【閲覧注意】モリアーティ教授の特異点殺人事件~ちょ!これ詰んでないかネ!~

  • 1二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:20:05

    「ダヴィンチ女史、なにかお困りかね」
    「ああ、君にしかできないこと・・・といってもいいかもだ」
    「ほほう、それはそれは・・・して、如何様な案件かな?」

    薄暗がりの中でバーテンに扮したモリアーティは挨拶代わりのカクテル(ジュース)を出しながら尋ねる。

    「微小なものだが特異点を作り出している魔術師がいる。アサシンを送り込んでもよかったんだけど色々と調整が面倒でね『魔術的な痕跡を残さず』かつ『不自然さを残さないやり方』で、ターゲットが死亡しなくちゃいけない」
    「なるほど、殺人か・・・しかし気配遮断のスキルや狙撃のスキルなどを使えば魔術的な力なぞなくとも可能なのではないかね」
    「それが、ターゲットは魔術師だ。魔力を感知する術にたけているからいかにもな英霊や暗殺を塞ぐ手管に長けているのさ。それに特異点は現代に近い。時間がねじれてその時代にそぐわない人物も多数集まっているから下手をすると別の時間軸に影響があるかも・・・」

    極めつけはターゲットを始末するという点でもある。とダヴィンチは眉尻をさげて溜息をついた。

    「マスターは鋭い、アサシンやアーチャーを使ってそういうことをすると絶対バレちゃうでしょ?だから教授にお願いしてるのさ」
    「なるほど・・・それは確かに難儀な仕事だ」

    そう言いつつも。モリアーティは不敵な笑みを浮かべていた。

    「マスターは現地でどのように?」
    「基本的には魔力の供給を行うだけだから特異点を調査するという名目で・・・ま、本人には内緒で休んでもらうさ」
    「ふふ、さすがに「これから人を消す」とは言えないからネ」

    カクテルを飲み干したダヴィンチはグラスの下にターゲットの情報が描かれたカードを挟んで立ちあがった。

    「さて、久方ぶりの仕事だ。せいぜいそつなくこなすとも」
    「心強い、こちらも期待させてもらう」

    万能の天才の期待を受け、教授は笑みを深めた。
    悪のカリスマが特異点に舞う。

    ※ギャグ時空にするつもりです

  • 2二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:24:35

    ~特異点到着~
    マスターはこれから自分がどのような仕事をするかもわからないまま無邪気に現地の散策を楽しんでいる。
    舞台からするとここは欧州のどこかのようだが・・・イギリスにも見えるし、他の都市にも見える。
    これが特異点の影響だろうか?

    「さて、マスター。私はちょっと用事があるので失礼するよ。ホテルの住所はここだ。お小遣いは使いすぎないようにネ!」

    冗談交じりに言うと年若きマスターは屈託のない笑みを浮かべでホテルへ向かう。こちらは現地の調査とターゲットの身辺調査を行わなければならない。始末するのは確定だ。手抜かりは許されない。

    「シンジケートを組織していた私が直接動かないといけないとは、いやはや!わからんものだ」

  • 3二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:30:21

    数日後。ターゲットは滞りなく始末できた。凶器を破棄するために麻布にくるんで周囲を伺う。
    ターゲットはアパートの浴室で浴槽に浮かんでいる。死亡推定時刻は湯の温度や混ぜ込んだ薬品でずれ込み
    分からなくなるだろう。あとは特異点の収束を確認してマスターと共に離脱するのみだ。

    「さて・・・ん?」

    現場から出て少しすると駅が騒がしい。どうしたことだろう。

    「もしもし、なにかありましたか?」
    「ああ、どうにもバスと鉄道職員がストライキだってさ。おかげでこっちは大変だよ・・・」

    どうにも交通機関が麻痺しているようだ。労働者風の男は苛立ちながらも独り言をつぶやいている。

    「探偵さんや警察もストライキばかりはどうにもならんしなぁ」
    「探偵と警察?」

    思わず、反応してしまった。労働者風の男はそれにこう答えた。

    「なんでも探偵さんを集めて警察の方々が事件捜査の秘訣なんぞを聞いてるそうだよ」

    一抹の不安がモリアーティを襲った。

  • 4二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:31:18

    まさか米花町か…?

  • 5二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:43:01

    モリアーティが移動手段を探そうとしていると現場のアパートから女性が悲鳴を上げて出てくるのが見えた。

    (不味い、現場から離れる前に騒ぎが起こるとは)

    内心で舌打ちを打ちつつバスも鉄道も使えない状況でタクシーでも拾うかと思っていたが存外早く警察まで来てしまった。怯える女性を警察が宥めながらも状況を調べ始めている。
    モリアーティは警察がバタバタと走り回っているのをまるで見物人のように振る舞いつつ状況を調べる。

    (犯人は現場に戻る、これをまさか私がする羽目になるとはネ)

    急いで離れる姿を見られると逆に疑わしいかも。そう思ったのが良くなかったのだろうか。
    トレンチコートを羽織った中年の男性が現場から出てきたかと思うと周囲に聞き込みを開始してしまった。
    興味本位で近づいた風を装ったので逃げればいかにも怪しい。ポーカーフェイスで対応することにする。

  • 6二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:48:55

    「あのぉ、すみませんね」

    中年の男性はくせ毛の頭を掻きながら申し訳なさそうに聞き込みをしている。

    「ふぅ、カミさんのご機嫌取りをしなくちゃいけないのについてない」
    「ご苦労様です、あのアパートで何かあったんですか?」
    「んー、ああ、そうなんです・・・実は殺しでしてね、犯人は逃げた後らしくてこうして聞き込みを」

    それはそれは、と労いの言葉をかけつつモリアーティはええと、と言い淀む。すると男性は何かに気付いたように
    また頭を掻いて謝罪をしながら答えた。

    「ああ、すみません・・・名乗りもせずにぶしつけでした、カミさんにもそれで良く怒られるんですよ」
    「気になる事があると放っておけない、といった様子ですね」

    そう言いながら男性はこの時代のものらしい警察手帳を見せた。

    「殺人課のコロンボです、ええとあなたのお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか」
    「モリアーティですコロンボ警部」

    二人は笑顔で握手をしたがこれが始まりとは彼も予想だにしなかった。

  • 7二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:50:12

    刑事コロンボ!?

  • 8二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:56:09

    二人が談笑していると警察がコロンボを連れて行ってしまったのでモリアーティはこれ幸いと
    現場を離れるべくタクシーを探すことに。

    「こんにちは、タクシーをお探しですか」
    「ええ、ここらへんではつかまりませんか?」
    「そうですね、もう少し歩かれた方がいいかと・・・すみませんがミスター、お名前を伺っても?」
    「モリアーティと申します、ムッシュ。もしかして警察の方ですか?」
    「よくお分かりで、私はメグレと申します。お見知りおきをミスターモリアーティ」

    パイプをくゆらせながら大柄な男性は答える。名前はメグレというらしい。
    モリアーティは流石に嫌な予感がしてきた。

  • 9二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:57:49

    探偵特異点か…

  • 10二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 20:58:37

    ジュール・メグレ警視か…

  • 11二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:10:40

    嫌な予感が蜘蛛の糸のように絡みつく。モリアーティは不安を感じつつもタクシーを捕まえてホテルへ。
    するとホテルの近くの喫茶店のでマスターである立香(ぐだ子)が誰かとティータイムを楽しんでいるのが見えた。

    「ミス立香、なかなか良いところを見つけたね」
    「うん、ここは私でも飲めるコーヒーが置いてるよ。そうだ、それより教授!日本の人がいてね、今お話ししてたんだ」

    そう言われて視線を移すと目のまえにだらしない恰好をした男性と対照的にスーツを着こなした紳士が立香と同じコーヒーを嗜んでいる。

    「・・・ミス立香、彼らは?」
    「ええと」
    「御手間は取らせませんよレディ、自己紹介はこちらからさせていただきます」

    紹介しようとした立香を紳士が制し、席を立って会釈しながら答える。

    「コゴロウ・アケチと申します教授、こちらはキョウスケ・キンダイチです」
    「これはご丁寧に、ジェームズ・モリアーティと申します。ミスターアケチ」
    「どうもぉ・・・いやぁ、煙草銭もなくて・・・食事までごちそうになっちゃって、助かってますぅ」

    だらしない男はどうやら立香に金に困っているところを救われ、たまたま居合わせたアケチと同郷というか同じ日本人の誼というやつでこうしてテーブルを囲んでいるようだった。

  • 12二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:12:55

    名探偵が多すぎる!!!

  • 13二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:14:16

    推理小説ワールドだから殺人事件が起きること自体は妨害されなかったと(納得)
    探偵が湧いてくるのは事件が起きてからだものね

  • 14二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:18:27

    モリアーティは表面上はアケチに笑顔を向けながらも内心では自分のライバルに似通った性質を感じるこの
    男に嫌悪感すら抱いていた。

    「お二人はどういった用事でここに?」
    「なんでも警察が自分達のような探偵に捜査の秘訣を聞きたいと言われましてね。こちらとしても警察の方とはなじみが深い。無下にもできずこうしてやってきたのですが鉄道が止まっていて困っていたんです」
    「金欠でタクシーも乗れないしね・・・」

    どこか眠たそうなコウスケに呆れつつ、立香はお人好しにも彼にタクシー代を工面してあげている。
    彼女の善性にケチはつけたくないが目の前のどっかの誰かに似た嫌なヤツからモリアーティは離れたくてしょうがなかった。

  • 15二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:27:28

    タクシー代があれば帰ってくれるじゃないか
    多分居残るんだろうけど

  • 16二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:28:48

    「それじゃあそろそろホテルに戻るね」
    「ありがとうございます立香、またどこかでお会いしましょう」
    「うん、金田一さんも気を付けてね?あそこのホテルにいるからまた会えたら声かけてね」
    「ありがとうぅ・・・」

    そう言うと二人に手を振って別れ、モリアーティはホテルの場所を立香が教えてしまったことにハラハラしつつもその場を離れることができた。

    「ここのクロワッサンは美味しかったから買っといたよ、部屋でまた食べよう」
    「そうしようか、なんだから疲れてしまった・・・」

    立香は癒し、はっきりわかんだね。

    モリアーティはホテルへ向かう最中にも周囲に気を配っていたが・・・

    「あ、そこの人!えっと、フランスの人?」
    「はい、お嬢さん。私のことですかな?」
    「うん、これ・・・あなたのですか?」
    「おお、これはこれはありがとうございます、お嬢さん」
    「いいんですよ、それより探偵さんなんですか?」
    「ええ、ミス・・・ええとお名前を伺っても?」
    「立香っていいます、リツカ・フジマル!」
    「おお、元気なお嬢さん!私はエルキュール・ポワロと申します、お会いできて光栄ですよミスリツカ」

    特徴的な髭のフランス人にまで縁を結んでいる立香にモリアーティは内心で頭を抱えていた。

  • 17二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:31:23

    彼が落としたのは警察が探偵を集めているというチラシのようなもの。それと招待状のようなものを持っているため
    彼が探偵?と立香は思ったようだ。

    (招待されるくらいには有能な探偵か、なんでそんなに引き寄せるのかネ!)

    モリアーティはヤケクソ気味に頭のなかで叫んでいた。

  • 18二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:32:47

    >>15

    ちなみ金田一が必要なタクシー代は会合用に警察署へ行くためでした。

    鉄道やバスなら足りましたがスト中だとのことでお金が足りず困っていた設定で

  • 19二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:34:56

    ここから教授がザ・ダイナミクス・オブ・アン・アステロイド!するまでを描けたらいいなぁ・・・

  • 20二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:40:07

    ここにいる名探偵たちは自分を幻霊とかとは思ってない感じなのか
    はたまた(生きている)本人なのか

  • 21二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:44:06

    最高の爆発オチ(違)を期待してますw


    >>20

    >時間がねじれてその時代にそぐわない人物も多数集まっている

    って言ってるから本人っぽい?

  • 22二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:45:53

    >>21

    なる。探偵が集まる事件のきっかけになるためにこの特異点作った可能性もあるから恐ろしいな

  • 23二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:48:25

    >>22

    厄介ファンすぎる…でも殺人事件でないと排除出来なかった辺りありそうな気もする

  • 24二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 21:56:08

    >>11

    金田一少年の事件簿など

    >>16

    本名そのまま探偵


    だね。自分は上で警察二人の名前言った人だよ。推理系好きなんでね…

  • 25二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 23:22:50

    明日の夜まで落ちてなかったらまた続き書きます(スレ主

  • 26二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 23:34:06

    >>24

    じっちゃんの名に掛ける人は金田一一、じっちゃんの方は金田一耕助

    金田一京助は言語学者…あれれぇ、なんかおかしいぞぉ(多分ただの誤字)

  • 27二次元好きの匿名さん24/11/08(金) 23:54:32

    めちゃくちゃ面白いスレだ!スレ主ありがとう
    モリアーティ推しとして続きに期待大

  • 28二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 09:03:29

    続き見たいので保守

  • 29二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 10:29:52

    名探偵の私には分かる。これは名探偵の誰かに変装した名探偵ホームズが紛れ込んでいる名探偵小説の王道展開であることは名探偵的にも明らか

  • 30二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 16:19:57

    探偵特異点かと思ったら初手にコロンボ、メグレ警視も出てきてるからもう何が出てきてもおかしくない
    今までありがとうな教授……面会にはいってやるから……

  • 31二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 20:22:54

    保守しとくネ!

  • 32二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 21:06:16

    隅の老人とかブラウン神父とかヴァン・ドゥーゼンとかも出ないかなぁ……(期待)

  • 33二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 21:29:39

    金田一やばいでしょ

  • 34二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 21:44:59

    ここまで来たらクイーン親子やデュパンにも出てきてほしいけど前者はともかく後者はパリの幽霊屋敷から出てきてくれるだろうか…

  • 35二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 21:45:38

    早く帰れという祈りが通じたのか、はたまた元より用事があったのかポワロは名残惜しそうに立香に手を振って歩き去っていった。

    「面白いおじさんだったね」
    「そうかネ?私だって面白さでは負けてないと思うヨ?」
    「はいはい」

    立香はあしらうように、それでも笑顔でモリアーティに応える。その様子にパパとしては嬉しく思いつつも
    彼はこっそりとインカム型の通信機でダヴィンチと連絡を取った。

    『ダヴィンチ女史、特異点の様子はどうだね?』
    『うーん、原因は取り除いたはずなんだけどひずみが集束しない・・・ターゲットの部屋におかしなものは?』
    『なにもなかった、測定器の反応はどうだったかな?そちらで調べてくれないと魔術やらは専門外だ』

    モリアーティは散らかすのと片付けること、それのどちらが難易度が高いかは知っている。
    前者にあっては『芸術的に』かつ『証拠を残さず』という二点を重視しなければだが。

    『うーん、反応もイマイチ・・・まって・・・』

    インカムにカタカタとキーボードをたたく音がした。

    『部屋が簡易的な工房になってる・・・それに、部屋の周囲に魔術的な隠蔽がされていたらしい。教授が入っても誰も気づかれなかったのはそのせいかも』
    『そもそも気取られるような真似はしてないがね・・・隠蔽というと?』
    『うーん、隠蔽は隠蔽なんだけど錯覚の類。長い間ここで暮らしてますって錯覚させる魔術だ』

  • 36二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 21:56:42

    錯覚させる。と言われてモリアーティは額に手を当てた。

    (魔術とはなんとも便利なものだ。入念な下調べと自然なふるまいでどうにか取り繕う不自然をやすやすと消してしまえるとは)

    モリアーティが思い出すのと同時にダヴィンチは魔術師の行動原理を探る上で大事な事を告げる。

    『魔術なら如何様にでも誤魔化しが利くからね。だからこそ『誰がやったのか』『どうやってやったのか』はどうとでもなってしまう。だからこそ大事なのはーーーー』
    『『何故やったのか』だネ?彼が言っていた言葉だ、心得ているとも』

    ちぇ、と残念そうに言う声が聞こえる。ダヴィンチ女史には悪いがそれこそモリアーティが得意とするところの一つでもある。しかしながら今現在では情報が少ない。

    『こうなることなら情報屋ももう少し飼っておくべきだったな』
    『うわ、そこまでやったの?』
    『殺し屋ではないが・・・似たようなことはたくさん斡旋したものでね』

    下水に放り込んだ彼は今頃原型を留めていないだろう。身元は恐らくわからない。
    しかしそれは今のモリアーティにとっては悪手となってしまった。

    (生きていればスケープゴートにもできたが・・・まあ、今更だな)

    一からまた情報を集めさせるのは危険だ。そこから自分までたどり着く者がいないとも限らない。
    それになにより自分は今よそ者なのである。数か月の時間があれば容易だがどちらにせよ時間がない。

  • 37二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 22:13:41

    『その錯覚か、もしくは迷彩の類はこちらでも使えるかネ?』
    『そうだね、教授は英霊だから霊体化すれば元から周囲の人間には見えないよ』
    『それもそうだった、主が居なくなった後もセキュリティが残っていることはあるのかね?』
    『見てみないことにはどうにも、でも通信を繋いだままにしてくれればこちらでリアルタイムに計測しながらナビゲートできるよ』

    すこし考えたがモリアーティは渋々了承した。インカムがこの時代にそぐわないのもそうだし、立香を一人にしておくのも彼にとっては考え物だった。

    (彼女を放っておくと何故か探偵連中とお茶してるんだからネ!)

  • 38二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 22:16:08

    >>33

    こ、耕助だから・・・(震え

  • 39二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 22:52:46

    続き来た!wktk
    この特異点、何気なく話しかけた老婦人がミス・マープルだったりしそう

  • 40二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 00:23:54

    念のため保守

  • 41二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 09:26:18

    >>34

    でぇじょぶだ

    この特異点なら幽霊屋敷ごと来る

  • 42二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 11:07:30

    その夜、モリアーティは立香が眠ったことを確認し、念のため彼女にダヴィンチ特製の安眠のお守りを置いて
    自身は霊体化の後にホテルのテラスから飛び立った。

    (ふふ、考えてみれば自分も既に色々と便利な存在だった。久方ぶりの悪だくみについつい・・・)

    生前・・・というべきなのだろうか。以前の考えに寄ってしまう。しかしそれこそが楽しみでもある。
    限られた駒で、配られたカードで戦う。知恵の出しあい、相手の表情の、その裏にある思惑の読みあい。
    それこそが愉悦、パズルを解き明かすこと、ピースをはめ込むこと、ブロックを積み上げる事。
    ロジックの構築、心理、真理の証明。彼の知的好奇心をくすぐる未知の解明。

  • 43二次元好きの匿名b24/11/10(日) 14:20:44

    ホシュ

  • 44二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 16:06:35

    やっぱりかっこよく悪巧みしてるモリアーティは最高やな…
    1回ガチでモリアーティが策略巡らせてくれるイベントとかないかな、敵側だと厄介なので味方側で

  • 45二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 16:17:34

    教授大好きだけど、本領出して活躍されるとぐだが容認できる範疇に留まらなそうだからなぁ
    なのでこのスレめっちゃ楽しい

  • 46二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 17:12:59

    英霊の足で屋根から屋根へ。密集した住宅街を直線で進むと思いのほか時間はかからなかった。

    『ここらへんだ、ダヴィンチ女史。どうだね?』
    『ザザッ・・・ちょ・・・ま・・・ザザ』
    『不調かね?』
    『ザザザザ・・・、ごめん、今ボーダーのシステムに入ってサポートしてるからチャット機能がぼやけててさ』
    『大丈夫かね?霊体化できるなら夜でなくとも構わないが?』
    『マスターに知られるとちょっと面倒だからね。それに彼女の英霊たらしなところがこの特異点でどう作用してもこっちに不利になるのはお昼に経験済みだと思うけど?』

    その言葉にモリアーティは例の日本人を思い出して明らかに不機嫌な顔になった。あの男はどうにもいけ好かない。
    縁が深くなればいいところでしゃしゃり出てくるのは間違いないと断言できるほどに。

    (あの東洋人だけはダメだ、パパ許しませんヨ!)

    夜空に向かって叫び散らかしたい気持ちを抑えてモリアーティは眼下のアパートを見やる。

    『入らないのかい?』
    『現場検証の警察が残っているかもしれない、それに私ならああいった場所には二度目に発動する罠を仕掛けたくなるものでね』

    モリアーティは自身の力で魔弾化させた紙飛行機をアパートの窓に飛ばした。すると紙飛行機は魔術の隠蔽の紋章を帯びて一直線に飛ぶが・・・

    『魔術反応が消失した!』
    『やはりな、そんなことだろうと思ったヨ。無策で飛び込めば現場に踏み込んだところで警官とご対面!探偵連中に私が夜中に人目を盗んでコソコソしていたことが伝わるわけだ』

    現場の保全の為に残っていた警官が不思議そうに突然現れた紙飛行機を拾い上げて首を傾げている。

  • 47二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 17:34:58

    『ダヴィンチ女史、魔法が解けたトリックについて知見を伺いたいね』
    『うーん、阻害の術式か、はたまた燃費の部分を突いた意地悪な魔術が刻印されてるかもだ』
    『回路を遮断するか、電源をショートさせるギミックがあるということかネ?』
    『おそらくは、ああいうのは本体にそこまで魔術の残り香が無い事が厄介なところでね・・・なにせ発動に必要な魔力は相手の魔力を逆用するわけだから警官たちや現場検証に立ち寄った人間はまったく気が付かない』
    『便利なものに頼ったものに対するペナルティが用意されていると・・・ま、当然ながらそうなるとあそこには何かがあるとみるべきか』

    初回はモリアーティも別段特別なものは使わず現実的で、どこにでもあるものでターゲットを始末した。対策されているとは思っていたし、聞いてもいた。それゆえにその手のセキュリティが残っているとは普通では気付けない。
    相手が犯罪界のナポレオンとまで称される天才でなければだが。

    『となると霊体化もリスクになりうるね、どうする?』
    『どうもこうもない、人目を避ければいいだけだ』

    モリアーティは紙飛行機を眺めている警官の視線がずれた瞬間に死角に回り込んでアパートの中に入った。
    アパートの中は住人がいるからかさすがに警官も最低限で、警戒線のロープが張られていたが中にまで入ってみると存外人は少なかった。

    『そろそろ霊体化を解く、罠がアラームだったら大変だ』
    『了解』

    侵入し、モリアーティは部屋の中に滑り込んだ。保存の為だろうか、周囲はモリアーティが事を済ませた時のままになっている。

    (さて、不審な物・・・と言いたいが、そもそも彼はここで何をしていた?何が目的だ?)

  • 48二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 20:47:59

    >>16

    ベルギー人ですミスターヘラクレス

    フランス語圏の御仁なのはそうですが……!!

  • 49二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 21:06:54

    >>48

    しまった!名前を何度もちゃんと発音してもらえなかったところばっか気にしてたw

  • 50二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 21:10:17

    >>49

    しかも地雷踏んどるやないか!wうわー!うわー!しまった!ベルギー人だ!

  • 51二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 21:14:55

    >>16加筆して書き直します!

    お詫びとしてこのページに伏線を仕込むことを!予告しよう!

  • 52二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 21:30:29

    >>16修正&加筆の為分割します。


    「それじゃあそろそろホテルに戻るね」

    「ありがとうございます立香、またどこかでお会いしましょう」

    「うん、金田一さんも気を付けてね?あそこのホテルにいるからまた会えたら声かけてね」

    「ありがとうぅ・・・」


    そう言うと二人に手を振って別れ、モリアーティはホテルの場所を立香が教えてしまったことにハラハラしつつもその場を離れることができた。


    「ここのクロワッサンは美味しかったから買っといたよ、部屋でまた食べよう」

    「そうしようか、なんだから疲れてしまった・・・」


    立香は癒し、はっきりわかんだね。

  • 53二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 21:30:51

    >>16後半部分を修正。


    モリアーティはホテルへ向かう最中にも周囲に気を配っていたが・・・


    「あ、そこの人!えっと、そこのおz・・・おひげの素敵な紳士の方?」

    「はい、お嬢さん。私のことですかな?」

    「これ・・・あなたのですか?」

    「おお、これはこれはありがとうございます、お嬢さん」

    「いいんですよ、それより探偵さんなんですか?」

    「ええ、ミス・・・ええとお名前を伺っても?」

    「立香っていいます、リツカ・フジマル!」

    「おお、元気なお嬢さん!私はエルキュール・ポワロと申します、お会いできて光栄ですよミスリツカ」


    特徴的な髭のフランス訛りの男性にまで縁を結んでいる立香にモリアーティは内心で頭を抱えていた。


    「フランス語ですけど・・・なんだかアクセントが違いますね?ベルギーの人?」

    「その通りですミスリツカ、それにしてもあなたはとても語学に堪能なようですな」

    「えへへ、そうかなぁ・・・フランスの方と知り合いだからかなぁ・・・?それにエルキュールってあのヘラクレスのフランス語読みですよね?かっこいい名前だなぁ」


    人好きのする笑みを浮かべ、照れながら答える立香にポワロと名乗った男性はニコニコとしている。

  • 54二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 21:39:29

    修正すんだので次から再開

  • 55二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 22:45:06

    保守ファンアート

  • 56二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 23:24:16

    モリアーティは探知機を再び取り出した。ダヴィンチの言葉を踏まえるなら前回と同様に引っ掛かるものはないはずだ。ヒントは「ホワイダニット?」の一点。何故こんなことを?その手掛かりを見つけることだ。

    「もとより狭い安アパートだが生活感があまり感じられないな・・・というよりも」

    余計なことに気を取られて欲しくない。とでも言いたげな部屋だ。魔術師は大抵研究や調べもの、または自身が魔術を行使するための触媒づくりなど・・・ようは大小さまざまに散らかす性質の人間と言っていい。
    それが不思議なほどに片付いている。殺風景と捉える人もいるかもしれない。

    「ふむ、ではやはりここが君の目的か」

    顔に麻袋を被せて浴室へ連れて行きナイフで刺して浴槽に沈める前、彼は机に向かってなにやら熱心に読んでいた。
    脚を引きずった跡は消した。おそらく警察もここは調べていないはず。

    「・・・ふむ、これは大衆向けの小説?」

    ペラペラとページをめくってみるとどうやら小説のようだ。推理小説だろうか。いかにもな恰好の探偵が犯人を追いかけている描写がつづられている。

    「三文小説も良いところだ。トリックもなにもかもが陳腐で喜劇じみているな」

    氷が解けるギミックで仕掛けを作動させ、アリバイを保ったまま相手を始末する方法が取られている。
    モリアーティからすれば噴飯物の出来栄えだったが魔術師はそれに夢中だったようだ。

    『ダヴィンチ女史、これを確認できるかネ?』
    『はいはーい』

    流し読みすると一枚の紙きれが挟まっているのに気付いた。なにやら紋様が描かれており、モリアーティはそれを解析にかけた。

  • 57二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 23:25:13

    『・・・どうやら生成の魔術だね。なかなかものぐさな魔術師のようだよ。断定はできないがそれは魔力で焼き印のような働きができる』
    『というと、これは判子のようなものかネ?』
    『真ん中がこれ見よがしに空欄でしょ?真ん中を書き足せばライター程度の火、3センチの氷の立方体、あとは蝋燭を吹き消すくらいの風が起こせるだろう』

    魔術の意味が込められた書きかけの魔法陣、「~を生み出せ」といった内容で止まっている未完成品だが・・・。

    『簡易性の時限装置のつもりだったんじゃないかなぁ、これを使えば決まった時間に魔術を発動できる』
    『そして魔術を発動したら魔法陣は消えるか、もしくは燃えてなくなると』

    便利ではあるだろうがなんともくだらない。モリアーティはその程度の事すら自前で出来ないのかと呆れるしかなかった。

  • 58二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 23:25:31

    >>55

    ありがとうネ!

  • 59二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 23:47:58

    モリアーティは始末した魔術師の「ホワイダニット?」になんとなく見当がついた。
    しかし、もしもそれが彼の予想通りだとすればあまりにも期待外れなものだ。

    (彼はもしかすると黒幕になりたかったのかもしれないな・・・もしくはあの男たちのような存在か)

    煙に巻いたつもりがステッキとパイプを手に、いつの間にか影が差している。
    微かな、それこそ蜘蛛の糸のようにか細い手がかりを元に、真っ直ぐにこちらにやってくるあの男のように。
    あるいは自分のような、どこぞの怪盗のような存在に。

    「もしもそうなら不幸な話だ、ツテさえあれば私がいくらでもプロデュースしてあげたのにネ」

    モリアーティは紋様のある紙に他にも何かが書かれているのが見えた。

    「・・・貸出用のカードか?確かにダヴィンチ女史の言う通り物臭な男だったようだ」

    日付はどうやら数日前で、返却期限にはまだ時間がある。しかし図書館の所蔵品に落書きをするのは頂けない。
    モリアーティは何げなく、そのカードを巻末に張り付けてあるカードをカード用のポケットに差し込んだ。

    『魔力反応だ!気をつけて教授!』

    ダヴィンチの言葉と同時にカードが淡く光りだした。どうやらカードを差し込むことで魔法陣が完成するように仕組まれていたらしい。

  • 60二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 23:49:39

    「物臭なふりをしていたのか・・・やるじゃないかネ」

    光が収まったと同時にモリアーティの足元にぐじゅ、と水気のある感触を覚えた。
    それは連鎖的に反応して床中にじわじわと滲み出している。

    『生成の魔術が発動してる!気をつけて!』
    「足元に何か染み出しているようだが・・・む」

    モリアーティの鼻に嗅ぎ覚えのある臭いが届いた。

    「油か・・・となると次は」

    油が滲む床の隅に同じ紙が置いてある。それはまるでドミノ倒しのように、沁み込んだ油が魔法陣を浮かび上がらせ・・・風が吹き、再び同じ紙を舞い上がらせる。舞い上がった紙はまるで蝶々のように舞いながら・・・

    「火だネ!知っていたとも!」

    それぞれが燃焼しながら部屋中を舞い始めた。

  • 61二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 23:50:11

    今日はここまでにしときます。

    支援絵感謝感謝!

  • 62二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 04:58:08

    保守ファンアート次弾だよ~~ メガバイトでかい画像は送れないんだね…

  • 63二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 07:31:50

    支援感謝の保守

  • 64二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 13:19:01

    保守

  • 65二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 19:51:15

    保守的なことだ、友よ

  • 66二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 22:58:12

    モリアーティは舞い散る火と床から染み出す油に溜まらず部屋を飛び出した。火は油に着地すると瞬く間に炎と化して部屋を包んでいく。

    「これでは私が証拠隠滅に来たみたいだネ」
    『油と火は魔術で生成されたものだけど火災は自然現象だ、早く逃げないとこっちも燃えちゃうよ!』

    ダヴィンチの声に急かされるようにモリアーティは再び窓から飛び出した。ベランダからベランダへ、どうにか屋根までたどり着くと窓からもうもうと立ち昇る煙が見える。

    「・・・してやられたか、ま、場当たり的な行動が招いた結果とみれば致し方ない」

    騒ぎになるとみてモリアーティはすぐさま立ち去った。あの出火では部屋は全焼するだろうと考えたからだ。

    しかしこれが更なる悪手として彼の立場を悪くすることになった。

  • 67二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 23:31:38

    その日、もうもうと立ち昇る煙の量に反して部屋はそこまで燃えなかった。
    床は大変なことになったし、部屋は煤で酷いことになったがそれでもアパートの一室が全焼することはなかったのである。

    「犯人が証拠隠滅をはかったのでしょうか?」
    「わからないね、しかしこれは大きな一歩だ」

    翌朝、一番に現地入りしたコロンボとメグレは現場検証に立ち会った。その際に焼けなかった部分にくっきりと足跡がのこっていたのである。

    「・・・犯人は油を撒いたようですな」
    「うむ、部屋中に煤が飛んでるから・・・あまり上等なものは用意できなかったようだがね」

    メグレはそう言いつつパイプに火を入れた。

    「足跡か・・・特徴的な、革靴でしょうか・・・解せませんな」
    「そうかね」
    「どうにも、このような手段を講じるのに上等そうな革靴だなんて不思議じゃありませんか・・・?」
    「どうしてそのようなことがわかるのだね?」
    「まあ、何といいますか・・・こればっかりは私の推測なので今は言えません」

    コロンボが言葉を濁したのでメグレは追及しないことにした。彼は何かを掴んだ。それがわかっただけでも収穫である。

    「しかしここは三階だぞ、彼は窓から逃げたのか」
    「そのようですな・・・」

    コロンボは窓際に大きく残った足跡が外を向いているのを確認して頭を掻いた。

  • 68二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 23:35:02

    教授、悪いことは言わないから今すぐ霊衣に着替えるんだ 足跡は……証拠を処分しない限り手がかりとしてはかなりでかい気がする……!

  • 69二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 23:38:19

    再臨変え…ても靴は変わらなそうだな

  • 70二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 23:41:27

    バトルキャラ見た感じ、霊衣にならないと靴変えないのか…

  • 71二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 23:51:24

    このレスは削除されています

  • 72二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 23:59:22

    犯人は背中に羽根でも生えているのか?なんて荒唐無稽な考えが浮かぶ。当然ながら一般人のコロンボやメグレに英霊や魔術師に対する知識などない。モリアーティが窓から屋根を伝って逃げたなどとは夢にも思っていないのである。

    「・・・あとは足で稼ぐしかありませんな」
    「そうなるかね、まあそれしかないか」

    二人は現場の保全を警官に任せてそれぞれ聞き込みに向かった。しかしそこで二人はそれぞれが思わぬ壁にぶつかることになる。

    「よろしいですか、あそこのアパートで起こった事件について伺いたいんですが」
    「ええ、いいですよ」

    コロンボはいつも通りに聞き込みを行う。男はアパートで数か月暮らしており、周囲ともそれなりに交流があったはずだったが・・・。

    「彼の事、何か覚えておりませんかね?ささいなことでも構わないんですが」
    「そうですね彼は・・・彼・・・ん?」
    「どうなさったんです?」
    「そ、そんな人いましたっけ?あそこはずっと空き家だったような・・・んん?」

    コロンボは仰天した。目をぱちくりとさせながらあれ?あれ?と頭を抱える近隣住民にコロンボも頭を抱えたくなった。

    「だめだ、誰かいたような・・・いや、いなかったような・・・」
    「そんなはずはないでしょう、あそこで人が死んでいるですよ?」
    「ああ、だが・・・ううん?あ、でもそうだ!覚えてることがある!」
    「覚えていること?」
    「ああ、お巡りさん達より先にその、思い出せないんだが・・・その『誰か』を調べてる人がいたよ」

  • 73二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 00:06:33

    おかしい、探偵が真犯人の証拠をゲットしてるのに冤罪が増えていく

  • 74二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 00:12:37

    コロンボは狐につままれたような感覚で近隣住民が言う被害者を調べていたという人物についての情報提供を受けた。

    「ふむ、痩せぎすの男が・・・姿などはわかりますか?」
    「ボロボロの衣服が目立ってたな、靴なんか穴が開いてそうなほど汚いんで一目で碌な奴じゃないと思いましたよ」
    「ふむふむ・・・その男は何を調べていたんでしょうか」
    「普段何をしてるのか・・・とか、何時寝てるんだとか・・・色々聞かれましたね」

    コロンボはまるでその部分だけジグソーパズルのピースを引き抜いた様に抜けている被害者の情報に不思議な思いをしつつもその後も聞き込みをつづけたが・・・。

    「ふーむ、やはり被害者の情報だけが抜け落ちている・・・持ち物から身元を明かすようなものもなかったし・・・彼は一体何者なのか・・・うーん」

    ぐるぐると回る頭を掻いてコロンボはふと、事件直後の事を思い出した。

    「そうだ、まだ聞いてない人がいた。あの男性・・・モリアーティとかいったっけ。あの人に聞くか」

    コロンボは聞き込みの内容を前日にここを歩いていた男性、モリアーティの所在を尋ねることに切り替えて聞き込みを続けることにした。

  • 75二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 00:29:24

    今日はここまでにしときます。また明日!

  • 76二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 09:01:33

    保守

  • 77二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 10:29:10

    終局的保守

  • 78二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 10:55:09

    犯人が割れてる状態でコロンボの推理スタート……ここから入れる保険は……!

  • 79二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 11:33:39

    >>78

    コヤンスカヤ「とっておきのプラン、ご覧になりますぅ?(ニッコリ」

  • 80二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 13:38:22

    >>69

    71打った人なんだけど、ごめんこれ再臨変えてもって話か! 霊衣の話だと思ってた 再臨だと靴は変わんないです…なので文字通り足がつく可能性が大…

    紛らわしくなっちゃうからレス消しとくね

  • 81二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 22:51:05

    ブリテン異聞帯が終わらん!ぼちぼち更新しはじめまーす

  • 82二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 22:59:22

    「うぅーん・・・ぐわっ!ペペさんがブリッジで空を!?」

    立香は悪夢で跳ね起きた。飛び上がって中国拳法っぽい構えを取って少し。

    「・・・夢か」

    ベッドの上であること、ホテルの一室であることを思い出してパジャマのまま寝室を出るとモリアーティが居なくなっていることに気付いた。

    「・・・また勝手に出かけてる。不良だ、不良教授」

    時計を見ると10時を回っている。随分と寝てしまった。朝食を何にしたものかと思いながら思い出すのは昨日喫茶店で食べたクロワッサンだった。

    「そういえば・・・クロワッサンサンドがあったような・・・」

    急げばまだあるかもしれない。立香はそのまま着替えて喫茶店を目指す。

  • 83二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 23:30:48

    普通の悪夢(?)を見る余裕があってよかった(レムレムな幕間の数々を思い出しつつ)

  • 84二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 23:37:56

    喫茶店に行くと美味しいコーヒーとクロワッサンを出すだけあって混雑している。
    空いてる席を探すもどこも埋まってしまっている。どうしようかと思っているとそのうちに一つの席が空いているのが見えた。

    (チャンス!)

    そそくさと空いた席に座り、ウェイターに注文をする。やったー!と喜びながら前を向くとくせ毛の中年男性がコーヒーを飲む体勢のまま不思議そうにこちらを見ていた。

    「あ、・・・えっと、相席・・・良いでしょうかぁ・・・」
    「構いませんよ、お嬢さん」

    一言あったら完璧でしたがね。と笑いながら男性は言うと再びコーヒーに口をつけた。

    「んー、ここのコーヒーは悪くない。もうちょっと熱ければいいんだけどなぁ」
    「熱々が良いんです?」
    「もちろん、砂糖は三杯・・・今はブラックにしてますがね」

    男性はそう言うとクロワッサンを食べながら思いついたようにこちらに話しかけてきた。

    「そうだ、これも何かの縁ってことでお聞きしたいんですが・・・」
    「なんでしょうか?」
    「モリアーティっていう方なんですが・・・ご存じですか?」

    目の前の男性が知り合いの名前を口にしたので立香は驚いた。

  • 85二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 23:54:37

    立香は知ってますと言いかけて目の前の男性に質問をぶつけた。

    「そういえば・・・相席しといてなんですが、どちら様でしたっけ?」
    「あ、こりゃ失敬。そう言えばお互い初対面でしたねぇ」

    そう言うと男性は懐から身分証を取り出して見せた。

    「殺人課のコロンボです、お名前を伺っても?」
    「あ、はい!藤丸立夏っていいます、リツカ・フジマルです」
    「ミスリツカ、お会いできて光栄ですよ」

    握手を交わして、いざお話をと思ったところで立香のお腹が鳴った。

    「うぅ、すみません」
    「いいんです、私もよく仕事がたてこんで昼飯を食い損ねるから」

    ウェイターがそんな立香を見かねてかやや急いだ様子でコーヒーとクロワッサンサンドを持ってきてくれた。

    「まあ、急ぎません。食べながらで結構です。聞き込みの一環みたいなものですから」

    コロンボはそう言うと自身も残った食事に手を付け始めた。

  • 86二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 00:22:23

    二人はもぐもぐと食事をしながら世間話に花を咲かせていた。

    「それでね、最近は税金が高くってカミさんもぼやいてるんですよ・・・」
    「あぁー・・・やっぱりお巡りさんでもそうなんだ・・・」

    元より話好きな二人は和気藹々としていたがコロンボははっと思い出したように話を切り出した。

    「っと・・・いけない、仕事の話でした。モリアーティ氏についてなんですが所在を知っていたら教えていただけますか」
    「ええ、彼なら私と同じホテルに泊まってますよ」
    「そりゃいい、彼はいまそこに?」
    「それが出かけてて・・・ここ数日そんな調子で困ってます」

    見知らぬ場所で置いてけぼりなんです!と不満そうに言う立香にコロンボは大げさに肩をすくめた。

  • 87二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 00:47:01

    眠いので寝ます!また明日!

  • 88二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 07:17:58

    続きありがとうございます!

  • 89二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 14:21:37

    保守

  • 90二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 21:22:02

    やべえよやべえよ!ブリテン異聞帯が終わらない内にイベントが!
    イベントがぁぁぁぁ!

  • 91二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 21:53:38

    「そりゃあ難儀な話ですな」
    「そうなんですよ、ホントに!自分は『下町のナポレオン』とか恰好つけて!」

    ぷりぷりと不満顔の立香にすっと影が差した。

    「下町じゃただのお酒じゃないかネ?」
    「教授!」
    「褒めるよりなんとやらですな、どうも、モリアーティさん」

    モリアーティは些か疲れた表情をしている。立香はなにかしらまた悪だくみでもしているのだろうと思っていた。
    なにしろモリアーティだから。彼が自分に隠れてコソコソしている以上はそうである可能性が高い。

    「これはコロンボ警部、いかがなされたのかな?」
    「あなたを探してたんですが、見つからず一服してたらここで彼女と出会いまして」

    そう言いつつも二人は食べる手をとめず、もぐもぐと食べ進んでいく。

    「ふぅ、ご馳走様」
    「・・・ああ、そう、支払いは署当てで請求書を・・・うん、よろしくお願いしますよ」

    食べ終わり、勘定を済ませる二人にモリアーティは内心で溜息をついていた。

    (今度は刑事とまで・・・本当に困ったマスターだ)

    特に直接事件の調査をしているらしい刑事とまで縁ができたとなるとさらに面倒なことになるかも。
    そう思っていた矢先だった。

  • 92二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 22:07:47

    「いやあ、お待たせしました」
    「クロワッサンやっぱり絶品」

    二人は満足気な表情だ。昨日からあちこち走り回っていたモリアーティとは実に対照的である。

    「それでコロンボ警部、あなたはどういった用件で?」
    「そうでした、それがね・・・事件の調査で不可解なことが起こっておりましてね」
    「不可解?」
    「ええ、実は前日にボヤ騒ぎがありまして」
    「ボヤ騒ぎですか」

    モリアーティは素知らぬ様子でコロンボの言葉に耳を傾ける。

    「そうなんです、しかも前回に殺しがあった部屋でね・・・」
    「といいますと以前お会いした近所の?」
    「そうなんです、あそこでボヤが。火はすぐ消えたので部屋そのものはそこまで燃えなかったんで」

    モリアーティは思わずこめかみをピクリと動かした。ポーカーフェイスを崩さないまでも、微小な手ごたえ。

    「そうだったんですか。それは不幸中の幸いという奴だ」
    「そうなんです、ですがそれからが良くない」

  • 93二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 22:23:30

    コロンボは頭を掻きながらメモ帳を取り出してぺらぺらと自分が書き留めた情報を読む。

    「目撃者を探す過程で被害者の身辺調査を行ったんですがね」
    「ふむ」
    「『彼に関する記憶』だけが近所の方から消えてしまっていたんで」
    「えっ!そんなことあるんですか!」

    立香が驚いている。まさか犯人が魔術師で、モリアーティが犯人だとは知る由もないのだが・・・。
    なんとも呑気な反応にモリアーティは思わずため息をついた。

    「あまりに荒唐無稽な話ですな、記憶がきえるなんて」
    「そうなんです、誰に聞いても『誰かいた気がするが思い出せない』の一点張りでね。おかげでこうしてわずかな可能性のある人物まで虱潰しに聞いてまわるハメになってますよ」

    コロンボはそこまで言うとちょいと失礼、とポケットから煙草を取り出した。

    「ん、すみません。誰か火を持っていらっしゃいます?」
    「どうぞ、警部」

    モリアーティは咄嗟にジッポーのライターを取り出してコロンボのタバコに火をつけた。

  • 94二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 23:16:17

    「いやあ、助かります」

    火をつけてもらい、すぱすぱとタバコを蒸かす。

    「食後の一服というのは本当に格別ですなぁ」

    くたびれた格好にタバコというなんとも味のある取り合わせに立香は普段美男美女ばかりといっていい組み合わせばかりのカルデアの喫煙愛好家とは違う新鮮な感じを味わっていた。

    「ふぅ・・・むっ」

    突然吹いた風がタバコの灰をモリアーティのズボンにくっつけてしまった。

    「あ、こりゃ失敬!ズボンに穴が開いちまったら大変だ!」
    「穴空いたズボン履いてるとかダサいからヤバいって!」
    「ちょ!二人してなんだネ!絵面がヤバいからやめて!」

    アラフィフのズボンに男女が群がる事態が発生。

  • 95二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 23:38:43

    今日はここまでにしときます。明日は早出だ・・・

  • 96二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 23:41:12

    乙でした
    ズボンに群がるふりで靴の確認?

  • 97二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 00:59:30

    下町のナポレオンにワロタ 犯罪界のナポレオンと言ってしまえばこの特異点じゃ大問題だもんな…しかもお酒のキャッチコピーだからバーテンダー霊衣のあるモリアーティにも合う

  • 98二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 01:10:43

    >>96

    そもそもタバコを出した時点で、マッチとかライターとかそういった何かしら火を着けられる物を持ち合わせているかの確認とかの意図が少なからず有った可能性も

  • 99二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 05:14:29

    これは足を見られたなあ

  • 100二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 06:02:35

    ズボンに散った灰を取る…名目で革靴を見られて、現場に残ってた足跡の印象とすり合わせされるパターンだ 教授危うし…

  • 101二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 08:38:41

    初歩的な保守だ、友よ

  • 102二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 12:53:51

    エレメンタル・マイディア

  • 103二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 22:52:11

    アラフィフの足元に殺到する二人(立香はほぼ這い蹲ってる、コロンボは中腰)

    「ん?・・・んん?」
    「どうしましたミスリツカ」

    バタバタとズボンを叩きながら尋ねるコロンボ。立香は犬のようにくんくんとなにやら匂うと。

    「なんかくさい」
    「くさっ・・・?!」
    (うわ、若い子に言われたくない言葉だなぁ)

    軽く白目をむいたモリアーティにコロンボは憐みの視線を向ける。

    「汗とか加齢臭じゃないよ?」
    「そ、そうかネ?・・・しかしじゃあ何が・・・」
    「焦げ臭い!」

    コロンボは立香の言葉を受けてタバコの火を消して同じように足元に近づいてみる。
    二人して「焦げ臭いよね?」「ああ、確かに」と匂いを嗅いでいる。

    絵面は悪化した。

  • 104二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 23:07:21

    こ れ は ひ ど い

  • 105二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 23:21:18

    あーースラックスに物が焦げた匂いが染みてたのか…アラフィフのスラックスに人が群がる図がおもろいけどなかなかヒヤヒヤする場面だなここ

  • 106二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 23:22:52

    一度霊体化しておけば汚れや臭い(加齢臭以外)は落とせただろうに…(-人-)

  • 107二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 23:46:06

    「ちょ!流石に二人してなにやっとるんだネ!やめなさいよ!」
    「「うわー」」

    周囲の視線が冷たいものになっているのを見て取ったモリアーティは慌てて二人を引きはがした。

    「ふーむ、モリアーティさん。この匂いはどうされたんです?」
    「何がだね?」
    「いや、この匂い・・・私はどこかで嗅いだ気がしましてね・・・」

    モリアーティは流石に不味いと思ったのか頭の中であれこれと考え始める。この刑事はとても優秀だ。
    今も自分の一挙手一投足をつぶさに観察しているだろう。彼は恐らく魔術師連中が相手でもその理屈さえつかめば彼らを追いつめられるだろう。「ホワイダニット?」が不可欠の魔術師の事件も今となっては隣に立香がいる。彼女が事件の捜査に関与すればどのみちカルデア経由で魔術的な情報が齎されることはあり得ないことではない。
    小手先の言葉で彼を誤魔化せるとは思えない。そうなると下手に否定することは悪手だろうか。

    「そうですな、ミスリツカにもそろそろ私が此処で何をしていたか・・・明かすべき時が来たというわけですな」
    「といいますと?」
    「被害者の事について・・・その情報を知りたいと仰っていたことに関係があるとだけ言っておきましょう」

    ついてきてください、とモリアーティは二人を連れてホテルとは別に用意したアジトへと向かった。

  • 108二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:07:06

    (さて、どうにもここにきてから運が向いてこない・・・。後手に回っているからと思っていたが・・・もしかすると)

    モリアーティはこの特異点について考えながらアジトへ向かう。犯人であったはずの魔術師は早々に退場し、今度は自分が追われる立場。マスターである立香もいつの間にか、というか基本的に探偵や警察側の人間だしで色々と自分に不都合な事が起きまくる事態に作為のようなものを感じていた。

    (あの小説・・・三文小説だと馬鹿にしていたが・・・もしかするとあの魔術師もこの特異点を修正しようとしていたのでは・・・)

    火事になる少し前にモリアーティが小説の巻末に書かれていた書籍の情報を思い出す。魔術師が何故あのような俗なものを、背後に自分が立つことにすら気付かないほどに熱中していたのか。そして、もう一つ引っ掛かる事。

    あの小説は完結していなかった・・・。

    「さて、ここです。私もここで彼のことを調べていた・・・」

    アジトは古い二階建ての事務所。今は使われておらず、人通りもないので二階の事務所部分を集めた情報を集積するために使っていた。

    「調べていた、というと・・・」
    「大っぴらに明かせる身分ではないのですが、我々はロンドンにある組織の構成員でしてね。彼はその組織にマークされている存在だったのですよ」

    さもそうであるかのように、事実を混ぜて、モリアーティは言う。事実魔術師や人理機関の事など一介の刑事に話せるものでもないのであるが。

  • 109二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:11:07

    あ〜〜〜シビれる〜〜〜そうそうこうでなくっちゃ……嘘を飲み込ませるには真実も織り込まないと…これをサラリとやってのけるの、やっぱりかっこいいんだよモリアーティってさ…ごめん限界オタクになって…

  • 110二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:18:35

    スレ主なんでこんな上手いの?

  • 111二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:21:59

    >>110

    一応執筆経験はだらだらと長いからですかね。あとモリアーティが型月キャラの中では自分的に制約が少ないキャラだからだと思います。

    こんなんでも時計塔関係で二次書こうとしたら非難轟轟でしたからねw

  • 112二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:29:49

    時計塔で非難轟々…もしかして時計塔教師ぐだスレ建てて型月警察に襲撃されてた方?

  • 113二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:30:54

    パスティーシュでその名もズバリの「モリアーティ」って小説があるんだけど(作:アンソニー・ホロヴィッツ)、その巻末の説明でモリアーティは【がらんどうのキャラクター】と言われてしまってるんだよな ドイルがホームズシリーズを終わらせるために作った悪役だから…なのでスレ主が制約が少ない、って言うのもわかる気がする
    だからこそなのかスレ主、「この展開ありそう」「この手口はやりそう」みたいなのを織り交ぜてエミュレートするのがめちゃくちゃ上手いんだよな…
    良スレをありがとうスレ主 最後まで見守るぜ

  • 114二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:31:45

    >>112

    正解だ、初歩的なことだよ、友よ。

  • 115二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:33:31

    >>113

    能力的にも性格的にもホームズと同じで「なんでもできる」人なんですよね彼。

    ただ違うとすればモリアーティは「話を広げる方」ホームズは「話を閉じていく方」と思ってます。

  • 116二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:35:03

    >>115これに書きながら思い出したんですけど若い方のモリアーティは確かホームズと同じルーラーでしたっけね。

  • 117二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:35:20

    型月警察はしかたない…
    しかしモリアーティのエミュレートと事件現場というかミステリーのこの感じ本当にうまい…尊敬する

  • 118二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:36:07

    >>114

    当たった

    二次創作としては面白そうだったのに物凄い勢いで絡まれてて、久々に警察こわ…になったスレでしたね…

  • 119二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:36:48

    >>117

    リアクションがあるからこそ、というのもありますよ。ぶっちゃけ逆張りするまでもなく

    皆さんが引っかかってくれてるというか、意地悪な展開をしてますので楽しいです。

  • 120二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:39:36

    >>118

    実は上手く行けるかはわかりませんが別種も考えてるんすよ。エルメロイ二世と絡ませたいんですが事件簿読むと彼の知識量はどうにも如何ともしがたい。

    全てが終わったぐだ子に英霊たちが別れ際に「またいつか」って感じで令呪をぐだの体に刻みまくったせいで本人の意思とは無関係に生きた触媒OR魔術の秘宝化してるって設定の奴。

  • 121二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:42:38

    コロンボは半信半疑だ。そして何故か立香も半信半疑だ。何故だ!マスターよ!とモリアーティは嘆いたがポーカーフェイスで乗り切る。

    「あの男性が如何様な理由でマークされていたのかはわかりません。ですが私は彼を調べる中で彼は先に消されてしまいました」
    「なるほど、それであの時に事件現場に・・・」

    コロンボはモリアーティが被害者の身元調査の為に事件現場に潜入したのだと合点した。立香はなんか胡散臭いなぁと感じていた。視線が物語っていたのでモリアーティは立香の直感に驚きつつもちょっと傷ついた。
    モリアーティはコロンボを言いくるめつつ、リアクションを待った。
    もしも自身の予測が正しいのなら、これから起こるのは・・・。

    「さて、どうでるか・・・」
    「?・・・どうしたの?」
    「リアクションを待っているのサ」

    不敵に微笑むモリアーティに立香はこてん、と首を傾げた。

  • 122二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:42:47

    >>120

    個人的には面白そうで是非読みたいけど、それも絡まれそうなネタだなぁ…

  • 123二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:45:13

    数々の(理不尽な)事件を(力業で)解決して来たぐだの直感!
    モリアーティの日頃の行いだけかもしれない

  • 124二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:46:11

    >>122

    そこなんですよね、後はぐだ子が田舎でのんびり過ごしていたが実はぐだ子はぐだ子ではなくて彼女にあこがれた

    人外(鬼種)がそれっぽく振る舞うも限界が来て、その人外が彼女のように少しでも過ごせてよかった。ってなる話

    ・・・っていうのもありますねぇ。

  • 125二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:46:34

    絡まれそうなネタはいっその事スレ民に意見聞く形にしてみるとか
    にしてもⅡ世の知識量は幅広くて同じ事柄でも違う国の話を複数持ってきたりしててⅡ世の知識を出す部分は有識者求めたくなっちゃう

    そしてモリアーティは日頃の行いと自分の二つ名を見返せばいいんじゃないかな!!

  • 126二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:48:54

    数々のイベントで暗躍した悪の親玉系サーヴァントだ、面構えが違う

  • 127二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 00:53:48

    それじゃあ今日は一旦ここまでにしときます。なんだかんだ言って知識はいかんともしがたいので

    できるだけ使いたくない!

    でもぐだ子が令呪まみれになっててアンリマユみたいになってるのってえっちじゃない?



    >>125

    前回はそれで第四次の冬木化しましたからねw

  • 128二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 04:28:19

    ほっしゅっしゅ

  • 129二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 08:21:58

    ザダイナミクス保守テロイド!

  • 130二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 15:18:02

    終局的な保守をお見せしよう​────

  • 131二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 20:39:32

    ほしゅ

  • 132二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 21:05:26

    >>131

    かわいいw

  • 133二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 21:52:08

    そろそろ教授のNPは溜まりつつある・・・

  • 134二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 21:56:24

    エモいけど令呪は英霊が刻むもんじゃなくね(警察)

  • 135二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 22:21:05

    >>134

    また未発表作品が増えてしまった・・・

  • 136二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 22:22:54

    >>134

    物のついでなんだけど四次の神父が令呪たくさん持ってたのってなんでだっけ?

  • 137二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 22:25:37

    >>134

    フェイトシステムの延長でって解釈しようかなと。教会とかルーラーみたいな解釈してもいいし。

  • 138二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 22:28:20

    >>137

    もっと言うなら契約をカルデアから立香個人に移行して皆が寄ってこってパスを繋いだって形でもエモい

    魔力リソースとシステムはほら・・・神代の魔女とか余った聖杯がたくさんあるじゃろ?

  • 139二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 22:30:27

    >>136

    以前の聖杯戦争で消費されなかった分を(教会が)回収した…んだっけ?

  • 140二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 22:32:24

    >>139

    調べた限りではそうらしいですな、令呪は契約したら刻まれるんだから結局英霊が刻んだようなもんでしょ!(暴論

  • 141二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 22:38:13

    このレスは削除されています

  • 142二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 22:39:28

    >>140

    英霊が刻めるなら第一次聖杯戦争は失敗しないです(令呪システムなくて制御不能)

  • 143二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 22:40:59

    とりあえず一旦区切りますよー、また前みたいになってきたし
    そろそろ本編を書きたいのでネ!

  • 144二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 22:45:24

    あいあい、まぁこうなるからぐだ鬱・厄ネタは厳しい(苦笑)

  • 145二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 23:07:37

    リアクション。まるで誰かに向けているような口ぶりに立香はさらに胡乱なものを見る目でモリアーティをみている。

    「信じていないようだネ、しかしきっと何か起こるサ」
    「えぇ・・・本当にござるかぁ・・・?」

    モリアーティは半ば確信のようなものを持って、ある一点を見つめていた。
    それは入口にほど近い、暗がりの一角。丁度入口から入ってきた誰かが息をひそめているのにぴったりな場所を。

    「彼は一体何を言ってるんです?」
    「さあ?」

    コロンボもさすがにワケがわからないといった様子だし、もちろん立香もそうだ。

    「事件の真相を握る存在がいるとか?」

    立香がふと、そうつぶやいた時。

    『そう、つまるところそういうことなんだよ。ミスリツカ』

    カツン、と革靴の踵が床を叩く。モリアーティが見つめる物陰から姿を現したのは・・・

    「ホームズ・・・!」
    「やはり現れたな、お邪魔虫め」

    世界唯一の顧問探偵、カルデアの経営顧問であるシャーロックホームズ。満を持しての登場である。

  • 146二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 23:19:03

    立香とコロンボが突然現れたホームズに仰天している最中、モリアーティは表情を険しくする。

    「やはりな、どうにも後出しの情報や罠が多いわけだよ。相手が魔術師ばかりだとおもっていたが・・・」

    その実、とモリアーティは続ける。

    「この場所そのものが私の敵、というより邪魔をしていたわけだ」
    「さすがの名推理だ、教授。なら私が此処に来た理由もご存じと見ていいのかな?」

    ホームズはステッキを手に不敵に、いつものように微笑んでいる。

    「もちろん、事件の犯人・・・というよりこの騒動の根本的な原因だろう?わかっているとも!」
    「え、じゃあやっぱり嘘じゃなかったんだ!」
    「ミスリツカ、嘘だとおもってたのかね・・・」

    モリアーティは口には出さないでほしかったと思いつつもこの数日間と今に至るまでに起こった出来事の
    経緯を語り始めた。

    「まず、この調査に来て最初に思ったのは『なんでもスムーズに行き過ぎる』ということだった」

    モリアーティは細部と目的を上手くぼかしながらもこの場所の「不思議さ」を説いた。

  • 147二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 23:31:53

    「人を探して、素行を調査して、そして居場所を突き止める・・・これが一体どれくらい時間がかかることかわかるかね?」
    「うーん・・・確かにかなりかかると思う」
    「端末も警察も使えないとなるとかなり難しくなるだろうね」
    「そうですな、顔と名前を知っていても時間はかかるもんだ」

    モリアーティの問いかけに三者三様の言葉が出る。それに対してモリアーティは笑って答える。

    「そうだろう、自分もそれなりにと思っていたが・・・人を雇って初日だったよ。追いかける準備も含めて数日だ。あっという間に全ては片付いた」

    まるで蛇口を捻ったように情報や居場所が集まり・・・そして

    (そう、彼を始末するのもネ)

    魔術師を〇害するのもだ。しかしそれからだった。急にすべての進行がストップした。

  • 148二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 00:02:50

    それだけではない。突然、まるで集められたかのように自身の周囲を脅かし始めた探偵たち。
    そして彼らは全て、ある意味魔術師を相手どって戦える「精神分析」タイプの探偵ばかりだという事。
    これが科学捜査だったら?ロジックの方向性が違ったら?それらは魔術で、ずらされた死亡推定時刻で全てが終了したはずだ。

    しかしである、これだけでも当然ながらモリアーティならこれを退ける術はある。あるのだが・・・。

    (身内が関わりだしたんだよネ・・・)

    事もあろうにマスターである立香が探偵たちと絡みだしたのである。本来であれば魔術的な証拠隠滅方法を取れば彼らを手玉に取ることも容易く、あと一歩まで迫ったとしても追いつくことはできないはずだった。
    しかし一応、ほぼ一般人とはいえ魔術に触れている人間が居ればすべてが変わってくる。
    下手に魔術で隠蔽すれば調査されてバレる状況になったばかりかなんなら立香が暴露しかねない状況になった。
    身内が調査したりバラしたりしかねず、しかも自分が動けば後出しで色々なアクシデントが。
    極めつけはそんな自分を追い込む忌々しい探偵連中が大挙して押し寄せたこと。

  • 149二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 00:16:53

    「これほどの悪意の塊といってもいい状況が起こりうるかと問われればそれは否である」
    流石に都合が良すぎるからネ!とモリアーティは不機嫌に呟く。
    「となるとだ、これらは全てこの事件を俯瞰している第三者の仕業と考えるのが妥当だ」
    「第三者・・・?」

    立香はまだピンと来ていない様子だったがホームズは待ってましたとばかりに立香の隣に立った。

    「初歩的なことだよ、ミスリツカ」
    「ムキ―!恰好つけるんじゃない!私が説明してるでしょうが!」

    不機嫌なところに宿敵の横やりが入ったからかモリアーティは不満をあらわにした。
    しかしそんなことはお構いなしにホームズは語り始めた。

    「この特異点はそもそも誰によってつくられたか?ミスリツカはどういった理由かちゃんと聞かされていなかったのでは?」
    「うん、確かに・・・!」

    立香は今回のレイシフトに関しては『現代に近い時代』で『魔術師がいる』特異点だとしか聞かされていなかった。
    ダヴィンチがはぐらかしたのも大きな理由だったが彼女はとにかくカルデアのメンバーで仕事だからという理由でここにきている。

    「私の身に起こったことと教授を取り巻く環境こそがそれを物語っている」
    「それ?」
    「特異点の犯人、その思惑さ」

    ホームズはモリアーティと立香を交互に見ながら実に面白いことだ。と続ける。

    「ミスリツカ、ここは既に物語の中なのだよ」
    「物語の中?」
    「私の行動も、そこのお邪魔虫の行動も、全て黒幕にコントロールされたものだったということサ!」

    今度はモリアーティが割り込んで説明する。

  • 150二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 00:29:41

    今日はここまでにしときます。次かその次で決着かな?

  • 151二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 00:31:58

    乙でした
    つまり犯人はスレ主(違…?)

  • 152二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 01:15:30

    自分の望み通りの推理小説を楽しみたい、っていう厄介ファンがこの特異点の犯人なのかな〜 ファンの嘆願(ほぼ○害予告に近い)を受けてシリーズを復活させたドイルの事もあるし

  • 153二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 01:41:55

    乙でした
    面白いです!

  • 154二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 09:37:21

    保守(ジャック)だ!

  • 155二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 14:47:10

    キング!!

  • 156二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 21:56:25

    コントロールされている。とどのつまりこの空間、この状況は二人の言う誰かによってつくられた。
    姿も見せずにどうやって?

    「でも、それなら教授やコロンボさんに見つからないのはどうして?」
    「初「初歩的な事だヨ!」」

    被せながらモリアーティはつづけた。ホームズはステッキの素振りを始めた。

    「ミスリツカ、私が人に遅れを取るような人間に見えるかね?」
    「まあ、この手に話ではそういう風には見えないけど・・・」
    「しかし実際は悲しいかな、このように私は後手に回り続け・・・こんな奴まで呼ばれる羽目になった」
    「アラフィフだから衰えたとか?」
    「ひどい!」

    ガビーン!とわかりやすくリアクションをしつつもモリアーティはその言葉を否定した。

    「そうじゃないさ、そうじゃないとも!」
    (大事な事だから二回言った!)
    「しかしまあ、結論からすればこれはかなり陳腐なことなんだ。まあ、そうだろうなとしか言えない」

  • 157二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:05:33

    「そうだろうって・・・何が?」
    「ミスリツカ、これは教授の言う通り、わかってみればなんてことはない」

    ホームズは召喚された理由と、モリアーティがこうしてコロンボに疑われていることを加味してつづけた。

    「犯人は『魔術師』ではないが、魔法使いみたいなものなのさ」
    「魔術師ではないけど魔法使いって・・・?」
    「魔法使いというとややこしいか。ではこういうとしよう『デウスエクスマキナ』とね」
    「でうす・・・?」
    「機械仕掛けの神様って奴ですな、物語の展開やオチを担当する・・・」

    ホームズの言葉をコロンボが補足する。デウスエクスマキナ、これが意味するところとは・・・

    「つまりだ、事件の黒幕は『特異点そのものを小説の舞台』にしているのサ。そして、展開の為にあれこれと仕掛けを作って私達を罠にハメた」
    「私達って?」
    「殺された哀れな魔術師さ、彼もまたこの特異点で舞台装置にされてしまった被害者だったんだよ」

  • 158二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:09:55

    特異点作成した黒幕じゃなくて被害者役だったのか
    そりゃ殺したところから事態が動き出すわ

  • 159二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:11:05

    考えてみれば殺人事件って人が殺されてから始まるもんな そういう事か〜〜〜

  • 160二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:16:02

    ええんか!?ナチュラルに魔術師言うて!?まあええか…

  • 161二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:19:42

    「この特異点は物語の展開の為に魔術師を死に追いやり、コロンボ警部が私に到達するように目撃者や情報提供者を減らし・・・ミスリツカと会うように仕向けた」
    「じゃあアケチさんたちと会えたのも?」
    「その通り、物語を展開し、動かしてくれるピースを選び出す為に彼らは導かれて登場したとみて間違いない」

    ホームズはそこまで言いながらもふぅ、と溜息をついた。

    「だがだからこそ我々はこう言わざるを得ない。『陳腐』だとね」
    「どうして?」
    「この特異点の主は教授を扱い切れなかったのさ」
    「そうとも、この程度の捜査や証拠では私は捕らえられない」

    モリアーティはホームズが出てきたこと、そしておそらく黒幕が『クライマックス』を紡ぎ出していることを察して演技をやめた。

    「あの哀れな魔術師の為に警察がいくら動いたところで私を逮捕はできないのだよ。証拠もない、人物の接点も消えた。私はただあの時、全てが終わった後に現場に忍び込んだに過ぎない」
    「じゃあ事件の犯人って・・・」

    立香はモリアーティを見、そしてホームズを見たがホームズは首を横に振った。

    「彼が自供したところでなんの証拠にもなりはしないさ、我々は一般人の常識に当てはまらない。科学捜査をしたところで証拠はでないだろう。足跡だってそれが事件の真相を暴くには弱すぎる。せいぜいが捜査の妨害・・・いうなれば物語の決着には程遠い結果しか導き出せないんだ」
    「つまり、この事件は物語にとって迷宮入りを待つだけの不良債権と化した・・・?」
    「その通りさ、ミスリツカ。この特異点の主が扱うには彼は少々・・・頭が切れ過ぎるということだ」

  • 162二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:24:20

    神秘が介入してる時点で推理小説にはならんよな

  • 163二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:30:22

    会話から事件の凡そを察したコロンボはモリアーティを睨むが彼は微塵も動揺した様子もなく・・・

    「コロンボ警部、よくもまああんなひどいストーリーの中からここまでこれたものだ」
    「・・・つまり、あなたが?」
    「ああ、そうだ。私が彼を始末したよ」

    証拠も何もないがね。と悪びれる様子もなくそう言うとモリアーティは引き出しからグラスと上物のウィスキーを取り出した。

    「さて、結末はどうなるか分かったもではないがひとまず乾杯といこうじゃないかネ」

    グラスにウィスキーを注いで、まるで仕事の終わりにそうするかのように一口に呷った。

    「ふぅ・・・さて、ホームズ。今回は私の邪魔も、逮捕もできないわけだが他に何かあるかね?」
    「そうだね、強いて言うなら・・・君はまだこの特異点の主を把握しきれていないということだ」
    「?」

    モリアーティは不思議に思いつつ、急にポケットが重くなったのを感じた。

    「実を言うとこの小説の元・・・おそらく君も読んだと思うが、ジャンルを見たかな?教授」
    「ジャンル?サスペンスだったはずだが?」
    「ああ、だがこれはこの展開をわずかに許容しうる要素があったんだ」

    ホームズはそう言うとモリアーティが事件現場で見た小説を取り出し、ジャンルを読み上げる。

    「ボヤのせいで著者は読めないが・・・ジャンルに関する記述は残っている。『サスペンス』と・・・」
    「と?」
    「『コメディ』」
    「「「は???」」」

  • 164二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:32:27

    \ドッ/

  • 165二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:34:38

    犯人たちの事件簿的な……?

  • 166二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:35:45

    モリアーティは不思議な空間に迷い込んだ立香とコロンボを他所にこっそりグラスを置いて
    急に感じたポケットの中の重量を確かめた。

    「・・・」

    中から出てきたのは掌サイズの棒にスイッチがついたもの。よく見るとメモが巻いてある。

    「・・・」

    メモを見た教授は、メガネを外して目を擦ってからもう一度読むと・・・。

    「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

    スイッチを投げ捨ててキレた。

  • 167二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:39:31

    爆発オチ用スイッチ?(ポチッとな)

  • 168二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:45:14

    「これはいけない、ミスリツカ、ミスターコロンボ。こちらへ!」

    ホームズに促されるまま二人が入口に向かうと・・・。

    「こんなふざけた結末があるか!サスペンスを舐めるなぁ!」

    モリアーティはキレたまま宝具を取り出して叫ぶ。

    「な、なんだありゃ!」
    「やばいやばい!」

    三人が慌てて外に飛び出すと同時に事務所の壁が吹っ飛び、ライベンバッハを構えたモリアーティがこめかみに青筋を立てながら立っていた。

    「こうなったらホームズ!貴様を抹殺してここにもう一度犯罪シンジケートを作るまでだ!本格的なサスペンスというやつをこの特異点に刻み付けてやるぞ!」

    派手に弾丸をバラ撒きながらホームズに銃撃を加える中、コロンボと立香は遮蔽物に身を隠しながら状況を見守るしかなかった。

    「さて、教授!クライマックスだ!派手に散る準備はできたか!」
    「抜かせ!今度は一人で滝つぼに落ちる番だ!ホームズ!」

    爆発と銃撃音が響く。

    「ひゃー!こりゃ戦争だ!」
    「ひー!」

    二人が姿勢を低くしていると立香の元に一枚の紙切れが。

    「なにこれ・・・」

  • 169二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:49:26

    紙切れには短く『ここで自爆!』と書かれていた。

    「?・・・いてっ」

    何度目かの爆発に伴って飛んできた『何か』が立香の頭を直撃した。それを何かと拾い上げてみると先ほどのスイッチだった。

    「自爆・・・スイッチ・・・ああ、なるほど」

    ホームズとモリアーティの言葉を聞いていた立香はようやく状況を納得し。

    「ポチッとな」

    「しね!ホームズ!『終局的犯罪ザ ダイナミクスアンアステr』ぎゃあああああああああ!!!!」

    宝具展開の為に距離を取ったモリアーティが事務所に近づいた瞬間。建物は爆発した。

  • 170二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:51:47

    ホームズにすごい八つ当たりしているけどこれは仕方ないわ。

  • 171二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 22:54:33

    マスターにやられたならちかたないね

  • 172二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 23:10:31

    爆発に巻き込まれた教授は派手に吹っ飛ぶと地面に大の字になった。
    「な、なにが起こった・・・?」
    「クライマックスといったろう?教授、オチというやつだ」

    揺れる視界と燃える事務所で状況を把握したモリアーティは

    「爆発オチなんて・・・サイテー・・・」

    そうつぶやいて力尽きた。

    「・・・なんだったんだ」
    「そうですね・・・」

    奇天烈な事件に巻き込まれたコロンボはぼんやりと大変な状態の事務所と空き地を見て頭をかくしかなかった。
    周囲ではやってきた警察の護送車がモリアーティを詰め込んでいるのが見える。

    「ミスリツカ、お手柄だ」
    「お手柄なのかなぁ・・・」

    モリアーティが悲惨な目にあってニコニコなホームズはパイプを取り出してぷかぷかと蒸かしながら笑顔で立香を労う。立香は少し複雑な気分でそれを聞いていたがホームズが吸っているパイプの煙を吸い込んで咽た。

    「ゲホゲホ!」
    「おっと、すまない。大丈夫かい?」
    「うう、それなんか変な匂いしますよ!」
    「そうかね?」

    隣に立っていたコロンボもその匂いを嗅いで少し唸ると・・・。

    「すみませんがホームズさん、そのタバコはなんですか?」
    「これかね?アヘン・・・あ」

  • 173二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 23:13:11

    ご禁制の時代であったか

  • 174二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 23:14:48

    特異点の時代が現代に近いのでアウトですね。

  • 175二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 23:19:18

    「・・・阿片は何十年も前に違法ですが?」
    「・・・」
    「ちょっとお話を聞かせていただいてもよろしいですかね」

    モリアーティが護送車に詰め込まれる瞬間を見たのがよほどうれしかったのか口を滑らせたホームズは同じ護送車にのって警察署に向かう羽目になった。

    「さて、困ったことになったな」
    「・・・」

    幾分か回復したらしいモリアーティが憎たらしいくらいの笑顔でホームズを見ていた。

    「何かな?教授」
    「ぷっぷー!ざまーっ!格好つけといて自分も捕まってやんの!」

    頬を膨らませて噴き出しながらモリアーティのNDKが始まった。

    「はっはっは!ざまぁ無いネ!」
    「・・・バリツ!」
    「いってぇ!お巡りさーーーん!ヤク中が暴れてますぅ!!助けてー!」
    『静かにしろ!犯罪者どもめ!』


    「ミスリツカ、気を強く持ってくださいね・・・」
    「はい・・・」

    どっすんばったんと左右に蛇行しながら遠ざかる護送車を立香はコロンボに慰められながら死んだ魚のような目で見送った。

  • 176二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 23:30:08

    いつもの事だな!ヨシ!

  • 177二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 23:41:38

    とりあえずホテルに戻った立香に通信が入った。誰からかと思いながら繋いでみるとダヴィンチだった。

    「ダヴィンチちゃん?」
    『お疲れ様、なんか色々とおかしなことになったけど特異点は緩やかに集束しつつある。これなら時間が経てば修正されていくはずだよ』
    「うん・・・けど二人が逮捕されちゃったんだけど・・・」
    『え・・・嘘・・・なんで?』

    それはこっちが聞きたいと思いつつ、リツカは帰り支度を始めた。特異点が修正される以上此処にとどまる理由はない。彼女が出会った名探偵たちはそのまま、本人も気付かない内に元の時代に戻って行くんだろう。
    二人は英霊なので特異点が修正されればいるはずのない二人は自動的にはじき出されてカルデアに帰ってこれるはずだ。

    「はあ・・・体は殆ど動かしてないはずなのになんだか疲れた・・・」

    立香はカルデアの私室に戻る最中、いつものようににぎやかなジャック達がバタバタと走っていくのを見ているとふと、ナーサリーライムが立香の周りをまわって嬉しそうに微笑んだ。

    「マスター、素敵だわ!私のお仲間に会ったのね!」
    「ナーサリーの仲間?」
    「そうよ、物語が形を取った、不思議な存在!とっても不思議で、とってもステキね!」

    ナーサリーライムはそう言うと笑顔のままジャックたちを追いかけてまた走っていってしまった。

    「ナーサリーライムと同じってなんのことだろう」

    首を傾げながら立香は私室へ入る。すると一冊の本と四角い小包がいつの間にか置かれていた。

    「本?・・・包装紙に包まれてるけど・・・」

    包装紙にはテープでカードが貼り付けてあった。

  • 178二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 23:49:44

    親愛なる読者様へ
    此度は皆さまの度重なるご愛顧により無事完結を迎えましたことをここにご報告させていただきます。

    そう書かれたメモを見てから包装紙を剥すと・・・

    「ぶっ!」

    表紙が明らかにモリアーティとホームズだった。囚人服を脱いで脱獄を試みる二人が描かれている。

    『へんてこ教授ととんでも探偵。最後の大脱獄!』

    タイトルにはそう書かれていた。噴き出しながら内容を見ると捕まったライバルの二人が脱獄を成功させて家に帰るという流れを面白おかしく描いたものだ。

    「面白いかも・・・」

    読み進めていると私室にノックの音と共にマシュが入ってきた。

    「先輩、お疲れ様です。特異点の修正とのことでしたが・・・」
    「うん、なかなか終わってみると大変だったような気がする」

    そう言った立香に労いの言葉を掛けつつマシュはベッドに置いてある本に目が行った。

    「先輩、本を読んで・・・あ、これ見たことあります!」
    「そうなの?」
    「そうです!ずっと未完で終わったと思っていたのに・・・最終巻があったんですね!先輩もこの作品のファンなんですか?」

    レアなんてものじゃないですよ!とマシュはどこか嬉しそうだ。立香は不思議なこともあるものだと思ったがマシュが嬉しそうなので気にしないことにした。

  • 179二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 00:00:00

    後日、同じく届いた小包の中身に立香は驚き
    作者の顔が始末した魔術師の顔と同じだったことを帰ってきたモリアーティから聞かされ、そして作者は遠い昔に亡くなっていることがわかりさらに驚くことになる。

    「じゃあこの小説を完結させたのって・・・」

    その時に立香はナーサリーライムの言葉を思い出した。

    『私のお仲間にあったのね!』

    「そっか、あの特異点は誰かにこの小説を完結させてもらうためのものだったのか・・・」

    魂を籠めた作品には魂が宿るという。魂の宿った作品が作者の遺志を継いで作品を完結させたのだろうか。
    それを可能とした理由こそが小包の中身。

    「作品に込められた魂が聖杯の力を借りて特異点を作っていたんですね」
    「そこまでして完結させたかったのか・・・」
    「でもこれ、ふふっ・・・面白いですよ」

    マシュは未完で終わっていたはずの作品が無事完結を迎えたことにご満悦だ。
    立香はそんなマシュの笑顔を見て

    (確かにこんな風に人を笑顔にできるならやりたくもなるか・・・)

    そう思うことにした。現実は小説よりも奇なり、である。
    しかしその奇は時として人を喜ばせるもの。だからこそ、作家はペンを取るのである。
    奇なる現実を模した虚構を記すために。そうして人々の感情を豊かにするために。

  • 180二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 00:04:43

    それから数日後、横縞のストライプの囚人服で帰ってきた二人を見て立香は爆笑した。
    その姿を見て酸欠になり、生死の境を彷徨うことにあるがそれはまた別の話・・・



          完

  • 181二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 00:25:25

    終わった…!完結まで見届けられて良かった…

  • 182二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 00:27:18

    面白かった〜!!お疲れ様でした!!!

  • 183二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 00:28:08

    ホームズまで捕まるのは想定外でしょこの作者も

  • 184二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 00:32:40

    完結乙でした!
    元からサスペンスコメディのシリーズだったのかな

  • 185二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 00:37:32

    個人的にホームズも揃っての豚箱エンドは早々に思いついてましたw(スレ主

  • 186二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 00:38:45

    明日の夜まで落ちてなければ次回作の構想なんかをちらっと書いてみるのでまた探してください。
    ではでは

  • 187二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 07:00:45

    毎日の楽しみだったから更新がないと寂しくなるな…
    めちゃくちゃかっこよくモリアーティを書いてくれてありがとうスレ主 お陰で完全体を目指すモチベが上がってきた

  • 188二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 10:07:00

  • 189二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 14:45:02

    久々に笑えた良いスレだった。スレ主ありがとう!

  • 190二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 16:48:19

    良いスレだった

  • 191二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 18:54:56

    モリアーティの胡散臭さも論理的なところも黒幕の動機も
    マスターとの絡みも探偵に会うたびに嫌そうにするところもオチも好きだった
    良いスレをありがとう

  • 192二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 21:50:24

    感想コメント感謝感激!

    とりあえず次回作というほど大それたヤツではないんですが

    1、令呪まみれになった旅から帰還したぐだ子
    2、ぐだ子の姿を借りた鬼の一生

    がストーリー系の投稿で小ネタとして
    「先輩、此処では最初に大声を出した人のセリフが語尾になってしまうそうです(小声)」
    「あきれかえるほど異聞帯が平和だったら(タイトルと説明文カービィパロ)」
    を考えてます。

  • 193二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 23:13:27

    カービィパロおもろそう

  • 194二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 23:39:26

    >>193

    ブリテンパロ少しやったんだけど皆して「どうしてこうならなかった・・・」が続いて頓挫したっていうね!

  • 195二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 23:42:33

    >>62描いたりパスティーシュを紹介したりしたモリアーティの限界オタクです。色々環境が変わって不安な中このスレを見かけて、毎日の楽しみとしてみてました。推しをかっこよく書いてくれてありがとう1……これからも素敵な作品を書いてね

  • 196二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 00:07:22

    >>195

    ありがとうございます!別作を見かけた時、確信が持てたら「時計塔ぐだ子で爆死した人ですか?」と聞いてくださいw

  • 197二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 11:43:26

    面白いスレをありがとう

  • 198二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 11:52:26

    1スレでまとまったいい話だった!

  • 199二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 12:19:52

    良いスレだった

  • 200二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 12:23:50

    200ならモリアーティが大爆発!!

オススメ

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