- 1二次元好きの匿名さん21/09/10(金) 19:22:01
医者「怪我をした実力のないウマ娘に場所はないよ?」
騎士「なんだと!?」
医者「高知のトレセン学園に転入することが決まったよ?」
騎士「なんだと!?」
中央トレーナー「僕は中央で他のウマ娘のトレーナーになってるから申し訳ないけどもうトレーナーは続けられないんだよね。だからむこうでも頑張ってね?」
騎士「なんだとおおおおおお!?!?」
騎士「ということで中央から追い出されてしまった。これでもデビュー戦は華々しく勝利を納めた経験もある。怪我を直し中央に戻るまでどうか仲良くして欲しい」
不良ウマ娘「なおんねぇよ!屈腱炎だろ!戦績微妙だろ?ここは高知トレセン学園、ウマ娘の中でも底辺中の底辺。最弱の学園だ!すぐにここの生徒と同じぐらいの実力になってファンすらつかないウマ娘になる。伝説のハルウララパイセンみたいなアイドル性がなきゃな!」
騎士「案ずるな。私は騎士だ。お前たちの言う通りにはならないさ。」
教師「あっ、言い忘れてました。高知トレセン学園、業績不振で有名なレースで勝てるようなウマ娘が来年までに排出されなければ…廃校となります。」
騎士「なんだとおおおおおお!?!?」 - 2二次元好きの匿名さん21/09/10(金) 19:23:31
うん・・・うん?
- 3二次元好きの匿名さん21/09/10(金) 19:23:43
騎士「タイムリミットは来年か…」
不良「なんでアタシらの溜まり場にいるんだよ舐めてんのか!?」
騎士「こんな掃き溜めに連れてこられ死んだ方がマシだ!などと思ったりもしたが…ここは良いところだな。そうは思わないか?」
不良「ガン無視かよ、舐めてるんだな?わかった決闘だぁ!」
騎士「そう、戦場だ。私はここを救いたい。救うためにはどの戦場に馳せ参じればよいと言うのだ。」
不良「んぁ?…え?…そうだな、地方からつえ~奴が集まるレースにでりゃいいんじゃねぇか?2ヶ月後の報知オールスターカップとか…」
騎士「なるほど…全く聞いたことがない…何せ中央で走っていたから地方など全く興味がなかったのでな…」
不良「こいつとことん舐めてやがる…」
騎士「理解した、さて私は屈腱炎という不治の怪我をしてしまいトレーナーもいないという状況でさらにはここ高知トレセン学園ではマンツーマンのトレーナーは存在せず皆各々適当に練習し、その中でも君はお山の大将として他のウマ娘に口出しだけしている。なぜか…君も私と同じ不治の怪我を患ってもう走れなくなっている。ちがうかい?」
不良「てめぇ!教師にでも聞きやがったのか!?」
騎士「あぁ、職員室で君の事を知らされた。彼女ならば力になってくれるだろうと」
不良「ふざけんな!誰がてめえなんかに力なんてかすか!」
騎士「私は屈腱炎なんかに屈したりはしない!」
不良「はぁ!?」
騎士「私は!ハルウララ先輩のように愛嬌で走り続けファンを増やしたりなどしない!強いレースをしてファンを増やしこの高知トレセン学園を有名にする。かつてのお前が目指したように!だから教えてくれ、怪我の付き合い方を!そして報知オールスターカップでの勝ち型を!私の専属トレーナーになって欲しい!」
不良「…っつ!?」
騎士「私は!屈腱炎なんかに屈したりはしない!」
不良「そのフレーズお気に入りか!!! - 4二次元好きの匿名さん21/09/10(金) 19:25:10
実況「さて報知オールスターカップ、各ウマ娘ゲートイン完了しました。解説さんどうでしょうどの子が勝ちそうですかね?」
解説「高知の8番の子ですかね?凄い集中力がある顔をしてますね。あの弱小校から来たと聞いて思い出出走なんじゃないかなって思ってましたが本人は勝気マンマンって感じで私は応援していますよ?」
実況「なるほど、面白い子が要るみたいですね。さて各ウマ娘…一斉にスタート!」
実況「さて面白い展開だ。高知代表の8番が四番手追走と良い位置につけてますね」
解説「ええ、あそこなら最終コーナーでトップをねらえるんじゃないですかね?」
不良トレーナー『さて、報知オールスターカップでの勝ち型だ怪我の性質上一気に負荷を掛けてしまうとたちまち足がダメになって俺みたいに走れなくなる。そこでお前には常に先頭を狙える位置にいて欲しい。つまり先行策だ。差しのように一気にラストスパートをかけるようなレースをすれば終わりだ。だから最後の直線も入る前から徐々に加速していけ?イメージとしては最終コーナー終わりに先頭にいるイメージだ!』
実況「さて最終直線に入りました!先頭は8番!高知代表の8番です!」
解説「いやぁ、ずっといい位置につけてましたからね!しかしあの高知トレセン学園出身の子が先頭を走っているとは驚きです!」
完璧なレース展開だ…トレーナーのイメージ通りの…最高の…
騎士「私の勝ちだあああああ!!!」
マズル「ごめんなぁ?うちの勝ちや。」
実況「今!三番人気のマズルブラストが先頭を差しきりゴールイン!勝ったのはマズルブラスト!マズルブラストです!2着はグランシュバリエ高知代表!これも頑張りました!」
解説「最後まで完璧なレース展開を見せたグランシュバリエ惜しかったですねぇ。 - 5二次元好きの匿名さん21/09/10(金) 19:26:40
トレーナー「おら、いつまでも泣いてんじゃねーよ。女々しいなぁ。」
グラン「私は女だ」
トレーナー「お前…散々自分は騎士だなんだ言って女扱いしたらキレてただろうが…ったく」
グラン「今はただの女だ!」
トレーナー「あー、ハイハイ…グランはさ?最高の走りをしてたよ?そしてラスト自分の限界以上を出さなかった。それが一番嬉しい。」
グラン「それで…それのせいで…負けた…」
トレーナー「あそこで実力以上を出したらこれ以上レースには出られないあれで負けたのは俺のさ…トレーナーとしてのミスだ…グランのせいじゃない。だから…」
グラン「トレーナーが全部ではない!だから…だから…私達の敗けと言ってくれ…」
トレーナー「…そうだな!私達のまけだ!悔しいな!…悔しいなぁちくしょう…」
グラン「トレーナー…次はどうすればいい?」
トレーナー「そうだな…マイルチャンピオンシップ南部杯…地方のG1で優勝する。そして廃校を取り消させてやろうぜ!…その為にはまず色んな強い奴に会いに行く!目指せ地方トップ!笠松、大井に門別、船橋!全部一着だ!!!」
グラン「あぁ!行こう!」 - 6二次元好きの匿名さん21/09/10(金) 19:27:26
実況「さてマイルチャンピオンシップ南部杯G1各ウマ娘ゲート前に出揃いました。どのようなレース展開を予想されますか?解説さん」
解説「マイルチャンピオンシップ南部杯とは中央のウマ娘と地方のウマ娘のガチンコ勝負と言えば聞こえはいいですが中央のウマ娘と地方のウマ娘の実力は天と地の差。先頭集団は全員中央のウマ娘、そして後方には地方。公開処刑のようなものでしょう。しかも今レースではアメリカ遠征が決まっているダートの王様エスポワールシチーまで来ていますからね。エスポワールシチーが一着で決まりでしょう。」
実況「なるほど地方ウマ娘は正直可哀想に思ってしまいますねぇ。」
解説「それほどまでに地方と中央というのは違うものなのですよ。」
中央トレーナー「初めましてになりますかね?エスポワールシチーのトレーナーです。ウマ娘でトレーナーの変わりをしている珍しい子がいると聞いて一目会って見たかったんです!」
トレーナー「俺もあんたの事は調べたよ…ダートの魔術師って呼ばれる程の実力のあるトレーナーってお前の事だろ?」
中央トレーナー「そのように噂になっているとは…お恥ずかしい限りです…」
トレーナー「で?アンタのチームメイトは中央から来た6人中3人か…こりゃ残り二人が蓋をして他の中央のウマ娘が前に出れないわけだ。エスポワールシチーが強いのも納得だ。」
中央トレーナー「いえいえ!そんな事一度もしたことありませんよ!彼女の実力は本物です!それにどうせ屈腱炎になったウマ娘なんて走れませんから貴方には関係無いのでは?」
トレーナー「あぁ、そう思っといてくれた方がこちらとしては助かるよ本当。そっちの方が寝首を掻きやすくて楽ってもんだ。」
中央トレーナー「…地方ウマ娘は勝てませんよ?まして怪我持ちの!あの子は引退させるべきだった!!!他の道があったはずだ!例えばハルウララさんのようなアイドル性を!彼女は可憐な女騎士だ!上手く扱えば絶対にコアなファンがつくようなウマ娘になれたはずなんだ!」
トレーナー「残念だけどさ?私達はやっぱり勝ちたいんだよね?レースって言う勝負の場に出る限りは!」 - 7二次元好きの匿名さん21/09/10(金) 19:30:02
実況「さて各ウマ娘一斉にスタートしました!速くも先頭と後方との差がどんどん広がって行きます。先頭集団はやはり中央ウマ娘ばかりですね。予想道理の展開となりましたかね?解説さん。」
解説「そうですね、先頭集団は1、2、3、4、5、6、7人いますから…7人!?!?地方ウマ娘が混ざっている!?」
実況「本当だ!グランシュバリエだ!!!このグループにグランシュバリエも加わりました!」
中央ウマ娘A「やば!あれに先頭とられたら中央の面目丸つぶれっしょ!?」
中央ウマ娘B「ここはあいつに大外回らせるよ!どうせ地方よ!スタミナ切れですぐ落ちるわ!」
グラン「ふっ、この程度で私が堕ちると思ったか?面倒だ!まとめて相手してやる!」
A「なにをー!?!?」
B「さっせるかー!!!」
実況「外から上がっていった!6番グランシュバリエが凄い勢いで飛んでくる!
先頭争いはいまだオーロマイスターとエスポワールシチーだが
今度はグランシュバリエか!?」
解説「んほおおおおおおお!?地方の下克上たまりませんわぁあああああ!!!」
実況「グランシュバリエ先頭グランシュバリエ先頭!!!勝てるはずのないと言われていた地方ウマ娘が最終直線で先頭にたった!」
トレーナー「よしっ!」
中央トレーナー「嘘だろ!?そんなはずはない!あのウマ娘は確かに死んだはずだ!」
エスポワールシチー「やるじゃん?でも…私が足を貯めてないって訳じゃない!」
グランシュバリエ「エスポワール!!!」
実況「グランシュバリエとエスポワールが競り合っている!あっ!その間からオーロマイスターだ!オーロマイスター先頭!いやその差わずかその差僅か!今3人並んでゴールイン!!!」 - 8二次元好きの匿名さん21/09/10(金) 19:31:08
実況「さて、判定に入って…今判定終わりました!一着オーロマイスター!二着エスポワールシチー!そして高知のグランシュバリエ続いています!」
その瞬間大きな空気が震えるような大歓声がレース場を響き渡らせた。
トレーナー「大外回らされて体力ギリッギリの割にはよくやったじゃん?」
グラン「負けてしまったがな…」
トレーナー「実は…さ?高知トレセン学園なんだけどさ…?」
グラン「廃校が決定したか?名残惜しいがこれでレースも引退か…」
トレーナー「それが!グランの走りを見たいってんで皆高知トレセン学園に集まってきてるらしい!だから廃校はなしだ!勝ち取ったんだよ!私達で廃校を撤回させたんだ!」
グラン「なんだとおおおおおお!?!?」
こうして私達は廃校を乗り切った
戦績にして74戦17勝…重賞勝利数は2回だけ
怪我があったにしてはよくやった方だと思う。
地方ウマ娘…そんなものが日の目を見る日などまぁないだろう。あっても同じ高知代表のハルウララ先輩ぐらいか。だけれど地方だろうと変わらず走っているウマ娘はいる。
負けていいなんて思わずに全力で走っているウマ娘が。
どうかそれを忘れずどの子にも全力で向き合って欲しい。 - 9二次元好きの匿名さん21/09/10(金) 19:33:04
最初何言ってるのか分からなかったけどウララと並ぶ高知立て直しの立役者の事だったのね
- 10二次元好きの匿名さん21/09/10(金) 20:15:02
- 11二次元好きの匿名さん21/09/10(金) 20:16:12