- 1二次元好きの匿名さん22/02/25(金) 21:08:59
- 2二次元好きの匿名さん22/02/25(金) 21:09:56
wktk
- 3二次元好きの匿名さん22/02/25(金) 21:10:47
そんなオペラあるのか…
- 4二次元好きの匿名さん22/02/25(金) 21:13:04
うーん、今回ぐだらないようにパソコンに文章を作っていたんだが、そっちから表示されないな…
ちょっと待ってね(ゴソゴソ) - 5ぐだぐだオペラオー22/02/25(金) 21:14:50
よしいけた!
ではオペラオーのオペラミニ講座開幕だよ!
【タンホイザーの概要】
タンホイザーはワーグナーが作曲したオペラだよ!全3幕、ざっくりと70分、70分、50分で、間には休憩があるよ!オペラとしては少し長めの部類だと思うけどワーグナーにしては短い方だ。
でも夕方から始めてもすっかり夜になる時間だねえ!お芝居は昼に行われる「マチネ公演」、夕方に行われる「ソワレ公演」があるけど、うっかりソワレのチケットでも買ったら門限を破ってしまうね!フジキセキ先輩に叱られてしまうよ!
オペラ全般に言えることだけれど、休憩時間に軽食をとることは可能とはいえ、ソワレ公演は上演前に軽く何か食べることをおすすめするよ!
作曲家のワーグナーは『歌劇王』つまり『オペラ王』じゃないか!思わず親近感を覚えてしまうボク!
ただちょっとばかりその、素晴らしい作曲家なんだけど、人間としては手放しに誉めづらいてんもあるね!まあ余裕があったら語るとしよう。
そしてこのお話は『タンホイザー伝説』と『ヴァルトブルクの歌合戦』という二つの伝説が元ネタになっているよ!どちらもエイシンフラッシュさんの故郷、ドイツの伝説さ! - 6ぐだぐだオペラオー22/02/25(金) 21:15:45
【タンホイザーの登場人物】
先ほどいったようにタンホイザーは二つのドイツの伝説をもとにドイツ人のワーグナーが作った、ドイツ語で書かれた、ドイツが舞台の、ドイツ度100%オペラさ!
登場人物はたぐいまれなる吟遊詩人と騎士を兼業するタンホイザー!男性だ。オペラ歌手とウマ娘を兼ねる僕のようだね!とはいえ後述するけど彼はちょっとばかりお行儀がいい人間じゃないんだ。
次にタンホイザーの婚約者、エリーザベト姫!女性!婚約者といいつつふたりは清らかなお付き合いだよ!バリバリにクリスチャンだからね!そしてタンホイザーが仕える領主様のお嬢様でもある!うん、クリスチャンでなくてもナンパ感覚で手を出せるわけがないね!
そしてタンホイザーの親友で同じく騎士のヴォルフラム、男性!彼も実はエリーザベトが好きなんだ。でも先に行っておこう、清らかな騎士様がNTRとかそういうことはしないんだ!あにまん民にはがっかりされそうだけど、このオペラにはNTRなんて出番はないんだ!NTRとつくのはトプロ君で十分さ、いいね? - 7二次元好きの匿名さん22/02/25(金) 21:15:58
エリザーベトトレーナーか…」
- 8二次元好きの匿名さん22/02/25(金) 21:17:36
マチネ公演がマチカネ公演に見えた
- 9ぐだぐだオペラオー22/02/25(金) 21:18:08
【タンホイザーのあらすじ・第一幕】
ここからは三幕構成のそれぞれで紹介しよう!
そもそもの最初から話すと、このお話は「もう十分に有名すぎるほど有名な吟遊詩人タンホイザーが、エリーザベトと未来の愛を誓ったにもかかわらず、愛と肉欲の国『ヴェーヌスブルグ』で愛欲に溺れ爛れた生活をしている」というところで始まるよ!いきなりあらすじいろいろすっとばしてるね!
これは「もうタンホイザーのモテモテ周遊生活についてみんな知ってるでしょ、とばしていいよね」精神に基づいているんだ!オペラでは真の完全オリジナルものはとても珍しく、だいたいはなにか元ネタがあってそれを知っていることを前提に書かれているんだ、うーんこの初心者に優しくない感じ!よくないねえ
脱線したから戻ろう。この『ヴェーヌスブルグ』はヴェーヌス(愛の女神ビーナス)+ベルグ(国)、つまりギリシャ神ビーナスの国、というわけだ!いくらギリシャが知識人のフリー素材とはいえこの扱いにちょっと同情するボク!
とにかくそこでさんざん爛れた生活を送っていたタンホイザーはある日突然婚約者のことを思い出すんだ!そして堅苦しいが清く正しいキリスト教の国に戻る、と宣言するんだ。そしてヴィーナスと別れ話からの大喧嘩を経て、とうとうヴィーナスの国を飛び出すよ!
ヴェーヌスブルクを飛び出したかと思ったらなぜか現世の田舎町にいたタンホイザー。どうやら神隠し的な世界観なんだ。賢者モードになったタンホイザーが教会の鐘の音に祈りをささげていると、たまたま領主様と親友のヴルフラムご一行が通りかかって発見されるんだ。
特に領主様は自分の娘も仕事も放置して突然消えていたタンホイザーの良く思っていないから(そりゃそうだ!)、色々ヤイヤイいわれるけど、きれいなジャイアン状態のタンホイザーと、ヴォルフラム君の熱い友情トレーニングで、彼は許され、恋人のまつ故郷、ヴァルトブルグ城に戻るよ!ここで第一幕、完! - 10ぐだぐだオペラオー22/02/25(金) 21:19:47
【タンホイザーのあらすじ 第二幕】
第二幕はヴァルトブルグが舞台だよ!
戻ってきたタンホイザーはヴァルトブルグ城でエリザーベト姫と再会、喜びの歌をデュエットするよ!清らかな関係なんだからデュエットくらいしかすることないからね!
そして実らない失恋の痛みをそっと胸の奥に押し込んで親友と好きな人を祝福するヴォルフラム君!ちょっといい男すぎじゃないかな?!安心してくれ、彼は最初から終わりまでイケメンたっぷりなんだ!
そしてその場で『ヴァルトブルグの歌合戦』が始まる。
これは元ネタの方だと負けた方が死ぬという恐ろしい伝説なんだ…
ただこのお芝居の中では「勝ったらエリザーベト姫から素敵なご褒美がもらえる大会」になっているよ。
テーマは「愛」。ヴォルフラム含め、みんなおおはりきりさ!
ただ、誰もかれもが、キリスト教的規範にそった清く正しいことしか言わない。ここで先ほどまで愛欲の国ヴェヌスベルグでビーナス様と(放送禁止)(上映禁止)していたタンホイザーがだんだんイライラしてくるんだ。
で、やめときゃいいのに…言っちゃうんだよね、自分がヴェヌスベルグに行ってたことを。
もう「悪魔のサバトに行ってました」と告白するも同然!あんなけがわらしいところにいってたのか!えっちなことしたんですね!とみんな騒然となり、領主はタンホイザーを追放すると決定するよ。
ただエリザーベト姫はタンホイザーがたとええっちなところでえっちなことをしていても、魂は清らかだから、とかばう。そうして彼は名誉回復のためにキリスト教の総本山、ローマに向かうことになるよ!
まあ負けたタンホイザー、こうやってみると社会的には死んだも同然なので、やはりヴァルトブルグの歌合戦は敗北=死の恐ろしい戦いと言ってもいいだろう! - 11ぐだぐだオペラオー22/02/25(金) 21:22:04
【タンホイザーのあらすじ・第三幕】
第三幕はタンホイザーの去ったヴァルトブルグが舞台だ。
主人公のタンホイザーを描くかと思いきやそうならないところが面白いところかもしれないね!
「ローマ法王に許されない限り永久追放」と言われたタンホイザーは一向に帰ってくる気配がない。
そしてエリザーベト姫はとんでもないことを言い出す。なんと「清らかな自分が死ぬことで彼の罪をあがなう」とか言い出すんだ!恋は盲目とはいえ一途すぎないか、君?!女神相手とは言え浮気されてたんだぞ?!
見るに見かねたヴォルフラム君、こっそり彼女に会いに行って、なんとか思いとどまらないか説得を試みる。
が、恋する乙女が好きでもない男性の言葉に耳を傾けることはなく、そして無理やり婦女子をさらうようなことをしない彼は、失意の歌を歌ってその場を去る。なんて悲しいんだ…
と、そこへ現れるぼろぼろのタンホイザー。ローマ法王には許してもらえず「この木製の杖がまた芽吹くような奇跡が起きない限り無理です!」とガッツリお断りされたそうだ。やぶれかぶれになって「もうどうでもいい、やっぱりビーナスとよりを戻してずっと桃源郷でイチャイチャして暮らすわ、じゃあな親友」と言い出すしまつ。
「いやお前ちょっと待てエリザーベトはお前が好きなんだぞ!」と慌てて親友を止めるヴォルフラム君、呼ばれて大喜びで出てくるビーナス様。
と、そこへエリザーベトの棺が運ばれてくる…本当に彼女、タンホイザーのために自分の命を絶ったんだ…
空気を読んで消えるビーナス様。棺にすがって泣くタンホイザー。そしてそのままタンホイザーも息絶える。
そしてまさにその場に「法王の杖に葉っぱが出てきました!奇跡が起きたので許します!」という知らせが届き、神様に許されて昇天したんだなあ、で終わるんだ - 12二次元好きの匿名さん22/02/25(金) 21:25:26
やっぱオペラってふざけた脚本多くない?
- 13二次元好きの匿名さん22/02/25(金) 21:26:40
姫かわいそう
愛する男と自分が神に許されたからいいのか? - 14ぐだぐだオペラオー22/02/25(金) 21:28:22
【タンホイザーの見どころ】
二幕でタンホイザーが帰ってきて大喜びするエリーザベトのアリアや、三幕でエリーザベトの説得に失敗してヴォルフラムくんが歌う悲しみの歌が有名だよ!
特にヴォルフラム君の嘆きの歌「夕星の歌」(原題O du, mein holder Abendstern)は指折りの名曲とされるよ!
Bryn Terfel: “O du, mein holder Abendstern”
これはメトロポリタン歌劇場(通称MET)が公開しているものだ!どうぞ再生したまえ!ついでにブクマとチャンネル登録もするといいよ!
ちなみにMETはなんとオペラのライビュもしているんだ!
あと、「全曲聞かせて頂戴!」という気合と根性のあるオペラファンはいるかい?!
こちらは有志のオペラファンたちがフリー化した音源に全部字幕をつけたやつなんだ!すごい労力だよ!
- 15ぐだぐだオペラオー22/02/25(金) 21:32:07
まとめて書いていたのはここまでなんだ
あとはコメ返しでもしながらのんびりするとしよう!
あと、実は昨日まですれを立ててグダグダしていたりもしたんだ
私とオペラを楽しみたい方、いらっしゃいませんかぁ~?|あにまん掲示板オペラオーさんに感化されてオペラをたしなみ始めたものです~ヅカは子供から、ヅカ以外の舞台は10年くらい嗜んでますが、オペラはまだ5年くらいの新参ものです~僭越ながら初心者なりのオペラ入門ポイントをまと…bbs.animanch.comよかったらみんな、オペラも、あるいはミュージカルでもいいんだ、少し興味を持ってくれると嬉しいね!
とりあえず少なくても意外と興味持ってくれる人はいるので、マイペースながらも布教は続けるつもりだよ!
継続は力だからね!
- 16二次元好きの匿名さん22/02/25(金) 21:33:00
フリー素材化の影響でやたらゼウスが浮気するギリシャ神話くんの悲しい現在…
ワーグナーといえばニーベルングの指環は聞いたことある人も多いんじゃないかなあ - 17二次元好きの匿名さん22/02/25(金) 21:36:51
- 18ぐだぐだオペラオー22/02/25(金) 21:37:13
- 19二次元好きの匿名さん22/02/25(金) 21:41:43
ぱんぱか"ティルトット"の意味がハンガリー語?で禁断なのはここから来てたのか・・・
禁断の堕落愛欲・・・ - 20ぐだぐだオペラオー22/02/25(金) 21:43:45
ふざけてないよ!みんな大まじめだよ!
…いやそうでもないかも…「色ボケ美魔女おばさんが若いカップルの男の方に横恋慕して略奪愛しようとしたら実は昔生み捨てた息子だった」でオチ付けたりとかね…あと浮気男を懲らしめるために調子乗りの若いお兄ちゃんをおだてて女装させて襲わせようとしたりね…どっちもモーツァルトって人が書いた脚本なんだけど…
まあ姫は自分で言い出したとしたのと、あととにかくこれはキリスト教的な価値観がめちゃくちゃ前面に出てる作品だからね
「自己犠牲は美しいです」「魂の救済が真の救いです」という教会的な価値観だね
アンデルセンの人魚姫も、長生きしていずれ海の泡で果てるのではなく、その場で魂が天国に迎えいられられるから救済です、という理屈さ
まあ実際になっとくするから別なんだけど
あとエリザーベト姫も、ヴェヌスベルグどうこう言い出す前は「肉欲あっての愛だよ」と主張するタンホイザーに『そうよそうよ私のことを押し倒して♡』と内心意外とノリノリだったりするよ
キャラぶれてないかい?!
- 21二次元好きの匿名さん22/02/25(金) 21:50:27
- 22ぐだぐだオペラオー22/02/25(金) 21:57:35
- 23二次元好きの匿名さん22/02/26(土) 06:40:21
浮気相手が「神」だったのだから、教皇が許すとか神が許すとか、そういう次元の話なのかとモヤモヤする
特に神!別の神が問題起こしたんだからそこ考慮してくれない?
宗教が違うからダメですか?そうですか - 24二次元好きの匿名さん22/02/26(土) 06:53:40
面白かった。タイトルは聞いたことがあるけどお話は知らなかったからとても興味深かった
またこういうの聞いてみたいな。楽しい - 25ぐだぐだオペラオー22/02/26(土) 09:22:21
キリスト教圏の作品だとわりとよくある話なんだけど、他宗教の神=悪魔、他教徒=悪魔崇拝の邪教徒、滅ぼされていい奴で、ガッツリdisるのはよくあるんだ
有名なのだと悪魔「ベルゼブブ」も元々別の宗教の神様だよ
今回は自分がちょっと面白おかしく書いちゃったのもあるけど、浮気相手云々が問題って訳ではないんだ
「気高い騎士であるべきなのに悪魔崇拝してたこと」が問題になって罰せられたわけであり、実質的に永久追放なんだ
そしてどうせ出来るわけがない難題として「キリスト教のボスの教皇に許してもらってこい」と吹っ掛けられたんだ
教皇はどっちかというと一方的に巻き込まれてお疲れ様案件だね
よそをdisる文化は特に一神教のキリスト教だと目立つから嫌われるけど実は人類共通でもある
例えばギリシャ神話でも征服した国の神様は「一応」加えるけど、ことあるごとにdisったり(アポロンとアルテミスも元々他教出身だからぐう畜エピソードが多めだね)、日本だってイザナギイザナミ由来の神しかいないはずの古事記で征服される側の神はそういうことさ
奥ゆかしくありたいものだねえ
- 26ぐだぐだオペラオー22/02/26(土) 09:30:11
それは良かった!
オペラはちょっとお堅い印象だけど、結局はエンタメだよ!
だいたい百年単位の時間がたっても大切に残されているものは、面白いから愛されてきた作品だと思うんだ!
特にワーグナーは少し癖があって取っつきにくいけど、はまる人はどっぷりいくんだ
ワーグナーの熱心なファンはワグネリアンと言われるよ!ジロリアンみたいだね!でも実際特定の人にはラーメン次郎級の中毒性があるようだよ!
また機会があったら語りたいものだねえ!
- 27二次元好きの匿名さん22/02/26(土) 13:34:11
ギリシャ神話世界で恋をしたり、悪魔に魂を売った主人公が最期に愛した女性の祈りによって救われる展開はゲーテの『ファウスト』に似ているかもしれませんね。近世ヨーロッパに共通する価値観・宗教的背景が見える一面です
ワーグナーと言えば今回の新シナリオのイベントの中で「トリスタンとイゾルデ」ネタがあったような。
オペラオーさんさえよろしければ是非、お話聞いてみたいです。
- 28二次元好きの匿名さん22/02/26(土) 16:07:56
- 29二次元好きの匿名さん22/02/26(土) 16:35:58
オペラオーちゃんじゃなくてすみません!野生ナリタトップロードです!
お嬢様ターボさんですか…素敵ですね!なんかこう、…バレエっていいですよね、すごく!
そんなターボさんにはオーベール作曲の「ポルティチの唖娘」を紹介しましょう!
この作品は19世紀フランスオペラの特色である「グランド・オペラ」の一つです。東北の英雄のお父さんみたいな名前ですね。
グランドオペラとは、4〜5幕仕立てで、まとまったバレエシーンを含むオペラのことです。ん?オペラなのにバレエシーンと?と思うかもしれませんが、それについてはオペラとバレエのルーツについて説明する必要がありますね。
前提として、そもそもバレエとオペラは同じものだったんです。ルネサンス期、イタリアからフランスへとオペラとバレエのルーツとなる音楽劇が輸入されてから150年間、バレエ、オペラの間に区別はなく、「舞踊と歌唱入り音楽劇」だったわけです。
1700年代後半になってようやくバレエが音楽劇から独立し、歌唱なしの音楽劇が誕生するのですが、その後もオペラの中からバレエシーンが消えることはありませんでした。これが、先ほど話した「グランド・オペラ」につながるわけです!
話を戻しますね!そもそもこの作品、日本ではあまり人気が出なかったそうで…欧州各地では大ヒットだったそうですが。ちょっと内容について詳しく話し出すとキリがないのでザッと説明しますと、1647年にナポリで起きたスペイン総督府への反乱がテーマになっています。作品のヒロイン、フェネッラは、タイトルの通り喋ることができない娘で、一切セリフなし!非常に演技力を求められる重要な役柄なので、バレエ部門の主役級ダンサーが務めることになっています。
ちなみにこの作品、1848年にはブリュッセルの王立劇場での上演がきっかけで市民革命が起きたという、
歴史的にいわくつきの作品でもあるんですね。…すごいですね、なんかこう…ただ芸術〜って感じじゃなくて、こう…すごいですね!
- 30二次元好きの匿名さん22/02/26(土) 20:02:04
ゼンノロブロイ先輩!おおいに礼を尽くさせていただこうじゃないか!
騎士トリスタンの名前は特にいろいろな作品で出てくるからいずれ紹介したいと思っていたところさ!
ただ新シナリオがめちゃくちゃ時間かかる上に四苦八苦しているので少し時間をもらえないかい!
バレリーナターボくんじゃないか!また会えてうれしいよ!
次のトプロ君のレスを兼ねてグランオペラについて少し話すからよかったら聞いて行ってくれないかい
やあやあトップロード君!いよいよ実装だねえ、実にインスタ映えしそうな美しい瞳にみんなすでにメロメロだよ!
それでは君の紹介してくれた「グランドオペラ」について、僕からも少しお話ししようと思う
細かな定義などはそれこそ有識者の書籍なりウィキなりに譲るけれども、だいたいは「パリのオペラ座で1800年代前半に大流行したオペラの形式」だよ
時代としてはフランス革命直後のまだまだ世情が落ち着いたとはいいがたい時代
歴史的にはレ・ミゼラブルで描かれたバスティーユ襲撃が1789年、ルイ16世とみんな大好きマリーアントワネットが断頭台に散ったのが1793年、ナポレオンがフランス皇帝になったのが1804年さ
王家が不在のこの時期に一番お金を持っていたのはだれか?そう、富裕層、いわゆるブルジョワジーさ!
とにかく派手な舞台!豪奢な衣装!動く!光る!最新鋭のスペクタクルな舞台装置!とにかくたくさんのコーラス隊!
だいたいそういう感じ!
基本的に不労所得で優雅な暮らしをしていた王侯貴族と違って、成金ブルジョワジーはちゃんと昼は仕事をして夜に娯楽として楽しむよ!あと以前の貴族たちほどの教養の積み重ねはちょっと厳しいかな?
そんなわけで功罪入り乱れる感じのこのグランドオペラだけれど、「要は難しいこと言わずそれなりに短い時間で派手に楽しませてくれるもの」が好まれたんだ
で、とりわけ喜ばれたのは、若くてかわいい踊り子たちによるダンス、すなわちバレエさ!
- 31二次元好きの匿名さん22/02/26(土) 20:09:33
確かワーグナーおじさんの人間性はニーチェおじさんが「ありゃ病気だわ」というレベルだっけ?
- 32二次元好きの匿名さん22/02/26(土) 20:11:31
で、実はタンホイザーもパリのオペラ座で「グランドオペラ」として上演されたものの大ブーイングで上演3回で中止になるという珍事件が起きているんだ
それこそワーグナーが想定したタンホイザーはドイツらしい質実剛健さでバレエの出番なんてなかったんだけど、パリのオペラ座からは「ダンスのないオペラだなんてうちでは受け入れられませんよ」と言われてしまったんだ
で、ワーグナー氏は渋々バレエを入れた…第一幕に。
しかし、実はパリのブルジョワジーはワーグナーの想定以上にオペラを「不真面目に」楽しんでてね…
ぶっちゃけお芝居として真面目になんて見てなくて、仕事が終わった後みんなでご飯を食べてお酒を飲んで盛り上がった後、途中からどやどやとオペラ座に押しかけて、バレエと派手なクライマックスのスペクタクルショーだけみて満足する…そういう人が少なくなかったんだ
だからバレエは第二幕か第三幕で入れるのがローカルルールになっていたんだ
前述のとおり、ワーグナーのタンホイザーは時間は長めのオペラ、当然少し早い目に始まって遅めに終わる。
いつもの感覚で途中入室してきたブルジョワの皆さんからしたら、いきなりドイツ人が延々長い作品持ってくるわ、いつまでたってもバレエやらないと思ったらもう終わってるといわれるわで、大激怒!
初演からヤジが飛びまくり、2回目3回目はモノを投げるわ持ち込んだラッパ吹き鳴らして妨害するわの無法地帯になって、とうとう公演は中止されたよ…
グランドオペラ自体も、最初はよかったけれどとにかくお金がかかりすぎて元が取りにくかったり、「本来の芝居としてのオペラをもっと頑張って、作品を見てもらうんだ!」というクリエイターの維持と努力で他のグランドオペラ以外が盛り返してきてそっちに流れたり、そんなこんなですたれていったけど、でも、働いている人のために上演時間を配慮したり、あとやはり、ちょっと不純な動機でも「オペラを楽しむ人」を増やしてすそ野を確実に広げたこととか、悪いことばかりでもなかったと思うんだ
それに映画の応援上演のようにみんなわーキャー盛り上がりながら見てたらしいから、少なくとも「堅苦しいから…」と敬遠されることはなかっただろうしね!
「最終的には溶岩が流れた」という当時のグランドオペラ、僕も当時のパリ市民なら見てみたかったよ!
- 33二次元好きの匿名さん22/02/26(土) 20:20:39
うん・・・まあ病気扱いされても文句は言えないかな・・・
唯我独尊、俺様ナンバーワン、ドイツイズナンバーワンに加えて、石川啄木が真人間に見えるレベルの金銭感覚のぶっ壊れ具合といったら伝わるかな・・・
あと上述の「トリスタンとイゾルデ」では並行して自分もダブル不倫をして家庭を壊したりしているよ・・・再婚はしているけど
とはいえ「俺より優れた音楽家はベートーベンだけだ!」といいつつ大好きなリストに関しては大好きさと尊敬を隠し切れなかったり、無関係で見てるだけなら憎めないおじさんという面もあるよ
- 34二次元好きの匿名さん22/02/27(日) 00:15:21
短くまとめると『モテモテ陽キャが公の場で下ネタぶっちゃけたら社会的に死んだ!名誉回復しようとしたけど無理だったので肉体的に死んだ!でも神には許された!』という題材を宗教という調味料で味付けした歌劇か
こんな内容を作品に昇華しちゃうワーグナーがすごいと言うべきか - 35二次元好きの匿名さん22/02/27(日) 10:36:16