【閲覧注意】「魔女……聖園ミカの永久追放!あはははははっ!」

  • 1二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 20:21:12

    「ざまあみろ!ざまあみろ────────!」

    高らかに握り拳を掲げるのは元パテル分派のトリニティ生徒。
    彼女は聖園ミカへの失望を理由にパテル分派を辞し、その後は反聖園ミカを標榜する組織の筆頭になった。
    厳かな雰囲気の聴聞会が終えられた途端、せきを切ったように叫んだ彼女に周囲の誰もが驚かされる。

    「静粛に!静粛に!」
    「静粛になどしていられるか!あの騒乱でパテル分派がどんな仕打ちを受けたか!」
    「お気持ちは察しますが、どうか静粛に!」
    「出来るものかっ!清々したんだ私は!私たちはっ!これでようやっと一段落なんだからな!」

    周りの静止を気にもとめずゲラゲラと笑う彼女。
    そこに品位など欠片もありはしない。
    誰もが彼女に眉をひそめるが、当の本人は気に留める様子がなかった──────。

  • 2二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 20:31:07

    「なんて品のない……」
    「これだからあの魔女を崇めていたような分派の方は……」
    「くくくっ、なんとでも言うがいいさ!そう、今はどんな誹りも心地良く聞こえるのだから!」

    その様子はまさに気狂い。
    今の彼女は誰のどんな言葉も意に介すことはないのだろうと思わせる様。
    それにしても悪意が過ぎる。
    たとえ罪深き魔女であろうが、かつては強く慕った相手だろうに。
    厭らしい笑みをたたえる彼女を見て、彼女が憎んでやまないミカへの同情心が湧いた生徒もいたほどだ。

    「もう、そのくらいにしてはどうですか?」
    「後にしてくれ!私は今とても嬉しくて嬉しくてたまらないのだから!」

    彼女を制止しようとし、にべもなく断られたフィリウス分派の生徒は、こう続けた───────。

  • 3二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 20:42:54

    「もう黙りなさい!ネタは上がっているんですよ!」
    「何のことだ……?」
    「『これは、お詫びでもなんでもありません。これはそう、私の自己満足なのです』」
    「なっ!?」

    ただひとりによる喧騒が止まる。
    喧騒の主は動揺で二の句が継げないが、それに構う彼女ではない。

    「『私はあなたを強くお慕いしておりました。それだけに、クーデター失敗後のあなたがああも落ちぶれていくのが辛かった……迫害には耐えられても、お慕いしているあなたの凋落には耐えられなかったのです』」
    「やめ、やめろっ!」
    「いいえやめません!あなたが先程おっしゃった『一段落』というのは……」
    「黙れっ──────!!」

  • 4二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 20:49:09

    ──────どうか幸せになってください。

    あなたがお慕いなされているかの方と、末永く──────今はただ、それだけが私の望みなのです。


    「何故ならあなたの正体は!元パテル派で!元・聖園ミカ派で!」

    「やめてくれぇーーーーーーーー!!!!!!!!」


    悪辣に振る舞っていた少女の正体が、今暴かれる!


    「そして今は!先ミカ派の酋長として!匿名の寄付によりミカ様に先生との同居を想定した新居を提供したものだからだっ──────!!!!!!!!」

    「ぬわーっっ!!」


    なんと彼女は先ミカ派の筆頭だったのだ!!!!!!!!!

  • 5二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 20:54:35

    急転直下

  • 6二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 20:57:52

    ヘイトをミカから自分に移すための下品笑いだったか

  • 7二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 20:59:29

    主君のために泥を進んで被る忠臣の鑑

  • 8二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 21:01:55

    「ぬわーっっ!!」で笑った

  • 9二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 21:04:20

    「は、はは、何をバカな」

    「往生際が悪いですね。やはり元パテル派なだけあって、嘘をつくのには慣れているということでしょうか?」

    「ふざけるなっ!私は先ミカ派として、成すべきことを成しただけ……あっ」

    「ついに馬脚を現しましたね。この反逆者め!」


    反逆者。

    ひどく妙な言葉である。彼女は反聖園ミカを標榜していたのであって、何かに反逆したわけではないからだ。

    周りは当然ざわつく。フィリウス分派である彼女が一体何を言っているのかと。


    「私が、反逆者だと……!」

    「そうです!あなたは私の信じる正義に!カップリングに弓を引いた!許されることではありませんよ!」

    「……まさか貴様はッ!?」

    「そのまさかですよおバカさん!私はフィリウス派の一員にして、先ナギ派の酋長であるからだ───────!!!!!!」

    「なん、だと……!?」


    外野はもうなにがなんだかわからなくなっていた……。


    -続く-

  • 10二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 21:05:09

    ナギサ、ミカ「シテ…コロシテ…」

  • 11二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 21:05:21

    これがカプ厨の争いか・・・

  • 12二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 21:05:51

    よく見たら新居を提供しただけでまだ当人同士はどっちとも結ばれてないんだよね

  • 13二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 21:08:37

    なんだコイツら

  • 14二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 21:09:11

    勝手に戦え!

  • 15二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 23:25:14

    ミカもナギサも遠巻きに眺めながら呆れてそう

  • 16二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 23:27:06

    これミカとナギサと先生ただの被害者では?

  • 17二次元好きの匿名さん24/10/20(日) 23:27:12

    TLとはいえnmmnの話を大声でするんじゃありません!

  • 18二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 00:25:00

    「あなたたち先ミカ派の思い通りになどさせません!ミカ様を追放してシャーレに身請けさせようなどと……!」

    「くくくっ、私が言うのも何だがいくら何でも憶測が過ぎるぞ!」

    「何ですって……?」

    「魔女……いや、今となってはミカ様か……あの方の所業を知るキヴォトス住民は少なくあるまい!その上今まさにトリニティからの追放処分が決定した彼女が、どうしてお前の言うような扱いにしてもらえると思う!?」

    「む……」

    「それにシャーレの先生はミカ様に対して一定の同情を寄せながらも、なるたけ距離を置くような態度を取っておられた……トリニティを追放された途端に寛大な態度へ豹変するはずはあるまいよ!カプ厨の考えすぎだっ!」


    「あの、一体何が起きているのですか!?」

    「わかりません……お二人とも勢い任せで喋っているからか、所々文脈が変ですし……」

    「今はただ成り行きを見守るより他ありませんか……」


    聴聞会は極力理性的な話し合いを心がけたものだった。

    それに対しこれは究極の感情論だ。

    まして外野が踏み込んではいけない、当人同士の意志を無視したカプ厨のエゴなのだ、これは──────。

  • 19二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 00:27:07

    先セイ勢とティーパーティーハーレム勢もいそう

  • 20二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 00:35:39

    「あなたの言い分も分からなくはありません……」

    「だろう!?そうだ!私は正しいんだ!」

    「ですがあなたが率いる先ナギ派は今やパテル派以上の一大勢力、でしょう?」

    「何を根拠に……それはっ!?」

    「そうです。あなた方先ミカ派全員が署名なされた嘆願書……こんなものをシャーレの先生に送ろうなどと!」

    「バカなっ!それは秘密裏に送ったもののはず……それがどうして先ナギ派のお前に握られているっ!」

    「ははははははっ、裏切られたんですよあなたは……!我々先ナギ派の草が先ミカ派に紛れているとも知らずに!」

    「何だとおっ!?」


    バカバカしいが当人たちは大真面目。

    話はまだ続きそうだと外野は止めるのを諦めて見守ることにした──────。


    -続く-

  • 21二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 02:22:20

    同じトリニティですらミカの所業知らない奴のほうが多いっぽいし、キヴォトス全体に話を広げればよほどの情報通しか知らないのでは?

  • 22二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 02:27:27

    二人とも途中から富野節が混入してない?

  • 23二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 04:00:33

    なんかまともそうな面して出てきたけどフィリウスのやつも同じかそれ以上にイカれてますよね?

  • 24二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 12:27:05

    「あの方今お相手の所属を先ナギ派っておっしゃいませんでした!?」

    「思うに先◯◯派って言い方が悪いんじゃないでしょうか。とっさに言葉を出そうとするといつの間にか混同しやすいのかと」

    「所属校問わずどうも名前の字面が被りがちな傾向があるのではと、クロノスのニュースでも報じられておりましたわね……」

    「つまり語頭を同じにするのがダメなのでは?逆にして呼べば間違いは減るではないでしょうか」

    「いけません。安易にカップリングの前後を入れ替えてはいけませんわ」

    「リバが地雷の人に聞かれたら大事になりかねませんわよ……私はそれで大切な友人を一人失いましたのよ……」

    「おいたわしや……」


    どうも外野は外野で渦中の二人に負けず劣らずの曲者がいるようだ。


    「勿論これは写しですが、A4用紙数百枚ともなると壮観ですわね」

    「それを……どうするつもりだ!?」

    「ふふ、知れたことを……あなたがた先ミカ派の謀略を、我々先ナギ派が利用して差し上げますわ!この署名はミカ様ではなくナギサ様のためになるのですよ!」


    そして明らかになる、先ナギ派酋長の野望。

  • 25二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 12:27:21

    他の派閥の乱入も待たれるがここはあえて伏していた方が利益多そう

  • 26二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 12:37:45

    「ナギサ様のため!?どういうことだ……!?」

    「まずはミカ様の追放処分をなかったことにいたしますわ!」

    「バカなっ!?今しがた聴聞会で決定したばかりの処分だぞ!早々に覆すなど罷り通るものかよ……!」

    「道理など知ったことではありません!全てはそう、我らが象徴たる桐藤ナギサ様のため!」

    「仮にお前が言った通りミカ様の追放が取り消されても、周りは納得するまい!」

    「いいえ!納得せざるを得ません!何故ならナギサ様にはミカ様に代わって報いを受けていただくから!」

    「……まさか貴様ッ!?」

    「そう、追放されるのはミカ様ではない!何故ならばっ!現在のティーパーティーホストであるナギサ様こそが、咎を受けるべきであるからだッ!!!!!!!!!!」


    そう、これはあえての造反ッ!彼女が信じる、主人にとっての最大幸福のための────────!


    「私はここにっ!ミカ様の追放処分取り消しと!それに代わるナギサ様の追放処分を提議するッ!!!!!!!!!!」


    頭のネジがすっ飛んだ暴挙であるっ!!!!!!!!!


    -続く-

  • 27二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 12:45:49

    >>26

    エデン条約編後の療養中のナギサ様に

    特に理由のない追放が襲う!

  • 28二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 13:00:05

    無駄に忠誠心のあるカップリング過激派による無駄に凝った無駄な争いが始まった。

  • 29二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 13:09:52

    黙ってこれ聞かされる元アリウス派閥の気持ちにもなれ

  • 30二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 19:21:03

    「おのれッ……その為に我々の署名を利用するつもりか!」

    「ふふっ、御名答」

    「それを私が許すと思うか!?」

    「許してもらいますよ……ええ、力付くでも!お前たちッ!」


    会議室のあちらこちらからわらわらと手に銃を携えた生徒たちがやって来た!

    ……正義実現委員会の一般委員たちだ!


    「全てはナギサ様の幸せ……そう、シャーレの先生と手を取り合い歩みゆく未来のために!」

    「私たちは正義を実現します!先ナギという唯一絶対の正義を!」


    先ナギ派は治安組織にまで浸透している!

    その主体になっているのは、エデン条約の失敗後に求心力を失ったにもかかわらず、なおティーパーティーのホストとしてトリニティの政務を取り仕切り腐心するナギサの姿に同情していた生徒たちだ!


    「あの方はいつもご自分の立場に振り回されていた!それでも責任を投げ出すことなく今日まで務めてきたのだっ!」

    「だったら最後まで守るべきだろうが!パテル分派でなくなった私が言うことではないがな!」

    「ふざけないでいただきたいっ……!ティーパーティーからの除名後もあなたたちがミカ様追放を推し進め、ナギサ様の心労を重ねさせなければなあっ!」

    「そちらに関してはお詫びのしようもない!しかしっ!私たちの計画を乗っ取ろうとするのは元々燻らせていた野心ではないのかっ!?」

    「……くふふっ、そうですとも!」


    結局身勝手極まるのはお互い様……!

  • 31二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 19:34:58

    「多勢に無勢……はは、どうしようか」

    「どうするもこうするもありませんよ。どの道先ミカ派はおしまいなのですから」

    「私が人質に取られているからか……?」

    「そうですとも。余程の薄情者たちでもない限り、先ミカ派はあなたを助けようとするでしょう。ミカ様には及ばずとも個人の武力に優れ、先ミカ派を統率してみせたあなたを慕う者は多い」


    先ナギ派酋長は勝利を確信していた。

    先ミカ派酋長に追従する形で今回の聴聞会からナギサとセイアを排斥し、現ティーパーティーの後釜を狙う面々が集め、彼女たちが知り得ない先ナギ派という勢力で囲み政治的要求を武力で押し通す……!

    そう、計画は概ね彼女の想定通りに進んでいた───────。

  • 32二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 19:48:33

    「くっくっくっ……なんと浅はかなのだろうか」

    「何!?」

    「私が万が一を想定していないと思ってか!……来るぞっ!」


    先ミカ派酋長がおもむろに盾を取り出し構えた。

    ───どぉん!!!!!!


    「何事ですかっ!?」

    「砲撃……!?一体どこから、誰が……!」

    「あわわっ、ビックリして少し粗相をしてしまいましたわ……」

    「なんですって!?……私が拭いて差し上げましょう」

    「えっ、どういうおつもりですかそのお顔……いやっ、近づかないで……ひゃあっ♡」


    聴聞会の参加者たちは慌てふためき、中にはそれにかこつけた狼藉をする者までいる!

    そんな中、対峙する先ミカ派と先ナギ派の二人は極めて冷静だ。


    「……ご自分に何かあればここへ砲撃するようにと?」

    「そうだが?」

    「ぬぐぐ……私の目論見も見抜かれていたというのですか!?」

    「まさか。この権謀術数渦巻くトリニティで、そういうことを逐一調べていくのは私の性に合わない」

    「ならどうして……?」

    「聴聞会後の私がしばらくして戻らなかったら、私もろとも会場を砲撃するよう命じたのだ。……何が何でもミカ様をトリニティから追放すると決めた時から、私は己の保身など少しも考えていないッ!!!!!!!!!!!!」

    「先ミカ派……!まさか、これほどとはっ……!!!!!!!!!」


    そして会場は砲撃によって吹き飛んだ──────。


    -続く-

  • 33二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 21:24:20

    外野に変態居ない?

  • 34二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 21:33:44

    この子達自由すぎない?

  • 35二次元好きの匿名さん24/10/21(月) 21:39:14

    なんだコイツら……
    なんだコイツら…………

  • 36二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:02:24

    >>34

    キヴォトスは自由なくらいが丁度いい

  • 37二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 12:10:34

    「く……けほっ、けほっ」

    「ふっ、ふふふ。これで数の優位はなくなったな」


    会場は瓦礫の山となり、聴聞会参加者と先ナギ派の尖兵たちは地に伏している。


    「まだです……まだっ!」

    「ほう、立ってみせるか……だがなっ!」

    「グワーッ!」


    先ミカ派酋長が先ナギ派酋長を蹴飛ばす!

    先ナギ派は20メートルほど吹き飛んだようだ。これも先ミカ派由来の剛力なのだろうか……?


    「……ゲホッ、この、ゴリラがっ!」

    「乙女相手になんと失礼な。せめて剛力無双と称していただきたい!まあミカ様の膂力には及ばないがね」

  • 38二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 12:11:15

    蹲る先ナギ派の頭頂に、ライフルの銃口が突きつけられる。


    「我らが計画を乗っ取った上で聴聞会にて政変を起こし、既存の派閥や組織に紛れた思想団体としての強みを活かした奇襲……なるほど、よくもやってくれたものだなあ」

    「嫌味、ですかっ……!今の砲撃……榴弾砲のそれでしょう!?それも私たちフィリウス分派所有の!」

    「かかっ、流石にバレるか」

    「詳細はさておき、我々が何かを企んでいることくらいは掴んでいたのでしょう……?それを敢えて仕掛けさせたとすれば、とんだタヌキですね……!」

    「ゴリラの次はタヌキか。魔女よろしく火あぶりにしてやろうとでも?」

    「……お望みとあらばっ!」


    先ナギ派が突きつけられたライフルをいつの間にか掴んでいる。そして彼女が手首をひねると、銃身が捻じ曲がってしまった!


    「はははははは!おいおい!ゴリラはどっちだよ!」

    「次はあなたの手首がこうなる番です……覚悟なさい!」

    「やってみろ!」


    ついに、両雄相打つ──────!

  • 39二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 12:15:51

    聴聞会ってナギミカセイ皆出席してなかったっけ?眼の前でこれ繰り広げられてるのか?

  • 40二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 12:18:48

    あの、トリニティってゴリラの飼育場なんです?
    アケミが政治闘争(物理)に負けた元トリニティのお嬢様説が補完されてる気がするゾ

  • 41二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 12:23:44

    なんかこれがいい感じに装飾とか演出とかくわえられて新たなトリニティ舞台演目として劇場で披露されることになりそう

  • 42二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 12:26:08

    「歪んだ愛もろとも、滅びるがいい!」
    「たとえここで私が斃れようとも、先ミカ派の志は潰えんぞッ!」

    拳の応酬から始まり、しばらく打ち合った両者は距離を取る。

    「はっ!ならばこれはどうですか!」

    先ナギ派は倒れ伏す尖兵の手に握られたライフルを奪うと、いつの間に構え先ミカ派を狙撃する!
    普段遣いでないにもかかわらず見事な扱いをし、銃弾は照準過たず相手の頭部へ向かった!

    「……驚いたぞ。盾を構えるのが間に合わなかった」
    「脳天直撃したのに平然と意識を保っていることこそ驚きですよ」

    意識を取り戻し、一部始終を見ていた正実モブは思った。
    日々政争に明け暮れていたはずのティーパーティー関係者が、いつどのようにしてそんな武力を持ったのかと……。

  • 43二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 12:34:07

    ヘッドショットで平然としてるとか野生のヒナがうろついてるのか?

  • 44二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 12:44:59

    「ところでっ、ひとつあなたにお尋ねしたいことがあるのですがっ!」

    「なんだっ!」

    「エデン条約における騒乱を起こした主犯のひとりがミカ様で、どのような経緯で暴挙を振るったのかが詳細に報道されていたのは、あなたが情報を提供したからなのでしょう!?」

    「そうだっ!」

    「そのようなことをしてっ!それから、今度の聴聞会からはティーパーティーの御三方を排斥してまでミカ様を追放したかったのですかっ!」

    「そうだっ!あの御三方はこんな、自治区内部でさえまとまらないようなアホの集まりに関わらないで、今はただ仲良くしていればいい!まして今はゲヘナを笑えないような治安になってしまった、こんな自治区!」

    「それをどうにかするために私がクーデターを成そうとしたんでしょうが!」

    「その結果追放してくれるのがミカ様だったらなぁ!!!!!!」

    「は!?追放すべきはナギサ様でしょうが!!!!!!!!!!」


    あくまで追放に拘る二人。どうも両者は貴種流離譚だの追放ものだのが好きそうな人種だった───。

  • 45二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 12:47:23

    あっ当事者はいないのね

  • 46二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 12:57:58

    「全てとまでは言わずとも多くを失った立場ある者の逆転劇!それはミカ様にこそ相応しいというものだよ!」

    「いいや!気質が政治向きでないにもかかわらず、トリニティのため力を尽くし、心を尽くし、その献身が報われなかったナギサ様がトリニティを追放される方が、絶対に興奮します!!!!!!!」

    「お前の愛は歪んでいる!」

    「あなたが言うことじゃないでしょう!?クロノスはじめ各マスメディアに働きかけてまでミカ様を悪者に仕立て上げ、頼れるものはもう先生しか……って状況に持っていこうとしてたあなたが!」

    「そこまでやってこそ、先生がミカ様を見捨てるわけにはいかないという決意をより強め、ミカ様の王子様になってくれるんでしょうがああああああ!!!!!!!!!!!!!」

    「なんて人……!」


    激しい戦闘の最中、両者はとんでもないことばかり口走っている。

    先鋭化された思想はこうも歪むものか──────。


    -続く-

  • 47二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 20:50:27

    なんで逆襲のシャア思い出してるんやろな俺は

  • 48二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 05:56:51

    このレスは削除されています

  • 49二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 05:57:45

    「大体だな、ミカ様は実際悪者なんだ!本気でアリウスとの和解を望んでいたことを、私含めパテル分派の誰にも言わなかったのだから!」

    「そんな甘い夢を共有してくれる同志になりうると見なされなかっただけでしょう?あなた方が不甲斐なかっただけのこと!」

    「それを言われると耳が痛い!」

    「私は!私たちは違ったっ!仮初でもいい、まずは融和の切欠としてエデン条約を締結させるためにナギサ様と志を共にした!」

    「ははははははは、笑わせる!ナギサ様の疑心暗鬼に寄り添えなかった者たちがっ!」

    「何ですって!?」

    「私たちとミカ様がそうであったように、貴様らとナギサ様も上司と部下の関係を超えてはいなかった!」

    「そのような不敬が許されたとでもっ!?」

    「阿呆がっ!だからダメだったのだ!私たちは!お慕いする相手を崇拝の対象とし遠ざけることで、彼女たちに寄り添うことをやめていた!」

    「ぬ、ぐぐ……」

    「だからっ!私に出来るのは託すことだけだ!ミカ様と同じく推しである先生になあっ!」

  • 50二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 06:07:36

    「くううっ……!」


    動揺した隙を突かれ、利き手側の肩に一撃を受けてしまう先ナギ派酋長。

    腕に力が入らなくなりだらんと下がる。


    「私の勝ちだっ!先ミカが成立するのを、端から見ているがいいわっ!」

    「……させる、かあっ!」

    「ぐおっ!」


    鉄山靠だ!

    使えなくなった腕をものともせず、先ナギ派は先ミカ派に手痛い一撃を見舞う!


    「がっ、ぐ、てめえっ!」

    「くくくっ、余計に言葉遣いが悪くなりましたね……ざまあみやがれってんだっ!」

    「どの口がっ……!」


    両者は身体も着ている服もボロボロ……それでも戦意を失う様子はない。

  • 51二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 06:23:57

    「……はは、やるじゃないか」

    「そちらこそ」


    激戦を経て、二人の間には奇妙な絆が出来上がっていた。

    元より似た者同士なのも相まって。


    「連邦生徒会の連中がもう少し頼りになっていれば、ミカ様の卒業まで待てたろうにな」

    「おや、推し以外は意見が合いますね。そうです。シャーレビルが爆破されなければ私も事を急いだりは……」

    「アビドスだ。アビドスの連中がいけないんだ……テラー化だかなんだか知らんが、キヴォトスを滅亡させうる物騒な個人戦力を有しやがって……」

    「お気持ちはわかります。私もアビドスには思うところがありますからね……覆面水着団の真相を知った時は頭がどうにかなりそうでしたよ」

    「……私にはどうも、奴らの一件が他人事に思えなかった。力の優劣はさておき、それに近い立場であろうミカ様がそうなる可能性を考えてしまった……」

    「そちらも問題ですが、キヴォトス全土の復旧はおろかクーデター騒ぎで統治機能を失った連邦生徒会にも不安を煽られましたよ」

    「そうだな……素行に多少の問題があっても、先生はキヴォトスの英雄と呼ぶべき方だものな……あの方をお守りするには、もう連邦生徒会では足りない。だからまずは個人的武力が必要なんだ」

    「そのためにミカ様の追放を?」

    「ああ。ミカ様の心を支えている者のひとりは間違いなく先生だ。けれど先生の身体はか弱く、このキヴォトス中で最も死に近い個人」






    「……そんな先生に万が一のことがあれば」

    「そう、ミカ様にも万が一のことがあるかもしれないと思った」


    -続く-

  • 52二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 06:40:33

    この二人おもしれー女すぎんか?
    サンクトゥス派は何やってんやろな

  • 53二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 14:12:05

    >>52

    先セイCP実現に向けて水面下で動いてるんでしょ知らんけど

  • 54二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 16:14:58

    読み返したら、パテル派がミカのやらかした内容を全ぶっぱしたせいで本来なら奉仕作業で済んだところを、明確な外患誘致の証明によって追放処分を止められなかった疑惑あるのが草も生えねえ
    ミカの精神ダメージは勿論だけどナギサも庇え切れなかった無力感で寝込んでるだろこれ

  • 55二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 17:34:37

    「……お言葉ですが、ミカ様はそこまで心の弱いお方ではありませんよ。仮にあなたが憂う程度の精神力なら、セイア様の死を知らされた時点でどうにかなっていたでしょう」

    「それはそうだろう。ミカ様とアビドスの小鳥遊ホシノでは前提条件が違うのだから」

    「何が違うのですか?」

    「ミカ様の場合はセイア様のご遺体など当然見てはいない。偽報だったのだからな。だが小鳥遊はそうでなく、実際に慕っていた先輩のご遺体を発見した」

    「……このキヴォトスではそうそうありえないことです。ショッキングに違いなかったでしょう」

    「そうとも。それで、彼女がテラー化した理由だが、その一件を強く自責させられたのが一因だったらしい」

    「らしい?」

    「らしい……と言ったのはな、どうもそれだけでは納得のいかない部分があったからだ。独断専行で大いに暴れたという点ではミカ様に通じるものがあるが、小鳥遊には身近な味方がいただろう?元々そういうきらいはあったそうだが、先の一件では味方を頼らない自己完結的な傾向が殊更強かった。シャーレに訪れた際、私は事件に関するレポートを何度も見返したが、やはり納得はいかなかったさ」

    「そう言われればそうです。彼女たちはたった5人で廃校寸前の学園を守ろうとし、苦楽を共にする同志のはず。正直言って苦々しい方々ではありますが、その点は評価せざるを得ません」

    「だろう?小鳥遊がそんな同志たちの関与を拒んだのは、まるで誰かに操られていたみたいじゃないか。その上、操られていたかのようだったのは小鳥遊だけじゃあない」

    「……あるいは、先のシャーレ爆破も操られた誰かがやったと仰いたいのですか?」

    「可能性の話だ。そう、あくまで可能性……けれど現状では憂うに越したことはない」

  • 56二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 18:00:38

    そもそも三大派閥の頭を排斥した上で開いた聴聞会でその一角を永久追放する意見が勝手に通ってる時点で、もうクーデター成立してるだろ!!

  • 57二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 18:04:03

    「……先生が心配なのですね」

    「当然だ。私が知る限りでは決して清廉潔白の身と言えない方だが、あの方がいなければ私たちは……キヴォトスはもうなかったに違いない。生徒の、私たち子供の味方であろうし、日々精力的に活動なされている方だからこそ、未曾有の危機に立ち向かう『象徴』足り得たのだから」

    「仰る通りです……もしそうでなければ、私は推しであるナギサ様を託したいだなんて思いません」

    「ひどく傲慢なことを言うのだな。……いや、それは私も同じか」

    「……その、仮の話ですよ?先生に万が一のことがあったら、あなたはどうなってしまうと思いますか」

    「わからない。わからないが……もしご遺体を目にしようものなら、私はどうにかなってしまうかもしれないな」

    「テラー化、いたしますか?」

    「ならないし、なれないだろう。だが、もしかしたらということもあるし……そうでなくとも、キヴォトスは無事でいられない。明確な根拠はないが、断言出来る」

    「私は、そう、ただ悲嘆に暮れるだけですかね……いっそそれで済めば御の字でしょう」


    「嫌だよなあ!」

    「ええ、嫌ですよねえ!」

    「だったら先生を常々守れる武力が欲しいよなあ!」

    「財力もですよ!シャーレビルの復旧費用を早急に用立てたのはナギサ様なのですから!」


    「……思ったんだけど、二人纏めれば最強じゃね!?」

    「ホントですね!いやはや、なんでこんな簡単なことに気付かなかったんでしょう……」

    「譲れないものがあったからさ。でも、今は違うだろ?」

    「……ええ!」


    二人はめっちゃいい笑顔だった。端から見れば本当に気持ち悪かったが。

  • 58二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 18:28:15

    激戦の末満身創痍だった二人は、くっちゃべているうちに立つ力をなくし仰向けに倒れた。

    けれど相変わらず笑っている。心底から笑声を上げている。


    「あははっ、これほど笑ったのはいつぶりかなー♪」

    「私はエデン条約前からだね~。いやーまいっちゃったよ、ナギサ様ったら私にすら怯えを見せるくらい疑心暗鬼だったからさ。あ、男口調やめたんだ」

    「なんかさ、私なりに人の上へ立とうとしたらあんな口調になっちゃったんだよねー。それまでは憧れのミカ様に口調似せてたよ☆」

    「あ、確かになんかミカ様っぽくしてるのわかるし、男口調よりずっと自然な感じする!」

    「だよねだよね!もうやんないけど!ミカ様をこの掃き溜めから送り出したら元に戻すね☆」

    「私もどことなーくナギサ様っぽくしたくて敬語基調でやってたけど、程々でいいね!気が滅入っていた時のナギサ様をよく見てたからか、そっちに引っ張られるイメージの喋り方になっちゃってね……」

    「だからヒスっぽくなってる時あったんだ……」

    「やめて。それだとナギサ様がヒス女みたいだから。ホント、お願いだから」

    「あっうん」

  • 59二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 18:38:48

    「……んじゃま、とりあえず後で乾杯しよっか!」

    「いいね!ミカ様とナギサ様の追放処分……いや、トリニティからの解放に乾杯ってことで!」

    「うーん……紅茶でもいいけど、どうせならお酒にしない?」

    「お酒って……いいの?飲むとしてアテはある?」

    「えっとね、レッドウィンターの子が製造してるカクテルがあるんだ!辛い時はこれを飲めば気分爽快!味は勿論口当たりもいいし、初めてお酒を飲むならこれがいいと思うよ!」

    「そんなに言われると期待しちゃうなー?うん、楽しみにしてる!」

    「それじゃ、もう少し休んだらクーデター祝い始めよっか!」

    「だね!」






    「うんうん、楽しそうだね二人とも☆」

    「えっ」

    「えっ」

  • 60二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 18:50:07

    いないはずの人がそこにいた。

    それはもうすっごく剣呑な雰囲気を身に纏って。

    万全でも勝ち目はないし、ましてヘトヘトになった今では鎧袖一触されるのがオチに違いない。


    「……えっと、どうしてこちらに?本日は確かシャーレからの依頼で作戦行動に向かわれているはずでは?」

    「あ、それね。キャンセルになったの。セイアちゃんから悪い予感がするって連絡があって」

    「そ、そんな……」

    「……じゃあ、シャーレのオフィス業務に向かわれたはずのナギサ様も」

    「ええ、こちらにいます」

    「ナギサ様ッ!あの……これはですね……」


    「「その前に言うべきことは?」」

    「「申し訳ございませんでした!出来心だったんです!」」


    まさに息が合う瞬間だった。

    五体投地で土下座する酋長二人はひとえに無様で、けれど同時に見事な姿勢でもあった。

  • 61二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 19:04:16

    ───当然の詰問。まずは先ミカ派酋長からだ。


    「クーデターの動機は?」

    「ええとですね、ミカ様をどうしてもトリニティから追い出したいという気持ちが抑えられなくて……」

    「私のこと、そんなに憎かったの?私がエデン条約の件で何をしでかしたかキヴォトス中に知られるよう、クロノスに情報を提供までしたのに。それでもまだ足りなかったの?」

    「いいえっ!滅相もございません!それと報道に対する会見で、ご自分の非を認めゲヘナへの憎悪を含めた内心を詳らかに語ったうえで、いつかはみんな仲良くなれたらいいねって締めくくられた時は不覚にも感涙いたしましたっ!」

    「……その、変に芝居がかった口調やめない?昔は私に憧れてそれっぽくしてたじゃない?憧れるにしたってそれはどうかなって思ってたけど、慕ってくれる気持ちは嬉しかったんだよね☆」

    「はい!じゃあやめます!可愛くないですしね☆」

    「それとさ……責任は、私が負うからね」

    「えっ」

    「あなたたちがどんな動機でこうしたにせよ、私が原因だから。もうこれ以上、あなたたちに見損なわれないようにしたいしね」

    「ミカ様ぁっ……!」


    これでもうクーデターは事実上失敗したようなものだった。

    トリニティの3割に及ぶ一大勢力先ミカ派といえど、肝心の推しにダメと言われてしまえばそれまでだ。

  • 62二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 19:08:40

    そこまで素直ならそもそもやるなよ!!
    会見までしてるしどう収集するんだよこれ!!

  • 63二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 19:30:15

    次は先ナギ派酋長だ。

    未だフィリウス分派幹部の立場にある彼女がトリニティ各地で騒乱を起こし、それに乗じた武力行使で政権を奪取しようと目論んでいたのだから、ナギサとしては頭が痛くなる話である。


    「私に不満をお持ちでしたら、どうして明かしてくださらなかったのですか?」

    「あ、えっと……そういうことが一切ないと言えば嘘になっちゃうんですけども、そうじゃないっていうか、そんなことよりももっと大事な理由があるっていうか……」

    「……疑心暗鬼になっていた時期の私を間近で見ていたあなたならば、不満を溜め込むのは無理もなかったに違いありませんね」

    「ちがっ、違います……そのっ、もっと頼って欲しかったとは思いますけどっ!それは私たちがナギサ様を崇めるようにして距離を置いていたせいでもあって、えっと、とにかく違うんです!」

    「あの、どうか泣かないでください……とはいえこうなった以上はあなたを責めないわけにもいかないのですが、その……もしあなたが私に歩み寄ってくださるのなら、私も、可能な限りそれに応えたくて……」


    こんな自分にも優しくしてくれるだなんて……先ナギ派酋長は思わず涙ぐんでしまう。

    そんなに優しくしなくたっていいのにという言葉を彼女はグッと飲み込むと、意を決して思いの丈を伝えることにした。











    「……でしたら!その、お伝えしたいことがあります!」

    「なんでしょう?」

    「ナギサ様……トリニティなんか出ていって、先生と幸せになってください!」


    コイツやりおった、と先ミカ派酋長は思った。

  • 64二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 19:41:27

    「……ええと、もう一度仰って頂けますか!」

    「先生と結婚してください!推しと推しが結ばれたらそれ以上のことはありません!ですからどうか!」

    「えっえっえっえっ」

    「なんならエッチなことしちゃってもいいんですよ!私とこの子がミカ様とナギサ様を追放すれば、先生からの認識はどうであれお二人はもう生徒じゃありません!」

    「ちょっと!?ナギサ様があまりの事態に混乱しちゃってるじゃん!」

    「あ、ごめん……でも私、推しカプをどうしても諦めきれなくて……」


    「あの。ちょっと。どういうことか説明してほしいんだけど」

    「……この子はナギサ様と先生にイチャイチャして欲しいんです!そして私は、ミカ様に先生とイチャイチャして欲しい!」

    「えっ何の何!?」

    「ミカ様が先生を自室に連れ込んだと知った時は、エッチなことしたんですねって期待したのに何もなかったってどういうことなんですかっ!?」

    「こっちがどういうこと!?というか、なんで知ってるの──────!」


    収拾したはずの事態が混迷を極める!

  • 65二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 19:51:15

    くそっ!イベント読む前にあにまんチラ見したらこんな面白いスレ見つけちまったじゃねえかよ!
    気になってゲームに戻れねえ!

  • 66二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 19:59:29

    「ミカさん、これは一体……!?」

    「こっちが知りたいよ!なんで!なんでそう変な方に思い切っちゃったの!?」

    「先生が爆殺されそうになった時、私心配したんですよ!それとあの場にミカ様がいたら、なんかこう、スゴい力で守ってくれるんじゃないかって思って!」

    「私そんなに万能じゃないよ!?誰かを守りながらの戦いに多少の自信はあるけど、戦いにすらならなかったらどうにもならないからね!?」

    「そこをどうにかしちゃうのが恋する乙女って、私信じてますから!」

    「信じるったってどこに根拠があるの!?」

    「……圧倒的暴力!」

    「ねえ!?それ守る力じゃないよねっ!?せめて先生を想う力って言ってくれないかなあ!?」


    「ミカ様が武力担当ならナギサ様は財力担当です!お二人で先生を支えてください!」

    「そう仰られましても……」

    「さっき内緒で聴聞会やったんですけど、ミカ様を追放しようって決めたんですよね」

    「えっ」

    「でも私はナギサ様をトリニティから追放したくて、その子が企んでたことを乗っ取るつもりでした」

    「いやあのどうして」

    「トリニティよりもシャーレの先生に尽くしたほうがいいですって!絶対幸せになれますよ!」

    「は、はあ……」


    その後二人の熱弁を長々と聞いて、ミカとナギサはとりあえず悪意があってのことではないと理解した。

    悪意よりタチが悪いと思ったが、


    「……ナギちゃん」

    「ええ、負い目を感じる一方これを僥倖と思ってしまう私は、卑しいでしょうか?」

    「まさか。そんなこと言ったら、私だってそうだよ」


    口角が上がるのをどうしても抑えられなかった。

  • 67二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 20:04:02

    方向性はどうあれセイアの直感さえなければ気付かれずに事を運ぶ手腕、
    自分達や先生、そして未来のトリニティ学園を思って行動した後輩達だもんな
    方向性はどうあれ

  • 68二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 20:11:17

    正実モブちゃん報告書めっちゃ分厚くなるだろうなあ

  • 69二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 20:17:03

    「……それじゃあさ、あなたたちが望む通りにしてあげよっか☆」

    「あの、それってどういう……」

    「どういうもなにも、あなたがたが先程仰ったではありませんか。私たちはシャーレで幸せになればいいと」

    「そ、その通りですが……」

    「つまり──何をお考えですか?」





    「多少思うところはありますが、あなたがたの企みに便乗する形で私たちはこのトリニティを去ります」

    「ナギサ様っ……!」

    「えっと、嘆願書と署名があるんだよね?先ミカ派と先ナギ派に属してる子たちそれぞれの」

    「そうです!ふたつ合わせればトリニティ全生徒の6割ほどになるかと!」

    「そんなに」

    「なるほど、私たちひとりやふたりでは先生や連邦生徒会の牙城を崩すのは困難ですが、トリニティ生徒の過半数が望んだとなればおいそれと無視は出来ないでしょう」

    「では!」

    「ええ……私とミカさんは、トリニティを出てシャーレに身元を引き受けてもらいましょう。身元引受人は勿論、先生です!」

    「だね☆新居だってもらっちゃったし、これでもっと先生とヤりやすくなるかな~」

    「セーフハウスを使えなくなるのは痛いですが、あの家はとてもいい内装をしておりましたし、新生活が今から楽しみで仕方ありませんね」


    その時、両酋長に電流走る───。

  • 70二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 20:24:16

    「えっ、なんですかその顔は!まさかなんですか!?」

    「ひょっとしてひょっとしますか!期待していいんですか!?」







    「……ええ、あなたがたの期待している通りです」

    「あなたたちの知らないところでもうドラマは進んじゃってたの……あはは、ごめんね。知られようとも知られたいとも思えないし、伝えもしないけど」







    「「いやっったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」


    瓦礫の山。その上で、二人の勝鬨が木霊した。

  • 71二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 20:25:23

    こいつらブルーアーカイブしたんだ!?

  • 72二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 20:40:42

    「どうしようどうしよう!私、今どんな顔してるかな!」

    「あははは!すっごく気持ち悪いよ!でも幸せそうだからオッケーかな!」

    「くふふっ、そっちも大概だと思うけどね☆」

    「言ったなー?そういうこと言う子にはこうだっ!」

    「や、ちょっ、くすぐらないで。ひゃ、いひひひひひひっ」


    「いやー仲いいねあの二人」

    「そうですね。少し妬けてしまいそうなくらいです」

    「私たちは色々拗れてたもんね~」

    「ええ」

    「でもやり直せた。それに先生だっている。先生が、セイアちゃんとそうなるかはわからないけどさ」

    「私たちの中では間違いなく一番お硬いですからね、セイアさんは」

    「だね。それにしても、もしセイアちゃんが先生と『そういう仲』になったら、ある意味三位一体ってことになるのかな?」

    「ダメですよミカさん。そんなことをシスターフッドの皆さんに聞かれでもしたらどうするおつもりですか?」

    「あははっ、大丈夫でしょ☆聴聞会の名簿が残ってたのを見かけて目を通したけど、シスターフッドの子は誰一人参加してなかったようだから」






    「誰一人も、ですか……?」

    「え?それがどうかしたの?」


    シスターフッドは聴聞会への不参加を表明していた。

    表向きには、ティーパーティーの代表たる三者が排斥されていることに不信感を抱いたためとされていた───。

  • 73二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 20:47:29

    ───その追放、ちょっと待ったあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!






    誰かが高らかに叫んだ。


    「えっなんなのこんな時に」

    「これからハッピーエンドが始まるんでしょ?」


    キャッキャウフフしてた二人は真顔になり、


    「これは……やられましたね」

    「ああ……あちこちで暴動が起きてたけど、シスターフッドの子たちは姿を見せなかったって話だったね……」


    もう二人は覚悟を決める。そう、戦いはまだ終わっていないのだ!

  • 74二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 21:03:03

    祝いの場に現れた闖入者、それは───。









    我々は先サク派!
    秘密主義が常であるシスターフッドの長である歌住サクラコ様が、先生と結ばれ幸せになることを願う者たちである!
    そして詫びたい!
    先のエデン条約にて、トリニティがゲヘナの侵攻を許すことになった一因は、我々シスターフッドがゲヘナの羽沼マコトに雷帝の遺産の保有、あるいは在処を知っていると疑われたからに他ならない!
    よって我々はここに、サクラコ様のトリニティ追放を提言する!
    要求が拒まれた場合は実力行使も辞さない!
    とはいえ、我らは先ミカ派や先ナギ派ほどの勢力は持っていない!けれども我々は!決して己の信じる道を譲りはしないのだ!
    我々には確固たる信念がある!シスターフッドの総員97%という、絶対的な中核がある!我々の信仰は!いかなるものにも臆せず、阻まれず、そして屈しない!
    我々はサクラコ様に倣い、理解を求めない!けれどわかっていただきたい!これが唯一の道であると!
    決定的なわっぴ~エンドは!理解出来ずともそこにあるものだと!
    シャーレの先生ならばっ!サクラコ様の善意を過たず理解し常に寄り添ってくれるスパダリになりうることを!

    皆の者、かかれっ───────!

    -完!-

  • 75二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 21:08:41

    な ん だ こ れ (完結乙です)

  • 76二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 21:12:43

    (流れ出すUnwelcome School)

  • 77二次元好きの匿名さん24/10/23(水) 22:21:43

    最新イベントでナギサ様が割と愉快枠&ミカは意外と冷静に判断できるからあり得そうな世界線だった

  • 78二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 10:12:33

    おいおい、先ミネ派を名乗る救護騎士団員はいないのか?って思ったけどナギミカと比べるとちょっと動機薄いな

  • 79二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 11:56:10

    シスフの残りの3%は何派なのか
    マリーか?

  • 80二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 12:25:25

    マリー(私も先生と…でも…サクラコ様の事を思うと…私は…どうしたら…)

    この可能性
    ここからアイドルイベみたいに素直になる可能性に花京院の魂を賭ける

  • 81二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 12:33:44

    このレスは削除されています

  • 82二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 14:01:53

    >>81

    バカの一つ覚えで内容改悪すんな

  • 83二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 14:15:33

    途中から流れ変わったなってなってそっから完全にブルアカしてて笑ったわ
    今はただ、著者に感謝を

  • 84二次元好きの匿名さん24/10/24(木) 22:50:00

    素晴らしいブルアカ二次だった乙

  • 85二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 10:11:54

    乙~

  • 86二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 21:56:39

    素晴らしい‥‥‥

  • 87二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 07:31:30

    >>74

    >先のエデン条約にて、トリニティがゲヘナの侵攻を許すことになった一因は、我々シスターフッドがゲヘナの羽沼マコトに雷帝の遺産の保有、あるいは在処を知っていると疑われたからに他ならない!

    マコトに上方修正入ってる今だとわりとありそうなネタぶっこみやがって

  • 88二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 18:59:44

  • 89二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 19:03:14

    >>87

    エデン条約の時はヒナを排除しようとしてたからないんじゃない?

  • 90二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 21:58:26

    >>78

    ミネはヨハネ分派のトップだからそっちなら可能性あるんじゃないか?

  • 91二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 09:57:37

    保守

  • 92二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 21:41:20

    寝ようと思っていたら一気に目が覚めて笑いが止まらなくなったじゃないか! なんてSSを投稿してくれたんだ!

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