ブルアカSS ハルナとご飯を食べる話

  • 1二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 15:12:35

    7000文字近いからSSとは呼べないかもしれない

  • 2二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 15:14:09

    ハルナは良いぞ(良いぞ)
    期待

  • 3二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 15:15:02

    仕事に一段落がつき、ソファーに座ってコーヒーを飲みながら休憩をしている最中だった。
        ピコン、と軽快な音が重苦しい空気のこの部屋に響き渡る。
        恐らく生徒の誰かからモモトークが送られてきたのだろう。シッテムの箱を手に取り、アロナによって既に開かれたモモトークの画面に目を向ける。
    「誰からかな?えっと…ハルナから?」
        美食研究会がまたトラブルでも起こしたのだろうか。それともこれから起こすのか。そんな邪推をしながら内容に目を通す。
    『先生、明日の夕方はお時間ありますでしょうか?もしよろしければご一緒にディナーでもいただきませんか?素晴らしい料理店を知っていますので』
        どうやらただの夕食のお誘いだったらしい。今日と明日の午前中に頑張って仕事を片付ければ夕方には間に合うだろう。
    『明日の夕方だね。空けておくよ。具体的な時間はいつにする?』
        少しコーヒーを飲み進めているとすぐに返信が帰ってきた。
    『感謝しますわ。では6時頃でいかかでしょうか?私がシャーレまでお迎えにあがりますので』
    『わかったよ。ありがとう。それじゃあまた明日。ハルナとのお出かけ楽しみにしているね』
    『はい。私も楽しみにしていますわ。ではまた明日』
        モモトークを閉じ、ソファーからの誘惑に打ち勝って立ち上がると仕事場につく。
        山積みの資料を見ると憂鬱になるが気持ちを切替える。これくらいなら徹夜せずとも終わるとは思うが、明日突然新しい仕事をする必要が出ると面倒なためあまり寝る時間は確保出来ないかもしれない。まぁこれくらい慣れているから問題は無いだろう。
        冷めてきたコーヒーを一気に飲み干し小さくため息を吐く。そして仕事に取り掛かる。明日の予定に思いを馳せながら。
     今日は当番に来てくれた生徒のおかげもあり正午を迎える前に仕事が片付いた。その生徒に今日はもう帰っていいと伝えると何故か不満そうに立ち去って行った。
    思い当たる節も見当たらないし勘違いだろうか?いや、勘違いで済ませるのは後々後悔することになるかもしれない。相手が怒っているのに思い当たる節がないなんて最悪のパターンだろう。しかし原因が分からないのだからしょうがないと思い思考を断ち切る。
        午後は特にすることも無かったため永らく触れてこなかった趣味に没頭した。

  • 4二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 15:16:41

    ベネ!!

  • 5二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 15:17:16

    しかし、徹夜ばかりで疲れが溜まっていたのか体力が落ちてしまっているのか分からないが暖かい太陽の光も相まって眠くなってきた。このまま寝てしまうのはまずいと分かっているが眠気には抗えず、横になってしまった体を起こすことなく瞼をつぶる。時間が近くなればきっとアロナが起こしてくれるだろうと適当なことを考えて眠気に身を任せる。コーヒーでも飲んでカフェインを摂取しとけば良かったと少し後悔しながら。

     シャーレのオフィスの前に着くとドアを3回ノックする。しかし一向に返事が返ってこない。もう一度ノックをし先生を呼ぶがやはり返事はかえってこない。
        仕事に集中していて気づかないのだろうか?先程モモトークに連絡をしたがもちろんそちらにも返事は返ってきていない。
        正直デリカシーにかけるような気もするが仕方ない。そう思いながらドアを開ける。
    「先生、失礼いたしますわ。返事がないものでしたので…あら?」
        扉の先に目をやると、ソファーから転げ落ちたのか床にころがって寝ている先生の姿が目に入る。
        音をなるべく立てないように近づくと、スースーと寝息を立てていることが分かる。先生の寝顔は珍しい気がして何となくカメラを向ける。シャッター音で起きてしまわないか心配だったが、この程度では問題ないらしい。
        顔以外にも目をやるとシャツはめくれていて腹筋がチラッと視界に移る。少し、いやかなり色っぽくて妙に気恥ずかしくなり、目線を先生の顔に戻し誤魔化すように話しかける。
    「かわいい寝顔ですわね先生。ごめんなさい、私が突然予定を入れてしまったから急いで仕事を終わらせてくれたのでしょう?お疲れなら出発はもう少し遅い時間でかまいませんわ」
        しゃがみ込んで先生の耳元とまではいかないものの、先生の顔の近くで話しかければ流石にこちらに気がついて起きたらしい。
    「うわっ!あ、ハルナかびっくりした。ごめんね少し眠くなって寝てしまったみたい。準備するから少し待ってて」
    「はい、ごゆっくり支度してください」
        どうせならもう少し寝顔を眺めておけばよかったと思ったが、寝顔をカメラに収めていたことを思い出しその写真を見つめる。

  • 6二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 15:18:44

    「これは皆さんに見せるわけにはいきませんわね」
        そう独りでつぶやくと丁度支度を終わらせた先生がきた。
        ビクッ、と体を跳ねさせると同時に慌ててスマホの電源を落とす。
    「それでは行きましょうか、先生」

        シャーレをでてハルナのオススメの店に向かう。
        その店まで、歩いていくには遠いと思いいつもより歩くスピードを速めようとする。
        が、ハルナが手首を掴んでくる。どうしたのだろうかと思い振り向くと、
    「あら先生?女性をエスコートするのは男性の役目ですのよ?」
    「えっ、あ、うん。ごめんね?」
        私は何故か謝りながら、心なしかいつもより歩くスピードが遅く感じるハルナの歩幅に合わせてその横、車道側を歩く。そのまま数分歩き続けた。
        珍しく今日は銃声も聞こえないくらい平和だった。その方が逆に不安を覚えるがやはり平和である方がいいことに変わりない。
        適当にそんなことを考えていると突然目の前の視界にハルナの顔がひょこっと現れる。
    「そろそろ着きますわ」
        そう言いながらハルナが私の顔を覗き込んでいた。驚いて思わず少し後ろに仰け反りそのまま距離をとる。
        ハルナの方に目を向けると、あそこですわ、と彼女が指を指した先に店が見える。
        もう一度ハルナの横に行こうとすると、ハルナが唇に手を当ててこちらに向かって微笑みかけてくる。その動作に不覚にもドキッとしてしまう。
    (生徒にときめいてしまうなんて先生失格だ!でも何か違う気がする。どちらかと言うと心配というか不安というか……)
        そうだ、これはきっとハルナが店を爆破しないかという危機を感じた的なあれだろう、と結論づける。
    (まぁでもハルナのオススメの店って言ってたし大丈夫か)

  • 7二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 15:20:01

    そこは洋風な店だった。なんだかフランス料理とかイタリア料理とか、とにかく高そうな料理を取り扱ってそうな上品なイメージだ。
        天井にはシャンデリアのようなものがぶら下がっていて絶妙な明るさでありオシャレさが増している。テーブルは円形でテーブルクロスがひかれており、椅子も西洋風に感じる。店内の客がお淑やかに振舞っているのも要因の一つだろうか。
        客はそこそこ多いように思えるがまだ席が何席か残っているところを見るにどうやら余裕を持って席が用意されているようだ。
        席に着くと、ウェイターがすぐにおしぼりとお冷を運んでくる。
        ハルナのお気に入りの店だと聞いていたが、普段からただの学生がこんな高そうな店に出入りできるものだろうか。この店にしか来ないのならまだしも、美食研究会として毎日のように色々な店にいっているはずだ。その分金は消費されるし、バイトだってしている時間などないだろう。
        すると、こんな疑問を抱いているのを知ってか知らずかハルナが話しかけてくる。
    「このお店、見た目の割には値段が安いんですの。もちろん、味の方は見た目相応の素晴らしさですけど。美食というのは雰囲気も重要ですのよ。」
        メニューを見ると確かにほとんどの料理が1000円程度だ。
        オシャレな店で料理を安く食べられるということを売りにしているのだろう。そのためかオシャレな感じの料理が多いがコース料理というものがなかった。簡単に言うならオシャレなファミレスと言ったところだろうか。そこら辺のファミレスよりは確かに値段は高いがその分雰囲気があるし高校生のデートとかにはうってつけなのでは無いだろうか。まぁ、キヴォトス内で男子高校生などみたことはないのだが。

  • 8二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 15:20:48

      「先生、注文は決まりましたか?」
        「そうだな...それじゃあ、ハルナと同じのでも頼もうかな」
        「それでしたらこちらの料理でよろしいですの?大人には量が少なめだと思いますが」
        「多分足りると思うよ」
        それに、とつけ加えて、
        「最悪、シャーレの業務でお腹がすいてるのには慣れてるし」
        と、なかなかの見過ごせない問題発言を小声で発した。
        「何か言いましたか?」
        「いや、なんでも」
        小さく溜息をつきながら店員の呼び出しベルを鳴らす。
        20秒もしないでウェイターがやってくる。面倒くさそうな態度を一切感じさせず、そのままテキパキと注文を取る。業務というよりは会話のような雰囲気で、しかし馴れ馴れしく感じさせない態度で注文を取ると、軽く会釈をしてホールの奥に戻っていく。
       (なるほど、これはハルナが気に入るわけだね)
        そんなことを考えながら窓の外に意識を向ける。ここからだと窓まで遠いのだが窓が大きいためかあまり綺麗とは言えずとも普段よりも落ち着いた夜景が見える。もしかしたらこの辺はあまり生徒は近づかないのかもしれない。それこそ風紀委員がたまに見回りをするくらいか。
        「あら?デート中に目移りとは感心しませんわね」
        そんな声が目の前の席から聞こえる。自然に背筋がピンと伸びる。
        「え、その、いや、ごめん」
        反射的に謝ってしまう。
        「でもデートってそんな大袈裟な」
        少し早口で言う。危うく噛むところだった。
        するとハルナはふふっ、とお嬢様らしく笑いながら、
        「冗談ですわ。そんなに慌てなくてもよろしいですのに」
        少し嬉しそうな顔で言った。慌てていたのを見て何が楽しいのだろうかと思うがまぁ面白かったのだろう。

  • 9二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 15:22:02

    そのまま何分か会話を続けていると奥からウェイターが料理を運んできた。丁寧に料理を置いていくとこの場から立ち去ろうとする。
    が、ウェイターが持っていたトレーがコップにぶつかった。カランと軽快な、風鈴のような音を立ててテーブルに倒れ床に転がると、ガシャンと耳を突くような音を立てて割れる。
    水は床にこぼれただけでハルナにはかかっていないようだった。
    ウェイターが本当に申し訳ないといった様子で頭を下げる。
    終わったと思った。ハルナが店を爆破するのを止めるためにテーブルに手を付き勢いよく立ち上がるが、その拍子にもうひとつのコップがグラグラと揺れる。間一髪でそのコップをつかみテーブルに置き直す。
    明らかなロスタイムであった。ほぼ諦めつつもハルナの方に目を向ける。しかし、予想に反してハルナは店を爆破するどころかウェイターが片付けをするのを手伝おうとしていた。
    ハッとして声をかける。
    「ハルナ、ガラスが危ないから触っちゃダメ。ウェイターさんも。ほうきとか持ってきてそれで片付けましょう」
    そう言うが早いか、他のウェイターが数人駆けつけ片付けを始める。それをテキパキと素早く終わらせる。ウェイターがもう一度謝罪をして申し訳なさそうに立ち去ると別のウェイターがやって来て話しかけてくる。
    どうやらお詫びとしてサイドメニュー的なものを一品無料で提供して貰えるらしい。ここはありがたく行為に甘えることにした。元々頼んでいた料理もつくりなおすという提案をされたがそれは断った。特に問題ないだろうし食材がもったいないと思った。少し料理が冷めてしまったくらいだろう。
    「それより、ハルナがあそこで店を爆破しないどころか怒りもしないなんて意外だったなぁ」
    「あら、それは心外ですわ。私は誠心誠意おもてなしをしてくれる方のミスまで咎めるつもりもありませんし、そのような権利もございませんわ。」
    「なるほど、ハルナらしいね」
    それにしても料理が美味しい。この値段でこの美味しさとは驚愕だ。その辺のチェーン店なんて比にならないくらいだ。別の料理も気になり始めていたざこれはまた別の機会に頼むことにする。次は少し高めのものを頼んでもいいかもしれない。

  • 10二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 15:26:06

    「やはり美味しいですわね」
    ハルナがポツリと呟く。
    「本当にね。この料理とても美味しい」
    「いいえ、そうではなくてですね。いや、そうではあるのですが...。その、先生と、一番好きな御方と食べる料理が美味しいという意味ですわ」
    そんなハルナの唐突な発言に思わず体がはねる。心臓に悪いので少しは前振りが欲しいものである。
    「そうだね、私もハルナと一緒に食事ができて楽しいよ。またこようか」
    そう言うとハルナが窓の方に目を逸らす。何故か手元がソワソワしていて時々食器とフォークがぶつかりカチン、と甲高い音を立てている。
    「ええと、どうしたの?」
    「な、なんでもありませんわ!」
    上擦ったような声で応えると、ハルナは妙にオドオドとしたまま料理に視線を落とす。やはりこちらを一切見ない。何か失礼なことを言ってしまっただろうかと半分真剣に悩み始めるがそれも長くは続かない。落ち着きを取り戻し始めたハルナが話しかけてきたからだ。
    皿を見てみるともう料理を食べ終わったことが分かる。
    「先生、また一緒にここで美食を味わいましょう。二人きりで。もちろんここ以外の場所でもいいのですが」
    ちゃっかりと二人きりでの約束を取り付けたハルナは続けて、
    「いつか美食研究会の皆さんと一緒に、というのもありですわね。そのときはフウカさんに協力してもらいましょう」
    「うん、それもいいけどその、穏便にね?」
    「ふふ、約束はできませんが肝に銘じておきますわ」
    フウカにはとりあえず無事を祈っておく。
     「いつか先生の手料理を振る舞ってもらうのもいいですわね」
     「私は料理上手じゃないんだけど」
     「先生が私のために料理を作ってくださればそれで十分ですわ!」
     ハルナはそのままの調子で次々に約束を取り付ける。
    そんなこんなで会計を済ませて店を後にする。

  • 11二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 15:27:06

    空はとっくに暗くなり月が浮かんでいた。
    「月、綺麗ですわね」
    隣に立つ少女が微笑みながら言う。まったくこの子は意味をわかって言っているのだろうかと考えるが、その少女が前を歩き出したため急いでその横につく。
    川沿いのT字路が見えてきたあたりでハルナが振り向く。
    「いけません、忘れていましたわ。先生の帰路は逆向きでしたわね。私はここまでで大丈夫ですのでどうかお気をつけて」
    こんな暗い中女の子をひとりで返す訳にも行かない、と言いかけたがよくよく考えてみればキヴォトス人は強いしそもそも彼女はテロリストである。それに家も知らないし余計なお世話だったのではと思う。
    しかし、それはそうと理屈は通っていなくてもなんとなくこのまま帰るのも気が引ける。
    だが、ハルナはすでに走って遠くに離れており、追いつけるような距離にはいなかった。
    しょうが無いと思い踵を返そうとしたところで彼女が走りながらこちらを向いていることに気がつく。手でも降っておくか、と脳天気なことを考えていた直後に割と深刻なことに気がつく。
    別に車が来ていたとかそれほど大きな問題では無いが、彼女が走っている方向にあるのは川。そして彼女は今こちらを向いている。つまりそのまま走れば間違いなく川に落ちる。彼女と川までの距離はもうさほどない。
    「ハルナ!前!」
    と、大声で叫んでいるもののどうやら伝わってないらしい。それどころか、なまじ声だけは聞こえてしまったせいかさっきよりもこっちを気にしているように思う。
    そして、突然ハルナが視界から消えた。
    急いで川の方まで駆け抜ける。猛ダッシュである。
    川の下流の方に目を向けるとハルナが川に沈みながら親指を立てていた。無事なのかどうかわからないがこのままだとまずいことだけは分かる。
    しかし、このままでは到底追いつけないためどうしようかと悩んでいたが川に向かって、というよりはハルナに向かって橋から飛び下りる影が見えた。
    10秒もしないうちにハルナはその影によって川から引き上げられていた。どうやらたまたまそこを通っていた風紀委員長であるヒナが助けてくれたらしい。恐らく何かしら事情聴取でもされているのだろう。そのまま帰ることにした。

  • 12二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 15:27:52

     後日、ヒナから数日間、それこそハルナともう一度食事に行った日まで美食研究会によるテロが少なかったと聞いて、良かったねと単純な返答をし鈍感を発揮するのだがそれはまた別の話である。

  • 13二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 22:58:05

    デデンデンデデン>

  • 14二次元好きの匿名さん24/11/03(日) 23:00:28

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