【クロス注意】幼馴染inNRC Part4

  • 1124/10/26(土) 23:33:31

    ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界


    【以下前提条件】

    >トリップ地点は入学式の棺桶の中

    >トリップしたのは最終決戦後の二人

    >個性はかっちゃんだけ使える(反動で心臓ダメージあり)


    ※前スレ含めてこのスレの内容とSSは無断転載禁止です!

    スレ内でSSとかWriteningに書いてくれるのは大歓迎です

  • 2124/10/26(土) 23:34:58
  • 3124/10/26(土) 23:37:55

    パソスト風SS

    緑谷出久 制服パソスト 「年上なのか!?」 | Writening■オンボロ寮 ―玄関― 「ありがとう二人とも、助かるよ」 「これくらい良いよ。お前には恩があるし、その礼だ」 「通りがかっただけで雑用押しつけてきた学園長はどうかと思うけど」 オンボロ寮を訪れたエー…writening.net
    爆豪勝己 制服パソスト 「なんか変な話だね」 | Writening■オンボロ寮 ―リビングルーム― 「でさ~、聞きそびれてたけど、結局個性って何なわけ?」 オンボロ寮のソファに身を沈めながら、エースが質問を投げかけた。 現在四人と一匹はオンボロ寮のリビングルーム…writening.net
    緑谷出久 運動着パソスト 「忘れないって約束したから」 | Writening■運動場 -更衣室- 「お前らって良い体してるよな」 きっかけは、学年合同での体力育成の授業が終わった後の更衣室でジャックが放ったこの一言だった。 大半の生徒がはけた後の少人数の更衣室は、人の目が少…writening.net
    爆豪勝己 運動着パソスト 「おいかけっこ」 | Writening■ハーツラビュル寮 -薔薇の庭園- 「そろそろ休憩にしようか」 麗らかな昼下がり、ハーツラビュル寮で開催されたクロッケー交流会にひと区切りついたところで、爽やかな汗をかいたリドルが号令をかけた。 …writening.net
  • 4124/10/26(土) 23:40:38

    現在好感度まとめ
    【出久→相手/相手→出久、 爆豪→相手/相手→爆豪】
    *グリム 91/92、 67/46 
    *エース 53/98、 19/80
    *デュース 100/100、 88/88
    *リドル 44/36、 47/94
    *ケイト 64/66、 79/71
    *トレイ 30/27、 60/40
    *レオナ 2/18、 36/16
    *ラギー 14/59、 72/21
    *ジャック 34/100、 1/56
    *アズール 93/69、 73/21
    *カリム 50/79、 28/81
    *ジャミル 84/66、 47/62
    *クルーウェル 56/-、 13/-
    *トレイン 78/-、 36/-
    *バルガス 16/-、 6/-

  • 5124/10/26(土) 23:42:28

    前回までのざっくりあらすじ

    出久率いる調査チームの面々は、ついにマジカルシフト有力選手の生徒の連続傷害事件の犯人候補を絞り込んだ!

  • 6二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 23:56:35

    爆豪からラギーへの好感度、割と高いな…

  • 7二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 23:58:56

    立て乙です
    今スレも楽しみにしてます

  • 8二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 00:08:24

    双方向高好感度でちゃんとマブダチやれてそうなデュースと未だ好感度一方通行なエース、何処で差がついたのか

  • 9二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 00:10:05

    >>8

    そりゃ最初の絡みじゃないですかね…

  • 10二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 00:10:39

    >>8

    デュースは90に届きそうなのに、エースはまだ20超えてないって相当やな

  • 11二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 00:11:54

    >>9

    かっちゃんが万全だったらハウザーぶち込まれてたな……いや、流石にカタパルトかな…

  • 12二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 00:13:35

    >>6

    思いっきりスリやってる場面だし逆補正あった方が自然だったかもね

    まあそれも全部スレ主の匙加減か

  • 13二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 00:16:28
  • 14124/10/27(日) 00:19:51

    「シシシッ!5人がかりでそんなもんスかぁ?大したことないッスねぇ」

    「クソッ!ちょこまか逃げやがってウゼェな!!」

    「この感じ、オセオンのときを思い出すなぁ……」

    「シシシッ!こんなんスラムの裏道に比べたら余裕ッスよ」

    ラギーは単純に足も速いのだが、障害物や高低差を活かして逃げ回るのがとにかく上手かった。

    例えるなら、出久がオセオンで出会ったロディの身のこなしに近い。あのときの出久はOFAの脚力があってもすぐにロディに追いつけなかったが、そのときの感覚と似ている。足の速さのジャンルが違うのだ。


    「つかさぁ、もしここでオレを捕まえたってアンタらオレが犯人って言い切れなくッスか?だって、オレが怪我させたって証拠、ないッスよね。誰かオレが魔法使ってるとこ見たんスか?そんで、それ写真に撮ったりしたんスか?してないッスよねぇ?」

    「た、確かに……。今追いついても現行犯扱いできない……」

    「ヂィッ!姑息な卑怯モンがァ!!」

    確かにラギーの言う通り、ラギーが連続傷害事件の犯人というのはあくまで出久たちの憶測であり、証拠を押さえられていない。


    「シシシッ!次にオレを追い回すときには証拠揃えてから来てくださいッス。ま、君たちが次も無理だろうけど」

    ヒーローはあくまで法の下に活動するもの。ここで無理を通しては、私刑を行うヴィランと同じになってしまう。

    ぐぬぬ、と歯を噛む出久たちを横目に、ラギーは盗ったマジカルペンを置いて返して、すたこらさっさと逃げてしまった。


    「くっそ~!腹立つ~!」

    「ローズハート寮長に首をはねられる……」

    リドルの命令を遂行できなかったことに、エースとデュースはがっくりと肩を落とした。


    *アイデアロール dice1d2=1 (1)

    1.出久が気づく

    2.爆豪が気づく

  • 15124/10/27(日) 00:21:41

    >>12

    実はスレ主もダイス振った後、レオナは逆補正入れたしラギーも入れとけばよかったな~と思いましたが、もう振っちゃったのでこのまま続行します!


    多分舌が回って強かなところが悪くなかったのでしょう

  • 16二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 01:09:43

    「今、ラギー君は『次も』って言ったよね」

    「……まだ何かしでかす気なのかよ。次こそ現行犯でとっ捕まえてやる!」


    「てめーら、まだ懲りずに犯人捜しやってんのか」

    「ジャック君!」

    「んだよ、見てたんなら手伝えよな。おたくんとこの先輩、超悪いヤツなんですけど?」

    一旦追うのを中断して次に備えよう、としていたところで、丁度ジャックが通りかかった。ジャックは出久たちを見つけると、腕を組んで眉を寄せ、難しそうな表情を浮かべた。


    「お前ら、何故そんなに他人のために必死になれる?怪我したダチの仇討とうって気持ちはわからなくもないが……」

    ジャックの問いに、エースとデュースは悪い笑みを浮かべ、他人のためにやるわけがない、自分のためにやっているに決まっている、と返した。

    「僕たちはこの事件の犯人を捕まえて、手柄を立てたいだけだ」

    「そーそー。あわよくばマジカルシフト大会の選手枠に入りたいし。で、世界中にイイとこ見せたい」

    「オレ様だって、絶対アイツを捕まえてテレビに映ってやるんだゾ!」

    「ハッ!他人のために動くようなヤツは信用ならねぇと思ってたが……。お前ら、思ってたよりひでぇ奴らだな」

    エースとデュースとグリムの回答をジャックは気に入ったようで、口の端を持ち上げて笑みを浮かべた。


    「ミドリヤ、お前は?」

    「僕は……困っている人がいると放っておけないし、誰にもこれ以上怪我してほしくないから」

    「なんだそれ。偽善くせぇな」

    「偽善だって構わない。傷を負う人を一人でも減らすのがヒーローだ。それに、誰にも人を傷つけてほしくない」

    怪訝そうに見下ろすジャックの視線を、出久は真っすぐ見つめ返した。ヒーローとして誰かを守りたいと願うときの出久の瞳には、混じり気のない光が宿る。


    「変な奴。……でも、嘘ついてるわけじゃなさそうだな」

    不思議なものを見た、というように、ジャックの大きな尻尾の先が揺れる。

    「ハッ、よく気づいたな犬野郎。そいつァ筋金入りのイカレ野郎だ、覚えとけ」

    「ガルルル、犬じゃなくて狼だ!そういうてめーはどうなんだバクゴー」

    「あ?そんなん決まっとンだろ。*dice1d3=2 (2)

    1. ヒーローなら当然のことだ。

    2. オールマイトならそうするってだけだ。

    3. そこのイカレ野郎が馬鹿なことしないように監視してる。

  • 17二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 01:15:20

    これは憧れのヒーローに最高のヒーローと言って貰えて素直になったかっちゃん

  • 18124/10/27(日) 01:25:48

    「オールマイト……?ってなんだ」

    「それよりも今はテメェのことだ。その様子じゃ、俺らが声かけたにときには犯人知ってやがったな?」

    「ふなっ!そうか。同じ寮だから、『自分は狙われない』って言ってたのか?」


    疑いの視線を受け、ジャックが再び腕を組んだ。

    「…………オイ、てめーら、俺と勝負しろ」

    「ア?なんだ急に」

    「男が腹割って話すんなら、まずは拳からだろ。てめーらが口だけの輩じゃないと俺に証明できたら、俺の知ってる話を教えてやってもいい」


    「げっ、オレそういう汗臭いの苦手なんだけど」

    「俺はそういうの嫌いじゃねぇぞ。わかりやすくていいじゃねぇか!」

    「ふな”っ!?デュースのワルスイッチが入っちまったんだゾ!」

    デュースが両の拳を体の前でガチンと合わせる。エースはうんざりした表情を浮かべた。


    「ってことはバクゴーも……」

    「乗ってやんよ、犬っコロ!情報吐くまでぶっ叩いてやるわ!!」

    「顔わっる!!!ミドリヤ、こいつら止め……」

    「そういうことなら……相手になるよジャック君!」

    「えっ、ミドリヤもそっちの人なの!?」


    出久と勝己の長年の拗れ解消の第一歩は、私闘で殴り合いをしたことだ。

    やはり男が腹を割って話すなら殴り合い!出久は意外と喧嘩するタイプの男なので、エースが信じられないものを見る目になった。


    「っていうか、これ何人vs何人の殴り合いになるわけ?」

    「いいからさっさとお前も覚悟決めろエース!」


    *男の殴り合い ダメージ

    出久 dice1d10=10 (10)  爆豪 dice1d10=10 (10)

    グリム dice1d10=4 (4)  エース dice1d10=5 (5)

    デュース dice1d10=3 (3)  ジャック dice1d10=5 (5)

  • 19二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 01:27:47

    幼馴染そろって最大ダメで笑うんだ

  • 20二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 01:29:58

    オバブロ戦前にしょうもないダメージ負うんじゃないよ

  • 21二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 01:46:02

    >>18

    幼馴染みが揃って最大値www

    何事も全力なんですねwww

  • 22二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 01:56:13

    >>18

    決戦前に満身創痍になってんじゃねえか!!

  • 23二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 10:53:19

    これ負ったダメージか、相手をバチ殴ったほうかと

  • 24124/10/27(日) 11:15:38

    「うおおおおおあ!!」
    「おらあああ!!」
    「はぁ、はぁ……な、なかなか鋭いの打ち込みやがる……」
    「はー、そっちこそ……。はー、やるじゃねぇか……」
    ジャックとデュースが互いに良い一発を入れ、称え合う。その目にはすでに男の友情が宿っていた。

    「オマエのパンチ、オレ様のハートに響いたんだゾ……」
    「ぜー、はー……お前ら空気に飲まれ過ぎじゃね?もう選手枠とかどーでもいーわ……しんど……。っていうかアイツらは何やってんの?」
    白い目をするエースの視線の先には、殴り合う出久と勝己の姿がある。

    「君は!!寮のスリッパ上から履きつぶすのやめろって何べん言えば分かんだよ!!」
    「うるっせェ!!テメェの方こそ洗面台使ったら鏡の水滴を拭けって何べん言わす気だ!!」
    「なんだよ!寮の換気とか全然手伝わないくせに!!」
    「脱衣所のマットの交換もしねぇテメェにだきゃ言われたくねぇなァ!!!」
    「うおおおおお!!!」
    「負けてたまるかああああ!!!」
    互いの頬に左の拳がめり込み、綺麗なクロスカウンターが決まった。鍛え上げられた二人でも互いの攻撃を受けたら無事ではいられない。重い拳が脳を揺らし、二人は芝生の上に仰向けでどさりと倒れこんだ。

    「……ジャックと腹割るためって話だったのに、なんでアイツら同士んで喧嘩してんの?」
    「知らねー。なんか乱戦中にお互いにぶつかったあたりから、急に喧嘩おっぱじめたんだゾ」
    「ミドリヤも喧嘩するときは口が悪くなるんだな。ちょっと意外だ」
    「オメーは人のこと言えねーんだゾ、デュース」

  • 25二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 11:17:24

    なんで幼馴染で殴り合うんだw

  • 26124/10/27(日) 11:29:17

    「……よし。これでケジメはつけた。俺の知ってる事は話してやる」

    所属寮を裏切ることには変わりないからな、と前置きをして、ジャックは牙を剥いて怒りを露わにした。

    この大会、ジャックは己の力でどこまでやれるのか挑戦するつもりで鍛えてきたため、小細工をして勝利しようとする寮の方針に我慢ならなくなったらしい。


    「俺は、自分自身の力で勝ち上がって、テッペン獲ってやりたかったんだ!」

    「あ、こいつスゲー面倒くさい奴だ」

    暑苦しいジャックからエースが一歩距離を置く。

    「わかる!俺はわかるぞ!!その気持ち!!」

    「コッチにも面倒くさいヤツがいるんだゾ」

    同じく暑苦しいデュースはジャックと一歩距離を近づけた。


    「不正が許せないってわけじゃないんだね」

    「勝負ごとの本質って意味じゃ間違ってねェだろ。不正を許すこと自体生温い。目指すなら完膚なきまでの勝利じゃねェと意味無ェからな」


    *好感度変動

    爆豪→ジャック(現在値1) +  dice1d50=13 (13)

  • 27124/10/27(日) 12:14:46

    「ラギー先輩のユニーク魔法は……『相手に自分と同じ動きをさせることができる』というものだ」
    「!!やっぱり……!!」

    ラギーのユニーク魔法は出久が予想した通りのものだった。
    さらに、殆どのサバナクロー生がグルになっており、対象の近くで魔法を発動する際にラギーの不審な動きがバレないように隠すサポートしているという。

    「俺が特に気に入らねえのは、寮長、レオナキング・スカラーだ!アイツはすごい実力があるはずなのにちっとも本気を出しやしねぇ」
    「確かに。マジフトの試合のときのレオナ先輩、戦術もそうだけど、本人の体幹も身のこなしもすごかった」
    「だろ!?せっかく持っている力を何故磨かない!?俺はそういうヤツが一番嫌いだ」
    出久の同意に、ジャックが熱く食いつく。
    曰く、ジャックは3年前のレオナの試合を見て憧れて、同じサバナクロー寮に入れて、一緒に本気でマジフトができると期待していたのだという。

    「あのさー……ミドリヤ」ヒソヒソ
    「なに、エース君」ヒソヒソ
    「コイツ…さっきからずっと自分トコの寮長に文句言ってるようでいて……」ヒソヒソ
    「あー…。実は すっごく憧れてたんだねぇ……」ヒソヒソ
    嫌な相手なのに憧れをしまうことができない心理に、出久はとても覚えがある。つまり、ジャックにとってレオナはそれほどすごいと思える相手なのだ。

    「今までの事件は、奴らにとって行きがけの駄賃みたいなものだ。奴らはもっと大きなことを目論んでる」

    レオナたちの本当の目的は、ディアソムニア寮のマレウス・ドラコニア。
    2年連続で無得点で叩きのめされ、世界中が注目する中で大恥をかかされたことへの雪辱を果たそうとしているのだという。

    「大会当日、ディアソムニア寮に何か仕掛けるつもりってことだね」
    「そうだ。だから、俺はその計画をぶっ潰す!」
    「これ以上新たな怪我人を出すわけにはいかない。かっちゃん」
    「ああ。どうせ現行犯でとっ捕まえるしか無ェんだ。おい犬ッコロ、もっと詳しく話せ」
    「だから犬じゃなくて狼だ!!」

  • 28二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 13:15:38

    >>24

    フレンドリーファイアしてるじゃねえか

    サバナクローの高等な策略かな?

  • 29二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 14:12:02

    >>25

    殴り合いの相手として気兼ねないからじゃね?

    内容はわかるけどしょーもないことだが

  • 30二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 14:13:59

    >>24

    そこの幼馴染み!その手の喧嘩は帰ってからにしなさい‼

    なんやかんや言ってそこらの兄弟より似ちゃってるんだよなこの二人……

  • 31二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 16:27:31

    互いに意識し合う幼馴染がひとつ屋根の下、何も起きないはずがなく……🔥🔥🔥(フレンドリーファイア)

  • 32二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 16:35:04

    >>24

    そりゃ最大値でるわ〜!って納得しちゃった…

    リドルがいなくてよかったなと思いました…幼馴染でやることリストに殴り合いの大喧嘩なんて入れんでいいので…(オバブロでもうやったといえばそれはそう)

  • 33二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 16:39:12

    >>31

    さすが謹慎ボーイズ

  • 34二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 18:28:54

    >>16

    ジャックってこの出久の回答みたいなの嫌いそうだけど、高感度MAXのせいで乙女ゲーのキャラみたいな反応になってて笑う

  • 35124/10/27(日) 18:38:25

    「話は聞かせてもらったよ」

    「ローズハート寮長、ダイヤモンド先輩」

    殴り合いでボロボロになった一年生たちのもとに、リドルとケイトも合流する。


    「伝統ある行事を私怨で汚そうだなんて、許せないな」

    「どうする?リドルくん」

    「今までのラギーの犯行も証拠がない以上、断罪することはできない。狡賢いレオナ先輩たちのことだ。今告発してもうまくかわすだろう」

    「やっぱり犯行現場を押さえるしかない、ってことだね」

    「ボクに少し考えがある。まずは……」

    リドルはマジフト大会当日の流れや雰囲気を知っている分、出久や勝己よりも具体的な策を閃いたようで、二人は話を聞く態勢に入った。


    「待て。知ってる情報を話はしたが、俺はお前らとつるむつもりはねぇ」

    リドルが話始めるのに、ジャックが水を差した。

    「え~。ここにきてそれ言う~?」

    「自分の寮の落とし前は自分でつける。じゃあな」


    *口をはさむのは dice1d2=2 (2)

    1.出久

    2.爆豪

  • 36124/10/27(日) 19:00:16

    「テメェ、本当に1人でなんとかできると思ってンのかよ」
    「……あ?」
    勝己の挑発めいた声に、ジャックが振り向いた。

    「自分の力を過信して1人で突っ込むなんざバカのすることだ。確実に目的を遂行するために周りの力借りるくらいのことができねぇでどうすンだよ。賢い狼は群れで狩りをするもんだぜ」
    「………………いいだろう。話くらいは聞いてやる。だが、もし気に食わねぇ作戦だったら、俺は抜けるぜ」
    全く不本意です、と顔に書いてあるが、ジャックは勝己の話に一理あると思ったようで、渋々作戦会議の輪に加わった。

    「ありがとう、ジャックくん!」
    「別に、お前らのためじゃねぇからな!」
    ツンツンした態度のジャックだが、勝己のド級のツンギレに慣れて育った出久にとってはこの程度のツンはあってないようなものである。

    「じゃあ、さっきの話の続きをするよ。まず………」

    リドルが作戦を話し始める。
    当日のスケジュールと学校敷地内の選手と観客の動線がリドルは全て頭に入っているらしく、出久と勝己はそれらを覚えながら話を聞いた。

  • 37124/10/27(日) 19:10:39

    「なるほどね。いーんじゃね?」
    「さすがローズハート寮長です」
    「んじゃ、オレは当日までにいろいろ根回ししとくね♪で、リドル君の作戦を聞いた結果、ジャックくんはどうすんの?抜ける?」
    「…………。卑怯な作戦ではなかった。……今回は協力してやってもいい」
    「コイツ、いちいち素直じゃねぇんだゾ」

    「それで、当日のミドリヤとバクゴーの配置なんだけど……」
    リドルは作戦を話し終えると、出久と勝己に視線を向けた。単純な魔力で実力を測れない二人に役割をどう振るのが最適か決めかねているらしい、

    「俺はお前らンとこに配置しろ。出久はタレ目と行動。それでいいな?」
    「うん。僕はそれで大丈夫」
    「ミドリヤちゃん魔法使えないけど……って、あんなに強い姿見せられてそんなこと言うのは野暮か。当日はよろしくね♪」

    話がまとまり、一旦解散の流れとなった。そのとき。
    「今回は情報提供に免じて、校則第6条『学校内での私闘を禁ず』の違反を見逃してあげるけれど……次に見つけたら全員首をはねてしまうよ。おわかりだね?」
    リドルからものすごい威圧のオーラが放たれ、エースたちは小さくなって謝罪をした。

    「弱っちそうだと思ってたが、お前らのところの寮長こえーな」ヒソヒソ
    「そーだよ。か弱いハリネズミと見せかけた、超攻撃型ヤマアラシだから、マジで逆らわないほうがいいぜ」ヒソヒソ

    「あのハイヒール校則まで覚えてンのかよ……ここまでくると法律オタクだな」ヒソヒソ
    「すごい記憶力だよね」ヒソヒソ

    小さな声で話しながら、調査チームの面々は大会当日に備えてそれぞれの寮に戻っていった。

  • 38124/10/27(日) 19:22:46

    サバナクローで謀略が渦巻く夜、出久はまた夢を見た。


    (土の匂い……?)


    暗い洞窟の中、骨の檻に囚われている青いサイチョウが嫌そうな顔で歌を歌っている。それを聞く黒い鬣の獅子もまた鬱屈とした顔をしていた。


    ――はぁ、ムファサ様はこんな風には……

    ――何!いま何と言った!王はこの俺だ!


    獅子が声を荒げたとき、洞窟に険しい顔をしたハイエナが入ってきた。


    ――よぉ、ボス。みんな文句言ってるぜ

    ――食べ物も水ももう無い。腹が減って死にそうだよ!


    洞窟の穴から見える外の景色は、乾ききって罅割れた大地が広がっている。


    ――俺は知らん。じゃあザズーを食え。

    ――チッ。ムファサの時の方がマシだったぜ。

    ――フンッ。そうか、目障りだ失せろ!


    不満を零すハイエナたちを黒い鬣の獅子が追い返す。

    ギョロリと目を剥いたハイエナの不気味な笑い声が響き、遠ざかっていった。


    (あのライオンは王様になれたんだ。でもこれじゃあ……)


    *出久 夢への違和感 dice1d10=1 (1) + 36

  • 39124/10/27(日) 19:34:21

    「おい……起きろ」
    「う~ん……ふぁ。あれ、ジャックくん……?」

    出久が目を開けると、何故かジャックがオンボロ寮の寝室にいた。ジャックの声で隣で寝ていたグリムも目覚めたようで、目をパチリとさせている。

    「朝のランニングついてだ。今日はマジカルシフト大会当日。寝坊されちゃたまらねぇからな」
    「それでわざわざ来てくれたんだ、ありがとう!」
    「別に礼なんか良い。お前のためじゃなくて、俺のためなんだからな!」
    素直じゃないジャックの尻尾が揺れる。
    ちなみに、勝己はランニング中にすれ違ったとのことで、先に起きているようだ。

    「よーっし、絶対に犯人をとっ捕まえて、ご褒美にトーナメント戦にオンボロ寮をねじ込んでもらうんだゾ」
    「うん、頑張ろうねグリム!」
    動機は不純だが、やる気があるのは悪いことではない。
    出久は褒めて伸ばすタイプなので、耳の炎をメラメラと燃やすグリムの頭をひと撫でした。

    「フン……じゃあ会場でな。二度寝すんじゃねぇぞ」
    二人の目がすっかり覚めたことを確認して、ジャックはオンボロ寮から出ていった。

    「よし。絶対に今日の計画を阻止してみせる!」
    失敗すれば沢山の怪我人が出る。
    出久は頭を切り替えて、万全な状態で作戦に臨むべく入念なストレッチを始めた。

  • 40124/10/27(日) 20:14:43

    「ふぁーーーー!!見てみろバクゴー!食い物の出店がいっぱいなんだゾ!」
    大会当日、メインストリートはたくさんのガーランドで飾られ、無数の出店が並んでいた。食べ物の屋台からは良い匂いが漂ってくる。
    こうしていると、裏であくどい計画が動いているなんて信じられないくらいの、活気ある祭りの光景だった。

    「チュロスに、フライドケーキ!あっ、スモークチキンもある!」
    「うろうろすんなクソ狸!後にしやがれ!!」
    「うぅ~~、なんでバクゴーと一緒なんだゾ。イズクならきっと買ってくれたのに~~」
    「俺ァあいつと違って厳しく躾ける主義なんだよ」
    今日の作戦、ケイトと出久は別の場所で待機している。リドルは勝己たちの同じ配置ですでにポイントで待機済み。勝己とグリムとエースとデュースは念のため会場の下見に来ていた。

    「あのタコ焼きってなんなんだゾ?食べたい、食べたい!」
    「だから後にしろって言って……いや、一つだけ買ってやる」
    「えっ!?バクゴーが優しいなんて……今日は槍の雨でも降るのか?」
    「いらねぇなら買わねぇ」
    「ふな”~~!いるいる!食べたいんだゾ!!」

    丁度空いている屋台に勝己が並ぶと、グリムが慌てて横についてきた。屋台のテーブルの上にはパックに入ったタコ焼きと、氷の入ったタライに浸かったペットボトル入りのドリンクが置いてある。

    「飲み物も選べ。買ってやる。ただし、小せぇサイズのヤツにしろ」
    「やった~~!じゃあ、オレ様コーラにする!」
    700マドル、と店主に言われたので、勝己はポケットからマドル硬貨を出して渡した。ちなみにこの硬貨はグリムに何か買ってあげて、と出久が自分のお小遣いから出したものなので、勝己の懐にはノーダメージだ。全く出久はグリムに甘すぎる。

    「なぁバクゴー、どういう風の吹き回し?」
    「さァな」
    わーい♪と喜ぶグリムを横目に、エースが気味の悪いものを見る目を勝己に向ける。

    「……食い終わったならとっとと行くぞ!!」
    「美味かったんだゾ!へへーん、今日のオレ様は百人力だもんねー!」
    「おう、食った分キリキリ働けやクソ狸」
    勝己たちの配置はサバナクロー寮のマジフト場だ。一応の下見を済ませ、勝己は鏡舎に向けて歩き始めた。

  • 41二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 22:32:26

    >>40

    ここのフライドケーキって食べ物が何なのか分からなくて検索しても出てこないから、本当になんなのか気になってる

  • 42二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 22:51:50

    このシーンって皆寮服着てる場面だけど、デクとかっちゃんは何着てるんだろう
    雄英制服を寮服代わりにしてるのかな

  • 43二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 22:56:52

    >>41

    friedcakeで調べたら揚げ菓子って出てきたよ

    アメリカではドーナツを指すみたい?

  • 44二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:16:33

    保守

  • 45二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 10:36:35

    ラギーとロディ似てると思ってたから、映画ネタも出してきて嬉しい!
    ダイス神に合わせて解像度が高いSS投稿するスレ主凄くて命助かるけど、ハロイベの更新とかもあるしスレ主のやりやすいペースであまり無理しすぎないでね

  • 46二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 19:36:17

    >>36

    かっちゃんとかいう色んな漫画見てもお目にかかれない難易度MAXのツンデレ野郎(ツンデレ比9999:1)の幼馴染からしたら、ジャックなんて可愛いもんだよね


    ジャックの性格がかっちゃんだったらレオナへの憧れを口に出すのに7章までかかってたでしょ

  • 47二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 22:10:13

    第2章のここから起きる事件は幼馴染み絶対確実にキレるよね……

  • 48二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 22:23:01

    でもレオナ先輩て他章とかイベスト見る限り怠惰だけど面倒見は確かにいいんだよね
    ・パワーバランスを把握して前線
    ・全員が外に出たのを確認して自身も脱出
    ・後輩への助言

    なんか相澤先生みを感じてきた…やっぱ2章は追い詰められてたんだな

  • 49二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 06:58:58

    レオナさん強敵そうだな
    リドルのユニ魔って二人には意味ないけどレオナのユニ魔は普通に通るし、フィジカルも強いし視野も広いし

  • 50二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 09:44:41

    >>40

    コレ、かっちゃん障子くんのこと思い出してる?

  • 51二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 10:40:06

    今やってるイベントでレオナのユニーク魔法で別の魔法を砂にしていたから、爆豪の爆破も砂にできるかもしれない

  • 52二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 13:06:58

    >>48

    全然魔法使ってる描写なかったのにちょこちょこブロット描写入ってたあたり相当ストレス溜まってたっぽいよね

  • 53二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 13:50:30

    キングスロアーは強ユニ魔だけど氷叢に氷を否定する個性が発現したようなもんだから幼少からのコンプレックスも相当あったんだろうなって

  • 54二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 21:54:55

    このレスは削除されています

  • 55124/10/29(火) 22:47:51

    続きを書くべくシミュレートしてるところなのですが、デクとかっちゃんがレオナの地雷踏まないのは無理だろ…と思ったので、普通にレオナの地雷踏んでいく展開になるかもです
    レオナ好きの人はダメだと思ったらブラバそっ閉じでお願いします

  • 56二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 22:58:59

    まあデクもトガちゃんの説得は上手くいってなかったしな
    そういうこともあるだろう

  • 57二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 23:53:54

    前回はトレイ先輩が大まかに教えてくれたからいいけど、レオナ先輩の場合誰も教えてないというか把握してないからなぁ…
    ある意味仕方ないと思います

  • 58二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 01:08:52

    まぁ、やったこと羅列すると…

    階段から落とすとか一歩間違ったら死にかねない事故を起こさせる
    それを『行き掛けの駄賃』と表する
    ディアソムニア及びマレウス・ドラコニアを負傷させる為に観客たちを操る(観客の中に子どもや老人がいるかもしれないのに)
    計画が失敗すると(実際はどうかは知らないが)責任逃れ発言&実行犯であるラギーを干乾びさせる


    いくら考慮する事情があったとしても、ボロクソ言われても文句言えねえぞ
    事情考慮するなら、文字通り命削って孵した初恋の相手である主君の子供が害されそうになったリリアの事情も考慮しないといけなくなるしね

  • 59二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 01:39:51

    マジフト大会までに起きた傷害事件の被害者達も体に後遺症が…ってなってもおかしくなかったからなぁ…

  • 60二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 06:18:59

    改めて考えるとめちゃめちゃレオナらしくないよなこの一連の事件
    いやまあ本編とかイベントとかで見るレオナは基本オバブロ後だろうからある程度憑き物落ちたようなもんで、だからこそこの事件(オバブロ前)での言動とのズレを感じるかもしれないけど…

  • 61二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 08:36:00

    展開に合わせてキャラを変えないスレ主愛してる
    スレ主の解釈とシュミレートがツボなんだ
    楽しみにしています

  • 62二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 16:46:23

    ヴィル様なんて魔が差してあわやサツジン罪だしグレートセブンの因果に巻き込まれ感がある

  • 63二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 16:59:03

    >>58

    最悪の場合王子の暗殺未遂で夕焼けの草原と茨の谷が戦争になるかハイエナの立場悪くなって根絶やしにされたりレオナさんが処刑されるよな

  • 64二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 17:03:56

    >>62

    6章に至っちゃ世界滅亡一歩手前だったからね

    あの武器(ネタバレになるかもだから名前は伏せる)がなかったらSTYXにいたメンツ全員帰らぬ人になってたし

  • 65二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 17:24:35

    オバブロには因果も必要だってのは6章で言ってたけど何なんだろうな

  • 66124/10/30(水) 21:57:53

    今年のマジカルシフト大会は、例年よりもサイドストリートが観客で賑わっている。
    レオナが秘密裏に運営委員長のアズールと“取引”をして、選手の入場パレードをプログラムに入れさせたからだ。
    入場パレードのトップバッターは去年優勝寮のディアソムニア。

    選手入場を告げるアナウンスが響くと、将来有望な選手たちを間近でひとめ見んとする観客たちが割れるような感性を上げた。
    屋台の陰にかくれたラギーは、のんきに熱狂する観客たちを嗤った。

    「おー。すごい見物人の数ッスねぇ。これだけいれば……シシシッ!」

    ラギーはポケットから小瓶を取り出し、一気に飲み干した。中には“取引”でアズールに調合させた魔力増幅薬が入っている。
    その薬は、吐き戻したくなるほどのひどい味と臭いと引き換えに、ラギーに絶大な力をもたらした。

    「いくッスよ。オレのとっておき!さあ、ヌーの群れみたいにみんなで走れ!『愚者の行進(ラフ・ウィズ・ミー)』!」

    魔法薬の効果で膨れ上がったラギーの魔法が観客たちの手足を絡めとり、パレードの中心にめがけて追い立てる。

    「う、うわああ!体が勝手に……。どけ!どけーー!!」
    「逃げろ!押しつぶされるぞ!」

    質量はときに暴力よりも恐ろしい力となる。ラギーに操られた観客は、暴走するヌーのようにディアソムニアの選手団めがけて突っ込んでいった。

  • 67124/10/30(水) 22:12:03

    「へ、へへっ……アズールくんの魔法薬、スゲー!こんな人数を同時に操れるなんて!」
    魔法薬の副作用でラギーの心臓が異様に早鐘を打っているが、悲願のためにラギーは足を止めずに走り続けた。全ては打倒マレウス・ドラコニアのために。

    「さあ、一般人に向けて魔法撃てるッスか?妖精族の王子様であるマレウス様は、使いたくても使えないッスよねえ!さあ、潰されちまえ!シシシッ!」

    ラギーがけしかけた観客の群れが、黒い軍服のような寮服に身を包んだディアソムニアの選手団を飲み込み、悲鳴が上がった。
    その中にはきっとマレウス・ドラコニアもいる。

    「やった……大成功ッス!」

    勝利の高揚で体の悲鳴を誤魔化して、ラギーはレオナの待つサバナクロー寮のマジカルシフト場へと戻っていった。

    物陰から見つめる眼にも気づかずに。

    ***


    「はー……はー……レオナさん、やりましたよ!中継見てたッスか?」
    「ああ、上出来だラギー。あばよマレウス。今年の王の座は俺がもらう」
    「へへ、王様バンザイ!シシシッ!」

    サバナクロー寮生が口々に「王様バンザイ!」と復唱して、空気が熱狂に包まれる。

    だが、次の瞬間、熱狂は一瞬にして冷めることとなる。

    「話は聞かせてもらったぜ、サバナクローの寮長サンよォ」

    ざり、とブーツで砂を踏みしめる音を響かせて、勝己を初めとした調査チームの面々が犯行現場に突入した。

  • 68124/10/30(水) 22:37:20

    「これはこれは、オンボロ寮のバカ犬に、ハーツラビュルのみなさんがお揃いで。それにそこにいるのはウチの1年坊じゃないか。ハーツラビュルに転寮したのか?」

    レオナは予期せぬ侵入者の登場に一瞬目を見開いたが、すぐにニヒルな笑みを浮かべた。


    「俺はただ、今のあんたたちと肩を並べたくねぇだけだ」

    「伝統ある試合を汚す行為。“厳格”をモットーとするハーツラビュル寮の寮長として、見逃すわけにはいかない」

    「あのなぁ、お坊ちゃんがた。正義のヒーローごっこはよそでやってくれないか?」

    「わざわざ敵のまっただ中に少人数で乗り込んでくるなんて、酔っちゃってるッスねぇ~~!」

    屈強なサバナクロー寮生が勝己たちを取り囲む。が、勝己はそれに怯むような男ではない。勝己の口の端が強気に持ち上がり、不敵な表情を形作る。


    「こっちはごっこじゃなくて、免許持っとる本物のヒーローなんだよ!それに、生憎無策で乗り込ンでやるほど、俺たちは親切でも馬鹿でもねぇンだわ!」


    勝己が左の掌を前にかざす。魔法士にはありえない構えに、サバナクロー寮生たちの反応が一瞬遅れた。


    「”閃光弾(スタングレネード)”!!」


    爆音とともに目が焼けるような光が炸裂する。エースとデュースも後方から魔法で光を発して、目くらましをサポートした。

    五感が優れている獣人属が多いサバナクロー寮生たちの目と耳が一時的に潰れる。


    「今だハイヒール!!」

    「ハイヒールじゃなくてリドルだ!『首をはねろ』!!」


    閃光で相手が怯んでいる隙にリドルが一斉に魔法封じの首輪をかけた。

    敵に回すと厄介だが、味方につけると心強い魔法だ。


    「ふん。口ほどにもない」

    「チッ……やっぱりコイツらじゃリドルの相手は無理か。それにあのバカ犬の左手……」

    「シシシッ!でも、こんなことしたって、どうせディアソムニアのヤツらは手遅れッス!」


    ***

    爆豪 反動ダメージ dice1d10=10 (10)

  • 69二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 22:41:11

    かっちゃん無茶するなあ
    でもヒーローとしてかっこいいよ大・爆・殺・神ダイナマイト

  • 70二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 22:54:07

    一般人の集団暴走は(現場にはいなかったとはいえ)大戦時にセントラルで一触即発まで行ったからなあ
    二人がレオナの地雷踏む前にレオナがヒーローとしての二人の地雷踏んでそう

  • 71124/10/30(水) 23:03:43

    「ほほう?それは興味深い話じゃ」
    不意に軽い調子の声が投げかけられる。以前食堂で見かけた、ディアソムニアの蝙蝠のような生徒、リリアのものだ。
    どうやら出久たちの方も上手くいったらしい。

    「誰が手遅れだと!?」
    「このとおり、俺たちディアソムニア寮の選手には怪我1つない。そいつらのお陰でな」
    薄緑髪と銀髪の生徒は、観客に飲み込まれていくのをラギーが確かに見たはずのディアソムニアの生徒だった。
    ラギーの目が驚愕に見開かれる。

    「えっ!?あれっ!?お前らはさっき、群衆に飲み込まれたはず……」
    「ざーんねん!あれは俺のユニーク魔法『舞い散る手札(スプリット・カード)』で増えて変装したオレくんたちでした!」
    騒動の場にケイトと出久も駆けつける。

    「オレ、ディアソムニアの寮服ちょっと憧れてたんだよね~。着られてラッキーみたいな?ミドリヤちゃんも着ればよかったのに~」
    「あの服を着ると目立っちゃって隠密行動には向かないので……」

    続々とやってくる侵入者に、レオナの表情が険しくなっていく。
    「オイ、この茶番はどういうことだ?」
    「ケイト先輩からディアソムニア寮の人に話をつけてもらって、ひと芝居打たせてもらったんだ」
    出久が説明すると、ラギーがおそるおそる口を開いた。
    「じゃ、じゃあ……マレウスは?」
    「先ほどの群衆の混乱も、全ての人間をコロシアムまで安全に魔法で誘導して下さった。感謝しろ!」
    薄緑髪の生徒、セベクが大きな声で言い放つ。

    別行動をとっていた出久はマレウスの姿を直接見ていないが、まるで神隠しが起きたかのように、混乱する群衆が転移するところを見た。
    事前にケイトから「観客のことはマレウス君に任せておけば大丈夫だよ」と言われていたとおり、念のため構えていた出久の出る幕もないほど、あっさりと観客の避難が済んでしまったのだ。

    「ラギー君。君が魔法をつかうところの一部始終、サイドストリートから写真を撮らせてもらったよ。どうしてこんなことを……」
    出久がゴーストカメラを取り出す。そこには、実行犯がラギーであることの動かぬ証拠が収められている。

  • 72二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:05:26

    民衆を操って殺到させるとか黒デクん時に一番キツかった奴

  • 73二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:07:45

    あー確かにラギーのやり口はダツゴクのディクテイターのそれじゃん

  • 74124/10/30(水) 23:14:26

    「…………………………あー、もういい」

    「えっ?」

    追い詰められたレオナから一瞬で表情が削げ落ち、無気力な言葉が零れ出た。


    「やめだ、やめ」

    「ちょ、レオナさん?それってどういう……」

    「バーカ。マレウスが五体満足で試合に出るなら、俺たちに勝ち目があるわけねぇだろうが。そんな試合に出たって意味ねぇよ。俺は降りる」


    あまりにも勝手な言い分で、レオナは全てを放棄した。鮮やかな緑の目が、鬱屈として濁っている。

    彼のために手を尽くしてきたラギーが言い縋るが、レオナは獅子が尾でハエを払うような程度で跳ねのけた。それでも尚ラギーが食い下がると、レオナは苛立ったように牙を剥いた。


    「キャンキャンうるせぇな……じゃあ本当のことを教えてやるよ。お前はゴミ溜め育ちのハイエナで、俺は永遠に王になれない嫌われ者の第二王子!なにをしようが、それが覆ることは絶対にねぇ!」


    *ブチギレメーター

    出久 dice1d100=94 (94)

    爆豪 dice1d100=9 (9)

  • 75二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:18:13

    デクの逆鱗に触れたの
    これ体育祭での轟の時みたいなもんか
    一生懸命みんな頑張ってるのに全力も尽くさずってとこ

  • 76二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:19:44

    それ以前にデクは会議に出席してレオナがマレウスの殿堂入り取り消しを求めてるの知ってるからぶち切れたんでは?

  • 77二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:21:29

    これから二人がレオナの地雷を踏むわけだけど、割とレオナもデクの逆鱗に触れてんな

  • 78二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:38:33

    ダイス神の仕事すげえ

  • 79二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:46:12

    そもそも試合外で人々に迷惑かけておいて試合自体が勝てそうに無いなら「やーめた」って自己中心的にも程がある
    ヒロアカのヴィランにもいそうな迷惑さ

  • 80二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:50:35

    このレオナの既視感
    期末の時に爆豪がデクの力借りるくらいなら負けた方がマシって言ったのと似てる気がする
    後の話でキャラ変した?ってくらい違うし
    マジで上で言われてる通り追い詰められてたんだろな

  • 81二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:53:55

    良かったなレオナ
    デクが無個性の状態でよ

  • 82二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:54:07

    これかっちゃんもキレようとしたけどデクがキレすぎて逆に冷静になったやつじゃね?

  • 83二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 00:05:24

    >>80

    原作でも解釈違いパンチするデクで笑ったのにそれぶつけられる可能性あるレオナ先輩おもろ

    地雷通り越してお互い仲良くなれる可能性すらある

  • 84二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 01:48:09

    >>81

    黒鞭で拘束して、発勁で溜めて、危機感知で反撃を察知して、浮遊と煙幕でカウンターのタイミングをずらして疑似100%叩き込むみたいなクソコンボ成立しなくて良かったね

  • 85二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 02:00:26

    >>74

    ダイス神様がスッゴく空気をお読みになってる。

    体育祭の時も轟くんに怒ってたもんなぁ。

    他の方も言ってるが、ほんと無個性状態で良かったかも。この後かっちゃんより無茶して戦いそうで怖いっす((( ;゚Д゚)))

  • 86二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 02:05:06

    >>84

    軽く虫の息やん

  • 87二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 04:11:14

    あまりに極端な出目にスレ主頭抱えてそう

  • 88二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 10:50:34

    このレスは削除されています

  • 89二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 10:54:45

    レオナも幼なじみも修羅場慣れしてるけど追い詰められた時に助けてくれる人(仲間)がいたかていう環境の違いもありそう
    イベストではマレウスに頼る場面もあったけどこの頃はそんな事考えもしないと思うからやっぱストレスは大敵や…

  • 90二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 18:42:50

    ブチギレメーター、超極端すぎる

  • 91二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 18:47:15

    コレはオンボロ寮の(キレたら)ヤベェ方って言われるタイプのデク。
    因みにかっちゃんは(言動が)ヤバい方って言われてたら面白い。

  • 92二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 18:51:02

    >>74

    ダイスすげぇ‥

  • 93二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 18:52:01

    >>91

    どこぞのウツボ兄弟みたいだな

  • 94二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 20:35:04

    >>91

    他クラスの生徒「オンボロ寮のヤバい方いる?」

    A組の生徒達(((((どっちだ…?)))))

  • 95二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 21:17:46

    >>89

    デクもAFOの極大ストレスに晒された結果黒デクと化したからな……

    やはりストレスは視野を狭める

  • 96124/10/31(木) 22:45:27

    「「ふざけんなよ!」」

    ラギーと出久が叫んだのは同時だった。


    「なんだよそれ!ここまできて諦めるなんて……」

    「そりゃあんまりだ、レオナさん!」

    「ブン殴ってでも試合に出てもらうぜ!」

    ラギーがレオナの胸倉をつかむ。他のサバナクロー寮生も、早々に諦めてしまったレオナを責め立てる。


    勝己の隣に立つ出久もまた、怒りで身を震わせている。

    「寮長会議のとき、レオナ先輩の話を聞いて格好いいって思ったんだ……!勝つ方法を諦めない、さすが“不屈”の精神を掲げる寮の寮長なんだって……!」

    キッと相手を睨むその目は鋭い。骨から歪んだ右手は固い拳を作っていた。

    「なのに、これがあのとき言ってた“諦めない”ってことなのか!!選手たちの努力を踏みにじって傷つけて、何も関係ない観客も巻き込んで!」


    出久は人間の雪崩の恐ろしさをよく知っている。ディクテイターのけしかけた大勢の市民たちはOFAの力を振るうことができない出久の体を押しつぶすところだったの。

    何よりも、何も分からないまま人を傷つけさせられる市民の悲しみや恐怖で顔が歪んだ姿が出久の胸を痛ませる。レオナはあのときと同じことをマレウスにしようと企て、観客たちを利用したのだ。無理矢理走らされる観客たちは、かつて出久を傷つけようとした市民たちと同じ顔をしていた。


    「一歩間違えれば、誰かが死んでたかもしれないんだぞ!!何もしていない人が一生消えない罪をおかすことになっていたかもしれない!!そこまでのことをしておいて、『もういい』だって?ふざけんな!!」

    出久が叫ぶと、レオナの表情が一層険しくなった。

    緑の瞳の瞳孔がきゅっと縦に絞られ、喉から獣のような唸り声が漏れ出る。


    「あぁ……面倒くせぇ。黙れよ雑魚ども!」

    苛立ちを爆発させたレオナが叫び、圧倒的な魔力が溢れ出た。


    *対抗ロール

    爆豪 dice1d500=192 (192)

    レオナ dice1d1000=535 (535)

    レオナが勝つとニトロの汗が全部砂になります。爆豪が勝つと規模は落ちますが一応爆破は使えます。

  • 97二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 22:50:52

    ものすごいキレ方してるダイスだったのにちゃんと怒る理由に納得感あるのすごいな……話運びがうますぎる

  • 98124/10/31(木) 23:03:57

    レオナから放たれる魔力が辺り一帯を干上がらせていく。息をするごとに喉が焼けるように痛むほどの渇きがその場を支配する。

    レオナの傍に立つラギーが苦し気に喘いだ。


    「レオナ先輩が触れたものが全て砂に変わっていく……!?」

    「汗が……ッ!?クソッ、相性悪ィな……!」

    勝己の掌からさらさらと砂が零れ落ちる。


    個性には覆せない相性がある。

    魔王の光線であろうと葉隠の体に傷一つ負わせられなかったように。強力な個性を複数もった死柄木が『抹消』の視線で全ての個性を封じられたように。

    勝己の『爆破』は、ニトロの汗が出せない状態になると使えなくなってしまうのだ。


    「これが俺のユニーク魔法……『王者の咆哮(キングス・ロアー)』。皮肉だろ?なにより干ばつを忌み嫌うサバンナの王子がもって生まれた魔法が……、全てを干上がらせ、砂に変えちまうものだなんて!」


    自嘲的な笑みを浮かべたレオナが無差別に力を振るう。渇きの魔力を放つその手が、傍にいるラギーを掴んだ。

    「レオナ……さ……っ苦し……ッ!」

    レオナの腕をつかんで必死に抵抗するラギーの腕が、渇ききってボロボロとひび割れていく。


    「ラギー君!やめろ、その手を離せ!!」

    苦しそうに息を荒げるラギーの姿を見て、出久の脚は半ば勝手に飛び出した。


    *対抗ロール

    出久 dice1d1000=312 (312)

    レオナ dice1d800=248 (248)

  • 99二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 23:07:08

    デク勝った!

  • 100二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 23:21:41

    怒ることは良いって万縄さんも言ってたもんなデクは
    怒りを制御して力に変える心得を教わった

  • 101二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 23:29:14

    デッくんすげぇ!!

  • 102124/10/31(木) 23:45:03

    「レオナ、それ以上はやめるんだ!『首をはねろ』!!」
    みかねたリドルが魔法封じをかけようとするが、レオナの防衛魔法がそれを弾いた。

    「はは!どうだ。ラギー。苦しいかよ。口の中が乾いちまって、お得意のおべっかも使えねぇか?」
    「ひぐっ……うぅっ……」
    全身が干乾びかけているラギーの目が、泣きそうな形に歪む。それは助けを求める顔だった。
    だから、皮膚が擦り切れそうなほどの渇きの中心に、出久は迷いなく飛び込んだ。

    「”セントルイススマッシュ”!!」
    鋭い蹴りがレオナの胴に炸裂する。体幹の優れたレオナは倒れはしなかったが、一瞬腕の力が緩む。その隙を着いて出久はラギーを抱えてレオナから距離をとった。

    「てめぇ、子兎風情が……!」
    「レオナ先輩!こんなにすごい力があるのに、どうしてこんなことをするんだ!」
    「何故……?理由なんか聞いてどうする。俺を叱って、慰めてくれるって?実力があったって、努力したってどうしようもねぇことが世の中にはいくらでもあんだよ。現にラギーはこの俺に手も足も出なかった。可哀想に、憐れだよなあ……」
    倦んだ目でレオナが出久が抱えているラギーを見下ろした。
    「お前もだ子兎。随分鍛えてるようだが、魔力の耐性も無いお前がこの渇きの中でいつまで持ちこたえられるか見ものだな」
    ヒュー、と出久の喉が笛のような音を立てている。体が乾いてきているのだ。レオナの言う通り、この状態で長くはもたない。

    レオナが魔法で杖を呼び出して、苛立ちが溢れるままに出久に向けた。
    出久の腕の中にはラギーがいる。避けなければ。出久は脱水で硬くなりかけている脚の筋肉に力をこめる。万全ではない状態で広範囲に及ぶレオナの魔法から逃れきるのは難しいが、守るためにはやらなければならない。

    「――もうやめねぇか!!『月夜を破る遠吠え(アンリイッシュ・ビースト)』!」
    今にも渇きの魔法が出久に向けて放たれようとしたとき、出久を守るように白銀の毛並みの巨大な狼が現れた。

    「……ジャック君?」
    「ガウガウッ!!ガルルル!ガウッ!!!」
    ジャックと同じ声で雄たけびをあげた狼がレオナに突進する。巨大な獣の馬力でぶつかられて、レオナが体勢を崩した。

    「レオナに隙が出来た!『首をはねろ』!」
    その一瞬を見逃さず、リドルが再び魔法封じの魔法を発動させる。今度こそ、レオナの首にハート型の首輪がかかった。

  • 103二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 23:57:45

    OFAが無くても無個性でも本当にデクくんは頑張れって感じのデクくんだなあ
    それに極限状態でもプルスウルトラの精神あるからジャックの乱入が無かったらもっと無茶してただろうね
    ありがとうジャック

  • 104二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 09:45:11

    ほしゅ

  • 105二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 12:01:14

    アシミナや梅雨ちゃんもヤバいよなこの脱水フィールド
    切島は見た目的に水分少なそうだから案外平気か?

  • 106二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 12:06:30

    >>102

    些末なことなんだけど、このときのリドルってレオナのこと呼び捨てなんだね

    やらかしているから、敬称つけないとかそんな感じかな?

  • 107二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 12:08:48

    >>105

    轟は氷使いにくくなる代わりに炎の威力が増しそう

  • 108二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 20:27:43

    無個性になってるからか余計ハラハラする…

  • 109二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 00:49:14

    保守
    このスレ見てたらツイステやりたくなってインストールしたよ 緑谷たちに追いつけるように頑張るわ

  • 110二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 09:29:37

    ソイツ腕崩壊しかけてても救けを求める顔されて突貫するやつだから、まだまだこんなもんじゃないですよ殿下

  • 111二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 18:09:51

    保守

  • 112二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 19:14:54

    保守

  • 113124/11/02(土) 19:38:15

    >>109

    ツイステ原作おもしろいので、レベル上げ大変だと思いますが是非楽しんでください!

    育成は推し一辺倒じゃなくて15人分くらい強いカードを育てておくと後々楽です

    特にポムフィオーレ組と寮長組(6章攻略に育成アイテム全パージして2週間くらい時間費やしたオタクより)

  • 114124/11/02(土) 20:21:53

    「クソが……っ!ライオンであるこの俺に、首輪だと……!」
    レオナの魔法が封じられたことで辺りの渇きが収まる。ゲホゲホと咳の音が響くなかで、レオナがジャックを忌々しく睨みつけた。

    「ジャック!テメェ変身薬なんてご禁制の魔法薬どこで手に入れた!」
    「『月夜を破る遠吠え』!……身体を狼に変化させる、俺のユニーク魔法だ!」
    ジャックが人の姿に戻って叫ぶ。憤るようなその表情に、勝己は強い既視感を感じた。

    「レオナ先輩……俺は……俺は!あんたに憧れてこの学園を目指した!俺の憧れたあんたは、どこにいっちまったんだ!?」
    「勝手に俺に夢見てんじゃねぇ……うぜぇな……」
    レオナがジャックの視線から目を逸らす。その姿を勝己は冷笑した。

    「ハッ。土壇場で寮生の期待ひとつ背負えねェなんて、それでも“不屈”の寮の寮長かよ?後ろの奴のために勝ち続ける気迫もつンがトップってもんだろうが」
    「ボクも人のことを言えた義理ではないけどね。今のキミは見るに堪えない。謹慎部屋に入って、少し頭を冷やすといい!」
    勝己とリドルの説教に、レオナが不快そうに表情を歪めた。
    「……お前らになにがわかる?兄貴みてぇに俺に説教たれてんじゃねェよ……」

    レオナの言葉を聞き、事態を静観していたリリアが口を開いた。
    「フン。お主のような男には、王冠よりその首輪が似合いじゃ。サバンナの王じゃのライオンが聞いて呆れるわ」
    「……あぁッ!?」
    「お主は持って生まれた才や順序のせいで王になれぬと嘆いているようだが……報われぬからの怠惰に行き、思惑が外れれば臣下に当たり散らすその狭量さ。その程度の器で王になろうなどと……我らが王、マレウスと張り合おうなどと、笑わせる」
    リリアは大きな丸い目を細めた。幼い子どものような顔だちに、老成した怒りと侮蔑が滲む。彼はマレウスを害されそうになったことに怒っているのだ。

    「たとえマレウスを倒したとて、その腐った性根を捨てぬ限り……お主は真の王にはなれんだろうよ!」

  • 115124/11/02(土) 20:45:19

    「は、はは……アァ、そうだな。そうだろうとも。お前の言う通りだ…………はははは!」
    リリアの言葉を聞いて、レオナが狂ったように笑い始めた。ニヒルな笑顔の中の緑の目は、暗い絶望を湛えていた。

    ――じゃなきゃ、この手はなんなんだ!僕がこうして生まれた事を誰が肯定できる!

    ふいに、出久の脳裏に泣き叫ぶ転弧の顔が過った。今のレオナの笑い顔に浮かぶ絶望は、あのときの転弧が浮かべた絶望とどこか似ている。

    (マジフト大会の勝敗は問題の本質じゃないんだ。本質はもっと根底の部分……!)

    「俺は絶対に王になれない………どれだけ努力しようがなァ…………!」
    レオナの体から再びおぞましいほどの力が溢れ出る。先ほどよりも強いそれに、リドルがかけた首輪が弾け飛んだ。

    「急速にレオナの魔力が高まって……っ。くっ、魔法封じが、持続できない……!!」
    「ちがう。これは魔力ではない。この邪悪な負のエネルギー……、まさか!」
    その場にいる者全員の目が驚愕に見開かれる。

    「レオナ先輩、ダメだ!!今人を傷つけたら、今度こそ取り返しがつかないことになるかもしれない!!」
    人を殺める、その罪の重さを出久はよく知っている。
    しかし、出久の叫びは、今のレオナには届かなかった。

    「俺は生まれたときから忌み嫌われ、居場所も未来もなく生きてきた。どんなに努力しても、絶対に報われることはない。その苦痛が、絶望が……お前らにわかるかぁアアアアアアアア!」
    レオナの感情に応えるように、黒いドロドロとしたものがあふれ出す。
    それはリドルがオーバーブロットとしたときと同じようにレオナの姿を邪悪に変貌させ、レオナに寄生するような大きなブロットの化身を生み出した。

    「くっ……立てる者は自力で退避!エース、デュースは怪我人を連れて外へ!リリア先輩、先生たちに救援を頼みます!」
    「あいわかった。しばし持ちこたえよ。セベク、シルバー。お主らは怪我人の救護を」
    リドルがテキパキと支持を出し、魔法の練度が低い一年生が現場を離れる。リリアも自身の後輩に指示を出すと、魔法でドロンと姿を消した。

  • 116二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 21:00:08

    >>115

    はい、救けを求める顔しましたね

    デクがスタンバイしました

    頑張って制御してね、大・爆・殺・神ダイナマイト

  • 117二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 21:11:42

    居場所がない?
    おかしいなあレオナ
    サバンナクローの寮生達は貴方を疎んでいたか?

  • 118124/11/02(土) 21:12:19

    「君たちも離れるんだ!魔法に無しに勝てる相手じゃない!」

    オーバーブロットして獣のような咆哮を上げるレオナに対峙する出久と勝己の背中にリドルが叫んだ。


    「離れない!絶対にレオナ先輩を止めなくちゃ!」

    「勝ち目が無ェなんて誰が決めた?こっちは勝つための策を、さっきからずっと練ってんだよ!!」

    振り返らない二人が強い気迫を放つ。その場にいる者は二人の覚悟を認めざるを得なかった。先んじて戦闘態勢に入った二人に、残りの者たちが次々とマジカルペンを構える。


    「うぇ~、なんでこんな怖い目にばっかあうの?オレ、こういうの向いてないんだけど!」

    「怖いなら逃げてもかまわないよ」

    「リドルくんを置いて逃げたら、トレイくんに後でボコられちゃう。お供しますよ、寮長」

    リドルとケイトは、どこか優雅な見栄と姿勢を保って。

    「よくわからねぇが、レオナ先輩をブン殴って正気に戻せばいいんだな?」

    「オ……オレも、手伝うッス……ゴホッ……。あそこまで言われて寝てられるかってんだ……」

    ジャックとラギーは獣のように姿勢を低くして。


    「ハイエナ風情が俺に刃向かおうってのか?ハハハハハ……笑えねぇ冗談だ。全員明日の朝日は拝めないと思え!」

    レオナの周りにいっそう強い砂嵐が巻き起こった。


    「出久。俺は今『爆破』が使えねぇ。今回は俺が後方指揮を出す。前方指揮はお前が取れ。勝つ方法はある!」

    「……!!わかった!」

    出久が無意識に課している期待に応えられないのは、勝己のプライドが許さない。それに、策を出せば出久は少ない言葉でも勝己の意図を理解して役割を果たしてくれる。

    「気合入れるんだゾ!」

    「――いこう、みんな!」


    *レオナ戦 ダメージ

    出久 dice1d100=48 (48)

    爆豪  dice1d100=78 (78) (反動ダメージ dice1d50=7 (7)

    グリム dice1d100=31 (31)

    リドル dice1d100=15 (15) ケイト dice1d100=16 (16)

    ジャック dice1d100=30 (30) ラギー dice1d100=45 (45)

  • 119二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 21:13:05

    レオナがデクのターゲットになったな…
    かっちゃん頑張れ

  • 120二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 21:15:40

    今回みんな最大値一緒なのにそれでも幼馴染が強い
    いやこれダメージ受けてるほうか?

  • 121二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 21:16:04

    機動力落ちてるから、ダメージ凄いなかっちゃん

  • 122124/11/02(土) 21:16:14

    >>118

    この戦闘で爆豪は爆破が使えないので、反動ダメージはゼロですね

    ギリギリでした


    ***

    2章ダメージ累積リザルト

    出久 58

    爆豪 98 (反動ダメージ修正アリ)

    グリム 35

    リドル 15

    ケイト 16

    ジャック 35

    ラギー 45

  • 123二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 21:17:06

    おさななのダメージ!
    指揮役2人を狙ったのか
    絶望にのまれても頭は回るの凄い
    ただ前方とは言えデクくんのダメージ比較的軽めなのデクのヒーロー精神プルスウルトラしたか?

  • 124二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 21:19:09

    かっちゃんがギリギリすぎて怖い

  • 125二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 21:21:02

    リドルとケイトがワンツーで小さいの流石寮長と3年生って感じがする

  • 126124/11/02(土) 21:32:42

    「全体指揮は俺が取る!タレ目、俺を箒に乗せて飛べ!」
    「え~、バクゴーちゃん乗せると箒が揺れるんだけどな、っと!」
    ケイトはマジカルシフト場に転がっていたサバナクロー寮生の箒を魔法で持ち上げて飛び乗った。

    「狼、お前はさっきの魔法使って出久を背に乗せて走れ!細かい指示は出久が出す!」
    「ジャック君、お願い!君の力を貸して!」
    「仕方ねぇ、今回だけだからな!!ガルルルッ!!!」
    ジャックが再び巨大な狼の姿をとり、小柄な出久の体重などものともせずに駆け出した。

    「ハイヒールとクソ狸は後方から炎ぶっ放せ!あいつ自身、無限に渇きに耐えられる訳じゃねェはずだ」
    「いいだろう、君の策に乗った!」
    「タコ焼き食った今日のオレ様は最強なんだゾ!ふな”~~っ!!」
    「ハイエナはクソライオン野郎がテメェのユニーク魔法の効果圏内に入る位置をキープして、俺が指示したタイミングであいつの動きを止めろ!」
    「ったく、簡単に言ってくれるッスねぇ……!」

    「長期戦に持ち込まれりゃジリ貧だ!!速攻でカタ付けんぞ!!」
    「ちっぽけな蟻どもが群れたところで何になる?テメェらも砂にしてやるよ!!グアアアァアア!!」

  • 127二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 21:51:22

    >>114

    出久のためじゃなくて自分のためなんだろうけど、かっちゃんは出久の「絶対に勝つのを諦めないのが君じゃないか!!」っていう期待にずっと応えてるからな


    正直オールマイト戦の「僕は何も策が思いつかないけど、君なら僕を使って勝てる作戦思いつくだろ?(大意)」っていう出久の無茶ぶりは普通にかっちゃんキレていい案件だと思う

  • 128124/11/02(土) 22:10:54

    レオナの魔法で全てが干上がっていく。砂嵐が渦巻き、その中心にいるレオナに近づくことさえ難しい。リドルとグリムの炎がレオナに向けて放たれるが、全て砂にかき消されていく。
    「くっ……強い!こんなに強ぇくせに、なんであんたは全部諦めちまったんだ……ッ!」
    接近の機会を伺って駆けまわるジャックが悔しそうな声を零す。なんだかんだ、彼はレオナを群れのボスとして仰いでいるのだ。

    「覆せない世界など、全て砂に変えてやる……!全部無意味だ……なにもかも!」
    レオナが大技を放とうとして魔法の溜めに入る。勝己はこの瞬間をずっと狙っていた。
    「今だ!炎を最大火力でぶっ放せ!!タレ目、俺のこと後で受け止めろよ!」
    「ええっ、バクゴー、何?ちょっと!」
    勝己が箒から飛び降りて、衝撃でケイトは思わず普段の口調を崩した。

    大きな火柱が砂嵐の外を取り囲む。そこに映りこむ巨大な影にレオナが魔法の照準を合わせた。しかし、狼の姿のジャックはレオナの予想に反し、レオナの上空を素通りしていく。
    「チッ……囮かよ……!待て、背中の子兎はどこにいった……?」

    「――出久!!」
    「かっちゃん!」
    今日の勝己は有事に備えて普段よりも右腕をきつくギプスで固定しているから、肘が伸びっぱなしになるものの多少の衝撃に耐えることができる。
    出久はジャックの背中から跳躍して、空中で勝己の右手を掴んだ。

    「一発きりだ!絶対ェ決めろ!!」
    勝己はポケットからコーラの空ペットボトルを取り出した。中に戦闘に備えてニトロの汗を溜めて置いた、簡易手榴弾だ。勝己はそれに衝撃を与えて起爆する。
    「――”爆破式カタパルト”!!」

    投げ飛ばされた出久が人間ミサイルのように砂嵐の中心に突っ込んでいく。レオナの瞳はそれを正確に捉えて避けようとしたが、一瞬動きが止まった。遠くでラギーがいたずらっぽく笑っている。

    「はーい、レオナさん。バンザイ!」
    「“100%デトロイトスマッシュ”!!!」
    爆破の威力も加わった、出久の今の全力の拳が、ブロットの化身を貫通してレオナの腹にめり込んだ。

    「俺が……王……に……」
    ぐらりとレオナの体が傾く。その背が地面に着く前に、出久はレオナを受け止めた。

  • 129二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 22:12:46

    幼馴染がかっこよすぎる
    そしてラギーくんナイス!一矢報いた!!

  • 130124/11/02(土) 22:13:25

    オバブロ戦後の出久の精神感応ロールは最初のリドル戦で振ったときの70固定でいきます
    毎回同じ現象だし……っていうのと、数値によって文章の雰囲気変えるのが難しいので

  • 131二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 22:15:38

    デクくんはOFA持ってたし70固定で違和感無いです
    それにスレ主さんの負担が減って書きやすくなるなら是非

  • 132二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 22:15:41

    了解しました>精神感応ロール


    やっぱかっちゃんデクは戦闘慣れしてんなあ

  • 133二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 22:39:39

    原作のスカー様の最期は炎の渦の向こうにハイエナの影が……って感じだから再現シチュ熱い
    堂々と指揮を執るかっちゃんも流石だけど、右腕大事にしてもろて

  • 134二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 22:40:48

    >>130

    了解しました!

    OFAあったし、デクくん=プレイヤー(監督生)って考えると妥当ですね

  • 135二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 22:44:38

    スレ主の書きやすいように〜!ヒロアカのキャラもツイステのキャラも書き方が丁寧だしちゃんと難しいダイスの結果も織り込んでるしめっちゃすごい〜!と思いながら楽しく読んでます!!

    というか(ダイスの結果もあるとはいえ)かっちゃんも無茶っぷりについてはだんだん幼馴染に苦言呈せるほどじゃなくなってきたんじゃないか…??と思ってしまった。

  • 136二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 23:48:14

    >>133

    分かる

    炎の向こうにラギーがいた描写で「スカーの最期だ!」ってなった

  • 137124/11/03(日) 00:25:11

    レオナを抱きとめた瞬間、出久は再び白い白昼夢を見た。

    大人の声の大小さまざまな陰口が白い空間にこだまして、誰かの感情が出久の中に流れ込んでくる。
    幼い頃から将来の王たる兄と比べられ続ける閉塞感。人格と生まれ持った魔法を否定され、あらゆる才覚が正当に認められない絶望。頭の上にどかせない岩が置かれたような環境で、努力が芽吹くことなく腐っていく苦しみ。叶うことのない肥大化した望みを抱えてもがき続けるうちに、気力が絶えて怠惰に堕ちていく。

    気が付くと、白い空間で異国の衣装を纏った少年が佇んでいた。
    少年の周りの地面は乾ききってひび割れている。
    ひとりきりで立っているその姿があまりにも寂し気で、出久は皮膚が乾いてボロボロと剥がれ血が滲むのにも構わずに少年に近づいた。

    「もう大丈夫だよ、僕が……」
    「さわるな!!」

    出久が差し出そうとした手を、少年は跳ねのけた。涙を浮かべながらも出久を睨むその瞳には、出久でない誰かが映っている。
    憎しみと渇望。二つが混じり合う目は、転弧よりもかつて映像で見た荼毘と似ていると感じた。

    (そうか。きっと、この子は認めてほしいんだ)

    少年が本当に認めて欲しい相手は出久ではないから、少年の傷を埋めてあげることはできないけれど。

    「……君だって王様になれるよ」
    他者の大仰な夢なんて軽々しく肯定できるものではない。出久は初めて出会った際に自身の夢を否定したオールマイトの気持ちが分かるような気がした。
    それでも、誰かに認めてもらえるだけでも救われる心があるのだ。かつての出久がそうだったように。

    「だって、君はこんなにたくさんの人に慕われているんだもの」
    体の横で拳を握り俯く少年の肩を出久は抱き寄せる。
    彼の後ろに、まるで心配するように、狼にハイエナ、獣の耳をもった沢山の人影が現れる。

    ――どうか、彼らの想いに気づいてあげて。

    出久の言葉に少年が後ろを振り返ったところで、眩い光が溢れて視界が明転した。

  • 138二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:33:16

    まーたデクくん精神世界(?)だからって体がボロボロになっても手を差し伸べてる…
    その上で相手は何を求めてるのか
    自分が言われて嬉しかった言葉はなんだったのか
    で向き合うデクくんマジでデクくん

  • 139二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 01:27:05

    叶う見込みのない夢を追いかけ続けるのってオールマイトに出会うまでのデクも同じだもんな
    ナチュラルボーン気質じゃなかったらとっくに折れててもおかしくなかった

  • 140二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 02:16:03

    レオナも言って欲しい言葉を言ってもらいたかったこどもだったもんね……

  • 141二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 07:24:50

    無個性だけどもヒーローになる夢を諦めきれなかった少年と、第二王子だけど王になる夢をまだ諦めきれてない青年か…
    そう考えると似た立場なんだね…そのままでは、一度思い描いてしまった夢を叶えられない二人。真に望む言葉を、愛してくれている人たちすらずっと言ってもらえなかった子供

  • 142二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 11:46:46

    レオナは荼毘になるほどの熱量を持たなかった燈矢ってイメージ
    大人になって、あきらめたフリして蓋してたけど蓋の下で火はずっと燻ってたんだ

  • 143二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 12:02:58

    >>139

    1話の時は必死こいて現実を見ないようにしてた

    ジェントル戦では「心の底で諦めてしまってた夢」

    って言ってるから本当にデクと重なるとこあるんよね

  • 144二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 13:12:47

    >>143

    何で鍛えてなかったっていうツッコミ聞くけど、内心諦めてたから口だけ状態だったんだね


    ちなみに爆豪は1話のセリフを読み解くと緑谷が雄英受かる確率ちょっとある風に話しているらしいので、緑谷への期待度は本人より爆豪の方が高いのでは?、というのを聞いたことある

  • 145二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 14:14:50

    >>144

    本人も謝罪時に語ってたけど、見下してたのに自分より先に行ってる気がするのを認めたくなかったんだよな

    無個性ってあんなに言い続けてたのにコイツならそれでも受かりかねないと思ったから「一応雄英受けるな」だったのかね

  • 146124/11/03(日) 18:33:19

    「やったー!起きた!ずっと気絶したままだったらどうしようかと思ったんだゾ!」
    「――――あ?」

    グリムの声でレオナが目を覚ますと同時に、出久は我に返った。
    自分の膝の上にレオナの頭が乗っている。無意識にレオナが地面に落ちないような姿勢をとっていたらしい。
    全力で殴ってしまったが、ひとまず命に別状がないようで安堵する。

    「……みんな無事?」
    「無事なんだゾ!バクゴーだけあっちで血ィゲロゲロ吐いてっけど」

    グリムが肉球を向けた先では、勝己が元気いっぱいに咳をして血を吐いているのをリドルとケイトが慌てて介抱している姿があった。
    おそらく箒での上下移動と、爆破式カタパルトの反動と、箒から飛び降りてケイトが慌てて受け止めた際の衝撃で心臓がびっくりしているのだろう。
    見た目は重症そうだが、経験的にすぐに収まる範囲ではありそうだ。もちろん、後で保健室に連れていくが。

    グリムは勝己の状態にさほど興味がないようで、すぐにレオナに向き直ってムッと目じりを吊り上げた。
    「さあ、早く今までの事件は自分が企てましたと自白しろ」
    「なに……なんだって?」

    レオナの視界の端に、黒いマントを羽織った学園長の姿が映る。リリアの救援要請で駆けつけてきたのだ。
    「キングスカラーくん。貴方はブロットの負のエネルギーに取り込まれて暴走し、オーバーブロットしてしまったのです。覚えていませんか?」
    「この俺が暴走して……オーバーブロット?嘘だろ……」

    「そんなことより、マジカルシフト大会もう始まっちまう。オマエが自白してくれねーと、オレ様がご褒美に試合に出してもらえねぇんだゾ!」
    「あァ…?なんだそりゃ?」
    「こらっ、グリム!今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
    「だってぇ~イズク~!オレ様、そのためにこんなに頑張ったんだゾ!大会に出られないなんてヤダヤダ!!」
    グリムが地面に寝転がってじたばた駄々をこねる。とても可愛らしい姿なのだが、状況が状況なので出久は必死に宥めた。

  • 147124/11/03(日) 18:54:38

    「今までの連続傷害事件は君たちがやっていたということで間違いありませんね?」
    「…………あぁ、そうだ」
    レオナは身を起こすと、静かに自分の罪を認めた。学園長が淡々とサバナクロー寮の失格処分を言い渡し、その他の処分を検討する旨を告げ、レオナはそれを受け入れた。

    「学園長、待ってください」
    学園長に異を唱えたのは、リドルと、その後ろに控える本事件の被害者たちだった。彼らはサバナクロー寮の失格処分を取り消して出場させるように願い出た。

    「彼らを許すと?」と驚いた学園長に、トレイやジャミル、その他の怪我を負った生徒たちが悪い笑みを浮かべた。
    「いいや?サバナクロー寮に欠場されると、気兼ねなく仕返しできないからな」
    「伝統ある競技で私怨を晴らすだなんて、普段なら首をはねてしまいたいところだけど……トレイたちがどうしてもと言うからね。今回だけは目を瞑ろう」
    「……スポーツマンシップの欠片もないね」
    要するに、彼らは試合にかこつけてリンチする気満々らしい。出久は思わず被害者たちへの同情を忘れて呆れかえってしまった。

    「しかし、この状態でサバナクロー寮生たちが試合に出られるかどうか。とくにキングスカラーくんは立っているのもやっとの状態では?」
    「ふ………ふ、はははは!!ナメるなよ、クロウリー。手負いの草食動物を仕留めるなんて、昼寝しながらだって出来る」
    レオナは優雅な仕草で立ち上がり、被害者たちを見下しながら不遜な笑みを浮かべた。

    「いいでしょう。予定通りサバナクロー寮の大会出場を許可します」
    「俺は謝るつもりは毛頭ないぜ。この俺に謝らせたい奴は力尽くで謝らせてみろ」
    「レオナ先輩もあんまり反省してないや……」
    ちゃんと処分すべきでは?と出久は思ったが、被害者たちとそれで合意しているのだから口の挟みようがない。

    「学園としても、大会当日にこのような不祥事が世界中に生中継されるのは避けたいところですしね」ボソ
    「め、目の前で隠蔽が起こっている……」

    この学園のコンプライアンスはどうなっているのか。本当に伝統ある名門校なのか。
    真面目な気質である出久の倫理観では到底理解できず、頭が痛くなってきた。

    「雄英が無性に恋しい……」

  • 148二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 19:02:46

    >>147

    出久くんや、多分雄英も後ろ暗い隠蔽も少しはしていると思うよ

    ただNRCがあけすけなだけだよ

  • 149二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 19:04:27

    なんつーかレオナがスッキリしたようで良かった

  • 150124/11/03(日) 19:17:49

    「さあ、観客のみなさんが選手の入場を待ちわびていますよ。早く準備を」
    「じゃあ、行くか………。っ、ぐ、痛ってぇ……」
    「……オレ、アンタのこと許したわけじゃねーからな」
    痛みに耐えて歩き出すレオナの背中に、ラギーが声をかけた。

    「あァ、そうかよ」
    「でも……なんでッスかね。そんなふうに情けない顔したアンタは、見たくねぇって思っちゃうんスよね。アンタはいつもみたいにふんぞり返って、ニヤニヤしてるほうがお似合いッス。………こんな風に!そら、『愚者の行進』!」
    ラギーは呪文を唱えると、両手の指で口角を持ち上げた。レオナもそれと同じ動きをさせられて、強制的にニッコリした笑顔を浮かべた。

    「ひっってぇ!おいふぇめぇ、らふぃー!(いっってぇ!おいテメェ、ラギー!)」
    「シシシッ!おふぇ、いっふぁいあんらにこれやっれみたふぁっふっふ(オレ、一回アンタにこれやってみたかったんス)」
    「ひまふぐふぁめろ!(いますぐやめろ!)」

    不格好な笑顔を浮かべる二人の間には全く険を感じない。ラギーの魔法は、本当の意味で二人を笑顔にしてわだかまりを解いたようだった。

    「ふふ。素敵なユニーク魔法の使い方だ」
    「なにやってんだ、あんたら。……フッ」
    思わず出久とジャックもつられて笑顔になる。出久は、そのときいつも仏頂面のジャックが微笑んでいるのを始めてみた。
    「ジャック君も笑ったね!」
    「べ、別に笑ってねぇ。あんたたちには世話になった。おかげで俺もやっと本気を出して戦える」

    ラギーの笑い声とレオナの本気でない怒声が響くマジカルシフト場に、しばし和やかな空気が流れた。

  • 151二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 19:21:59

    すごい今更なんだけど
    エーデュースは名前のつもりでミドリヤ、バクゴー。学園長は名字のつもりでイズク、カツキ呼びらしいけど、グリムは名前と名字どっちのつもりでイズク、バクゴー呼びしてるんだ?

  • 152124/11/03(日) 19:28:13

    ちょっと質問答えタイム


    >>151

    グリム的には人間の苗字と名前の区別なんてどうでもいいので、自分が呼びやすい方で呼んでる設定になってます


    >>42

    マジフト大会のシーンは雄英制服を寮服代わりにして着てます

    基本的に周りが最初から寮服のシーンは雄英制服を着ていて、周りが途中から魔法で寮服に着替えるような場面だとデフォルトのNRC制服のまま取り残されるイメージでいます

  • 153124/11/03(日) 19:50:57

    「なあなあ、学園長!オレ様たち、ちゃんと犯人を見つけたんだゾ!コレで約束通り試合に出してくれるんだろーな!?」
    くいくい、とグリムが学園長のマントを引っ張って食い下がった。

    「こら、グリム!」
    「……この狸まだそんなこと言ってンのかよ」
    「かっちゃん!?大丈夫なの?」
    「かすり傷みてェなモンだわ。少し寝りゃ治る」

    「え!?あぁ~~……っと、そんな約束してましたね。絶対に無理だと思って、すでにトーナメント表を発表してしまいました。さてどうしましょうか」
    「なんてズルい大人なんだ……!」
    「どうせハナっからそのつもりだったろ。やっぱ詐欺師じゃねェか」
    人に調査を頼んでおいてあまりに適当で無責任なことを言う学園長に、出久も勝己も白い目を向ける。本気で信じていたグリムに至っては涙目だ。

    「嘘つきの尻は燃やしてやる!ふな”~~~~~っ!」
    「い、いやいや!燃やすのは待ってください。今、何かアイデアを考えます。うーんうーん……」
    しばらく唸ったあと、学園長はポンと手を鳴らした。

    「そうだ!エキシビジョンマッチで特別参加枠というのはいかがです?トーナメント本戦が始まる前に、余興として行えば問題ありません。きっと目立ちますよぉ~!」
    「目立てるんだったらなんでもいいんだゾ!やった~!
    !テレビで大活躍するオレ様を見て、スカウトいっぱい来ちゃうかもなんだゾ!」
    グリムが小躍りして喜ぶが、その一方で勝己の眉間には深い皺が寄っていく。

    「マジフトのチームは7人だろ。補填の選手はどうすんだよ。対戦相手も今から用意できんのか?適当言ってんじゃねェだろうな」
    「補填選手……う~ん、どうしましょう……それから対戦相手は、教師でチームを急造するしか……」
    「「話はきかせてもらったぜ」」
    学園長の杜撰な案は実現性に乏しく、あわや話が流れそうになったところで、元気な声が二人分響いた。

    「エース君、デュース君!」
    「その助っ人の件、僕たちが請け負おう!」
    二人は結局ハーツラビュル寮の代表には選ばれなかったから、ここで活躍してやるぜ、といった野心に溢れた笑顔を浮かべていた。

  • 154124/11/03(日) 20:09:46

    「なに言っとんだ。テメェらはハーツラビュル寮生だろうが」
    「うん……。気持ちは嬉しいけど、オンボロ寮の代表にはなれないんじゃ……」
    「大会のルールに『他の寮のチームに入っちゃいけません』なんて書いてねーもん」
    エースがなにやらみみっちいことを言い始めたが、リドルが黙ったあたり本当のことらしい。完全にルールの穴をつきにきている。
    「ははっ!そんなこと考えたこともなかったけど、そう言われてみれば書いてないな」
    参ったなあ、というようにトレイも破顔した。

    「対戦相手がいねぇなら、俺たちサバナクローが相手になるぜ」
    「ジャック君!?」
    ジャックがレオナとラギーを連れて出久たちの方に歩いてきた。
    「教師チームが相手なんて、ママゴト丸出しだろうがよ」
    「ジャック君、ありがとう!」
    「か、勘違いすんじゃねぇ。借りをさっさとチャラにしちまいたいだけだ!いいだろ。先輩がた」
    「はぁ~。ただでさえヘトヘトだっつーのにもう1試合増やそうってか。ジャックくん、鬼ッスね……」
    「あ”~。もう面倒くせぇ。まとめてかかってこいよ、草食動物ども」
    ジャックたちのやり取りを聞いていたレオナが、取りまとめの一声を発する。

    「エキシビジョンっつっても、接待試合はしてやらねぇからな。覚悟しておけ」
    体がボロボロなことを悟らせないくらいの不敵な笑みを浮かべるレオナは、どこか吹っ切れたような爽やか雰囲気を纏っていた。

    補填選手はオンボロ寮のゴーストを呼ぶ流れになった。
    「……ゴーストは三人いるから、かっちゃんは見学しててもいいんだよ?」
    「だーれが見学なんかすっかよ!テメェが出るなら俺も出る!!テメェにだけ良い顔させっか!!」
    「……具合悪くなったらすぐにベンチに下がってもらうからね」
    「なんだァ、偉そうに」
    「監督生は僕なんだから、キャプテンも僕だよ。キャプテン命令!」
    「ア“ァン!?」

  • 155124/11/03(日) 20:17:53

    「では早速会場へ……っと、その前に。みなさん、足元に黒い石のようなものが落ちていませんか?」

    学園長の言葉に、出久たちは地面をキョロキョロと見渡したが、黒い石は見当たらなかった。

    「いえ……見当たらないなら結構です。さあ、コロシアムへ急ぎましょう」


    いざ、マジカルシフト大会へ。


    ***



    鏡を抜けた先、ナイトレイブンカレッジのコロシアムは、観客で埋め尽くされていた。

    テレビのカメラが何台も並び、マイクをもった沢山の記者たちが将来のスターを発掘せんと前のめりになっている。


    「テレビに出ると思うと緊張するな……。ミドリヤとバクゴーは……」


    *緊張レベル

    出久 dice1d100=70 (70)

    爆豪 緊張してない(自動決定)

  • 156二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 20:24:25

    デクくんガチガチか

  • 157二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 20:31:09

    かっちゃんは「むしろアガるわ」状態なわけだな

  • 158124/11/03(日) 20:37:02

    「テメェなんでそんなカチコチになっとンだ。全国中継されんの初めてじゃねェだろ」

    「そうなんだけど……雄英の体育祭のときみたいに事前対策してたわけじゃないから、どんな失敗するかと思うと……」

    「えっ、全国中継初めてじゃねーの!?」

    二人の会話に聞き耳を立てていたエースが大げさに驚いた。


    「うん、実はね。メディア対応の授業とかも受けてはいたんだけど……」

    「早よ慣れろや。そのうちテメェんとこにマスコミがわんさか来ても知らねェぞ」

    「バクゴーはめちゃくちゃ慣れてるな……」

    「ったりめーだわ。あんなもん気にするだけ無駄だ」

    勝己はメディアに騒ぎ立てられることに辟易するくらい慣れている。

    雄英体育祭や仮免取得直後のヴィラン捕獲といった名誉のインタビュー(あの優勝は不本意だったが)もあれば、ヘドロ事件や誘拐からの神野事件で全国ニュースであることないこと好き勝手に放送されたこともある。

    流石に天空の棺戦の直後は雄英に守られて出久ともどもメディアに追い回される事態にはならなかったが、いつモラルのない記者がデクのもとを突撃してくるかは分からない。

    とにかく、勝己はメディアをいちいち気にしているなんて馬鹿らしいという境地なのだ。もとより飾った振る舞いをする質でもないが。


    「……それに、ここは異世界なんだ。どうせすぐに俺たちはいなくなる。どんな映像撮られようと、何も気にすること無ェだろ」

    「そうか。そうだよね」


    ピーッ!と試合開始を告げるホイッスルが鳴る。


    雑談はここまでだ。


    「この俺が相手してやるんだ。簡単にくたばるなよ?」

    レオナ率いるサバナクロー寮チームが立ちはだかる。


    「いくよみんな!やるなら全力だ!」

    「「オォーッ!!」」


    *マジフトの結果

    オンボロ寮チーム dice7d100=70 41 48 59 61 59 9 (347)

    サバナクロー寮チーム dice6d200=159 93 99 160 8 179 (698) + dice1d3000=2495 (2495) (レオナ)

  • 159124/11/03(日) 20:57:10

    夕方、保健室。

    「あっ、かっちゃん!やっと目が覚めた!」
    「……あ?」
    勝己が目を開けると、目を真っ赤に腫らした出久がこちらを見下ろしていた。他にはグリムとエースとデュースと、サバナクロー生徒たちがいるようだ。
    周りを見渡せば、数台のベッドが並んでいる。どのベッドも脚の部分が浸水していた。

    「……ここはどこだ。……なんだこの水」
    「ナイトレイブンカレッジの保険室だよ。覚えてない?」
    「あー……頭いってェ……」
    思い出そうとしたが、勝己の頭がズキズキと痛みを訴えた。

    「後半試合が始まってすぐ、お前急に血ィ吐いてぶっ倒れて頭打ったんだけど、覚えてない?ミドリヤ、試合そっちのけで号泣して大変だったんだぜ。床の水、これぜ~んぶミドリヤの涙だから」
    「かっちゃん、全然目を覚まさないから、打ちどころが悪かったんじゃないかと気が気じゃなくて……!なんであんなになるまで無茶したんだよ!具合悪くなったらベンチに下がってって言ったのに!!」
    SPLAAAAASH!と出久の目から滝のような涙がドバドバ流れ出る。ベッド下の水位がまた上がったような気がした。

    「てなわけでお前が寝ててミドリヤがつきっきりになってる間に閉会式もとっくに終わって、もう会場の撤収作業始まっちゃってるよ」
    「あ”あ”ッ!?じゃあ試合は……」
    「僕たちの棄権だよ」
    「~~~っ、クソがああああッ!!勝手なことしてんじゃねえ!!最後まで勝負捨てンじゃねえよ!!!」
    「かっちゃん叫ばないでよ!安静にして!!」

    「……起き抜けにあんだけ叫べるなんて、すごいタフネスだな」
    「オレには絶対無理。っていうかアレ、頭の血管いつか切れるでしょ」
    それなりに重症だったにも関わらず、元気に叫び散らかす勝己の姿に、エースとデュースがゾンビを見るかのような目でドン引きした。

  • 160二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 21:39:34

    全国どころか全世界放送されてた男どもなんだよなあこの二人…

    あと、エキシビジョンマッチのレオナ、ほんまにオーバーブロットしたやつの数字か????ってなるな…強すぎる…

  • 161二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 21:58:09

    >>148

    ヒロアカ世界がほとんどグレーなら

    ツイステ世界は白地に黒のドット柄

  • 162二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:05:23

    雄英の隠蔽は根津校長らが慎重に検討した上で止むを得ないと判断された場合に行われる感じだろうけど、NRCは学園長のディア・クロウリーが初手でとりあえず隠蔽するタイプだから、隠蔽の質が違う気がする
    隠蔽の質って何だ

  • 163二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:09:02

    ディア・クロウリーが登場するだけで雄英教師陣の株が上がり、喋ればさらに雄英教師陣の株が上がっていくシステム草なんよ

  • 164二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:09:17

    ヒロアカ世界のマスコミの民度低いからな
    ヘドロ事件も神野も普通の人がかっちゃんの立場で取り沙汰されたら鬱になって引きこもりになっても全然おかしくないレベル

    最終回でデクが年少には実在したかどうかさえあやふやな都市伝説みたいな存在になってたのは、雄英と公安が相当大事に守ったんだろうなって思う
    無個性に戻った救世のヒーローなんて、名を上げたいヴィランからすると美味しすぎる餌だし

  • 165二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:15:38

    涙の量が多すぎへん?の気持ちとまあキミやったらそれぐらいの涙の量出てもおかしくないわな…の気持ちになってる

  • 166二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:25:48

    だってディア・クロウリーだし…

  • 167二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:26:04

    >>162

    自己保身か他者守護か

    悪意があるか否か

  • 168124/11/03(日) 22:43:42

    「そういえば、僕ずっとここにいたから試合本戦がどうなったか全然知らないや。どこが優勝したの?」
    「優勝はディアソムニア寮だ」
    出久の質問に答えたのはレオナだった。声がする方を見てみれば、勝己のようにベッドに寝かされている。その隣のベッドで寝ているのはラギーだ。
    話を聞く限り、ディアソムニア寮と当たるまでの試合でリンチにあってボコボコにされたようである。保健室に担ぎ込まれた決定打はディアソムニア寮との試合のようだが。

    「噂には聞いてたけど、マジでディアソムニアの寮長ハンパなかったわ」
    「ああ……凄かったな。ミドリヤとバクゴーも見たら驚くはずだ」
    「アレに勝てるイメージ湧かないのはわかる……って思っちゃった」
    エースとデュースががっくりと肩を落とした。見ているだけで自信を失ってしまうような試合が繰り広げられていたらしい。

    「ハッ。負け犬の考え方だな。勝ちに食らいつけねェ奴は、一生勝てねぇままだ」
    「バクゴーに同意だ。挑む前から負ける気でいたら、勝てるもんも勝てねぇよ。俺は来年は絶対ディアソムニア寮に勝ってみせる。卑怯な手を使わず、俺の全力を尽くしてな」
    「うん、頑張ってジャック君!」

    「フン。卑怯な手だって、自分の力のうちだろ?」
    「あ?まだ懲りてねぇのかよクソライオン野郎」
    「懲りる?どこに懲りる必要が?今年の大会は、俺なりに全力を尽くした。来年もまた、勝つために全力を尽くすだけだ」
    「……レオナ先輩。また人を傷つけるようなことを企てたら、そのときは―――」
    出久の周囲の温度が数度下がる。今回の事件、幸いにも被害が軽く済んだからいいものの、到底許せるものではないのだ。

    出久の鋭い視線に、レオナは冗談だろ、とでもいうように肩をすくめた。
    「はいはい。兎のくせに随分口うるさい奴だな」
    「僕はウサギじゃないです!からかわないでください!」

  • 169二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:53:22

    子兎から兎にランクアップしてるw

  • 170124/11/03(日) 23:11:53

    「あーーっ!おじたん!やっと見つけた!」

    突然、保健室に小さな子どもの声が響き渡った。

    入口の方を見ると、赤毛のライオンの獣人の男の子が走ってくる。

    「あ~……クソ。うるせぇのが来た」

    男の子はレオナおじたん!と叫んで、突進するような勢いでレオナに飛びついた。


    「この毛玉は兄貴の息子のチェカ。…………………俺の甥だ」

    「「お、甥~~~~~~~~~~!?」」

    「ってことは、これが王位継承権第一位の……?」

    夕焼け草原の一市民であるラギーからすればその子どもは本来雲の上の存在なのだが、レオナにじゃれつく様子はわんぱくな小僧そのもので、ラギーの大きな耳が困惑で横に倒れた。


    「おじたんの試合、カッコ良かった!今度帰ってきたら、僕にもマジカルシフト教えて!」

    「わかった。わかったから、耳元で大声出すな。お前、お付きのヤツらはどうした?今頃泡食って探してるぞ」

    「おじたんに早く会いたくて、みんな置いて来ちゃった。えへへ」


    「人騒がせなガキだな」

    「護衛の人たちは気が気じゃないだろうね……」

    ヒーローは護衛する側の存在なので、レオナ会いたさに飛び出してきたチェカの行動には複雑な気分だ。


    *出久 チェカへの好感度 dice1d100=19 (19) (最低保証50)

    *爆豪 チェカへのゾワムカ度 dice1d100=28 (28)


    「ねえねえ、おじたん!次いつ帰ってくるの?来週?その次?あっ、僕のお手紙読んでくれた?」

    「あー、何度も言ったろ。ホリデーには帰……痛っ、おい、腹に乗るな!」

    「プッ……あはは!こりゃ大物ッスわ」


    チェカに戯れられているレオナの姿に、保健室が和やか笑いに包まれる。レオナの内心は複雑だろうが、チェカの懐きぶりをみると、愛憎入り混じった状態で嫌いになりきれない状態なのだろう。

    いつか、レオナの蟠りが解けるといいな、と出久は心の中でそっと祈った。


    「てめーら笑ってんじゃねぇ!後で覚えてろ……!」

  • 171二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 23:40:50

    チェカに結構好印象な出久
    グリムにちょっと似てるからかな?

  • 172二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 07:49:55

    最低保証だから元気な子だなぁくらいなのかな
    チェカくんかわいいよ、でも脱走は程々にしてあげてね、ヒーローとの約束だ!

  • 173二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 08:12:12

    いつも思うがチェカくんのレオナおじたんへのなつきっぷりはまじでそれなりにちゃんと可愛がってるが故のなつきっぷりよなあ

  • 174二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 17:22:05

    事情を知らないNRC生からすると、一見デクくんがかっちゃんに過保護な幼馴染に見えるのおもしろいな。時々吐血するからまあ体弱いんだろうな、過保護になるのは仕方ないかなとある程度は思われてるかもしれないけど、よもや一回心肺停止までしてるとは誰も思わんだろう…

  • 175二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 17:24:50

    そりゃリリアみたいな特例でもない限り、プロの大人でさえ心が折れるようなガチ内戦の最終決戦に学徒動員とか経験しないし……

  • 176二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 17:53:52

    緑谷爆豪にとっての青山君裏切りって、エーデュースにとってのジャックorエペルorセベク裏切りみたいなもんか

  • 177二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 18:21:14

    同寮のよく喋るハーツ一年生、なんなら同室生徒(ツイステ一年生は四人部屋)が裏切ってた、もありそう

  • 178二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 19:28:29

    チェカから見たレオナおじたんって、幼少期の出久から見たかっちゃんみたいな存在なのかもね
    少しくらい雑に扱われても気にならないくらい、なんでもできて物知りで凄くて鮮烈な憧れの存在

  • 179二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 19:28:36

    ハーツ一年生は四人部屋(スートが4種類だから)
    だと思ってたんだけど、一年生はどの寮も四人部屋なんだっけ?

  • 180二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 19:34:17

    >>179

    確か、ジャックの今年の誕生日パソでも4人部屋の描写あったはず……(実際に持ってないので、確定情報じゃないのですみません)

  • 181124/11/04(月) 21:32:50

    その夜、ナイトレイブンカレッジの校医の判断で勝己は一晩保健室預かりの身となった。

    何かあった際に医療魔法を使える人が傍にいた方がいいだろうと出久は賛成したし、意外にも勝己も素直に従った。

    おそらく、いくら洗濯して天日干ししてもカビくさい上に綿が潰れていて寝心地の悪いオンボロ寮のベッドよりも、清潔でパリッとした保健室のベッドの方が快適だというところだろうが。


    グリムと二人でオンボロ寮に帰った後、出久は勝己の着替えを届けに行き、またオンボロ寮に戻った。


    「グリムただいま~。……あれ、グリム?」


    出久がオンボロ寮に帰ったとき、明かりがついていなかった。

    シャワーを浴びるように言いつけていたから、てっきりもう上がって談話室でゴロゴロしているものだと思っていたのだが。

    シャワー室に誰かがいる気配はない。


    *グリムは… dice1d2=2 (2)

    1.寝ているだけだろうから、先にシャワーを浴びる。

    2.心配なので真っ先に探す。

  • 182124/11/04(月) 21:39:32

    「グリム、返事をして!グリム!」


    グリムは小さな子供のようにものの分別がついていない危なっかしいところがある。何かがあってからでは遅いので、出久はオンボロ寮の部屋を片っ端から開けてグリムを呼んだ。



    「――グリム?」


    大きな鏡のある、出久たちが寝室に使っている部屋にグリムはいた。

    明かりもつけないままの真っ暗な部屋で、グリムは獣のように背を丸めてうずくまっていた。


    *出久 グリムの食事現場を dice1d2=1 (1)

    1.見た

    2.見ていない

  • 183124/11/04(月) 21:53:48

    「むしゃむしゃ……ゴクン。……なんだ、イズクか」

    「グリム、なにか食べてるの?」

    「フン。もう全部食べちまったから、オメーの分はねぇんだゾ!」

    グリムは苛立ったように眉間を寄せた。それは普段愛嬌のあるグリムがすることがない、威嚇の表情だった。


    「グリムの分を取ったりしないよ。……変なもの食べてないよね?お腹こわしたら大変だよ」

    「食べてないんだゾ!さっさとあっちいけ!」

    「……わかった、信じるよ。お風呂に入ってくるね」


    いつになくトゲトゲしい態度のグリムに追い返され、出久は少し悲しい気持ちでシャワーを浴びた。

    そんな出久の気持ちなんて知ってか知らずか、出久が髪を乾かして寝室に戻ってくる頃には、グリムはベッドの上ですぴすぴと寝息を立てていた。


    「おやすみ、グリム」


    可愛らしい毛並みをひと撫でして、出久も横になる。全力で動いた体は思ったより疲労がたまっていたようで、出久の意識はあっという間に眠りに落ちていった。



    ***



    しん、と草木も寝静まる夜更けの頃、出久はまぶたにかかる光が眩しくて目を覚ました。重いまぶたをなんとか開くと、その光は大きな鏡から溢れていた。


    「―――……これも夢?」


    出久はふらふらと鏡に近寄る。ぼんやりした意識の中、鏡の向こうに出久自身とは違う影が映ったような気がした。


    その夜の記憶は、そこで途切れている。


    *出久 夢への違和感 dice1d10=2 (2) +37

    *第二章をクリアしました。

  • 184二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 21:55:28

    グリムがデクくんを警戒したのは黒い石?みたいなのを食べてたからかな

    二章クリアおめでとうございます

  • 185二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 22:05:14

    二章クリアおめでとうございます!!!!!!マジでめちゃめちゃ描写丁寧でめっちゃ好きです!!!!!今後も楽しみにしてます!!!!!!

  • 186124/11/04(月) 22:14:49

    章終わり恒例のダイスタイム挟みます


    *オンボロ寮の掃除の進捗(現在値36) dice3d10=6 9 2 (17)

    (ジャックが詫び代として手伝ってくれました)

    *雨漏り修繕率(現在値33) dice1d50=50 (50)

    *図書室探索進捗(現在値5) dice1d20=10 (10)


    *好感度変動

    出久→エース(現在値53) + dice1d50=21 (21)

    出久→リドル(現在値44) + dice1d50=17 (17)

    出久→ケイト(現在値64) + dice1d50=35 (35)

    出久→ジャック(現在値34) + dice1d50=32 (32)

    リドル→出久(現在値36) + dice1d50=44 (44)

    ケイト→出久(現在値66) + dice1d50=42 (42)

    レオナ→出久(現在値18) + dice1d50=47 (47)


    爆豪→エース(現在値19) + dice1d50=16 (16)

    爆豪→リドル(現在値47) + dice1d50=10 (10)

    爆豪→ケイト(現在値79) + dice1d20=6 (6)

    爆豪→ジャック(現在値14) + dice1d50=3 (3)

    ケイト→爆豪(現在値71) + dice1d20=16 (16)

    ジャック→爆豪(現在値56) + dice1d50=11 (11)


    好感度変動の対象と上限値はスレ主の匙加減で振ってます

  • 187124/11/04(月) 22:31:39

    次のパソストのメンバー 


    *dice3d8=6 2 1 (9) (オクタヴィネル3人になったら振り直します)

    1.リドル

    2.ラギー

    3.アズール

    4.ジェイド

    5.フロイド

    6.カリム

    7.ジャミル

    8.シルバー

  • 188二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 22:31:50

    好感度変動のダイス運でもデク自身も先輩方からも値は大きいのにかっちゃんが低いのすごいな

  • 189二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 23:00:35

    レオナがデクくんを気に入ったの
    子兎→兎の呼び方で分かったし納得

  • 190二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 23:23:59

    二章おつかれさまです!
    この世界線の二人にタマーシュナ・ムイナ行ってほしいな 百獣の衣装絶対似合う
    露出度高いけど傷痕も様になるような戦士の衣装だし、二人の筋肉美を全面に出しに行ってほしい

  • 191二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 23:42:38

    >>189

    エペルとかグリムみたいに自分を慕ってる後輩には別寮でも面倒見るとこあるしね

  • 192二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 00:30:06

    2章お疲れ様でした!
    スレ主さんのキャラ描写がすごく上手いので次のオクタヴィネルがどうなるか今から楽しみです!

  • 193二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 08:28:42

    2章お疲れ様でした!
    おさななの合体技で胸が熱くなった

  • 194二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 12:40:45

    さーて、次は期末テストかぁ……二次創作で友情破綻することたまに見るけど、どうなるかな?

  • 195二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 13:34:26

    pixb監督生でよく見かけるのはテストでズルしたイソギンチャクどもの尻拭いにキレるパターンだけど
    おさななの場合、アズールが顔面金●と類似のユニーク魔法で調子乗ってるのは目にあまるわな
    特にデクは与一が兄さんを導けなかった悔いてたの知ってるし

  • 196二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 20:58:39

    2章クリアお疲れ様です!
    感情ツイステッド幼馴染vs感情ツイステッド幼馴染、楽しみだ

  • 197二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 21:02:06

    二人とも定期テストそこそこの点数取れそう

  • 198124/11/05(火) 21:08:05
  • 199二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 21:28:09

    立て乙です!
    3章楽しみにしてます!

  • 200二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 21:32:42

    おつ

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