- 1◆KVFDwqdrwoh824/10/31(木) 16:21:14
- 2◆KVFDwqdrwoh824/10/31(木) 16:23:39
- 3◆KVFDwqdrwoh824/10/31(木) 16:25:17
キャラクターイメージはこちらのメーカーで作成しました
無表情ジト目です
picrew.meヘイローのイメージはこちら、パイオニア号の金属板やボイジャーのゴールデンレコードに刻まれた太陽系の位置を占めず地図が元ネタです
- 4◆KVFDwqdrwoh824/10/31(木) 16:25:47
その後、必死の弁解によってなんとか手錠を免れることができた。
「なるほど。こちらで保護した生徒の様子がおかしいので踏み込んだらそのような状態であった、と」
「うん。それで、その時たまたま救護騎士団の子が来ていてね。今はその子が診てくれてるよ」
「……いいでしょう。事情は理解しました」
実際には姿を現す直前まで影も形も無かったのだが、それは説明しても詮無きことだろう。
とりあえず誤解が解けてよかった。
「そう言えばカンナはどうしてここに?」
「ええ。先ほどお話したアリウス分校絡みの資料が纏まったので」
そう言ってカンナが取り出したのはそこそこ厚みがある紙の束だった。
「わざわざ持ってきてくれたの?」
「機密上の問題もありますので、こちらの資料もそのまま持ち帰らせてもらいます」
「ごめんね、なんだか急に呼び出す形になっちゃって」
「いえ、散発的なトラブルを引き起こすアリウス生に関しては我々も手を拱いているのが現状でして。シャーレの協力……特にトリニティとの情報共有におけるパイプ役になって頂ければ、という打算もありますので」
「わかった、私にできることならなんでも協力するよ」
当然のことだが、アリウスの人間はライカだけではない。エデン条約の一件以降、所在の掴めないアリウス生は多い、その総数がどれだけいるのかすらわかっていないのが現状だ。
アリウス自治区に関してはトリニティの手が入っていると聞いたし、然るべき措置も取られている筈だが、無所属の人間が適切な処置を受けられている可能性は低いだろう。
現状、先ほどライカの身にに起きた異変が一般的なアリウス生にも起こりうるのか、起きたとしてそれが重いのか軽いのかすらわからないのだから。
渡された資料の一部を手に取り、そこに書かれた内容に目を通し始める。
「手伝います。一通りは頭に入っていますので」
「……ありがとう、助かるよ」
ライカのことはセリナに任せきりになってしまうが。今、自分ができることはこれだろう。 - 5二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:00:07
スレ立てありがとうございます
先生、逮捕免れてよかった
所在の掴めないアリウス生は多い…不穏な気配がする
総数も掴めてないとなると対処は骨が折れそうだ
にしてもカンナ、まともな記録があるかもわからないアリウス分校の資料をまとめてくれるとは頑張ったなあ - 6二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:01:02
10レスまで埋めないと2時間で落ちちゃうから保守
- 7二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:01:25
スレ立て感謝
- 8二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:06:56
保守
- 9二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:08:23
立て乙
カンナ頑張ったなあ - 10二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 17:09:25
10レス目
ライカの意識無事に戻るといいな - 11二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 20:00:48
- 12二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 23:09:40
保守
- 13二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 00:45:50
- 14二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 07:57:57
続き待機
- 15二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 14:41:02
保守
- 16二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 22:05:31
ほ
- 17二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 22:15:42
し
- 18◆KVFDwqdrwoh824/11/02(土) 05:46:54
手に取った資料は大雑把に分けて、赤い付箋の付いたものが少々、青い付箋の付いたものが極僅か、何も付いていないものが大半、という内訳だった。
一番上になっていた赤い付箋の物に目を通す。
これらはヘルメット団やスケバンといった、主にアウトローな生徒たちによるアリウス生との接触及び彼女らから受けた被害記録が主だった。
共通する特徴は、ガスマスクと髑髏と薔薇を模った校章。
協調性は皆無。取引、交渉、命乞いの類いには応じない。
単独行動が多く、他校の生徒と行動を共にすることはない。
特にゲヘナ・トリニティ両校の生徒に対しての敵愾心が非常に高い。
と、これらは知己のあるアリウス生との限られた接触ややり取りからでも想像できる内容だった。彼女らの生い立ちや納めてきた戦闘技術を鑑みると、最後の項目はやや不穏に映る、しかしゲヘナ所属の生徒は元々荒事慣れしていることが多いのと、遭遇する相手が基本単独なこともあって大事に至ったケースはないようだ。
トリニティの生徒に至ってはそもそも身を崩すこと自体が稀なのか、幸いにも手元の資料の中に被害報告は認められなかった。
とはいえ、これらは今までそうなっていない、ということを示しているだけである。これから発生しない保証はないし、まだ明るみになっていないだけかもしれない。
トリニティの生徒についてもそう。アウトローに身を窶さずとも、例えば非売品のグッズを求めてブラックマーケットに足を踏み入れるような生徒がいないとも限らないわけで、楽観視すべきではないだろう。
そして気になるのがもう一点、記載された日付に目を通して気付いたことだが、日を追うごとに目撃・接触の報告数が減っている。
これは何を意味するのだろうか。保護された、雇われた、共同体を形成し一定ラインの生活基盤を確保した、活動拠点を遠くへ移した、等々。考えられる理由はいくつかあるが、今の状態では検証もしようがない、だが一番現実的なのはブラックマーケットのより深くへ潜った、という線だろうか、そうなれば多少の揉め事は表には出てこない。
次いで目についたのは最も数の多い、なんの付箋も付けられてない物だ。
これらは目撃証言や単なる噂といった、重要性や信頼度の低い情報のようだ、何か所か適当に開いて目を通してみたが、特に気にしなければならないようなことは書かれていなかった。 - 19◆KVFDwqdrwoh824/11/02(土) 05:47:51
そして最後に手に取ったのは青い付箋の付いた薄い束。
そこには、いくつかのグループによるアリウス生と行動を共にした記録が記されていた。
「……これは」
細部は異なるが、小人数のグループ同士による抗争が膠着状態になった際、相手勢力を単騎で攻め落として自分を売り込んできた、というのが共通したファーストコンタクトだった。
個人を識別できる情報は、極端な小柄。血色の悪い肌。藤色の髪。灰の瞳。
礼をしようとしても返せるものが無い、と対価としての報酬以外を求めなかった。
こちらに対してずっと警戒していたが、側を離れようとはしなかった。
ある程度勉強はできるようだが、驚くほどに世間知らずでどこか世間ずれしていた。
廃棄弁当や割引シールの付いている変なフレーバーの商品も感動したように食べていた。
炭酸飲料を勧めてみたらめっちゃ睨まれてその後は余計に警戒されるようになった。
懐かない猫みたいな感じだった。
警戒心が強い癖に独りでは眠れないらしく、寝る時はいつもくっついてきてかわいかった。
ちっこいからいっぱい食べさせようとしても自分の取り分以外は受け取ろうとしなかった。
なんだか後半は拾った猫の観察記録のようになってきているが、珍しく協調性のある人物、恐らくは同一人物の観察日記……もとい行動記録だった。
なんだか見覚えのある特徴と行動だが、妙な点がある。
行動を共にしたというグループが複数ある、というよりも短期間所属してはすぐに他へ移っているようなのだ。
わざわざ自分の能力を売り込み、気は許さないながらもある程度のコミュニケーションは取れているようだった。それならば1つのグループに所属し続けた方がメリットは大きい。
つまりは受け入れられる側ではなく、受け入れる側にそうする理由があるということで、それも資料の後半に記されていた。
敵に対して容赦がなさすぎる。
必要以上に傷付けはしないが、必要な分与えるまでは相手が降参していても手を緩めない。
敵を無力化する技術が明らかに堅気ではない。
あまりにも淡々と処理する姿が普段とは別人に見える。 - 20◆KVFDwqdrwoh824/11/02(土) 05:48:09
怖い。
- 21◆KVFDwqdrwoh824/11/02(土) 05:50:00
それが拒絶の理由だった。
孤独を恐れ、繋がりを求め、自分の価値を示すために自分が収めた技術を振るう。
その先が、拒絶に次ぐ拒絶だったのだ。
一体彼女はなにを思って日々を過ごしていたのだろうか。
「やはりそちらが気になりますか」
付箋の無い書類。最も情報価値が低いと思われる紙の束を改めて精査していたカンナがこちらの動きに気付いて視線を上げる。
「うん、中には友好的……って言ったらいいのかな、そういう子もいるんだなって」
「そうですね、彼女のような生徒と接触できれば得る物は大きいでしょう」
「でもこれ、基本的には別れた後の証言だから居場所の特定には繋がらなさそうだね……」
「そこが悩みの種でして。始めは戦力を得てぬか喜びするものの、本性を目にした途端に怖気づいて逃げ出す……と言うのがお決まりのパターンになっています」
「本性……ね」
報告書を読んで浮かんだイメージと、今日であって直接関わった生徒のイメージが合致しない。本当に彼女の本性はそちら側なのだろうか。
「不服ですか?」
そういうカンナの言葉につられて視線を向ければ、鋭い瞳が真っすぐにこちらを見据えていた。
「こちらとしても情報が不確かなのは理解しています」
先ほどまでのカンナとは雰囲気が一変している。そこにあるのは一介の生徒の顔ではなく。ヴァルキューレ警察学校の、公安局を預かる者の貌だった。
「ですので、先生が保護している剣条ライカとの面会を希望します」
どうやら、公安局局長の目は誤魔化せないようだった。
まるでタイミングを見計らったかのように、セリナからメッセージが届いた。ライカが無事に目を覚まし、特に異常は見受けられないという内容だった。 - 22◆KVFDwqdrwoh824/11/02(土) 06:04:03
書いてたら
殴り損ねた
グレゴリオ
ここら辺は原作で一切触れられてないから想像になってしまうんですが、多分こうやって散っていった一般アリウス生も多いんじゃないかなあと思っています
救護されてそうなアリウス生もいるんですけどね
10まで埋め&保守ありがとうございます
ここの1レス目立てる前にも一回立てたんですがそっちは10まで埋まらず落としちゃったんですよね
今回、無事に目を覚ましました、今後についてもカンナならきっと悪いようにはしないでくれることでしょう
軌跡シリーズは未履修なんですが
夜を想起する、それも暗くて恐ろしい夜というより安らぎや穏やかさの象徴である夜をイメージさせられる曲ですね
そう言えば1レス目でもちょっとコメントでありましたし知らないだけで親和性があるのかも
ともあれ、子供たちの夜が明けるまでは折れずに続けて行きたいものです
- 23二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 08:46:39
これはなぁ…
あの四人が上手くいってたからその他はねぇ - 24二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 12:08:20
報告が減ったのは相手方が利用してる感じかね…?
- 25二次元好きの匿名さん24/11/02(土) 22:38:06
例えば非売品のグッズを求めてブラックマーケットに足を踏み入れるような生徒...ヒフミィ