篠澤を泣かせたい

  • 1二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 12:56:24

    篠澤さんの趣味を理解したときに処分した不要な資料は大きく分けて2つあった。
    ひとつは篠澤さんの過去の経歴。これを使う事は彼女の望みから遠ざかる。
    もうひとつは担当をトップアイドルに導くためのロードマップ。自分の未来を託したもの。
    入学してすぐに意気投合した同期Pと熱く語らいながら煮詰めていった、自分の情熱そのもの。

    「学P、今日の放課後に時間取れるか?」
    お互いにアイドルを担当するようになってからは忙しく、久しぶりの同期Pからの誘いに二つ返事で了承した。

    放課後の自席、缶コーヒーを手土産に同期Pはやってきた。
    最初はお互いの近況を軽く話していた。同期Pの担当は順当に評価を積み上げていっているようだ。
    一段落した後、同期Pが見せたいものがあると言って鞄から資料を持ち出してきた。これが今日の本題のようだ。
    「これは……!」

  • 2二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 12:56:46

    「お前が篠澤さんの資料と一緒に捨てたロードマップだ。あの日ゴミ箱に入れているのを見て思わず回収していた。すまん」
    「なあ学P、いつまで燻ぶっているんだ?徹夜で語り合ったあの時のお前は間違いなく本音で本気だった。」
    「趣味は夢に劣るものではない。それは俺もそう思うさ。だけど趣味も夢も実現してこそプロデューサーだろ」
    「割り切ったというなら何故そんなに狼狽えるんだ?なんでそんな顔をするんだ」
    「お前は夢を捨てられてなんていない。ただ目を逸らして……逃げているだけだ!」

    覚悟はしたつもりだった。身を焦がすような情熱はあの日置いてきた。
    篠澤さんの隣で熱さを持たない同好として一緒に歩みたいと思った。
    けれどその残滓は残ってしまう。元々持っていなかったのと捨てたのではどうしても違う。
    そしてその熱量を叩き返されると……揺らいでしまう。

    「プロデューサー?」
    「!?」

  • 3二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 12:57:03

    言い合いに集中していて篠澤さんが来ていたことに気づかなかった。彼女に見せたくなかった自分を見られてしまった。

    「……!!」
    「待て、俺が呼んだわけではない。ただの偶然だ」

    瞬間的に同期Pに掴みかかってしまったが同期Pもこの状況は意図したものではなかったらしい。
    その拍子に資料が篠澤さんの足元まで飛んでいってしまった事もまた偶然だった。

    「これがプロデューサーの……」
    「やめ……」
    「そうだ。こいつの『夢』だ!」
    「……!」

    篠澤さんが拾い上げて軽く目を通してしまう。
    そして今まで見たことも無いような速度で走って我々の前から姿を消してしまった。

    安定も安泰もなくままならないが愛おしい日々、そんな日常が変わろうとしていた。

  • 4二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 13:00:02

    このスレ見てたんだが俺の中の篠澤は中々泣いてくれなかったので、泣いてもらうために広Pに泣いてもらうことにした。ひとまず形にできてうれしい。ふう。

    捨てられる夢じゃなくて|あにまん掲示板P「俺はトップアイドルのプロデュースをしたかったのに…」って所を篠澤が目撃する夢見て、翌日泣きつく篠澤を見たいんですよbbs.animanch.com

    以下は篠澤さんに泣いてもらうためのシチュエーションとか語ってくれると嬉しい。

  • 5二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 13:01:14

    続きはよ

  • 6二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 13:04:27

    >>4

    (続きを書くという)

  • 7二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 13:32:40

    広Pこじらせてるやつ多すぎる…
    で、続きは??

  • 8二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 13:36:52

    >>4

    突然書き終えたみたいな空気だしててマジで今この気持ち

  • 9二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 13:40:09

    おかしいな、俺の頭の中の広は見たこともないような速さで走り去ろうとして足が攣って倒れ込んだぞ

  • 10二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 13:47:14

    >>9

    奇遇だな

    俺も5秒後くらいに原作して計10秒で倒れて学Pに保護されてる菅田が見えた

  • 11124/10/13(日) 14:03:52

    よかった。お前の篠澤の理解は浅くて見当違いだって怒られないかとビクビクしてた。
    普段だったらズッコケて保健室行きなんだけど、すごい動揺していて普段の不安定さとマッチして逆に安定して走り去ったって思ってもらえれば。
    結局泣いているシーンまでたどり着いてないし、うまく形になったら続きを投げますわー。

  • 12二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 14:09:38

    外部の第三者から『お前はプロデューサーの夢を潰したんだ』って突きつけられるのは辛いわな

    イッチの観点はいいと思うし続きを待ってるで

    >>11

  • 13二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 17:38:02

    プロデューサーの事を信頼信用してるのは前提だけど、それはそれとして他の人の足を引っ張りたくないという気持ちがちゃんとあるので自分をプロデュースしてくれるちょっと変なプロデューサーならともかく、元々待ってた夢を知ってしまうと揺らいでしまうかも知れない。

    それはコミュでも現れてるけど、広といることは夢と同じくらいに価値あるものだと言ってくれたのでそこはもう乗り越えてると思う

    タイミングの問題じゃないかな

  • 14二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 21:03:05

    ——自分の手でトップアイドルを育てるのが、俺の夢なんです。

    わたしをプロデュースしてくれるのを趣味と言ってくれたあの日。
    最後の方は夕日が眩しくて、プロデューサーがどんな表情をしていたかわからなかった気がする。
    趣味として二人でままならない日々を楽しんでいけると思ってた。いや、思い上がってたのかもしれない。

    触れてしまった。プロデューサーがひた隠しにしていたかつての情熱を。
    見てしまった。いつもの苦悶の表情とは違う、焦燥し泣き出しそうな彼の顔を。

    思わずあの場から走り去ってしまった。こんなにも早く長く走れるなんて、私も冷静でいられてないのだろう。
    鼓動が早くなる。息が切れる。こんなにも心臓が痛むのは走ったからだけではなかった。

    どれくらい走っただろうか、わたしは校舎を飛び出して中庭のベンチに体を預けながら息を整えていた。
    冷静さを少し取り戻しすと、自分がプロデューサーの資料を握りしめていることに気が付いた。
    強く握りしめすぎて赤くなっている右手。自分の意志では緩めることができず左手で広げて書類を開放する。
    書類を持つと目を通さずにはいられない。昔の私とそこは変わっていなかった。

  • 15二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 21:03:38

    「……面白いプランだな。こっちはアイドルに無茶させすぎ。こんな企画前代未聞だよ」
    ページをめくるたびにプロデューサーの粗削りな勢いや情熱を感じた。これがプロデューサーの夢。
    それとは反対に私自身は寒気で震えあがってきていた。今までのわたし、これからのわたし、これに応えられない。

    わたしは過去の自分に執着は無かった。趣味としてアイドルへの道に進むことに抵抗は無かった。
    プロデューサーも同じだと思っていた。似た者同士なのかと思っていた。とんだ勘違いをしていた。
    以前の私だったら理解できなかった。でも今は知っている。先を越されたら悔しいということを。好きなことで心が燃えることを。

    とてつもない決断を彼に強いてしまっていた。幸せだった日々が反転し、罪悪感として襲い掛かってきた。
    彼の夢を叶えてほしい。けれどわたしの担当じゃそんな未来はやってこない。彼の足枷にはなりたくない。
    わたしの過去を使って有名アイドルになる?いやそれでは彼はきっと喜びはしない。
    ユニットを作る?別の子を同時プロデュース?……嫌。なんで嫌なの?優先順位を確認しなきゃ。

    思考が高速に頭を巡るが纏まる気配はない。ページをめくる手も止まらない。
    しだいに視界がぼやけてきた。そして最後のページを見たときについに決壊した。

    「担当をトップアイドルへ!!」

    わたしの趣味と彼の夢。本来交わることなかった二人の運命を絡めてしまったのはきっと私のせいだ。
    けれどこれからどうすべきかは結論が出ない。今はただ、この感情を涙として流すことしかできなかった。

  • 16二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 21:06:07

    やっと俺の中の篠澤を泣かせることに成功した!ふう。
    ゲーム中だと篠澤の内心描写って殆どないから「俺の篠澤と違う!」ってのは許してください。
    これから2人はどうなっちゃうんだろうね?誰か助けてあげてくれー!

  • 17二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 21:08:39

    >>16

    おかえり 続き読みたかったから助かる

  • 18二次元好きの匿名さん24/10/13(日) 23:40:38

    これは良質な泣き篠澤
    ここから救われる未来はないんですか

  • 19二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 02:00:08

    篠澤も学Pもこじらせてる。なんなら同期Pも学Pに対してこじらせてそうだw

  • 20二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 02:07:01

    体を鍛えろ広
    筋肉が全てを解決する

  • 21二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 02:50:28

    曇らせはその後晴らして完成だからね…わかるよね?

  • 22二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 09:33:07

    >>16

    続き

  • 23二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 11:28:36

    「……すまなかった。篠澤さんにあんなことを。俺も気が動転していたようだ」
    「いいさ。お前のそういうところに救われたこともあるしな。……迎えに行ってくる。俺の担当アイドルを」

    同期Pが悪いわけではない。これは隠し事をしていた俺への罰なのだろう。
    向き合わなければ。篠澤さんと。言わなければ。本心を包み隠さず。たとえ今の二人の関係が終わろうとも……!

    真っ先に保健室を覗いたが彼女はいなかった。レッスンルーム、教室、寮にも戻ってきていなかった。
    早く会いたい。今この時ばかりは無駄に広い敷地の学園を恨んでしまう。
    そうして中庭のベンチでうずくまっている篠澤さんを見つけた頃には、空は赤く染まり西日で目がくらむ夕方になっていた。

    「となり、いいですか?」
    そう聞くと背中を丸めてうなずいてくれたので腰を下ろす。篠澤さんも丸めていた背を伸ばし、私の肩によりかかってきた。

    「すみませんでした。取り乱した姿を見せてしまって」
    「ふふ。プロデューサーの珍しい表情を見られてよかった。それに謝るのはそこじゃない」
    「あなたの夢に触れてしまった。おかげでわたしは大火傷。こんなのを捨ててさも平然とした顔を見せて。ウソつき」
    「嘘はついていません。本当のことを全ては語らないのが交渉で優位につくためのテクニックです」
    「それ詐欺師の理論。ふふ。そういうプロデューサのことが……ス……」

    言い淀みながら篠澤さんは立ち上がった。数歩歩いてから私のほうに顔を向けた。
    ……ああ。俺のために悩み、葛藤し、考え抜いて、決断してくれたんだな。表情から彼女の気持ちが流れ込んでくる。

    「プロデューサー、契約解除しましょう」

    そう言った彼女の目元は溢れる涙で西日よりも眩しく、夕日よりも赤く染まっていた。

  • 24二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 11:35:33

    広Pはここで契約解除はしなさそうだよなぁ  あとしてほしくない…
    あとトップアイドルを目指してないわけでもないし なれなくても目指す そしてトップアイドルになっても安定しないけど…だろうし もっといちゃつけ

  • 25二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 12:06:20

    資料を涙で濡らしていると次第に感情に落ち着きを取り戻してきた。さて考えていこう。わたしの得意分野だ。

    プロデューサーの夢を知った。これはわたしの趣味と両立しない。私がトップアイドルになる……プロデューサーのためなら頑張りたい。
    けれど実現性はかなり低い。卒業までには確実に間に合わない。私が足を引っ張る。そうはなりたくない。
    他の子とのユニットや同時プロデュースは……嫌!できるならわたしが……!合理的な考えではない。
    この感情は何?彼が他の子をプロデュースすることを想像するだけで嫌悪感が走る。わたしだけを見てほしい。心が熱く燃える。

    そうか。好きなんだ。プロデューサーのことが。
    愛してしまったんだ。わたしはアイドルで、彼はプロデューサーなのに。
    わたしの趣味と彼の夢が両立しないように、アイドルとプロデューサーである限り成立してはいけない関係なのに。

    終わりにしなければ。二人の関係を。わたしが始めた物語。責任をもって終わらせよう。
    そう決意したとき、息を切らせながら近づいてくる足音が聞こえてきた。プロデューサーだ。

    最初はお互いに無難な会話から始めていった。普段のように意地悪な一面を見せてくれるプロデューサー。
    わたしも普段のように返答しようとしたけど最後まで言えなかった。もう「好き」とは言えなかった。

    勇気を出し立ち上がる。プロデューサーのと向き合う。足がすくむ。鼓動が早くなる。言わなければ。最後のセリフを。

    「プロデューサー、契約解除しましょう」

    あの日の夕方、プロデューサーの表情がわからなかったように、今の私の顔も夕焼けが隠してくれるといいな。

  • 26二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 12:11:35

    広の親愛度コミュ第5話が一番好きなので、それに重なる感じのシーンをかけて満足。ふう。
    あとは広Pのターンを書ければエンディングですね。頑張ります。

  • 27二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 15:27:43

    >>23

    >>25

    「そう言った彼女の目元は溢れる涙で西日よりも眩しく、夕日よりも赤く染まっていた。」

    「あの日の夕方、プロデューサーの表情がわからなかったように、今の私の顔も夕焼けが隠してくれるといいな。」

    この文章の対比…良い…

  • 28二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 17:38:53

  • 29二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 19:31:13

    「なぜ契約解除なのか理由を聞いても?」
    「わたしがあなたに学則で禁止されている感情を抱いていると自覚したから」
    「わたしの趣味とあなたの夢についての結論は出せていない。この感情が合理的な考えを邪魔するから」

    頷きながらプロデューサーも立ち上がって私と向き合うと、予想もしていなかったことを告白してきた。

    「篠澤さんは悪くありません。篠澤さんはむしろ被害者だ。学則を最初に破ったのは……私なのですから」
    「えっ?」
    「実はあなたをプロデュースするのを趣味と言いましたがあれも嘘なのです」
    「夢のためでもなく、趣味に付き合うでもなく、私は禁止されている感情のために篠澤さんのプロデューサーであり続けました」
    「最初は心配で予想外で目が離せなくて。あの日の夕方に篠澤さんを少し理解できたときに……になってしまいました」
    「最後まで隠し通すつもりでした。あなたに自覚させるつもりもありませんでした。失敗してしまった。プロデューサーとして未熟ですね」

    開いた口が塞がらない。彼はずっと演じ続けていたのだ。
    プロデューサーはとんでもない人だ。わたし以上に我儘でままならない人だ。

    「プロデューサーは……俳優になったらアカデミー賞取れるよ」
    「それは篠澤さんに託すことにしましょう。お互いの感情を隠し通しましょう。趣味を続けるために」
    「ふふ。無理難題を押し付けるのはわたしの役目なのに。そんなプロデューサーが、好き」
    「では篠澤さん、改めて……」

    愛おしい日々に終止符を。契約解除で終わらせよう。これまでの二人の関係を。
    これからのわたしたちは共演者であり共犯者。この感情を隠し通そう。
    この感情は夢にも趣味にも劣らない。歌って踊って、世界を騙す演技を続ける。
    それも刺激的で楽しい、よ。

    「再契約、改めてよろしくお願いします」
    「再契約、改めてよろしくね。プロデューサー」

    ♪Campus mode!!♪

  • 30二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 19:37:30

    最初は本当に >>3 で終わりのつもりだったけど俺の中で「Campus mode!!」が流れるところまでかけて満足。ふう。

    ここまでこれたのはレスや♡をもらえたおかげです。。お付き合いいただきありがとうございました!

    また篠澤を泣かせたくなるか、他のアイドルも含めて何かさせたいと思ったときにお邪魔するかもです。


    以下は篠澤さんに泣いてもらうためのシチュエーションとか、他のアイドルを泣かせるなら?とかを語っていただければ。

  • 31二次元好きの匿名さん24/10/14(月) 20:50:26

    これは別の意味で本契約しちゃいましたね

  • 32二次元好きの匿名さん24/10/15(火) 00:35:51

    凄いいちゃいちゃしてた これすらダシにしてイチャイチャしてくれると信じてた
    将来の約束までするなんてキャー!

スレッドは10/15 12:35頃に落ちます

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