います?
     答えは、両方です。 ズルい? どちらだと思いますかと聞いただけで、答えが片方だけとは言ってませんよ。
     8の方は文法や作文の書き方など言葉の使い方を中心に、9の方は文学の理論や作法など文章の型を中心にという感じですかね。
     今回は9の方にしましょうか。

    「では、ご案内いたします」
    「賢者 が パーティー に 加入 しました !」

     文学の書架に向かう途中で、帽子を目深に被った少女とすれ違う。また今日も勉強を頑張っていらっしゃるようですね。最近は図書館関係の資料コーナーで見かけましたし、ちょっと興味が湧いてきたのかもしれませんね。

    「どうしましたか?」
    「あぁ、いえ───何でもないですよ、あの子は仲の良い子でして、さぁ、こちらです」

  • 139本好きの無銘24/10/16(水) 12:23:21

     辿り着いた書架、幸運なことに背が届く位置に目的の図書はありました。一応学生が多いことも考えて高い書架は無いんですが、それでも図書を入れることを考えると、やっぱり多少は高さが欲しくて……なので当館では、ある程度は諦めて、司書に取ってもらうか、踏み台の貸出を行っています。

    「これで、アリスは小説家になれますか?」
    「……えーっと、そうですね。本を読むだけでなく、ちゃんと書いて行かないといけませんよ」

     司書、というかレファレンスとして答えられない質問があります。それは、宿題の答えだったり、本が絡まない身の上話だったり、株価などの予想などから、美術品の鑑定や人権やプライバシーの侵害になるようなのもできません。
     つまりは、責任を負うことが出来ない質問は答えられないんですよね。
     なんですけれど、この質問に答えられませんでは、良心が無いです。

    「わかりました。モモイが書けない分、アリスが頑張って書きます!」
    「……ゴーストライター?」

     なんだか複雑な事情がありそうですね?

  • 140本好きの無銘24/10/16(水) 12:33:57

    というわけで、アリスのお話しでした。

    ちなみに、原作を知っているのであれば『黒魔女 さんの小説教室』はおススメですよ。
    原作からして文章を書きなれないような年ごろがメイン層だったので、初歩的な疑問点や始めたばかりで迷うようなことを教えてくれる良い本です。

  • 141本好きの無銘24/10/16(水) 15:26:07

    読んでないのにおすすめするのもなと思い、こども労働法を図書館で借りてくる

  • 142二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 22:17:39

    借りてみようと思ったけど近くの図書館に置いてたっけ・・・?

  • 143二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 22:31:19

    >>142

    図書館があるだけまだマシだぞ、そもそも近くに図書館がない悲しみ

  • 1449224/10/16(水) 22:55:13

    >>142

    書名さえ分かってればスタッフに申し出てくれればいくらでも探しますよ!


    それでもしなかったとしても、上にも書いてありますが図書館には相互貸借というシステムがあります。

    同じ都道府県内であれば、その図書館にはなくとも他の自治体の図書館にある資料を借りることが出きるシステムですね。


    なお、それでもなかった場合でもリクエストというシステムもあります。

    これはその図書館にない資料を請求し、選書に通れば新規に購入してもらって置いてもらえるというシステムです。(これこっちで説明しちゃっていいのかな……)


    読みたい本が置いてなかったとしても、図書館は最大限寄り添ってくれますよ。何せ知識の提供が最重要目的ですからね!

    お気軽にどうぞ~!

  • 145二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 22:57:43

    >>144

    あ、そうなのねあんまり利用しないから知らなかった・・・来週月曜空いてるから行ってみるかな

  • 146本好きの無銘24/10/16(水) 23:33:04

    >>144

    図書館の使い方が広まるなら大歓迎ですよ~

    図書館を使う人が増えればみんなHAPPYでわっぴーですわ!

  • 147本好きの無銘24/10/16(水) 23:34:52

    >>145

    休館日を確かめてから行くといいですよ(n敗)

    あと最近はインターネットで蔵書検索ができるようにしている所もあるので、図書館のHPを覗いてみるのもいいかもしれません。

  • 148二次元好きの匿名さん24/10/16(水) 23:38:11

    >>147

    あっぶな(休館日だった)じゃあ次行けそうなのは木曜になるかな?

  • 149本好きの無銘24/10/16(水) 23:39:49

    >>148

    あるあるですよね……行こうと思ったら休館日……

    これまで何度やってきたことか……

  • 150本好きの無銘24/10/16(水) 23:50:26

    こちらは作品資料として借りてきた子たち

    少しは内容が進化できると信じて……

  • 151本好きの無銘24/10/17(木) 10:40:09

     おはようございます。今日はイベントデーで忙しい図書館司書のヒジリです。

     早速の図書館解説で申し訳ないのですが、図書館のお仕事は貸出と資料の保存だけではありません。レファレンスも大事なお仕事ですし、他にも読書の楽しさを広めるという仕事もあります。今回はその楽しさを広めるお話をしましょうか。

     さて、では読書の楽しさを広める活動にはどのようなものがあるのか、ですが、例えば小中高、幼稚園に保育園と子供たちの居る所へ行ってするブックトークや読み聞かせ、新しく入ってきた資料やおススメの一冊を載せるチラシなどです。これは学校図書館でもしていますので、学生の皆さんは『図書館だより』的な名前の紙を配られたり、見かけたこととかありませんか?
     今回は、当館で行われたお話し会の一幕を見ていきましょう。

  • 152本好きの無銘24/10/17(木) 10:41:08

    「私が、出ても大丈夫なのか?」

     開館前の図書館で不安そうにパタパタと尻尾を揺らしている大人の雰囲気を持った女の子。透き通るようなブロンドの頭頂部からにょっきり生えた耳からモフモフとした白い毛が出ているのが可愛さポイントですね。
     今日はD.U.を守ってくださるヴァルキューレ警察学校との合同イベント、読み聞かせ会があります。生活安全局の方を中心に数人の生徒さんが来てくださっています。

    「カンナさん。自信を持ってください。大丈夫ですよ、とっておきの秘密兵器がありますから」

     乗馬などで騎手の不安は馬に伝わるという話がありますが、人間だって同じことです。相手が不安で落ち着かない様子なのに、安心できるのは対戦ゲームぐらいじゃないですか? 少なくとも医者や運転手が今にも死にそうですって顔してたら私は逃げたくなりますよ?

    「そ、そうだな……それで、秘密兵器とやらは?」
    「ふふふ、こちらです!」

     取り出したるは、大きめの本! タイトルは『名探偵ホームズ』ただし、その姿はワンちゃんです。俗に言う犬ホームズという奴です。犬のおまわりさんが犬のたんていさんのお話を読むとかなったら絶対面白いはず!!!

  • 153本好きの無銘24/10/17(木) 11:06:51

     ぶふっ、と私の背後で思わず噴き出した他の生徒さんの声が聞こえます。ですが、肝心のカンナさんはなんだか顔が青くなってますね。うーん、まるで注射される五秒前のワンちゃんみたいです。

    「後で覚えておけよ、フブキ」
    「ちょっ、なんで!?」

     数冊の絵本を盾に顔を隠すフブキさん。その盾のタイトルは『バムとケロのにちようび』王道の絵本ですね。
     当館は学園都市に身を置く図書館ですから、絵本や児童書はそれなりに備えているんですが、やっぱり王道を選ぶ利用者は多いですね。特に児童書や絵本は破損が多いので、予算限られる図書館では、王道や評価の確立された絵本を複数購入して新しいものはそこまで購入しないということもあります。正直、こればかりは何とも言い難いですね。図書館ごとに利用者層は微妙に違いますし、破損や汚損が多いのも事実ですので、よく手に取られるものは多く用意するのも一つの答えです。

    「はいはい、喧嘩しても良いことはありませんよ? 読み聞かせを練習する時間は今も減ってるんですから」

     手を叩いてこちらに意識を向けてもらいます。読み聞かせは音読とは違います。音読は自分が読めればいいですが、読み聞かせで本を読んでいるのは、読み上げる人ではなく、それを眺めている子どもたちですので、子どもたちの反応を確かめながらしなければなりません。

  • 154本好きの無銘24/10/17(木) 11:33:34

    「ということだから、局長もがんばってねぇ~」

     ひらひらと手を振ってフブキさんはすごい速さで去っていく。

    「まて、本当にこれを読むのか?!」
    「一応小学校高学年の担当にしていますし、一話読むだけでいいので……本当にダメなら、他のにしますよ? 自分で探してもいいですし。高学年の子は午後からなので、まだ選び直す時間もたっぷりありますよ?」

     今回のイベントは、午前中に幼稚園と小学校低学年、中学年の子たちを招いて、午後からは高学年という風にしていますので、一応時間は作れます。けれど、カンナさんは絵本の棚を何度か眺めたあと、再び名探偵ホームズを手に取りました。

    「司書の方が私にこれを選んだということは、なにか深い意味があるのでしょう?」
    「……あぅ───はい、その通りです」

     深い意味までは無かったのですが、意味自体はあるので頷きました。たまにはお茶目してもいいじゃないですか!
     さて、そんなことは置いておいて、カンナさんは、まず軽く読んでみることにしたようです。イベントで貸し切りのため、一般利用は休館日とさせていただきましたが、音読練習は会議室でしてもらうことになっています。読み聞かせ最中に他のお話の音読が聞こえて来ても良くないですからね。

  • 155本好きの無銘24/10/17(木) 12:27:19

     さて、時を押し流して、カンナさんの時間にまで進めましょう。
     読み聞かせ会の会場では大人しく子どもたちが待っています。登壇して、とりあえずペコリと頭を下げる。

    「あっ、あー……公安局長の尾刃カンナだ。その、よろしく頼む」

     ぱちぱちと上がる拍手に、少し恥ずかしそうに顔を綻ばせたカンナさん。

    「今からするお話は……ちょっと変わった犬の探偵のお話だ」

     表情の硬さは、まだまだあるけれど、ちゃんとお話は始まります。
     街中を車で走るホームズ、その頭上をプテラノドンの様な飛行機が飛んでいくシーン。手際よく盗んでいく教授と、その教授から盗んでいく子どものシーン。その子どもを追って教授が追いかけて来てのカーチェイス。ワクワクとドキドキの詰まった物語をカンナさん自身が楽しそうに読んでいる。でも、自分の気持ちをちゃんと抑えて、子どもたちの反応を見ながら進めている。
     採点するならば、百点満点で完璧です。

    「これにておしまい……しかし、まだこの犬の探偵の話は続く、良かったら自分でも読んでみてくれ」

     最後にそう言って、犬のおまわりさんは締めくくりました。
     晴れ晴れとした笑顔には万雷の拍手が返ってきます。うーん、大成功!

  • 156本好きの無銘24/10/17(木) 12:29:29

    というわけで、今日はヴァルキューレとお話し会のお話しでした。
    犬のおまわりさんと犬の探偵さんがしたかっただけです。はい。

    でもカンナって、絶対似合うと思う。
    あと合歓垣も絶対絵本の読み聞かせとか似合う。

    バムとケロのにちようびは……合歓垣にピッタリだと思ったので出しました。

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