タケルママとハロウィンパーティー

  • 1二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 23:51:33

    「…………うーむ」

    あなたはゴクリと生唾を飲み込む。なぜなら明後日は特別な日だからである。この日のために、いろんなことを我慢して努力をしてきた。その頑張りが報われたかどうかの審判は目の前で紙を眺めているセイバーが握っているのだ。

    「ふむふむ、ふむふむ」

    セイバーが紙を読み進めている。あなたは冷や汗をかき、緊張で喉がカラカラであり、体も無意識にソワソワと動いてしまっている。ちなみにセイバーはそんなマスターが可愛くて、読み終わっているはずなのにからかっていたりする。

    「……よし、結果を発表するぞ」

    あなたはギュッと拳を握る。そして、セイバーの言葉を待つ。そして、セイバーから言い渡された結果は……

    「うむ、栄養状態良好! お菓子を食べてよし!」

    あなたはワッと喜んだ。もしも、ここがどこかの会場だったら皆が立ち上がって歓声を上げていただろう。それくらいの喜びだった。

    「これまで、よく頑張ったな。これで明後日のハロウィンパーティーに参加できるぞ」

    セイバーはあなたの頭を優しく撫でる。
    ハロウィンパーティー、それは10月の終わりの夕方から夜にかけて行われるイベントで、町内会が総出をあげて子どもたちにお菓子を配ろうと計画したものである。ちなみに主導は金ピカのルーラーだったりする。

    「よし、では買い物に行くか。マスターもオメカシをせねばならぬからな!」

    そうして、仮装のために買い物を一緒に行った。あなたはすでに何に仮装をするかは決めてある。

  • 2二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 23:52:06

    ーーそして、当日

    「なあ、マスター? 本当にその仮装で良かったのか? 魔法使いとかミイラ?の仮装もあったと思うが……」

    あなたはこれが良いと答える。あなたが着ている仮装、それはセイバーが戦闘する際に着る礼装だ。白い服のところどころに血糊をつけて返り血みたいにしている。

    名付けて『血濡れの皇子』セットである。

    昨日、白いバスタオルを改造したり、少しブカブカのズボンやサンダルを用意したりと1日かけて完成させた力作だ。
    ただし、ミシンなどを使うところなどの難しいところはセイバーにやってもらった。

    「………まあ、マスターが楽しいのなら、それで良いのだが」

    そして、あなたはセイバーの手を掴む。セイバーがどうかしたのかと聞くと、あなたはセイバーとお揃いで出かけたいと言った。

    「まったく、しょうがないなぁ」

    そう言って、変身するかのようにいつもの戦闘服に身を包んだ。そして、あなたと手を繋いで商店街に向かって歩きだす。

  • 3二次元好きの匿名さん24/10/31(木) 23:52:35

    ルールは簡単で、保護者と一緒に仮装をした子供たちが公民館へと行く。
    その際に、通り道となる商店街に行くと、お化けのランタンが飾っている店がいくつかある。
    そこに、仮装をした子どもが事前に配られているかぼちゃのバケツを渡すと、そこにお菓子を詰めてくれる。
    お菓子は少しなら食べても良いが、公民館で行うパーティーチケットと交換するので全て食べてはいけない。

    あなたとセイバーが商店街に入る。お揃いの衣装ということもあって、あなたたちは注目を浴びていた。そして、商店街でよく買い物をするおじさんやおばさんたちにお菓子を詰めてもらう。もちろん、かけ声はトリックオアトリートだ。

    「結構、溜まるものなのだな……重くないか? というより、なんだかチョコレートがヤケに多いな?」

    セイバーに言われて、見てみると確かにチョコレートが多い気がする。理由はわからない。

    そうこうしているうちに、公民館に着いた。受付にかぼちゃのバケツを渡して、チケットを受け取り、中に入った。

  • 4二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 00:18:42

    そこには、公民館とは思えぬような、派手で豪勢な魔改造が成されており、ところどころに金ピカが施され、壁に埋め込まれた宝石で光が反射されて、眩しいくらいだった。

    「これは…………逆に教育に悪くないか?」

    すでに仮装をした子どもたちがたくさんいた。どうやら、あなたたちが最後の一組らしかった。

    あなたはセイバーの手を引っ張ってそこら辺の席に座った。すると、壇上にマイクを持ったルーラーがハロウィンパーティーの開催を宣言した。
    まずは、子どもたちが商店街から集めたチョコレートで色々なお菓子を作った。チョコレートケーキやマフィン、さらに、いつぞやの博物館で会ったランサーとも一緒に恐竜型のクッキーを作った。

    「なかなか楽しいな! しかし、このチョコレート……市販のチョコレートよりも格段と美味いな」

    手についたチョコレートを舐めながらセイバーが呟く。その後、自分も味見したいと言ったマスターに舐めさせてみる。確かに、少しフルーツのような甘い香りとほんの少しの苦味が口の中に広がった。

    「ルーラーめ、なかなか高いチョコレートを取り寄せたらしいな……」

    そして、自分たちで作ったチョコレートケーキやクッキー、マフィンやガトーショコラをみんなで分け合って食べたり、仮装を見せあったりした。

    「マスター、寝る前の歯磨きは入念にするのだぞ?」

    セイバーがケーキを頬張るあなたの頭を撫でながら言った。それに、あなたは元気よくうんと答える。

    こうして、ハロウィンのちょっとした冒険は幕を閉じたのだった。

  • 5二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 00:35:55

    ねぇハロウィン前の健康診断ってやっぱりこのマスター、元々栄養失調とかその辺じゃない?

  • 6二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 00:46:47

    ママ!おかえり!

  • 7二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 01:04:44

    >>5

    ハンバーガー回でタケルママが来るまでお菓子とハンバーガーしか食べてなくて栄養が偏よりすぎてる状態だって言われてた

  • 8二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 01:18:50

    ママ!!おかえりなさい!

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