【SS】秋の味覚

  • 1二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 23:56:51

    「ふふ、かぼちゃプリンにアップルパイ、それに栗どら焼きに柿羊羹。旬のスイーツから定番のものまで。どのお店も美味しそうですね、トレーナー」

    「あぁ。どれも美味しく見えて、どれを買うか迷うよね」
     
     トレーナーとそんな会話をしながら、目の前に広がるのは、和洋関わらずデザートやお菓子を取り扱う様々なお店が多いこと。
     月末に控えたハロウィン。私がクラブに通う子ども達に渡す、ハロウィンお菓子作りに意欲を出すこと数日。
     そんな私をトレーナーが気分転換になればいいなとデパ地下に連れて行ってもらってます。
     なんでも、美味しい物を作るには美味しい物を食べる、見るのもお菓子作りの刺激になるのだとか。
     訪れたデパ地下のスイーツ、お菓子のフロアには秋の味覚から定番の洋菓子などがずらりと並ぶ。
     コンビニやスーパーのデザートコーナーみたいな小ペースとは比べられないほど、フロア全体で種類が豊富で、どれを選んでいいのか思わず目移りしちゃう。
     「トレーナー。見て下さい。このケーキお化けの形していて可愛らしい」

    「あっ、本当だ。可愛いね。何使ってるのかな?」

    「…そうですね、白色ですから、レアチーズだと思います。こちらのかぼちゃモンスターケーキも面白いですね」

     加えて、ハロウィンもあることから普段目にすることがないハロウィン限定商品も様々。
     お化けやパンプキンの形を模しているお菓子も多く、その可愛らしい造形に思わず頬が緩じゃいます。
     私がデパ地下のお菓子コーナーに寄るとしたら、クリスマスやバレンタインの時にクラフトらと一緒に買う時ぐらいかな。
     でもこの時期はケーキ主役のクリスマスやチョコレート主役のバレンタインと違って、どのお菓子も目を引く商品があって、すごく楽しいです。
     おかげさまで、トレーナーと一緒に各店のショーケースに綺麗に並ぶケーキや和菓子など、どのお店も日頃お目にかからないぐらい、自慢の美味しい一品、一品、夢中で見て回る。

  • 2二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 23:57:26

    「柿に栗にお芋。それにクルミとリンゴなども。秋の味覚のスイーツがいっぱいでした。この中ならトレーナー、どれが好きですか?」

     店内を回る最中、ふとした疑問が浮かび、思わず隣にいるトレーナーに声をかける。
     この時期特有の秋の味覚、トレーナーは何が好きなのかなと。
     ちなみに私とクラフトはどれも好きですけど特に栗が一押し。
     特にクラフトは栗が付いたモンブランが好きだったり。いちごが乗ったショートケーキが好きに通じるものがどうやらあるみたい。
     
    「そうだな……。その中なら栗かな」

    「まぁ、私もです。……ふふ、お揃いですね♪」
     
     トレーナーの口から出たのは私と同じく栗。
     好みが似ていて嬉しくてついお揃いと口に出してしまう。
     鏡はないですけど、きっと、今、私の頬はりんごのように紅く染まっているに違いないかな。
     
    「うん。栗はモンブランみたいな甘さもいいけど、栗そのものの甘さも美味しいよね」

     私の意図に気付いたのか、トレーナーも頬を紅く染めながらも同意する形で照れ笑いしながら返してくれる。
     なんだか劇に出てくる恋人みたいなやり取り。今なら、少しヒロインの心情に共感しちゃうな。

  • 3二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 23:58:32

    「それでトレーナーは、どのお店の商品が気になりましたか?」

     店内をグルっと一周した後、トレーナーにどの商品が気になったのか聞きました。

    「俺はそうだな……。あっちの栗大福と、あそこのモンブランかな」

    「ふふっ、本当に栗がお好きですね。でも、あそこのモンブランは確かに美味しそうですね」
     
     トレーナーが選んだ商品は好きな栗が入った商品ばっかり。普段ビシッとしているだけに、たまにそのちょっと子供っぽい所が出るところが可愛いな。
     
    「シーザリオは?気になるものとかある?」

    「私は……、そうですね。あっちのかぼちゃプリンが気になります」
     
     私が指さしたのは、ショーケースの中に並ぶかぼちゃプリン。ケースの説明文を読むだけでもとても美味しそうな感じが伝わってくる。
     
    「なるほどね…。他には」
     
    「他の商品も十分素敵ですが、今、気になるのはこれぐらいです」

  • 4二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 23:58:46

    「本当に?遠慮してない?」
     
     心配そうな声色で聞いてくるトレーナー。
     どうやら、トレーナーはここまで連れてきた私の為に買う気を遣わせてくれたみたい。
     
    「いえ、大丈夫です。トレーナーが選んだモンブランと私か選んだかぼちゃプリンがあれば私は十分です」
     
    「そっか……、じゃあ、かぼちゃプリンとモンブランはそれぞれ2つ買っていこうか」

    「はい。ありがとうございます」
     
     その心遣いに甘えて、プリンとモンブランだけ奢ってもらうことにしました。
     トレーナーはもっと選んで欲しそうだったけど、その2つだけで満足です。
     だって、今日こうして楽しい一時をくれたトレーナーのその優しい心遣いだけで十分もらってますから。

  • 5二次元好きの匿名さん24/10/29(火) 23:59:57

    終わりです
    ハロウィン近い日常ものつもりで書きました

  • 6二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 00:03:53

    ハロウィンのかわいいお菓子とかわいいやり取りが最高にほっこりした 良SSやあ…!

  • 7二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 00:09:01

    読んでて猛烈にモンブラン食いたくなったぞ
    こんな時間なのに

  • 8二次元好きの匿名さん24/10/30(水) 06:14:03

    >>6

    ハロウィンの形を模したお菓子の可愛さに会話するやり取りが書きたくて、書いたのでそう言ってもらえて嬉しいです


    >>7

    飯テロになったなら嬉しいです

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