【SS・🎲⚓️オリキャラあり】服部ヒョウ太は水の都に居る⑲【閲覧注意】

  • 1◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 01:34:29

    終わりは近いはずなのに割とマジでまるで全然物語が終わる気しないクローンと生徒会長異世界奇譚です

  • 2◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 01:34:59

    今までの章

    chapter.0 落下

    chapter.1 生徒会長は水の都の夢を見るか?

    chapter.2 最初の接触

    chapter.3 病院の窓

    chapter.4 宿借りの島

    chapter.5 過ぎにし日々、ウォーターセブンで

    chapter.6 豹は無慈悲な夜の兵器

    chapter.7 出来損ないの順列都市

    chapter.8 あなたのための物語

    chapter.9 豹は街から世界を夢見る

  • 3◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 01:35:20

    原作開始(⑨より)
    chapter.10 すべての終わりの始まり


    chapter.11 たったひとつの冴えたやりかた


    chapter.12 今宵我ら星を奪う


    W7終了後
    (previous chapter. 追想、アムネジア)


    chapter.13 クローンドリーに花束を
    ・覚悟を決めてプッチへ
    ・カッスンとの遭遇
    ・変装して街へ観光
    ・海軍に見つかり、エンタメ勝負を挑まれる
    ・カッスンが海軍中将を姉と呼ぶ←イマココ!

  • 4◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 01:36:20
  • 5◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 01:37:25

    オリキャラパートはある程度書いてからスレ立てすると言ったな?あれは嘘だ
    あの……無理です……リアルタイムのアドレナリン狂気もなし、ダイスもなしに書けませんでした……全然進まないので衆人環視で進めます……ごべーん!!!!

  • 6◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 01:39:56
  • 7◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 01:47:15

    姉上、と。
    確かにそう口走ったカッスンに全員の視線が集中する。

    「え、……って姉弟!?」
    (それも生き別れの、とはな)

  • 8◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 01:48:20

    「──そうか、っそうか!生きてたんだな姉上!」
    何対もの視線、思わず口をついて出た050の驚き。肝心のカッスン当人がそれらに全く意識を向けることはなく。
    息を呑む一瞬の空白の後に動揺が歓喜に色を変えたような、常に芝居がかっていた仕草が抜け落ちた、ような。


    「っあーー!!そうだ、カッスンのおねーさん!!」
    「…………姉、だと?」
    クラウが手を叩いた音に肩を揺らしながら、中将の部下ジカルが茫然と言葉を反芻する。もう一人の部下を見遣ればこちらも硬直している、寝耳に水だったようだ。

  • 9◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 01:49:54

    「は、……はあ!?アンタの、何、船長どういうこと!?」
    「流石姉上、あれから無事で!信じられなかった自分が恥ずかしい!!」
    「話聞けよッ!!!」
    「まさか、いや、……面影はあるが、本当に?そうだったとして何故……」

    ディオンにがくんがくんと揺さぶられても心ここにあらずな海賊船長と依然ステージで弁舌を振るう海軍中将、二人の赤毛を訝しげに見比べるリフター。

    「え、え?あの海軍がフィルちゃん~……?雰囲気変わったね~?」
    「真っ先に気になるのソコ?」

    ふわふわした笑みを消し戸惑いを浮かべるトラット、その的外れに突っ込むコンフィ。
    あやふやな反応ではあるが、海軍程ではなくとも衝撃を受けているあたりどうやら船員達にとっても知己らしい。

  • 10◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 01:51:51

    ……それにしたって不自然ではないか?
    少し見ていれば分かるくらいに、この海賊団は身内意識が強い。聞いていればあの中将は生死不明だったようではないか、知り合いかつ船長の家族の無事が判明したならば、カッスンと同じように沸いたっておかしくないだろうに。


    姉と呼ばれた張本人は変わらずステージ上でオープニングトークを続けている。にわかに騒がしくなった舞台袖に気付いているだろうに、こちらを一瞥もしない。

  • 11◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 01:53:18

    「はーあの二人が。言われてみれば確かに似てるかもなァ」
    場を埋め尽くした揺らぎは当然おれ達にまで伝播してくる。呑気に嘆息する050の意識から一歩引いて、状況整理。


    血縁関係、成る程確かに分かりやすい繋がりだ。あの海軍中将が船長の身内なら、海賊団の内情とやらを知っていたことや、因縁のありそうな語り口にも納得がいく。

    再会に喜ぶよりも疑いが先行している海賊達のらしくなさ、中将が突飛な行動について事情の一つも部下に説明していないらしいという点は気になるが……能天気な彼奴らの身内の話なら危険はないか、と。

    胸中に湧いた心配を杞憂と結論付けようとして。

  • 12◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 01:53:49

    耳に入ったのは硬く小さな呟き。
    息切れしたディオンから解放されたカッスンが、ぽつと吐いた声。



    「でも姉上、どうして、海軍なんかに──」

  • 13◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 01:54:33

    『──前口上はここまで。さて!ステージに上がってこい、海賊サー・カッスン!!』



    拡声器越しに響き渡った煽り文句、つられて見上げれば冷たい視線が向いている。

  • 14◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 01:55:32

    「……何にせよ、話をしないとだよな」
    名前を呼ばれたからか、少し俯いていた男の背筋が伸びた。
    覚悟を決めたように深呼吸を一つ。身に纏う空気を凛としたものに切り替え、カッスンは舞台に足を掛ける。


    「ではみんな!行ってくる!」
    こちらを振り返った顔は憂いることなど何も無いとばかりに笑っていて。

    ──拳を固く握っているというのに、堂々たる表情からは強張りなど見えなかった。

  • 15二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 02:29:10

    ヤッター!!!続きだ!?!突然の供給にめちゃくちゃびっくりしてるし嬉しい!!!!

    >>6

    登場人物紹介、栄養価が高い、高いよ……ありがとうございます!!

  • 16二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 05:28:51

    あのすみみませんまじで待ってましたありがとうございます本当ありがとうございます

  • 17二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 05:55:12

    うぉぉぉぉぉおおお!!
    ただいまスレ主!!
    そしてありがとう!!

  • 18二次元好きの匿名さん24/11/01(金) 08:15:45

    スレ主さんだーーー!!おかえりー!!
    生存確認&SS再開してくれて嬉しいぞ
    エッグヘッド編は終わっちゃったけど学園のルッチは出番多くてめちゃ良いよね
    遅筆でも全然構わないしみんなで待ってるから

  • 19◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 11:51:35

    『来たな、海賊頭。正々堂々現れたことは褒めてやろう』
    『……ここまでお膳立てされておいて尻尾を巻いて逃げる我々じゃあないさ!それで?おれに用なんだろう、是非聞かせてくれ!』
    緊張弛緩の合図とばかりに拳をゆるく開き、ステージ上で威勢よく問い掛ける姿はまるで初対面のよう。あれが相手が姉であることを確信している者の言動かと眉を寄せる。

    ……常々分かりやすかった筈のカッスンの心中が、今は一切読めない。


    (ううん……らしくないってことくらいしか分かんないというか、状況自体全っ然把握できてないよ、おれも)
    (お前でもそうなるか)
    少なくともおれよりは交流のある050に分からないならば自己完結は無理。船員に聞くしかないだろうな。

  • 20◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 12:31:27

    『部下から聞いたか?その通り。貴様らを見極め、次第によっては連行するという用がある。単に捕らえるだけでもよかったが、同じ趣味嗜好のよしみだ。こういう趣向も悪くはなかろう』
    『……それだけか?もっと、何か』
    『それだけだ』
    ピシャリと言葉を叩き返す中将の態度は冷徹という他にない。空気感は依然威風堂々としたままであるカッスンの開いた手が、一瞬びくと握り込まれそうになる。

    「師匠、大丈夫かな……」
    「だいじょーぶだいじょーぶ!ちょっとテンパってるだけ、すぐ立ち直るって!」
    050が独り言のつもりで零した心配を、明るいトーンでクラウが拾った。他の船員も同じ思いか、と表情を見渡してみても、それぞれ考え込んでしまっているようだが。

  • 21◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 12:33:22

    「……ッチ、結局あっちから何の説明もなしかっての。船長は無視しやがるし」
    満ちていた沈黙を舌打ちで払い除けたのはディオンだった。海軍中将の顔も知らなかった彼女自身と仲間達の知識差に混乱も大概として、それ以上に苛立ちが勝ったらしい。

    「まーまーディオンサン、サーもサーで動揺してたワケでネ?落ち着い、」
    「うっさいコンフィ!一旦現状把握させろ、あの中将を知ってる奴は手ェ挙げな!!」
    「わあトゲトゲ」
    口調こそ荒いが内容自体は正当である。半分怒号の呼び掛けに気圧されるようにして挙がった腕は──数えるまでもなかった。

  • 22◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 12:37:53

    「アタシとヒョウ太以外全員じゃねェか!!」
    そう、この場で手を挙げていないのは050とディオンだけ。
    ……海兵は別に従わなくていいだろ、なんで律儀に挙手してるんだ。

  • 23◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 12:39:46

    「あーっと……色々と有名だったのヨ、フィルサンは。あの人が居なくなったのは、ええと、十何年前だっけ?年齢的にディオンサンが知らないのも仕方ないネ」
    「この団ってほとんど身内で構成されてるからねー、ある程度の年だったらみんな顔見知りだって。それに狭い国だったもんねえウチ」
    「姉さんそんな身も蓋もない……あーおれはほとんど覚えてないぞ、ぼんやり知ってるだけだ」
    絶叫の後に額を押さえたディオンの両肩には、それぞれ慰めるかのようにコンフィとクラウ、二人の手が置かれている。掛けられた言葉は慰めでも何でもないが。

  • 24◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 13:52:19

    この海賊団の成り立ちは何でもいいとしても、今正に巻き込まれそうになっている騒動の根源である。どう行動するにも情報収集は必要となるだろう。

    (050、おれと交代するか?お前が聞き込みをするでも構わんが)


    1.ヒョウ太

    2.050

    dice1d2=2 (2)

  • 25◆BtOeeshqkE24/11/01(金) 13:53:34

    誰に聞く?

    1.海軍

    2.リフター 

    3.コンフィ 

    4.ウィンド 

    5.トラット

    6.ディオン 

    7.クラウ

    dice1d7=1 (1)

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