- 1◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/17(木) 19:26:07
- 2◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/17(木) 19:29:24
- 3二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 19:32:09
会計係の予算編成大変やろなぁ...
- 4◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/17(木) 19:33:45
このスレでは、リアちゃんたちが頑張った結果、エデン条約襲撃直前でベアトリーチェの策が悉く潰され、ベアトリーチェの打倒にアリウスの兵力も加わった結果、アリウスがトリニティに併合され、アリウス分派として生活しています。
また、戦力の増大の著しいトリニティへの牽制でSRTが一応存続しています。
そろそろミレニアムの予算が大変なことになってきました。 - 5◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/17(木) 19:42:00
早瀬リア
当時のアリウス唯一にして事務能力(100)をほこる事務員だった。
現在はパテル分派所属。次席事務官兼首長補佐官。
ミカ様大好きな忠臣。早瀬ユウカとは他人。
仲裁と交渉担当だが圧政の気配を感じるとミカに止められることもしばしば。
「………………」タカタカタカタカカカカカカ……
『各協力校への丁寧なお礼メール』
『パテル分派事務室宛のお休み下さいメール』
『部下宛の引き継ぎ書類メール』
『連邦生徒会宛の予算寄越せやメール』 - 6◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/17(木) 19:53:46
準レギュラーキャラ
血祭キョウカ
トリニティの1年生
アリウス分校出身のくそつよわんこ系後輩。ツルギを師と仰ぐ。
「…むにゃ……もう食べられないッス……」
雨宮ミスズ
リアのアリウス分校内戦時代からの同期で当時の隊長。リジェネ付与の神秘を有する。最近影が薄い。
「正実の救護班とも打ち合わせしといたほうがいいわよね……ツルギ委員長には治療はそこまで必要無さそうだけど………」
八百万マイ
リアのアリウス分校内戦時代からの同期。工兵隊の指揮をとる。
ヒフミと友達。ペロロもいいけどウェーブキャットも好き。
「ほう、なかなかいい腕だな!だが省略動作はいかんぞ!安全が第一!無事故で終えてこそだ!」
「ん……わかった!流石レッドウィンター工務部、意識が高い…!」 - 7◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/17(木) 19:59:19
早瀬ユウミ
リアの妹。リアより大きい。
リア並みの事務能力とそれなりの電子戦の知識を有する。戦闘力は他のアリウス生に比べると低い。
実はインフラ系はユウミのほうができる。
「ミチル様!?リアがやばそうです!事が終わったら連邦生徒会に突撃していきそうです!?」
矢向ミチル
パテル分派の首席事務官。
仕事人間で淡々と仕事を進めることと他校との調整に定評がある優秀な事務官。ミカに懐いているリアにミカの相手はほぼ投げている。
「………事が終わって何も返答がなければ参加校全員で連邦生徒会に抗議デモでもしましょうか…?レッドウィンターも居ますし………」 - 8二次元好きの匿名さん24/10/17(木) 20:07:58
ksk
- 9◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/17(木) 20:08:32
「「………思ったより安いですね………」」
追加の予算と聞いて険しい顔をしたリアとユウカの事務官早瀬組だったが、渡された書類に記載されていたのは品名こそあまり馴染みのないものだが、一般的な部活の備品購入費用と大差ない程度のものだった。
「当然よ、この期に及んでうちの予算を無駄になんて使えないもの………それにエンジニア部から提出された資料でそこまで大がかりな改修が必要ではないと分かっているもの」
「まあ………それなら………」
「問題ありませんね………」
目の死んでいた事務官組の瞳に少しだけ光が戻った。 - 10◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/17(木) 20:18:04
「さて、それじゃあやっていきましょうか………」
事務官組からのゴーサインが出てから、リオは早速アリスを呼び出してレールガンの改修に着手していた。
「ところで………なぜあなた達もここに居るのかしら?わたしはアリスしか呼んでないのだけど?」
アリスだけでなく、ゲーム開発部全員がリオの工房に集まっていた。
「「「アリス(ちゃん)が勝手なことしたから監視(してるんです)」」」
「なるほど、いい心がけね……邪魔をしないなら居てくれて構わないわ」 - 11二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 06:30:17
保守
- 12◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/18(金) 10:08:06
「さて……早速だけど、アリスの性能を確かめさせてくれるかしら?」
リオがそう言うと、部屋の奥からトキが大量の重りを台車に載せて運んできた。後ろにはAMASが数台続いてきていた。
「まずはどれだけの加重に耐えられるかの試験よ…………資料には推定200kgは耐えられるとあったけど、どこまで耐えられるかかしら?それによって出力を調整させて貰うわ」
リオが説明している間にトキがテキパキとバーベルに200kg分の重りをセットして差し出した。
「いきます……はっ!」
一先ず200kgは軽く上がった、
「報告通りね………では、ここから10kgずつ増やしていくわ、そうね……どうせ居るならあなた達には重りの交換を任せようかしら?」
そう言ってリオ会長はモモイ達を見た。 - 13二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 16:27:41
お手伝いだ
- 14◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/18(金) 19:31:18
「うん………しょっ!(ガシャン!)……ふぅ……これで350kgもクリアです!モモイ!次をお願いします!」
わがままで迷惑をかけたとは言え、久しぶりにまともに活動している実感を得たアリスは、次々と更新される重量を挙げていった。
しかし………
「う、うおぉ……!?ぷるぷるする!?わたしの腕がぷるぷるしてるよ!?」
2人で1つの重りを交換していたミドリとユズはましだったが、張り切って一人でやると宣言したモモイは、交換する重りを持ち上げ続けた結果、普段さほど運動していないこともあり腕がぷるぷると悲鳴をあげていた。
「えっと………アリスはまだまだいけそうですので2、30kgまとめて増やしてもいいですよ?」
「それもっと早くいってよぉ!」
おずおずと言ったアリスにモモイは半泣きになりながら叫んだ。 - 15二次元好きの匿名さん24/10/18(金) 19:48:50
モモイ、ドンマイだ
ついでだし、プロテイン飲むかい? - 16◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/19(土) 06:53:34
「………もういいわ、これなら細かい調整は必要無さそうね」
モモイの腕がぷるぷるいいはじめた後もアリスはバーベルを上げ続けたが、リオ会長の一言で測定は終了となった。
「おぉぉぉ………」「うでがぷるぷるする……」
終わる頃にはモモイだけでなくミドリとユズも腕をぷるぷるいわせていた。
シュバババッッッ!
一度休憩を挟むということで廊下に出たモモイ達に近づく影が1つ。
「おや?おやおやおや?!筋肉痛ですか?筋肉痛なら是非とも此方を!」
テンション高く飲み物を差し出すメガネの生徒!
「傷ついた筋肉の修復に必要なのは何か?そうです!プロテインですね!我々自販機研究会は、消費者(被験者)の皆様に必要なものを手軽にお届けするのがモットーですから!はい!」
くたびれている目の前でテンション高く捲し立てる部長に、モモイはジトっとした目を向けた。 - 17二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 11:51:04
もう売れたら何でもいいってなってて草
- 18二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 14:34:39
ドンキかどこかにプロテインの自販機が出来たんだっけ?
- 19◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/19(土) 19:59:36
「部長さぁ……もう売れればなんでもいいやとか思ってない?」
じとっとした目を向けて言ったモモイに、部長はやれやれと首を振った。
「やれやれ、モモイさんはわかっていませんねぇ……顧客が欲しているものがわかってないから作るゲームもプレイヤーを置いてきぼりにするんですよ」
「それは言っちゃダメでしょうがぁー!?」
モモイは憤慨した。アリスは止めに入った。
「いいですか?度々研究室でくたばる事も多いわれわれミレニアム生も一応花の女学生……どうせなら綺麗でありたいというのは当然の思いです。しかし我々ミレニアム生は食生活も生活リズムも不規則になりがち……それではお肌にもよろしくありません!」
「部長もそっち側だよね」
モモイが何か言っているが部長は無視した。
「そこでプロテインです!」
「えー……でもムキムキになるのはちょっと……」
「………………」ムニィ……
部長はモモイの腹を摘まんだ。少しむにっとしていた。
「はっ……これがバキバキに仕上がるには相当やり込みが必要でしょうね……心配しなくても多少の運動でバキバキに仕上がることなんてありません!それに、たんぱく質が作るのは筋肉だけではありません!髪もお肌もたんぱく質が大切なのです!」 - 20◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/19(土) 20:26:33
「そしてですね!みなさんダイエットに勤しむ方もいらっしゃると思いますが………どちらの体型を目指しますか?」
そこで部長は2枚の写真を取り出した。
1枚はアリウス分派首長錠前サオリ、もう1枚はこれまたアリウス分派構成員槌永ヒヨリ。
「ほっそりお腹のメリハリボディですか?それともちょっぴりむにっとゆるふわボディですか?」
これについてどちらが魅力的か喧々諤々の論争が巻き起こったりそもそもジャンルが違うという意見も有るだろうが………
「いや、そりゃメリハリのある体は憧れるけどさぁ………」
一般論として括れたお腹には憧れる。
「はい、そうですよね?ではサオリさんの写真は残して別の比較対照を………」
そう言ってヒヨリの写真を引っ込めてリアの写真を取り出した。服の上からでもわかるフラットボディである。
「さて、ダイエットをする際体重を気にするとは思いますが……ガリガリをお望みですか?」
「いやぁ……それもちょっと……」
腹を摘ままれて憤慨するモモイを押さえつつミドリが答えた。
「そうですよね?つまりです!求めているのは体重を軽くすることではなくきれいに引き締めることなのです!聞かれなきゃわからない体重より見て分かるボディライン!それを作る骨格筋の素となるプロテインこそわれわれ女子には必要!そして自販機なら手軽に供給できる!われわれ自販機研究会がプロテインを売るのはしごくまともで合理的なのです!」 - 21二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 20:35:04
サオリさーん、リアとヒヨリ呼んできてー!
さっきの発言録音したボイスレコーダー渡しとくねー - 22二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 20:52:41
本作戦のトリニティ側の財布締めてるやつと最大勢力のリーダーを同時に敵に回したぞコイツ……
- 23二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 23:56:46
とはいえ、引き締まったボディーラインは普通に憧れるのよな
お腹はシックスパックとまではいかなくとも、さ - 24二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 01:30:13
この部長、作戦の根幹である食を握ってるから好き勝手できるのわかっててやってるだろ……手強すぎる……
- 25◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/20(日) 09:39:50
「ふむふむ………確かにバランスと効率のよい栄養の摂取は大切ですね……ミネ団長の教えにも反してはいません」
ゲーム開発部に演説をぶち上げていた部長の後方斜め下からそんな声が聞こえて、部長はピシリと固まった。
「ふむふむ……プロテインは美味しくないと聞いていましたが……なかなか飲みやすいですね」
ギギギ……とブリキのおもちゃのような動きで後ろを向くと、置いてあったプロテインを試飲している、写真より多少肉付きの良くなった早瀬リアが居た。
「ふむ……食に困らなくなったのはいいが、食べすぎるのもコンディションに影響するな……ヒヨリにはそれとなく言って訓練を増やすか……」
密かにプロテインの販促モデルに起用しようと狙っていた錠前サオリもいた。
「oh……」
「ふむふむ……ミカ様が気に入っているようですし、トリニティに自販機を導入するのは検討しますが………部長さん、後日『御相談』しましょうか?」
目の前でにっこりときれいな営業スマイルをしているトリニティの事務官を、部長は呆然と見下ろした。 - 26二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 14:23:56
土下座の腕前を見せる時だな
- 27二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 20:02:23
トリニティ式交渉術は恐ろしいぞ……
- 28◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/20(日) 20:18:20
「(や、やっちまいましたあああぁぁ!?まさか2人揃っている時にこんな話を聞かれてしまうなんて!?これではトリニティ自治区への販路拡大計画がパァです!?)」
「「?」」
慌てる部長に対して、リアとサオリの2人は首を傾げた。女子の体型について軽率に話すのは感心できるものではないが、アリウス出身の2人にとってそこまで気にしたものではなかった。
リア自身、自分が貧相な体つきをしているのは、自分の主人や団長から「もっと食え」と言われているため自覚があるし、揶揄して笑うためではなく単なる比較するための例として扱われるなら特に気にしていなかった。
サオリも、自身のスタイルの良さの自覚は無いものの、ヒヨリのアリウス自治区では長所だった栄養の吸収効率の良さが今の食生活では裏目に出ているのに気づいてきたので、単に注意を促そうと思案しているだけだった。 - 29二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 05:37:10
意外と怒ってなくて良かったな、大口顧客失わなそう
- 30◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/21(月) 10:06:48
「(ふむふむ………何か勘違いしているようですね?)」
部長の慌てようから、リアは彼女が何か勘違いしているのを察した。
別に誤解を訂正してもいいが………
「(ふむ………ここは放置ですね、その方がトリニティの利益になります)」
作戦への出費が嵩んでいる現状、終わった後取れるところから取る算段を立てるのも事務官としては大事だった。 - 31二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 19:16:53
あくどいねえ
- 32◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/21(月) 19:41:03
「リア、部長がかわいそうじゃないか?」
慌てている部長を前にして、何かと懇意にしていたサオリは眉を下げてリアに耳打ちした。
「ふぅ……サオリ、たしかに彼女には世話になっていますがこちらの利益も確保する必要があります………彼女は良い取引相手ですが、身内の食い扶持を確保するのも首長のつとめですよ?」
「そうだが………」
リアの言うことはもっともだと思いながらも、トリニティとアリウス以外で出来たはじめての友とも言える部長に、自身が知るなかでも上位の手腕を誇るリアの辣腕が振るわれるのは………と、サオリは口をモニョモニョさせた。
「安心してください。別に今回の利益を全て奪おうなんて事は考えていません……今後の取引で少し此方の利益が大きくなるように『おはなし』するだけです」
ニコニコと笑みを浮かべるリアを前に、サオリはあまり安心できなかった。 - 33二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 05:58:09
あまりにも阿漕なことしようとしたら、さすがにミカがブレーキ掛けるから…
- 34◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/22(火) 10:09:47
「なに、悪いようにはしません、少々デリカシーにかけるところはありますが人柄はいいですし彼女の持つ流通関係のコネは有用、ザッと搾り取ってポイなんて真似はしません……継続的に双方の収入源となる形で仲良くしていきたいものです」
有用な伝手を一方的に使い潰す様な真似をするつもりはない。赤いアレとはちがうので。
「自販機の売り上げには手を出しませんよ?ただ、自販機をトリニティに設置する際の費用をちょっと負担して頂いて、毎月土地代をちょっとずつ頂くだけです」 - 35二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 10:22:13
あくどい(あくどい(あくどい))
- 36◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/22(火) 20:17:27
「それは……一般的なことなのか……?」
サオリには契約の相場がわからぬ。リアもおらず、アリウスがトリニティに取り込まれなかった世界線ではブラックマーケットの住人のいいカモにされていた程だ。分派の長として少しずつ勉強はしているが、こういった値段や賃金の交渉はリア達事務方に任せていた。
「………一応設置を業者が負担することはまま有ることのようですよ?そして商品を売った利益を得るのが自販機研究会なので設置する場所を用意するのは受益者である彼女達、トリニティの土地で売るので此方が土地を貸す代金を頂くのは当然のこと……あ、電気を使うなら電気代もですね……まあ、それは全部終わってからですね……」
「そうか…?………そうかもしれんな」
サオリはわからないことは素直に任せることにした。部長はどうにか予定どおり販路を拡大できるよう祈っていた。
「もちろんユウカさんにも話を通してからだから阿漕な真似はしません。今は気兼ね無く面子を潰せるアレの下には居ませんので」
リアはやれやれと肩をすくめた。 - 37二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 05:27:04
「もちろんユウカさんにも話を通してからだから阿漕な真似はしません。今は気兼ね無く面子を潰せるアレの下には居ませんので」
ここら辺雑にすると、「冷酷な算術使い」が顕現するから注意しよう。 - 38◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/23(水) 10:13:15
「あ、これおいしい!ラテ味!」
「フルーツ牛乳味もまあそこそこいけるかも………」
「ココア味は普通に言われないとドリンクバーの薄目のココアと間違えるかも」
頭を抱えて悶えた後祈り始めた部長を見て溜飲を下げたモモイが部長が持ってきていたプロテインに手をつけ、それに続いてゲーム開発部も各々気になった味を手に取った。
「うわーん!?ウェイトダウンタイプの塩レモン味がこんにゃくみたいな風味がします!?」
なんとなくスポーツドリンク風の味を求めたアリスは塩レモン味を取ったが、予想外の後味に悶えていた。
「ああ、ウェイトダウンのサッパリ系はまだ調整中でして………添加した食物繊維のせいかなぜかこんにゃくに似た生臭さが出てしまうんですよね………今後の課題です。乳飲料系のフレーバーの出来は良いので、今後にご期待ください」
商魂逞しく、自身の商品を紹介すると、部長は地に伏した。 - 39◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/23(水) 20:03:39
「準備が出来たわ、来てちょうだい」
はずれフレーバーに悶えていたアリスを、リオが呼び戻した。
「はい、今行きます!」
戻ると、ゴテゴテとした外装と20本近いコードに繋がれた光の剣が置かれていた。
「外装については取り敢えず強度を持たせるために有り合わせで組んだからもう少しましにする予定よ………重さについてはそう変わらないだろうから構えた状態での参考にはなるわ」
ジャケットを脱いだシャツの上に作業着のブルゾンを羽織、グローブで額の汗を拭いながらリオが言ったが、当のアリスはワナワナと震えていた。
「あ、アリスの光の剣が魔改造されてしまいました!?」
悲鳴じみたアリスの声が響いた。 - 40二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 00:52:35
草
- 41◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/24(木) 10:16:05
一方その頃………
事務室では珍しくユウカが仕事を放棄していた。
「………ユウカさん」
「ききたくありません……」
今日も今日とて事務仕事に勤しんでいた2人だったが、開始から2時間、電卓で検算を終えて数秒固まった後ふらふらと席を立ち、ソファに横になってしまった。
「いや、しかしこれは………」
「いやだったらいやなんです……」
普段は真面目なユウカですら目を背けたくなるレベルの惨状が、支出欄に広がっていた。 - 42二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 13:51:51
そらそうよ
- 43◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/24(木) 20:23:57
「………………」
正直、リアとしてもこの規模の予算を扱うのは始めてのこと………勉強し直した価格相場と各種手続きの仕様、各校の公開されている資産規模等から妥当なラインを探ってはいるが、既にミレニアムの下半期予算どころか三大校以外の中小規模の学校なら破産が見えてくるレベルまで膨れ上がっていた。
「………………しかたありません、出来れば使わずに済ませたいところでしたが………」
そこでリアは一計を案じた。
ミカやリオ等に伺いを立ててからだが、出来れば使わずに済ませたい一手を、それは………
dice1d3=1 (1)
1、連邦生徒会を脅迫します
2、各校にカンパを募ります
3、他校の恐怖を煽ります
- 44二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 20:31:13
おいちょっと待てぇ!?
気持ちは分かるが脅迫して金むしる気なの!? - 45二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 22:02:50
ほら、覆面水着団がいるから…
- 46二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 00:23:28
トリニティミレニアム連合からの脅迫とか誰が勝てるねん
ジョーカーの先生は先に抱き込まれてるし、ゲヘナもアリバイ作り的にとはいえ噛んでるし、なにより対応ミスれば工務部が水を得た魚のように暴走するぞ
なにこれ地獄かな? - 47二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 11:35:39
連邦生徒会とか決算しかしてないからねしゃーない
- 48◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/25(金) 20:00:42
「ユウカさん、一旦休憩にしましょう」
「………………すみません」
ソファに横になっているユウカに毛布をかけ、リアは席を立った。
「わたしは少し席をはずします……緊急時以外入らないよう表示を出しますので、しばらくお休みください」
「………………」
ユウカを置いて、リアは部屋を出た。
時刻は午前10時を少し過ぎた頃、会議までは多少の余裕があるはずだ。リアはスマホを取り出して電話をかけた。
「………ミカ様、リオ会長と一緒に少々お時間を頂けないでしょうか?ご検討いただきたい案件があります」
「どうしたの?ちょうど会長さんも今会議室に入ったとこだけど………」
「でしたら今からそちらに向かいます。資金調達の件で相談がありますので」
電話を切って歩き出す………万が一、戦線の維持に支障が出た場合に備えて考えていた腹案を持って、本件の責任者である2人……特に連邦生徒会に危機感を抱かせる要になるミレニアムの一般生徒を動かせる調月リオに内密に許可を得るために。 - 49二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 07:05:16
保守
- 50二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 09:49:12
用意済みなのは流石に草
- 51◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/26(土) 17:16:16
「連邦生徒会を脅迫しましょう」
訪れた会議室でミカとリオに挨拶し、用件を問われたリアは単刀直入にそう言った。
「よし、順番に話してくれるかな?」
自分の副官を勤める生徒の過激な発言や行動にも慣れてきたミカは、落ち着き払って説明を促した。ナチュラルに毒を吐く元副官の事務長も、圧政者反逆ガールの現副官のリアも、理由もなく過激な行動を起こすことはない。
「はい、ミカ様。単刀直入に言いますとお金がありません。ミレニアムの財政はお先真っ暗です」
そう言うとリアは先ほどユウカが纏めていた書類を取り出した。
「現時点でミレニアムに貯蔵していた弾薬及び燃料の類いの82%をエリドゥに運び込み、総重量の39%を使用済みです。また、開戦前までの学園の支出と開戦後の支出を合わせた総支出においては、ミレニアムで編成されていた下半期予算を既にオーバーしております………」
そこまで聞いて調月リオは頭が痛くなってきた。
「さらにこの要塞都市の建設費用等も考慮すれば中小規模の学校なら2、3校破産するほどの額になります………このまま戦えば、戦後処理の費用も合わせて三大校といえど大きな痛手となります」
消費される物資、参加した生徒への報酬、修繕費………人足はトリニティやSRTなど他校の支援もあって足りてはいるが金だけはどうにもならない。
「第一次進行を退けた時点でわかっていたことですが、既に学校単位で対応できる範疇を越えています。サンクトゥムタワーで静観を決め込んでいる連邦生徒会にも身を切らせるべきです」 - 52◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/27(日) 00:42:01
「却下よ。確かに資金は確保したいところだけど、機械と連邦生徒会の両方を相手取って二方面作戦なんてする余力は、このエリドゥには無いわ」
調月リオの返答はNOだった。
実際、戦力は集めたが、それは確実に勝つためのもの。他に戦力を割いて勝率を下げる真似はしたくない。
「ええ、ですので、エリドゥにいる以外の生徒を動かします」
「リアちゃん………流石にトリニティとミレニアムの一般生徒達に連邦生徒会に特攻させるのは無理だと思うよ?」
他の生徒を動かすと聞いて真っ先に思い浮かんだ事をミカが口にした。リアは首を横に振った。
「いいえ、ミカ様。それも悪くはありませんがそれでは後方にいる生徒達が危険です。非戦闘員の安全は確保しなければなりません………いいですか?策は………」
リアが話すと、2人は疑わしそうな顔をした。
「本当にそんなので脅迫になるの?」
「まあ………それなら万が一の備えにもなるし……」
「おそらくは何かしらの反応は有ると思います……後はうまくやるだけです」
事務室に棲息する小さな悪魔が笑った。 - 53二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 10:27:59
保守
- 54◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/27(日) 20:16:43
─サンクトゥムタワー内部某室内─
自分に割り当てられた執務室内で、連邦生徒会の白い制服を着た薄いピンク髪の生徒がコーヒーを淹れていた。
「ふぅ……やはりこういう時間は必要ですね」
湯を注いで豆が膨らんでいくのを眺める。蒸らすための2、30秒……何かするには短い『なにもしない時間』……仕事の合間にこういった時間を取るのはたとえ『超人』でも必要なことだった。
馴染みの店で買ったお気に入りの豆で淹れたマグカップ一杯分のコーヒーをデスクに運び席に着く。カップから立ち上る香りと手に伝わる熱が業務で強張った体を解していく。デスク後方の棚から茶菓子のチョコレートを取り出し、いざカップを手に取った所で、『バンッ!』と乱暴に戸が開かれた。
「不知火防衛室長っ!ミレニアムに異変がっ!?」
「はぁ………ノックくらいしたらどうです?それにあそこの異変には既にSRTが投入されているはずですが?」
自身の憩いの時間に飛び込んできた無礼な庶務生徒に不知火カヤは溜め息をついた。 - 55二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 06:50:15
ほ
- 56二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 06:52:59
キヴォトスの危機なのだ
- 57二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 15:56:13
保守
- 58二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 20:48:16
このレスは削除されています
- 59◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/28(月) 20:49:10
「で、ですが………!」
手は打ってあるというのにまだ何か言いたげな生徒に少しずつ苛立ちを覚え始めた。SRTが派遣されてから1日経ち、今朝からヴァルキューレ警察学校への非常待機命令と各校の自治区に配置した生徒の状況確認を行ってやっと休憩に入ったというのに、これではせっかくのコーヒーが冷めてしまうではないか。
「はぁ………用件があるなら手短にお願いします。わたしの時間を浪費させたいのですか?」
コツコツと指先でデスクを叩きながら言うと、目の前の無礼な生徒は焦ったような声で報告を読み上げた。
「み、ミレニアム自治区に派遣した調査員からの報告によると、各部活で大規模な資材や研究に使用する機械や資料をを纏めてトラックや輸送機に詰め込んでいるそうです!」
「研究資材や資料?燃料や弾薬や食料ではなく?」
「はい、行き先はアビドス自治区とレッドウィンター自治区のようです」
不可解な動きをするミレニアムにカヤは眉をしかめた。
「(なぜこの時期にそんなことを?それに、わざわざ他自治区に移動する理由なんて……?…………!?)」
そして思い至り、ワナワナと震え始めた。
「ま、まさかミレニアムはここまでしてから逃げ出すつもりなのですか!?」
叫んで立ち上がった拍子にカップが倒れた。 - 60二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 21:44:43
同じの2つ…?
- 61二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 22:03:43
誤投かな?
- 62◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/29(火) 06:33:39
- 63二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 15:38:19
カヤが出てきた
- 64◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/29(火) 18:02:13
「準備が出来た部から順に積み込んで下さい!研究分野によって方面が変わるので注意してください!」
ミレニアム自治区中心部にて、生塩ノアの指揮のもと学園総出でトラックや輸送機に研究資料や資材の積み込みが行われていた。
「急すぎるんだけど!?」「レッドウィンターとか絶対寒いじゃん!」「アビドスは湿気少ないから紙には良さそうだけどうちらにはキツいんだけど!」
文句を言いつつも生徒達の手が止まることはない。その理由は今朝方送られてきたセミナーの会長からの通達にあった。
『万が一の事態に備え、可能な限りの研究成果及び資料を学外に避難させなさい。場合によっては自治区を離れて再起を図る可能性もあります』
流石に大量の物資をエリドゥに運び込んでいた都合上、一般生徒にもこの事態は知れ渡っていたが、避難が必要なほど切迫しているのは、作戦に参加している一部の部活の生徒しか知らなかった。
「言っててもあの会長がそう言ってるんだから仕方がない、ほらほら!急ぐよ!」
「心配ご無用です!避難が必要ですが会長は諦めていません!なぜなら昨日我々エンジニア部に資料提供の要請がありましたから!そもそも避難というのは!──────」
一足先に避難準備を終えたエンジニア部も他の部の手伝いに回り始めた。
「ウタハ部長、助かります」
「なに、これくらいは問題ないさ………それより、昨日連絡を取った際はなにも言っていなかったのに急に避難指示を出したということは、なにか有るんだろう?」
ノアは回りを見渡し、聞いている者が居ないのを確認すると、こっそりと耳打ちした。ウタハは目を丸くした。
「それはまた………会長の強引さは知っているつもりだったけど、今回は思っていた異常に大胆だね」 - 65◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/29(火) 20:04:07
所変わってエリドゥの会議室………
「と、言うことで……ミレニアムの一般生徒は避難させることになったわ……ひとまずの受け入れ先になってくれたアビドスとレッドウィンターには感謝するわ」
「うへ………うちとしてはちゃんと滞在費払ってくれるならいうことないよ……だけど……」
「ああ、レッドウィンターとしても相場に則って行われた交渉で決まったことなら文句はない、私たちにも事前に相談が有ったからな……だが……」
感謝を述べるリオにアビドスの代表のホシノとレッドウィンターから参加している生徒の代表としてミノリが返答したが、避難することになった以前に伝えられた内容があまりにもあれなことであり、そんなことを思い付きそうな生徒に心当たりが有った2人は揃ってその生徒の席を見た。
「はぁ……リア、今度はどうするつもりだ?」
困惑している生徒を代表して、付き合いの長いサオリが発案者であろうリアを問いただした。
「なに、高みの見物を決め込んでいる外野にも少し危機感を持っていただくだけですよ」
そう言ってサオリの方を向いて笑うリアの顔は、エデン条約襲撃時にスクワッドに合流してクツクツと笑っていた時に似た悪い顔をしていた。 - 66二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 20:17:17
上手くいけばクーデターせずともカヤが代行になれるかも知れないから多少はね?
- 67二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 07:24:00
保守
- 68◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/30(水) 10:08:37
「これはいったいどう言うことです?」
リアが悪い顔をした後、会議室に電話が掛かってきた。電話の相手は連邦生徒会防衛室長不知火カヤ………キヴォトスの安全保障を担当する生徒である。
「どうしたもこうしたも無いわ………現状ではこれ以上戦うことが難しくなったというだけよ」
調月リオは淡々と返答した。 - 69二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 18:35:13
うまくやれるか?
- 70◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/30(水) 21:22:58
「SRTを派遣しているのですよ?」
少しは合理的に動ける奴かと思っていたが、こちらに恥をかけるようなまねをしやがって……やはり胸に栄養を吸われているような奴らはダメだとカヤは心の中で毒づいた。
「それはあくまでもシャーレからの要請によるものの筈よ?それに、本件の出所である廃墟地区への立ち入り規制を敷いていたのは連邦生徒会長………ひいては連邦生徒会でしょう?」
「………何が言いたいのです?」
「連邦生徒会が規制を敷いて自治区の調査を行えなかった事も今回の脅威への対処を遅らせた一因で有ると思うのだけど?」 - 71二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 07:49:09
保守
- 72◆K7oi2p2CoQ9Y24/10/31(木) 10:06:43
「っ!それは…!」
嫌なところを突いてくる。連邦生徒会長がミレニアム自治区に有る廃墟の一部を立ち入り禁止にしていたのは事実………そして調査員の報告によると今回脅威になっている機械兵の出所も廃墟、なにも影響が無かったと言いきるのは難しい。
「ともかく、ミレニアムとしてはいったん退いて体制を建て直させて貰うわ、このまま戦っても学校の資源を浪費してしまうもの」
勝手なことを…!トリニティとSRT、レッドウィンターまで引っ張り出した大戦力を用意しておいて退くなんて!それに敵の軍勢を押さえていたミレニアムが退いたら…!
「あなた方が退いたら機械兵はどうするのです?他の自治区に流れる可能性もあるのですよ?」
「なにか問題でも?そもそも各校の対応に任せていた以上、他の自治区がそうなっても一緒でしょう?それに、そうなってくれると我々に向かってくる数が減って勝率も高くなるわね」 - 73二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 20:38:24
ほー
- 74◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/01(金) 06:32:20
「そもそも、ミレニアムは千年難題を解き明かすために生まれた学校………構築したインフラは惜しいけど、データと研究者、研究のための資金がが残れば再起できるもの」
カヤは密かに舌を打った。
「悪いけど、学校の本懐と生徒の安全を擲ってまで戦ってやる義理はないわ………それに、これ以上戦費が増えれば学園の維持にも支障が出るもの。あなた達だって、三大校の一角が崩れるのは困るのではないかしら?」
「………………」
確かに、影響力の大きい三大校が崩壊すればキヴォトス全体への影響は大きいだろう。特に開発分野においては1歩も2歩も先を行くミレニアムの影響は非常に大きいと思われた。 - 75二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 14:37:48
揺さぶるなぁ
- 76◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/01(金) 21:18:51
「(くっ…!なんて面倒な…!こんなことなら独断専行と言われてもあの時に介入を行なっていれば…!)」
不知火カヤは後悔していた。こんな土壇場で投げ出されるくらいならあの時………そう、第一次進行を察知した時点やSRT派兵の打診があった時点で防衛室として介入を行い、形だけでも主導権を握っておけば良かったと。そうすれば少なくともこの時点での撤退の選択に待ったをかけることが出来た筈であった。 - 77二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 06:41:36
保守
- 78二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 17:37:32
大変なことになってんなカヤも
- 79◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/02(土) 17:45:04
「………望みは何です?」
勢力拡大著しいトリニティに負担をかけられればと考え、放置を決め込んで後手に回り続けている現状で、一方的な命令を下せば両校だけでなく他の学校からの不信をかい、ただでさえ連邦生徒会長を失い落ち込んだ連邦生徒会の求心力はさらに低下する………ならば業腹ではあるが、ある程度要求を呑んでやらねばならない。
「そうね………先ずは資金援助、今回の防衛にかかった費用の肩代わりと今後の調査に関わる経費をまずは出してもらおうかしら?」
結局は金だ………力の有る三大校に負担をかけるのにはある程度成功したが、想定より大きかった敵の脅威度によって目論見は破綻してしまった。カヤは頭を抱えたかった。
「………詳細な説明を求めます。そのままポンとは出せません」
電話をかけているリオの対面で、トリニティの事務官が『ニィ!』と口角を吊り上げた。
「………なら、資金と兵站の管理をしている担当者をそちらに向かわせるわ」
リオがそう言うと同時に、リアは資料をまとめて席を立った。
「では、ミカ様。行って参ります」
「うん、行ってらっしゃいリアちゃん」
スッと礼をするリアを、ミカは紅茶を飲みながら手をひらひらとふって見送った。 - 80二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:54:04
交渉相手が政争の総本山トリニティの事務官ってもうそれだけで勝てる気がしないんだが……
- 81◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/03(日) 10:55:28
- 82二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 17:15:52
デモる気マンマンじゃないですかヤダー!!
- 83二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 17:25:31
- 84二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 17:27:59
あっ・・・
- 85◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/03(日) 20:16:48
「……ミノリ、連邦生徒会に交渉に行くのですが、よければついてきてくれませんか?」
会議室から出たリアは、調度外作業から戻ったミノリを呼び止めた。
「ん?ちょうど作業が粗方終わったからついていくのは構わないが………予算交渉ならお前の得意分野だろう?一人でも問題ないんじゃないか?」
ミノリは怪訝な顔をした。始めてあったときにかつ丼をおごってもらったお礼として予算交渉の脚本を書き、その通りにした結果新しい安全帯の購入費をレッドウィンターの運営側から引き出すことに成功していた。それを本人がやるなら効果は覿面だろう。
「いえ、わたし一人だと『やりすぎて』しまうかもしれませんので」
自身は反逆者であるが、圧政者を倒した結果次の圧政者になってはもとも子もない。だからリアは自分の監視をミノリに任せることにした。
「なるほど、そう言うことなら引き受けよう」
そう言ったミノリはニヤリと笑った。
「ついでに、少しだけ『ガス抜き』もさせてもらおうか?」 - 86二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 06:42:05
保守
- 87二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 09:17:40
ねぇ、なんでストッパー役にやりすぎる人連れてくの...?
- 88◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/04(月) 16:54:44
- 89◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/04(月) 20:05:53
「連邦生徒会は各自治区への補助金を拡充しろー!」
「さらなる保証をー!」
「各自治区の最低賃金格差を是正しろー!」
「今回の事件の責任をとれー!」
「連邦生徒会役員は責任をとって辞任しろー!」
────────
「いやぁ~、なかなか盛況のようですね?」
窓のブラインドをしめると、背後からそんな声がかかった。振り向けばトリニティの制服を着た小柄な生徒がニコニコと笑顔でこちらを見ていた。
「はぁ……こういったお客さんは帰ってほしいのですよ……」
カヤは疲れた様子で溜め息をついた。 - 90二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 06:49:11
赤冬式挨拶とトリニティ式挨拶の悪魔合体
- 91二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 13:13:54
嫌すぎるな
- 92二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 16:55:23
言葉の裏に悪意を詰め込んで後ろから刺すような交渉に慣れたやつが
言葉をつくして不満を表して真正面から突っ込んでくる連中と
一緒に押しかけてくるの簡単に言って地獄なんだよな - 93◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/05(火) 20:07:20
まったく、報告を受けた時点で『不味いのでは?』とは思ったが……襲撃の予告の日が近づいたこのタイミングでこんなことになるとは………連邦生徒会長の捜索に人員を割いていたのがこんなところに響いてくるとは………
「トリニティ総合学園所属、早瀬リアと申します。本日はお時間を割いていただきありがとうございます……こちらは防衛戦ようの工事に関わってもらっているレッドウィンター工務部の安守ミノリです」
「…………(ジッ…)」
ストーン……
小柄だが、スッ背中を伸ばして礼をする姿にはなかなか好感が持てる。無駄に胸の大きいあのミレニアムの会長は気に入らないが、こういった躾のなっている生徒をよこす人選だけは評価できる。
「はぁ……トリニティの事務官の相手は疲れるのですよ………さっさと本題に入りましょう……」
『おやおやおや…?目標だけは立派ですがそこに向かうための足が随分と貧弱ですねぇ………先が見えているうちに自身を見つめ直す事をお勧めしますよ』
まだ室長になる前に少しだけ関わりの有った無駄に胸に肉をつけた事務官もそうだが、政治と話術に長けたトリニティの事務官を長々と相手にしたくなかった。 - 94二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 06:08:49
保守
- 95◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/06(水) 10:21:16
リアは……
dice1d3=2 (2)
1、本題に入る
2、懐柔に動く
3、手土産を渡す
- 96二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 20:41:01
まずは友好的かつ淑女的に入るのは基本ですわね、まぁお相手のお心次第でそれにあわせてこちらも対応いたしますが……
- 97◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/06(水) 21:11:50
「いえ、お話が早いのはこちらとしてもありがたいことですが、防衛室長様もお疲れの事でしょう……此度の一件は危険性から考えても優先度は高め……多少長引いても役員の方々からとやかく言われる事もないでしょうし、先ずはこちらなどいかがでしょう?」
こちらが早く本題に入るよう言っているのに、目の前の事務官は悠長に手土産を取り出そうとしていた。そんなのはいいから早く話せと言おうかと思ったが、取り出したものを見て言葉を引っ込めた。
「おや?コーヒーですか?トリニティにしては珍しいですね」
「ええ、我々事務官の仕事も長丁場になることも多いので、コーヒーを好む生徒もそこそこに居るのです……今回は良い豆が手に入ったので、コーヒー好きと名高い防衛室長殿に是非とも味わって頂きたいと思いお持ちしました」
そう言って袋から取り出したキャニスター缶の中を改めれば、中にあったのは黒みの強い艶の有る茶色をした丸みのある豆…!
「こ、この香り…!この形は…!」
事務官はニヤリと笑った
「はい、トリニティの老舗の焙煎所が少量販売するスペシャリティ……マンデリンG1のシティロースト、それもピーベリーオンリーです」 - 98二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 21:52:27
調べたら結構高い奴じゃん、これ
- 99二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 08:49:00
ピーベリーって初めて聞いたが1本の木から多くて20%しか取れないのか
ヤバいな - 100二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 18:52:47
- 101二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 19:56:06
- 102◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/07(木) 20:27:17
- 103二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 06:42:11
朝
- 104◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/08(金) 12:03:43
不知火カヤはコーヒー好きである。特に希少なコーヒーを好んで買っていた。行きつけの店がある程度には拘りもあるが、流石にトリニティの老舗への伝手は無かった。いや、有ったとしても……
「どうぞ、ご確認を」
事務官はキャニスター缶からメジャースプーン1杯分を皿に移して差し出してきた。受け取ったそれを揺すって平らにならしてじっくりと検分する。
「(焼きムラもなく、カビ豆を使った様子もない……割れた豆も無し……油分の浮き出しも程よい……そして言っていた通り全て丸みのあるピーベリー……)」
焙煎の前後に徹底して欠点豆を取り除いたであろう均一な仕上がりにカヤはほうと感嘆の息を漏らした。
「し、仕方有りませんね!コーヒーを淹れる時間くらいは待ってあげましょう!」
そう言うとカヤはいそいそと席に着いた。 - 105二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 16:05:35
可愛い
- 106◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/08(金) 20:48:02
執務室に備え付けられたミニキッチンからゴリゴリと豆を挽く音とシュンシュンと湯の沸く音が3分ほど響き、暫ししてコーヒー豆を挽いた粉と湯の入ったケトルを持ったリアがあらわれた。
「では、淹れさせて頂きます」
応接机の上に置かれたサーバーにフィルターを乗せ、ツイっとケトルを傾けてドリッパーに湯を落とす。湯に触れた粉からふつふつとガスが発生し、ぷっくりとドーム状に膨れていく。
なかなか堂に入った所作と立ち上る薫りに、カヤはつい身を乗り出して僅かにフィルターの先から漏れだす飴色の雫を見つめてしまった。
「う~ん、言い香りだ……やはり労働の後にコーヒーの香りは堪らないな」
リアはミノリの呟きを無視して膨れる豆と腕時計の秒針をじっと見つめた。
「……!ここです」
豆のドームが膨らみきってぽひゅっと呼吸をしたところに細く細く湯を落としていく。豆の層から湯が溢れないように浮かないように、細心の注意を払って落とされる湯は最早連続した水滴の列に見えるほど細くなっていた。そして湯を注ぐこと凡そ2分……
「お待たせしました」
そう言って差し出されたのは、飾り気の無い白地のカップに注がれ、湯気を立ち上らせる黒々としたコーヒー……トリニティにしては装飾の凝ってない茶器だが逆にいい。カップの乗せられたソーサーに添えた2つの小さなチョコレートもまた良い。コーヒーに添える茶菓子はこれくらいでいいのだこれくらいで。
「では、いただきます」 - 107二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 06:54:30
ほしゅ
- 108◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/09(土) 18:06:08
「あつっ…!」
カップの縁に触れるととても熱かった。一つ難癖をつけてやろうかと思ったが、流石にトリニティの首長補佐、コーヒーを淹れる前にカップを温めることくらい弁えているらしい。
「ふー……ズズッ…………!」
まず感じたのは深煎りのコーヒーらしいしっかりとした苦味、次いで豆の油分を感じさせる重厚なコク……こくりと飲み込めば香草やシナモンにも似た独特の風味が鼻にぬける。
「ほぅ……」
一息着くと仄かな甘味すら感じる。だがこの苦味には対比した甘味も欲しい………ソーサーに添えられたチョコレートを手に取り、小さなそれの半分を口に含む。コーヒーで温められた口内でトロリと溶け、ねっとりとた甘味が広がる。
「ズズッ……………ホゥ………」
すかさずコーヒーを流し込めば苦味が甘味と交じり、小さいながら十分な満足を感じさせる。
熱く、黒く、苦くて甘い………普段から飲めたらどんなに良いだろう………
「………………」
チラリと客であり交渉の為にここへ来たこのコーヒーを淹れた事務官を見たが、静かにコーヒーを飲んでいる。どうやら飲み終えるまでは本題に入らないようだ。ならば暫し、このコーヒーを楽しませてもらおう………
不知火カヤは残り半分になったコーヒーを惜しむように飲んだ。 - 109二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 04:23:47
保守
- 110二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 13:37:29
落ち着いた雰囲気…
- 111◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/10(日) 20:44:06
「さて、それでは本題に入りましょうか」
空になったカップをわきによけ、椅子に背を沈めて話をする体制に入る。実に良いコーヒーだったが、それを理由に優遇してやる事はできない。
「そうですね、では、こちらをご覧ください」
事務官が差し出した書類を受け取りざっと目を通す………どうやらこの件の収拾をつけるまでにかかるであろう費用をまとめたものらしい。
「これはまた………中々にかかるようですね」
三大校を中心とした連合でなければとっくに干上がっているであろう規模の予算だった。
「ええ、我々のもつ伝手と人員を投入して戦線を構築しています………おそらく、このまま行けば勝てると思われます」
『勝てる』………防衛を預かるものとしては喜ばしい報告であるが……先の話ではそう単純ではない筈だ。
「でも、そううまくはいかないのでしょう?」
「はい、勝つことはできてもその後の復旧と学校の体制維持に問題があります。三大校であり技術的に進んでいるため他校との取引で多くの資金を持っているミレニアムだからこそここまでもっていますが、中小規模の学校なら既に数校潰れるレベルです。故に、作戦後も体制を維持できる規模に対応を調整する次第です」
ここまで聞けば言いたいことはわかる。
「つまり、このまま防衛戦を維持させたければ連邦生徒会からも予算を出せ………ということですか?」
そう言うと事務官はにこりと微笑んだ。
「はい、その通りです。是非ご協力をお願いします」 - 112二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 06:55:06
学校運営のための戦線縮小しか書いてない、内部的な事務方からトップへの報告文書の体なんだろうなぁ
連邦生徒会に要請なんて文面には一言もない「『自主的に』支援されますよね?」という寝技用アイテム - 113二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 14:22:19
強かねぇ
- 114◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/11(月) 20:22:13
「う~ん……困りましたねぇ……こちらとしてはあまり一部の学校に肩入れするわけにはいかないのですが……」
一応は連邦生徒会は中立である以上特定の学校を贔屓するのは避けるべきである。簡単には頷かないことなどこの事務官にもわかっている筈だ。
「……そういえば、ヴァルキューレも動いているようですね?」
大規模な機械群の存在を報告されSRTの派遣が決まってから1日置いてヴァルキューレにミレニアムとD.Uの境界付近及び隣接した自治での警戒に当たらせているが、運営で手一杯だろうによく調べているものだ……
「万が一に対応するには早めの準備が必要ですからね………残念ながらヴァルキューレまで派遣することはできませんよ?D.Uの守りに必要ですからね」
「性能の良い武装に更新した後でもですか?」
「………………」 - 115二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 06:07:35
あっ(カルバノグの兎編を見つつ)
- 116二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 06:59:25
装備更新したヴァルキューレが展開し準備万端とは……これで心置きなくそっちの方面は戦線縮小できるじゃん!
さすが防衛室長っすねー - 117二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 12:35:53
目敏い
- 118◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/12(火) 20:37:58
こいつ……どこまで知っている?
ここまでの話しぶりや渡された書類、ヴァルキューレの動きを把握していた事などから、目の前のちっこい事務官が想定以上に優秀だということは薄々感じていたが……今の発言は非常に判断に迷うものだった。
「(まさか、カイザーとのことを…?)」
リアはどこまで知っている?
dice1d4=2 (2)
1、リア「なんかすれ違ったお巡りさんが妙に良い武器使ってますね」
2、+リア「予算の流れに変なのは……あっ」
3、+ミチル事務長「そう言えば防衛室って……」
4、リア「さてはおめぇヤってんな?」
- 119二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 22:23:53
スパさんタイムまで時間の問題!
- 120二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 06:45:15
反逆の時は近い
- 121二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 13:35:22
半分はカマかけか
- 122◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/13(水) 20:06:12
「…………」
更新された装備の事を言った途端、防衛室長は目を開いて言葉につまった。
「(ふむふむ……確証はありませんでしたが、気になったところをつついて見ればこの反応……何かありますね?)どうされました?」
「い、いえいえ!なんでもありませんよ?ティーパーティーが召し抱えるだけあってすばらしい観察眼をお持ちだと感心していただけです」
防衛室長はハッとして言葉を返した。 - 123二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 05:49:41
保守
- 124二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 10:36:17
わぁお☆リアちゃんすご~い☆
- 125◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/14(木) 20:21:02
「そうですか……連邦生徒会の主要役員の方からそう言われるとは中々良いものですね」
「ええ!ええ!もしフリーだったなら部下に欲しいくらいですよ」
あ、危なかった!ただの事務官だと思って侮っていましたが、下手にパテル分派辺りの長が出てくるよりやりにくい!あのいけすかない事務官もでしたがトリニティの事務官を相手に長々とやりあうのは失策でした……。
「………………」
そして横で話を聞いているレッドウィンターの生徒も警戒しなければならない……よく見ればD.Uに来るとよくデモをしている連中の装いに似ている……下手なことを言って騒ぐ材料は与えたくない…………カフェインの取りすぎではない理由で胃が痛くなってきました。 - 126二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 07:03:10
ほ
- 127二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 17:36:16
前門のリア
後門のミノリ
門の間には癒着疑惑の連装砲!
これはひどい - 128◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/15(金) 19:19:02
「ですが安心しました……これなら予定道理に戦線を下げても問題ないとミレニアムの会長に報告できます」
何とか誤魔化せたかと思った矢先に、事務官はそんなことを呟いた。
「いや、それは……」
冗談じゃない、確かにヴァルキューレの装備は更新したし、部隊を展開する準備を進めさせているが本来は別の目的に使うつもりだった……それを本格的に戦闘させて消耗させるのは出きれば避けたい……
「もちろんD.Uにも何機か流れてくるでしょうけど……そういったものに対応するのが防衛室や管轄のヴァルキューレの役目では?本懐を果たしていただくのになにか問題でも?」
好き勝手言ってくれる!そんな要望は突っぱねてやりたいところだが、学校の維持体制を理由にされて無理に戦線を維持させては批判は免れないだろう……そんなことで注目を集めては計画に支障が出てしまう……それは避けたい、だが手持ちの戦力の消耗も避けたい、どうすれば……… - 129二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 06:46:08
保守
- 130◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/16(土) 12:04:46
「(ふむ……そろそろ頃合いですかね?)」
dice1d4=2 (2)
1、いいえ、まだです
2、そろそろたたみかけます
3、とどめを刺してあげましょう
4、ん…?
- 131二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 20:55:14
王手か
- 132◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/16(土) 21:35:26
「ふぅ……しかし、防衛室長様は働き者ですね」
「ん?」
こちらに対して中々にきつい詰め方をしてきていた事務官は、一つ息を吐いてソファに身を沈めながらそんなことを言った。これだけ遠回しに連邦生徒会への不満を感じさせていたのになぜ今さらそんな世辞を言うのでしょう?
「何の益にもならない生徒会長探しを切り上げて、今まさに必要な防衛のための策を実行に移しているのですから、我々としてはありがたい限りです」
なるほど、確かに現在の連邦生徒会は連邦生徒会長の捜索にリソースを割いています。勿論通常の業務もある程度は行っていますが、連邦生徒会長がいた頃とは比べるべくもない様な状態になっています………身内以外の生徒たちからすれば役目を果たしていないように見えるでしょう。
「(そして、そんな中で防衛のためにヴァルキューレの装備を更新し、部隊を配置したわたしは『はたらき者』というわけですか)ええ、防衛室長という役目を預かっている以上当然の事です」
これは使える…!
リアに返事を返しながらカヤはほくそ笑んだ。上手くすればカイザーの手を借りずとも自分が上に立つことが出きるかもしれない! - 133二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 06:55:45
保守
- 134二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 16:11:09
☆
- 135◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/17(日) 20:38:43
「(………とか考えてそうですよね………)ええ、連邦生徒会長はとても優秀な方だったと聞いておりますが……今動けないのならば関係有りません、防衛室長様の様に現場に必要な手を打ってくださる方は我々としては大変好ましい……」
「(…!……やはりそうですか、トリニティとミレニアムにとって重要なのは『今』を乗りきること………その点で言えばわたしは他の室長や会長よりも…!)いえいえ、会長がいない以上我々がしっかりしなくてはなりませんからね!」
連邦生徒会長不在という特殊な条件下でしか決して訪れることが無かったであろう『不知火カヤが連邦生徒会長より上』という他者からの評価……自身を『超人』と嘯き、ある意味コンプレックスを募らせていたカヤにとってこの評価は劇薬であった。 - 136二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 06:58:41
保守
- 137◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/18(月) 10:11:18
トリニティ総合学園
キヴォトス三大校の一つ。
長らくゲヘナ学園との間に確執が有り、今も全面的に解決したわけでは無いもののエデン条約の締結により概ね関係は安定し、人材の交流すら始まっている。また、非公認の学校を一つ併合し、更に勢力を拡大した。残る一校であるミレニアムサイエンススクールとも現在共同で作戦を遂行中であり、ある意味以前の学校間のパワーバランスを崩してしまった学校である。その影響力は連邦生徒会としても侮れるものではなくなっている。
「(いける…!影響力の大きい三大校を抱き込んでしまえばわたしが代行の座に収まることもできる!わざわざ後ろ暗い『企業』の手を借りる必要もない!)」
「そんなはたらき者の防衛室長様に無理を言うのはわれわれとしても心苦しいのですが……」
先ほどと打って変わって事務官は申し訳なさそうな顔でそう言った。確かこの事務官はパテル分派の所属……たしかあそこの首長は非公認の学校をわざわざ保護しに動くようなお人好し……その部下なのだからトリニティの事務官らしく振る舞っていても甘さが出るのだ。
「仕方有りませんねぇ……何とかしてみましょう!」
ならばそこに付け入らせてもらおう……
不知火カヤは理解ある官僚を装いながらそう言った。 - 138二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 10:57:22
絞るだけ絞られてポイ捨てされそうな雰囲気を感じる……これがトリニティ……
- 139二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 15:31:07
上から押して潰れないから
下から引いて持ち上げ始めたな - 140◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/18(月) 21:07:13
「ありがとうございます……これでミレニアムの会長とミカ様に良い報告ができます」
そう言って事務官は胸を撫で下ろした。
「その代わり、今回の件はよろしくお願いしますよ?」
もちろん釘を刺すのは忘れない。こちらだって慈善事業ではないのだ。無茶を通してやる分しっかりはたらいてもらおう。
「はい、資金さえあれば概ね問題は解決しますので、ミレニアムの会長もきっと当初の方針に戻すことでしょう」
よしよし、一先ずはこれで良い………うちは部隊の消耗を抑えることができ、財務室から突っ込まれる恐れもない理由で予算もとって恩も売れる……表裏の二面待ちができる良い形だ………どうなることかと思いましたが、これはわたしに流れが来ていますね!
不知火カヤは内心笑いが止まらなかった。 - 141二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 07:34:28
保守
- 142二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 16:44:24
トリニティニュースです
キヴォトス全域の危機に対し自発的に対峙していたトリニティミレニアム連合ですが、あまりに巨額な支出のため学校経営も傾きかねないと、連邦生徒会へ支援の申し出を行いました
ところがキヴォトス全域の危機にも関わらず連邦生徒会長代行の七神首席行政官が対応しないばかりか、面会に応じた不知火防衛室長もわずか紅茶やコーヒー一杯を飲む程の時間で終了してしまったのです
結果的に連邦生徒会から資金援助は引き出せたものの以後戦力の派遣はされないとのことです
同時期に連邦生徒会前でデモを行っていたレッドウィンター連邦学園工務部のとある部員にインタビューしたところ、トリニティミレニアム連合の代表として交渉にあたったパテル派早瀬事務官はまるで捨てられた子犬のように小さな体で連邦生徒会ビルから出てきたと証言があり、金銭でもって追い返されたという見方が強まっております - 143◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/19(火) 20:16:22
どうせなら財務室長への説明もさせてしまおう。
「では、このまま財務室までいきましょうか!その様子なら、連邦生徒会が部隊を動かしたときの試算もしているのでしょう?」
わたしがそう言うと、事務官は脇に置いた鞄から数枚の書類を入れたファイルを取り出した。
「はい、用意しております。お心遣いに感謝します」
財務室は………
dice1d4=2 (2)
1、予算を通した
2、仕方なく予算を通した
3、カヤ「これが(いろんな意味で)一番安く済むのですよ!?」
4、アオイ「しかたないですね……(しぶしぶ)」
- 144二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 06:39:46
無事資金調達できたか
- 145二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 15:49:42
やったぜ
- 146◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/20(水) 20:16:23
「……………確かに、問題は有りません。元来、特定の学校への支援は基本的に行っておりませんが、今回の件は放置した場合に自治区外に被害が及ぶおそれがあること、また、中小規模の学校では対応できかねることを考慮し、連邦生徒会財務室として予算を執行します」
話題になっていたミレニアムとトリニティの代表者を連れてやってきたカヤからトリニティの事務官が提出した書類を受け取り、2、3質問と応答を経て財務室長の扇喜アオイは判を押した。
アオイからの評価
dice1d3=1 (1)
1、「不備の無い手続きは楽で良いですね……」
2、「2年生ですか……トリニティとやり取りする際はこの事務官が多くなりそうですね……」
3、「むこう1年この事務官が相手になるんですか………」
- 147二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 07:30:28
保守
- 148二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 15:53:38
草
- 149◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/21(木) 20:14:25
「では、これにて失礼します」
財務室から出ると、事務官はそう言って頭を下げ、早々と荷物をまとめた。
「ええ、あなたの上司にもよろしく伝えてください(裏で手を組むの意)」
「はい、防衛室長様はとても(都合の)良い方だったとお伝えしておきます」 - 150二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 07:17:25
うーむ、アンジャッシュだ
- 151二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 14:22:39
流れが草
- 152◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/22(金) 20:20:48
「では皆さん、本日はお疲れ様でした。エリドゥでは出せませんし、わたしのポケットマネーですので対した量でも有りませんが帰る前に楽しんでください」
「「「ヒャァッ!3日ぶりのプリンだぁっ!!」」」
エリドゥに戻る前、リアとミノリ、そしてデモを行っていた工務部の生徒たちはD.Uの喫茶店で小休止を取っていた。そして久しぶりに目の前に現れた新鮮なプリンに食らいついていった。
「しかし、リア、あんなこと軽く言って良かったのか?多分向こうはミレニアムとトリニティがバックにつくと思っているぞ?」
プリンをパクつきながらミノリが訊ねた。
「まあ、そうでしょうね」
「わかっててなんで言ったんだ?」
金銭的支援を引き出すためとは言えちょいと三大校の権威を安売りしている気がしないでもなかった。
「ミノリ、わたしはパテル分派の『次席事務官』ですよ?」
「そうだな」
「ホストや首長どころか主席事務官でもない生徒が恩を売られたところで決定権なんて持っているわけ無いじゃないですか」 - 153二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 22:28:43
……せやなっ!!
- 154二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 00:09:54
あー、確かに
- 155二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 10:39:29
あくどい
- 156二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 13:20:28
頑張って決裁権ある人に掛け合ったんですけど無理でしたが通るからな
- 157◆K7oi2p2CoQ9Y24/11/23(土) 13:29:34
「ふふふ………」
リア達が帰った後、不知火カヤは上機嫌だった。手ずからコーヒーを淹れ、戸棚から取っておいた焼き菓子を出してデスクで頬張る。
「あー!いい仕事をした後のコーヒーはおいしいですねぇ!」
比較的クリーンな後ろ楯を得た()カヤは、誰もいないのをいいことに茶菓子とコーヒーカップを両手にオフィスチェアをくるくる回して満面の笑みを浮かべていた。
「あの事務官は良いですね、甘さがあり話もわかる、仕事は丁寧でトリニティにしてはコーヒーの趣味も悪くない………今後のトリニティとの取引は引き続き彼女に来てもらいましょう」
デスクに置いたリアの名刺と焙煎所の紹介カードを眺めながらカヤはもう一口コーヒーを啜った。 - 158二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 22:17:14
かわいい
- 159二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 08:55:55
今はまだ野心があるだけの一般局長なだけだから色々セーフ