元アリスクif総合スレ Part6

  • 1二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 17:07:52

    「ここだけアリスクの一人が」スレの四シリーズについて語るスレ

    過去のスレでまだ語りたい概念があるうちに完結してしまったネタなどがあればそれもあり


    四シリーズ(ヒヨリ、アツコ、サオリ、ミサキ)世界線をクロスさせた概念を語るのもOK


    過去スレは>>2以降のURLから遡れます

    支援絵やSSの再掲は自由です

  • 2二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 17:08:23

    相変わらず重いのでURL再掲は有志に任せます…一応前スレから辿ればすぐに見られます

  • 3二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 17:08:46
  • 4二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 17:11:54

    スレたて感謝

  • 5二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 17:12:23

    立て乙です

  • 6二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 17:12:50

    まだまだ語りたい

  • 7二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 17:13:37

    ss毎日更新嬉しい
    アズサバドエンも楽しませてもらってる

  • 8二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 17:25:47

    立て助かる

  • 9二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 17:26:16
  • 10二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 17:28:22

    ん、お疲れ様

  • 11二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 18:58:08
  • 12二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 18:59:45

    ヒヨリ編から数えると14スレ目突入!

  • 13二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 19:23:06
  • 14二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:14:50

    >>11

    かんしゃあ〜

  • 15二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:15:27

    >>13

    お疲れ様です

    負の無限コンティニューはダメだね……

  • 16二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:50:51

    スレ立ておつですぅ〜
    アズサバッドルートも次でエデン条約2章が終わるな
    あと2章分か〜…長いなw

  • 17二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:45:05

    >>15

    心の強さで悪い方にリトライしすぎている

  • 18二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:50:06

    心は折れなくても錆びたり捻じ曲がったりはするからね

  • 19The Fake×Squad24/11/09(土) 00:39:45

    偽りのアリウスの空が、建物が、割れる。
    アリウス自治区に貼られていた「アズサ」が描いた理想が、夢が、剥がれていく
    文字通りの幻へと化して消えていった。

    『先生……』
    『アリウス自治区が元に戻っていく……』

    セイアから通信が入った。
    この領域が崩壊したとの知らせ、各部隊の戦いが終わったこと、敵味方共に大きな怪我人が出なかったこと。

    「そうか……皆無事なら安心したよ」
    『領域は無くなった。私たちの勝利……というわけではないのだろう?先生、君の声色がそう言っているよ』
    『先生、私たちはどうするといい?』
    「……とりあえず皆周辺への警戒をしながら待機していて欲しい」
    「私たちの方は……もう少し掛かりそうだ」

    通信を切る。
    そして、目の前にいる“彼女”と向き合った。

  • 20The Fake×Squad24/11/09(土) 00:40:31

    >>19

    ゲマトリアのベアトリーチェ。

    内戦中のアリウス自治区に突如として現れた大人。自治区全体を自らの支配領域とし、「虚しさ」を植え付けて私兵を化した。

    その目的は自らが上位存在に至ること。

    それが彼女のゲマトリアとしての求道。

    その為にアツコを利用し色彩をこの世界に呼び寄せようと画策していた。

    だがその計画は、先生が、スクワッドが、そしてサオリが、阻止した。

    今のアリウスが“そうなった”元凶。

    「アズサ」の肉体を借り、“彼女”が今、ここに降臨した。


    「今……もう一人の私の中にいるのが……マダムだと……?」

    「あ、あの人ともう一度会うなんて……」

    「………最悪なんだけど」

    「そう……あの大人がアリウスをこんなことにした……」

    「ねぇ、ハナコ……」

    「大丈夫ですよコハルちゃん。皆がいますから」


    彼女を知る者、知らぬ者、そして戦った者、皆それぞれ反応が違うが、「アズサ」の時とはまた違う雰囲気と気配に押されていた。


    「……死んでいたんだねベアトリーチェ」

    「えぇ、そうですよ先生」

    「……シロコがゲマトリアを襲撃した時に?」

    「いいえ、その少し前。色彩に狂った私は“処理”されたのです」

    「ふふっ、まぁあの時の私はあまりにも正気ではなかった。あんな求道者とも言えぬ者は排除されて然るべき。当然の結果でしょう」

    「まるで今自分が正気であるみたいな言い方だね」

    「えぇ、正気ですとも。それに今の私は借り物とはいえ崇高を手に入れた」

    「それによって私は“目線”が変わったのです。まぁ少なくとも処理される前の醜態を晒していた頃の私とは違うのです」

  • 21The Fake×Squad24/11/09(土) 00:41:22

    >>20

    「ふ。ふふっ……あははははは!!!」


    彼女が腕を広げて笑う。


    「嗚呼!嗚呼なんて!滑稽なのでしょう!」

    「求道という過程を飛ばして結果に到達してしまうなど!!」

    「なるほど、これが虚しさなのですね!!」

    「ただ私自らの駒を作り上げるための“方便”が、まさか私自身を襲うことになるとは!」

    「嗚呼、なんて皮肉なのでしょう!なんて、虚しいのでしょう!!」


    翼を広げたベアトリーチェが、笑顔のまま先生に銃口を向ける。

    それに皆が焦り、先生を守るために盾になろうとするが、先生がそれを制止させた。

    まず、彼女の話を聞きたいと。


    「で、その虚しさで空っぽの貴方は一体何をしようとしているの?」

    「そうですね………貴方たちへのリベンジ……と思っていたのですが、それは二の次です」

    「ほう?」

    「私はこの世界を壊す」

    「それはどういう意図で?」

    「それがあの子の……別の世界から来たアズサの願いですから」


    空気が震える。

    この空間そのものが軋み、歪み、亀裂が生じる。


    「私は託されてしまいましたからねぇ……」

    「子供の願いを叶えてやるのが、大人のやるべきことでしょう?」

  • 22二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 00:43:47

    彼女もまた、大人

  • 23二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 00:48:50
    x.gd

    アズサバッドルート20

    これで補習授業部によるエデン条約2章は終わり

    若干閲覧注意なのかしら?まぁこれからもどんどん

    キャラは死んでいくから気にしても仕方ないけども

  • 24二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 00:57:23

    どっちのSSもそれぞれ別方向にヤバいことになってるよ~~

  • 25二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 11:05:24

    またif組の平穏な生活が見たい

  • 26二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 21:34:25

    >>25

    うわぁん!

    まずはこの事件を片付けないといけませんね……

  • 27二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 22:29:49


    クリスマスや年末年始までスレがあれば色々と書きたい

  • 28二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 23:52:39

    期待
    ばにばにしてきたな…

  • 29The Fake×Squad24/11/10(日) 00:40:35

    >>21

    「待てベアトリーチェ!!!」


    大人2人の会話の間に、怒りを露わにしたサオリが割って入る。


    「アズサは……あのアズサはどうしたんだ……」

    「託されたと言っていたが……まさかアイツは……」

    「し……んだのか……?」


    直前の「アズサ」の言葉。そして彼女の体に憑依したベアトリーチェ。

    この状況を考えるに、「アズサ」の魂が消えてしまったのだと思うのも無理はないだろう。

    もしそうならば、自分たちが戦っていたことは全て無駄だったのではないのかと、そう絶望しかかっていた。


    「サオリ、アズサは―――」

    「生きていますよ、勿論」

    「……ベアトリーチェ」


    先生はアロナとプラナが調べてくれたおかげで知っていた。

    彼女の魂は消えてはいない。

    消えてはいないが……


    「ただし、私の魂を引き上げるのと同時に、あの子の魂は次元の狭間に落ちていった」

    「今この体の内側は、その狭間へと通じる扉(ゲート)となっています」

    「ならッ……さっさとお前の中からアズサを引き上げてでも……」

    「そう簡単に行くでしょうかねサオリ」

    「なッ……?」

    「だって、あの子は狭間で引き籠っていますよ」

    「もしかしたら、もう貴方たちとは話し合いすら拒否しているかもしれませんね」

  • 30The Fake×Squad24/11/10(日) 00:41:26

    >>29

    ベアトリーチェが嗤う。

    対話の拒否というどうしようもない状況に、ただサオリはそれ以上の言葉が出なかった。

    どうする?

    どうする?

    どうしたら?

    彼女を救いたい。その命を助けだしたい。

    領域は無くなった。もうこれで彼女の命を削り取るモノは存在しない。

    だが、彼女自身が救われることを望んでいない。

    話し合いが出来ないなら説得すら出来ない。

    叩きつけられる“詰み”の状況に、この場の全員が打ちひしがれていた。

    勿論、先生とて同様だ。

    ベアトリーチェの言う次元の狭間とやらに接続する方法なら存在する。

    それはかつて反転したホシノを元に戻すために使用した方法である疑似ナラム・シンの玉座ならば、声を届けることが、手を伸ばすことなら出来るのかもしれない。

    だが、「アズサ」自身がそれに応じてくれなくては意味がない。

    それに、それ以前に……


    「近づけさせないだろ、貴方は」

    「えぇ、そうですとも」

    「先生、貴方程の変数ならば、もしかしたら接続に成功させ、もしかしたら声を届かせ説得を成し遂げることさえできるのかもしれません」

    「ならば、そうさせるわけにはいかない」

    「何かをされる前に、私が全部壊してさしあげましょう」


    ベアトリーチェが叫ぶ。

    すると辺り全体から地鳴りが響き、至聖所を中心にして、

    地に、空に、世界そのものに、

    亀裂が走る。

    それは文字通り全てを破壊しうるモノ。

    次元の壁そのものを壊して、この世界を崩壊させていく。

  • 31The Fake×Squad24/11/10(日) 00:41:53

    >>30

    「さぁ!あの子の望み通りにこの世界は終わりを迎えるのです!!!!」


    世界の終わりのカウントダウンが始まった。


    「………嫌です」


    だが、そんな状況でも

    それでも、と言う者がいる。


    「何が望みですか!!!!」

    「自分が死にたいの次は世界を壊したいだなんて!!!」

    「なにもかもがふざけています!!!!」

    「話しあいに応じない?そんなものやってみなければ分からないじゃないですか!!!」

    「私はやってみせます!」

    「その為なら……」

    「貴方と、戦ってみせますとも!!!」

    「皆さんも……そうですよね!!」


    阿慈谷ヒフミが、血が滲むほどに拳を強く握りしめて、そう叫んだ。

    「白洲アズサ」に負けず劣らずの諦めの悪さ。

    その心からの叫びが、絶望に染まり掛けていた全員の心を奮起させた。


    「ヒフミ……」

    「あぁ、そうだな……すまない、私たちがどうかしていた」

    「ベアトリーチェ、お前を倒すよ」

    「あの時と同じようにな」


    「サオリィ……」

    「その心意気は結構ですが、私をどうにかする前にこの崩壊の亀裂をなんとかしなくては意味がありませんよ?」

  • 32The Fake×Squad24/11/10(日) 00:42:23

    >>31

    ピコン!


    『こ、これは……先生!』


    直後、プラナが何かを感知した。


    『接続を確認。先生、メッセージを受信しました』

    「メッセージ?誰から……?」

    『……読み上げます』


    『先生、私に任せてください』

    『この一連の事件は、元を辿れば私が引き起こしてしまったこと』

    『そのケジメくらいは、私に付けさせてください』


    「ケジメって……」

    「……まさかッ!?」

  • 33二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 00:42:39

    次回、援軍

  • 34二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 07:46:27

    ケイがくるか…擬似的に繋げるなら…アリスもまた力を貸すだろう

  • 35二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 11:49:01

    ん…反撃

  • 36二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 12:23:30

    人並に絶望して、人並に押し潰されるけど
    一番最初に立ち上がって声を上げてくれるのがヒフミという女よ

  • 37二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 19:29:24

    ヒフミ 頑張って

  • 38二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 22:08:37

    無限ではない有限ガッツで頑張れ

  • 39二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 23:54:07

    全部終わったらまとめが欲しい

  • 40The Fake×Squad24/11/11(月) 00:37:00

    >>32

    ほぼ同時刻、ミレニアム


    「よし……」


    ゲーム開発部の部室の前、先生たちに加勢しに行くためにメッセージの送信と諸々の準備を終えたケイがアリウス自治区へ向けて出発しようとしていた。


    「な~にしてるのかな、ケイ?」


    ケイの行く手を阻むかのように立ち、彼女を呼び止める者がいた。

    同じゲーム開発部の才羽モモイだ。


    「モモイ……」

    「光の剣なんて担いで何処に行くのさ」

    「私は……先生と共に戦うために行ってくるんです」

    「先生と?」

    「えぇ」

    「それってケイが行く必要あるの?」

    「これは……私が引き起こした過ちを清算させる為でもあります」

    「……」

    「恐らく、今先生が置かれている状況を解決させるには、私の力が必要なので」

    「なにより……アリスも、きっとそうしたはずなので……」

    「だか……ら」


    そこまで言おうとした時、モモイがそっと近づいて、

    自分の額をケイの額にくっつけた。

  • 41The Fake×Squad24/11/11(月) 00:37:25

    >>40

    「モモイ……?」

    「ケイ、聞いて」

    「はい……」

    「ちゃんと確認したいの。アリスの意志がどうってのも大事かもしれないけれど、ちゃんとこれはケイがやりたいことなんだよね」

    「勿論ですとも」

    「うん……それなら安心した」

    「……」

    「ねぇ、ケイ」

    「はい」

    「……ちゃんと、帰ってきてね」

    「……当たり前じゃないですか」

    「それじゃあ……頑張れ」

    「はい……頑張ります」


    そうしてモモイはケイから離れ、行ってらっしゃいと手を振った。

    それを見てケイは笑顔を見せて、走っていった。

  • 42The Fake×Squad24/11/11(月) 00:37:49

    >>41

    静かになった部室前で、モモイは後ろを振り返った。


    「そんな所で隠れてないで出てきてよ、会長」

    「……結果的に盗み聞きするみたいになってしまったわね」


    近くの部屋にある扉を開け、セミナー会長調月リオがモモイの前に現れた。


    「ゲヘナとの協定があるから、政治的な事を考えるなら、迂闊には出て欲しくはなかったのだけど」

    「でも会長個人としては?」

    「……今アリウス自治区の状況を考えるなら、今すぐにでも彼女を派遣した方が早いし合理的ね」

    「なら良かった!」

    「でも意外ね。そんな危険な所に行かせられないと、貴方なら彼女を止めると思ったのだけど」

    「そうでもないよ。だってそれがケイのやりたいことならね」

    「やりたいこと、ね……」

  • 43The Fake×Squad24/11/11(月) 00:38:36

    >>42

    ミレニアムタワー屋上。


    「アリス……私に力を、勇気を、貸してください」


    “データ”が入ったロボットのキーホルダーを握りしめ、祈り、そして覚悟を決める。


    「リソース確保のための全体検索を実行」

    「リソース名、カタコンベ及びバシリカ」

    「………プロトコルATRAHASIS稼働」

    「コード名“アトラ・ハシースの箱舟”起動プロセスを開始します」


    「……“鍵”が担うは王女の役割」

    「偽りの王女に箱舟を用意せよ、承認せよ―――ここに新たな聖域が舞い降りん……!!!」


    ケイが屋上から飛び降りて、空中で空間を“蹴り破った”。


    「お待たせしました!!!」

    「ケイ!」


    そうしてケイはバシリカの至聖所へと現れた。

    そして先生の方を向き、叫ぶ。


    「先生!シッテムの箱を!!」

    「……なるほど!」


    アトラ・ハシースの箱舟とシッテムの箱の力の合わせ技。

    アビドスで小鳥遊ホシノの為に再現した疑似的なモノとは違う、正真正銘の―――


    「「ナラム・シンの玉座、展開!!!」」

  • 44二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 00:40:22

    勇者、到着

  • 45二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 00:47:34

    アリスはサブ(データ)なのか

  • 46二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 00:48:53

    あらやだ……ここのケイとモモイやけにしっとりしてる……

  • 47二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 05:46:49

    加湿器モモイ

  • 48二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 12:32:38

    アリス…ケイ……

  • 49二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 17:11:15

    無事に生きて帰らないとモモイが泣くぞ

  • 50二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 22:18:08

    色んな可能性の混じりあった特異点って感じで滅茶苦茶熱い…

  • 51二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 23:25:31

    みんなそれぞれの葛藤を抱えてるな…と感じました(小並感)

  • 52二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 23:57:57

    >>49

    普段のギャン泣きではないミドリみたいなガチ泣きしそう

  • 53The Fake×Squad24/11/12(火) 00:26:41

    >>43

    ケイが光の剣の銃口を地面に突き刺した。

    刺した場所を中心に、バシリカが、至聖所が、変化していく。


    かつてプレナパテスとシロコ*テラーがこの世界にやってきた時に、箱舟内に展開していた、時間や空間、実在と非実在、それら全てが混ざりあい、そして全てが曖昧になるこの空間。

    文字通りなんでもアリで、反則級のそれを展開した。

    ベアトリーチェが世界に亀裂を走らせるのなら、その亀裂ごと世界の境界をぐちゃぐちゃにする。

    ケイが箱舟を起動した際のリソース量は、以前彼女とアリスが起動させた際に用いたエリドゥやウトナピシュティムの本船のそれよりも及ばないが、それでもこのバシリカ全体を覆うには充分すぎるほどだった。


    (よし、ぶっつけ本番だったけどなんとか成功した……!)

    (本船で稼働させた時のような危険性はない……)

    (だけど、本来アリスがいてこその箱舟を無理矢理出現させたから……)

    (いや、泣き言を言っている場合じゃない……!)


    「先生!この領域の制御は私が行います!ですので先生は目の前の相手に集中してください!!」

    「大丈夫なんだねケイ……?」

    「当たり前です!!」

    「なら……お言葉に甘えさせてもらうよ」


    ケイの言葉を、決意を、先生は信じた。

    ならば、と再びベアトリーチェに向き合った。

  • 54The Fake×Squad24/11/12(火) 00:27:34

    >>53

    「……そういうことだよ」

    「ひとまず世界の崩壊はなんとかなりそうだとして……」

    「後は貴方を倒して、貴方の中にいるアズサに声を届けるだけだ」


    「ふふっ、先程までどうしようもないと、軽く絶望していたのに……」

    「たった一つ解決しただけでこんなにも調子に乗るだなんて」

    「随分と都合の良い頭をしているのではなくて?」


    「都合が良くて結構、ほんのちょっとでも希望が見えてきたんだ」

    「だったら、何がなんでもそのほんの僅かな可能性に縋っていくしかないでしょ」

    「知ってる?私ってアズサ程でないにしても、結構諦めが悪いんだ」


    その言葉でベアトリーチェが思い浮かぶのは、かつて自分の計画の悉くを真っ向から潰した先生やスクワッド、そしてサオリの姿。

    諦めが悪くて、それで最後にはどうにかして解決してしまう。

    そんなことは身をもって知っている。

    だからこそ彼女は……


    「えぇ……そんなこと痛いほど分かっていますとも!」

    「ならば……その諦めの悪さを押し潰すほどの絶望を!私はぶつけるだけです!!」


    ベアトリーチェがその場で強く床を踏む。

    至聖所が、否、アリウス自治区全体の地面が揺れていく。

    そして、地面を突き破って出てきたのが……

  • 55The Fake×Squad24/11/12(火) 00:28:16

    >>54

    「これは……まさかあの!?」

    「み、ミネ団長……」

    「怪物……ときましたか……」


    「……デカくないっすか?」

    「きひひひひ!相手にとって不足はないな!」


    「あれって……マダム?」

    「先生……皆……あそこで何が?」


    怪物化したベアトリーチェ。それがアリウス自治区全体に、複数体現れたのだ。

    そして、至聖所にもその怪物が現れた。

    数にして5、6体はいる。


    「……あの時は貴方1体倒すのだけでも結構大変だったんだけど……ちょっと無茶苦茶すぎない?」

    「無茶苦茶なのはお互い様でしょうに」

    「確かに……そりゃ言えてる」


    ベアトリーチェも、先生も、笑っている。

    先生が、懐に手を入れた。


    大人のカードを取り出す。


    「出し惜しみする必要は……ないね」

  • 56二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 00:29:02

    あの時は彼女に対して終ぞ使わなかったそれを今、取り出した

  • 57二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 01:16:30

    カード解禁だ

  • 58二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 11:39:16

    確定演出…

  • 59二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 19:58:11

    なんとかなれーッ

  • 60The Fake×Squad24/11/13(水) 00:31:57

    >>55

    『ここにいる全ての生徒に告ぐ』


    先生の声。アリウス自治区で戦っているトリニティ生たち、そしてスクワッドのアツコが持つ個人端末それぞれに、その声は届けられた。


    『……これが恐らく、最後の戦いになる』

    『今、君たちの目の前にいるその怪物たち……それをなんとか出来れば……』

    『その後は、きっと……そうきっと、“あの子”に声を届けられる』

    『もう少し……そう、もう少しの辛抱だ』

    『私たちも戦う……だからッ!』


    『力を……貸してくれッ……!!』


    この声を聞いた全ての生徒が、叫ぶ。

    己を奮起させる為、力を合わせる為、

    救うべき人を、救う為。


    心は、一つだ。

  • 61The Fake×Squad24/11/13(水) 00:32:42

    >>60

    「さぁ……始めようか」


    先生が、シッテムの箱を掲げる。

    至聖所内の構造が変化する。プレナパテスとの決戦で、ナラム・シンの玉座を変化させた時のように。

    先生の中に存在している心象風景。

    まるで宇宙空間のような。クラフトチェンバーを使用している時に視るあの空間。

    先生自身も、どうして“ここ”が出てきたのかは分からない。

    だが、それでも“ここ”ならばと、何故か信じてみようとそう思えた。


    「えぇ……求道も誇りも目的も、なにもかもが虚無で空っぽな私が唯一成せることを」

    「戦いましょう……完膚なきまで潰しますよ、貴方たちを」

    「あぁ……戦おう」


        ベアトリーチェ

    「行くぞ、私の敵対者―――」

    「せめて、今度は最後までその役割を果たしてみせなよ」


    それは、敗北し、舞台装置でも、モブでも、それ以下の存在と同胞に嘲笑された彼女に向けた言葉。


    「えぇ…!えぇ…!!臨むところですよ!!!」


    「アロナ……プラナ……“アレ”をやるよ」

    『了解、あれですね』

    『いっちょ、やっちゃいましょう!!!』


    アビドスでの戦いの最中に現れた「セトの憤怒」。これを倒す為に使った、シッテムの箱の“新技術”。

    制約を解除し、更なる演算処理が行えるそのモード。


    『『「シッテムの箱、制約解除。プロセス“ペレツ・ウザ”限定稼働開始!!」』』

  • 62The Fake×Squad24/11/13(水) 00:33:31

    >>61

    「皆行こう!!」


    先生の号令と共に、箱舟を制御しているケイ以外の10人が、それに呼応する。


    「だってさナギちゃん!」

    「えぇ!やりましょう、ミカさん!!」

    『誰か忘れていないかい?』

    「「セイアちゃん(さん)!?」」

    『なんてな、流石に私はそっちに行って戦えないが……信じているよ、君たちの勝利を』

    「セイアさん……」

    「ありがとねセイアちゃん!……それじゃあ、張り切っていこうか!!」


    ティーパーティーが、


    「もう少しなんです……もう少しでアズサちゃんに声を……!」

    「ヒフミちゃん……えぇ、その通りです!」

    「あのアズサをさっさと叩き起こさないとね!」

    「そうだ。もう一人の私をしっかり救わないとな」

    「はい!それじゃあ……」


    「補習授業部……やってやりましょう!!!」

    「「「おーーー!!!」」」


    補習授業部が、

    そして彼女らも……

  • 63The Fake×Squad24/11/13(水) 00:34:45

    >>62

    「……ここまで付き合ってくれてありがとう、皆」

    「そんな……水臭いですよサオリさん!」

    「そうよ、今更すぎ」

    「うん!救ってみせようか!アズサを!」

    「あぁ……ならば、私たちは今、敢えてこの名で号令を掛けるとしよう」


    「アリウススクワッド、作戦開始だ!!」

    「「「了解!!!」」」



    「……このバシリカから始まった悲しみも、苦しみも痛みも憎しみも」

    「このッ!全ての因果をッ!!!」


    心が一つとなった全員が、そこから先の言葉を声を合わせて、叫ぶ。


    「ここで終わらせてやるッ……!!!!」

  • 64二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 00:35:52

    最終決戦開始

  • 65二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 02:16:36

    がんばえ〜!

  • 66二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 04:20:22

    応援するしかあるまい

スレッドは11/13 16:20頃に落ちます

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