- 11じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 12:42:58
- 21じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 12:43:53
- 3二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 12:50:38
保守、もう6スレ目か。早いなぁ
- 4二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 13:05:23
たておつ
- 5二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 13:18:19
立て乙です
とりあえず無事に立てれてよかった
あとは消されたりしないといいですが - 6二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 13:22:31
立て乙です
- 7二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 13:34:48
このレスは削除されています
- 8二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 13:58:09
このレスは削除されています
- 9二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 14:00:18
このレスは削除されています
- 10二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 14:00:35
このレスは削除されています
- 11二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 18:34:59
立て乙です
- 12二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 19:22:22
お、立ってた
おつです - 131じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 19:49:43
- 141じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 20:10:42
【9日目夜・探索イベント】
【立ち入り禁止区域『廃墟』・拠点】
USBの中にあった動画ファイルを見終えた私達でしたが、誰も何も。言葉を発するという事を忘れてしまったかのようでした。当たり前です。ヒマリさんが言うには現状で最も確実に聖杯戦争を恒久的に停戦させるには一人のマスターと七騎のサーヴァントの方全員を犠牲にならなきゃいけません。
確実な方法という形で、私達の目指すハッピーエンドを否定するような事実を突きつけられた形となります。そしてマスターは永遠に聖杯の中でシステムを管理しなくちゃいけない。それがどんな形になるかは分かりませんけど、まず間違いなくその方法を選択すればトキさんとは永遠に会えなくなると『直感』が煩いぐらいに警鐘を鳴らしています。
何より。
「モモイちゃん……」
「……ごめん。どうしたらいいんだろうって……わたし……」
「モモイ……アリスは、トキは……」
『私は……あの子に……』
彼女達にとっては同じ学校の先輩や後輩、そして友達であるトキさんが自ら犠牲になると決めていた。そしてその想いはとてつもなく『重い決断』です。誰も口を開けない。どうしたら良いのか、何をしたらいいのか。ハッピーエンドを目指すのは諦めていなくても、突然見えていた道筋が呆気なく掻き消えたようで心細くなってしまう。踏み出す先に不安が募る。だから誰もが口を開けない。話を切り出せない。
『だから』。その中で、最初に口を開いたのは。
「かなりの収穫だな。今後の動きに直接的な関係があるかは定かじゃないが、少なくともマスター側の願いやその思想はこれで分かった」
「そうだねー。おじさん的にもちょっと気になる箇所あったけど、とりあえずはあのトキちゃんの話、続けちゃおっか。それとも一旦分かったし、別のこと話す?」
今日初めてこの場に来てくれたミノリさんとホシノさんでした。二人の顔には悲壮感なんてこれっぽっちもない。それはトキさんとの付き合いが薄いからもあるかもしれません。まだ事情をしっかりと知らないからかもしれません。だけどそれ以上に。
「お二人とも……」 - 151じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 20:18:53
「はいはい、おじさんですよー。悲しい顔なんてしない、しない。確かにさー、ちょっとキッツい内容だったけど……まだ誰も犠牲になんかなってないよ、ヒフミちゃん」
「既に手遅れなら話は別だ。でもまだそうじゃない。ならば今やるべき事は悲嘆に暮れて足を折る事ではないだろう?」
二人は『強い』んです。どんな逆境でも、いいえ逆境こそをひた走る彼女達は決してこんなところで止まらないのだと私に勇気をくれる。
だから二人は……いいえ。二人だけじゃありませんでした。
「挫折も苦悩も私達は何度だって味わってきた。世界は悲劇に満ちていて、きっと残酷な真実は其処彼処に溢れている。それでも、それは足を止める理由にならない───そうだろう?ヒフミ」
ただの確認。今までだってどんな辛い事も乗り越えてきた。その度に私達は強くなってきた。どんな不安を覚えたって、先が見えなくたって。
「……はい。トキさんが辛い選択をしたというのなら、丸ごと全部、ハッピーエンドに。トキさんが犠牲になる終わりを認めてなんかやりません!」
アズサちゃんの言う通り、私の背中にはこれまで頑張ってきた思い出がたくさんあります。
【Recommend BGM……〈不撓の覚悟〉】
だから前を向く。胸を張る。トキさんが犠牲にならなきゃいけない、サーヴァントの方を殺さなきゃいけない、確実な方法はそれしかない。だからなんだって言うんですか。
「私は、私達はこんな所で足踏みしてなんかいられません!トキさんが自分を犠牲にしようとしているなら、それでモモイちゃんのように悲しむ人がいるなら私達で止めてみせます!……だから、みなさん!」
お友達がいなくなるなんて嫌です。そんな辛い想いをするのはもう二度とごめんです。そしてそれをモモイちゃん達に味わせるつもりだってありません。セイバーさんが頷きを返してくれる。私のやり方を、サーヴァントを犠牲にしない方法を見つけるのを彼はその優しさから一度は反対した。その理由も気持ちもよくわかっています。そして今、その上で私と共に戦ってくれる。だから怖さなんてありません。辛い現実なんかに、負けません。 - 161じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 20:35:11
「……いいね。少女を熱くさせるのはいつだってこういう空気だ。嘆いている暇なんてない、たかが腑なんかに怯えているの馬鹿らしい。もう止まってる暇はないね、ヒビキ、コトリ!『大人』が投げ出した最高のゴールを私達の手で掴み取るなんて痛快な逆転劇が待っている!ハッピーエンド、上等じゃないか!」
「ヒフミ達の言う通りです、会長。私達セミナーは全校生徒の為に、自治区住民の為に存在します。トキの一人救えないんじゃお話になりません!」
ウタハさんとユウカさんが力強く机を叩く。その目には力強い熱が籠っています。
「……しょげてる暇なんかないよ、お姉ちゃん。私達でトキさんを救うの。あの人意地っ張りな癖に面倒くさがりなんだから、さっさと重たい荷物降ろさせてあげなきゃ!」
「アリスちゃん、大丈夫。私達だけじゃなくて……ここには沢山の人がいるから。みんなで考えればきっと良いやり方……その、絶対思いつくから」
まだ終わってないと、下を向いていたモモイちゃん達の前に立ってミドリちゃん達が弱々しく垂れた手を握る。
「うふふ♡たとえ無理難題があっても前を向いてしっかり⬛︎って歩く♡いつも通りの私達ですね♡」
「なんでこんな時までふざけるのよ!おばか!……でも今更よ。なんてたって私達、あの時だってちゃんと試験をパスしたんだから!バカだった無理だって、そう思っても!ちゃんと頑張れば最後にはちゃんと乗り越えられるのよ!」
コハルちゃん達が吠える先にあるのはきっと、目に見えないけど私達に襲いかかってきた辛い現実。負けてやるかと自分達のこれまでを掲げてくれる。
みなさんの目にやる気が灯り、空気が一変しました。
「なら手早く情報の共有を済ませようとしちゃおうか。私達ヴェリタスとエンジニア部からの調査報告はこれでお仕舞い。ここからは次の話───小鳥遊対策委員長」
「うへー。私ぃ?いやさぁ、こういうのって……」 - 171じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 20:42:14
これからの話ということもあってか、アビドスの話をするのに言い淀むホシノさんに対して、フォローを入れてくださったのはいつも頼りになるお二方。
「ヒフミが気になるという話だからね。僕からもぜひ話を聞きたい。アーチャーやライダーとの戦いを経た君たちの近況も気になるところだしね」
「情報共有は必要だ。我らは同盟を組み、志を同じくして問題解決へと乗り出したチームである。そしてこの場で最も情報を交わせていないのもお前とだ、アビドス、神秘満ちる土地より来た娘よ」
「……ふぅん。そういう感じなんだね」
何やら意味深な感じにセイバーさん達も不思議そうにしていますが、ホシノさんは流し目をしつつのんびりと答えます。
「いやぁ?ヒフミちゃんの隣にいるっていうのはそういう事なのかなぁってさー」
それがどういう意味なのか聞こうとする前にミノリさんから提案がありました。
「スパルタクスのステータスを全て提示しよう。なに、見てくれ通りのそれだ。私が言うのもなんだが……期待してくれていい」
「なら私達が集めたシャドウサーヴァントも含めた各サーヴァントについての情報もおさらいしておきましょう。データを表示するから確認お願い」
ユウカちゃんの一言で画面にサーヴァントの方達のデータが表示されます。ホシノさんがこれまで戦った経験なんかを聞けば、さらに具体的な形にもなるでしょう。
『……ユウカ達もこの話し合いを終えたらそれぞれの部署に戻る予定よ。今日最後の検討会となるわ……明日からまずどの陣営の攻略に注力するか、まだ情報が足りない陣営はどこか。今後の動きも含めて話を重ねていき、結論を出しましょう』
調月会長もいつも通りの調子に戻ってきました。
あとは彼女だけ。そう思って見れば。
「くよくよなんかしてられないね。ごめん、ヒフミ。情けないとこ見せちゃった!」
「モモイちゃん……」
いつもの元気な笑みを彼女は見せてくれました。
「もう大丈夫!ヒフミの願いを叶えにいかなきゃ!さあ話し合いだよ、ヒフミ!こんな所でヒフミもみんなも折れたりしない……でしょ?」
「えぇ勿論!」 - 181じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 20:48:39
【味方サーヴァントのマテリアルが記録されました】
【ご確認下さい】
クラス:バーサーカー
マスター:安守ミノリ
真名:スパルタクス
性別:男性
身長/体重:221cm/165kg
出典/地域:史実/ローマ
属性/副属性:中立・中庸/人・大人
好き/苦手:叛逆/圧政者
聖杯戦争への参加理由:叛逆の意思を見たから
【HP(最大値/現在値)】
998/998
【絆レベル】
6(累計値:29)
【ステータス】
筋力:A(実数値:53)
耐久:EX(実数値:58)
敏捷:D(実数値:20+dice1d9=9 (9) )
魔力:E (実数値:10+dice1d9=9 (9) )
幸運:D(実数値:20+dice1d9=4 (4) )
【保有スキル】
スキル名:被虐の誉れ
ランク:B+
適正値:B−
説明:魔力により一定時間経過するごとに傷が自動的に治癒される。また魔術的な治療を行う際に必要な魔力の消費量を1/4に抑える。
痛めつけられるほど闘志が燃え上がり、秘めた力のすべてを引き出すに至るスパルタクスとは相性が非常に良いスキル。反面、ミノリは別に痛めつけられる事に別段の性癖は持たないのでマイナス補正を受けている。
効果:毎ターン行動開始前に供給魔力量の1/4回復。戦闘イベント時、発動後から毎ターン終了時に受けたダメージ量の1/4回復する。
- 191じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 20:48:57
スキル名:不屈の意志
ランク:A
適正値:EX/-
説明:あらゆる苦痛、絶望、状況にも絶対に屈しないという極めて強固な意思。
肉体的、精神的なダメージに耐性を持つ。ただし、幻影のように他者を誘導させるような攻撃には耐性を保たない。ミノリとの相性は言うまでもないが、そもそも彼女が本質的にそれに類似した精神性を兼ね備えている為、ミノリ本人はスキルの恩恵を受けていない。
効果:スキル発動後にHPが0になった場合、HPを1回復する。
スキル名:剣の凱旋
ランク:A
適正値:B
説明:スパルタクスの生涯、その中にある一つの謎。アルプス越えを目指した彼が、それを取りやめてまで南下した逸話に基づくスキル。その真意は彼にしか分からないがミノリは何となく察している。スパルタクスはミノリの体調が悪そうな時にポージングを取る事で、無断使用しHPを勝手に回復している。
効果:『筋力』『耐久』『宝具』でのステータス判定時、1d40のボーナス。HPを1d1000回復。
【宝具】
疵獣の咆哮(クライング・ウォーモンガー)
ランク:A+
コスト:100
種別:対軍宝具/メイン
レンジ:0
最大補足:1人
効果:常時発動型の宝具。伝説が昇華されて宝具化したタイプ。敵から負わされたダメージの一部を魔力に変換し、体内に蓄積して貯められた魔力はステータス強化と治癒能力の増幅などに転用される。つまり傷つけられれば傷つけられるほど強くなる。魔力への変換効率は彼の体力が減少するほどに上昇する。また真名解放により魔力を解放すると、爆発と見間違う程煌々とした一撃で周囲を更地にする。
最大1000ダメージ(絆15)、戦闘イベント開始時から受けたダメージ分を加算。 - 201じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 20:54:35
- 211じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 20:55:53
【改めまして皆様】
【こんばんは】
【サポートシステムが起動しました】
【これより行動安価を行います】
【安価内容は今回話したい話題について】
【誰かに聞きたいこと、共有しておきたいこと】
【質問したいことや相談したいこと】
【今いる18人と通信越しで話せるヴェリタスの部員3名、生塩ノア、黒崎コユキの2名も合わせた23名で話し合いたい事を決めて下さい】
【話したい事というかなり抽象的な安価となりますので特に文章量等の制限は設けません】
【安価先>>30】
【それでは皆様】
【よき検討を】
- 22二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 21:11:31
- 23二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 21:23:31
ミノリに、前の交渉に際に拒絶反応の話をした時にその反応が薄かった理由や、戦った陣営やその様子辺りに関して聞く
ホシノに2日目や3日目にあったアーチャーやライダーによるアビドスへの襲撃についてや、襲撃の件への心当たりとかについて聞いたり、ライダー陣営に協力しているらしいオクトパスエンジニアリングについて話してカイザー関連らしいしそれについても聞いてみる
ホシノにはあとヒマリのメッセージでは共有しきれてない聖杯戦争についてヒフミ達が知ってる事があればそれと、自分たちがハッピーエンドを目指してる事も伝えておくのと
ゴルゴネイオンでアルと面識のあるホシノとユウカ(というかまだ見てない皆でも良いかも?)にライダーとアルの記録を見せてから、アルの願いについて何か思い当たりそうな事が無いか質問したりとか
シャドウサーヴァントが出没してるという事について、ヒマリのメッセージで知れた聖杯戦争の根本等も考慮した上でのそれぞれの考察や見解を話し合うとか
あとは、ウイにヒナタに対してサクラコの様子について伺うメッセージを送ってもらうよう頼むとかかな
トキとの交渉の際にホシノかクロコいれば犠牲になる者に対して残される側というか親しい者を亡くした側の心情伝えるのに良さそうかな?とも思うけど、ヒフミ達はホシノやクロコの事情知らなそうだし頼むのは難しそうではあるな - 24二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 21:31:45
仮に各陣営と正面衝突することになった場合に備えての対処をどうするか、各陣営に対して勝てる見込みはどれぐらいあるかとかかな
後現時点で居場所が分かっていて会おうと思えばすぐ会える黒服にはいつ会うべきか
ヘルタースケルターや無理ならオートマタをより増産する方法はないか
より戦力を増やす手段はないか
対処に関しては特に戦闘規模がデカくなりそうなライダー陣営に関してはしっかり話しておきたいかな
街中での衝突なんて事態になったら大規模な被害は避けられないし - 25二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 21:44:14
仮に他陣営が百鬼夜行や山海経などに逃げ込んだ際はどうすればいいか
シュロが言っていたあのシステムとは何か
ゲマトリアは集団であるそうだが黒服にフランシス以外のメンバーが裏で何かしら戦力供給などの支援をしている可能性はあるか
ゲマトリアについてみんなはどう思うか - 26二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 22:02:07
どの陣営が一番攻略難易度が低いと思うか
逆に一番高そうなのはどこか
ライダー陣営と戦う際にはどのように戦うべきか - 27二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 22:10:26
- 28二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 22:11:52
かそく
- 29二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 22:12:32
- 30二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 22:12:46
- 31二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 22:15:01
・情報共有や個々人への質問
各陣営のサーヴァントの情報およびマスターが誰か、誰が仲間なのかなどの基本的な情報の共有
ミノリに、前の交渉に際に拒絶反応の話をした時にその反応が薄かった理由や、戦った陣営やその様子辺りに関して聞く
ホシノに2日目や3日目にあったアーチャーやライダーによるアビドスへの襲撃についてや、襲撃の件への心当たりとかについて聞いたり、ライダー陣営に協力しているらしいオクトパスエンジニアリングについて話してカイザー関連らしいしそれについても聞いてみる
ホシノにはあとヒマリのメッセージでは共有しきれてない聖杯戦争についてヒフミ達が知ってる事があればそれと、自分たちがハッピーエンドを目指してる事も伝えておく
ゴルゴネイオンでアルと面識のあるホシノとユウカ(というかまだ見てない皆でも良いかも?)にライダーとアルの記録を見せてから、アルの願いについて何か思い当たりそうな事が無いか質問したり
シャドウサーヴァントが出没してるという事について、ヒマリのメッセージで知れた聖杯戦争の根本等も考慮した上でのそれぞれの考察や見解を話し合うとか
ウイにヒナタに対してサクラコの様子について伺うメッセージを送ってもらうよう頼む
ゲマトリアについてみんなはどう思うか
セイバーはアーラシュのことを知っていたが宝具についても知っているか
・戦略面の相談
今後の方針やまずどの陣営から攻略していくべきか仲間になってくれそうな人に心当たりはないか
各陣営と正面衝突することになった場合に備えての対処をどうするか、各陣営に対して勝てる見込みはどれぐらいあるかとかかな
後現時点で居場所が分かっていて会おうと思えばすぐ会える黒服にはいつ会うべきか
ライダー陣営と戦う際にはどのように戦うべきか
仮に他陣営が百鬼夜行や山海経などに逃げ込んだ際はどうすればいいか
シュロが言っていたあのシステムとは何か
仮に七陣営が街中で激突するなんて事態になってしまった場合セミナーはどうやって対処するか
あと、22のエリドゥへのハッキングは確かそもそも現状だと無理ってチヒロが言ってなかたっけ? - 32二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 22:15:59
纏めてたら安価終わってた
- 333024/10/25(金) 22:16:05
- 341じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 22:26:35
- 351じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 22:30:00
- 36二次元好きの匿名さん24/10/25(金) 22:32:56
多分それでいいんじゃないかと
- 373124/10/25(金) 22:33:46
あ、纏めたと言ってもそこそこ独断で必要なさそうだなとか話してるメンバーが知らなそうだなって部分省いちゃってるから、纏めた元のレスした人が良いかどうかによりそうかも?
- 383024/10/25(金) 22:36:49
私としては一応シュロが言っていたあのルールの発言的にまだ私たちが知らない何かしらの特殊なルールがあると思うが
仮にそれを黒服に聞いたとして黒服は無条件に答えてくれるかの部分追加してくれたらそれで大丈夫です - 391じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 22:38:46
- 401じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 22:48:43
今回の安価結果で話し合う内容は>>31さんのを参考というかほぼ丸パクリした以下の通りじゃんね☆
【情報共有や個々人への質問】
1.各陣営のサーヴァントの情報およびマスターが誰か、誰が仲間なのかなどの基本的な情報の共有
2.ミノリに、前の交渉に際に拒絶反応の話をした時にその反応が薄かった理由や、戦った陣営やその様子辺りに関して聞く
3.ホシノに2日目や3日目にあったアーチャーやライダーによるアビドスへの襲撃についてや、襲撃の件への心当たりとかについて聞いたり、ライダー陣営に協力しているらしいオクトパスエンジニアリングについて話してカイザー関連らしいしそれについても聞いてみる
4.ホシノにはあとヒマリのメッセージでは共有しきれてない聖杯戦争についてヒフミ達が知ってる事があればそれと、自分たちがハッピーエンドを目指してる事も伝えておく
5.ゴルゴネイオンでアルと面識のあるホシノとユウカ(というかまだ見てない皆でも良いかも?)にライダーとアルの記録を見せてから、アルの願いについて何か思い当たりそうな事が無いか質問したり
6.シャドウサーヴァントが出没してるという事について、ヒマリのメッセージで知れた聖杯戦争の根本等も考慮した上でのそれぞれの考察や見解を話し合うとか
7.ウイにヒナタに対してサクラコの様子について伺うメッセージを送ってもらうよう頼む
8.ゲマトリアについてみんなはどう思うか
9.セイバーはアーラシュのことを知っていたが宝具についても知っているか
- 411じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/25(金) 22:52:36
【戦略面の相談】
10.今後の方針やまずどの陣営から攻略していくべきか仲間になってくれそうな人に心当たりはないか
各陣営と正面衝突することになった場合に備えての対処をどうするか、各陣営に対して勝てる見込みはどれぐらいあるかとかかな
11.ヘルタースケルター等を増産する方法はないかも含めて戦力を増やせないか
12.現時点で居場所が分かっていて会おうと思えばすぐ会える黒服にはいつ会うべきか
13.黒服との交渉の際にどの程度の範囲であれば聞いても素直に答えてくれると思うか
14.ライダー陣営と戦う際にはどのように戦うべきか
15.仮に他陣営が百鬼夜行や山海経などに逃げ込んだ際はどうすればいいか
16.シュロが言っていたあのシステムとは何か
17.仮に七陣営が街中で激突するなんて事態になってしまった場合セミナーはどうやって対処するか
18.コユキ+ヴェリタスの総力戦で会長&ヒマリ謹製のセキュリティシステムにハッキングを仕掛けたらどうなるか
● トキとの交渉の際にホシノかクロコいれば犠牲になる者に対して残される側というか親しい者を亡くした側の心情伝えるのに良さそうかな?とも思うけど、ヒフミ達はホシノやクロコの事情知らなそうだし頼むのは難しそうではあるな(ちょっと保留。どうやって調理するか悩んでます。丁寧に書きたいです)
と順番とかはごちゃ混ぜになるからいつもみたく『①〜、⑤〜』みたいな感じで表記してく感じにするじゃんね☆
怒涛の19個+1個じゃんね☆かなりふわふわした安価だったのにたくさん考えてもらえて嬉しいじゃんね☆時間かかっちゃうけど頑張って書いてくるじゃんね☆ - 421じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/26(土) 01:03:37
【Recommend BGM……〈Neo City Dive〉】
『情報の共有とホシノへの質問(①、③、④、⑤)』
「……なるほどねー。聖杯戦争、殺し合いの強制参加者はもれなく棄権もまとめに出来ないし、殺し合わないって方針を選んでも最終的には……かー」
私達が知っている聖杯戦争についてとこれまでの経緯をお伝えした後、腕組みをしたホシノさんは難しい顔をしていました。私自身、逆の立場で自分のお友達からそんなお話をされたらなんて返すべきか迷うところ。そんな悩ましい話にしばらく目を瞑ってから、ぱちりと彼女のオッドアイが開きました。
「いやー、これは確かにアビドスみたいに小さな自治区で手に負える問題じゃないねー。万一の実働協力って形で前に対策会議に参加させてもらえただけでもありがたい話だよー」
「ホシノ先輩……それについては……」
三校でしたという会議。実際協力関係を結んだとかの話は聞いていましたが、具体的な細かいところだったりは甘えさせてもらってきました。そんな会議をナギサ様と共に主導してくれていたユウカちゃんは申し訳なさそうにして頭を下げようとしたところを、ホシノさんが手を振って止めました。
「いーよいーよ、ユウカちゃん。トリニティの紅茶ちゃんとも話し合ってうちを巻き込むのは最低限にしようって心配してくれたんでしょ?分かってるってー」
にこやかにそう言いつつ、彼女の思考はそれとは別の方へと向かったのを感じました。その予想通り、次に口にしたのはやはり『彼女』のことについて。
「しかし便利屋ちゃん達もマスターねぇ……しかもあの様子かぁ……」
この話をする際にみなさんに改めてお見せしたアルさんの記録(https://bbs.animanch.com/board/3694325/ →>888)。そこに残されていた彼女の姿についてをホシノさんは口にする。
─── 少しだけ……少しだけでいいの。時間を頂戴、ライダー。
アルさんとは私もホシノさんも、そしてこの場ではユウカちゃんもお付き合いがあります。気丈で優しくてとても爽やかな方です。
- 431じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/26(土) 01:06:27
世話焼きさんで私にもいつも良くしてくれる大好きなお友達。そんな彼女が誰にも聞かせないように真っ暗な部屋で一人、堰を切ったように泣いていた姿。それを見た、直後でしたからホシノさんが彼女について話題に触れるのは自然でした。
「アルさんは……今もマリーちゃんや他の陣営と小競り合いを続けていると聞きます」
「ヒフミには悪いが、はっきりしておこう。私達のところにも、なんならレッドウィンターまで足を伸ばして彼女達は殴り込みに来ている。一度や二度の話じゃない。恐らく、この聖杯戦争でもっと好戦的かつ意欲的に戦闘行為を行っている陣営だ」
「ただ、どうして意欲的なのか。勿論サーヴァントや陣営の強さもそうでしょう。でも、一番はきっとそこが問題ですね」
ミノリさんとハナコちゃんの話を聞いて改めて考える。ミノリさんの願いは『富の分配』。それは聖杯で願いを叶える権利という富も含めて全員が平等に得られないといけない矛盾した願いだったから、ミノリさんは『叶えない/願わない』と決意された。それもあって彼女は戦いにも消極的でした。
マリーちゃんの願いは『ランサーさんの受肉』。ですがこれについては……まだ妙に足りていない。そう思います。
同じようにモモイちゃんは『キャスターさんの受肉』、キャスターさん自身もそれを願っている。これは私達の思う犠牲のないハッピーエンドを目指す方針とも合致していたという理由もあって同盟を組めました。
そしてトキさんは『聖杯戦争の恒久的な停戦』。そのためには七騎全てのサーヴァントの方の命とご自分を犠牲にする以上は勝ち残る必要がある。だから無駄な戦闘を控えて令呪とサーヴァントを引き渡すよう交渉したり、それが駄目なら他陣営との戦闘も私達以上に積極的に行っているらしいです。
なら、アルさんの願いはなんなんでしょうか。
「……ヒフミも分かると思うけど、アルさんはしっかり者だわ。内容……は今は置いとくとしても会社の運営だって立派にされてるし。そんな彼女が人を殺す事を選んだ」
「思い詰めてる感じだったねー。じゃあ、何をって話だけど……もしかして私達が知ってる内容、全部最初から知ってたんじゃない?あの子」
ホシノさんはそう言うとぐるりと私達を見渡しました。それは推測というよりどこか確信めいた言い方。 - 441じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/26(土) 01:07:37
「考えてもみなよー。言っちゃ悪いけど、あの子って度がつくぐらい真っ直ぐだよ?不義理な事なんて出来っこない、それこそ空回りすぎて一周しちゃうぐらいにはさ。だったら『人殺し』にならざる得ない『理由』がある。つまり、トキちゃんだっけ?その子と同じパターンってこと」
そう、引っ掛かるのは『あの』アルさんがどうして聖杯戦争に、殺し合いに積極的なのか。なんらかの理由がある。そうしなくてはいけない理由が。改めてそれを知らないと前に進めないと再確認していると、ウイさんも頷きながらホシノさんの話に補足をしてくれます。
「……聖杯戦争という物は基本的には魔術師達が願いを叶える為に聖杯を奪い合う儀式です。その願いというのは形はどうあれ俗人的な物ではなく、『根源』と呼ばれる物への到達、魔術師自身のアイデンティティや存在に纏わる願いです。であれば、私達のように巻き込まれた人間というか魔術の存在しないキヴォトスで、人を殺してまで叶えたい願いを抱える。その重みは相当な物でしょう」
「前に話したが人を殺すというのは倫理的な枷、そして社会的な枷、この二つのハードルを越えない事には発生しない事象だ。勿論、時に感情はそんなハードルを踏み越えてしまう事はある。だが聖杯戦争は『長過ぎる』しあまりに『大掛かり』だ。そういった一時の感情を持ち続けて……というには君達から聞く限りの『陸八魔アル』という人物像と一致しない。後は立場だが、人が善良な倫理観の一線を踏み越える時というのは大抵『社会的な要因』がある。そして彼女は……」
「会社を運営し、社員、それも友達を養う『立場』にあるか。調べた限り、決して大儲けしてるわけではないけど首が回らなくなるほど彼女達は困窮してたわけじゃないわ……そのここ最近は、という話になるけど」
ミノリさん達もまたお昼に話してくれたことを続けながら、アルさんのパターンに置き換えて話してくれます。聞く限り、アルさんが誰かの命を奪ってでも利己的な願いを叶えたい、という風には思えませんでした。それにしても……。
「いやー、しっかり者が多いねー。おじさん、安心だよー……ところで、ウイちゃんだっけ?随分詳しいんじゃない?───聖杯戦争のこと」
にこやかに目を細めた奥からなぜでしょう、鋭さを感じる目線をホシノさんが送ると。
「……ヒナタさん経由である程度聞きましたから」 - 451じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/26(土) 01:19:56
初対面ということもあって緊張なさったのでしょうか。目線を逸らされてしまいました。
それになんとなくぎこちない空気が流れ出しそうになったタイミングでぽつりと静かな声がホールに思いの外響きました。
「陸八魔さん、すごい思い詰めてた。もし初めから全部、聖杯戦争のシステムを知ってたなら。あんな風になるのも分かる気がする……それに逆説的にだけどヒフミさん達の動きとの違いも説明できるんじゃないかな?」
ヒビキちゃんの言葉に私達の頭の中で描くのはこれまでのこと。確かに初日に襲われて、二日目にランサーさんと戦って、そこからまたランサーさんと戦うまではケセド戦はともかくあまりサーヴァントの方と戦ったりはしてきませんでした。とにかく情報を集める事に集中していたのは、他の方との命の取り合いなんて嫌だったのもありますが。そもそも『初めての聖杯戦争』という事で事前の情報が何もなかった、というのも大きいんです。
「初日からマスター含めて随分派手に動いてたからね、彼女達。聞けば脱獄の幇助もやってるんでしょ?それに戦闘となれば監視カメラにマスター本人が映るのも気にしないぐらい。ちょっとランサー陣営とは動きが違わない?ほら、拒絶反応発症済みでマスターになるリスクとか分かってるあそこはわりと慎重に動いてるし」
「うちにも喧嘩吹っかけてきたしねー。いやぁあれはびっくりしたよー。つい一日前にあーちゃーとかいう大人がうちの可愛いかわいいセリカちゃんに粉なんかかけてさー……本当、次会ったら必ず仕留めてやる」
「あはは……い、一体何があったかお聞きしても?」
チヒロさんの言葉に頷くホシノさんの目は笑っていない。なので恐る恐る聞いてみると───。
「んー、まぁ。あんまり聞いてて気持ちいい話じゃないんだけどさ」
「うちの可愛いセリカちゃんを」
「あろうことか夜遅くにナンパしてきたんだよ、アイツ」
そう笑顔で、ですが綺麗な青筋を立ててそう言われました。 - 461じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/26(土) 01:29:28
訂正じゃんね……ホシノちゃんの台詞はただしくは以下の通りじゃんね☆
×「うちにも喧嘩吹っかけてきたしねー。いやぁあれはびっくりしたよー。つい一日前にあーちゃーとかいう大人がうちの可愛いかわいいセリカちゃんに粉なんかかけてさー……本当、次会ったら必ず仕留めてやる」
○「うちにも喧嘩吹っかけてきたしねー。いやぁあれはびっくりしたよー。うちの自治区でパトロールしてくれたトリニティの……ええっと正義実現委員会だっけ?あの子達を路地裏で襲おうとしてたから止めに入ったんだけどさ。そのつい一日前だってアーチャーとかいう大人がうちの可愛いかわいいセリカちゃんに粉なんかかけてさー……本当、次会ったら必ず仕留めてやる」
というところで今日はおしまいじゃんね☆
ホシノちゃんの話で引くかミノリちゃんの話で引くか迷ったけど今回はこっちじゃんね☆
明日はこの続きからじゃんね☆さっと軽く経緯を話ちゃってアーチャーと遭遇した時のことなんかはまた別の形で短編として出すじゃんね☆
まだ夜にやらなきゃいけないことがあるからじゃんね☆
色々サクサクやりたいからなるべく長引かせないようがんばるじゃんね☆
明日は15時から続きじゃんね☆
それではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆
キャラクターの数がえらいことになってるじゃんね……喋ってない子がいたらごめんじゃんね…… - 47二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 01:40:09
更新乙!アンド遅ればせながら立て乙!
またミカ主が腱鞘炎になりそうな安価になってる……
でも情報交換は大事だろうから頑張ってほしい - 48二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 01:41:55
おつかれさまです
なかなか大人数での作戦会議ですしねキャラクターの把握が大変そう - 49二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 07:59:49
あのアーチャーが粉かけるとは考えにくいが、一体何があったのやら……
- 50二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 08:05:38
お疲れ様でした〜!
まぁ、ホシおじからしたら発端はゲマトリアとか自分一人が犠牲にとか色々と刺さるモノはあるでしょうね
そして、シャドウサーヴァントのHPが666/666ってのは不吉だな
まるで獣の………
そして、聖杯戦争のゴタゴタが早く終わって此処のマリーが例のアイドル衣装になれる事を祈ります…!!
あっ、アイドルマリーのチェキはお願いしますね! - 51二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 12:44:43
ほしゅ
- 521じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/26(土) 15:53:27
半ドンとは何だったのか……今帰ってきましたじゃんね☆とりあえず今から書いてきますじゃんね☆
ありがとじゃんね☆以前は戸惑っちゃった量も今はもう慣れたもんじゃんね☆とはいえ時間かかるのは相変わらずで申し訳ないじゃんね……頑張って書くじゃんね☆
普段こんなに大人数動かしたりしないから難しい……けど頑張るじゃんね☆
そこんところどうなんです?ってアーチャーかセリカちゃんあたりに聞くと彼や彼女の視点から事実が分かるじゃんね☆それか柴関の大将に聞くといい……けどとりあえず今回で経緯は軽く書くじゃんね☆
ここのホシノちゃんは時系列的にはアビドス編3章前、諸々片付いてないし納得もできてない……のでヒフミちゃんの元気そうな顔見れたかと思えば会議の内容で色々ぐさぐさきてるじゃんね☆
ストレス発散させてあげたいじゃんね☆
シャドウサーヴァント関係はステータス作り忘れてて慌てて投下直前に拵えたじゃんね☆数字?のーこめんとじゃんね☆
謝肉祭に早く参加させてあげたいじゃんね☆
アイドルマリーちゃんのチェキはちょっとコハルちゃん判定必須だったじゃんね☆
本スレ的にはオタ芸披露する300人とか書きたいじゃんね☆
保守ありがとじゃんね☆
頑張って書いてくるじゃんね☆
- 531じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/26(土) 15:58:39
- 54二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 16:05:27
リオとキャスター
ハナコとセイバー
ミノリとウタハ
ヒフミとモモイ
って感じでいいのかな - 55二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 16:17:36
質問なんですが
ヒフミとモモイ
ヒフミとセイバーって感じで
複数のペアに同じ人が入ることは可能ですか? - 561じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/26(土) 16:20:07
- 57二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 16:31:25
- 58二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 16:44:20
かそく
- 59二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 16:44:37
- 60二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 16:44:52
- 611じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/26(土) 16:52:20
- 62二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 17:06:13
あ、ホシノが候補に入ってなかった事見落としてた申し訳ない
- 631じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/26(土) 17:09:17
- 64二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 17:11:33
この後話し合い終わってから各ペアで話す感じかな
それともその前に何が起きるか
戦闘はスレ主の発言的に高確率で起きそうだが - 65二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 18:13:53
そういえばセンチュリオンちゃんはどこいったっけ
- 66二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 20:28:24
夜に戦闘起きる場合は相手は誰なんだろうな
- 67二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 22:38:31
話し合いで少しでもいい方向に行くといいな
- 68二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 22:49:36
黒服がマスターとしったホシノの反応はどんな感じなんだろうな
後今日は何時ぐらいに更新あるんだろう - 69二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 23:22:09
遅いけど大丈夫かなスレ主
なんか問題起きたとかじゃないといいけど - 701じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/26(土) 23:32:29
- 71二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 08:21:46
眠れたのかミカ主は……
いくら休みとはいえ心配じゃんね…… - 72二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:09:20
スレ主大丈夫だといいが
- 731じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/27(日) 14:53:34
- 74二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 19:15:52
おつです、無理せず
待っときます - 751じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/27(日) 19:26:41
- 76二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 19:40:45
お疲れ様です
無理せずにです - 771じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/27(日) 20:49:12
【Recommend BGM……〈Vivid Night〉】
『情報の共有・相談(⑦、⑧、⑨、12、13、16)』
「詳しく聞いても?」
「……別にいいけど」
セイバーさんからの問いに言い淀みつつ、ホシノさんは頭をかきました。ふわりと髪が膨らむようにその線を揺らしながらホシノさんの眉間には皺が寄る。
「アーチャーだっけ?その大人がセリカちゃんにちょっかいかけたのは、夜の10時頃。明らかに変な気配なのに姿が見えないから尾行してたらセリカちゃんが働いてる柴関ラーメンに入ってさ」
以前先生から頂いた報告書にもあった話です。どうやらホシノさんの話を聞く限り、セリカさんとアーチャーさんの間で問題が発生するより前から霊体化してアビドス自治区に入ったアーチャーさんの気配を偶然見つけた彼女が尾行していた。なら彼は一体何のために自治区に来ていたのでしょうか?
「そこは屋台だから、何してるかは外からでもよく見えたよ。普通に食べて、その後会計して立ちあがろうとしたタイミングでセリカちゃんに喋りかけた……セリカちゃんは大した話じゃないって言ってたけど確か『その耳は本物なのか?』とか、聞いてきて。その後色々話をしてからセリカちゃんの腕を掴もうとしたから私が割って入って……まー、あとはおじさんと追いかけっこって感じかな?」
「アーチャーさんはその時何か、たとえば自治区に来た理由とかは?」
「『偵察』とか言ってたかな?なんかマスター……ああ、トキちゃんだっけ?その子が気にしていたから『一応見に来ただけ』とか言い訳してたよー」
話し終えた彼女へハナコちゃんの疑問に投げられますが、これといって詳しい話は分かりません。アビドス自治区に何かあるのか。それとも本当にただの偵察だったのか。真相を知っていそうなのは当人達と、あとは『彼女』ぐらい、でしょうか。
「どう思う?セイバー」
「さて。彼とはそれなりの付き合いがあるけど……どうだろうね。本人に聞くか、より詳しくその時話していた内容と状況を聞いてみないと少女の腕を掴もうとした理由も僕には分からないとしか言えないかな」
「なんだ、セイバーは随分とアーチャーについて詳しいんだな。生前からの付き合いか?」
「……いや、彼とは前の聖杯戦争でね。今と同じクラスで互いに呼び出された事があったんだよ」 - 781じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/27(日) 21:00:37
アズサちゃんとセイバーが交わした会話にふいに疑問を持ったのかそう尋ねたミノリさんに、セイバーさんは少し困ったような顔をする。馴染みがあるとは前に少し聞いていましたが、具体的にどういう関係だったかまでは聞けませんでした。ただなんとなく、敵とか味方とかそう単純な話ではないんだろうという直感はありました。なにせ、それだけならそう言えば済む話ですから。
「ふぅん。じゃああれとか知ってるの?あの、えと、ほうぐ?とか言うの」
「そうだね。僕は彼の宝具を知っているし実際にそれが使われた場所にもいた事があるよ、コハル」
下唇をセイバーさんが軽く噛んだのが一瞬だけ見えました。隠しておきたい話、というより言いたくなかった事なんでしょうか。けれど彼は僅かに逡巡してから結局話してくれました。
「……彼が宝具はかなり特殊でね、一度発動すると絶大な威力と引き換えに霊基の消滅を引き起こす物だ」
「それは……」
「自身の霊基をも注ぎ込んだ壊れた幻想か。中東の大英雄ともあろう男のそれだ、さぞ凄まじい威力となろう」
キャスターさんがそう締めくくりましたが、大きな問題です。威力も確かにそうですが、それ以上に彼がこの話をしたがらなかった理由の一つもなんとなく察しました。
「打ったら即死の自爆技……それって、使わせる事自体が私達にしてみたら……負け、かな……」
「はい。ヒフミ達の目的は犠牲のない聖杯戦争の終結です!アーチャーが宝具を使ったら、一瞬でゲームオーバーです!」
「HP調整必須なタイプのボスかー。これ下手に追い込むとマズイかな?」
使う事自体、いえ『使われてしまう事』が私達の敗北に繋がる宝具。威力も危険でしょうがそれ以上にその選択をアーチャーさんに、トキさんにさせてしまった時点で彼の命を奪う事になる。なにより、トキさんがそれを選択するという状況は、想像してしまいたくありません。
「どうかしら?トキとしても自分の目的を果たしたい筈よ。私達からしてもアーチャーが宝具を撃つというのは困るけど、逆に言えば勝ち残りたいトキとしても一回しか切れない宝具は早々に切れない手札」
「……トキさんがヒフミちゃん達のマスター権を譲渡しろって交渉してたの、もしかして……」 - 791じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/27(日) 21:13:09
そしてセイバーさんがこの宝具について話さなかった理由はきっとそれでしょう。ユズちゃんが気づいた瞬間に、さっと彼の目線が下がったのをみれば私の想像が正しかったように思います。
『既にマスターになる事のデメリットを知っていたからこそというのもあるでしょうけど。その可能性もあるでしょうね。何せキヴォトス自体を救う為という理由が彼女にはある。一度限りの爆弾しか手元にないなら保険は複数用意するというのは合理的よ』
リオ会長の言う通り、トキさんのこれまでの行動は謂わばアーチャーさんに対してどういう風に思っているか、そしてどういう形で『運用』するつもりかをまざまざと突きつけてくる事実のようにも感じさせます。直接本人の口から聞いていない以上、断言は出来ませんが嫌な想像だけは容易に浮かんでくる。だからこそセイバーさんは今日までアーチャーさんの宝具について話さなかったのでしょう。トキさんに対して少しでも悪感情を抱かせないように、そんな気遣いだったのだと気づいた時には少し空気が澱みすぎていました。
「ま!とりあえずおじさんが今『自分から』話せる事はこんなところかなー?あのライダーとか言うのと戦った時の話はまたレポートみたいな形でユウカちゃんに預けとくよー。ステータス、だっけ?そういうハイカラなのおじさん分かんないからさー」
その空気を払拭するように室内に響いたのはホシノさんの柔らかい声。見れば彼女は軽いウィンクを返してくれました。それに合わせてミドリちゃんも別の話題を切り出してくれます。
「……ありがとうございます、ホシノさん。また後で詳しいアーチャーとライダーの身体能力等についてもユウカの方にお願いします。それじゃあ……そうだ、オクトパスエンジニアリングについてはどうでしょうか?」
「それはおじさんよりセミナーの子とかに聞いた方がいいかもね?ほら、うちは確かにカイザーと因縁浅からぬ?ってやつだけど、あそこも大きいグループだからさー」
一介の女子高生じゃ知ってる事なんてたかが知れると嘯く彼女を見つつ、私も気持ちを立て直して次の話題に移っていく。暗い想像はいくらでも出来ますけど、あくまで『想像』でしかありません。そんな物に一々振り回されるより、目に見えて確実な情報から一つひとつ確かな物を積み上げて良い道を探していく方がずっと建設的なんですから。 - 801じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/27(日) 21:25:34
「そうね、オクトパスエンジニアリングについてはこちらでも調査を進めたわ。結論から言えば完全なペーパーカンパニー。経営実態は殆ど確認できなかったわ。ただ、設立されたのはちょうど二年前よ」
「ということはウイさんから伺っていた例の事件がゲヘナであった時期と一致しますね。であれば、記念教会設立時期にどんな形であれ当時のゲヘナ生や生徒会、なんなら調査報告を行った『ご本人』とも面識があったのでしょう」
『……なるほど。鬼方カヨコ経由で聖杯戦争に誘われた口ね。あれでそういう人脈を残していたとは、恐れ入った、いえ。流石はあの鬼方カヨコか、というべきかしら』
調月会長が唸るようにそう言うのは鬼方カヨコさんについて。確か便利屋68の課長でゲヘナ学園の3年生、いつも落ち着いていてとても頼りになる、とアルさんから前に聞いた事があります。調月会長の口ぶりを聞く限り、もしかして生徒会の方々には有名な生徒さんなのかもしれないと思っているとかなりアグレッシブな意見が飛び込んできました。
「うちで調べた限りは資金や物質の流れには幾つかカイザーの息のかかった企業との繋がりがあった。多分ライダー陣営に卸してる物資関係でしょうね。型番とかは削られてるんでしょうけど、オートマタもかなりの数が納品されてる」
『……物流のストップ、試してみる?私達なら出来るよ』
『おーいいじゃん!』
「やめときなさい、兵糧攻めなんて碌な顛末にならないんだから」
『下手に追い詰めて自暴自棄……最悪ですね。もしも傍受の一つでも出来れば内情が分かってそういう作戦もできたかもしれまさんが……』
食料含め物資の供給を断つ。確かに効果的ではありますが、決して取りたくない選択肢です。誰だってお腹が空く、それも何日も食べられないなんてあってはいけないと思うんです。それにそういう極限状況で人は普段とは予想もつかない選択をしてしまうとも聞きますから。
「とはいえギリギリのラインなら狙う価値はあるな。物資は複数のルートから供給されているんだな?」
「そうだけど……ってもしかして、そっち狙いでもするつもり?」 - 811じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/27(日) 21:32:21
アズサちゃんの言う『ギリギリのライン』というのが分からず私やコハルちゃんは首を傾げましたが、理解できたのかハナコちゃん達はチヒロさんと同じように苦笑とも取れるような形で顔を顰めていました。
「あぁ。オートマタや弾薬辺りを抑えてみるのは良い手かもしれない。ジリ貧になれば相手は穴熊は決め込めない。どんな形であれ、戦況も動く」
「物資なき戦いは負け戦である。それもまた叛逆……だが、拮抗した状況を撃ち破る打開の一手。これもまた叛逆である」
「……まぁ、一応あとでルートだけは割り出しとくから」
腕を組みながら深く頷くスパルタクスさんの説得、いえ説得なのでしょうか。ミノリさんは頭を抱えていますが、とにかくアズサちゃんの案は一応いつでも使える状態に出来るように、チヒロさんも調べておくのを約束してくれました。中々大事になってきたなんて、企業相手に流通を止める話を聞いて今更ながらそう感じていましたが、どうやらそれは私だけではなかったようです。
「しかし改めて聞いて思うけど、通常の聖杯戦争ではまず考えられない動きだね。まさに神秘の秘匿という考えがないキヴォトスならではというか」
「そうなんですか?」
「まず有り得んだろうな。そんな事をすれば教会から委任された監督役は勿論、魔術協会、神秘を秘匿せんとする団体とて黙っておらんだろう」
戦闘の規模はともかく、と続いたキャスターさんの言葉に乾いた笑いが漏らしつつ聞いているとコトリちゃんもまた、不思議そうに話し始めました。
「そうやって考えると不可思議な話ですね!監督とは指示、指揮をする人物を指す場合と人々や組織を監視・指導を行う行為またはそれをする人物や組織を指します!今回は後者にあたりますが、取り締まるということはそれを明記したルールが存在しない事には叶いません!ルールとは即ち規範!規則!法則!秩序を維持する為に設けられた人々が物事に対して従うべき準則です!では一体、彼が監督している聖杯戦争でのルールとはなんなのか!?」
「黒服、だったね?アサシンのマスターであり監督役を兼任する彼。これまでの動きの中でも特に読めないマスターだ」 - 821じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/27(日) 21:41:02
コトリちゃんからの疑問にウタハさんも同じように悩ましげに眉を顰めています。実際、私も気になるところではあります。聖杯戦争の仕組みやシステムはこれまで色んな形で触れてきました。ですが『ルール』、破ってはいけない規則については私達はまだ何も知らない。彼は一体、どんな形で監督役という仕事をしているのか。
『……そうね。一度、整理をしましょうか。ヒフミさん。貴女はライダーからの強襲を受けた際に会っているという話だけど、その時はどんな話をしたのかしら?』
調月会長の言葉を受けて、私はあの夜の事を思い返す。ライダーさん、そしてアルさん達と戦っていよいよ令呪を切ろうかどうかを決断した時に助けてくれたあの時の事を。
───ああ、よいよい。ライダー共が少々目に余ったからな。お主らはついでよ、ついで
─── 私と彼女の関係はあくまでビジネスパートナー、必要に迫られて『マスター』の役を被っただけ。監督役こそが本業で間違いありません
─── 謂わば自然発生した『事故』の副産物
───今晩のはあくまでも今の質問に答えたのも『含めて』監督役としての勤め、取り立てて何か返礼を求めるつもりはありません
思い出したのは彼らとの会話。
「黒服さんは私達を助けてくれたのは『ついで』、ライダーさん達の動きが目に余ったからという理由でした。それからアサシンさんとの関係はあくまで『ビジネスパートナー』で、あくまで彼自身の『本業は監督役』……」
思い出した話を自分なりにまとめながら口にする。重要な事を話しそびれる事がないように気をつけながら伝えていく中で気づく事。
「それから……私達の質問に答えるのは監督役としての務め、だからそれ以上を求めるなら『取引』を、と」
彼は監督役としての務めと、取引する立場を分けているという事。それがどんな意味を持つのかはまだ分かりませんが、なんとなく大事な事だと『直感』して、頭の片隅に留めておくことにしました。
「ゲマトリア、地下で活動する研究者集団ですね。噂では聞いていましたがそんな存在まで関わってくるとは……ただ、話の限り少なくとも聖杯自体の鋳造には関わっていても、私達が問題視している聖杯戦争のシステム周りには関与していないという話でしたか」
「はい。ただそれもどれだけ信用できる話か……」 - 831じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/27(日) 21:48:41
苦々しくウイさんに告げるユウカちゃんに届いた待ったの声は意外にもハナコちゃんからでした。
「彼らがどの程度の規模の組織かは分かりませんが、一枚板というわけではないでしょう。話ぶりからして、黒服さん本人は聖杯についても聖杯戦争についても良くは思ってないのでしょう。モモトークでの提案も含めて度々ヒフミちゃんとの接触を図ったというのも、彼本人としては聖杯戦争自体への忌避感がある事が考えられます」
あくまでも根拠のない主観にはなりますが、と前置きするハナコちゃんの言葉に私も思考を巡らせる。確かに黒服さんの言い分は自分は聖杯戦争の監督役を嫌々引き受けた、そんな風に感じられる言葉でした。そしてヒマリさんからの話も含めてこれまで集めた情報から聖杯を作ったのは黒服さんの同僚さんになる『フランシス』という方だそうです。もしかすると彼にしてみると、あまり綺麗な言い方ではありませんが『フランシス』さんの尻拭いをされている、なんていうのも有りえる話かもしれません。
「それにビジネスパートナーという言葉。それにアサシンさんとのやり取り。聞く限りでは恐らく、彼と彼女はともすれば私達以上に主従関係が薄い、ある程度アサシンさんが自由に動ける裁量を任せているのかもしれません。後日、すぐにヒフミちゃんの元を訪れたのも、楽観的ではありますが一種のアフターケアと考えれば……早期に彼が姿を見せたのも分かります」
「確かに。私達の所に来たのは召喚してから二日、三日経ってからだったかな?それも夜間の事だ」
「うちも大体そうだったかなー?」
「……となれば昼間にわざわざ顔を出している事を考えても、ヒフミちゃんとの接触には意味があります。もしかすると彼にしてみれば都合が良かったのかもしれませんね。聖杯戦争に否定的な立場を明言しているマスターというのは」
そうハナコちゃんが言い終えた後には私達の間でまた沈黙が流れてしまいます。監督役でありながら、アサシンのマスターを兼任している。普通であれば見た目も相まって胡散臭いこと極まりない。ですが彼と敵対したのはただ一度きり。それもマスターになる前です。であれば今の私達は彼とも協力できるのでは、なんて考えすら浮かんできます。
「……えと、あの……ほ、ホシノ先輩?」 - 841じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/27(日) 22:01:13
「おへー?なになにー?どしたのコハルちゃん?」
ふいに沈黙を破ったのはコハルちゃんのおずおずとした声。それに不思議そうにしながらホシノさんも笑顔で対応してくれたのにホッとしたのか、ちょっともどかしげにしつつもコハルちゃんは尋ねました。
「あの、その……なんか、黒服さんの話をしてる時の表情が、辛そうかなって……いやその!勘違い!勘違いだったかも!なんですけど!?」
慌てる彼女にむしろ驚いた表情を一瞬だけ見せたホシノさんはすぐにいつも浮かべている柔和な微笑みを見せながらコハルちゃんの頭を撫で始めました。
「すごいねーコハルちゃん。しっかり人のこと見てるんだねー。どう?良かったらうちの子にならない?」
「あひぇっ!?えと、その……あの私はっ「うふふ♡だめですよー小鳥遊先輩♡コハルちゃんは補習授業部の子なんですから♡」ちょっと!ハナコ!」
「ありゃ、振られちゃったかー」
残念と肩をすくめるホシノさんはそれから私達の方に向き直って、少しだけ嫌そうな顔をしながら教えてくれました。
「まぁでも、そうだね。黒服とはさ、それになりに付き合いがあるんだよ、『私』」
『望外ね。なら彼やゲマトリアについて聞いても?』
「いやー、分かってて聞いてるでしょー会長ちゃん……おじさんからアイツについてどうこう言うのはやめとくよ。だって私、アイツのこと『嫌い』だし。そういう考えが混じるとさ、話もややこしくなっちゃうでしょ?」
嫌いの一言は驚くほど重かったです。ホシノさんと彼との間で何があったのかは分かりませんが、決して簡単には埋められない溝があるのだけはしっかりと感じ取れました。けれど彼女は笑って私達に協力を申し出てくれる。
「だから私がアイツに関わるのは最後の番。アイツのところにヒフミちゃんが行くって決めた段階で話聞かせてよ。その時は私も付き合うからさ」
その優しさに甘えて、私はしっかりと頭を下げる事にしたんです。 - 851じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/27(日) 22:12:47
「会いに行くなら早い方がいいわ。『取引』の内容が分からない事には私達も動けない。逆にそれが分かっても準備する時間がなければ対応できない。取引をするなら最低でも明日の午前中に、行かないならもう取引自体しないって考えて今後の行動を考えた方がいいわね」
「どんな話になるかも『取引』の内容を聞かなきゃ分からない。ただ、取引って言ってるんだから、双方にメリットがある。とりあえず行って損はないんじゃない?それに監督役としての質問に関してはきちんと話してくれるんでしょ?だって実際、そうだったんだし」
ユウカちゃん達の言う通り、明日は彼に会う事を想定しておいた方が良いかもしれません。ただ気になる事がまだあります。それは、つい今日のこと。彼女から教えられたある一つのヒントについて。
「『あのシステムの起動』……もし黒服さんに会うなら私はそれについても聞いてみようと思います」
「シュロだっけ?その子の話していた内容だよね」
モモイちゃんの言葉に頷きながら、頭の中に響くのはあの時のシュロちゃんの言葉。
───何せ時間は待ってくれない!そう、中途半端な結末なんて、『あのシステム』の起動だなんて終わりだけは手前は勘弁です。
侮蔑する程苦々しく呟いたその一言がどうにも気がかりでした。
「十中八九、間違いなく聖杯その物に関わる機能でしょう。なら監督役として話をしてくれると思って間違いないかと」
「私達も知らない聖杯戦争のシステム……というよりこの聖杯戦争についても知らない事が多すぎる。一度きちんと確認しておいて損はないでしょ」
「レギュレーションは守ってこそです!そもそも分からないとアリス達も守りようがありません!」
概ね、話はまとまり。黒服さんと会ってシュロちゃんから聞いた『あのシステム』と呼ばれる私達も知らないそれについて尋ねてみるという結論に落ち着きました。
ただ、なんでしょうか。どうしてだか私は、その時、シュロちゃんの顔が脳に焼き付いて離れてくれませんでした。あの苦味切った、まるで大好きな物を途中で取り上げられた小さな子のような、そんな苛立ちに満ちたあの顔のことを。 - 861じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/27(日) 22:15:48
- 87二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 22:18:03
このレスは削除されています
- 88二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 22:19:31
おつかれさまです
- 89二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 22:24:10
このレスは削除されています
- 90二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 23:35:31
この感じだと黒服絡みの時はホシノは必ず同行してくれそうな感じではあるかな
明日は何時ぐらいに更新あるんだろう - 91二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 23:48:54
とりあえず明日は午前中に黒服に会いに行って午後の1回目で美食との話し合いって感じになるのかな
黒服には聞くべきことはかなりありそうだし - 92二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 03:08:05
お疲れ様です
黒服に明日の午前中に会って色々聞くことになりそうかな
聖杯大戦のことをヒフミたちも知ることになりそうではある - 93二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 07:35:19
お疲れ様です
アイドルマリーちゃん、マジ可愛すぎじゃんね☆
ちょっとチェキ買ってくるじゃんね☆
例のシステム(恐らく大戦システム)は本当にどうなるんだろうか?
このままだと発動の可能性は高そうらしいけど
黒服相手の交渉だとかなり苦戦しそうだよなぁ……
後、交渉時にホシおじが自分を犠牲にしないように少し気をつけた方が良さげか? - 94二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 11:35:05
保守
- 95二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 12:37:27
黒服に会えば聖杯大戦について聞けるだろうし
メリットデメリットがはっきりしそうかな
どのみち黒服がマスターである以上必ず会わなきゃいけないんだし明日の朝は黒服に会うことになるかな - 961じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 13:08:07
おっ昼じゃんねー☆
まとめてコメント返してくじゃんね☆1の密かな生き甲斐じゃんね☆
いつもたくさんありがとじゃんね☆遅くなってもなるべくお返事できるよう本編含め頑張るじゃんね☆
ゆっくり夜を楽しんでほしいじゃんね☆場面外でも地の文で遊んだりお料理したりしたのは書いてるけど実際に絡んだところも書きたかったじゃんね☆
……修理と改良が済んでスタンバってるじゃんね☆
とはいえ最近ヘリ移動多いから使われてないじゃんね☆当初の予定はクルセイダーちゃんだけだったのに、センチュリオンちゃん増えて、その上ヘリまで来て……どうしてこうなったじゃんね☆
あんまり出番ない子に回すじゃんね☆1はもうずっと書きたかった子と、それからコメント見て急遽イベント生やした子じゃんね☆
とりあえず良い方向には行ってる?じゃんね☆
ホシノちゃんは今回は黒服に対しては特に何も言わないのを決めたじゃんね☆基本的には冷静、大人な対応ができるし心もつえー女の子じゃんね☆
3章?あれは思考操作に状況もガチガチにメタった結果だし、あれぐらいやんないとアビドス高校支えてきたホシノちゃんのメンタル崩せないって感じで1は捉えてるじゃんね☆戦力云々は分かんないけど、めちゃ健気で最後まで崖際でも踏ん張る子っめイメージじゃんね☆
1のお家の都合で忙しかったのと普通に難産じゃったじゃんね……どこまで開示してどれを張っとくか悩んで読み直してたけど結局地の文入れ損ねたりとかあったじゃんね……
ありがとじゃんね☆昨日はちょっと頑張れたじゃんね☆
- 971じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 13:09:04
今日は20時から書いてくじゃんね☆
とりあえず会議は今日で終わらせて次も書き始めていきたいとこじゃんね☆
1としてはどっちでも良いじゃんね☆ただ会いに行くならお早めに、会いに行かないなら会う選択肢自体なくした方が行動選ぶのも楽かなーってぐらいの話じゃんね☆1は大戦√になってハッピーエンド目指しても黒服の立場は最初から最後まで変えるつもりはないじゃんね☆
黒服とアサシンだけが最序盤から唯一なんにも設定も行動も弄ってないキャラじゃんね☆
ミノリちゃんとバーサーカー?あの子達は🎲の絆関係でしっちゃかめっちゃかになったから大幅に変更したじゃんね☆
遅くなってごめんなさいじゃんね☆
今日は20時スタートじゃんね☆
(やっべ……午後イチだったじゃんね……ごめんじゃんね⬛︎⬛︎⬛︎ちゃん……)
黒服、大好きじゃんね☆
ありがとじゃんね☆そろそろ風呂敷畳んでくじゃんね☆
ありがとじゃんね☆めーちゃめちゃ可愛かったしシナリオすごい良かったじゃんね……やばかったじゃんね☆個人的にはティーパーティが見れて大満足じゃんね☆周年……期待してるじゃんね☆
大戦√はご期待の声が多かったから急遽作ったけど我ながら大好きなゲームをぱく……リスペクトした良い展開になる……と思うじゃんね☆
3章前ホシノちゃんはわりと扱い難しいじゃんね☆
保守ありがとじゃんね☆いつもありがたい限りじゃんね☆
よーやっとメリットに関してお喋りできるじゃんね☆
- 98二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 13:58:36
黒服相手の交渉はどうなるのかな
簡単にはいかなそうだけど
交渉が上手くいけば今後かなり有利になりそうではある
聖杯大戦ルートのメリットデメリットはなんなんだろう - 99二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 15:22:14
4スレ目の829を見る限り、
”大戦√は通常√とは随分方向性が違うじゃんね☆
通常√は『知る』事が大切で主軸だからどうしても謎が多いじゃんね☆
大戦√は『戦う』事が大切でそれが主軸になるじゃんね☆謎なんてたぶんほぼないじゃんね☆
ぶっちゃけやる事は敵陣営を願いなんて無視して完全撃破する√になるから多分今よりずっと分かりやすいじゃんね☆”
らしいし、個人的には折角だしこのまま通常√で行って欲しい気持ちはある
ここまで他陣営の願いを知る、交渉するって流れて進んできた訳だし - 100二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 16:10:15
UBWとHFの違いみたいになるのかな
- 101二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 18:20:37
今までの話の流れからすると通常のがいいよなぁ……
- 102二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 18:40:39
まあ聖杯大戦に関して聞くことはデメリットはないだろうし
とりあえず聞いてみるべきではある
選択肢の幅が広がるし
大戦√のメリットデメリット次第ではとりあえず通常√で行きつつ状況次第で大戦√にという感じにするのもありだろうから - 1031じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 20:09:39
- 1041じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 20:46:44
『戦略面の相談(2、10、11、15、17、18)』
「とはいえだ、今は分からない物を考えていても仕方がない。目の前にある問題の話をしよう」
「問題というと、やっぱりアルさん達ライダー陣営でしょうか?」
「勿論、他の陣営も含めてだけれど。目下、一番危険視するべきはやはりライダー陣営だろう」
ミノリさんが私の言葉にそう返したのに合わせて、キャスターさんも蒸気を噴き出されました。
「ライダーに関しては確かに相当な戦力と言える。数で言えば我らよりも揃え、質で言えばライダー単体でも凶悪の一言に尽きる。だが言い換えれば、我らにとっての脅威もまたそれが全てと言える」
なんでも室内の加湿も兼ねているのだという白い蒸気を漂わせつつキャスターさんは机を軽く叩きました。モニターに表示されるのはライダーさんのスキルやステータスが書かれた物。ホシノさんの話も合わせて少しアップグレードしたそれ(https://x.gd/T4c1s)を見る私達にキャスターから機械音の混ざった低い声が届きます。
「ライダー本人の強さは恐るべき物だが、我らが二騎で相手取っても十分に戦えた。宝具を使わずしてだ。相手もまた未知数ではあるが、あれからバーサーカーとミノリという得難い戦力が我らの陣営に加わった。あのオートマタにしてもヘルタースケルターならば数さえあれば戦える」
「あの、キャスターさん。ヘルタースケルターさんをもう少したくさん作る、とかそういうのは可能だったりしますか?」
「これ以上の増産は見込めんわけではない。だが我のスキルを越えた形での生産となる。魔力的には余裕があるが……今から工場の生産ラインを整えるとなると時間がかかるぞ」
思わず身を乗り出して聞いてみますが、色良い返事は返ってきません。残念ですが、これ以上、毎日建造できるペースを増産するのは難しいようです。
「さっき話した通り、聖杯戦争のセオリーはマスターかサーヴァントを抑えてしまう事。元より僕らはサーヴァント……英雄だ。数の強みを単騎でひっくり返す、それが出来るから未練がましく僕らはその席に着いた。なに、寡兵で攻め入るならまだしもキャスターの使い魔に関しては今でも十分に数が揃ってるんだ。早々に遅れは取らないよ」
セイバーさんがそう言って慰めてくれますが、唐突にそれに反応した方が一人。
「宝具か。異邦にして同郷たる剣士よ」
- 1051じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 21:07:56
今の話のどこに宝具が、と疑問符を浮かべる私の横で苦笑いを浮かべつつも私に説明してくれました。
「……なるほど。貴方は本当に話が早い方だ、バーサーカー。ヒフミ、バーサーカーの言う通り問題は数じゃないんだ。さっき僕らは人数差をひっくり返せるとは言ったけど、相手もまたサーヴァント。幾らでも盤面を切り返すだけの切り札を持っている。そしてライダーというクラスは僕の経験上、規格外の規模や手数の宝具こそが強みだ……そこに関しては少し考えないとね」
思えばセイバーさんは当初からかなりライダーというクラスに警戒していたように思います。私達に各サーヴァントの特徴をお話ししてくれた時もそうでしたから、彼の経験を踏まえてもやはりまだ見ぬライダーさんの宝具には気をつけなくてはいけない。ただそれをどうやって調べるべきかと頭を悩ませそうになったところでアズサちゃんから提案の声が上がりました。
「……一当て、するか?」
一当て、つまりは一度試しに接触して戦力を測るという方法。これまで基本的に私達から積極的に攻勢に出るというのはなかったですが、今後は必要になるかもしれません。
「それもありかもしれないね。ランサーやアサシンと違ってライダーに関しては手札がまだ見えてこない。退路の確保さえあれば、交渉という形で接触して、その上で必要ならもう一度くらい実際に戦って確かめてみるというのはありだろう」
「無駄な血を流す必要はあるまい。やるならば確実にライダーとの戦いに注力する必要がある」
「槍試合でも開けたなら良かったけれど、そうも言ってられないからね。ぶつかるとなればこちらの兵力を削らず、どうにかライダーに僕たちだけを確実にぶつけて戦力を測れる機会を作りたいところだよ」
顎を撫でる彼を見つつ私も考えを巡らせてみますが、中々良い考えは浮かびません。しばらく悩んでみますが、私の頭はうんともすんとも答えてくれないでいます。
『……悩んでいても仕方ないわ。その段取りになってからまた考えましょう。今日は折角人数が揃っているのだから、ライダー陣営だけを考えれば良いという話ではないわ』
「はい、他の陣営についてですね」
そうやって腕を組んで顰めっ面をしていた私達の耳にミドリちゃん達の言葉が飛び込んできて、少し頭の中をリフレッシュさせます。悩んでいても仕方ありません。 - 1061じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 21:22:52
「アサシン陣営は現状中立。ランサー陣営はライダー達とは勿論、僕達とも敵対している。アーチャーは言わずもがな。ただ、残る四つの陣営はいずれも強敵だけれど、一つの陣営で僕達三騎を相手取るとなると厳しいんじゃないかな?」
「パワーバランスは私達に傾いている。けれどその均衡はあくまで他の陣営が同盟を結んでいない、という前提ですね」
「他には漁夫の利を狙われると厳しい、というのもあるでしょうか?三騎全てを一つの陣営にぶつけるだけでなく、残った陣営に睨みを効かせておける戦力を残しておくというのも出来ますね」
セイバーさん、キャスターさん、バーサーカーさんの三騎。私達の同盟の最大の強みはサーヴァントの方の数とも言えるでしょう。それに私達含めて協力してくれる方も沢山いらっしゃいます。三騎の方全員で戦うのも、残る四つの陣営それぞれにぶつける。そんな方法もありかもしれません。
「そうやって争っているうちに相手が今の拠点を捨ててしまう可能性、というのもなくはありませんね。そういえばチヒロ先輩、ヒフミ達から受け取った資料からマリーの居所についてはどうです?」
「受け取ってからまだ1時間経ったかどうかなんだけど……とりあえず大体dice1d100=59 (59) %完了ってとこ」
「進んでいるなら問題ありません。引き続きよろしくお願いします」
「はいはい、餅は餅屋。ところで話は戻るけど今の拠点を捨てられたらどうするわけ?今でさえゲヘナ絡みでライダー陣営とか面倒でしょ。他の自治区に移動でもされたら叶わないじゃない」
チヒロさんの仰ることを聞いて思わずお腹が痛くなります。なんとかそれぞれのマスターの方の居場所を探してきたのに、ここで逃げの一手を打たれると苦しいどころの騒ぎではありません。それを感じてか、調月会長とウイさんはそれぞれ考えられる対策やフォローを口々に伝えてくれました。
『最悪の場合は私と桐藤さん達の連盟で勧告なり交渉する形になるかしらね。時間もあるし手間はかけないわ。仮にそうなったとしてもある程度、貴女達が自由に動けるようには出来ると思ってちょうだい』
- 1071じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 21:28:17
「実際のところ、伊落さん含めてどのマスターも時間制限を知っている筈です。今から他の自治区で新しい拠点を作るより一気に攻勢へと出る可能性の方が高いでしょうから……それに仮にそうやって別自治区で新しい拠点を築くとなれば勝手も分からない土地です。捕捉するのもそう難しい話ではないでしょう」
今現在、他自治区に動かれるという可能性は少ないですし対応も可能。そうなってくると問題は一つ。
「やはり主戦場に恐らくなるのは、トリニティ、ミレニアム、ゲヘナの三つか……」
「あぁ頭痛くなりそう……」
『ユウカさん、実際のところミレニアムで複数の陣営が戦うとかになった場合はセミナーはどう動くつもりですか?』
「……それこそヒフミ達が戦っている間は静観よ。まず徹底して避難勧告を出す。同時にシャーレも呼ぶしC&Cだって動かす……っていう実働記録は残すぐらいになるかしらね」
頭を抱えるユウカちゃんに寄り添うような言葉は通信越しの生塩さんからでした。
『残酷な言い方になりますが、私達自治区の運営サイドが聖杯戦争に加担した事実というのはあってはいけないんです。今はまだ三大校やアビドスまでで話を止めていますけど、下手に話が流布されたら私達の立場だけでなく、自治区自体に決して小さくない影響を内外に与えてしまいますから』
「代わりにどれだけ壊そうが、めちゃくちゃにしようが取り返しのつかない事さえ起きなかったら、なんとでも補填してみせる。一緒に戦えない分、うちのことも……きっとトリニティのことも気にしないでいい。だから、思いっきりやってきなさい」
机に向かって項垂れていたユウカさんが顔を上げて私達の方に目を向けてくれる。その表情に浮かんでいたのは申し訳なさや心配もありましたが、同じくらい強さが秘められていて、私達も安心して頷けました。
「どちらにせよ、サーヴァントという戦力、ヘルタースケルターという数、そしてお前達協力者の質。いずれも稀有な戦力が揃った我らは、数ある聖杯戦争の中でも特に強力な陣営である。悩みの種はいつだって尽きぬ。だが手元にある物を見てみよ。なにも悲観する事はないのだ」
まとめるよう深々と頷くキャスターさんの言葉に私は緊張していた肩の力が抜ける気がして、目が合ったモモイちゃんと思わず笑い合ってしまいます。 - 1081じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 21:34:34
難しい話題は続きましたが、忘れてはいけません。私達にはこんなにたくさん仲間がいる。どんな困難だって、今この場にいるみなさんを見ていれば大丈夫だと思えるんです。
「さて、そういう事ならもう少し踏み込んでこれからを考えていこうか。個人的にはアサシンの立場をはっきりさせておきたい。今は大きな動きはないけれど、彼らの動向次第ではさっき話したパワーバランスも容易に崩れかねないからね」
「はいはーい!私はちゃちゃっとトキをなんとかするのに一票!」
「私もモモイと同意見。遠距離からの攻撃手段、それも他自治区にも届くほどだ。仲間にできるなら越した事はないし、そうじゃなくても何かしら決着を着けない事には正直不安がある」
「なら、おじさんもかなー?アーチャーもライダーとも戦ったけど、正直隠し玉あったとしてもアーチャーの方が強い感じだったからさー」
セイバーさんが切り替える形で出した話題、今後について。どの陣営から接触するかという話にモモイちゃん、アズサちゃん、ホシノさん、それから頷いているアリスちゃんはトキさんに会うことを。
「では、私はランサー陣営を。今残っている陣営の中なら恐らくマリーちゃんが最も私達の願いと近い位置にいる筈です。少なくとも聖杯戦争その物への願い自体はサクラコさんが話した物で間違いないでしょうし」
「やっぱり、まだありますよね……伊落さんって人も、あの歌住先輩も無理してるから……私はランサー陣営に、その……明日とか会えたらって……それにトキさんは……あの、あんまり序盤に接触しない方が良い気がします……」
『あまり追い詰めるというのもいけないけれど、私達の目的はあくまでサーヴァントを含めて犠牲者を出さずに聖杯戦争を終結させる事。安易に宝具を使わせる選択肢が生まれてしまわないように、そして過激な手段を取らせない為にも、可能な限りサーヴァントが残っている現状での接触は控えた方がいいわ』
ハナコちゃん、ユズちゃん、調月会長はマリーちゃんとの接触を。 - 1091じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 21:45:50
「でもやっぱり、その……ライダーが私気になる……前に攻めてきた事あるし……」
「コハルさんの言う通りアサシンもそうだけど、セミナーとしては早急にライダー陣営への対処をお願いしたいところね。他自治区への影響もそうだし……うちにも一度攻めてきているんだから」
『ふふっ。みなさんのことが心配なんです、ユウカちゃん』
「ばっ!違うわよ!そういうのじゃなくってあくまでもセミナーの立場としての見解!トリニティ周りが活動拠点の監督役や伊落さんとは違うってこと!」
「まぁユウカは置いとくとして、私もコハルちゃんに賛成です。一番未知数の陣営ですから、手遅れになったりしないように本腰入れて明日から対ライダー陣営について考えたり情報収集したいです」
コハルちゃんとユウカちゃん、ミドリちゃんはライダー陣営との接触を優先していきたいということのようです。
「エンジニア部としてはどこからでも……とだけ。それに合わせて万全にサポートするだけさ」
「うちも同じくよ。実働はあんた達、なら私達がとやかく言える話じゃないからね」
ウタハさんとチヒロさんがそう言われたタイミングで。
「まあライダーについては私とスパルタクスであればある程度は抑えが効く。白兵戦ならうちの筋肉達磨の十八番だし、なんなら『魔の血脈』だったか?ヒフミ達が気味悪がっていたオートマタや記録で見たライダーの謎のスキルについてだが……あの手のスキルの影響を『私達』は受けないしな」
ぽつりと、ミノリさんがそう言われました。思わず私達全員が振り返ってしまいました。
「そ、そうなんですね……一応資料は見させてもらったんですけどそういうのは思いつかなくて……でもそういう事ならとってもありがたいです!」
「ああ、任せてほしい。私にしろスパルタクスにしろ、ああいう手合いとの相性はどうやら悪くないと思うんだ。きっと力になるよ」
今まで難敵だと思っていたライダーさん。私達が勝てないと思わせられた物量や最後に受けた『声』に対して彼女ははっきりと問題ないと言い切ってしまった。 - 1101じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 21:49:40
- 1111じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 21:50:44
- 112二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 22:27:09
乙じゃんね!
ちょっとセイバーとキャスター! - 1131じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 22:47:19
「『契約継承(バックフロー・ファンタズム)』というらしい。まぁ、私もあくまで監督役の奴から聞いた話だが」
セイバーさんの顔を見ればはっきりと分かるのは明らかな動揺。いえ、セイバーさんだけでなくキャスターも目の光を瞬かせるように点滅させておられます。私は、そして真向かいにいるモモイちゃんも頷く。今から聞く話は、恐らくセイバーさん達サーヴァントの方も全く予期していない物なのだと、そう確信して。
「あくまでキヴォトス固有の現象、というやつらしい。このキヴォトスの住民は多少の多寡はあれどサーヴァントに準ずる神秘とやらを保有しているらしい。サーヴァントの持つ霊基や魔力とそれらが反応して所謂逆流現象のような形でスキルの恩恵を、現界中のみだがマスターは受けるのだと」
信じられないと言葉をなくしてるセイバーさんとウイさん達を置いておいてハナコちゃんは疑問を投げかけました。
「では、もしかしてミノリさんが拒絶反応が軽かったというのは?」
「あぁ。私の場合は『被虐の意思』というスキルがそれに該当する。おかげで魔力が溢れようが拒絶しようが、体内に魔力がある事自体で体力が回復するっていう寸法だった。もっとも、それでも抑えきれなくて結局君たちの厄介になったわけだけどね」
情けない話だと少し冷めた珈琲を啜りつつそう語るミノリさんに私達もようやく納得がいきます。何故かミノリさんだけ軽かった症状。その理由はスパルタクスさんとの契約を通じて獲得したスキルによってでした。そうやって考えると、もう一人の理由も分かるかもしれない。そう思って真剣な眼差しで聞いているモモイちゃんの方をちらっと盗み見ました。
「契約継承に該当するのは契約したサーヴァントの持つスキルのうち、ある程度相性がよく、かつ特異性のない物だそうだ。大抵は1つ、多くても二つ程度。要するにサーヴァントが持つスキルの中で親和性がある物を『使える』という話だ。私は相性が良すぎて不要だったのが一つ、スパルタクスの逸話に強く依存していたのが一つ、だから該当したのが『被虐の意思』だけ……さて、二人にも思い当たる節があるんじゃないか?」
「わわ、私達、ですか……?」
急に話題が振られた中で必死にこれまでのことを思い出そうとしたタイミングで降ってきたのは一つの疑問、いえ、『直感』。
「もしかして『直感』……でしょうか?」 - 1141じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 22:54:27
そうずっと、この聖杯戦争が始まってから気になってはいました。妙に勘が冴えたり、考え事をしていても大事なところだとこれを忘れてはいけないと直感する事が度々あったんです。そしてそれは、確かにセイバーさんのスキル欄にもある物でした。
「なるほど。確かめる術はないけれど、恐らくはそうだろうね。流石に魔力放出をヒフミが持っているとは考えにくい」
「あはは……確かにそれはちょっとですね」
自分の身体からセイバーさんのように魔力を噴き出して、というのはちょっと想像できません。けれど、自分がこれまで信じたり頼ったりしてきた『直感』には理由があった。知らず知らずのうちに彼が助けてくれているみたいだと思うと、それがなんだか嬉しくてはにかんでしまいます。困った時も悩んだ時も、考える時も、私は一人じゃなくて。心が温かくなる気がしました。
「(……ありがとう、セイバーさん)」
『(ははは……どういたしまして)』
『(もうっ!そうやってすぐ一人言に割り込んでくるんですから!)』
そんな風に私達が念話でやり取りしているとモモイちゃん達も困惑顔で考え始めていました。
「じゃあ、私の場合はなんだろ?一意専心とか?」
「モモイよ。お主がその恩恵を受けているのなら遅々として進まんシナリオなる物の筆運びにも幾許かの力になっていよう物だろう」
「私のシナリオ進んでないのは聖杯戦争のせいだからノーカン!」
確かにキャスターさんのスキルはかなり特殊な物が多いです。宝具に付随する形の物がほとんどですから、キャスターさんは揶揄っておられましたがモモイちゃんの言う通り『一意専心』かなと考えていると。
「……モモイのは『機関の鎧』ではないでしょうか?」
アリスちゃんの小さな呟きが、私達の耳に届きました。 - 1151じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 23:04:16
当然、その呟きに待ったの声を掛けたのはモモイちゃんでした。
「ちょ、ちょっとアリスー!いくらなんでも私に鎧はついてないよー!」
「はい!ですからモモイのそれは魔力の抑制に転用されているとアリスは推測します!」
『機関の鎧』。確かキャスターさんの発明されたという蒸気機関を搭載した鎧自体の効力を示すスキルの筈です。勿論モモイちゃんにそんな鎧はありませんし、キャスターさんが彼女用の物を作っているなんて話も伺っていません。
『(言い忘れていたけど、ヒフミ。キャスターに防刃ベストを作ってくれるよう頼んでおいたよ)』
『(あはは……ちょっと静かにしててくださいね、セイバーさん)』
とりあえずセイバーさんの話を無視する事にしてアリスちゃんの説明を待っていると彼女は両手を腰に当てて胸を張ってから話出してくれました。
「キャスターの『機関の鎧』はキャスターが身につけている鎧があってこそです!でもモモイにはありません……ならもし仮に適用されるとしたら何を強化するでしょうか?アリスはきっと、モモイの神秘を強化しているのではと推理します!今日のアリスは名探偵です!そして、それならモモイが拒絶反応になっていない理由になります!」
なるほど、鎧がないから代わりのものを強化しているというのは確かにしっくり来ます。しっくり来るんですが、何故でしょう。違和感を忘れるなと『直感』が騒ぎ立てる気がしたんです。
「よ、よく分かんないけど、ミノリ先輩のスキルみたいな事?」
「で、できると思いますか、ウイ先輩……?」
「わっ!?私に聞くんですか!?……ぃぇぇっと、そっ、そうですね。サーヴァントのスキルや宝具というのは杓子定規な物ではありません。ある程度の融通が利きますから……可能、かもしれないとだけ」
「はいっ!アリス、そんな風に推理しました!」
とはいえ、みなさんは納得した様子です。そしてそれはスキルを持っておられるキャスターさんもそうでした。
「……ふむ。一理あるな」
「……なるほど。考えられない話ではありませんね」
「はい!ですよね!キャスター!」
「……うむ。ならばその話は今は置いておくとしよう。まだ気になる問題はある。ミノリよ、霊基の逆流についてマスターへの影響は?」 - 1161じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 23:11:43
そのキャスターさんの疑問に『一切ないそうだ』の二言でミノリさんが返したところで。
『なら聞かなくてはいけないのは一つね。貴女達であればライダーに対処できるという話だけれど、それはどうやって?』
調月会長がすっかり外れていた本題へと話をもどされました。それにミノリさんも不適な笑みを浮かべられました。
「スパルタクスのスキルに『不屈の意思』というものがある。君達が問題視しているオートマタやライダーのスキルを相手にして私はともかくスパルタクスは精神的な不調を一切受けない。そしてそれはそのスキルの恩恵を受ける『必要がなかった』私も恐らくは同じだろう」
「数の差を覆す戦い!寡兵を率いて敗色濃い戦場に立つ!これぞ叛逆!圧政者よ見るがいい!スパルタクスが今剣を摂るぞ!」
「……というわけでやる気も十二分だ。ライダー戦では私達が前面に出よう。敵の坑道を破壊するなり攻略するというのなら陽動を引き受ける形も出来るな」
「二面作戦か……だがあの坑道をどう崩すべきか……」
あんなにどうしようか悩んでいた特殊なスキルやオートマタについても解決の糸口が見えたところで、今度出てくるのは『どうやってライダー陣営と事を構えるか』、もっと簡潔に言えば『どう攻勢に出るか』という問題。いずれにせよ、なんとか交渉しようにもその席についてもらえないことには始まりません。
「サーヴァントの影響がなくなれば良いという話なら、個人的には坑道は触れなくても良いかもしれない。足を踏み入れるだけでも危険だし、火薬でも飛ばそう物なら内部のガスと反応して酷い事になる」
「だが彼処は敵の兵廠を兼ねている可能性が高い。そこを突かれれば相手も反応せざる得ない。それこそ逆に陽動という形で坑道に潜入するのも一つの手だ。踏み入れるのが危険なら、無人機を使うというのもある」
「地面の崩落が怖いな。私達でも修復作業となればそれなりに手間だぞ?ゲヘナがそこまで許してくれるかどうかだな」
坑道から侵入するにしてもあの映像から危険性はよく分かりますし、かといって正面から吶喊、というのも坑道で産み出される戦力を放置する事になります。消耗戦になった時に不利になるのはこちらでしょう。アズサちゃんが言ったようにオートマタや銃弾の供給を断つという方法をしっかり検討した方がいいでしょうか。 - 1171じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 23:15:14
結局、アルさん達のところの攻略をどうしようか悩んでいるとハナコちゃんの両手が乾いた音を鳴らしたのが聞こえました。
「ひとまず対ライダー陣営については置いておきましょうか?アズサちゃんがお話ししてくれたみたいに一当て、という形になるかはさておきまだまだ戦略的な意味で彼女達の情報が足りません」
実際、まだ現地にすら赴いていません。今後のことを考えるとなるべく早く、実際に彼女達のところに行って色々と戦略を練るのも大切かもしれない。そう考えたところでおずおずとホシノさんが話を切り出されました。
「えぇっと話終わった感じでいいのかな?それじゃあちょっと聞かせて欲しいんだけど……」
「ユウカちゃん。私達が昨日送った報告書の件ってどうなったの?」
「……はい?」 - 1181じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 23:22:43
【Recommend BGM……〈Formless Dream〉】
「いやいや、昨日の話だよー。うちでパトロール手伝ってくれてる正義実現委員会の子達経由で連絡したじゃーん。アビドスに『おかしな生徒』が現れてるよーって」
やだなーと手をはたくように振るホシノさんに、ユウカちゃんは困惑顔のまま、思い返すようにしながら答えました。
「……いえ、トリニティからはもちろん。正義実現委員会からもそういった報告は届いてません。定時報告書はありましたけど、特にそういう話は……」
「えー!?そうなのー?おじさんの勘違いだったら申し訳ないんだけどさ、一昨日送ったのは?それも似た内容だったよ」
「……いいえ」
「アビドスからなにか変わった事があったっていう連絡は、先週の会議からこれまで、私達もトリニティも受け取ってませんよ」
本当に心当たりがないと、ユウカちゃんがそう言った時。一瞬だけ、ホシノさんの目が揺れた。さっと私達全員を見渡して、私の顔を見て強張るような緊張と動揺が走っていく。その姿になんだかとてつもない不安が頭をよぎりました。 - 1191じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 23:27:58
何か気になることがありましたか?たった一言、それを喉の奥から出そうとして。
けれどその前にホシノさんは照れたように頭をかきながら口を開いてしまいました。
「そっかそっかー。おじさん、勘違いしてたみたい!いやー、ごめんねー。ちょっとさ、うちで『不良の子がやたら増えたから』気になっちゃっててさー……おじさん、敏感すぎたけど、あの子達気を利かせてくれたのかな?」
「そういう事でしたか。確かに連絡の際は聖杯戦争に関わりある内容に留めるよう伝えてましたし、不良生徒に関しては対応した数を報告するだけに簡略化してましたから」
「いやー、焦った焦ったー!そういえばそういう取り決めだったのにねー、ごめんねユウカちゃん。心配させちゃってさー」
そんな風に話す、ホシノさんの言葉を皮切りに私達の会議は終わりました。
ある程度の収穫もあります。いくつか今後検討していきたい案も出ました。結論こそ出ませんでしたが、明日からの動きも色々考えられました。
けど私は。
『(……ヒフミ。君に任せるよ)』
『(はい。後ろ、お願いしますね)』
ホシノさんがその会議終わりにちらりと私を見た時の。
あの綺麗なオレンジと青が射抜くように鋭く私に『警告』を知らせる視線を送ってきたのがどうしても気掛かりでした。 - 1201じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/28(月) 23:38:30
まーた不穏な引きをしつつ!今日のところはおしまいじゃんね☆
無事にオリジナル要素をこそっと入れたじゃんね☆
あんな物は型月原作には存在しないじゃんね☆
……最初期から色々保険として仕込んでたネタの一つだったじゃんね☆中盤、ポイ捨てしようかと思ったけど今回拾えて良かったじゃんね☆
明日は安価にあったホシノちゃんとのお喋りの代わりをちょろっとしてから、『ヒフミちゃんとモモイちゃん』『ミノリちゃんとウタハちゃん』『リオちゃんとキャスター』のお喋りやるじゃんね☆
終わったらあと一組分、おしゃべりするペアの安価するじゃんね☆
同盟内にもメンバー増えたしコミュニケーションじゃんね☆でも今後もこういう形でイベント後に話す時間をどこかでいれてくから、あんまり気負わず決めてほしいじゃんね☆
長くならずにサクッと、今度こそサクッといくじゃんね☆熱烈歓迎はいいとして前スレにもう一個🎲消化してないのあるから早くやらなきゃじゃんね☆
というわけで今日も読んでくださりありがとうございました!明日は20時頃からまたのんびり書いてくじゃんね☆
ではではおやすみなさい……じゃんね☆
ありがとじゃんね☆セイバーもキャスターも可愛いじゃんね☆それぞれ個別でイベントどこかで作っていきたいとこじゃんね☆
- 121二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 23:46:48
お疲れ様です
色々謎が多いな
ヒフミの直感は色々役に立ちそう
大戦√にほぼ強制移行するパターンもあるらしいし
明日の午後二回目以降どう動くか悩むところではあるな
黒服に会えば強制移行するパターンに至る理由とかも分かるのかな - 122二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 23:53:16
ホシノの警告やモモイのスキル絡みなど気になるところが多いな
明日は会話してから明後日戦闘起きる場合は戦闘なのかな - 123二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 00:00:49
おつかれさまです
ヒフミの『直感』での違和感的にモモイに影響してるスキルは何かありそうね。『機関の鎧』じゃなくて『オーバーロード』の可能性もあるかもだし、もしくは『機関の鎧』でブーストされて問題なく動けている様に見えてるだけで負荷が蓄積されてるとか、みたいな可能性も考えられるか
モモイの検査結果の不穏な部分もそれが影響してたりする可能性はあるかもか
それはそうとトキに関してはある程度情報が出そろった感もあるから翌日の夜つまり10日目の夜に行くのも選択肢としてはありなんだよな
集まってる情報から鑑みて、どう交渉するかという悩みはあるが
むしろ、願いを知るというのは達した以上、先に犠牲の無い形での聖杯戦争への対処方を探してからというのも手か?とも思ったけど、むしろそれを探すのにヒマリ居た方が良い可能性もありはするか - 124二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 00:18:46
- 125二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 00:24:17
ミカ主がどのキャラにも高い理解度とリスペクトを持って書いてくれるから読んでてストレスが少ないの地味にすごいと思う
- 126二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 00:35:13
そのまま受け取ると正義実現委員会がアビドスからの情報を握り潰してるとなるが、トップ陣の性格からしてそんな風になるか?という…
これで政治まで関わってきたらいよいよ頭爆発するぞ俺 - 127二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 01:14:25
連邦生徒会とかが圧力かけてるとか?
あるいは先生が口止めしてるとかかもしれない
理由は分からないけど
何かしら重大な見落としとかしているのかな - 128二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 01:22:36
可能性としては正実は他の陣営の味方をしていて、その情報がバレたらその陣営にとって不都合だから報告を握り潰していたとか?
あるいは正実の幹部の誰かが他陣営と通じていて報告させないようにしていた可能性もあるか
後は黒服が何かしらの理由があって介入していて報告されないようにしていたとかかな
ただまだこの件は謎が多いからなんとも言えないけど - 129二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 01:35:23
そういえばシュロは、
"知ってる情報、手前がぜぇんぶ話しちまうとなんて白けちまいますからねぇ。それにそういう事してちょっかい出されると困るんですよ"
"決まってるでしょう?───連邦生徒会ですよ"
と言っていたからな
それに4スレ目でのライダー陣営の回想で先生がうまく立ち回って睨んでる影響で派手にカイザーは動けないって話をしていたし
連邦生徒会と先生は何かしらの都合の悪い情報を握りつぶしたり、大きな影響を与えかねない支援をさせないようにして聖杯戦争をコントロールしようとしてるとか?
まあ考えすぎかもしれないけど全く連邦生徒会や先生が聖杯戦争に介入しないとも考えにくいし何かしらはしてそうなんだよな - 130二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 02:07:56
ぶっちゃけそこに関しては現状では不明瞭だし情報の無い今考えても答えは出ない気はする
現状わかる事といえば、この場で言わなかったという事は何かこの場では言うべきでは無いと判断した理由があるって所じゃないかな?
情報の少ない部分まで過度に思考を回しても空周るだけだろうし、聞けそうなタイミングを見計らってホシノに詳しく聞いてみるってくらいで良いんじゃないかな?
あまり答えを急いても仕方ないと思う。わからないものはわからないとしたまま、わかるための手がかりが出るのを待つのも大事 - 131二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 02:47:30
このレスは削除されています
- 132二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 02:56:02
どの陣営から攻略していくかは重要になりそうだな
順番によって難易度が大きく変わる可能性もありそう - 133二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 09:23:56
ほしゅ
- 134二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 14:33:14
保守
- 1351じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/29(火) 15:10:39
おひるーじゃんね☆今日は8〜9時な感じじゃんね☆上s……先生、ピリついてていやじゃんね☆
ありがとじゃんね☆謎についてはそんなに引っ張らないようにしたいじゃんね☆ヒフミちゃんが直感持ちっていうのに関しては実は地の文で度々『直感』という形で書いてたじゃんね☆
ホシノちゃんは心配性じゃんね☆
戦闘イベントについては今日は触れるかもぐらいのふんわりした予定じゃんね☆お喋り終わって9日目夜の内容解決しないと次行けないじゃんね☆
モモイちゃん……不穏じゃんね☆まぁでもモモイちゃんじゃんね☆体はきっと大丈夫じゃんね☆
ありがとじゃんね☆1も悩み悩みで書いてるからそんな風に仰って頂けるとありがたいというか嬉しくて跳ねちゃいそうじゃんね☆中々上手く書けないかもだけど、原作の子達を大事にして、リスペクトしながら書いていきたいです……じゃんね☆かっこいいとこ、書きたいじゃんね☆
爆発させないようにするから安心して!じゃんね☆
……ノーコメントじゃんね☆1から唯一127さんに言える事はこれじゃんね☆
1は正義実現委員会、大好きじゃんね☆
でもそれ言ったのシュロちゃんじゃんね……?ぶっちゃけシュロちゃんは狂言回しという役割はあるけど、それ以上にシュロちゃん自身の思惑もちゃんとあるじゃんね☆そしてシュロちゃんはラストまで絶対裏切らない『阿慈谷ヒフミ』の味方じゃんね☆
ヒント、なるべく早めに出していきたいじゃんね☆
とはいえもうそろ、じゃんね☆
明日の話し合いでアサシン、ライダー、ランサー、アーチャーの四つから、どの陣営を優先して攻略してくか決める感じじゃんね☆
保守ありがとじゃんね☆今日は夜からじゃんね☆
- 1361じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/29(火) 20:22:05
- 1371じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/29(火) 21:12:16
【9日目夜・交流イベント】
【Recommend BGM……〈Signal Abydos〉】
【コミュ:ヒフミとホシノ】
「本当に泊まっていかれなくて良いんですか?ホシノさん」
「ごめんよー、ヒフミちゃん。私もそうしたいのは山々なんだけどさー……ちょっとやらなきゃいけない事、残してきちゃったからさ」
拠点の入口。久々に小雨が降り出し始めた外に向かって傘を広げたホシノさんはそう言って困った顔をしました。会議が終わって、遅くなったからと申し出たところ、すぐに帰らなくてはいけないと言った彼女を見送りにきていました。
「でも『来て良かった』。色々不安なことはあるけどさ、ヒフミちゃんの元気な顔見れたのが私は一番だよ」
「ありがとうございますっ、私もっ!……私もホシノさんに会えて、すっごく嬉しかったです!」
「……うへへー」
優しく目を細める彼女は、身長は私の方が高いのにとってもお姉さんな感じがします。包容力、というのでしょうか。安心できる雰囲気が私を包んでくれます。
「ねぇ、ヒフミちゃん」
「はいっ!どうしましたか?」
しとしとと、搬入口の屋根から地面にかけて流れていく雨粒の音に混ざって、柔らかく私の名前が呼ばれる。そっと掌で包むような、大切に、丁寧に。そんな風に、ホシノさんの眼差しには慈しむような心配が込められていました。
「これから大変なこと、たくさんあると思う。時間制限の話とかさ、流石におじさんも聞いてて辛いぐらい。それを全部乗り越えるって、何も捨てずに全部抱えて歩くのは……うん、とても辛い筈だよ」
「あはは……とっても、大変です」
「……そうだよね。ねぇ、ヒフミちゃん。ヒフミちゃんは優しい子。本当はおじさんみたいに戦うのだって、人を傷つけるのが得意な子なんかじゃない。だから、そのさ」
心配してくれている。一つ年上で、出会いはブラックマーケットで、その後は銀行強盗したりとはちゃめちゃで。暮らしている自治区も通っている学校だって違うけど。
この他校に出来た、強くて優しい私の大事な『お友達』は、私のことを心配してそれを言おうとしてくれているのに気づきました。 - 1381じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/29(火) 21:45:27
「それでも」
だから。言わせてなんてあげない。いつも頑張って、一人で無茶しちゃう人だって事は私もよく知ってますし、『みなさん』からも聞いてます。それに。
「……うん」
大好きなこの人にしっかり私の気持ちを伝えたいですから。
「それでもハッピーエンドを目指します。だって私がそれを見たいですから。だって私、ハッピーエンドの物語が好きなんです!」
私のやりたい事、目指す事。それは困難だしもっと分かりやすくて簡単な道もあるでしょう。でも、それでも。やり遂げたいと真っ直ぐに伝える。彼女は困った顔をしつつ、仕方ないなぁとため息を吐いた。
「……もうーっ、ほんとさー。ヒフミちゃんは頑張り屋さんでおじさん参っちゃうなぁー」
「あはは……ごめんなさい。でも」
「んん?なになにー?言ってご覧?おじさんなんでも「私一人じゃなにも出来ませんから」……」
もう一つ。届けたいのは『覚悟』だけじゃありません。心配性なこの人にしっかりその気持ちが届くようにと胸を張ります。今日久々に会った時の顔を覚えているからです。会議中の真剣な眼差しだって忘れてません。だから、精一杯背伸びして、ホシノさんみたいに言葉を優しさで包んで。
「みんなで歩いていきます。モモイちゃんもミノリさんも、ハナコちゃんも、コハルちゃんも、アズサちゃんも、セイバーさんも。他にもたくさんの人が傍にいてくれるから、だからきっと大丈夫なんです」
ずっと私を心配してくださったこの人少しでも安心させられるように、私はそう言ったんです。
少し冷え始めた雨空から振る音より小さくなくて、でも決して響くほど大きくはなかったその声に、ホシノさんは微笑ってくれました。
「そっか。そうだよね。うん、なら───安心した」 - 1391じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/29(火) 21:45:50
「はいっ!あっ!も、もちろん!ホシノさんの事も頼りにしてますよっ!」
「あははー、分かってるよー」
ホシノさんは口元に笑みを浮かべつつ力瘤を作られながら、もう片方の手に持っていた傘を手放した。鉄板で出来た床に小気味いい音が鳴る。
「よーしっ!おじさんもヒフミちゃんの為に頑張っちゃうぞー!」
それから彼女は、私のそばに来てそっと、私を包んでくれました。それからそっと私の髪を撫でてくれる。彼女の掌の温かさは染みるように優しかった。
「だからいつでも頼ってね」
その言葉に頷いてから、返事をしようとして。けれどその前にホシノさんは囁くように。
「……詳しい話はまた後で。朝になっても連絡出来なかったら、アヤネちゃんにお願いしとくから」
そして誰にも聞かれないように、そう耳元で囁いた。
「えと、ホシノさ「よーしっ!」はえっ……?」
「それじゃあ、またねー!」
そしてすぐに、パッと私の身体を離すと、傘を拾い上げて駆け出していかれました。 - 1401じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/29(火) 21:46:55
- 1411じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/29(火) 22:31:32
【Recommend BGM……〈Vivid Night〉】
【コミュ:ミノリとウタハ】
室内に響いた洒落っ気の一つもない無骨なブザー音を聞いて、ウタハが来客が来た事に気がついたのは数瞬の時間を要した。工具を握ったまま周りを見渡す彼女は誰か出てはくれないかと淡い期待を持ったが、今この作業室兼エンジニア部臨時部室にヒビキとコトリの二人はいない。シャワールームもとい、ついに完成した檜風呂での入浴を楽しんでいるからだ。頼れる後輩の姿がないことにため息を吐きつつ、それでも気を取り直して扉の向こうで待っている少女へと声を掛けた。
現れたのは、
「やぁ、いらっしゃい。きちんと挨拶を交わすのはシャーレの当番でご一緒して以来かな?ミレニアムサイエンススクールのエンジニア部部長、白石ウタハだ」
「お招き頂きでよかっただろうか。カフェですれ違う事はあってもお互い、中々ね。レッドウィンター工務部、安守ミノリ。これから厄介になる、よろしく頼む」
今日ヒフミとモモイの同盟に加わったばかりの安守ミノリ、その人だった。
機会油の香りに混じって、深みのある独特な芳香が室内を漂う。適度に聞いた空調の恩恵を受けながらジャケットを脱いでくつろぐミノリへ、ウタハは話を切り出した。
「しかし君から話がしたいと切り出させるとは、あぁ、珈琲でいいかな?……結構。思わなかったよ、てっきりヒフミさんかモモイ辺りと話すかと思っていたものさ」
「ヒフミとはゆっくり話をしておきたかったけれど、なに、これからまだ時間はある。あの子の胸の内はしっかり聞けているんだ、ゆっくりやるさ……良い味だ。ビーカーというのがまた憎いな」
視線の先。エンジニア部だというのにわざわざ用意したカットリングを備え付けたスタンドと並々の黒い液体を湛えたビーカー。普通科高校でいう理科室あたりで見るそれに苦笑しながら、ミノリは爽やかな酸味と香ばしいアロマに舌鼓を打った。
「おっ、分かる口かい?ヒフミさん達は紅茶党でね、しかも割ときっちりしているからさ。ヒビキ達もあまり理解してくれないし、子ども舌なモモイ達は言わずもがなでね。こういう浪漫を共有できるのは素直に嬉しいよ」
自身の出来栄えを確かめつつ、思いがけないところで自分の趣向を理解してくれる者をみつけたウタハも機嫌良さそうにマグカップに口をつけた。 - 1421じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/29(火) 22:40:57
トリニティ育ちのヒフミ達は当然のように日に四度は紅茶を口にするし、そうでない時は最近導入したコールドプレスドリンクのような健康に良さそうな物ばかり。セイバーは大食漢な割に食の好みという物は薄く出された物を喜んで食べる人種だし、ああ見えてキャスターは英国紳士でヒフミ達と同じ紅茶党。ヒビキ達は飲みはするが、わざわざ薬学部からちょろまかした使用済み(洗浄済み)のビーカーを使用するのを嫌がり、モモイ達はジュースの方が好き。チヒロはともかく時々訪れるヴェリタスも大抵はエナジードリンクを好むというようにあまりウタハの淹れた珈琲を喜ぶ面々というのがこれまでいなかったのだ。コハル?あの子はカッコつけて飲んで涙目になった。可愛い。
「それで、本題を進めていこうか。今日の会議、どう思う?」
しばらく二人で香気を楽しんでから、そう口にしたのはウタハから。わざわざ、会議終わりに『話がしたい』と声をかけてきた理由に、そして『自分に話しかけた』理由にも、彼女はある程度の察しがついていた。
「『悪くはない』。まとまった結論を出すには時間が足りなかったが、少なくとも明日以降の動きにメリハリは出る……だけど、あまり良くはないな」
「やはり、か……いや、私もこれでそれなりの人数を抱える部活の部長だ。人を見る目もあるしプロジェクトの主導をした経験もある。本当は来たばかりの、それも君にこんな話をさせるというのは申し訳ないんだが……」
「構わないよ。私も立場が立場だ。同じ三年生の誼、上手く使ってくれ」
学年、そして部内での立場。少なくとも同盟内で見てみると、ウタハとミノリはよく似ている。それでいて、マスターとその協力者という違う角度で俯瞰的に見ている視点。ミノリが話をしたかった理由は、ウタハが一歩引きつつ同盟を見ている事に気づいたからだった。
「ありがとう、ミノリ。なら率直に───古関ウイはどうすべきだ?」
「保留にしよう。何を隠しているか分からないが、随分と繊細な娘のようだ。あまり追い立てても仕方ないだろう。それに抱えている悩み自体、相応に脆いとみた」
「良い見解だ、私もそう思うよ。個人的には『怪しんでください』とミスリードを敷かれている気がする」
「……例の魔術師というやつか。私も気に食わないな」 - 1431じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/29(火) 23:06:21
ふんと鼻を鳴らしたミノリにウタハは苦笑しつつ、内心で同じように歯噛みする。マーリン、そう呼ばれる阿慈谷ヒフミの夢の中に現れては意味ありげなメッセージを残していった女魔術師。その存在の話を聞いて、ウタハの胸の内に残ったのはただ一つでたり一言に尽きた。
「安全圏から見ている『魔術師』。普通に見れば、そいつこそがこの聖杯戦争の黒幕だ。疑ってかかりたいところだが……それも計算尽くしだろうな」
ずばり『不信感』。キヴォトスの人間でもなければ、サーヴァントですらない、完全な『部外者』であり『観測者』。一体全体、何のために阿慈谷ヒフミに協力したのか。味方だと嘯くのか。はっきりとしないにも関わらず聖杯戦争に精通するその姿にウタハは勿論、ミノリも何とも言えない気味悪さを感じていた。
「マーリン個人について知っている人間やサーヴァントはなんとも思わず、私達のような外野でかつ彼女本人について何も知らない人間は聖杯戦争との関与を怪しむ構図。そうなる事を分かっていて接触している節があるね。抽象的なヒントは与えて、実際は観客気取りっていう面倒な愉快犯の類だね」
「それを考えると古関ウイ個人を指名して助力を受けろといった発言についても気になるな……ミレニアムは情報系にも強かったと聞くが」
「『お互い様』と言いたいところだけど、聞くに君達は中央と仲が悪いという話だったかな?」
にやりと唇の端を上げるミノリの言いたい事が分かってかウタハもまた冗談半分に返す。それにミノリもまた、降参だと両手と笑い声をあげた。
「言ってくれるな。私個人の依頼でうちの髭チビを動かすのは骨なんだよ……頼めるかい?」
「ヴェリタスに古関ウイの調査を依頼しておこう。過去数年遡れば何かしら見つかるだろうさ」 - 1441じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/29(火) 23:24:31
唐突に少しだけ冷えた室内で白い湯気を踊らせながら、笑みをこぼしたウタハにミノリは訝しむように彼女を見た。
「いやしかし、案外心配しなくてもいいかもしれない。ミノリの言う通り、古関さんの抱えている秘密は存外そう大きな物じゃないだろう。どうにも隠し事は苦手なようで会議中も随分ボロを出していたわけだし」
その視線に気づきウタハは悪戯っ子のように笑みを深めた。
「それになんだい、彼女はどうしてだかうちの会長様のお気に入りだ。きっと隠し事だって、モモイ達を傷つけるような物じゃない筈さ」
「ふむ……趣味か?」
「まさか!……実際ちょっと外れている気がするんだよな。どちらかというと……っといやいや本人がいないところで下世話な話は止しておこう」
「全くだ。本人がいないんじゃ、面白みに欠けるな」
二人揃って似たような顔をしながらくつくつと湯気と共に笑い声を燻らせる。片や聖杯戦争のマスター。片やその協力者。お互い、生徒の命が掛かった状況の中で毅然と立つ姿がヒフミ達の目には映っていた。
「いいね。次は会長と古関さんも呼ぼうか。暇ならチヒロも呼んでおこう」
「それはいいな。折角だ、三年生組で交流といこう。ああ、惜しいな、一人帰してしまった」
「なに、次の話さ。あの様子じゃ随分ヒフミさんの事を心配しているようだったからね、きっとすぐ会えるよ」
だというのに、今はただ、年頃の少女の通り華やかに笑うのだった。
「話を戻すが」
「あくまで個人的にだけど、アズサも気になるな」「あれは『良くない』ぞ」
三年生二人。
密談は終わらない。 - 1451じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/29(火) 23:29:25
- 146二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 23:36:27
お疲れ様です
アズサが良くないか
なんでなんだろう
もう一組については誰がいいんだろうな - 147二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 23:45:00
おつかれさまです
ウタハとミノリの三年生二人の会話良き - 1481じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/30(水) 01:30:36
白洲アズサ。トリニティ総合学園補習授業部の一員であり、あの列車事故でヒフミを庇って大怪我を負ったという少女。現同盟内でも愛らしい容姿とは裏腹に、保安部どころかC&Cメンバー内でも上層、それこそキヴォトスでも上澄みと評すべき数字持ちの少女達を思わせるほど戦闘に長けている。ヒフミ達からの信頼も厚く、生徒達の中で総合的に見れば間違いなく同盟内最高戦力と言える。そんな彼女に対してハッキリ『良くない』とミノリが言った事にウタハが覚えたの諦めに似た納得だった。
「齟齬があってはいけないね……確認しておきたい。理由を聞いても?」
「大方、セイバーかキャスター。少なくともどちらかは気づいているだろうが、『焦りが酷い』。表情にこそ出てないが、妙に発言が勇足だ。それも他のメンバーに比べてかなり……一応聞いておくがヒフミかモモイ、どちらかとの関係は?」
「ヒフミさんに命を救われた、そういう話を嬉しそうに教えてくれたよ。勿論、他の補習授業部の二人やさっきまでいたアビドスの彼女、それに先生にもね」
無言、後に口を開いたウタハは頭を抑えるように片目に手を当てた。せめて見たくない現実から目を逸らしたい、そういう細やかな抵抗すら感じるその所作にミノリもまた気まずそうに目線を逸らす。
「最悪なパターン、というわけだ。言いたくはないが、私がチームのリーダーならあの子は『外す』ぞ。ああいう子は必ず事故を起こす、起きてしまう……正直な話、モモイじゃなくてあの子がマスターだったと言われた方がまだ納得できる」
その言葉にウタハは今度こそ眉間に深く皺を寄せながら溜息を溢すようにして吐き出した。
「君から見てもモモイはそう見えるか……」
「あぁ、あれは飛び切りだな。あれが演技なら髭のところのトモエとも良い勝負が出来るよ」 - 1491じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/30(水) 01:31:58
焦りを抱くアズサに対するモモイ。後輩の様子に、今日来たばかりの少女が気づいている。否、今日来たばかりで、同じ立場で、そしてよく人を見ているミノリだからこそだろうとウタハは考えを改めながら、項垂れるようにしていた顔を上げた。
「……どう見る」
「頼りにしてもらって悪いが『分からない』……どちらであってもよろしくないな」
「やはりね……いやはや、どうしたものか」
空になったマグカップにもう一度珈琲を注ぐと、今度は香りを楽しむ事なくウタハは煽るようにして内臓へと黒い液体を流し込んだ。食道にじわりと突き刺さる熱さが、乱れる思考に喝を入れてくれる事を期待していた。
「キャスターは?」
「……気づいているよ。気づかない筈がない。既にこちらでバイタル診断機をこっそりつけておいた……少なくとも体調面は問題なかった」
「その口振りなら別の問題はあったわけだ」
ミノリもまた労しく思いながらも、話を止めることはない。いずれにせよ、今のうちに話しておかなくてはいけないという気持ちがあった。聞いておかなくては最悪の事態に対応できないという予想があった。
「分かったのは一つ。魔力量というより反応が確認できない物があった」
「───令呪が一画足りないんだ」
そしてそれは、思ったよりも苦い形でミノリの耳に届く形となった。 - 1501じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/30(水) 01:34:43
「……使用済み。私のところで使ったのは当然別で、か。なら問題どのタイミングで切ったか『だけ』だな」
「察しがいいね。そう、内容は大方予想できる。そして使ったタイミングは、恐らくはあの夜だね。私達が不在でかつモモイとアリス、あの二人と教授だけだったのはあの晩だけだ」
目の前に座る沈痛な面持ちの少女に確かめる事は憚れた。だがそれでもミノリは重々しい空気の中を櫂を漕ぎ出す。そうでもしなくては、『いけない』。僅か一日、たった数度関わっただけ。それでも安守ミノリにはその『責任』を果たすべきだと己に課していた。
───安守ミノリは阿慈谷ヒフミと才羽モモイを守らなくてはいけないのだから。
「気づいているのは?」
「私と教授。アリスはまぁ、『知っている』んだろうね……やるせない話だ。後は反応を見る限り、会長、それから『ハナコ』と古関さん辺りもかな。あの三人も薄々察していそうだよ」
疲れ切ったように背もたれに身体を預けて天井を仰ぐウタハ。そんな彼女の空になったマグカップにビーカーから珈琲を注いでやりながら、ミノリは顔を顰めて言う。
「私達も合わせれば半数、あまり『良くない』な」
「私の推測で良いなら、動く場合は明日にでも。動かないなら……恐らく墓場までというやつだ」
「縁起でもない、と言い切れないあたりが苦しいな。とはいえ、ヒフミと彼女の身内が気づいてないなら、まだ救いがある」 - 1511じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/30(水) 01:48:22
暫し沈黙。互いの呼吸と小さく唸る機械音だけが耳に触れる時間。
「さて、最後にだが……どう見る?」
それを破ったのはミノリからのあまりにも唐突な一言。だが、僅かに肩を震わしたウタハにはその意味がしっかりと伝わっている。だからこそ、彼女はこの場で議論すべき『相手』についてを口にした。
「考えたくはないな……『内通者』というのは」
先の会議。あまりにも可笑しな話が紛れ込んでいた。こと聖杯戦争という緊急事態において起きてはいけない事が発生していた。それを理解していたからこそ、ミノリはこの場に訪れて、ウタハもまた話し合いの場を設けた。少なくともこの陣営内に関しては問題ない、そう判断した上でもっとも冷静かつ建設的に話し合えると踏んでの決断だった。
それこそが今ウタハが口にした『内通者』という存在の有無について。
「だが彼女が言った言葉は致命的だ。重要案件の書類が届かなかった?出すべき書類が代表者の目が届かないところで書き換えられて提出された?通るわけないだろう、そんな話」
「だが現実ではそれが起きた」
「だからこそ問題だ。それも致命的な」
そう、小鳥遊ホシノの話は可笑しかった。アビドス、ミレニアム、そしてトリニティで秘密裏に交わされた協力関係。その一環であり、シャーレからの依頼もあって先週から行われてきた正義実現委員会のアビドス自治区への派遣と警邏活動。その報告内容が正確に伝わっていない。
そしてホシノが伝えたいと思っていた内容をこの場で話さず『勘違い』で済ませた。
明らかな違和感。ミノリもウタハも疑ったのは一つ。現在のアビドス自治区には無視できない『聖杯戦争に関わる問題が発生していて』『その情報を握りつぶしている何者かがいる』。 - 152二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 02:06:58
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- 153二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 02:17:40
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- 154二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 02:30:26
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- 155二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 09:34:26
保守
- 156二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 12:48:33
個人的には残り1組をアリスとアズサで見たい
それぞれここではモモイとヒフミに近い位置にいる気がするから、何かしら話せないかなって - 157二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 14:30:57
リオとハナコやハナコとセイバーとかも良さそうな気はする
- 158二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 17:02:32
有益な情報を得るって意味じゃなければハナコとスパルタクスも面白いと思う
圧政者側になれる才能を持ちながら反逆を選んだともいえるハナコにスパルタクスが何を話すのかは興味がある - 159二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 17:49:10
お疲れ様です
内通者探しという人狼ゲームが始まったじゃんね?
そして、ホシおじも何か裏がありそうですね…… - 160二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 20:26:41
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- 161二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 21:06:53
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- 162二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 21:16:00
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- 163二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 21:18:37
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- 164二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 21:26:16
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- 165二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 21:37:30
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- 166二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 22:07:38
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- 167二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 22:23:48
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- 168二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 22:25:17
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- 169二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 22:47:13
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- 170二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 22:56:23
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- 171二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 22:59:11
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- 172二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:10:20
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- 173二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:35:01
乙!
急激に空中分解の様相を呈してきてビビったのだわ!
ハッピーエンドはまだまだ遠そうだね…
1もどうかゆっくり休んで下さいな - 174二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:51:26
おつかれさまです
- 175二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:55:51
これどうなるんだろうな
もし一気に大半の人達が離脱したら流石にきびしいだろうし
最善が無理なら次善を選べるようにはしておいた方が良さそう
大戦ルートやそれ以外のルートも探ってみた方がいいのかな - 176二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 01:20:22
とはいえ最善のハッピーエンドを諦めたらそれこそブルアカ的には負けを認めた感じになってしまって気が進まないという…
- 177二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 01:56:37
ただ最善の結末が無理だってなった時のことは考えておかなきゃまずいからな
サーヴァント含めて誰も死なないハッピーエンドを目指すってことは失敗してしまった場合全陣営のマスターとサーヴァント全滅のリスクもあるわけだし
サーヴァントを自害させた場合次のサーヴァントが召喚されるだけだから
仮に最終日の夜までになんとか出来る手段が見つからなかった場合
全員で戦って勝者を決めれる状況ならまだマシだけど
物理的な距離が離れてるとかで戦えない陣営がいる場合は死人が出ることは避けられない
サーヴァントが自害したって再召喚されるだけだから
もちろんハッピーエンドを目指すのは諦めたくないけど
保険として次善策を用意はしておきたいのはある - 178二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 03:50:58
ただぶっちゃけ、時にはリスクを承知で全掛けしなきゃいけない時もありはするからなぁ
次善策を用意する事にリソースを費やした結果、ハッピーエンド√への手数が足りなくなったなんてなったら目も当てられないし - 179二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 09:49:56
各キャラの見解がどれだけ当たってるかによるけどお労しいなぁ
とはいえ最善目指すのに変わりはないけど - 180二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 11:18:28
もしかしてスカサハが召喚された段階では聖杯戦争は始まってなかったのか?
①フランシスが聖杯(本物)の模倣をする
②なぜか座に接続してしまいスカサハが召喚される(この段階では聖杯戦争ではなくサーヴァントがキヴォトスに呼び出されただけ)
③とりあえず目撃者は口封じするよう言って自由にさせる
④口封じされそうになったヒフミがアーサーを召喚する
⑤サーヴァントが二騎召喚されたことで二騎を参加者に聖杯戦争が開始
って流れなんだろうか
ただそれで空中分解するかっていうと微妙だけど - 181二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 11:25:47
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- 182二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 11:28:13
同盟が空中分解したらまずいことになるだろうな
仮にヒフミアズサセイバーだけってなったらそこからハッピーエンドを目指すのはほぼ無理だろうし
戦力不足で他陣営に負けかねない
そうならないといいけど
安価に関してはガチ情報獲得枠がいいかな
まだ何かしら内通者の存在と空中分解の可能性とは別に何かある可能性もあるし - 183二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 12:22:50
正直、分裂って言葉が出ただけで焦り過ぎな気がする
リオとキャスターの話の感じを見るに、分裂が起こるのはおそらく最後の局面だろうし、それが防がなきゃならない事なのか、それともハッピーエンドを目指す過程において必然的に起こる事なのかも不明だし
少なくともリオとキャスターは、
”「えぇ。あと四日。私に残された時間は少ないわ。その間で最善尽くしましょう……可能なら、誰も犠牲にしない為にも」
「うむ。我らで片付けねばならん事が、我らで対策せねばならん事が多い。たとえ泥を被ろうとも、我らは彼奴らの命と尊厳を、そしてその夢を守らねばならんのだ」”
とまで言ってるんだから、現状においては目指してる道は同じだろうし
ただ、知ってる情報が故に、何かそうなる理由が見えてるとかじゃないのかな?
”「……いずれ気づく事になるわ。最悪、明日にでも」
「監督役との話し合いでか。出来るならば先延ばしに……いや、それよりもだ。他の者はどうだ?」”
ってやり取りを見るに、知る事で何かがある情報、もしくは知る事で分裂に繋がる情報って気がする
と推測した場合、√選びの際のヒントとも言えるかも?この会話と戦闘終わった後、
”明日の話し合いでアサシン、ライダー、ランサー、アーチャーの四つから、どの陣営を優先して攻略してくか決める感じじゃんね☆”
ともミカ主が言ってるし、それの為のヒントというか、明日黒服に会いに行く√を選んだ場合はこういう事が起こる可能性があるっていう感じの示唆というか - 184二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 13:21:45
- 185二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 14:04:55
- 1861じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/31(木) 15:02:48
コメントにお返事するじゃんね☆
ついでにお昼ご飯たべるじゃんね☆
ありがとじゃんね☆予定調和?というか当初からするつもりだったじゃんね☆
ありがとじゃんね☆ミノリちゃん達とはまた違う感じでキャスターやリオちゃんは聖杯戦争についてお喋りするからちょっと難しかったじゃんね☆
最善ED、次善EDについてはいつもの子に説明してもらうけどまだ先になりそう(あとヒフミちゃんとモモイちゃんの話やってもう一組お喋りやってずっと書きたかった夜のあれやそれやしてからになるじゃんね……)だから先に説明するじゃんね☆
最善EDはハッピーエンド、サーヴァント含めた全員が聖杯戦争期間を生き残るED。
次善EDはノーマルエンド、聖杯戦争中にサーヴァント達が脱落してしまった場合にそれでも頑張ってマスター全員が生還するED。
リオちゃんとキャスター、それからこっそりセイバーも後者の方を選択する可能性を視野に入れてはいるじゃんね☆キャスターの思ってる通り、犠牲なしで切り抜けられるとは思ってない……って感じじゃんね☆
行く道を一本に絞る、というのも1は全然大歓迎じゃんね☆少なくとも本編中のヒフミちゃんの考えはそうじゃんね☆
どの子も苦労してる感じになってるじゃんね☆気楽なのはアサシンの師匠ぐらいじゃんね☆
あの人は黒服いじりつつ、スケバンの子とかと遊びながらのんびりキヴォトスライフ満喫中じゃんね☆
- 1871じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/31(木) 15:03:54
今日は八時から安価するじゃんね☆どんなペアでも大歓迎じゃんね☆
空中分解に関しては当初からお話の流れに組み込んでたじゃんね☆なるかどうかは……その時次第って感じじゃんね☆
ただ1はハッピーエンドとか、頑張ったら報われる「0からプラスになる物語」が好きだからそこは安心してもらえたら嬉しいじゃんね☆
でもちゃんとその時の解決策も1は提示してるつもりじゃんね☆
内通者『は』いるじゃんね☆
答えも置いておいたじゃんね☆
……ノーコメントで別のことに触れようかと思ったけど一応お伝えするじゃんね☆
正解じゃんね☆
1の想定ではヒフミちゃん達が空中分裂するのは最終局面一歩手前になるじゃんね☆最悪明日って話はミノリちゃんが気づいたり、ユズちゃんやモモイちゃんが勘づいたりって話じゃんね☆それも🎲次第にするつもりじゃんね☆
ハナコちゃん?TUF🎲次第じゃんね☆
大戦√の話は黒服から聞けるじゃんね☆
上にも書いたけどあくまで🎲結果で……だし黒服のとこで話聞いてもすぐには空中分解はしないじゃんね☆それは約束するじゃんね☆
- 188二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 15:16:22
お疲れ様です
これからは、更に慎重に選択肢を選ばないとだなぁ
個人的に、剣・弓・槍・狂で謝肉祭のアイドルフェスに参加して欲しさがあるw - 189二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 19:10:52
多分、スカサハ師匠は楽しんだ者勝ちって思考でキヴォトスをエンジョイしてるんだろうな
問題があるとすれば、黒服の胃が終わるかもしれないって所か
本当に事故だったのかは疑問が残るな
黒服達から見たら事故に見えるけど実は…ってのもあり得そう - 1901じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/31(木) 20:00:01
はい、安価いくじゃんね☆
もう一組分、お喋りするペアを決めてほしいじゃんね☆組み合わせは以下の生徒とサーヴァントから決めて欲しいじゃんね☆
【対象生徒】
ヒフミ、アズサ、コハル、ハナコ、モモイ、アリス、ミドリ、ユズ、ミノリ、ウタハ、コトリ、ヒビキ、リオ(アバンギャルド君)、ヘルタースケルター
【対象サーヴァント】
セイバー、キャスター、バーサーカー
書き方は下の例みたいな感じじゃんね☆別にそれじゃなくてもいいじゃんね☆
例:ヒフミとコハル
どんな組み合わせでもおっけーじゃんね☆ネタ枠、ガチ情報獲得枠、百合枠、なんでも大歓迎!お好きなチョイスで選んでほしいじゃんね☆
どのキャラになっても(分かりやすいかは別として)情報出すし、なんにも出せない場合は別の形で出すから本当に好きな感じで選んでもらって大丈夫じゃんね☆
基本的にこのお喋りタイムは普段ヒフミちゃん以外に焦点当たらなかったり、ヒフミちゃん自身も他の子との関わりが情報収集とかで薄くなりがちな本編のフォロー目的&絆関係のテコ入れじゃんね☆
お喋りした子達がどのペアであっても絆関係もフォローするから大丈夫じゃんね☆
一個注意じゃんね☆以下のペアはもう書いた(これから書く予定)からなしでお願いしますじゃんね☆
・ヒフミとモモイ(予定)
・ミノリとウタハ(済)
・リオとキャスター(済)
安価先は>>198じゃんね☆
それじゃあよろしくお願いじます……じゃんね☆
ありがとじゃんね☆なんだかんだで1の想定より遥かにハッピーエンドに進んでるところあるからこのままみんなが楽しんで選択してもらえたら……1はとっても嬉しいじゃんね☆
それはそれとして謝肉祭……楽しそうにしているマスター陣を温かく見守るサーヴァント達……素敵じゃんね☆
概ね合ってるじゃんね☆師匠はもう折角呼ばれたやけだし、勇気振り絞る子達多いし、ご飯も美味しいしでウッキウキで遊んでるじゃんね☆
被害者?大体黒服とか……あとはまぁ内緒じゃんね☆そのうち書くじゃんね☆
- 191二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 20:13:01
セイバーとハナコ
- 192二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 20:24:48
アリスとアズサ
- 193二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 20:29:18
アリスとハナコ
- 194二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 20:36:40
ksk
- 195二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 20:45:19
ヒフミ側の情報かモモイ側の情報か
- 196二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 21:01:52
アリスとアズサ
- 197二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 21:03:18
ハナコとセイバー
- 198二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 21:03:39
アリスとアズサ
- 1991じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/31(木) 21:20:38
- 2001じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/10/31(木) 21:58:22
- 201二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 00:32:35
おつです
- 2021じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 01:10:59
- 2031じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 01:13:35
【9日目夜・交流イベント】
【Recommend BGM……〈Midnight Trip〉】
【コミュ:ヒフミとモモイ】
第二フロアの踊り場で、二人段差に腰掛けて。
食堂に備え付けたドリンクバーから持ってきたグラスを彼女とぶつけ合う。
硝子のように透き通ったそれが鳴らす音は見た目に反して、樹脂で出来てるから鈍い音が鳴りました。
「つっかれたー!」
「あはは……お疲れ様です」
会議の後からミドリちゃん達と手分けした明日の朝御飯の仕込みは終わり、パン生地も用意しておきました。明日はセイバーさんから教えてもらったスパルタクスさんのご出身に近い地域の名物料理、鯖を使ったサンドイッチです。それから天気も良くありません。夏のこういう夜雨は明け方にぐっと冷え込みます。空調も使ってますから身体を変に冷やさないようにレッドウィンターのウハーなんて料理にもチャレンジです。本当は良いチーズがあればシルニキも用意したかったですが、それは明日また買いに行かなきゃですね。
「考えることが多すぎるぅぅ」
「モモイちゃんはシナリオも進めなきゃですねもんね」
「あー!またー!そうやっていじめるぅっ!」
「あはは……」
モモイちゃんが項垂れるのを見ながらドリンクバーから拝借したグラスに口をつける。試しにと入れてみた炭酸はグレープフルーツとレモンの爽やかな酸っぱさを口いっぱいに広げてくれながら、後を追いかけるようにリンゴの甘さがそれを淡く宥めて、最後に生姜の辛味が余韻を残して香る。
「そういえばモモイちゃん。聞いても良いですか?」
「えー!?なになにー?何知りたいー?」
「ふふっ。何だったら教えてくれます?」
「んーどうしよっかなー?どれなら教えちゃおっかなー?……でん!スリーサイズ!」
「あはは……結構です」
「なんだとー!……んで、なに聞きたいの?」
唇を甘酸っぱいピンク色で濡らしながら、悪戯っぽく目を細めた彼女に私も期待と、少しばかりの茶目っ気を乗せて口ずさんでみる。
「モモイちゃんのシナリオ。どんなお話作ってるのかなって?」 - 2041じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 01:15:03
「うわーそれかー。それなー……」
「あはは……やっぱりまだ内緒ですか?」
「ううん。ぜーんぜん!ライターなんて自分のお話聞いて欲しくて書くんだよ?そりゃ言えない事はあるけど……でも本当は全部話したいんだ。だから質問とかそういうのは、オールオッケーってやつ!」
足をパタつかせながら笑うモモイちゃんの表情は本当に嬉しそうでした。いつも難しそうな顔をしてメモパッドやモニターに向かっていますけど、それもきっと大好きなゲーム開発の為だから。普段の様子とは打って変わって知恵熱が出るんじゃないかってぐらい一生懸命だったり、今みたいに晴々しくゲームや自分の書くシナリオを語る姿は、『好き』を大切にする彼女らしかったんです。
とはいえやはりその進み自体はミドリちゃん達から聞いていた通り緩やかなようで、モモイちゃんは困ったように頭を掻きました。
「ただあんまり進んでないんだよね。いやーまいった、まいった!」
「……お互い、このところずっと忙しいですもんね」
「そうだよねー」
普段だったら授業に出ている時間。モモイちゃんならゲーム開発部の活動を、私なら補習授業部のみなさんとお茶をしたり遊びに出掛けたりする時間。そんな自由時間なんてもう暫くありません。あの夜から常に何かを探したり、誰かと戦ったり。そんな風にして過ごしてきました。
「いやさー、正直バタバタして走り回って、気づいたら同盟組んで何日だっけ?」
「もうあとちょっと6日ですね」
「あり?まだそれぐらいだっけ?おっかしいなー、もっと経ってるかと思ったよ」
「本当ですね。私も、なんだか随分長い時間、モモイちゃんとご一緒してる気がします」
まだ一週間も経っていない、というのに。けれど随分長い時間を一緒に過ごしてきた、そんな気分になるほど彼女の側は『楽』でした。居心地が良くて、温かくて、ホッとする。忙しかった、辛かった、確かにそういう事はありました。けれどそれ以上に楽しくて、どんどん新しいお友達が増えて、そして今隣にいる彼女と過ごす陽だまりのような日々。いつもの日常が、まだ8日前の話だというのに気づけば『いつかの日常』になっている。それでも、私は、いいえ。私達は『今』が愛しかった。 - 2051じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 01:21:18
言葉にはしません。言わなくては分からない事が世界には沢山あります。でも今この瞬間は言う必要なんか、確かめる必要なんかどこにもなくて。
だからお互いにグラスを傾けながら、少し蒸し暑い踊り場で黙って時間が刻まれていくのを見守る。
なにかするでもない、何もしない時間。そんな静けさが暫く流れてから。
「あー……餡蜜食べたーい!」
唐突に、モモイちゃんは私の方を向かずにそう言いました。
「ど、どうしたんですか?急に……明日のお昼かお夕飯のデザートで良かったら用意出来ますけど」
「えっ!?ほんと?ってそうじゃなーい!ほら、私達会ったのってさ、百夜堂でしょ?私あの時抹茶パフェ食べてたけどさ、実は気になってたのあったんだよね!」
力一杯手を伸ばすように伸びをしてからごそごそと取り出したのはスマートフォン。慣れた手つき何度かタップして彼女が見せてくれた画面には美味しそうな餡蜜と和風なフォントが踊るまとめ記事でした。
「ほら!これ!」
「えぇっと、この夏おすすめ?一日限定二十食、百夜堂特製季節の水菓と三種の白玉全部載せクリーム餡蜜……ですか?」
「ねっ!美味しそうでしょ?」
「あはは……はい、とっても」
全部載せの文言はその通りで、画面には百夜堂らしく贅沢に旬のフルーツを沢山使った大盛りの餡蜜が映っていました。そういえばあの時メニュー表で見たかもしれないと思い返してみますが、どうにもその前後のインパクトが強すぎてかあまり思い出せません。そんな私にモモイちゃんは目を輝かせて教えてくれました。
「あの時はさ、もう売り切れだったんだ。だから別の選んだんだけど、今更食べたくなってきちゃったんだ」
「限定食だと、早めに行かないと売り切れちゃいますもんね」
「そう!いやさぁ、私もこんな美味しそうなのあるって知らなかったから売り切れの文字も気にしてなかったんだけど……なんとなく気になって帰ってきてから調べたらこんなすごいやつ!もうほんと、くやしーって感じなの!」
スマートフォンごと腕を回すモモイちゃんの姿に危ないですよと声をかけながら私も想像する。両手一杯でも足りないぐらい大きな器に入った餡蜜。それを目に前にしたら、きっと彼女はどれだけ目を輝かせるだろうかと。そう思った時には私は誘いを口にしていました。 - 2061じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 01:23:18
「ふふっ、なら今度食べに行きましょうか?」
「おおっ!いいねー!行こ行こー!」
箒星のように彼女の髪が揺れて私の方を見る。燦々とした笑顔に私もこれ以上溢れたりしないのに口元が緩んでいく。互いに口遊むのは『いつかの明日』。
「百夜堂行って餡蜜食べて、それから持ち帰りでゼリーとか買ってさ!」
「ならそのゼリーは展望台の所で食べましょうか?あそこは見晴らしが良いと以前シャーレの当番で一緒になった方から伺ったんです」
「いいじゃん!ならさ、ならさ!ついでにお弁当も持ってこうよ!サンドイッチとさ、唐揚げとさ、あとはそれから……よしっステーキだ!」
「あはは……食材用意するのはユウカちゃんですよ?」
「ぐぇー。絶対無駄遣いするなってユウカ怒るじゃん!大っきいお肉とかお外で食べたいのに!」
「それはもうバーベキューになっちゃいますね」
前回はどこからかアズサちゃんが引っ張り出してきてくれた夜行炭がありましたけど、今回は買わなきゃと皮算用を楽しんでいれば、モモイちゃんがわざとらしく声を顰める。それがおかしくてつい私は掌で自分の口を押さえてしまいました。
「あー!バーベキュー!私、バーベキューもしたい!……ねぇ、ヒフミ。知ってる?」
「……何でしょう?こっそり教えて頂けますか?」
「あのね、実はね……」
何を言うかなんてわからないけれど、あぁきっと、楽しい話になるのなんてわかりきっていて。
「キャスターの鎧でお肉焼けるらしいよ!」
そのあんまりなお話に私は堪えきれなくて肩を震わせて目に涙を溜めてしまいました。
「あはは!もうっ!またそんな事言って、キャスターさんに怒られちゃいますよ!」
「だいじょーぶ!なんとー!今!この場に!キャスターいませーん!」
「知ってまーす!」
馬鹿みたいにはしゃいでしまう。はしたないぐらい口を開けてしまう。でもそんな風にお友達とお喋りできる今が楽しくて仕方ない。 - 2071じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 01:24:52
「あっ、どうせバーベキューするなら自然たっぷりなとこがいいなー」
「ミレニアムも都市部を離れるとあるんでしたっけ?」
「そう!東アルプス!いいとこだよー!多分。麓のキャンプ場は予約一杯で登山もできるし!きっと。まいなすいおん?とかいうのも盛りだくさんだよ!めいびー」
「あはは……適当すぎますよ」
仕方ないじゃん山なんて滅多に行かないしさと胸の前で両手を握って怒ったふりをする彼女はそのまま良いことを思いついたと手を打つ。ころころと表情を変えるモモイちゃんの話に耳を傾けながら私はのんびりと少し炭酸の抜けたジュースで唇を湿らせた。
「あっ!あと川!山もいいけどバーベキューするなら川辺とかどう?」
「ふふっ。とっても素敵です。川魚を塩焼きで、なんていうのもやってみたいですね」
「あれ?ヒフミ、釣りとかできるの?」
「あはは……勿論そこはセイバーさんにお任せです!」
「あとは水着も持ってきて、それからスイカも用意して……」
「スイカ用意するなら海にも行きたい!」
「もー……行きたい所ばかりじゃないですか」
そう言う私に何故だかハッとした顔をしてから、モモイちゃんはくしゃりと笑った。
「ほんっと、行きたいとこばっかりだ」
さっきまでとは打って変わったその呟きに私は首を傾げた。だってその言葉は、気怠い暑さを感じさせる此処にはあまりにも似合わない。まるで儚げな硝子細工のようだったから。 - 2081じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 01:36:44
「……私ね、それが書きたいんだ」
けれど彼女はその余韻を振り切るように、呆気に取られて何も言えないでいる私に怒って言う。
「なんだよもー!ヒフミが聞いたんじゃん!私のシナリオのこと!」
モモイちゃんは胸の前で両の掌を重ねて、指を組む。たったそれだけの所作、なにげない動作。なのにどこか、神聖なぐらい清廉な感じがする。それがきっと『祈り』のようだと思ったのは『直感』のおかげでしょうか。
「あのね。私、百夜堂にまた行きたいし、今度は餡蜜食べたい。それから次は百鬼夜行でみんなとピクニックもしたい」
紡ぐ言の葉は、蒸気が巡り機械音が唸る拠点の中ではあまりに小さかった。
「バーベキューだってしたいしまともな遊園地にも行きたいし、それから川にも海にも遊びに行きたい!」
語気は朗らかで、春めいた萌黄に染まっている。麗らかな日差し。優しい陽気。
「やりたい事、行きたい場所。うんとたくさんあるんだ!……それを、みんなで。キャスター達も一緒に」
溢れるような期待を一つひとつ大切にラッピングした言葉。モモイちゃんが話すのはそんな『これから』の話でした。
「私はそんなお話を書きたいの。全部ぜんぶ終わらせて、真っさらになって、それからみんなで遊びに行く」
いつかそうなったらいいな、なんて小さい頃に夢見た物を唱えるように彼女は明日を口にする。それはきっと晴々とした話なのに、私にはどこか遠く、寒く、寂しく聞こえました。
そんな私の表情に戸惑い以外が混ざったのに気づいたのでしょうか。モモイちゃんは自分の書いているシナリオの内容を打ち明けてくれました。 - 2091じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 01:45:19
「私が今書いてるシナリオさ、実は実体験?エッセー?よく分かんないけど……聖杯戦争のことをテーマにしてるんだ。突然異世界の英雄同士の戦いに巻き込まれた主人公!数々の困難を乗り越えて掴み取ったのはハッピーエンド!……ならさ」
「ちゃんとご褒美、欲しいなって。ううん、あげたいなって思ってるんだ」
立ち上がって彼女はくるりと踊る。ラウンドトゥが軽やかに円を描くけれどそれは最後まで繋がらないで、途中で私の方を向いてしまう。
「だからまだ私の書いてるシナリオは途中なの。この聖杯戦争を最後まで走り抜けて、それからやりたい事ぜーんぶやって!……それでやっと書き上げられると思うんだ」
眩しいばかりに輝く彼女が描く物語。それはきっと苦難に満ちても必ず最後には笑ってエンディングを迎えられるお話に決まってます。そしてそれがまだ書き終わってない、これからなんだとモモイちゃんは照れくさそうにしてから。
「……それはきっと私一人じゃ、きっと無理だったんだよ」
寂しげに、不安げに、私を見た。
「ねぇ、ヒフミ?覚えてる……?」
瞳の奥で細波が微かな息を立てている。桃色のそれがゆっくりと開いて閉じてを繰り返しては小さな子が隠れん坊でもするように見え隠れする。
「初めて会って、お喋りして、関係ない事たくさん話して……その中でヒフミは自分がマスターだってちゃんと言ってくれた」
私は、息を、呑んで待った。
決して忘れる事はない想い出。私と彼女との初めての出会い。頭が真っ白になるぐらい考えて、嫌な未来を否定するように必死にもがいて虚勢を張って言い切った言葉。そしてそれを嬉しそうに受け入れてくれた彼女の顔は。
「ありがとう」
あの時と同じようにほころんでいた。 - 2101じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 01:56:15
「私さ、前の日にアサシンと戦ったりして結構落ち込んでたんだよね。今までとは全然違う、本当に自分の願いを掛けて殺し合う戦い。私はそれを聞いた時、止めなきゃって思ったけど、実際はもっと怖い物だった」
その話を聞いて最初に心に訪れたのはやっぱり驚きでした。モモイちゃんは強い人です。どんな時でも前向きで天真爛漫で、挫けないで顔を上げて立ち向かっている。隣にいてホッと安心できるお友達。そんな彼女が見せた弱みは立場を置き換えれば想像できても、私の知っている普段の彼女の姿から結びつかない物でした。
「自信がなかった。自分を信じれなかった。でも、ヒフミがいた」
辛かった。苦しかった。心が折れかけた。そう言うモモイちゃんの目は、けれど決して翳ることのない光が瞬いている。その光が今、私を真っ直ぐに見つめている。
「敵が味方かも分からない筈の私にちゃんと聖杯戦争のマスターだって自分から明かして、聖杯戦争を止めたいって言ってくれた。私はね、ヒフミ。その時、救われたと思ったんだ」
「辛いし暗いし苦しいし、もう投げ出したくなっちゃってた。でもヒフミがいた。聖杯戦争なんて間違ってるって真っ直ぐに言ってくれたマスターが、アリスの友達が、他にもいてくれた」
「何度だって言うよ。何度だって言えるよ。あのね、その時からね───ヒフミは私の『希望』なんだよ」
「だから、ありがとう。私に希望を見せてくれて。私に諦めないでいられる時間をくれて。私に頑張る力をくれて。ヒフミがいてくれて、ヒフミがマスターになってくれて、ヒフミと友達になれて。私、すっごく幸せ!」
「わっ……私だって!」
思わず、立ち上がってしまう。目頭が熱くなるのなんて気にならない。目の前の友達が言ってくれた言葉で胸に火が灯る。
「私だってモモイちゃんと会えて!一緒に戦おうって言ってもらえて!そばにいてくれるのが嬉しくて!」
「……えへへ。じゃあ……おあいこだ!」
「……もうっ。なんですか、それ?……ふふっ、はい、おあいこです!」
溢れる気持ちが同じだとそう言ってくれて。ただただ嬉しくて、彼女と手を握り合う。
「約束だよ、ヒフミ。私にハッピーエンドを書かせてね」
「勿論です!必ず、必ず!私達で!」
「……うんっ!」
握った手から伝わる温度が私達の約束を確かに証明してくれている。そんな風に、私は思ったんです。 - 2111じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 02:01:06
- 212二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 03:05:49
おつかれさまです
光と光 - 213二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 09:07:58
ヒフモモか…「あり」だな
- 2141じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 13:49:02
- 215二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 15:16:06
大戦ルートは難しいこと考えずに敵をぶっ倒せばいいって言われてるけどこの状況からどうやったらそうなるんだろう
ハッピーエンドなんて無理としか思えないほど酷いルールに立ち向かってだいぶアレな手を取ってる便利屋でさえ話し合いで解決しようとしてるヒフミたちが「新しく増えた7人+7騎は話し合いせずに殴っていい」ってなるのよっぽどだと思うけど - 2161じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 17:01:18
- 217二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 17:09:06
悪い奴らか
サーヴァントの場合ヴィラン系の性格した面子とか何かしら理由があってキヴォトスを潰しにかかる感じかな - 2181じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 21:09:27
【9日目夜・交流イベント】
【Recommend BGM……〈Usagi Flap〉】
【コミュ:アズサとアリス】
主は、善をも悪をも一切の業を、隠れたこともすべて裁きの座に引き出されるであろう(Ecclesiastes12:14)
食堂の一画。それぞれが布団の中へと向かったそんな時間。賑やかな食事時を思えば嘘のように静けさに包まれた中で小さく金属が擦れる音。そして二人分の息遣い。
いつもの集中タイム、銃のメンテナンス。どんなに忙しくても疲れていても欠かした事はないアズサの日課。それを眺めているのは一人。
「……見てて楽しい?」
防火タオルケットを机の上に広げて洗い矢を使って銃身を丁寧に擦っては汚れを浮かし、落としていく。慣れた手つきでそれを繰り返しつつ、真向かいに座りながらも何も言わずにじっと自分の作業を見ている少女にアズサが声をかけたのは、妙にその視線がくすぐったからだった。
「はい!とっても面白いです!」
「うん。ならいい」
キヴォトスの生徒にとって銃のメンテナンスというのはごく当たり前の光景だ。幼い頃には習っているし、大掛かりなオーバーホールは専門店でしてもらっても基本的には自分の銃は自分で手入れをする。とはいえアズサほど集中して、そしてほぼ毎日欠かさず行うという生徒も珍しい。大抵は週に一度、弾丸を使う頻度が少なければ半月や一ヶ月に一回。中には物臭なのか季節の変わり目に大掃除なんて怠け者もいる。当然モモイは後者だ。
何よりアリスの愛銃はキヴォトス全土を見渡しても珍しい、というより唯一というべき艦載電磁砲『光の剣:スーパーノヴァ』。通常の銃器のようなガスや銅の汚れが付着せず、その構造は極めて難解。当然、メンテナンスは製作者達が定期的に行なっている形を取るため、アリスからすると一見地味なアズサの手入れ作業は興味深い物だった。 - 2191じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 21:34:11
洗い矢と使い古した歯ブラシ(スカルマンシール付き)を並べてからウエスを手に取り、防錆潤滑剤を吹き出し口に近づけてから吹き掛けてやる。そうして湿らせたそれを片手に、幼い頃から変わらず共に戦い続けた真っ白な戦友を磨き始める。黙々と熟す姿に澱みはなく、いっそ機械を思わせる手つきだったが、頬についた煤汚れと銃身が白く艶めく度に無表情とは裏腹に僅かに翼がはためいている。
「ヒフミは一緒じゃないんですか?」
そんなアズサの姿を何するわけでもなく惚と眺めていたアリスは、ふいにそう尋ねた。その言葉にちらりと視線を寄越してから、またすぐに手元へと戻しつつアズサは答える。
「ヒフミならちょっと前に少し出ると言って、外に行った。会いたいなら連絡するけど……必要?」
「いえ!アリスは大丈夫です!」
「そっか」
喋りながらの作業というわけではない。元よりアズサにとって銃のメンテナンスは毎日行う日課であり、自分の時間に没頭するという意味でも大切な作業。それが分かっているから、アリスもあまり喋らず、話というのも二、三交わせばぽとりと落ちていくような淡々とした物だった。時間にすれば三十分もないほど。夕飯はどれが美味しかったかだとか、この前拠点の近くで猫の親子を見かけただとか、明日はいい天気になるらしいだとか。どれも素朴な会話をポツリとポツリと途切れては数分置いてから繰り返す時間。それはアリスという少女の自我が生まれてからは珍しい物だったかも知れない。
天童アリスは多くの人から愛されている。その出生がどうあれ、モモイに、ミドリに、ユズに、そして先生に。多くのミレニアム生達に受け入れられ、冒険をする日々を重ねてきた。その天衣無縫な可憐さは学内外を問わず多くの人の眦を和らげた。アリスは多くの人の笑顔に囲まれてきた。それは彼女自身が真っ直ぐに正面から多くの人と関わってきたからこそだろう。だからこんな風に投げては止まって、また投げる、騒がしぐらいに賑やかな中で暮らすアリスからするとこういう会話をするというのは珍しくて。けれど決してアズサが邪険にしているわけでも分かったから。
「アズサ」
「なに?」
「アズサにアリスは質問があります!」
「うん。いいよ」
「はい!アズサはどうして戦うのでしょうか?」
アリスはアズサに思い切って尋ねる事にした。 - 2201じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 22:06:08
【 ̶R̶e̶c̶o̶m̶m̶e̶n̶d̶ ̶B̶G̶M̶……〈 ̶U̶s̶a̶g̶i̶ ̶F̶l̶a̶p̶〉】
【Recommend BGM……〈静かなる声〉】
アズサは思わず手を止めた。粗方拭き終わり、後は組み立てるだけ。別に作業を終わらせてからでも、さっきまでのように作業をしながらでも良かった。唐突な質問だった。それ自体はさっきまでの会話と大差ない。
「……変かな?」
「はい!変です!……アズサは聖杯戦争で大きな怪我を負ったと聞きました」
けれど、なんとなく。アズサは目の前の少女の声を聞いた時に思ったのだ。答えなくてはいけないと。
片手間にではなく、きちんと向き合わなくてはいけないと。
だからアズサはウエスを置いて向き直る。アリスの澄んだアイオライトはアズサだけを見つめている。アズサの答えを待っている。
「うん。私は一度、アサシンに負けてその時に怪我をした。それにライダーにも負けている」
「……とても、大きな怪我だったとヒフミが言っていました。それを見てすごく苦しかったとも」
「そうだね。ヒフミは優しいから」
アリスがなぜ今になってこんな質問を始めたのか気になりはしても、それに対する明朗な答えをアズサは持ち合わせなかった。だが彼女の素朴な疑問に答える用意に対してはきちんとアズサの中に用意されている。だからさっきまでとは打って変わって流れるように言葉は紡がれる。
「私達は生徒です。サーヴァントじゃありません。アズサは強いです。トラップマスターです。でも『サーヴァントほどじゃありません』」
アリスは優しいし真面目だ。好意には隠す事なく好意で返すし、だからこそそんな彼女に安らぎすら覚えて多くのミレニアム生は笑みを浮かべる。そう、アリスは直球で物を伝える。人の悪意、人間が生きていく中でどうしても抱えてしまうそういう物にほとほと縁のない娘だ。そしてその自我が生まれてからの時間も年若い十代の生徒達に比べてもなお『若い』。だからその言葉は直球で不必要に飾り立てる事もなくて、思った事を口にする、つまりはアリスにとっての事実だ。お前は弱いと歯に衣着せぬその言葉は人によっては衝突の原因にもなるだろう。
ただ今回の相手は白洲アズサ。自分とサーヴァントの戦力差をしっかり現実的に見て伝えてきた年下の少女に、むしろ関心しながらアズサもさらりと返す。
「そうかもしれない」 - 2211じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 22:17:41
胸の内にあるのは『後悔』。白洲アズサは決して弱くない。アリウス自治区。エデン条約で明るみとなったトリニティ創立まで遡る古き因縁が現代まで残り続けた地で少年兵として生きてきた過去。飛び抜けて卓越した戦闘能力という点で言えば確かに上はいるだろう。異邦の地と言えど一つの知的生命体が数千年かけて築き上げた人理の轍に刻まれた英霊の写し身を相手にするにはまだ足りない点はあるだろう。だが、それでもアズサは客観的に見ても『強い』生徒なのだ。ゲリラ戦、そして数多くのトラップを運用する技術、果ては経験と知識の両方に裏打ちされた戦術眼。何よりもその精神性。
そう、アズサは強い───阿慈谷ヒフミよりも。
「ならどうして?」
強いからこそあの晩、ヒフミを庇って前に出た。
強いからこそアサシンを相手に一人で粘り抜いた。
強いからこそセイバー達にも純粋な戦力という意味でも頼りにされている。
強いからこそ……『後悔』した。
阿慈谷ヒフミを泣かせた事を。アサシンに勝てなかった事を。ライダーの前で倒れた事を。マリーの逃走を阻止できずハナコに倒れるほどの苦悩を長い時間与えてしまった事を。それを自分は何もしてやれないでコハルに任せきりになった事を。
なにより───。
「どうしてアズサは前に出るのですか?戦闘ログを確認しました。アズサは戦いの時、必ず誰よりも前に出ます。サーヴァント達と肩を並べます」
白洲アズサは『後悔』という形で自分の弱さを背負っている。弱いと自覚してもヒフミ達より強い事も理解している。だから必然、前に立ってきた。それはきっとこれからも変わらない。
「それはいけない事、なのかな」
アズサは静かに尋ねた。本人も意識はしていないだろうが、その声色は常よりも柔らかかった。それはきっとアズサにとってこのやり取りが嬉しかったからだろう。年下である以上に幼い目の前の少女が全力でぶつかってくる。考えた末に答えの出なかった事を『教えて』と助けを求めてきてくれている。それがアズサは嬉しくて、優しく問いかけた。
「いいえ。でも一度大きな怪我をアズサはしました。反省すべきです」
「うん。敗北して、でも生きている。なら反省して次に活かす。正しい考え方だと思う」 - 2221じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 22:23:21
アリスの言葉は『誰かを想う』物だった。アズサに向けられた疑問であり贈り物。だから不快さの欠片もない。澄んだ、でも揺らいでいる湖面のような言葉。だからアズサは嬉しかった。
たとえそれが単純に自分へと向けられた物でないとしても。
「はいっ、アリスは学びました。どんなに小さな怪我でも油断してはいけないとスミレから教えてもらいました。怪我をしたならその行動を振り返って原因を回避すべきだと風気委員長から教えてもらいました……誰かが怪我をするのは苦しい事だと、怖い事だとアリスは覚えました。アズサは怪我をしました。それで心配もさせました。だからアズサは戦わなくてもいいはずです」
そして同時にと彼女はようやくこの子の質問にきちんと向き合わなくてはいけないと思った理由を察した気がした。
「誰かが傷つく事はいけないことです。誰かが苦しいのは見ている仲間も辛いことです。また怪我負ってしまったらと考えたら怖いはずです」
綴られるのは『恐怖』だった。淡々と声を押し殺して話すアリスの目に浮かんでいるのは『疑問』だった。怪我をしたら痛い事。怪我をさせたらいけない事。怪我をした友達を見るのは辛い事。失う事は……恐ろしい事。アリスはそれを生まれから今日まででしっかりと学んでいる。その上で疑問を抱いて、それに恐怖しているのだとアズサは理解する。
「それにアズサは、アズサ達は人間です。怪我をして、血を流して……最後には死んでしまうかもしれません」
「そうだね。戦争だ、そういうことも、もしかしたらあるかもしれない」
「ではどうしてでしょうか?どうして、アズサは戦うのですか?サーヴァントの武器は生徒の命に届きます。戦っても勝てないかもしれません。戦う中でまた大きな怪我を負うかもしれません。夢を描いて走っても、届かないかもしれません。なりたい自分を追いかけても、そんな未来はやってこないで死んでしまうかもしれません」
分からない、そう言うアリスの顔に浮かぶのは困惑だけでなかった。焦燥と不安と疑心。悩んで困って、どうしたらいいのかぐるぐると一人迷子になっている少女の顔だった。
「それでもアズサは戦うなら、それは一体どうしてですか?」
だからアズサは。
「ヒフミが戦っているから」
まず結論から入る事にした。 - 2231じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 22:48:00
「ヒフミが、コハルが、ハナコが。私の友達が戦っている。なら私は一緒に戦いたい。ヒフミが苦しんでる。ハナコが傷ついてる。コハルが困っている。だったら私は隣にいたい。だって友達だから」
「友達だから戦う。はい、アリスはそれを理解できます。でもアズサ達の命は一度限りです。死んだら……死んでしまったらコンティニューできません」
「確かにアリスの言う通りだ。私達に命は一つしかない」
そう、命は一つきりだ。人生は一回だけだ。死んでしまったらもう二度と大切な人には会えず、愛する日々を繰り返していく事は出来ない。過酷な地を文字通り生き抜いてきたアズサにとって『生きる』という事は小さな奇跡の連続で成り立っている。戦場に、その前線に自ら立って銃を手に取るという事はそんな奇跡を手放すような話だとも思っている。
「だったらおかしいです!……聖杯戦争はサーヴァント同士の戦いです。生徒が……マスターは……戦いの場に出ないでサーヴァントに戦いを任せる。生徒は戦場に出ず後方から支援する。バッファーだってデバッファーだってヒーラーだって大切なジョブです。直接インファイトするだけが攻略手段じゃありません!」
押し殺そうと穏やかに話そうと、そうでもしないと溜まったナニカが爆発してしまうから。だから努めて静かに話していたアリスの声に激しい勢いが籠る。それはアズサにではなく誰かに向けられた、或いは自分に向けた、がむしゃらに塗りたくった激情。その感情にアズサは。
───“そんなに真剣に悩む必要はないんじゃないかな?”
───“今日は……そうだ。ねぇ、アズサ”
───“試しに最善でない選択をする練習をしてみようか”
ある日の昼下がりを思い出してくすりと笑ってから、ゆっくりと話し始めた。
「私は一度、姉のように思っている人を殺そうとした。それしか道がないと思った。誰も彼も遠ざけて、一人で戦おうとした。私はヒフミが伸ばしてくれた手を掴まなかった」
それはアズサの中の冷たい記憶。どうしようもなく藻搔いて苦しんで、辿々しくてもその中で必死に歩いていた時の記憶。曇り切った鈍色の空に押し潰されながら足掻いた時間。
「そんな私にヒフミ達はもう一度手を差し伸べてくれた。一緒に戦ってくれた。ううん、それだけじゃない」 - 2241じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/01(金) 23:16:51
そして澄み切った青空とそれを指差して自分に新しい選択肢を見せてくれた『右手』が今も眩しく自分の道を照らす温かな青い春の記憶。
忘れない。忘れはしない。だからこそ。
「ヒフミ達は私に思い出をくれた。虚しい現実を前にして、その背中を支えて進んでいける拠り所をくれた───なら今度は私の番」
アズサは向き合って伝える。自分の気持ち、自分の理由をしっかりと悩んでいる後輩に届くように。
「私を助けてくれた友達が今困っている。だから助けたい。少しでも力になりたい。みんなと一緒にいたから。だから私は戦うんだ。今度は、私がヒフミを助ける番だから」
それがアズサの戦う理由。けれどそれをアリスは受け入れるわけにはいかなかった。
「……でもそれは前線で戦う理由になりません。傷つく理由になりません。傷ついても死んでしまいそうになっても、苦しくても戦う理由になんかなりません!」
弱いのに、死んでしまうのに。なのに果敢に戦おうとする。そんな事をしてしまえば死んでしまう。なのに、なぜ。そうアリスは問うて。
「私はセイバーに比べたら弱い。膂力ではキャスターにもバーサーカーにだって勝てない。ツルギほどの力があればまた違っただろうけど、でもあんなに強くはまだなれない」
「……なら」
『戦いを止めさせる理屈』に追い縋ろうとしたアリスの瞳をアメシストが真っ直ぐに射抜き、微笑んだ。
「だけどそれは、私が私の出来る事をしない理由には───ヒフミが戦っている今この瞬間に最善を尽くさない理由にはならない」
アリスは思わずと息を呑んだ。あまりにも鮮烈な輝きだった。手を伸ばしても擦り抜けていく彗星の軌跡を思わせるほど、アズサの瞳には、表情には決して退かない『決意』の灯火が宿っている。
「私が前に出るのはそれが一番効率的で効果的だからなんだ。サーヴァントは確かに強い。でも私はやっぱり前に出て戦うのが一番上手くやれるから、それが一番ヒフミの為になるって私は思うから。私はハナコやコハルのように物知りじゃない。だから戦う事ぐらいには全力を尽くしたい」 - 225二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 23:50:57
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- 226二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 23:54:47
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- 227二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 23:56:11
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- 228二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 00:07:43
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- 229二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 00:40:55
お疲れ様です、会話良かった
泣いても、ねぇ…どうなるかわからんけど最善目指す方向かな多分 - 2301じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 02:00:34
【9日目夜・特殊イベント】
ああ。空に照っている、満ちた月。この机の傍で、己が眠らずに真夜中を過したのは幾度だろう。
この己の苦くるしみをお前の照すのが、今宵を終おわりであれば好いに。悲しげな友よ。そう云う晩にお前は色々の書物や紙の上に照っていた。
ああ。お前のその可哀らしい光の下に、高い山の背せを歩くことは出来まいか。(『ファウスト』より)
軽く眉間を揉んでいた桐藤ナギサの耳に政務室の扉を叩く音が聞こえたのは酷く遅い時間になってだった。
「……どなたでしょう?」
沈黙の後、彼女は一人きりの政務室から向こう側へと声を掛けた。あまりにも遅い時間、同僚や部下は皆、揃って夜食の買い出しや仮眠取りに外出していた。ティーパーティの主宰たる生徒会長である百合園セイアは体調の面から早々と床に就かせられ、もう一人、今なお後任が決まらない宙ぶらりんのまま茶会を囲ませてしまっている聖園ミカは夜間パトロールに出向いていた。
彼女は。桐藤ナギサは今、一人きりだった。
───それは突然の来訪だった。
叩く音は四度。夜更けだからか、それとも普段からか。丁寧に叩かれて数秒間を開けてから、扉の方を見たナギサの耳に控えめな呼び声が届く。
『軽食をお持ちしました。扉を開けてもよろしいでしょうか?』
分厚い扉の先からくぐもった声が聞こえる。
聞き慣れた部下の声。休めと伝えたというのに気を利かせて何か用意してくれたのだろうと察したナギサは一言返事をすると、重たい音と共に扉は開き、見慣れた少女がそこにいた。
「お疲れ様です。ナギサ様」
「えぇ、貴女も……冷えますね」
「……失礼しました」
「いいえ、貴女の不手際について言っているわけではありません。下がって構いませんから、その後は温かいミルクでも飲んでご自分を労わって上げてください」
そっと微笑むナギサに、ティーパーティの行政官を勤める少女は唇を噛む。 - 2311じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 02:05:40
「ナギサ様……お言葉ですが、忠言を」
「……構いませんよ、どうぞ」
「連日の騒ぎにさぞ気を揉んでおられる事かと思います。ですがどうか、ナギサ様もお休み下さい」
少女は知っている。あの列車事件から一週間以上。まともな睡眠を桐藤ナギサが取っていない事を。その化粧の下に薄くない隈が出来ているい事を。無理をしてでも、ティーパーティの盟主『三名』がその業務を務め上げている事を。少女は、否。少女だけでない。ティーパーティに所属する生徒の誰もが知っている。
「夜番を連日勤められて、昼もセイア様と共に政務に励んでおられるのは誰もが知っております。セイア様はいまだお身体が万全のご様子ではなく……それにミカ様の後任も候補すら決まっておりません。ナギサ様、ティーパーティの柱は貴女です。その貴女が今倒れられては───」
「問題ありません」
ぴしゃりと遮ったナギサは、すぐに少女の反応を見て言葉を和らげた。
「セイアさんも本調子でないのに関わらずその身体を押してホストの務めを果たしてくださっています。ミカさんも自粛期間でありながら奉仕という建前で私達への助力を惜しまず……まぁ多少は私心があるようですがシャーレにも私達の代理として協力姿勢を他校に示してくれています。そして当然貴方達も」
ですが、とナギサは続ける。それはたった一言。
「───25名」
だがその一言に吐き出す言葉には髪を掻きむしりたくなるような苦悩が怒りが満ちていた。
「未曾有の事態です。既に25名。我が校だけでも25名の生徒が『犠牲』となりました。それは職務中の正義実現委員会の生徒を除いた数です」
それはミレニアムにも知らせた情報。聖杯戦争に尽力するヒフミ達には余計な心労を増やさない為に伏せた情報。既に25名の生徒が『原因不明で意識を失い』、内密に病院へと送られていた。
その事実にナギサは忸怩たる思いを隠せずにいるのは固く握り締められた拳の震えを見れば誰であれ分かるだろう。 - 232二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 02:11:54
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- 233二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 02:23:05
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- 234二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 02:31:32
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- 235二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 02:59:01
おつかれさまです
安価の時間、自分は夜型の人間故に14時頃辺りから参加しやすいかも?
それはそれとして他のスレとか見た感じだと割と朝方というか8時以降辺りとかにもスレによっては人は結構居るっぽいかも?ですね
チーズケーキ、エッグタルト - 2361じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 09:34:13
- 237二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 10:29:15
お疲れ様でした
夜にナギサ様とヒフミちゃんが二人だけで何もないはずがないな…
実際、此処に襲撃とかあったらかなりヤバそう(汗)
セイバーさんはちゃんとヒフミちゃんに付いてきているんだろうか? - 238二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 14:19:49
仮に襲撃があったら戦力的にも政治的にもやばそうだな
ティーパーティーのホスト代行が襲撃くらうとか大問題になりそう - 2391じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 14:29:15
- 2401じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 14:37:50
改めて今回の安価について説明じゃんね☆
今回はナギサちゃんとコミュニケーションしてほしいじゃんね☆
ヒフミちゃんの行動を①〜⑦の選択肢から選んでもらって物語は進んでいく感じじゃんね☆
最大で安価は4回!
ただし選択肢によってはその瞬間安価が終了しちゃうものもあるから、罠に嵌まらないように気をつけて4回達成して欲しいじゃんね☆
今回のイベントでは情報もかなり出すし聞きたいこともたくさん聞けるじゃんね☆
ただ自由記入はない……ので選択肢を選ぶ時にもし補足して聞きたいこと、お願いしたいことあったら書いてくださいじゃんね☆
あと自由記入なかったりかなり変則的な安価な分、安価に成功した数×10の絆ボーナスじゃんね☆
同盟組んでるサーヴァント全員にプレゼントするじゃんね☆
ではではよろしくお願いします……じゃんね☆ - 2411じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 14:40:14
【9日目深夜・特殊イべント】
【Recommend BGM……〈some sweet candies〉】
「い、一体いつこちらへ?いえ、そんな事よりどうして……?確かミレニアムに戻られたはずでは?」
夜もとっぷり暮れた深夜の来訪。ナギサ様は私が突然訪ねてきたことに驚いていて、椅子を何度も立ったり、かと思えば座ったり。慌ただしい姿を見せていました。
「あはは……実はちょっとこちらに遊びに来ちゃったっていうのもあるんですけど、急用が出来まして」
嘘。本当はナギサ様に会いたくてつい抜け出して来てしまっただけ。けれどトリニティに用事がないわけではありません。
「……急用ですか?」
「はいっ!実は……って、あはは……こんな所で話すの、変ですね」
ナギサ様から入室の許可を貰ってないのでまだティーパーティの部屋には入れません。これでも私、ちゃんと淑女な教育、礼儀作法だってしっかり覚えているんです。ナギサ様も気づいてくれたのか、相変わらず戸惑った様子をしながらも私に声をかけてきました。
「ごめんなさい。あまりにも予定していなかった物ですから……夜というのもあってなんだか緊張してしまいますね。どうぞ、お入り下さい」
「あはは……ありがとうございます!ナギサ様!」
「ふふっ。お気になさらず。ティーパーティは茶席を囲む素敵な会。いつだってお客様への門戸を開けていますから」
冗談めかした言葉につられるように私は高級そうなカーペットが張られた部屋へと一歩踏み入れる。そんな私へとナギサ様は。
「それで今夜はどういったご用件でしょうか?」
ふわりと上品に微笑まれた。
【行動安価です】
【以下の選択肢から今晩ナギサニ会いに来た理由を一つ選んで下さい】
1.ただナギサに会いに来ただけ、2.ナギサと話がしたかった、3.ナギサに会いたかった、4.物資の供給依頼(欲しい物資、記入)、5.心当たりのある戦力への紹介、6.サクラコに会いに来た、7.改めてハッピーエンドを目指す事を決めた話をしに来た
【安価先>>447】
- 242二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 14:41:09
安価めちゃくちゃ遠くないですか?
- 243二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 14:45:13
>>247の間違いかな?
とりあえず3で
- 244二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 14:46:51
たぶん247指定するつもりのミスかかな?
とりあえずは2か3で良いかな - 245二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 14:49:15
3かな
- 246二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 14:51:11
かそく
- 247二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 14:51:31
- 248二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 14:51:45
3で
- 2491じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 14:56:07
- 2501じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 15:10:12
ぺろりと唇を舐めてしまう。緊張すると人間は喉が乾くというけれど、どうやら舌も乾くのかもしれない。胸が熱くなるような、焦げるような感覚に浮かされる私の心は確かに形容するなら『緊張』が正しいのかもしれません。
「今日来た理由ですね。実は……」
一度言葉を区切ります。胸の前で指を絡めて、しっかりと握りしめる。愛らしく、可愛らしく、艶然と。桐藤ナギサという美しい人に魅てもらえるように。私は告白する。
「なんと!会いたかったからでした!───ナギサ様に!」
【3.ナギサに会いたかったから】
【9日冃深夜・特殊イべント】
【Recommend BGM……〈some sweet candies〉】
反応は一拍遅れて、顔を背けて目線だって合わせてくれない。いじらしい彼女はぎゅっと縮こまるように手のひらを机の下へと伸ばす。
照れているのか身体に奔っている緊張をナギサ様は隠したまま、そっけなく答えられた。
「まぁ、私にですか?こんな時間に……お忙しいでしょうに」
もっと照れるか喜んで欲しかったと思った私は一歩踏み込んでいく。言葉も身体も同じように、前に進む。柔らかな彼女へと近づいていく。
「あはは……だって、我慢できなかったですから」
「もうっ……仕方のない方なんですから。でも少し恥ずかしいですね。実はまだその……」
「どうしましたか?」
紅茶の芳香に合わせて部屋に染みついたインクの残り香が鼻をくすぐる。こんな遅い時間まで一人残って作業をしていたナギサ様。だから彼女が言うのはある意味当然で。
「いえその……今日はヒフミさんとお会いした後もバタバタしてしまって……」
私にとってはもしかすると僥倖だったかもしれません。 - 2511じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 15:13:33
「その……まだなんです……」
「あはは……何がですか?」
「……ですから」
「シャワー、浴びてないんです」
だからあまり近寄られるのは、そういう彼女に私は……。
【行動安価です】
【以下の選択しから一つ選んで下さい】
1.じゃあ一緒にシャワー浴びましょう
2.でも一緒にお茶会したいです
3.ナギサ様の香りが嗅ぎたいです
し.そばにいたいです
5.サクラコと今から会いたい
6.内通者について何か知らないか
7.トリニティで意識不明になった犠牲者が出たのは本当か?
【安価先>>257】
- 252二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 15:18:20
- 253二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 15:21:38
4か2かな
- 254二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 15:24:07
4
- 255二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 15:24:14
- 256二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 15:25:12
- 257二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 15:25:29
- 258二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 15:42:26
このレスは削除されています
- 259二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 15:48:02
このレスは削除されています
- 260二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 15:51:58
これ、成功させて大丈夫なのかな
明らかにおかしいというか
いちとかひらがな表記が混ざってるあたりなんか変というか
一回誤字でとかならともかく二度もあると流石にうっかりミスとかではない気がする - 261二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 16:02:09
ふむ、まあ2かな
- 262二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 16:12:24
とりあえず2で様子見てみるかな
成功してもあと1回安価はあるし - 263二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 16:15:53
2が無難かな
- 264二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 16:19:33
やっぱ不穏だな!?
とりあえず2 - 265二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 16:24:42
2で
- 266二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 16:25:07
2
- 267二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 16:51:26
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- 268二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 16:56:20
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- 269二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 16:58:26
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- 270二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 16:59:31
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- 271二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 17:07:55
無難な選択肢を選ぶかあえて失敗しそうな選択肢を選ぶか
これ成功させて大丈夫なのかな
なんか違和感がすごいあるんだけど
あえて7選んでみるか? - 272二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 17:28:22
この中で失敗しそうな選択肢と上手くいきそうな選択肢はなんだろうな
成功させていいのか失敗させるべきなのか - 273二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 17:58:46
無難なのは1かな
- 274二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 18:02:20
1か2か7かな
- 275二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 18:12:28
ナギサに情報が行くという面では6もありかも?
ヒフミの異様さに気づいた場合でも、それがアビドスも狙ってるかもしれないと勘付けるかもだし
でも逆に成功させた方がいいなら、1かな?とも思うし。成功させるべきなのか失敗させるというかナギサにこのヒフミの異様さに気づかせるべきなのか悩むな - 276二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 18:26:36
んー、1で良いかな
- 2771じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 18:36:00
はいはーい!1じゃんね☆
安価へのご協力ありがとうございますじゃんね☆
安価の結果は>>276さんの1.になったじゃんね☆
とりあえず1.なら……対抗ロール!いくじゃんね☆
ナギサちゃんとヒフミちゃん。言葉が先か、駆け出したのが先か!どっちが早いか勝負じゃんね☆数字が大きい方が勝ちじゃんね☆
ナギサ:dice1d100=60 (60) +dice1d100=14 (14) (前スレ>586の☆ボーナス)
:dice1d100=63 (63)
ちなみに↑の結果はどうあれ、今回の四回分の安価は全部成功扱いじゃんね☆
お疲れ様でした&付き合ってくださって嬉しかったです!ありがとうございました……じゃんね☆
- 2781じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 18:38:21
- 2791じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 18:43:18
【1.ナギサの元に駆け寄る】【9日目深夜・特殊イべント】【Recommend BGM……〈my stomach
is rumbling!〉】「ナギサ様……っ!」
決して、はしたない走りは見せたくないんです。艶やかに挑発的に、それでいて可愛らしく。まるで小鳥が爪先を蹴るように。心なしか足早に見えるように。貴女を抱きしめたくて、貴女に触れたくて私は駆け寄る。
「───駄目ですよ」
けれど、ナギサ様はそっけなかったんです。
「……どうしてですか?」
あと少し。あと一歩踏み込めばこの爪が届く距離。なのにこの掌は空を切るばかり。寂しいです。こんなに一生懸命に聖杯戦争のマスターをしているのに。私はこんなに頑張っているのに。夕暮れ時には私に会ってくれたのに。ナギサ様は意地悪を言う。
「まだお話の続きでしたから。それにもう少し貴女の顔立ちをゆっくり眺めていたい……そんな私の我が儘を聞いては頂けませんか?」
そんな風に言われたら我慢しなきゃいけません!
「あはは……仕方ないですね!良いですよ!いっぱい見てください、ナギサ様!」
「えぇ。それはもう。それで?彼女や早瀬さんから伺った話はそれで全てですか?」
「あぇえ!?え、えぇっと……あはは……」
まだまだお話がしたりないナギサ様。あとちょっとで届く距離。ナギサ様の心音まで聞こえてくるぐらいの距離まであと一歩分足りません。けれどナギサ様は両手を組んだ上に顎を乗せてゆったり待っておられます。彼女の期待に応えなくてはいけないと、逸る気持ちを抑えて私は考えます。
「えぇっと、そうですね……たとえば!」
私はどんな形で期待に応えましょうか? - 280二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 18:47:31
これ、本当にヒフミか?
- 2811じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 18:48:22
- 2821じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 18:51:28
- 283二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 18:55:20
6か7じゃないか
☆ボーナスがナギサ側にあるのは明らかに変だし
近づいた方が利益があるならヒフミ側にあるはず
ここは失敗させた方がいい気はする - 284二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 18:58:12
“必ず桐藤ナギサに触れましょう”ってのが怪しすぎる
安価は⑦で - 285二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 18:59:03
めちゃくちゃ怪しいし成功させたらまずいな多分
7で - 286二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 18:59:47
7かな
- 287二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 19:00:00
- 2881じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 19:28:28
【7、内通者の存在について話す】
【九日目豺ア夜・特殊イベント】
【Recommend BGM……〈and another dinner〉】
沈黙。目の前の阿慈谷ヒフミが黙っている姿に、ナギサは最大限の警戒をしながら、次の会話の為にそっとペンを取る。
「……どうかしましたか?」
「いいえ。別に問題ありません。ただちょっと、『酷いなぁ』って」
「酷い……?」
何を話すつもりかとナギサは訝しむ。酷い対応は一つも取っていない。誰であれ、来客ならば相応の歓待をティーパーティのホスト、その代理たる自分は心掛けなくてはいけないとナギサは誓っている。目の前の相手にもそれは当然そうなのだから。
故に不可解、ではない。たった一滴、ナギサの背に冷たい汗が背を伝う。
ただ阿慈谷ヒフミの口から語られたのは『予想から外れた』、得体の知れない言葉だった。
「はいっ!折角こうして夜遅くにみんなの目を盗んで遊びに来ただけなのに、みぃんな意地悪するんです!……私、悲しくなっちゃいます」
「……そう、ですか。でしたらお茶なんて如何です?温かい物を飲めば少しは落ち着くというもの」
どうやら自分に非があるわけではないようだと判断してナギサは話を当初予定していた路線へと流して行く。
「ですが、ごめんなさい。どうして明け方までに仕上げなくてはいけない書類があって手が離せません。よければ、お茶を淹れてきてはくださいませんか?」
「あはは……お安いご用です!でもナギサ様」
一歩を、踏み出される前に静かにナギサは告げた。
「ありがとうございます、ではそうですね、セイロンを。すぐに飲みたいですからね」
「……はいっ!お任せ下さい!」
まただとナギサの中で膨れ上がる感情があった。たった今飲みたいと言った人間がセイロンを注文する。それにトリニティ生が、気づかない筈がない。 - 2891じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 19:29:57
違和感。故にナギサ様は決してナギサ様はお忙しいみたいです!
「あっ!ナギサ様!そうです!知っておられますか?」
「……何をでしょう?」
でも私はナギサ様と話がしたいです。今、したいです。今、させて下さい。
「……実は私達の陣営に内通者がいるみたいなんです」
「……それは一体?」
やりました!ナギサ様もまだ知らなかった情報を教えられました。困惑一杯という顔です。梯子を外されて困っています。お助けしなきゃ!
「はいっ!」
「才羽モモイと天童アリスは内通者です!」
「いま、なんと……?」
「はい!何度でも!ミレニアムサイエンススクールの才羽モモイは初めから同盟を組むつもりはありませんでした!」
「才羽モモイの目的は全マスターへの勝利です!」
「だから才羽モモイは最初から全て」
「拒絶反応も他のマスターについての情報も知っていた筈です!」
「ね!ナギサ様!お役に立てましたか?」 - 2901じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 19:32:13
- 2911じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 19:33:51
【行動安価です】
【以下の選択肢から一つ選んで】
【安価を成功させてください】
1、病院での検査結果について話す
2、ナギサの書類仕事を手伝う。
3、ナギサのそばにいく。
4.、桐藤ナギサの首を折る
5、内緒話があると耳元で話をしにいく
6、アビドスの小鳥遊ホシノは危険だと伝える
7、内通者の存在について話す
【安価を成功させて無事にナギサの元まで辿り着きましょう】【触りましょう】【触れましょう】【今度こそ】【かならず】
【やくそく、ですよ?】
【安価先>>298】
- 292二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 19:41:01
もうこれヒフミではないのは間違いないけど誰なんだ?
明らかにやばい選択肢まで混じってるし
この状況で最善の選択肢はどれだろう - 293二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 19:44:59
んー、6で
このヒフミに疑念を持ってくれてる今なら、ナギサがこれを聞いて逆にホシノというかアビドスも何らかの狙われてる状態にある可能性があると思いついてくれる事を信じて - 294二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 19:47:42
分からないことが多すぎるなこれ
とりあえず6で - 295二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 19:50:13
かそく
- 296二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 19:51:56
6
- 297二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 19:52:13
これ結果次第で今後の聖杯戦争に重大な影響が出そうだな
安価は6 - 298二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 19:52:23
- 2991じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 19:54:27
- 300二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 20:11:41
これひょっとして今日ウイに同行頼まなかったらウイがこのイベントの対象になっていたのかな
- 3011じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 20:14:35
ひどいではないか。あんまりではないか。余はお前達に縛られているというのに。余は余であるというのに。余は……泣くぞ?
自ら産めて埋めて、そうして忘れるか?
余から産まれて、母の袖を払うのか?
忘れるな。我らはここにある。我らはここにいる。
故に我が銘は───。
【Recommend B 【6、アビドスの小鳥遊ホシノは危険だと伝える】】】 M……〈and another dinner〉】【9譌・逶ョ繧キ繝ウ繝、・繝医け繧キ繝・繧、繝吶Φ 縺ィ】
「ナギサ様!ナギサ様!次は何をお話ししてあげましょうか!何が聞きたいでしょうか!なんでも教えてあげますよ!どんな事で聞かせてあげますよ!」
女は嗤った。
「アビドス高校の小鳥遊ホシノ?えぇ勿論!よろこんで!小鳥遊ホシノ、嗚呼可哀想に!おぉ、可哀想に!客席にいればよかったのに!馬鹿な真似をして顔を突っ込んだばかりに翼を手折られ墜落する!」
「あんなに必死に顔を真っ赤にして!頑張って頑張って!ひふみちゃーん!ひふみちゃーん!あはははははははははははははははははははは!」
唇を耳まで裂いてガリガリと頭を掻きむしってはベージュの髪とカーペットを血色に染めていく。
「お前が呪う相手も助けようなんて!そんなこと!だぁれも教えてくれない!」
狂乱の空気で政務室を汚しながら、吐き続ける言葉は呪詛。聞く物の神秘が弱ければただの一音で臓腑の腐敗が始まりかねない致死性の神秘。
「聞きたいですか!シャーレの先生!彼なら今頃死んでますよ!あははははははは!馬鹿な男!無策のままにあのライダーに喧嘩を売りに行ったら返り討ち!生徒を信じるぅ?大人の責ぃ任?馬鹿か!何のための権力か!何のための地位か!なんと無様!なんと愚か!あんな男が崇高に至るぅ?片腹痛いわ!余を笑わせるその様はもしや道化か、ベアトリーチェ!」
嗤う、嗤う、嗤う。くるくる、くるくる、ひとしきり踊って。ひとしきり嗤って、女はぴたりとそれをやめて。
「さぁさぁナギサ様?」
「他には何が知りたいですか?私は何をしたら喜んでくれますか?」
煉獄に焼かれたように燻んだエメラルドグリーンがナギサをひたと見た。 - 302二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 20:15:37
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- 3031じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 20:19:24
- 304二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 20:20:43
666か。一人称的にもこれはドラコーかな?
- 305二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 20:24:20
獣案件じゃないですか、ヤダー
- 3061じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 20:26:01
はい、というところで一回休憩するじゃんね☆
かなり駆け足になったからあとほんの少しだけど、残りはちょっと頑張って書いてくるじゃんね☆
続きは今日の22時からになるじゃんね☆
正解じゃんね☆ウイちゃんがこの役目でここで退場させる気まんまんだったじゃんね☆なんでナギちゃんになったか?
ウイちゃん連れ出したのと、前スレの🎲でhfmdskが当たったからじゃんね☆
……半分正解じゃんね☆なんでヒフミちゃんの姿をしてるか?FGOやってると忘れがちだけど元々チートスキル持ちじゃんね☆
ヒフミちゃんじゃなかったじゃんね☆なんならナギちゃんは初っ端から誰だこいつ状態で疑ってたじゃんね☆
1はちゃんとセファールとか蜘蛛クラス『は』やらないって言ったじゃんね☆
獣案件しないとは言ってないじゃんね☆
- 307二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 20:29:42
この聖杯戦争やばいな
ビーストまで出てくるとは
ここでナギサ退場するのかな
仮にナギサが失踪ってなったらトリニティは大混乱に陥りそうだが - 3081じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 20:32:29
休憩する前にみんなにお詫びとお礼をさせてください。今回はどうしても『信用ならない語り手』を安価という形で試してみたくてこんな形式を取りました。必ず大きな情報と絆ボーナス(6回ぐらい安価したから60pt?)って形でみんな側が有利になるようにするつもりですが、事前説明もなくこういった形式を取って巻き込む形になってごめんなさい。
次の投下からは一人称はヒフミちゃん、三人称はそれ以外の生徒さんって形で書いてくので、今後はもうないと思ってください!
でもずっとやりたかったから出来てとっっっても嬉しかったです!ごめんなさい、でもお付き合いくださってありがとうございました!……じゃんね☆
ナギちゃんだけで終わらせるつもりはないし、その上でハッピーエンドまで頑張るじゃんね☆
- 309二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 20:37:31
そもそもプロトアーサーいる時点で警戒すべきだったか、ビースト
- 310二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 20:38:09
聖杯大戦、獣が追加で喚び出すサーヴァントとか絶対に碌なのがいないぞ
- 311二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 20:46:26
"余はお前達に縛られているというのに。"って言葉からしても、このビースト、現状だと若干安価で行動が制御されてるっぽいのも気になるな
- 312二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 21:06:30
若干喋り方がシュロっぽいんだよな
- 313二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 21:20:48
これティーパーティーやばいだろうな
ナギサが失踪したら
聖杯戦争で対応に追われてるときにホスト代行失踪とか
機能不全に陥りかねない - 314二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 21:29:25
ナギサ誘拐の犯人が誰なのかでヒフミたち疑心暗鬼になりそうだな
ビーストの存在にはまだ気が付いてないだろうし - 315二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 21:50:40
これ聖杯大戦にほぼ強制的に突入するパターンはビーストが原因なやつかな
- 3161じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 21:58:18
- 3171じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 21:59:36
息を呑む。呼吸を忘れそうになる。引き攣るようして空気を吸い込んで、ナギサは立ち上がった。
その手に構えるは愛銃『ロイヤルブレンド』。茶会の品位を損なう招かざる客を追い払う為に用意されたそれが、正しく『敵』へと向けられていた。
「───何者ですか?」
ぐるりと眼球が彷徨い廻り、またナギサは捉えてはにたりと女は嗤う。
「酷いじゃないですか、ナギサ様。私ですよ、私。阿慈谷ヒフミです───ってバレてますよね」
可愛らしさの欠片もなくだらりと下が唇から沸き出る。それは嫌なぐらいに室内の光を浴びて滑りを見せつけてくる。口を開く度にナギサの鼻腔に突き刺さる痛みを幻視させる不快感。物が腐った臭いではない。ただ純然と、血を煮詰めたらそうなるだろう鉄臭さ。
「えぇ。『最初から』」
「わぁ……素敵。じゃあ教えて下さい。どうして?」
「ヒフミさんは貴女のように下卑た態度は取りません」
毅然と机を挟んでナギサは告げる。お前のその腐った性根で阿慈谷ヒフミを、自分が愛する友を一分たりでも真似ができるかと。
「ヒフミさんは誰であっても敬意を抱く人。人の良いところを見つけられる人。それが彼女の美徳。野に佇む小さな花のような素朴な自然の美しさ。貴女が欠片も持ち合わせていないそれがヒフミさんの良さです」
だから最初から桐藤ナギサは分かっていた。違和感を覚えた。夜更けにヒフミがアポもなしに来訪する。ぶりっ子のように態とらしい可愛らしさを演出する。嫌だと言っても一言も謝らない。セイロンという茶葉の蒸らし時間はとてもじゃないがすぐに用意できる物である事を知らない、気づかない。何より鼻の曲がる腐った腑が透けて見える傲慢な態度。そんな雑な演技に桐藤ナギサが気づかない筈がない。
だからナギサは『女』に対して、阿慈谷ヒフミの顔や体の形状が一致していることは認識しても、ただの一度だって『ヒフミさん』とその名前では呼ばなかった。
そうして自分の演技を見透かされた女。
「けひっ」
耳まで裂いた唇より更に深く、内部の赤までよく見えるように釣り上げた。 - 3181じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 22:15:24
「なぁんだ、なんだ!そうだったか!余はとんだ道化を演じてしまったという事か!」
「拙い演技はお仕舞いですか?」
「うむ。余は」
女はずるりと、皮を剥いだ。
【九日目豺ア夜・特殊イベント】
【9譌・逶ョ繧キ繝ウ繝、・繝医け繧キ繝・繧、繝吶Φ 縺ィ】
【9日目深夜・特殊イベント】
【Recommend BGM……〈the butterfly emerge〉】
肉体を突き破るのは無数の腕。それらが共喰いでもするように肉を引きちぎり、骨を奪い合い、皮を互いに奪い合う。
内臓を一つずつ掲げながら、心臓を粘土細工のように丸めていきながら、奪い取った骨で脳に皺を刻み直しながら。
そうして長い変態を終えた肉塊は。
「───満足した」
静かに血に染まったドレスを翻して艶然と其処に立っている。
小柄な体格に見合わない色香は退廃を誘う。
自身の血に濡れた金の髪はいやらしく光り輝いている。
真紅のドレスからは未だ止まらない雫がこぼれてはカーペットを濡らす。
あどけない顔立ちには絶対の自信、そして美しい唇には蠱惑的な微笑み。
絶世の美女が其処にいた。
それを静かに、ひっくり返りそうになる胃を必死に抑えつけたナギサは。
「ならば名乗りなさい、下郎。土足でトリニティに、ティーパーティに踏み込んだのです。せめて手土産の一つぐらいは準備したら如何ですか?」
ティーパーティの長として問うた。 - 3191じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 22:25:25
それは正しくトリニティの頂点に立つ少女として余りにも完璧な態度、完全な対応。だがナギサは知らない。知るはずもない。
「手土産……手土産か。そうさな」
底知れない邪悪とは。奈落の奥底で人々が抱える悪意とは。脳髄を蝕む恐怖とは。目の前の女を指すのだと。
「こういうのはどうだ?」
一言、そう呟いて、『女』は自身の頬を貫いて『かき混ぜた』。
「……っ」
何を、しているとは今更問わない。先ほどまでの変態を見届けている。それに戸惑うことはあれど、どんな物を見せられようが問題ない。そう信じて疑わなかった、その次の瞬間に。
「……うそ」
それは容易に想像できても良かった。
ナギサの目の前で、つい先刻前に仮眠室へと戻った行政官の少女。言ったではないか、『すれ違った』と。ならばそう、そういう事はあり得るのだ。
「どうだ?先ほどの阿慈谷ヒフミのそれはスキルであった故な。どうしてもネロ・クラウディウスの演技に左右されるが……こちらは違うぞ!」
少女がいた。つい先ほどまで見たその顔が前にいる。絶世の美女を顔面を掻き混ぜるという不可解な現象の後に、また姿を変えていた。
「まさか……あの時から……!」
そう言ってナギサが踏鞴を踏むのは仕方ないだろう。またもや競り上がりそうになる気配を胃から感じるのは、他でもない。目の前の顔と同じ少女が用意した夜食を食べてしまっていたから。ならば、毒かと頭の中で幾つもの『最悪』が通り過ぎて。
「いいや違う」
「言ったであろう?先ほどはスキルだったと。これはな───余が喰った女の顔だ」 - 320二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 22:36:43
喰った女の顔ってことは喰われた犠牲者が出たってことかな?
それが本当ならやばいな - 3211じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 22:45:13
すぐにその最悪を塗り潰す最低な現実を脳に叩きつけられた。
「ぅ……ぁ……ぇ?」
「うぅむ。なに、少しばかり歩いておったらな、挨拶もせずに通り過ぎていったのだ!無礼であろう!失礼であろう!まぁ、余はその時気配遮断のスキルを『獲得』しておったがな」
笑い声は驚くほど美しい。その音は甘く、耳を溶かしてしまうのではと思うほどに。けれどその音は、人間という生物ではとても理解しきれない悪意だけが乗せられている。
「故、仕置きをした」
「しお、き……?」
「うむ。実に愉快だった!部屋に入ったと思ったら其処はこの皇帝!余の『胃袋』と部屋の入口を繋げておいてな!何せ余は『暴食』!我が黄金に不可能はなしだ!」
鸚鵡返しをする他ないナギサに自らを暴食と呼んだ女は嬉々として語り続ける。
「後はそのまま消化した。最初は理解できんかったようでな、惚けておった物だからまず膝から下を喰ってやったのだ。そうしたらどうしたと思う?そうだ!泣いても叫んでも誰も助けに来んというのに必死に喚き続けるのだ!あれは傑作だったぞ!」
どうやって吸収されていったのかを事細かに、少しずつ、丁寧に。ナギサの心を削り取っては味を確かめるように。女は喋る事をやめはしない。
「ナギササマー!ナギササマー!タスケテー!」
「くっくっ……ゲハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」
「無様だったぞ、嗚呼本当に!この上なく醜く泣き喚きおった!ナギササマー!ナギササマー!誰にも聞こえんというのによくもまあ吠えた物よ!」
止まらない。止まるはずがない。一人の生徒をこのキヴォトスから消した女は。ナギサを気遣い、そして今日までティーパーティを支えてきてくれた部下は。大した理由もないまま悪意に呑まれて死んだのだと、他ならないその少女の顔と声で聞かされて。
「……て」
「それでな!それでだな!足が消えて、腕が消えて!ない、ない、ないぃぃぃぃぃ!!くくっ……あはははは!堪らんではないか!時々幻肢痛を見せてやったり痒みを出してやったりな!そうするとないと言うのに其処を庇うのだ!」
「……めて」
「あぁ、あれも良かったぞ!時間だ!時間を刻んでな、毎回同じ時間になると少しずつ奪ってやるのだ!一分たつごとに自分の指が消えていくのに気づいた時には身体を埋めて怯えてな!」
「……やめて」 - 322二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 22:51:32
ナギサ様が超ヤバいけど、ヒフミの直感が働いてて助けに来てくれると良いなぁ…(願望)
- 3231じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 22:56:04
「それから……うむ。これはとっておきだ。実はな、余、別にこれが初めてではなかったのだ。それでな残しておいたのだ───他の者の心臓!それをだなぁ、どうしたと思う?くくっ……ははははははっ!傑作だっだぞ!あの顔は思い出す度絶頂しそうになる!それ、当ててみろ。桐藤ナギサ」
「やめて……!」
にやにやと自分を慕ってくれた少女の顔で問われても怯えたように後退る事しか出来ない。何も考えたくない。そんな拷問を受けて、少女がどうなったかだなんて───。
「目の前でその者の心臓を入れ替えてやったのだ!」
「やめろぉぉぉぉッッ!!」
ナギサからの答えは引き鉄を引く事だけだった。
放たれるのは九発の狂気。耳を塞ぐ事すら忘れて目の前の女の口を塞ぐ事しか考えられなくなって。
そうやって放たれた弾丸は正しく女の身体にめり込んだ。
鈍い音がする。人が床に倒れる音ではない。
「ひ……っ!」
血の滴る肉を掻き分ける音だ。
「やれやれ、人がまだ話しているというのに。なんだ桐藤ナギサ。お前の皮と面は美しいからそれに免じて話してやったというのに」
頭蓋骨に中指と親指を突き刺し、ほじくり返しながら女は目当ての物を見つけるとそれを器用に摘んで取り出す。摘み出した9mmの殺意をしげしげと眺めてから女はつまらなそうに言った。
「お前にも仕置きが必要だな」 - 3241じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 23:15:58
女はその手に握った剣を振るう。キャスター、そしてバーサーカーと同じ世界の者であれば知るやも分からぬその銘は『隕鉄の火『原初の鞴』』。常であれば担い手にして作り手である主人の霊基に併せて色を変質させる剣、その贋作は。
「……や、やだ……やだ」
なんの罪もない少女を狩りたてる処刑刀の役目を嬉々として受け入れて常のそれよりずっと深く、赤く、血色に染まる。
「なに、実を言うとだな。それが仕事なのだ」
気丈なナギサの口から漏れ出した幼いまでに情けない小さな悲鳴に、喉を鳴らしながら女は言う。
「余は随分と人使いが荒い。他の余には楽しげな仕事を任せているというのに余には桐藤ナギサの様子を見てこいというのだ!理解はできるが納得できるかは別!味見の一つも許さずに阿慈谷ヒフミへの手土産とする……なんともはや、暴食の名を与えておいて酷い扱いではないか!」
徐々にヒートアップするように女の語り口は熱を帯びていく。びしゃびしゃと下品に足元に出来た水溜りを鳴らしながら地団駄をする様は幼い少女のよう。その水溜りの正体が真っ赤血と溢れて落ちた脳漿でなければ、きっとそう見えた事だろう。
「おまけになんだ!何処のどいつとも知れん小鳥が耳元で囀り出すはすこぉし摘み食いした程度で余は怒られる始末!挙げ句の果てになんだその態度は!余が折角喋りたかったのを邪魔するとは!余は全て!全てなのだ!全ての余の物なのだ!この世は全て余の食饌に過ぎんというのに!───それをなんだ、お前は邪魔したのだぞ?桐藤ナギサ」
足を鳴らす。床を踏み抜かんばかりの勢いで。それは校舎を揺らし、ナギサの恐怖を煽っていく。脳髄に突き刺さる本能的なそれは被捕食者となったが故。そう、人は。
「であれば良いだろう?であれば良いであろう?仕方がない、これは仕方がないのだ。だって」
誰も彼も。
「くぅくぅおなかがなってしかたがないのだから」
本能には勝てないのだから。 - 325二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 23:29:16
犠牲者出た状況からどうやってハッピーエンド行けばいいんだろう
ハッピーエンドどころかキヴォトス滅亡すらあり得そうなんだけど
ビーストならキヴォトスを滅ぼしかねないし - 3261じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 23:31:27
腰が引けてしまう。立ち上がっていた筈なのに、いつの間にか床に這いつくばっている。今から自分は殺される。その事実をはっきりと理解した上で、なのにナギサの体は動きはしない。
「い、痛みはな!痛みはないぞ!そうだ!快楽に変えてやろう!あまり物でちょうど良いのがあるのだ!まずは脳をな!削り取ってそこに」
女がまるで泣く赤子でもあやすように甘い声をかけながら近づいていく。けれど必死に自分の背にある隠し扉へと行こうとするナギサは女の顔を見ていない。見ればきっと分かるだろう。女が吃るのは何もあやそうとして甘い声を出しているのではない。堪えきれない食欲と、これから味わう美食を想像して途方もない快楽を味わっている事は、女の顔を見れば分かる筈だった。
「(にげ、なきゃ。にげないと……にげないと……!)」
だった1メートル。万一に備えて用意された隠し扉だ。執務机からの距離なんて数歩分もない。だというのに。
「(なんで、なんで!なんで……!)」
動かない。まるで夢の中にでもいるように足が全く動かない。それでも必死に身体を動かす。芋虫のように這ってでも前へ進む。たかだか5分にすら満たない時間。冷静に考えれば既にナギサは女の胃袋に収まってもおかしくないというのに。
「……嗚呼、やはりいいなぁ、お前は。良いぞ、その醜態、その意地汚なさ。実に美しい。実によく実る。嗚呼、余はお前がこのキヴォトスでとびきり好きだぞ」
当たり前だ。ヒフミに化けていたその時から二人の距離は後一歩分まで近づいていた。だというのに、まだほしょくされていないのは、女にとって今この瞬間こそが。
「(あと……ちょっと……!)」
汗でドアノブが滑りながらやっとの思いで扉に手がかかって。
「……ぁ」
目の前に広がる肉の壁に。
ナギサは理解する。 - 3271じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 23:43:33
「おぉ!なんと健気な主人だろうか!『部下』と同じ形で喰って欲しいとは……うむうむ、良い良い!余はそういうの大好きだ!」
非常扉の向こうに広がる光景が、自分の部下が見た物と同じだと気づいて、そこでようやく自分が詰んだ事をナギサは理解して。
俯いて逸らした視線の先、床に出来た二人分の影に甲高い悲鳴をあげた。
「どれ!折角ならな、実は臓器は全て残してあるのだ!どれが合うか分からないが、現代の娘というのは着せ替え人形で遊ぶと聞く!好きなだけ入れ替えてみるとしよう!なに、きっと合うのがある。それからだ、それからゆっくりと、余と一つになろうぞ!」
「ぁ……や……や、だ……」
「恐れるでない。逃げるでない!世界は全て、余の食饌。であれば馳走は黙して待つが良い。そうすれば余の腹は満たされて、余は笑顔になる!おお素晴らしきかな!これぞ、うぃんうぃんだ!」
誰もその間違いは正せない。たとえ誰がいたとしても止められない。最早ナギサにこの窮地を脱す術はその須くが間に合わない。今ナギサに出来るのは。
「やだ……や、やだぁ……じに、おぇっ……!」
ただ嗚咽を漏らすだけ。そしてそれすら女にとっては甘露にしかならない。明らかに人の口腔内に収まりきるはずのない長さの舌をだらりとぶら下げて、その先端を徐々に徐々にとナギサの瞳へと近づけていく。
「おお、泣くな、泣くな。余が拭ってやろう。喰ってやろう……目玉ごと抉ってしまったのなら、その時はなんだ。うむ!一等大きな悲鳴を聞かせてくれたのならば、幻肢痛を与えるのは5分に1度にしてやろう!」
「やだやだやだ……!じぬの……やだぁ!やべでおぉ……!」
そう、間違いなく。ナギサにとってここが終わりだった。
「さぁ、余が喰ってやろう。一つにしてやろう。そうして───」
たった一言。
「お前の皮と顔と声で、阿慈谷ヒフミの絶望を焚べてやろう!」
女が自分の目的を声高に叫ぶのを我慢さえしていれば。 - 3281じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 23:51:53
気づいた時には弾丸が女の肉を抉っていた。
「───は?」
物も言わせぬ9連射。へたり込んでいた筈のナギサはいつの間にか顔をあげ、その手に愛銃を構えている。そのままなんの澱みもなく滑らかに立ち上がると共にマガジンを交換し、狙いを定めるまでもなく、撃つ。
けたたましく放たれる激昂。それは。
「……させるわけないでしょう」
あり得ない姿。恐怖していた。立ち上がれる筈がなかった。神秘に対する究極のカウンターである『⬛︎⬛︎』にして『⬛︎⬛︎』たる自身の『権能』がなんの効力も発揮していない。両手に掴んだ感触のあった絶望が物の見事に消えている。女には。何も。
「……私の顔で、声で」
立ち上がり、自分を睨みつける桐藤ナギサから溢れんばかりの輝きが理解できない。そんなご都合主義はあり得ない。そんなコデックスは通用する筈がない。
「ヒフミさんを苦しめる?そんな事……そんな事をこれ以上、あの子に……!」
そう、それは間違っていない。だからこれはルール通り。女が言った言葉が、本能に刻まれた恐怖すら呼び起こす『友情』という名の逆鱗に触れた。
「させるわけがないでしょうが───!」
ただそれだけ。故に。
「うーん。余はそういうの」
「好きじゃないな」
結果は覆されない。 - 3291じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/02(土) 23:58:42
肺の中にあった空気が全て吐き出されたのがナギサには分かった。女が呟いた次瞬間にはナギサは壁に叩きつけられていた。
「そういうのは駄目だぞ!余は余の言う通りにならん物語は気に食わん!そうだ、余が食べたいと言ったのだ!餌であるならきちんと母の元に変えるのが道理であろう?」
「……か……は……っ」
「こら!余が喋っておるのだ!きちんと話すがよい!」
息も吸えないようにしておいてその物草にナギサは場違いにも絶望より呆れが来てしまうを
喉輪を絞められ、窒息をしかけられ。挙げ句の果てにこの後消化される。その結末はナギサには結局変えようがなかった。
「良いか!余は喋れと言ったのだ!しゃーべーれー!」
「ぁ……か……ぁ……ぐゔ……っ」
ほんの一分。たったそれだけ。それだけしか変わらなかった。こうして桐藤ナギサはこの重なってしまった交差点の物語から退場する事になる。
どうあろうとその結末は変わらない。ハッピーエンドが用意されなかった物語としてはきっとそれは間違いなく正しいのだから。 - 330二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:04:18
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- 331二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:12:55
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- 332二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:14:32
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- 333二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:17:18
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- 334二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:18:20
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- 335二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:19:49
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- 336二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:24:07
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- 337二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:25:45
このために準備してたから手が回んなかったのか、熱い。さすがっす先生
- 338二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:30:17
アーラシュがアビドスにいてセリカと話してたのって千里眼で予知しててとか可能性はあるか?
- 339二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:32:13
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- 340二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:33:40
なるほど、というかホシおじが戦ってたの初めからアーラシュじゃなくて件の聖杯のアーチャーの方だった?
- 341二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:41:46
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- 342二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:43:11
お疲れ様です
5つの戦場から好きなところを一つ選ぶのか
どこにするか悩むな - 343二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:47:24
おつかれさまです
ナギサの窮地に間に合うミカ良き - 344二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:53:36
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- 345二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:54:23
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- 346二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 01:01:23
おつ乙!
怒涛の展開だった!
個人的には今回みたいな『信用ならない視点主』的なのは大好物なんでホクホク
んで推定大淫婦やることエグ~い(癖なのはナイショ)
ミカたちにはきっちり〆てもらいたいね! - 347二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 01:10:52
- 348二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 01:18:30
- 349二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 01:21:22
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- 350二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 01:28:02
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- 351二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 01:53:14
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- 352二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 02:26:12
そういや、
”「余は随分と人使いが荒い。他の余には楽しげな仕事を任せているというのに余には桐藤ナギサの様子を見てこいというのだ!理解はできるが納得できるかは別!味見の一つも許さずに阿慈谷ヒフミへの手土産とする……なんともはや、暴食の名を与えておいて酷い扱いではないか!」”
ってセリフから察するに、聖杯のサーヴァントは七つの大罪を司ってる感じかな? - 353二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 06:40:35
お疲れ様です
おぉぉぉぉ、激アツ展開キタコレ!!
しかし、ビースト案件となるともう普通に聖杯戦争してる場合ではなさそうですね
対ビースト時にどれだけ味方を増やせているのか……そこが鍵になりそう
そして、この後ヒフミちゃん達にビーストの情報が入ればどんなビーストなのかArcadeで相対した事のあるセイバーさんなら気付きそう - 354二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 09:12:03
- 355二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 11:15:59
というかこの聖杯鯖全員ネロちゃまwithドラコーってところかな
クラス適正どうしたって話だがまあそこは皇帝特権でごり押しか - 356二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 12:05:02
そういえば最初の召喚候補にネロいたんだよね
- 357二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 12:28:14
全員ネロというか聖杯の〜はドラコーの端末の魔獣赫っぽい
んでミカと相対してるのは暴食ってことから第四模倣特異点で出てきたグラかな - 358二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 13:33:22
思えばお詫びボーナスで取り消した時計台の時のハナコの熱烈歓迎って、もしかして聖杯のサーヴァントとの遭遇だったのかな?
- 359二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 14:01:52
……あー、とても恥ずかしいんだが。
二度寝したら今起きてね、さっぱり書き溜めも準備も0なんだ。本当に私の過失でも申し訳ないんだが時間を頂戴したい。かなり先だが夜19時からの投下に予定変更させてほしい。本当にすまない……
そうだね、そんなテイストにしているつもりだよ。安直だが、ここまでかなり難解な物語になってしまったんだ。たまには変にひねらず、だよ。
ありがとう。私は昔から援軍が間に合ったりするシーンが好きでね。
少しゆったりした状況を動かすためには必要なテコ入れだったけど、それでも聖杯のサーヴァント自体はそこまでじゃないから安心してほしい。
貴方が読み手として私の拙い文章の中から私の意図を読み取ってくれるぐらい、優れてかつ気を遣ってくださる方でありがたいよ。……ありがとう
そうだね、半分正解だ
当初の第一候補は紅閻魔だったけど、当然ネロも候補にしてたよ。EXTRAの相棒サーヴァントだしね。スキル含めて非常に優秀なサーヴァントだから
うん、ほぼ正解だ。
取り消さなかった場合、あの場に来ていた聖杯関係者に直接会う事になるのが私が当初予定していた流れだよ。
- 360二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 14:43:08
- 361二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 14:47:24
- 362二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 15:19:07
実はアプリの方だと超巨大属性ないんだよなドラコー…
アーケードの方であれば確実に乗るとは思うけど - 363二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 17:48:07
- 3641じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 17:54:34
やぁ。全然準備が終わらなくて焦ってる1だよ。果たして19時に安価開始できるのだろうか。あとセイアの実装はまだかな?
とりあえず本編開始前に新しくなった戦闘イベントのシステムについての説明をしておこう。リニューアル、というやつだね。
まずリニューアルする理由を話そうか。
一つ目はみんなも分かっていると思うけど、同盟陣営が強すぎる。勿論敵サーヴァント、特にライダーとランサーに関してはある程度拮抗できるがぶっちゃけキャスターというかヘルタースケルターがとんでもない。強すぎる。だからそこらへんを数字は弄らず、微調整だ。
二つ目は戦闘イベントを面白くするため。上と似た理由だけど、勝てて当然の試合を『毎回』するならスキップしてしまえば良くなってしまう。みんなの時間をもらうんだ。既知ではなく未知の結末を見に行きたい、私はそう思うよ。あくたえすとふぁーぶら、だよ。
さて。基本的な流れは変わらない。
戦闘は3ターン。
筋力他5種のステータスから1つ選択、スキル、宝具、そして聖杯戦争期間中に3度しか使用できない令呪の使用を選択する。
相手は🎲でステータス・スキルを選択。宝具は1d100を毎ターン開始前に振って合計100pt以上になったらそのターンに使うよ(ただし防御系の宝具それ以外にも味方サーヴァントの宝具使用に合わせて使用してくる)
変更したのは以下の点だ。
①各ターン開始前に先手後手を決める。
各ターン開始前に双方の🎲を振って大きい目が出た方が先手か後手を決められるよ。後手は相手のステータス・スキル選択を見てから行動選択できるメリットがあるね。先手に関しては以下の変更点にメリットというか導入した理由があるよ。
②各種ステータスにプラスボーナスを導入
先手を取った時だけ反映されるボーナスだよ。先行というのは強いからね。
各種ステータスのボーナスは次の通りだよ。
筋力:クリティカル補正(1.5倍)
耐久:勝利時にそのターンのダメージ完全無効
敏捷:次のターン、連続攻撃可能
魔力:魔力選択後も宝具使用時にコスト運用できる
幸運:↑四つの効果からランダムで1つ発動 - 3651じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 18:01:49
③連続攻撃と回避/防御処理について
ステータス敏捷と耐久についてだね。
先手で敏捷を選んだターンに判定で勝利したら次のターンも先手になるよ。
ただし一度の戦闘イベントで連続して同じステータスは選べないから毎ターン敏捷を選択して連続攻撃……なんて事は出来ないよ。
回避/防御についてはサーヴァント同士で戦う時または味方生徒がサーヴァントの攻撃を受ける時の2パターン、そのターンの行動を放棄する代わりに回避できるよ。そうだよ、判定はサーヴァント同士で必ず行うけど、ダメージだけは生徒に向かう時があるのさ。そこら辺は🎲監督次第だけどね。
SS的には戦闘の余波だったり、味方サーヴァントの攻撃をいなしつつ生徒に攻撃した、みたいな感じになるかな。誰を狙うかは敵サーヴァントの行動決定時に判定するよ。
さて、話を戻そう。
回避は相手の行動の判定値と自分の敏捷か耐久の判定値を比較して判定だ。
相手より自分の判定値が上回れば成功、そのターンは全てのダメージを受けない。
下回ったらそのままダメージを受けるよ。
ただし自分の敏捷/耐久ステータス分のダメージを軽減できるよ。
勿論、スキルも反映されるし敏捷と耐久どっちも使う、なんて事もありだよ。
そして最大の特徴は回避/防御はその特性上、『後手』を選択した場合のみ使用できる。後手も有利にしないとね。
ただし、一度使った敏捷/耐久はその戦闘イベント中には再選択できないから注意が必要だね。
それから連続して回避/防御は選べないよ。ポケモンの「まもる」とかと同じ仕様だね。 - 3661じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 18:05:11
④敵陣営の動きについて
今までランダム性が強かった敵陣営だが、こちらもテコ入れだ。具体的に言うと次の通りだよ。
1.先手の場合は宝具発動に+10ptボーナス
2.後手の場合は選べるステータスから自動的に確定で敗北するステータスを1つ減らす。例えばセイバーが耐久:A+を選んだら、それに判定負ける数値のステータスを1つ減らして4つのステータスから🎲で選ぶ感じだね。
理不尽感なく強くするとこういう塩梅になるかな。
たまに悲しみに燃える敵陣営の魔力増大ぐらいとかいうFGOの小ネタはするかもしれないけど……まぁ盛り上げ要素だよ。
⑤使い魔の仕様変更について
固定値30は強すぎるよ。という1の見通しの甘さは今は置いておこう。まず1回の戦闘イベントで使用できるヘルタースケルターやオートマタのような使い魔の数を減らしたよ。
まず相手の使い魔と数を比較してその差分だけ使用できるよ。相手が7機、こちらが4機だった場合は相手側が3機使ってくる、そういう話だね(拠点の数じゃないよ、その時にいる数だよ)。
ただし戦闘に参加するのは敵のサーヴァントの数までだよ。なにせ固定値30は強すぎるからね。
数の強みは減ったけど、作っておかないと相手側だけ常に使い魔を使用できる状況だから、これまで通りヘルタースケルターやオートマタを用意しても現状『も』無駄にならないようにしてみたよ。
⑥前衛後衛の導入
戦闘イベントで運用できる、より正確に言えば行動の指示ができるキャラクターを3人/騎まで絞る事にしたよ。ヘルタースケルターAがオートマタBに攻撃してああだこうだ指揮してもらうのは正直申し訳なかったし、私も処理が煩雑になるからね。
前衛メンバーは戦闘開始前に選ぶよ。動きは前と変わらない。サーヴァントはステータスを、生徒達は攻撃か妨害を選べる。
後衛メンバーは戦闘イベント開始時にその場にいる前衛に選ばれなかった生徒やサーヴァントだ。
彼らは直接戦闘には関われないけれどスキルで毎ターンランダムでスキルで応援してくれるよ。
SSだとメイン描写だと戦ってるけど支援に徹してるって感じになるね。
イメージはストライカーとスペシャルみたいな感じだよ。前衛が3人/騎までなのは言わずもがなだ。 - 3671じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 18:12:14
⑦ダメージ処理について
ぶっちゃけHPが減らなすぎるからテコ入れだよ。緊張感に欠けるし各種アイテムが無駄になるしSSにしてて矛盾するからね。
先手の耐久を戦闘した場合を除いてお互いの攻撃で必ずダメージが発生するようになったよ。
判定に勝利したら判定値分のダメージを相手に与えられるよ。判定に敗北した側も自分の判定値と相手の判定値の差分だけダメージを与えられるよ。
例えば味方の筋力:A(50)と敵の筋力:B(40)がぶつかったら味方は相手に50ダメージ与えられるけど、相手からも差分の10ダメージを受けるよ。
要するに私が処理する事は増えたけど、みんなは今まで通りサーヴァントや生徒の行動を選択してくれたら構わないって事だよ。
色々書いてて疑問点やここ変じゃないかなというのがあればまた教えてやってほしい。色々手直しして、少しでも楽しかった、参加して良かった。ほんの僅かでも砂粒ほどでも思ってもらえるよう1も尽力したいと思ってるよ。
他の方も言っているようにアケ版なら特攻が乗るし、FGO版のドラコーは乗らないよ。1は1臨の童話みたいな霊基が好きだよ。スリットもかわいいしね。
ありがとう。そういうサイトがあるのか、それとも画像編集アプリとかなのかとか、そういうのに疎くて1は分からないんだ。
でも貴方が自分の時間を使ってそれを用意してくれた。それが私はとても、本当に嬉しいよ。
ありがとう、素敵な人。
- 368二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 18:36:18
ダメージ処理についてですが、その処理だと相手にステータスで大きく勝った時の方がダメージ受けてしまう様な?
- 3691じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 18:48:14
- 370二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 18:49:17
一応、改善案として考えたのだと、
相手の判定値×(相手の判定値/こちらの判定値) みたいなのも考えはしました
例の様に接戦の場合(こちらの判定値50、相手の判定値40の場合) 40*(40/50)=32
こちらが大きく勝ってる場合(こちらの判定値100、相手の判定値40の場合) 40*(40/100)=16
みたいな感じになるので。
元のだと
例の様に接戦の場合(こちらの判定値50、相手の判定値40の場合) 50-40=10
こちらが大きく勝ってる場合(こちらの判定値100、相手の判定値40の場合) 100-40=60
みたいに、大きく勝った場合、逆に受けるダメージが増えてしまうので - 3711じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 18:56:57
- 3721じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 19:02:04
さて、安価をしていこう。
まず今回の安価内容は『以下の①〜⑤戦場から1つを選ぶ』だよ。
トリニティ(ティーパーティ/市街地郊外)、ミレニアム、アビドス、ゲヘナから1つ選んでほしい。安価先は10レス先にしてあるよ、理由はまぁ諸々さ。
それから前提だ。今夜の戦闘は秘密裏に行われた物だよ。ゲヘナに関しては今とんでもないお祭り騒ぎなのもあるしね。
では下に各戦場の状況を書いていこうか。生徒のステータスはまだ内緒だよ。ただ敵のHPについては書こうか。敵のHPは共通して666だよ。
それから生徒の後ろに書かれている( )は前衛後衛どちらに固定されているかの表記だよ
①ティーパーティ政務室
戦闘目標:敵サーヴァントのHPを半分以上削る
戦闘ターン:通常/3ターン
味方陣営:聖園ミカ(前衛)、桐藤ナギサ(後衛)
敵対陣営:聖杯のセイバー
メリット:思う存分ぶん殴れる
デメリット:これ以上の情報はそんなにない
②アビドス
戦闘目標:敵サーヴァントのHPを半分以上削る
戦闘ターン:通常/3ターン
味方陣営:アビドス廃校対策委員会
敵対陣営:聖杯のアーチャー
メリット:ホシノちゃんのストレス発散
デメリット:特にない
③ ミレニアム
戦闘目標:2ターン以内にHPを1/5削って撃退
戦闘ターン:通常/3ターン
味方陣営:美甘ネル(前衛)、???(前衛)、???
敵対陣営:聖杯のランサー、聖杯のアサシン
メリット:次の戦闘イベントが楽
デメリット:目標がシビア - 3731じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 19:03:10
④ゲヘナ
戦闘目標:3ターン、シャーレの先生を守り切る
戦闘ターン:通常/3ターン
味方陣営:空崎ヒナ(前衛)、シャーレの先生(後衛)
敵対陣営:聖杯のライダー
メリット:最強
デメリット:先生がいるから情報の入手が……
⑤トリニティ市街地郊外
戦闘目標:味方陣営生徒が気絶しない
戦闘ターン:通常/3ターン
味方陣営:剣先ツルギ
敵対陣営:聖杯のバーサーカー
メリット:ちょこっとセイアが出てくる
デメリット:最強
生徒の戦力に対して大きな優劣をつけるつもりはないよ。それでも敢えてゲヘナが最強なのは『そういう』ことだよ。
それじゃあ安価だ。
安価先は>>383だよ。
①ティーパーティ、②アビドス、③ミレニアム、④ゲヘナ、⑤トリニティの5つから1つ選んで欲しい。
安価先が長めだね、つまりはそうなんだよ。すまないね。
ちなみに戦闘目標は3ターン後に集計するダメージレースで勝ったかどうかとは別の所謂ボーナスだよ。3ターン以内に達成したらその時点で戦闘終了も選択できるし、達成自体したらなにかボーナスするよ。
- 374二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 19:08:21
これ、選ばなかった戦場は負けたとかにはならないですよね?
安価は①で - 375二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 19:11:25
①かな
単純に好みと、あと折角だから前回の流れからの戦闘見たい故 - 3761だよ◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 19:14:04
- 377二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 19:25:19
前回の続きの①も気になるし、次の戦闘イベントが楽になるらしい③も気になるし、セクシーフォックスがちょこっと出てくる⑤も気になる……悩ましい……
- 378二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 19:51:22
①で
- 379二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 19:51:33
kskst
- 380二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 19:54:41
戦闘イベントが楽になるなら3を選んでおきたいが…
- 381二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 20:06:16
個人的には3が気になるけど、1をやりたい気持ちもある。悩ましい…
- 382二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 20:08:52
①
- 383二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 20:09:01
- 3841だよ◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 20:22:04
すまない、メモ帳をいじっていたら遅くなったよ。
安価への協力、ありがとう。
結果は>>383さんの『①ティーパーティ政務室前』での戦いになったよ。
話の流れ的にもそうなるのかな。というわけで『他の聖杯のサーヴァント』の詳細についてはひとまず伏せる感じになったよ。ゲヘナ以外は翌朝には各生徒会から情報が来るから安心してほしい。
ゲヘナ?それはまぁ……うまいこと言いくるめてほしいね。
とりあえず書いてくるよ。テンプレートを用意し直さないとだからね。ミカ戦はほぼ導入なしだけど。21時から戦闘イベントを開始するよ。
それから戦闘イベントが終わってから各地の戦況がどうなったかはお知らせというか🎲を振るよ。
- 3851だよ◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 20:24:46
- 3861だよ◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 21:02:21
- 3871だよ◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 21:03:17
- 3881だよ◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 21:04:06
- 3891だよ◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 21:09:31
【続いて】
敵サーヴァントの霊基データを表示します】
クラス:聖杯のセイバー
最大HP/現在HP:666/570
筋力:B(40+dice1d9=5 (5) )
耐久:B+(40+dice1d9=9 (9) )
敏捷:A(50+dice1d9=6 (6) )
魔力:A(50+dice1d9=3 (3) )
幸運:D(20+dice1d9=1 (1) )
【クラス別スキル】
スキル名:対魔力
ランク:C
効果:敵のステータス「魔力」によってダメージ受ける場合、1d30のダメージカット。
スキル名:暴食の権能
ランク:A
効果:不明
【保有スキル】
スキル名:不明
ランク:A
効果:ステータス魔力選択時に判定値に30ボーナス。魔力を30追加。水辺・都市にいる場合、ステータス敏捷・魔力・幸運選択時に判定値に20ボーナス。
スキル名:不明
ランク:EX
効果:判定値に1d44ボーナス(1d100で判定。成功値60以上)。判定時に劣勢だった場合、ダメージを1d44軽減(1d100で判定。成功値60以上)。HPを1d340回復。
スキル名:頭痛持ち
ランク:B
効果:⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎(⬛︎)を発動する場合、成功値に10追加。
【宝具】詳細不明
- 3901だよ◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 21:13:08
- 3911だよ◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 21:20:27
【先手は聖杯のセイバーからとなりました】
【聖杯のセイバーの動きを観測しました】
【ご確認ください】
【聖杯のセイバーの攻撃対象選択】
(ダメージを受ける相手となります。戦闘の判定自体は前衛のミカとになります)
dice1d2=2 (2)
1.聖園ミカ
2.桐藤ナギサ
【聖杯のセイバーのステータス選択】
①筋力
②耐久
③敏捷
④魔力
⑤幸運
dice1d5=4 (4)
【聖杯のセイバーの戦意pt】
100以上で宝具発動(現在累計0pt)
dice1d100=86 (86)
【敵サーヴァントのスキル使用】
セイバーはスキル使用をdice1d3=1 (1)
1.選択した(使用スキル第dice1d3=2 (2) )
2.選択しなかった
3.選択した
- 3921だよ◆cbItSHG.3g24/11/03(日) 21:23:34
【これより】
【安価を行います】
【1ターン目、聖園ミカの行動を選択して下さい】
【後衛の桐藤ナギサのスキルはターン開始時にランダムで発動します】
【聖園ミカのアクティブスキルのみ宣言があれば自由に発動します】
【また基本的には攻撃か回避となりますが、より詳しく○○しながら殴る等があっても問題ありません】
【安価先>>397】
【それでは皆様】
【よい行動を】
【なお】
【敵対陣営が先手の為、宝具発動ptに10ボーナスされます】
【ご注意ください】
【また】
【現在の桐藤ナギサのHPは】
【dice1d411=5 (5) (残りHPが102以下の場合自動気絶)です】
- 393二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 21:31:28
これって、気絶してる場合ってダメージ受ける対象どうなるんだろう?
ナギサが受けるって場合HP0以下になったら不味い感じかな?それなら回避だけど、
そうじゃないなら、普通に攻撃かな
それはそうとナギサのHP……
気絶しちゃってるからナギサのパッシブはかからないですよね? - 394二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 21:32:36
ナギサ様、瀕タヒやないかい!?
- 395二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 21:34:14
ほぼ100%次のターンに宝具が飛んでくるから回避は取っておきたい
問題はキリエエレイソンを取っておくか初手からぶちかますか
耐久が出たら打てないし今回高めの数値だから越えられるか不安だしでここで切っちゃうのもあり - 396二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 21:38:06
ナギサを庇う様な位置取りしつつ攻撃、かな
そういえば、今回は後手だけど、先手取れた場合って生徒は先手ボーナスとかはどうなるんろう? - 397二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 21:41:33
- 398二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 21:47:49
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- 399二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 21:52:37
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- 400二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 21:58:24
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- 401二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 21:59:16
後ろに庇ってるのに回避できるわけなくないか?
- 402二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:00:56
生徒EXスキルは宝具のように扱ってもらって構わないって事は相手の宝具発動時にぶつけて相殺狙うと良い感じって事なんじゃないかな?
- 403二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:11:44
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- 404二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:12:42
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- 405二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:15:12
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- 406二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:15:59
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- 407二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:21:02
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- 408二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:22:49
ミカが言ってた”『下手な』回避はできない……やるなら思い切って”に関してですが、今回は違いますがミカ狙いの場合はナギサが範囲を外れる様に大きく回避するべきって感じかな?、もしくはナギサを抱えて?
- 409二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:28:43
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- 410二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:30:24
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- 411二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:34:49
ナギサ様を庇う為にナギサ様の前に立って宝具ブッパで相手の宝具を相殺するしかないか?
- 412二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:41:27
- 413二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 23:01:09
ksk
- 414二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 23:11:31
- 415二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 23:20:51
- 416二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 23:30:06
- 417二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 23:37:10
- 418二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 23:38:44
- 419二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 23:45:12
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- 420二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 23:54:47
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- 421二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 23:55:59
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- 422二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 00:05:43
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- 423二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 00:08:31
やったぜ
- 424二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 00:10:38
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- 425二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 00:12:51
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- 426二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 00:22:51
生徒達が戦ってる場にもサーヴァントが助太刀に来てくれたりするシチュ好き(ゲマトリアのアサシンVSシスターフッドのランサーみたいに)だから他の場でもそうなってほしいぜ……
- 427二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 00:23:01
おつかれさまです
ネロとドラコーの宝具の名前が半々になってる感じか
開幕ナギサ瀕死で怖かったから、何とか勝てて良かった - 428二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 00:24:41
ミカつよーい!
いやまじで初手で撃っても勝利条件達成できる威力なんじゃが - 429二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 00:35:42
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- 430二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 00:38:28
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- 431二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 00:41:53
ミレニアム相手鯖二人から痛み分けに持ち込んだの?ちょっと強すぎんよー
- 432二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 00:47:24
完全勝利に関しては流石ホシノとヒナだなって感じだ
あ、そういえばナギサのHPだけど、残ってるHP自体をダイスで決めるんじゃなくて、今までの描写からそれに合った感じでダイスの範囲を決めて受けたダメージをダイスで振ったら良かったのでは?と思ったりはしたかも? - 4331だよ◆cbItSHG.3g24/11/04(月) 09:04:49
やぁ。1だよ。おはよう。
というわけで今日は15時から戦闘描写のSS投下、その後はちょっと悩んでるね。安価して他の戦場の様子をどこか一箇所だけSS書くか、もしくはヒフミ達の描写をちょろっとして安価かで悩んでるよ。また何かいい案等があったら教えてほしい。
あぁ、特に書く事なかったら好きな朝御飯か昼ご飯でも書いてくれるとありがたいな。本編のどこかで使うネタにしたいんだ
そうだね、正直ミレニアムは少し……うーん、まぁ少しかな、難易度高いからね。ネルは間違いなく強いよ。
少なくともアビドスとゲヘナが完全勝利、トリニティとミレニアムが痛み分けは1としてもある程度想定した結果に近いからありがたいね。
素晴らしい案だ。1の1d411ならそうそう酷い結果にならないだろうという見通しの甘さが招いた事態だからね。今本当に頭を抱えているよ。
というわけで次回から432さんの案をありがたく採用させてもらうよ。ありがとう
- 434二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 10:41:02
お疲れ様です
サンキュー、セクシーフォックス!!
早くセイアに声帯が付くことを祈りまする……
ミカが勝った、完!!
しかし、これで終わりではないだろうしヒフミ含む関係者達は早朝から臨時会議になるのかな?
なんというか……お疲れ様ですとしか言えねぇ……
そして、気になる戦場は……やはりミレニアムの戦場かな?
いや、しかし……推しのシロコちゃんもいるであろうアビドスも気になる…… - 4351だよ◆cbItSHG.3g24/11/04(月) 15:52:43
ちょっとまだ時間かかりそうじゃんね……
また19時に進捗報告するじゃんね……
お待たせしてごめんじゃんね…… - 4361だよ◆cbItSHG.3g24/11/04(月) 18:55:56
- 437二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 19:00:58
ナギサに関してはダメージは置いといて、気絶に関してはミカが助けに来たことで張り詰めてたのが解けてそのまま気を失ったって解釈したりする、とかはどうだろう?
- 438二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 19:09:01
ナギサのHP5ですからね
どれぐらいナギサの回復に時間かかるんだろう
トリニティとミレニアムに出現したサーヴァントはどうなったんだろう
他二つの戦場と違ってやられずに逃げたのかな - 4391だよ◆cbItSHG.3g24/11/04(月) 19:36:48
【9日目深夜・特殊戦闘イベント】
【Recommend BGM……〈Agnus Dei〉】
「おばさん……ふむ」
降り注ぐ雨を気にせずテラスへと躍り出たミカを待っていたのは、これから起こる惨劇に月すら顔を背けたのか曇る夜空と一人小首を傾げている『女』。
「あれ?もしかして自覚ない感じ?」
「いいや、考えていただけだ。余の肉体はこの地上における至極の芸術。それを如何にして貴様の矮小な脳は理解できるか、とな」
「んー、よく分かんないけど。でもさ、見たまんまオバサンじゃん☆」
けらけらとミカは雨に濡れながら嗤う。目の前の若作りした『老婆』を心から嘲りながらミカは続ける。
「もしかしてお外寒かった?ごめんね!年寄りに無理させちゃって!あっ、でも更年期なら涼しいぐらいでむしろちょうどいいかな☆」
聖園ミカ、という少女へのトリニティ新入生からの第一印象。綺麗、可憐、可愛い、美しい。その外見を形容し讃える物が多い事は予想するに難しくないがその詳しい内容を聞いてみれば意外と一致するのだと言う。
曰く、『夢見がちなお姫様』。
曰く、『とっても優しそうで意地悪なことなんて何も知らなさそう』。
甘いパステルカラーに身を包む幼い頃に夢見たお姫様を今も見ているよう。そして誰しも口を揃えるのだ。
「なんと。余の玉体、その美貌を理解できんとは愚かな娘よ。おまけに言う事欠いてオバサンとは」
「あれ?なんだか思ったより気にしてる感じ?だったらごめんね☆もう全然十代に見えないからさ!」
「良い。間違いは赦してやろう。この玉体はやつの全盛期、即ち十六歳のソレに遠くはない」
「えっ!?それで私より年下?あ、ごめーん☆今の気にしないで!」
そんな風に語られる少女は、その本質を知らない者達からの前評判をそっちのけにして愉しげに嘲笑う。
そう、聖園ミカを知る者に彼女のイメージを聞けば分かること。ナギサも、ここにはいないもう一人のティーパーティの長も、そして古書館の女主人もこういうのだ。
『聖園ミカは結構、イイ性格してる』と。 - 4401だよ◆cbItSHG.3g24/11/04(月) 19:38:41
海千山千、腹の底なぞ見えない政治を自治区の内外に亘って行う必要がある各学園の生徒会メンバー。それも巨大な学園と自治区を支えるトリニティのティーパーティ。その頂点の一つ、生徒会長の席に座る少女が単なる世間知らずのお姫様なわけがない。
トリニティ仕込みのトラッシュトークなぞ。
「……随分と口が回るではないか。うむ、良いぞ。所詮は只人、所詮は子供。見当違いも甚だしい言葉で必死に取り繕うその姿、寛大な余は聞いてやろう」
「わーお。すっごーい。若作りなおばあちゃんに感謝だね☆」
手慣れた物なのだ。
時に諸君。女性に対して絶対に話すべきではない話題を知っているだろうか。多種多様ある上に人によってウィークポイントは様々。だがこと年齢と外見に関しては。それは勿論、話題に出す事すら。
「……愚かな。事実として余の外観は老婆にあらず。挑発が苦手だと言うならやめておけ。貴様の足らない知性をこれ以上晒す事はあるまいて」
やめておいた方がいいだろう。何せミカの目の前にいる人間と称す事すら烏滸がましい『女』ですら青筋を立てるタブーなわけなのだから。
「余を見よ!正に美の極地!ヴィーナスすら平伏するローマの至宝!これこ「だって肌死んでるじゃん、お前」……は?」
「なにそれ粘土?それとも厚化粧?どっちにしても私達みたいな十代の肌じゃないよね。あ、あと普通に口臭い☆喋るな」
故に地雷。故に踏み抜く。聖園ミカは止まることなく、適当に思った事を言っただけの単語に思ったよりもずっと過敏に反応した馬鹿な女を嘲弄する。
自分の土俵に間抜けに入っている女を憐れみすら抱かずに馬鹿にする。
『時間』を重ねる。
「肌ケアもしてない、腐敗臭するから食事にも気を遣ってない、髪を汚してもへっちゃら、おまけに歯も汚ければ爪も血で汚してる。顔の作りとスタイルはいいけど後はそれだけ、手入れの一つもしてない人形なんてゴミ同然でしょ?ほんっと、すっごい小汚いから老けて見えるよ。だからごめんね、ちょっと十代には見えないかな☆いいとこ……やめとこっか。真実って残酷だもんね」
そう、ミカは『測っている』。自らが最も手慣れたその一撃を。幼少期から使ってきた、規格外の神秘の結晶を。 - 4411だよ◆cbItSHG.3g24/11/04(月) 19:40:14
- 4421だよ◆cbItSHG.3g24/11/04(月) 19:50:13
『室内』に響く轟音。拳大の隕石がその質量を乗せた速度のままに全部でdice1d10=3 (3) 発、セイバーへと降り注いでいた。
「あは☆耳も遠いんだね?オバサン」
そう、室内。半屋外とも言い換えられるかもしれないがあくまで此処はティーパーティ政務室のテラス。そんな場所にまともに隕石が降るわけがない。
ミカ自身、よく分かっていないのだ。
なにせ理屈や理論、果ては道理まで通り越して、聖園ミカが命ずるだけで『隕石』は落ちてくる。
たとえそこが室内であっても。最早ミカにとって、隕石という物は『そういう物』なのだ。
「降ってくる瞬間まで反応できないんじゃ、私にオバサン呼びされても仕方ないんじゃないかな?ねぇどう思う?ナギちゃん」
「……いつも言ってますが、ソレをあまり建物の中で乱用しないで下さい。修繕に幾らかかると思っているのですか?」
「もー!大丈夫だよ!今回はちゃぁんと微調整してるから!ほら、テラスに穴も開けないようにしたし!」
背中越しにかけられた文句にひらひらと手を振りながらも隕石の直撃を受けて蹲る女の様子を、ミカは注意深く観察し続ける。
「(演技っぽくはないかな。じゃあ単純にフィジカルが弱い。でもまだ粘っこい殺気消えてない。うーん、よく分かんないや。何考えてるんだろ)」
手持ち無沙汰にくるりと手元の愛銃を回す。目の前の女は倒れたまま沈黙を続けている。あれで意識を飛ばしてしまった、そういう話なら簡単だった。だが、未だ伏せられている筈の視線が滑りを帯びて注がれているのをミカは感じ取っていた。
「……ミカさん。今、救援を連絡し終わりました。すぐに正義実現委員会が駆けつける筈です」
「んー……ツルギちゃん?」
「いいえ。ハスミ副委員長と二個小隊」
「わーお、大人数。じゃあまあ、それまでコイツは私が身とけばいいかな」
意識があるのは分かりきっている。なのに起き上がらないのはこちらの隙を狙っているかそれとも援軍でも来るのかとミカは考え油断なく銃を構え続ける。
「えぇ……よろしくお願いします、ミカさん……」
「……ナギちゃん、大丈夫?やっぱりまだ調子悪いの?」
「いえ……ミカさんが来て少し緊張が解けたと言いますか……力が……」
- 4431だよ◆cbItSHG.3g24/11/04(月) 20:14:41
だが、『不可解』。意識がある事を悟らせる。隠そうともしていない。隙を狙うにせよ違うにせよ、それは敵に対して警戒して下さいと言っているような物。本当にど素人なのでは、なんて考えがミカの思考に浮上する中。ナギサとの会話で後詰の確認も取っていよいよと思っていた。
「もーっ!無理しちゃダメだってば!大丈夫。私がしっかりコイツ見とくから!……ナギちゃんは座って見てて」
「……ありがとう、ミカ」
「えへへ。どういたしましてっ」
その時だった。
「……けひっ」
女が、地の底から這い出すような下卑た笑いを上げた。
「……ッ。やっと起きる気?いいよ。何考えてるんだか分かんないけど、今度は不意打ちなしで「……ゔ……ぉぇ……」……は?」
これが訓練された兵士であればそうはならなかった。少なくとも得体の知れない状況、相手を前にして視線どころか身体まで反転させて背を向ける。そんな事はしないだろう。だが聖園ミカはあくまでもティーパーティの生徒。けっして特別な訓練を受けた治安維持組織の人間ではない。
だから咄嗟に後ろを。
「なぎ、ちゃん……?」
振り向いて見てしまう。心から大切な親友が、家族のように育った幼馴染が。今目の前で、目鼻から血液を流して崩れ落ちようとしたのを。自分自身何が起こっているのか理解しきれない顔をしながら呆然として、そのまま目の光を失っていく様を。 - 444二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 20:54:19
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- 445二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 20:56:58
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- 446二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 20:58:36
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- 447二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 21:26:18
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- 448二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 21:28:18
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- 449二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 21:29:21
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- 450二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 21:38:14
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- 451二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 21:48:42
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- 452二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 22:06:16
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- 453二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 23:09:49
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- 454二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 23:11:21
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- 455二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 23:24:53
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- 456二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 23:27:14
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- 457二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 23:28:00
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- 458二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 23:30:43
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- 459二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 23:39:43
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- 460二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 23:43:12
お疲れ様です
これ今までで一番の危機だったのかな
HP5の時点で相当やばいのにもしナギサが攻撃喰らっていたらロストしていたわけだし - 461二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 23:55:07
これナギサ死にかけてるし
流石にすぐに復帰は無理そうだな
ある程度療養が必要そう - 462二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 23:59:16
ほんま、ミカ来てくれなかったらナギちゃん危なかった。
これは個人的な予見だけど、多分ここまでミカが優勢なのはサーヴァントの相性的にミカが持つ『大天使』の神秘がドラコーモドキに有利だからと思う。
老いたる蛇(ネロorドラコー=サタン)は件の天使に対峙された、ってどっかの黙示録にも書かれているし。
まあ、このあとの展開は安価とダイス次第だが・・・ - 463二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 23:59:20
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- 464二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 00:06:29
- 465二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 00:10:48
前スレでの☆ボーナスは相当大きかったんだな
このボーナスなかったら色々まずい事態になっていたわけだし - 466二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 00:10:59
おつかれさまです
”ライダー戦後で疲弊したシャーレの先生、神聖の萌芽でありイレギュラーである砂狼シロコ、セイバー陣営の協力者である早瀬ユウカ、預言の大天使たる百合園セイア。このうち一人でも暗殺しておけば次の動きが格段にスムーズになる。ただ、それだけ。”
って記述的に聖杯のサーヴァント側はこの襲撃の先にも何か目論んではいそうだな
あと、コメントで蛇って記述見て思い出したけど、【9日目午後・特殊イベント】でナツが邂逅してたのも聖杯側の何かもしくは聖杯自体の可能性ありそうで、なおかつ捕食者みたいに書かれてはいたし、ナツの無事も心配ではあるな - 467二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 00:18:01
- 468二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 01:54:02
黒服はこの聖杯のサーヴァントについてどれぐらい知っているんだろうな
ある程度は知ってそうだけど - 4691だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 02:18:58
くるりと、マガジンを装填し直してからミカは銃身を回転させる。愛銃は心地よい金属音を鳴らして自身の健在を知らせてくれたことに満足しつつ、すぐに顔を顰めた。
「けほっ……あー、いったいなー……」
煙を吸い込んでは少しずつ調子を落としていく喉を確かめつつ、ミカは全身に走る切り傷や火傷を見る。
先ほどの戦い。間違いなく優勢だったのはミカだ。刃物を持った相手との初めての戦闘ではあったが、女の剣振りは間違いなく大した物ではなかった。膂力は目を引く物がある。ミカの攻撃をまともに何度も喰らって吠えるだけのタフネスも凄まじい。速度だって平地でかなりの物。身体能力は上出来だろう。それでもそんな相手とミカが優勢と言い切れるほどに渡り合えたの剣技の稚拙さが節々にあったから。
だがそれでも。
「(羽根も肌も、お手入れ大変なのになぁ……これじゃあ明日は先生のところ行くの……どうしよう)」
毎日欠かさずケアを丹念にして磨いてきたきめ細やかなシルクの滑らかさと色を魅せるミカの肌。それは今、痛々しい赤色で化粧されている。
そう、女の剣はミカに届いていた。動き回り、誤魔化し、何度も会心の一撃を叩き込み続けてもなお、その度に掠めた剣撃や熱波はミカに小さくない傷を蓄積させ続けていた。
「(まぁ、千切れたりしなかったし。折角だし奮発してエステとか行ってしっかりケアすればいっか!)」
幸いキヴォトスの住民の回復能力は勿論、医療技術も高い。どう見ても縫う必要がありそうなそれも、この後正しく治療すれば痕になることはない。とはいえ、幾ら治ると言っても、痛い物は痛いのだ。
「(これ、思ったより調子上がんないかも。あっちもなんか変な感じするし……なんだろアレ?こんな言い方したら失礼かもだけど、戦い方がなんか似てる……)」
痛みを自覚すれば、自然と思考が鈍る。戦闘による高揚、そして背にいる幼馴染を守るという理由。それによって騙し騙しで動かしてきた身体に、切り傷と火傷による焼けるような鋭い痛みと服の下に残る『打撲』による鈍痛。ゲヘナでの撤退戦からここまで文字通り全力で駆け抜け、そのままの連戦より蓄積された疲労。何よりも。
「(ナギちゃん……もうちょっと待ってて。必ず仕留めるから)」 - 4701だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 02:20:49
その姿勢に一分の隙もなく。
油断の欠片も見当たらない厳しい視線を未だ燻る炎のカーテン、その奥へと向けながらミカは親友を想う。片手で銃を構えながら、もう片方の手で密かに視線を送る事なく救護騎士団と正義実現委員会への指示を出す。瓦礫の向こうで今にきっとナギサの救出が行われている。そう信じて、戦う。
それは奇しくも、あの日の光景によく似ていた。自ら砕いた瓦礫で『彼女』と『彼』を分断した戦い。幾年も積もり続けた哀しみと絶望に、そして何よりも自身の苦しみにも終止符を打った戦い。それとは真逆であり、その結末と同じ物。誰かを傷つけるのではなく。
「……思ったよりも回復に手間取る物だな」
「うっわー、元気まんまんってカンジ?」
「当然。余は巨大にして偉大なる皇帝」
守る為の戦いなのだから。それを自覚した上で、揺らめく熱に焦げる床を踏みしめながら悠然と現れた女を睨みつける。敵は、万全の姿だった。
「巨木の前で蝿が羽ばたいて何になる。燃ゆる松明に向かって蛾が飛んで何が出来る。分かるか、聖園ミカ。お前がしている事はそういう事よ」
「うっざーい☆」
満身創痍、今のミカを見て百人が百人そう言うだろう。対する女は違う。怪我の後なぞ何処にも見当たらない。血に汚れていた髪も爪もまるで生まれたてのような輝きを炎を反射して瞬かせている。
「さて、第二ラウンドだ。余も、というよりも桐藤ナギサも時間がないだろう。今この場を退くというのなら、そうさな。お前を喰らうのは明朝まで待ってやるぞ。ん?どうだ?」
「あはは★お断りだよ、おばさん」
「ふむ、そうか……やはりお前は駄目だな。この場での最善を理解しておらん」
澱んだ翡翠の瞳は泥沼にでも浸けたように鈍く光る。それは輝きではなく、爛々とした嗜虐の悦。
それにミカもまた、最大限の警戒を敷きつつ次の動きに備える。 - 4711だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 02:35:56
「惚けた面だ。実に間抜けな顔よ。いいぞ、余の理を理解しておらん無様な小娘に相応しい顔だ。良い、赦そう。無知な臣民に手本を示すのもまた皇帝たる余の勤め。余が手ずから教えてやろう」
敢えて、緊張を高める。冷えた思考はそのままに、心拍数が跳ね上がっていくのを抑えたりせず、身を任せる。これからまだ戦う、まだ頑張るんだと脳に言い聞かせていく。
「それはな、余の晩餐を」
銃身を握りしめる。相手が一歩ずつ近づく。それに合わせてミカの右手に力が籠る。一歩、また一歩。焦れるように互いの間合いは詰まっていく。相手の意図を理解したミカはそれに乗るか、それとも別の形を取るかを、『先生』ならどうするかを考えて。
そうして決断したその次の瞬間に。
「余の、この『暴食』の権能たるギフトを与えられしセイバーたる余の為に其処を退く事だ」
開戦は───今。
暴食のセイバーの意図、そしてそれに敢えて乗ることを選んだミカ。二人の戦闘は先ほどとは打って変わってのインファイトから始まった。
だが、結果は先ほどまでとは少し変わっていた。
「こんのっ……!」
「(それでもやはり、ネロ・クラウディウスの動きについてくるか。聖園ミカ……厄介な娘よ)
自身の剣技に確実に対処しながらごく至近距離で銃声を掻き鳴らす少女に、暴食のセイバーは苦く思う。ミカが判断したように、ミカの身体能力は暴食のセイバーをしても驚愕するほどの物。それは女にとって予定していた物を遥かに凌駕する。
だからこそ仕切り直した際に使用した。生身のたかが子供に使う、その屈辱を受け入れて。先ほどまでは悉く発動の隙を潰された『皇帝特権(⬛︎)』の使用にする剣術の獲得。それは確かに小さく、だが確実に事を女にとって都合の良い流れへと持っていく。 - 4721だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 02:38:00
「(シャーレの聖人さえいなければ生徒なぞ如何とでもなる、そう思っておったが。これはゲヘナに向かった余もまずいか?いや)」
炎を翻す剣の一閃を、畳み掛けるような乱撃を、隙を縫う刺突を。
それらを銃床で搗ち上げる、銃撃で弾幕を作り応戦する、羽根を散らしながら翼の表面で去なす。
一進一退、だが僅かに。
「いっ……痛ぅ……っ!」
軍配は確かに暴食のセイバーへと上がる。
攻撃の交差が積み重なる度に、ミカの肉体にダメージと疲労が蓄積されていく。果たして万全の状態であれば如何だったか。もしもなぞ、語るべくもないが、それでもおそらく結果は変わらないだろう。
そもそも暴食のセイバーにとってその『残量』の回復は時間はかかれど、体力、そして怪我といったダメージは大した問題になりはしないのだから。どうしても、戦闘が長引けば長引くほどにミカ側はジリ貧となる。
「(問題あるまい。そうさせない為にライダーを、『憤怒』を送ったのだ)」
そうして明らかに均衡に傾きが、ミカの動きに翳りが生まれれば、女の思考にも余裕が出来る。
挑発や『星の呼び声』による不意打ち、魔力を使っての戦闘に想定以上の戦力との激突、桐藤ナギサを食せない可能性。先ほどまでは焦る要因に踊らされ、序盤からペースを崩された。間違いなくミカが戦況を握っていた。それを仕切り直した事で、女は己の優位性を取り戻し。
「どうしたのだ!軽口が聞こえぬではないか!」
「……うるっさい、なぁッ!」
蹴撃。当然、荒いその一撃は容易に躱される。
「知ってるッ……ってのぉッ!」
無論、ミカもそれは承知。躱され隙をつくるならば二の矢は備えているという物だ。蹴りに合わせてさらに銃撃。けたたましい咆哮はマガジンを撃ち切る覚悟。だがそれすらも大剣の刀身で弾かれ、斬り飛ばされる。周囲に炎が燃え広がり薄くなる酸素に混ざる煙ごと肩で息をしながら、スタミナが切れ出した自身の身体に喝を入れつつ、ミカの口元が苦々しげに歪む。
「(私を狙ってきてくれたらいくらでもやりようはあるのに……この女……!)」 - 4731だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 02:57:24
そう、先ほどまでの魔力に暴力的な面制圧から一点。白兵戦を中心にした戦い方に組み替えてきた女にミカは頭を悩ませる。ミカという存在を、それこそ小蝿でも払うように乱暴に攻撃してきた先ほどまでと違い、確実にミカの動きを、体力と気力を嫌らしく削る戦い方。それはなにも剣技だけではない。
「(徹底してナギちゃん狙ってるッ。……駄目、落ち着こう。回避するなら後方のナギちゃん掴んで思いっきり後ろに下がるなりしないと……)」
常にナギサの方へと向かおうとする。時にはミカを置いてまでそちらへの移動を優先する、そんな意図が透ける行動に出る。そうなればミカもそれを防ぎに回らなくてはいけなくなる。
それは戦闘での駆け引き。常であれば先生の指揮によるフォローがあり、また圧倒的なその天賦の才でゴリ押しできるミカからすればやり難く、そして経験が薄い部分でもある。
ミカは『後手』に回され続ける事で戦闘のペース、流れが掴めないでいた。
そんな中でも考える事をやめずにいるミカが思うのは回避、否。
この場からの撤退。瓦礫の向こう、その優れた聴覚で感じ取るナギサの浅い呼吸音。時間はもうあまりないことに足先から冷えた絶望が押し寄せてくるのをぐっと我慢してミカは秤に乗せる。このままナギサを連れて距離を取り再度仕切り直すか。それとも戦い続けて確実にここで『生徒に害を為す大人』を叩き潰して安全を確保するか。
「(でも……)」
銃撃を繰り返し、矢継ぎ早に残り少なくなり始めた予備のマガジンへと交換をしながらも、ミカの秤は不安と共に揺れる。親友の命が掛かっている。その事実がまた重く肩に伸し掛かる。そして不安だけではない。直感。嫌な予感をひしひしと感じていた。それは正しく戦闘における第六感。セイアが有する勘ともまた違う物。その第六感、感ずる気配が、嫌な予想が脳内で囁く。
「(コイツ、まだ隠し球がある気がする……下手な距離稼ぐぐらいならいっそ思い切って遠くまでか、それとも一気に撃ち切るぐらい必要かも)」
そう思案した、その一瞬の事だった。 - 4741だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 03:15:51
僅かにミカの身体が蹌踉めく。疲労の蓄積、それは限界を迎えつつある。桐藤ナギサが倒れてから既に30分近くが経過しつつある。瀕死に近づいていくナギサ同様、ミカもまた、限界が近くなっている。それ故に軸足としていた左足が僅かに緩み。
「ぁっ……痛ぅぅ……!」
燃え盛る炎の壁。暴食のセイバーの魔力と隕鉄の鞴が噴き出し、そこから延焼した備品から立ち昇る火に身体をぶつけてしまう。
その姿に、女は喉を鳴らした。
「けひひ……駄目であろう、聖園ミカ。動きの精彩に欠けるではないか。どれ、余が指導してやろう」
「……お生憎様。そういうの、私は間に合ってるから。それとも私が年相応のメイク、教えてあげよっか★」
「くっ……くはっ……強がりを言うなぁ、聖園ミカァッ」
にたりにたりと美しいその造形に似合わぬ気色悪い笑みを浮かべる女へと吐き捨てる。戦闘中のアクシデント。自ら炎に触れた事による動揺と痛み。瞬時に切り替えてもなお、ミカの集中の糸が細く引き延ばされる。
「(……いいや。退こう。これ以上やっても多分上手い事いかない。ナギちゃん連れて思い切って……)」
これ以上はコンディションが整わない。ミカは自身の秤を傾けた。そう判断を下し、この場を離脱しようとして。
「なに、遠慮するでない。余が手本を見せてやろう。戦場で人間を壊すというのは」
一瞬、目の前の戦場から意識が外れてしまった。それが間違いだった。
「こうするのだぞ」
その『敏捷』性、その素早さ。それをどんな風に喩えるべき。少なくとも刹那の隙を生んでしまったミカにその動きは見切れず。
「……く、か……ッ!」
疾走。後に轟音。暴食のセイバーは火の粉を散らしたかと思えば、ミカの意識は痛みと驚愕で溢れる。
一瞬で詰められた間合いをそのままに、ミカの顔面をセイバーは左手で掴むと押し倒すようにしてそのままミカの後頭部をバルコニーの床に叩き込んだ。 - 4751だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 03:24:31
「ごァ……痛ッ……ぎぃッ……!」
急激な加速で肺から空気が押し出される。後頭部に発する痛みで視界に星が散らばる。その全身に走る激痛がミカに教えるのは逆転されたという事実だった。
「くひ、くひひっ……」
嗤う、嗤う、嗤う。目の前の生意気な少女が黙りこくったその事実に。あれだけ自分を甚振ってきたというのに結局は敗北した哀れな姿に。
「げぇっははははははははは───ッッッ!!」
破顔一笑。堪らないと甘い声に怒声を混ぜた金切り声で狂ったように暴食のセイバーは嗤う。勝った。勝った。勝ったのだと。女は瓦礫の奥で徐々に衰弱しているだろう意識を失った桐藤ナギサにも届くようにと勝鬨をあげる。その姿はまさしく『獣』。人の姿をした化け物に違いなく。
「くひ、ひひひッ。ほれ、どうだ?分かったか?余は優しいからな。分からぬのであれば」
そうして『獣』は未だ意識を失わず、けれど言葉も発せずにいるミカの顔面を鷲掴みにすると。
「余がなぁんどでも、教えてやろう」
壊音。
「ぎぃッ……!」
また床に叩きつける。
「……が、ぁっ……!」
一度、二度、三度。
「……い、……ぁ……ッ!」 - 4761だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 03:36:37
その度に轟音が鳴る。その度に桜色の髪が赤く染まる。その度に大理石の破片が背中に突き刺さる。その度に聖園ミカの肉体に無視できない痛みが走る。小さな子が熊のぬいぐるみでも振り回すように。何度も、何度も。ミカの顔を掴んでは床へと叩きつけるを繰り返す。
「……」
何度繰り返しただろうか。いつしかミカの口から上がる悲鳴は聞こえなくなっていた。そうなるまでに恐らくはdice5d8=3 2 7 1 5 (18) 発。
最早、暴食のセイバーは数える事もミカの息が絶えてしまったかどうかも気にしないままただただ、振り下ろす作業を繰り返して。何も言わなくなったミカの顔を掴み。
「うむ!余は飽きたぞ!」
そう言って嗤う。静かに髪を染めながら伝う赤い雫、愛銃を掴んだまま生気なくだらりと下がった腕。幾度も繰り返された攻撃によってボロ切れのようになったティーパーティの制服。それは最早、辛うじて人の形を保っているだけの壊れた人形のよう。
「どれ、メインディッシュの前にはなんでも口直しをするのだとか。そういえばあの娘を食った後にそれをしていなかったな……うむ!よし!余は決めたぞ!」
そんなミカへと上機嫌に暴食のセイバーは唇を吊り上げながら話しかける。言葉の一つも返って来はしない。当たり前の話だ。だからこれは会話ではなく、宣言でしかない。
- 4771だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 03:43:39
「おお!そうであった!肉は叩けば柔らかくなるのだというぞ!うむ!この余が!手ずから叩いてやったのだぞ?きっと少しは貴様の肉も食えんほどではなくなっておるに違いない!」
誰もその凶行を止める者はいない。誰も聖園ミカは助ける者はいない。かつて限界を迎え、敗北を受け入れたミカを助けに来た先生は、今この場に来る事は出来ない。たとえ、他の生徒が間に入ったとしても、並大抵の生徒であればミカを助けるどころか、暴食のセイバーにとって食材が増えるに等しく過ぎない。
「血も抜けておるし丁度いい。桐藤ナギサの前に貴様を頂くとしよう、嗚呼、安心するが良い!余をしかと追い詰めた愚かで醜い頑張り屋さんなお前には褒美もやるぞ!よし、そうだな……うむ!決めたぞ!お前は一つずつ腑分けをしながら食ってやろう!どれ、褒美だからどこから喰って欲しいか余に申してみよ!」
最早セイバーの勝利は誰の目から見ても動かない。あれほど優勢であった聖園ミカは敗北した。もしも、体調が万全であれば。もしも、桐藤ナギサが支援できていれば。もしも、聖園ミカと同じ実力者がこの場にいれば。もしもがあればの話は尽きることはない。何故なら聖園ミカは敗北したのだから。そうして末期の言葉すら自分の欲望で捻じ曲げんとするセイバーは。
嬉々としてミカの言う言葉を待って。
「……か、じゃ……ね」
弾けては燃える音に混ざって聞こえた微かな声に、その美貌を冒涜するように醜く歪めた。
「ん?なんだ?余が命じてるのだはっきりと申すが良い」
轟音。手持ち無沙汰とでも言うのか。再度、喋れと命じながらミカをぐちゃぐちゃに砕け散った大理石の床へと叩き込んでから、暴食のセイバーはミカの顔を掴んで吊り上げる。
そうして早くしろと苛立ちを隠し切れない顔で耳をそば立てたセイバーは。
「……じゃんね」
確かにそれを見て聞いたのだ。
「───銃を取り上げないとか馬鹿じゃんね」
ニヤリと嗤う聖園ミカの顔と自らの腹部へと突き立てられた銃口から溢れ出す硝煙と炸裂する嘶きを。 - 4781だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 04:15:51
「……は、ぁ……はぁ……ん、ぁ……」
全身に走る痛みにミカは思わず膝をつきながら肩で息をし、無理矢理にでも呼吸を整える。戦いの決着は着いていないのだから。
「んっ……くぅ、ぅ……ぁ、つぅ……んっ、ぁ……」
唾を飲み込み、脂汗を無視して、ミカは立ち上がる。その姿は悲壮、正しくその一言に尽きる。だがミカは気にしない、気にならない。大事な幼馴染を、桐藤ナギサを守る。大好きな彼からの信用を、先生から託された言葉を守る。そう、聖園ミカは。
───“君が守ってあげて”
─── ……ありがとう、ミカ
誰かを守るための戦いにおいて。真に信頼を向けられた相手に応える為ならば。
「は、はは……あの……程度、で……わた、しが……負けるとか、そんなのさ……あり得ない、んっ、だから……ッ!」
後頭部から髪を伝って血が滴る。
だからどうした、どうせ治る。
丁寧に手入れして来た爪が剥げて割れた。
だからどうした、またネイルサロンに行くだけ。
額から溢れる血で視界が赤い。
だからどうした、顔を後で洗えば良い。
全身を蝕む切り刻まれた後と火傷の痛みが酷い。
だからどうした、ナギちゃんの方が辛いんだ。
何度も叩きつけられて全身が悲鳴を上げている。
───だから、それが、どうしたのだと言うのだ。
桐藤ナギサが待っている。桐藤ナギサを守りたい。
一度は自分が壊した関係。それが今やっとまた、強く結ばれたばかりなのだ。こんな所で終わるわけにも、終わらせるわけにもいかない。これから先もナギサとセイアの三人で青春をする。その為に、誰か一人欠けるなんて、家族のような親友を喪う事になるなんて。その絶望に比べれば。
「こんな痛み、ぜーんぜん、大した事ない……☆」 - 4791だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 04:17:11
強がりの一つ、言って見せる。既に呼吸は整えた。先ほど応えてくれた物言わぬ筈の愛銃は、唸りをあげて神秘の輝きを静かに湛える。全身の痛みは既に溢れんばかりの神秘と気力で無視される。
聖園ミカ、満身創痍にあってなお、今宵最高のコンディションへと至る。
対する女は腹部に開いた大穴を再生させながら現れる。肉が蠢き互いを貪り合うように、醜く修復していく姿。そうして口にするのは特大にして、あまりにも浅ましい恨み言。
「間女が……よくもあれだけ余が寛大な心を見せたというのに無碍にしおって……ッ!……いいだろう。もういい、もういい……!」
爛々と輝きながら何故か底なしに沈んでいくように黒く染まる瞳。それと同じくして漂う神秘とは異なる世界の呼吸を奪ってしまうような生々しい血肉の気配。その力の圧力でバルコニーで燃え盛っていた炎は消え、静かに降っていた雨が思い出したように床を濡らし始める。
「もう、やめだ。桐藤ナギサ。出来るなら行儀良く喰ろうてやりたかったが……余はもう面倒だ。分かるか?聖園ミカ。お前だ……お前だ、お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前がァッ!余のォッ!皇帝の邪魔を、するからァッ!」
「知らないよ、ばーか」
「嗚呼あぁぁぁぁあああッッッ!!!……だからそうだ、ぜんぶ、ぜんぶだ。まとめて全て。貴様の所為だ。故に、臓腑の底で余と桐藤ナギサに詫びるがよい。だからそう」
尋常ならざる気配。ミカは確信を抱く。これこそが女の隠し球。ずっと手の内に残していた切り札であると。だからこそ。
「はッ!……そういう感じね」
ミカもまた、己が神秘を滾らせる。「Quis ut Deus」、彼女の愛銃もその銘の如く。神秘の受け皿となって主人の敵を撃滅する事に歓喜の讃美歌を歌い上げる。ぶつかり合う『神秘』と『魔力』に世界が悲鳴をあげるがそれすら今はミカにとって囁きでしかない。
ただ集中して。
「貴様諸共───丸呑みだ」
「いいよ───返り討ちにしてあげる」
己の敵を撃つ。それだけなのだ。 - 4801だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 04:30:58
「ヒトが抱える欲望を見せてやろう……」
口にするのは背徳の呪詛。
暴食のセイバーに開いた腹部の大穴。その修復が止まると共に世界に新たな魔術が構築される。それは異なる世界において魔術の秘奥たる技術の亜種、似て否なる大魔術と定義される奇跡。
それを冒涜的なまでに汚し尽くした『小権能』、その全貌。
「託された、任された。だから……」
口するのは敬虔なる祈り。
ミカは左の拳を硬く握りしめる。先生に託された。ナギサに任された。そこにあるのは純真無垢で清らかな祈りだけ。誰かを守る、そう強く自分自身に課す美しく直向きな祈り。それに神秘は応え輝きを増す。分厚い雲に覆われた夜空の下で、希望の光は正しい祈りに導かれて今、灯る。
「開宴だ。欲望は裡より溢るる。悦ぶがいい。これこそがお前達の生まれた意味。知り、学び、蓄え、実る。その果てを……さぁ、噛み締めるのだ。我が、招き融す黄金劇場(ガステール・ドムス・アウレア)の裡でなァァァァッ!」
宝具の真名解放。悪性情報によって変質したそれは豪奢な筈の劇場は良く見ればその調度品は全て肉塊で出来ている。
それこそが暴食のセイバーの宝具、『招き融す黄金劇場』。自身の臓器へと置換変質した劇場を作り上げ、その中に取り込む事で敵を溶かし吸収する悪食の宝具。醜悪な腑その物となってしまった黄金劇場は、空間を侵食しながらこの校舎ごとミカも、ナギサも飲み込もうと迫る。
「お前なんかに私は負けないッ……!」
だが、それを聖園ミカが許す筈もなし。清廉な輝きは今、宝具という極大の神秘に対して正しき怒りをぶつける。
「Ab ovo usque───」
「Kyrie───」
───極光、衝突。
果たして、勝者は。
「ad mala citaret───ォォォッ!」
「─── Eleison」 - 4811だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 04:37:25
- 4821だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 04:41:34
- 483二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 04:58:40
おつかれさまです
良い熱い死闘だった
個人的には別の戦場も見れるなら見たいかも?
牛カツ - 4841だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 05:02:52
コメント返すよ。いつもみんなありがとう。すごい感想も推理もアドバイスも応援も全部全部励みだよ、ありがとう
のーこめんと、だよ。
ただそうだね、全部わかるのだいぶ先になるし一応伝えておくね。気づいてもらえて嬉しかったよ
不安にさせて申し訳ない。創作界隈だとたまにあるからね。急な路線変更。
だから明言するね。
1は絶対に両作品のリスペクトも両作品のキャラクターも1が出来る限り最大限に大切に扱うの約束するよ。悪役やってる子も含めてね、悪役をやりきってその上でにはなるけどね。
それともう一つ。ハッピーエンドになるかどうかは安価の結果次第だ。絶対に今回みたいな突発的なイベントで犠牲者を出した事でその道が閉じてしまうなんて事はしない事も約束するね。
じゃないと何の意味の安価だよって話だからね。みんなの時間をもらってるからそこは安心してもらえたら、1は嬉しいな
でも不安にさせてごめんよ。
正直☆ボーナスなしならここで退場させてたよ
目論んでるよ。その為に出したからね。全力で悪役するよ。
あとそれから、覚えててくれてありがとう
1の書き方で不安にさせてしまっているからね。
申し訳ないばかりだ。
ただ、そんな駄目だめな1をフォローしてくれてありがとう。
うーん……の、ノーコメントにしようか。
よければ聞いてやってみてほしい。きっとぜつみょーにピースの足りない話が返ってくるよ
遅くまで付き合ってくれてありがとう
見てくれる人がいた、それが活力になってなんとか書けたよ。
それに激闘と言ってもらえて……嬉しいな。1なりに互いにベストコンディションじゃないけど、本気の生徒とサーヴァントのタイマンが書けて満足だよ
牛カツね。いいね、確かに揚げ物やってないね。
どこかで出したいところだ。
- 485二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 07:39:02
おつでした
ミカの想いも戦いも力強い、熱いバトルだった
こうなると他の戦闘も見てみたくなりますね
ついでに朝はスムージー、昼はたらこスパゲティが食べたいです - 486二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 10:11:01
お疲れ様です
悩むところではあるな
他の戦場も見たいところではあるけど
どこを見るかで悩むし
ヒフミたちの話にスキップするのもアリではある - 487二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 14:04:18
−−−−どうして君たちは、そう在られるのか
神世を囲いし方舟、其処は硝煙と青春が共存する異邦の楽園
禁忌の交わりは凄惨に願いの引金を空に引く
血塗れの結末を前にして、少女は大団円への剣を取る
Fate/blue archive
青天楽園都市 キヴォトス
−−−−行こう、マスター
お疲れ様です。ミカのかっこよさが溢れて良かった〜。他のも気になる。
あと上のは興が乗ってcm風に作ってみました。その場で即興で作った物故お目汚し失礼します - 4881だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 16:53:53
やぁ、1だよ。今日はぴったり7時上がりで下校さ、なんとか半からは軽く投下してそれから安価かな。
スキップするか、他の戦場(1つだよ、全部書いたら1の脳がヒートアップだ)のどれを見るかを選んでもらえたら嬉しい。結果についてはまぁ大体ヒフミ達は知ることが出来ると思ってもらえたら嬉しいな。
ありがとう。熱いバトル、そう言ってもらえたなら物書き冥利に尽きるよ。泥臭いけどクレバーな戦い方するけどとにかくかっこいいミカ、とにかく気持ちよく倒せる敵という感じで書いたつもりだからね。
スムージーはいいね。作中でもドリンクバー出来たからヒフミ達もよく愛飲するよ。たらこスパはまたお昼に出したいな。パスタはチョイスしやすいからいいね。
ありがとう。どの戦場も似たような感じだからね。どこを選んでもらっても大丈夫だよ。前に書いたメリット・デメリットと🎲結果を見て、好きなところを選んでもらったら嬉しいな。戦った生徒はちゃんと全員生還してるしね。
ありがとう。ミカは☆ボーナスを選んでもらった結果だからね。ナギサのその後も含めて良き形にしたかったんだ。安価は最大限、尊重する。良い選択だと思えば全力で。
たとえその選択が時にその場では誤りになったとしたら明確に失敗感をその場はしっかり出しつつ、でも、長い目で見れば良かったと思えるようにしたいね。
何を選んでも最後は遊んでよかった、そう思ってもらえるようにさ。
CM風もとても素敵だ。禁忌の交わりが特に良いね。マーリンやフランシスが言った話を覚えててくれて嬉しいよ。それにとてもわくわくする、ありがとう。
- 489二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 19:00:45
笛で読み返しててふと思った
補習授業部のセイバー
ゲーム開発部のキャスター
という法則になるのならばアーチャーはC&Cのアーチャーになるのか、はたまた特異現象捜査部のアーチャーになるのか… - 4901だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 19:32:32
やぁ。1だよ。困った話をしようか。さっき帰って来て軽くセイバー戦の後始末書いてたんだよ。
終わらないんだよ、困ったね。
7:30から軽い投下とはなんだろうね。正直サクッと書いて、ヒフミ達の話も書いておきたかったよ。また見通しが甘かったね。
とりあえず投下していくよ。
それが終わったら安価だよ、良かったら参加してほしいな。
あっちも読み返してくれたんだね、そんな報告が聞けて嬉しいよ。こっち忙しいというか1が遅筆過ぎて全然投稿できてないけど……頑張るよ。とりあえずストックは1つ出来たからね。
あと、アーチャーがどこのアーチャーかはトキ戦以降に名乗る感じにしようかな。
ちなみにライダーは便利屋のライダーだしバーサーカーは工務部のバーサーカーを名乗ってるよ。
アサシン?彼女は多分勝手にスケバンのアサシンとか名乗ってるよ。
- 4911だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 19:33:29
【9日目深夜・特殊イベント】
【Recommend BGM……〈Moment〉】
淑やかな雨に濡れた火は惜しむように別れを告げる。戦闘は終わりを迎えた。その意思と祈りをもって勝利を得たのは聖園ミカ。敗者は、ただ倒れ伏している。
「……馬鹿な。あり得ん。お前如きに。余が……余は……」
周囲に立ち込める焼け焦げた肉の匂い。ぐずりと腐り落ちていく全身の皮膚は泥のように大理石の床へと落ちては粒子となって消えていく。最早立つ事すら出来ないでいる暴食のセイバー。誰が見ても決着は着いていた。
「……結局さ。貴女、『誰』だったの?」
そんな姿を憐れむわけでもなく淡々とミカは問いただす。肉体が徐々に崩壊し、腐り落ちた肉は粒子となって消えていく。その不可思議な死相を前にしてもミカの中に油断も動揺もない。自ら手を下した。だがそれを罪と数える事はない。
聖園ミカは天性の実力者だ。キヴォトス内でも強い生徒は幾人もいるだろう。誰も彼もが元から生まれ持った才覚は大なり小なり持っているしそれを努力で養って来た。だが、ミカのセンスはその中でも飛び抜けていた。戦士としての才覚なのではない。純粋に生物としての強さ。
ゴリラが何故人類より強いかなど、見れば分かるように。ステージが違うのだ。それこそハイレベルなサーヴァントとも単独で十分に渡り合えるほど。
そう、聖園ミカは気づいていた。ある種それは野生の本能、第六感。
「その身体さ。『借り物』でしょ?」
目の前の敵がサーヴァント云々など関係なく、命を持っていないその事に気づいていた。聖園ミカはこれまで幾度も戦場を潜り抜けてきた。その中には目の前の女と似て非なる存在もいた。
第六感、直感とは本来超能力などではない。
阿慈谷ヒフミの契約継承が齎した恩恵で獲得したスキル『直感』や百合園セイアが嘗て有した未来視の残滓たる『勘』。それらとは人間本来が持つ直感はそもそもが異なる。
「余は……余は皇帝……余こそが至高……この世すべては……」
曰く、経験の集合知。
それこそが本来の意味での直感だ。
これまでの経験から近似値を弾き出してその後を反射的に計算する、それが勘であり直感。
その精度とはこれまで生きてきた中で重ねた経験と、それをどれだけ参照できるかどうかで変わる。そして戦いの最中、ミカは確かに直感したのだ。
この女は違う。この女は。 - 4921だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 19:36:39
「誰かの皮を被って、誰かがこれまで培った物を我が物が振るってる。中身がない……そんな気がするの」
絶望的に空っぽだと気づいていた。
ミカはお喋りが好きだ。アクセサリー集めが好きだ。化粧をするのが好きだ。美容にだって気を遣っている。何故なら飾るのも綺麗になるのも可愛くなるのも好きだから。そういうある種、十代らしい感性の持ち主だった。『美しい』事を好む少女だからだ。だからこその違和感だった。
顔の作りはいい。ドレスのセンスだって自分の好みとは異なるが確かに美しく、そして自分では選べないセンスだからこそそれを着こなす姿は羨ましいとさえ思わせる。容姿も抜群で、その体格も愛らしさを増すほどだ。
なのに絶望的に肌が死んでいた。呻いてしまうほど、美容に気を遣っていないのが初見で見て取れた。可笑しいのだ、あり得ないのだ。ミカであれば、自分ならばあんな立ち振る舞いも見てくれでいるのも我慢ならないと思えるほど。まるで誰かが大切にしていた服を奪ったから、保管の仕方や手入れの仕方も分からない。そんな風にさえ思わせたから。
だから、気づいたのだ。
この女の身体は、この女本人の物ではないと。
「余は……それをお前如きが……許さぬぞ……間女……よくも余の晩餐を、馳走を……」
「……ま、いっか。どうせ答えなんてこの様子じゃ返ってこないだろうし。それにその顔のそんな風な表情なんて、私もう見たくないや」
地に伏せた女が這うようにじりじりと迫り来る。足の分解も始まっている。ドレスの裾が解けるように宙に舞って、泡のように弾けて消える。そんな死に体へとミカは銃口を合わせる。
「余の、余の……桐藤、ナギサ……余の愛しい……余の、私の……ナギサ……様……食べようと思ったのに……食べて、あげようと……」
そう言って進む女の意図を理解する。女はミカを見ていない。這って進む先は瓦礫に閉ざされた向こう側。ナギサが横たわる其処へと手を伸ばそうとしているのを見て、ミカは溜息をこぼしてから。
「……お前のじゃないよ。貴女の顔も身体も、それにナギちゃんもね」
そう言って引き金を引いたのだった。 - 4931だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 19:45:31
「は、ぁ……はぁ……」
暴食のセイバーの頭蓋を吹き飛ばして、残心。その後、その身体が粒子となって完全に消滅したのを確認したミカは膝を地面に着いた。
「……っそ。きっ、ついなぁ……」
ゲヘナでの決戦からの連戦してのセイバーとの死闘。移動も加味すれば凡そ五時間近く、ミカは戦い続けた。相手はどちらもサーヴァント、片や限りなく源流にあった古き女神、片や悍ましき怪物と化した古代の皇帝。いずれも難敵、ましてや後者に至っては一対一での決闘となった。
疲労の色は濃い。全霊で燃やした闘志によって立ち続け酷使した肉体の限界は近い。血を流し過ぎた。燃え盛る戦場、薄い酸素の中で煙を吸い込み過ぎた。目の焦点すらぼやけている。
だが、それでも。
「……よし。休憩、おっわり……☆」
ミカは悲鳴を上げる全身に喝を入れて立ち上がる。震える膝を叩いて、羽が抜け落ちた翼で地面を押し返すようにして支えて、なんとか立ち上がり瓦礫へと向かってゆっくりと歩いていく。ふらつくその姿に、傍の愛銃がかちゃりと小さく金属音を鳴らして抗議するがミカには何も聞こえない。
「……救護騎士団と話さ、なきゃ。セイアちゃんに明日からの話も……見回り……先生に……」
支離滅裂に、それでもこれからの事を口に出してなんとか途切れそうになる思考を押し留めようとする。聖園ミカは嘗て役職を追われた。既にその立場はあくまでも次の人員が決まるまでの繋ぎでしかない。実権なぞありもしない。それでもミカはティーパーティの一員で、それでもまだパテル派の首長。務めを果たさんと考えを回す。なにより、今ここで意識を失うわけにも、立ち止まる事もできない。
「ナギちゃん……今、行くから、ね……」
肩で息をし、重たい膝を歯を食いしばってあげて、ミカは歩く。救護騎士団への要請は済んだ。とはいえあの戦いは外からも詳細までは分からなくても、危険な事態なのは分かりきった話。他のティーパーティ所属の生徒も避難誘導を済ませておいた今、戦いが終わったのを知らせ、少しでも早くナギサを引き渡す為にはミカがこの場から連れ出す方が早かった。
だから歩く。無心で、痛みも疲労も見て見ぬ振りをして。
ゆっくりとした足取りで。歩いては止まりそうになるのを引きずってでも前に出して、瓦礫を避けて、とうとう最後。バリケード代わりにした瓦礫まで辿り着いた。 - 4941だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 19:45:54
- 4951だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 19:59:42
「生徒の身で余を一度殺したのだ、さぞ満足したであろう?」
硬質な音がタイルを叩く。消えかけていた炎が命を吹き返す。ミカはそれに、背中に投げ捨てられた言葉に、消えたはずの敵に、反応しようとして。
「よぉっし!それでは死ぬが良いぞ!」
それでも身体はその殺気に応えられるほどの余力は残らず。
「(あー……ダメっぽいな……じゃあ仕方ない、か……)」
見えはしていない。だが間違いなくアレがいる。粘りついた気持ちの悪い、さっきまで相対していた物が背後にいるのが分かった。
「(でも、負けられない。少しでも……ちょっとでも……)」
振り返っても無駄だった。これからどう動こうが、人外染みた聴力が捉えた風切り音で自分のこれからが容易に想像出来た。それでも翼を犠牲にして、なんとか防げるかもしれないかと考える。この肉体をまだ酷使すれば時間を稼げる。もう形振り構っていられない。震える指で背中を向けたまま急いで救護騎士団に突入の指示だけ出して、ポケットに入れる気力すらなくそれを地面に転がす。
「(セイアちゃん……あと、よろしくね……せんせい……ごめんね……ナギちゃん……)」
処刑刀の一撃、その初太刀をなんとかする。その後は全身を投げ打って少しでも相手の動きを妨害し、邪魔してやろうと。
「(バイバイ……)」
この命を賭けてでもナギサの元へはいかせない、必ず差し違えてでもと誓って。振り向こうとして。
目の前には赤い、赤い、血の色をした刃が───。
「……あ?」 - 4961だよ◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 20:21:58
炎が悲鳴を上げた。当然だ、たかが見当違いな怨嗟の怪火如きが、その男の魂を燃やす本物の焔を前にして舞台を開け渡さない筈もなし。
「……遅参、失礼。主人の命を受け、そして私自身の願いから、貴女の戦いに、その覚悟に」
ミカは見た。その背中を、その赤い外套を翻す戦士の威容を。青銅の兜、緋色の衣、手には黄金の槍。
【Recommend BGM……〈スパルタの戦士〉】
その出立ちこそ、嘗て少女が願った祈りその物。トリニティを、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎で⬛︎⬛︎⬛︎人を⬛︎⬛︎るように。その祈りに応えんとして呼ばれた英雄。
「横槍を入れさせて頂く」
槍兵と少女は一度別れを告げた土地で、再び槍を手に取った。
「……遅くなって申し訳ありません。ミカ様」
瓦礫が崩れる音がして、はっとミカが顔を上げる。其処には見慣れたシスター服でもトリニティの制服でもない、喪服に身を包んだ少女がいた。
「もう、大丈夫です。ナギサ様でしたらこちらで治療を済ませました。私達の戦いに巻き込んでしまい申し訳ありません。あとは私達が引き受けます───ランサー」
「ぁ……待っ……ぅ……」
そう言って治癒の結界を張った少女は、盾によって弾き飛ばされた敵を見据えながら、自身の従者に呼びかける。
「此処に」
ミカは意識を薄れさせていく中で、その言葉を、その姿を見た。
「遠慮は不要です。格の違いを私に見せて下さい」
硬く、けれど凄まじいまでに冷たい覚悟。張り詰めた怒り。そして灼熱の炎が如き信頼。そして本物の聖杯戦争のマスターとサーヴァントを - 4971じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 20:26:24
- 4981じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 20:46:13
というわけで45分になったから安価いくじゃんね☆下から1つ選んでね、じゃんね☆
選んでくださったお話を書くじゃんね☆
①アビドス廃校対策委員会vs聖杯のアーチャー
②美甘ネルvs聖杯のランサー&アサシン
③空崎ヒナ&シャーレの先生vs聖杯のライダー
④剣先ツルギvs聖杯のバーサーカー
⑤ヒフミ達の話までスキップ
安価先は>>506じゃんね☆
それじゃあよろしくお願いします……じゃんね☆
- 499二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 20:55:39
情報的には②が気になるかな。
”───やめてユウカちゃん!駄目!逃げて!
───モモイ!なにしてるんですか!?モモイ!!”
の状況は気になる。
あとは単純にホシノの戦闘見たさで①か
悩む - 500二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 21:10:46
それぞれのメリットデメリットが採用されるなら②かな
個人的には④が見たい - 501二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 21:15:25
1で
- 502二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 21:36:12
悩むけど②かな
- 503二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 21:37:59
加速
- 504二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 21:41:54
情報的にもだが単純にネルの奮闘が見たいので②
- 505二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 22:05:38
1かなー
- 506二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 22:17:26
- 5071じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 22:24:38
- 5081じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/05(火) 23:49:27
- 509二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 00:48:11
乙じゃんね 安価だとどうしてもラグあるから仕方がないじゃんね
- 5101じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/06(水) 01:13:58
【9日目深夜・特殊イベント】
息を、吐く。吸って、吸って、吸おうとして。けれど恐怖に引き攣る喉は上手く空気を掴む事ができない。喉の奥から迫る鉄の味、痛みを訴える脇腹。それでも黒崎コユキは暗闇に包まれたミレニアムを走っていた。
ヒフミやモモイ達との話し合いが終わったあと、拠点からセミナーの部室があるミレニアムビルへと戻ってきたユウカは事務処理を残っているメンバーと済ませた後に、アポ取りを済ませておいた筈のトリニティ総合学園生徒会「ティーパーティ」とゲヘナ学園生徒会「万魔殿」への連絡を取っていた。後者は決してスムーズとは『言い難かった』がなんとか明日以降の面会を受け入れられた。
だが、後者に関しては別であった。『予測していた』通りティーパーティとの連絡ができない。何度連絡してもたらい回しにされる。勿論、モモトーク経由での連絡は行った。だが、それも遅かったからか返事はない。ティーパーティの三名に関しては信用できると踏んでいるが、小鳥遊ホシノの反応からほぼ確実に何者かが自分達の行動や連携を阻害している。それをユウカは察していた。
───問題は一体『誰』が『なんの為に』か。
ユウカから見て、阿慈谷ヒフミ、才羽モモイ、そして今日新たに仲間に加わった安守ミノリが結んだ同盟の目的はキヴォトスに住まう者として歓迎できる。
つまり、その邪魔をするのなら反対勢力である残る三つの陣営と中立を謳う監督役になる。
だが、トリニティ、アビドス、そしてミレニアム。それぞれの連絡に介入できる人材を派遣するとなればそれこそ生徒会クラスの権限でそれなり以上の人材や部隊の派遣が必要となる。
果たして自分達以外でそれをしている生徒会や自治区があるかと言われればはっきり言ってユウカ達には疑問がある。なにせ、『デメリット』しかないのだから。
だからこそ頭を悩ませて、事情を共有していてかつ信頼が置ける三名でのみ話し合いをしていた。
その中でだった。
───ミレニアムビルが爆破されたのは。 - 5111じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/06(水) 01:17:45
突如、大規模な停電がミレニアム全体を襲ったのと同時にミレニアムビルが爆破された。
幸い、倒壊するほどの大きな爆発とはならなかったがそれでもセミナー始め、多くの部活が滞在するビルが爆破されたのだ。深夜とはいえ、寮代わりに宿泊する学生だっている。
停電、その直後の爆破。間違いなくミレニアムへの、否。恐らくは同盟陣営かアーチャー陣営への攻撃だと判断したユウカとノアはモモイ達に連絡を取ろうとして。
───モモイ!なにしてるんですか!?モモイ!!
「……ぅぅ」
思い出して、漏れそうになる嗚咽を堪えながらコユキは夜の街を走る。走らなくてはいけない。何故なら。
───逃げなさい、コユキ。
───大丈夫ですよ、コユキちゃん。
そうしなくては死んでしまうのだ。ユウカが、ノアが。怖いけど大好きな自分の先輩達が。
───ここは私達に任せて貴女は行くの。
───本物のモモイちゃん達のところへ、ね?
自分を庇って殿を引き受けてくれた先輩達が、『偽物のモモイ』によって殺されてしまうのだ。
だからこそ、コユキは走る。使い物にならないスマートフォンなぞポケットから出す事はなく、自動運転化されたバスは全て横転し軒並み事故を引き起こしている道路をすり抜けて。
「待ってて、待ってて下さいッ!ユウカ先輩ッ、ノア先輩ッ……!」
そう、今現在、ミレニアムは。
全ての通信網が麻痺していた。 - 5121じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/06(水) 01:23:18
- 513二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 02:07:15
おつかれさまです
- 514二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 08:34:18
お疲れ様です
これ、もしかしてプーサーがセイバーとして召喚された理由ってこのキヴォトス世界のせめてもの抑止力が働いたからじゃ……?
そして、3大高の内の2つの生徒会が襲撃されるとかヤベェな
(ゲヘナは襲撃はあったんだろうか)
今後、キヴォトスはどうなってしまうんだろうか?
さて、聖杯のランサー&アサシンはどんなサーヴァントの姿をしてるのだろうか? - 515二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 12:35:20
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- 516二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 18:06:51
ミレニアム以外での戦いに関しては、改めて投稿する時に見られるんですよね!(キラキラした目)
- 517二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:02:28
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- 518二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:07:06
となるとやっぱり聖杯のランサーかアサシンのどちらかは電子系統に干渉できるタイプの宝具持ちか
- 519二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 20:06:17
このレスは削除されています
- 520二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 20:24:49
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- 521二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 20:51:12
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- 522二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 20:52:28
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- 523二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 21:13:09
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- 524二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 21:16:15
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- 525二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 21:19:04
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- 526二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 22:48:17
このランサーもしかして兄貴か?師匠もいるのによくやるもんやな
- 527二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 01:50:06
もし聖杯のランサーがクー・フーリンならスカサハと会った時どんな感じになるんだろうな
- 528二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 05:09:58
このレスは削除されています
- 529二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 06:41:58
乙
睡眠不足のパフォーマンス低下はヤバいからしっかり寝てもらって
免疫も落ちるしね - 530二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 08:08:32
お疲れ様です
無理せずに…!!
聖杯のランサーはまさか、クー・フーリンの兄貴か……?
もしそうなら、ユウカとノアがヤバい(ヤバい)
あの人、アーチャーのギルガメッシュ相手に半日以上戦い抜けるんだぞ…!!
そして、連邦生徒会とエリドゥも他の所と一緒のように攻勢を受けてるとなるとマジでヤバいな
キヴォトス、どうなってしまうのか? - 531二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 12:34:36
ほしゅ
- 532二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 15:17:44
槍ニキかよ!
トップクラスに敵に回したくない
生き残るって面では全サーヴァントトップだし即死宝具持ってるし単純に強いし
聖杯のセイバーはビースト案件でドラコーが半分正解らしいがこの槍ニキもただの槍ニキではないんだろうか
そして槍ニキがいるということはもしかして腐れ縁のあいつも…? - 533二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 18:08:00
サラッと流してたけど喪服のマリーを想像すると何かエッチ
ランサーに怒られそうだけど - 534二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 18:17:38
ランサーのこともそうだけどニセモモイのことも気になるな。ナギサの方にはドラコー?がわざわざ変装?変身?して演技してまで近寄ろうとしたのにこっちでは最大で666人のモモイがきてる。目的が違うからだろうけどその目的はなんだろう?
それとナギサの方にきたのは余に暴食を与えられたとかいってたから他の聖杯サーヴァントもドラコー?の姿をしてるのかと思えば恐らくランサーはクーフーリンだよな?多分。
情報が足りてないな、敵の情報も現在の聖杯戦争の情報も - 5351じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/07(木) 18:44:47
たでーまじゃんね☆とりあえず19:30から投下するじゃんね☆
ごめんなさいじゃんね……普通に安価先間違えてお返事し損ねてるじゃんね……
ありがとじゃんね☆今日は寝落ちせずに書けるとこまでいきたいじゃんね☆免疫下がるの、これからの季節は怖いじゃんね☆529さんも風邪ひかないようにようあったかくして美味しい物食べて栄養とって冬を乗り切ってね!……じゃんね☆
聖杯のランサーがクー・フーリンかどうかはさておき……槍ニキことクー・フーリン、1は大好きなサーヴァントじゃんね☆
性格、スペック、聖杯に対する考え方、宝具の燃費、どれをとっても最高じゃんね☆
1は特に女性に対して『お』嬢ちゃん『お』嬢さんってちょっと丁寧に言うギャップが好きじゃんね☆
保守ありがとじゃんね☆
クー・フーリンはことキヴォトスの聖杯戦争ではぶっ壊れサーヴァントじゃんね☆1は太鼓判押すじゃんね☆キヴォトスって戦場に対する適正はグラサン付けてるぐらいじゃんね☆
1の趣味じゃんね☆露出するのはまだ先、じゃんね☆マリーはえっちじゃんね☆
別に最大666人じゃないんじゃんね☆設定不明だったから1は別の数で設定してるじゃんね☆
目的は……わかりやすく精神攻撃とあとはまぁ、嫉妬じゃんね☆
- 5361じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/07(木) 19:43:00
黒崎コユキは息を呑んで待ち続けた。大規模停電から1時間。街灯全てが沈黙したミレニアムの裏路地。既に自治区住民達の避難も完了して人が誰もいない筈のその場所で、コユキは息を殺して待つ。
「……ダイジョブ?コユキチャン」
「モウイイヨ、イコウ、イコウ」
「ダイジョブダヨー、ダイジョブダヨー」
表通りを確認していたヘルタースケルターがそんなコユキに声を掛ける。
「にはは……大丈夫ですよ。まだ走れます。それにヘルタースケルターさん達だって」
蹲っていたコユキが立ち上がり見やるのは、全七機のヘルタースケルター。セミナーの護衛、というよりも早瀬ユウカの身を守る為にキャスターより貸与された彼女達は、その装甲に幾つもの破裂痕と弾痕を残している。中には腕がとれてしまった物もいる。その傷跡がコユキ達が発電所を脱出してからまでにあった戦いの壮絶さを物語ると共に未だミレニアム自治区郊外に位置するヒフミ達の拠点に辿り着けない理由。
「ダイジョブ、ダイジョブ」
「ワタシ、マケナイ、マケナイ」
「コユキチャン、マモルヨ、ヤクソクシタカラ」
「にはは……頼りにしてますね!」
空元気を口にして、足に力を込める。コユキのセミナー制服に土埃だけでなく、擦りむいたのか所々うっすら赤い物が滲んでいる。それでも駆けなくてはいけない。走らなくてはいけない。
「さぁ!みなさん!行きま「あは」……っ!?」
別に大きな声を出したわけじゃなかった。何よりヘルタースケルターが周囲を警戒していた。だからこれはコユキ達が悪いわけではない。
「───ミぃぃぃぃぃ異い胃いイいつケた」
敵の能力、生前のその存在からして『そういうこと』に長けていただけなのだから。 - 5371じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/07(木) 19:47:14
路地裏の道の四方から集まるのは黒い群れ。モモイの姿に、それから正義実現委員会の姿に、最後に真っ黒なヴァルキューレの生徒の姿へと靄を纏いながら瞬きする度に姿を変化させるその姿はさながらモンタージュ。
「ミチ、ヒラクネ」「ワタシ、ガンバル」「ハシッテ、コユキチャン」「ダイジョブ、ダイジョブ」
ヘルタースケルターは必死にコユキを励ます。だが、目の前に広がり、徐々に影から溶けるように姿を現しては奥から列をなしていく顔のない真っ黒なヴァルキューレ生の姿にコユキは寒さしか覚えられない。
その数はdice4d100人。どう考えてもヘルタースケルター七機が無傷で切り抜けられる筈もない。自分を気遣うこのロボット達が貪られるように破壊される姿は容易に想像できる。そして当然、その次が自分である事も。
取り囲まれる、絶体絶命の状況に、コユキの心は折れかけて。
「ぅ……ぁぁ……ぅぅぅぅぅっ!」
「もう……もうやですよ……!」
「だれか……だれか助けてくださいよぉ……!だれかぁ……!」
「───もちろん!」
涙に濡れた視界に、力強い言葉が降り注いだ。
- 5381じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/07(木) 20:18:27
その兆候を気づけたのはドローンに指示を出していたハレだけだった。残念ながら。
『……ッ!?ユウカッ!今すぐその場を───』
間に合う事はなかった。
爆音。そして暴風。
周囲を揺るがすほどの一撃が劈くように這い寄るモモイの声に良く似た鳴き声を、一瞬だけ掻き消した。
ユウカ達はその光景に何を思っていたか。一瞬前の思考すら奪い去ってしまう暴力的な破壊。あまりの衝撃、ただの余波だけでユウカ達の意識は破壊に呑まれ、吹き飛ばされて、身体を無防備に床へと投げ出す。
「な……に、が……っ」
「つぅ……ゆ、ウカちゃん……大丈夫、ですか?」
それでも幸いだったのはユウカが電磁装甲を身に纏って、更にちょうどその背後にノアがいた事であろう。衝撃で二人は倒れたが大きな怪我までは負わずに済み、星がちらつく視界をそっと開けて視界を確保しようとして。
「……うそ」
視界一杯の曇天が広がり、今更自分達を冷えた雨が濡らしている事実に気づく。
そうだ。施設内にいた二人が雨に濡れている。天井がある筈の空間に空が広がっている。
土煙が晴れた先、あった筈の、自分たちが守っていた筈の発電所の入り口がまるで悪い冗談のようにごっそりと丸ごとなくなっていた。
「ッ!ハレ!マキ!コタマ先輩!チヒロ先……駄目ね、放送機器もオシャカか……!」
「……これが、宝具、なのでしょうか。ユウカちゃん、一度コントロールルームまで。そこで立て直しましょう」
「……えぇ。なりふり構っていられ……」
最早施設を守る云々を言える状況ではない、それをユウカ達は理解する。コントロールルームにいるヴェリタス四名と合流し、急いでこの場を離れるかそれともギリギリまで粘るか。どちらにせよ今の一撃でドローンや警備オートマタで敷いた前面の防衛ラインは瓦解したと見ていい。今は何故か静かな物だが、いつ施設内に侵入してきてもおかしくないのだから。そう思って、倒れた体を起こしたユウカ達は。
「なんだよ、逃げちまうのか?面倒くせぇ」
「……今のも、それにこれまでの。貴方の仕業?」 - 5391じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/07(木) 20:48:59
小雨に当たって冷えた身体に奔る悪寒と伸し掛かる重圧に、自分でも分かるほど心が挫けそうになった。振り返るその先。
「あぁ。こういう『小細工』、嫌いじゃないんでね。だってそうだろ?戦う前に敵の戦力を削りゃ、少しは俺も楽になるってもんだ」
先ほどまで入口があったその場所には青黒い戦装束で身を包んだ大人がいた。その出立はヒフミ達と戦ったあのアサシンにも何処か似ている。そう。
「サーヴァント……ッ!」
「如何にも。怠惰のランサーだ。で、それが分かる嬢ちゃんは阿慈谷ヒフミの協力者で、俺の獲物って訳だ」
陶器とも金属ともよく似た軽快な音を弾かせながら肩に乗せられた、その血色の槍もまた、アサシンが持つ宝具によく似ている。
「あーあ、でもつまらねぇな。折角、二騎目のランサーとして顔出して名乗りあげてやったってのに……嬢ちゃん達の動揺は誘えんときた。『聖杯大戦』でもあるまいに、異常性に気づかんか?それとも、魔術とも聖杯とも縁薄い土地柄だからクラス被りが可笑しい事も分からねぇか」
気怠げに首を回してそういう男の眼には嫌悪と侮蔑を宿しながらユウカ達を品定めするように見つめる。だが彼女達はそんな視線よりも気になる単語を耳にして、その意味に顔を歪めた。
「聖杯、大戦?……ッ……そう、そういうのもあるって事か」
「……貴方達の存在が、クラス被りがイレギュラーではないパターンもある。けれど少なくとも今回のケースは彼らの世界からしてもどうやらイレギュラー、みたいですね」
前後の繋がりも薄い会話の中で見つけた言葉、そこから聡明な二人は聖杯戦争という物には別の形態が、今よりも多くのサーヴァントが存在するレアケースがある事に気づくと共に。
「……ほぅ。大したもんだ。何も分からねぇだろうからと、要らん情報を小出しにしてやりゃ煙に撒けると思ったが。中々どうして。要点だけは抑えてやがる」
こと今回に至っては、『そうではない』と察してみせた。それにランサーも僅かながらの驚きを、喩えて言うならば潰した筈の蟻が生きていた事に驚いた幼児のような、そんなつまらなげな驚きをみせる。 - 5401じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/07(木) 21:00:09
だがその驚愕はすぐにランサーと名乗った男の中から薄れてしまう。なにせ男は『怠惰』。
「あーあ、失敗したなこりゃ。面倒臭がって」
今この瞬間にも。
「声掛けるんじゃなかったぜ」
さっさと早瀬ユウカを殺して帰りたいのだから。
【Recommend BGM……〈Soul to Fight〉】
瞬間、早瀬ユウカは真横へと跳んだ。先ほどの攻撃で瓦礫すら出さずに吹き飛ばされた施設に残る遮蔽物は自分やノアが隠れていた場所しかない。だからこそ背中を伝う悪寒に押される形で、その一撃は回避された。
「……へぇ、良い勘してるな。嬢ちゃん」
「……っ、は……!」
遮蔽物越しにそれを見ていたノアの前髪が揺れる。一秒前までユウカがいた空間ごと薙ぎ払わんとした一撃を彼女は確かに回避した。だが仮にそれが当たっていれば、そう思うと。
「(……下手な遮蔽物じゃ丸ごと両断されておしまいか……!)」
「ユウカちゃん!」
「分かってる……!」
ノアのか細い悲鳴に似た心配の声に虚勢を張ってユウカは返しながら思案を捨てる。
判断は早かった。
「Set───System-Q.F.D Reboot……!ノア!支援お願い!」
「任されました!」
ユウカが長らく愛用し、先生の初赴任時から共に駆け抜けてきた最も信頼できるミレニアム製の電磁シールドを身に纏ってユウカはランサーから逃走を開始。二丁のサブマシンガンから銃弾を吐き出しつつ、ユウカは施設の奥へと逃げ込まんと駆け出した。 - 5411じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/07(木) 21:35:08
他方、ノアもまた遮蔽物から遮蔽物へと移り撹乱しつつ移動するユウカに僅か一足で追いつかんとするランサーの動きを阻害しながら自らも屋根も何もなくなった入口だった場所から施設内へと飛び込んでいく。ほんの数瞬、たったそれだけの時間走っただけでノアの胸に激しい動悸が劈く。引鉄を引く指が縺れる。伸ばしている筈のストックで固定しているというのに微かな震えでいつもよりガタついてしまう。
「くっ……こん、の……っ!」
ノアの目の前。電磁シールドを痛ぶるように削られながら必死に防戦の体を為すユウカの姿があった。
「ユウカちゃんから……は、ぁ……離れて───!」
「ノアっ!……ナイス!」
必死に恐怖を抑えつけてノアは愛銃の引鉄を引き絞る。『書記の採決』、生塩ノアが特注した45口径のカスタムモデル拳銃。専用マガジンの使用とストックを延長した事でサブマシンガンとしての用途も可能となった個人防衛火器が今ノアの手元で火を吹く。焦燥から狙いはどうしても定まり切らないが、それでも弾幕によって敵の動きを阻害する事には成功。同時に、ユウカはそれを好奇と見た。
「Set……I.F.F───ッ!まだ、終わらないわ……!」
『ロジック&リーズン』。ユウカが書記となる前から支えてきたその二丁の銃口から、大事なタイミングや適切な対処が必要な時にのみ放たれる『切り札』が解き放たれる。銃身が焼け焦げかねない一斉掃射、一分あたり850発という限界を越える速度で叩き込まれる弾丸。それを放ちながらユウカはその両脚を発条のようにしならせてのバックステップで距離を取る。黒いチェルシーブーツを支える二つの柔らかな太ももが包む豊穣な筋肉は瑞々しくユウカの脳が命ずる動きを熟してみせ、ランサーの間合いから無事に離脱する。
そうして二丁合わせて60発、ノアの分も合わせれば80発近い弾丸は硝煙と土煙を巻き上げてランサーへと襲いかかり。
「……冗談きっついっての」
晴れる土煙の先を見てユウカが唇を噛み締める。
「あー……そういや『そうか』。無駄な事しちまったな」
聖杯の、否。
怠惰のランサー、未だ健在。 - 5421じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/07(木) 22:01:04
その身体に弾痕の一つとて見当たらず、当然のように無傷でいる。早瀬ユウカは知らない。生塩ノアは知らない。目の前にいる男が、この『銃社会』であるキヴォトスにおいて最悪のスキルを持っている事を。だからこそ聖杯がこの男を鋳造したのだという事を。
「アサシンの野郎のが手こずってるもんだからどうしてやろうかと思ったが、中々どうして随分頑張るな……勘弁してほしいもんだ、まったく」
肩をすくめて薄い唇を皮肉げに歪めながら、男は。
「まぁ───それもここまで仕舞いだがな」
その手に持つ槍をユウカへと向けて投げた。
「ユウカちゃん───ッ!?!?」
悲鳴は一際高く夜の発電所に響く。最早その行為がどういう結果を生むか、その危険性すら認識も理解もノアの脳は受け付けない。まるで塵紙でも投げるよう無造作に放られた槍の矛先がユウカの肩を貫いている事実を目の前にして、ノアは駆け寄ってしまう。
「……が、の……ぁ……きちゃ……だ……ぎぃっ!?」
槍が一人でに抜けてまたランサーの手へと戻る。心なしか血に濡れたその刃は曇天よりなお鈍く曇っている。だがそんな物理現象を鼻で嗤う不可解な異常を目にしても、そして痛みに喘ぎながらも制止するユウカの声を聞いてもノアは止まらない。
「おーおー、痛そうなこって。その盾がなけりゃ心臓ごとぶち抜いて痛みなくあのまま逝けただろうになぁ」
「ユウカちゃん、ユウカちゃん……ッ!血が、血がぁッ……!」
「……ぃ、じょぶ、ぐっ……は、ぁ……っはぁ……だから……」
「だめ、だめ、やだ……なんで!?血が、血が止まらない───ッ!」
持っていた愛銃すら投げ捨てて両手に掴んだ制服で必死に圧迫止血を試みようとするノアに、ユウカは鈍いと言えるほどゆっくりと笑顔を作る。 - 5431じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/07(木) 22:24:12
「……ぅ、っぅ……ぃじょ、ぶ……はぁ……っぁぁ……後ろ、にいて……私、やれる、わ……」
深々と肩を貫通し、さらにそれが抜けた事でより一層に傷は深まる中、それでもユウカは意識を保ち続け、次の一手を模索する。この場を切り抜ける道を探さんとする。聖杯戦争が始まって以来、そしてヒフミとモモイを抱きしめたあの日以来、ユウカは備えを欠かした事はない。震える指でスカートのポケットから鎮痛剤と止血剤の混合薬が封入された自己注射キットを取り出して。
「……し、て……刺して、ノア……まだ……ぁ……戦わ、なきゃ……」
ノアへと差し出す。そう、戦わなくてはいけない。隣に、そして後ろには友がいる。残り何分か、少なくともまだあと少し。あと数分は持ち堪えなくては電力は復旧しない。何より電磁シールドを展開できる自分がやらなくてはノアが殺されてしまう。痛みに叫ぶ脳内で合理的にユウカは判断して。
「は、やく……して……のあ……早くっ!」
「やだ、やです……こんな……だってユウカちゃんしんじゃ……「おー。多分死ぬぜ。その娘」……ぃぃぃッ!?」
だが、震える小箱をノアは受け取れない。血を止めようと必死に圧迫するその手を離す事も、かといって止血剤を打てばまた立ち上がるのも分かっていて、耳に届いた最悪の未来しか待っていない現状に恐怖する事しかできない。
「……うっ、さい。どうせ、死ぬって……ぅぐっ……っん……思ってるなら……ちょっとぐらい……黙って待ちなさ、いよ……!」
「悪ぃ、悪ぃ。あんまに麗しいユウジョウってやつ?見せてもらったからな。まぁなんだ、見当違いしてるみたいだし、ほれ、教えてやろうかっていう親切心だよ」
「見当……ちがい……です、って……?」
息も絶え絶えとなりながら、それでもユウカは男を睨みつけながらそう尋ねる。その姿は気丈。いくらキヴォトスに住まう者として普通の人間より遥かに破格な身体構造から通常であれば失血死してもおかしくない状況とそれだけの傷を負った事での痛みすら、奥歯を噛んで意識を保つその姿は驚愕の一言だろう。もしもアサシンのような女であれば喉を鳴らして喜ぶに違いないケルト好みの女傑振り。だがランサーは変わらずつまらなそうに、ユウカを見て言った。
「あぁ、俺はな、早瀬ユウカ。お前さえ殺せりゃそれでいい」
「な、に……を「させませんっ!そんな事……!」の、あ……」 - 5441じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/07(木) 22:26:54
慈悲はなく、淡々と事実を突きつけるようにして今気力だけで意識を保ち血塗れで這う少女へと、事も無げといった様子で『命を落とせ』と言う。その言葉にノアは甲高い悲鳴と共にユウカを抱きすくめる。それはまるで母親が愛し子を悪漢から庇うように、自らの髪も衣服も赤い血で染めながら、震える腕でしがみつくようている。
「なんだ、ミレニアムのガキ共は賢いって話だから期待して教えてやりゃ興醒めだな。お前らの好きなゴウリテキってやつだぜ?───早瀬ユウカ一人死んでくれたら後は手を引くって言ってるんだからよ」
「……ノア、には……」
「ユウカちゃん……?ねぇ、やだ……言わないで……!」
自分が死なばこの場を退く。果たしてその言葉がどれだけ信用できるか、ユウカ達には判断できない。敵の言葉なぞ鵜呑みには出来ない。だが、この話を聞いておかねばならない、最悪を想定しなくてはいけない。何故なら、まだノアも、そして今も電力復旧に努めている友人達が背中に控えているのだから。
「……ノアには……いいえ、他の子にも……手を……っぅ……出さないのね……?」
自分の命を賭けるメリットを早瀬ユウカは知らねばならない。
「ユウカちゃん……!?」
悲痛な叫びを無視して、何故か上機嫌になったランサーは語り始める。
「別に良いぜ。お前さんさえ、殺せりゃ俺もアサシンも兵は退く」
「な、んで……!なんでユウカちゃんが……!」
ノアがユウカを抱く力もそして出血部を抑える箇所へと加える力も一層と強くなる。最早ノアには自分が何をして、何を言っているのかすら分からない。冷静な判断を下せない。そんな事を歯牙にも掛けず、ランサーは怠そうに説明を始めた。
「なんでって。そりゃ」
律儀だからでもなんでもないのだ。ただ単純に腕を動かしてユウカを殺すよりだらだらと喋る方が楽だった。ただそれだけの理由。
「丁度良いからな」
「……ぁ、ぇ?」
それは戦いの中にあって、⬛︎⬛︎・⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎という男であればあり得ない『理由』。 - 545二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 22:51:12
これ多分敵はドラコーじゃなくて蒼銀に出てきたビーストじゃないか?FGOでプーサーが追ってる本命のやつ。
確か蒼銀で前回の聖杯戦争のサーヴァントの黒化したやつを使役してたし、今回のやつはそれに7つの大罪を霊基に加えたとかかな?
セイバーはネロ、ランサーはクー・フーリン、アサシンは恐らく百貌だと思う。
ユウカとノアがの銃弾が届かないってことは矢避けの加護か。神秘がこもってるなら抜けるかなと思ってたけどダメか。アーラシュだったら多分大丈夫だと思うけど、聖杯ブーストされてたらわからんな - 5461じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/07(木) 23:16:17
- 5471じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/07(木) 23:17:29
からからと嗤うその言葉にはどこまで空虚な物があった。人の生き死にも、命の尊さの欠片も、戦場で死ぬ戦士への経緯の欠片もなかった。ただそこにあるのは『怠惰』なまでに面倒ごとを早く済ませたいという調子外れの惰性だけだった。
「それにこう見えて俺は『平和主義者』ってやつだ。面倒な戦いなんざゴメンだね。お前一人殺せば効率よく阿慈谷ヒフミと才羽モモイの心を折れる。だから、どうだ?早瀬ユウカ。死ぬ気になってくれたかい?」
果たして、その下卑た提案へのユウカからの返答は。
「……だ、れが……ッ!」
銃声。
自己注射キットを震える指で無理矢理その逞しくも美しい太ももの白い肌へと打ち込み、赤い花を咲かせながら。
「誰が……アンタのその下衆な提案を……ヒフミを、モモイを……」
未だ痛みを叫ぶ脳内を無視してユウカは啖呵を切る。
「私の友達を泣かせる提案なんか呑むもんですか……ッ!」
荒々しく、ノアを庇うように立ち上がりユウカは闘志を新たにする。負けるわけにも、ましてや死ぬわけにもいかなくなった。だが、その決意は虚しく男には通ずる事はなく。
「ああ、悪りぃ。これな、交渉じゃなくて───もう決めてんだわ」
槍を中心に魔力が吹き荒れる。それは周囲一帯の大源を喰らい尽くす純然たる殺意。先ほどユウカへと放たれたソレとは毛色の違う純粋な暴威。しがみつくようにへたり込んでいたノアは、それを見て悲鳴を上げる前にユウカを庇って前に立つ。最早それは本能だった。友を殺されるわけにいかない、ただその一心での行動に対して、ランサーは面倒な事をするなとでも言いたげに舌打ちを鳴らす。
「交渉なんて面倒な事、するわけねぇだろ。怠いんだよ、そんな事。話してんのはアレだな、名残りって奴だ。まっ、だからとっとと死んでくれや」
そう言い放ち、腰だめに構えようとしたランサーの隣で、再度魔力の奔流が生まれる。ユウカ達の目からも感じ取れる空気の揺れ。この場にもう一騎、サーヴァントが現れる。その事実に、祈りが通じたかとほんの一瞬の安堵が生まれる。 - 5481じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/07(木) 23:38:51
「おう、『嫉妬の』。やっと来たかよ」
そしてそれはすぐさま折られる事となった。
現れたソレを言い表すならば『黒』という言葉こそが似合うだろう。中折れ帽、そして泥を塗りたくったような黒いスーツはさながら喪服か。少なくとも彼女達が敬愛する先生が袖を通すそれとは比べ物にならない死が染み付いている。そして血で汚れた包帯に巻かれてその下の顔は見通せない。
「D.U.の様子はどうよ?」
そんな出立のサーヴァントに気安い調子で呼びかけたランサーに対して、嫉妬と呼ばれたサーヴァントは直立不動のままでいたが、ゆっくりと、そして忌々しげに口を開いた。
「……思いの外、固い。流石は七神リンと言うべきか。あの女、形振り構わず『用意』していたぞ」
「おいおい……幾ら手練れでもたかがガキだろうが。それにあの連邦生徒会長だっていねぇって話だろ?」
「安守ミノリとバーサーカーも現れた……今宵でD.U.を攻略するには私一人では分が悪い」
「はぁ……そうかい。まあ俺がそう言うならそうだろうな」
気怠げに確認するように頷いて。
「さて、待つのも怠ぃんだ。ちゃっちゃとこっち済ませて帰るとしようぜ」
男は再び槍を構える。同時に隣に立つアサシンの影からは黒いナニカが生まれ落ちる。
「ユウカだ」「ノアもいる」「遊びに来たよ」「早く遊んでよ」「ゲームがしたいね」「楽しいゲーム」「ゲームなら何がいいかな?」「そうだ」「そうですね」「ユウカ」「ユウカだ」
「ユウカを殺そう」
先ほどから影も形も、ましてや声も聞かなくなっていた存在がまるで泥から這い上がるように出現する光景。そしてその声の持ち主達は最早才羽モモイの姿ですらない。モモイに、正義実現委員会の生徒に、C&Cの構成員に、ゲヘナの風紀委員に、そしてヴァルキューレの生徒に。ぐずぐすと音と煙を立てては衣服ごと『変質』していく。 - 5491じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/07(木) 23:41:39
- 5501じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/08(金) 00:04:20
【Recommend BGM……〈GGF〉】
ミレニアム・スタディエリア。昏く沈んでいた夜の街に再び輝く光が満ちて、それは発電所も同じ。
背中に光を浴びてランサー達の背後に少女が現れたのは全く同じタイミング。
ユウカ達は見た。音もなく現れたその所作はミレニアムが誇るメイド達の完璧なそれ。雨粒すら弾いて鮮やかに輝く橙色の髪を揺らす下にはその挑戦的な目が燦々と輝く。
少女はランサー達が振り返るよりも『早く』、その華奢な右足から放たれた回し蹴りがランサーを捉えて吹き飛ばす。
同時に、隣に立っていたアサシンの顎下に拳を叩き込んだ後に鎖をかけて。
「わりぃな。ちょっと後輩と話すからよ」
そう言ってそのまま外へと放り投げる。字面だけならなんと呆気ない事か。だが侮るなかれ、大の大人を身長にして146cmという小柄な少女が宙へと浮かして10mは先へと放り投げる。その事実が小さな体躯に詰め込んだ膂力の恐ろしさを物語っている。
「……ネ、ル先「アスナ」……ぁ」
「はいはーい!お待ちどうさま!二人とも……遅くなっちゃってごめんね」
いつの間にいたのか、長い亜麻色の髪を揺らしながら救急セットを取り出すのは一ノ瀬アスナ。
彼女は手早く、ユウカの傷を診察しその状態に顔を顰めつつも的確に対応を始める。その様子に呆然と、でも徐々に現実を理解して。
「っかった……よか、った……ありがとう、ございます……お二人とも……」
ノアは膝から崩れ落ちて安堵の涙を流す。 - 5511じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/08(金) 00:05:59
その姿をちらりと一瞥してからネルは油断なく相棒を構えた。
「わりぃな、ほんと。ちょっと足止め喰らっちまってさ」
首を鳴らし、鎖を床へと垂らす。
臨戦態勢、その姿に僅かたりとも隙はなく。一歩ずつ、その怒気を漏らさぬようにして歩き始める。
「まぁその分は今から働いて返すとするさ」
「……おい、なんでアイツらが此処にいる?アサシンの宝具で足止めされていた筈だろうが?」
「ん?あぁ、あのよくわかんねぇ奴らか。アレなら全員ノしたぜ」
鼻で笑って言う少女へとアサシンは呻くような声を上げた。
「……三百は下らん数を用意した筈だ」
「多かったね、リーダー!」
「あぁん?あんなもん数のうちにも入んねーよ。うちの連中の損失もなしだしな」
「あ、ユウカちゃん、ノアちゃん!避難所の方とかヴェリタスの子達は安心してね!うちのエージェントもそうだし、カリン達がピックアップ済みだから!」
能天気なほど明るい声でそう言うアスナは止血を済ませるとノア達を奥へと誘導する。その動きをアサシンもまた咎めようと、再度ナニカを顕現させようと影を広げようとして。 - 5521じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/08(金) 00:06:35
「させるわきゃ、ねぇだろ」
呆れたように少女が言った瞬間、影から顔を出そうとした生徒の形をした何かは爆散する。
理由は分かりきっている。少女の手元にある二丁一対の銃。そこから少女の感情が漏れ出したかのように煙が揺らめいている。
呆れは当然だった。この少女の前で誰も舐め真似なぞ出来る筈もなし。
「ったく、つまんねぇ真似してうちの可愛い後輩共泣かせてんじゃねぇよ。こいつらの涙、高いんだぜ?だからよぉ」
そう、この少女が来たのだ。
たかが三百人程度で自分達を抑えらると考えられた、ミレニアムに喧嘩を売ってきた。何より可愛い後輩を傷つけられた。
その怒りに震える、ミレニアムの勝利の象徴が。
「ここからはあたしらの喧嘩だ───!」
ミレニアムサイエンススクール、最強。
コールサイン、ダブルオー。
美甘ネルがこの戦場に到着したのだから。 - 5531じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/08(金) 00:14:46
やっと……やっとここまで書けたじゃんね……無理じゃんね……ここからネルちゃんの戦闘シーン書くのは夜が明けるどころのはなしじゃないじゃんね……
明日は早帰りだから18時から頑張るじゃんね☆
よかったらまた読んでやってくださいなじゃんね☆
ではでは今日も遅くまでありがとうございました!おやすみなさい……じゃんね☆
あの子は蒼銀とラビリンスぐらいしか出てきてない子じゃんね☆早く詳細が知りたいじゃんね……
あ、セイバーとランサーの真名?は当たりじゃんね☆
矢避けの加護はあくまで本スレのキヴォトスだとチートスキルって位置付けじゃんね☆別作品同士、あくまでクロスオーバー二次創作だから1の勝手な妄想になっちゃうけど、まぁ銃社会に持ち込んじゃ駄目なスキルじゃんね☆
- 554二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 00:27:40
乙じゃんね
長い間お疲れさまじゃんね
ここから痛み分けになるまでどんなことが起こるのかドキワクじゃんね - 555二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 00:36:02
おつかれさまです
そういや嫉妬のアサシンが主にモモイの姿を模してるってのも気になるな
ヒフミの姿を模したりしてた暴食のセイバーもミカに一度倒される際のセリフが”「余の、余の……桐藤、ナギサ……余の愛しい……余の、私の……ナギサ……様……食べようと思ったのに……食べて、あげようと……」”だったりしたし、ただ姿を模してるって訳でも無さそうな感じありそう? - 556二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 00:52:46
- 557二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 00:56:53
- 558二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 01:01:05
乙ー
けど百貌さんだと現代に近い恰好してるのがノイズになるんだよね…なので個人的にはリヨのアサシンではないかと予想してみる
ギャグだけどあいつ地味に手勢召喚宝具もってるんだよな…しかも変装とか得意そうなエージェント系の - 559二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 08:17:30
保守
- 560二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 09:02:09
お疲れ様です
聖杯のランサー、確かに見た目は槍ニキだけど性格(?)はかなり違いますね
スカサハ師匠が見たらブチギレて鏖殺するんじゃ……?
コユキを助けたのは誰なんだろうか?
プーサー…いや、違うか?
そして、聖杯のアサシンは誰なんだ?
三百人以上って事は百貌さんではないだろうし……まさか、マンガで分かるアサシンとかだったりするのか?
さて、この感じだとゲヘナも襲撃を受けてそうですね
3大校+α同時襲撃事件とか、ガス爆発って事だけで隠蔽しきれるのだろうか? - 561二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 09:53:53
ユウカ、必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)じゃなくて良かったな
- 5621じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/08(金) 17:49:02
帰ってきたじゃんねー、1文字も書けてないじゃんねー……1は泣きそうじゃんね☆
とりあえず思いつくまで頑張るじゃんね☆
それはそうと便利屋68業務日誌の最新話が更新されたじゃんね☆アルちゃんと先生との関係がクローズアップされてて良かったじゃんね☆
ありがとじゃんね☆痛み分けになるところは考えてるけど過程が……頑張るじゃんね☆
ありがとじゃんね☆単純に嫉妬じゃんね☆誰でも良かったけどモモイちゃんがカモフラージュするって意味でもちょうど良かっただけじゃんね☆
弄りまくってるじゃんね☆
聖杯戦争とかサーヴァントってシステムの良いところは毎回立場がリセットされるところだけど、当たり前の話だけど二次創作だとそうもいかないじゃんね☆だからサーヴァントを敵役に配置するなら色々やってるじゃんね☆
キャスターは普通にダメ出しされて不参加じゃんね☆当初の予定とは違ったけど、ちょうどいいからそれで1はいく事にしたじゃんね☆
1は山の翁達の中だと呪腕さんが好きじゃんね☆
保守ありがとじゃんね☆
ありがとじゃんね☆口調はなるべく同じに、でも性格は全然違う感じにしたじゃんね☆
本人含めてバチギレ案件じゃんね☆
ゲヘナについてはまた別じゃんね☆大乱闘というか大怪獣バトルしてるじゃんね☆
そっちのランサーは(少なくとも本作の)キヴォトス出禁じゃんね☆
- 563二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 18:06:12
- 564二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 18:11:27
いざとなったらちょうど来てるマリーとランサーでスパルタァで(多分)解決よ。治安維持とかそれこそ守る戦いだし面目躍如よ
- 565二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 18:27:00
戦力的な意味ならランサーがいればある程度はなんとかなりそうだけどホスト代行であるナギサが重症ってのは政治的な面でまずいことになりそうではある
隠蔽工作とかする際にトップがいないと色々問題発生しそうだし
仮にナギサがすぐ目覚めたとしても重症の人をすぐ復帰させるわけにはいかないからな - 566二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 18:40:10
流石にネガティブに考え過ぎというか別に表沙汰にならなきゃ数時間程度で治安悪化は無いと思うぞ
特にナギサの件は戦闘自体はティーパーティ政務室近辺で収まってる訳だし
それにトップであればセイアも居るだろうし
- 567二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 18:49:28
確かにセイアがいるわけだしナギサ復帰まではセイアが仕事することになるのかな
それでも混乱が全く起きないわけではないだろうけどトップ不在の事態よりはずっとマシな状況になりそうではある - 568二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 19:21:01
まあナギサ重症でフィリウス分派は混乱しそうだけど
セイアいるし復帰するまではセイアがトップに立つ感じになるのかな
会いに行く際はセイアと仲のいいハナコが同席した方が話が早く進みそうではある
ミレニアムでの戦闘はどんな感じになるんだろうな
痛み分けってことは両方ともダメージ負う感じになるんだろうけど - 569二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 19:36:23
ゲヘナ、大怪獣バトルとか本当にナニが起こってるのか気になるじゃんね
- 570二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:40:20
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- 571二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:42:03
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- 572二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:52:53
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- 573二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:54:44
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- 574二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:55:04
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- 575二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:04:07
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- 576二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 22:40:12
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- 577二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 22:48:16
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- 578二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 01:16:52
いい顔だ
- 5791じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 03:03:27
囲まれたネルと背中合わせに降り立ったアスナの気配に目も合わす必要なく、ネルは全幅の信頼から確認をする。
「あっちは済んだか?」
「バッチリ!どっちも問題なし!」
「なら良し!」
どっちも。つまりユウカの無事も他の生徒達の無事も。或いは今ここに来ている事もカリン達に任せている事も。若しくは敵の襲撃もその撃退したという結果も。ネルの中で知りたがっていた現状に対する回答を『どっちも』の一言で全て説明し、ネルもまたその一言で理解する。
お互い1年生の頃からの付き合い。長さだけなら現在の数字持ちの中でも最も長い気心知れた相棒。今更、戦場で無駄な言葉は不要だった。
「走って抜けるから残りは任せる。あたしはそのまま奥のタイツをヤる」
「おっけー!任せて!……でも、リーダー」
期待していた増援もあり、ようやく本格的に戦えると肩を回すネルにアスナは口籠もりながら、僅かに視線を揺らした。
「あの槍、やっぱり変だよ」
不安と微かな恐怖。歴戦のエージェントであるアスナが発した言葉にネルはじりじりと迫る周囲の壁を牽制しつつ尋ねる。
「……そう思うか?」
「うん、なんかね、見てるとゾワゾワする……すごく、冷たくて怖い感じ!」
一ノ瀬アスナ。蠱惑的かつ肉感的な身体つきの女性らしい女性であると共に大型犬と揶揄されるような愛嬌を持ち合わせる美少女。だが、同時に豊富な戦闘経験、そして凄まじい『直感』というある種の異能を持つ。その直感は、経験から培われる通常のそれとも違えばヒフミの有するそれとも毛色が違う。
正しく異能にして驚異的な超常。その『直感』がアスナに教えるのだ。
「だからリーダー。『使わせないで』」
怠惰のランサーが持つ槍を使わせるべきではない、と。
「……あいよ」 - 5801じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 03:04:56
その言葉が意味する物はネルには理解できず、だがその脅威が如何程の物かだけは本能的に確信を抱いた彼女は。
「なら……使う隙なんざなくぶっ飛ばしてくぞ!」
「オッケー!」
アスナへと号令、それに背中合わせだったアスナもまた反転し駆け出したネルを援護する。
一点突破。正面からの吶喊に当然敵兵は応戦しようとするが。
「遅ェッ!」
「させないよッ!」
一気呵成に駆け抜ける。鋭い矢の如く疾走するネルに追い縋ろうと腕を、刃を、弾丸を伸ばそうとする悪漢の動きを阻害し、自身にも迫る攻撃を防ぎ、躱しながらアスナは見事な支援をやってのける。
二百近い敵の軍勢。凶器が犇めく悪意の群れ。そこを一直線に、ただの一度も悪辣なる食指にかからないままネルはただ走り。そして、今。
「よぉ、待たせたな」
包囲網を抜け、瓦礫に座る男の眼前へと躍り出た。
「いいや?待っちゃいないさ……そのままポックリ逝ってくれても良かったんだぜ?」
対する男は、反射的に構えようとしたアサシンの動きを顎で制しながらゆらりと立ち上がる。その手には鈍く、そして血を滴らせる兇器が一振り。その血が誰の物か、改めてそれを目にしてネルの夕陽の如き瞳に力が灯る。
「おいおい、ひでぇな。これでもこっちはアンタにしっかり」
許すまじ。ただその想いが熱を帯びる。美甘ネルの口から漏れる息が雨で凍てる空気に白く棚引く。
吐き出す言葉は決めていた。その気怠げに全てを『つまらない』と見下す視線に突き立てる指を決めていた。だから。
「お礼したかったんだからよォッ!槍持ち野郎ォッ!」
中指を突き立てそう吼えたネルは、一歩、相手の間合いへと踏み込んだ。 - 5811じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 03:06:57
【Recommend BGM……〈一番槍〉】
サーヴァント二騎を生身の人間、それも僅か十七の少女が相手取る。サーヴァントについて理解がある人間なら無謀を通り越した蛮行か、はたまた虚構でしかないと嘲笑する事だろう。それを考えればネルは幸いだった。
「……軽いな」
「テメェの槍がなァッ!」
アサシンの『敏捷』はBランク。無論のこと、その数値だけでサーヴァントの脚力は測れない。だが今この瞬間に、アサシンは立ち尽くす他ない。
そう、美甘ネルはサーヴァント二騎を相手にしながら幸いにも、自身の並外れた身体能力でそのうち一騎を『置き去り』にし事実上の一対一という状況を作り上げていた。
サーヴァント。それはキヴォトスとは異なる世界においての過去の英雄。神話、伝説、寓話、歴史。真偽を問わず、伝承の中で活躍し、人々の文明が織られていく中で『確固たる存在』として確立された超人。そうして人々に語り継がれる中で永久不変の存在となった英雄は、その死後に信仰を獲得し人間の枠組みから外れた精霊、即ち『英霊』へと至る。
それこそが異なる世界の人類が生み出した至高にして最高の幻想であり理想。人間の中で最も優れた人間、その到達点。それが英霊であり、その力、魂、精神をクラスという器に納めた存在がサーヴァント。人類史上、最も優れた兵器だ。
そのサーヴァントを相手取って美甘ネルは互角に渡り合っている、その事実が如何程の物か。
キヴォトスの生徒、存在についてその『変質した宝具』の性質から熟知している筈のアサシンでさえ絶句し立ち尽くすしかない。
「二丁使いが……こんな場所でもとはなぁッ!」
たかが人間風情、たかが子ども如き。
「えらく騒ぐじゃねぇか!老兵ッ!」
そう侮っていた存在が、今、過去に伝説を齎した大英雄の分け身と五分にぶつかっているのだから。
アサシンが驚愕と底知れぬ⬛︎⬛︎に溺れる中、ネルとランサーの戦いも激化していく。重なるように響く金属音。なにも刃同士がぶつかる音ではない。
弾丸と矛先。
それぞれが鎬を競って間合いを塗り潰し合う。
銃と槍。間合いで言えば間違いなく銃に分がある戦いだろう。だが対するのは規格外の神秘を内包、否、神秘そのものであるサーヴァント。神秘を有しない如何なる事象は彼らに傷の一つとて与えられない。それは当然、現代兵器である銃も同じこと。 - 5821じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 03:19:24
だがここに例外がある。
学園都市キヴォトス。そこに住まう住民達が手にしたソレには個人差はあれど確かな『神秘』が宿るという。事実、通常の攻撃は宝具ほどにまで昇華されずともネルから注がれる神秘によってランサーの霊基に確かな傷をつけ得る凶器となった。故に、此度の戦いで言えば宝具だから、サーヴァントだからという道理は通用せず。
「べそ掻くんじゃねぇぞ、ガキ」
互いの命を奪える武器を手にしているなら条件は同じ。残るのは純粋な身体能力と武練の差。
その筈であった。
「(こいつ……銃弾に対して回避しねぇ)」
音速を越えた攻防。その最中でネルの射撃がただの一度も『当たらない』。回避しているなら理解出来た。その身熟しだ、そういう事もあり得るかもしれない。防いでいるなら突然だろう。見切りに長けた立ち振る舞い、銃弾を斬って捨てる程度は悠々とやってのける。だが、それら一切せずにまるで『そう決まっているかのように』当たらない。その違和感にネルは見当をつける。
「(……これが例のスキルってやつか。風かなんかってとこか?)」
ネルは思考を走らせ、槍を鎖で弾きながら引き鉄を引く。銃弾は確かな軌跡を描き、青黒い影を捉えんと牙を剥く。だがその結果は虚しく空を駆けていくだけ。それに確信を得て、ネルは次の動きに切り替えていく。
「……へぇ、こっちは良いみたいだな!」
しなやかに振るわれた右脚。それをランサーは槍で咄嗟に防ぐ。槍と脚、だがその衝突音は。
「チッ……乳飲み子風情が」
ランサーが危惧した通りか、とても肉や骨と鋼鉄がぶつかるそれではない。火花こそ散らねど、正しく鋼の一打。それを素通りさせれば痛いで済まない事を互いに理解しての一手。
ネルの思惑通り、銃弾は駄目でも拳打であれば通じる確信を得て速度を上げる。
再び激突。響きあう攻防は次第と言わずに際限なくリズムを上げていく。両者の戦いは周囲の空気すら追い出し完全な二人だけの世界を作り上げる。白熱する稲光すら孕んだ矛先とそれを躱して確実に柄に、そしてランサーの肉体へと迫る打撃。
ランサーの一撃は重く、生かすつもりはないのだとその矛先の鋭さが告げれば、ネルの強打は確実に、必ず叩きのめすという決意を示す。
崩れた外壁を間合いを詰め合う踏み込みで粉塵となって巻き上がる。攻め手、守り手が瞬きをすればすぐさまに入れ替わる人外の速度を示す戦い。 - 5831じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 03:20:52
だがその中で、ランサーは嘲る。
「……ッ!」
如何に優れた身体能力を持とうとあくまで『生徒』、あくまで『霊長』の枠組みにあるのが彼女達だ。何よりその手にあるのは鎖に繋げられた、そしてランサー相手には決定打に欠ける双銃。どうしてもネルは肉弾戦を展開せざるを得ず、そうすれば間合いで優位を取る槍に拳打が勝る事はない。何より速度こそ拮抗しても、成人男性と少女。同じ土台に立つというのなら、当然そこに膂力の差が生まれる。それは鋭角かつ点で命を奪いに来る矛先が徐々にネルの肌を捉え始めるという結果を生み出す。そして今、ぶつかり合う拳打と槍撃が百合を越え、ついに矛先を捌いた衝撃でネルの両手が弾かれるように開かれる決定的な隙が生まれた。
「───間抜け」
ランサーに躊躇いはない。ネルの命を刈り取らんとランサーは足を止めて地面に根を下ろす。
その構え、ただ一撃で勝敗を分つが為に。漸く苦痛な戦いから解放されると喜色を浮かべるランサーと静かにそれを待つネルの視線がぶつかる。
瞬間。
一息のうちに放たれた刺突は正しく閃光であった。視認なぞ許さない、身を躱すなぞ認めない。ただ死を待てと言わんばかりに放つは一撃。
心臓穿つ、一撃必中───。
【Recommend BGM……〈天地鳴動〉】
だが。
「そっちがな───!」
見る事すら許されない一撃は甲高い音と共に防がれる。然しもの、ランサーの表情にも驚愕が浮かぶ。魔槍は確かに美甘ネルを貫いた。だがその傷は浅い、その箇所も違う。
必殺を込めて放たれた一撃はネルの膝と肘に挟まれる形で押さえ込まれていた。 - 5841じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 03:41:04
無刀取り、その破型。
矛先は僅かにネルの腹部を指すが深さも5cmとないだろう。致命傷には遠く及ばない。
驚嘆すべきは視認もできない速攻を、『心臓を狙う』『敵は一撃で決そうとする』、その二つを想定して最小かつ最短の動作で見切った身熟しと瞬発力、膂力、そして度胸。一歩間違えれば死ぬのは当然、防いだとしても膂力や強度次第では簡単に膝も肘も骨を砕かれ敗北へと繋がる。
だがネルはそれら全ての『最悪』を度胸と経験で乗り越えていく。憤怒を力に変え、理性を以て勝利の可能性を掴まんとする。
そんなネルだからこそ、勝利の女神は微笑んだ。
「何惚けてんだ?───ボサっとすんな、殺しちまうぜ?」
攻守、反転。ランサーは、ネルの言葉通り、惚けた。殺した、その確信。終わった、その安堵。
戦いも仕事も何もかも『怠惰』に在る事が宿痾となった男は、確実に仕留めたと思った相手が生き延びたという想定外の事態に『隙』を作ってしまった。
仮にケルトの大英雄、光の御子たるクー・フーリンがその光景を見たならば、隙なぞ作らずに歓喜と共に手合わせを願い出ただろう。最早ランサーの目の前にいる少女を誰がただの子どもと見るか。彼の偉大な英雄であれば年も見た目も関係なく、その決意と度胸が齎した絶技をもって『強者』だと認めるだろう。
だがランサーにそれは叶わず、ネルもまた『隙』を見逃さない。
「……ッ!舐ァめるァッ!」
「舐めんてのは───テメェだろうがッ!」
豪打。
打ち込むのは拳、足刀。重々しい水袋を叩く音が夜空に広がる雲すら吹き飛ばさんと響く。一瞬の隙を見逃さず四肢は振るわれる。それに合わせて迫るは無駄だと理解した筈の銃弾と鎖。そう、それらは確かにランサーには当たらない。
『矢避けの加護』。サーヴァントが生前に獲得した物の中でも加護の文言とあるようにより上位、神々や精霊によって与えられる『力ある護り』。ランサーのそれはとある英雄が生前から持っていた物であり、加護の対象者は凡ゆる飛び道具から身を守る事が出来る。故に、銃社会であるキヴォトスにおいて『矢避けの加護』というスキルは恐ろしいまでに効力を発揮する。
だが、加護を与えた存在は勘違いをしていた。
否、見誤ったのだ。
確かに投石、投槍、そして弓矢の悪意からは対象を守るだろう。飛び道具である以上、銃弾も変わらない。 - 5851じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 03:43:42
「目眩しか!小細工をッ!」
「あん?……ハッ!戦う時に工夫すんのなんざ、当然だろうがよォッ!」
ただし、弾幕となれば話は別だ。いくら銃弾が至近距離からでも当たらないと言えど、目の前一杯に硝煙と共に吐き出される分速850発の銃撃で視界を奪う事は可能なのだ。
確かに神々が与えたその加護は凄まじい。
現代においても、そしてこのキヴォトスにあっても間違いなく危険視すべき力。
だが加護を与えた生前より、人間の科学技術は発展した。
それは一部とはいえ、神々の想定を覆す結果に繋がったのだ。科学技術の進歩、そして打てる布石を全て、持ち得る力を全て使い切った全力の戦い。
「それとも何か?英霊様ってのは、こういう泥臭ぇ戦いはやってこなかった口か?そいつは随分」
美甘ネルがこよなく愛する、そんなあらん限りに生を叫ぶ全身全霊を賭した戦い方は。
「───勿体無いことしてきたなァッ!」
サーヴァントという最強の兵器、その喉笛まで迫った。
「馬鹿が……ッ!戦いなんざ、面倒ごとで悦に浸りやがってッ!三流がァッ!」
だが、それでもランサーもまたサーヴァント。
その身、その霊基が宿すのは彼の大英雄。
ならば、一度の隙を巻き返さんと槍を振るい、己が皮膚の上から霊核すら破壊せんと迫っていた一撃を捌く。
一進一退。
互いに攻め手を譲らぬ激しい撃ち合い。
四肢と長槍。
少女と大人。
息も付かせぬ二人の立ち合いは互いの『隙』を射抜かんと鮮烈なまでに加速する。 - 5861じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 03:45:44
懐に潜り込ませんとするランサー。
対するはその射程から間合いを詰めんと滑るように槍を捌きながら迫るネル。
両者、間合いを譲らず。
打ち合いは百を越え、二百を越え、最早数をも知れぬ領域へと突入する。
僅かでも槍がぶれれば、ネルが大きく踏み出し拳撃を轟かす。
少しでも姿勢が崩れたならば、ランサーが槍をしならせ矛先を撃ち込む。
互いが互いの隙を喰らい合う攻防。
だが、弾丸が、鎖が。これまでネルを支えてきた力の象徴が、槍に比べて圧倒的に短い四肢の間合いをカバーし先へ先へとネルの背を押す。
それにランサーはその都度、僅かに後退していく。間合いが詰められていく。
事ここに至ってランサーは悟る。
目の前の相手は子供。所詮は『崇高』に至れぬ不完全な紛い物。
だが、これ以上目の前の娘を侮っては、敗北するのは己なのだと。
そしてそれは。
「悪りぃな、槍兵」
あまりに遅きに逸したのだ。
「貰ってくぜ?───勝星」
その言葉と共に間合いを完全に詰め切ったネルの拳は、ランサーの霊核たる心臓を穿ってみせた。
両雄決着。
勝者───美甘ネル。 - 5871じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 04:06:52
残心を残しつつネルは敵の骸を見る。
心臓部を荒々しく手刀で打ち抜かれた死体、そして血に濡れた自身の右手から煙るように光の粒子が立ち昇り、血も敵の遺体も初めからなかまたかのように幻となって消えていく。その光景を目にしつつ、ネルは無言。サーヴァントとはいえ、敵を殺した。その内心にあるのは───。
「ぐゥ……がァッ!」
無意識に下唇を噛んでいたネルの耳に苦悶の声が届き、さっきまでランサーの死体が転がって『いた』場所から目を逸らして声があった場所へと視線を送る。
「いえーい!びくとりー!」
丁度声がした位置にはおっとと、なんて可愛いらしい声を出しながら地面を擦って静止しているアスナの姿と、相当な数の弾丸を叩き込まれた挙句にアスナの美脚で蹴り飛ばされたのか地面に転がるアサシンの姿があった。
「あっ!おっつかれー!リーダー!こっちも終わったよー!」
「……応、おつかれさん」
『走って帰ってきたら派手にやり合ってて焦った』
『えぇ、本当に……みなさんお疲れさまでした』
左手を挙げていつの間にやら自分達に合流して恐らくアスナを援護していた通信越しの後輩達を労いつつ、今気づきましたとでも言いたげに態とらしい程に明るく振る舞う友人に苦笑いを浮かべながらネルは彼女の元へと足を運ぶ。
「リーダー、こいつどうするの?」
「あー……やり合った感じ、あたしの鎖使えば縛れそうだ。とりあえず、おでこの所のチビ共とトリニティのおじょー様方が来るまでふんじばって見張りだな」
『こちら02。下手な動きを見せたらいつでも狙撃できる態勢を維持する』
「悪りぃな。もう少し頼むわ」
『了解……リーダー、お疲れ様』
「……応」
最早物を言えず、身じろぎすら出来ないアサシンの姿に二人が憐れみを抱く事はない。ミレニアムを襲い、後輩を傷つけた。確認できた限りで一番大きな怪我は間違いなく早瀬ユウカだろう。だが訳もわからないまま真っ暗な道を避難する際に転んだなんて話はよくある事。小さな怪我を負った者は決して少なくない。何より電力の復旧が間に合ったとはいえ、大規模な停電。もしもう少し遅ければ、病院の予備電力も危うかったかもしれない。そうなれば、そこに入院していた患者がどうなったか。 - 5881じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 04:15:14
偶然間に合った、だがそれはあくまでも多くの生徒の働きあっての偶然。悪意を持ってミレニアムを傷つけた片割れであるアサシンに思うところは怒り以外ないのだ。
そんなアサシンを相手に200近くいた敵兵諸共凌いで、本体たるアサシンを倒してみせた友人達にまだ無理をさせてしまうが、そうは言っても仕方がないとネルは諦める。
通信はなんとか復旧したようで、こうして後輩から連絡も受けている。
直に聖杯戦争のマスターなんて碌でもない役目を背負ってしまった後輩達が来るだろう、そう考えて。ネルは油断なくアサシンへと近づこうとして。
「……ネルッ!」
アスナの鋭い叫びが聞こえたのと同時。
その言葉が確かにネルの耳へと届いた。
この世すべての悪意を煮詰めたような、濁り凍てつく呪詛が。
「───嘲り穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)」
そうしてネルの胸部に真っ赤な槍が咲いた。 - 5891じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 04:50:02
『刺し穿つ死棘の槍』。
それは今次聖杯戦争に招かれたアサシンの持つ『蹴り穿つ死翔の槍』と同形亜種というべき宝具。
ケルトの大英雄を担い手とするその魔槍の恐るべき真価にして真奥。それこそが『因果の逆転』。
真名解放と共に放たれる呪いの朱槍は、心臓に槍が命中したという『結果』を生み出してから槍を放つという『原因』を発生させる事で。
「悪りぃな、ガキ」
───必ず敵に『当たる』。
「貰っちまったぜ───お前の心臓」
防御は不可能。回避も不可能。何故なら初めから当たったという結果ありきで放たれるのだ。何をどうしようと『当たった』結果が先に生まれているせいで、何か防御しても、防御をされたが当たった。そういう風にしかならない。
故に必中。故に必殺。
それこそがケルトが誇る最強を担い手とする宝具であり、今倒れ伏したネルへと一歩ずつ暗がりから近づく『ランサー』が所有する宝具なのだ。
「……っぅぅッ!」
『アスナ先輩……ッ!』
喉奥から振り絞るような悲鳴をあげながら、アスナは近づく悪漢の手にネルが渡らぬようにと抱えて走り出す。抱きしめた少女はあまりにも小さく、そして冷たい。その感触に叫び散らす警鐘を無視してアスナは施設を飛び出した。
その彼女の動きにカリン達もまた、数瞬遅れて支援を送る。
「……ネル、待ってて!すぐ治療するから……っ!」
敵前逃亡。だが、最早それどころの騒ぎではない。ネルは胸部を貫かれた。それも銃弾などではない。槍でだ。一体どれだけの深手となるか、刃物による怪我が比較的少なく丈夫なキヴォトスで生まれ育ったアスナには想像も出来ない。だからこそ、『万一』にも死なせない為にアスナは駆ける。
『ヘリ!要請しました!』
『回避ルート送りました!先輩!部長を……!』
頼れる後輩達の声に安堵が微かにだが、広がろうとしたタイミングで、とびきりの悪寒を感じてアスナは横に跳び退き。 - 5901じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 04:58:24
「……ぃッ……痛ぅっ!」
その右足に深く鋭利な赤が走った。何かが刺さった訳ではない。何かに直接斬られたわけでもない。ただ投げられた槍が掠めた、ただそれだけ。
ただそれだけでしっかりと痛々しい裂傷がアスナの脹脛に刻まれた。
「なるほど……妙な手応えはてめぇか、女」
「……」
アスナは、無言のまま銃を片手に構える。発電所から全力疾走で離脱した彼女に悠々と追いつき、あまつさえ投槍によってその真っ白な肌に深々と痛手を負わせたランサー。
「……先ほどは随分と遊んでくれたな小娘。ちょうど良い。早瀬ユウカの代わりだ。お前の爪も皮を剥いで阿慈谷ヒフミ達に送ってやろう。そうすれば貴様のような醜女でも少しは役に立つ」
そして、苛立たしげに殺意と嗜虐心をアスナへと向けながらアサシンの二騎が現れる。その影は先ほどまでのように蠢くことこそないが、その代わりというようにその手には、何に使うのか想像するだに恐ろしい玉箸が握られている。
「あまり時間と手間をかけさせるなよ、ガキ共……もう面倒だから殺しちまいたくなっただろうが」
「……どうでもいい、怠惰の。ここで殺せばいい、女子供なぞ。そうだ、女なぞ……皆殺しでちょうどいい」
一歩。また一歩と迫る殺意。
後輩からの通信は最早泣き声になりつつあって、ランサー達の動きを必死に止めようと狙撃しているのも察して。それでもアスナは動かずに待つ。
何をか───決まっている。
「ごめん、アスナ先輩。遅くなった」 - 5911じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 05:00:23
一ノ瀬アスナは特異な力を持つ。それは測定の⬛︎⬛︎⬛︎に似て否なる『直感』。その異能が彼女に知らせた幸運。それが導き出した最善手。
まだ自分達は、終わってなんかいないと。
その答えが、今、鋼鉄の咆哮を響かせて窮地の少女達の元へと辿り着く。
「……ユウカのこと、聞いたよ。ありがとう」
頭上、曇天より降り立つは鋼の巨人と桃色の少女。
轟音、高らかに。
噴き出す蒸気は周囲を焦がすように熱を帯び、友達を傷つけられた少女の正しき怒りはキヴォトスの夜空よりなお眩く世界を照らす。
「もう大丈夫───こいつらは」
サーヴァント、キャスター。
及び第三のマスター、才羽モモイ。
戦場に到着並びに。
「私達がぶっ飛ばすから───!」
交戦開始。 - 5921じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 05:03:18
- 593二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 05:36:43
おつかれさまです
- 594二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 09:08:01
お疲れ様です
流石は中身が変とはいえ槍ニキ、矢避けの加護と戦闘続行スキルが強すぎるぜ…!!
そして、マジで聖杯のアサシンは誰だ?
こう、微妙に絞りきれないのがもどかしい……!! - 595二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 09:47:26
獣案件だと冠位指定鯖が出張って来そうだと思ったけど、そういえばもうプーリンが接触してきてるな
もう一人位、冠位指定鯖がキヴォトスに来ても良いのよ
(ノア繋がりで冠位騎乗兵とか) - 596二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 11:35:27
ゲイ・ボルクってちゃんと当たると洒落にならないよね
- 5971じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 18:02:30
- 5981じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 21:48:16
【Recommend BGM……〈巨壁〉】
蒸気が噴き上がる。マスターの気持ちを察して、憤然と報復と悲哀の激情を滾らせる。
金属が重々しく擦れ合い、唸りを上げる野獣が如き騒めきで周囲を震わせる。
「第三のマスター……それにキャスターッ!」
「……おい、嫉妬の。足止めはどうなってやがる?それなりに数は置いてきたんだろうが?」
「少なくない数を用意した。幾ら此処とD.U.に分散させようと大隊規模……それにあちらにはキャスターが、最後の私が召喚されている。奴らの拠点には十分な戦力を……!」
二騎の戯れた会話に耳を傾ける事を、少女と従者は選ばなかった。
───はつ、はつでんしょ!発電所にユウカ先輩がッ!
───モモイ!モモイ!おねがいです……!お願いだから……!
黒崎コユキが泣いていた。通信が回復してからヴェリタスから経緯を伝えられた。早瀬ユウカが傷つけられた。そして、今。美甘ネルが、あの気のいい先輩が槍に穿たれ血を流している。
───みんなを助けて!
「まぁ、いい。どうせいずれは潰さなきゃならん相手だ。ここで杯に捧げておけば聖杯戦争も動く」
最早、才羽モモイは我慢しない。 - 5991じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 21:49:34
「手負いのガキを庇って、ましてや相手は最弱のクラス。勝機は───」
そしてアサシンが発した音は、その場に置き去りにされた。
「な、に……ッ!?」
アサシンが立っていた場所には煙を燻らせる鉄鬼。真紅の瞳は爛々と鉄の如き理知的な殺意を瞬かせ、その鉄拳を振り切りアサシンを頭陀袋のように殴り飛ばしていた。
「てめぇ……ッ!」
瞬時、ランサーは槍を振るう。空気を切り裂きながら振るわれる血色の魔槍。だが、忘れるなかれ。今この場に到着した英雄が如何なる存在かを。
「随分と軽い槍だな、槍兵」
「……ぐっ、ガァッ!?」
火花、散る。
魔槍の横薙ぎは確かな衝突を生む。しかしそれはキャスターの肉も骨も断つ事はなく、その全身を包む強固な鎧に阻まれる。
「キャスター、一番、二番。遠慮はいらないよ」
「委細承知」
鍔迫り合い、その最中。モモイは静かに己が相棒へと告げる。一切の慈悲はなしだと。
全てを使いきれと。
「全員まとめて───やっつけて」
「任された───ッ!」
その言葉にキャスターは闘志を漲らせ、少女の願いを叶えんが為にその手に大槌を掲げた。 - 600二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 22:01:03
普通に魔術を使うキャスターなら確かにクーフーリンの相手にはならんかもしれんけどバベッジは珍しい肉弾戦のキャスターだしね。少なくともアサシンでは相手にならんよな。
やっぱ問題はランサーなんだよね、普通の状態の兄貴ならそれでもキャスターは相手にならんだろうけど変に怠惰とか属性がついてる現状だとどうなるのかな? - 6011じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 22:06:39
【Recommend BGM……〈strike back〉】
キャスター、チャールズ・バベッジ。
今次聖杯戦争に呼ばれた彼の生前は数学者だった。そう、戦士ではない。騎士ではない。生前に誰かの命を奪ったという逸話すらない。人類史に大きな功績を残しながらも、彼はイングランドで生まれたごく普通の人間だった。
故に、その戦い方は至ってシンプル。直線的な軌道で大槌を振るい、鋼の鎧で敵からの攻撃を防ぎ、その膂力で相手を押し潰す。ただ、それだけ。
「……こん、のッ!」
「どうした、ランサー。最速のクラスの名が泣くぞ」
そしてそれこそが真骨頂。第一スキル『一意専心』の発動による超人的な集中力に持ち前の高度な演算力でランサーの動きを緻密に分析、確実に攻撃を当てにいく。第二スキル『機関の鎧』を発動させる事で内蔵蒸気機関を最大稼働させ、その基礎ステータスに倍加補正だけでなく驚異的な膂力と耐久を実現する。敏捷性、つまりは単純な脚力や精密な動きこそ苦手としてしまうが、それも蒸気を蒸してブーストさせる事で人間離れしたまるで戦闘機か何かのような特異な機動でカバーが可能。
確かにキャスターの戦いに華はない。その単純な戦い方には、洗練された動きも技巧を凝らした武芸も存在しない。
だが、それでいい。
「やっ……たらッ!力が強くてもなァッ!」
「吠えるか、ランサー。驚いたな」
ランサーの槍が奔る。その矛先は火花を散らして稲妻の如く空気を穿ちキャスターの鋼を打ち砕かんとする。野獣のようにしなやかな動きは、キャスターの直線的な機動よりも遥かに高次元にある。だがそれすらも、キャスターは正面から叩き潰す。 - 6021じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 22:08:16
「老骨相手だ、余程の余裕があるとみた。もっとも」
その機動力で背後を取ったランサーは、鎧の隙間に刃を潜り込ませんと槍を振るう。だかそれを振り向きざまにほんの少し肩を動かして、その丸みを活かして凶刃を滑らせてみせる。そのまま繋げるは豪打。大槌でガラ空きとなった胴体へと叩き込むは致命の一撃。寸で槍を引き戻し大槌を防ぐが勢いまでは殺せず、ランサーは鞠つきのように吹き飛ばされる。
「我の計算ではそんな余裕はないと出たが、如何か?」
キャスター、チャールズ・バベッジ。彼の戦い方にそんな物は一つとて不要。未来すら読み通してみせんとする演算能力とそれを実行するに足る身体スペックで相手の動きを読み切り、圧倒する。
まるでチェスプロブレムでもしているかのように。一手ずつ、確実に、相手を削り潰す。荒ぶる暴威を相手に侮る事は許されない。
通常の聖杯戦争であれば対魔力の存在から魔術による優位性こそがクラスの特徴であるキャスターは間違いなく最弱候補だろう。だが、今次聖杯戦争に限って、その道理は通用しない。
「さて、我が主人からの命だ。起きよ、ランサー、アサシン。お前達は諸共に」
この聖杯戦争においてキャスターは、この漢は。
そして、友を傷つけられた怒りに震える主人の元、戦う彼は。
「───ただ一つの遠慮もなく我が叩き潰す」
間違いなく『最強』の一角なのだから。 - 6031じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 22:18:50
「ごめん、ネル先輩。『まだ大丈夫?』」
「ばっ……か、お前、チビ……見てわかんねぇ、かよ……んなもん、よゆーだ、よゆー」
キャスターに敵の相手を任せ、モモイは遮蔽物に身を隠したアスナ達の元に行く。そこにはアスナによって応急処置を施されながら自身の銃にマガジンを装填し直す美甘ネルの姿があった。
「……流石にお腹ぶち抜かれて、それ言えるのネル先輩だけだよ……」
「ぁスナの……おかげだな……助かった……」
「お礼言うのは後!バカ言ってないで少しでも休んで!」
ネルの言う通り、今彼女が宝具を受けながら生還しているのは一ノ瀬アスナのおかげだった。
『刺し穿つ死棘の槍』、その宝具の能力は『因果の逆転』。初めから当たったという結果ありきで槍を放つ権能一歩手前の必殺必中の槍。
足が速いから体が硬いから、そんな理由で防げる宝具ではない。何故なら真名を解放した時点で『当たっている』から。ならば防ぐ手段はないのか、否である。それが今回のケース。
槍によって決定された運命を曲げるほどの強運によって槍が持つ呪詛を跳ね除ける。
あの時、咄嗟に叫んだアスナの直感。そしてその直感に長年の信頼から無意識で従い身体を逸らしたネル。一ノ瀬アスナの異能というべき桁外れの幸運と彼女への信頼、そしてそれに応えられるだけの身体能力が奇跡というべき結果に至った。
あの瞬間、魔槍の呪詛によって心臓を穿つ筈だった一撃は、逸れてネルの脇腹を貫いた。
それでも十分に大きな負傷ではある。だが、死の運命を退けたのもまた、間違いなかったのだ。
「とりあえず、キャスターが時間は稼ぐというかアイツらぶっ倒してくるから……その間にちゃちゃっと直しちゃお」
モモイは、止血の処置が施されたネルの身体を見つめながらそう言い、その手をポケットから出した。
「んだ……そりゃ?」
「んー……まぁ、よく効く薬?多分『あの』槍相手ならこれ使えばいいと思うよ」
「おいおい……雑だ「はい、よく噛んでね!」もがっ……!?」
あれ口からで良かったっけ、と恐ろしい事を言いつつそのまま手に持った緑を煮詰めた色をした薬をネルの負傷した箇所へと塗り込み始める。
そんなモモイに、アスナは少し躊躇いがちに尋ねた。
「……ねぇ、モモイちゃん。『良かったの?』」 - 6041じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 22:24:08
その言葉に、薬を塗り終えて包帯を巻こうとしていたモモイの動きが止まる。正確には包帯の巻き方がわからずに四苦八苦して、ついに手が止まって。
モモイは苦笑いにも似た自嘲を浮かべた。
「もっちろん!……って、すごいね、アスナ先輩。わかるんだ」
「んー、よく分かんないけど、なんとなく。それ、使っちゃうとマズいんじゃない?」
「あー、もしかしてそっち?それなら大丈夫!これ、こんな見た目だけど結構いい薬でね!ちゃんと教えて「そうじゃなくて」……」
モモイが明らかにホッとした様子を見せたがらアスナはそれを遮った。後輩を案じる色を乗せ、静かに彼女は確認する。
「足りなくなるし、多分バレるよ……今リーダーに使うと」
「……んだよ、おチビ。このくっそマズい薬、貴重品かなんかか?」
ネルもまた、飲まされた『繊維質』な液体に口の中をもごつかせつつ、モモイを心配する。アスナがそう言うのだ、よっぽどの事だろうと感じ取りつつ、それをやんわりと隠して。
そんな二人の言葉にモモイは。
「それでもさ、良いんだ。だって、ネル先輩が痛そうにしてるとこなんて見たくないから!」
やはり晴れやかな笑みを浮かべるだけだった。 - 6051じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 22:45:42
「よっし!それじゃあ、私、キャスターの手助けしてくるから!バフ要員は大事なんだー!」
ネルの治療を済ませたモモイは立ち上がり、彼女達に背を向ける。その小さな背にはこれから戦いの場に赴く者らしい力強さが宿っていた。そんな後輩の姿に溜息を一つ、ネルはアスナの手を借りながら立ち上がってモモイの隣に立った。
「あん?もう行くのかよ?ならあたしも休憩終わりといくかな」
「いやいやいや!?そこは寝てようよ!ネル先輩!普通に脇腹に穴開いてるんだから!」
モモイの反応は当然だ。人間の身体は穴が開くほどの重症を負って、たかが薬をつけたぐらいの治療ですぐさま回復するようには出来ていない。
だが、ネルは調子を確かめるように軽くその場で跳ねて見せながら呆れた様子でモモイに言う。
「んなもん、唾つけときゃ治る……おチビがくれた薬もあるしな」
「あー!?そんなに動くから包帯から血ぃ、滲んでるじゃん!?もうっ!さっきまで息も絶え絶え……って本当にちょっと元気になってる!?痛み止め効果あるけど、そんなに早く効くの!?」
「あぁん?お前が寄越したんだろうが……ったく」
モモイが腕を組んで頭を抱えているのをアスナと顔を見合わせる。何も言わずに、互いの考えている事を口にするかどうか逡巡してから、結局二人は溜息を吐いた。その姿を不思議そうに見ているモモイを見て、肩をすくめたネルは。
「そいじゃ、リベンジマッチといきますか!」
獰猛な笑みを浮かべて。
「すまん、そうはいかなくなった」
深みのある低音に出鼻を挫かれてずっこけた。 - 6061じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 22:52:18
「あ、おかえりキャスター。どうだった?」
「アサシンは確実に。だがランサーには……逃げられた」
「……何かあったの?」
転んだネルを慌てて抱きすくめてはその豊満な身体で無意識にネルを窒息させかけているアスナの姿を横目に、モモイはキャスターへと尋ねる。言い淀む彼の様子に違和感を抱いて。
「いや、ちとな」
それにキャスターも隠し立てするつもりもないのか、ランサー、そしてアサシンとの戦闘で受けた小さな擦過痕をそっとなぞりながら、呟くように話し始めた。
「アサシンとまとめて相手取った時、否。それ以前から違和感があった故、アサシンの消滅を確認した時点であ奴に問いただしたのだ」
それは新たな疑問。サーヴァントだから、そしてキャスターというクラスだったから対峙して確信を抱く事ができた違和感。
「何故貴様の霊基から『魔力』の反応がないのか、と」
こうして今宵、キヴォトスを揺るがした大事件は人知れず幕を閉じた。
多くの生徒は気づかないまま、けれど少なくない犠牲者と痛みを生んだ戦い。
それは確かに、時計の針を動かした。
多くの生徒の尽力と、決して無視できない流血によって。
聖杯戦争終了まで───残り、五日。 - 6071じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/09(土) 22:58:03
- 608二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 23:49:21
乙じゃんね!
モモイの裏も見えてきた感じで気になるじゃんね…… - 609二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 00:23:15
おつかれさまです
これモモイがサーヴァントからの影響で獲得してるスキルは道具作成だったりするのかな? - 610二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 00:29:45
モモイが出したの、何かと思えば症状誤魔化す用の薬か?
- 6111じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 00:30:52
【Recommend BGM……〈はじまり〉】
おや?おやおやおや?
これはこれは、お疲れ様。随分楽しそうだったね。
なんだい?嫌味はやめろ?……いやいや、これでも僕は本心からそう思っているさ。
いつだって君は苦しそうだけれど、でも、今はきっと間違いなく違う筈だ。
それは紛れもなく……おっと、物を投げるのは止め給え。
それはそれとして、今晩は特に酷かったね。これまであり得た道の中で、このタイミングで攻勢を仕掛けるというのは珍しい話に違いないと読んでるんだが……うん、当たりみたいだね。
いや、しかし。
驚くべきは彼らの正体だ。
確かに前例は存在する、たとえサーヴァントの霊基であっても不可能じゃない。
だけれどそれは私達の宇宙では……少し難しい話だね。君達の世界だからこそ確立された、と言うべきだろう。もっとも原因は我々に違いない、それについては間違いなく申し訳なく思うさ。
これから物語はページを進める。ボクたちが願うのはビターエンドにならない事。
聖杯の予備システムを起動せざるを得ない状況に陥る事がないように、それだけだ。
ん?なんだい?
……あぁ、言って良かったのか、か。
確かに私達の会話は観測されているだろう。だけどほら、彼らは阿慈谷ヒフミの力となってくれてるんだろう?ならいいじゃないか。
少しぐらい、ボクがズルをしたって構わない。
私がヒントをあげても仕方がない。
君だってそうだろう?最初の頃は随分と……ははは、ほら怒らないでくれ。君のそれは痛いんだから、うん、本当に。 - 6121じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 00:34:26
……少しだけ話をしよう。
物語を構成するのはいつだって三つの要素。
書き手、語り手、そして読み手。
このお話にはハッピーエンドは用意されていない。
このお話にはバッドエンドに辿りつかない。
当たり前だよね、だってこの世界には『彼』がいる。その果てがどれだけ捻れて歪んだとしても必ず希望を紡がんと祈りを繋げ、それ受け取った『彼』とそして『彼女』がいる。
だからこの物語において明確にビターエンドが、そしてバッドエンドがあるならば。
それはきっと、『そういうこと』に違いないとは思わないかい?
物事はいつだって複数の顔を持つ。誰にとって幸福な結末なのか、誰にとって悲しい結末なのか。
阿慈谷ヒフミの選択によって『敗北』という結末となるのは誰で、それはどういう意味なのか。
ただ、それだけの話なんだよ。
さて、そろそろお開きにしようか。どうだい?君もいつまでも立っていないで座るといい。今夜は特段疲れただろう。
しかし……いや、酷い有様だったね。
正直な話、私はライダー陣営はマスターが死亡でもしないと和解は難しいと思うよ。もちろん、それまでに彼女達の真実、そして固くなったその心を解きほぐす為の『鍵』に手を伸ばさなきゃいけないけどね。言い過ぎたかい?でもいいじゃないか。確かに私達が介入した結果は残念な形になった。だからといって、何も渡さないのはそれはそれで行き詰まるというやつだよ。
四つの陣営。四つの祈り。
命題、覚悟、絶望、希望。
期限内にそれぞれが抱く本当の願いに触れなくては聖杯大戦が開催されるか、次の聖杯戦争が始まってしまう。四つの陣営を。異なる世界で必ず阿慈谷ヒフミの前に、その旅路の最後に立ちはだかった四人のマスターを攻略しなくては、ハッピーエンドは見えてこない。いつだって応援しているよ。何せ私は。君たちと同じで、阿慈谷ヒフミのファンなんだからね。だからどうかよろしく頼むよ。
最後の秘密、秘された三番目に辿り着いた阿慈谷ヒフミがキヴォトスの敵となる未来にだけはならないように。
遅すぎても早すぎてもいけない。大切なのは順番さ。すべての陣営を攻略する前に知ってしまえば、彼女の旅路はそこで終わるからね。
さて、いいお茶があると言いたかったんだけど。君はやっぱりソレかい?いいや、構わないよ。
それじゃあ、少し不格好だが始めよう。
───二人ぼっち、はみ出し者同士のお茶会を - 6131じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 00:40:20
- 614二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 08:29:25
お疲れ様です
ヒフミちゃんが何をやっていたのかは確かに気になりますね
残り3騎の聖杯のサーヴァントの情報、楽しみですね
狂戦士が偽ヘラクレスだったら、偽槍ニキと合体宝具であるブーメランサーとかやれそうw
そして、モモーイにも何かあるっぽいけど……あったとしたら最初期のアサシンのキャスター陣営襲撃時だろうか?
ライダー陣営の事といい、色々と気になる事柄も増えてきたな……
そして、LAさんこんばんは〜!
テヘペロしたお顔がまたセクシーですね - 615二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 10:59:19
おつです
現状一番切羽詰まってそうなのはやっぱりアルちゃんとこかな
それで四人のマスターは"異なる世界で"立ちはだかったのか
本当に全貌が見えてこない聖杯戦争だな
とにかく見える場所からハッピーエンドに近づいていくしかないけど - 616二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 11:17:19
現状考えられる4つの陣営で考えられるのは
おそらく確定枠:マリー陣営(ランサー)、便利屋陣営(ライダー)、トキ陣営(アーチャー)
たぶん無い:ミノリ(純粋にヒフミ達と協力してるから多分大丈夫)
分からん:黒服陣営(確定枠の様な精神的な“痛み”があるかと言われれば微妙だが何かしらの秘密はまだ持ってるのでそれ関係で何かありそう)
モモイ(100%善意でモモイ達に協力してくれてるのは確かだが隠してる“痛み”らしきものはありそう
って感じで、陣営の攻略の順番としては初めにやるとしたら目下攻略中でやろうとしてることが比較的分かっているトキ、聖杯の鯖のこと事前にを知っているっぽいかつミカたちの所に来てくれた以上そっから糸口を探せそうなマリーってところかな?ただ便利屋の方もこのまま放置は取り返しつかなそうだしプーリンがいってる鍵の情報を探すことも並行して調査した方がいい気がするって感じかな? - 617二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 11:52:43
- 618二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 11:55:25
- 619二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 12:07:07
- 620二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 12:09:00
- 621二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 13:51:46
- 622二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 13:55:15
- 623二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 14:18:57
- 624二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 14:33:24
はろはろじゃんね☆安価していくじゃんね☆
今日は9日目がようやっと(長かったじゃんね……長くした原因は1の遅筆じゃんね……)終わるから物資関係とか絆のあれこれやってくじゃんね☆
ありがとじゃんね☆
LAちゃん、なんだかんだで出てくるじゃんね☆
うちの便利枠じゃんね☆
フェアじゃないからお知らせじゃんね☆
異なる世界とか言ってるのは所謂ifの話、そうだったかもしれない程度の話じゃんね☆
LAちゃんにしろ、お茶会相手にしろその手の話に詳しいじゃんね☆
便利屋メンバーは鍵さえ見つければ交渉難易度低下するし、鍵が紛失した場合でも攻略難易度は極端に低下するじゃんね☆
……メタな話すると四つの陣営は普通にラスボス候補じゃんね☆
初期好感度振った🎲あったじゃんね☆随分前の話なのに覚えててくださって嬉しいじゃんね☆
そ、そんなこと言ったっけ!?……って1が1番今焦ったじゃんね☆
あの頃は必死だったのと相変わらず見通しが甘々じゃんね☆
- 6251じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 14:34:13
【9日目夜・購入イベント】
『こんばんは、早瀬ユウカです』
『今回も物資リストを送るから必要な物を連絡して頂戴』
【物資リスト】
①特殊戦術教育BD
購入限度:なし
分類:戦闘補助アイテム/アクティブ
説明:聖杯戦争に参加する生徒の戦術活動を映像として記録した教育用BD。
効果:生徒の支援火力+5。
②最高級の林檎の盆栽
購入限度:1回
分類:ステータス補助アイテム/パッシブ
説明:セミナーが押収した謎の盆栽。見ているだけでも胸が躍るが、収穫した林檎は何故か青銅色をしているという。
効果:拠点内のマスター1人につき1日に1個、魔力40pt分相当の青銅の林檎獲得。
③SNOWロケットランチャー
購入限度:なし
分類:戦闘補助アイテム/アクティブ
説明:ミレニアム保安部も使用する口径66mmの使い捨て対戦車ロケット弾発射機。
ユウカが特別に調達した物は実験用の高威力炸裂弾を搭載している。
効果:使用生徒の攻撃/妨害判定を1d72で行う。
④旧型オートマタ
購入限度:なし
最大HP/支援火力:10/10
分類:戦闘補助アイテム/アクティブ
説明:ユウカが急いで用意してくれたオートマタ。メンテナンス済み。
効果:戦闘に参加可能。 - 6261じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 14:36:09
⑤ ミレニアム製ポケットドローン「アイギス7号」
購入限度:4回
分類:戦闘・交流補助アイテム/パッシブ
説明:ミレニアム屈指の天才「小鈎ハレ」が手掛けたEMPドローン。
手のひらサイズと小型ながら、索敵や通信妨害など一台あるだけでも活躍する。
効果:交流イベントでの情報取得時に1台につき+1ボーナス。
また、味方陣営が所持している場合、各種イベント開始時に先制攻撃へのダイス判定。先制攻撃の感知に成功した場合、1d7の回避ボーナス。
⑥ O-フィット/フィットネスファンタジーモデル
購入限度:1回
分類:補助アイテム/パッシブ
説明:「ゲームで楽しく運動しよう!」でお馴染みのO-フィットの特別モデル。試作版ブルーワーカーと同じく、ダメージに応じてコントローラーから電流が流れるのは内緒だ!
効果:1日1回1d3で判定、ダイス目の分だけ支援火力とサーヴァントの筋力にボーナス。
⑦新発売!「初恋を忘れられない貴女に贈る発煙弾」
購入限度:なし
分類:戦闘補助アイテム/アクティブ
説明:焼け尽きた灰のようなものが入った特殊な弾丸。当たると通常の手投げ式発煙弾のように煙幕を噴き出す。販売元は不明だが、どうやら中身の灰が重要らしい。
効果:生徒の「妨害」時、使用宣言する事で1d20のボーナス。
⑧その他、次回の要望
『今回準備できるのは1+dice1d3=1 (1) 個よ。同じ物を複数個でも購入限度内なら準備できるから。それじゃあどれにするか選んで』
【安価先>>634】
【なお、今回の物資の提供依頼についてはセミナー襲撃前の話になりますのでご安心ください】
【それでは皆様】
【よき選択を】
- 627二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 14:49:35
②は欲しいな
もう一つは⑤か⑥かな - 628二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 14:51:53
2と6かな
個人的には、絆レベルを上げて宝具の威力を増々にしたい - 629二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 14:53:36
⑤と②かな
⑥は残り5日という事を考えるとそこまで効果は見込めない気はする - 630二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 14:55:01
とりあえず②は欲しいな
あと一つは⑤にした方がいいのかな? - 631二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 15:03:27
②と⑤かな
- 632二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 15:08:41
ksk
- 633二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 15:28:41
②と⑤
- 634二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 15:37:44
2と5
- 6351じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 15:43:39
『ユウカへの注文は終わったか?……ドローンと、林檎の盆栽?またそんな物を……』
『まぁよい。では次は我の番だ』
『好きな物を選ぶが良い。如何なる物でも我が工房で用立てよう』
【拠点強化アイテムリスト】
今回製造できるアイテム数:dice1d6=6 (6) +1
①防護隔壁lv.2
製造限度:なし
分類:拠点強化アイテム/パッシブ/第一エリア
説明:現在lv.1。キャスターとエンジニア部が共同製作した対爆対弾対刃シャッター。宝具はまだ無理だが、『重ねる』事で真価を発揮する。
効果:第一エリアに設置可能。敵の拠点攻撃時、判定を妨害する。レベル1につき5点。
②精密スコープ
製造限度:なし
分類:生徒強化アイテム/パッシブ/全生徒
説明:エンジニア部謹製の照準器。遠くの物も手に取るように分かる。
効果:装備した生徒が『攻撃』選択時、+6ボーナス。
③ワイヤートラップlv.1
製造限度:なし
分類:拠点強化アイテム/パッシブ/指定なし
説明:アズサが待ち望んでいたミレニアムC&C御用達のワイヤートラップセット。相手がワイヤーに掛かると自動で銃弾が発射される。強化する事が可能。
効果:敵の先制攻撃時、判定。成功値は相手サーヴァントの幸運ステータス以上。成功した場合、相手陣営全員に1d10のダメージ。
④特殊サイレンサー
製造限度:なし
分類:生徒強化アイテム/パッシブ/全生徒
説明:特殊な任務用のサイレンサー。流出には気をつけなくてはいけない。現在はヒフミ、モモイ、アズサ、アリスの四名が装備。
効果:装備した生徒が『妨害』選択時、+6ボーナス。
- 6361じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 15:44:37
⑤ いなずまちゃんlv.1
製造限度:なし
分類:拠点強化アイテム/パッシブ/第一エリア
説明:雷ちゃんをベースに必要な機能のみを絞って再設計された小さなセントリーガン。相手が侵入に手こずっていれば、ダメージを与えてくれるだろう。
効果:第一エリアに設置可能。敵が拠点攻撃判定に失敗した時、相手陣営全員に3d2のダメージ。
⑥増強マガジン
製造限度:なし
分類:生徒強化アイテム/パッシブ/全生徒
説明:詳細不明の消音器。可愛らしい星マークがついている。
効果:装備した生徒が『攻撃/妨害』選択時、+3ボーナス。
【注意事項】
・レベルのあるアイテムは複数製造する事でレベルを上げていきます。レベルの上昇と共に効果も強化されます。
・生徒強化アイテムは1個につき、1人装備(強化)可能です。生徒強化アイテムを選択される時は誰に装備するかの指定もお願いします。
・生徒強化アイテムの付け替えは行動安価時に可能です。ただし、戦闘中に付け替える場合はその生徒達は行動できないのでお気をつけ下さい
【安価先>>644】
- 637二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 16:01:28
①を2つと③を1つ、④を4つかな
- 638二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 16:03:09
防護隔壁のレベル上限ってどれくらいなんだろう?
あとサイレンサーとマガジンって同時に装備可能な感じです?
とりあえず①3、⑥4とかかな? - 639二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 16:17:15
防護隔壁をある程度は選びたいところではあるな
守り固めたいし - 6401じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 16:20:56
- 641二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 16:25:43
同時装備出来るならマガジンとスコープ選んでヒフミに装備させるとかもできるのか
悩むな
とりあえず防護隔壁は3個ぐらい選ぶべきかな? - 642二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 16:30:28
- 643二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 16:53:56
- 644二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 16:56:18
- 6451じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 16:59:57
- 6461じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 19:41:57
- 6471じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 19:43:09
【9日目の通常イベントが終了した為、絆レベルの上昇を行います】
【各レベル上昇に必要な成功値は以下の通りです】
絆レベル5→6:60pt
絆レベル6→7:70pt
絆レベル7→8:80pt
絆レベル8→9:90pt
絆レベル9→10:100pt
【また】
【今回のボーナスは以下の通りになります】
ゲームガールアドバンス:+9
アイギス7号:+4
情報取得:+4(ヒフミは自動成功)
特殊イベント参加:+60
【それでは皆様】
【良き結果を】
セイバー/絆レベル5(累積経験値55pt)
:77+dice1d100=36 (36)
キャスター/絆レベル8(累積経験値4pt)
:77+dice1d100=57 (57)
バーサーカー/絆レベル6(累積経験値29pt)
:77+dice1d100=82 (82)
- 648二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 19:45:48
セイバーとヒフミ、上がってはいるけど他と比べるとまだ低いな……
もうちょっと絆イベントとかあったら狙ってみるべきか…… - 6491じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 19:52:27
- 650二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 20:04:52
そういえば青春の残滓ってアイテムあったと思うんですが
それって今使えますか? - 6511じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 20:10:41
- 652二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 20:12:42
する
- 653二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 20:12:50
使用するかな
- 654二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 20:13:19
かそく
- 655二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 20:13:45
使用する
- 656二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 20:13:51
- 657二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 20:14:01
使う
- 658二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 20:15:42
あ、丁度安価に入ってしまった……
えっと、使うが大多数だけどどうしよう、申し訳無さが…… - 6591じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 20:18:40
今回は使用しない方向じゃんね☆
次回以降忘れずに、じゃんね☆
>>656、658
今回短かったしそういう時もあるじゃんね☆
あれじゃんね、貯金じゃんね☆
大丈夫、明日で聖杯戦争終了です!……でもないんだからまだ使う機会はあるじゃんね☆
- 6601じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 20:21:43
絆レベルのボーナス関係を書き込んだレスが探しても見当たらないじゃんね……
ちょっとレベル上がった時の個別のボーナスは明日またお知らせしつつまとめに乗っけるじゃんね……
とりあえず今のサーヴァントのステータス貼るじゃんね☆でん☆
【セイバー/ステータス】(+分は魂の改竄pt)
筋力:A(実数値:52+1=53)
耐久:A+(実数値:56+3=59)
敏捷:B(実数値:47)
魔力:B(実数値:43)
幸運:B(実数値:43)
宝具:EX
【キャスター/ステータス】
筋力:B++(実数値:43)
耐久:B++(実数値:47)
敏捷:D++(実数値:29+5=31)
魔力:A(実数値:54)
幸運:A(※自己申告/実数値:13+1=14)
宝具:A+
【バーサーカー/ステータス】
筋力:A(実数値:53)
耐久:EX(実数値:58)
敏捷:D(実数値:29)
魔力:E (実数値:19)
幸運:D(実数値:24)
宝具:A+ - 6611じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 20:23:30
- 662二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 20:26:39
セイバーは筋力に2
キャスターは敏捷に3
バーサーカーは
筋力と耐久に4ずつかな - 663二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 20:35:27
キャスターは先手取れた時の盤石性(先手ボーナスの効果の判定値での勝利時にそのターンのダメージ完全無効)考えて耐久に3かな?
セイバーは筋力に2
バーサーカーは悩むな、長所を伸ばすのに筋力と耐久に4ずつもありだけど、毎回の戦闘で宝具使ってても魔力消費がきついだろうし、もう一つある程度有用なステータス増やすために敏捷に8もありなんだよな - 664二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 20:37:32
バーサーカーに関しては1ターンは宝具を使って残り2ターンで筋力と耐久使うって感じでもいい気はするんだよな
- 665二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 20:40:28
戦闘がどれぐらいの頻度であるかだよな
1日1回なら遠慮なく宝具使えるけど2、3回となると魔力の消耗がやばいし
動き方にもよるんだろうけど - 666二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 20:53:59
ちなみにバーサーカーは宝具のダメージに戦闘イベント開始時から受けたダメージ分を加算だから、戦闘の勝敗判定の仕様上、最終ターンに宝具を使えば相手がそれ以上の威力の宝具を使ったりとかしない限り勝てるんだよな
それを考えると宝具を使わない際にはどうするか?を考えてステータスは振った方が良いかも? - 667二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 21:01:12
セイバー筋力2
キャスター敏捷3
バーサーカー敏捷8とかかな? - 668二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 21:18:47
セイバーが筋力に2
キャスターが耐久に3
バーサーカーが敏捷に8 - 669二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 21:19:25
- 6701じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 21:38:55
【安価の達成を確認】
【魂の改竄後のステータスは以下の通りとして】
【キヴォトスに記録されます】
【セイバー/ステータス】(+分は魂の改竄pt)
筋力:A(実数値:52+3=55)
耐久:A+(実数値:56+3=59)
敏捷:B(実数値:47)
魔力:B(実数値:43)
幸運:B(実数値:43)
宝具:EX
【キャスター/ステータス】
筋力:B++(実数値:43)
耐久:B++(実数値:47+3=50)
敏捷:D++(実数値:29+5=31)
魔力:A(実数値:54)
幸運:A(※自己申告/実数値:13+1=14)
宝具:A+
【バーサーカー/ステータス】
筋力:A(実数値:53)
耐久:EX(実数値:58)
敏捷:D(実数値:29+8=37)
魔力:E (実数値:19)
幸運:D(実数値:24)
宝具:A+ - 6711じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 21:40:45
【残る絆レベル6以上での恩恵についてはまた後日アナウンスを行います】
【ご理解下さい】
【この後10日目朝・導入イベントの観測を行う予定です】
【ただし観測が極めて不安定な為、時間を要します】
【ですからゆっくりと……そうですね】
【夜風が少し肌寒い季節です、美味しい果実も多い事でしょう】
【お好きなフルーツを使った乳飲料でもお召し上がりながらお待ち頂ければ幸いです】
【それでは皆様】
【よき休息を】
【倒すべき悪意との遭遇は果たしました】
【選ぶべき分かれ道まであと僅か】
【サーヴァントを見捨てるか】
【生徒を見捨てるか】
【世界から与えられる正解の選択肢は】
【本来二つだけ】
【そこに阿慈谷ヒフミが思うハッピーエンドは存在しない】
【だからどうか】
【そんな道理を蹴飛ばす輝かしい青春の物語を】
【あの時と同じように】
【どうか見守っていて下さいね】 - 6721じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/10(日) 21:46:14
ってわけで書いてくるというか書いてるけどちーっとも進まないから多分今夜は厳しいじゃんね☆
気長に待っててやってもらって時々、安価カテ覗く……ぐらいの気持ちならありがたいじゃんね☆
明日は18時!からじゃんね☆
お昼にもアナウンスするじゃんね☆
というわけで一回ここで締めるじゃんね☆
ではでは今日もありがとうございました!明日もよかったら遊んでやってください!
それではみなさん……おやすみなさいじゃんね☆
導入イベで改めてハッピーエンドまでのロードマップ的な話も簡単にするじゃんね☆
ぶっちゃけ維持する分の魔力問題はキャスター仲間にした時点でどうにかなってるから、後はめんどーな聖杯を見つけてそれをどうするか……って話じゃんね☆
1は思いついてるのかって?
思いつかなかったら機械仕掛け方式で、速攻バッドエンドじゃんね☆ミーカミカミカミカ - 673二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 22:08:44
物質として存在するフランシスの作った聖杯が今どういうポジションかによって変わってくるな
それ自体が大聖杯ポジションなのかあくまでそれを呼び水として聖杯戦争システムが別で発生したのか
あとヒフミが最後にみんなと敵対するのは今目指すハッピーエンドが正義や善による綺麗な話じゃなくて「ヒフミのエゴ」であるって言われてるのが関係しそう - 674二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 23:51:01
おつです
ゆっくり待ちます - 675二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 00:20:12
乙おつ!
サポートシステムさんのアドバイスを受けて、お夕飯に飲むいちごヨーグルトを追加してみた
これでお仕事の疲れも癒して続き待ってます! - 6761じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/11(月) 05:45:07
【10日目午前/早朝・導入イベント】
鳴り響く警報。金属板の叩く私達の足音。さっきまでゆっくり、とは言わなくても悩みつつもその味を楽しんでいた珈琲や紅茶は白い破片ごと床に散らばっている。
「あーもうっ!昨日の今日じゃん!?普通攻めてくる!?」
「仕方あるまい、これも戦という物なのだろう。だが我も計算を違えた……まさかそこまで余力があるとは……ッ!」
「ウタハ達は地下通路から避難をッ!ハナコ、コハル!」
「任せといて!負けるんじゃないわよ!アズサ!」
「誘導を終えたらすぐに合流します!行きましょう、みなさん!……こちらです!」
急いで銃を、剣を手に取って私達は会議をしていた食堂から駆け出していく。早朝に響いた爆発音。昨夜、『拠点への襲撃』があった以上、同じ事が起きない道理はない。だからといって備えをしなかったわけではない。
「じゅ、準備できましたっ!」
「エンジニア部謹製通信機材用意!今度はしっかり連絡取り合えます!それから『切り札』、両車共に万全です!」
「アリスも装備スロット確認済みです!討伐クエスト、今度こそ!」
昨晩から徹夜で突貫作業をしてくださったエンジニア部の皆さんのおかげで、昨日みたいな事にはならない。次はもう、私は『負けない』。
「ヒフミ!」
「……やっぱり、昨日の方達でしょうか?」
「……だとすると私達が相手取った連中ならまだいいが、モモイ達がやり合った例のサーヴァント『擬き』だとマズイな」
サーヴァントと『酷似』した存在、そういう風にさっきの会議でセイア様達と結論付けた彼ら。キヴォトスで5騎確認された彼らのうち。
昨晩の彼らがまた現れたというのなら。
「……また君の力を借りるよ、バーサーカー」
「無論だとも。鉄火場が幼き少女達に似合うだろうか?いいや違うとも。我らだ、我らこそが先陣を切るのだ!」
戦わなくてはいけません。倒さなくてはいけません。彼らの正体を突き止めなくてはいけません。 - 6771じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/11(月) 05:47:54
「朝っぱらから喧嘩売りに来るなんて上等だよ!」
「あぁ。どこのどいつか知らないが、私達を相手取るというんだ……!昨日のような後手には回らん!」
「はい……もうこれ以上ッ!誰にも怪我なんてさせません!」
もうこれ以上、辛いお話なんて聞きたくないんですから。だから私達は拠点の外に飛び出した、それが今から大体5分ほど前の話で。
「ハーハハハハハハハハハッ!」
なんて、感じに私達は覚悟を決めて飛び出したんです。
「んんんん?やぁやぁ諸君!麗しい朝じゃないか!」
「景気付けに目覚めの爆破、如何かな?」
朝から拠点を爆破されて、私達は走ってきたんです。しかも会議も途中ですっぽかして。
「いやぁ!私も久々のシャバだ!清々しいよ!あの空崎ヒナも入院という話じゃぁないか!いやぁ、幸いとはこの事だ!」
なのに一体。
「今の私はたいっへん!機嫌が良い!」
これはどういうことなんでしょうか!? - 6781じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/11(月) 05:55:34
あまりに行き詰まって朝起き抜けの頭で考えた導入がこれじゃんね☆
この続き?未来の1に丸投げするじゃんね☆
それじゃあ1はお出かけというか登校してくるじゃんね☆今日は定時で帰りたいじゃんね……
ヒフミちゃんはヒーローみたいだけど正義の味方ってわけじゃないと1は勝手に思ってるじゃんね☆
どこまでいっても友達とペロロ様の事が大好きな『普通』の女の子じゃんね☆
ヒフミちゃんの『普通』についてもどっかでちゃんと触れたいじゃんね☆1は(バスジャックも戦車ジャックもさせたけど)ヒフミちゃんは普通の女の子だと思ってるじゃんね☆
……長々書いたけど、つまり『善悪』の主題は他の子に背負ってもらったじゃんね☆
ありがとじゃんね☆授業中になんか思いつけるよう頑張るじゃんね☆
ありがとじゃんね☆お仕事お疲れ様じゃんね☆
お腹に優しい物やもし手間じゃなかったら季節のフルーツもぜひじゃんね☆
旬の物は旬に食べるといい……らしいじゃんね☆
理由は知らないじゃんね☆
- 679二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 06:03:33
おつかれさまです&いってらっしゃいです
9日目深夜のヒフミ側で何があったかも、あとで詳しく語られたりするのかな? - 680二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 12:04:42
おつ
- 681二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 15:01:07
これ温泉開発部だよな、この非常事態でも変わんねぇなぁおい
- 6821じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/11(月) 16:54:40
- 683二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 20:06:45
お疲れ様です
テ、テロリストだぁー!!!
大風呂の温泉開発、やってもらうかな
謝肉祭時のマリーのバイクジャックにランサーがどんな反応をするのかは気になるような…… - 684二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 20:19:12
絆レベルが7まで上がってきたならヒフミも緊急時にセイバーに横抱きされても文句は言わなくなるかな
- 685二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 23:02:58
保守
面白くて日曜使って1から一気読みしてしまった - 6861じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/11(月) 23:30:32
- 687二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 08:12:32
保守
- 688二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 15:18:39
ほしゅ
- 689二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 20:17:23
そういえば、連邦生徒会やヴァルキューレ、百鬼夜行や山海経や赤冬の方の被害はどれ位だったんだろうか?
- 6901じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/12(火) 21:16:23
- 6911じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/12(火) 21:40:17
- 6921じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/12(火) 22:55:56
【9日目深夜→10日目早朝・回想イベント】
【立ち入り禁止区域『廃墟』・同盟拠点】
【Recommend BGM……〈臨戦〉】
鳴り響く警報。金属板を叩く私達の足音。さっきまでゆっくり、とは言わなくても悩みつつもその味を楽しんでいた珈琲や紅茶は白い破片ごと床に散らばっている。
「あーもうっ!なになになに!?またライダー!?」
「あり得ん!奴らの出入り口は監視済みだぞッ!?」
「すまない!遅くなった!ウタハは避難しに地下へ潜ったぞ!」
「大丈夫です!助かりました!ミノリさん!」
「ヒビキとコトリは!?」
「安心しろ!叩き起こしてウタハに同行済みだッ!」
急いで銃を、剣を手に取って私達はそれぞれの個室から飛び出していく。状況はまるで分かりません。
なにせ、なんの前触れもなければ、通信すら出来ない状況でしたから。
「ユウカちゃん達との連絡はどうですか!?」
「む、無理です!?ユウカ先輩どころか誰とも……それどころかミレニアムにも外部にも……!何処とも連絡が取れません!!」
『キンキュウメッセージをヨミアゲマス。このメッセージは2フンマエにキロクサレマシタ……ごめんなさい、通信妨害をミレニアム全域で受けてるわ。私もこのまセミナー本部に向かうからアバンギャルド君は好きに使って頂戴……なるべく早く戻るわ』
「リオ会長まで……ッ!お姉ちゃん!」
リオ会長の通信を経由してくれていたアバンギャルド君さんも今はいつもの感情豊かさは消えてただのオートマタのように振舞っている。
「……ッ!キャスターッ!」
「分かっておるッ!セミナーに貸し出しているヘルタースケルターとも連絡が取れん……!あり得んのだ!こんな状況は……ッ!科学的なソレでは断じてないッ!魔術、それも極めて高度な儀式に相当するような術式での妨害だッ!」
「な、ななんですか!?起きたらコレ!?いきなり!?私まだ此処に来て1日経ってないんですが!?……というか、自治区全体に影響するほどの大規模な魔術をキャスター以外のクラスが!?あ、あり得ません!?いえ、幾らなんでも……第一、トリニティとも連絡が取れない!?そんな筈は……」
ウイさんの叫び声に鎮痛な面持ちで走りながら頷くキャスターさんの様子からここまでの事をした相手が只者でも、そして今の状況が只事でもない事がひしひしと伝わってくる。 - 6931じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/12(火) 22:56:48
この現状が魔術による物なら、ライダーさんかアサシンさんあたりが浮かんできますが、果たして本当にその二人なのか。それすらも『定か』じゃないと『直感』が警告している。
気をつけてと、明確な『敵』が来たと、私の中で不安と緊張、そして戦意を抱けと焦る感情が入り混じって警鐘を鳴らす。
「巡回から戻ってきていたアイギス7号の直前の映像記録から確認できました。通信妨害だけじゃありせん。恐らくミレニアム全体が大規模停電が起きてますッ!」
「うぅ、なんで、こんな……ハナコちゃん!アズサちゃんとセイバーさんは!?」
「アリスちゃんやスパルタクスさんと一緒に先に外へ!」
「あーもうっ!また先に行っちゃうんだから!」
通信妨害、それに停電。最初は私達だけを攻めて来ているのかと思いましたがミレニアム全体をまるでキヴォトスから孤立させるような立ち回り。その事実が私達の焦燥を掻き鳴らし早鐘を打ち付けていく。
「(……ユウカちゃん!調月会長……!)」
今もセミナー本部でお仕事されているユウカちゃん、そして一足早く彼女の元へと走ってくれている調月会長。お二人の無事は勿論ですが、危険に瀕しているかもしれないのは彼女達だけじゃありません。
「(モモイちゃん……ミノリさん……)」
モモイちゃん達ゲーム開発部のみなさんにとってミレニアムは母校、お友達もお知り合いの方だって沢山います。ミノリさんだって元々は工事の為にこちらに来られていました。まだ工事現場には工務部の方達が宿泊されておられます。
過ぎる不安はけっして考えすぎなんて事はありません。私達だけでなく、ミレニアム全体への襲撃を予兆させる動き。現状が分からないからこそ迫り上がってくる焦燥に頭が眩みます。けどそんな不安は。
「大丈夫、ヒフミ。その為に私達がいるんだから!」
「あぁ、安心しろ。まずは目の前の状況を把握して、頭を悩ますのはそれからにしよう。なに私もモモイも、それに頼れる仲間はまだこんなにいる。どんな危機的状況でも勝てるよ、ヒフミ」
一番不安に思っている筈なのにしっかりと前へ向かって、そして私へと手を差し伸べてくださる頼れるお二人の姿を見て霧散していきます。
「……ッ!はいっ!行きましょう!みなさん!」
だから私達は拠点の外に飛び出したんです。 - 6941じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/12(火) 23:45:36
拠点の出入り口を抜けると緊急用の誘導灯の赤色、それからアイギス7号さんやヘルタースケルターさん達がライトで照らす地表が見えました。ただ雨が降っているのもあるでしょう、天候の悪さも相まってそれでも周囲全部が見えるわけじゃありません。前方を辛うじて明るくしてくれる照明は、霧で曇ったビルの乱立する向こう側を怪しく照らして、まるで底なし沼か深い森のように演出してしまう。
悪天候な上に停電、光源も乏しい。
少なくとも状況把握も一苦労だと、霞む視界の中でセイバーさんやアズサちゃんを探そうとして。
「……ヒフミッ!」
庇うように私の前に降り立ってくれた真っ白な羽、そしてその前から迫る黒い腕を切り飛ばして私達を守ってくれる頼もしい背中に思わず声をかける。
「ッ……ありがとうございます!アズサちゃん!セイバー……さん……?」
無事、先に地表に出て迎撃をしてくれていたお二人と合流できた、そう安心したその時でした。
セイバーさんの風の鞘、その剣戟が霧がかった視界ごと巻き込むように薙ぎ払った一撃で吹いた疾風。
視界が、開けました。
「なん……ですか……?」
【Recommend BGM……〈dis-communication〉】
「なん、なんですか……この数ッ!?」
黒い影が伸びる。ビルの隙間から、窓の向こう側から、アスファルトの裂け目から、霧が棚びく向こうから。雨に濡れた軍靴を静かに鳴らして、私達の目の前に、いいえ。
「待ってよ……なにこれ……!?」
私達が見ている視界全てを埋め尽くすように。
真っ黒な影と真っ黒な制服を着た『生徒』が現れる。 - 6951じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/12(火) 23:46:38
「な、なんで!?なんで正義実現委員会が!?」
「正義実現委員会だけじゃない。ヴァルキューレやゲヘナの風紀委員会、それにメイド服の連中も混じっている」
数なんて、とてもじゃないですけど数え切れません。まるでちょっとしたイベントでもあるかのように人が波のように地面に、廃ビルの中に知っている制服姿で顔が『真っ黒に塗り潰された』少女達で溢れかえっている。
「違います、コハルちゃん、アズサちゃん。よく見て下さい。彼女達は恐らく……」
「あぁ、ハナコの言う通り、アレらは全て紛い物……生徒の振りをした下劣なサーヴァントの仕業だ」
「だが解せん。幾らスキルや宝具でもこの数だ。四百は下らん。これほどの規模を軍団を呼び出すとなれば……」
相応の英雄が、そう続けようとしたキャスターさんの言葉をセイバーさんは迫る銃弾の雨を弾くように風王結界を展開してから、呟かれた。
「……感じないかい?キャスター」
「ぬっ?セイバー、何を……なるほどコレは……」
「あぁ、魔力が薄くて捉え切れないけれど異質なのが何騎かいる。この数も驚異的だが、恐らくはdice1d6=4 (4) 騎。この集団の中に」
息を、呑む。アズサちゃんやヘルタースケルターさん達に率いられてバリケードや隔壁のある場所まで下がろうとする中で静かに聞こえた言葉。
「───シャドウサーヴァントがいる」
『直感』が教えてくれる。『敵』なのだと。これまで一度だって『明確な敵』と言わなかったソレが悲鳴のように知らせてくれる。敵が来たのだ、と。
- 6961じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/12(火) 23:48:19
『(聞こえるかい?ヒフミ。僕たちはこのまま前線で露払いをする。無理のない程度で構わない、支援を頼むよ)』
『(分かりました!……お気をつけて!)』
『(ありがとう。ある程度数を減らしたら、自治区全体の様子を見て次の動きの指示を)』
念話で伝えられた内容をしっかりと心の中に書き留める。ユウカちゃん達の事も気になります。でもまずは目の前の敵をなんとかしなくてはその次の話にも繋がらないと、遮蔽物越しに銃を撃っていくと薄らとまた漂い始めた霧を吹き飛ばしながら空から降ってくる人の影り
「ぬぅぅんッ!」
強い唸りと共に猛々しく現れたのはスパルタクスさん。その姿にミノリさんは安堵されたように遮蔽物から顔を出して声をかけられます。
「スパルタクス!無事か!?」
「問題なし!だが、我が同胞よ。これは些か以上に危うい状況にある。備えよ……悪しき圧政者の狗ッ!我らの宿敵が来たぞッ!」
会う度に穏やかな微笑みを湛えている彼らしからぬ険しい表情を見て、ミノリさんはハッとした顔で何かを察する。そうして私を振り返った彼女は吠えるように、狼のように唸り声をあげた。
「……なるほど。コイツらは走狗か……ッ!お前の直感、信じよう!スパルタクス!……ヒフミ!」
「は、はいっ!ミノリさ「コイツらだッ!」……ぇ?」
信用しろと、今は聞いてくれと、彼女の目が言っている。説明する暇がないのは彼女の様子を見れば、そして今の状況を考えれば理解できる。なにより彼女は彼の直感を信じると言った。
「『コイツら』が私達の敵だッ!コイツらこそ、今私達の目の前に存在こそがッ!私の、お前の、全てのマスターの」
ならきっと、その言葉は。
「───宿敵だッ!」
間違いなく私たちにとって重要な物なのだと、頭を殴りつけられるように『直感』で理解したんです。 - 6971じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/12(火) 23:53:09
なんて、戦いが昨晩あったわけです。
それからなんとか敵の攻撃を凌ぎつつ、回収したアイギス7号ちゃん達からの映像でD.U.やミレニアムビルが爆破されているのを確認して、急いで手分けして各地に援軍を出して。
なんとか敵が全員撤退したところで交代で仮眠して。
朝みんなで起きてきてスムージーを流し込んでセミナー、そしてティーパーティ、アビドスのみなさんと臨時会議を開いたわけなんですが。
【10日目午前/早朝・導入イベント】
【Recommend BGM……〈Operation☆DOTABATA〉】
そんな大事件があった次の日、私たちの前には。
「うぅん!テイスティ!いいじゃないか、えぇ?トリニティの紅茶だって言うもんだから如何な味を出してくるかと思ったけれどこれは実にふくよかな香りが鼻先から抜けていくねぇ。いやはや良いな!うん!なんでもトリニティは紅茶風呂なんて物がぁ、有名だそうじゃないか!トリニティは硬水が多いから掘るのも少し考えていたが紅茶風呂!紅茶を愉しむというのならまたそれも大いに魅力的かもしれないなぁっ!泉質の確認をした上で別湯としての提供!いやはや楽しみだぞぅ!」
「あは……あはは……」
朝から拠点の入口を爆破(損耗度:dice1d100=18 (18) %)された挙句に私が淹れた紅茶を飲んで満足そうにしておられる鬼怒川カスミさんが座っておられました。
い、一体、一体どうして……?
- 6981じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/13(水) 00:04:27
えー、というわけでようやく明日から会議いくじゃんね☆
とりあえず事実確認をして、午前の行動案を出してくいつもの導入イベントなわけだけど……普通に一夜で色々起きてるからそこら辺の話もするじゃんね☆てーへんじゃんね☆
明日には消えた分をまとめに載せたり、それから出してないランサー、アーチャー、バーサーカー、アサシンのステータスも出すじゃんね☆
ただ、アーチャーとバーサーカーの真名はまだ内緒じゃんね☆
対策委員会と正面から激突して爽やかに退場したアーチャーと、ツルギちゃんと思いっきり斬り合い撃ち合いをして帰ったバーサーカーじゃんね☆
とりあえず前に読者さんが好きだって言ってたBGMを使えて1は満足じゃんね……
好きな曲だけど致命的に使うタイミングが二部入ってからはなかったけど、なんとかカスミちゃんのおかげでいけたじゃんね☆
明日も多分21時帰りじゃんね……遅くなるけどまた遊びに来てもらえたら嬉しいです!じゃんね☆
ではではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆
そろそろスレも終わりが見えてきたからウイちゃんのお話書くじゃんね☆
あ、ウイちゃんのお話は今回か次回のスレでおしまいじゃんね☆ - 699二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 00:16:23
おつかれさまです
- 700二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 00:22:17
乙です
大規模通信障害を起こせるのがキャスターくらいしかいないって分かってそうなウイ先輩
サーヴァントにめちゃくちゃ詳しいな - 701二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 00:31:04
深夜から早朝にかけて起きた出来事的にもうサーヴァントとマスター全員集合して腹割って話し合ってもらいたいと思う位には大事だよなぁ…
- 702二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 00:39:00
お疲れ様です
ツルギとやりあったバーサーカーが斬り合い撃ち合い…なんとなくわかった気がする - 703二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 05:24:39
お疲れ様です
そういえば、今回の襲撃は黒服は予想してたんだろうか?
そして、入り口を爆破しといてまったりとくつろいでいるカスミに何故か安心感を覚えますねw - 704二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 15:00:06
おつあげ
- 7051じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/13(水) 18:27:00
- 706二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 20:09:15
聖杯のバーサーカーは恐らく、「Arrrthurrrrrr!!」って叫ぶあの人かな?
アサシンは……完成やら霧やらって事でオペラ座の怪人かFakeのバーサーカーなジャック・ザ・リッパー……かな? - 7071じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/13(水) 22:10:42
- 7081じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/13(水) 23:11:18
【Recommend BGM……〈Operation☆DOTABATA〉】
『おはよう諸君!目覚めは如何かな?あぁ、そのままに。剣を執らない英断、素晴らしきかな!』
『なにも私だって喧嘩を売りにきたわけじゃない。情報、それも売り込みではなくただ届けに来ただけさ。歓迎の一つでもしてくれたって罰は当たらないよ。だからその右手にはそのまま空気を掴んでいてくれたまえ!サーヴァントなぞ訳の分からん存在と取っ組み合いだなんて野蛮な真似、私は御免だね』
『というわけで、だ、ヒフミちゃん。私を案内してくれるかな?なぁに、安心していい。危害どころか君達に恩恵を約束するよ』
と息も吐かせない勢いに押し切られ、そのまま拠点の中に入って来られた鬼怒川カスミさんはゆっくりと紅茶を飲みつつ、変わらぬ調子で私に語りかけてきていました。
「いやぁ!聞いたよ!檜風呂!良いじゃないか、素敵じゃぁないか!だが、そうとも!そうだとも!まだ足りない、まだ必要な物がある……即ち、そう!水質の問題さ!」
「あはは……お、お茶のお代わりは如何でしょうか?カスミさん」
「うん?ああ、気が利くね、ヒフミちゃん。ありがたく受け取ろう!いやぁ、しかし実にいいな!此処!地下を丸々使った広大な施設!大型の浴槽は取り付けてあるし、何より蒸気機関を採用しているからサウナなんかもいけそうだ!私も思わず小躍りしたくなるという物さ!」
「あは、あはは……」
掘ってもいいかな!?、なんてちょくちょく聞かれるのに私も曖昧な返事をしつつ、頭を悩ませてしまいます。カスミさんと私に接点は『ありません』。正直、シャーレのカフェで一度お見かけした事があったかどうかぐらいです。そんな方がわざわざ早朝から、しかもミレニアム自治区の『廃墟』にある拠点へ私達を訪ねてきた。
来た理由は察するに聖杯戦争関係なのだとはっきりしていても、彼女が此処に来た理由が分かりません。
「……ねぇ、コハルちゃん。あの人、誰なの?」
「……多分だけど、その……ゲヘナの指名手配犯……前にイチカ先輩が色々あったとかいう……あの、温泉開発部の」
「わ、わぁ……」
ユズちゃんの呻くような声を聞きつつ、報告書や空崎委員長の話から彼女がライダー陣営との協力者だった話を思い出す。 - 7091じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/13(水) 23:21:18
ただ一応、スパルタクスさんはこの場を離れて地上で拠点の防衛をしてくれていますし、この場にはセイバーさんもキャスターさんもいますから問題はない、そう思いたいと考えているとカスミさんはコハルちゃん達の内緒話に尻尾を立てられました。
「おや?ほう、ほうほうほう!そうかそうか、君はそういう関係かな?トリニティのお嬢さん」
「ひぅっ!?……な、ななななな何よ!」
「いいや、怯えなくたっていいんだよ。幼気なお嬢さんに悪戯な感情を抱く、そぉんな趣味は私にはないんだからね。ハーハッハッハッハ!いやぁ、そうか君、『あの』仲正イチカの後輩か、そうかそうか、うぅん。それはまたなんとも数奇というか」
この場にいる私達を眺める彼女は尻尾の先を踊らせながら肘をつく。まるで値踏みをするように唇をつりあげながら溜息するようにうっとりつぶやいた。
「うーん、素晴らしい。壮観な眺めだ。トリニティの生徒が淹れた紅茶を楽しみながら見つめてみれば、ゲヘナ、トリニティ、ミレニアム、果てはアビドスまでお揃いときた。良いじゃないか、麗しい光景だ。本当に、数奇な面子が揃っている。トリニティの眠り姫に失踪したミレニアムの会長、更には名高い暁の……ねぇ?まるで各校のスーパースターが揃い踏みした晄輪大祭もかくやと言ったところかな……もっとも」
【Recommend BGM……〈F1ghtback〉】
ひたりと、彼女の尻尾が床を冷たく打った。
「私に関してはあまり歓迎されている、というわけじゃなさそうだけどね?」
そう言う彼女の細められた瞳の奥に危険な色が灯った気がする。どことなく加虐的な、悪戯っ子のようなその色と言葉に、なんて諌めるかと考えていると、モニター越しに静かな声が響きました。
『自覚があったとは驚きだね?温泉開発部部長、鬼怒川カスミさん』
「……セイアちゃん」
ハナコちゃんがそう言って見つめる先、緊急会議だからとトリニティ側から出席してくださった現ティーパーティホスト。三人いる生徒会長の代表者である百合園セイア様がいました。 - 7101じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/13(水) 23:50:53
「セ「おや?これはこれは、トリニティのお姫様じゃあないか!驚いた、通信越しとはいえ会えるとは……あー、なんだったかな?あまり身体が強くなくて人前に出ないんだったか?どうだろう?我が部が拵えたとっておきの秘湯で湯治なんて!腹によく利く泉質が湧く場所をちょうど見つけてね」……ぁ、ぁぅぅ……」
『遠慮しておこう。私は君達と違って湯船で煮込まれる趣味はなくてね』
「ぁ、あのぉ……」
通信とはいえ早朝からお呼び立てする形になってしまいましたし、しかもまだ互いの自己紹介と昨夜のミレニアムでの戦闘の映像記録しか見てませんでしたけど席を立つ形になってしまったので謝りたかったのですが、中々話に割り込めません。
「ハッハッハ!確かにそうだ、ゲヘナの湯船は少し暑すぎると聞くからね。あまり熱しすぎてグラーシュを作りたいわけじゃない。なにせジビエは臭み抜きが大変だからね、特に雑食は腹が臭くていけないな。あぁ、そういえばトリニティの西部には良い温泉地があるそうだね?なんでもまだ開発中だとか!如何だろうか!百合園生徒会長!私を頼ってくれたなら最高の温泉を掘り当ててみせるとも!」
「せ、セイ『結構だよ。我々の自治区の事は我々で済ますさ。それに君達、ゲヘナでも随分とやらかしているのだろう?あまりそういう企みは感心できない』ぁさまぁ……」
駄目です。笑顔でお話しされてますけど圧が強すぎです。全然お話についていけません。
「負けないで、ヒフミ」
後ろから腰に手を当てながらそっとアズサちゃんが抱きしめつつ耳元で応援してくれますけど、心が折れちゃいそうです。
「おっと!良いのかい?君達のところの教えでは、ほら、なんと言ったかな?人と交わりをしない者は何とやら……賢き教え、箴言、だなんて聞いたけどもね」
『その続きは知っているかい?愚者は悟ることを喜ばず押し付けがましく自分の話をしたがるらしい。嗚呼、それから私もミカと違ってジビエは苦手だよ。特に蝙蝠なんて食べれた話じゃない』
「おいおい、勘弁してほしいな百合園会長。今、鏡が必要という話をしたかな?あと好き嫌いは感心しないな。夏ももう終わる……野山で取れる物には限りがあるんじゃあないかな?」
頭が痛いです。 - 7111じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/14(木) 00:03:29
頂いたお薬はちゃんと飲んでるんですけど効きが悪いんでしょうか。なんだってこんな喧嘩腰でお二人は急に話を始めてしまったのか、そう思っているとセイバーさんが耳打ちでもするように念話で尋ねてこられました。
『(ヒフミ……なぜあんな見目麗しい少女がこんな……君の学校の生徒は少し喧嘩っ早くないかい?)』
『(……そのぉ、ゲヘナの方とはですね……ちょっとこう……でも!普段のセイア様はもっとですね!というかトリニティはですね!とても穏やかな方が多いんですよ!)』
『(ん?それは勿論分かって……あぁ、そういう事か、いや、まぁ構わないんだが。しかし、困ったな。時間も有限だ)』
『(それはそうなんですけど……なんですかその微笑ましい物を見る顔は!?セイバーさん、私は今とっても悩んで、これからこの話にどう収拾を……セイバーさん!聞いてくださってますか!?もーっ!都合の良い時ばっかり!)』
何故か納得して笑って言い合いを見つめ始めたセイバーさんに抗議しつつ。
「あ、あのぉっ!会議!会議の続きしましょう!」
私も諦めて手を上げました。お二人の話合いを止めないといつまで経っても次にいけません。
「っと、悪かったね。ついつい口も軽やかになるという物さ。楽しかったよ、ぜひ今度はゆっくり湯船に浸かりながらなんて如何かな?貴女におすすめの源泉がある。温泉開発部の部長として自信を持って進めよう」
『君が幸運の青い鳥になるというなら喜んで。ヒフミも悪かったね。会議の途中だというのに』
「いえ!こちらこそ……ぁ、それにその……す、すみません、セイア様……会議の途中で抜けてしまって」
頭を下げられるセイア様に私も慌てて別件の話で謝罪をする。実際、始まったばかりでしたが会議の席を立ってしまいましたから。ただ。
『いいさ、いきなり珍妙な客人に拠点を爆破されたのだという。今日日、兎狩りだってもう少し穏やかにするというんだが、どうやらゲヘナではそこら辺の教育、いや躾はしてくれないみたいだからね。君達が席を外してしまったのも致し方ないさ』 - 7121じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/14(木) 00:10:36
「珍妙!結構、結構!いやぁ、これは参った!トリニティの眠り姫!ティーパーティの重鎮にそんな風に言われてしまうとは私も些か恥ずかしいという話さ。しかし今日は随分お加減良さそうだね?聞いた話では随分腰が重くてしょっちゅう会議は不参加、お隠れになったという話だけど、今日はいいのかな?お姫様」
『なに、目覚めに随分と騒がしくてしてくれたからね。嫌でも目が冴えるさ』
どうしてまたこうなってしまうのか。小気味よく二人が皮肉の応酬を始めてしまう。それに慌ててまた軌道修正しようとしたところ。
「それは重畳!さてさてぇ!役者はそ『あのさぁ』……ひぇ」
なんだか、すごく情けない声が隣から上がりました。
『君、委員長ちゃんとこの子だよね?ゲヘナの。でさ、なんでそんな子がわざわざ来たわけ?しかも拠点に爆薬まで仕掛けて』
「は、ははーん!なんだい、なんだいお嬢さん?私の素性が気になるという話ならば『おい』……ひぅ」
モニターに映るのは頬杖をついた姿のホシノさんとその後ろで困った顔で引き攣った笑みを浮かべるアヤネさん。そんなお二人、というかホシノさんの声と姿を見た瞬間でした。椅子からずり落ちそうになるカスミさんの姿がありました。もうなんでしょうね、声にさっきまでの勢いがありません。
本能で天敵だと察知してしまった小動物、みたいな感じです。
『おじさんさ、理由を聞いてるんだよ?早く答えてよ───なんでセイバーのマスターなんて、そんな聖杯戦争の話も知ってるの?大体なんで拠点に来たの?必要なら……』
そうホシノさんが言ったところで慌てて止めるようにモニターに向かって手を伸ばしながら、カスミさんが堰を切ったように話し始めました。
「いやいや、待った!ちょぉっと誤解があるんじゃぁ、ないかな?どうだい?それにほら!私が此処に来た理由なら君達の方が知ってる筈だよ。何せ私は他ならぬ君たちに呼ばれたんだからね?さぁさぁ、教えてくれたまえ!会議はどこまで進んだんだい?各地の被害状況の話は?ゲヘナについては勿論分からないだろう?だから私が来たんだよ!」 - 7131じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/14(木) 00:25:35
カスミさんのその言葉はまさしくその通りなんですが、なんでしょうね。これが噂に聞く貴方が言うな、というやつなんでしょうか。
『拠点の防壁を二割近く吹き飛ばした挙句に、百合園会長と皮肉の応酬を楽しんでいた貴女に言われるのは癪だけど……まぁでもそうね。話はしてしまいましょう。大体貴女の立ち位置も理解できたわ』
「おぉ、流石はミレニアムの『おじさん。あんまりウルサイの好きじゃないなぁ』……ひぇぇ」
同じことを思われたのか調月会長も眉間を揉んでおられますし、ハナコちゃんの笑顔も。
「とにかく会議を進めていきましょう。ミレニアムであった戦闘の一部は確認済み。次は」
『各地の被害状況とその際の戦闘で確認された気になる点を洗っていく形……だろう?ハナコ』
「はい♡まとめて下さってありがとうございます、セイアちゃん♡」
『ふふん。こんなこ「でも」……ん?』
「話、というより会議が始まるの遅くなった原因はセイアちゃんにもあるので後でお説教♡ですね」
『んんんん!?ま、待ちたまえ!いや、そのだね……!』
完全にお怒りモードの時のです。頑張って下さいね、セイア様。では改めて。
「会議を始めましょうみなさん───昨晩あった事件について、もう二度と起きないように」
私達補習授業部とセイバーさん。モモイちゃん達ゲーム開発部のみなさんとキャスターさん。ミノリさんとスパルタクスさん、ウイさんも合わせた拠点にいる13人。
オンラインで参加して下さるのはトリニティからティーパーティを代表してセイア様、ミレニアムからはセミナーで復興の支持をされる中での参加となった調月会長、アビドスからはホシノさんとアヤネさん。
そしてたった今来られたカスミさんも合わせた19人での会議が再開しました。 - 7141じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/14(木) 00:29:16
- 715二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 00:48:19
乙〜
おやすみなさいませ〜 - 716二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 09:42:31
保守
- 717二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 13:59:25
ほしゅ
- 718二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 19:49:22
無事に早く下校できたのだろうかミカ主……
- 719二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 20:14:36
このレスは削除されています
- 720二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 20:17:16
このレスは削除されています
- 721二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 21:01:35
このレスは削除されています
- 722二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 21:06:00
このレスは削除されています
- 7231じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/14(木) 21:27:06
「他のマスターがいる事も含めて全く知らないから確実に知っているヒフミさんにだけ話しかけているし、スーパースターなんて呼びかけたのは各校の有名人だけなのも誰がマスターかまでは知らないからその話題含め聖杯戦争の話に触れない形を取りたかった。マスターではなく、知っている人間から知っている『立場』でアクションして欲しかった」
だからヒフミさんや百合園先輩とだけ話してた、そう言うミドリちゃんの言葉にカスミさんは何も答えない。ただ怪しく尻尾を揺らしながら白衣の下で譲るように手を動かすだけ。
「コハルちゃんがふいに出した仲正さん、でしたっけ?その話題にも随分急に乗ってきましたよね。でもその割には『そういう関係』でしたか?普通に同じ部活とでも言えばいいのに、敢えて濁した。多分ですけど、コハルちゃんがいる事も彼女が本当に同じ部活の生徒かどうかも確信が持てなかったから、ですよね?ほとんど何も知らないという事を悟らせない為に、極力断定する形での物言いを避け続けた」
そうなの、と袖を引っ張って聞いてくるコハルちゃんの唇に人差し指を当てつつ、私は続きを静かに待つ。人の事をしっかり見ているミレニアムの名探偵は、カスミさんの言動に振り回されっぱなしなっていた私とは違って、彼女の意図を一つひとつ解き明かしてくれていく。その姿に頼もしさをひしひしと感じます。
「だから、あの、ええっと「セイア様!百合園!」そうそう、百合園会長に喧嘩吹っ掛けるついでに情報収集できるように話の主導権を握り続けようとして、けどそれに気づいて煩わしくなったホシノ委員長にダメ出しされた……とか?あとは拠点に発破仕掛けたあたり、多分私達というか現状についてもあんまり、ですよね?」
『えぇっ!?ほ、ホシノ先輩!そうだったんですか!?』
『えー、どうかなぁ?おじさん、忘れちゃったよー……まぁ、アヤネちゃんはそのままで、ね?』
片目をつぶってそう言うホシノさんに、驚いた様子のアヤネさんと。
「……ふふ、今日までの頑張り♡、なんてそういう風には見て頂けませんか?ホシノ先輩」
何故か笑顔だけど、少しだけ苦みが走る影を宿したハナコちゃんがそう言う。それにホシノさんは少しだけ驚いた顔をしてから、また溶けたバターみたいにじんわりと温かくなる柔和な表情を浮かべられました。 - 7241じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/14(木) 21:30:48
『んー、まぁ。本人達がそう思うなら、おじさんの思いすぎだね、ごめんよぉ……でも、無理はし過ぎないようにね。あんまりわるーいのばっかり見てるとさ、自分がしんどくなっちゃうんだから。無理、しないでね、ハナコちゃん』
「……うふふ、ありがとうございます。ホシノ先輩」
暫く二人だけが分かっている、みたいな何とも言い表しにくい空気が流れます。そんな中をおずおずとミドリちゃんが声を上げてくれました。
「えぇっと……とりあえず結論ですけど、ヒフミさんがマスターなのは知っている、でもそれ以上の私達の陣営についての知識はない……でいいですかね?」
「あら、ごめんなさい、ミドリちゃん♡私も概ねその感じかと♡ちなみにユズちゃん、補足はありますか?」
上品な謝罪とそれから肯定。ハナコちゃんの返事にミドリちゃんもホッと胸を撫で下ろしながら、ユズちゃんへとバトンタッチされます。
そんな風に次の話者へと指名された彼女は。
「あえぇっ!?えと……ぁぅ、その……ゲヘナ、というかライダー陣営については知ってるけど、多分そんなに内情までは詳しく……ないんじゃないのかな……?陸八魔さんのところにいるサーヴァントがライダーかどうか知ってるかも微妙、なのかかな?話す内容が全部、同じゲヘナにいるのにライダーの話題に触れないないで恩恵とかそういう曖昧な言葉選びだし。サーヴァントについても危険なのはある程度は知ってるけど、具体的には把握しきれてない。あと爆破したのは本人の趣味の線もあるけど……そうだ、鬼怒川さんは私達への連絡手段がない。誰かに呼ばれたっていうならそれを経由して私達にコンタクトすればいい。けどしないなら、出来ないなら『仲介役』、そう考えたらお使いって言ってるの納得できる。でも昨日の騒ぎとかで神経質にならざる得ない私達にいくら被害が軽微でも拠点を爆破なんてそういうアクションをするのは悪手……あ、だからミドリは聖杯戦争や私達の陣営についての規模だって把握出来てないって言ったんだ。なら流れはこうかな?。拠点を連絡手段がないのを良い事にいつものように爆破してみたけど、私達の動きや反応が予想以上に過敏で失敗と事態が思ったよりも深刻な事に『此処に来てから』気づいた、だからミドリが言うみたいに会話の主導権を常に握る立ち位置にいて……」 - 7251じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/14(木) 21:41:21
怒涛の勢いで並べられていくユズちゃんの推理。その話自体はとっても長いですけど内容自体は的を得ているのが聞いていてよく理解できます。
そしてそんな詰将棋でもするような細やかな推理を受け取ったカスミさんもまた、白衣越しに両手を挙げられました。
「おーけー!ストップだよ、お嬢さん方。なんだい、どうした。これは一体、いよいよ私達の次の世代も安泰ってわけかな?驚いたよ、随分と『喋れる』生徒が陣営に揃ってるじゃあないかい?」
「えぇ。私の自慢の友達です……いかがですか?鬼怒川部長」
「あぁ、素直に負けを認めようか。君達の言う通り、そして予想通り私は聖杯戦争についてちっとも知らない。出来れば話は後に回してくれるとありがたいね」
そう言って今度こそカスミさんは静かに紅茶に口をつける。まるで暫くは黙っているよ、そう言外に伝えてこられる態度にハナコちゃんも頷きを返しながらこれからについての話を始めます。
「ではゲヘナについては後でまとめて。D.U.や他自治区に関しては」
『えぇ、なんとかチヒロに無理を言って収集してもらったわ。あまり得る物は多くないようだけど、私が話すから気にしないでちょうだい』
「分かりました、ならその辺りについてはリオ会長からお話し頂けるということで……それではみなさん、各自治区の被害状況の報告をお願いします」
その言葉を皮切りに今度こそ、本題へと私達は話を運ぶ船へと乗り込む事になりました。 - 7261じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/14(木) 22:12:51
【Recommend BGM……〈ホワイトアウト〉】
『ミレニアムではセミナー本部から重症者が1名、治安維持部隊からdice1d20=20 (20) 名、うち1名が重症。一般生徒への被害は少ない、けれど建築物等への被害ならそれこそ大小数え切れないわね。大きな所で目立つのは発電所はエントランス部分が、セミナー本部はその階が丸ごと爆破されたわ』
『トリニティは建造物の被害は少ないね。本校舎のバルコニーとその上の階が何層かぶち抜かれたぐらいさ。市街地は幸いな事にそれほど被害はなくてね、とりあえず私のセーフハウスとその周辺家屋がdice1d20=6 (6) 棟倒壊してその辺りが更地になった、その程度で済んでいる。住民や生徒のその件での被害はゼロだよ』
始まりは調月会長から。ある程度、ユウカちゃんやC&Cの方が負傷された、そういう話は伺っていました。そして続くセイア様からも、『誰が怪我を負ったのか』。詳しくは語られず心配いらないとだけ気遣って頂きましたが、それでも苛立ちに似た不安を感じずにはいられない現状について事前に聞いてからの話になりました。
『……ただ、残念なことに犠牲者自体は存在する。ティーパーティから3名、うち1名が行方不明だ。正義実現委員会からは1名のみ。そして一般生徒からも意識不明の重体となった生徒がいる』
『調べた限り、D.U.は生徒と自治区住民含めて重軽傷者がdice1d100=79 (79) 名。幸い役職持ちの幹部は元気だそうよ』
幸いだったのかもしれません、カスミさんが来た事は。彼女が来たおかげで熱くなりそうになった私達の頭は一度冷えています。もしあのまま話を続けていたら不安や、悲しさから会議に集中するのだって大変だったでしょう。ですから今、私の真向かいに座って欠伸を漏らしながら目を細めて話に耳を傾けている彼女には感謝したいと本心から思います。拠点の入り口を二割ほど壊されてしまわれた件についてはなんとも、ですが。
『アビドスは今のところ問題なしかな?廃屋とかはちょっと吹き飛んだりしたけど、大体の戦闘は砂漠でだったしね……アイツ、この感じだとちょっと特殊なケースだったから』
『レッドウィンターについては静かな物だったらしい。影のような生徒についても確認できなかった』
- 7271じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/14(木) 23:04:25
『他自治区についても調べた限りでは同じような状況ね。特に百鬼夜行は夏祭りなんて開催していたようだから、よっぽど安全だったのでしょう』
ホシノさんの言葉に引っかかりつつも、それ以上に気になるのは今回の被害。事前に確認した限り、重軽傷合わせてもかなりの数の犠牲が出てしまいました。その事実が重く伸し掛かると共に、だからこそ疑問が湧くんです。それはセイバーさんも同じようで、彼は単刀直入に口火を切りました。
「ただそれらの人的な被害も全てが敵の攻撃による怪我、というわけじゃないね?」
そう、怪我人は出ました。『まだ』行方が分からない方もいます。大きな、本当に大きな怪我を。
「(……ナギサ様、ユウカちゃん……)」
命に別状はない、そう言われても心配と申し訳なさと無力な自分への不甲斐なさで転げ回りたくなるぐらい。大きな怪我をさせてしまった人達がいる。さっき聞いた時は熱く、今はただ重く冷たく伸し掛かり続ける事実。でもそれを含めて違和感があるんです。被害が予想よりずっと『小さい』。あの時見た数の戦力に対して出た被害者の数が、思っていた数よりずっと少ない。
『……D.U.もミレニアムも避難時の転倒や、攻撃を受けた際に倒壊したビルの破片での怪我が主だった原因となるわ。実際に戦闘を受けての被害は、それこそ今回の負傷者のうち、全体の一割以下でしょうね』
「こんな言い方はしたくないが、侵攻の具合、いや揃えた戦力の割には怪我人があまりにも少ない。ここまでくると、最早あからさまだな」
『敵の数はこちらで確認出来た限り、D.U.、ミレニアム、トリニティに出現した例の影の数を合わせて二千に届く程だ。やろうと思えばもっと大規模な攻勢も可能だった、もっと大きな被害にもなり得ただろう。だがそうはならなかった』
「えと、それじゃあ……その数を動員して別の事をしたかった、って事ですよね……?」
コハルちゃんからの質問にセイア様は深々とした頷きをひとつ返されました。
『あぁ。あれだけの兵力を繰り出してきた理由自体は幾つか推測は挙げられる。たとえば純粋な示威目的なんかは分かりやすい。なにより今回の彼らの目的は明白になっている。トリニティ、アビドス、そしてミレニアムで実際に対峙したシャドウサーヴァントからその話を聞き出している』 - 7281じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/14(木) 23:11:53
その言葉を引き継ぎながら暗い面持ちで調月会長も呟かれる。昨晩の敵の攻勢、私達の拠点まで大挙して現れた勢力も含めてその殆どは陽動。本当の目的はもっとずっと、小さくて、陰湿で、何より許せない事でした。
『ミレニアムからはユウカ、アビドスからは砂狼シロコさん、そしてトリニティは貴女と……』
『ナギサ。桐藤ナギサが狙われたよ』
とは言っても本命となった生徒に関しては命に別状はないよ、そう言って安心させるように微笑むセイア様の言葉ですが、それでも胸の奥を掻きむしる痛みは忘れ難く鈍痛となって響いている。
ナギサ様、ユウカちゃん、シロコさん、セイア様。大切な人達が狙われたその事実で打ちのめされる感覚を覚えてしまいます。
『幸いにもミカ、うちの肉体労働担当が間に合ってね。そうだね……二人とも少し検査入院にはなったけどなに、問題ないと思ってもらって大丈夫だ。ミカは午後には現場復帰できるし、ナギサもdice1d4=2 (2) (1.午後に退院、2.明日の午前に退院、3.明日の午後に退院、4.……)、まぁ、心配しなくてもというところだね』
『ユウカはdice1d4=1 (1) (1.明日退院、2.明後日退院、3.一週間入院、4.……)、そちらのシロコさんは大きな怪我をせずに済んだそうね。いずれの生徒も命にまでは届かなかったとはいえ幸いな事だわ。怪我人なんて少ないに越した事はないもの』
『そうだね、多少疲れはあるみたいだけどアビドスに関してはそこまで被害は考えてもらわなくて良いかな……ただアイツらの目的が見えた以上、あんまり小回り効いた動きはおじさん達には難しいかもだけどね』
「だろうとも。一度狙われた以上、次がないとは決して言えない。警備体制については?」
ミノリさんの質問への返事は力強い答えとなって返ってきました。
『我が校なら既にツルギ委員長が復帰済みだよ。正義実現委員会が全力で警護に回ってくれている……問題はなさそうだ』
『ミレニアムも同じね。C&Cが主導になった要人警護態勢を構築済みよ』
「とりあえずその点については問題なさそう、なのかな?」
「一先ずはそう考えるべきだ。無闇に怯え過ぎて必要を越えた備えを追求する。待っているのは『より多く』という目に見えない不安に駆られた狂騒だけだ」
- 7291じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/14(木) 23:15:40
- 730二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 23:31:08
おつかれさまです
ゆっくりお休みを - 731二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 23:41:15
乙!
ひとまず負傷者たちも早めの復帰になって良かった
あの喰われちゃった子は気になるけど……大団円を信じよう
1もしっかりゆっくり休んでくださいな - 732二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 01:01:17
お疲れ様じゃんねミカ主。
ゆっくりと休んでください。 - 733二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 02:38:02
お疲れ様です
ゆっくりとお休み下さい
あれだ、カスミは爆破して現れるタイミングが絶妙に悪すぎたんだ(苦笑)
とりあえず、ゲヘナでは何があったのか気になりますね
行方不明の1人は偽ネロに殺られちゃった娘の事なんだろうな……
うぅん、実害が出てるしマジで黒服以外の他のマスターの娘達には「腹を割って話そう」って言いたい
そして、シロコちゃんが狙われた……だと!?!?
無事なようでホッとしてます…… - 734二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 08:21:51
ほしゅ
- 735二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 11:01:23
お疲れ様です
ナギサもユウカも怪我状況最悪を引かなくて良かったじゃんね…… - 7361じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/15(金) 12:24:57
お昼!紛う事なきお昼じゃんね☆
珍しすぎというか今週はやっとこの時間にご飯にありつけるじゃんね☆
しちじにはお家着くよていだから……今日は20時スタートを宣言するじゃんね☆……だ、大丈夫じゃんね!たぶん☆
……というか新イベのキャラ使いたか……いやいやダメじゃんね☆1は一応原作で開催中のイベントについてはノータッチじゃんね☆
ありがとじゃんね☆寒くてもギリギリ体調も崩さずやってけてるじゃんね☆こうやって早めに切り上げたりもするのに付き合ってくれるみんなのおかげじゃんね☆
ありがとじゃんね☆
昨日書いてた時はそれどころじゃなくて🎲目もなぁんにも見てなかったから読み直して知ったじゃんね☆片や瀕死、片や肩に穴開いてるのにキヴォトス人は丈夫じゃんね☆
食われた子?まだやる事あるじゃんね☆というか今日分かるけど喰われたの一人とは言ってないじゃんね☆ミーカミカミカミカミカミカ
……心配してくださってありがとうございます、先の展開というか着地点もそろそろ見えて来る頃なのでなんとか踏ん張って完結まで頑張ります!……じゃんね☆
ありがとじゃんね☆よく寝て、しかも今日はわりとラフなしご……授業だからなんとかいけそうじゃんね☆今月乗り切ればだいぶ楽になるはずだから頑張るじゃんね☆
ありがとじゃんね☆早めに寝たから今日は目覚まし使わずに起きれたじゃんね☆
ゲストのカスミちゃんは内心、めっちゃ帰りたいと思ってるし安請け合いしたのも頭抱えてるけど、それでも帰らない理由がちゃんとある可愛い子じゃんね☆
ゲヘナ?大決戦したじゃんね☆
行方不明の子は合ってるじゃんね☆ぼかしてるのはセイアちゃんなりの気遣いじゃんね☆
元々別の形で出すつもりだった子だったじゃんね☆
シロコちゃんはごめんだけど設定詰めたらどう考えても狙われる感じになったじゃんね☆さすがのアプリアイコンの顔って感じじゃんね☆
なんで狙われたとかは実はミカ戦の地の文でさらっと書いたじゃんね☆1は異名とか二つな好きじゃんね☆
保守ありがとじゃんね☆朝バタバタしてたり、まーその、いつもので大体書き込めなかったりするからとっても助かります!……じゃんね☆
ありがとじゃんね☆ほんとじゃんね☆いっそこのまま二部の間は退場……とか考えてたけど良かったじゃんね☆
- 7371じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/15(金) 19:11:54
- 7381じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/15(金) 20:07:39
【Recommend BGM……〈ホワイトアウト〉】
「えぇ、キャスターさんの言う通り。既に対策は取りました、『次はありません』。ですから今は改めて確認をしていきましょう───私達の敵について」
ハナコちゃんはそう言いながら、手元にある資料をめくる。それに合わせて私達もそれぞれ配られた紙の束をめくり書き込まれている内容へと目を走らせる。ドローンで撮影した黒い靄、そこにあったのは昨日対峙した『敵』の姿でした。
「まず私達が遭遇した敵、恐らくは敵の宝具かスキルによって発生した黒い生徒。そして4騎のシャドウサーヴァント」
「シャドウサーヴァントについてはそれぞれセイバーとバーサーカー、それから(dice2d5=4 2 (6) ①セイバー、②キャスター、③バーサーカー、④私/アズサ、⑤アリス、⑥ミノリ)が倒した。いずれも、形が崩れて黒いの靄のかかった、ゲヘナの風紀委員長から聞いていたシャドウサーヴァントの特徴と一致した存在だった」
私達が相手にしたシャドウサーヴァント、セイバーさんがあの時拠点周辺に感知した『四騎』は、辛うじて人の形になっている不定形な泥のようなサーヴァントでした。それはアズサちゃんの言う通り以前聞いていた霊基が『不完全』という特徴通り、セイバーさん達とは似ても似つかないほど不安定な様子でした。ですが、そんな私達が前々に想定していた存在とは全く別の存在が今回現れた。
『私達が前から確認していたのは前者になります。顔の部分が真っ黒に塗り潰された影のような生徒。それらの情報はこれまでミレニアム、そしてトリニティ側で共有していた……その筈でした』
それが今アヤネさんが話されて、昨晩ホシノさんがユウカちゃんと話そうとしていた内容。そして私達も目にした存在。
『だが我々は勿論、そちらの派遣しているパトロール部隊の所属先である正義実現委員会もそんな内容の話は聞いていなかった……誰かが握り潰していた、という事だね?小鳥遊対策委員長、奥空アヤネさん』
『そうだねぇ。いやぁ、ミレニアムの書記ちゃんの反応見た時は焦ったよ。内通者がいる可能性だってちょっとぐらいは頭の片隅に置いてたけどさ……それだって信じたくなかったよ』
- 7391じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/15(金) 20:21:11
『幸い、私達も自治区のパトロールはこれまで派遣された正義実現委員会のみなさんとご一緒してきた中で個々での交友関係を築けていました……その繋がりからシフト等を洗い直して、内通者と思われる存在が現れる時間に直接接触を試みたところ』
内通者。情報が意図して握り潰されていたとなれば、あまり気持ちのいい話じゃないとはいえ普通に考えるならそれが筋でしょう。ですが実際は違いました。
「戦った、感じですよね?奥空さん」
『アヤネで大丈夫ですよ、ミドリちゃん。彼女の言った通り、私達がその場を抑えた時点でその生徒dice1d5=2 (2) 名は靄のような黒い影となって逃走。アビドス市街地内で撃破する形になりました』
内通者は『いなかった』。代わりにいたのはその時の通信を担当する生徒に成り代わっていた『ダレカ』。シフトの隙間を縫うようにして、いつの間にか増えている『ダレカ』。つまり影のような生徒がアビドスにはいた。一体いつからかは分かりませんが彼らは私たちの生活にひっそりと気づかれないように潜り込んでいた。
「……あまり外に出ない私でもあの生徒によく似たナニカを一目見てその異質なのが分かりました。けどあくまでそれは戦闘時だから」
『だろうね。恐らくは諜報活動や妨害工作をするとなれば気づかれないよう立ち振る舞えるのだろう』
「……怖い、ですね……なんだか、その……ホラーゲームとかの……あ、いえその!ゲーム感覚で話してるとかじゃなくて!……ぁえと、そのぉ……」
『大丈夫よ、ユズさん。ここにいる人間は貴女の言わんとしていることを理解できるわ』
気がついたら周りのお友達もみんな、違う『ダレカ』になってるんじゃないか。そんな風な不安を口にするユズちゃんの気持ちは分かります。だって、どこまで相手の手が伸びているのか分からないんですから。同じ事を考えてか、一様にみなさんの顔が曇る。この場にいるのならまだ良いんです。
『直感』ですけど、多分実際にお喋りすれば相手が本物かどうかの見分けだって私だけじゃなく他の方でも出来ると思うんです。
だけど、さっきまで安全だと思っていた日常が『信用できなくなる』。足元から崩れていく感覚は、純粋に『怖い』。
そんな私達の耳に、蒸気を噴かしながらいつもの低音が届きました。
- 7401じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/15(金) 21:34:16
「確かにどこまで奴らの宝具やスキルによる隠蔽が可能かは分かり兼ねる。とはいえ、だ。お前達の心配や不安は尤もだが、そう神経質になる必要はないと我は断言しておこう。少なくともユズよ、お前が心痛め不安に思うような事には、お前達の日常までが敵の手中にあるような事にはならんと我は計算している」
『……出来れば理由を聞いてもいいかな?ミスター』
「キャスターで構わん、金髪の娘よ」
その言葉は私たちに語られつつ、その実、不安に思う私達を気遣うように。キャスターさんらしい気難しげな話し方の中に安心させるよう言葉を選んでおられる優しさが見え隠れされていました。
「宝具には限界があるのだ、少女よ。一度に数千の兵を出せても、その維持には莫大な魔力がいる。なにより兵を送り出せる範囲にも限界はあるだろう」
そう言ってモニターに映るのは今回被害にあった各自治区。一つひとつが大きな面積を誇り、そしてその分離れてもいます。
「アビドス、トリニティ、ミレニアム、ゲヘナ。仮にマスターやその関係者が集まる自治区の手勢を忍ばせるとなってもこれだけ広大な土地全てをカバーしきるのは動員できる人数も、そして距離も難しいだろう。消費する魔力とて馬鹿にならん。少なくとも常時影の如き生徒を展開しておくなぞ出来んだろう」
『つまり、必要な時にだけ。たとえばさっきの話で言えば報告書を送るタイミングのようなそういう限定的な場合でのみ敵は間者を送っていた。そういう理解を私はしても構わないかな?』
「問題ない。奴らはいそいそと自分達に有利となるよう手紙を認めては帰っていく迷惑な輩という話でしかないのだ……お前達が己の居場所に不安を覚える必要はないのだ」
その言葉にユズちゃんだけでなく私も思わずホッとします。やっぱり『内通者はいなかった』。そして敵は私達の日常の影に常に潜んでいるわけでもない。誰が敵か疑わなきゃいけない、というのは辛いです。たった五人のマスターを探す時だってそうだったのに今度はそれを複数の学園の全校生徒からだなんて、想像もしたくありません。 - 7411じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/15(金) 22:54:09
『鼠らしい世知辛い事情だが、他人の物に手を出す愚者は往々にしてそういう剛毅に出れない吝嗇家という訳だ。とはいえ我々としては彼らの涙ぐましくも実らずとなった努力が影ながらであったのは朗報かな。膿出しに流血を強いる、その判断下すか否か今朝方まで考えていたからね。誰が敵か暗中に沈む中で掴むべき手を間違えたくはない』
「残りの日数だってある。これまで連携の邪魔をされてきた事は癪に障るが、誰が成り代りの偽物かどうか当てろだなんて面倒事がないというのは素直に喜ぶべきだろう」
そう言うミノリさんの顔にも少し安堵が浮かんでいますしセイア様も疲れたように皮肉を飛ばされつつ、一方で尻尾を揺らしておられました。
『しかしなんだい、想像に及ばぬ可惜物と聞いていただけに夢のような野放図かと思えば、宝具というのは思いの外縛られた物だね?』
「……宝具は決して万能な物じゃありません。むしろ単一的な機能を有した限定礼装、と呼ぶべき物です。確かにこの陣営にいるサーヴァント達のように多種多様かつ摩訶不思議な力を持ちますが……なんでもかんでも夢を叶えてくれる、それこそ『魔法』のような物ではないんです」
そう言えばセイバーさんの宝具も基本的にはビームを出すだけと仰ってたな、とウイさんの細く説明を聞きながら思い返しているとコハルちゃんの気持ちの良い声が駆けてきました。
「じゃあ、とりあえずは問題なしってことね!それなら次行きましょ、次!」
『んー、おじさんも賛成かな。とりあえず対処に関しては今後警戒してく形とかするにしても別個で私達が詰めなきゃだしね。そこの可愛い子の言う通り今はヒフミちゃん達もいるんだから、本題。優先しよっか?』
「えぇ♡では可愛い♡コハルちゃんに倣って、次の議題に移っていきましょう」
「一々かわいいってつけなくていいの!バカ!」
顔を真っ赤にするコハルちゃんについつい口元も綻んでしまいますが、まだまだ話さなきゃいけないことは山盛りです。セイア様の咳払いを合図に私も気を引き締め直します。
『ひとまずの各自治区の様子は聞けたわけだ。次は交戦したサーヴァントについての報告になるが、如何だろう?このままの流れでアビドスから話すのかな?』 - 7421じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/15(金) 23:11:01
『……いえ、私達からの報告は後にさせて下さい』
「それは報告書に具体的な記載がないのと関係があるのかな?アヤネ」
『アヤっ!?え、えと……はい……そ、そうです』
引き締め直したんですけど、気を。どっかの誰かさんがまぁた性懲りも無く女の子に王子様スマイルでいきなりファーストネームを呼ぶとかやり始めたせいで一気にぶち壊しです。
「あはは……どう思いますか?」
「死刑。適当に蹴っときましょう」
「そうですね」
「ははは……僕は文明的な話し合いを求めるよ、ヒフミ」
名前で呼んだだけだよね、なんて困った顔をしている唐変木さんは机の下で蹴っておきます。見て下さいあのホシノさんの笑顔を。完全にお冠ですよ、まったく。そんな私達とセイバーさんを不思議そうに眺めつつお茶請けのカスタードタルト(イギリス風エッグタルト。ちなみにアリスが今食べたのは本日dice1d20=11 (11) 個目)を口に運びつつ随分わき道に逸れていた話を元の路線に戻してくれました。
「もしかしてアビドスにポップしたアーチャーはとても強力なエネミーだったのでしょうか?」
『……んまぁ、強かった……かなぁ?ごめんね、アリスちゃん。おじさんもちょっと、うん、上手く説明できなくてさ』
「随分と濁すな。聞けば実際に相対して倒してみせたという話だが。何か特殊なスキルや宝具の持ち主であったか?あとアリスよ、朝が軽かったからといってもあまり菓子ばかりつまんではいけない。腹が減ったというのなら冷蔵庫に昨晩の冷凍ご飯があるから温めてライスボールにでもするといい」
また脱線しそうになるのをアヤネさんは苦笑しつつ補足してくれました。ただその話は思っていたよりずっと複雑な物でした。
『自分はかなり特殊な事例なのだと、他のシャドウサーヴァント達とはレイキ、というのがそもそも違う作りだからオリジナルに性格等が近い、とりわけ性質については完璧に、と本人が仰っていました』
- 7431じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/15(金) 23:35:51
「……霊基が、ですか。それにオリジナル、性質、完璧……なるほど、完成というのはそういう事ですか。なら、どうやらシャドウサーヴァントとされる方達の中でもアーチャーさんは随分と状況が違うわけですね」
「……また厄介な。我としてはその点については詳しい確認をしたいところだが、恐らくは長くなるだろう。我やハナコの予想が正しいならば……お前達が聞いて気持ちの良い話でもあるまい」
ハナコちゃんが下唇を僅かに噛んだりキャスターさんが苦々しげに言われる様子やウイさんや調月会長が考え込む姿から、どうやらそう一筋縄ではいかない話なのだと思いましたが、私にはちっとも答えが浮かんできません。そんな私達にホシノさんはちょっと困ったような顔をしつつ話のバトンを渡されました。
『というわけで先に他自治区の報告を優先してもらえるかな?多分、私達のケースはかなり特殊だからさ。あの弓兵もあ、じゃないや。この場にいたのが自分じゃなかったらもっと被害を出す動きをしてたって言ってたしさ』
『……そうね。ならミレニアムの報告からしましょうか。と言っても話としてはさっきのでほぼ全て。ちなみに一応伝えておくのだけれど。対シャドウセイバー、シャドウランサーとの戦闘記録は既に鬼怒川カスミさん、貴方を除いた全員が閲覧済みよ』
「ハッハッハ、私は別にゲヘナの出だからと言ってウォーモンガーというわけじゃないさ。そこら辺の共有は結構、あくまで今回は『お使い』さ。この件に私個人の関心は欠片もないよ」
バトンの受け取り手は調月会長。その彼女からの言葉に肩をすくめて答えたカスミさんへ素っ気ない返事をしつつ調月会長はおさらいをするように話し始めました。
『そっ、ならこのまま続けるわね。襲撃を受けたのはミレニアムビルのセミナー本部が入っているフロアへの爆破。それと保安部やC&Cへの直接的な妨害工作。そして発電施設への工作と……そこで行われたセミナー部員への攻撃と、彼女を守ろうとした生徒との戦闘が昨晩ミレニアムで起きた事になるわ』
カスミさんが来る前に閲覧した映像。そこに映っていた二騎のサーヴァント。
怠惰のランサー、嫉妬のアサシン。そう互いを呼称し合う彼らは、私達や空崎委員長さんが戦ったシャドウサーヴァントと違ってキャスターさん曰く『霊基が安定している』とのこと。 - 7441じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/16(土) 00:26:56
『出現したサーヴァントはランサーとアサシン。辛うじて予備電源で撮影できた監視カメラの映像、それから破壊されたドローンやオートマタから回収した記録からある程度の情報をまとめておいたわ。他のサーヴァントの情報も入れておいたから後で確認してちょうだい……交戦時の発言から影のような生徒はやはりアサシンの用いるスキルか宝具による物だと思われるわ』
「あれ?そういえば今回の大規模停電と通信妨害についてとかって調べ終わったんだっけ?」
『停電に関しては発電所のシステムダウン。通信妨害については……設備は勿論そういった電波も検知されなかったわ。魔術だったかしら、あまりこういう形で言い訳のように使いたくはないのだけれど……』
「その線でほぼ、間違いない……と思います」
疲れた顔をする調月会長の言葉を引き取りながらウイさんは、前に古書館で私達によくそうしてくれたように見覚えのある古書とウイさんらしかぬ電子タブレットを取り出されました。
「各校から提出頂いた資料を会議前に見させて頂きました。それらを拝見して手持ちの資料でにはなりますがある程度真名について当たりをつける作業を行いました。その結果になりますがセイバーさん、それから……キャスター、さん、とも相談の上で今回出現したサーヴァントの中でもランサーに関してはかなり正確に真名を特定できたと思います」
「ああ。幸い、僕が以前の聖杯戦争で見かけた事のある宝具の所有者だったからね。容姿は違ったがスキルや戦い方からある程度の推測が出来た」
「本当ですかっ!?」
思わず席から腰が浮きそうになりました。サーヴァントの方にとって真名は宝具や自身の弱点にも繋がる重要な物。それ一つ分かるだけでも格段に今後の動きが変わっていきます。
「ええ、まあ、はい。ランサーは宝具の真名解放してますし……一つの自治区を完全に通信妨害できるほどの魔術を行使するとなれば……まあ、ある程度はその……ぬひぇ」
しどろもどらに目線を慌ただしく逸らしつつ照れるウイさんを思わず微笑ましく見つめてしまったのがバレてしまったのか、ちょこっとだけ頬を唇を尖らせて不満を見せつつ彼女はすぐに咳払いしてから。
「……ランサーの真名は恐らくクー・フーリン」
静々とその名前を告げました。 - 7451じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/16(土) 00:41:21
「大いなる神聖から与えられた矢避けの加護を持ち、一度放たれれば五十とも五百とも伝えられる棘となって敵を射抜く魔槍の担い手。古代ケルトの大英雄であり、あのアサシンの愛弟子に当たる存在です」
やはり聞き覚えのない名前です。ただ思わぬ形での繋がりがありました。もしかすると今日時間があれば『彼女に会いに行ってそのランサーについて聞いてみる』、なんてのもいいかもしれません。
「古書館の大賢者よ!アサシンについても我にタクセンを与えたまえー!」
「……ごめんなさい、アリスさん。絞り切れません……というより今回事前に配られた資料を元にある程度調べられたのはdice1d4=3 (3) 騎だけです」
「徹夜仕事をさせてしまって……ごめんなさい、ウイさん」
「いえまぁその、こういうのは、なんといいますか、慣れてますから……そもそも、ヒフミさん。貴女やモモイさん、ミノリさんと違ってサーヴァントのいない私は実働に関しては元からそこまで大した役には立ちませんから。こういった形で力になれるなら……まぁ、一日二日ぐらい大したことないですよ」
思わずみんなで揃って首を振ってしまいます。トリニティにいた頃から今日までウイさんにはお世話になりっぱなしの私達ですから役に立たないだなんて欠片だって思いません。
「本当に、その……いつもありがとうございます!ウイさんっ!」
「……まあ、先輩、ですから……これぐらいは」
照れたようにそっぽを向く彼女を見て、やっぱり拠点に来ていただけて良かったと改めてそう思います。
『その件のクー・フーリンについてだけど、資料にも載せたように……ごめんなさい、私の勘違いね。とにかく宝具である槍が危険ね』
「ランサーの槍は必中の呪詛が込められている……まともに回避するのが難しいのは勿論、君達生徒に使われる状況だけは避けたいね」
「スキルも問題だな。銃撃戦が主だった戦術となる以上、ランサーを相手取っても有効打どころか支援面も難しくなる」
宝具、スキル。どちらも強力かつこのキヴォトスとは致命的なぐらい相性が悪い組み合わせの持ち主。そのランサーさんと実際に戦ったキャスターさんとモモイちゃんへと私達の目は向かいました。
「実際のところ、どうだったんだ?モモイ、キャスター?」
「……次は負けるやもしれんな」
そんなつぶやきがキャスターさんの口から漏れました。
- 7461じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/16(土) 00:44:33
- 7471じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/16(土) 00:49:24
【剣】
dice1d25=2 (2) ×51.3
【弓】
dice1d10=4 (4) dice1d10=6 (6) dice1d10=7 (7)
dice1d10=5 (5) dice1d10=4 (4)
【槍】
dice1d150=70 (70)
dice1d10=6 (6) dice1d10=8 (8) dice1d10=10 (10)
dice1d10=10 (10) dice1d10=3 (3)
【暗】
dice1d10=10 (10) dice1d10=10 (10) dice1d10=5 (5)
dice1d10=2 (2) dice1d10=1 (1)
【狂】
dice1d666=57 (57)
dice1d10=6 (6) dice1d10=4 (4) dice1d10=1 (1)
dice1d10=6 (6) dice1d10=7 (7)
- 7481じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/16(土) 01:11:26
お待たせしましたじゃんね☆
各サーヴァントのステータス、じゃんね☆
x.gd↑ウイちゃんが深夜に叩き起こされて拠点防衛し終わってから夜なべして作ってくれたやつ……的な感じじゃんね☆
それじゃあ今度こそおやすみなさいじゃんね☆
- 749二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 02:23:20
おつかれさまです
エジプトに縁があって陣地作成持ちで光線を放つ宝具となると強欲のアーチャーはプトレマイオスかな? - 750二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 09:05:19
お疲れ様です
聖杯のアサシン、治安維持組織の人間の姿にしかなれないと仮定すると……やはり、リヨぐだ子に作られたマンガで分かるアサシンがキヴォトスに馴染んだ姿って事かな?
そして聖杯のバーサーカー、プーサーを見かけたら他のサヴァには目もくれずにプーサーだけに襲いかかってきそう
後、スカサハ師匠が聖杯のランサーの事を聞いたら静かに怒って滅殺しにいきそうですねぇ - 751二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 09:45:38
バーサーカーが来たのがトリニティでよかった
ミレニアムだったら何を持っていかれてたかわからない - 7521じゃんね◆cbItSHG.3g24/11/16(土) 15:34:56
- 753二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:00:39
ほしゅ
- 754二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 00:28:07
トキはネルパイセンの様子をこっそり見に行ったりしたのかな……
- 755二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 07:59:30
ほしゅ
- 756二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 10:38:44
ぶるあげ
- 757二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 19:13:24
いいじゃんね
- 7581じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/17(日) 22:23:53
- 759二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 22:34:27
ゆっくりでイイから、頑張ってじゃんね☆b
- 760二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 23:03:18
気分転換が上手くいくといいじゃんね
軽いものとかでも大丈夫じゃんね - 761二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 23:08:15
創作の神様は気まぐれだからね
色々やってみながらまた進むようになるのを待つのがいいよ - 762二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 07:44:34
お疲れ様です
無理せずに - 7631じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/18(月) 15:12:44
おっひるじゃんね☆
昨日、一昨日と書けずでごめんなさい。そんな中で励まして待って頂けて、1のだめだめ具合に情けなくなりつつ優しい言葉に助けられています。みなさん、いつも本当にありがとうございます!じゃんね☆
ここに来てくれる人みんな優しくて素敵な人ばかりだからえたらず頑張れるじゃんね☆みんなのおかげじゃんね☆
とりあえず今日は19時には帰れるから20時からはどんなに悩んでももう出すもの投下してくじゃんね☆展開詰まるとか不安に思っても悩むだけで仕方ないしとりあえず書けるものいくじゃんね☆
……短編でお茶濁したらごめんなさいじゃんね☆
でもその場合でも情報はちゃんと出すじゃんね☆
保守ありがとじゃんね☆もう全然よゆーなかったら本当に助かりましたじゃんね☆
なにそれかわいいじゃんね☆どこかでそこらへんの描写、いれたいじゃんね☆
ありがとじゃんね☆その一言で物書きはがんばろーってなるじゃんね☆
ありがとじゃんね☆ゆっくりで良いって言ってもらえてホッとします!だから負けず筆おらずで少しずつでも頑張るじゃんね☆
ありがとじゃんね☆食い道楽する師匠と個人的に気になってる未実装の子のお話だったから書くの楽しかったじゃんね☆
……それはそれとして本編、頑張るじゃんね☆
ありがとじゃんね☆創作の神様もうちの🎲監督ことダイスの女神様も気まぐれじゃんね……
なかなか展開降ってこないから焦るけど、でもなんとか切り替えて頑張ります!じゃんね☆
ありがとじゃんね☆無理せず、そうやってあったかい言葉もらえて嬉しいじゃんね☆めげずに頑張ってみるじゃんね☆
- 764二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 20:22:22
このレスは削除されています
- 7651じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/18(月) 20:23:35
分厚い雲のような呟きでした。勝てないかもしれない、キャスターさんのその言葉に肩が強張る気がする。
「宝具、令呪こそ使わずではあったが十分に渡り合う事が出来た。それが奴、怠惰を名乗るランサーと我との戦いであった」
「じゃっ、じゃあ!次はそれこそホウグとかってやつを使ったら!」
「……難しいだろうな。奴の正体、即ち真名という度外視出来ん値を我らは見つけた。それ故、尚更にそう計算せざるを得ん」
立ち上がるように言うコハルちゃんを制してキャスターさんは緩々と首を振った。その仕草に滲み出る悔しさを共有するように、モモイちゃんも目を伏せた。
『……それほどなのかい、ミスター?件の大英雄とやらは』
キャスターさんとの付き合いは私達補習授業部もだいぶ長くなりました。少し気難しいけれど私達を温かく見守ってくれる聡明な老紳士、そんな風に彼のことを私は思っている。これまで何度もその明哲さと智慧で私達に助言してきてくれた信頼できる大人の方。
「……クー・フーリンは古代ケルトにおける最大にして最強の戦士だ。僕も寝物語に何度も聞かされて育った偉大な英雄であり、同時に前に戦場で対峙した時もその槍捌きに幾度も苦汁を嘗めさせられた」
「我の生前は数学者だ。その生に心残りはなかったかと問われたならば否と言うが、その生き方を貫いた己を責めるかと言われたのならばそれもまた否と言おう。だが、それでも我は数理に挑む学者であって戦士ではない」
そんな彼のくぐもった声にいつもならある頼りになる自負と自信が、どうしてか欠けている。
「その我がああも容易く優勢に立っていた。言うに口悔しいが、奴が真に我らが幼き日に伝え聞いた英雄ならば……あんな様ではない筈だ。あんな、無様な男である筈がないのだ」
何となく、察してしまう。セイバーさんやキャスターさん、彼らにとってクー・フーリンという方がどのような人なのかを。何というか、お二人にとっては子どもの頃に聞いていたおとぎ話のヒーローなのでしょう、クー・フーリンさんは。戦闘の記録を私達も見ました。けれどそこに映っていたのはどこまでも怠そうに、そしてつまらなそうに人を殺そうとするサーヴァントの姿。とてもセイバーさんが仰る偉大な戦士、そんな風には『見えない』。 - 7661じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/18(月) 20:33:12
「……その、みなさんには馴染みがない事だとは思いますが……というか私も別に外の生まれとかそういう特殊な出生でもないので馴染みは薄いですが。その、なんというか……一つの神話体系において最強と謳われる意味は『重い』んです」
鈍る会議の中、ウイさんはぼそりと前置きをしてから神話、そしてその中で語られる彼らの立場について話を始められました。
「外だけでなくサーヴァント達の出身である世界では、神話とはその民族にとっての根幹、一種のイデオロギーとも言えるでしょう。幾星霜と語り継がれてきたその神話の中で、そして神話が成立するまで気の遠くなる年月の中にあって、その地に暮らす人々の強さの象徴として君臨する……それが英雄であり英霊です」
『ましてやその中でも最強とまでされたのならば、サーヴァントとしてはトップランカー。だからこそ、底を見せていない可能性がある、ということですね?』
アヤネさんの補足にウイさんだけでなく、キャスターさん達も深く頷かれました。
一神話における『最強』。その名を背負うことはきっと私では想像できないほどに重い意味を持つのでしょう。ならセイバーさんは、彼が生きた時代、そしてその後に読み、語り継がれた中でも。
そんな風に思われた方がいるのだろうかと思考が逸れそうになった私の耳にキャスターさんとモモイちゃんの会話が聞こえてきました。
「うむ。故、あの場でランサーは全霊での果たし合いをしたとは思い切れん。重ね重ね、あそこで倒しきれんかったのが悔やまずにはおれんよ。油断をしていたうちに倒し切れば後の憂いはなかった」
「戦闘続行さえなかったら……勝ちきれたんだけどなぁ。宝具と第三スキルの指示出せなかった私のせいだよ……」
モモイちゃんの悔しそうな声にキャスターさんはゆるゆると首を振る。
「責めるな。スキルを計算に入れなんだは我の失策だ、すまぬ。お前のサーヴァントとして……」
「……ううん。そんな事、ないよ!そもそもあの場で二騎相手に勝ち星拾えたんだから!それにとにかく生き残った!……ユウカもネル先輩もアスナ先輩も、なんならコユキだって助けに入れて今も生きてる。それだけでお釣りがくるぐらいだよ!」
「……そうか」 - 7671じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/18(月) 21:37:22
キャスターは全身に硬い鎧を着込んでおられます。だから表情なんて分かりっこありませんけど、その一言にはどことこなく柔らかかったんです。そんなお二人の会話を聞き届けてから調月会長は報告を終えられます。
『……ランサーについては以上ね。アサシンについてもこちらから断言できる情報は多くないから、次に行ってちょうだい』
『ではトリニティの話といこうか。と言ってもこちらもあまり良い話ではないのが残念だけどね』
調月会長の言葉に続いて、白が眩しい肩をすくめながらセイア様も静かに口を開かれました。
『我が校の被害自体はミレニアムやD.U.と比べたらかなり小規模になる。大掛かりな作戦だった先の二つに関しては前者は君達同盟陣営からの妨害を避ける為に、後者は確実にD.U.……より正確にはサンクトゥムタワーを本拠地とする連邦生徒会へ確実な打撃を与える為にだろう。そして私達トリニティは』
一度言葉を区切ったセイア様はモニター越しに私を見た。その反応に私も頷きを返します。既に聞いている事実とは何度も聞きたくなんかはありません。でもだからと言って知らないままでもいられない、知らないでいたくなんかありません。大切な人の身に起こってしまった事だから、そして今はまだ生きていてくれているのだから、『大丈夫』。
そう言い聞かせるように振った首は思いの外、力強い頷きになってしまいました。それにセイア様は一度、めをつぶってから。
『私とナギサのみに目的を絞っていたと考えるべきだね』
昨晩あった出来事について話し始めました。
『再度にあるが話しておこう。実質的な被害者は避難が間に合った私を除いて、ナギサ、ミカ、ツルギ
……そしてティーパーティの行政官が一人行方不明、一般生徒の中にも一人意識不明の子がいる。ただ最後の子に関しては昨晩の一件との直接的な関わりがあるとは断定しかねるがね』
「断定は避ける、だがこの場で話すというのなら何かしらそう考える理由はあるんだな?」
『ミノリ、君の見解通りだよ。だが、それを今このタイミングで私が話すには少しばかり順序が早い。先に済ませておくべき話があるね』 - 7681じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/18(月) 21:58:04
そう言って続きをと口を開きかけたセイア様に私の隣から待ったの声が控えめに送られた。見ればコハルちゃんが緊張した様子で、けれど机の下で固く両手を握りしめている。
「セイア様、その……行方不明の子、っていうのは……?」
『……問題ないよ。今回の襲撃を受けて少し心因的な方向で家に閉じこもってしまった子がいるのさ。連絡がつかない、だから行方不明。そういう風に処理してるだけだよ』
「そっ、そうですか……!」
思わず、私とアズサちゃん、そしてモモイちゃん達もコハルちゃんと顔を見合わせて胸を撫で下ろす。聞くべきかどうか悩んで、でも本当はすごく聞きたかった事だったのでこのタイミングでコハルちゃんから切り出してもらえて助かりました。
『行方不明の生徒』は『無事』だった。
心の傷がある事実はこうなる前に戦争を終わらせられなかった己の至らなさと申し訳なさでじくじくと胸に刺さる痛みの自覚はあります。それでも行方不明と聞いて最悪の場合を想定していましたから。
今はただその生徒さんが生きていることにホッとしました。
『……話を戻すついでに話してなかった各人の怪我の具合も改めて伝えておこう。と言っても全員大きな怪我やその後遺症なんて物も負わずに済んでいる。一番重かったナギサに関しても明日には退院だ』
「……あの……えと、でも二日……わ、私達キヴォトスの人間が二日も入院するぐらい……その、酷い怪我、だったんですよね……?」
『そうだね。ミカやツルギは戦闘での負傷だったが、ナギサに関しては何と言ったらいいか。私も別に特別医学に明るいわけじゃない、語弊があるかもしれないが……神経に対して過剰な負担がかかったという話だよ』
「……神経ですか。アズサちゃん」
「いや、流石に回復が早すぎる。何より後遺症がないのも考えると類似した何かなのか、それとも単純に症状が同じなだけじゃないか?」
ユズちゃんやハナコちゃんはお三方の入院に思う事もあってか質問をされたり、アズサちゃんと話し合ったりしておられますが、それをセイア様は宥めるように制止された。 - 7691じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/18(月) 22:19:13
『君達の心配は分かるが負傷者云々は本題じゃない、こんな事を言うのは何とも心苦しいけれどね。だが事実、私達が優先しなくてはならない議題は雲霞の如くだ。無事に退院の目処も立っている怪我人についてではなく、話すべき事を済ませるべきだろう。違うかな?ハナコ、ユズ』
「……そうですか、セイアちゃん。なら私から今話すべき事はありませんね」
「ぁ、ぇと……ぁ……ぅぅ……ハナコちゃんが『そう』なら……」
二人の言葉に何か妙な『引っ掛かり』を覚えて、首を傾げる私達にセイア様は薄い笑みを作ってから腰まである艶めいた髪を漉かれた。
『さて改めて今回の襲撃についてだが非常に痛ましい結果ではある。けれど私達ティーパーティに限っては幸運、という面もあった。10日前、ヒフミ、君が強襲を受けた時点で我々ティーパーティとアビドス廃校対策委員会、そしてシャーレが独自に動き出したというのは聞いているね?』
「あ、はい、あの……ええっと、確か先生から譲って頂いた報告書だったり、ナギサ様からそう言ったお話を以前に」
『結構。君がアサシン、今回確認された方じゃない元からいた彼女だが、そのアサシンによって襲われた一件。その時は聖杯戦争の名前こそ知らなかったが誰も彼もがあの夜を起点に動き出した。正しくキヴォトスにとって運命の夜だったわけだ』
そう語れた言葉に私は改めて自分の認識がまだまだ甘かったのだと気がつく。あの夜、アサシンさんに襲われてアズサちゃんが怪我をして、そしてセイバーさんを召喚して私は聖杯戦争のマスターになりました。
『その時点で我々は情報収集と警邏活動の強化を強めた。敵の動きで情報の交換は妨害される事になったが影のような生徒やシャドウサーヴァントとの交戦経験も含め彼らの存在自体は確認していた。ただ本当に霞を掴むような話でね、敵の存在は分かっていたがその影が何なのか、何故存在するのか、どう対処するのが正しいのか……発生原因から何まで分からなかった』
私の中であの晩のことは、悲しい事と怖かった事と嬉しかった事がごちゃ混ぜになってる、けれどあくまでも『私にとってのきっかけ』であった夜という認識です。 - 7701じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/18(月) 23:09:14
でも以前のナギサ様との喧嘩。それに昨日のホシノさんの言葉。そして今のセイア様のお話を聞いて、思っていた以上にあの夜あった出来事はこのキヴォトスにとって決して無視できない影響を与えて、多くの方が動き出す『始まり』になっていた事を再認識します。
『だからこそ私は幸運と言ったんだ、今回の襲撃でようやく敵の尻尾を掴めたからね。それに我々ティーパーティは前回の経験、そして私の勘から私達が狙われる可能性を常に検討していた。まあ当時は謎でしかなかった敵の存在であれ、残る四つの陣営に対しても同盟陣営と秘密裏とはいえ協力関係を結んでいる私達の存在は邪魔なのは分かりきった話でしかないといのも今更かな』
「あー、まぁ言われてみたらそうなるのかぁ……同盟って難しいね……」
「モモイちゃん……」
モモイちゃん、ミノリさんと結んだ同盟関係。そしてトリニティやミレニアムの方達と繋いだ協力関係。聖杯戦争を止める為に、犠牲なく終わらせる為に、そう思って少しずつ大きくなってきた私達の陣営の在り方こそに問題があったのかと。
そしてそれを初めに結んだ私達自身の選択に誤りがあったのかと今更ながら後悔が滲みかけたところにミノリさん達が首を横に振りました。
「いいや、モモイ、ヒフミ。勘違いしてはいけない、敵の数は最初から変わっていないんだ。聖杯戦争は自陣以外は基本的に敵だ。だが同盟を結べば味方の数は変動する。味方を増やす、その選択は間違いなく正しいんだよ。だから同盟を結んだその選択とその誘いをしてくれた勇気ある決断を私は決して間違ってないと思う」
『そうそう。気にしなくていーいんだよ、モモイちゃん。そっちの会長ちゃんにしろ私達にしろ、友達がこんなのに巻き込まれて黙ったまま、なぁんて事したくないし。それに……どっちにせよこんな事になるんだ、是が非だろうと生徒会もシャーレも何かしら動かざる得ないよ』 - 7711じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/18(月) 23:23:47
『小鳥遊委員長の言う通りよ、モモイ。確かに聖杯戦争に私達生徒会が与するというのは大きなデメリットがあるわ。殺し合いの祭典に手を貸した、その事実が公になればその自治区の社会的な地位や信用は確実に下がるでしょう。場合によっては連邦生徒会からの自治政治への大きな介入も起こる。けれど、だからと言って無視出来る問題でもない。なら複数の自治区で協定を結んで問題解決に足並みを揃えられる同盟関係は我々の立場からしてもありがたいのよ───下手な隠し事とかがなければね』
「……ふぅん、そっか。なら……よかった!安心したよ!」
「はい!なんだかちょっぴり、ホッとしちゃいましたね!」
モモイちゃんと顔を合わせる。彼女は『笑って』いました。
『そう、リオ会長やホシノ対策委員長の言う通り、いずれにせよ我が校の生徒が参加してしまったなら何かしら手を打つのは道義だよ。無論、助けを求められたなら、だけどね。そして幸いだったのはティーパーティが三頭制だった事だ。今回の一件のように、私達三人の誰かが一時的に離席する形となってもある程度学園の運営には問題が少ない、それがトリニティが代々継いできた三頭制のメリットの一つ。だから策を講じたんだ……シャーレと協力してね』
私達とはまた別に、独自で築かれていた協力関係。
今までは断片的にナギサ様から聞いていただけのそれをセイア様は詳らかにされていく。
『私達三人の中で、そして学園内でも単体として飛び抜けた戦力を有する筋肉で脳み……おっと失礼。とにかくゴリ、ではなく一定水準以上の戦闘能力を持つミカをシャーレに派遣し外部からの情報収集を図ると共に彼女を最も安全な先生の傍に派遣した。にやけ顔をしつつ最後まで渋りはしたがね、まあ納得させたさ』
「あれでミカさんも心配性と言いますか、しっかりしてる所がありますからね」
「しっかりしてる所『も』ある、という訳だがね。まあ、困ったうちのお姫様だが…知っての通り、ミカは情に厚いし知恵もある。思慮深いとは言えないがね。だから渋りもするのは想定内だったよ」
とはいえミカの奉仕活動を兼ねるという名目もあったしねと言うセイア様は困った顔をしつつ嬉しそうに目を細められる。先生の傍にいられるのは嬉しいけれどお二人の隣を、それも聖杯戦争期間という時期に離れる事に難しく思われるミカ様の姿が容易に想像できました。 - 7721じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/18(月) 23:27:24
『実際ミカを実働とするのはシャーレとしても喜んで受け入れてくれてね。今回の騒動含め、聖杯戦争に関して彼は極秘裏という形で部隊を編成し独自に動いていた。見知った相手、そうだよ。アリウススクワッド、そして廃校となったSRTの生徒、そして』
「───美食研究会」
静かな声はまるで切れ味の良い包丁のように、会話の中に振り下ろされた。
『良い勘だね、鬼怒川部長』
「勘違いだな、百合園会長。知っていたからさ』
『……やはり彼女達か』
「ゲヘナ切っての武闘派テロリスト、かのエデン条約時に大立ち回りをしたアリウス、そして連邦生徒会長の子飼い。いずれも少人数ながら名が知れた戦力かつ先生との付き合いも長いメンバーというわけだ。いやはや、そうかね。彼が最初に便利屋68に声をかけようとしていた当たり、かなり力を入れて聖杯戦争という問題に取り組んでいたようだね?」
『……なるほど。先生が最初に言っていた連絡がつかなかった相手はやはり便利屋の生徒だったというわけか』
カスミさんの言葉にセイア様は紅茶が入っているのだろうティーカップを傾けながら納得したように息を吐きました。
『っと、すまないね。少し気になっていた答えが聞けたものだからつい脱線してしまった。では話を戻そうか。ミカとは打って変わって体力にも強さにも自信はない代わりに私は賢く頭脳労働がメインな人間だ。何より敵が私の勘、或いはかつて有した予知をまだ持っていると誤認でもした場合真っ先に狙われる自信がある、甚だ不本意極まりないが』
背もたれにだらりと身体を預けながら喋るその姿は、いつも穏やかな品を纏われているセイア様にしては珍しくて、なんだか疲れが顔を覗かせておられます。
『というわけで私は日中こそ学内にいたが日暮からは正義実現委員会に警護をされた上でスクエアから少し離れた場所にあるセーフハウスを『日に二回』転々としていた。ああ、私の口がそれを言うには大変上品な事が残念だがその生活に関してははっきり言おうか。主が見ているといけないから言葉は控えるが最初に『ク』がついて最後に『ソ』がつくような生活だったよ』
そう言ってセイア様は深々とため息を吐かれました。 - 7731じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/18(月) 23:56:10
少しばかりの休憩。紅茶とエッグタルトを食べ終えた私達にセイア様は話の続きを始められました。
『ナギサは元々私のホスト権を代行してくれた実績があるからね。そのまま表だった学園の運営を頼む形となった。無理をさせる形となったが責任感の強さは彼女の美徳さ。それから一週間以上、休みなく懸命に職務をまっとうしてくれたよ……そしてそれが私達を使った釣り餌さ』
釣り餌。そう言い切ったセイア様の顔色はあまり優れているようには見えませんでした。
『万一に備えて先生のもとに一人、もう一人は敢えて姿を現す頻度を減らしている状態を見せつけ、最後の一人は今まで通り政務を行う。どこにアクションがあっても必ず対処できて、かつその後の運営に問題がないように、という形を取った。なにせ当初想定していた相手は殺意を持った大人だ。最悪の事態すら考慮に入れなくてはね……もっとも先生には後半部分は伏せたとも』
「懸命だな。あの人相手にそんな事を一言でも喋ったら確実に止められる」
「私は言えないなぁ」
「絶対怒られる……」
『ええ、正しい判断でしょうね。私が同じ立場でもそうするわ』
『またまた〜。そんな事言ってみんなちゃんと先生に相談してから動くでしょ〜?私だったら『……ホシノ先輩?』……か、顔が怖くなってるよアヤネちゃん……』
なんて、ホシノさんの引き攣った声と顔に笑いが漏れつつ、セイア様はまた一口、カップへと唇を落として喉を潤わされた。
『ん……ミカはあれで外面がいいからね。意外と粗野だとは知られても、自分が前線に出る武闘派だなんて一面はごく一部しか知らない。だから政治能力も低いただのお嬢様と見られがちな彼女がシャーレに行ったとなればまず知らない人間からはただの奉仕作業か将又疎開か。いずれにせよ残るのはミカと違って頭脳明晰な私と顔役のナギサになるわけだ……敵も狙いやすいだろう』
ミカ様は強い。補習授業部に入る前、ナギサ様から幾度となく教えて頂いたお話でしたがあまり実感はありませんでしたし、普段のご様子を知っているだけにちょっとした冗談ぐらいに受け止めていました。でも今にして思い返してみればきっとあの話は本気だったのでしょう。実際に戦った事がある今なら分かります。そしてだからこそ、ミカ様が席を外されて残ったお二人を見て刃を向けようとする『理屈』は決してしたくありませんが、理解出来なくもありません。 - 7741じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 00:29:30
『そうして案の定、昨晩狙われた。そういう話なわけだ……だからなんだ、そのだね』
そう言ってからセイア様は困ったようにそわそわとされて、それから少しだけ頬を赤らめてから照れるように、けれど安心させるように仰ってくださいました。
『ナギサが入院した事や私達の命が狙われた事を必要以上に君達が負担に思う必要はない。たとえヒフミ、君がマスターでなかったとしてもティーパーティは私達の学校を守る為にそういう風に動いていた……それだけの話さ』
優しい言葉に乗せられているのはたった一つの気遣い。
どうか傷つかないで、どうか自分を責めないで。
───だから泣かないで、 さん。
セイア様からの言葉越しにお二人からのメッセージまでもが聞こえてくる気がする。
ティーパーティの、本当なら私みたいな平凡な生徒じゃ在学中にお話しすることすらないような御三方から贈られる心から心配して慰撫する優しさに、目頭がじんとする。
「ありがとう……ございますっ!セイア様!」
『何のことやら。言っただろう?私達の事について、君達はなんの関係もないと。私達は自分達の務めを果たした、これまでも、これからも……それだけの事さ』
ニヒルに笑う彼女は日差しを受ける穂麦畑のように眩しい。そんな彼女にハナコちゃんも『肩の力が抜けたよう』に綻んだ笑みを見せました。
「ふふっ♡とってもながーい♡お話でしたからどうしたかと思ったら……♡」
『言わないでくれたまえ。柄にもない事を話している自覚はあるさ』
「───でもそういう『配慮』をされるセイアちゃん、私は『嫌いじゃありません』よ」
『っ!?……はぁ、敵わないな』
咳払いを一つ。それに私を下を向いて急いで目を拭ってから前を見る。もう一度、私達の間にはぴりりとした空気が流れ始めました。
『とにかく我々は狙われた。そしてその悪辣な企みは防ぐに至った。無論のこと、無事とは言い切れなかったけどね』 - 7751じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 00:31:18
セイア様が資料を手に取られたのに合わせて私達も手元のそれに目を向ける。
『我が校で直接サーヴァントと戦闘を行ったのは二名。うちの暴力担当こと聖園ミカ、そして正義実現委員会現委員長剣先ツルギ。ミカの方はナギサを襲った暴食のセイバーと名乗る女を、ツルギの方は……残念ながら一切喋らなかったようでね。推測にはなるが恐らくはバーサーカー、ということで当面は考えてほしい』
ミレニアムと違って映像での記録が何も残っていない夜中の死闘。それでもミカ様、そしてツルギさんの証言を元に、私達の中で一番外の世界やセイバーさん達の世界の神話や英雄、そして魔術について詳しいウイさんが書き上げてくれた資料。そこに書かれているのは二騎。
『ミカと戦ったセイバーについては宝具、真名も割れた。だが見てわかる通り『二つ』、大きな問題点は残っている。そしてバーサーカーについても分からない事だらけなのが現状だ』
深紅のドレスを纏った『暴食のセイバー』、ネロ・クラウディウス。そして全身を黒い靄に覆われていて細部こそ確認できなかった全身甲冑に身を包んだ『銃を使うバーサーカー』。
『細部については後々詰めたいね。だから私としてはこんな所でトリニティの話は終えてバトンを渡したいところだが、どうかな?』
少しずつ見え出してきた聖杯戦争の裏側に潜む『敵』の姿。ミレニアムに現れたランサー、アサシン。トリニティに現れたセイバー、バーサーカー。
そして。
『んー、じゃあおじさん達の話にいこっか?って言ってもおじさん達はアイツから聞いた話はちょっと特殊だったしねー』
アビドスに現れた『強欲のアーチャー』の話を始める為に、ホシノさんはゆっくりと。
『アイツ、強欲のアーチャーはね……自分だけが六騎の中で唯一、まともな自我を持ってる聖杯のサーヴァントだって名乗ったよ』
思い出すように口を開きました。 - 7761じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 00:39:51
というところで今日の話はおしまいじゃんね☆
ようやっとトリニティの話終わったじゃんね☆
明日はアビドスの(プチ)回想やって、なんでカスミちゃんが来たのかの話とゲヘナの大怪獣バトルの話やって……なんとか週末までには10日目午前の安価に辿り着きたいじゃんね☆
頑張るじゃんね☆
長らく書けずだったのに保守してくださったり、たくさん応援の言葉をくださったり、あとこっそりおすすめしてくださったり、すごい嬉しかったですしとても力を頂きました。本当にみなさん、いつも良くしてくださってありがとうございます!
へぼへぼ遅筆な1ですが、まだまだ頑張っていきます!……じゃんね☆
ではでは今日も遅くなっちゃいましたが読んでくださってありがとうございました!明日も多分20時から!一応お昼(職b……学校の都合で1の言うお昼は12時〜16時までを含みますじゃんね☆……じゃんね……)にアナウンスします!
それではみなさん、お休みなさい……じゃんね☆
こんな事は本編でやれって話だけど一応補足じゃんね☆
セイアちゃんの嘘にちゃんと二人は気づいたじゃんね☆釘を刺したのはそれが理由じゃんね☆
相変わらず賢いじゃんね☆ - 777二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 01:03:51
おつかれさまです
- 778二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 08:46:20
お疲れ様です
ゲヘナ大怪獣バトル、楽しみじゃんね☆
怠惰のランサーは、本家の槍ニキが見てもブチギレるだろう程の変わりようだからなぁ……
さて、強欲のアーチャーはどんな話をしてくれたのかな? - 7791じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 13:42:23
おっひる休みじゃんね☆
とり急ぎアナウンスじゃんね☆今日は19時から投下……の前に一つ安価いくじゃんね☆
ちょっと変則的だけど、セイバー、ランサー、ライダー、アサシン、バーサーカー、キャスターの六騎から好きなサーヴァントを一騎選んでほしいじゃんね☆
選ばれたその一騎についてほんの少しだけ詳しくアーチャーが言及というかお喋りしてくれた……という感じにしたいなぁと思ってるじゃんね☆
ただ話の流れで必要だからするいつもの安価と違って昨日の夜に続き書いてて思いついただけのやつじゃんね……それでも良かったら参加してもらえたらとっても嬉しいです、じゃんね☆
安価するからスタートゆっくりになるけど昨日と同じ量ぐらいは書きたいなぁ……と頑張る気です!じゃんね☆
ありがとじゃんね☆セイアちゃんたくさん書けて大満足じゃんね☆
ありがとじゃんね☆
1は言った通りあの夜のゲヘナは『最強』、対聖杯のサーヴァント戦なら1が想定してる例外ちゃんを除けば間違いなくキヴォトスの最高戦力じゃんね☆
だから相手もかなり悩んだじゃんね☆
聖杯のサーヴァントはネロ以外は1が個人的に好きな子達から選んだって理由だけどまぁじでライダーは選ぶの苦戦したじゃんね……
ネロちゃん?好きだけどあの子だけはまた別の理由じゃんね☆もちろん後付けじゃんね☆ミーカミカミカミカミカ
槍ニキはため息吐いてから即ガチモードじゃんね☆
見てられないからじゃんね☆
いつものふわふわ情報じゃんね☆ただ、あと二週間早くFGOの新イベント来てたらミーハーな1は間違いなく弓枠を今の子から変えてたからその情報は出さなかったというか設定的に喋らせられなかったじゃんね☆
- 7801じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 13:44:46
- 781二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 15:34:45
アーチャーが話してくれるのは他のサーヴァントの真名や能力?それともどうして大罪の要素が出されてるのかとか?真名ならランサーの情報は特に必要ないけどどうして大罪の要素が足されてるのかならもしかしたらその要素の排除方法まわかるかもしれんしランサーを聞きたい
- 782二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 17:50:22
たしかキャスターは対策間に合ったから出現しなかったみたいな事ミカ主が言ってたし、個人的には出現しなかったキャスターについて気になるかな
出現しなかった理由も分かるなら他の聖杯側のサーヴァントへの対策も分かるかもだし
と思って遡って確認してたら、そこら辺の言及あった330~351辺りのが消えちゃってる…… - 783二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 18:41:12
バーサーカーとアサシンも気になるには気になるんだよなぁ…
- 7841じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 19:34:45
- 7851じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 19:39:05
気を取り直して!安価じゃんね☆
①セイバー
②ランサー
③ライダー
④キャスター
⑤アサシン
⑥バーサーカー
↑の6クラスから好きなのを1つ選んで下さい!じゃんね☆
選んでもらったクラスのサーヴァントについて、今回の回想シーンで聖杯のアーチャーが話をしていたって感じにするじゃんね☆
安価先は>>793
それではみなさん、よろしくお願いします……じゃんね☆
- 786二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 19:46:37
やっぱりバーサーカーかなぁ……
- 787二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 20:00:56
④かな
- 788二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 20:03:38
④か⑥かな
- 789二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 20:34:23
6で
今後のことを考えると4も捨てがたいけどいる方を優先 - 790二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 20:37:54
⑥の情報をもらう
- 791二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 20:40:08
⑥
- 792二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 21:06:10
④
- 793二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 21:08:35
④で
- 794二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 21:13:22
キャスターか
- 7951じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 21:15:59
- 796二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 21:28:05
そういえばバーサーカーの方はアーサーが相対すれば何となくわかるんだろうか……
- 7971じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 22:16:10
【9日目深夜・回想イベント】
【Recommend BGM……〈太陽の頂〉】
砂塵が月明かりを舐めながら空を舞う。キヴォトス全域が分厚い雲に覆われたその日、アビドス自治区にだけは渇いた風が吹いていた。
倒れ伏す者、盾を構えて肩で息をする者、手に持つ銃を油断なく構えるままでいる者。五人の少女は英雄ならざる英霊と対峙していた。
「吾の核たる罪咎は『強欲』!セイバーがこの世すべてを喰らう『暴食』ならば如何なる物も欲するが吾が定め!……が吾は少々特殊でな」
吾、『あ』などという古めかしい言葉遣いの男はその一人称通りに古風な様相だった。
浅く焼けた肌、砂漠に広がる夜空の端から糸を紡いだような群青のストール、その下に纏うは燻んだ鉄色の甲冑。神秘はあれど科学全盛というべきキヴォトスにおいてまず見ない遥か古代の戦衣装。当然、手に持つ兇器もまた近代兵器に駆逐されて久しい過去の産物。
そうして槍をくるりと回し、男は笑った。
「吾達はそれぞれが七つある罪咎に準えたギフトとその入れ物として誂えた霊基がある。誰も彼もがその罪を原理として動いている。たとえばライダーはよく分からんし、バーサーカーはアレも特殊な部類か。なら吾の話にするか」
言葉を区切り、一呼吸を置く。『よく聞いておけ』、そう言わんばかりに分かりやすく重要なのだと教える話し方はとても敵として対峙しているとは思えない物だった。
「たとえば吾の場合は『強欲』、その『権能』は支配権の簒奪。如何なる契約であれ吾が望み、その戦いに勝利すれば、有機無機を問わずその『死体の支配権』を奪い取れる。……まあ、『七つ』ある権能からすると間違いなく最弱の部類だナ」
少女達、その中でもサーヴァントについてある程度の知識を託された小鳥遊ホシノと奥空アヤネが一際大きく反応する。それが意味する事が真実ならば、と。何よりそんな大それた物がまだ五つもあるのかと。
「お、いい反応を見せる。うむ、権能は全部で七つ、それぞれにクラススキルとして与えられた」
それにアーチャーは鷹揚と頷きを返しつつ、目の前な少女達に向かって分かりやすく指折り数え始める。
「暴食、怠惰、憤怒、嫉妬、色欲、吾の強欲の全六種類……記録に残るかは知らんが言っておくぞ。これを聞くサーヴァント、安心しろ。最後の一席、その椅子に座る筈だった七番目のキャスターは招聘に失敗した」 - 7981じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 22:40:18
肩をすくめつつもその眼光は夜天を舞う猛禽の如く。酩酊に似た混濁を霞ませながらも、隠しきれない鋭利な理性から強欲のアーチャーは警戒を口にする。
「偶然か、それとも吾に干渉したナニモノかがいたのかその正体は分からん。仮に干渉したならば少なくとも吾はどちらかの抑止力かそれともあの娘辺りかと検討を付けている……吾はそうは思わんがな」
だがそれは、この言葉を聞く『人間』に送られた警鐘ではなかった。あり得ない可能性だからこそ、わずかな警戒をする事はあってそうであるなら、少なくとも聖杯と対峙する事になるサーヴァントとマスターにとっては毒にも薬にもならない話でしかないのだから。
「この地の抑止力はあまりにも脆弱だ、星の意思もまた揺籠の如く穏やかに過ぎる。そしてあの娘を狙って今宵吾は動くが、まあ無理だろうナ……いいか?キャスターの席を潰したのは偶然が噛み合った結果、もっと言えば恐らく『盤面外の人間』の手による物だ」
憐憫とも憧憬とも呆れとも言えない表情で男は笑う。何をどうやったらそんな結果が転がり混んで、おまけに自分達に悟られずに済んだのかと。
そうであるなら偶然以外の何者でもない筈だと、確かな答えを己の中に持って。
「吾はそれに気取られん。どうせ次の聖杯戦争が始まれば補充が出来る、そう判断するだろうからナ。そうなったら極東の大妖なり血濡れた復讐者なり、童話の殺人鬼あたりを引っ張り出すだろうとも。いや、次を見据えて夜半の語り手なんてのもあり得るか?」
一人ごちるようにする男に少女達は渋面を作る。耳に飛び込んでくる物騒な名前のそれがどんな存在かまでは分からなくともキヴォトスにとって甚大な被害を齎す事だけは理解出来たからだ。
「おっとすまんな、考え込んだ。ええっと、あゝ、そうだ。だからお前達もキャスターの召喚に失敗した原因を躍起になって探すならやめておけ。この手のは精々、頭の片隅に留める程度にしておけば十分だ。偶然か必然か、シャーレの聖人に対する『カウンターとして用意された』傲慢を潰したほどの存在が今の状況で顔を出すつもりがないというなら、会うべき時が恐らくあるというやつなのだろうよ」 - 7991じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 22:48:45
「さて、話を戻すぞ!今の吾は知識欲、それもたった一つへの希求に『絞っている』から霊基の関係まあって権能は使えんし、使えたとしてもこんな物は使わんがな」
明らかに重要な話をしているだろうにからからと笑う呑気なその姿に少女達は疲れたように肩を落とす。とはいえ少女達にとって今宵の戦いで嫌でも目にした男振り。なにせこの男ときたら、『黒の生徒』を打破した少女達と初めて会って一発触発となった時ですら喜び勇むようにしてこう言ったのだ。
『うむ。佳き武練だナ!吾が任せられた場所がこの地であった事にだけは今生に感謝しよう!では問おうか───お前達がこの地を守護せしめん生徒に相違ないナ?』、と。
あまりにも快活。毒気を抜かれるほどに明瞭。からりとしたその気風は、つい数瞬前まで影の如く真黒に塗りつぶされた顔無き生徒と対峙していた少女達の意表をつくほどだったのだから。
「まず前提として定められた権能を絞れるか否か。答えは単純にして明快───普通は絞れん、まず無理だ」
その姿勢、その言葉に、少女達はなんの返事もしない。なんの言葉も返さない。
男は、聖杯という第三の陣営に与すると言ってのけた『強欲のアーチャー』を名乗るサーヴァントは明確な殺意を持っている。少女達もまた、コレを生かしておけばいずれ自分達の喉笛を掻き切られる事を肌身で、その本能で理解している。
「お前達は睡眠の代わりを食事で補えるか?その逆でもいい……そういう事だ。吾達はそれぞれの罪が本能であり基準であり本質その物。そしてそれもまた吾が持つ権能とは違う形で課されキヴォトスに対して行使される『権能』、つまるところルールだ」
だが、動けない。否、動こうと思えば動けるのだ。
少女達は知らない事だが、桐藤ナギサが暴食のセイバーと相対した時とは事情が違う。
『権能』でも本能からの警鐘でも、ましてや怪我を負ったからでもない。 - 8001じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 22:49:26
片膝を着き、目線を合わせてゆっくりと話すその話振りはどこまでも真摯だった。殺意はある、だが敵意がないのだ。チグハグなその在り方、それを曝け出した上で強欲のアーチャーは少女達に伝え続けんとする。情報を少しでも開け渡そうとする。ましてや既に一時間以上を経過した戦闘、その最中に休憩まで設けて、距離こそ開けているが共に水を飲みながら雑談にまで興じんと歩み寄ろうとする。
あまりにも異質で、だからこそ少女達は話だけは聞こうとしていた。
「罪咎こそが吾であり、吾の存在自体がキヴォトスに課された罪咎……まあなんだ、サーヴァント以上にこの地の聖杯に属するサーヴァントというのは人間という生物と相容れん。つまり吾は見目こそ通常のサーヴァントと変わらんが実態は人喰いの化け物と天災の合いの子とでも思えばいい。それこそ」
そして男は言うのだ。聖杯どころか魔術すら知らない少女達にはその言葉の真価を計れない真実を。
「───冠位が現れようとこのキヴォトスで吾を完全に打倒するのはそう容易な話ではない」
「とはいえそれは互いが比武してどうこうという話じゃない。つまりは『相性』、霊基の出力でどうにか出来る話でもなし、何よりこの地は抑止の外だ。たとえ高位の英霊が冠位として呼ばれたとしても、キヴォトスでは『マスターなしで』その力を十全には使えず、マスターを必要とすればそれは一個人への肩入れとなって冠位を返さねばならん……要は手詰まりだナ。無論、伝え聞く山の翁か黒曜石の煙なら吾を完全に殺し切るのは可能だが……まあどちらをぶつけたとしてもキヴォトスは滅ぶか」 - 8011じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 22:53:09
サーヴァントについて、そしてあちらの世界の仕組みについて理解している物ならば絶句せざるを得ない音。それをこの場で伝える意味は少女達が自分から生き延びて、その事実を確実に活かしてくれると信じているからに他ならない。
「つまるところ、聖杯のサーヴァントというのは時限爆弾のような物だ。正しい手順、つまりはお前達生徒かその生徒と契約したサーヴァントで倒さなくてはかなり暴発する厄介極まりない代物と考えておけ」
少女達が分かるようにそしてこの先を旅するマスター達へと繋がるように。造り上げられた六騎のうち、誰もが歪められた『あの始まり』から、異常な思考を保ち続けた唯一として。
アーチャーは藁に縋るようにして、己に課されたルールに触れない形で言葉を尽くし続ける。
「話を戻すが、聖杯のサーヴァントに宿る罪咎、その抑制。吾がそれを可能としたのはたまたまこのサーヴァントが重複する二つの霊基を有している特殊な存在であったこと、かつてこの男が参加した聖杯戦争の経緯が特殊であり聖杯を打倒した記録があること、そして極めて特異なスキルを二つ持っていたこと。その条件が揃っていたから今も吾が表に出ている間にもう一人が吾の中で必死に演算して吾を制御してなんとかお前達の価値観に擦り合わせて話が出来るというわけだ」
全力を尽くし合いながら、まるで鍛錬のように休憩時間を設けるのも含めてただひたすらに男が望むのは一つの未来だけ。それに至る筋書きがないからこそ、その解へと至りたいが故に。
「吾も含めた聖杯のサーヴァントの中でお前達の思考に近いのは、知識欲という形で罪咎を実行している吾だけだ。それでもお前達の脳の一片まで微細に記録した上で皮を剥いで装丁した本にしてやりたい程度の考えは吾も常にしている……そうだ、この吾ですらだ」
サーヴァント、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。
戦士として、そして王としての偉大な功績を人類史に刻んだ事で『彼は二つの全盛期を併せ持つ』と定義された稀有な存在。 - 8021じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 23:22:35
「すべてのスキルを十全に使ってなお吾ですら本来の姿からは程遠い。ましてや吾は誰も彼もが『未完成』だ。七騎の吾が完成してしまえば、そうなれば、シャーレの聖人であっても打倒は困難だろう。無論そうなり果てたとしても例の娘がいればかの聖人は十二分に勝機を見出すだろうが、いない女に固執するばかりでもな。或いはそれこそ天文台の……いや、それこそ本当に詮無いことだナ。忘れてくれ」
そして穴蔵に潜む巨人達、未だ神代に生きる石の柩、大陸は東方の峻厳に根ざす神仙、彼等と関わり魔術すら掌中に納め一つの神話を造り上げた魔術世界における一つの指標。
そんな偉大なる蔵智の王、その影法師は語り続ける。
「なにはともあれだ!お前達に吾はとても期待している!なにせ、完成前だろうと完成後であろうと吾を倒してもらわねばならん。なによりお前達生徒の力だけで吾という邪悪を打倒出来なくてはならん!
いいか?よく聞いておけ、娘子達。ああ、ちゃんと記録しているか?要り用なら羊皮紙程度なら出してやるし書く時間も待つが……よし、なら話を続けるぞ」
聞いているなと辺りを見ましてからの咳払いに少女達は溜息を吐く。短時間の関わりだが、自分達の愛する街を壊さないように砂漠まで移動を提案した上で戦闘中もアドバイスをしてくる始末。なぞっているだけなどと嘯くこの老人に愛嬌のような物を感じる中で告げられた言葉は、先ほどの冠位云々以上に少女達へ衝撃を与える。
「───聖人の役割を固定する事だけはやめておけ」 - 8031じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 23:33:27
聖人。それが誰を指すのかは既に話されていた。
それが意味する事を理解する必要はないと断言された上で、ただ誰を指すのかだけは教えられた単語。
シャーレの聖人、即ち───『先生』その人。
「これは聖杯戦争の話ではない。取らぬ狸の皮算用だったか?そういう話だナ。確かに次の聖杯戦争がどうなるかは分からん。だが間違いなくあの男は切り札として未来に持っていけ」
「───たとえ阿慈谷ヒフミが敗北し、どんな末路になったとしても。たとえ聖杯大戦が始まったとしてもだ」
その目が語る。これだけは忘れてくれるな、と。これだけは必ず届けろ、と。その目を見て少女達の手にも力が籠る。
「第一、既に吾という存在が独立してしまったのだ、次に呼ばれるサーヴァントが今回以上に狂った結果になっても何ら不思議でない……シャーレの聖人は本当に最後の最後まで頼ってはならん。お前達がこの先の未来でまだあの男を先生と呼びたいならば、万一の可能性も捨て置くな」
それを言い終えたアーチャーは立ち上がり膝についた砂を払って落とす。乾いたその音はまるで合図のように夜の砂漠に響いた。
「さて───息は整ったな?」 - 8041じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 23:43:06
【Recommend BGM……〈或る幻想の生と死〉】
音が止まる、風が息を沈める。
快活さは鳴りを顰めて、粛々とした殺意が地を支配する。それは権能などではない。生物としてキヴォトスへ傷をつける為だけの存在であるからこその当たり前の特性。
「話は終いだ。吾の罪は強欲。吾は悪徳を為す物だ。たとえ好々爺気取りの今でもそれは変わらん。吾はお前達の敵として造られ、乗り越えるべくして産み落とされた筈なのだから」
打って変わったその雰囲気に少女達も立ち上がる。
緩やかな時間が終わり、これより再びこの地は戦場となるのを理解してその手に銃を強く握る。
この男のことをしかと理解したというわけではない。為人だって今一つ掴めてはいないし、そもそもが敵。これまでの話だって嘘かもしれない。
けれど、それでも。
「だからこそ知りたい。今も未来も勝機の一つすらないこの『重なり腐り落ちんとする交差点』で、お前達が吾に勝利する結末を、その未知なる果実を吾は知りたい、手にしたい。大国を築き、友を殺し、血で大地を染め上げ全てを掌中に納めた男がそれでもまだ見つけられない『希望』を吾は見たい」
短い時間ながらも刃を、弾丸を重ね合って僅かな真意を少女達は見たのだ。
この男は真実『強欲』なのだと。たった一つ、ただ一度の勝利。『造られた』己の宿命を越える結末、その一助となる事で運命に勝利したいと。
そう願って、己が手の届く限りに、声が届く限りに叫び、その腕を伸ばしているのだと。
「故にこそ、お前達がその手で捥ぎ取って魅せろ」
だから少女達は立ち上がり、立ち向かう。
目の前の男の戦いに、自らも助力するために。だってそうだろう。
必死に頑張っている誰かを見捨てろだなんて、アビドスの生徒が、シャーレの先生の元で学んできた彼女達が出来るはずがないのだから。
【10日目早朝・特殊イベント】
『……とまぁ、そんな感じで戦ったってとこかな』
『ただアーチャーは自分の名前もスキルとかも詳しい事は教えなかった。そういう風に霊基が出来ているから教えたくても教えられないし喋ったところで伝える言葉がジュソ?ってやつに成りかねないから意味がないんだって……ま、だから私達がヒフミちゃんに伝えられるのはこれぐらいになるかな』 - 8051じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 23:45:31
そう言って話し終えたホシノさんはちらりと調月会長を見て、それに彼女も少し言い淀みながら口を開く。
『……エリドゥについては襲撃を無事に切り抜けたようね。少なくとも陥落した感じはない、恐らく全員無事でしょうね』
「D.U.はそもそもスケバンの娘まで雇った連邦生徒会がほぼ対処したからな。私もスパルタクスも構築されていた防衛戦の支援をするぐらいで細かな現状は分からない。ただ少なくともエリドゥと同じで別のサーヴァントは現れなかったよ」
情報が今一つ集まりきらないエリドゥ、D.U.の話はそこで終わってしまう。そうなれば後に残るのは一つしかありません。
「んん?やっと私の出番かい?」
「お待たせしました、カスミさん。では、ゲヘナの現状や貴女がここに来た理由……私達に伝えてくださる伝言について。そして『取引』について聞かせてもらえますか?」
トリニティ、ミレニアム、アビドス、D.U.、エリドゥ。今回被害に遭った各自治区の報告は終わり、残りはゲヘナ自治区。情報封鎖されているのと人員不足で調べにいけない現時点では突然お越しになった鬼怒川カスミさんが持ってきた情報だけが頼みの綱となります。
そんな私の思いを見透かしてか、彼女は薄く笑って。
「では結論から言おうか───二割だ」
『……は?』
「昨晩のライダー二騎とシャーレが率いた合同部隊との戦闘でゲヘナの中心区画のおよそ二割が都市機能を完全に停止した。当然、風紀委員会を始めに多くの学生が復旧を急いでいるが……まぁどうなる事かな。少なくとも現状のゲヘナは身動き取れない事実上の壊滅状態、というやつだよ」 - 8061じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 23:47:16
「私がここに来たのはそういう事さ。言っただろう、お使いだと。言っただろう、君達に呼ばれたのだと。つまりだね、諸君」
「私は美食研究会含めたシャーレが率いた合同作戦部隊の代理で此処に来てるんだよ、なにせ彼女達のチームは壊滅してしまったからね」 - 8071じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/19(火) 23:54:39
というところで今日のお話はおしまいじゃんね☆
電話してた時の美食研がしてた保険はカスミちゃん、というか温泉開発部に言伝を託すってやつだったじゃんね☆
……キャスター関係は難しかったけどこれ以上は多分出せないじゃんね☆
あとは聖杯のサーヴァント達についてハナコちゃんとキャスターが気づいてるとこについては、最後にまとめてく感じ……じゃんね☆
というわけで今日も安価へのご参加、それから読んでくださってありがとうございました!
明日は20時からもりもり頑張るのでよかったらまた遊びに来てやってくださいな!
それではみなさん、お休みなさい……じゃんね☆
強欲の権能は『死体の支配権を奪う』だからイメージはゾンビ使いじゃんね☆
ちなみに死者であるサーヴァントに対するメタ要素でもあるじゃんね☆
なんで死体か?そりゃ聖杯のサーヴァントっていう存在のテーマは全員共通してそういう方向性だからじゃんね☆ - 808二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 00:04:43
乙じゃんね!
冠位と英霊召喚の本来の意味もみんなに明かしておく必要が出てきたじゃんね! - 809二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 00:11:02
お疲れさまb
アーチャーは貴方でしたか、吾(あ)さん。
強欲=果てしない知識欲で選出するとは・・・。
とは言え、安価で知りたかった『傲慢』のキャスターは都合によりフェイドアウトとは・・・・・・でも敵が1人消えただけでも有り難いか…… - 810二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 00:20:06
じゃあー、今の所、聖杯鯖たちに二つ名挙げるなら。
『天使喰らう帝獣 暴食のセイバー【ネロ・クラウディウス】』
『誇り欠けし勇士 怠惰のランサー【クー・フーリン】』
『智果て無き賢王 強欲のアーチャー【■■■■■■■■■】』
『無千無貌の影軍 嫉妬のアサシン【?????】』
『 〇〇のライダー【?????】』
『 〇〇のバーサーカー【?????】』
『何も知らぬまま消え失せた 傲慢のキャスター』
ってところ?勝手に想像してごめんなさい - 811二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 00:35:08
強欲のアーチャー…個人的に初出イベントの時から好きだから嬉しい。敵としても誇りある彼であるからこそ余計に。
それにしてもスレ主の書き方が上手いからか、違和感なくするする読めるのがすごい。特に今回のアーチャーとか割と喋り方難しい気がするし - 812二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 01:14:01
おつかれさまです
”いいか?キャスターの席を潰したのは偶然が噛み合った結果、もっと言えば恐らく『盤面外の人間』の手による物だ”って言葉的に意図して傲慢のキャスターの顕現を防ごうと動いた結果って訳では無さそうだし、現状でこちらで見たイベントと照らし合わせて推測すると、やっぱり偶然の邂逅という点で鑑みるにあの子なのかな?と推測はしてみたり
もしそうだった場合、四つの陣営の攻略後に聖杯への干渉や対処の方法を探す必要が出た際にまた会いに行くのが良いのかな?
ただ、セイアが言ってた”一般生徒の中にも一人意識不明の子がいる”の子がその子かな?とも思ったりもするから、推測が外れてる可能性も大いにあり得るけど - 813二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 08:47:26
ほしゅ
- 814二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 11:12:52
保守
- 8151じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/20(水) 15:06:42
おひるじゃんね☆
今日は20時からじゃんね☆
バーサーカーに関してはステータス以上の情報は特にないじゃんね☆
ありがとじゃんね☆そういや冠位の話したらそこらへんもお話しなきゃじゃんね☆
ありがとじゃんね☆吾さん好きじゃんね☆
安価について補足のお話しとくじゃんね☆
『傲慢のキャスター』は設定との兼ね合いだし今回の話は『今は』大きな情報にはならないじゃんね☆
1は選んだ安価の結果には大小の差はあれどリターンがあるべきだと思ってるじゃんね☆
かっこいい二つ名じゃんね☆こういうの見ると1はウキウキしてくるじゃんね☆ありがとじゃんね☆
ただこれ見てるとやっぱりまだまだ1は情報出しきれてないと反省じゃんね☆
アサシン、もっと残念な感じになるじゃんね☆
好きな子だから残念にしなきゃいけないじゃんね☆
聖杯のサーヴァントの中でアーチャーだけはスキルとの兼ね合いから特例だったじゃんね☆
1も大好きなサーヴァントでアビドスとも縁浅からぬというやつでチョイスしたけど、なんかスキル見直したらいけそうだったから……結果的に良かったじゃんね☆
初出イベントで1は脳を焼かれちったじゃんね☆
ありがとじゃんね☆もう1もこれで合ってるよね?大丈夫かな?って不安でいっぱいだから推理してもらえたり感想もらえたり、そして811さんみたいに言ってもらえると安心して涙が出ちゃうぐらいじゃんね☆物書き冥利に尽きるの一言じゃんね☆
ありがとございます、じゃんね☆
ありがとじゃんね☆
そっちのギミックに関してはノーコメントにしておくじゃんね☆これ以上の情報は出せないし、多分嫌でも探さなきゃいけない展開にはなるじゃんね☆
ただ別に探したりしなくても、たとえ会わない事を選んでも『絶対に』みんなもヒフミちゃんも不利益にはならないじゃんね☆
あくまでも詰みかねない状況での保険、盤面の外にいるっていうのはそういう意味もあってじゃんね☆
保守ありがとじゃんね☆
- 816二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 19:15:44
お疲れ様です
そういえば、プーサーってハナコ以外に自身の“呼ばれる理由”や“この聖杯戦争における最終目的”って話してたっけ?
そして、プーサーはこのキヴォトスに獣がいると推測はできてるのかな?
ゲヘナもボロボロ、ミレニアムもトリニティも被害が甚大と三大校が全部ヤベェですやん
これ美食研究会が行方不明とかなら救出作戦も必要になってくるな
とりあえず、追加戦力としてはサオリが合流してくれるらしいのが救い……かな? - 8171じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/20(水) 20:15:38
- 8181じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/20(水) 20:34:45
【10日目午前/早朝・導入イベント】
【Recommend BGM……〈F1ghtback〉】
「まず前提を話そうか。私の要求はただ一つ『恩赦』だ」
カスミさんはそう言って胸元から一つのUSB端末を取り出す。それをくるりと指先で玩びながら私を、私の目をじっと見つめる。
「君達はご存知だろうがね、残念なことに我々温泉開発部は聖杯戦争なる今回の催し、そこでライダー陣営に協力してしまった過去がある」
空崎委員長から伺ったお話の中でも聞いていましたから、それ自体は知っていました。だから今日まで温泉開発部の方はもしかするとアルさん達と協力関係を継続している、そんな可能性もあるとさえ考えてきたんです。それをたった今、目の前の彼女は『過去』と言い切られた事で一つ懸念がなくなりました。
「経緯は単純、便利屋68経由の依頼でね。ある商品を闇市で売り捌く。それを売るなら牢屋から出してやると持ちかけられたんだよ」
『商品……そう、ユウカの報告書にあったオーベッドグラフィックの名前はそういう事ね』
「オーベッド、グラフィック……ですか?」
調月会長の口から飛び出したのはあまり聞き覚えのない企業の名前。私達がこの聖杯戦争について調べていく中で出てきた会社といえばそれこそライダー陣営と関わりがあるとされる『オクトパスエンジニアリング』ぐらいだった筈じゃと思っている私に彼女は説明を始めてくれました。
『カイザー系列の印刷会社よ。ユウカが貴女達の依頼でオクトパスエンジニアリングを調査した時に確認した業務提携してる企業のうちの一つ。物資供給にしたってどうして印刷会社が協力してるのかと思って細かく調べてくれてるわ』
『オーベッド……ああ、海運業の。そういえば数年前にカイザーに吸収されたという話を聞いたかな』
『ええ。オーベッド社はオデュッセイアのライバル企業として以前まではよく聞く名前だったようだけれどここ十年は経営不振、そして今から二年前にカイザーコーポレーションに吸収合併されたグループよ。百合園会長の仰る通り、海運業や金属精錬とその加工、あとは印紙技術という分野に強い企業で実際にうちと取引した経歴もあるわ』 - 8191じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/20(水) 20:54:22
以前ユウカちゃんから『資金や物質の流れには幾つかカイザーの息のかかった企業との繋がりがあった』と仰っていましたからそのうちの一つがオーベッドグラフィックという会社のようです。そして印刷会社であるならおそらく売っていた、カスミさん達に降ろしていた商品というのも推測できます。
「よく調べてるじゃあないか。そう、そのオーベッドグラフィックさ。ゲヘナはなんと言っても校則が緩い。その分、他の自治区よりずっとのびのびと商売が出来る。だから、企業の売り込みも激しいし色々と流行『させたい』物が最初に投げ込まれるのもウチだ。当然、生徒にターゲットを絞った『タトゥーシール』も数ヶ月前からゲヘナ市場を賑わせ始めた」
タトゥーシール。私達が最初にゲヘナについて調べた時に出てきた話。『ゲヘナでは今タトゥーシールを貼るのが流行っていた』『それが禁止されたが、ここ数日でまた売られ始めて流行りが盛り返した』、そんなお話です。
「それに待ったをかけたのは風紀委員会。まあ彼女達からすれば風紀を乱す、と判断されたんだろうね。実際私達の年齢層以外にも初等部や中等部にまで流行り始めていた。おまけの決め手になったのは、どこぞの阿呆が下腹部に貼ってシャーレ当番に行ったとか行ってないとか。そんなこんなだよ、半月程前からゲヘナじゃシール着用禁止のお達が出ていたさ」
「よしよし、コハルちゃん。よく我慢したね」
「ユズ?どうしてコハルは顔を真っ赤にしてるんですか?トイレを我慢してるのですか?」
「ぁぅ……そ、その話はまたこ、こここ今度!今度ね、ね?アリスちゃん」
顔を真っ赤にして爆発寸前のコハルちゃんとそれを見て明らかにご機嫌なハナコちゃんは置いておくとして、困惑しているカスミさんに話の続きをお願いします。
「……あ、ああ。で、どういうわけか便利屋の娘が私に持ちかけたんだよ。『そこから出してやるからタトゥーシールをゲヘナに売り捌け』ってね」
『ゲヘナ……一つ質問いいかしら?』
「どうぞどうぞ、構わないとも」
コハルちゃんの反応に首を傾げつつも真面目な顔で調月会長は『ゲヘナに売り捌け』、その言葉に引っ掛かりを覚えたようで一人のお名前を挙げました。
『……鬼方カヨコ。貴女達に話を持ちかけたのは彼女かしら?』 - 8201じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/20(水) 20:58:20
- 8211じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/20(水) 21:14:28
「……なるほど、素晴らしい。もう『答え』かい?流石はミレニアムの会長、取引甲斐がなくて残念だ。だが丸は半分だ……もう一人、浅黄ムツキもいたよ」
『そう。ユウカの報告にもオーベッドグラフィックに出入りする彼女の姿を確認できたとあったけれど。なら、教会の件も含めてそういう方面はやはり鬼方カヨコの仕込みか……厄介なのと朗報で半々ね』
「それは重畳。ついでに流れとしては私達にとっても朗報だったよ、実際ね。丁度、事業に失敗してお縄についていた私達にとって、たかだかシールを売る程度で脱獄出来る、しかも売上も折半とはいえ貰えるときた。正に渡りに船だ。元より部活柄、ゲヘナ中を駆け回るしそれなりに鼻も効くと自負している。一から闇市を、そういうネットワークを作るのだって無理じゃあない。何より元から需要があるんだ、ノルマを捌くのだってそう難しくない」
その言葉の意味を私達が問う前にカスミさんが口を開いてしまったので私は咄嗟にdice1d7=2 (2) (1.ハナコ、2.ハナコ、3.ミドリ、4.ユズ、5.ミノリ、6.キャスター、7.熱烈歓迎/ハナコ)の顔を覗きました。もしかすると調月会長が質問された意図がもう分かっているかも、という予想は当たっていて少しばかり目を見開いていました。
「何よりゲヘナにだけ流通させればいい、というのが気に入った。他自治区で下手な商売をすると連邦生徒会がやいのやいのと五月蝿くて敵わないが、ゲヘナなら幾らでもやりようがある。無論シール自体も私達の方で精査したが、真っ白も良いところさ───だから私達は彼女との取引に応じたのさ」
それが私達が便利屋68と協力した経緯だよ、そう言ってから話し疲れられたのか、カスミさんはカップを唇に当てる。一口、また一口と渋るように。そうしてゆっくり嚥下し終えた彼女は、長い息を吐かれた。
「あとは牢から出されて晴れて自由の身、心晴れやかに温泉開発の片手間にタトゥーシールを流したわけだが……問題が起きた」
「便利屋68のみなさんがカイゼリン・ブリッツ記念教会を占拠して聖杯戦争に臨んだ、ですね」
- 8221じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/20(水) 21:35:20
「そう!あの娘達はあろう事か事実上の万魔殿と風紀委員会、更にはトリニティにまで喧嘩を売り始めた!……事情が流れてきた時には焦った物だよ。うちのメグなんかは酷い物だったよ。本当に顔を真っ青にしてね。君達は知らないだろうがうちのメグの普段の姿を知る人間ならまずあり得ない、そう思う程さ。そしてこれまたあり得ない事だが、彼女は私への相談なんてすっ飛ばして便利屋に連絡を取ったが……まあお察しという奴さ」
その時にはきっと繋がらなかったのでしょう。そのメグさんという方が一体何を思ってそういう行動を取られたのか、その理由を断言する事はできませんがカスミさんが私達も知らないその彼女を引き合いに出したほどです。その時の様子はきっとよっぽどの事で、そしてそれだけ便利屋の方達が聖杯戦争で本格的に動き出した事は、彼女たちにとって大きな事だったのでしょう。
『ゲヘナの事情に詳しくはありません。ですが、温泉開発部の皆さんは校則違反の品物を裏取引するリスク以上の想定外を背負ってしまった。そしてそれを気づいた時にはもう遅かった、そういう理解で良いでしょうか?』
「その通りだよ、眼鏡のお嬢さん」
『めっ!?……げ、ゲヘナの方はみなさん本当にもうっ……』
「ハッハッハ!どうやら意図せぬウィークポイントだったかな?これは失敬、さて。彼女の言う通りだよ」
アヤネさんに笑いかけたかと思えば、すぐにぴりりとした空気を彼女は纏う。それはスパイシーで危険な香り。
「我々としては何もここまで事が大きくなるとは思っていなかった。さっき君達が言っていただろう?自治区政治を担う生徒会が殺し合いゲームなんて物に加担していたのがバレると不利益だと。それは我々だって同じ、むしろ立場としてはもっと最悪さ。形はどうあれライダー陣営の片棒を担いだとなれば間違いなく私達の立場は今以上に不利になる、最悪の場合この部活は潰され我々部員の学籍の剥奪だってある。幾ら自由と混沌を愛するゲヘナであっても……いや、そんなゲヘナだからこそ最後の一線を踏み越えてしまったのなら容赦も慈悲も残りはしない」
机へと膝をついて両手を組んだ上に彼女は顎を置いた。自然と上目遣いになるその視線はどこか挑戦的な色気を孕んでいます。 - 8231じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/20(水) 21:56:48
「だから『取引』だ。壊滅し、行方不明となった美食研究含めた合同部隊からの伝言を伝える。その代わりに温泉開発部はミレニアム生徒会、トリニティ生徒会、アビドス生徒会。三つの自治区に協力して事態収束を計った……そのような形で万魔殿と連邦生徒会へ弁護して貰い、最悪の場合は部員一同の安全と立場を確約して頂きたい」
カスミさんからの取引内容はできる事なら叶えたい、そう思いますが私個人でどうこう出来る話ではありません。彼女の要求へ応えるとなれば政治的な動きが必要になります。必然、私一個人ではなく、この場にいるお三方、各学園の代表者が判断する事になる。そっとセイア様達を見ると、お三方とも難しい顔をされていて、私からもお願いするべきかと口を開こうとしたその時に。
いつも凛としている筈の声が、濡れるように揺れて聞こえてきました。
「……その前に、一ついいだろうか?」
声は、右隣から聞こえてきました。
「どうぞ、トリニティのお嬢さん。ええっと、君は……」
「アズサ。白洲アズサ。トリニティの二年生、そして」
息を吸って、吐いて、その言葉が出るのだと今更ながら私達は思い当たって。コハルちゃんもハナコちゃんも、私も腰を浮かして。そしてセイア様も目を見開きながら彼女の方を見て。
「……元、アリウスの生徒。私は……アリウススクワッド、のメンバーだ」
「アズサちゃん……!」
暫く沈黙が流れる。ミレニアム出身のゲーム開発部のみなさんは不思議そうな顔をしてますが、事情をある程度知っているホシノさん達や、恐らく事前に調査していたのか調月会長は顔に手を当てている。
こうなる事はよくよく考えれば分かりきっていた。ただ情報がたくさん出てきたり、昨日からの戦いもあってそこに思考が辿り着かないでいてしまった。
アリウス。その名前をこの場で出した意味は、カスミさんにも正確に伝わりました。 - 8241じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/20(水) 21:57:32
「……なるほどね、そういう事情かい?で、君は聞きたいわけだ。百合園会長が話した特殊部隊、その中にはアリウスの名前があった。そして私の口からその特殊部隊は行方不明と聞いた。ならもしかして自分の知るアリウス生徒が今回の騒動で被害に遭ったんじゃないか、とね?」
その問いかけに何も言わず、アズサちゃんは静かに頷く。けれど机の下で握りしめられたその小さな手は震えていて、私は思わず、彼女の固く握られたその手に掌を重ねた。重ねる事しか出来ませんでした。そんな私達の姿を見てからカスミさんは深々とため息を吐かれた。
「……困るなぁ、お嬢さん。私だって立場がある。部員を路頭に迷わすつもりはない。交渉材料は一つでも多く手元に、さ」 - 8251じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/20(水) 22:12:38
言葉に詰まる。もういっそ、もう関係なんかない。ホシノさん達にはご迷惑をかけてしまうけれど二つ返事で取引に応じると答えよう口を開きかけた私をアズサちゃんは手を握り返す形で制した。
そして。
「……分かってる。それでもそれを知りたいのは私のワガママ。だか「といきたいところだが」え……?」
アズサちゃんの言葉もも、遮られるようにしてカスミさんの言葉と、仕方ないなと諦めるように力の抜けたふわりとした笑顔で遮られました。
「私だって鬼じゃあない。それぐらいの話なら先にしておこう」
「カスミ……っ!」
「……感激するのは勝手だが、楽しい話じゃあない。シャーレが率いた合同部隊のメンバー、美食研究会、SRTの特殊部隊、そしてアリウス生徒4名は彼とヒナ委員長共々行方不明になった。ああ、場所はゲヘナ市街地の離れだ、後でアリウス生が最後に確認できたポイントの地図とその時の状況は取引の結果を問わず渡すから安心したまえ。それからアリウス生徒の名前については一人だけ聞いているよ───サオリ、というそうだ」
「……ッ!……そう、か。……ううん、違う。教えてくれて、ありがとう。カスミ、貴女の配慮に感謝する」
「アズサちゃん……」
サオリさんのことは、あの一件があった後にアズサちゃんから話を聞いていました。大切な家族なのだと。だから彼女達が、そして先生まで行方不明だと聞いて彼女の中でどんな気持ちが駆け巡ったのか、今すぐその細い肩を抱きしめどうにかしたい衝動に駆られます。けれど彼女は潤んだ目で前を向いてお礼を口にした。それにカスミさんは渋い顔をする。
「……おいおい、こんな話で感謝なんてよしてくれたまえ。君の為思って?そんなわけがない。。この情報はただのリップサービス、君達からの心象を良くして交渉を有利に進めたいだけさ。なにより今の情報だって君にとっては喜ばしくもなんと「それでも」……」
「それでも、一つでも知らないまま不安を覚えるよりずっとありがたい。なにより、ヒフミ達が交渉を受けるかどうか、私達の選択がどうなるか、それはまだ分からない。それなのに貴女は私のワガママを聞いてくれた。だからありがとう、カスミ」
その言葉にカスミさんは深々とため息を吐いてから。
「……勝ち馬、だなんて言ったが。今更ながら君達への協力者が多いのがなんとなく理解できたよ」
ぽつりとそんなことを呟かれました。 - 8261じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/20(水) 22:21:11
「……さて、話を戻そうか」
また一度、二度。もう冷えてしまった紅茶を口に含んでから彼女は溜息を一つ。
それから私達を真剣な眼差しで見つめた。
「彼女達と先生からの『伝言』を知りたいなら私との取引に応じる以外に選択はない。勿論君達がゲヘナに直接行って彼らの足跡を辿って自分達で『見つける』というのでも時間も手間もかかるが可能だろう。だから私としてはどちらでも構わない。君達が断るなら別の陣営なり連邦生徒会に売り込みに行くだけだ」
そう、調べようと思えば調べられるのかもしれません。調月会長達に無理してもらう必要だってないかもしれません。美食研究会の方達が私達に届けようとした情報がどんな物かだって分かりませんしきっとカスミさんはそこまでの手札は切ってくれないでしょう。
「だが叶うなら、私は君達にこそ私の持つ情報を渡したい。願えるならば、君達に私達を守ってほしい。だから取引に応じるか、否か」
その上で。
「───今この場で聞かせてもらえるかい?」
私達の答えは───。
【行動安価です】
【鬼怒川カスミの取引に応じますか?】
【はい、またはいいえでお答えください】
【安価先>>831】
【それでは皆様】
【よき取引を】
- 827二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 22:29:09
条件付きでYESって感じかな
(ゲヘナへ行く時は協力してもらうや行方不明者救出作戦に参加してもらうや聖杯戦争期間中は温泉開発(テロ行為)は控えてもらう等) - 828二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 22:45:19
はい
で良い気はする。各学園の代表者組に負荷が掛かるのは心苦しい所もありはするが、貰える情報も大きいだろうし、アリウススクワッド達の事に関して教えてもらった手前もあるし
それに温泉開発部の便利屋への協力自体も、詳細を知らされて無い中での実態を知らない時のものではあった訳だし(校則違反の品物の裏取引に関してはともかく、聖杯戦争への便利屋陣営に協力しての関与って面に関しては)情状酌量の余地は十分だろうし
もし条件加えるなら、むしろ便利屋拠点攻略に関する知識や協力の提供かな?温泉開発部ならゲヘナの地盤に詳しい可能性や、温泉開発を行う温泉開発部であれば有害な気体が溜まってる地点を掘削する際の知識もある可能性はあるだろうし、協力が得られれば便利屋陣営の生産拠点の攻略に関して、地上からの掘り壊すって選択肢も生まれそうな気はする。 - 829二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 22:57:22
こいつら雷帝がらみで騒ぎ起こしてる連中の協力者で脱獄囚で普段から問題起こしまくってるテロ組織なんだよな
こいつら弁護してやるの結構リスキーな気はする(メタ的に言えば大した問題にならず終われるんだろうけど)
本気で心配してるやつに対してアリスクの情報出し渋ったり本人も言ってるけど出してもいい情報ちょろ出しして心象良くしたり(なんなら打算があるって正直にいうのさえ交渉のテクニック)普通に腹立つんだよな
くれる情報だって全部本当なのか、隠してることはないか、なんなら途中でさらに条件をつけて来ないかって考えると自分たちの拠点で拠点でサーヴァント三騎いるんだし拘束して情報吐かせたほうがいい気がする
というわけでNOで脅して情報だけもらう - 830二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 23:14:59
>>829がごもっともすぎるので回答NOで交渉続けたいな
交渉材料は一つでも多く~の言い方からしてカスミもまだ切れるカードもってそうだし
とはいえ先生達の伝言を受け取らないってのはメタ的にもナシだろうし
聖杯戦争期間中だけのお目こぼしという所が落としどころになりそうな感じはするが
- 831二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 23:15:23
はいで良いとは思う
別に意図してライダー陣営に協力した訳でも無いし、罰則って面で見るなら、ライダー陣営への協力に関する部分に関してのみ不問として、校則違反の品物の裏取引に関する罰則という名目で事態の終息後に普段捕まった時よりちょっとばかし長く拘留される、くらいが良い落としどころ良いんじゃないかな?とは思う、脱獄した場合は万魔殿と連邦生徒会へ弁護を取り消すって添えた上で - 8321じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/20(水) 23:33:07
『A.ライダー陣営への協力に関しては弁護するという条件で取引に応じる』
「オーケー、オーケー。その条件ならこちらの書面にサインをお願いしたいところだ。いやはや有難い。もう少し情報をせびられたらどうしようかと考えあぐねていたからね。君達から色好い返事を貰えて嬉しいよ。ああ、生徒会長諸君?君たちのところにはたった今発送したから届き次第、私の目が届く形で記入をよろしく頼むよ」
『手を回すのが早い物だね。とはいえ目が届く、か。なら君は暫くミレニアム近辺にいるとでも考えても構わないかい?』
機嫌良く、そういう空気を出しながらカスミさんは私達へと書類を渡してくださる。ざっとみなさんと一緒に確認しますが、これといって変なところはありません。
「ん?ああ、言ってなかったね。ゲヘナは自治区内への入出規制が敷かれてるよ。こうして此処に来るのも一苦労というものさ、だから暫くはミレニアム内のホテルでも借りるとするよ」
「他の部員達はどうしている?」
「みんなこっちに来ているよ。出るの入るのも面倒な情勢さ、非力な私一人がフラフラしていたって良い事はないよ」
さて、そう前置きしたカスミさんは真っ白な足を組み直しながら悪戯っぽく笑った。
「君達が知りたい情報についてだが、基本的にはこのUSBの中身が『全て』だ」
私に手渡された小さな小箱。土や泥がついて少し汚れてはいますが、端末に繋げる分には問題なさそうです。すぐにそれをハナコちゃん達に渡して中身が無事かつ安全かを確認してもらいます。
「ありがとうございます、カスミさん」
「いやいや、それが私の役目で取引の結果さ……その中にはシャーレがまとめた二騎のライダーについての資料、それから黒館ハルナからのメッセージが入っている。恐らく大雑把な経緯や実際に何が起きたのかについてなんかもそこで話してくれるだろう」
残念ながら私も今此処で初めて見るから確証はないけどね、と前置きをしてからカスミさんは疲れたように背もたれに身体を預ける。
「私自身、昨晩はゲヘナ内とはいえ少し離れた隠れ家にいたからね。市街地でどんな事が起きたかなんて正確な事は分からない。そんな私へ質問があれば資料に目を通してからお願いしたいところだね。だがまぁ……資料を映す前に一つだけ言っておこうか。少々胡乱な言い方になるが、これ以上適切な言葉はないだろう」 - 8331じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/20(水) 23:33:40
- 8341じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/20(水) 23:57:01
というところで今日のお話はおしまいじゃんね☆
……ぶっちゃけるとこれからライダー二騎のデータを攻略サイトの細かい数字と睨めっこしながら作ってくるからじゃんね☆準備不足じゃんね……
えー、カスミちゃんについてじゃんね☆
本編でちょっと露悪的に書きすぎたじゃんね☆
……これはもう本当に1が物書きとして力不足、登場人物を魅力的に出来なかったとしか言いようがないじゃんね……本当にカスミちゃんにも読んでくださったみんなにも申し訳ないじゃんね……
ただ!ただじゃんね!そういう声が聞けた事自体はありがたいことこの上ないじゃんね☆本当に本当に有難いじゃんね☆
リアクション、めちゃ嬉しいじゃんね☆次書く時に反省を踏まえてさらにパワーアップ!に繋げるじゃんね☆
カスミちゃん含めて登場人物はみんな人様、というか原作作っておられる方が作り上げた大事な娘さん、息子さん達じゃんね☆
世界観や設定含めて二次創作はそんな人様の子を使わせて頂いてる、だからどの子も(方向性は違えど)大事にする!のをモットーにして頑張るじゃんね☆
……長くなったけど今回の書いたお話でカスミちゃん推しの先生やマスターがいて気分を害されたらごめんなさい、とはいえ長ったらしく本編でこの場のカスミちゃんの心理を語るなりのフォローを後付けでするのは無粋。だから次以降の出番で、より魅力的に書けるように精進していきます!……じゃんね☆
ではでは今日も読んでくださったり安価への参加、ありがとうございました!
それではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆
明日はちょっとお昼に何時からするかアナウンスするじゃんね☆ - 835二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 00:46:22
おつかれさまです
ぶっちゃけミカ主の書き方というより、カスミ自体が少し灰汁の強めで好き嫌いが分かれちゃうタイプなキャラではある以上、カスミらしく書けばどうしてもそういう意見も出ちゃうのは仕方ないとも言えてはしまうかも?とは思ったり
むしろそれだけカスミらしく書けてるって事でもあるとは思ったりも?
ブルアカ本編でさえもキャラの行動云々でどちらが誰が悪いだのとかでプレイヤー間で論が荒れたりはする事も多々ある訳で、そこら辺は個性が強いキャラの個性を出して書こうとするとどうしても仕方ない部分ではあるかも? - 836二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 05:00:20
お疲れ様です
もしかしてなんだけど、聖杯のライダーって大きな何かを呼び出せるか大きな何かになれる系のサーヴァントだろうか?
(例としてイヴァン雷帝やオデュッセウス等)
それがゲヘナで、メデューサ(ゴルゴーン)とシャーレ合同部隊とぶつかり合ったと……控え目に言っても地獄かな?
USBの中身次第では合同部隊救出作戦も必要になってきそうですね
この後の動きの案としては、“トキと会話の為にエリドゥに潜入”と“マリーを探し出して話し合い”と“黒服と交渉と質問タイム”と“ゲヘナにてシャーレ合同部隊救出大作戦”って感じになるのかな?
聖杯のアーチャーの死者(サーヴァント)を操る事が可能ってのは、“Fate/stay night”のアルトリアには効くのだろうか?
そして何故か平和な赤冬は、きっと今日もデイリークーデターが発生してるのでしょう(苦笑) - 837二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 09:56:00
保守
- 838二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 11:04:48
乙でした
改めてマジで被害甚大ですな
先生が居なくなった影響も時間経過でどんどん広がっていきそう - 839二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 12:47:44
実は万魔殿と風紀委員会とトリニティ以外にも、アビドスとミレニアムにも喧嘩を売ってたりするんだけどカスミやメグは知らないっぽいな
- 8401じゃんね☆◆cbItSHG.3g24/11/21(木) 16:06:45