「こうなっちゃ、悪名高い美食研究会も形無しね」

1二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 12:09:05

愛清フウカは怒っていた。理由？美食研究会と言えば察してもらえるだろうか。とにかく日々晒されるストレス、その最たる彼女らに対しそれはもうムカ着火インフェルノだった。
なにか仕返しを……そう考えたことも幾度となくあったが、しかし質の悪いことに奴ら普通に強いのだ。一介の料理人たるフウカに勝ち目など無いに等しい。が、しかしそれで腹の虫がおさまる訳がなく、何か手だてはないかとSNSを眺め。
「……ん？これは……」
今朝放送していたテレビ番組、『仮面ライダーガヴ』の話題の中に、興味深いものを見つけた。
「ヒトプレス……これは……」
アクリルスタンド状に圧縮された人間。それを見た瞬間、フウカの脳裏に一つのプランがよぎる。仕返し……というにはあまりにも些細だが、それでも僅かにでも気分が晴れるかもしれない。そう考えながら彼女は厨房へと向かった。

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「こんなもんでいいかしらっと……」
そう呟く彼女の手元には、縁をぎざぎざに折られた金属の型が置かれていた。ヒトプレスの輪郭を象ったものだ。これをあと三人分……いや、二人分でいいか。そう思い直し手早くアルミホイルから金属型を形成していく。

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「……これ、私の本領じゃない気がしてならないのだけども……」
今更ながら自身の行いに些かな疑問を抱きつつも、じゃあやめる、とも言えず黙々と作業を続けるフウカ。彼女の手元では、食用色素をフルに活用してハルナ、アカリ、イズミの三人の絵が完成しつつあった。

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「これを、こうして……」
ぎざぎざ縁の金属型に先ほど作った絵をはめこみ、その上から溶けた飴を流しこむ。後は冷え固まるのを待つのみ、だが。
「よし、じゃあアレも作っちゃいましょ」
そう呟き、ゼラチンとイチゴジュースを取り出す。完成は、間近だ。