- 1二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:05:28
- 2二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:05:56
- 3二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:06:21
わーい図書館だ
- 4二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:07:56
導入
___________________________
ここはキヴォトス、様々な学園が集う学園都市です。そして、学校と言うものにつきものなのは図書館! 外の世界は法律で設置が義務だったりしますが、今回のお話は学校図書館ではありません。
舞台は、ここ! DU近郊にあるシラトリ区立図書館。そう、公共図書館です!
そして私はその図書館の司書、花鏡 ヒジリと申します。
先生さんのように胸を張って大人とは言えませんし、どんなことでも導いてあげることはできませんが、探している本ぐらいになら導けるように頑張りますので、よろしくお願いします!
あら、さっそく本日最初の利用者さんがいらっしゃったみたいですね。 - 5二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:09:11
十一冊目 ペンに愛着とお手入れを
お久しぶりです。少しの間休暇をいただいていた司書の花鏡ヒジリです。今日から営業再開ですよ。では、さっそくお仕事をしていきましょう。
「───ペンの使い方ですか?」
「うん、これもう使われてなかったみたいなんだけど、使いたいなって」
白いフードを被ったお嬢さんは、ポケットから一本のペンを取り出しました。全体的に黒く、クリップやちょっとした部分の装飾に鈍い金色が使われたペンです。クルクルとキャップを回さなければ開かない仕組みを持つペン。まぁ、何てお呼びすればいいかは分かりますね。そう、万年筆です。
傷もあって、ちょっと歴史を感じるものですが、材質自体はプラスチックのようで、そんなに高いものでもないようですが、まぁ、お願いは鑑定では無いですからね。 - 6二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:09:31
さて、万年筆は今でも使う人が居る道具ですし、使ってみたいと思う人も多いですよね。ですから、珍しいものではありますがMOOK───マガジンとブックの間の様な書籍のことです───で万年筆とインク付きで売っていることもありますよ。図書館では付録メインの物は購入することが少ないですが、本屋さんではそういうのが売っていることもあります。
また、インクに美術的価値を見出した方やイラストで使う方もいらっしゃるので、実は結構使い方についての本はあるんです。
まぁ、そんな解説が必要な程お手入れだったりインクだったりが色々あるということでもあるのですが……え? なんでこんなに色々知ってるのかですって? 私も憧れて数本手に入れたことがあるので、語りたいことが多いのです。 - 7二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:09:49
さて、お話を戻しましょう。
本の分類は、589.73です。この分類は文房具を表します。ピッタリですね。他だと傘とか服とかが589の分類に居ますよ。
というわけで、そちらの書架に行きましょうか。
「ふふっ」
「どうされましたか?」
移動中に小さく笑い声が聞こえ、私は振り返りました。フードの奥に見えるお嬢さんは、臙脂色の瞳を小さくして、しまったというような表情をしました。 - 8二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:10:02
「なんでもないよ。ただ、さっちゃんの言う通り、なんでもパッと見つけてくれるんだなって……」
「あ~……本当は調べないといけないんですけど、思いあたるものがある時はそれを選んで、違うって言われたら調べればいいかなって……いえ、けして利用者の方のお願いを軽く考えてるっていうわけでも……」
「……さっちゃんが言うより、ちょっと大人っぽくて子供っぽいかも」
「……それ、どういう評価なんですか?」
「ひみつ♪」 - 9二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:10:13
えぇ、人間ですもの、自分の働きがどんな評価を受けているかは気になりますよ? 分かりやすいとか、いい本に導けたとかモチベーションになりますし……しかし、さっちゃんとは誰なんでしょうか……? 私がお手伝いしたことある子なのでしょうか? ひとりひとり名前を尋ねているわけでもありませんし、わからないですね。
- 10二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:10:30
さて、そうこう言っているうちにつきましたね。NDCで5の分類の本が置かれている書架です。
書架に並ぶ背表紙から、白いフードのお嬢さんは、『はじめての万年筆とインクの本』を取り出しました。わら半紙のようなクリーム色っぽい表紙にはインクや万年筆の写真が並んでいるポップなデザインですね。
内容は万年筆の基本的な所から、お洒落なインクの話にQ&Aにお手入れの仕方や簡単なイラストの描き方なんかまで網羅した一冊です。入門書にはうってつけですね。
ありがとう。と言われた私は、そのままカウンターに戻りました。
しかし、しばらくして…… - 11二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:10:43
「……これ、写真でメモしちゃだめ?」
「あー、そういったことはちょっと……えっと、貸出カードをお作りしましょうか?」
「私も本をちゃんと返せる自信が無いから……」
カウンターに本を持ってきた白フードのお嬢さんのご相談に私は首を横に振ります。なんと説明したらいいでしょうか───無料で情報を獲得できる環境というのは、大変すばらしいものなのですが、情報を有料で提供することで日々の糧を得ている人もいるわけです。その為、出版不況の原因の一つに図書館があるという主張もあるのですが……まぁ、この話は続けるべきではないですね。
ともかく、色々な事情があって写真で撮影などはお断りしています。しかし、手が無いわけでもないのです。 - 12二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:11:12
「では、こちらの書類にご記入いただけますか? そうしましたら、こちらのコピー機で複製できますよ。丸ごと全部とはいきませんが」
「コピーはいいの?」
「きちんと監督下ですので、いいんですよ」
法律にもそう書いてあります。著作権の制限の内容の中に書いてありますからね。
確認のためにコピーするページ数と資料名、利用者のお名前をお願いしています。わざと別のページを印刷して誤魔化したりする方もいるのでね。書く内容は図書館によって変わると思いますが、職員に声をかけてから使ってくださいね。 - 13二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:11:25
「書けたよ。これで大丈夫?」
「……はい、大丈夫です。ありがとうございます。秤アツコさん、いいお名前ですね」
「ふふっ、ありがとう」
白フードのお嬢さん、アツコさんはニコッと笑いました。コピーしたのは手入れの仕方とお花のイラストの描き方が載った部分でした。お花が好きなんでしょうか?
アツコさんは、さっちゃんによろしくねと言ってお帰りになられました。よろしくということは、さっちゃんさんは、私のよく知っている人なんでしょうかね? - 14二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 12:14:13
というわけで、アツコのお話でした。
万年筆を拾ったら使いたがるんじゃないかなぁって感じがしたし、丁度良い本を持っていたので……
司書さん設定として、司書さんはあんまり人の名前を聞かないで二人称で乗り切るタイプの人です。でも、知った後はちゃんと名前の方で呼びますよ。
ちなみに早速今夜は夜勤なので、落ちる可能性大でもあります。 - 15本好きの無銘24/10/27(日) 12:32:32
書いて欲しいキャラとかも募集はしています。
現在アリス、シミコ……とかですかね。
書いて欲しいジャンルの本とかも募集しています。 - 16二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 14:36:19
同じ図書館(?)仲間としてウイとかどうなるんだろうか……組織の一部なのかまた別の部活なのか……
- 17二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 14:37:23
落としてしまってちょっと不安だったけど無事に新しいスレが建ってる!よかった(安堵)
- 18本好きの無銘24/10/27(日) 17:40:11
やっぱり図書館組は皆さん気になりますよね……わかりました書いてみます。
どっちかは書き上がるはずです - 19二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 22:46:14
保守
- 20二次元好きの匿名さん24/10/27(日) 22:51:13
ミノリをどうかお願いします
- 21二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 06:54:51
- 22二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:41:41
はい、コピーできますよ。
ただし、著作権法第三十一条の範囲内に限られます。だいたいの図書館は著作物の半分までとしている所が多いと思われます。
詳しくは「著作権法第三十一条」で検索してもらえれば分かりやすい解説があると思いますよ。
- 23二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:47:05
はい、今日も元気にいきますよ。司書の花鏡ヒジリです。ちなみに読み方はカキョウと言います。私の好きな作家と似ている名前で、風流を感じませんか?
さて、そんなことは脇に置いといて、本日の私はお休みなので、少し足を延ばしてトリニティ自治区の古書館に来ています。普段は司書としての業務で過ごす図書館を利用者側として過ごしてみましょう。
まず足を延ばす先は、文学の棚です。読みたかったものが、こちらにならあると伺ったので・・・・・・ - 24二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:47:21
「あら? おはようございます」
「ひぅ!? あっ、おはようございましゅ!」
私よりちょっと背の高い女の子が、ワゴンを押しながら歩いていたので声をかけると、彼女はびっくりして飛び跳ねました。
「あの、お聞きしても良いですか?」
「・・・・・・は、はい、何でしょうか」
「『嵐が丘』ってどこにありますか?」
「───原語版と翻訳版、どちらがいいですか?」
「翻訳版でお願いします」 - 25二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:47:34
質問良いですかには少し嫌そうな顔をされてしまいましたが、司書への質問とわかると雰囲気が変わりました。できれば、最初からあまり嫌な顔はして欲しくないのですが、もしかしたらそうなる程の何かが彼女にはあったのかもしれません。
ともあれ、私は彼女に導かれて書架の間を抜けていきます。 - 26二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:47:49
古書館というだけあって、そのどれもが古そうな資料ばかりです。縦が六十センチもありそうな本も見かけました。皮でできた装丁も多く、もしこれを修復しろと言われたら、ちょっと私にはできない物ばかりです。あ、図書館でも壊れてしまった資料の修復を行いますよ。時たま見かけませんか? ちょっと特殊っぽいテープで破れた箇所を貼り合わせてる書籍資料を。
それと、もし破れてしまったりしたら司書を頼ってくださいね。セロハンテープなどを使ってご自身で直してしまわれる方もいるのですが、セロハンは時間が経つと黄ばんでしまいますし、ネチャネチャしてしまうので、後から読む人が余計に困ってしまうんですよ。 - 27二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:48:21
閑話休題。いくらかの棚の間を通り抜け、文庫本を纏めているところに着きました。『ブ』から始まる作者の場所へ移動した古書館の司書さんは、「こっ、こちらです」と言って、手で示しました。
「エミリ・ブロンテ著 『嵐が丘』の翻訳版です」
「ありがとうございます」
見ると棚には複数冊あります。上下巻に分かれていると言う意味でもありますが、この『嵐が丘』は歌劇や映画に何度もなっている作品です。その為翻訳版も複数の出版社から出ているというわけです。
と言うわけで、私は全部書架から引っ張り出しました。司書さんが少し不思議そうな顔を私に向けます。 - 28二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:49:42
「な、何してるんですか?」
「あぁ、いっぱい種類があるので自分にあった物はどれかなと・・・・・・」
これは完全に私個人のやり方ですが、小説の文章って作者の癖が出ますし、それに対して読者は合う、合わないがあります。ですから、取り敢えず複数種類の出ている物は、最初の数ページを見て、一番合いそうな物を見つけることにしています。
あと、出版社によって文字のサイズや詰め込み方も違うので、私個人はそうでもないのですが、サイズが小さくて読みにくい人や、文字がぎゅうぎゅうで目が滑ると言う人も試してみると良いかもしれません。 - 29二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:50:10
「あの、もう一つ探して欲しいんですけど、いいですか?」
「えぁ───は、はい、どの子を探しましょうか」
「『月と六ペンス』をお願いします」
「あ、サマセット・モームですね。えぇっと・・・・・・」
「あぁ、こちらも翻訳版でお願いします」
分かりましたとスタスタ歩き始めるのに私は続きます。 - 30二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:50:32
「・・・・・・ぶっ、文学がお好きなんですね」
「はい、面白いですから」
先ほどのエミリ・ブロンテと同じ地域の作者です、一つ隣の書架に移って司書の子が本を探す間、棚の他の小説の背表紙を眺めていると、おずおずといった感じで司書の子が訊ねてきました。私がそれに答えると、きょとんとして司書の子の手が止まります。
「へぁ!? それだけですか?」
「それだけですよ?」
司書の子はさらに訳が分からないと言った表情を深めます。うーん、求められていた答えと私の答えは違ったんでしょうね。でも、正直なところ、一々そんな高尚な考えを持って本を読むのって疲れません? - 31二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:53:08
「気を悪くされたら申し訳ないんですけど、やっぱり面白そうだから読んでみたいって思うだけでも十分じゃないですか?」
「・・・・・・それはそうですが」
「勿論、学術的な興味というのも無くはないですよ? でも、やっぱり楽しいから読みたいし、面白いから好きだという始まりの衝動が多くを占めてます」
司書の子はなんだか少し残念そうな顔をしています。もしかして、文学トークでもしたかったのでしょうか。それなら、確かに私の答えは間違っていたかもしれません。 - 32二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:53:18
「・・・・・・よかったら、ちょっとお話ししませんか? 普段はD.U.の方で図書館の司書をしているんです。同業者として少しお喋りしてみたいなと思うんですが」
「あ、少し前にできたあの・・・・・・ちょ、ちょっと興味はありました。か、貸出もありますし、あっちで話しましょう」
少し嬉しそうな表情に変わってくれてよかったです。ついでにおすすめの本も聞いてみようかな。 - 33二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:53:30
ちなみに、司書の子こと古関ウイさんの誕生日と私の誕生日が同じだったことが判明しました。本の日が誕生日の司書とかもう運命だねと盛り上がっちゃいました。
「おっ、おすすめの子ですか?」
「はい、できればモームやブロンテと同郷の作者がいいのですが・・・・・・」
少し考え込んだ後、彼女は席を立って文学の棚へ歩いていきました。しばらくして戻ってきた彼女の手には一冊の本がありました。タイトルは『チョコレート工場の秘密』です。チョコレート工場と聞いて多くの人はある映画を思い浮かべるでしょう。そう、これがその映画の原作です。 - 34二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:55:42
「こ、これとか面白いかもしれません」
「これ読んでみたいなとは思っていたんですよ! ウイさん、ありがとうございます」
「あ、えっと、はい、こちらこそ・・・・・・そ、それと実は、続編があるんですよ、この子には」
「そうなんですか?」
「え、えぇ、ですから読み終わったら私のところへ来てください。その時また持ってくるので───その時は感想を教えてください」
「はい、是非」
ふふふ、映画とどこが違うんでしょうね。続編も楽しみです。 - 35二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 09:56:09
と言うわけで、古関ウイさんのお話でした。今回は分類番号とどこの文学なのかを意図的にボカしています。トリニティってイギリスモチーフですから、英米文学とするべきかトリニティ文学とするべきか迷ったからです。今まで日本の小説を百鬼夜行のものと紹介してないのに何言ってんだって話ではありますが、まぁその通りです。
嵐が丘は現在読んでる最中で、月と六ペンスとチョコレート工場の秘密は過去に読破済みですが、チョコレート工場は映画の方が印象強くて、読んだのも中学時代なのでだいぶ記憶が曖昧です。結構映画と印象が違ったような記憶はあるんですが、どう違ったかまでは思い出せません。
月と六ペンスも読んだのは少し前で、ポスト印象派のゴーギャンがモデルらしいぞ。てことは最推しのゴッホも出てくるのか?! の勢いで読み始めました。結果ゴッホをモデルとしていそうな人物は出てきました。ちょっと残念。
作品の感想としては、結構柔らかい文章だなと思いました。それと、モデルのゴーギャンらしさや史実をなぞりながらも、ゴーギャンとはちゃんと違う人物として捉えることのできるものでした。 - 36二次元好きの匿名さん24/10/28(月) 21:17:47
明日はシミコの予定です
- 37本好きの無銘24/10/29(火) 07:43:42
午前中は忙しそうなので投稿は夕方から夜だと思われます
- 38二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 17:26:16
おで、シミコ、わかんない。
だからシミコのはなしかく。
るーぷしょり - 39二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 17:31:54
あ、クソ真面目な話になりそう
- 40二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 22:32:50
出来たとこまで
_____________
十三冊目 図書館と司書と将来の話
「司書にどうやってなったんですか?」
橙色の髪をミント色のリボンでツインテールにした少女が私にそう訊ねてきました。今日は骨が折れそうだと思ってしまうヒジリです。
「私は大学に進学して、司書課程を修めて卒業しましたね。そう言った資料までご案内しましょうか?」
「それも嬉しいのですが、出来れば進学してどうだったのかが知りたいんです」
ちょっと困りましたね、私の大学時代なんて人に紹介できるような話ではないのですが……でも、後進が知りたいというのなら……
「そうですね、休憩時間にしようかと思っていたので、少しお話しましょうか」
私は彼女を誘って少し休憩することにしました。 - 41二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 22:54:15
「司書になりたいと思った理由は……たぶん貴女と同じ理由だと思います。それと、そんなに厳しい道でもありませんよ」
数冊の厚い本を差し出します。『図書館活用術』『情報サービス論』『情報資源組織演習』これは私が使っていた教科書であり、同じものが図書館の蔵書にあったので持ってきたのです。よく私が言っている分類について学ぶのは『情報資源組織演習』です。この組織というのは団体という意味の組織ではなく、組み立てること。組み立てられたものといった意味の組織です。つまり情報資源を整理して分類することですね。
『情報サービス論』はレファレンスなどの図書館でのお仕事を中心に学ぶものです。この間お話したコピー───複写サービスの話もこの中に入りますね。図書館の利用者に提供するサービス全般を学ぶのがこちらだと言えます。
『図書館活用術』こちらは私が初めて受けた授業の時の教科書ですね。タイトル通り図書館の活用の仕方が分かりやすく書かれています。図書館の入門書ですね。図書館がどんな場所かということから、情報検索や書誌情報の読み方・書き方まで色々なことが書かれています。 - 42二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 22:54:30
勿論これら以外にも多くの授業がありました。図書館の経営や運営についての授業を受けたこともありますし、児童サービスについてや、図書館の歴史について習ったこともあります。
「やっぱり、色々なことを学ぶんですね」
シミコという名前だと伺ったお嬢さんは、私の持ってきた本をパラパラとめくって目を輝かせています。
「確かに色々なことをやったなぁとは思いますけど……でも一つ一つは簡単なことですし、今こうやって頑張ってるシミコさんなら、もっと簡単だと思いますよ?」
「そうなんですか?」
「はい、今のシミコさんの仕事内容は私たちの仕事と変わりませんし、実戦経験豊富ってやつです」
聞くところによると、トリニティの図書館ではきちんと季節やイベントごとに合わせて企画をしたり特集を組んだりしているようですし、分類も覚えていらっしゃいます。図書館の司書として十分やっていると私は思いますけどね。 - 43二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 23:22:25
「あぁ、それと学校図書館で勤めるならば、ちょっと注意するところもありますよ」
「注意ですか?」
「えぇ、学校図書館は学校図書館で修めるべき授業の数が増えますよ。それに学校司書はいいですけど、司書教諭になると教員免許も必要です」
司書教諭というのは教員免許を持った司書で、学校の授業をしながら図書館の司書もします。一方学校司書は学校図書館に勤める司書で教員免許はありません。私はそちらの方面をあまり修めなかったので分かりやすい違いがこのぐらいしか述べられませんが、学校で司書をしたければ、どちらを選ぶべきかという選択もあると思います。教員課程と司書課程のある大学なら一度で取れるかもしれませんが、そうでなければ入りなおしと言うこともありますしね。
「……やっぱり、考えることがいっぱいありますね」
「ふふ、なにか行き詰まったら聞きに来てください。宿題の答えを教えることはできませんけど、答えを考える手助けはできますよ」 - 44二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 23:24:01
というわけで、シミコのお話でした。
どういう展開をすればいいのか分からないので、司書のお話をしてみました。これで良かったのかまだわかりませんが、もしも学んでみたいと思った方がいるなら頑張ってください。実生活でも結構役立つ知識ですよ。 - 45二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 09:51:06
本日はミノリさんの予定です
- 46二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 13:17:41
いやー本職って凄いんだなって思いました(小並感)
知識の量が全く持って違うし割とSS書きとしても上手いし……努力次第でここまでなれるのか…… - 47二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 13:20:58
- 48二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 13:31:14
- 49二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 13:32:59
ハハハ……どうなるんでしょうね。(働き口が少ない職業)
- 50二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 14:14:20
書けたとこまで
____________
十四冊目 闘争の中にも批判あれ
こんにちは、今日もお仕事を頑張るヒジリです。今回は久しぶりに本メインのお話が出来そうな気配がしています。というわけで、早速行きましょう。
「すまない、少し本を見繕って欲しいのだが」
「はい、お手伝いしますよ。どういったものをお探しでしょうか?」
温かそうな服にヘルメットを被った女の子。何度かD.U.で見かけたこともあります。確かレッドウィンター工務部とか言ってたような?
「あぁ、プロレタリア文学を探しているんだ。けれど有名なものは読んでしまっていてな……だから、マイナーなものが読みたいんだ」
「マイナーな物、ですか……そうですね。では『防雪林』などいかがですか? プロレタリア文学の名手の作品ですが、彼の代表作よりは知られていないと思います」
『蟹工船』は有名ですが、それ以外だと調べないとあんまり思いつきませんよね。というか、小林多喜二を学校で習ったとしても、『蟹工船』が有名とだけ言われて、内容を読んでみた人は少ないんじゃないでしょうか。私は捕まるレベルで危なかった『蟹工船』とはいったいどんなものかしらと読んでみたのですが……労働者はすごいなという感想と結構ノリで革命してるんだなって気分がしました。昔のことなのであらすじすらあやふやになってしまいましたが……。 - 51二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 14:24:35
「『防雪林』か。それは読んだことがあるんだ。労働者が大自然の中に移り住み、拓き、資本家への抵抗まで綴る、いい作品だったよ。少し読みにくかったけど、その分読み応えはあった」
「そうですか……」
ふむと、私は考えます。そう言えば、大学時代に習った内容で、『防雪林』に関連する書籍があったなと思い出しました。
「では『カインの末裔』などはいかがでしょうか?」
「───知らないタイトルだ」
「『防雪林』はこれに影響を受けて書かれたと言われています。この作品もまた舞台は北の大地、主人公は労働者です」
「それは、面白そうだな! どこにあるんだ?」
「ご案内いたしますね」
カウンターを出て、私は文学の方へ向かいました。 - 52二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 15:10:22
数日後、彼女は本を返却しにやってきました。彼女の顔は楽しそうでした。
「プロレタリアの色合いは少し薄かったが、労働者が過酷な大地を拓いていくのは良かった。それに読みやすかったからな」
「そうですね、有島武郎はキリスト教徒だったので、そちらの風味もあったかもしれません」
「そうか、だからタイトルも『カインの末裔』だったのか……しかし、労働者がテーマで、なぜ彼らがカインの末裔と題されているんだ?」
そんな風に疑問を抱いた彼女に私は一つのお話をしてみます。 - 53二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 15:10:36
「カインは罪人として昔いた場所から別の地へ移りました。恐らくそこが反映されているんですよ」
「ふむ、確かに善人とは言い難いが……だが、労働者が粗野な所は蟹工船でも描かれていたし、辛い暮らしの中では粗野になってしまうこともあるだろう? だからこそ、そんなことにならないように私たちは闘争をしているんだ」
「───えぇ、ですが『カインの末裔』と『防雪林』にはある違いがあります。『防雪林』はその地名が後からやってきた移民がつけた名で呼ばれています。それが普通だからです。でも、『カインの末裔』はかつてそこにいた者らの名付けた名前を使っています。労働者だから、圧政を受けるものだから……そんな風に自分たちが下だとしても、さらに下にいる者の存在を忘れないように───」
昔読んだ教科書の言葉を記憶だよりに引きながら、それっぽく語ります。えぇ、自分の知識を披露したくなってしまっただけです。ですが、疑問には答えられたと思います。 - 54二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 15:10:46
「……あぁ、私もまだまだだな。反省しないと」
目から鱗が落ちるとはこういう顔をしているのかもしれません。ぱちくりと開いた眼で、工務部を束ねる彼女は、反省を口にしました。
「また、来ることにするよ。今日はありがとう。相手だけでなく、自分たちの中にもブルジョワジーの芽が出ていないか常に批判することも大事だと気づかされたよ」
そして、もう一度ありがとうと言って、彼女は図書館の出入り口の方へ向かいました。 - 55二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 15:13:32
というわけで、ミノリさんのお話でした。
今回は『大学生のための文学レッスン 近代編』にて書かれていた内容をもとに書いたお話です。こんなにも都合のいい展開が書ける内容があっていいのですかと思いながら書いてました。
勿論これも解釈の一つなので、実際のところは分かりません。ですが、確かにそうかもしれないと納得できそうな所ですよね。 - 56本好きの無銘24/10/30(水) 19:22:36
さて、明日は誰を書きましょうか
- 57二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:20:27
保守
- 58二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:22:50
いっそのこと団体アリウスモブとか……?(エデンの時に脱走してたってことで)
- 59二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 23:25:55
- 60本好きの無銘24/10/31(木) 09:28:48
- 61二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 18:45:33
本の方のリクエストもあるんだ・・・
- 62二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 19:01:32
私が用意できるものだけですけどね……
- 63本好きの無銘24/10/31(木) 20:35:06
本日の更新はおそらくないです。
申し訳ありません - 64二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 20:44:03
(´・ω・`)
- 65二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 02:55:25
あすにはきちんと……
- 66二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 02:56:49
いや詰めすぎて体壊したら元も子もないですからね?ゆっくり待ってますから
- 67二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 13:09:08
十四・五冊目 万象の始まりから最新型の情報までを
_______________________
図書館とはどんな場所か、昔そんな話をしていたと思います。今回はもう少し踏み込んでいきましょう。
「図書館? そんなもの要らないだろう。そんなもの」
「教えはマダムから受けている。本を読まなくても必要な知識は身についている」
「あれは贅沢者のためのものだ、私たちにはいらない」
少し悲しいですが、図書館に良くない感情を持つ人もいます。今回はそんなお話になります。 - 68二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 13:09:25
錠前サオリがこの図書館に良く足を運んでいるという情報を掴み、私は件の図書館に足を運んでみた。軽く歩き回ってみたが奴は見当たらず、いつ来るかも分からないだろう。なるほど遮蔽物も多く、空調も丁度良い。確かに潜伏には向いているのかもしれないな。
「───なにか、お探しですか?」
「あ? 何も探し……いや、人を探している」
うろついていると職員が話しかけてきた。こんな風に普通話しかけてものなのか? まぁ、都合がいい。探してもらうか。 - 69二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 13:09:37
「人ですか?」
「あぁ、ここに最近はよく来ていると聞いた。白いコートにへそ出しインナーの変な格好をした女だ。館内放送でも何でもいい、呼び出してくれ」
「白のコートにへそ出しインナー……えっと、流石に館内放送で呼びかけなどは……見かけたらお声がけぐらいはしておきましょうか?」
ふん、使えないな。だがまぁ、来ていない者を呼び出せというのも無理な話か。奴を待ち伏せする為に、よく行きそうなところを聞いてみるか。聞くところによると奴は職員と懇意らしいしな。 - 70二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 13:09:51
「お前、知っているだろう。錠前サオリという女だ。奴はどこの棚によく行くんだ?」
「……そう言ったことはお答えできません。図書館には様々な情報がありますが、提供できない物もあります」
「チッ、本当に使えないな。”様々な”だって? じゃあ、殺し合いの方法は? 荒野で生きる方法は? そんなもの、提供できないだろう」
「自分で戦う時の術としてなら789の武術があります。組織的なものであれば391の戦略・戦術か、396の陸軍や399の古代兵法や軍学があります。 荒野での生活は786の戸外レクリエーションや369.3の災害・災害救助があります。そちらは提供できますが、ご案内しましょうか?」 - 71二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 13:10:05
反抗的な目だ。気に食わない。なるほど、広い分色んなものがあるようだ。だが、それがどうしたというのだ。読んだだけでは身につかない。実践をしなくては意味が無いだろうに。
「要らん。こんなものに興味なん───」
「やめなさい。貴女にとってはつまらないものでも、面白いと感じる人もいるのよ」
本棚の中身をばら蒔いてやろうと手近な棚に手を伸ばそうとした瞬間、私の手を誰かが掴む。黒い革手袋の小さい手。だが、その力は強くピクリとも動かせない。 - 72二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 13:10:17
「貴様はゲヘナのッ!」
「……あぁ、貴女見覚えがあるわ。確か調印式であったわね?」
白の長髪と軍服チックな制服。ゲヘナの風紀委員長がこんなところにいるだなんて聞いてないぞ!
「すみませんが、ここで揉め事はご遠慮願います」
だ、そうだけど。という目でゲヘナの風紀委員長がこちらを見上げる。
「~ッ! もういい、時間の無駄だ!」
力の抜かれた手を振り払い、出口に向かう。外まで追ってくるかと思ったが、そう言うことは無かった。
風紀委員長がいるなんて想定外だった。二度と来るかこんなところ。 - 73二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 13:42:47
そういや今回のアリウスモブは攻撃的だったけど、中にはぽやぽやした子もいるのかな?
あと掲示板に書き込むなら最後に○○編ENDって感じで付けたほうが良いかと、感想を書き込んでいいのか迷います - 74二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 13:46:06
- 75本好きの無銘24/11/01(金) 22:14:32
月の骨は名前通り月曜に届くらしいので、明日はなにか別のを用意したいと思います
- 76二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 22:28:10
そういや図書館での有害図書の扱いってどうなってるんでしょう
- 77本好きの無銘24/11/01(金) 22:54:45
そうですね、お話にするのはちょっと難しそうなので普通に回答します。
図書館によってまちまちです。
すぐに廃棄するところもあれば、置き続けるところもありますし、一応閉架書庫に移動させるところもあります。元から指定されそうなのは置かない方針や、一旦会議でどうするか決めるところもあります。
図書館の自由に関する宣言にて検閲や言論統制には抵抗するというものがあるので、正直なところ通達を無視するか閉架書庫行きが妥当なところではないかと個人的には思ってます。
まぁ、図書館運営においても未だ論争している部分ですね。
- 78二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 09:42:34
あの壁に貼ってあるやつ結構重要な者だったんだ……
- 79二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 13:00:59
図書館の自由に関する宣言はインターネットでも見られますが、先の大戦の時図書館がしてしまった誤りを反省し、これからは変わるという宣言でもありますので、弾圧や焚書には強めの言葉が使ってありますね。
一度じっくり眺めてみてもいいかもしれません。
- 80二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 15:53:34
- 81二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 16:43:16
さて、今日はちょっと忙しかったので、更新はありません。
今夜は夜勤なので、その間に何か用意します。 - 82二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 00:44:13
このレスは削除されています
- 83二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 01:10:32
砂嵐対策にアビドスの誰かが来るとかも見てみたいね
- 84二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 09:01:34
すみませーん。ハーマンメルヴィルの『白鯨』ってありますか〜?
- 85二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 09:30:52
十五冊目 配達人の冒険譚
________________
はい、おはようございます。最初に話すネタすら尽きてきてどうしようかと思っているヒジリです。メタい? 何を今更。
最近ちょっと重たかったので、口直しに普通の紹介やっていきましょうか。
「ねぇ、ちょっといい?」
「はい、なんでしょうか?」
いらっしゃったのは大柄な生徒さんです。服装は学生と言うよりは、車掌? な感じなので、ハイランダーの生徒さんかもしれません。 - 86二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 09:31:03
「アタシね、普段は車掌やってんだけど、今度から貨物の方に異動でさ、割と待ち時間できちゃって暇なんだよね」
「なるほど、ではハードカバーで長めの物をご用意しましょうか?」
「あ~、いや持ち歩きたいし、デカいのはちょっと・・・・・・」
「そうですか、では文庫本の方にしましょうか。何かご要望はありますか? それともご自身で探されますか?」
「・・・・・・そうね、探してもらえると助かるわ」
「何かご希望の内容などはありますか?」
「そうだねぇ・・・・・・あぁ、じゃあ荷物を運んだりするのが良いな。ただし、貨物列車じゃないやつ。仕事に近いのはいいけど、近すぎるのもね?」
「わかりました」 - 87二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 09:31:16
今回向かうのは久しぶりのYAです。覚えてますか? ヤングアダルトの書架です。ヤングアダルトでえっちなものだと思った人は、1スレ目の二冊目を見てきてください。ヤングアダルトとAudioVisualの略称AVは図書館の二大えっちに聞こえるワードだとは思いますが、どっちも健全ですからね。
さぁ、そんな閑話休題は置いといて、私たちはYA書架にたどり着きます。私はたくさん並ぶライトノベルの背表紙から、緑の一冊を引き抜きました。あ、緑背表紙だからと言ってMF文庫じゃないですよ。今回は電撃文庫です。 - 88二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 09:31:29
「こちらなどいかがでしょうか? 荷物を運ぶお仕事ですが、貨物列車では無く、バイクですね」
「『オリンポスの郵便ポスト』?」
「はい、世界最高峰のオリンポス山の頂上にある郵便ポストまである荷物を届けに8635kmの道のりを行くというお話です」
「へー、オリンポス・・・・・・あれ? 世界最高峰ってエレベストじゃなかった?」
「えぇ、地球ではそうですね。オリンポスは太陽系最高峰の山なんですよ」 - 89二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 09:31:41
へぇ、といった顔でハイランダーの生徒さんは本を受け取りました。最初のカラーページを眺め、ニコリとしました。どうやら面白そうだと思っていただいたみたいですね。
- 90二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 09:31:58
さて、では皆様の為のあらすじと参りましょう。
話の大筋は先ほど言ったとおりですが、詳しく話しましょう。
舞台は火星、人類が入植を始めて早二百年。いつ頃からか、オリンポスの頂上には郵便ポストがあり、そこに投下された手紙は神様が天国だろうが届けてくれるらしいとの噂が立ったのです。誰もが夢物語だろうと分かっていながらも信じてしまうお話ですが、そこへ連れて行って欲しいという依頼人が郵政会社を訪れ、主人公がその役目を請け負い、向かうことになるのです。 - 91二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 09:32:46
途中で依頼人の昔話を聞いたり、彼が地球から持ってきたテープをかけて歌を歌ったり、時には喧嘩したり・・・・・・冒険譚と形容するのが正しいですかね? 旅行記という風味も感じます。
昔、電撃小説大賞で選考委員奨励賞を取った作品です。同期は『86』と『君は月夜に光り輝く』、それに『賭博師は祈らない』などですかね。知っている人は知っていると思います。 - 92二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 09:32:59
「あっ、そうだ。司書さん。ついでに聞きたいけどさ」
「はい、何でしょうか?」
「友達が私らに似合う良い作品だよって教えてくれたんだけどさ、『バッカーノ』って作品どこにある?」
「ご案内いたしますね」
『バッカーノ』にハイランダー要素? と一瞬考えましたが、なるほど、確かにありますね。鉄道要素も車掌の要素も・・・・・・。
ハイランダーの生徒さんはそのままそれらを借りて帰って行きました。 - 93二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 09:33:30
というわけでハイランダーモブ回でした。
今回のハイランダーの口調は私の性癖に合わせただけです他に他意はありません!
今回は完全に趣味回です。『オリンポスの郵便ポスト』と『バッカーノ』はいいぞ。
『オリンポスの郵便ポスト』はポストアポカリプスものが好きな人にも刺さる一品だと思います。
『バッカーノ』は言わずとしれた作家、成田良悟先生の作品ですね。先生の得意な群像劇をこれでもかとふんだんに使ったものですね。絡み合っていく人生というものが良く表現されていると思います。ハイランダー要素は1931年のお話ですね。 - 94本好きの無銘24/11/03(日) 14:52:32
- 95二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:23:23
明日には月の骨が届くはずなので頑張って読み切って書いてみようと思いますわ!
- 96二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 09:55:07
- 97本好きの無銘24/11/04(月) 15:17:10
月の骨届かないんですけどどうなってますの!?
- 98二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 15:31:32
- 99二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 15:34:32
- 100二次元好きの匿名さん24/11/04(月) 21:06:16
むぅ、こうなったら白鯨をとも思いましたが明日図書館休館日ですわね。
悲しいですわ。
何か自前で用意しておきますの。 - 101本好きの無銘24/11/05(火) 06:55:12
- 102二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 06:56:18
このレスは削除されています
- 103二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 06:59:46
- 104二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 07:03:23
- 105二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 07:23:24
えっちに食いつく人多いなぁ……やっぱエロは人類の動力源ってハッキリわかりますね……
- 106本好きの無銘24/11/05(火) 10:17:14
- 107本好きの無銘24/11/05(火) 10:31:39
まぁ、読めばこれ司書だなって分かりますし……なんとかなるでしょう。
- 108本好きの無銘24/11/05(火) 10:32:34
さて、いつもの司書さんも書かなくては……
- 109二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 14:25:58
十六冊目 文学探偵なるものを聞きしなり
_____________
さて、他館に頼んだ本がまだご用意できないので、他のお仕事を優先していきましょう。本日もレファレンスのお時間です。
カウンターに私が座っていると、とてとてと背の小さい黒髪の女の子が近寄ってきました。目を隠す長い黒髪に黒のベレー帽と黒の制服。アクセントカラーに赤をちりばめたその制服には見覚えがあります。確か正義実現委員会の生徒さんだったかな? この図書館でもよく見かける生徒さんグループの一つです。 - 110二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 14:26:24
「あの、探してほしい本があるんです!」
「はい、どのようなものでしょうか?」
「えっとぉ、小説がメインテーマになってるお話の推理小説が読みたいです……そういうのが読みたいなって思って……そういうのありますか?」
不安そうに尋ねる生徒さんの顔をしっかりと見て、私は頷きます。
「はい、ありますよ。ご案内いたします」
パァァっと輝いたお顔で、少女は私に続いて歩き出しました。
さて、小説がメインテーマになった推理小説。私はあるシリーズが二つ思いつきました。 - 111二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 14:26:43
「まずは、こちらですね。松岡圭祐著『écriture 新人作家・杉浦李奈の推論』シリーズです」
「松岡圭祐って聞いたことがある気がします」
「そうですね。推理小説作家として名前が売れている方ですし、映像化も多いですから。『万能鑑定士Qの事件簿』などもこの人の作品です」
「あ、それ家にDVDがあった気がします」
こちらの作品は、小説の話をメインに据えるというよりは、小説を取り巻く出版業界の姿をメインに据えたものと言えるかもしれません。第一巻は芥川と太宰と盗作についてだったり、別の巻では絶海の孤島に集められた小説家たちに巻き起こる殺人事件と感想文だったり、シンデレラの始まりはどこだったのかを知るために文学研究機関を頼ってみたりと、小説が軸にありつつも、文学研究や出版、法律についても幅広い作品と言えます。 - 112二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 14:27:03
私は棚から取り出した第一巻を手渡します。彼女は表紙を眺めた後、パラパラと気まぐれにページを開いて数行読むのをニ、三回繰り返した。どうやら気に入ったようで、次はなんですか? という目で、私を見てきました。
ふふふ、では次に参りましょう。
「次はこれ、『ビブリア古書堂の事件手帖』です。こちらも有名な作品ですね」
「あ、これも聞いたことあるかも」 - 113二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 14:27:17
たしかにこちらも有名なものですから、どこかで聞いたことはあったかもしれません。こちらは殺人事件なども起こらず平和な雰囲気を持つ推理小説ですね。舞台が古本屋と言うこともあり、そこに持ち込まれるものを中心に綴られるストーリーは、なんだか少し親近感を感じます。まぁ、感じつつもそれほど読めているわけではないので、また続きを読みたいとは思います。
「ありがとうございます。面白そうなのを紹介してくれて、嬉しかったです」
「いえいえ、良き本と出合えるお手伝いができたのであればよかったです」
頭を深々と下げる生徒さんの感謝を受け取ります。
やっぱり本との出会いは一期一会、運命がないと出会えないものではあります。そしてその運命を手繰って結んであげられるのは誰でもできます。ですが、司書はそのために訓練を積み、本を読み、レポートを提出してきた人々です。人より優れているという自信は無いですが、それでも助けられる機会が多い分、ちゃんと導けるようにしたいですね。 - 114二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 14:27:36
と言うわけで、今日も私の好きな本を推す話でした。
正実モブちゃん可愛いよね……
ビブリア古書堂の事件手帖は、本編よりスピンオフを手掛けられる峰守ひろかず先生の方をよく読んでいます。妖怪とかメインで、私の好みのジャンルなので……あと、峰守先生は図書館舞台の作品も書いているので、そういうところでもそっちに寄ってしまうとか……というかビブリア古書堂の事件手帖を知った理由が、スピンオフの方からなので……まぁ、そういう話です。
月の骨、白鯨をスレの方でリクエストされていますが、月の骨は届かず、白鯨は本日最寄りの図書館が休館日なので、数日お待ちください。 - 115二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 14:49:05
エ駄死じゃないので、仄めかすだけなんですが、
・本来ないものを持ってしまったサオリ
・男の趣味も作者譲りのヒジリちゃんがそんな男といちゃいちゃするやつ
の二編を数日以内にハーメルンに投げ込みます。
といっても今朝の奴と同じところですけど。 - 116二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 16:15:05
- 117本好きの無銘24/11/05(火) 16:20:38
- 118本好きの無銘24/11/05(火) 20:42:58
とりあえず、明日は本編の更新は無いと思います。
- 119二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 00:02:17
じゃあ好きな図書館の話でもしようかしら
太田市美術館・図書館はよかったですの
ガラス張りで本の日焼けは気になりましたけど
まあ紫外線カットするガラスくらい使ってるでしょう - 120二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 06:29:36
多分このスレの問題点は専門的な知識がいるから書く側になるのが難しいし、小難しく見えてしまって人が集まらないんだろうね
- 121二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 10:29:27
好きな図書館発表あにまん民が好きな図書館を発表しますってことですか。いいですね。
私も発表を……と思うのですが、やっぱ最寄りしか出てこないので、ここは国立国会図書館にしておきましょう。司書を目指す人間なら一度は行ってみたいと思っているはずの図書館ですね。
本館は行ったので、次は関西館行きたいです。
ガラス張りっていうのは、やっぱり悩みどころではありますよね。もちろん日焼けと言うのはありますけど、日が当たらないのは当たらないので問題ですし……美術館や博物館も同じように資料を保存し提供する場所ですが、あちらは手に取って調べるなどがない分、保存しやすい方にかじ取りができるのでしょうね。
私的には国立国会図書館本館みたいなレベルでいいとは思うんですけどね……
- 122二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 10:33:40
そうですねぇ、私としては追走大歓迎なんですけど……
ビブリオバトルやブックトークみたいな知識が無くてもキャラが感想を話すだけで十分なお話も書いてみましょうか。それなら追走しやすいでしょうし……
- 123本好きの無銘24/11/06(水) 15:11:14
やっと月の骨が来ましたわ。
なんか……シンナーとかみたいな匂いがする……古本にしては珍しい匂いですわね。 - 124二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 19:57:04
月の骨を呼んで夜勤頑張りますので、お待ちください
- 125二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 00:26:10
保守
- 126二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 03:09:01
余裕があればでいいからハイランダーより誰か来てくれないかな……
- 127本好きの無銘24/11/07(木) 09:29:38
若干人の心案件かもしれませんが、スオウに蜜柑投げつけたいですね
- 128二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 17:35:45
アビドス組がDUまで来るとは思えないし……調べて何とかなるぐらいならすでに施行してると思う
- 129本好きの無銘24/11/07(木) 22:52:35
さて、ちょっと忙しくなってしまったので、数日更新は無いかもしれません。
申し訳…… - 130二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 09:35:15
ほ
- 131二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 09:37:14
- 132二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 13:06:36
- 133本好きの無銘24/11/08(金) 21:08:29
こう、しばらく投稿できなくて許して欲しいので、簡単に書けるシラトリ区のやり方を解説します。
1.本の決め方
キャラの性格(精神性 精神年齢)や本編中の言動を元に好きそうなジャンルを決定します。後は自分の知っている本を当てはめます。
困ったらモブを使うと便利です。
2.調べ方
国立国会図書館オンライン(NDL)で検索して本のタイトルから詳細ページに行き、分類番号を見てください。
その後NDCナビを検索し、第一次分類から順番に同じ数字を選んでください。
3.検索する為にキャラに言わせる言葉
本のジャンルや内容(恋愛小説や図書館についての本)など選んだ本を特定できそうな特徴を思い浮かべてください。
ただし、その本一冊だけ完全に特定できるのは向きません。その場合自分で探せばいいでしょ。になるからです。 - 134本好きの無銘24/11/08(金) 21:15:13
4.話し方
ヒジリの場合は丁寧な言い方の中に少し出るやわらかさというイメージです。
地の文は自分で自分の動作を説明する感じといえばいいんでしょうか。視点を一人称のまま三人称視点で俯瞰しているところはたまにあると思います。
でも、正直そこまで再現できるなら私の代わりになって欲しいくらいですね。
ご自由にさせちゃってください。司書はひとりじゃないのでオリジナル司書もどうぞ大歓迎です。
6.心構え
とりあえず100人に1人くらいは興味持ってくれるといいなの精神です。
誰かにこの本読んで欲しいなの気持ちを突っ込んじゃってください
以上
簡単な書き方講座でした。 - 135二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:36:22
この程度で怒ってたらハーメルン民やってないと思うんですけど(月1すら投稿がない小説を見ながら)
- 136二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 08:49:57
このまったりした雰囲気好きだわ
- 137本好きの無銘24/11/09(土) 16:40:40
レポート資料捜索ついでに白鯨を借りて来ました。
……ついでにファッションの本もいくつか
下着類ってやっぱり見つかりませんねぇ - 138二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 01:27:20
このレスは削除されています
- 139二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 10:06:32
一旦、先にハイランダーの話を書いて、更新しようと思います。
本日か明日には書き上げます! - 140二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 19:33:43
一緒に旅した文庫本は特別ですね
- 141二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 22:16:15
導入部分はけっこう書きあがったので続きは明日……
- 142二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 08:41:43
面白いな
普通に知らない本が色々出てくる - 143二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 18:23:31
十七冊目 線路は続くよどこまでも
________________
ご無沙汰しております、司書のヒジリです。前語りを長々とするのもなんですが、挨拶だけというのも味気ないので、適当に引き延ばす小噺をいたしましょう。
物流という言葉があります。読んで字のごとくモノの流れのことですが、普段よく目にするのはトラックでしょうね。運ぶものは様々で、本の様な小さいものから大型家電まで様々です。しかし、物流を担うのはトラックだけではありません。飛行機による空輸、船による海運、そして鉄道による陸送……今回は形のないものまで運ぶお話です。
「……?」
「パヒャ!」
「ひそひそ~」
「……???」
カウンターの縁から二隻の帽子がひょこひょこしています。そして謎の声……いったい何が何やら。私はカウンターから身を乗り出して正体を探ります。
「あの、何かご用ですか?」
「みつかったー。なぜー?」
「パヒャッ!? 完璧に隠れてたのに!」
「いえ、帽子が浮上してましたよ……?」
カウンター下に隠れていたのは、緑髪の双子の女の子です。無表情っぽい子と表情がコロコロ変わる子とで、なんだか釣り合ってる感じがします。服は、学校と言うより企業の制服っぽいので、実務系の学校の方でしょうか。 - 144二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 18:23:55
「あれー?」
「えー? そうだった?」
「他の利用者様のご迷惑になりますのでかくれんぼはご遠慮くださいね。それで、何かご用がありますか?」
遊びも学びという考えを私は持っていますが、何事も節度は大事。他の利用者の迷惑になることは止めないといけません。そして、ご用があるならお助けするのもお仕事です。
「あのねー、面白い本ないかな~って、探してるの~」
「とびっきり面白い奴ね! やっぱ面白さって大事っしょ?」
「面白い本ですか……流石にそれだけですと……」
「えぇ? お姉さんもプロでしょ? ズバーっと見抜いて面白いの持ってきてよ」
「我も、面白いもの所望~」
うーん、困りましたね。案外厄介な利用者様かもしれません。根気強く……なんて思っていると、入口の方から砂色の髪の毛の少女がツカツカやってきました。軍人みたいなコートも相まってなんだか怖そう。
「お前たち、さっそく面倒を起こすんじゃない」
「うげぇ~撒いたと思ったのに」
「わお、思ったより早かったね」
「行く先は分かってるのに撒けるはずないだろう……失礼した、この馬鹿どもは私が責任もって大人しくさせるから、貴女は貴女の業務に戻ってくれ」
ひょいと少女は双子の女の子をつまみ上げてしまいます。そしてそのまま奥の方へ行こうとするので、私はあわてて引き留めました。
「えっと、もっと詳しく条件があれば探せますので、資料のお探しなら喜んでお手伝いしますよ」
ニヤニヤと小脇に抱えられた双子の女の子が保護者的少女を見上げます。彼女は少し考えてから、ちょっと大きめの溜息を吐きました。そんなに大きなの吐くと幸せが逃げてしまいますよ?
彼女は備え付けの椅子二つに双子を座らせると自分は座らずに、恐らく逃げないようにでしょうけど、二人の肩に手を置きました。 - 145二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 18:24:10
「えっと、なにかお探しではあるんですよね?」
「かだいー。かんそうぶん~」
「選んだ本について紹介しあうとか面倒だよね」
話の内容からして読書感想文とブックトークかビブリオバトルをすると言った課題なのでしょう。ビブリオバトルは台本を用意しないのですが……まぁ、いきなり話すというのも難しいですし、まずは感想文で話す内容を整理させると言ったところでしょうか。
「それなら、好きな内容とかありますか?」
「パヒャヒャッ、そんなの決まってるじゃん」
「ぽっぽー」
「……なるほど。それと聞いておきたいんですが、発表はいつ頃ですか?」
「わすれたー」
「えーっと、いつだったっけ。工期は長めだったはず」
ちらりと保護者役の少女を見ます。彼女はまた溜息を吐いた後に記憶を呼び起こすように目を細めました。
「そうだな、十二月初めの頃だったか、私の時はそうだった」
「少し長いですね……まぁ、感想文を書いたりするなら相応……そうですね、感想文の書き方の本も一緒にご紹介しましょうか」
「よきにはからえ~」
「あ~それめっちゃ助かるぅーあり~♪」
「でもまずは、感想を書く本ですね」
普段の業務もあるでしょうし、あんまり長いのはダメですね。サクッと読めて、それでいて味があって……そうですね冬っぽさもあるといいでしょうか。むぅ、それに鉄道要素となると……。
「少々お待ちください、色々持ってきますので」
えぇ、色々回らないといけないので、今回は私だけで取りに行くことにします。 - 146二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 18:24:28
「こちらは、文章の書き方についての本です。いくつか種類がありますのでお好きなものをどうぞ……そしてこちらがおススメする書籍になります」
「おぉ~」
「……絵本と文庫本?」
露骨に嫌な顔されましたね。でも、あの条件ならばっちりですし、面白いはずなんですよ。
「『銀河鉄道の夜』と『急行「北極号」』です。どちらも面白いと私は個人的に思っていますが……人によりけりですからね」
「おぉ~北極」
「銀河鉄道ってあれでしょ? 機械の身体をってヤツ」
「古いの知ってますね。でもそれじゃないですよ」
松本零士の作品も素敵ですが、今回は名前の元になった宮沢賢治の方です。また『急行「北極号」』のほうは海外の絵本の翻訳ですね。原題は『The Polar Express』翻訳は村上春樹です。アニメーション映画にもなっていますね。
「ホントにおもしろいのこれ?」
「えーほーんー……迫力でかし?」
絵本の方を手に取ったのはのんびりしていらっしゃる方の女の子です。文章は読まずにぺらぺらとページをめくっていますね。それも一つの楽しみ方ではありますし、この絵本、絵がしっとりしてていい味があるんですよね。
映画を先に知ったせいで、私としては少し物足りないこともあるのですが……ココア飲みたくなってきましたね。
まぁ、それは置いといて。『銀河鉄道の夜』にいきましょう。皆さんもどこかで読んだことありますよね。小学校の教科書にも掲載されてたと言うことですし。私は見たことないんですけど。 - 147二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 18:24:41
「古臭いかもと思うかもしれませんが、宮沢賢治の文章は柔らかくてずっと読まれてるんですよ」
「名前も聞いたことないけど、ホント? 騙そうとしてない?」
「騙してどうにかなるものでもないですし……絵本版もありますけど、そちらにしますか?」
「みたーい」
「ちょ、ヒカリ?」
「では、そちらもお持ちしますね」
絵本ってたまに読むと暫く絵本読みたいって欲求が生えてくるんですよね……皆さんそんな時、ありません? ないかな? 無いかも。
「複数冊シリーズ? いっぱい~」
「いえ、有名なのでいっぱい種類が出ているだけですよ。ほら、絵も綺麗ですし、宮沢賢治は童話なんかも多いので……『注文の多い料理店』とか『やまなし』とかは有名ですよね」
「パヒャ? 料理店は聞いたことあるかも。確かアレでしょ? いっぱいの扉くぐってく奴!」
「えぇ、そうですね。映像化や読み聞かせに選ばれることも多いですし、料理店も教科書に採用されていたはずですから学校で習ったかもしれませんね」
「あれの作者かぁ……」
おや、絵本の方を手に取って読まれ始めましたね。まぁ、確かに文庫本を前にするよりは絵本の方が試しに読んでみる気力は湧きやすいかもしれません。
お二方はそのまま『銀河鉄道の夜』と『急行「北極号」』。それと感想文の書き方の本を借りられました。 - 148二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 18:24:54
そして、最後に私は砂色の髪の毛の少女に一冊の文庫本を渡しました。
「……私は頼んでないが?」
「そうなんですけど、一人だけ蚊帳の外って感じでしたし、双子の方もしばらく図書館で読むそうなので、よかったらその間に……」
「───『蜜柑』?」
私が渡しましたのは、かの天才芥川龍之介の『蜜柑』です。これも鉄道が絡む作品ですね。芥川は『トロツコ』などもありますけど、なんとなく私の直感が、彼女には『蜜柑』が合うって告げてきたんです。
『蜜柑』は鬱々とした日常の中に出くわした一場面のお話です。きっと日記にでも書きつけなければ一年経たぬ間に忘れてしまうような思い出でしょう。ですが、この体験の中で鬱々とした気分は蜜柑の陽によって少々明るくなるんです。
子守というときっと彼女たち全員が怒るので口には出しませんが、その保護者役となっている少女の雰囲気は、自由な二人に引っ張りまわされてるだけでなく、どこか別のところにあると感じましたので、それが少しでも晴れればなと思います。
読み始めてからすぐは、少しムッとしていましたが、しばらくして彼女は少し眉を緩ませていました。ただ、ちょっと私を見る目は険しくなった気もします。何か地雷を踏んずけてしまったかも……。やっぱり、出しゃばりは良くないかもしれませんね。反省です。 - 149二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 18:25:15
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はいと言うわけで、ハイランダー組のお話でした。
ポーラー・エクスプレスはいいぞ。映画でもいいから見てくれ。ココアのシーンとか絶対夢が広がってわくわくだから……
銀河鉄道の夜は実は私は未読なんですよね。面白いとは聞くんですけど、まだいいかなの精神で積み上げてるので……はい、また今度読みます……。
蜜柑は私も好きな話です。こう、普段と変わらない日常、と言うより少し嫌な目にも合っていますが、その先にあった景色、トンネルを抜けたあとに待ってる景色に心打たれてしまったんですね。
私の好きな作品にあるセリフなんですけど「あの丘の向こうに何があるんだろうって思ったことはないかい?」というのがありまして、このトンネルを抜けた先の景色が正しくそのわくわくだなって思いました。このセリフの作品は紹介できる相手が思いつかないので、ご紹介の機会はないと思います。
あと、発見なんですけど、ドヴォルザークの第九の新世界第四楽章って、汽車の走る環境音と一緒に聞くとむちゃくちゃ合います。もうチョコとミントの如く合います。 - 150二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 19:26:41
『急行「北極号」』ってなんだっけ?と思ってたけどポーラー・エクスプレスか!
映画面白かったなあ
後にメイキング見てトム・ハンクスが声優だけでなく、モーションキャプチャーやってるの知ってビックリしたなあ
いやまああの人本業が役者さんだから当然なんだけどさ - 151本好きの無銘24/11/11(月) 19:38:04
- 152二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 19:43:17
- 153本好きの無銘24/11/11(月) 20:05:01
- 154二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 20:34:29
- 155二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 23:18:32
実は前スレ立ててからひと月経ってました。
ここまで続いたのもひとえに皆様のおかげだと思います。
応援ありがとうございます。 - 156二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 02:11:59
これからも応援してるで
- 157本好きの無銘24/11/12(火) 09:29:58
本日の更新はありません!
レポートから逃げて書き始めなければ無いはずです。
なのでもしも投稿しようならレポート進捗どうですかで追い込んでください。 - 158本好きの無銘24/11/12(火) 20:45:54
終わらないよパトラッシュ……まだ1文字もかけていない……
- 159二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 20:46:32
ん、提出物は大事
とはいえ、煮詰まる時は煮詰まっちゃうんですよね
そういう意味では確定申告やら年末調整辺りは楽か? - 160本好きの無銘24/11/13(水) 08:08:25
まだ自分のを申告するようなのでは無いので……まぁ、親のやつで連れ回されたりはしますが……
はい本日も更新は無いです。
けれど
『テクスト分析入門』オススメです - 161二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 19:26:32
保守
テクスト分析を実践的に学ぶための入門書かあ
ふむ、どうしたものか - 162二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 21:43:22
- 163本好きの無銘24/11/14(木) 07:46:42
おはようございます。本日も更新できませんが、皆様のリクエストは受け付けております。
このキャラ見たいやこんなジャンル紹介してをお待ちしております - 164二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 19:05:38
おっと危ない、落とすところだった
リクエスト…そうですねえ、キリノとフブキのヴァルキューレコンビ(モブちゃんでも良いですよ)で見たいかな、と
いわゆる職務の合間に読めそうなの
主人公が警察系の職種でそういうのありますかね? - 165二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 07:09:02
このレスは削除されています
- 166二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 10:15:04
フブキとキリノ……警察官のお話……刑事さんって言ったら推理小説などだとは思いますが、いっそ捻って地図……
- 167二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 21:13:26
レポート一個目終わりました、後三つ……
- 168二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 08:57:49
こういうまったりしたのも良いものだな
- 169本好きの無銘24/11/16(土) 19:24:11
現実逃避でネタを考えていましたが、職務の途中でサラッと読めて、警察官って条件で脳内検索すると自動的に、こち亀が出力される今日この頃でした。
夜勤頑張ってきます…… - 170二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 19:57:57
あー、確かにこち亀はピッタリか
ただ両さんは普段がなあw
いや、やる時はやるし、なんだかんだ人情派だから面倒見は良い方ではあるんだよ? - 171二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 07:43:40
保守
- 172二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 18:18:18
図書館気になってきたな
前は行ってたんだが最近ご無沙汰だし
久々に行くかなぁ - 173本好きの無銘24/11/17(日) 19:55:51
- 174二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 07:24:59
(まだ大学生である)
- 175二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 14:48:01
シロコに脱獄とか強盗系読ませてみたいな
巌窟王しかパッと出てこなかったけど - 176本好きの無銘24/11/18(月) 21:15:40
脱獄系シロコ……あぁでも西部劇みたいな内容の本でも面白そうですね
- 177二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 08:25:24
このレスは削除されています
- 178本好きの無銘24/11/19(火) 19:47:18
ふむ……もう、178ですか……この分だと再開出来る頃には多分次スレ用意みたいなものですかね……
- 179二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 07:44:50
- 180二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 15:45:31
イズミちゃん…
世界奇食大全とか興味ない?
面白いよ… - 181二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 22:44:48
変な動物図鑑とかもあるよね
笑える真面目な奴 - 182二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 09:27:34
でっかい図書館って絵本も揃ってるから嬉しい
キサキちゃんに読んであげよう - 183二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 20:53:04
保守