- 1英雄登竜門24/11/07(木) 19:05:15
- 2英雄登竜門24/11/07(木) 19:06:14
現行スレ
ダンジョンマスター専用掲示板 その70|あにまん掲示板※エラーが出るからテンプレは2レス目bbs.animanch.com簡単なあらすじ
【獣・迷宮・ミノタウロスを司りし魔神】
バフォミトラ
VS
【荒らし・嫌がらせ・混乱の元】
英雄登竜門
- 3英雄登竜門24/11/07(木) 19:06:45
導入、入ります
- 4バフォミトラ24/11/07(木) 19:40:03
(※ 立て乙です よろしくお願いいたします)
- 5英雄登竜門24/11/07(木) 19:44:11
【英雄登竜門が統治するロスレイヴェンは大きく様変わりしていた】
【元々5900万人を難なく収容し、外来からの商人その他を受け入れたこの街は既に2倍以上に膨れ上がっていた】
【今までの部分を旧市街とし、ブレイン指揮の元大規模の再開発を敢行。街の中心となっていたコンス城塞は、完全に取り壊されて今は更地になっている】
【その周辺は行政区画として集約し、外側は軽い区画整理をするのみに留まり、大規模な商業施設を新市街へと移転】
【またその空き地にブレインが守っていた摩天楼を移転。特別隔離地域に指定している】
【そして新市街は未だ整理された道のみが目立つ荒野だ。所々、住居と治安施設、商業施設があるが未だ殺風景であるものの、既に英雄登竜門と手を組んだ『魔界の群雄』勢力により新たな施設と住居が作られつつあった】
【街が巨大になった分、かかる移動時間の延長する筈であるが、そこは英雄登竜門の権能の一つたる『門』によって強引に解決した】
【事実として、既に旧市街・新市街を問わず英雄登竜門が作り出した大小様々な『門』によってネットワークが築かれており、それを発行された『通行証』を使う事で街の中の決められた『門』に行けるシステムとなっている】
【そして新市街と外側の荒野を分ける外壁は既に完成していた。ブレインと英雄登竜門と現地将軍によって考案された外壁は以前の防衛機構をさらに強固にし、尚且つ上述の『門』と合わせ、非常に効率性と利便性が向上した逸品となっている】 - 6バフォミトラ24/11/07(木) 20:08:00
【── 英雄登竜門とバフォミトラの決闘── 魔界は今この話題で持ちきりであった。】
【外の世界から正に流星の如く現れ、魔界をかき乱すや否や、アレシュカガル麾下のデーモン・ロード”ジャカルカス”の支配する魔都ロスレイヴェンへと宣戦布告を決めた時、魔界の住人の殆どは「身の程を知らぬ愚者による自殺行為」と断定づけた。】
【だが、それも無理もない事だ──複数の魔神の思惑と介入によって成立した「中立地帯」に攻め込むなど、どう考えてもマトモでは無く…この魔界の地において、その様な「蛮勇」を行って無事でいられる訳が無かったのだ──そう、今までは……。】
【だが、あの”狂える渾沌の申し子”は、ある種の停滞と燻りを見せていた今の魔界において前代未聞の「大番狂わせ」と「偉業」を同時に成し遂げた】
【やってのけたのだ──魔界の「理」を知らぬ只の新参者が、力で万全なる強者を打ち倒し、全てを奪った…それもほぼ独力で】
【無論、彼女にはかの悪名高き"獣魔王”との黒い噂が絶えず、様々な者がよからぬ噂を口にし、それを盛大にネタにしていたが……力無きに等しい下位のデーモンや魔界の住人にとっては、そんな事はどうでもよかった。】
【彼らは「希望」を見たのだ──この魔界では絶対に見られぬ類のものを……。】
【そして、彼らはこう思い始めたのだ──もしや、あの新参者ならば……ジャカルカスに次ぎあのバフォミトラをも斃し得るのではないかと……!!】
【このため、普段に益してロスレイヴェンが異常な熱気と活気に包まれているのは、至極 自明の理と言えた】 - 7英雄登竜門24/11/07(木) 20:14:37
「作り込んだわねぇ……」
【新市街の外壁にて、広がった街を眺めて英雄登竜門は独りごちる。傍らに浮かぶブレインの子機たる光球が浮かび、休暇を終えた従者が立っている】
『否定。都市の稼働率は未だ20%未満。これから更に作り込む予定』
「ははっ、確かにね。『門』の権限の一部譲渡を言い渡された時は何使うのかと思ったけど……全く呆れるわ」
『移動の簡略化と外敵及び内敵に対するセキュリティを考慮すれば当然かと』
「まぁね。こっからどんどん人を呼ぶんだから必要なことよね……所でビカナ。招待客は今のところどれくらい?」
「ほぼ全員が何らかの形で参加されるそうです」
「上々ね。そろそろ舞台を作りに行きましょうか」
【英雄登竜門がそう言って三人は旧市街のコンス城塞跡地に移動。そこは市街地最大の更地であり、以前あった広場をも超える敷地となっていた】
「行くわよ、聳え立て『英雄闘技場』!」
【英雄登竜門が言った瞬間。そこには突如、巨大な闘技場が現れた。セントラリアの闘技場を参考にしつつ、それを遥かに上回る規模の闘技場だ】
【中に入れば、そこには当然の如く巨大な闘技場。収容人数は10万強の規模だ】
「……大きすぎませんか?」
【従者が素直を感想をこぼせば】
『内部の空間拡張し、外観以上に広くなっています。また観客の安全性を最大限に考慮しており、さらに巨大中空モニター機能を完備。さらに、ここでの戦いは各地の広場を通じて中継されます。闘技場上部には複数のVIP席を用意し、険悪関係の勢力が鉢合わせない様に配慮。また闘技場内部は魔界内外の様々な環境に変更可能な仕様となっております』
「安全性とは以下ほどの?」
『対古き焔用決戦空間〘英雄"討"竜門〙を参考に調整いたしました』
「うんうん、いい感じね。当日盛り上がりそうだわ」
【満足気にうなづく英雄登竜門】
【そして、少しの時は流れ……】
- 8英雄登竜門24/11/07(木) 20:31:36
【決闘当日】
【>>6このような熱気もあり、ロスレイヴェンには多くの魔族及びその勢力が押し寄せていた】
【既にVIP席もほぼ埋まり、観客席も多種多様な魔族によってごった返し、そこから溢れた者も各地の広場にてその様子を見ている】
【当然、人が集まればそれに釣られる様に商人達も集まり、闘技場内の売店の出品権は即完売。各地の広場では格安で売りに出された通商権を買った屋台や露天商が取り囲んでおり、どこもかしこもお祭り騒ぎであった】
【その様子を選手控え室にて待機している英雄登竜門はニヤニヤと見ていた】
「随分、盛り上がってて大変いいじゃない!」
『既に街を広げた際の借金を半分完済できる見込み、更に今後もここで商売をしたいという要望が多数来ております』
「後日、調印予定の『群雄連合』にもこの盛り上がりを見て、参加に揺れ動く勢力が見られます。中には既に参加を打診する内定を求めた所もありますし、当初声をかけていなかった群雄勢力からも参加の打診がありました」
【ブレインと従者の報告を聞き、英雄登竜門は別のモニターの方を向いて胸を張った】
「どんなもんよ?」
【そこに映し出されているのは、別なる選手控え室にいるバフォミトラの姿だった】
- 9バフォミトラ24/11/07(木) 20:32:31
【英雄登竜門の用意した闘技場控室にて、バフォミトラは"かの有名の絵"の如きポーズで深い瞑想に入っていた。】
【何故か?──それはある意味において、彼は「挑戦者」だからだ。】
【確かに、彼は自身の広大無辺な領土内に専用の闘技場を有しているが、あの場所を用いるのは基本的に娯楽、時に訓練と運動であり、稀に自身へ挑まんとする、身の程知らずを強制的に招き、処刑する為に用いられる。】
【他者が管理・支配する闘技場に招かれ、そして相手に挑むというのは、かの魔神をしても中々に無い稀有な経験であった。】
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「フフフッッ………!!!!」
「この俺がよもや「挑戦者」とは……正に世も末か……!!」
【久しぶりに彼は、獰猛な捕食者としての"貌"に目覚めていた。】 - 10英雄登竜門24/11/07(木) 20:54:07
- 11バフォミトラ24/11/07(木) 20:59:35
- 12英雄登竜門24/11/07(木) 21:29:21
「……ブレイン、ビカナ」
【その一言で光球と従者は音もなく、控え室から出ていった。それを見届けて、英雄登竜門はバフォミトラに向き直る】
「そうね、あの爺は――《古き焔》は満足したのよ。この世の、あの世の、全ての事柄にてあの爺は自分に出来ること、やれること、やりたいこと……その全てを達成した」
【その表情は懐かしさと悲しみと、優しさを含んでいた】
「だから身体の全てを、心の全てを、薪にして焚べて……燃やして、燃やし尽くして勝利し、満足して灰になったの」
【しかし、言葉を続ける度に英雄登竜門の表情に、抑えきれない猛々しさが表出する】
「《古き焔》の名に恥じない――焔の終焉だったわ」
【彼の終焉の地にて、最後に語ったことを最後まで言う気はない。バフォミトラもそれは了承済みだろうが、英雄登竜門の内心を伺うのには十分すぎただろう】
- 13バフォミトラ24/11/07(木) 21:50:56
(暫しの沈黙)
「………”満足”し、”全てを達成した”………か。」
(暫しの沈黙)
「…フフフ、実に羨ましい限りだよ。」
「実は………こう見えても、俺は理論派でね? この魔界で生き抜くために、単純な力と暴力だけでなく、様々な策謀と独自の計算による未来予測を用いてここまで生き延びてきた──だから、大体の事は相応に「理解」しているつもりだったんだが……。」
「──奴は何処までも、俺の思考の隙を付き、導き出した計算による「理」を狂わせ続けた──」
「……俺の経験則と独自に演算して導き出した「数比」、そして類似的強者のパターンと性(サガ)……様々な傾向から独自に推測した結果、あの手の比類なき絶対的強者は、未来永劫 ”頂点捕食者”として君臨し続けるだろうと踏んでいたが…………それは他ならぬ奴自身によって簡単に打ち崩され、思わず俺は呆気にとられてしまった。」
(暫しの沈黙)
「………もし……仮に”もし”だ──俺が最も若く、何者よりも野心と野望に満ち溢れていた頃に……奴がこの魔界に顕現していたのであれば……奴は一体どのような歴史を刻んだのかと、たまにふと思う。」
「フフフ…………ある意味において、俺も奴の「焔」に焼かれていたのだろうな。」
(英雄登竜門を見つめる)
「……徹頭徹尾「理解」出来ぬ”奴”……実を言えば、俺はそう言った手合いを何よりも恐れる──貴様のような”じゃじゃ馬娘”も含めてな?」
【そう告げるとバフォミトラは、ニヤリと笑みを浮かべる】
- 14英雄登竜門24/11/07(木) 22:33:03
【"じゃじゃ馬娘"と呼ばれ、思わず笑う】
「ふふ、それは光栄ね。……さて、そろそろ始めましょうか?」
【時間になったのか互いの後方、新たな門が現れ、一人でに開く。と同時にお互いを映していたモニターが消える】
【開いた門からは割れんばかりの歓声、怒号。その中で、やかましい程の実況の声】
「あはは、すごい期待ね。精々食らいついて――期待に応えてやろうじゃないの!」
【英雄登竜門は立ち上がり、その装いが変わる――純白に金の花の意匠が施された、まるで戦乙女の如き鎧姿】
【右手には黄金の剣を握り締め、左手には白銀の槍を肩に担ぐ】
【門へ歩みを進め、闘技場に姿を現した】
【歓声が更に高まり、もはや音の壁のようだ】
【それに黄金の剣を振って応えつつ――広い闘技場の対面にある開いた門へ、目を離さない】
【いつ戦いが始まってもおかしくないのだから】
- 15バフォミトラ24/11/07(木) 22:47:28
【闘技場の対面に位置する開かれた門から光が漏れ始めると、ここからでも響き渡る大歓声と罵声、そして自身に対する呪詛と憤怒の声が響き渡る】
【──が、そんな取るに足らぬ有象無象どもの声など一切意に関せず……バフォミトラは英雄登竜門が待ち受ける闘技場へ向かうため、門へ到る回廊を無言で歩み始める。】
【その道中において、彼は壁付近に掛けられていた斧を手に取り、それを武器として定めると……彼は威風堂々と闘技場の門を潜り、入場を終える】
【かくしてロスレイヴェンに設けられた広大な闘技場に、”若き渾沌の申し子”にして、期待の”超新星”たる「英雄登竜門」と、最も古きミノタウロスの神祖にして、最強最古の魔神の一柱たる「バフォミトラ」が正面から堂々と対峙すると、観客の興奮と熱狂はこれ程までに無く高まり、今や最高潮を迎える──】
- 16バフォミトラ24/11/07(木) 22:50:02
「さて、先ずは貴重なこの場を借りて………改めて"祝辞"を述べさせてもらおう。──おめでとう、新しきロスレイヴェンの支配者・英雄登竜門 殿?」
「ダンジョンマスターそして"友人"として改めて、その活躍と成果を祝福させて頂こう。」
「・・・如何かね、この魔界の地は? 少しはお気に召して頂けたかな?」 - 17英雄登竜門24/11/07(木) 23:31:38
「へぇ、バフォってこっちだとそんな感じなのね……。
それじゃあ、こっちもそれなりの対応をさせてもらうわ」
【先程まで話していたことなど微塵も感じさせない態度で応じ、白銀の槍を闘技に刺し、黄金の剣を背中に回して一礼】
「この魔界の古き支配者たるバフォミトラ殿。
丁寧な祝辞、ありがとうございますわ。
改めて、この世界にお招き頂いたことを改めて感謝いたします」
【で頭を上げる同時に剣を担いで、肩をトントンと叩きながら】
「で、この魔界だっけ? そうね、割と気に入ってるわ。
かなり刺激的だけど、同時にすっごく退屈……頭打ちの連中が燻ってて、君臨してる輩が自領に引きこもって小競り合いと暗躍に終始してる……一種の袋小路よね。
私がここに立って一年は経つけど、誰も直接私の首を取ろうとしないのよ?
これが力が跋扈する魔界なのって気分……。
変に格を気にしてんのかなんなのか知らないけど、私にムカついてるなら人にやらせないで直接来いってのよ。……ああ、たぶん聞いてるから言うけどあんたのことよ、鳥頭。
たっく、もったいないわ。実にもったいない!
だから僭越ながら、私が引っかき回してやることにしたわ!
この英雄登竜門がね!」
【いつも通りの感じでつらつらと不満を口にし、宣言する】 - 18バフォミトラ24/11/07(木) 23:45:25
「……はははははははははははははッッッ!!!!!! ・・・この狂宴の舞台においてまず出た一言が、我等魔界の住人に対する批判……そして、”鮮血公”への非難と挑発とはな!!?」
「実に結構……それでこそ貴様だ、英雄登竜門。」
「成程、確かに貴様という存在が齎した「新しい風」は………このやや停滞しつつ魔界に一石を投じ、ある種の変化と胎動を及ぼした…。…それに異を唱える輩は、最早おらぬと言えよう。」
「……しかし──"大いなる魔界の意志"は、未だ貴様を認めていないようでね?」
「・・・まぁ、それも詮無き事──人間世界の価値観で例えるならば、難関倍率の名門アカデミーに、コネと口利きと賄賂‥‥そして、テストの最中に堂々とカンニングペーパーを用いて入学したようなものであり、"正当な手順"とは到底言えぬ。」
「・・・・・・最も、貴様に手を貸した私が言える筋でもないがね?」
「・・・そこで、私は老婆心から”一計”を案じた。」
「今回提供した「舞台」にて、貴様と私が真剣に殺し合えば………”大いなる意思”も、貴様の正当性を認めざる得ないだろうとね…?」 - 19英雄登竜門24/11/08(金) 00:01:53
「ふぅん? その"大いなる意志"ってのなんなのか、私はよく知らないけど……。なるほど、力で認めさせろって事ね……ちょうどいいわ。連合の参加を渋ってる群雄の連中も、覇と力を見せつける必要があったからね」
【白銀の槍を引き抜き】
「ちょうどいいわ。一切合切、この場で証明してみせろってことよね。単純明快でいいじゃない」
【黄金の剣と共に構える】
「さぁ行くわよ、バフォ。存分に殺し合いましょう?」 - 20バフォミトラ24/11/08(金) 00:08:15
「そうだな……。これ以上のやり取りは最早無粋──そろそろ、始めるとしよう……!!」
【手にした斧を軽く振るうと、バフォミトラは徐々に戦闘の体勢に入る】
「汝、英雄登竜門……。」
「・・・数多の定命の者の力と価値を見定め、星の数ほどの英雄共を世に解き放ちし者よ……!!」
「有害なる自由と悪しき渾沌の坩堝にして、穢れし霊の巣窟たるこの「魔界」の地において……貴様は今、私に"試される"……!!」
「階層を手にした魔界の"新参者"が必ず受ける、我等"魔神"による「洗礼」──貴様は、何処まで耐えられるかな……!?」
【バフォミトラがそう告げた瞬間──眼前に立つ約6mほどの魔神は、途轍もなく巨大で破壊的な巨獣(べヒモス)を連想させる程の"圧"を放ち、貴方を圧倒する。】
【それは威圧とオーラによって発生した一種の幻覚じみた現象ではあるが、バフォミトラの発した"圧"は、今は亡き"古き焔"を思い出させるほどに巨大かつ圧倒的であり……自身が越えねばならぬ壁の高さと分厚さを、再認識させるには充分過ぎた。】