【🎲、オリキャラ・オリ学園】独立の道　黄金の自由を目指して

1卜部シラク24/11/05(火) 22:18:07

どうせなら　癖に素直に　やってみよう

と、そんな勢いで始めていくダイスで進行していくオリキャラ・オリ学園スレ。一応大まかな骨子は

スレ画はオリ学園の校章(多分略式)の暫定版。もっと良いのが描けたらそっちに変える。

2卜部シラク24/11/05(火) 22:22:31

事前情報:
シェオル連盟共同体学士院

シェオル連盟共同体学士院はかつてゲヘナ学園とレッドウィンター連邦学園の間に挟まれるように位置していた学園である。
古くから独立志向が強く、キヴォトスが今の形になる前からシェオルの地で話されてきた言語や文化、そして民主主義が深く根付いている。
また、独自の学制や法が制定されている。その為、他校との交流では混乱を招くことがある。
産業面では農業を主体としつつも、重工業や鉱業に力を入れている。
キヴォトスの中でトップクラスと言える程に治安が良く、事件発生率が低い。ただし治安の良さと引き換えに、刀剣類を用いた決闘が頻繁に行われている。
なお決闘が事件に含まれることはない。シェオルでの決闘は、日常の一つでしかないのだから。

シェオル生は個人の銃とは別に、刀剣を佩用していることがある。
佩用すること自体はそこまで大きい意味があるわけではなく、伝統がそうさせているようなものではある。
ただしシェオル生の刀剣は飾りではなく、れっきとした武器であり、意思表示の手段でもある。シェオルの生徒は決闘や強訴など、状況や必要に応じてそれを抜くことがある。

シェオル連盟共同体学士院は現在から数えて6年前より「雷帝」政権下のゲヘナ学園と「大帝」政権下のレッドウィンター連邦学園による侵攻を受けたのちに分割占領されている。
現在は侵攻時にシェオル外へ脱出し、一時的に他校へ身を寄せながらも帰還の時まで力を蓄え続けている"流亡学府"と、シェオル内に留まり抵抗を続け、ゲヘナやレッドウィンターに多くのシェオル生を潜伏させて独立の時に備えている"地下学府"の2組織が正統なシェオル連盟共同体学士院の代表者として活動している。
また、レッドウィンターの傀儡政権として、シェオル生より裏切り者と忌み嫌われている「シェオル市民解放委員会」が存在する。

流亡学府はシェオル全域が侵略者によって占領された時から現在に至るまで、繰り返し何度も連邦生徒会へ向けてゲヘナとレッドウィンターに対しての撤退勧告を出すように要求している。
しかし、その要求が実ることはなく、流亡学府と流亡学府経由でそれを知った地下学府の連邦生徒会に対する不信感を高めている。

故に、シェオル生は連邦生徒会を日和見主義者と詰り、連邦生徒会が何を言おうともその全てを聞き流す。馬の耳に念仏という諺のように。

3卜部シラク24/11/05(火) 22:23:54

現在、流亡学府と地下学府は再び独立と自由を掴み取る為、ゲヘナとレッドウィンターに対する大規模な蜂起を計画している。
それは水面下で進行しており、更には徹底した偽装や対策が取られている為に、シェオルを占領している両校はその陰謀に関する足跡を掴めていない。
勿論、その中には両校に潜入しているシェオル生の妨害工作や諜報活動による情報流出の影響も十分にある。

不可視の闇は偏在する、誰が逃れられようか？

4卜部シラク24/11/05(火) 22:26:03

プロフィール

[本来の身分]

名前:卜部　シラク(うらべ　シラク)

学校:シェオル連盟共同体学士院　地下学府

学年:リツェウム(高等部)　2回生

課程:普通学士課程

学科・学部:馬術科　騎兵部

所属:政治諮問委員会/学士院騎兵隊

兵科:有翼騎兵

役職:政治諮問委員会帯剣官/学士院騎兵隊統領

誕生日:8月15日

[偽の身分]

名前:卜部　シラク

学校:ゲヘナ学園

学年:3年生

所属:dice1d2=1 (1)

(1.風紀委員会 2.万魔殿)

役職:dice1d3=2 (2)

(1.中堅 2.幹部 3.高位幹部)

誕生日:8月15日

5卜部シラク24/11/05(火) 22:27:25

外見

髪色:プラチナブロンド、赤のメッシュ入り

長さ:dice1d100=5 (5)

(1で肩につかないほど、50で肘あたり、75で腰、100で地面)

瞳:dice1d4=1 (1)

(1.金 2.灰 3.紫 4.赤)

獣耳:馬

尻尾:馬

体型

身長:120cm + dice2d120=113 71 (184)

胸:dice1d6=3 (3)

1.かなりまな板 2.貧しき者…… 3.大体普通くらい 4.割と大きめ 5.でかいよ 6.とてもでかい

腹:dice1d5=3 (3)

1.筋肉微量、柔らかめ 2.筋肉少量、やや柔らかめ 3.中間、みっちりしてる 4.筋肉やや多め、少し硬め 5.筋肉マシ、硬め

尻:dice1d6=4 (4)

1.小 2.やや小さめ 3.中間 4.やや大きめ 5.でかいよ 6.とてもでかいよ

脚:dice1d6=3 (3)

1.細い 2.やや細い 3.普通くらい 4.少し太め 5.太いよ 6.うおっ……ふっと……

>>27

6卜部シラク24/11/05(火) 22:30:12

戦闘系技能

戦闘(所属補正で最低保証50付与):dice1d50=38 (38)

射撃:dice1d100=51 (51)

格闘:dice1d100=35 (35)

投擲:dice1d100=47 (47)

体力:dice1d100=31 (31)

回復:dice1d100=12 (12)

馬術(学科+所属と兵科補正で最低保証75付与):dice1d25=17 (17)

剣術(同上):dice1d25=2 (2)

身体系技能

筋力(同上/50):dice1d50=48 (48)

持久力(同上/50):dice1d50=6 (6)

敏捷性(同上/50):dice1d50=8 (8)

柔軟性(同上/50):dice1d50=44 (44)

運動(同上/50):dice1d50=3 (3)

その他技能

知性:dice1d100=82 (82)

事務:dice1d100=98 (98)

指揮:dice1d100=74 (74)

医療:dice1d100=58 (58)

技術:dice1d100=72 (72)

創作:dice1d100=22 (22)

魅力:dice1d100=39 (39)

政治:dice1d100=90 (90)

交渉:dice1d100=43 (43)

倫理:dice1d100=79 (79)

慈悲:dice1d100=26 (26)

幸運:dice1d100=10 (10)

占い:dice1d100=53 (53)

神秘:dice1d100=66 (66)

7卜部シラク24/11/05(火) 22:30:37

ステータス詳細補足

基本的に出目が高いほど能力は高くなる。占いの場合は精度が上がる。
戦闘については経験や判断力、即応性などを含めた総合的な数値とする。
運動については反射神経や跳躍力、体幹などを含める。

>>74

8卜部シラク24/11/05(火) 22:32:48

使用武器種:dice3d9=6 5 4 (15)

射程が長いもの(具体的には大口径SRとMG及びAC)からプライマリー、セカンダリー、ターシャリーに並べ替え。

ダイス重複時は振り直し。

使用する武器数が多いのは兵科の元ネタから由来。

使用武器種ダイス/結果換算

1.HG 2.SMG 3.AR 4.SR

5.MG 6.GL 7.RL 8.FT 9.機関砲(AC)

9卜部シラク24/11/05(火) 22:35:59

使用武器詳細(数が多いので分割)

選定ダイス:dice1d11=4 (4)

4.SR

1.kb Mauser wz. 98a

ポーランド、ラドム造兵廠で製造されたボルトアクション式ライフル。

ドイツのGewehr 98小銃に若干の改良を施したもの。

7.92×57mm弾を使用する。

2.kbk wz. 29

ポーランド、ラドム造兵廠で設計・製造されたボルトアクション式カービン。

7.92×57mm弾を使用する。

3.kbk KP-32

ポーランドにてマロシェク技師が設計・試作したボルトアクション式カービン。

生産性とコストを下げる為の設計がされており、それでいて試験において命中精度の面では好成績を残したものの、照準器の不良や組み立てる際の問題などで採用されることはなかった。

7.92×57mm弾を使用する。

4.kbsp wz. 38M

ポーランドにてマロシェク技師が設計・試作した半自動小銃。

この小銃による記録された戦果は、設計者らが列車で避難している最中、攻撃を仕掛けた2機のドイツ軍機に対して設計者自身による敵機への対空射撃を行い、その結果として乗員が死傷した1機を緊急着陸させたものが残っている。

7.92×57mm弾を使用する。

5.kb ppanc wz. 35

ポーランドにてマロシェク技師が設計したボルトアクション式対戦車ライフル。

開戦前までは軍事機密として「観測機器」や「ウルグアイ」と言った秘匿名称がつけられていた。

7.92mmと、対戦車ライフルにしては小口径ではあるが、とてつもない高初速で重い鉛の弾頭を装甲板に叩きつけ、それによって粘着榴弾じみた現象を起こすことによって装甲板の内面剥離を引き起こし、乗員の死傷と車載装備品等の破損を狙うとかいうよくわかんないやつ。

なお初期のドイツ戦車は100m以内ならこいつで容易く装甲を貫通できたりする。

7.92×107mmDS弾を使用する。

10卜部シラク24/11/05(火) 22:36:14

6.Bor 7,62
Zakłady Mechaniczne Tarnów(ZMT)が設計・製造したブルパップのボルトアクション式スナイパーライフル。
7.62×51mmNATO弾を使用する。

7.ALEX-338
Zakłady Mechaniczne Tarnów(ZMT)が設計・製造したブルパップのボルトアクション式スナイパーライフル。
.338 Lapua Magnum弾を使用する。

8.Tor
ポーランド、Zakłady Mechaniczne Tarnów(ZMT)が設計・製造したブルパップのボルトアクション式対物ライフル。
12.7×99mm弾を使用する。

9.ZMT MWS-25
ポーランド、Zakłady Mechaniczne Tarnów(ZMT)が設計・製造したモジュラー式のセミオートスナイパーライフル。
7.62×51mmNATO弾と6.5mm Creedmore弾を使用する。

10.ZMT MWS-38
ポーランド、Zakłady Mechaniczne Tarnów(ZMT)が設計・製造したモジュラー式のセミオートスナイパーライフル。
.338 Lapua Magnum弾を使用する。

11.MSBS Grot-7.62N
ポーランド、ラドム社が設計・製造したモジュラー式のセミオートマークスマンライフル。
7.62×51mmNATO弾を使用する。

11卜部シラク24/11/05(火) 22:37:29

選定ダイス:dice1d9=7 (7)

5.MG

1.rkm wz. 28

BAR M1918をポーランド軍向けにピストルグリップや二脚の装着と言った改良を施した軽機関銃。

7.92×57mm弾を使用する。

2.ckm wz. 30

ブローニング M1917水冷式重機関銃をポーランド軍向けに改良したもの。

対空射撃用の銃床が取り付けられる。

専用のタチャンカが用意されていたりする。

7.92×57mm弾を使用する。

3.km lot wz. 36

上記のckm wz. 30を航空機銃とする為、空冷化や発射速度上昇などの改修を施したもの。

7.92×57mm弾を使用する。

4.km lot wz. 37

rkm wz. 28を旋回機銃とする為、円盤弾倉への変更や発射速度上昇、銃床除去その他多数の改修を施したもの。

7.92×57mm弾を使用する。

5.km Typ C

ckm wz. 30が騎兵や工兵など他の兵科にとって適切なものではなかったため、それを置き換える為に試作された重機関銃。

7.92×57mm弾を使用する。

12卜部シラク24/11/05(火) 22:37:41

6.UKM-2000
民主化後にPKM汎用機関銃をZakłady Mechaniczne Tarnów(ZMT)でポーランド軍向けに改良したもの。
7.62×51mmNATO弾を使用する。

7.km wz. 2003
民主化後のポーランドで試作された軽機関銃。
採用されることはなかった。
5.56×45mmNATO弾を使用する。

8.WKM-B
民主化後にNSV重機関銃をZakłady Mechaniczne Tarnów(ZMT)でポーランド軍向けに改良したもの。
12.7×99mmNATO弾を使用する。

9.WLKM 12.7mm
ポーランドのZakłady Mechaniczne Tarnów(ZMT)で設計されたガトリング式重機関銃。
12.7×99mmNATO弾を使用する。

13卜部シラク24/11/05(火) 22:38:21

選定ダイス:dice1d4=4 (4)

GL

1.wz. 83 Pallad-D

ポーランドで設計・製造されたアンダーバレルグレネードランチャーであるwz. 74 Palladをスタンドアロン化したもの。

40×47mm弾を使用する。

2.Pallad-M

ポーランドで試作された歩兵携行型の自動擲弾銃。

40×47mm弾を使用する。

3.RGP-40

ポーランドで設計・製造されたリボルバー式グレネードランチャー。ポーランド軍からは排莢に問題があったために契約を撤回されたが、これを供与されたウクライナ兵からは好評。

40×46mm弾と40×51mm弾を使用する。

4.GA-40

ポーランドで試作された自働擲弾銃。先にアメリカ製のMk 19が採用された為に試作品で終わってしまった。

40×53mm弾を使用する。

14卜部シラク24/11/05(火) 22:46:31

タロット占い(小アルカナのみ)

dice1d14=7 (7) + dice1d4=1 (1)

(左:数札+人物札。10までは数札とする)

11.小姓 12.騎士 13.女王 14.王

(右:スート)

1.棒 2.剣 3.聖杯 4.硬貨

15卜部シラク24/11/05(火) 22:48:22

タロット占いの結果は棒の7。
意味するのは「勇気、ディスカッション、交渉」

16卜部シラク24/11/05(火) 22:52:39

一歩目:名誉の時　

【ゲヘナ学園の日常、崩れ去る！？】

　そのような文言の見出しが印刷されたクロノス発行の新聞紙の内容へ身を通しながら、バターを塗りたくったライ麦の黒パンにチーズとソーセージを乗せたオープンサンドを摘み、紅茶を啜って優雅な軽い朝食を摂る。

「おやおや、ゲヘナは随分と大変なことになっているようですね？」

「ご機嫌よう、評議会議長閣下。ゲヘナでは昨夜未明に襲撃があったらしいですな、誰かに恨まれるとは実に大変なことだ」

　その最中、朝食を持ってきた護衛とは違う、真紅の制服を着込んだ評議会議長閣下がふらりとやって来ては、俺が持つ新聞紙を覗き込む。

「中身を見るに、襲撃の被害を受けたのは風紀委員会と万魔殿、それから救急医学部の３つ。

しかもかなりの痛手を負ったらしい、ゲヘナがこれほどの攻撃を受けるのはエデン条約の調印式以来じゃないか？」

「ふむ……どうやら風紀委員会と万魔殿の被害は重役にまで及んでいるようですね。具体的な被害についての記載はありますか？」

　新聞紙をぺらりとめくり、活字を追ってお目当ての情報を探り当てる。

　どうやら襲撃はうまく行ったようで、戦果は上々といったところか。"消防士"に"銃士隊"……そして"破壊活動局"の"扇子"と"報復連盟"は実に素晴らしい仕事をしてくれたものだ。

「ふむ……合計した被害は木端の生徒がdice10d200=58 152 100 19 136 24 129 119 16 107 (860) 程の負傷者が出て、更には武器弾薬や車両なんかの物品類が最低でも4億程は吹き飛ばされたとさ。オマケにゲヘナの学生寮やインフラ系施設に対する放火のような破壊工作まで受けてるときた。とんでもねぇ規模の襲撃だな」

「これで少しは蜂起がスムーズに進めば良いのですがね。後で進展を占っていただけます？」

「構わんが……馬とタロット、どっちで占うんだ？」

　新聞に記載された被害を見て、2人で仲良く駄弁りながら読み進め。遂に1番の目玉であるゲヘナ上層部の被害について記載があるかを探る。

　襲撃の結果次第では、今後のプランを白紙にして新たなプランを策定することも検討しなければならない。で、あるからこそ我々にとって脅威になりうる存在がゲヘナから排除されていなければならないわけだ。

「それでは、ご開帳と行きますか」

17卜部シラク24/11/05(火) 23:04:24

dice1d6=6 (6)

1.両者無事

2.羽沼マコト、再び入院(短期の戦線離脱)

3.空崎ヒナ、負傷(軽傷)

4.空崎ヒナ、重症(長期の戦線離脱)

5.双翼、堕ちる(両者重症、長期の戦線離脱)

6.ゲヘナ学園上層部、大損害を受ける(万魔殿と風紀委員会のトップと幹部、共に長期の戦線離脱)

俺が新聞を読み進めながら朝食をつまんでいる間、議長閣下はやっと占い方を決めたのか口を開く。

「それでしたらタロットで占ってくださいな、馬占いは準備が手間でしょう？」

「これはこれは、御高配ありがたく存じまする。それではタロットを準備している間中、この記事でも読んでいてくださいな」

ありがたい配慮に感謝しながら、デスクの引き出しよりタロットカードを取り出し、議長閣下に新聞紙を押し付けてから適当にカードを並べる。

とはいっても全部並べるのは手間だしスペースも足りないので大アルカナのみだが。

タロット占い(大アルカナ):

番号(23から1引いた数値が引いたカード):dice1d23=2 (2) -1

位置:dice1d2=1 (1)

1.正位置 2.逆位置

18二次元好きの匿名さん24/11/05(火) 23:11:03

ゲヘナ学園にかなりの損害を与えてるな
そして派閥や組織もかなりいそうだ
ここまでの被害だとゲヘナからの報復が怖いな

19卜部シラク24/11/05(火) 23:34:54

記事を見た途端、愉快そうな笑みを浮かべている議長閣下へ引いたカードとその結果を見せつける。

「おやおやおやおや、随分と素晴らしい知らせですね。実に気分が良い。
ところで帯剣官、タロット占いの結果はどうなりました？」
「正位置の1、魔術師。意味は『創造』と『手腕』だな。逆位置を引かなかっただけ儲けもんってところか？」

占いは裏、或いは外れがないから占いと言うもんだが、それでも悪い結果さえ回避できれば良いものだ。
少なくとも験担ぎは出来んが、言い換えれば悪運を引きずらないで済んだとも言える。一応は上々か？
まあそれは良い、それよりも今は議長閣下からの追求に答えねばな。

「ふむ、手腕ですか……襲撃部隊への指示は徹底されていますか？」
「そりゃあ勿論、俺の権力が及ぶ範囲のやつはしっかりと地下学府の命令に従ってくれるし、外様……つまりは"消防士"と"銃士隊"には政治的な取引や支援で言い含めておいたさ」

"消防士"はあくまでもシェオルの消防隊がルーツってのもあるから、精々が資金援助や機材と人員の融通程度で安く済んだ。
しかし"銃士隊"の方は面倒な奴らだ。飴と鞭と権威をうまく使い分けにゃならんのだから。
だがそれも済んだことだし、何より襲撃を起こした犯人はカイザーだと思われるように使い捨ての装備を手配しておいたのも俺だ。
なんなら尻拭いもある程度はできる。何せ俺は風紀委員の幹部でもあるのだから！

20卜部シラク24/11/06(水) 00:00:51

「それにだ。実行部隊がヘマをしでかしたところで、ある程度のヘマなら俺の能力や風紀委員での権限で尻拭いが出来るし、嫌がらせに燻製ニシンを投げつけることだってできる。
俺は2年坊だが、能力に問題はないだろう？それに、俺は強いんだ。心配する必要はないさ」

懸念を打ち砕き、蜂起までの準備に専念してもらう為にも事実を並べ立て、最後にハッタリも添えて保証を付ける。

「ならば良いでしょう。貴女は引き続き他のシェオル諜報員と協力してゲヘナの情報を探り当ててください。できますね？」
「勿論ですとも。俺はプロですから、出来ませんとは言いません。ただ成し遂げるのみですよ」

そんな説得の末、無事に懸念は振り払えたようなので良しとしよう。
引き続きの潜入任務を引き受けると同時、最後の一切れを議長閣下に奪われ、去り際に励ましの言葉を貰う。

「卜部シラク帯剣官、私は貴女に期待していますよ」

空になったプレートを尻目に、残った紅茶を一気に煽る。
ティーカップがほぼ空になり、底に微量の水滴だけが残った頃、懐に忍ばせてある携帯が着信音を奏でる。

21卜部シラク24/11/06(水) 00:52:52

携帯を取り出し、風紀委員会からの電話に出る。とは言っても、内容なんてのはとうの昔に分かりきったものだが。

「もしもしご機嫌よう、こちらは卜部シラク本人だ」
『シラク先輩ですね！？そちらは無事ですか？』
「無事も無事、朝食を済ませて後は出勤するだけさね。で、要件は……朝のニュースになったあれか？」
『ええ、その通りです。今すぐに風紀委員会へ来れますか？こっちは委員長が重症になったものですから、どこも混乱しているんです』

クロノスも意外と信用できるもんだな、大当たりを引くとは思わなんだ。
だがここで気を抜いたら俺がこの件に関与していると疑われかねんから、声色を取り繕い、頭を冷静にする。
その上で、あくまでも"頼れる先輩"として振る舞う。

「わかった、すぐに急ぎで向かう。それまでに今動ける人員の掌握と、風紀委員内における混乱の沈静化をしてくれ。やってくれるか？」
『はい！すぐに取り掛かります！』

問題もなく電話をやり過ごせた、後は風紀委員会に向かうだけ。
ちょうどタクシーが通りかかったからそれを止め、運転手に紙幣を握らせて急ぎで風紀委員会まで向かわせる。
その間、かなり窮屈な車内で手鏡を見ながらちゃんと表情を取り繕えるかの確認を忘れない。

22二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 00:57:29

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23卜部シラク24/11/06(水) 01:03:04

今日はここまで。もう寝る！続きは明日！

24二次元好きの匿名さん24/11/06(水) 08:00:10

早めの保守

25卜部シラク24/11/06(水) 09:33:29

窮屈なタクシーに揺られ、やっとこさ風紀委員会本部に到着する。
釣り銭を受け取りもせず、室内へ飛び込むことで俺が焦っているように見せかけつつもお目当ての部屋を見つけて中へ入る。
中に入ってすぐ、俺の姿を見つけた多分電話相手だろう風紀委員が駆け寄ってくる。

「無事でよかったです、シラク先輩。委員長は重傷を負いましたし、行政官やイオリ先輩とも連絡が取れなかったんです。これでシラク先輩まで連絡が取れなかったらどうにもなりませんよ！」

安堵したのか、堰を切ったように話し始める風紀委員ちゃんを落ち着かせ、俺の言いつけ通りにできたかを聞く。

「随分と面倒な事態になったものだな。ところで君、人員の掌握と混乱の沈静化はできたか？」
「ええ、はい。今本部にいる無事な風紀委員はリストにまとめました。ただ、その……混乱を鎮めるのは、私にはちょっと難しかったです……」

今動かせる人員のリストを風紀委員ちゃんから受け取り、急ぎで作らせたにしては悪くない出来のリストに目を通し。
もう一つの言いつけを達成できなかったのを気まずそうに報告する風紀委員ちゃんの頭を乱雑に撫で回し、"頼れるシラク先輩"を演じる。

「まあ、ちょっとした失敗くらいはそんな気にしなくて良いさ。この経験を次に活かしたまえよ……そもそもの話、こんなことが二度もあって欲しくはないが！」

……現状、風紀委員会のハイバリューターゲット……つまりは空崎ヒナが戦線離脱している今、戦力は大幅に削られている。とは言えど油断できる状況ではないし、他に指揮を取れる幹部級が残っているのも厄介だ。
一旦は風紀委員会の混乱を鎮めて、他の風紀委員会幹部や万魔殿の被害状況を調査せねばなるまい。

26卜部シラク24/11/06(水) 10:00:32

俺が安心して被害状況を探れるようにする為にも、まずは風紀委員の立て直しをやらねばなるまい。

最初に手を叩いて注意を俺に集中させ、声を張り上げて堂々と振る舞うことで少しでも落ち着かせる。

「さあ諸君！状況はあまりにも最悪極まりないが、それでも我々はなんとか耐え抜かねばならない。だから、一時的に私が風紀委員会の指揮を執る。責任は私が負うから、君達は一旦落ち着いてから自分の持ち場に戻りたまえ」

日頃から色々手助けや助言に占いをやって、"頼れる先輩"を演出しておいたおかげである程度は聞いてくれるだろうが、どこまで俺に従ってくれるかはわからん。

風紀委員会内における人望("頼れる先輩"効果で50付与):dice1d50=36 (36)

風紀委員会ネームド(戦線離脱者):dice3d2=2 2 1 (5)

左:1.天雨アコ 2.銀鏡イオリ 3.火宮チナツ

右:1.戦線離脱 2.無事

27卜部シラク24/11/06(水) 12:39:50

業務連絡:

流石に十尺様(304cm)はデカすぎるので八尺様(244cm)に身長を下方修正します。

描写とかもそっちの方がしやすくなるので許してください。

>>5

28卜部シラク24/11/06(水) 19:32:02

少なくとも、今この場にいる風紀委員のほとんどは俺の存在でなんとか持ち直したと見て良いだろう。
後はこの場にいない風紀委員と幹部級だが……多くとも少なくとも、確実に1人はここに現れる。潜入生活を過ごすうちに聴き慣れたイオリの足音が、焦ったような早いリズムで聞こえてくる。

「い、委員長は無事なの！？」
「落ち着きたまえよ、イオリちゃん」
「あっ、シラク先輩！委員長は今どうなのか知ってる！？」
「知っている、だからまずは紅茶でも飲んで落ち着きたまえ」

ドアを蹴破る勢いでやってきたイオリを落ち着かせるため、少々強引にソファへ座らせて。
手の空いている風紀委員へ紅茶を淹れるように指示し、イオリへ家から持ってきた朝刊を押し付ける。

「さて、昨夜の未明にゲヘナ学園が正体不明の勢力から襲撃を受けたことは知っているな？」
「え？うん、今朝のニュースで見たけど……」
「ならば市街地に残る戦闘の痕跡や、普段じゃありえない空っぽのままな委員長のデスクは見えているな？普段なら委員長はすぐに問題を片付けてくるだろうが、今は入院して療養中だ」

湯気が立ち上るティーカップを受け取り、砂糖とミルクを入れた紅茶をちびちびと舐めるように飲んでいるイオリを横目に、わかる範囲での被害をまとめた簡易的なリストや、空崎ヒナが入院する病院から送られた書類を見せ、状況を理解させる。

「ならば今が非常時であることはもうわかるだろう。委員長が負傷して前線から離れ、他の風紀委員の安否もよくわかっていないような、この混乱した状況においてだ。我々は落ち着きを持って、堂々と振る舞わねばならん。
今はとにかく耐えて、情報を集める時間としよう。何をするにしたって、情報を欠いてはろくな作戦も立てられんからな。理解できたか？」
「え？ああ、うん。わかったよ、シラク先輩」
「ならばよし。まずは人員の掌握と、部隊の再編成。それから委員長の襲撃現場も捜査しないとだな。やることは多いが、幸いな事に万魔殿からの仕事は来ていないぞ」

ちゃんと状況を理解できたようだから、一旦イオリを即席の操作チームと組ませて空崎ヒナの襲撃現場へ捜査に向かわせる。
それにしても、やることが多い……！いや普段も万魔殿からの嫌がらせじみたしょうもない仕事とかゲヘナ名物とかで仕事は多いんだが……！

29卜部シラク24/11/06(水) 22:32:53

自分で命令しておいてあれだが、襲撃を受けるってのはこんなに面倒なことなのかと気が滅入りそうになりながらも、後から集まってきた人員の掌握や、部隊の再編成を進めていく最中。
息を切らしながら、いつものように一部の露出が多い奇妙な服を着込んだ天羽アコ行政官がやってくる。

「ご機嫌よう、行政官。いつもより随分遅い到着だが、回り道でもしたのか？」
「ええ、その通りですよ。昨夜の襲撃で鉄道は止まっていますし、普段通る道はボロボロでしたから、迂回して徒歩で行く以外の選択肢はなかったんです……」
「そりゃ大変なことで……だがまあ、君までやられてたらどうなってたことやら。少なくともこれで少しは肩の荷を下ろせるよ」

フラフラとした足取りでソファにもたれかかり、風紀委員ちゃんが汲んできた水を一気に飲み干してコップを空にした行政官。
随分と大変な道のりを歩んできたものだと思っているふりをして。内心では空崎ヒナに続く重要目標である天羽アコと銀鏡イオリの2人を戦線離脱まで追い込めなかったことがかなり気掛かりではある。
……だが、1番重要なターゲットである空崎ヒナを戦線離脱に追い込めたのだから、一応はこれでよしとしよう。
それに、状況によってはヘマをした奴の尻拭いを優先せねばならんだろうし。

30卜部シラク24/11/06(水) 22:38:10

好感度ダイス(風紀委員会)

卜部シラクに対する好感度

空崎ヒナ:dice1d100=33 (33)

天羽アコ:dice1d100=79 (79)

銀鏡イオリ:dice1d100=3 (3)

火宮チナツ:dice1d100=44 (44)

襲撃部隊はヘマを……

dice1d2=2 (2)

1.しでかした 2.しでかしていない

>>36

31卜部シラク24/11/07(木) 00:10:36

さて、事務作業の一部は遅れてきた行政官や他の風紀委員に投げられるから良いし、火宮チナツが襲撃の影響でしばし療養することになったのもまあ良しとしよう。少なくとも、これで軽傷者の戦線復帰が多少遅れることは確実になったからな。
これで、万魔殿の様子を見に行けるだろうな。

「ちょっと万魔殿の偵察に行ってくる。すぐに戻るから、その間は君たちに任せるよ」

と、いうわけで一旦風紀委員会本部を離れて、万魔殿の建屋へ向かうわけだ。
だが移動中に何もしないのは少し落ち着かんから、急いで更新してもらった収監者リストへざっと目を通す。
どうやら襲撃の実行犯であるシェオルの生徒は捕まっていないようで何より。現場に残した証拠品もちゃんと俺が手配したカイザー製のものや、カイザーのPMCが使うやつだったので尚更上出来と言える。
それに、遺留品は"消毒"処理を済ませてあるか、ブラックマーケット経由で手に入れたものだから、追跡は俺らにまで及ぶまい。

32二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 00:13:33

イオリからめちゃくちゃ嫌われてるな
勘だろうか
そして手口も用意周到か

>>33

33卜部シラク24/11/07(木) 00:24:26

シラクと万魔殿との関係

dice1d3=1 (1)

1.ない 2.書類関係で多少はある(補正なし) 3.二重スパイ(三重スパイ) イブキ以外に25の補正追加

戦線離脱者ダイス(万魔殿)

dice3d2=1 1 1 (3)

左:1.京極サツキ 2.棗イロハ 3.元宮チアキ

右:1.戦線離脱 2.無事

>>32

正直に言うと風紀委員会の後輩組には"頼れる先輩"効果で補正の50を付与したほうがいいのか迷ってる。でも入れたら入れたで今度はチナツの好感度がやばいことに……

34二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 00:27:24

万魔殿ネームド全滅しかけてるなこれ
マコトは無事なのだろうか

35二次元好きの匿名さん24/11/07(木) 08:12:09

保守

36卜部シラク24/11/07(木) 12:55:19

>>30

好感度ダイス(風紀委員会)の結果に後輩組へ"頼れる先輩"補正をかけるか否か

dice1d3=3 (3)

1.かける(50付与) 2.変動なし 3.限定的補正(チナツへの補正は25付与とする)

好感度ダイス(万魔殿)

羽沼マコト:dice1d100=6 (6)

京極サツキ:dice1d100=37 (37)

棗イロハ:dice1d100=22 (22)

元宮チアキ:dice1d100=12 (12)

丹花イブキ:dice1d100=7 (7)

37卜部シラク24/11/07(木) 22:12:55

万魔殿の本部に到着してみれば、こっちは風紀委員よりもさらに酷い混乱に陥っていた。
取り敢えず話が出来そうな近くの万魔殿議員を捕まえ、事情を聞き出す。とは言っても概ねの理由はわかっているんだが。

「おい、そこの。今万魔殿の状況はどうなってるんだ？どこもかしこも大慌てじゃないか」
「風紀委員か……」
「ま、おおかた昨日の襲撃でそっちも誰かやられたんだろ。教えてくれるか？」
「……そうだな、わかった。どうせいつかはバレることだ……」
「随分と勿体ぶるんだな、大物がやられたのか？」
「大物どころか中枢がごっそりやられた。笑えるだろ？」

……おやおやおやおや、うちの奴らはとても良い仕事をしてくれたようだな。これでは少し気を抜いただけで大笑いしちまいそうだ。
だが、ここで笑って仕舞えばこれまで俺が地道に積み上げてきたキャリアを台無しにしかねん。だからなんとか耐えねば。

「そうか、それは随分と大変なことになったものだな。ところで万魔殿にいたあのちびっこ、丹花イブキだったな？彼女は無事なのか？」
「ああ、あの子は無事だったさ。少なくとも小さな子まで手にかけるような奴らじゃなくて良かったと安堵するべきかはわからないが……」
「少なくとも、今はあのちびっこが無事だったことを喜んでも良いんじゃないか？確かに他の議員らは被害を受けただろうし、状況は最悪だろうがな。それでも、ちびっ子が無事ならまだそこまで酷い状況ではないだろうさ」

なんとか表情を抑え込み、思ってもいない言葉を吐いて。
少なくとも、戦果は上々なものであることは確認できたから、これ以上ここにいる理由もない。
万魔殿議員との会話を切り上げて、風紀委員会の本部に戻るとしよう。

38二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 08:02:59

保守

39卜部シラク24/11/08(金) 09:08:24

万魔殿の偵察を終えて、風紀委員会の本部に戻ろうと思ったは良いものの。

戦果を確認した以上、報告する必要も出てくる。だから、公衆電話を使って暗号で地下学府の司令部と連絡を取るため、少しばかり道草を食っている。

……だが、どうにも誰かに尾行されているような気がする……

少し周囲を探ってみるか。

(探索ダイス)

dice1d100=47 (47)

1に近くなるほど何かしらの手がかりを掴む

100に近くなるほど尾行者に逃げられる

40二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 19:39:55

掴めはした感じかな

41卜部シラク24/11/08(金) 20:58:35

スリングで背負っていた軽機関銃を構え、尾行犯がいたと思われる場所へ飛び込み、銃口を向ける。
しかし、お目当ての人物は俺の行動を予測していたのか、姿は消していた。

……だが、どうもポケットの縫い付けは緩いようだな。万魔殿からの正式な書類を落としていくとは、随分と質の悪い制服を掴まされたみたいで。
だが、お陰様で俺が万魔殿に何かしらを嗅ぎつけられていることはわかった。そろそろ潮時かもしれん、俺は一足先に"風紀委員会の卜部シラク"をやめておくべきかもな。

だが、まずは思考よりも先になすべき事をしなければ。
やっと見つけた電話ボックスに入り、中の公衆電話に硬貨を押し込み。お目当ての電話番号を間違えることなく完璧に入力して。

「ご機嫌よう、注文は受け付けているかな？」
『こちらはチテルニク出版所です。お客様、お探しの本を教えていただけますか？可能な限り、お客様のお手伝いをいたします』

出版所に偽装した地下学府の伝令へ、無事に電話が繋がり。盗聴をされている様子もないが、それでも誰かに嗅ぎつけられたら面倒だ。
急いで用件を伝えてしまおう。

「それじゃあ……"高い城の主人"、その限定ハードカバー仕様を一冊と、同じ題で最近重版されたやつを一冊。それから"失楽園"の写本を一冊と、紙本を三冊頼むよ」
『かしこまりました、お届けは龍洞丘の青盾通り17てよろしいですね？』
「そうしてくれ、代金はいつものように口座引き落としで頼むよ」

特に何事もなく、ただ本を注文しているように見せかけて。暗号を使って、電話先の伝令へ襲撃部隊の戦果を地下学府へ報告するように依頼する。

42二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 01:38:10

このレスは削除されています

43卜部シラク24/11/09(土) 01:50:48

無事に司令部への伝令が送られたことを確認し、電話の受話器を戻して通話を終わらせる。
外の物陰から、誰かに監視されている気配を感じながら電話ボックスを出て、風紀委員会本部への道を歩く。
道中、瓦礫を越えたりクレーターを回避したりと戦闘の傷痕を踏み越えた末にやっとこさ風紀委員会本部へ戻る。

「シラク、偵察の結果はどうです？」
「万魔殿はトップ層がほとんど病院送りになっていたよ。一応、なんとか持ち直しを図っているようだが、下っ端もそれなりにやられている以上、立て直しは手間取ることにはなるかも」
「へぇ、それは……何と言えば良いのでしょうね……」

仕事場に戻るとすぐさま行政官が俺に偵察の結果を聞いてきたから、手に入れてきた情報の全てを出してやれば、あまりの被害に少しあの行政官でさえも少し腰が引けたようで。
いやはや、作戦を計画して、命令を出しておいてなんだが、ここまで強烈な一撃をゲヘナに叩きつけられるとはね。
これなら今後の蜂起も我々に有利な状態で進められるだろうか？

44卜部シラク24/11/09(土) 12:16:03

「……万魔殿への偵察結果はこれで終わりですか？でしたら事務仕事に戻ってください」
「あいよ、任された。さっさとこれを片付けるとしよう」

少し腰が引けていた行政官だが、コーヒーを口に含んで落ち着いてきたのか、他の報告がなければ俺に事務仕事をやれと仰る。
実際に、これ以上は情報を持っているわけでもないから大人しく自分のデスクに腰掛けて事務仕事へ取り掛かる。
勿論、事務仕事の書類から我々にとって有益そうな情報を抜き取りつつ、処理していく。

ゲヘナの状況が分かったのは良いが、レッドウィンターはどうなっているのやら。それから連邦生徒会や、他の学園の動向も気になる。
恐らく、今回の襲撃はどこにとっても大きな懸念になってくるだろう。だから、他校からの戦略が送られてくる可能性すら検討しなければならない。

……だが、他所の出方が我々にとって望ましくなくとも、これ以上耐えることはできない。
連邦生徒会が我々の言葉を無視し、ゲヘナやレッドウィンターが自由への叫びを無理矢理抑え込み続けてきた以上、じっくりと煮込まれたシェオルと言う大釜は蓋を吹き飛ばし、中身を洪水のように溢れさせるしかないのだ。
誰もが我々を無視するなら、我々から目が離せなくしてやるしかない。その為にも、蜂起を起こす必要がある。それも、とびきり大規模なものをな。

45二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 23:43:23

保守

46卜部シラク24/11/10(日) 00:36:54

思索に耽りながら書類を処理し、仕事を終わらせて帰路につき。
万魔殿からの尾行をかわし、地下学府の者以外に気づかれることもなくたどり着いたは、かつてシェオル連盟共同体学士院のキャンパスであり、今はシェオル系企業の事務所ということになっている建物。
その扉を開けて中へ入り、かつて講義が行われていた講義室の一席に腰掛ける。

少し待ち、講義……ではなく蜂起に際してのプラン立案が始まる。

「現在、我々が保有する戦力の中で即座に動かせるのは学士院騎兵隊の4個有翼騎兵中隊と5個槍騎兵中隊、2個騎馬銃兵中隊、学士院軍の1個連隊、積極的闘争連合の2個旅団、灰色の隊列の1個中隊になります。ですが、明日になればその数は大幅に膨れ上がるでしょう」
「我々による蜂起が起きた場合、迅速に流亡学府からの支援と、流亡学府によるゲヘナでの攻勢が行われます。これは主として航空機を用いた支援になるでしょう」
「蜂起を開始する場合、武器庫や補給所と橋、駅を優先して確保する必要がある。その意味は説明しなくてもわかるよな？」

と、こんな具合に蜂起の手筈を整えていき、我々の悲願である故郷の大地、シェオルの独立が少しづつ近づいてきたのを実感して来たのか、講義室はかつての熱気を取り戻し始める。
話に聞いたことしかないが、かつてのシェオルは今のような活気に溢れていたのだろう。
シェオルにとっての古き良き時代、それを俺のような若造は知らない。だが、少なくとも今のように余所者の支配下に置かれていない分、昔の方が今よりもずっと良い時代だったのだろう。

47二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 10:44:09

結構な大部隊を保有してるんだな

48二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 21:01:39

結構派閥があるな

49卜部シラク24/11/10(日) 22:52:36

我々が捻出できる全てのリソースをベットしたこの蜂起。その詳細を地下学府の将校連中が詰めていく中で、俺はただ静かにシェオル自治区の地図を睨み付け、風紀委員会から盗んだ情報から、我々にとって有益な場所や、注視すべき場所へ、簡易的な目印としてマークを書き加える。

「おや、そこには何か重要なものがあるんですか？」
「こことここにはゲヘナの通信中継局が設置されている。警備はそこまで多くないが、シェオル内の万魔殿や風紀委員会にとっては、本部との通信を維持する上で重要になってくる設備だ。ここを破壊すれば、ある程度は混乱を引き起こせる」
「ふむり。それではこちらにも同じような設備があるのですか？」
「こっちのは風紀委員会が小規模な補給所にしている倉庫がある。備蓄されてる物資はそこまで多いわけじゃないが、つい最近に補給が送られた。そしてここの警備は練度の低い1年生と少数の2年生が担っている。規模は3個小隊ほどだな」

いつの間にやら俺の側に立っている評議会議長閣下へ書き込みの内容を説明する。そもそも風紀委員会へ潜入していたから手に入る情報である以上、注釈を先に入れておくべきではあったんだが。
まあそれは置いておくとして、蜂起が明日の夕方に決行されることまで決まっていた。

「ところでシラク帯剣官。少し気になったのですが、動員される部隊はちゃんとゲヘナやレッドウィンターに対抗できるのでしょうか？」
「少なくとも学士院騎兵隊と正規軍……学士院軍は優良な装備を持ち合わせている上に部隊定数も満たしているし、練度と士気も高く、何より宣誓文を読み上げて、シェオルと民主主義へ忠誠を誓っている。だが、積極的闘争連合……ZWZの寄せ集め連中は装備も練度もまちまち、士気は高いが、忠誠は派閥によるとしか。
それで、灰色の隊列を構成するギムナジウムのスカウト達は……あまり前線には出したくないな、後方での任務を任せたい」

書き込みの次は戦力についての説明を要求されたので、持ち込まれている資料を少し拝借し、それは目を通しながら答えていく。

50二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 08:34:03

保守

51二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 19:37:46

保守

52卜部シラク24/11/12(火) 01:08:18

「卜部シラク帯剣官、豊角ハラン常任評議会議長。蜂起計画について纏まりましたので、確認をお願いします」

「わかった、そいつを見せてくれ」

評議会議長閣下からの質問が終わったのを見計らってか、さっきまで地図の前で蜂起の詳細を詰めていた将校連中の1人が俺らに簡易的にホチキスで留めた冊子を手渡し、目を通すように促してくる。

「ふむ……よし、これなら上手くいく。評議会議長閣下、承認のサインを頼む。俺らが独立を取り戻すにゃ、今が一番のチャンスなんだ。ゲヘナが先の襲撃による衝撃から立ち直れず、レッドウィンターが７日天下を繰り返している今がな」

「ですが、このプランがうまくいくと保証できますか？」

「軍事作戦なんてものは時に予測出来ない事態で戦況が変わってくるものだ。そして、このプランは状況をしっかりと把握した上で、対応策も立てられている。それに、この蜂起を率いる学士院騎兵隊と正規軍の将校連中は信用できる奴らだ。少なくとも、ゲヘナ風紀委員会となら俺ら1対風紀委員会5でやっとやや互角になるくらいには強いし、有翼騎兵ならもっと大量の風紀委員をあてがわにゃならないんだぜ？だからよ、どうか俺らを信じてくれ」

計画の中身に目を通し、少なくとも致命的な穴や甘い見通しもないので問題はないと判断し、隣の評議会議長……豊角ハラン5回生の肩を掴み、目線を合わせてを説得にかかる。

説得ダイス

dice1d2=2 (2)

1.説得成功(蜂起決行) 2.説得失敗(一部部隊が強行)

53二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 01:12:49

このレスは削除されています

54二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 01:13:27

これはまずいな
ゲヘナ側も作戦のことがバレそうだ

>>55

55二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 01:14:54

>>54

すまねえ誤字してしまった

ゲヘナ側も→ゲヘナ側にも

56卜部シラク24/11/12(火) 09:08:16

タロット占い(小アルカナのみ)

dice1d14=7 (7) + dice1d4=3 (3)

(左:数札+人物札。10までは数札とする)

11.小姓 12.騎士 13.女王 14.王

(右:スート)

1.棒 2.剣 3.聖杯 4.硬貨

57二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 10:48:44

このレスは削除されています

58卜部シラク24/11/12(火) 11:19:39

「……いえ、今は一度情報を精査した方が良いでしょう。敵味方問わず、全ての情報を確かなものにすれば、貴女達はより良い選択ができるでしょう？
ですから、このプランは一時保留ということにしてください」

結局、俺から見て信頼できる将校連中を引っ張っての説得も効力を発揮せず、蜂起は一時保留ということになった。
まあ、だからと言って暴発する……ということはなく、少なくとも学士院騎兵隊と正規軍は評議会議長閣下の選択に従っているし、ZWZも同じように大人しくしてくれる……はずだった。

「……なんですって？今、誰が勝手に暴れているのですか？」
「評議会議長閣下、現在暴れているのはZWZ内部でも筋金入りの右派、それも急進派連中です」
「……成程、市民連盟の大馬鹿どもだろ？」
「その通りです、帯剣官。あの愚か者どもはどうにもシビリアン・コントロールを存じないようです。ただ、そんな愚か者にも使い道はあります」

そんな所に、学士院騎兵隊の将校がやってきて、とんでもない報告をしてくる。
どうやら評議会議長の選択に不服な右派の急進派連中どもが先走ったらしい。これだから駄犬は嫌いなんだ。
だが、件の将校は最悪な報告とは別に、とても素敵な案を持ち込んで来た。あの馬鹿な駄犬でもちゃんと我々の役に立てるよう、多大な配慮をしてあげた案だ。

「何だ？言ってみたまえよ」
「あの愚か者は囮としては適切ですし、それにZWZ内部に潜む懸念を炙り出すのにも使えます」
「そうか、確かに奴らは待てもできない駄犬どもだが、ゲヘナの目を我々から逸らすのには使えるな」

俺は部下が素晴らしい案を持ち込んできたことにご満悦だったが、評議会議長閣下は俺がさっきこっそりと小アルカナを一枚抜き取ってたのに気づいていたようだ。
抜いたカードの意味を聞かれたから答えたところ、少し考え込んでいる。

「……シラク、先ほど引いたカードの意味は？」
「聖杯の7、意味は『企画、計画』になる」
「……ふむ……」

59二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 22:28:29

どうなるか

60卜部シラク24/11/12(火) 22:35:23

暫し目を瞑って考え込んだ末、評議会議長閣下は決断する。
最早蜂起を決行するしかないと俺らに告げ、それに続いて正式に先走ったあの馬鹿どもを燻製ニシンに仕立て上げろと仰る。

「……仕方がありません、市民連盟は目を逸らす為の囮として、より目立つようにしてから蜂起を決行してください」
「おや、蜂起の決行は保留にするんじゃなかったのか？」
「残念ながら、一部の愚か者が勝手に動いた以上、風紀委員会や万魔殿は我々の存在もじきに見つけ出すでしょう。で、あるならば我々が少しでも有利を保てるうちに動くしかないでしょう」

……全く！逸りすぎた馬鹿のせいで余計な仕事を増やされるとは、たまったもんじゃない！
ZWZ内部にいる左派の連中は大人しく俺らと協同しているし、他の右派だって妥協を選択できると言うのに！
しかもあの馬鹿どもはなんでか自分達が政治的にも軍事的にも優位にあると思い込んでいるときた！これだから自分達のことを過大評価する奴は嫌いなんだ！
だが、これ以上私情を職務に持ち込むのはやめにしよう。仕事ができる人間は嫌いな奴を前にしても、笑顔を崩すことなく思ってもいない言葉を吐けるものだからな。

すぐに気を落ち着けて、そこに立つ将校へ仕事を割り振り、他の将校連中のところへ向かわせる。

「ならば、作戦計画と物資配分について考え直さなきゃならなくなったな。お前らは作戦計画の方を任せる、俺は書類仕事をやっておく。わかったな？」
「了解！」
「さ、早くこのことを他の将校連中にも伝えといてくれ」

部屋を出て行く将校の足音が遠ざかる中、俺は俺でやるべき仕事に取り掛かる為、デスクの椅子に腰掛け、デスクの上にペンとインク壺や各種の押印と朱肉を並べ、タイプライターの点検を済ませる。

61二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 02:48:10

ヒナの居る居ないで難易度大分変わった気がするね
馬鹿が先走ったけどこのペースなら武力蜂起からある程度の地域の一時支配まではいけそう
その後すぐにすりつぶされるけど…交渉次第…ゲヘナだし連邦生徒会が介入しないから無理か…

62二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 08:28:37

正規軍に将校と治安維持組織としてはかなり本格的だな
それ以上の役割を持った存在なのだろうか

63二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 17:55:03

これ先生介入出来るんかね？

64卜部シラク24/11/13(水) 19:27:24

市民連盟という名の焚火へ、武器弾薬といった薪を投げつけて我々を覆い隠す闇を深め、前倒しで決行することになった蜂起の当日。
かつてシェオル連盟共同体学士院の軍務委員会が設置されていた宮殿の庭園にて、旅団規模のシェオル学士院騎兵隊とシェオル学士院軍の将兵及びシェオル全土の放送設備に繋がるマイクを前に、声を張り上げて演説を振るっていた。

「良いか、諸君！我々シェオル連盟共同体学士院、地下学府は今日、この日この時をもって忌々しいゲヘナとレッドウィンターの侵略者共の暴力と抑圧から抜け出す為に決起する！
諸君！奴等が我らから奪い取った全てを、この手に取り戻す為に我らは戦う！
諸君！我らは一族の大地を棄てはしないし、我らの言葉を葬らせはしないとキヴォトスの全土に知らしめる為に戦う！
諸君！我らは今、再びかつてのような良い時代が来る前に、このような苦難の行軍をしなければならない。だが、それはあの可愛いらしい小さな後輩たちのためだということは理解しているだろう？
諸君！我々の任務はあの可愛らしい小さな後輩たちがかつてのような良い時代を過ごせるように、我々先達がとばっちりを受けて苦難の行軍を始めることである！
諸君、兵士諸君よ、武器を取れ！自らの神聖な義務を果たせ！最期の血の一滴になるまで信念を貫き、塵と灰になるまで戦い続けよ！」

ここで一旦息を整え、水で喉を潤してから声のトーンを落として演説を再開する。

「諸君、兵士諸君よ。我々には精霊の導きがあり、主のご加護がある。
そして何より、我々には正義があり、これまで研ぎに研いできた剣がある！
しかし、それ以上に我々にはかつて北方からの侵略者による大洪水にも屈することのなかった、我らの大地の守護者にして至聖の女王、黒き聖母の祝福がある！
兵士諸君！我らシェオル連盟共同体学士院、地下学府は今日、この日この時をもって決起する！」

最後に演説冒頭の一部を抜き出して演説を締め括り、俺の前に立つ兵士達は二指の敬礼を捧げ、将校はサーベルを抜いて捧刀の礼で、兵士達は捧げ銃で応える。

65卜部シラク24/11/13(水) 20:37:49

ずらりと並ぶ将兵から答礼が返される中、俺は演台から降り、宮殿の中に入って掃除されたばかりの新たな職場、地下学府司令部に足を踏み入れる。

無線機や地図をはじめとした、部隊の指揮に必要な物品が揃えられたかつての会議室を歩き回り、遠くから微かに聞こえる銃声と爆発音が蜂起の始まりを知らせる中。
懐からスマホを取り出し、風紀委員会から送られた通知を全て削除して。
風紀委員会のグループチャットとゲヘナ学園の生徒向けに公開されている掲示板、それから風紀委員としての俺が開設したモモトークへ、学士院騎兵隊の制服に身を包んだ俺が意気揚々と笑顔で両手の中指を突き立てている写真に「くたばれゲヘナ！」の一言を添えて投稿する。
俺の投稿は最初こそ意図をつかめなかったようだが、次第に俺がこの蜂起に関わっていることを察したであろう風紀委員と万魔殿議員によって追求が飛び始め、盛大に炎上する。
それを尻目に、今まで潜入任務で使ってきたスマホを、大量に届いた通知の全てを無視して塩水に浸けて破壊する。

司令部に置かれた軍用ラップトップの一つを取って電源を入れ、インターネットに接続してニュースを見れば、話題は俺の投稿とシェオルでの武装蜂起ばかり挙がっている。
そして、そこへ新たな火種……地下学府によるキヴォトス全土へ向けた放送と、流亡学府による記者会見の情報が送り込まれる。

……賽は投げられた、我々は苦難の道を進む。我らが苦難を乗り越えて星々へ至るその時まで。

66卜部シラク→鋼駒鋒ホマレ24/11/13(水) 21:40:26

一歩目:名誉の時　完

67二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 21:44:39

名前が変わったな
偽名だったか

>>68

68鋼駒鋒ホマレ24/11/13(水) 21:51:44

プロフィール

[本来の身分]

名前:鋼駒鋒　ホマレ(こうくほう　ホマレ)

学校:シェオル連盟共同体学士院　流亡学府

学年:リツェウム(高等部)　2回生

課程:普通学士課程

学科・学部:哲学科　文献学部

所属:シェオル第一機甲師団"黒い悪魔"

兵科:戦車兵

役職:師団長

誕生日:3月31日

[一時的な身分]

名前:鋼駒鋒　ホマレ

学校:トリニティ総合学園

学年:3年生

所属:マテル派

役職:マテル派戦車隊指揮官

誕生日:3月31日

>>67

いいえ、語り手と視点が変わります。シラクは後でちゃんと再登場しますよ。

69二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 21:53:46

そういうことでしたか
そして師団長、めちゃくちゃ偉い人だ

70鋼駒鋒ホマレ24/11/13(水) 21:56:38

外見

髪色:dice1d5=1 (1)

(1.黒 2.茶 3.金 4.赤銀)

長さ:dice1d100=99 (99)

(1で肩につかないほど、50で肘あたり、75で腰、100で地面)

瞳:dice1d4=3 (3)

(1.青 2.灰 3.黒 4.緑)

耳:人耳

尻尾:なし

体型

身長:120cm + dice2d60=40 16 (56)

胸:dice1d6=1 (1)

1.かなりまな板 2.貧しき者…… 3.大体普通くらい 4.割と大きめ 5.でかいよ 6.とてもでかい

腹:dice1d5=1 (1)

1.筋肉微量、柔らかめ 2.筋肉少量、やや柔らかめ 3.中間、みっちりしてる 4.筋肉やや多め、少し硬め 5.筋肉マシ、硬め

尻:dice1d6=2 (2)

1.小 2.やや小さめ 3.中間 4.やや大きめ 5.でかいよ 6.とてもでかいよ

脚:dice1d6=5 (5)

1.細い 2.やや細い 3.普通くらい 4.少し太め 5.太いよ 6.うおっ……ふっと……

71二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 21:58:36

高身長で髪の毛長いなアリス並だ
そしてスリム体型だけど太ももが太めなんだな

72鋼駒鋒ホマレ24/11/13(水) 22:12:24

ステータス

戦闘系技能

戦闘:dice1d100=92 (92)

射撃:dice1d100=87 (87)

格闘:dice1d100=90 (90)

投擲:dice1d100=15 (15)

体力:dice1d100=15 (15)

回復:dice1d100=27 (27)

剣術:dice1d100=91 (91)

身体系技能

筋力:dice1d100=33 (33)

持久力:dice1d100=35 (35)

敏捷性:dice1d100=25 (25)

柔軟性:dice1d100=74 (74)

運動:dice1d100=87 (87)

その他技能

知性(役職補正で75付与):dice1d25=9 (9)

事務(役職補正で75付与):dice1d25=18 (18)

指揮(同上):dice1d25=9 (9)

医療:dice1d100=93 (93)

技術:dice1d100=70 (70)

創作:dice1d100=49 (49)

魅力:dice1d100=11 (11)

政治:dice1d100=21 (21)

交渉:dice1d100=15 (15)

倫理:dice1d100=31 (31)

慈悲:dice1d100=87 (87)

幸運:dice1d100=11 (11)

神秘:dice1d100=4 (4)

73二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 22:17:46

戦闘技能高いけど体力低めだな
身体技能も運動以外は低め、指揮官なのも納得だ
そして医療技術たっか

74鋼駒鋒ホマレ24/11/13(水) 22:28:33

ステータスの詳細・補足はこっち

>>7

うゎ戦車兵つよひ……

搭乗戦車:dice1d2=2 (2)

(1.クロムウェル巡航戦車 2.シャーマン・ファイアフライ)

使用武器種:dice1d5=3 (3)

(兵科の都合上武器種に制限あり)

1.HG 2.SMG 3.AR 4.SR 5.MG

75鋼駒鋒ホマレ24/11/13(水) 22:44:47

選定ダイス:dice1d5=2 (2)

1.Kbkg wz. 1960

人民共和国期のポーランドで製造されたAKライフルに小銃擲弾運用能力を付与したもの。

7.62×39mm弾を使用する。

2.Lantan

人民共和国期のポーランドで試作された自動小銃。

名前の由来はアサルトライフルの他に軽機関銃や重機関銃、狙撃銃を含めた兵器開発プログラムから来ている。

7×41mm弾を使用する。

3.Kbk wz. 88 Tantal

人民共和国期のポーランドで製造された自動小銃。

ソ連のAK-74と同じ5.45mm弾を使用するが、こちらは3点バーストでの射撃が可能。

短縮型のwz. 89 Onyxがある。

5.45×39mm弾を使用する。

4.Kbk wz. 96 Beryl

ポーランドのFB ラドムで製造された自動小銃。

前任のタンタルをベースに5.56×45mm NATO弾の使用が出来るように設計されている。

短縮型のMini-Berylが存在する。

5.56×45mm NATO弾を使用する。

5.MSBS Grot

ポーランドのFB ラドムで製造されたモジュラー式の自動小銃。

モジュラー化によってパーツさえあればクラシカルスタイルからブルパップに、アサルトライフルからマークスマンライフルに変換することができる。

76二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 08:35:08

戦車兵の子強いなあ

77二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 19:34:15

乗ってる戦車はファイアフライか
あれ、虎丸キラーでは？（第二次大戦中にドイツの戦車エースであるミハエル・ヴィットマンのティーガーを撃破したことがある）

>>84

78鋼駒鋒ホマレ24/11/14(木) 23:04:49

第二歩:貴女の指揮下で、我らは再び同胞となる

トリニティ総合学園から間借りしている旧校舎にて、いつものように武器の手入れをしていた時。
ふとテレビをつけてみると、普段ならクロノスのニュースが流れるはずの時間であったのが、そこには地下学府の指導者である豊角ハランが原稿を片手にマイクとカメラの前へ立っている姿だけがあった。
テレビを消すこともせず、そのままにしておく。ほんの少し待ったところで、シェオルの中央を流れる白水河のように長閑でゆったりとした声色で画面の向こう側へと語りかける。

「初めまして、キヴォトスの皆様方。私は最も静謐なるシェオル連盟共同体学士院にて常任評議会議長を務める豊角ハランです。
6年前より、我がシェオルの大地は不義の賊徒たるゲヘナとレッドウィンターの両校によって不当な侵略を受け、暴力と弾圧に晒され、自らの自由と独立と文化を奪われてきました。
現在武装蜂起が起きているのはその状況を打破し、かつてのように故郷の独立を取り戻し、自らと同胞の自由を掴み取り、自らの言語、自らの信仰、自らの文化を守り抜く為であり。我らの後輩達が嘗てのように良い時代を、素晴らしい青春を過ごせるようにする為です。
本来であれば、私達は武力の行使ではなく、文明人として対話と交渉によってこの状況を解決したいと考えていました。
しかし、それは連邦生徒会の怯懦極まりない日和見主義者にして敗北主義者、ゲヘナの利己的で文明を知らぬ蛮族、己の腹をぶくぶくと肥やすことしか頭にないレッドウィンターの独裁者によって妨害され、無視され、打ち捨てられてきました。故に、私達シェオルは最後の手段……武装蜂起の決行に至ったのです」

彼女の放送はそこで一区切り入り、目を閉じて深く息を吸う姿だけが映される。

79鋼駒鋒ホマレ24/11/14(木) 23:05:02

少しの沈黙の後、再び彼女の口から言葉が紡がれる。トーンの上がったその声色は、先のようなゆったりとしたものではなく、鉄砲水のように力強く、断固とした意志を表していた。

「皆様、キヴォトスの皆様方。どうか、私達シェオルへの支持と支援をお願いします。私達は現在、邪悪に対抗するために武器を取り、血腥い闘争へと身を投じています。戦況は私達シェオル側が有利な状況にありますが、それでも完全に有利というわけではありません。これは正義の戦いであり、邪悪を打ち負かす為に必要な流血です。
……キヴォトスの皆様！この戦いはシェオルだけではなく、キヴォトスのためでもあります！
ゲヘナやレッドウィンター、連邦生徒会には正義などなく、ただ自らの利益のみを追求する腐敗と無能と邪悪のみがあります。これを打ち砕き、正義を成す為に、皆様の支持と支援が必要です！キヴォトスの皆様、正義は私達シェオルにあります！私達と共に、正義を成しましょう！」

そこまで言い切り、肩を少しばかり上下させている彼女は再びゆったりとした声色で放送を締めくくると同時、突如発生した放送ジャックは終わりを告げる。

「……どうか、シェオルに親愛なる至聖の女王たる聖母と、偉大なる全知全能の主のご加護があらんことを。シェオルに栄光あれ」

……多分、というよりも確実にこの放送はキヴォトスに波乱を起こす。少なくとも、僕をはじめとする流亡学府の人間は本土で武装蜂起が起こったことを知っている。だけど、それ以外の……つまりは他校の生徒はどうだろう？
シェオル、歴史に興味がなければその名を聞いたこともないだろう。そしてそこで何があったか？これも同じ。シェオルの現状は？誰も知らない。それほどまでに情報がないシェオル。そこで突如として武装蜂起が起こり、しかもその指導者が放送ジャックを起こした。
そのジャック中、放送で示されたのはシェオルの簡単な状況と、大義と目的。ゲヘナ、レッドウィンター、連邦生徒会に対する敵意。
放送を簡単にまとめてみれば、どちらに道理があり、どちらに非があるかは明白になる。それが真実であるかどうかは置いておくとして。

甘い嘘は得てして苦い真実を消し去ってしまうものだ。

80鋼駒鋒ホマレ24/11/15(金) 01:20:33

……それにしても、随分と出来の良い脚本家がいるものだ。
確かに、あの言葉は豊角ハラン本人の言葉も混じっているかもしれないのだろう。だけれど、僕としてはどうにも誰かが背後でこの放送の原稿を書いたのではないかとも疑ってしまう。

だが、ひとまず現状で僕が言えることとしては、随分と僕らシェオル側にとって都合が良い原稿を書き上げてくれたおかげで世論は僕らシェオル支持派が多いってことかな。
世論の中で、僕らの支持者が増えるたび、僕らは敵に対して有利に戦えるし、支援だって受けられるだろう。あの放送の言葉を借りるなら、僕らは正義の十字軍なのだから！

何はともあれ、僕らはかなり忙しくなることは確定している。
地下学府が武装蜂起を起こした以上、僕ら流亡学府も蜂起を支援し、更には故郷への帰還を果たすためにゲヘナ打通作戦を開始することになるのだから。
この先、僕らは数多の戦場を駆け抜け、幾つもの苦難に直面することになるだろう。
だけれども、その度に僕らは苦難を跳ね除けて見せよう。僕らが今の今までひたすらに剣を研いできたのはこの時のためなのだから！

81二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 01:41:09

軍事クーデター特有の気持ち悪さが上手いなぁ

82二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 01:49:44

あくまでもシュオルに目を向けてもらう事が目的としてありそうだ
そして現に支持者も多いのか
この放送を各学園はどうとらえるか気になるな

83二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 01:56:49

政情とアリウスの関係でトリニティが支援しない可能性は大きい
というかパワーバランス崩れるし経済が崩壊するからゲヘナのダメージ＝キヴォトスのダメージなんだよな

84二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 08:25:36

>>77

火力は虎丸の方が有利なのかな

>>85

85二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 19:08:32

>>84

砲口径は虎丸（ティーガーⅠ）の8.8cm砲が上ですね（ファイアフライは17ポンド（＝7.62cm）砲なので）

ただ装弾筒付徹甲弾(APDS)を使えば17ポンド砲でティーガーの装甲抜けるみたいです

86鋼駒鋒ホマレ24/11/16(土) 01:33:24

波乱を引き起こした地下学府の放送ジャックから数時間後。
主敵の一つと定めたゲヘナの万魔殿が運用する虎丸。僕ら流の表現で言うならば"ティグリス"を、遠距離で真正面から撃ち殺せる素敵なよく光る76.2mmの蛍砲、あるいはQF 17ポンド砲を振り回すシャーマンファイアフライに乗り込んで訓練に励み、練度の維持に努めた後。
未だに落ち着きが止まぬ世間へ、再び火種が投げつけられる。
今度は僕らが所属する流亡学府の指導者の1人、ピアニスト閣下と親しまれている琴弾ホムラ外務委員長がシェオルの代表者として記者会見を始めていたらしい。
訓練とその後の整備を終わらせ、先程まで汗を流していた僕らはその記者会見を見逃してしまったので、先に風呂を上がって記者会見を見ていた学士院騎兵隊の1人から噛み砕いた内容を聞く。

「遅かったな、戦車兵。もうピアニスト閣下の記者会見は終わっちまったぞ」
「ホムラ外務委員長の会見ですが、内容を教えるように」
「了解ですとも、師団長殿。俺らはちゃんと時間に間に合ったからな。
……で、肝心の中身だがな。薄っぺらなカモフラージュを引っ剥がして要約すれば『道理は我らにあり、この蜂起を起こした我らは正道を進んでいるだけだ』ってな感じさね。
つまりはただのプロパガンダだよ、至って普通のやつさ。でもそんな普通のプロパガンダも、真実を知らなければそれが真実に成り代わっちまうものだ。
知ってるか？戦争ってのはどっちが先に世論を味方につけるかが一番大事なんだ。覚えておけよ、戦車兵」

他の騎兵も、答えてくれた彼女に同調しているので概ね事実ではあるんだろう。にしても騎兵達は随分とやかましいものだ。だけど、これはシェオル本来の気風からくるものだと先輩から教わった。
それなら、少し騎兵を揶揄ってみるのもいいかもしれない。思いついた冗談でも言ってみようかな？

「減らず口をどうも。ですがそこまで偉そうな口を聞けるのですから、もちろんゲヘナ打通作戦では活躍してくださいね。さもなくば、槍騎兵の馬を全て潰して僕らの晩餐にしますよ」
「役立たずを潰して食うってんなら、まずは学術衛兵の連中からにしてくんねえか？俺ら騎兵の馬を食うのはそいつらを潰してからにしておくれよ」

僕の揶揄いに、ソファの一つを占領し、優雅に腰掛ける騎兵は愉快そうな笑みを浮かべながら冗談を返してくる。

87鋼駒鋒ホマレ24/11/16(土) 01:34:00

座り方は貴族令嬢のそれでありながら、言動はちょっと物騒でやかましい。そんな相反する振る舞いの騎兵と冗談を交わしつつ、いまだに水気を含んでいる髪を、乗員達の助けを借りながら乾かす。

「髪が長いってのは大変だねぇ、手入れ一つするのにやたらめったら時間がかかりやがる。お前も俺らみたいに短くしてみたらどうだ？」

「でもこの長い黒髪が僕！みたいなところはあるからねぇ……下手に変えるとなんか別の人と間違えられそうな気はするんだよ」

「あらあら、それは大変だ。俺らも師団長閣下を探すのが面倒になっちまう、最悪の場合は正義実現委員会の副委員長と間違えちまうかも」

「あの子と僕をどうやったら間違えられるんです？あまりにも体型が違いすぎる。それで間違えられるのなら、多分君たちの目が節穴になってるよ」

髪のボリュームダイス:dice1d3=2 (2)

1.ストレート 2.少し癖っ毛 3.シェオルクロモップ(モフモフ度マシマシ)

88二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 12:22:29

癖っ毛も手入れとか面倒なんだよねえ

89二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 23:08:33

癖っ毛かでもモップでは無い

90鋼駒鋒ホマレ24/11/17(日) 00:06:04

風呂上がりに騎兵とおしゃべりを楽しみつつも髪を乾かし終え、何かしらの通達が来るだろうと予測して待機してみれば、僕の予測は完璧に当たる。
流亡学府の指導者の1人、四十雀サカエ将軍が僕をはじめとする流亡学府軍や学士院騎兵隊の将校をかつてトリニティの音楽室だった部屋に集め、ゲヘナ自治区の詳細な地図が大きなテーブルの上に広げられる。
ゲヘナの主要な施設と、ゲヘナ学園本校に対して赤い矢印が書き込まれたその地図の上に、万魔殿と風紀委員会の部隊を表す駒を置き、指揮用の杖を手に取りながら僕らへ仕事の話を始める。

「ご機嫌よう、親愛なるシェオルの学士院軍及び学士院騎兵隊の将校諸君。急遽君たちに集まって貰ったのは、他でもないこの地図に関連した事項なのはわかるだろう？
それでは早速だが本題の話に入るとしよう。明日の深夜より我々はゲヘナ無制限打通作戦『オベレク』を開始する。作戦目標はシェオル本土への到達と、地下学府への合流とする。そして、可能であるならばゲヘナを講和会議の座に着かせて、ゲヘナが占領するシェオルの大地全てを我らの手に取り戻すことだ」

言葉がここで区切られ、地図の上に二つのコマを追加する。デフォルメされた万魔殿の羽沼マコトと、同じくデフォルメされた風紀委員会の空崎ヒナの駒が、ゲヘナ学園の本校に置かれる。
そして、将軍は再び話し始める。

「今次作戦は本来ならば、羽沼マコトと空崎ヒナの2名が重大な障害として立ちはだかっていただろう。だが、ありがたいことに地下学府の同胞達が先んじて先のゲヘナ襲撃時にこの2名を無力化している。
また、地下学府は今のところはゲヘナに対して有利を保てているとのことだ。やはり危険人物は事前に排除しておくに限るね。
……おっと！このことは他校には口外してはいけないよ。今のところはカイザーが主犯格とされているけれど、カイザー共ではなく我々が犯人だと判明してしまえば、タダでは済まないだろうからね！」

話し始めて早々、手に持っていた指揮杖で本校に置かれた2名の駒をスパン！と勢い良く弾き飛ばし、将軍は更新されたゲヘナと地下学府に関連する情報と、それに対する箝口令を出す。

91鋼駒鋒ホマレ24/11/17(日) 00:32:46

「さて、話を本筋に戻そう。地下学府が事前に羽沼マコトと空崎ヒナの2名を無力化したとは言えど、そこまで長い時間戦線を離れている訳ではないだろうとも推測されている。
それに付け加えて、時間が経つごとに地下学府はゲヘナに押し込まれる可能性もある。故に、我々は突撃的テンポでシェオルまでの血路を通す必要がある。
これは時間との戦いだ、くれぐれも時間を無駄にするな。効率よく前進するために、頭は常に働かせておけ」

脱線しかかっていた話を路線修正し、将軍は僕らへ発破をかける。
将軍にそこまでの焦りがあるようには見えないが、それでも仕事は早く済む方が良いのは誰だって知っていることだ。無意味に時間をかけたところで、最初に僕らが握っていた主導権をいつの間にかすり取られるだけなのだから。

「なお、今次作戦の開始に合わせてLIM……マゴニア産業高校のレヴァンチストもゲヘナに対して失地奪還のための戦いを仕掛けることとなっており、その際に我々への支援をしてくれる手筈ではある。マゴニアのレヴァンチスト連中が何処まで戦えるのか、お手並み拝見と洒落込もうじゃないか」

将軍は最後に一つ重要な情報を付け加え、新たなゲヘナの戦力とは違う駒を地図上に並べて行く。
……どうにも、ちょうどいいタイミングで現れてくれた頼れる援軍……になるかはわからないけれど、少なくともそれなりには戦えるであろう味方が追加されるのは良い事だと思う……多分ね。

「LIM側は学徒衛兵を陸上戦力で3個師団と5個旅団、2個半旅団。航空戦力は2個航空団と5個飛行連隊を動員することが決定している。
おそらくマゴニアのレヴァンチスト連中は失地を奪還するついでに、気に入らないゲヘナの鼻っ面をへし折りたいんだろう。だが鼻っ面をへし折るのを優先し過ぎたあまり、本来の目標を達成するのに失敗するなんて大失態をかますことは勘弁してほしいんだが」

……どうもマゴニアは失地奪還にかなりお熱らしい。それは将軍が読み上げた動員戦力からはっきりとわかるし、そんな無茶ができるのはマゴニアがそれなりに力のある学園であるからこそではある。
少なくとも、僕らだけじゃ足りない分は向こうに回せるだろうから、少しは楽ができるかな？

92二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 11:39:40

師団も投入するのかかなりの大戦力だな

93二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 22:16:01

どうなるか

94鋼駒鋒ホマレ24/11/18(月) 00:11:19

「さて。レヴァンチスト連中が本気を見せたところで、我々の投入戦力と、それぞれの戦術目標を明らかにしていこう」

地図に書き込まれた矢印。その上に僕らの学園旗が刺さった駒を置き、矢印が指し示す先へ動かしながら仕事の割り振りが始まる。

「まず攻勢発起点だが、これはマゴニア側からになる。マゴニア側はゲヘナとの境界線に大規模な要塞線を構築しているが、このデカブツのおかげで我々は有難いことにある程度までなら退路の安全が保障されている。とは言っても当面我々が要塞線のお世話になることはないだろうが。
まあ要塞の話は放っておくとして、攻勢に際しての先鋒は第一機甲師団と第二機甲旅団、そして有翼騎兵が担うものとし、援護と随伴歩兵・騎兵の捻出はマゴニア組の白水河軍団が担当する。
歩兵や砲兵、槍騎兵なんかはゲヘナ中央駅をはじめとするゲヘナ内の鉄道施設と物流施設を攻撃せよ。これらは必ず占領して欲しい訳ではないが、兵站を維持する為にもできれば残しておいてくれ。空輸での物資補給があると言っても、流石に限界はあるぞ」

僕が指揮する部隊が機甲師団である以上、攻勢の先鋒になることは薄々わかってはいたけれど、まさか有翼騎兵と一緒に前進することになるとはね。まあ有翼騎兵がシェオルの最精鋭である以上、僕らと一緒に先鋒を務めること自体はおかしい事ではないし、むしろ戦術的には真っ当なやり方ではあるんだけど。
それにしたって一番槍を有翼騎兵と取り合うことになるとわかっていたのなら、クロムウェルに乗っていた方が良かったのやら？
まあ過ぎた事は今振り返ってもどうにもならないから、今は先のことだけに専念しよう。

「次に、航空隊はまずゲヘナの防空設備と飛行場を叩き、航空優勢を確保しろ。航空戦力はマゴニアも結構な数を投入しているが、レヴァンチスト連中だけじゃ足りない分を我々で補ってやる必要がある。
航空優勢を確保した後は地上部隊の支援と敵航空戦力の排除にかかれ。ただし爆撃機隊はゲヘナの戦略施設を爆撃し、無力化せよ」

航空隊、我らが親愛なる空を舞い飛ぶ雲の騎士達。それが18個飛行中隊程で、戦闘機から爆撃機、偵察機に夜間戦闘機と多彩な機体を取り揃えているし、使う機体も数えるのが面倒なほどには多様性に満ちている。
そんなシェオル航空隊だが、僕ら戦車兵や騎兵は確実に多大なお世話になるだろう。特に偵察機と爆撃機には。

95二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 09:55:56

爆撃機まで保有してるとはかなり大規模な戦闘になりそうだ

96二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 20:00:57

対空砲火も来るだろうし地獄の様相を醸し出しそうだ

97鋼駒鋒ホマレ24/11/18(月) 21:49:38

地図の上に位置が判明した対空兵器やレーダーを模した駒を置き、そこに追加して消防士の小さな人形も置きながら将軍は話し続ける。

「航空隊がゲヘナ上空で作戦行動を行う以上、必然的に対空砲火は激しいものとなるだろう。だが、一部の対空砲台については地下学府とうちの諜報員が場所を暴いてくれたし、地下学府がゲヘナに潜ませている破壊工作部隊もある程度は対空兵器の無力化に協力してくれるとのことだ。
そして対空兵器の目となり、頭脳にもなるレーダーシステムに関しては構成開始と同時に地下学府の"消防士"がそこへ電力を供給する変電所と送電設備を消化活動の一環で破壊する手筈となっている。これによってレーダーがダウンした各地の対空兵器は自前の照準器やらで航空機を狙う羽目になるから、被弾確率を減らせるだろう。君らにとってこれは主のご加護と同じくらいにはありがたいだろう？」
「ええ、これからはロザリオと一緒に消化用斧をコクピットに持ち込むことにしますよ」

レーダーのコマを横倒しにし、消防士の人形を指で突きながら航空隊の将校へ冗談を飛ばし、航空隊の方も冗談で返す。
空気が緩み、くすくすと一部の将校は笑い始め、有翼騎兵は「俺らのでよけりゃあ斧をいくらか譲ってやれるぜ！」と茶化し始める。

98鋼駒鋒ホマレ24/11/18(月) 22:24:59

馬鹿馬鹿しい冗談で笑い、これまで張り詰めていた空気が緩みきったものに換気されていた中。
まだやる事は終わっていないぞと将軍が手を叩いて僕らの注意を引き、ゲヘナの地図の上へシェオル本土の一部、僕らが沿海区と呼称する海沿いの地が詳細に描かれた地図を広げ、そこに小さな船の模型とルークを置いてシェオル艦隊と上陸部隊に仕事を割り振る。

「最後に艦隊の仕事だが、艦隊には上陸部隊を満載した輸送船隊と共にゲヘナ領海を突っ切って本土へ向かえ。それでまずはここ、無蔽砂州半島に上陸部隊の一部と要塞砲兵を上陸させ、放棄された要塞を奪取し、防御を固めろ。
この要塞にはクソ雷帝が垂れた挙句、ゲヘナが尻拭いもしなかった"特大のクソ"……言い換えれば16インチの電磁投射砲、EMLが残置されている。
地下学府曰く多分こいつは雷帝が失脚した時のゴタゴタとその後の処理で資料と人員が消えて、そのまま忘れ去られたんじゃないかとの見立てだ。
ま、どっちにしろ我々にとってはあのクソのことを忘れ去っててくれてありがとうとしか言いようがないな。使える状態にあるなら、半島の対岸や近くにある三姉妹の港湾都市を抑えるのに役立つ。もし特大のクソが使えない状態にあるとしても、張子の虎くらいには使えるだろう。
だが、ここを抑えるべくゲヘナが何かしらの戦力を送らない保証もない。だから、上陸部隊が半島を押さえた後はこの中間点を爆破して半島を島に変えて、なんとか持ち堪えてくれ」

駆逐艦6隻と小型の潜水艦5隻しか持たないような艦隊の戦力でどこまでやれるのかは未知数だけれども、少なくともゲヘナの艦隊は予算や維持能力の低下、そして殆どが雷帝派だった乗組員が払底したことで活動は極度に消極的なものとなっているし、動いているのはほとんどが魚雷艇や水雷艇幾らかと極少数の駆逐艦程度と聞くし、そうだったらうちの艦隊でもなんとかなるのかも。

「で、半島の要塞へ向かわせる部隊の上陸が終わったら、半島との対岸にある繁沼港へ残りの部隊を上陸させろ。ここでは地下学府との共同作戦を行うことになる、味方は誤射するなよ。
それと艦隊は繁沼港全域の制圧が完了するまで、艦砲射撃による地上支援と、敵艦隊に対する警戒を行うように」

最後に上陸部隊と艦隊の指揮官へ注意事項を伝えて僕らへの仕事の割り振りは終わり、後は攻勢開始点への移動や出撃準備を済ませるだけになる。

99鋼駒鋒ホマレ24/11/19(火) 09:51:56

仕事の割り振りが終わり、部下たちにそのことを伝え、急ぎマゴニアへ出立して攻勢開始点へと移動する。
真夜中から移動し始めていたものだから、太陽が昇り切った頃に睡眠を取り、その間に遅れて到着した有翼騎兵やマゴニア駐留組の同胞達と合流して。

休息を取った後、装備の点検を済ませ、深夜から始まる攻勢に備える。

100二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 20:44:59

夜襲か
そして16インチの電磁投射砲、口径は戦艦クラスだな

101鋼駒鋒ホマレ24/11/19(火) 22:49:25

少しずつ時計が時を刻み、作戦決行時間に近づく。残り1分も残ってはいないが、その僅かな時間すら待ち遠しく感じ、しきりに腕時計へ目線をやる。
それを乗員達は気にすることもなく、各々のやり方でその時を待っていた。

そして、地上より空へ向けて幾条もの流れ星が放たれた時。僕らは遂に故郷への帰還を果たす為、前進する。

『親愛なるシェオル連盟共同体学士院、流亡学府の同胞諸君に告ぐ。我々の家路は何者にも妨害させてはならぬ。
我々は今までに6年、6年待たされたのだ！
我々はもはやこれ以上待つ事は出来ぬ上に、故郷たるシェオルの大地では同胞達が独立と自由を掴み取る為、その身を血腥い闘争へと投じている！
同胞諸君。我々は今までに備え、研いできたこの剣をゲヘナへ振り下ろす時が来た！
同胞諸君。全てを踏み越え、無数の戦場を駆け抜け、シェオルの仇を取れ！』

将軍の演説が流れている間、僕らはゲヘナとマゴニアの境界線を超え、境界線付近をパトロールしていた風紀委員会の分隊を鎧袖一触で叩きのめしていた。
拘束した風紀委員は後続の部隊へ連絡し、マゴニアの収容所へ移送する手筈を整え、そのまま前進を続ける。
その間中、連絡のために無線の周波数を変えていた為に、将軍と交代したピアニスト閣下の演説はほぼ終わりかけのところまで来ていた。

『……私達の故郷はこの瞬間より、私達の希望による、真新しく、力強い歴史が創造されるのです。
私達の故郷は私達へ忍耐と団結と勇気と前進を求めています。
シェオルに栄光あれ、麗しの五月三日に栄光あれ！』
「麗しの五月三日に栄光あれ」

将軍やピアニスト閣下。そして学士院騎兵隊の有翼騎兵の多くが属するシェオルの保守派政治集団、"正統派保守連盟"が好む文言で演説を締め括る。
僕もこの"連盟"に加わり、色々と"連盟"の集まりに顔を出していたが故の癖で、つい締め括りの言葉に反応してしまう。
それを乗員達は特に気に留めたりする事はせず、ただ戦車を前進させる。僕らはたとえ気に食わない思想であっても、排除する事は良しとしていない。僕らができるのはそれに対してただ耳を傾けるか、あるいはリベルム・ヴェト……自由拒否権を行使して無視することだけだ。

102二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 09:53:10

保

103二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 20:17:08

どうなるか

104鋼駒鋒ホマレ24/11/21(木) 00:38:58

止まることを知らない洪水のように。
僕ら第一機甲師団は有翼騎兵と白水河軍団と共に、ただ前へ前へと進み続けている。途中で結構な数の風紀委員会や万魔殿の兵力と出会したが、それら全てを自慢の蛍砲と機関銃で薙ぎ払って拘束からの後送を繰り返し。
道中の交戦で幾らかの味方が負傷等で脱落こそしたが、それもごく少数。
特に大した問題でもないので、このまま前進を続けようとしたところに、先行して偵察に出していたクロムウェル装備の機甲偵察連隊から万魔殿の"ティグリス"4両からなる戦車小隊を発見したとの報告が入る。

『こちら第10騎馬銃兵連隊、第3戦隊のクロムウェル473号車！現在グリッド2584の5773にて万魔殿の"ティグリス"小隊を視認！
現在我々は僚車のクロムウェル及びチャレンジャーと合流して待機中！至急増援求む！』

偵察連隊にはクロムウェルの他に蛍砲持ちのチャレンジャーがお守りについているのだけれども、僕ら本隊に増援要請を出したのはリスクを減らす為だろう。
クロムウェルの主砲である75mm砲ではうまく立ち回らなければいけないし、頼りになる蛍砲持ちのチャレンジャーは数が少ない。そうとくれば、蛍砲持ちのファイアフライが結構な数控えている僕ら本隊に"ティグリス"共をリンチしてもらう方が確実性は高い……そんなところかな。
それなら、虎狩りを始めるとしますか！

「ファイアフライは僕について来い！虎狩りの時間だ！獲物は早い者勝ちだ、先着4人までだぞ！」

105鋼駒鋒ホマレ24/11/21(木) 01:16:13

配下のファイアフライをぞろりと引き連れ、途中で出会した有翼騎兵を引きずりながら偵察隊のいる地点へと移動し。
偵察隊と合流したところで戦車から降りて茂みから双眼鏡を除いて見たところ、数百メートル離れた位置には確かに"ティグリス"4両が停車し、その乗員達が集まって地図を睨んでいた。
……大きな隙を晒している万魔殿の連中を叩くなら、今が1番の好機だ。そうとなれば今すぐに部下の尻を蹴り上げてでも攻撃をしなければなるまい。

「よし、今からあいつらを叩く！今が1番のチャンスだ、逃したりするんじゃないぞ！さあ急いで戦闘に備えるんだ！理解できたな？」

急いでその場を立ち上がって部下を引きずり、戦車へ押し込んで攻撃準備を整えさせ、最後に命令を下す。

「戦車、前進！絶対に足は止めるな！数と機の利は僕らにある！奴らを仕留めろ！」

その言葉と共にファイアフライの群れは進み始める。万魔殿側は近づく僕らの姿に気付いたのか、急いで各々の車両へ乗り込もうとするが、そうはさせない。

「全車両、各自の任意で射撃を始めろ！」

命令と共に各車両の砲口からは蛍砲と言う渾名の元となった強烈な砲火焔が幾度も煌めき、その度に爆風で埃と粉塵が巻き上げられる。
盛大に光った蛍砲の徹甲弾は数発が吸い込まれるようにして乗員が全て揃いかけていた一両に飛び掛かり、横っ腹に大穴を開ける。
何度も装甲を撃ち抜かれたそれは、搭載していた砲弾が貫通した徹甲弾の誘爆で勢いよくハッチや隙間から火を噴き、最後に強烈な爆発と共に砲塔が吹き飛ぶ。
まずは1両撃破、残りは3両。

106二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 10:54:44

戦闘に突入したか

107二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 20:58:17

大変なことになったぞ
今更か

108二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 21:16:28

事前にゲヘナの強みを無能化で潰した上で勝手に生えてくる敵対学園で囲んでるから蹂躪が規定路線だよ

>>109 >>110

109二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 21:19:01

>>108

無能化?無力化じゃなくて?

さてはSSよく読んでないな、荒らしか?

110二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 21:22:44

>>108

まだ描写途中だからな

というかしっかり読んでないだろ

111二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 21:29:23

引き継いだマコトはともかく当の雷帝が残党の潜伏をスルー
無名の司祭産のミサイル+集中爆破+連戦を数時間睡眠で回復したヒナが長期離脱
そもそもマコトの情報網でこの規模の武力蜂起を察知できないのがおかしいし無能化以外のなんなんだ？

>>112

112二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 21:40:25

>>111

横から失礼する

まだ描写途中だしこのまま見続けてから感想を述べてはどうだろうか。まだどんな設定があるか分からん

あとそういった言動をすると荒らしとして通報される恐れがあるから控えるのをオススメする。最近荒らしが多いのもあってみんなピリピリしてるし

113鋼駒鋒ホマレ24/11/21(木) 23:52:24

『はははっ！万魔殿の戦車乗りは意外と腕が悪いんだな！我々には一発も当たってないぞ！』
「油断はしないように、162号車。たとえ射手の腕が悪くとも、まぐれ当たりは起こるものだ。油断はするな、常に動き続けて狙いを翻弄しろ」

今までに数発の反撃が飛んできてはいるが、その全ては狙いが甘かったからか、或いは僕らが常に動き続けているからか。もしくはその両方が噛み合っているのか、僕が率いるファイアフライの群れには当たることはなかったし、逆に僕らの反撃でもう1両を撃破している。残りは2両だが、まだまだ油断はできない。
先に2両を撃破できたからか、軽口を叩く部下へ冷や水を掛けて油断を窘め、撃破へ専念させる。
どちらも砲弾を一発受ければおしまいのチキンレースは、残機が多い僕らの方が有利ではあるが、それでもあの小隊に多くの時間は割けない。
それを向こうも察しているのだろうか、残った車両は車体を傾け、避弾経始で砲弾を防げるように動いている。更には無線で増援を呼んでいるだろう。何せ偵察隊の方も、無線の報告を聞く限りだと件の増援らしき部隊と交戦を始めているのだから。

「戦車兵諸君、あの"ティグリス"共を先に仕留めた者には報奨金と勲章が与えられるぞ！気張って戦え！」

時間稼ぎをされるのも面倒だ、急いで撃破するためにも部下のやる気を引き出せそうな言葉を吐いて鞭を入れる。
焦りからなのか、脊髄をチリチリと焼かれるような感覚に襲われて集中力を削がれる。これは多分流亡学府の方から、マゴニアがゲヘナの手痛いしっぺ返しを喰らって若干押し返されているなんて情報が飛び込んできたのも原因の一つかもしれない。
……当初の目標を早期に達成できて、気が緩んでいたのだろうか？だとしたら、なんとも不甲斐無い連中なのやら。

114鋼駒鋒ホマレ24/11/22(金) 01:06:03

……じわじわと距離が近づくにつれ、お互いの射撃の精度も上がり、僕らの方にも足回りや主砲が損傷して足止めを喰らったり、後退するファイアフライがちらほらと現れる。だが、未だに戦車が撃破されていないだけマシだろう。少なくとも損傷程度なら修理して部品を取り替えればなんとかなる。
それに、敵の方も残っている2両のうち片割れは戦闘中に砲身を破壊されて使える武装は車載機銃だけになっているし、履帯も切られて動けなくなった。歩兵や騎兵にとって装甲の硬い機銃座は巨大な脅威でしかないが、少なくとも僕ら戦車兵にとってはそこまでの敵じゃあない。
ただもう片方については未だ健在で、足回りは無事だし主砲も元気に火を噴いている。最優先で排除するべきなのは元気な方だ。それに、傷ついている獲物には後からトドメを刺すことにしたって十分間に合うだろう。

「全車両へ、すべての火力を健在な方に指向せよ。手負のやつは一旦放っておけ」

その命令が出てすぐ、部下達は主砲を健在な方へと向けて砲弾を放つ。集中砲火を浴びるが、流石は重戦車といったところか。幾らかの命中弾は被弾経始によって弾かれ、或いは装甲に突き刺さり。少なくとも、撃破には至っていない。
だが、他の車両に気を取られてか、後ろに1両回り込んでいたのには気づけなかったようで。
その回り込んだファイアフライの砲撃で尻に火をつけられた残りの1両から、慌てたように乗員が飛び出す。

「有翼騎兵、仕事の時間だ！撃破した敵戦車の乗員を拘束しろ！」

これでやっと重荷の一つが降ろせた。後始末はさっき引きずってきた有翼騎兵に放り投げてしまおう。引きずってきておいて、暇にさせるよりも少しは良いだろうし。

115二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 10:58:46

どちらも相手を一撃で撃破できる火力を持つだけあってギリギリの戦いになったな
重騎兵もいるとは古風だ

116二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 21:34:59

有翼騎兵は機動戦や偵察を担うのかな

117鋼駒鋒ホマレ24/11/22(金) 23:20:45

馬から降りて、ただの精鋭重装歩兵になった有翼騎兵を顎で使い、撃破した敵戦車の乗員を武装解除させた上で拘束させ、負傷者と共に後送するトラックの荷台に押し込まれるのを眺めて。
時々お前らも手伝えよと不満の詰まった目線を向けられるが、それをあしらい、偽装撤退を敢行中の偵察隊が急いで仕立て上げたキルゾーンへ敵を誘い込むのを待つ。
後続のファイアフライと普通のシャーマンと、それから別の偵察隊のクロムウェルにチャレンジャー。白水河の歩兵や下馬した騎兵、そして同じく下馬した有翼騎兵とで十字砲火を浴びせられるように布陣したキルゾーンなら、偵察隊の尻を追いかけるゲヘナ風紀委員会の部隊を楽に撃破できるだろう。

「第6偵察小隊、獲物は釣れたか？」
『ええ、送り狼がゾロゾロついてきてます！後は師団長に任せました！』
「よーし諸君、虎狩の次は狼の群れ丸ごとだ！好きなだけ仕留めて剥製にしてやれ！」

道を爆走するクロムウェルとチャレンジャーが盛大に土煙を巻き上げ、その後ろには後を追いかける風紀委員会の装甲車が少々と、そいつらのお供としてゾロゾロついてきている風紀委員連中はこれまでのとは違う装備をしている。
おそらく防弾プレートが仕込まれたチェストリグに、"第九勤務隊"と記されたワッペンを肩に縫い付けている連中。流亡学府の司令部曰くゲヘナ風紀委員会の即応大隊だとかなんとか。結構腕の立つテロリスト連中、つまりは温泉開発部や美食研究会の連中ともそれなりに良く渡り合えるくらいには能力が高いらしい。

……だが、テロリスト狩りばかりやっていた連中が正規戦にどこまで対応できるんだろうな？うちの有翼騎兵みたいに1人でそれなりに訓練された兵士十数人と同等なんてことは起こってほしくないものだけど。

118二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 09:33:18

くそどうでもいいけど有翼騎兵って名前ズルいぐらいカッコいいよな

119鋼駒鋒ホマレ24/11/23(土) 18:56:01

追撃してくる第九勤務隊連中と距離を空けようと速度をさらに上げ、爆走して僕らの構築したキルゾーンへ飛び込もうとする偵察隊のクロムウェルとチャレンジャーを発見し、僕や白水河軍団、有翼騎兵の指揮官は急いで部下へ命令を下す。

「第1機甲師団！射距離700で徹甲弾をあの装甲車に叩き込め！味方には絶対に当てるな！」
「白水河！歩兵と騎兵は650mで斉射しろ！機銃は斉射に合わせて撃て！砲兵は榴散弾を装填して、第1機甲師団の射撃に合わせろ！」
「有翼騎兵の戦友諸君！我々は戦車兵と白水河の援護に回る！散開して各々の配置に付け！」

僕の命令通りに戦車兵が主砲へ徹甲弾を装填し、主砲の仰角を調整していつでも射撃できるようにして。
青色の上衣と赤色の丈が長い袴を着込み、天辺が四角形のシェオル様式の羽根飾りが着いたのっぽの帽子を被った白水河の指揮官の命令で歩兵と下馬した騎兵は古の時代のように戦列を組んで小銃を構え。機銃は三脚に据え付けられて保弾板が差し込まれ。野砲は砲弾を薬室に押し込み、砲脚を地面にめり込ませ、将校が握るサーベルが振り下ろされるのを待つ。
真紅をしたシェオルの制服に身を包み、その上から6年前より更新されることのなかった補助外骨格と甲冑を装備し、そして"新たな"有翼騎兵の象徴とも言える背中に背負った折り畳み式のハンググライダーと、巧みに扱う複数の銃器。
そんなシェオル最精鋭の有翼騎兵を率いる、孔雀の羽根飾りが着いた背の低い円筒状の毛皮帽を被り、首周りに狐の毛皮を巻き付けた指揮官が指揮用の棍棒を振り回し、命令を下すと即座に移動し、背中に背負った機関銃や狙撃銃へ銃を持ち替えて射撃態勢を整える。

120鋼駒鋒ホマレ24/11/23(土) 21:36:45

彼我の距離が近づき、射撃開始距離に入ったところで指揮下の戦車へ向けて無線越しに叫ぶ。

「全車、あの狼共を仕留めろ！」

命令はすぐに実行され、追撃する風紀委員の先頭を走る装甲車に徹甲弾が集中して降り注ぎ、その車体は穴まみれになる。
完全なまでの装甲車撃破の次は急いで分乗していた車両から降車し、散開しようとした風紀委員連中へ榴散弾の子弾が降り注ぎ、更には勢い良く振り下ろされたサーベルによって始まった白水河の歩兵と騎兵からの小銃斉射と機銃の射撃を受け、幾らかの数を仕留め、仕留めきれなかったのには頭を下げさせる。
猛烈な弾雨から逃れようと急いで道から離れようとした風紀委員は有翼騎兵の機関銃や狙撃銃の射撃で刈り取られ、動くに動けない状況へ押し込まれる。
それでもなんとか前進して我々を叩こうとしているが、それは戦車や野砲の砲撃と、機関銃の射撃で阻まれる。

「師団長閣下、連中はあそこに釘付けだ。我輩としては今が突撃のチャンスではないかと考えているんだが……一発かましてみないか？」

銃声と爆発、そして砲火が支配するこの状況で、ハッチから身を乗り出して射撃目標を探す僕の側へ駆け寄り、そんな提案をしてくる有翼騎兵が1人。
正直に言えば、僕としてもこのまま射撃戦を続けてもかえって粘られて増援が来るだろうから、ここで決着をつけたほうが良いだろうとは考えている。
それに、僕らには白水河だけでなく、有翼騎兵もついている。そして僕ら戦車兵がいる。

121二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 08:52:57

ド派手～

122鋼駒鋒ホマレ24/11/24(日) 11:29:24

……それなら、突撃で早く終わらせよう。無駄に長引くよりは、多少の損害を出してでも迅速に進軍を再開したほうが良い。
ならば、僕が下すべきなのは突撃命令だろう。

「……シェオルの同胞諸君！我々はこれより突撃を敢行する！着剣せよ！」
「やっぱり突撃はかましてなんぼのもんでしょ！」

僕の命令に、有翼騎兵はご満悦な表情をし、ウキウキとご機嫌なステップで小銃に銃剣を取り付け、突撃へ備えている戦列に加わる。
実に乱暴なやり方を選んでしまったものだと、ため息をつきながらも息を深く吸い込み、指揮下の兵士全てに届くよう声を張り上げる。

「総員！撃ち方止め！撃ち方止め！」

まずは突撃前に誤射防止の為射撃を止めさせ、懐から笛を取り出し、再び声を張り上げてから笛を吹く。

「突撃、前へ！！」

123二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 14:09:06

バカにされがちだけどちゃんと上手くいけば有用な戦法ではあるんだよね、銃剣突撃って

124鋼駒鋒ホマレ24/11/24(日) 18:26:28

甲高く周囲一帯に響く笛の音色。それを聞きつけた将校はサーベルを振り回して突撃しろと叫び、旗手は軍旗を高らかに掲げ、兵士たちは狂ったような喊声を上げて弾かれたように勢いよく駆け出し、それに付随して戦車も機銃を撃ちながら前進を始める。
実に野蛮な光景に、風紀委員の方は驚いたのか恐怖したのか。突撃で蹂躙されるのを恐れてか急いで負傷した同僚に肩を貸し、蜘蛛の子を散らすように撤退する。
誰だって圧倒的な火力に晒された挙句、脅威が過ぎ去ったかと思えば、敵が刃物を煌めかせて蛮族みたいに叫びながら突っ込んでくる状況下でその場に留まりたくはないだろうし、そもそもそんな奴らをまともに相手できるのは良く訓練された正規軍だけだ。
これは流石に部隊と戦線を立て直したほうが良いと判断しての撤退だろう。だが、少なくともあの精鋭に火力と気魄で競り勝った僕らは進軍を再開できる。シェオルの大地まではそう遠くない、拍車をかければじきに同胞と合流できるだろう。

「師団長！第九勤務隊の連中はそこまで大したもんじゃなかったですね！楽勝でしたよ！」

……だが、今後それなりの脅威になるであろうあの精鋭風紀委員、第九勤務隊連中を叩けなかったのは懸念点になるだろう。
確かに、あのような対テロ部隊は正規軍には弱いかもしれない。だが、それが地下学府に差し向けられたらどうなる？
幾らかの正規軍と学士院騎兵隊の残党、そして大多数を占める寄せ集めの蜂起兵。それが全ての戦力になる地下学府にとっては大きな脅威になる。少なくとも、寄せ集めが相手するには荷が重い存在になるかも。
あれはこの場で早くに仕留めておきたかったかな。

125二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 01:29:01

軍旗を掲げ突撃か、迫力が凄いな

126鋼駒鋒ホマレ24/11/25(月) 02:14:22

……まあいいさ、ここで逃したあの狼を狩る機会はまだまだあるだろう。その時、その時にちゃんと仕留めれば良いだけだ。

それに、あの精鋭風紀委員の後は新たな敵が来ていない。せいぜいがゲヘナに自生するゴロツキぐらいなもので、それの対処も僕らにしてみれば精々が路上の石を蹴飛ばすようなもの。

一時はゲヘナの反撃に戦線をかなり押されていたが、大規模な増援の投入でなんとか持ち堪えているマゴニアや、兵站維持に必要な施設や設備を押さえてくれている別動隊として動く流亡学府の同胞。時折ゲヘナの部隊や施設へ爆撃をしていく航空隊。

これらの同胞や戦友達が奮戦してくれるおかげで僕らの進軍ペースを上げるのに役立っているし、実際に故郷シェオルの大地に僕らが到達するまで後少しと言ったところまで進めている。

やっと故郷へ帰還できる時が間近に迫ってきている。こうなってくるとシェオル一番乗りを果たすのは僕ら第1機甲師団か、あるいは有翼騎兵か、それとも白水河軍団なのか。誰がその栄誉を手にするかのレースに近くなっている。

誰がシェオル一番乗りを果たすのだろうか。僕としてはやっぱり第1機甲師団に果たしてもらいたいものだ。

一番乗りは誰？

dice1d3=2 (2)

1.第1機甲師団 2.有翼騎兵 3.白水河軍団(槍騎兵)

127二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 10:11:23

騎兵の面目躍如だな

128二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 10:51:40

騎兵が一番乗りか

129二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 20:56:50

騎兵は機動力を活かして1番乗りか

130鋼駒鋒ホマレ24/11/25(月) 22:59:11

意気揚々と進軍した末に、かつてゲヘナとシェオルを隔てていた境界線の跡を越え、シェオル一番乗りを果たしたのは有翼騎兵連中だった。
そして、さらには残念なことに、僕ら戦車兵はシェオル一番乗りだけでなくシェオルでの一番槍すらも有翼騎兵に奪われてしまったのだ！
確かに騎兵の機動力は目を見張るものがある。それは紛れもない事実だから、大人しく認めよう。
それはそれとして戦果を先に持ってかれたのは納得いかないんだけど！

……だが、それら全ても故郷の大地を踏み締めた瞬間の喜びと達成感に比べれば大したものではない。
だからゲヘナ領からシェオルの大地へと進む時につい戦車から飛び降り、数歩踏み締めた末に草原へ寝転んだのもシェオルの生徒として当然の権利を行使しただけに過ぎない。

「ここがシェオル、僕達の系統が根付いて栄えた母なる大地。僕達はやっとここへ帰って来れた……」

6年の待ちぼうけと、幾日の闘争の末に。僕らはゲヘナ打通という作戦目標と、シェオルへの帰還という流亡学府の目標を達成した。

「司令部へ、我々は帰路の旅を終えた。素晴らしきかな、我が故郷！」

急いで司令部へこのことを簡潔に報告し、次に近場の地下学府部隊へ無線で僕ら流亡学府軍の到着を知らせる。

「地下学府の同胞達へ告ぐ！我々は流亡学府軍である！我々は今日、この日をもって故郷シェオルへの帰還を果たした！」
『おかえり、シェオルの同胞達！私達は君達の帰還を歓迎する！共にシェオルの為、団結して戦おう！』
『久しぶりだな！君たちがここを離れたのは何年前のことだったかな？だがまずは……おかえり！同胞よ！』

地下学府からは温かく、爽やかなシェオルの気風を感じさせる歓迎の言葉が送られて。その言葉に、僕らは皆故郷へやっと帰って来れたのだという実感が湧き上がり、自然と歓声が上がる。

「……ただいま！我が愛しの故郷！我が親愛なるシェオルよ！」

131鋼駒鋒ホマレ24/11/26(火) 00:16:19

第二歩:貴女の指揮下で、我らは再び同胞となる　完

132卜部シラク24/11/26(火) 00:43:32

風紀委員長の優雅な……優雅な？療養生活の裏側

俺は今、テーブルを挟んだ向こうにいる破壊活動局の指揮官と俺とで、紅茶を片手に悪巧みの報告会を開いていた。
この悪巧みの対象となったのはゲヘナ学園の風紀委員長、空崎ヒナだ。奴は現状、先のゲヘナ襲撃事件によって長期の療養が必要ということになってはいるが、実際のところ襲撃で負った傷はすぐに治っていた。
そのため、本来ならばすぐに戦線復帰するはずだった訳だが……そこへ俺らの悪巧みで足止めを食らわせている。
これである程度は地下学府が有利に立てるだろうが、奴を足止めしきれなくなった時が一番まずいだろう。
だからこそ、俺と破壊活動局の指揮官とでなんとか足止めのプランを考えているわけだ。

「それで、空崎ヒナの足止めはどうなっている？」
「現在標的が入院中の病院へ偽の爆破予告を送付することによって転院させています。これでもう数日は稼げますし、そこに体内に残留する破片の除去など種々の理由をでっち上げた嘘の手術と経過観察を合わせることで、標的の戦線離脱期間を延ばせるでしょう」
「残念なことに、奴はかなり頑丈だからな。こうでもしないと長期の足止めはできん……だろ？」
「ええ、その通りです、帯剣官。本当に、あいつは面倒な奴ですよ」

全くもって不愉快なことに、空崎ヒナという奴は非常に頑丈で、多少の傷くらいはものともしないし、結構な傷を負ってもすぐに復活してきやがる。
そんなんだから、今計画している工作みたいに悪巧みでなんとか足止めをしなきゃあならないってわけだ。

「もう少し奴の体が脆かったのなら、ここまで俺らが頭を捻る羽目にはならんかっただろうに！全くお前は本当に面倒な奴だな、空崎ヒナ！」

それでも、いつかは奴を足止めしきれなくなるだろう。そうなれば地下学府は非常にまずいことになる。
何せ奴の戦いぶりというのは実にとんでもないものだからな。そんなのが戦線に出てくる前に、なんとか俺ら有利に押し込まねばならない。

……なんとか、奴が戦線に復帰するより先にこの戦いが終わってくれることを祈ろう……

133二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 01:16:52

趨勢を聞いたら怪我を無視して出てくるから情報封鎖も大事
ある程度の自治体制を固めてないと一人にひっくり返されるのが落ち

134二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 01:33:18

怪我自体は治ってたが妨害工作で戦線復帰を食い止めてたのか
ここまでの警戒、まるで戦略兵器を相手しているかのようだ

135二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 08:53:41

妨害工作しっかりしてたんだな

136二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 18:10:01

大事～

137卜部シラク24/11/27(水) 02:00:58

ゲヘナの探偵は何処？

地下学府の司令部にて、俺は地下学府情報局からの報告を受けていた。

「ゲヘナの情報部についてですが、万魔殿の情報部は現在反雷帝派の人員による雷帝の遺産捜索と、他校……特にトリニティとミレニアムへ向けた諜報活動の二つに注力しています。これによって、万魔殿の視線はシェオルから逸らされており、結果として我々地下学府が活動しやすい状況になっています。
また、風紀委員会の情報部はゲヘナ自治区内での温泉開発部や美食研究会の動向を探るのに忙しいようで、こちらも万魔殿情報部と同じくここシェオルへの視線は逸らされています。
また、シェオル内で活動するゲヘナの情報部には我々の諜報員が浸透しており、欺瞞情報の流布や種々の妨害工作もゲヘナの視線を逸らすのに役立っています」
「それとは別に、忌々しい暴君の雷帝とそのお友達による、シェオル特別区法をはじめとしたシェオルへの弾圧と圧政。それからシェオル正規軍と学士院騎兵隊の将校や、知識人といった指導者層の排除。
これらの政策で我々の牙を抜き取れたと油断して高枕で眠っていた雷帝と、それを引き摺り下ろした羽沼マコトに空崎ヒナ。奴らに『灯台下暗し』の諺を教えてやるべきでしょう」

……ふむ、現状を整理すれば、ゲヘナの情報部は自らが引き摺り下ろしたクソ雷帝がそこらへんに垂れたクソの後始末をするため、あっちこっちへと出向いている上、他学園への諜報活動やらテロリストの追跡やらもやらねばならない。
それに加え、シェオル内に展開しているゲヘナ情報部は我々の手勢が入り込んでいるし、我々の手勢による活動のおかげでまともに機能していない状況と来た。
それとは別で、クソ雷帝が元気だった頃にシェオル内で色々と同胞を刑場の露としていったり、食糧や物資の収奪といった圧政や弾圧なんかで俺ら地下学府の牙を抜けたと思い込んでいた。
それ故に、ゲヘナは俺らに対してそこまで注意を払うこともなかったし、払う必要がなかったとも言える。

だが、その慢心を俺らは打ち壊す。シェオルは決して屈することがないということを奴らに刻み込んでやる。深く、とにかく深いところまでしっかりとな。

138二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 08:30:22

情報部への妨害工作もしっかりしてるんだな

139二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 19:04:10

情報部の目から逃れていたのか

140天雷公寺ユリ24/11/28(木) 01:10:27

プロフィール

[本来の身分]
名前:天雷公寺ユリ(てんらいこうじユリ)
氏族:白矢狐氏族
学校:シェオル連盟共同体学士院　流亡学府
学年:テフニクム 3回生
課程:高等技術学士課程
学科・学部:航海科航海学部
所属:シェオル学士院軍駆逐艦隊
兵科:上級士官
役職:駆逐艦隊提督
誕生日:11月28日

[一時的な身分]
名前:天雷公寺ユリ
学校:トリニティ総合学園
学年:3年生
所属:マテル派
役職:マテル派駆逐艦隊提督
誕生日:11月28日

141天雷公寺ユリ24/11/28(木) 01:11:38

外見

髪色:dice1d5=2 (2)

(1.黒 2.茶 3.金 4.赤 5.銀)

長さ:dice1d100=53 (53)

(1で肩につかないほど、50で肘あたり、75で腰、100で地面)

瞳:dice1d6=2 (2)

(1.青 2.灰 3.黒 4.緑 5.茶 6.赤)

耳:エルフ耳

羽:大型の鳥類型

尻尾:魚

体型

身長:120cm + dice2d60=43 51 (94)

胸:dice1d6=3 (3)

1.かなりまな板 2.貧しき者…… 3.大体普通くらい 4.割と大きめ 5.でかいよ 6.とてもでかい

腹:dice1d5=1 (1)

1.筋肉微量、柔らかめ 2.筋肉少量、やや柔らかめ 3.中間、みっちりしてる 4.筋肉やや多め、少し硬め 5.筋肉マシ、硬め

尻:dice1d6=4 (4)

1.小 2.やや小さめ 3.中間 4.やや大きめ 5.でかいよ 6.とてもでかいよ

脚:dice1d6=5 (5)

1.細い 2.やや細い 3.普通くらい 4.少し太め 5.太いよ 6.うおっ……ふっと……

142天雷公寺ユリ24/11/28(木) 01:12:34

ステータス

戦闘系技能

戦闘:dice1d100=2 (2)

射撃:dice1d100=13 (13)

格闘:dice1d100=56 (56)

投擲:dice1d100=65 (65)

体力:dice1d100=3 (3)

回復:dice1d100=11 (11)

剣術:dice1d100=88 (88)

身体系技能

筋力:dice1d100=52 (52)

持久力:dice1d100=19 (19)

敏捷性:dice1d100=67 (67)

柔軟性:dice1d100=82 (82)

運動:dice1d100=82 (82)

その他技能

知性(役職補正で75付与):dice1d25=1 (1)

事務(同上):dice1d25=10 (10)

指揮(同上):dice1d25=20 (20)

医療:dice1d100=22 (22)

技術:dice1d100=10 (10)

創作:dice1d100=10 (10)

魅力:dice1d100=14 (14)

政治(同上):dice1d25=10 (10)

交渉(同上):dice1d25=25 (25)

倫理:dice1d100=78 (78)

慈悲:dice1d100=2 (2)

幸運:dice1d100=16 (16)

神秘:dice1d100=88 (88)

143天雷公寺ユリ24/11/28(木) 01:13:19

使用武器種:HG
使用武器:ViS wz. 35
搭乗艦艇:駆逐艦“稲妻号“

144天雷公寺ユリ24/11/28(木) 01:13:57

第三歩:シェオルを讃えて三斉射！

流亡学府の司令部で作戦についての説明を受け、詳細な書類を受け取ってからトリニティの軍港へ移動して。
シェオル艦隊の士官を集めて受け取った書類を見せながら、作戦区域までの航行について段取りを整え、出港準備を急がせる。
その間中、忙しなく動き回る水兵や下士官を避けながら、駆逐艦隊の旗艦にして、私の乗艦になる駆逐艦“稲妻号“へ乗り込み、艦橋で出港の時を待つ。

私が指揮する駆逐艦隊の任務は上陸部隊を満載した輸送艦隊を護衛してゲヘナの領海を通り、シェオル本土とある半島の要塞へ部隊を無事に上陸させること。
そして、ゲヘナの艦隊と交戦する事態になれば、その身を投げ出してでも輸送艦隊と上陸部隊を守り切ること。
この二つになるが、重要度はこれまで資金稼ぎのために請け負ってきた海上護衛や海賊の掃討よりも、非常に高い。

……とは言っても、ゲヘナの艦隊は人員の払底……特にその多くが雷帝派だった士官や、主力艦の水兵が雷帝失脚の後左遷や移籍等で排除されたことや、人員育成の為に使われる練習艦が機関火災を起こし、修理が終わるまで新兵や士官候補生へ長い間碌な訓練を施せなかった。
その結果として、ゲヘナ艦隊保有戦力の内、実働戦力として数えられるのは極少数の駆逐艦と幾らかの水雷艇、そして実質的な主力の魚雷艇だけになる。

かつてのゲヘナ艦隊は戦艦4隻、正規空母1隻、ポケット戦艦3隻、重巡洋艦3隻、軽巡洋艦6隻。数多の駆逐艦と水雷艇、そして数個潜水隊群分の潜水艦とかなりの戦力を揃えていたが、それも今や雷帝失脚で夢の跡と化し、維持するだけで手一杯な状況になっている。そして、艦艇を動かす人員についても維持費用に予算の多くを持っていかれ、簡単な訓練ならまだしも実際に艦艇を動かしての演習は一ヶ月に一度行えるだけ上出来。
と、ゲヘナ艦隊は流亡学府や地下学府が工作を始める前からこんな有様なものだから、情報収集だけやってあとは放置している。

145二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 01:15:35

仕方ない、海が無いからな…

146天雷公寺ユリ24/11/28(木) 01:36:31

ただ、どれだけ訓練がまともにできていなくても、一応は動けるまともな艦艇は今だに私達の脅威となるし、付け加えるなら魚雷艇の実動戦力に関しては雷帝失脚前よりほんの少し減っただけで大して数が変わっていない。

特に魚雷艇は小型で素早く、それでいて強力な魚雷を数本抱えているものだから、輸送艦隊にとっては大きな脅威になるし、駆逐艦にとってもそれは同じ。

むしろ、輸送艦より排水量が少ない上、サイズも小さい分駆逐艦の方が被雷時のリスクは跳ね上がってくる。

これらを踏まえた上では、現状目下の脅威がゲヘナ魚雷艇隊になることは間違いない。

少なくとも、燃料調達や弾薬費に頭を抱えている駆逐艦や水雷艇に比べ、魚雷艇はコストパフォーマンスに優れ、尚且つ運用する人員が比較的豊富に揃っている。そして何よりも通常艦艇に比べて魚雷艇は燃料や弾薬の費用がはるかに安上がりであるが故に満足な演習が行えて、尚且つ色々と万魔殿や風紀委員会に振り回されて水上作戦に投入されたことで練度を維持できているのも理由の一つではある。

……正直なところ、航路を可能な限り沿岸水域から離すことである程度は魚雷艇が迎撃に向かい難くなるようにはしている。それでも、駆逐艦の航続距離や戦況などを鑑みているものだから、波の様子次第では普通に魚雷艇隊の迎撃を受ける可能性もある。

現状、私にできるのは可能な限り魚雷艇が行動できないほどに海が荒れてくれることだけだ。

波浪ダイス

dice1d100=96 (96)

1に近い程穏やか、100に近い程時化ている

147二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 01:40:13

魚雷艇どころか艦船もキツい、ここまでしてくれとは言ってないだろうにｗ

148二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 01:58:42

海が大荒れになっとる
両軍とも出撃しようものなら船酔い確実になりそう

149天雷公寺ユリ24/11/28(木) 13:05:17

……まさか、ここまで酷い時化に襲われるとは。
一応出港準備こそ終わってはいるものの、"稲妻号"や僚艦、輸送艦の艦長は出港を一時取りやめにするべきではないかと何度も意見具申してくる。
……ただ、どうにも私からしてみるとこの時化は主が「汝漕ぎ出すべし」と導いてくださっているようにも思えてくる。

「……全シェオル艦艇へ！我々はこれより作戦目標の達成と故郷の解放を果たす為に出港する。抜錨せよ！」

……故に、出港を命じる。

150二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 22:22:26

行くのか

151天雷公寺ユリ24/11/28(木) 22:26:42

「提督、正気ですか！？」
「正気も正気、今が好機だと判断しただけ。上陸部隊には散々な船旅をさせることにはなるだろうけれど、これも故郷のためだと我慢してもらおう。
安心せよ、艦長。我々には主の御加護がついている。それに、だ。故郷や前線では同胞が必死に戦っているというのに、我々だけが天気を理由にぬくぬくと港に籠っていられようか？
今、ここで出港せねば我々は後々臆病者の謗りを受けることになる。艦隊と我々の名誉の為にも、本土へ征こうではないか」

命じてもなお渋る艦長を何とか説き伏せ、納得したか、それとも上官である私の命令に大人しく従うことにしたのか。理由は定かではないものの、艦隊は確かに抜錨した後に出港し、針路を一途シェオルに向けて進み始める。

概ね似通った性能とサイズの駆逐艦が6隻と、サイズも性能もバラバラな輸送艦8隻の粗雑な混成艦隊を無事に本土へ到着させ、作戦目標を達成するには多少の無茶も押し通さなければならない。
目下最大の脅威であるゲヘナ魚雷艇隊。これが活動できなくなるどころか、駆逐艦ですら航行に多少のリスクがつきまとうこの時化をうまく味方につけることさえ出来れば、我々はある程度魚雷艇に追い付かれるまでの時間を稼げるだろう。

152天雷公寺ユリ24/11/29(金) 07:26:13

高波に艦体を横殴りにされようと、強く降り頻る雨に打たれようと、強風にゆらゆらと揺らされようと。その全てをものともせず、ひたすら10ノットの速度を保って艦隊は目的地へと進み行く。
今のところはゲヘナ艦隊が出張っている様子もないし、なんなら精々がカイザーシッピングの様な大手海運企業の保有する大型貨物船や、オデュッセイアの分校船くらいなものだ。
そして、我々と出会したそれらの船達は我々に気象状況や海の様子を教えてくれる。それに我々の方も、返礼としてこれまでの航路の状況を教える。あらかた情報の交換を終えたら、最後に「御安航を祈る」や「良き風を」と信号旗や発光信号で挨拶を交わして別れてお互いの航路に戻って行く。

この情報収集のおかげで、艦隊は比較的時化の弱いところを航行できるようになり、多少は揺れが収まり、波を被ることも少なくなった。そして、上陸部隊の船酔いも多少はマシになっている。
ただ、依然として航行速度は10ノットのままではあるが、これに関しては艦隊行動を合わせるため、艦隊の中で一番足が遅い訓練艦上がりの輸送艦"網掛川号"に足並みを合わせているのが原因ではある。
とは言っても、現状はこの酷い時化に紛れ込めているから遅い速度にはまだ目を瞑っていられる。だが、時化が収まった場合は非常にまずいことになるかもしれないのが懸念点ではあるのだけど。

153二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 17:51:17

ゲヘナ艦隊の探知網がどれほどのものか

154二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 01:41:48

潜水艦は輸送船の天敵だけどいなくて良かった

155天雷公寺ユリ24/11/30(土) 02:26:31

どうか貧乏くじを引いたゲヘナ艦と出くわさないように、どうかこの時化が長く続いてくれるように、どうか無事に本土へ辿り着けるようにと祈りを捧げながら、艦隊はゆっくりと本土へ向けて航行していた。

……本当に、足が遅い船のお守りというのは嫌になる仕事だ。

だが、この輸送艦はうちの商船艦隊からなんとか融通して貰ったものである以上、私が指揮する駆逐艦には少なくとも本土まで無事に輸送艦を送り届ける義務がある。

それこそ、敵の艦隊に襲われた場合は我々駆逐艦が相打ちになってでも、守り抜く義務がある。

現状、ゲヘナ艦隊は実動戦力が少ない上、予算の問題で演習もまともにできない状況に置かれているから水上艦艇による海戦は我々の方が多少は有利に立てるだろう。

それに、ゲヘナ艦隊は雷帝失脚後、その数からゲヘナ艦隊の予算を逼迫していた潜水艦隊の解散と全艦自沈なんて思い切った選択をしてくれたおかげで、我々は水中からの脅威に怯えないで済む。その結果として駆逐艦に取り付けた対潜水艦戦闘用のソナーや爆雷投射機といった機材はただの飾りになっているが、一応ソナーに関してはまだまだ使えるだろう。

例えばゲヘナ魚雷艇隊からの魚雷攻撃を回避するのに多少は使えるはずだし。

だが、まずはとにかく一海里でも本土に近づかねばならない。

少なくとも、命令は本土まで輸送艦隊を送り届けて、上陸部隊を上陸させろとだけだ。上陸の仕方までは指定されていないから、最悪輸送艦全てを上陸地点に座礁させても任務を達成したことにはなるだろう。

……はてさて、時化の状況はどうなるのやら。

波浪ダイス

dice1d100=60 (60)

1に近い程穏やか、100に近い程時化ている

156二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 12:51:10

海は少しずつ穏やかになてきてるんだな

157天雷公寺ユリ24/11/30(土) 22:01:59

時間の経過と共に艦隊は本土へ近づき、時化は少しばかり弱まる。

……これで、ゲヘナの水雷艇や駆逐艦は我々を追いかけ回して襲える様になった。とうの昔にゲヘナの沿岸防衛レーダーには引っかかっているだろうから、戦闘が始まるのも時間の問題だ。

「総員に告ぐ、各自の持ち場へ戻れ！ゲヘナ艦隊は押っ取り刀で我々を追いかけてくるぞ！警戒を厳とせよ！砲雷撃戦用意！」

時化と適切な航路のおかげでゲヘナ艦隊の根拠地から距離は稼げているが、それもあくまで一時的なものでしかない。故に、警戒態勢を固めた上でいつでも交戦できるよう艦内に待避させていた人員を配置の場所へ押し込ませる。

少なくとも、先より時化の勢いは弱まっているが、それでもなお魚雷艇にとっては航行するだけでも厳しい状況であることだけが救いではある。

だが、確実に駆逐艦と水雷艇は追いかけてくるだろう。何せ現状はある程度のサイズがある船なら、一応は問題なく航行できる程度の荒れ具合ではあるのだから。

(ゲヘナ艦隊)

艦種ダイス

dice1d2=2 (2)

(1.駆逐艦 2.水雷艇)

艦数ダイス

dice1d4=3 (3) 隻

158二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 08:27:03

水雷艇か、魚雷を多く積んでるのもあってかなりの脅威だ

159天雷公寺ユリ24/12/01(日) 12:15:13

「提督！レーダー室よりゲヘナの艦艇と思われる反応を3個探知とのことです！また、この反応は現在30ノット前後でこちらへ向かっているとのことです！」

ふむ……こっちのレーダーに、30ノットでこっちへ向かってくるゲヘナ艦らしき反応が出た、と。

ならば、レーダー室には敵艦の動きを随時報告させて動きを見よう。それとは別で、輸送艦の方に護衛をつけて我々から

離れさせておく必要もある。

「輸送艦隊の護衛に"夕立号"と"花輪号"、"雷電号"を残せ。残った我々であのゲヘナ艦を叩いて時間稼ぎをするぞ。転針せよ！面舵一杯！」

6隻居る駆逐艦のうち、3隻を護衛に割き。残った3隻で臨時の戦隊を組んで一路転針し、ゲヘナ艦を叩く為に増速させて彼我の距離を詰めると同時、ゲヘナ艦の識別用にと最新のキヴォトス艦艇年鑑を引っ張り出して副官に持たせる。

……厄介な奴を相手にするなんてことにならなければ良いのだが、それがどうなるかは主のお導き次第だろう。

艦級ダイス:

dice1d3=2 (2)

1.1923/1924型水雷艇 2.T1/T13型水雷艇 3.T22型水雷艇

160二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 20:34:41

武装が105mm単装砲が1基、3連装533mm魚雷発射管が２基、機雷もありますと
侮れないな

161天雷公寺ユリ24/12/01(日) 21:05:50

輸送艦とその護衛と分かれて彼我の距離を詰め、測距儀の視認範囲に敵艦が収まったので照合を始める。

「あいつらの艦級はどんなもんやら……」

測距儀を覗き込んでは年鑑のページを捲り、年鑑に載っている写真と、測距儀で視認した艦影との照合を済ませ、敵艦の全容がはっきりとしてくる。

「敵艦、T1型水雷艇！大した武装は積んでない、魚雷だけに注意しろ！」

敵艦は3隻ともT1型水雷艇、もしくは少しだけサイズが大きくなったT13型水雷艇。

どっちにしろ2基6門の三連装魚雷以外には、艦尾に据え付けた1門の105mm砲と、艦橋付近にある2基の20mm機関砲しか武装していないような非常に可愛らしいボートは大した脅威ではない。

対してこっちの武装は"雷鳴号"と"稲妻号"がそれぞれ装備する単装1基と連装3基の120mm砲計7門に、"疾風号"が装備する連装3基の120mm砲6門と単装1基の102mm高角砲1門と、単純な砲火力だけ見ても圧倒的な格上である。

単純な砲門数だけで見ても合計20門の120mm砲が指向されるのだから、もはや蹂躙になってしまうだろう。

哀れなものだが、戦いである以上は何が起こるかわからんし、あれらは水雷艇と言う名の通り魚雷だって持っているのだから油断はできないし、してはならない。

……兎にも角にも、火力や射程の面では我々の方が有利だ。今のうちに先制で砲撃を叩き込んでやろう。

「全艦、主砲を先頭の水雷艇に向けろ！」

命令一下、三隻の主砲がゲヘナ水雷艇、その中でも先頭を突き進む艦に向けられ、狙いがつけられる。

海はいまだに荒れていて、天候もまだまだ悪い上、お互いに30ノット前後で動いている状況。初弾で当たるとは思っていないし、試射にしかならないが、それでもここで夾叉ぐらいは取っておきたいものだ。

「全艦、撃ち方始め！！」

射撃せよと叫び、命令に従って主砲が撃ち放たれる。

発砲炎の後、勢い良く水雷艇目掛けて飛びかかる120mm砲弾を目で追い、試射の結果を待つ。

着弾ダイス(左から稲妻号、雷鳴号、疾風号)

dice3d4=1 3 2 (6)

1.直撃 2.至近弾 3.夾叉 4.外れ

>>163

162二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 21:54:00

おぉ！？この子達練度高いな

163天雷公寺ユリ24/12/02(月) 01:17:57

……とても素晴らしい結果だ、初弾から直撃弾や夾叉を叩き出せるとは。

少なくとも、稲妻号の諸元はそのままで良いし、雷鳴号も諸元はそのままで撃ち続けさせよう。だが、疾風号は若干諸元の修正が必要かもしれんな。

「稲妻号、雷鳴号は諸元そのままで撃ち続けろ！疾風号は諸元を修正して再度試射を行え！」

少なくとも、まずはこれで我々が少し有利になった。あとはこの有利を維持したまま、大した損害を負うことなく勝利を収めるだけだ。

現状、ゲヘナ水雷艇は我々の射程圏内に収められているが、ゲヘナ水雷艇から見れば我々は射程圏外に位置している。

その結果、一方的にアウトレンジから攻撃できているが、距離はじきに詰められる。そして、距離を詰められれば水雷艇の魚雷で大損害を負う可能性も出てくる。

可能な限り、早期にあの水雷艇を沈めておきたいものだ。

「第2射、撃て！」

装填と諸元修正が終わったことが報告されたので、すぐさま2度目の発砲命令を下す。

着弾ダイス(左から稲妻号、雷鳴号、疾風号)

dice3d4=3 4 4 (11)

1.直撃 2.至近弾 3.夾叉 4.外れ

水雷艇損傷度ダイス(>>161のダイス結果から)

dice1d100=75 (75)

1に近いほど軽度の損傷。50に近いほど中破、自力航行可能。75に近いほど大破、自力航行不能。100に近いほど撃沈寸前の大破。

164二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 01:31:58

今度はハズレが多めだな
だが水雷艇を大破させるほどの損傷を与えれていたか

165二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 08:27:30

ある程度は振り切れそう

166二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 18:46:51

水雷艇の方は継戦できるとは思えんが…どうなる？

167天雷公寺ユリ24/12/02(月) 18:58:44

「……全艦、諸元修正！今までのデータはなかったものと思え！」

稲妻号はまだ夾叉だからマシなものの、よりにもよって他の二隻は盛大に砲弾を外している。

こんな悲惨な結果を叩き出した以上、今までの射撃データは途端に役立たずになる。それは所詮紛れ当たりでしかなかったのだから、急いで照準を付け直して再度試射を行い、再びデータを集める必要がある。

……これだから公算射法は嫌いだ。できることなら海の射撃も陸での射撃のように楽に行って欲しいものだ。

まあ私の射撃能力は悲惨も悲惨、銃を撃つよりも何か物を投げるか、腰にぶら下げた直剣で対処することを水兵からも勧められる程度でしかないのだけど！

まあそれは良い、いやそこまで良くはないが。それよりももっと重要なこととして、初弾のラッキーパンチで機関部か舵が損傷した1隻が脱落し、残り2隻になったことだ。

しかし、我々が射撃結果に一喜一憂している間、着実に前進していたゲヘナ水雷艇は脱落した1隻を避けるように転舵し、艦尾の105mm主砲を我々に向けて撃ち放つ。

「諸元修正完了！射撃可能！」

「よろしい。全艦、第3射撃て！！」

ゲヘナ水雷艇の初弾は2発とも我々のかなり前に落ちる。その数秒後に諸元の修正が終わったとの報告を受け、すぐさま射撃命令を下す。

……どうか、まともな結果が出て欲しいものだ。

着弾ダイス(左から稲妻号、雷鳴号、疾風号、水雷艇2、水雷艇3)

dice5d4=4 1 4 1 3 (13)

1.直撃 2.至近弾 3.夾叉 4.外れ

>>168

168天雷公寺ユリ24/12/02(月) 19:16:06

機関部か舵が破壊され、立ち込めていた煙が晴れ始めると共に先頭を進んでいた水雷艇の被害状況がはっきりと確認できる。

おそらく魚雷発射管の方にも被弾したのか、1基の三連装魚雷発射管が無惨にもズタボロになっていたし、艦橋の方にも1発着弾した痕が残っている。

1隻は確実に無力化できた、後は2隻を仕留めなければ。

と、行きたい所だが、どうにも我々の方も水雷艇の反撃で損傷した艦が出たようだ。今のところは被害報告を待つことしかできないのがもどかしい。

「稲妻号、疾風号は再度諸元修正の後に撃て！雷鳴号は諸元そのままで撃ち続けろ！」

被弾艦ダイス(>>167のダイス結果から)

dice1d3=2 (2)

1.稲妻号2.雷鳴号3.疾風号

dice1d2=2 (2)

1.水雷艇2 2.水雷艇3

損傷度ダイス(同上)

dice2d100=69 51 (120)

1に近いほど軽度の損傷。50に近いほど中破、自力航行可能。75に近いほど大破、自力航行不能。100に近いほど撃沈寸前の大破。

左がゲヘナ被弾艦、右がシェオル被弾艦。

169天雷公寺ユリ24/12/02(月) 19:31:19

……なんてことだ！まさか雷鳴号がかなり強い一撃を喰らうとは！

お互いに装甲が薄いものだから、砲弾の一発がそれなりに危険であることは理解していた。だが、まさかたった1門のおもちゃみたいな105mm砲しか積んでいないような艦にここまでやられるとはな。

お陰で雷鳴号は次弾の射撃を始める前に、ダメージコントロールへ取り掛かる羽目になったと。

……随分と腕の良い砲手がいるのか、あるいはかなり運が良いのか。もしくはその両方を兼ね備えているのか。

どっちにしろ、2番目の水雷艇は油断ならない強敵になるだろう。

「2番目の水雷艇に警戒しろ！奴はただの水雷艇ではないと思え！」

だが悪いことだけでなく、良いこともあった。被弾した雷鳴号がカウンターと言わんばかりに3番目の水雷艇へと強烈な一撃をお見舞いしてやった。少なくとも3番目はまだ動いてはいるが、その損傷度合いから回避行動をとりつつ、ダメージコントロールのために距離を取ろうとしている。

その間中、我々へ悔し紛れに嫌がらせか、あるいはラッキーヒットを狙ってか砲撃をしているし、2番目も先の結果に勢い付いたか盛んに発砲し始める。

「手は抜くな！全力で奴らを沈めろ！」

それに対し、我々の方も照準を付け直し、ダメージコントロール中の雷鳴号を含めた全艦で砲撃を返す。

着弾ダイス(左から稲妻号、雷鳴号、疾風号、水雷艇2、水雷艇3)

dice5d4=1 1 3 4 1 (10)

1.直撃 2.至近弾 3.夾叉 4.外れ

>>170

170天雷公寺ユリ24/12/02(月) 23:34:53

「よーし！稲妻号、雷鳴号は諸元そのまま！疾風号は諸元修正の後に撃て！」

……よし！稲妻号と雷鳴号はゲヘナ艦に砲撃を命中させたし、疾風号も夾叉を取れている。これなら、次の結果には期待しても良いだろうな。少しばかり我々の方に追い風が吹いてきたのだろうか？これまでとは打って変わって、砲撃が当たるようになってきている。

これなら、水雷艇の始末もすぐに終わるだろうか。未だ元気な2番目と、深傷を負った3番目。そして真っ先に無力化された1番目。こいつら、特に2番目には痛手を負わされたが、それを倍にして返してやろう。

「全艦、主砲斉射！奴等を魚礁に変えてやれ！」

さあ、砲撃結果はどうなるのやら。どうか良い結果であると良いのだが。

着弾ダイス(左から稲妻号、雷鳴号、疾風号、水雷艇2、水雷艇3)

dice5d4=1 2 2 1 4 (10)

1.直撃 2.至近弾 3.夾叉 4.外れ

被弾艦ダイス(>>169のダイス結果から)

dice1d3=2 (2)

1.稲妻号2.雷鳴号3.疾風号

dice2d2=1 2 (3)

1.水雷艇2 2.水雷艇3

損傷度ダイス(同上)

dice3d100=47 15 99 (161)

1に近いほど軽度の損傷。50に近いほど中破、自力航行可能。75に近いほど大破、自力航行不能。100に近いほど撃沈寸前の大破。

左2つがゲヘナ被弾艦、右がシェオル被弾艦。水雷艇3に関してはダメージ量によって戦線離脱もしくは撃沈判定とする。

>>172

171二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 23:40:10

シュオル被弾艦撃沈寸前に見えるな

172天雷公寺ユリ24/12/03(火) 00:15:02

「て、提督！雷鳴号が被弾！それに伴い火災！火災発生です！！」

……やられた！手負の雷鳴号を集中して狙われ、ゲヘナ水雷艇からのラッキーパンチが機関に命中したんだろう。機関のあるあたりから勢いよく火の手が上がる雷鳴号は煙突から黒煙を吐き出し、ゆっくりと速度を落とす。

雷鳴号の水兵たちが必死に消化活動とダメージコントロールで雷鳴号の延命を図る中、残った稲妻号と疾風号。そして若干損傷した2番目の水雷艇とで最後の戦いを繰り広げることになる。

これまでで戦線離脱をすることになったのは、真っ先に砲弾を叩き込まれた1番目のゲヘナ水雷艇。次に集中して効力射を浴びせられた2番目。そして集中してゲヘナ水雷艇の砲弾を浴びる羽目になった雷鳴号。

ゲヘナ側は2隻、我々は1隻が戦線離脱となった。数自体は依然我々が有利ではあるが、それでも我々の駆逐艦が1隻甚大な被害を受けることになった点を鑑みれば、むしろイーブンと言っても良いだろう。

「……稲妻号、疾風号！手ひどくやられた雷鳴号の仇を打つぞ！全主砲、奴を薙ぎ払え！」

……どうか、この一撃で全てが終わってくれることを祈ろう……

着弾ダイス(左から稲妻号、疾風号、水雷艇2)

dice3d4=2 4 4 (10)

1.直撃 2.至近弾 3.夾叉 4.外れ

被弾艦ダイス(>>170のダイス結果から)

dice1d2=2 (2)

1.稲妻号 2.疾風号

損傷度ダイス(同上)

dice2d100=17 40 (57)

右がゲヘナ被弾艦(水雷艇2)、左がシェオル被弾艦

173二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 10:34:15

当たりはしなかった

174二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 20:57:46

水雷艇側も強いな

175天雷公寺ユリ24/12/03(火) 21:12:45

「疾風号被弾！なれど損害は非常に軽微！継戦可能です！」

……よし、疾風号目掛けて放たれた砲弾は直撃した。だが、その損害は非常に軽いもので、精々が欄干の一部を吹き飛ばされたぐらいのもので済んでいる。
それに対してゲヘナ水雷艇、その2番目は我々の砲撃で大破し、自力航行能力を失っている。
2番目も我々も、最後の一撃を加えんと砲撃を行うが、お互いに外れか至近弾と散々な結果に終わった。

「……だが、最後の最後にラッキーショットは回避できたか。どうせだったらもうちょっと早くに起こって欲しかった物だが」

ただ、もはやゲヘナの水雷艇共は動くこともできず、その場を漂うだけとなっている。一部火災が起きていたりもするが、それはすぐに鎮火するだろう。
……さて、我々はあの水雷艇共を沈めても良いが、それをしたら後々連邦戦争法の面から見て面倒なことになるだろう。
ここは奴らを見逃してやろう。何、水雷艇ならある程度の食料は積んでいるだろうから、助けが来るまでは生き延びられるだろうさ。

「稲妻号、雷鳴号の曳航用意！我々はこれより輸送艦隊と合流するぞ！」

我々はただ海上を漂うだけになったゲヘナ水雷艇を放置し、雷鳴号を曳航するため水兵達に喝を入れて諸々の用意をさせる。
時間経過とともになんとか鎮火作業やダメージコントロールを終えた雷鳴号の方からは、弾薬庫注水や魚雷・爆雷投棄等の報告が発光信号で伝えられる。
ちゃんと訓練通りの動きが出来ているのは上出来と言ったところか。少なくとも、今後は艦隊の訓練教本にこの事例を載せてみるのもありだろうか？

176天雷公寺ユリ24/12/04(水) 01:45:41

雷鳴号を曳航し、えっちらおっちらと輸送艦隊へなんとか合流した我々だが、未だに作戦目標を果たしているわけではない。

そのため、作戦目標を果たさなければならないのだが、そこでネックとなってくるのが自力航行もままならない雷鳴号の存在である。

輸送艦側の問題で航行速度は10ノット程度に抑えられているので、雷鳴号も一応そこまで足手纏いにはなっていない。

……だが、ここまで手酷くやられた雷鳴号はもう戦力として数えるのは難しい。なんとか修理の為に入渠させられれば良いのだが、それができそうな港なんてどこにもない。

上陸地点である砂州半島、その対岸にある港湾都市の軍港を速攻で抑えて空いたドックを抑えればなんとかなるだろうか？

……最悪の場合、雷鳴号をどこかで意図的に擱座させて砲台にすることも考えておこう。それか、搭載火器を全て外して要塞や都市防衛用にでもあてがうか。

とにかく、雷鳴号は当分動かすことはできない。これは明白な事実である。

……どうか、ゲヘナの追っ手に追われないことを祈ろう。

波浪ダイス

dice1d100=99 (99)

1に近い程穏やか、100に近い程時化ている

追跡ダイス

dice1d100=52 (52)

1に近い程撃破された水雷艇の救助に手間取っている。50に近い程救助と追跡を両立できている。100に近い程追跡を優先している。

177二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 01:50:54

一旦戦闘はやめて互いに安全確保しない…？ｗ

178二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 08:36:15

海がまた荒れてきたか
そしてゲヘナ艦も手練れだな、燃料と弾薬が続く限りどこまでも追ってきそうだ
増援が来ないことを祈る

179二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 18:53:35

ここまで荒れた海で追ってくるゲヘナ艦、逃がす気なんてサラサラないな

180天雷公寺ユリ24/12/04(水) 19:29:54

再び海が時化て来たが、出航の時とはまるで違い、我々を酷く苛んでくる。

特に雷鳴号は先の戦闘での損傷もあり、船体を軋ませながらなんとか耐え抜いているような状況だ。

それに、あの水雷艇共が我々のことを確実に後続のゲヘナ艦に通報しているであろうことも懸念点の一つだ。何せ、我々はノロノロと足手纏いを引き連れながらゆっくり航行しているのだから。

「……クソが。災厄から災厄へ、偉大な書記長は我らを導くってか？」

「あの水雷艇の救助に手間取ってさえいなければ、ゲヘナ艦隊の追撃はすぐに追いついてもおかしくはありません。ここは航路を変更し、少しでも本土へ接近した方が良いのでは？」

……なるほど、稲妻号艦長の言うことも一理ある。この時化なら魚雷艇は追いつけないし、ゲヘナ艦もそう易々と我々に追いつけはしないだろう。

ならば、ここで進路を一気に変えて本土までの距離を縮めていく方が良いだろうか。輸送艦に乗る上陸部隊や、雷鳴号にとってはそっちの方が少しはマシになるだろうし。

「……わかった。針路を変更せよ！本土までの距離を稼ぐぞ！」

最早これは戦争ではなく賭けのようなものだが、足手纏いを抱えて本土にたどり着けもせず作戦が失敗するよりはずっとマシだろう。

賭けに成功するか、作戦目標の一つである砂州半島の要塞。そこに設置された要塞砲が使えれば、ゲヘナの追っ手と戦う羽目になってもある程度はなんとかできるだろう。

兎にも角にも、賽は投げられた。あとは我々が幸運を掴めるように祈るだけだ。

追跡ダイス

dice1d100=85 (85)

1に近い程時化に足を取られている。50に近い程ある程度は追跡できている。100に近い程交戦距離に収めつつある。

181天雷公寺ユリ24/12/05(木) 00:00:54

「提督！レーダー室より報告、後方よりゲヘナ艦と見られる反応複数とのことです！」

「……飢えたゲヘナ狼共め、食い扶持を維持するのに必死になっていやがる。雷電号と疾風号、花輪号、夕立号で迎撃に向かえ！」

……針路を変えた途端、レーダー室から報告が入ってくる。また敵艦らしき反応を発見した、と。

全くもって仕事に熱心なことで。私としてはゲヘナらしくもう少し仕事に不真面目になってくれたってよかったのに！

だが、事実は事実だ。おとなしくこれを受け止めて、ちゃんと戦える駆逐艦を迎撃任務にあてがうとしよう。

現状、稲妻号は雷鳴号の曳航にかかりっきりにならざるを得ないし、かといって輸送艦に雷鳴号の曳航を変わってもらうことは難しい。

……結局、私が乗る稲妻号は雷鳴号の世話と輸送艦の護衛をなんとかこなすしかない。一応雷鳴号の方は注水した弾薬庫の排水が完了し、主砲が撃てる状況にはある。

ただ、回避行動もままならない状況ではあるので、できればこっちの方には来てほしくないものだ。

……なんとか、迎撃に出した駆逐艦達が無事に帰って来てくれることを祈ろう。

(ゲヘナ艦隊)

艦種ダイス

dice1d2=2 (2)

(1.駆逐艦 2.水雷艇)

艦数ダイス

dice1d6=1 (1) 隻

182天雷公寺ユリ24/12/05(木) 00:07:32

「提督！レーダー室より訂正！どうやら複数と思われていた反応の一部はレーダーの不具合によるものとの報告！敵艦は1隻のみとのことです！」

「……なるほど、つまりは追跡の為に放たれた猟犬だったか。ならば、早く処分してもらうとしよう。厄介な猟犬は手早く始末しておくべきだな。放っておいたら我々のところにご主人様を呼びつけちまう」

どうにも先の報告はレーダーの不具合で不正確な情報が出て来ていたらしく、それの訂正が飛び込んでくる。

レーダーで捉えた敵艦は1隻とのことだが……どっちにしろ放っておいたら面倒になることには変わりない。

さっさと迎撃に出した駆逐艦にあの猟犬を始末してもらうとしよう。

艦級ダイス:

dice1d3=3 (3)

1.1923/1924型水雷艇 2.T1/T13型水雷艇 3.T22型水雷艇

183二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 00:14:04

T22型水雷艇か
T1/T13型水雷艇の武装に比べて105mm砲が4倍の4基、37mm対空機関砲を4基加え20mm対空機関砲は3倍の６基
かなりの重武装艇だ

184二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 08:05:39

駆逐艦が迎撃に向かったか
にしても水雷艇側の武装もかなりの脅威だな

185天雷公寺ユリ24/12/05(木) 18:58:39

「通信室！輸送艦へ煙幕を張りながら航行するよう伝えろ！」

「了解、直ちに打電します」

「それから我々も煙幕を張るぞ！雷鳴号を覆い隠せ！」

迎撃に出した駆逐艦が猟犬狩りに励んでいる間、我々の方は自分の艦を隠し、敵の追手が放つ砲弾に当たる確率を少しでも減らすべく、煙幕を張る。

煙突に四塩化チタンの液体が吹き付けられ、勢い良く排気と共に白煙が吹き出される。

……暫く艦外の水兵達にはガスマスクを付けての作業や戦闘を強いることにはなるだろうが、ゲヘナの追っ手に滅多撃ちにされて姉妹艦で仲良く沈むよりは、ガスマスクを付けて走り回って重荷を振り回す方がずっとマシだ。

「提督！迎撃に出した駆逐艦より報告！現在追っ手のゲヘナ水雷艇、T22型水雷艇と交戦中とのことです！」

猟犬狩りに出した駆逐艦の方は、どうやらあの猟犬と接敵したようだ。

……どうか、駆逐艦には無事に戻って来てほしいものだ。

砲戦ダイス(左から雷鳴号、疾風号、夕立号、花輪号、水雷艇)

dice5d4=4 1 1 1 2 (9)

1.直撃 2.夾叉 3.至近弾 4.外れ

>>188

186二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 21:55:10

夾叉を取られたけどそれ以上に当ててる

187二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 21:58:25

ゲヘナの奴等だらしねえ配備状況の癖にやたら練度高いな
大時化の状況でこれって殺意高すぎる

188天雷公寺ユリ24/12/06(金) 01:16:05

「提督、迎撃に出した駆逐艦ですが、どうやら第一射でかなり敵水雷艇に命中させた模様です」

「ふむ、先手は我々が取れたか。幸先が良いな、このまま有利を保ってくれよ……」

無線室からの報告を届けてくる水兵に二指の敬礼で謝意を示しつつ、海図と羅針盤を睨み、濛々と吹き上る煙幕の中を進む艦隊の針路を適宜修正して。

時化に晒され、酷く損傷した船体を軋ませる雷鳴号がせめて本土まで保ってくれるように、どうか我々が無事に本土へ辿り着けるように、どうか迎撃に出した駆逐艦が全艦無事に我々の元へ戻ってくれるようにと主へ祈りを捧げながら、ひたすらに本土目指して海水を押し除け、打ち付ける波を耐えながら進ませる。

損傷度ダイス(>>185のダイス結果から)

dice3d100=39 88 59 (186)

全てゲヘナ水雷艇の被弾ダメージとする。今回に関してはゲヘナ水雷艇の体力を300に設定する。

1に近いほど軽度の損傷。150に近いほど中破、自力航行可能。250に近いほど大破、自力航行不能。300に近いほど撃沈寸前の大破。

189二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:57:31

中破と大破の間くらいか

190二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 12:09:52

4対1で随分と粘るね
不遇だからこそ訓練はしっかりしてたのかな

191二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 13:18:56

このレスは削除されています

>>192

192天雷公寺ユリ24/12/06(金) 19:14:13

「提督！敵水雷艇を中破に追い込んだとのことです！現在、夕立号と雷電号から撤退を試みる敵水雷艇に対する追撃許可を求めていますが、どうします？」

「手負の奴が一番脅威になってくる。追い詰められた者は人であろうと獣であろうと、予期せぬ行動をする。ここは余計なリスクを避ける為にも、あの水雷艇を見逃してやれ」

「了解、合流指令を送ります」

先ほどの水兵が再び艦橋へ飛び込み、猟犬狩りの駆逐艦がゲヘナの猟犬を痛めつけて撤退を選ばせたこと、そして手負の猟犬への追撃を認めろと催促が飛んできていることを報告してくる。

……追撃自体は認めても問題はないのだが、追撃戦を行った場合、輸送艦がほぼ無防備になることや、追撃戦によってゲヘナの増援やあの猟犬が我々の駆逐艦に痛手を負わせる可能性もある。

そういったリスクを回避し、堅実に輸送艦を本土まで送り届ける為にも、ここは我々と合流させよう。

「あと少し、あと少し耐えて進めば本土に着く……本土に輸送艦が到着さえすれば我々の仕事は終わるし、雷鳴号を擱座させるなり入渠させるなりできる。だからどうにか本土まで保ってくれ、来ないでくれ……」

ロザリオを固く握り、静かに祈りを捧げる。少なくとも、最善の手を選んできたし、人事だって尽くしてきた。これ以上にできることがあるのなら、天命が良いものであるよう、祈ることだけだ。

>>191

おお、なんという僥倖……まさかファンアートを描いて頂けるとは思いませんでした。深く感謝すると共に、貴方の好意を受け取らせていただきます。

>>194

193天雷公寺ユリ24/12/06(金) 19:48:04

……さて、無事に追っ手の迎撃が終わり、我々に合流するとして。
迎撃に出した奴らは最高速度近くの30ノット前後で我々に合流するだろうから、速度差で追いつけないなんてことを心配しないで済むのはありがたい。
このノロマな輸送艦に感謝できるのはそれくらいだ。後は兵員や物資を大量に運べることくらいか？
だが、どっちにしろ我々は着実に本土へ近づいている。

「提督、レーダー室より定期報告です。現在味方駆逐艦は32ノットで我々の後方に着き、合流を図っているとのことです」
「報告ご苦労、敵艦らしき反応は確認されているか？」
「現状は確認できていないとのことです。また、合流中の駆逐艦からも同じようにレーダーでの反応は確認されていないとのことです」
「そうか……だが、奴らは諦めんだろうよ。我々の目的と針路が明らかになったこの状況で、追っ手は確実に編成されている。それも、今までより強力な奴が来るだろうよ。最悪、巡洋艦と戦うことも念頭に入れなきゃいけなくなる。いくら人員が足りていないゲヘナ艦隊といえど、戦艦は無理でも、軽巡洋艦くらいなら動かしてくるだろう」

そして、敵艦らしき反応も確認されていない。機転の効く水兵のおかげでそれは確実なものとなったが、それも今だけだ。我々が本土に到着する前か、あるいはその後か……
どっちにしろ、ゲヘナ艦隊は今までより強力な追手を出してくるだろうし、我々はそれと正面から対抗せねばならなくなる。
まあ、我々が本土に到着した時点で上陸さえ上手くいけば、あとはどうなっても構わないのだが。

194二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 19:52:16

>>192

すみません色塗りミスってました…。

ほんとにすみません…。

195天雷公寺ユリ24/12/07(土) 03:58:15

「提督、味方駆逐艦が我々と合流しました！」
「よろしい、後は砂州半島に部隊を上陸させるだけだな。要塞制圧担当の部隊が乗ってる船はどれだ？」
「要塞制圧担当部隊は網掛川号に乗船しています。本隊は他の7隻に分乗しており、物資や兵器についても同様です」
「と、いうことは半島を越えれば他の輸送艦は速度を上げられるな。それなら港湾制圧部隊の方は最高速度で突っ込ませよう」
「雷鳴号はどうします？」
「出来れば砂州半島の先にある港湾を抑えて入渠させたいが、それが難しい場合は砂州半島に擱座させて砲台にでもしてしまおう。主砲の操作と着弾観測に必要な人員だけを雷鳴号に残して、後の人員には要塞の制圧と防衛でもさせる。
ま、入渠できた場合は全乗組員を上陸部隊や地下学府の増援にでもしておくとしよう。二線級の装備しか持たんような水兵でも、数さえ揃っていれば多少は役にたつだろうさ」

無事に駆逐艦との合流を果たし、波濤をかき分けながら10ノットで残り少しとなった本土までの航路を進み続ける。
……さて、上陸地点まで残り少し航行すれば着くとなった今、再度この作戦について再び詳細を確認しておく必要がある。
8隻いる輸送艦。それらに物資や兵器と共に分乗した上陸部隊が、どこに上陸し、何をするのか。
それを明確にしておけば、我々駆逐艦隊も掩護がしやすくなるし、状況によっては雷鳴号の乗員を上陸部隊の増援にあてがうこともできる。
……その能力がどのようなものかは置いておくとして、だが。

196二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 13:50:03

やったぜ

やったぜ？

197天雷公寺ユリ24/12/07(土) 17:40:07

「……砂州半島視認！灯台が確認できました！」
「よろしい！半島の要塞近くに民間港があるはずだ、そこに網掛川号を入港させて部隊を上陸させろ！」
「雷鳴号はどうします？」
「敵の追手がすぐに来なければ対岸の軍港に入港させられる。そしてあそこは民間港だ、軍艦を修理できる設備なんぞ持ち合わせていない。できるのはあの網掛川号みたいな船を入港と荷下ろし、そして漁船の修理だけだ」
「でしたら、網掛川号とここで分かれて、我々は繁沼港を抑えに向かうということでよろしいですね？」
「そういうこった、理解できたなら増速しろ！」
「了解。17ノットに増速せよ！」

視界が悪い中、砂州半島の灯台に据え付けられた回転灯が放つ煌々とした閃光を測距儀で視認した水兵が報告を入れる。
ここまできたら足が遅い網掛川号と分かれて速度を上げることができるし、雷鳴号を入渠させることもできる。
敵の追手、その動向が気になるところだが、追いつかれるよりも先に我々が目標を達成する方が早いだろう。
何せ、我々は残り少しの道のりを今までで一番早く進むことができるのだから！

エンジン・テレグラフのレバーが一段階倒され、少しずつ稲妻号が加速するのに合わせ、艦隊も同じように速度を上げて網掛川号と別れ、置いてきぼりにする。
後は二つ目の上陸地点である繁沼港に残りの輸送艦と雷鳴号を届けて地上部隊の支援さえやっていればなんとかなる。
……ゲヘナの追っ手が来なければ、の話だが。

198天雷公寺ユリ24/12/07(土) 17:45:39

流石にレス数の限界が近づいてきたので次スレ設営！

【🎲・オリキャラ・オリ学園】独立の道　黄金の自由を目指して(2)｜あにまん掲示板と、いうわけで2スレ目を作る必要があったんですね。前スレまでの簡単なあらすじ第一歩:ゲヘナ襲撃事件&武装蜂起！自由と独立への憧れは止められねえんだ……だから武装蜂起とゲヘナへの襲撃事件を起こす…bbs.animanch.com

199二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 18:44:18

うめです

200二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 05:45:23

スレ立てありがとうございます

【🎲、オリキャラ・オリ学園】独立の道 黄金の自由を目指して

【🎲、オリキャラ・オリ学園】独立の道　黄金の自由を目指して