ニ十歳越えて今さら夢野久作読んだ

1二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 23:48:48

すごい（語彙力の死）
夢野久作ワールドが脳みそにこびりついて離れない

チャカポコ　チャカポコ
アハハハハハハ………

備忘録も兼ねて感想を書いていきます。もし「これも面白いよ」っていうのがあったら教えてくれたら嬉しいです

2二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 23:51:41

読了したのは

死後の恋
少女地獄
木霊
氷の涯
難船小僧
瓶詰地獄

3二次元好きの匿名さん24/10/26(土) 23:59:40

少女地獄「何でもない」

姫草ユリ子って名前からしてもう凄い　
でも犯した罪自体ははっきり言ってかなり稚拙だし、別にそこまで罪深いわけでもない。むしろ周りの大人たちが狂奔したせいでどんどん事が大きくなってしまったっていうか……。なんか彼女に対して同情的な語り手もちょっと鼻につくところさえある

「何者かになりたいけど、何になりたいか分からない」まま死んでしまった少女の話だと自分は思った

4二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 00:06:45

少女地獄「殺人リレー」①

個人的にはこれが一番好き
親友の仇をとるつもりで、危険な香りのするバス運転手の恋人になるけど、彼に普通に愛されて普通に愛してしまう自分に気づく主人公

「これから先ドレぐらい続くかわからない長い長い新高さんとの同棲生活のコースが、希望も何もない灰色にズーッと続いているのが見えて来たの。昔の通りの平凡なトミ子の心に……それがただ人妻となっただけのトミ子の心に帰りそうになって来たの」

この言葉が刺さった。ハンサムな男に愛されて幸せな家庭を築けそうだし、それが満更でもない。でも、「あ、私の人生はもうずっとこんな感じなんだ」っていうゴールが見えちゃったときの絶望感がこっちの胸にも迫る

5二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 00:23:48

少女地獄「殺人リレー」②

「シマッタ。ヤラレタ……ツヤ子の怨みだ……畜生……ツヤ子だ、ツヤ子だ、ツヤ子だ」
個人的には、新高は別に殺人鬼じゃなかったんだろうと思う。運悪く女車掌を死なせてしまっただけかもしれない。でも彼自身が「俺が殺してしまったんだ」と信じてしまったのかもしれない

そして主人公の最後の独白
「妾は新高さんと夫婦心中をしてみたかったのです。そうして出来るなら自分だけ生き残ってみたかったのです。」

これがすごく哀しかった。何者でもないまま終わりたくなくて、出来る事なら悪人を成敗するヒーローになりたくて、でもそのせいで愛する人を死なせる「悪人」に自分がなってしまった。最初の手紙では慎ましく生きていくことが幸せだと友達に語ってたのに……

6二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 00:40:01

少女地獄「火星の女」①

あまり話題にならないけど、一番強烈な話だと思う

「私は、校長先生と御一緒に、腐敗、堕落しております現代の自分勝手な、利己主義一点張の男性の方々に、一つの頓服薬として「火星の女の黒焼」を一服ずつ差し上げたいのです。黒焼流行の折柄ですから万更、利き目のない事は御座いますまい」
「男性の横暴……男性にだけ許されている悪徳に、一つ思い切った反逆をして見せて世間の人をビックリさせてみたくなったのです。女性のための五・一五事件を起して、この世界が男性のためばかりの世界でない事を思い知らせてみたくなったのです」

これを遺書として書き残す少女の痛快さと恐ろしさ。そしてこんな最期を迎えるしかなかった哀しさ

7二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 00:40:52

保守

8二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 00:43:48

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>>10

9二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 00:44:33

夢Qなんて20代で読んでない人間がほとんど（自分も含む）なんだからすげえよスレ主

10スレ主24/10/27(日) 00:46:27

>>8

あにまん掲示板だと文学愛好者ニキネキがたくさんいるから、夢Qはもはやあにまん民の必修科目なのかと……

でもそういうのを抜きにしても面白いわ　読んでよかった

11二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 02:05:34

瓶詰地獄は大学生の頃読んだけど、うへえ！？なんだこの世界観の作者は！？と思った
あれ冷静に読むとあえて矛盾だらけに書かれた作品なんだけど本当に何のためにあの手紙は書かれたんだろう…

12二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 02:14:00

おすすめならもう死ぬほどある
『白くれないの花』、『鉄槌』、『支那米の袋』、『煙を吐かぬ煙突』……

13二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 13:20:37

保守

14二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 13:45:58

おどろおどろしい作品が多いが作者はいたって真面目な人だったらしい

15二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 15:20:36

ドグラ・マグラとルルとミミしか読んだこと覚えてない
少女地獄も中学生の頃に多分読んだんだけど内容全然覚えてないな…
また読みたいとも思うけど気力が…

16スレ主24/10/27(日) 21:35:05

少女地獄「火星の女」②

「あれが片付かんと、妹二人を縁付ける訳に行かんからのう」
「そうですねえ。いっそのこと病気にでもなって、死んででもくれればホットするのですが、あれ一人は一度も病気もしませんし……」

これが親が子供に対して言う言葉かよ……

実の親からこんな扱いを受ける少女が、外面だけは立派な校長にほだされてしまうのも「お互いにタッタ一人の淋しい気持は、わかり合っておるのですから……」っていう一言がきっかけっていうのもすごく切ない。こんな言葉に絆されてしまうほど、歌枝さんは孤独だったのか

それでも彼女が命を懸けて成し遂げた復讐劇は、変な言い方かもしれないけどスカッとする。「何者でもない小娘」扱いをされてきた子が、自らの力を存分に発揮してこの世の悪人どもを成敗したっていう話が最後にきてるのもいい

>>17

17スレ主24/10/27(日) 21:45:17

>>16

夢Q本人が、父の後妻に疎まれて（恐らく遺産関係で）精神病院にぶちこまれそうになったことがあるらしいって話を聞いて、さらにしんどかった

歌枝さんのように「誰も自分を必要としてくれない」っていう孤独な気持ちが久作先生にもあったのかもしれない

18二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 22:00:03

よかったら「人間腸詰」も読んでくれ
作者お得意のどぎついホラーサスペンスだが短編だし淡々とした語り口とテンポの良さで読みやすい
それに当時の世相や風俗習慣も楽しい

>>19

19二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 22:11:12

>>18

出てくる双子姉妹が今のアニメにも出てきても問題ないくらいキャラたってるよね

20二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 23:16:24