[性癖大回転閲覧注意]狐小隊風船 +α

  • 1二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:25:36

    警告:このスレには以下の要素・趣味嗜好・性癖が含まれます。これらに理解を示さない、忌避感を感じる場合はただちにブラウザバックすることを推奨します。
    ・膨体
    ・暴力的な描写
    ・バッドエンド
    また、こんな深夜まで若い子が起きているとは思えませんが、もし仮に起きていた場合はそちらも直ちにブラウザバックして布団に入って寝ろ!なんならお前ら全員寝ろ!!夜更かしはお肌の天敵だぞ!!




















    警告はしました。これより始まるは、とあるループの中の一幕。失敗した世界線のお話。バッドエンドに繋がる物語……

  • 2二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:26:54
  • 3二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:28:13

    この前のは嫌な事件でしたね…

  • 4アビドスの場合24/10/22(火) 01:28:22

    「異常なし、異常なし……っとと、ここもだいぶと風化しちゃってるね、アヤネちゃんに連絡しとかないと……」
    その日も小鳥遊ホシノはいつも通りに一人アビドスのパトロールをしていた。
    ……いや、いつも通り、とは若干違うか。最近になってこの付近に物流の不自然な活性化が確認されたのだ。あるいは、またアビドスが過疎地域であるのを良いことにどっかの誰かが妙な事を企てているのか……こういうのは放置しておくと治安の悪化に繋がる。撃退__とまでは行かなくても牽制くらいはしておかなければ。
    「物資が潤沢ならどうとでもなったんだろうけど……アヤネちゃんは連邦生徒会に掛け合ってるみたいだけども、とうの連邦生徒会は相変わらずのだんまり。どうしたもんかねぇ」
    身に染みついたおじさん仕草で現状を茶化しつつ、パトロールを続ける。
    と、そんなときであった。
    ズ ボ ッ
    「うっ……へぇ?」
    砂の吹き溜まりと思わしき砂山に脚を踏み込んだその瞬間、なんとも間抜けな音と共に右足が地面の下へと沈みこんでいた。
    「あれれ、ハマっちゃった。排水溝か何かを踏んじゃったか、な!っと……?」
    おおかた、砂に埋まった排水溝か何かが砂に埋もれて天然の落とし穴になっていた。そんなところだろうか。下手に暴れると却って沈むからして、左脚で地面を踏みしめようとして___そちらの方の脚までも、ズボリと沈んだ。
    「あ、あれぇ……?ここ、こんな深い穴なんて無かったような気が……」
    さて違和感に気付いたホシノであったが、しかし先述した通りここで下手に暴れると却って沈む、こういう時は落ち着いて辺りに何か縋れるものはないか探して……と、辺りを見渡していたその時、視界がガクン、と下がった。否、視界だけじゃない。この感覚は……!
    「うへぇ!?沈んでってる!?なにこれ、アリジゴク!?」
    そう、沈んでいってるのだ。それも割とシャレにならない速度で。
    勿論ホシノは一歩も脚を動かしていない。原因は、彼女のやや隣を中心にしてすり鉢状に発生している流砂……言ってしまえば、巨大アリジゴクにあった。
    「なにこれ、やば、流石の私も、おじさんも、これは……!」

  • 5二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:28:31

    待ってました

  • 6二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:28:39

    瞬く間に膝から股下、へその辺りまで飲み込まれれば危機感を抱くが、しかして暴れるのも悪手。如何に脚力があろうとも硬いコンクリートの上を跳ぶのと流体の如く流れる砂の上を跳ぶのとでは勝手が違うのだ。つまりは、彼女の持つ超身体能力は今この瞬間、完全に殺されているという訳だ。
    ならばどうするか。
    「とりあえず、アヤネちゃんに連絡っと……!」
    こうする。仲間に救援要請だ。流砂に巻き込まれた、脱出できない、助けてほしい。これくらい送ればあっちで状況を把握してロープなりスコップなり何なり持ってきてくれるだろう……胸元まで沈み込んだホシノは、自分が窒息死する前に仲間が助けに来てくれることを信じ、大きく息を吸い込んでそのまま砂中へと
    沈まなかった。流砂の中で、脚の裏に硬い感触を感じたのだ。
    底だ。
    「……助かった、のかな?」
    首から下が完全に埋まりゆっくりホシノといった具合に生首だけが地上に露出した状態を鑑みながら、彼女は呟く。見れば、隣のアリジゴクもいつのまにやら沈静化していた。
    いや、いいや、街中とはいえ炎天下の砂漠に首から下が生き埋め状態というのは一見すると絶体絶命の危機であることに変わりはないのだが、しかしホシノは対策委員会の仲間が助けにきてくれることを信じて疑わなかった。メッセージから位置を逆探知、そこから全速力で駆けつけて……せいぜい1時間といったところか。日陰だったのは不幸中の幸いだったな~、とか、一時間なにして時間潰してようかな~、なんて考えていたホシノ。
    直後、自身へ近づく複数個の気配に目を細める。
    「ったく、動作不良とかなんだよ……こんなところにハッチ作るのやっぱ馬鹿だったんだって」
    「しゃーない、うちらはロマン主義だ。浪漫にゃ犠牲が付きものなんだ」
    「そのロマンとやらのしわ寄せがアタイらに来てんだがね……んぁ?なんだ、あのピンク色の物体……?」
    動作不良。ハッチ。そして、流砂。遠くからやってくるゴロツキであろう声から聞こえた断片的な単語と情報、ホシノはそれらを繋ぎ合わせて一つの結論に行き着く。
    「なるほど。キミたち、砂に紛れて地下に秘密基地か何か作ったね?」
    「うぇ!?ぴ、ピンクが喋ったぁ!?」
    「待て!コイツぁ生首だ!!喋る生首だぁ!!」
    文字に起こせばとんでもない状況にゴロツキ共が恐れおののく。中には腰が抜けてスッ転んでしまった者すらいた。

  • 7二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:28:54

    「生首とは心外だねぇ。ちゃんと身体も、ついて……っ!」
    そう言って腕の一本でも砂中から引き抜こうとして___びくともしなかった。
    そう、今のホシノは首から下が砂に埋もれた状態なのだ。水に浸かっているのとは訳が違い、圧倒的な重量が彼女の全身を拘束していた。
    (あれ?もしかしてヤバい?)
    一抹の焦りが、彼女の脳裏をよぎる。いや、まさか。ホシノが物は試しにと身じろぎしている間に、ゴロツキの一人が声をあげる。
    「……んん!?あー!こいつアビドスの!!」
    「アビドスの!?え、マジで……あぁっ小鳥遊ホシノ!!小鳥遊ホシノじゃねーか!!」
    「オイオイ、小鳥遊ホシノってあの小鳥遊ホシノかよ!?アビドスのヤベー奴!」
    ゴロツキのその言葉に、他の連中も見た覚え聞き覚えありと口々に騒ぎ出す。
    「お、おじさんそんな大層な人間じゃないんだけどな~……?」
    「嘘をつくな!!お前にやられた時の傷、俺は忘れてねぇぞ!」
    「アタイらの拠点を襲って物資とか奪って行ったの、まだまだぜんっぜん根に持ってるんだからなぁ!?」
    「小鳥遊ホシノ、覚悟ォ!!」
    いつの間にやらこんなに恨みを買っていたのか、ゴロツキ共が銃を構える。まずい、後輩たちが助けにくるまでこのゆっくりおじさん状態で斉射を耐えられるか。思案し、しかしここは耐えるしかないだろう、意識が飛ぶのが先か弾が切れるのが先かの根競べを覚悟していたホシノであったが、彼女に銃弾が飛来することはなかった。
    「いいや待て。うちら皆コイツに痛い目みせられてるんだ、せっかくならもっと刺激的にやり返そうぜ?」
    代わりに飛んできたのは、彼女の末路を決定付ける提案。ゴロツキのうちの一人がそんなことを言いながら物陰から巨大な液体タンクの乗った軽トラを寄せてくると、タンクに繋がれたホースをホシノの口元に寄せ、そして。

  • 8二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:29:10

    「っ!何、何のつむぐぅ!?」
    「ほい挿入完了~♪」
    おもむろにホシノの口に突っ込んだ。
    「も!?む、ぐぐぐ……!(なにこれ、水責めかと思ったら突っ込んできた!?ちょ、外れない……!)」
    「はっはは!それ特殊なかえしが付いててなぁ、自力じゃ外せない構造になってんのよ!じゃ、バルブ開けろ~!」
    「おっしゃ!」
    心底愉快そうにそう指示するゴロツキ、そして指示通りタンクに備わったバルブをねじるゴロツキ。すると半透明のホースの中に液体が流れ、そしてホシノの口内、否、体内に濁流の如く押し寄せる。
    「も!?も、もぉ!?(なにこれ!?水、じゃない!?)」
    水とは違う粘度、そして味わいに毒かと疑うホシノであったが、しかし___あるいは、毒であったほうがマシだったろうか。
    「お?中身が気になるって顔だな!いいよ教えてやる……!」
    これまた悪ガキが生物を虐めて楽しむような嗜虐的なを言葉の端々に滲ませながらゴロツキがタンクの蓋を開け、備え付けの柄杓で液体を掬うと、おもむろにそれを近場の砂地に撒き。
    「そぉれ見てな!これがお前の末路だよ!!」
    火をつけたマッチを投げ込めば、液体に濡れた砂地が

    ボ ォ オ ン

    激しく、爆発した。

  • 9二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:29:23

    「……!?」
    「そぉよ、今お前に注がれてるのは液体燃料!どうよどんな気分よ!?自分が今この瞬間にも爆弾にされてるこの気分はさぁ!!」
    まずい。まずいまずいまずい。爆発した。あれだけの量で。柄杓一杯分でも。じゃあ今私に注ぎ込まれてる分は?苦しさと圧迫感を覚えるこのお腹の中にはいったい何杯分のアレが??
    状況を理解して、理解するほどに、冷や汗が止まらなくなる。次いで、動悸が激しくなる。これは、まさか、そんな。ホシノは恐怖する。とても自分とは無縁だったその感覚に。
    死の感覚に。
    「……!!~~~~~~~!!?」
    いやだいやだいやだ!!今自分が死んだら後輩だけが残る!アビドスが終わる!何よりも!!死ぬのが怖い!!
    人によっては『既に他人の死を経験してるホシノならば死への恐怖は薄いんじゃないか』と考えるかもしれない。が、ことここにおいては、『他人の死を見てしまったからこそ、自分の番が恐ろしくなった』のだ。『死』への解像度の高さが、彼女を恐怖へと駆り立てる。
    「~~~~~!!~~~~~~~!!!」
    「おいおい、すっげぇ暴れてっぞ!」
    「首だけでよくやるぜ」
    周りのガヤなど気にも留めず、必死にもがくホシノ。しかし相変わらず砂中において指の一本も動かず、しかして腹の膨張感だけが高まっていく。外からは砂に、内からは爆薬に圧迫され、苦痛に顔をゆがませる。が、そんなもので手加減してくれるほどゴロツキも善人じゃない。むしろ。
    「はーっはぁ!あの小鳥遊ホシノがこのザマとは!!」
    「無様無様!おい、もっとバルブ開けられるかぁ!?」
    「オーケィ、やっちまいまっしょい!!」
    ホシノの様子をいたく気に入ったのか、彼女をさらに苦しめるべくバルブを解放、流量を増加させる。
    「~~~~~~~!!~~~~~~~~~~~!!!」
    ごぼぼ、と音を立てて雪崩れ込んでくる爆薬。その濁流を呑むことしか出来ないホシノは、しかしそのうち全身に違和感を覚える。

  • 10二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:29:41

    「~~~~~~!……!?(全身に……圧迫感!?なにこれ、身体が……!?)」
    それまで腹のみに感じていた圧迫感が全身にまで広がりはじめたのだ。それはどういうことか。……腹のみならず、全身が膨張している?
    「~~~~!?~~~~~~!!」
    そんな馬鹿な。ありえない。そう否定しようとするが、しかし現状として圧迫感は腹から胸、腿、二の腕から始まり、手足の末端や背中にまで及んでいるのだ。これは……こんなことが有り得るのか。驚愕と疑問符が頭を埋め尽くすホシノ。しかし、答えは案外するに分かった。
    「お?おい見ろよ、首回りの砂が山になってきてるぜ!」
    「ちゃんと膨らんできてんだな……おぉしそろそろか!ハッチの点検、終わったか!?」
    「システム、リブートできそうっすー!」
    「じゃあ動作確認も兼ねて解放しろ!この爆薬風船を地下に叩き落としてやれ!!」
    「アイサー!!」
    膨らむ身体に押しのけられたのか、ホシノ周りの砂がこんもりと盛り上がる。それを確認したゴロツキ共が何やら急にせわしなく動きだし、そして。
    「~~~!?~~~~~~~!!」
    ホシノを飲み込んだあのアリジゴクが、またも現れた。
    「おぉそうだ、このままホース付けたまんまだと首吊りかねねぇな。えぇと、ここだったか……」
    「っぱはぁ!?げほ、ごほっ……――――――!!?」
    ゴロツキがリモコンと思しきものを操作し、ホースから解放されたホシノであったが、しかしその第一声は驚愕にかき消された。
    アリジゴクに攫われる中、露出した自身の身体は、まるで風船のように膨らんでいたのだ。
    「何、これ、どういう……~~~~!!」
    そして、自身の身体の変化に啞然としてホシノはそのままアリジゴクの中心地、ぽっかりと空いた穴の中に落ちていった。

  • 11二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:29:55

    「ぶぇっ!?」
    じゃぼん、という水音と共に地面に叩きつけられる。下は降り積もった砂の小山、ならば今の水音は他ならぬ自身の身体の内より発せられたもの。そう瞬間で理解したホシノであったが、直後、全く別の音を聞くこととなる。
    ぶちぶちぶち!!ばちんばつつん!!
    それは、聞き覚えのある音だった。以前、ノノミが胸元のボタンを飛ばしたあの音そのまんま……そう思い、そしてそれが自身の身体から発せられたということはつまり、と思い至る。
    次の瞬間。
    バキン!びりびりびりぃ!!
    衣服のボタンが飛んだことを皮切りに、ハーネスが、そして布が壊れ破れる音が響き渡り、あっという間に彼女は引き延ばされた下着のみの恰好となった。
    「ひっひっひ、どうよアタシらの秘密基地は。よぉ?小鳥遊ホシnおままお前なんで脱いでるんだお前!?」
    「おいおい、服が弾け飛んだんだコイツー!!ひゃはははは!」
    声のするほうに顔を向ければ、地上で自分を好き勝手してくれたチンピラが階段を降りて来ていた。
    OK、潰す。
    目の前のアイツらに死の恐怖を刻みつけてやる。身体に自由が戻ったと、そう思ったホシノはそう誓い彼女の元へと力一杯駆け出そうとして_____それが単なる思い込みであると知る。
    「う_____へぇ!?」
    脚はパワーを発揮せず、重鈍な身体は無様にすっころんでそのまま2.5回転ほど転がり込み、仰向けに止まる。
    「ぅおっ!?あっぶな……この状態からでも動けんのかよコイツ……!」
    「でも無理なんだよ、その身体じゃあ物理的によぉ!鏡持ってこいよ鏡!」
    ゴロツキの指示にほかのゴロツキの一人が大きめの鏡を持ってきてホシノに見せつけるように置く。……実際、見せつけるつもりだったのだろう。
    そしてその鏡に映るホシノは、以前とは似ても似つかぬ姿だった。
    この小さい身体いっぱいに爆薬を流しこまれた彼女の身体はボテ腹なんてものではなく、へそのやや上あたりを中心に腹から横腹、背中にかけて巨大な球形となっていた。その直径たるや1mにさしかかっており、手足を根本を大きく引き伸ばしながら飲み込みつつあるほどだった。脚など太腿のあたりが飲み込まれており、なるほどこれではパワーも出ない訳だ。

  • 12二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:30:13

    「そん、な……これが……私……?」
    「うーわ、こんな絶望的な『これが私?』シチュ初めて見た」
    「おっと、これで終わりだと思うなよ?まだまだ詰められるってのは知ってんだからよぉ……!」
    「っ!?や、やめろ、来るな!!」
    まだ終わりじゃない。もっともっと流し込まれる。これ以上膨らめば、いよいよもって動けなくなる。
    ここに至って最期の抵抗といわんばかりに手足を振り回すホシノであったが、大きく膨らんだ胴体に四肢では死角も広く___例えば股とか___あっさりと股下に侵入されてしまい、そして。
    「そんじゃ、今度は下から入れてやるよぉ!!」
    「やめろ、やめろーーーーーー!!あ、んぁっ!?」
    尻の穴に、ホースをねじ込まれる。終わりだ。
    「うっし、こっちは準備できたぞ!そぉら流しこめー!」
    「アイサー!!」
    「や、やめろ、いやだ、あ”っぐぅ!?」
    ゴプッゴプッ。先ほどのホースは簡易的なものだったのだろう、それよりも二回りほど太いホースから音をたてて爆薬が流れ込み、ホシノの身体を膨張させる。
    「あ”、あ”、あ”!身体が、身体がぁ!?」
    地上で受けたアレは何だったのかと思えるほどの勢いを持ち、1,5m、2m、2.5m……と急速に膨らんでいく身体。とうに手足はその機能を失い、丘陵と化して久しい。身動き一つできない身体。チェックメイトだ、ホシノに残された道はもはや僅かであった。
    「いやだ!私が!!こんな!!!」
    叫ぶホシノ。それは恐怖からくるものか、悔しさからくるものか。いずれにせよ断末魔と変わらないそれはゴロツキ共の機嫌を取るのには効果覿面だったようで、そのうちの一人がおもむろにライターに火をつければ思わず「ひっ」っと悲鳴をこぼす。あれが、あの火が気まぐれでこっちに投げつけられたら。そんな最悪な想像がホシノの脳裏をよぎり、恐怖は恐慌へと転化する。

  • 13二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:30:27

    「やだ!!やだやだやだ!!私が!!私がいないとアビドスが!!ユメ先輩の大好きだったアビドスがぁ!!いやだ!いやだ!!終わりたくない終わらせたくない!!ユメ先輩!!助けてくださいユメ先輩ぃ!!!」
    あるいは、これほどまでに必死に、切実に助けを求めたのは人生でも初めてだったろうか。まして、その相手が今は亡き、そして生前であろうと到底頼りになどならなかったはずの梔子ユメであろうとは。だがしかし、そんなことは関係なく、ホシノの脳裏の焼き付いた彼女の背中は、それほどに大きかったのだろうか。
    が、そんなこと知らずゴロツキ共は嘲笑う。
    「っははは!!あの小鳥遊ホシノがこうもみっともなく!」
    「アタシらに盾突くとこうなるんだよ!わかったか!!」
    「オイオイ、ユメってあのアビドス前生徒会長かよ。アレそうとうのポンコツだったって先輩から聞いてっぞ。なんでも自治区内で遭難した、とか……」
    「自治区内で!?自分の庭の中で遭難したってのか!ひゃっはは、そんな生徒会長聞いたことねー!!」
    嘲り、嗤い、愚弄する。が、餓鬼の言葉など意にも介さずホシノは叫んで。
    「ユメせんpむぐぅ!?」
    そして直径が5mを超えたあたりで、頬を爆薬が満たし膨らませ、口を塞いでしまった。
    「~~~~~~!!~~~~~~~~!!」
    「はっははは……あー、でも、次期生徒会長の最期がこんなんじゃそのユメってやつも浮かばれねぇなぁ」
    そうして、ひとしきり笑い終わったゴロツキのうちの一人が着火したライターを片手に近付いてくる。
    「!!!?~~~~!!~~~~~~~~~~!!!!!」
    「お、オイ!爆破すんのかよホントに!?」
    「いままでコイツにどれだけ苦渋を舐めさせられたか忘れたのかよ?もうここまでやられちゃあ、命で償ってもらうしかないじゃねーのか?」
    「それも……そうだな!でもそのまま着火はやめてくれよ、俺たちまで吹っ飛んじまう!」
    「導火線あったぞー!これ使おうぜ!」
    いよいよ迫る最期に恐慌状態も極まり必死に首を横に振るホシノ。一方で、ゴロツキ共のほうではどうホシノを爆破させるかで意見がまとまったようで、彼女のほうに向き合い、そして。

  • 14二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:30:58

    「ん、助けにきた」
    「全弾、発射~!」
    聞き慣れたその声と、上方から銃撃音。
    「な、なんだぁ!?」
    「この制服、アビドスの!?クソ、位置がバレt「このぉ、死ンねぇぇぇぇえええ!!!」ぶべらっ」
    上からワイヤーに吊るされてシロコとノノミが銃弾の雨を降らせ、側面階段からセリカが殺意を全身に滾らせ突貫する。
    「な、ヤバいぞコイツ等!!動きがちぎゃぁあ!?」
    「逃げ、逃げるるるぉぉぉああ!?」
    「一人も、一人たりとも……逃しませんよ~?」
    「確実に潰す」
    「人ってモンを、なんだと思ってぇぇぇぇえええ!!」
    それはまるで蛙を襲う蛇のように。舟を飲み込む大波のように。それなりの数はいたはずのゴロツキ共はたった三人の女子高生に瞬く間に制圧されてしまうのだった。

  • 15二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:31:20

    ___
    __
    _

    「うっぷ……そっ、か……アヤネちゃん、ちゃんと追いかけて、くれたんだね……」
    「あんなメッセージを送られれば当然です。ホシノ先輩もそれを見越してたんですよね?」
    「……うん。まぁ、ね」
    ゴロツキ共を慣れた手つきで捕縛する三人。一仕事終え、今は雑談タイムと言ったところか。
    「でもホント、人の体内に爆薬を詰め込むなんて……コイツら頭おかしいんじゃないの……!?」
    「?セリカちゃん、爆薬のことは、どこで……?」
    「ん、上のほうで縛り上げて吐かせたら全部ゲロってくれた。爆薬のこととか、ホシノ先輩のこととか……この爆薬の流通ルートとか」
    「!ホント、流石だねぇ……」
    逞しく育った後輩に感動を覚えるホシノ。こんな身体じゃなければ抱きしめるのもやぶさかではないのだが……そう残念がっていると。
    「……で?このホシノ先輩、どうやって地上に上げるの?」
    当然といえば当然の問題がセリカの口から発せられる。
    「こんな身体となると質量も相応でしょうし、持ち上げるのは現実的じゃありませんよね」
    「ん、じゃあ中身を抜く。どっかに器具がないか探してくる」
    「器具っ……!?し、シロコちゃん、お手柔らかに頼むよ~……」
    「あぁでも、地上にはアヤネちゃんが待機してるハズだし何か手だてとか考えてるかも。ちょっと連絡をt___」
    ど ず ん
    その瞬間、地下室上部のハッチから何か巨大な物体が落下してきた。

  • 16二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:31:36

    「!!?」
    「敵!?」
    「何よ、落せ、き……この、眼鏡……うそ……」
    砂埃が収まった頃、セリカが何かを見つけて屈み、それを拾う。赤いフレームのメガネ。アヤネのものだ。
    そして、砂埃が消え全貌が明らかとなる。
    「んぅ……ぐ、ぅう……!」
    直径1mの肌色風船、そこに頬の膨れたアヤネの顔があった。
    「アヤネちゃん!?アヤネちゃん、上で何が_____!?」
    次いで、風船と化したアヤネへと駆け寄ろうとした三人をまとめて足元を掬い上げるようにワイヤーが飛来し、拘束する。体勢を崩した彼女らへ、次は胸元めがけ第二射が放たれる。今度は腕を拘束され、完全に身動きが取れなくなる。
    「___!?うそ、何よこれ!?」
    「せり、か、ちゃん……罠、で……!」
    言い切る前に、ハッチからゴロツキ共の増援がわらわらと降下してくる。どうやら、時間をかけすぎたのはアビドスも同様のようだ。
    「……うそだ。みんな」
    可愛い後輩の末路を察したホシノが、絶望の声を漏らした。

  • 17二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:32:11

    ___
    __
    _

    「いやぁっははは!派手にやってくれたねぇアビドス……落とし前、どう付けてもらんだ?」
    「っ……!」
    「ぐ、ぬんっ……このワイヤー、固いですね……金属製でしょうか。どこのメーカーので?」
    「ノノミ、今はそういう……ん、確かに固い。私も気になるかも」
    ゴロツキの一人がにらみを利かせると、セリカが思わずたじろぐ。その後ろでは纏めて縛られているノノミとシロコがあれこれ手を尽くしているが、ワイヤーは極めて頑丈で切れる様子は僅かにも無い。何とか適当に話題を振って時間を稼ごうとしているが……それも無駄な足掻きだろう。
    「み、皆、さん……!」
    地上のほうで一足先に爆弾風船にされたアヤネはこれから学友の身に起こることをまざまざと想起し、それだけは駄目だと、なんとか状況を打開すべく藻掻く。が、大きく膨れ上がった胴体に半ば飲み込まれた手足ではばたつかせる程度が限界であった。
    そして、ホシノは。
    「ごめん、私の、せいだ。私が、皆を、呼んだから……」
    「ち、違うわよホシノ先輩!悪いのはコイツら!!決定的にコイツらなの!!」
    自責の念に囚われていた。セリカが必死に擁護するが、耳に届いている様子はなく、ただただ「ごめん」と「私のせい」を壊れたように繰り返す。
    「でもまぁ、これまでアタシらが被った有形無形の被害……その賠償ってなると、その命で払ってもらうしかないよなぁ!?」
    「っく、アンタらが人の自治区で好き勝手やってたのがわるぐむぅ!?」
    「「セリカ!」ちゃん!?」
    拘束されてなお食って掛かるセリカであったが、その言葉はホースをねじ込まれたことで強引に途切れさせられる。そして。
    「オイオイ言葉を選べよ今わの際だぞ?」
    そのゴロツキが、合図をする。
    「や、やめ……だめだ……やめろーーーーー!!」
    「もご、もごぉ!?ん、んぐ、んぐぅ!?」
    ホシノが必死に制止を呼び掛けるが、お構いなしと言わんばかりにセリカの体内に爆薬が流しこまれる。

  • 18二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:32:26

    「んぐ、んぐ、んぐ……!?(うそ、これ、爆薬、私の中に!?)」
    「やめろ、やめて!!私は好きにしていいから!だから皆には手を出さないで!!」
    「ホシノ先輩……セリナちゃん……!」
    「ん、ぐ……ワイヤーが、きつくなってきたかも……!」
    みるみるうちにセリカの腹が膨れ上がり、ブレザーの生地を押しのけ押し上げ、巨腹が顕現する。が、それで止まるはずもなくムクムクとなお膨らむ。そして程なくして全身に爆薬が行き届き始めて手足が膨らめば、ワイヤーの輪の中、限られたスペースをセリカが独占していく。他二人は押しのけられる他なく、その身体にワイヤーが食い込み苦悶の表情を浮かべる。
    「オイオイ猫ちゃんよぉ、そんな膨らんでいーのかい?先輩二人、苦しそうだぜ?アンタのデブ体型のせいでよぉ!いーっひっひっひ!!」
    「んぐ、むぐぅ……!?(うそ、先輩方が!?私のせいで!?)」
    「ん……!セリカ、の、せい、じゃ、ない……!」
    「悪いのは、あなた達で、しょうに……!」
    身体にワイヤーが食い込み息も絶え絶えながら、しかしゴロツキを睨み確かな声で反論する二人。が。
    「おぉ~ん?お前ら俺達に口答えしようってのか!状況分かってんのかぁ!?」
    「そーだねぇ、このままワイヤーで輪切りになるのはちょっとグロすぎるし……あ、じゃあ仲良く膨らもっかぁ!!」
    「!!?やめて、やめろーーー!!」
    ゴロツキ共がホースを持ってまだ細い二人を取り囲み、その先端を二人の口元へ押し付ける。ホシノが必死に制止を呼び掛けるが、止まるはずもなく。
    「ぐ、あぁっ、いや、もぐぅ!?」
    「ん!ん!!んん~~~んぐぅ!?」
    力任せに口にねじ込まれ、あるいは強引に顎をこじ開けられ、ホースが挿入される。そして。
    「そんじゃそっちのほうもバルブ開きまーす!」
    「もごぉ!?もご、んっぐ、んっぐ!?」
    「ん!!んっん、んっ!!」
    「駄目、ダメぇ!!お願いやめて!!」
    ホシノの絶叫と液体の流動音が交差する。二人の流量はセリカと比べて多いのか、みるみるうちに背後の半ば風船と化した後輩と同等にまで膨れ上がる。

  • 19二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:32:44

    「んっぐ、うぐぐ……!(ワイヤーが、身体に食い込んで……!)」
    「ん、んんんん~~~!(このままじゃ、身体が、切り分けられる……!)」
    「ごくっ、ごくっ、ごくっ……!?(せ、先輩たちまで……どうしよう、どうできるの!?)」
    頑丈なワイヤーの中で膨らむ三つの風船。次第に締め付けは強まっていき、気づけばボンレスハムを思わせる形となっていた。
    「あっははは!!これお中元ってやつで見たことあるぞーー!!」
    「おいおい、これヤバくねぇか?そろそろ解放してやろうぜ、こんな簡単に死なれたら勿体ないぞ」
    「それもそうだねぇ、へいワイヤーカッター!!」
    「ほいしょこちらにー!」
    用意周到なゴロツキの一人からワイヤーカッターを受け取ったゴロツキが、その刃を三人へ向ける。
    「おっと暴れるんじゃないよ!手元が狂って刃がアンタらに突き刺さったら……パァ――ン!だからねぇ!!」
    「っ!!」
    破裂。弾け飛ぶ。弾け飛んだら、どうなる?死ぬ。死。
    「っ~~~~!!~~~~~~~!!」
    「もぐ、ふ、ふ……!?」
    「んっ……!!」
    目と鼻の先に迫った『死』。小鳥遊ホシノですらも屈服したその恐怖に後輩たちが抗えるはずがなく、途端に竦み上がり、動けなくなる。その間を縫って、ワイヤーカッターが三つの風船の隙間に位置するワイヤーをバツン、と切り取れば。
    ぼ よ よ よ ん !!
    「っぷはぁ!?あ、あれぇえぇえ!?」
    「んぽっ!?んぁ、弾む、転がる……!」
    「べふっ!?だ、だれか止めて~~~~!!」
    圧力から解放された風船三つが、それぞれ三者三様に吹っ飛び、転がり、弾んでいく。
    「うわぁ!?あ、あぶべっ!?」
    「潰されるぅ!?逃げいったぁ!?」
    「うひゃあ!?大変なことになって、ちょ、何この布きれ……!?」
    ブチっ びりっ びりりっ
    そして、壁や床に弾むごとに衣類各部が悲鳴を上げ、限界を迎え、断裂していく。
    「うそ、やだ、ボタンが……!?」
    「そ、そこが裂けるのはダメですぅ!?」
    「ま、マフラー……!」
    そしてしばらく経った後。ようやく運動エネルギーの発散を終えた彼女等はホシノと同様の引き延ばされた下着姿となっていた。シロコの腹の上にはぽすん……と舞い上がっていたマフラーが舞い降りるが、全然肌色を覆い隠せていなかった。

  • 20二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:32:59

    「嫌!嫌ぁ!!股は、そこだけはぁあっ!?」
    「ひっ!そんな、そんなの私、そんにゃあ!?」
    「あ、はっ……!だって、違いますよ、そこは物を入れる穴じゃあぁあっ!?」
    「やめるべき……!こんなの、人体への冒涜も甚だしぐぅっ!?」
    下の穴にホースを突っ込まれる四人。その様子を眺めて。
    「あぁ……皆……」
    ホシノは、ただ絶望にふけっていた。私どころじゃない、アビドスの皆がここで終わる。ユメ先輩と、私と、皆で守ってきたアビドスが、終わる。私が助けなんか呼んだせいで。
    「よぉし、セット完了!」
    「……めて」
    「OK!バルブ開け!」
    「やめて」
    「注入開始~♪」
    「う、っぐぁっ……!」
    「ひっ、か、身体が、身体がまた膨らんで……!」
    「全部、全部爆薬、これ全部……や、いやですこんな……!」
    「んぁあ、あ”あ”あ”あ”っ!!」
    「やめて!!」
    アビドスの、後輩たちが音をたてて膨れ上がる。その光景にホシノは今日何度目かもわからない叫び声をあげる。
    「お願いやめて!!やめてって言ってるよね!!?私が、私が悪いんなら、私が恨みを買ってるんなら!!私だけにして!!皆を巻き込まないで!!!」
    死の恐怖を知った。それは人の感じ得る最大限の恐怖であり、何人も抗えない、もっとも強い感情だと知った、ハズだった。だというのに、今この瞬間後輩たちが死に直面して、あまりにもあっさりと、そして咄嗟に自分の死を容認できた。小鳥遊ホシノにとって後輩はそれほどまでに大切であり、その死とは自身のソレとは比較にならないほどの恐怖だったのだ。
    故に。
    「っ!ホシノ、先輩……!」
    「私で良ければなんだってしていいから!!火をつけたっていい、破裂させたっていい!!だから、皆は___!!」
    助けて。そう言おうとして。

  • 21二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:33:15

    「駄目。駄―――目」
    ゴロツキの一人が言い放ったその言葉に、遮られた。
    「____ぇ。な、なんで……」
    「さっきアタシら向こうで話しあったんだよね。小鳥遊ホシノ、アンタを痛めつけるにはどうしたらいいかって……そんで、気づいたのよ」
    ゴロツキは悪魔じみた笑みを浮かべながら続ける。
    「本人よりも後輩ちゃんを吹っ飛ばしたほうが効くだろってさぁ!」
    「ぁ……あ……!」
    つまり、なんだ。後輩ちゃんたちは、私を苦しめるただそれだけの為に死ぬのか。
    「あ、は、ははは……私の、私のせいじゃん……!」
    「っはぁ、はぁ……ホシノ、先輩……!?」
    コイツ等の恨みを買ったのは私、皆をここに呼び寄せたのも私、皆がここで死ぬ理由も私。あぁなんてこと!徹頭徹尾全部私のせいだ!!
    「私が……私がぁ……!!」
    「ほし、の、せんぱ……ぅ、ぐぅぅうう!?」
    アヤネがホシノを気遣うように視線を向けるが、その表情は直後、苦悶に満ちる。身体の直径はいつの間にやら3mを超えており、徐々にホシノと同じ視点にまで盛り上がりつつあった。そして、それは他のアビドスメンバーも同様である。
    「身体、身体がぁ、張り、裂ける……~~~!!」
    「はぁ、はぁ……苦し、こんな、ことって……!!」
    「う、ぐぅ……!ん、んんん……!!」
    この苦痛の叫びも、その先に待ち受けてる運命も、全部が全部私のせい!
    「っあ”、あ”あ”あ”あ”……!私が、私のせいでぇ……!!」
    「っ、違います!!」
    「!?」
    と、そこに否定する声が。
    「さっきも、セリカちゃんが言ってたように……!悪いのは、ホシノ先輩じゃあありません……!!」
    「ノノミ、ちゃん……」
    息を整えるのにも一苦労だろうに、ノノミは構わず声を張り上げる。
    「それに……!ホシノ先輩から助けを求めるメッセージを受け取ったとき、っく、私、嬉しかったんです!ホシノ先輩に、頼られたんだって、ぐ、ぅうぅうぅう……!!」
    「ノノミちゃん……!無理しないで、辛いてしょ……!?」
    「でも、だから……!」
    「ん……!ホシノ先輩、自分を、責めないで……!」
    息も切れ切れのノノミに代わり、シロコが続く。これで、少しは先輩の気持ちも晴れただろうか。

  • 22二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:33:27

    「う~~~ん感動だねぇ~~~まさに友情!て感じ!ふっはは!……アタシらが悪者だって点を除けばねぇ!これ以上責任転嫁劇を見せつけられるのも不愉快だ、さっさと爆破しちまうよ!!」
    「「「アイサー!!!」」」
    「!!?」
    「あ、ひっ!?」
    「っぅ、ぅう……!」
    「ん……いよいよってこと……!」
    「あ、や、やめて!やめろ!!」
    死刑宣告に怯える一年生、覚悟を決める二年生、そして焦燥に駆られる三年生。そんな彼女らを後目に、爆薬の流量を調節するバルブが目一杯開かれて、そして。
    「あ”ぁ”っ、ぐ、ぁあぁっ……!?」
    「嫌、いやぁ!!身体が、身体がぁあああ!?」
    「はっ、ふっ、ふっ……ぅ、うぐぐぐぐ……!」
    「ん“っ、ぐ、あぁぁあああ……!!」
    ぶくぅ、と目に見えて膨れ上がる。全身の皮という皮がミシミシ、パツパツと悲鳴を上げ、いよいよ最期の時が近いことを知らしめる。
    「あ”ぁ”……!身体が、軋んで……!!いや、やだ、死にたくない……!」
    「いやぁああああ!!助けて、助けてください!!私、私ぃ!!」
    「ぐぐぐぐぐ……!あぐ、ふ、ほ、ホシノ、先輩……!」
    「あ”、う、ん”……!苦し、怖、い……!た、すけ、ホシ、ノ……せん、ぱ……!」
    恐慌状態に陥り顔を涙で汚すセリカとアヤネ。一方で、もうホシノ先輩に気負わせたりしないと決意したはずの覚悟は呆気なく瓦解し、ノノミもシロコも思わず先輩の名を口にする。
    そして、当の先輩は。
    「あぁあ……違う、違うよ……やっぱ、違う……私の、私のせいだったんだ……!」
    目の前の、既に自身の目線を大きく越えて直径7mにまでさしかかろうという後輩を救えない、この事実に言い逃れできるはずもなく、ホシノの中で大切な何かが軋みをあげていく。
    そして。
    「死にたく、ないぃ……!!ホシノ、先輩……っ!!」
    「私!!死にたくないです!!こんなのいやです!!ホシノ先輩、ホシノ先輩!!ほし、あ、ぐ、ぁっ……!」
    「ごっ、がっ……!い、や……私……!」
    「ホシ、ノ……せ……っ!!」
    「私の……私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の私の……!!!」
    ギチギチギチ。ミシミシミシミシ。
    全身の皮膚という皮膚が赤らみ、部屋中を軋む皮の断末魔が埋め尽くし、アビドスの皆が一際ぶるり、と震え、そして。

  • 23二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 01:33:42

    「……え?何?殺すな?マ?……中止、中止―――!!まだ利用価値あるって、コイツら!!」
    「ぅえっ!?マジで!?ちょ、止めろ止めろ早くしろ間に合わないぞ!?」
    「お、おぉおぉお!!……ぎりぎりセーフ?」
    電話の先は、カイザーかはたまた別の組織か。ともかく、その電話一本で、首の皮、否、肌の皮一枚なんとか繋がったアビドス。しかし、尤も___再起は、不可能に近いだろうが。
    「わた、し、の……う、へへへ……」
    焦点の合わない瞳を虚空に向けながら、小鳥遊ホシノだったものは呻くのだった。

  • 24二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 11:51:43

    オウフ…

  • 25二次元好きの匿名さん24/10/22(火) 19:11:31

    良かった復活してる!供給が少ないから途絶えるとキツイ……

スレッドは10/23 07:11頃に落ちます

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