【SS】ホシノと先生が過去のアビドスに行く話

  • 1二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:20:25

    今の先生とホシノが過去のユメホシに会ったらどうなる?ってことを多分色んな箇所でされてるだろうけど妄想を形にしようと思った
    勢いに任せて書き始めるのでだれたりするかも
    行き当たりばったりになるかも
    それでもいいなら読んでください
    だれてもちゃんと完結には持っていきたい
    それではよろしくお願いします

  • 2二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:21:04

    ksk

  • 3二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:21:51

    待機

  • 4二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:22:03

    俺が100回ぐらい妄想したシチュを形にするだと…!?

  • 5二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:22:33

    勢いまかせなので変なとこあっても突っ込まないでね

  • 6二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:22:52

    〇月×日。
    いつもと変わらないアビドス。
    いつもと変わらない日課の夜のパトロール。
    私は、先生と一緒にアビドスを歩いていた。
    その時、それを見つけた。
    穴があった...そう、穴だ。
    中でなんか虹色の渦ができている穴があった。
     
    ホシノ「.......なんだろうね、これ」
     
    "さあ...目に良くない色をしている穴としか言えないね..."
     
    見なかったことにしておくにはあまりにも存在感のあるそれは無視することはできなかった。
    危険なものかもしれないし、調査してみよう。
     
    ホシノ「とりあえず石でも投げてみる?」
     
    私は手頃な石を見つけて拾って先生に声を掛ける。
     
    "えっ...大丈夫?"
     
    ホシノ「大丈夫じゃなかったこそ、こうやって調査しないとでしょ?」
     
    "それもそうだね..."
     
    先生が心配そうに言うも、私の説得で納得した様子だった。
    そして石を投げ入れる。
    虹色の渦の中に落ちると石は見えなくなった。
    石を投げ入れて30秒ほど待っても変化はなかった。
    石がどこかに落ちる音などは聞こえなかった。

  • 7二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:23:23

    救いはありますか?

  • 8二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:23:24

    ".......なんも無いね"
     
    ホシノ「...もう1個入れてみようか」
     
    再度石を拾って、投げ入れる。
    先程と同じように30秒...変化はなし。
     
    ホシノ「だめだ、わからないや」
     
    "どうしようか..."
     
    ホシノ「とりあえず1度帰ろっか、調査するにしても道具が欲しいし...1度戻ってみんなと話をして今後どうするか相談しようか」
     
    "そうだね、それがいいよ"
     
    先生とも話して一度アビドスに戻ることした。
     
    ???「ひぃん...!?」
     
    2人でアビドスに戻ろうとしたとき、穴から音が...声が聞こえてきた。
    その声に固まる。
    聞き覚えのある...ありすぎる声だ。
    私は気づいたら穴に手を掛けていた。

  • 9二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:23:44

    "ホシノ...!"
     
    先生は穴に飛び込もうとしてる私の腕を掴む。
     
    ホシノ「ごめん先生...でも私...!」
     
    先生は真剣な顔をして考え込んでいたが、口を開いた。。
     
    "...これはあくまで調査だから、私も行く
    ホシノ、それが条件だよ
    もう1人で危ない目には生かせないよ"
     
    ホシノ「先生...ありがとう!」
     
    先生のおかげで私は冷静さを取り戻した。
    危ない...また1人で突っ走るところだった。
    私は一度穴から手を放す。
    先生の隣に立ち、手を繋いで呼吸を整える。
    この穴に飛び込んで平気なのかはわからない。
    けれど、先ほどの声の正体をどうしても私は知りたい。
    冷静になれば何もわからないことだらけで危険極まりないことを私はしようとしている。
    けれど、今回は先生がいてくれる。
    私に比べれば全然弱いはずなのに、頼もしさを覚えるその手を離さないように決意し、私は先生と共に穴に飛び込んだ。

  • 10二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:24:01

    >>7

    ハッピーエンド予定

  • 11二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:24:06

    >>4

    私は先生と後輩たちが過去アビドスに行って当時のユメホシに会うのを妄想してる

  • 12二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:25:53

    穴に飛び込んで数秒、私はまぶしい光に包まれて目をつぶっていた。
    数秒の浮遊感を味わいながらも、足に感触が戻ってきて目を開ける。
    先生ははぐれることもなく、私の傍にいて、手をつないでいた。
    恥ずかしくなってお互い顔を赤らめながら無言で手を放す。
    少し落ち着いてから辺りを見渡す。
     
    "ここは...アビドス?"
     
    ホシノ「...そうだね...アビドスだ」
     
    私たちがいた場所はアビドスだった。
     
    "けど...なんか変だ...私たちが知ってるアビドスとは少し違うというか..."
     
    だけど私には心当たりがあった。

  • 13二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:26:23

    ホシノ「...少し違うって言うのはちょっと語弊があるね
    私は知ってるよ...」
     
    "えっ...そうなの?"
     
    ホシノ「ここは確かにアビドスだよ
    けど、ここは多分...2年前のアビドスだね
    先生、私たちは多分...過去に来たんだよ」
     
    少し懐かしさを覚える風景と共に一枚の張り紙を見つける。
    そこに書かれている日付を先生に見せて私の予想は確信にと変わった。
     
    "まさかあれが過去に繋がってるとはね...驚いたよ...
    とりあえずほかに誰かが誤って来ないように封鎖しようか..."
     
    ホシノ「それもそうだけど...ちょっと困ったことになったよ
    あの穴がここら辺にないんだ...
    どうやって帰ればいいかわからないよ...」
     
    "えっ..."
     
    先生と共に辺りを見渡すがそこはただの何の変哲もない町中で、時間を超える穴なんてものは存在しない。

  • 14二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:26:51

    ホシノ「ごめん先生...私のせいでこんな...」
     
    "いいんだよ...1人でこんな場所にホシノが行ってしまうよりよかった
    それに、まだ帰れないと決まったわけじゃない
    ここって、私たちがいた場所と座標で言えばずれた場所っぽいし...とりあえずそこに行ってみようか?"
     
    申し訳なさで目を伏せるが、先生が励ますと同時に頭を撫でてくれる。
    そのおかげで少しだけ元気を取り戻す。
     
    "よし、まずは状況とやることの整理だ
    まず、私達は過去に来た...いいね?"
     
    ホシノ「うん、そうだね
    幸い2年前のアビドスで、私が色々知ってるからそんなに危険なことはないよ」
     
    "よし...次は持ち物の確認をしようか
    私は大人のカードと...この.......あれ?"
     
    先生がいつも使っているタブレットを取り出して操作しているが険しい表情をしている。
     
    ホシノ「先生、どうかした?」
     
    タブレットを覗き込むと画面は真っ暗だった。
     
    "困ったな...シッテムの箱が使えないなんて..."

  • 15二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:27:10

    よくわからないけど、なんだか困った様子だった。
     
    "ごめん、ホシノ...仮に戦闘になったら指示は出せるけどいつもより足引っ張るかも..."
     
    ホシノ「大丈夫だよ、先生
    元々私が巻き込んだんだし、どんな状況でも私が先生を守り抜くよ」
     
    胸を張りながらそんなこと言う。
    先生の持ち物はめぼしいものは大体そんなものだった
    対して私はいつもの盾にショットガン、2人分の野宿のための道具に1回分の2人分の食事、決して多いとは言えない現金だけだった。
     
    "こんな所か...あまり長居できる状況じゃないね..."
     
    ホシノ「最悪賞金稼ぎとかすればいいけど...みんな心配するだろうし早く帰ろうか」

  • 16二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:27:28

    "そうだね
    じゃあ次はやるべきことの確認だ
    まず初めに、私たちが見つけた穴の場所に行こう"
     
    先生とやることの確認をする。
    穴の確認、今後に関わってくるので最重要だ。
     
    "次にあの声の確認
    ホシノ...あれ、ユメの声だよね?"
     
    ホシノ「うん...そうだね...」
     
    穴の中から聞こえてきた声。
    ここが2年前のアビドスなら十中八九ユメ先輩の声で間違いはない。
    だけどそれでどうする?
    シェマタの時にユメ先輩のことは区切りをつけた。
    けれど、会いたくないわけがない。
    だとしても会ってどうする?
    未来から来たと言っても困らせるだけだ。
    かと言って未来を変えるために助言をする?
    いや、そんなことをしていいのか...そもそもできるのだろうか?
    頭の中で色々な考えが止まらない。

  • 17二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:28:05

    "ホシノ、とりあえず移動しよう
    考えてばかりだとわからないかもしれない
    動きながら情報を得て、それからまた考えよう"
     
    ホシノ「そう...だね...とりあえず移動しようか」
     
    私は装備を確認して出発の準備をする。
    結局、どうすればいいかわからないが...まずは先生の言う通り、行動してみよう
    今回は分からなくても先生がいるからきっと何とかなるはずだ。

  • 18二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:31:22

    書きだめてた分は終了です
    ある程度の中身考えてるけど、行き当たりばったりなのでこういう展開見たいとかあれば採用するかも

  • 19二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:34:07

    やっぱ過去ホシノのあれやこれやは見たいよね

  • 20二次元好きの匿名さん24/10/19(土) 22:51:14

    このレスは削除されています

  • 21二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 01:04:19

    このレスは削除されています

  • 22二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 11:13:52

    このレスは削除されています

  • 23二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 18:57:55

    >>22

    服を着たら負けだと思うから断固として全裸を貫く

  • 24二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 18:59:03

    >>23

    もしもし補習授業部?

  • 25二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 00:38:28

    装備をしまって探索を開始する。
    先生とともに歩き出して1つの石を蹴り飛ばした。
    私はその石を見て足が止まった。

    "ホシノ?"

    止まった私に先生が声を掛ける。
    これは...私が蹴り飛ばした石だ...!

    ホシノ「先生...この石...私が穴に投げた石だよ!」

    "えっ...ってことは..."

    ホシノ「ここら辺にもう1つの石が...ユメ先輩が...!」

    ???「いったーい...もー...なんなのー...?」

  • 26二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 00:39:00

    私と先生のでは無い声が聞こえてきて周りを見渡す。

    ホシノ「.......いた」

    "いたね..."

    少し離れた位置に座りこんで頭を抑えているユメ先輩がいた。
    どうやら私が投げた石が頭に当たった様子だった。

    ホシノ「ユメ...先輩...」

    "...ほ、ホシノ...?"

    気づけば私はフラフラとユメ先輩の元に歩いていた。

    ユメ「石...?
    誰かに投げられたのかな...いやでも上から落ちてきたような...んー...?
    ......あれ、どうしたの?」

    ユメ先輩は私に気づいて声をかけてくる。

  • 27二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 00:39:30

    会いたかった。
    また話したかった。
    謝りたかった。
    触れたかった。

    感情がぐるぐると私の中でごっちゃになる。
    いつしか私は泣いていた。

    ユメ「えっと...大丈夫?
    なんで泣いてるの?」

    ホシノ「いえ...少し目に砂が...
    ゆm.......あなたこそ大丈夫ですか?」

    私はかろうじて他人のフリをした。

    ユメ「うん...大丈夫だけどなんか石が頭に当たって...
    誰か投げたのかな...怪我したら危ないから投げた人見つけたら叱らないと...」

    ホシノ「そうですか...でも大丈夫ですか?
    怪我とか...」

    ユメ「大丈夫だよ、怪我には慣れてるから
    心配してくれてありがとう」

    ユメ先輩は私に優しく微笑む。
    やはりというか...当たり前だがユメ先輩は変わらない。
    優しい、立派な先輩だ...

  • 28二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 00:39:49

    ユメ「.......どうしてまた泣きそうなの?」

    ホシノ「い、いえ...これはまだ目に入った砂が傷んで...」

    ユメ「もう...大丈夫?
    目薬あるけど...使う...?」

    ユメ先輩はそういうと目薬を取って私に渡そうとする。

    誤魔化すためにもそれを受け取ろうとした瞬間、私とユメ先輩の間を銃弾が遮った。

    ???「誰だお前は...ユメ先輩に何してる...!」

    鋭い眼光をした小柄な生徒がそこにいた。
    まるで全てが敵に見えているかのような厳しい目つきだった。

    ユメ「ちょっ...ちょっとホシノちゃん、何してるの!?」

    2年前の私が、そこに居た。

  • 29二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 00:45:45

    このレスは削除されています

  • 30二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 08:13:45

    このレスは削除されています

  • 31二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 15:14:02

    このレスは削除されています

  • 32二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 22:25:52

    2年前の私は鋭い眼光で私を睨み、警戒している。
     
    ホシノ(過去)「今すぐにユメ先輩から離れろ!」
     
    ユメ「ちょっとホシノちゃん、落ち着いて...!
    この人悪い人じゃないよ!」
     
    ホシノ(過去)「昨日もそのセリフ聞きました!
    危うく借金返済用のお金をそれで盗られかけたのは誰ですか!?」
     
    ユメ「ひぃん...」
     
    なんというか...ユメ先輩だなと思った。
     
    ユメ「それでも、ホシノちゃん...私、この人は不思議と信用出来ると思うんだ」
     
    そんな言葉が私の心に暖かく染み込んだ。
     
    ホシノ(過去)「......なぜそう言い切れるんですか?」
     
    ユメ「......ホシノちゃんに似てるからかな?
    ほら、同じピンクの髪でオッドアイだし...身長も同じだし」
     
    ホシノ「いや、身長は違います」
     
    ユメ「えっ...でも」
     
    ホシノ「違います」
     
    流石に成長......しているので最後だけ否定した。

  • 33二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 22:27:00

    しかし、内心焦っている。
    何も考えないで出てきてしまったが大丈夫なのだろうか?
    所謂タイムパラドックスとか...私の正体を知られた時の2人の反応.....何となくユメ先輩は分かりそうだが昔の私は分からない。
    おそらく信じず、ユメ先輩を惑わす存在として本気で襲ってくる。
    そうなれば厄介だ...昔の私を相手に戦うのは止めておきたい。
     
    ホシノ「....とにかく、別人です」
     
    ホシノ(過去)「そのようですね」
     
    ユメ「えー⁉︎」
     
    ユメ先輩は納得がいかなそうな声を上げるが過去の私が否定したため、ひとまず安心した。
     
    ホシノ(過去)「だって私、こんなアホみたいな顔しないですし」
     
    いらっとしたが正体がバレるよりはマシだと思い、何も言わずにただ苦笑いをして誤魔化した。
     
    “そろそろいいかな?“

  • 34二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 22:27:31

    物陰から先生がゆっくりと現れる。
    その瞬間、背後から並々ならぬ殺気を感じとった。
     
    ホシノ「先生、下がって!」
     
    ”うわ⁉︎”
     
    私は盾を取り出し、放たれた銃弾を弾いた。
    今の一撃は急所は外してはいるものの、綺麗に足を狙っていた。
     
    ユメ「ホシノちゃん!」
     
    ホシノ(過去)「下がってください、ユメ先輩
    正体不明の生徒はともかく、あっちは大人です
    何度も大人に騙されてることはあなただってわかっているでしょう」
     
    先生の姿を見て、昔の私の表情が変わった。
    そうだ、あの頃の私は誰よりも大人を嫌っていた。
     
    ホシノ(過去)「今の銃弾を防いだのならわかるでしょう
    それは警告です
    今すぐにアビドスから消えろ
    さもなくばその大人は殺してでも追い出し、お前のヘイローの無事も保証しない」
     
    ユメ先輩の声すらも耳に届いてない。
     
    ホシノ「うへ...困ったな、やるしかないかな
    この人を殺させる訳にもいかないし、かと言ってそのまま帰る訳にもいかないんだ
    だから、まずはそっちに落ち着いてもらうよ、ホシノちゃん」

  • 35二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 22:27:56

    一呼吸おいて、私達は同時に地面を蹴る。
    互いに有効射程距離に入り、互いに引き金を引く。
    挨拶代りの銃弾を私は盾で防ぎ、対する昔の私は銃弾を回避する。
    昔の私は回避動作を止めず、スピードをそのまま維持して突撃してくる。
    私は咄嗟に盾を前に出し、その突撃を阻む。
    過去の私はそのまま盾を蹴って、横に大きく飛び退いた。
     
    ホシノ「何を...?」
    昔の私の行動の意味がわからない。
    無意味な行動だと思ったがすぐに狙いがわかった。
    昔の私の狙いはその視線の先にあった。
     
    ホシノ(過去)「お前の弱点はあの大人でしょ?」
     
    ホシノ「くっ...させない!」
     
    私は慌てて無理矢理体を射線上に滑り込ませ、盾で銃弾を防ぐ。
    だが、無理な行動だったため、小さな隙が生まれた。
    その隙は...私にとって致命的(絶好の)隙だった。

  • 36二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 22:28:42

    ホシノ(過去)「せやっ!」
     
    ホシノ「おぐっ...⁉︎」
     
    強烈な蹴りを放たれ、盾を退かされた私の腹に銃弾が浴びせられた。
    私はなさけない声をあげながら先生の傍に吹き飛ばされる。
     
    “ホシノ!“
     
    ホシノ「平気...これくらいで根をあげる私じゃないよ」
     
    先生が心配そうに声をかけるが私は微笑み返す。
    今の攻撃でダメージを負ったのは事実だが、それで戦闘不能になるほど私は弱くない。
    だが、状況はよくない。
    おそらく、今の私より昔の私の方が機動力はある。
    そんな中、容赦なく過去の私は先生を狙ってくる。
    この時間にシャーレという組織がない以上、嫌いな大人相手である、先生に躊躇う必要がない。
    先生が言っていた足を引っ張るというのはこうして守る必要があるという事だろうか。
    どの道、機動力が上の相手に先生を守りながら攻めに転ずるのはほぼ不可能だ。
    元々倒す気もないが、落ち着かせる方法もまだわからないのにこれではまずい...
    どうすれば...

  • 37二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 22:29:47

    パァン!
     
    乾いた音が鳴り響いた。
    いつの間にユメ先輩は昔の私の前に来て、ビンタしていた。
    昔の私は驚いた顔をしていて、ユメ先輩はちょっと痛そうにしていた。
     
    ユメ「落ち着いて、ホシノちゃん
    あの人たちは悪い人じゃないよ」
     
    ホシノ(過去)「ユメ先輩...ですが....!」
     
    ユメ「ホシノちゃん」
     
    基本的に優しいけれど情けない事が多かったユメ先輩だが、時折今みたいに強い姿を見せる時があった。
    その時は大抵ユメ先輩が正しく、それを私はわかっているため、黙り込んだ。
     
    ユメ「大丈夫、私を信じて...もし駄目だったら...その時はお願い」
     
    ホシノ(過去)「わかりました...」
     
    ユメ「すみません、もう大丈夫です!
    そっちのこの傷見てあげてください、お話はそれからしませんか⁉︎」

    ”ありがとうユメ、そうさせてもらうよ!
    おいで、ホシノ...念のため傷を確認しよう“
     
    ホシノ「わかった...」
     
    時間にしては数秒の攻防だったが、緊張の糸が解けて私はその場に座りこんだ。
    とりあえずは何とかなったようだ。

  • 38二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 22:30:11

    ユメ「でもホシノちゃん...戦えない人を狙うなんてらしくないことしたね」
     
    ホシノ(過去)「最初の攻防でわかったんです...あの人の強さを
    まだお互い全然本気を出してないのでなんとも言えないですが...あの人、相当な強さでした
    恐らく、私と同じか...それ以上です
    なのでああやって主導権を握ろうと思いました」
     
    ユメ「そ、そうなんだ...
    でももうやっちゃ駄目だよ?
    ああいう戦い方、ホシノちゃんだって辛いでしょう?」
     
    ホシノ(過去)「......はい、もう2度としません」

  • 39二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 22:30:22

    更新したぜ

  • 40二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 22:35:02

  • 41二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 23:20:51

    ホシノvsホシノ...

  • 42二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 23:35:01

    投稿乙

  • 43二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 08:25:20

    良い

  • 44二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 17:59:18

    良い…

  • 45二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 18:19:16

    このレスは削除されています

  • 46二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 18:19:33

    感想とか4人でやってほしいことを描いてくれるとモチベに繋がるぜ!
    採用するかはスレ主の自分次第だけど!

  • 47二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 23:25:11

    ユメ先輩と昔の私から少し離れた場所。
    そこで私は治療を受けている。
     
    ホシノ「だからー...心配し過ぎだって、先生」
     
    “いいから、お腹見せて“
     
    ホシノ「恥ずかしいんだけど」
     
    ”いいから”
     
    先生は有無を言わさずに私のお腹を確認しようとする。
    観念した私はゆっくりとシャツを捲る。
    そこには銃弾の後がびっしりとあった。
     
    “やっぱり...私のせいで...」
     
    先生は暗い顔をしていた。
    正直に言えば、これは先生を庇った時に出来た傷だ。
    先生もそれはわかっているから暗い顔をしている。
     
    ”指揮はできるけど...こんなふうになるならやはり大人しくしているべきかな...“
     
    ホシノ「先生
    確かに、これは先生を庇って出来た傷だけど...それでもこれは私のミスだよ
    だから...そんなに落ち込まないで
    明日にはこんなのなくなってるはずだしさ」
     
    ”でも...“

  • 48二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 23:25:32

    ホシノ「それに、たとえ行動が制限されても私は先生にいて欲しいんだよ
    過去のアビドスってわかってるけど...それでも不安なことはいっぱいあるからさ
    だけど、先生がいてくれたらその不安も和らぐからさ
    それとも、先生のくせに生徒を1人にしちゃうの?」
     
    ”はは...わかったよ...それじゃ、また足を引っ張るかもだけど、いいかな?”
     
    ホシノ「もちろん、おじさんに任せて
    っと...それはいいとして、あの2人になんて話をしようか」
     
    目下の問題として、私達の説明だ。
    素直に未来からやって来たなんて言えばまた戦闘になるのは見えている。
     
    “そこは私に任せて
    こういう時こそ、ホシノは嫌だろうけど...大人の力の見せ所だよ”
     
    ホシノ「ううん、大丈夫
    それじゃ任せたよ」
     
    先生との話し合いを終えて再びユメ先輩の前に集まる。

  • 49二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 23:26:03

    ユメ「遠くから見ていたんですが、随分中がいいんですね」
     
    ”そのように見えるのは嬉しいかな”
     
    先生のことを軽く小突いた。
     
    ユメ「えっと、軽く質問させてください
    あなた達は何しにアビドスに来たんでしょうか?
    ここでは見慣れない人達ですが...」
     
    “まずユメ、君何度か連邦生徒会にSOSのメッセージを送って来たよね?”
     
    ユメ「はい...
    ってことはまさか...!」
     
    “そう、私達は連邦生徒会から来たんだ
    私は連邦生徒会直属の組織、シャーレの先生だ“
     
    先生の宣言にユメ先輩は目を輝かせていた。
     
    ユメ「ホシノちゃん聞いた⁉︎
    遂に私達のメッセージが届いたんだよ!」
     
    ユメ先輩が嬉しそうにしている反面、昔の私は怪訝そうな顔をしていた。

  • 50二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 23:26:35

    ホシノ(過去)「そう簡単に信じないで下さい
    連邦生徒会から来たと言われても事前の連絡もなしにですか?」
     
    ”あれ、ユメにメールしたんだけど”
     
    ホシノ(過去)「...そうなんですか、ユメ先輩」
     
    ユメ「私の端末、たまにメッセージ届かない時あるんだ...古くて」
     
    ホシノ(過去)「まだ買い替えてなかったんですか、こういう事にもなるので早くしてください!」
     
    ユメ「ひぃん...」
     
    ホシノ(過去)「じゃあ先生、あなたの送信履歴見せてください」
     
    “ごめん...私の端末も砂が入ったのか動かないんだ...”
     
    先生はのらりくらりと昔の私の追求を逃れる。
    昔の私は目に見えてイライラしていた。
     
    ホシノ(過去)「じゃあ私は何をもってあなたを信じればいいんですか
    そもそもシャーレという組織、聞いた事ないんですけど」
     
    “最近発足したばかりで公表もされてないからね
    ああでも、これはあるよ?“
     
    そういうと先生は名札を取り出した。
    そこには連邦生徒会のマークがあり、昔の私はそれを見て動きを止めた。

  • 51二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 23:26:51

    ホシノ(過去)「本当なんですね...?」
     
    ”そうだよ
    今回は事前調査ということで来たんだ“
     
    昔の私は微妙に納得言ってなさそうだが、勢いが弱まった。
     
    ホシノ(過去)「.......わかりました
    今のところは信じますが、少しでも妙なことしたら即刻アビドスから追い出します
    それで、そこの人はなんですか....アビドスの制服着てますが」
     
    ”ああ、彼女は私の護衛だよ
    今日から3年生として一時的だけどアビドスに編入するんだ
    ほら、挨拶して?”
     
    ホシノ「えっと、私は連邦生徒会から来た小鳥遊h.......」
     
    先生に促されて挨拶をしようとするがミスった。
    そのまま本名を言えば確実に怪しまれるが...苗字を言ってしまった。
     
    ホシノ「た、小鳥遊ソラノです
    よろしく.......」
     
    慌てて下の名前だけ誤魔化したが先生はあちゃーという顔をしていた。
    昔の私は眉間のシワが深くなって、ユメ先輩は昔の私と同じ苗字だーと喜んでいた。
    ギリギリセーフ...?

  • 52二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 23:30:00

    本日の更新です
    なんなりとお読みください

  • 53二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 23:34:21

    ユメ先輩に「ホシノちゃーん」って呼ばれた時にうっかり反応しちゃってバレそう
    隠しきれるかなぁこれ…

  • 54二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 08:13:10

    大丈夫かなあ
    バレないか心配だ

  • 55二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 17:45:16

    バレそうだな‥

  • 56二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 00:44:45

    ほしゅノ

  • 57二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 01:38:04

    ホシノ(過去)「小鳥遊ソラノー?」
     
    昔の私はいかにも怪しいという顔で私を見ている。
     
    ホシノ「な、なに...?」
     
    ホシノ(過去)「怪しい...偽名とかじゃないですか?」
     
    ホシノ「そ、そんなことないよ
    小鳥遊って別に珍しい苗字じゃないでしょ?」
     
    ホシノ(過去)「......なんで響きが似てるんですか」
     
    ホシノ「た、たまたまだよー...」
     
    ホシノ(過去)「......まあ、元々完全には信用する気はないのでいいですが...」
     
    少し私を睨んだ後、昔の私は引き下がった。
     
    "えっと、そろそろいいかな...
    こんな形だったけど、今日の予定だった顔合わせは終わったし私たちは行こうと思うんだけど
    明日、朝から学校に向かうけどそれでいいかな"
     
    ユメ「はい、わかりました
    よろしくお願いします!」
     
    ユメ先輩はまだ険しい顔をしている昔の私を引っ張って去っていった。

  • 58二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 01:38:58

    ホシノ「うへええええ...緊張したよぉぉぉ...」
     
    緊張の糸が切れて私は私は先生と一緒にその場に座り込んだ。
     
    “にしてもホシノ...小鳥遊ソラノはないよ....安直過ぎで焦った...”
     
    ホシノ「何も私聞いてないのに合わせた方だと思うんだけどなー...」
     
    “でもごめん、ホシノ...必要なこととはいえ、ユメと”昔のホシノを騙す事して...“
     
    先生が私に謝罪をする。
    別に気にして無いのに先生はやはり優しい。
     
    ホシノ「いいよいいよ、ちゃんと必要なことってのはわかってるからさ
    それよりも先生、そろそろ行こうか」
     
    ”行くって、どこへ?“
     
    ホシノ「やだなー...忘れちゃったの?
    あの穴だよ
    ユメ先輩のこともあれだけど、帰る方法を探さないとでしょ?」
     
    ”あっ...そっか...”
     
    私は先に立ち上がって先生に手を差し出す。

  • 59二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 01:39:31

    ホシノ「それじゃあ行こうか、先生
    私がそばにいるから守ってあげられるけど、アビドスの治安はあんまりよくないからね
    気をつけて行こうか」
     
    “そうだね
    頼りっきりになるけど、よろしくね”
     
    ホシノ「うへへ、元々は私のわがままなんだし、気にしないで
    ほら、早く行こっか」
     
    先生は私の手を取って立ち上がる。
    何となくお互い手をそのまま離さないで繋いだまま歩き始めた。
     
    ホシノ「確かこの辺りだよね、先生」
     
    特に問題もなく、私達はあの穴があった場所に来た。
     
    "さて...穴は.......あれ、ないかな?"
     
    ずきりと胸の中が痛む気がした。
     
    ホシノ「ば、場所は同じかもだけどまだ座標はズレてるかもだし...探してみようか」
     
    "うん、そうだね"
     
    私は若干引きつった笑顔を見せて2人で穴を探し始めた。

  • 60二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 01:39:51

    "うーん"
     
    ない。
     
    ホシノ「そっちはどう?」
     
    ない。
     
    "ないねー..."
     
    ない。
     
    ホシノ「ど...どこかなー...」
     
    ない...!!!
     
    "......."
     
    結局、暗くなる捜索したけれども、穴は見つけることは出来なかった。
     
    "見つからなかったね...仕方ない...ホシノ、今日はm"
     
    ホシノ「どうしてないの!!!」
     
    堰を切ったように私は叫びだした。
     
    "ほ、ホシノ...?"

  • 61二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 01:40:46

    ホシノ「なんで...なんで見つからないの!?
    なんでないの!?
    私はどうなってもいい....けど先生は違う!
    私はただのわがままで来たけど、先生は違うじゃん!
    私のわがままに付き合ってもらっただけじゃん!
    だから...私は帰れなくてもいいから先生だけは帰してよ!」
     
    私の心は我慢の限界だった。
    今まで2度も先生に助けられた。
    今度は私が助けなければいけないのに...私のせいでまた先生に迷惑をかけてしまった。
    私は...
     
    "落ち着いて、ホシノ"
     
    先生は私の肩を叩いて微笑みかける。
     
    ホシノ「先生...?」
     
    "ホシノ、私達が元の世界であの穴を見つけたけど、ずっとあった?"
     
    ホシノ「...ない...なかった」
     
    "そうだよね...もしかしたら出現の条件があるかもしれない
    まずは情報を集めようか
    諦めるのはまだ早いよ"
     
    ホシノ「...ごめん、そうだよね
    ごめんね、先生...先生を守るとか言ったのに情けない姿を見せて...」
     
    "いや、それ以上にあんなになってしまうくらい思われてるんだなって感じたよ"

  • 62二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 01:41:07

    急に先程の慟哭に恥ずかしくなってきた。
     
    ホシノ「と、とりあえず今日の寝床探そうか...明日も早いからね!」
     
    なんだかニコニコしていたので軽く小突いて歩き出した。
     
    "ホシノ、ここは?"
     
    1つの建物に私達はたどり着いた。
    想像していたより少し古かった。
     
    ホシノ「ここはおじさんが昔使ってた隠れ家みたいなものだよ
    戦いが長引いた時とかここに隠れて夜を過ごしてたんだ
    もうしばらく使ってないから昔の私も来ないと思うよ」
     
    軽く説明すると私達は中に入る。
    埃臭かったが一夜を過ごすには申し分ない。
    非常食の備蓄もあったが、万が一ここに来られてバレても面倒だと思い、手は出さないようにした。

  • 63二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 01:41:39

    ホシノ「とりあえず、今日はおじさんが持ってた非常食を食べて明日から拠点と食料の確保を考えようか」
     
    "そうだね"
     
    その後は軽い雑談をしながら食事を済ませて就寝の準備をする。
    2人分の寝具を敷いて、早めに寝ることになった。
     
    "ねえ、ホシノ"
     
    2人で寝具に入って、寝る直前に先生が声をかけてきた。
     
    ホシノ「なあに?」
     
    "さっき、私だけでも帰してっていってたけどさ"
     
    ホシノ「うへ...その話する?」
     
    情けない自分の姿を思い出して少し嫌な気分になる。
     
    "それは絶対だめだよ
    帰る時は、2人で一緒に
    わかったね?"
     
    ホシノ「.......ごめん、ありがとう先生
    そうだね、ちゃんと一緒に帰ろうか」
     
    先生の強い眼差しに私の心は少し軽くなった気がする。

  • 64二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 01:41:50

    ホシノ「ねえ、先生...
    もう少し傍で寝てもいい?」
     
    "いいよ、おいで?"
     
    寝具を近づけ、無言で手を繋ぎながら私は目を閉じる。
    前途多難ではあるが...先生の温もりが私の心を和らげ、次第に眠りに誘った。

  • 65二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 10:44:27

    良い…更新乙です…

  • 66二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 18:46:20

    このレスは削除されています

  • 67二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 00:36:58

    保守

  • 68二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 01:45:35

    体が揺れている。
    聞き慣れた声が私を呼んでいる。
    でももう少し待って欲しい。
    この温もりをもう少しだけ...
     
    “ホシノ、ホシノ起きて...朝だよ!”
     
    先生の声で段々と意識が覚醒する。
     
    ホシノ「おはよう...先生...
    なんか近くない?」
     
    “寝ぼけたホシノが夜中来たんだよ”
     
    ホシノ「うへ...そうなんだ...」
     
    10秒程先生の顔を見てだんだんと意識がはっきりして来た。
     
    ホシノ「うわごめん先生⁉︎」
     
    “いやいいんだ...緊張してちょっと寝不足だけど”
     
    お互い顔を赤くしながら見つめ合う。
     
    “やば、そろそろ動かないとユメ達との約束に遅れる!”
     
    自身のタブレット端末を取り出して時刻を確認する。
     
    ホシノ「ごめん、私のせいだ!
    普段すぐに起きるのになんで...」

  • 69二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 01:46:00

    正直、自分でも寝坊した理由がわからない。
    ただ一緒に先生と寝てただけで........それだ。
    私は先生と寝るとそんなに気が抜けるのかと情けなさと先生対する想いで顔を赤くする。
     
    “ホシノ?”
     
    ホシノ「なんでもない、ほら行こう!」
     
    心配そうに顔を覗き込む先生に声をかけて私は支度を進める。
    だが、少し違和感を覚えた。
     
    "ホシノ、どうしたの?"
     
    端末をもう一度見直す、主に日付の部分を。
     
    ホシノ「ねえ先生、見てこれ」
     
    端末を先生に見せる。
    そこには私達の元の世界よりおよそ半年程前の日時が表示されていた。
     
    "日付にズレがあるね..."
     
    ホシノ「そう...ねえ...もしかしたら...
    あー!?
    やばい、そろそろ動かないと本当に遅刻するよ!」
     
    "やばい、遅刻なんてしたら昔のホシノになんて言われるか...
    急ごう!"
     
    こうして、私達は慌ただしく学校へと向かった。

  • 70二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 01:46:35

    ホシノ(過去)「遅い!
    時間ギリギリってどういうことですか!
    それでも大人ですか!?」
     
    ホシノ「うへへ...ごめんごめん
    先生を責めないで、私が慣れない場所でなかなか寝れなかったのが原因だからさ...」
     
    ホシノ「ソラノさんがですか...
    どの道、もっと早く来てください!」
     
    ユメ「こーら、あんまり強く言わないの
    私だってしょっちゅう遅刻するんだし」
     
    ユメ先輩が間に入ってきて仲裁をする。
     
    ユメ「さて、そういえば昨日は自己紹介してませんでしたね
    ご存知かと思いますが、改めて...私がアビドス生徒会長の梔子ユメです
    んで、こっちの小さくて可愛いのが副会長の小鳥遊ホシノです
    よろしくお願いします」
     
    ホシノ(過去)「一言余計ですけど!?」
     
    昔の私が吠えてる。
     
    ホシノ「よろしくお願いします、ユメ先......ユメさん」
     
    危うくユメ先輩と言いかけたがギリギリで言い直せた。
    しかしまたメンタルに響く。
    会いたかったユメ先輩と初対面のフリをしなければいけないし、騙すのも気が引ける。
    正直、こうやってメンタルがブレるのは何度目だと自分を叱りたくなる。

  • 71二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 01:46:58

    ユメ「.......私とソラノちゃん、同い年だよね?」
     
    ホシノ「ええ、そうですが」
     
    ユメ「じゃあ、その敬語と...ユメさんって他人行儀なの止めない?」
     
    ホシノ「い、いえ...この方が私はしっくり来るので...
    .......それに、別に他人行儀ってわけじゃないんです
    個人的なもので」
     
    確かに同い年で敬語等は少し変かもしれない。
    けれどどうしてもタメ口なのは違和感があり、私は意味不明な説明をする。
     
    ユメ「そっか...
    でも確かにソラノちゃんの言う通り、壁は感じないんだよね
    ...わかった、じゃあそれでいいよ
    同じ3年生同士よろしくね、ソラノちゃん」
     
    無垢な微笑みをユメ先輩は私に向けてくる。
    その微笑みで私は限界だった。
     
    ホシノ「ごめんなさい、ちょっと失礼します
    先生、ちょっとこっち来て」
     
    ユメ「あ、あれ...私なにか変なこと言っちゃった?」
     
    ホシノ(過去)「さあ...変なやつですね...」

  • 72二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 01:47:22

    私は先生を連れて2人から距離を取る。
    先生は表情を見るに、察していたようだった。
     
    ホシノ「.......胸、貸して」
     
    先生は何も言わずに私を抱きしめた。
    先生に甘えるように私はその胸の中で泣いていた。
     
    ホシノ「いやー...ごめんごめん
    待たせちゃったね
    それで、今日はどうしようか?」
     
    しばらくして私達は2人の元に戻り、声をかける。
     
    ユメ「今日は私達の学校を案内しようかなーって
    これから通うわけだし、必要でしょ?
    ってことで、校内探検ツアーです!」
     
    意気揚々と宣言するとユメ先輩は私たちを先導して学校に入る。
    見知った学校ではあるが、物とかは昔の状態なので懐かしさを覚える。
     
    ユメ「はい、こちらが教室です!
    もう生徒は私とホシノちゃんだけなんで今は使われてないから勉強にもここは使ってないんだよね
    ってことで今は砂だらけ...」
     
    "それは良くないな..."
     
    ユメ先輩の説明に先生が割り込む。
    ユメ先輩は目を丸くして、昔の私は文句あるのかと言いたげな顔をしている。

  • 73二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 01:47:48

    "何事もメリハリは大事だ
    教室ってのはそういう大事なところもある
    明日、一緒に掃除しよう
    そしたらそれからはちゃんと教室で勉強だ
    その方が勉強も捗るはずだよ"
     
    ユメ「本当ですか!?
    ありがとうございます!
    やったね、ホシノちゃん!」
     
    ホシノ(過去)「い、いえ...私は別に...」
     
    ユメ先輩は喜びながら再度学校を案内し始めた。
     
    ユメ「次はここ、アビドス生徒会室!
    ここが私とホシノちゃんに加えて、2人の主な活動拠点となる場所です!」
     
    生徒会室に入る。
    懐かしさを覚えるその部屋は私の記憶のままだった。
     
    ユメ「これから賑やかになりそうだね...
    ...まだ案内は終わってないので着いてきてね?」
     
    そういうとユメ先輩は生徒会室を後にした。
    しばらくユメ先輩の案内の元、学校を歩き回っていたが...ユメ先輩が1つのトイレの入口で止まった。
     
    ユメ「あっ...ここのトイレは使わない方がいいですよ?」

  • 74二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 01:48:13

    "えっ...なんで...?"
     
    ユメ「.......ここはアビドス七不思議の1つの場所なんですよ
    トイレの花子さん...」
     
    ホシノ(過去)「なんですかそれ、知らないんですが」
     
    昔の私がそう言うが、実際私も知らなかった。
    アビドス七不思議、そんなものがあったのか。
     
    ユメ「ドアを3回ノックし、「花子さん、遊びましょ」と呼びかけると花子さんが出てくるって話です」
     
    ホシノ(過去)「ば、馬鹿馬鹿しい!
    ただの作り話ですよ!」
     
    ユメ「あっホシノちゃん怖がってるー」
     
    ホシノ(過去)「そんなことありません!」
     
    "ま、まあまあ...ところで七不思議って言うんだし、ほかのは何があるの?"
     
    ユメ「えっと、まずはアビドス高校の花子さん
    砂漠に住む正体を知ってはいけない白いなにか、廃病院をさまよう看護師、地図に存在しない駅、アビドス0丁目、開かずの倉庫
    それと...時を超える穴...ですね」
     
    最後の七不思議を聞いて、私と先生は固まった。
    あまりにも身に覚えがあった。
    これは必ず調べないと...
     
    ガタンッ!

  • 75二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 01:48:31

    考え事をしているとトイレから物音が聞こえた。
    全員が飛び上がり、トイレを見る。
     
    ユメ「......今なにか音がしましたよね」
     
    "き、気のせいじゃないかな'
     
    ホシノ(過去)「そ、そうです...気のせいです!」
     
    ガタンッ、ガタタタタタ!!!
     
    トイレの中から何かが崩れる音が聞こえた。
    私達4人は情けない悲鳴をあげてその場から走って逃げた。
     
    ユメ「び、びっくりしたー...やっぱりいるのかな、花子さん...」
     
    ホシノ(過去)「そんなわけありません!
    絶対別の原因ですって!」
     
    昔の私は怖いのか、必死に否定する。
     
    ユメ「まあ...断定は出来ないね
    あっ...やば、私バイトの時間だ!」
     
    いつの間にかかなり時間が経っていたのか、日が傾き始めていた。

  • 76二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 01:48:59

    ユメ「じゃあ、案内も終わったのでこれで解散でいいかな
    私はバイトがあるからそろそろ行かないと」
     
    ホシノ(過去)「そうですか、じゃあここで別れましょうか」
     
    ユメ先輩のバイトと聞いて、ひとつの事件を思い出した。
    それと、1つの考えが浮かんだ。
     
    ホシノ「ユメさん、そのバイト先って...」
     
    私は1つの企業の名前を出した。
     
    ユメ「そう、その会社だよ!
    よくわかったね!」
     
    この会社は、以前ユメ先輩を騙した会社だ。
    危ない目にあったユメ先輩を私が助けたことがあった。
     
    ホシノ「ユメさん、その仕事やらないでください
    それ、シャーレでも目をつけていた詐欺会社です」
     
    ユメ「えっ...そうなの!?」
     
    "そう...だからそこに行くのは得策じゃないな..."
     
    私の発言に先生が合わせる。
     
    ユメ「そうだったんだ...
    教えてくださってありがとうございます!」

  • 77二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 01:49:15

    結局、ユメ先輩はバイトへはいかず、昔の私を帰って行った。
    私達はとりあえずスーパーに行って食材を買おうとした。
     
    "ねえ、ホシノ...さっきのって"
     
    ホシノ「うん、あえて教えたの
    ちょっと試したくて...未来を変えられるのかって...」
     
    "ホシノ..."
     
    ホシノ「まあ、ちょっとした実験だから気にしないで
    ほか、会計しちゃおう?」
     
    私は先生を促して買い物を終わらせる。
    スーパーから出るとすっかり日が暮れていた。
    そこへ、昔の私が走ってる姿が見えた。
     
    ホシノ「あれ、ホシノちゃん?
    何してるの?」
     
    ホシノ(過去)「ユメ先輩が...ユメ先輩が...!」
     
    なんだかかなり焦っている様子だった。
     
    ホシノ(過去)「ユメ先輩が攫われました!」

  • 78二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 01:49:29

    夜中にひっそりと

  • 79二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 12:01:01

    ユメ先輩!?

  • 80二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 22:08:12

    保守

  • 81二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 07:42:24

    このレスは削除されています

  • 82二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 12:56:13

    このレスは削除されています

  • 83二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 23:16:38

    このレスは削除されています

  • 84二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 10:32:50

    落としはしない

  • 85二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 19:06:33

    保守

  • 86二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 23:10:52

    SS見てるとユメ先輩癒しだなあ
    そして攫われてしまったか無事でいてくれ

  • 87二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:14:22

    今日こそは更新する

  • 88二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 20:18:13

    応援するぞスレ主!
    ユメ先輩無事だといいな

  • 89二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 00:39:47

    寝る保守

  • 90二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 07:13:38

    私と先生は昔の私を落ち着かせて話を聞くことにした。
     
    ホシノ「ユメ先輩が攫われたって...どういうこと?」
     
    ホシノ(過去)「そのまんま...先生とソラノが言った通り、ユメ先輩が行こうとしてたバイト先はやばい場所だった
    それを広められたらまずいと思ったのか、ユメ先輩は攫われてた...
    私はユメ先輩からメッセージを送られてきて今から助けに行くところ」
     
    一応年上なのに呼び捨てにされたことがちょっと引っかかったが触れないことにした。
    先生と顔を見合わせる。
    確かに私はユメ先輩をバイトしに行って騙されるという未来を変えたはずだ。
    けど、実際...ユメ先輩が危ない事実は変わっていない...これは...
     
    ホシノ「考えるのは後にしよう
    とりあえず、今からすぐに準備するから待ってて」
     
    私の言葉に昔の私は怪訝そうな顔をしていた。
     
    ホシノ(過去)「もしかして、2人も行くつもり?」
     
    ホシノ「もちろん、当たり前」

  • 91二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 07:14:07

    ホシノ(過去)「ふざけるな!
    私はユメ先輩と違ってお前たちは信用していない!
    それに、お前はともかく後ろの先生は銃弾一発で死にかけるんだから...足手まといにしかならない!
    そんなの着いてこられても迷惑だ!」
     
    大声で私たちはいらないと昔の私は叫びだす。
    実際、この事件は私一人でなんとかなる...
    それでも...
     
    ホシノ「...私の目的はユメせ......ユメさんを助けること
    悪いけど、信用されようがされまいが勝手にいくよ
    一緒に行くって言ったのは、その方が連携が取れるから
    それに先生は確かに貧弱だけど、私が守るし、戦闘指揮とかですごく頼りになるよ」
     
    ホシノ(過去)「.......勝手にすれば
    私は先生が死にかけても救わない
    大人なんか、信用できないし...それを守ろうとするソラノも、信頼できない
    なにかあればもろとも撃つから」
     
    そう宣言すると昔の私は観念した様子だった。
    私と先生は買い物したものをコインロッカーに入れる。
     
    "じゃあ、行こうか
    ソラノ、ホシノ...必ずユメを救い出そう"
     
    ホシノ「おー!」
     
    ホシノ(過去)「ふん...」
     
    こうして、私たちはユメ先輩がいるビルに向かった。

  • 92二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 07:14:26

    ユメ先輩のビルは何人かのボディーガードが監視をしていた。
     
    ホシノ(過去)「ユメ先輩のが私にSOSを出したのがバレたのか...
    ものすごい警戒してる」
     
    ホシノ「大変だね...こりゃ...
    先生、どうしようか」
     
    "そうだね...まずは..."
     
    ホシノ(過去)「どうするもなにも、正面突破しかないでしょ!」
     
    ホシノ「ホシノちゃん!?」
     
    潜入作戦を伝えようとした先生を尻目に、昔の私は正面から突破しだした。
     
    "しかたない、そのまま続いていこう
    ソラノ、指揮はその都度出すけど...ホシノの行動がいまいち読めない
    臨機応変にいこう
    あと、私の護衛もお願い..."
     
    ホシノ「任せて!
    よし、行こうか!」

  • 93二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 07:15:09

    私達も続いてビルに潜入する。
    潜入したはいいものの、基本的に大規模な戦闘はなかった。
    残っていた傭兵やらボディーガードが出てくるたびに撃退して、基本的には先頭を行く昔の私は鬼神のような勢いで殲滅していく。
     
    ホシノ「.......来た意味なかったかもね」
     
    "ホシノは昔から強かったんだね..."
     
    ホシノ「うん、まあね
    でも、周りが見えてなかった」
     
    雑談しながらも最上階に来る。
     
    ホシノ「...!?
    先生、下がって!」
     
    敵の気配を大量に感じ、私は先生を突き飛ばしながら、物陰に隠れる。
     
    "ごめん、たすかった!"
     
    ホシノ「流石に最上階だけあって、敵も相当守りを固めてるね...結構きついかも...これ...
    あれ、昔の私が見えない...」
     
    戦っているはずの昔の私が姿を消していた。
    っと思ったら私の隣に飛び込んできた。
     
    ホシノ「うわっ...びっくりした...!
    1人で行ったと思ったけどどうしたの...」
     
    昔の私はやや言いにくそうにしていた。

  • 94二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 07:16:20

    ホシノ(過去)「......弾が切れそう
    言い訳になるけど...準備不足だった...
    それでも負けることは無いけど...だけど...敵の防御が思った以上に厚くて時間がかかりそう
    ..........ユメ先輩をこれ以上危険な場所に居させたくない
    お願いします...力を貸してください」
     
    昔の私は頭を下げて来た。
    どうやら、昔の私もきつい様子だった。
    私と先生は1度、顔を見合わせて声をかける。
     
    ホシノ「私だってユメさんを早く助けたいんだから、当然だよ」
     
    "ユメは大切な生徒だからね
    当たり前だよ"
     
    私達は微笑みながら声をかけた。
     
    "じゃあ、ホシノ...私が指示を出すからそれに従って欲しい
    いいね?"
     
    ホシノ(過去)「わかった...それで、私は何をすればいい?」
     
    "ホシノは私が指示するルートでこの防御陣営を超えて迅速にユメの元に行くんだ
    私はソラノをサポートしながら敵を倒して、追わせないようにする....シンプルな作戦だ
    ホシノは多少、無茶してでもいいからなるべく先に行って欲しい、ソラノがそれをサポートするから
    いいね、ソラノ...ホシノ!"
     
    ホシノ「まっかせて!」
     
    ホシノ(過去)「わかった」

  • 95二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 07:17:00

    先生の指示に私と昔の私はうなづいて突撃準備を整える。
    今度は昔の私の様子を見て、お互いが頷き、昔の私が物陰から飛び出す。
     
    モブ「来たぞ、止めろ!」
     
    昔の私は猛スピードで走る。
    時折戦闘も入るが、インカムから先生が指示を飛ばしている。
    指示通りに動いた結果、消耗をかなり抑えて制圧できており、その結果に驚いている。
    うん、その気持ちはよくわかる。
    対して私は、昔の私を追おうとする者の相手をする。
     
    ホシノ「あなた達の相手は私だよー」
     
    先生の指示を受け、私も戦闘を開始する。
    1人、また1人と先生の的確な指示の元、倒していく。
     
    モブ「クソ、やつを追え!
    これ以上行かせるな!」
     
    モブ「だめだ...この女、小鳥遊ホシノ並に強いぞ!?」
     
    モブ「くそ...アビドスは暁のホルスを抑えればあとは余裕なのに...あの女なんなんd...ぐあ!?」
     
    若干の余裕を見せつつも、背後にいつもより危ない先生がいることを念頭において戦闘をする。
    いつの間にか昔の私は姿を消していた。
    私は私で、既に殲滅を終えていた。

  • 96二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 07:18:12

    ホシノ「こんなものかな...先生終わったよ、怪我とかしてない?」
     
    "大丈夫だよ...それより、昔のホシノはどうしてるかな"
     
    ホシノ「大丈夫だよ
    元々、これ私1人で解決出来るものだし」
     
    なんて話していると、発砲音が聞こえてきた。
    しばらく待っていると、気絶しているユメ先輩を抱き抱えて昔の私が出てきた。
     
    ホシノ(過去)「状況終了しました、ユメ先輩は...無事奪還しました」
     
    ユメ先輩の体を見る。
    所々痣があり、乱暴にされた形跡が見られる。
    おそらく、情報源を教えろと言われたのだろう...それでもユメ先輩は言わなかった。
    その覚悟に嬉しく思いつつ、怒りが湧いてきた。
    けれど、それはしまっておくことにする。
     
    ホシノ(過去)「すみません...今日は先に帰ります
    ご覧の通り、ユメ先輩は傷だらけです...早く帰って治療しようと思います」
     
    "そうだね....それじゃ解散しようか"
     
    先生がそういうと、昔の私はユメ先輩の家に行き始めた。
    その前に...
     
    ホシノ(過去)「...明日、ちゃんとアビドスに来てください...謝罪も兼ねてお話をお願いします」
     
    そういうと、今度こそ歩いていった。

  • 97二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 07:19:21

    一方私たちはスーパーに戻って買い物を回収して隠れ家に戻る。
     
    ホシノ「いやー...今日は大変だったね...
    お疲れ様、先生」
     
    隠れ家に戻って、食事をしながら先生を労う。
     
    'ホシノこそお疲れ様
    とりあえずユメを救えてよかったね
    .......殴られてたのはあれだけど"
     
    ホシノ「先輩....どうして騙されてることに気づいたかあいつらに教えなかったんだ...私達を守るために...
    だからああして...」
     
    "明日、お礼言わないとね"
     
    ホシノ「そうだね...って、先生にもだ
    ありがとう先生、ユメ先輩を助けてくれて」
     
    私のお礼にキョトンとしていた。
     
    ホシノ「本来...今回のことは昔の私1人で事足りたんだけどさ...
    それでも私のわがままで危ない場所に着いてきてもらったからさ...」
     
    "ああ...気にしないでいいよ...私は教師だからね...
    生徒が危ないなら救いにいく、だからホシノが言わなくても私から声をかけてたよ"
     
    ホシノ「先生...ありがとう...」
     
    先生の気持ちが嬉しくて再度お礼を言う。

  • 98二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 07:19:33

    ホシノ「そういえば今回、ユメ先輩がバイトに行くのを阻止したのに...結局戦闘になったね...
    なんでだろう...」
     
    たまたまなのだろうか、それとも必然なのだろうか...
     
    "私の考えなんだけど...歴史の修正力が働いたんだと思う"
     
    ホシノ「歴史の修正力?」
     
    "そう、例えば...何かしら大きな出来事は変えることは出来ないんだ...
    例えば、今日の出来事をABCで考えてみよう
    まず、学校に行くがA、バイトに行くがB、ホシノが相手を壊滅させるがC
    本来、A+B+Cとなるはずが、ホシノの助言があって、B'というものが発生した
    けど、歴史の修正力は-B'を作るんだ
    だからA+B+B'-B'+Cとなって...最終的には変わらないと思うんだ"
     
    ホシノ「おー!」
     
    先生の解説に私は声を上げる。
     
    "まあ...ある漫画に書いてあったことなんだけどね"
     
    ホシノ「お、おー...」

  • 99二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 07:20:04

    でも...仮にそうだとしたら...ユメ先輩を救うことは出来ないということだ。
    元々、ユメ先輩を救ったら将来どのようになるか検討もつかない。
    誰かがアビドスにいないなんてことも有り得る。
    そのため、歴史を変えるつもりはなかったが...それでもユメ先輩はどう足掻いても死ぬということを突きつけられてショックだった。
     
    "ホシノ、結果だけが全てじゃない
    例え過去を変えられないとしても...私達は全力で2人に向き合わないといけない
    そうじゃない?"
     
    そんな私の心境を察してか、先生が声をかけてくる。
     
    ホシノ「うん...わかってる...
    ごめんね、ちょっと気持ちが沈んじゃってて...
    でもそうだよね...うん...
    全力で向き合う...そうするね...」
     
    元々やることは変わらない。
    しっかりするように自分を言い聞かせる。
     
    "あっ...でも確信があるわけじゃないし、何が起こるか予想つかないから変なことはやめようね..."
     
    ホシノ「わかってるよ」
     
    一通り話し合いを終えると、食事も同時に終わっていた。
    私達は就寝の準備をする。

  • 100二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 07:20:21

    "ホシノ、昨日みたいに寝ぼけて来るなら最初から一緒に寝る?"
     
    ホシノ「うへっ....!?
    昨日のはたまたまだってば!」
     
    先生が私をからかうように声をかける。
    ちょっとムッとしたので私は仕返しすることにする。
     
    ホシノ「でも...先生がいいなら...いいよ...?」
     
    "えっ"
     
    私が乗ってくるのは予想外だったのか、先生は固まっていた。
    変な空気が流れる。
     
    "じゃあ、そうしようか"
     
    微妙な空気の中、無言で就寝の準備を再開する。
    準備も終え、狭い寝具の中で先生の抱かれて横になる。
     
    ホシノ「.......おやすみ」
     
    "おやすみ..."
     
    そのまま夜の挨拶を済ませて私は目を閉じる。
    寝れないと思いきや、先生の暖かさですぐに私の意識は夢の世界へと落ちていった。

  • 101二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 07:23:26

    寝落ちした結果更新は朝になりました

  • 102二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 17:48:24

    保守

  • 103二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 20:13:11

    先生とホシノの眠ってる姿微笑ましいな

  • 104二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 01:07:24

    ユメ先輩やっぱり心が強いな
    過去ホシノとも関係を築けそう

  • 105二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 08:22:38

    ユメ先輩救出されてよかった

  • 106二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 18:33:33

    保守

  • 107二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 06:32:17

    反応があるとモチベになるぜ!

  • 108二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:12:21

    応援してます!
    保守

  • 109二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:51:45

    耳障りな目覚まし時計の音が聞こえる。
    その音は強制的に私の意識を目覚めさせる。
    前を向くとすでに目覚めていた先生と目が合った。

    "おはよう、ホシノ"

    ホシノ「おお、おはよう先生!
    なんでそんな早く起きておじさんの顔ずっと見てるの!?」

    "実は...あまり寝れなくてね...んで、早く起きたからホシノの寝顔見ていたんだ"

    ホシノ「うへっ...なんでそんなつまらなそうなこと...まあ一緒に寝てたら寝苦しいよね...
    ごめんね、先生...」

    "いや、別に寝苦しい訳じゃないよ
    ただ、ホシノがすぐそばにいるからドキドキしてさ..."

    ホシノ「...それって」

    "まあ、そういうこと...
    あと、ホシノの寝顔見てるだけで普通に面白かったよ"

    ホシノ「.......そっか」

    昨日と同じく、また微妙な空気がながれ...私と先生は危うく遅刻しそうになった。

  • 110二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:52:18

    ホシノ(過去)「遅い!
    昨日言ったのにまた遅刻ですか!」

    ユメ「ま、まあまあ...もしかして寝不足かも...私を助けるために頑張ってくれたし...」

    ホシノ(過去)「それは私も同じです!
    私だって頑張りましたし、それでも早くには来てます!
    絶対何かしらの要因があるはずです!」

    昔の私の言葉に私も先生も固まる。
    言えない、甘い雰囲気が朝流れて遅れたなんて言ったら絶対爆発する。
    昔の私は1度大きなため息をつきながらこちらを見る。

    ホシノ(過去)「......えっと、とりあえず昨日のお礼を言わせてください
    ユメ先輩を助けるのに手を貸してくださり、ありがとうございます
    お陰で、想定より早くユメ先輩を救えました...」

    私と先生は急な昔の私の変化に驚いた。
    信頼は...得たということだろうか?

    "昨日も言ったけど、ユメは私の生徒だからね
    当然だよ"

    ホシノ(過去)「........ありがとうございます、先生」

    少しだけ微笑みながら改めてお礼を言う昔の私。
    何故かその顔に少し恐怖を覚えた。
    ...いくら何でもそんなちょろくないよね、私?

  • 111二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:52:53

    ホシノ「それから...ソラノ.......先輩...
    ありがとうございました...」

    .......まあいいや。

    昨日についての話も終わり、私達は校舎に入る。
    なるべく砂漠に埋もれてない教室を選ぶ。

    "じゃあ、これよりこの教室の掃除を開始するよ!"

    ユメ「おー!」

    私達は昨日の話にあった、勉強用の教室を掃除することになった。
    教室自体はそこまで広くはないが、かなり砂があったり、そもそも汚れていたりとかなりの労力が必要なことが見てわかった。
    とりあえず大まかに2組に別れて作業をすることになった。
    私とユメ先輩、昔の私と先生という組み合わせだ。
    ユメ先輩がこの組み合わせを提案してきた。
    おそらく、親睦を深めるのも目的だろう。

  • 112二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:53:29

    "ホシノ、これどこにしまえばいい?"

    ホシノ(過去)「ああ、それはですね...えっと...そっちに...」

    "ここだね...
    うわー中から砂がー!?"

    ホシノ(過去)「何やってるんですか先生!?
    片付けるのが目的なのになんで汚すんですか!?」

    "今のはホシノの指示なんですが..."

    .......まあ、先生と昔の私はあんな感じだ。
    多少は信頼するようになったが、元々この時の私は気難しい性格なので先生も手を焼いてる。
    一応は掃除は進んでるので大丈夫だろう.......多分。

    ユメ「あっちはあっちで楽しそうだね、ソラノちゃん」

    ホシノ「傍から見たらユメさんとホシノちゃんもあんな感じなやり取り多いですよ」

    ユメ「えっ...そうなの?」

    一方、こちらは雑談混じりではあるが...順調に進んでいる。

    ユメ「じゃあソラノちゃん、これ移動するね」

    ホシノ「えっ...そんなに持って大丈夫ですか?」

    ユメ「大丈夫大丈夫、これくら....ひいいいん!」

  • 113二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:53:53

    ........順調に進んでいると言ったがそうでも無いらしい。

    ホシノ「まったく...なにやってるんですか?」

    ユメ「あはは...
    ......あれ、ソラノちゃん笑ってるね」

    ホシノ「えっ...?」

    唐突な私的に素っ頓狂な声を上げた。

    ホシノ「えっと...結構笑っているとは思いますけど...」

    ユメ「んー...なんて言うか...いつものはどこか追い詰められてるっていうか...悩んでるってか...何かが引っかかってる感じがするの」

    ドキリとした。
    まさかバレてるとは...
    ユメ先輩のことや、未来への帰還方法...その他もろもろ考えて、結構煮詰まっていたのは事実だ。
    ユメ先輩が気づいてるならおそらく先生も気づいているな...これ...
    何も言われないけどとりあえず経過を見る予定だったのだろうか...
    少なくとも心配させてしまった。

    ユメ「少し休憩しようか、私疲れちゃった」

    ホシノ「......ホシノちゃんに怒られそうな気はしますけど...いいですよ」

    私達は椅子に座って騒いでいる昔の私とそれに振り回されている先生を見ている。

    ユメ「ねえ、ホシノちゃんのことどう思う?」

  • 114二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:54:12

    ホシノ「えっ...?」

    唐突な質問に困惑するが、昔の私を見ながら答える。

    ホシノ「......強さに関して言えば...まあすごいですね
    一年であの強さですからね
    ......でも、それ以外のところが...
    現実をわかったふりをしている子供です...」

    ユメ「け、結構強いこと言うんだね」

    しまった...つい自分のことだと思うと後悔が止められなかった。

    ユメ「......そっか...でもそう思うんだ
    じゃあ、どうすれば改善できるかな」

    ホシノ「他力本願になるかもしれないですが、誰かが教えてくれる人がいてくれれば...変わると思います」

    ユメ「...改善できると思う?」

    ホシノ「......本人次第かと...
    あの、さっきからこれ何の質問を......」

    横を向いて、ユメ先輩の顔を見る。
    一緒に先生と昔の私を見ていたはずなのにいつの間にか私を見ていた。
    その顔は泣きたくなるほど優しくて、私は言葉に詰まった。

    ユメ「質問の意味は...内緒だよ」

  • 115二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:54:41

    ホシノ(過去)「2人とも、何をさぼっているんですか!」

    昔の私がこちらに気づいて声を掛ける。
    やばい、先生が死にそうだ。

    ホシノ「すみません、ユメさん
    先生やばいので手伝ってきます
    もうこっちの作業はユメさん1人でも問題ないのでよろしくお願いします」

    ユメ「わ、わかった...先生...たしかにすごい顔してるね
    ...あっソラノちゃん」

    ホシノ「なんでしょうか...?」

    ユメ「...アビドス、楽しんでね」

    再び泣きたくなるような優しい顔でユメ先輩は笑いながらそう言う。
    私は、それに返事をするのが精一杯だった。
    その後、日が赤くなり始めた頃に教室は奇麗になった。

    ホシノ(過去)「皆さん、お疲れ様です
    お陰様で教室は奇麗になりました
    これからは掃除を欠かさないで使わせて頂きます」

    ユメ「疲れたー...」

    ホシノ(過去)「とは言いますが、私...ソラノ先輩の足を引っ張りまくってたの知ってますよ」

    ユメ「私だって頑張ったんだけど...!?」

  • 116二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:54:56

    いつものようにユメ先輩に昔の私が小言を言っている。

    "それじゃあ、そろそろ解散しようか
    明日はせっかく教室がキレイになったわけだし、授業をしよう
    とりあえず軽くの予定だけど、三人とも、そのつもりでね"

    ユメ「わかりました!」

    ユメ先輩が元気よく返事をする。
    それを機に、私たちは帰り路を歩きだす。
    軽く雑談をしながら歩き、分かれ道に差し掛かる。

    ユメ「それじゃあ、ここらへんで私たちは...
    ソラノちゃん」

    ホシノ「は、はい...?」

    ユメ「また明日ね」

    ホシノ「......はい、また明日」

    くったくのない笑顔を私は直視できず、背を向けて返事をしながら歩き出す。
    先生は私の気持ちを察してか、何も言わないでついてくる。

  • 117二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:55:14

    ホシノ「たっだいまー!
    いやー...今日も疲れたねー」

    "ホシノ..."

    無理やりにでも元気を出そうとした声はすぐに看破され、先生は心配そうな声を私にかける。

    ホシノ「......ごめん、情けないね
    さっきね、ユメ先輩にも言われたんだ...無理してないかって
    うん...やっぱ気持ちが落ち着かないんだよね...
    生きてる先輩に会えてのになにも言えないし...見てるだけで私泣きそうになっちゃうんだ...」

    "......"

    ホシノ「先生も気づいてるんでしょ?
    私が揺れてるの
    先生が気づかないはずないもんね...
    何も言わんかったのは私が自分で乗り越えるってことを信じて?」

    "それもあるんだけど...どうすればいいのか分からなかった...
    不思議と...最近はホシノの事だけ...どうすればいいのかわからなくなってるんだ..."

    ホシノ「うへっ...なにそれ...
    ...でもごめん...ちょっときついや」

    私は先生の傍に近寄って服の裾を掴む。

    ホシノ「...少しだけ..弱い姿晒していい?」

    "いいよ..."

  • 118二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:55:27

    先生の許可をもらうと私は先生にだきついて声を殺して泣き始めた。
    ユメ先輩と話したい。
    小鳥遊ソラノではなく、小鳥遊ホシノとして。
    あの時の事を謝りたい、ちゃんと謝りたい。
    でもそれはできない。
    小鳥遊ホシノと名乗れば困惑させるし、謝ってもなんのことかわからない。
    確かに私は前に進むと決めた。
    それでも、辛いものは辛い。
    ユメ先輩の優しさに触れるたび、際限を知らない後悔があふれ出す。
    私は一体、何度泣けば気が済むのだろうか。
    自分で言ったことも実行できないのは情けないと思いつつも、私は先生の抱き着いてまま...泣いていた。

  • 119二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 18:04:18

    更新だぜい
    ちなみに書きたいエピソードはまだ全然あるけど、この4人で見てみたいエピソードがあったら言ってくれ!
    これもモチベに繋がるからさ!

  • 120二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 23:31:25

  • 121二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 23:40:18

    ユメ先輩は優しいな
    いつか小鳥遊ホシノとして話せるといいな
    4人で見たいエピソードですか
    やはり柴関ラーメンに行ってみてほしいですね

  • 122二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 08:35:56

    4人で宝探しはどうでしょうか?

  • 123二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 19:49:40

    どんな機会かはわからないけど水着着て上にもあるように宝探しかな

  • 124二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 01:16:29

    夜保守
    ホシノこのまま泣き疲れて寝ちゃいそう

  • 125二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 08:51:04

  • 126二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 17:52:09

  • 127二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 22:23:10

  • 128二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 08:52:34

    保守
    どうなるかな

  • 129二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 09:02:01

  • 130二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 17:34:05

  • 131二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 23:13:50

  • 132二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 09:51:16

  • 133二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 20:59:00

  • 134二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 07:57:52

    保守

  • 135二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 17:48:33

  • 136二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 00:45:47

  • 137二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 12:48:54

    ほしゅ

  • 138二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:31:05

    目が覚めると例のごとく私は先生に抱きしめられていた。
    以前はドキドキしてよく寝れないと言っていた先生は流石に慣れたのか、穏やかな顔で寝ていた。
    先に起きて見つめられるのもあれだが、慣れてしまうのもちょっと癪だった。
    時計を見れば目覚ましの時間の30分前に起きていた。
    先生の温もりに寂しさを覚えつつも寝具から出て、私は朝食の準備をする。
    とは言っても簡単な目玉焼きとソーセージを焼いたものだ。
    ......まあ、簡単なものと言っても目玉焼きは崩れているのでなんとも言えないが
     
    "あれ、ホシノ...?"
     
    朝食の匂いに釣られてか、先生が目を覚ます。
     
    ホシノ「おはよう、先生
    朝食作ったから食べようよ...まあ、失敗したんだけど...」
     
    テーブルに崩れた目玉焼きと少し焦げたトーストとソーセージを並べて2人で向かい合って座る。
     
    "いただきます..."
     
    ホシノ「いただきます」
     
    2人で手を合わせて静かに朝食を食べ始める。
    まだ眠いのか先生は瞼が微妙に開いていない。

  • 139二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:31:30

    "...焦げはあるけど、美味しいね"
     
    ホシノ「そんな大きな失敗する料理じゃないからね
    でもありがとう」
     
    先生の感想に私は頬を緩ませる。
     
    ホシノ「先生、口の周りについてるよ?」
     
    "んー..."
     
    私の指摘にぽわぽわとした間の抜けた返事を先生は返す。
    意外なことに朝は弱いのかもしれない。
    ...早起きは三文の徳とはよく言ったものだ。
     
    朝食も終え、先生もしっかり目を覚ましたころ...丁度支度も終えてアビドスに向かう時間になった。
    朝の弱い先生をサポートするのは意外と楽しかったが下着姿になった時は焦った。
    先生にも何度も謝られた。
    ......もう少し見てもよかったかな。
     
    なんて思いながらも歩いていると先生の携帯端末にメッセージが届いた。
    どうやらユメ先輩が寝坊した様子で一緒に来る昔の私共々遅れるらしい。
    きっと今日から始まる授業が楽しみで寝れなかったのだろう。
    だとしたらユメ先輩らしい...
    そう思って頬を緩ませているとニコニコと先生が私を見ていた。
    恥ずかしいのを誤魔化すために軽く小突いたが当たり所がよ過ぎて先生は悶絶していた。

  • 140二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:33:10

    ホシノ「誰もいない教室って寂しいね」
     
    アビドスについて昨日掃除した教室の席に座り、私は呟く。
    教室には私と先生だけで、ガラリとして私の言った通り、寂しさが溢れてた。
     
    "もう少ししたらユメと昔のホシノも来るよ"
     
    励ますようにか、先生はそんな風に返す。
     
    ホシノ「それでも、先生1人と生徒3人で4人だけの教室で寂しいことには変わりないけどね」
     
    "そんなことないと思うけどね..."
     
    お互い、苦笑しながら見つめあう。
     
    ホシノ「...ねえ先生、それと同時に生徒と先生が教室に2人っきりってなんだかいけない雰囲気しない?」
     
    "いきなり何を言い出すの!?"
     
    私の唐突な発言に先生は困惑した声を挙げる。
    2人っきりの教室で生徒と先生は禁断の関係になる......そんな話をどこかで聞いたことがある。
    まあ、少女漫画とかではよくあるパターンなのだろう。
    私は読まないから詳しくは知らないが。
     
    ホシノ「でも、こういうシチュエーションはよくあるでしょう?
    大抵は夕暮れ時だけどさ」
     
    "だけど、私とホシノは..."

  • 141二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:33:56

    ホシノ「冗談だよ、先生
    ちょっとからかっただけ」
     
    "はえ...?"
     
    先生は素っ頓狂な声を挙げる。
    そう、冗談だ。
    なんとなくそのシチュエーションを思い出したのと、朝の下着の件で仕返しとして先生を困らせるための発言である。
    先生は見事に引っかかってくれた。
     
    "なるほど、そういうことか"
     
    ホシノ「うへへ、ごめんね
    でもこれで朝の分とチャラでいいよ」
     
    "はあ...わかった...確かに私にも責任はあるからね
    でもホシノ"
     
    ホシノ「なあに?」
     
    "あまり私をからかわないように、今の本気にしたらどうするんだい?"
     
    ホシノ「えっ」
     
    鋭いカウンターだった。
    思考停止されるくらいには奇麗に決まった。
     
    ホシノ「先生、今のどういう...」

  • 142二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:34:27

    "......少し外に出る
    授業の準備と気持ちを落ち着けてくるよ"
     
    ホシノ「あっ...ちょっと...!」
     
    そう言うと先生は私の制止を振り切って教室を後にした。
    1人になった教室で私は窓の外を見る。
    いい天気だった。
    雲一つない快晴。
    ぼーっと眺めてればいくらでも時間を費やせそうだった。
     
    「ホシノちゃん?」
     
    ホシノ「あっ先生、戻ってきた?」
     
    私を呼ぶ声に教室の入口を見る。
    そこにいたのはユメ先輩だった。
    ...まずいと思った。
    心臓が止まりかけた。
    今、私のことをホシノと呼んでいたはずだ...しかもそれに普通に反応してしまった。

  • 143二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:34:55

    ユメ「ごめんね、先生じゃなくて...
    あと...勘違いしちゃってごめんね...ソラノちゃんとホシノちゃん...似てるから...」
     
    ホシノ「い、いいんですよ...それくらい
    それより、そのホシノちゃんはどうしたんですか?」
     
    ユメ「いまトイレに行って...私だけ先に教室に来たの...
    でも...今ホシノちゃんって呼んだらソラノちゃんが反応して...」
     
    ホシノ「ほ、ほら...私とホシノちゃんって似てるじゃないですか...それで...」
     
    ユメ「そ、そっか...うんそうだね...」
     
    お互いあたふたしながらなんとか誤魔化せた気がする...
     
    ホシノ(過去)「2人とも、教室の入り口でなにやってるんですか」
     
    ユメ「ホシノちゃん!?」
     
    いつの間にか昔の私と先生がやってきた。
    私とユメ先輩は慌てながらも席につく。
     
    ホシノ(過去)「それで、今更何をやるんですか
    そもそも私以外3年なので合わないと思うんですが」
     
    "勉強をすること自体、大事な権利だからね
    やるだけでもいいんだ
    その上でなにか学べるといいよ
    とりあえず今日は高校1年の数学からやろうか"

  • 144二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:35:32

    そう言うと先生は黒板に文字を書き始めた。
    私達はその字を見ながら先生の話を聞く。
    意外と言うか...そもそも本職なので意外も何もないと思うが...先生の授業はとてもわかりやすかった。
    驚くほどすらすらと頭の中に吸収されていく感じがした。
     
    "じゃあこの問題を解いてもらおうか
    誰か、前に出て解いてみて"
     
    ユメ「はい!」
     
    先生がそう言うとユメ先輩は元気よく手を挙げて前に出る。
    自信満々に答えを書いているが...
     
    ユメ「できました」
     
    "...うん、惜しいね"
     
    ユメ「えっ」
     
    ものの見事に計算ミスをしていた。
     
    ホシノ「ユメさん、これはですね」
     
    私は近くに寄って間違いを指摘する。
    元々大本は理解できていたのか、すぐに間違いを理解できた。
     
    ユメ「なるほどー...ソラノちゃん頭いいね!」
     
    ホシノ(過去)「......つ、次は私が解きます!」

  • 145二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:36:09

    私に対抗心を燃やしているのがよく分かった。
    そんな感じで驚くほどに時間はあっという間に過ぎた。
    授業なんて退屈だったはずだ。
    それなのに...先生やユメ先輩がいるだけでこんなに楽しいのか...
    ...未来に戻ったら先生に頼んでみんなで授業を受けようと思った。
     
    ユメ「今日はつっかれたー!
    お腹もすいたね、ホシノちゃん」
     
    授業も終わって夕暮れ時、ユメ先輩はそんなことを言った。
     
    "じゃあ、ラーメンでも食べに行こうか
    私が全員の奢るよ"
     
    ホシノ「ちょっと先生...大丈夫なの?」
     
    "...カードがあるからね"
     
    私が心配そうに声を掛けると先生はそう言った。
    ...冷や汗かいてないだろうか
    そのまま私達は柴関ラーメンに向かった。
    大将は驚くほど変わってなかった。
    その姿に驚きつつもみんな思い思いに注文をする。
    私と昔の私はは普通の醤油ラーメン、ただし大盛だった。
    若いっていいなあ...
    先生は味噌ラーメン、こっちも変わりはない。
    問題はユメ先輩だった。
    どうせならと全部乗せラーメンという超大盛みたいなものを頼んでいた。
    先生は値段を見て、ユメ先輩は運ばれてきたラーメンを見て絶句していた。

  • 146二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:36:48

    ユメ「食べ過ぎて気持ち悪い...」
     
    ホシノ(過去)「調子乗ってあんなの頼むからでしょ...」
     
    ユメ「でも食べきったよ...」
     
    ホシノ(過去)「当たり前ですよ、それは!」
     
    ラーメンを食べ終えてユメ先輩は昔の私に叱られていた。
    当然である。
     
    ホシノ(過去)「...じゃあこのバカな先輩を連れて帰りますので今日はこれで」
     
    ユメ「バカ!?」
     
    コントのようなやり取りをして2人は帰っていった。
     
    ホシノ「......お金大丈夫そう?」
     
    "来月の私が頑張るよ..."
     
    先生の声は消え入りそうだった。
    そのまま私と先生は隠れ家に帰った。
    シャワーも浴び終えて寝る準備をして、慣れた動作で先生と同じ寝具で横になる。
     
    "ホシノ、今日はどうだった?"
     
    先生がそんなことを聞いてくる

  • 147二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:37:15

    ホシノ「急にどうしたの?」
     
    "いや...今日のホシノ、すごく楽しそうだったからさ...
    過去に来てから一番って言っていいほど笑っていたよ"
     
    ホシノ「えっ...そうだった...?」
     
    先生の発言に自分の今日の行動を振り返る。
    確かに先生の言う通り、すごく今日は楽しかった。
    なんでもない1日なのだが...すでに諦めていたユメ先輩との青春...それがどうしようもなく楽しくて...
    このあとの事がどうしても悲しかった。
    だから私は...
     
    ホシノ「......うん、すごく楽しかったよ...今日のは
    でも...これもなくなっちゃうんだよね...」
     
    "......"
     
    ホシノ「先生、私...すごいわがまま言うかも」
     
    "言ってみて"
     
    ホシノ「私、未来を変えたい」
     
    穏やかな顔だったが先生の顔は険しくなった。
     
    "それはどういう意味か解ってる?"

  • 148二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:38:38

    ホシノ「...うん」
     
    "そもそも、この前の事件で歴史の修正力があることがわかった
    まず、この時点で大変だよ"
     
    ホシノ「わかってる」
     
    "未来を変えるとなると、後輩たちはどうするの?
    アビドスに来るかわからないよね
    もう会えないかもしれないよ"
     
    ホシノ「言ったよね、すごいわがまま言うって」
     
    "......うん?"
     
    ホシノ「未来は変える、後輩達は諦めない、これが私の方針だよ」
     
    "すごいこと言いだすね...びっくりしたよ..."
     
    ホシノ「言ったじゃん、わがままだって...でも、諦めないよ...
    先生の事もどっかで解放できればいいんだけど...」
     
    "じゃあ最後だよ...ホシノ"
     
    ホシノ「うん...?」
     
    "創作の話なんだけど...たとえ未来を変えて戻っても...私達の未来は変わらない...並行世界を作るだけになるかもしれないよ"
     
    ホシノ「.......それでも私は、未来を変えたい...例え私自身には影響がなくても、1人でもユメ先輩を救えるなら...!」

  • 149二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:39:26

    真剣な顔の先生は考えこんだ後に口を開いた。
     
    "今回のことは...どれだけの影響を世界に及ぼすのか分からない
    だからホシノ...1人ではやらせない
    一緒にやろう"
     
    ホシノ「でも、先生...」
     
    "あの穴に飛び込み時にも1人でやらせないって言ったでしょ
    こんな危ないこと1人でさせないよ
    ...生徒のやりたい事は出来るだけやらせたいからね
    何かあれば、責任は私が追うよ"
     
    ホシノ「....わかった、先生ありがとう」
     
    私は嬉しさで先生に抱きついた。
    すぐに2人とも恥ずかしさに襲われて距離を離した。
     
    ホシノ「...そろそろ寝ようか、先生」
     
    "そうだね..."
     
    ぎこちないやり取りで私と先生は再度寝具に横になる。
    未来を変える。
    見えない妨害もあるなか、難易度は相当なものだろう。
    それでも私はユメ先輩を救いたい...
    わがままな願いと覚悟を胸に、私は眠りについた。

  • 150二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:39:51

    ようやっと更新できた...お待たせして済まない...

  • 151二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 06:05:13

    おつ

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