- 1君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/09(土) 15:27:35
- 2君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/09(土) 15:29:20
【前回までのあらすじ】
21歳になったキンペイバイはラジオパソナリティーとして活躍し、順風満帆な結婚生活を送っていた。
お腹には夫との子が育っており、ついに出産の時を迎えるのであった。 - 3君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/09(土) 15:29:40
【おさらい】
キャッチコピー>ミニマムボディの白金少女
誕生日>12月21日
身長>131cm(デビュー時)→136cm(ラストラン)
体重>片方でスイカ1玉分
スリーサイズ>B104・W52・H86(デビュー時)→B117・W54・H92(ラストラン)
※ハリ88%・柔らかさ12%
靴のサイズ>18.5cm
学年>中等部
所属寮>美浦寮
得意なこと>体幹が強くかなり柔らかい・家事(特に掃除)
苦手なこと>同性との付き合い・お菓子作り
好きな食べ物>ミルクアイス
嫌いな食べ物>豆乳
趣味>ピアノ・コスプレ
出身>鳥取県
耳のこと>左右で大きさが違う
尻尾のこと>短めだがブワッと広がっており、触り心地がいい。とても敏感であり、どうなるかは教えてくれなかったが、尻尾の根本は決して触れてはいけないらしい
家族のこと>一人っ子で母子家庭。家族仲は普通。母は売れない小説家、30半ば
相部屋>シンボリルドルフ
ヒミツ①>人に頼られるととても嬉しい
ヒミツ②>寝言がうるさいタイプ
最近の悩み>足元が見えにくいのでよくつまづく
脚質>追込
得意距離>中・長距離
CV>能登麻美子
- 4君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/09(土) 15:30:27
【募集中】
エンディングを迎えたキンペイバイ。現在のスレッドは所謂エピローグであり、書くべきものが終わり次第この一連のスレは終了となります。ご要望等ありましたらなるべくお早めにお気軽にお寄せください
※終わらなそうだったのでもう1スレ続くんじゃ - 5君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/09(土) 15:30:48
【募集中】
キンペイバイの産駒の名前を募集しています。
下記のリストにある組み合わせからお好きな数だけ選んでお好きなお名前をお出しください。同一の組み合わせに複数個のアイデアが届いた場合はスレ主の好みの方かダイスによって決めます
(例)
第1子(父:タイキシャトル)
名前:○○○○○○○○(9文字以内)
コメント:名前の由来、容姿の想像等、お好きなことをお好きなようにお書きください。未記入でも結構です - 6君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/09(土) 15:31:14
【キンペイバイ産駒一覧】
1.G1複数勝(牝 父:タイキシャトル)
2.GⅡ複数勝(牡 父:タニノギムレット)
3.OP勝ち(牝 父:ダイワメジャー)
4.G I複数勝(牝 父:マヤノトップガン)
5.GⅡ1勝(牝 父:シンボリクリスエス)
6.OP勝ち(牝 父:ダイワメジャー)
7.OP勝ち(牡 父:メイショウポーラー)
8.G I複数勝(牡 父:キングカメハメハ)
9.OP勝ち(牡 父:ディープインパクト)
10.OP勝ち(牡 父:ドゥラメンテ)
11.GⅢ1勝(牝 父:エピファネイア)
12.OP勝ち(牝 父:シュヴァルグラン)
13.G I1勝(牡 父:カルストンライトオ)
14.GⅢ複数勝(牡 父:ドバウィ)
15.G I複数勝(牝 父:パンサラッサ)
16.G I複数勝(牡 父:イクイノックス)
17.OP勝ち(牝 父:オルフェーヴル)
18.GⅢ1勝(牡 父:イクイノックス)
19.G I複数勝(牡 父:コントレイル) - 7君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/09(土) 15:33:28
頂いたお名前の案
(【確】はSS登場済み)
【確】1.G1複数勝(牝 父:タイキシャトル、才能98) イリフネ(前スレ135)
【確】2.GⅡ複数勝(牡 父:タニノギムレット) グレンリベット(前スレ127)
3.OP勝ち(牝 父:ダイワメジャー) スキップビート
4.G I複数勝(牝 父:マヤノトップガン、才能95) レガシーホーネット / アクセルスイーパー(前スレ146)
5.GⅡ1勝(牝 父:シンボリクリスエス)
6.OP勝ち(牝 父:ダイワメジャー) シーオブラブ
7.OP勝ち(牡 父:メイショウポーラー) スネークアイ
8.G I複数勝(牡 父:キングカメハメハ、才能98)
9.OP勝ち(牡 父:ディープインパクト) ディープラム
10.OP勝ち(牡 父:ドゥラメンテ) マイポテンシャル
11.GⅢ1勝(牝 父:エピファネイア)
【確】12.OP勝ち(牝 父:シュヴァルグラン) ビッグドリーミン
【確】13.G I1勝(牡 父:カルストンライトオ、才能88) ターキーバス
14.GⅢ複数勝(牡 父:ドバウィ)
15.G I複数勝(牝 父:パンサラッサ、才能96) サイユウキ(前スレ122)
16.G I複数勝(牡 父:イクイノックス、才能92) Pay by Gold
【確】17.OP勝ち(牝 父:オルフェーヴル) トーキョーバニー(前スレ124)
18.GⅢ1勝(牡 父:イクイノックス)
19.G I複数勝(牡 父:コントレイル、才能99) コウロウム(前スレ153) - 8君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/09(土) 15:34:29
上記で【確】がついていない子に関してはすでに名前が出ていても新しいお名前や設定は随時募集中です。
(最終決定は描くべきものが全て終わった時にします) - 9君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/09(土) 15:38:49
皆様の応援のおかげでpart15まで辿り着いてしまいました。大変に嬉しく思っています。
現在は大人の時間軸ですが、トレセン在籍時代でやって欲しいことも勿論募集中です(現役・引退後・DTL問わず)また、この時間軸のこういうお話が見てみたい、こういうダイスを振ってエッチな感じにしてみたいな具体的な要望があると個人的にすごく助かります。
また、現在諸事情で通信環境が不安定なため特に夜間はスレの更新ができない場合があります。あらかじめご了承ください - 10二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 15:42:40
たておつ
- 11君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/09(土) 18:12:09
- 12二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 18:18:17
学生時代に現夫とそういう空気になりかけるやつ
オチは親登場で
(もうありますかね?) - 13二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 21:41:25
もっと妊婦姿のペイバイちゃんのイラストが見たい…-
- 14二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 21:43:34
途中までは追いかけてたんだけど見なくなって気がつけば15スレか…
すごいな1。神絵師も素晴らしい
俺の性癖にどストライクだから本当にキンペイバイちゃん大好きだ
ありがとう1 - 15二次元好きの匿名さん24/11/09(土) 22:20:14
たておつなのですぜスレ主、私はラジオパーソナリティ案が採用されて嬉しいぜ……
名前が出てない産駒たちについては実子/直接指導した後輩じゃなくても、何か運命を感じさせるような偶然の出会いって形でもいいかも(たまたま番組のレース特集コーナーで取材対象だった、カフェで偶然相席になって仲良くなった、元少年現夫の教え子として入って来た…etc) - 16二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 07:38:04
DTLで後輩と走るキンペイバイでお願いします
誰と走るかはお任せします - 17君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/10(日) 14:56:33
【Side 学生時代】
ラストランである有馬記念にて有終の美を飾り現役を引退したキンペイバイは現在、後輩の育成に尽力するとともに、様々なことに挑戦していた。
例えば、ラジオでの解説。生徒会もといルドルフからの勧めで最近になって始めたばかりなのだが、これが意外に好評であり自分の小さな体格が仕事の出来栄えに影響しないというのもキンペイバ的には嬉しい事であった。まだ始めて数ヶ月程度であるが、将来この職に就いてもいいかもなとそう思えるほどには気に入っていた。
そして勿論、少年との恋愛関係も少しずつではあるが進展していた。
時には少年の陸上大会に応援に行ったり、時にはキンペイバイのコスプレイベントに少年がお手伝いに来てくれたり、お互いに支え合いつつ暇を見つけては手を繋いでみたりピッタリとくっついてみたりと誰がどうみてもお熱い学生カップルそのものである。
無論、外でもそんなふうにしていると当然、ファン達にもその様子は知られるもので、その手のファンの人達に罵倒を浴びせられる……という事はなく、むしろ歓迎と祝福ムードであった。というのも、イップスから復調し今では全国大会でも注目株になるほどになった少年が雑誌インタビューにて「今1番感謝を伝えたい人は誰か」という質問に対して、名指しで彼女の名前を挙げたり、府中に住むレースファンの方々がリハビリ中のキンペイバイと少年の様子を度々目撃していることもあって、むしろくっつかない方が不自然だろうと純愛過激派が幅を効かせる事態にまでなっているのだ。
そんな事などつゆ知らず、今日も2人はお互いの予定のない休日を2人きりで過ごしていた。とはいっても、どこかへ行くという用事もなくダラダラと少年の部屋で勉強したりゲームをしたり寝転がったりと、怠惰で素晴らしい1日を謳歌していた。
少年としてはもう既に何度か家に案内しているし、昔からよく遊んでいたこともあって年頃の女の子、しかも彼女が自分の部屋で無防備になっている事に確かに己が内の獣が高鳴っている事は感じていたが、抑え込めないほど酷いというわけでもなかった。 - 18君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/10(日) 15:01:59
酷いのはむしろキンペイバイの方である。春が終わり夏が近づいてくるこの季節、彼女のウマソウルが本能を刺激する「フケ」は現在最高頂。今はまだなんとか自我を保てているが、その心の内では番を求める煮えたぎった本能と繁殖に対する原始的欲求が高まり鼻息が荒くなっていた。
そもそも、フケ自体にキンペイバイの落ち度は無く、むしろこうして不用心に自分を部屋に上げたり、いつもと変わらない距離感で話しかけてきたり、ホラーゲームでビビって密着してきたり一々キンペイバイの琴線に触れるようなことをしてくる少年が悪いのだ。
そう全く正当性のない言い訳を考えなければどうにかなって間違いを起こしてしまいそうだった。
「ねぇ、キーちゃんどうしたの?もしかして具合悪い?」
鼻息が荒く、頬が高揚し赤くなっているキンペイバイの様子に少年も違和感を感じたのだろう。もしかして風邪か何かではないかと、小さな幼馴染の額に手を当てて熱を計ったり目線がしっかりしているか顔の前で手を振って確認をしていた。
「ちょっと熱っぽいかな…?座ってるのもアレだよな…キーちゃん、ちょっと持ち上げるね」
そう言うとヒョイっとキンペイバイをお姫様抱っこの形で持ち上げ、自分がいつも使っているベッドに彼女を横たわらせる。
キンペイバイの鼻腔に流れ込んでくる少年の匂い。その匂いで余計に本能が刺激され、押さえつけなければいけない欲求が強まり脂汗が滲んでくる。
そんなキンペイバイの事情など知る由もない少年は、汗のひどい彼女のためにタオルやら冷えピタやらを持っていこうと一階へと向かおうとした、その時であった。後ろへと引っ張られるような感覚に振り返ればキンペイバイが少年のTシャツの裾を掴んでいた。
きっと、1人では不安なのだろう。すぐに戻ってくる、そう言って離してもらおうと少年が口を開こうとしたその瞬間、少年の体がいきなり引っ張られ、一瞬中を舞い、気づけばキンペイバイの上に覆い被さるようにしてベットの上にいた。 - 19君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/10(日) 15:04:03
ベットのスプリングによる反発力や化学繊維のものとは明らかに違う柔らかさと暖かさを感じ、顔を上げるとそこにあったのは衣服に包まれた巨大な双子山。少年は運悪く、顔を彼女のOカップの爆乳に着地させてしまったのだ。高反発まくらよりも高反発でブラをつけなくても形を保っていられる見事なそれは確かな柔らかさと絹よりも心地の良い手触りを持ち、触れたもの全てを虜にしてしまうまさに魔性の乳。その爆乳の谷間から香る汗やらなんやらの甘ったるい匂いを思いっきり吸い込んでしまった少年は一瞬クラッとしながらもこれ以上負担をかけまいと次の瞬間には起き上がっていた。
そして目が合う。熱にやられうっすらと涙を浮かべこちらを憂いを帯びた表情で見つめるキンペイバイの姿を。
こんなふうに彼女とベットの上で見つめ合う形になったのはこれが最初ではない。有馬記念の翌日、2人が彼氏彼女の関係になったその日のうちに2人は「大人」の階段を一緒に登り、それ以降それなりの頻度で"そういう事"をしてきた。だから、この状況にドキりとはしつつも取り乱すようなウブな少年ではないのだが、今日のキンペイバイの様子はいつもの彼女とは違っているように見えた。
少年の視線の先、私服姿のキンペイバイが身を捩らせ、少年の手を取り自らの下腹部へと当てがう。彼女は何も喋らなかったが、その行動の意味が分からない少年ではなかった。
ごくりと生唾を飲む。自分の部屋で大切な女の子と大切な事をする。これ以上に昂るシチュエーションも無いだろう。少年の息もまたキンペイバイと同じように荒くなる。もうこの場にいるのは春の陽気にやられた2匹の獣。理性を捨て本能の赴くままに快楽を貪るだけの獣欲に支配された若い2匹である。
理性の鎧という衣服をはだけさせ、雄の象徴を雌へと当てがう。枷も隔たりも何も無い。1ミリまた1ミリと距離は無くなっていき、ついに……… - 20君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/10(日) 15:04:17
コンコン
「だだいまー……ってあれ?お外へ遊びに行っちゃったのかしら?」
少年の部屋の前、彼の母親はキンペイバイが遊びに来ているのならと買ってきたお菓子の入った袋を提げたままその後も何度も扉をノックしたが、反応はなかった。
若く行動力のある2人だ。もしかしたら2人で走りに行ったのかもしれないと納得し、このお菓子をどうするかと考えながら一階へと戻っていった。
その頃、部屋の中では大急ぎでベッドに潜り込み布団をかけて息を殺す2人の姿があった。
やがて、母の足音が遠のいていくと2人して緊張の糸がほぐれ大きく深呼吸をしそれと同じくらい大きなため息をついた。
「………お預けだね」
「だね…………ゲームしよ?」
なんともモヤモヤした気持ちを抱えつつ、2人ははだけた衣服を着直すのであった。 - 21二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 15:30:56
保守がてら提案させてもらうぜ
第14仔(親:ドバウィ):ボタニカパラレラ
由来:中国四大奇書の母名にちなみ、生物学三大奇書「平行植物」から
戦績:勝ち鞍は新馬戦、2歳の条件戦、そして5歳のときのGⅢのみ。朝日杯2着に始まり、皐月賞・日本ダービー・菊花賞で馬券内、その年の有馬記念でも掲示板内という生粋のシルコレ・ブロコレ馬。凱旋門賞にも挑戦し、掲示板こそ逃すも一時ハナを取るなど見せ場もあった。
引退後は種牡馬入りし、オーストラリアに輸出されて活躍。産駒の多くは香港で走ることとなり、香港競馬に「キンペイバイ」の名が凱旋することとなった。
ウマ娘として:ヨーロッパからの帰国子女。褐色肌だといいな……。 - 22二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 15:37:31
- 23君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/10(日) 17:11:16
ありがとうございます。フジエベレストちゃん、確認しました。
現在は以下の通りです
【確】1.G1複数勝(牝 父:タイキシャトル、才能98) イリフネ(前スレ135)
【確】2.GⅡ複数勝(牡 父:タニノギムレット) グレンリベット(前スレ127)
3.OP勝ち(牝 父:ダイワメジャー) スキップビート
4.G I複数勝(牝 父:マヤノトップガン、才能95) レガシーホーネット / アクセルスイーパー(前スレ146)
5.GⅡ1勝(牝 父:シンボリクリスエス) フジエベレスト
6.OP勝ち(牝 父:ダイワメジャー) シーオブラブ
7.OP勝ち(牡 父:メイショウポーラー) スネークアイ
8.G I複数勝(牡 父:キングカメハメハ、才能98)
9.OP勝ち(牡 父:ディープインパクト) ディープラム
10.OP勝ち(牡 父:ドゥラメンテ) マイポテンシャル
11.GⅢ1勝(牝 父:エピファネイア)
【確】12.OP勝ち(牝 父:シュヴァルグラン) ビッグドリーミン
【確】13.G I1勝(牡 父:カルストンライトオ、才能88) ターキーバス
14.GⅢ複数勝(牡 父:ドバウィ) ボタニカパラレラ
15.G I複数勝(牝 父:パンサラッサ、才能96) サイユウキ(前スレ122)
16.G I複数勝(牡 父:イクイノックス、才能92) Pay by Gold
【確】17.OP勝ち(牝 父:オルフェーヴル) トーキョーバニー(前スレ124)
18.GⅢ1勝(牡 父:イクイノックス)
19.G I複数勝(牡 父:コントレイル、才能99) コウロウム(前スレ153)
- 24二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 19:12:48
まだ案がないのは第8子、第11子、第18子か
- 25二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 19:42:14
ところでこうやべー繁殖成績だと産駒のセレクトセールの落札額えらいことになりそう
- 26君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/10(日) 20:41:56
ドリームトロフィーリーグの設立理念は「トゥインクルシリーズで優秀な成績を残したウマ娘達に次の活躍の舞台を与えると共に一般の方によりレースを身近に感じてもらう」というなんとも高尚なものがつらつらと書き記されているが、実際のところはレースのために全てを費やし明確なその後を持てずに引退して、やる事もなくあぶれているウマ娘達の一時的な受け皿兼、彼女達を客寄せパンダにしたエンタメ全振りの商業レースというのが実情的には近いだろう。
とはいえそれも一面に過ぎず、結局のところ引退したウマ娘にも様々なタイプがいるというだけで、このレースに全力を尽くす者も多くいるということだけは留意しておきたい。
さて、このドリームトロフィーリーグはG1開催数の少ない1月と9月それぞれウィンターとサマーの2つのシリーズに分かれ年に2回開催されるファン投票型のイベントレースであり、出走するウマ娘は候補の中からファン投票によって決まる。
そして特徴の一つに出走にはトゥインクルシリーズへの出走歴と実績があれば現在の所属組織は"問わない"というのがある。つまり、トレセンを卒業してもドリームトロフィーには出走が可能なのだ。 - 27君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/10(日) 20:43:11
「うーん…やっぱりちょっとキツいかなぁ」
卒業からもうすぐ3年になるキンペイバイが出走できるのもこの制度のおかげである。
そんな当人は今の体系に合うように多少手を加えた現役時代の勝負服を羽織り、姿鏡の前でどこか不恰好なところがないか確認をしていた。
黒いメインカラーに青いラインの映えるサイバーパンクな勝負服は初めて袖を通した7年前のものから数えて3代目でキンペイバイの体の成長に合わせて更新を続けてきた歴戦の相棒でもある。
成長に伴って大きくなった乳房が彼女の想定よりも大きかったのか、勝負服の胸元は生地がかなり張り詰めていて、シースルー生地の胸元を仕切りに触ってはちょうどいいポジションに来るまで治していた。
「これでよしっ!」
ようやくいい塩梅になったのか、胸元を弄っていた手は大きく開いた腹部へ下ろされる。
ハート型の紋様が特徴的で現役時代はうっすらと腹筋の割れた美しい腹部は多くの男達の視線を奪っていたのだが、そのお腹は現役引退後ということもあって柔らかさを象徴する媚肉が増え、そして何よりも確かな膨らみがそこにあった。
その腹部の膨らみをキンペイバイは愛おしそうに撫でる。
「今日はママと一緒に頑張ろうね〜」
キンペイバイ 21歳
現在妊娠6ヶ月 - 28二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 21:41:55
このレスは削除されています
- 29二次元好きの匿名さん24/11/10(日) 21:43:50
第8子(牡 父:キングカメハメハ、才能98)
名前:ドンロコモコ
由来:父名のキングから首領のドン+ハワイ郷土料理
エピソード:父の種牡馬としての最終年度にあたり、しかも名牝キンペイバイの(現時点では)貴重な牡馬として高い評価がなされた。セールの時点では第7子がデビュー前ということもあり、参考にすべき牡馬産駒は第2子しかいないため、こうどなじょうほうせんが繰り広げられた模様であるが、結局は高値で買い取りされることになった。
脚質は差し。馬群での揉み合いに強く、中盤で中団後方にいても最終直線までにはスルスルと前に遮る馬の無いポジションまで上がっていき、自慢の末脚で鮮やかに抜け出すといったスタイル
戦績:中長距離の王道路線を歩み、ホープフルS、皐月賞、菊花賞1着に加え有馬記念で2着入線する活躍を見せた。
古馬では天皇賞春を制した後、宝塚記念・天皇賞秋で僅差の2着となり、これにより世代2番手の評判が付くことになったがジャパンカップですでに引退が決定している世代最強馬と壮絶な叩き合いで勝利し、世代最強論争を混沌としたものにすることに成功した。
血統的な評価から当馬も早期に引退することとなり、有馬記念を最終戦とするはずだったがジャパンカップでの疲労からか出走を回避しそのまま引退となる。
ウマ娘としての特徴:褐色ギャルである。
基本的に内外面ともチャラいウマ娘であるが、頼み事を断れなかったり、面倒見が良いという彼女をよく知らないものにとっての意外性を持つ褐色ギャルである。(二度目) - 30二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 01:03:08
こういっちゃ何だが戦績ヤバい産駒はどこまで戦績盛っていいのか塩梅がわからんからアイデア出してくれる人はありがたい
- 31二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 06:39:25
出走表にもしっかり「キンペイバイ ♡」って書かれちゃうんだ
- 32二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 16:03:46
⭐︎
- 33君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/11(月) 16:13:17
本来妊娠中にレースなどの激しい動きをする事は御法度である。では何故、妊娠中のキンペイバイがレースに参加できているのか、それは日本のレース史を飛び越え欧米のレースの歴史を紐解く必要がある。
海外、特にヨーロッパ圏アメリカ圏は近代文明の開花と共に商業レースが急速に普及していった。
だが当時ウマ娘は貴重な労働力でありレース専用に確保できる個体数には限界があった。それに加えてウマ娘の優れた肉体を求めた貴族・権力者達が優先的に彼女達を囲うことも多く競争ウマ娘の絶対数が増えにくい要因の一つでもあった。
そんな中、競争ウマ娘が妊娠して走れなくなったとなれば様々な問題が連鎖的に引き起こされるのは言うまでもなく、当時の価値観もあって妊娠していても走ることを強要されたウマ娘は多かった。
しかし、このような劣悪な環境においてもレースによる負担で流産・死産したという事例は驚くほどに少ない。記録の残っている範囲では中世から現代に至るまで妊娠した競技ウマ娘が流産したという事例は2件ほどしか報告がない。この事についてウマ娘を研究する学者達はヒトミミとウマ娘の胎児の耐久度を理由の一つとして挙げていたが、古来からの言い伝えや風習を信じるもの達は三女神の加護であると主張し、結局詳しい理由は分かっていない。
事実なのは今でも欧米圏を中心として妊娠中のウマ娘もレースへの参加は可能であり、妊娠中でも素晴らしい成績を残したウマ娘はいるという事だ。 - 34君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/11(月) 16:17:51
キンペイバイとDTLで対戦してほしいウマ娘とかいますか?
- 35二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 16:27:54
タニノギムレット、シンボリクリスエスをお願いします
複数が難しければタニノギムレット優先で - 36二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 18:37:41
この辺の世代はウマ娘から競馬に入ったワイらにはどストライクな年代なんよね…
なのでお気に入り馬の史実の戦績は極力邪魔せずに98にふさわしい戦績は何かと考えてG1を一つ某等分線から貰いました。
あと、第一子イリフネちゃんの誕生年を1年(×2011◯2012)間違えてたのを懺悔します…
4歳時の宝塚は普通に「誰ー!?」と言われずにリードを守って1着になったと思います
- 37二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 23:13:03
マヤノと対決して欲しいです
- 38二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 06:04:41
第8子(父:キングカメハメハ 牡)
名前:キングゲンキダマ
由来:父名の一部+元気+玉(馬主がカメハメハを某竜の玉の技名と勘違いした模様)
戦績:2歳8月に札幌デビューも敗北。11月東京での未勝利戦(芝2000m)にて初勝利を挙げる。3歳時には皐月賞3着、東京優駿、菊花賞、有馬記念を制した。4歳時にドバイシーマクラシックを制した後、渡欧。アイリッシュ•チャンピオンステークスを制したものの、凱旋門賞は騎手が落馬してレース終了。帰国後はジャパンカップ、有馬記念を制し引退。
エピソード:
①こんな名前なのでやはりというべきか口取り式で騎手が某竜の玉に由来するポーズをとりがちである。
②凱旋門賞での落馬の原因は他馬騎手の妨害行為。その馬は一着入線したが失格処分を受けた。
③好物はりんご。りんごを見せられた際にビワハヤヒデしている映像が発掘された。
ウマ娘として:トレセン学園で一二を争う元気印。彼女に元気を分けられたという声は学園を飛び出して商店街でも聞かれるほど。たまに他のウマ娘と某竜の玉のポーズでウマスタに映るところが見られるとか。
「私に元気を分けて……え、元気ありがとうってなに?」
誕生日:1月6日
身長:145cm
体重:王の仕上がり
スリーサイズ:不明
勝負服:ロイヤルブルーのジャケットにえんじのシャツ。ミスターシービーのズボンを黒くしたようなズボンに右太もも脇に青い字で「竜」、左太もも脇に赤い字で「皇」と書かれている。
ヒミツ:好きなハンバーガー屋さんはク◯・アイナ。 - 39君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/12(火) 10:41:15
木枯らし吹く1月の東京レース場。
勝負服の謎パワーにより震えるほど寒いという事はないが、葉が落ち切った寂しい広葉樹を見ると視覚的な寒さを感じざるを得ない。
現在妊娠6ヶ月のキンペイバイは彼女の小さな体格もあって、この時期の胎児の標準的なサイズであってもお腹がかなり出ているように見える。そんなお腹には相変わらず臍下にハートマークがあるが、今はなだらかなお腹の曲線で正面から見ると下部分が見えづらくなっている。
さらにはその大きなお腹が乳房を下から押し上げる形となり、大きさと重量を増し重力の影響を強く受けた乳房がお腹のラインに沿って左右に若干離れようとしていて、それを食い止めようとする勝負服の胸元はパッツンパッツンになっていた。
キンペイバイがターフへ姿を現した頃にはもうすでに何人もの出走ウマ娘達が集まっていて、観客席にも多くの人が訪れており最前列では出走するウマ娘達と触れ合っている人達もいた。ここら辺もDTLがエンタメ性重視なレースである事を強く示しているといえる。
さて、今日の出走表を見る限り何人か見知った名前のウマ娘がいたのだがどこにいるのかと辺りをキョロキョロと探すと、尋ね人はどうやら自分の方からやってきてくれたようだ。
「嗚呼、麗しの女神(ウェヌス)よ。運命の手繰り合わせによりこうして相見えるという宿願がなされた事は何よりの行幸だろう!」
なんとも仰々しい挨拶に一回聞いただけでは意味を理解するのにかなりの時間を要するこの喋り方、トレセンを卒業してもまだまだそのキャラは健在なタニノギムレットはキンペイバイとの久しぶりの再会を喜んでいるようだが、語録とかそういうものを超越したギムレット語に久々に晒されたキンペイバイは彼女が何を言ったのかを必死に頭で噛み砕いて理解しようとしていた。 - 40君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/12(火) 10:41:36
「stop──そこまでにしておけギムレット。She is confused──一度に捲し立てては理解できるものもできなくなってしまう」
もう1人あわれた褐色肌の長身のウマ娘。彼女の名はシンボリクリスエス。かの皇帝シンボリルドルフと同じ名前を持ち、彼女自身も優れた成績を収めた競技ウマ娘でもある。
「ギムレットさん、クリスエスさんお久しぶりです」
タニノギムレットとは夏合宿での一悶着以降、学園で度々絡むことがありその度に彼女の独特な語彙に翻弄されていた記憶しかない。特にグレンリベットを指導しているときは少し離れた場所にいても急に話を振られたりする事もあるため、割と気の抜けない人物でもある。
対してクリスエスはルドルフの紹介で知り合ったというのもあり、特に苦手意識とかはない。外国から来たという事で英語混じりの喋り方は独特ではあるが基本的に実直で寡黙なその性格は万人が想像する所謂「強者」のイメージそのものであり、レース関係はもちろんのこと、彼女がスナイパーライフルを扱えるという事もあってコスプレの演技指導の方面でもお世話になったウマ娘である - 41君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/12(火) 17:29:01
「ところでペイバイ、Hard to say──そのお腹で出走しても大丈夫なのか?確かに私の本国でもPregnant──妊婦の出走は無い訳ではない。しかし、やはり学友がとなるとI'm worried──とにかく怪我のないように」
やはりクリスエス的にはキンペイバイのお腹が気になるようで、そんなに露出して冷えないのか?とか転ぶとかはとにかく受け身を取る事を意識すべきだと寡黙な雰囲気こそ変わっていないものの、心配が過ぎてなんだかオロオロしているようにも見えてくる。
「身重の身体を背負いながら、決して屈することなくレースに挑む貴方。その姿はまるで光(リヒト)を纏った勇者のように、強く美しくそして気高い……その勇猛に一匙の幸運のあらん事を」
対してギムレットはというとキンペイバイを心配するそぶり……的なものは確かに感じられるのだが、それよりかは膨らんだ腹を撫でる手つきが妙にいやらしく、やはりこの人オープンなスケベなのではと夏合宿の時からの疑問が少し強まる形となった。 - 42二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 19:37:37
第8子 G I複数勝(牡 父:キングカメハメハ)
名前:テイクミーハイヤー
由来:V6の「take me higter」より
特徴:きょうだい達の中でもNo.1イケメンと名高いグッドルッキングホース。その見事すぎる馬体は競馬民から毎回馬体詐欺じゃないのかと怪しまれるほどであり、怪しまられるほど凄まじい戦績を叩き出すのでもはやジンクスの一種として現役時代のSNS、掲示板では鉄板ネタであった。
そんな彼は少し遅れて3歳春デビューであったがダービー、菊花賞を制すとその後も数々の重賞タイトルを獲得し国内国外でG1を6勝する快挙を挙げた。
またデビューした時、ちょうど競馬全体が大量の新規獲得によって盛り上がっていたという事もありダービーを勝ったその日のうちにイケメンすぎるダービー馬として一躍人気者になった。
氷砂糖(砂糖を水に溶かしてから凍らせたもの)が大好きで氷をペロペロと舐める姿がTwitterに投稿されると万バズし、テイクミーハイヤー=氷ペロペロという認識を持つ人も少なくはない。
ウマ娘化したら
白と赤を基調とした勝負服を着用するイケメスウマ娘。顔は宝塚のトップ女優も真っ青なレベルの美形だが首から下は確かに彼女が女であると主張している。
持ち歌は名前と同じ「take me higter」勝負服の胸ポケットにはボタンを押すとウィングの開く棒状のアイテムを携行している。
額には菱形のアミュレット、胸元はプロテクター状になっている。(某光の巨人) - 43君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/12(火) 21:01:00
2人と別れるとすぐに見慣れたオレンジ色の髪が目に入り、その髪を目掛けて小走りで駆けていく。
「マヤノちゃ〜ん!!」
「あ!ペイバイちゃ〜ん!!元気してた?」
さも久方ぶりに再開した同級生みたいな反応をしているが、東京の大学に進学したマヤノは今でもキンペイバイとはよく会っており、つい1週間前に彼女の家でご飯をご馳走になったばかりである。
「久しぶりに勝負服のマヤノちゃん見たけど、やっぱりすっごく似合ってるね!」
「この歳だと少し露出が多すぎる気もするけどね。まぁトレーナーちゃんが喜んでくれるからいいけど」
21歳になったマヤノトップガンを一言で言い表すなら「大人のお姉さん」これに尽きるだろう。
現役時代のオトナに憧れていた子供らしいところはすっかり大人びて雰囲気は落ち着いた女性そのもの。スラリと伸びた高身長な肉体はモデルも裸足で逃げ出す肉体美を誇り、街を歩けば必ずスカウトを受けるほど。そんなクールビューティーが時折見せる子供らしい笑顔とのギャップで大学で秘密のファンクラブが作られるほどの人気を誇り、ミスコンも入学以来連勝中である。
さて、そんな成長した彼女が羽織る勝負服は現役の頃とは全く変わって見える。彼女のような勝負服のデザインスタイルに似たような物にゴールドシチーの勝負服があるがマヤノの勝負服は彼女のものとは違いどちらかといえば硝煙臭いデザインをしている。言ってしまえばイカついデザインなのだが流石のマヤノトップガン。空軍ジャケット風の勝負服が彼女の「カッコいい女性」という側面を引き出しバッチリとかっこよく決まっていた。パドックでのシャッター音が銃声のように響いていたのは記憶に新しい。
ちなみにキンペイバイの時も凄まじいシャッター音であったが、その理由については彼女の名誉のためにあまり触れないようにしておこう。 - 44二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 23:35:20
エミュが難しい子達もちゃんと書いてくれてありがたい
- 45君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/12(火) 23:42:18
エミュが難しすぎて更新がままならないレベル何ですが喜んでもらえたら嬉しいです。
正直ギムレットというか厨二キャラを嗜んでこなかったのでノムリッシュ翻訳とかに突っ込んで出力してるんですが彼女メインに創作してる方は本当に凄いですね
- 46二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 05:45:55
ほしゅ
- 47君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/13(水) 13:48:32
「ねぇねぇ来週の土曜ペイバイちゃん空いてる?久しぶりにカフェさんの喫茶店行かない?」
「ok!来週の土曜だよね。検診とかも入ってなかったから大丈夫だよ」
最初の出会いから約10年、現役大学生と妊娠中の人妻ラジオパーソナリティー、あのクラスで隣の席だった事から始まった2人の関係は年月を重ね、お互いの立場や世界が変わっても続いている。
時に助け、時に助けられお互いに影響を与えながら成長していった彼女達の絆こそ親友と呼ぶに相応しいものであろう。
「それじゃぁ今度の土曜のためにまずは今日、全力でやらなくちゃだね。負けないよ、ペイバイちゃん」
「こっちこそ身重だからって舐めてたら全力で追い越しちゃうんだから。後ろには気をつけてねマヤノちゃん」
親友との激戦の約束を交わし、2人は間も無く集合となるゲートへと向かい歩き出す。周りのウマ娘達も同様に歩き出し、その中にはあの白髪の見慣れた後ろ姿があった。
露出が極端に多い左右非対称な姫騎士風の勝負服に身を包んだ純白の乙女──コードヘブンはこちらへと振り返ると何も言わず、少しだけ微笑んで向き直った。その微笑みの意味をキンペイバイはしっかりと理解していた。
『全力でかかってきな』
現役を退き4年になるというのに未だに衰えを見せない最強のライバルにキンペイバイも気が引き締まる。
間も無くドリームトロフィーリーグウィンターシーズンの開幕である。 - 48二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 19:22:57
緊張感が伝わってくる
- 49君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/13(水) 21:13:02
今回のドリームトロフィーリーグウィンターシリーズ(以下DTLWS)は冬風が時折肌を撫でる東京競馬場場にて行われる2000m中距離レースであり、コースとしては天皇賞(秋)と全く同じものである。1コーナー奥のポケットがスタート地点で、コーナーは3つ。最初の2コーナーまでの距離は約130m。直線は525.9mで、新潟外回りに次ぐ日本で2番目の長さ。3~4コーナーは緩やかなカーブで3コーナー手前に高低差1.5m、最後の直線途中に高低差2.1mの上り坂が設けられている。
とにもかくにも2つの長い直線が特徴のコースであり、逃げて後続を封じるという戦い方は厳しく逃げウマ娘にはあまり好まれないレースセッティングでもある。とはいえあくまでやり難いという範囲であり、どの脚質であってもチャンスのあるその懐の深さは流石日本屈指の王道レースと言えるだろう。
さて、現在先頭は第3コーナーを回って第4コーナーに差し掛かるところ。先頭にはお馴染み『最速の女王』コードヘブン。姫騎士風の勝負服が太陽の光を反射し煌めき、純白の髪が風にたなびく様子はまるでファンタジー小説から飛び出してきたようである。
そしてコードヘブンの後ろにつける先頭集団が2人。
1人は変幻自在の脚質に歴代でも群を抜くレベルの戦術と観察眼を武器に戦う『天才』マヤノトップガン。
もう1人はティアラ路線のみならずクラシック王道路線にて輝かしい戦績を積んできた強者達と渡り合いそれらを下してきた『女帝』エアグルーヴ。
少し離れて『漆黒の帝王』シンボリクリスエス、『破壊神』タニノギムレットが続く。
キンペイバイは相も変わらずに最後方に付けている。役者こそ違えどこの構図自体はキンペイバイ達の世代のレースを応援していたファンにとってはとても懐かしく映るだろう。それくらいにはコードヘブンとキンペイバイが先頭と最後尾にいるというのはレースのお決まりであった。 - 50君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/13(水) 22:44:16
大きく状況が動き出したのは第4コーナー半分を過ぎたあたりのこと。
中段からグイグイと上がってくるのは『魔性の青鹿毛』メジロラモーヌ。ティアラ三冠という輝かしい戦績を持つ彼女の走りはまさに圧倒的。強豪ぞろいのこのレースにおいていとも簡単に順位を上げていく。そもそも今はダイワスカーレットの代名詞となっている『ミスパーフェクト』とは元々彼女の事を指す言葉であったことを知るものはどれくらいいるだろうか。
では、ラモーヌがこのままレースを制すのかといえばそんなに単純なものでもない。何故ならこれはドリームトロフィーリーグ、参加するウマ娘達は現役を退いてもなおレースへの探究心を忘れていない強豪中の強豪達の集まりである。例えラモーヌほどのウマ娘であってもそう簡単に勝たせてはくれないのだ。
むしろラモーヌとしてはその方が"滾る"というものである。 - 51君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/13(水) 22:56:00
戦闘が最終直前に入ったその頃、キンペイバイは最終段からの追い上げを開始していた。ずいぶん悠長に思えるが、このコースは最終直線が他のレースに比べても長い。むしろこの辺りから仕掛けないと今のキンペイバイだと体力的に厳しいものがあるのだ。
「(やっぱりちょっとお腹重い…)」
妊娠6ヶ月の身重の体を必死に動かし、ついに最終コーナーを抜け追いつくべき目標へと眼差しを向ける。
大体距離は10馬身とかそれくらい、これならゴール前に追いつけると判断し地面を大きく蹴り上げ加速をつけていく。
一歩、また一歩と踏み出すたびに加速は増していきみるみるうちにトップスピードへと到達する。往年のキンペイバイの強い走りにファン達も大盛り上がりで歓声を上げる。
ドリームトロフィーリーグが何故エンターテイメント重視のレースと言われるのか、それはこのレースに出場するウマ娘達のほとんどが『固有』を持っているからである。
それはつまりどういうことか、簡単な話である。レース中盤から終盤にかけて観客達は彼女達の持つウマソウルが"見せる"『固有』を確かに見ることになる。それは一面の銀世界を駆け抜けるものであったり、薔薇の花が吹雪舞うものであったりと多種多様な訳だが、本来ならば一度見れれば幸運レベルなそれをこのレースではほぼ確実にしかも複数人分も見られるとあれば、どんな体験型アトラクションよりもスリリングでエキサイティングな体験ができると大評判なのだ。 - 52二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 22:59:27
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- 53君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/13(水) 23:00:11
響き渡る観客達の大声援。もっとこのレースを見ていたい、もっと熱くなりたい、誰もがそう願わずにはいられない夢のレース。
だがどんなものにも終わりはくるもので、それが勝負事ともなれば勝者と敗者という明確な線引きが行われるものだ。
果たしてこの大レースの勝者の栄光を掴むものは誰になるのか、この場の誰もが固唾を呑んで見守っていた。
<レース結果>
数値が高い順から1着…2着…3着
キンペイバイdice1d100=99 (99)
コードヘブンdice1d100=41 (41)
マヤノトップガンdice1d100=20 (20)
タニノギムレットdice1d100=5 (5)
シンボリクリスエスdice1d100=22 (22)
エアグルーヴdice1d100=69 (69)
メジロラモーヌdice1d100=11 (11)
- 54二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 23:02:06
イリフネちゃんと2バリキの勝利!
- 55君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/13(水) 23:19:53
最終盤、大外から抜け出してきたキンペイバイが猛追をかける中、虎視眈々と先頭を狙っていたエアグルーヴも動き出す。
内へとつけていたマヤノは抜け出しどころが無くなり、外へ行こうにもいけない状態となり完全にブロックされてしまっていた。
1着争いはコードヘブン、エアグルーヴ、キンペイバイの3人が雌雄を決する形となりもう100メートルを切った最後の直線へと爆進していく。
果たして、1着でゴールを駆け抜けたのはキンペイバイであった。2位に1バ身差をつけての劇的な勝利である。
観客席で歓声を上げ、こちらに手を振る夫や家族、じじトレに手を振りかえすと、勘違いした観客達が勝手に雄叫びを上げて喜ぶもので余計に会場のボルテージは最高潮へとなっていた。
「完敗だ、身重とは思えない凄まじい走りだった」
後ろからかけられた声に振り返れば、そこにいたのはキンペイバイにとっての憧れのウマ娘──エアグルーヴであった。
彼女から差し伸べられた手を握り返すとなんとも言えない高揚感と興奮が込み上げて一体何を言えばいいのか分からず頭の中がプチパニック状態である。
「エアグルーヴ先輩こそ、凄い走りでした。やっぱり先輩はいつまでも私の憧れの人です!」
そう言われたエアグルーヴは嬉しそうに目を細めると自らの腹部に手を伸ばす。彼女の腹部もまたキンペイバイ同様に大きく膨らんでいた。すでに多くの子ども達の母親でもあり、お腹の子は7番目になる。
妊娠出産を繰り返したことにより多少肉は増えたが、彼女の自己管理能力の高さと引退してもなお健在な女帝としてのプライドゆえにほとんど現役時代に近いプロポーションを保っていた。違いといえば娘から母になった事で尻や胸が見るからに大きくなったことくらいだろうが、それも彼女の繁殖に適した雌という魅力を引き出す魅力的な部分へと昇華されていた。 - 56二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 05:49:58
エアグルーヴは競走成績も繁殖成績も本当バグ
- 57君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/14(木) 11:33:46
「これでまた並んだねペイバイ」
エアグルーヴと互いの健闘を称え合った後、キンペイバイの元へコードヘブンがやってきていた。
彼女の言う通り、現役・DTLを通しての彼女達の対戦成績は今回のレース結果を含めて10戦してお互いに5勝5敗という結果であり、勝負はまた次に持ち越される事となる。
「でも次も私が勝っちゃうからね」
「望むところだよ、ペイバイ。また楽しいレースをしよう」
コードヘブンとの再戦を約束し、観客達の歓声に手を振って応えていると、入れ替わるようにラモーヌが彼女の前へと現れた。
「ラモーヌ先輩、お久しぶりです」
メジロラモーヌとは寮が一緒な事や、ルドルフ経由での繋がりもあり他学年の生徒にしてはそれなりの交友があったとキンペイバイは自負している。
「あら、久しぶりね。あなた、随分いい走りをするようになったのね」
キンペイバイの健闘を讃えるラモーヌは。そんなラモーヌのお腹もまた大きく膨らんでいたが、その膨らみ方はキンペイバイやエアグルーヴのものとは異なり、彼女達よりもさらに大きく見える。
それもそのはずでラモーヌが今お腹に宿しているのは妊娠8ヶ月後半になる"双子"の胎児達なのだ。双子の胎児に与えてもまだ余裕がありそうな程に母乳を蓄えていると一目で分かる大きな乳房は3ケタ超え確実の爆乳へと育っており、元より大きかったお尻はすでに何度も出産を経験しベテラン経産婦となった事で双子を産んでも問題ないと思えるレベルの安産型の腰つきに変わり、タイトな勝負服のシルエットを艶かしく色っぽく主張している。
すでに単胎の臨月の時よりも大きく膨らむお腹で良くぞ走りきったと並大抵のウマ娘ならば言われそうだが彼女はメジロラモーヌなのだ。むしろこれくらいで普通……なのかも知らない。
「ラモーヌ先輩も凄い差しってぷり……あっ……」
腹の内側からポコンッという衝撃がキンペイバイを襲う。
それがなんなのか母親一年生のキンペイバイでも分かった。
「あら、随分と元気な子ね。生まれる前から勝ち癖を付けようなんて面白い子だわ」
キンペイバイが感じた胎動をラモーヌは見ただけで感じ取ったようで、キンペイバイのお腹をさすりながら、未来の競走ウマ娘の姿を想像し微笑みを浮かべるのであった。 - 58二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 22:14:10
落ちそうなので保守
- 59君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/14(木) 22:51:07
書いていて疑問に思ったんですが、ドリームトロフィーリーグって一回走って終わりなのか複数回走るのかどっちなんですかね?
あと、やって欲しいこと、振って欲しいダイスも募集継続中です - 60二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 23:33:19
- 61二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 06:07:42
DTリーグのレースは年二回だった気がする
- 62二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 16:02:06
第11子 GⅢ1勝(牝 父:エピファネイア)
名前:エックスマス
由来:クリスマスの語源がギリシャ語であることから、父名より連想
エピソード:大柄で神経質な黒鹿毛。
出産予定日は1月の上旬付近であったが、予定よりも早くキンペイパイが産気づいてしまい関係者をハラハラさせてしまったと言うエピソードがある。
周りを気にせずにはいられない気性が災いし、レース中でもひとたび気に触ることがあれば所構わず暴走してしまう悪癖があった。
ただし身体は非常に頑丈で、夏場でもへこたれることなく走っていたと言う。
唯一の重賞勝利は七夕賞。
ブリンカーが功を奏したのかその時は走りに集中できていたらしい。
脚質は正直何が向いていたのか最後まで分からなかった、とは関係者の弁だが距離は2000m以上が向いていたとされている。
ウマ娘になったら:あらゆるところがデカい。
周りの反応や声を必要以上に気にしてしまい、うまく力を発揮できずに苦しんでいた所をキンペイバイによって救われる。
本人にその気は無いのだが、神経質なためやや不器用な態度をとりがちで、一人になった後に反省会をしている。 - 63君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/15(金) 22:13:50
レースを終え、控え室に戻るとそこには家族に加えて馴染みすぎてる老人の影が一つ。
「いやはや、素晴らしい走りじゃったぞお嬢さん。もっとトレーニングしたらOPくらいなら勝てるんじゃないかのぉ」
少しばかりシワの増えた顔でケタケタと笑うじじトレは実にいい笑顔で笑っている。新薬による治療が奇跡的に上手くいき、病状が殆ど完治してしまって元気が有り余っているのか、引退した身だというのに未だに非常勤のベテラントレーナー顧問としてトレセンでは重宝されているらしい。
もっとも、本人がやりたいといってやり始めたというより彼の指導を受けていたトレーナー陣が是非一度うちの担当を見てください、貴方のような人が今の日本のレース界には必要だと熱烈なアプローチをかけてじじトレ側が折れる形だったようだが。
「もぉ〜そんなお世辞ばっかり言って、じじトレさんにそう言ってもらえるのは嬉しいですけど、今は私じゃなくて───君の方を見てあげてください」
そう言って目線を移した先の青年はなんだか挙動不審で、冷や汗が全身からタラタラと垂れていた。
「そうかいそうかい、お嬢さんの頼み事じゃ"ビシバシ"鍛えてやるからのぉ」
「うっ……ウッス……」
キンペイバイは知らぬ事ではあったが、じじトレはウマ娘達を指導する時は基本的に優しい好好爺で、みんなのおじいちゃんといった感じであったが、トレーナー相手となると怖い親父に大変身し少しでも詰めの甘いトレーニング計画を出してきた日には泣きを見せられるまでこってりと絞られるというのはトレセントレーナー界では有名な話であった。
「じゃがのぉお嬢さん、ウマ娘たるもの軽くでいいから運動は欠かしてはならんぞ」
「それはもう、はい。今回のトレーニングで痛いほど身に染みましたし……」 - 64君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/15(金) 22:14:52
キンペイバイの脳裏に蘇るのは約1ヶ月前の記憶。ドリームトロフィーリーグに向けて本格的にトレーニングを開始するとなった時のことである。
「はっ…はひっ〜!もう無理っ……もう無理です〜!!」
休日日曜日の昼間、トレーニング休みで誰もいないトレセンのグラウンドには現役時代のジャージ(色々なところがパツパツで胸は締めきれず開けっぱなし)を着たキンペイバイが息も絶え絶えといった様子でグラウンドに四つん這いになって息を整えていた。
その傍には青年もおり、汗だくの妻の背中をさすって少しでも楽になるように努めている。
そんな2人をじじトレは土手からメガホン片手に見下ろしていた。
「久しぶりに全力で走ったんじゃ、無理もなかろうて。それよりもお嬢さん、どうじゃい、まだ3周ぽっちだけじゃが楽しかったかい?」
「…はい!」
元気よく大声で答える元教え子にじじトレはなんだか楽しくなってきた様子で、なんともご満悦そうな表情を浮かべていた。
その日はそのままおやつ時まで軽めのトレーニングをこなし、じじトレの臨時トレーナー室(非常勤だというのに随分と豪華)で談笑しているとちょうど夕ご飯時ということもあり、そのまま現キンペイバイ宅でじじトレも一緒に食卓を囲むこととなり夫がじじトレを家まで送っていく形での解散となった。
それから時間を見計らってはトレーニングという日々が続き、1週間が経過した頃。3人は何故か北関東と東北の間あたりの場所にいた。
東京ではあまり見られない一面の銀世界。山々の間にできたそこそこの平野に作られた場所が本日のトレーニング場所であった。
全身が埋まるなんてレベルではないものの、膝下あたりまでの雪は走るとなるとかなりの力とスタミナを要求され、初めは防寒着を着ていたキンペイバイも走り初めて5分と経たない内にそれを脱ぎ捨てジャージ姿になるほど運動量が多かった。
「これはなぁ、元々ウマ追い運動言われとった運動不足解消兼安産祈願のいわば冬の願掛け行事だったんじゃよ。儂が若い頃は田舎じゃよくやっておったのぉ」
ノスタルジーを感じているじじトレ。反対に青年はその説明に違和感を感じていた。 - 65君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/15(金) 22:15:06
「あの、師匠。一応聞いておくんですけど今日はトレーニングで来たんですよね?」
「…儂はなお嬢さんが今度のレースで勝てるトレーニングは積ませるつもりじゃ、それがトレーナーとしての"最低限"じゃからの。じゃが、儂としては大事にしたいのはレースの"後"なんじゃよ」
「後…ですか?」
「お嬢さんは来年の春頃が予定日じゃろ?初めての子供じゃどんな問題が起きるかも分からん。じゃからの、例え今は古臭くなってしまった願掛けにでも何にでも縋っておきたいんじゃ。レースに勝たせ、そのウマ娘のその後も案じる、それがいいトレーナーになるための条件だと儂は思うとる」
じじトレは4ヶ月後に初産を迎える最後の担当の事が不安で仕方がなかった。ただでさえ人より小さい体で並大抵ではない試練に挑むのだ。どんな事が起きるのかじじトレには想像もつかない。だからこそ、じじトレは自分が知っている健康法や安全なトレーニング法、願掛けでもなんでもしてあげたかった。それは永遠に満たされる事のないじじトレの父性がほんの少しばかり滲み出た結果なのかもしれない。
「師匠……」
「あ、そうじゃ今日の宿じゃがの、いやはやこれが聞きしに勝る名湯でのぉ!混浴もあるから楽しんでくるとええぞ」
「師匠!?」
全くもって食えない自分の師匠に苦笑いを浮かべながらも、青年の瞳は白い息を吐きながら楽しそうに雪原を走るキンペイバイへと向けられていたのであった。 - 66二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 23:58:11
じじトレとのやりとりも懐かしい
ありがとう - 67二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 09:52:36
あとはイクイノとのG3勝ち産駒か
- 68二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 15:47:04
ほす
- 69君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/16(土) 22:03:26
「兎にも角にも勝てたのならそれが1番じゃ。おめでとうさん」
それじゃぁ儂はこれでとあらかた言い終わったじじトレは控え室を後にしようとするが、それを止めたのはじじトレの服の裾を掴んだキンペイバイの手であった。
「どうしたんじゃい、お嬢さん」
「じじトレさん、お願いがあるんです。これは夫とも話し合って決めた事なんですけど……この子、お腹の子が産まれたらじじトレさんがトレーニングを付けてあげてくれませんか?」
妊娠6ヶ月ともなるとお腹の子の性別もすでに分かる頃で、勿論ウマ娘かどうかもこの時期にはすでに分かるくらいお腹の子は成長している。
そして、キンペイバイの出したお願いはお腹の子がウマ娘である事が分かってすぐに夫婦2人で意見の一致した事でもあった。
「……この老耄にかい?」
「じじトレさんは私にとっても───君にとっても最高の指導者です。私達の子の最初の先生にはじじトレさん以上に素晴らしい人はいないんです。それに…私と───君の子ならきっと走るのが好きだと思うから、その気持ちをもっと大きくしてあげたいんです」
そう言ってお腹をさするキンペイバイの姿を見て、ほんの少しばかりじじトレの心が揺れた。
それはきっとこれから母親になる彼女に、母親になりたがっていた女房の姿を重ねてしまったからなのかもしれない。
「……いかんのぉ、こう歳をとるとどうしても涙脆くなってしまう」
断る理由は無かった。女房と最後に交わした約束を守り、今も教え子達から頼りにされて、病気も治り何一つ不自由のない幸せな老後を送れているのだ。そこに最後の担当の子に自分の子の指導をして欲しいと頼まれては焚き火のように安定して燃えていたトレーナー魂が、火柱と見間違える程に燃え盛るのは無理もなかった。
「その願い、儂でよければ喜んで引き受けさせてもらおう。いやはや、この歳になって長生きする理由ができるとは思わんかったわい」
じじトレの幸せな老後はこれからも続きそうだ。 - 70二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 07:08:06
ほしゅ
- 71二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 12:34:38
第18子 GⅢ勝(牡 父:イクイノックス)
名前:トワイライトアイ
由来:黄昏時+瞳 父名より連想
特徴:青黒毛。幼い頃は大人しく、手のかからない子どもだったと言う。しかし競走馬に必要な身体の大きさ、筋肉量が足りておらず関係者は増量に苦労した。
競走馬となっても身体は小さいままで、レース当初は当たり負けや馬群を割れず沈んでいくことが多かった。
しかし、何度もそれを繰り返している内に彼の心に火が付いたのか、いつからか大きな体の相手にも怯まずに挑む勇敢な性格になっていった。
勝ち鞍こそGⅢ1勝のみだが、小さな馬が大きな相手に挑むと言う単純明快な図式がファンの心を揺さぶる様になり、ついにはアイドルホースまで作られた。
ウマ娘になったら:非常に小さな身体。
生傷が絶えない。
怖いのは傷が増えることよりも挑戦しなくなることだと常に口にしている。
しかし蛮勇とも取れる行動をとることも多く、周りからは口を酸っぱくされている。
座学の方は意外や意外に優等生。 - 72二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 19:37:48
何を採用するかはともかく産駒案は全部埋まった?
- 73二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 19:46:35
埋まりはしたね一応。まだ募集はしてると思うから確定マークないところは意外と名前とかのアイデア出し得な気もする(数撃ちゃ当たる理論)
【確】1.G1複数勝(牝 父:タイキシャトル、才能98) イリフネ
【確】2.GⅡ複数勝(牡 父:タニノギムレット) グレンリベット
3.OP勝ち(牝 父:ダイワメジャー) スキップビート
4.G I複数勝(牝 父:マヤノトップガン、才能95) レガシーホーネット / アクセルスイーパー
5.GⅡ1勝(牝 父:シンボリクリスエス) フジエベレスト
6.OP勝ち(牝 父:ダイワメジャー) シーオブラブ
7.OP勝ち(牡 父:メイショウポーラー) スネークアイ
8.G I複数勝(牡 父:キングカメハメハ、才能98) ドンロコモコ/キングゲンキダマ/テイクミーハイヤー
9.OP勝ち(牡 父:ディープインパクト) ディープラム
10.OP勝ち(牡 父:ドゥラメンテ) マイポテンシャル
11.GⅢ1勝(牝 父:エピファネイア) エックスマス
【確】12.OP勝ち(牝 父:シュヴァルグラン) ビッグドリーミン
【確】13.G I1勝(牡 父:カルストンライトオ、才能88) ターキーバス
14.GⅢ複数勝(牡 父:ドバウィ)
15.G I複数勝(牝 父:パンサラッサ、才能96) サイユウキ
16.G I複数勝(牡 父:イクイノックス、才能92) Pay by Gold
【確】17.OP勝ち(牝 父:オルフェーヴル) トーキョーバニー
18.GⅢ1勝(牡 父:イクイノックス) トワイライトアイ
19.G I複数勝(牡 父:コントレイル、才能99) コウロウム - 74二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 22:41:38
- 75二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 06:47:17
- 76二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 16:04:21
⭐︎
- 77二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 23:10:28
「やっぱり、繁殖牝バになるために生まれてきたような子だったろ?」
- 78二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 06:45:57
捕手
- 79君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/19(火) 16:28:56
- 80二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 20:30:04
- 81二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 06:34:02
やっぱ1スレ目の時点で収容する必要があったか…
- 82二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 10:12:27
おじさんはエロ心眼を誇るな
- 83二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 20:05:08
まあでも俺でもキンちゃんの肢体を見たらこれこそ繁殖牝バ!っていっちゃうもん
- 84君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/20(水) 21:19:05
- 85君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/20(水) 21:28:22
大きさをわかりやすくするためにこんな風に既存キャラをイメージするとわかりやすいかもです
コードヘブン
→だいたいデュラメンテ
テュランダイナ
→ヒシアマゾンの身長を+2cmしてB・W・Hを増量
リリスファタール
→170になったフジキセキ(腰はもっと細い)
フェルティローザ
→参考になる子はいません。アズールレーンの樫野とかブルアカのハスミとかメロン22先生とかヂイスケ先生の牛崎潤美とかコノシゲ先生のキャラとかあの辺を参考にしてください
プリムモカ
→6cm低いカレンチャン - 86二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 00:52:30
ペイバイちゃんちっさいな
- 87二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 06:38:39
やはりこの体躯で妊婦はいろいろと反則
よくお産に耐えてくれた - 88君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/21(木) 09:55:52
- 89二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 17:40:14
- 90二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 23:13:38
私はこの人達とうまぴょいしました図やんけ…
- 91二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 06:43:28
- 92二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 15:48:36
やってる事ほぼ強化版ホワイトナルビーなのよねペイバイちゃん
- 93二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 00:13:08
お腹出してる子の産駒が成績がいい傾向なのは何かの因果関係が?
- 94二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 10:40:55
- 95二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 11:21:36
JRAのHPより抜粋だと、選定基準は以下の通り
中央競馬の競走馬登録を受けていた馬で、
(1)競走成績が特に優秀であると認められる馬
(2)競走成績が優秀であって、種牡馬又は繁殖牝馬としてその産駒の競走成績が特に優秀であると認められる馬
(3)その他、中央競馬の発展に特に貢献があったと認められる馬
競走馬引退から20年過ぎると選定の対象外になるので、選定対象になるのは第16仔がデビューする時期ぐらいまで
現役中にはG1を3勝(スレでは史実超えで4勝)。選定対象内の期間内でそれまでにG1級勝利馬が5頭出ていて、全馬オープン入りは前例のない偉業だと思う
初年度産駒イリフネちゃんの活躍で候補に上がり始め、マヤノ産駒の活躍で得票数を集め、牡馬の>>29の活躍が決定打となり選定……って感じになるんじゃないかと想像
- 96二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 21:09:34
- 97二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 21:36:03
シーザリオはG1馬を3頭送り出しているけど、産駒のG1勝利数は合計5勝
キンペイバイは初年度産駒イリフネちゃんで、既にG1を8勝しているのがやばい
アーモンドアイとクロノジェネシスとタイトルホルダーが、全部同じ母から生まれてきてるようなものだよ
- 98二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 00:55:39
馬産こわれる
- 99君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/24(日) 09:37:08
まだ他にやってほしい事・振って欲しいダイスはありますか?
無いようでしたらそろそろエンディングに入ります - 100二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 10:01:41
- 101君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/24(日) 10:25:21
それではヒーロー列伝のキンペイバイのキャッチコピーとか構図とかを募集します(最終決定はダイスです)
同時にコードヘブン他同世代の物も募集します。2つ以上のアイデアを送る場合はそれがどのウマ娘のものか分かるようにしてからお願いします
<テンプレ>
キャッチコピー『○○○○○○』
構図:(例:右上を向いて手を伸ばしてる)(思いつかない場合は未記入で大丈夫です)
その他:キャッチコピーに込めた意味や特筆したい点等お好きにご記入ください(無い場合は記入不要です)
- 102二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 11:00:29
ペイバイとコードヘブン以外の他の子の勝ち鞍はこのスレの182にある通りでいいのかな
閲覧注意「繁殖牝バになる為に生まれてきたような体だねw」part.12|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/3752255/bbs.animanch.com - 103君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/24(日) 11:07:26
現状はそうです
- 104二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 17:37:12
シックスセンスじゃなくてネーミングセンスはどのサポカで貰える?
◯ックスセンスでも良いよ - 105二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 20:21:48
確か最初期のゲストレーナーにエロい事させられてるペイバイちゃんは逃げウマやってたんだよなぁ(ゲーム的に考えるとメイクデビューで勝つだけなら短距離逃げは割と合理的だろう)
- 106二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 00:07:02
キャッチコピーとか考えるの好きなのに中々浮かばない…
- 107二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 06:33:40
ひとまずペイバイちゃんのもので
キャッチコピー『たとえ小さな一歩でも。』
構図:天皇賞春の最終直線を走っている最中の1カット
その他:キャッチコピーのあとに「いくら挫折しても、ハンデを負っていても、夢はきっと叶う」みたいなポエムが続く。実は写真は胸元に修正が入っている(○がはみ出していたため) - 108二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 16:13:48
コードヘブンのキャッチコピーを
キャッチコピー『楽園創造』
構図:後続に何バ身もつけて振り切っている、走っている様子を切り取った物
その他:自らペースを作る逃げウマ娘、その存在はまさに創造神と呼べるだろう - 109二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 17:05:02
- 110二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 23:20:19
コードヘブンちゃんも、なんだかんだあって最後は笑顔で同窓会に出られるようになったからなぁ
良い種牡馬をつけてほしいものだ - 111二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 06:45:27
しかし、半年間本当に更新ありがとうだわ……
しっかりラストを見届けさせてくれ - 112二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 17:16:29
いざ考えようとすると難しいよね
- 113二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 23:47:32
キンペイバイの勝ち鞍ってどれもこれもいいレースだからどれをベースにするかでも悩まない?
秋華賞→これまで負け続けていたコードヘブンにようやく勝ったレース
天皇賞(春)→有馬記念で牡馬相手は厳しいかと思われたが前評判をひっくり返しての快勝
ジャパンカップ→復活したコードヘブンとのガチタイマン、秋華賞に続いての1・2フィニッシュ - 114二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 06:37:57
- 115二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 17:41:16
保守
- 116二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 18:10:39
スタミナは母親から受け継ぎやすいっていうもんね
- 117二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 18:17:49
フェルティローザのキャッチコピーを
キャッチコピー『君に見惚れる』
構図:振り返りざまを取られている様な構図
その他:老若男女問わず皆が見てしまうような贅沢な身体、そしてひたむきな走りと経歴から - 118二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 20:35:26
リリスファタール
キャッチコピー『その蹄音は、美の奇跡を刻む』
構図: 引退式での横顔アップ
美しい流線型の馬体が映える横顔のショット。優しい目元が印象的で、「美しすぎる競走馬」として注目された彼女の象徴的な一枚。背景はぼかし気味にし、彼女の美しさにフォーカス。
その他:リリスなんて名前がついていて尚且つ、美少女揃いのウマ娘の中で取り分けて美人と強調されているのでそれをイメージしました - 119二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 21:57:32
出番は多いのにレース描写があまりない(ペイバイチャンとあんまり一緒に走ってない)のでなかなかいいのが浮かばないテュランダイナ…
- 120二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 06:52:23
天皇賞・春
たとえ小さな身体でも関係ない
はち切れんばかりのエネルギーが、ターフの上で弾ける
半世紀ぶり、ティアラウマ娘による長距離G1制覇
後に『近代競馬の母』と呼ばれる彼女の名は――
《キンペイバイ》
さあ、夢を叶えに行こう
――URAテレビCM『The WINNER』天皇賞・春 キンペイバイ編 - 121二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 16:19:10
いいですね
- 122君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/28(木) 20:24:29
流石にそろそろ進めないとなので11/29の17:00で一旦募集を終了させていただきます。
時刻を決めさせていただいていますが、再開(ダイスでの決定)までならば投稿していただいたものも候補には必ず含まれます。 - 123二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 06:50:11
それじゃあペイバイちゃんのやつで
キャッチコピー:『母になるため、生まれてきた』
構図:ラストラン有馬記念のゴール板を通過する直前
補足:通常のヒーロー列伝にナンバリングされている訳ではなく、キンペイバイが顕彰馬となった記念に制作された番外編。作中では史実を覆して有馬記念を勝利しているため、翌年に作成されている。それはそうとタイトル回収って熱いでしょ。 - 124二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 16:35:10
テュランダイナ
キャッチコピー『世界に、喰らいついた脚』
構図:拳を握りしめてガッツポーズしている瞬間 - 125キミは繁殖牝馬になれるちゃん24/11/29(金) 21:13:15
- 126キミは繁殖牝馬になれるちゃん24/11/29(金) 21:21:35
それと、現役引退何年後に振り返っているのかもダイスを振ります
1.デビューから5年後・引退から1年後・キンペイバイ17歳
2.デビューから9年後・引退から5年後・キンペイバイ22歳
3.デビューから10年後・引退から6年後・キンペイバイ23歳
4.デビューから14年・引退から10年後・キンペイバイ27歳
5.デビューから15年・引退から11年が・キンペイバイ28歳
dice1d5=3 (3)
- 127キミは繁殖牝馬になれるちゃん24/11/29(金) 21:26:08
ではインタビューをどの時期に受けたかまで決めてしまいます
1.天皇賞春の頃(4月末)
2.秋華賞の頃(10月中頃)
3.ジャパンカップの頃(11月の末)
4.有馬記念の頃(12月の末)
dice1d4=2 (2)
- 128君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/29(金) 21:52:54
世間が今年の秋華賞に沸き立つ10月中頃の週末……から少しばかり日を遡ったこの日、東京某所のとあるスタジオにキンペイバイ達、ウマ娘数人の姿があった。
「本日はよろしくお願いします」
司会進行を務める男性の挨拶に頭を下げるウマ娘達。
どのウマ娘もレース界を賑わせた大物ばかりで、撮影スタッフ達も子供のように目を輝かせている。
ウマ娘達の背後にはそれぞれのレースシーンが写真として切り抜かれインパクトのあるキャッチコピーと共に、偉業を雄弁に讃えている。
そう、今日はURAが発行するレースで特に目覚ましい功績を残した歴代ウマ娘達を集めて発行する『ヒーロー列伝』のポスターお披露目と、キンペイバイ達の世代のデビュー10周年を祝い、過去のレースを振り返る特別企画なのだ。
「早速ですが、レースの方の振り返りをさせていただこうと思います。この世代のレースといえばやはり、この時期の名物大レースでもある秋華賞は外せないと思うのですが、当時を振り返って何か思い出すことなどあればお願いします」
クラシックティアラ路線最後のGⅠレース『秋華賞』それはこの世代にとって、主要な同期が一同に介した唯一のレースでもある。
誰にとっても思い出深いであろうこのレース、最初に手を挙げたのはテュランダイナであった。
「私としてはやっぱ、コードヘブンとの逃げ比べが1番だな。いやぁあんだけ抜かせてくれない奴は後にも先にもアイツだけだよ」
当時のマイルドヤンキーガール然としていた彼女とは打って変わってトレードマークの金髪はそのままに温和な雰囲気を感じさせる落ち着いた女性となっていた。それでも現役の時のエネルギッシュさと勝利への貪欲さは失っていないようで、彼女目線から見た秋華賞を語る目は闘志の炎がチラついていた。
「あたしはどんなレースだって"負ける"なんて考えて走った事は一度もない。だけど、あの時だけは一瞬だけ思っちまったんだ。あぁ、よく覚えてるよ最終直線に入るって時になってもアイツの実力の底が見えなくて、日和っち待ったんだろうな。"無理だ"なんて情けない言葉が口から出ちまった」
それにしても現役時代その逃げっぷりから『快速』の異名をつけられていた彼女であるが、そんな彼女から見てもコードヘブンの逃げは凄まじいものであったようで、今ではコードヘブンの異次元の走りにどこかリスペクトを感じているようであった。 - 129二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 08:04:09
乙です
- 130君は繁殖牝馬になれるちゃん24/11/30(土) 08:44:24
続いてマイクが回ってきたのはリリスファタール。現役当時から絶世の美少女ウマ娘だの顔面国宝だの3兆年に1人の美少女だの彼女の美しさを讃える言葉が後を絶たないレベルで生み出されるほどの超絶美少女ウマ娘は、引退から現役引退から約半年が経ち20代後半になってもなお、その美しさは未だ健在である。
それどころか歳を重ねた事で、大人としての魅力が上乗せされ現役当時の10代の頃よりも美しくなっているとさえ言えるほどである。
現在はトレセン学園にて現役当時の担当トレーナーの元でサブトレーナー業務を務める傍ら、昨年に結婚した新婚さんでもある。
そんな彼女はこのレースに対してどんな言葉を紡ぐのだろうか。
「オブラートに包むのであれば破天荒な、言葉を選ばずにいえば頭の痛くなる展開の滅茶苦茶なレース…でしょうか」
意外や意外、彼女の口から出た評価はかなり低いものであった。
「スタート直後から始まる先頭2人の根性比べ、それに釣られてみるみるスピードが上がるバ群、皆思考を放棄し本能をむき出しにする賢さのカケラもない強引なレース展開……今思い出しても頭が痛くなってしまいます…」
観客目線で見ると序盤の逃げウマ2人の接戦、超ハイテンポなレース展開、最後に全てを掻っ攫うキンペイバイと見どころが最初から最後まで盛りだくさんのトッポのようなレースなのだが、走っている当人からすればロジカルさのカケラもない脳筋レースすぎるのだろう。
特にリリスファタールはデバフをメインにレースをコントロールして戦うタイプのため、全く自分の強みを出させてくれないこのレースに対しての心象が宜しくないのも仕方がないのかもしれない。 - 131二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 17:59:06
さすが塩試合製造機呼ばわりされてるコードヘブンが大暴れしたレースだけのことはある
- 132二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 23:19:29
改めて振り返ると、無敗でトリプルティアラに王手をかけてたコードヘブンに初めて土を着けたキンペイバイの根性強さに感心する
史実では完全連帯、勝ったレースより負けたレースを語りたくなるような成績だから尚更 - 133君は繁殖牝馬になれるちゃん24/12/01(日) 09:50:08
「しかし、なかなかどうしてあれ程までに昂るレースというのはありませんでした。もしかしたら、熱量という部分だけで言えばエリザベス女王杯すら超えるかもしれません」
だが、彼女にとっても悪い印象ばかりという訳でもない。
世代におけるティアラ路線の有力馬達が一堂に会した唯一のレースでもあり、レース展開はともかく出走ウマ娘のレベル自体はかなり高いレースだったと言えるだろう。
しかもこれがクラシックティアラ路線の最後の宝冠であり、また当時のコードヘブンが非常に心象によくない自分以外を見ていないいけすかないタイプだった事もあって、彼女に全ての冠を渡してなるものか、冠を頂くのは自分だと誰しもが高い闘争心と競争心でもって争っていた。
そういう事もあって、出走ウマ娘達の熱はかなり高く、静かな印象を持たれがちだがその実、誰よりも闘争心に溢れるリリスファタールにとっては走り甲斐のあるレースだったと言えるかもしれない。 - 134君は繁殖牝馬になれるちゃん24/12/01(日) 18:45:53
「うちん思い出はやっぱり、最終直線でペイバイちゃんが後ろからグワッー!って迫ってきたことかな。走り始めてからずっとテュランちゃんとヘブンちゃんがトップスピードで走り続けとーけん、離しゃれんごとって必死やったとにそれ以上んスピードで追い上げてきたペイバイちゃんにはびっくりしたばい」
リリスファタールからパスを渡されたフェルティローザは素晴らしい追い上げを見せたキンペイバイの事を語った。
元々視野が広くレース中に掛かる事がほとんどない彼女は、あの秋華賞においても先頭2人から少し話される位置の3番手につけレースを走っていたが、それだって離されすぎると取り返しがつかなくなるが、距離を考えないとペース配分に失敗する、このレースでは自分の強みよりも根性がモノを言うと異常なハイペースレースの中で瞬時に自身の取るべき戦略とすべき事を考え実行していた。
それはかなり順調で、事実として最終的な結果で見てもほんの僅かな差でテュランダイナを躱しての3着に入着しているところから見ても彼女の確かな実力が分かるだろう。
だからこそ、理論的にレースを戦っていた彼女にとって大外からぶん回して一気にゴールまで突っ切っていったキンペイバイの姿はいっそ清々しくさえ感じていた。
「うちゃティアラ三冠レース全部走りよーけん分かるばってん、あん時んペイバイちゃんなほんなこつ凄かった。そん一個前んオークスでも泥だらけんインに突っ込んで2着まで駆け上がって行ったんもだばってん、秋華賞んな別格やった。まるで背中にロケットエンジンが付いとーごともん凄か加速やったばい」
同期6人組の中でクラシックティアラ路線3レース全てを走っているのは実はコードヘブン、キンペイバイ、フェルティローザの3人だけだったりする。
コードヘブンに次いでレースの中でキンペイバイを見てきた彼女だからこそ、あのレースでのキンペイバイの輝きを理解できていたのだろう。 - 135君は繁殖牝馬になれるちゃん24/12/01(日) 21:03:32
「次はモカちゃんの番やね」
ひとしきり思い出を語り終えたところで次に会話をパスされたのはプリムモカであった。
現役時代、同期6人組の中でキンペイバイの次に小さかった彼女(とは言ってもトウカイテイオーと同じくらいはある)は今や160を超えて街を歩けばモデル事務所からスカウト間違いなしの褐色美人へと成長していた。
しかし、彼女がそんな事態に巻き込まれる事はまずあり得ないだろう、何故なら……
「モカ、よく日本に来れたねあっちの方は忙しくないの?王族って想像よりもずっと仕事してるイメージなんだけど」
そう、プリムモカは中東のとある国の王族なのである。現役時代からメスガキ然とした姿からは想像もできない育ちの良さと気品から、ファンから冗談で「どこかの国の王族なんじゃないか」と噂されていたが、それは実は事実であったと公表された時の衝撃はそれは凄まじいモノであった。
「別にぃ、仕事はお父様とお兄様がぜぇーんぶやっちゃうし、あーしの仕事なんて毎日笑顔で健康に暮らすくらいっしょ。お堅い家柄の息女がどんな事してるのかなんてコードっちが1番詳しいんじゃない?」
あっけらかんとするプリムの返答にそうだねと笑って返すコードヘブン。片や没落しかけとはいえ日本ウマ娘レース界における超名家の1人娘、片や中東の国の本物のお姫様、お互いに通じ合うものはあるが周りの4人の小市民は置いてけぼり状態であった。 - 136二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 21:03:46
このレスは削除されています
- 137二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 21:07:02
このレスは削除されています
- 138君は繁殖牝馬になれるちゃん24/12/01(日) 21:11:36
「それにぃ今のあーし、こんな体だし、尚更仕事なんてないない。にしても、みんな仲良くお腹大きくしてるなんてあの時のあーし達に言ったら頭おハジケ?って面食らってただろうなー」
プリムモカに王族としての仕事らしい仕事がないのにはもう一つ理由があった。その理由がなんなのか、それは大きく膨らむ彼女のお腹が何よりも分かりやすく示している。
キンペイバイよりも上の学年のプリムモカは学園を卒業し国に戻った後、色々な事があって異国の男性を婿に迎え入れ結婚をしていた。そして今年、めでたく第一子となる子を懐妊し日々育つ胎児の重みに幸せを感じながら丸く大きくなっていくお腹をさすっている。
そして、今年はキンペイバイの同期達にとってのベビーイヤーだったようでリリスファタールとテュランダイナとコードヘブンが1人目、キンペイバイは2人目、フェルティローザに至っては5人目となる子を妊娠しているのだ。
そのため、今日のインタビューは全員膨らみ具合こそ違うが子の宿ったお腹を抱えての参加となっている。
ちなみにキンペイバイが妊娠8ヶ月、コードヘブンとフェルティローザが妊娠7ヶ月、リリスファタールとテュランダイナ、プリムモカの3人が妊娠6ヶ月である。 - 139君は繁殖牝馬になれるちゃん24/12/01(日) 21:37:46
「秋華賞の思い出ねぇ…あーしあん時はバ群で揉みくちゃにされてぜぇーんぜんいいとこナッシーだったから特に無しかなー」
世代の同窓会でその返答でいいのかと誰しもが突っ込みそうになるが、プリムモカが特に言う事無しというなも理解できる話で、破城槌とさ例えられる彼女の突破力もこのレースでは上手く発揮されずあまりレースシーンとしてもめぼしいものがないのもまた事実であった。
そのため、プリムモカはこの話題をパスした。とは言っても実際のところは次に待ち構える2人のエピソードがかなり濃いものになるだろうなという察しとこれが動画としてJRAのウマチューブ公式チャンネルに乗る以上箸休めもいるだろうというプリムモカなりの気遣いの現れでもあった。
そして、遂にこのレースの2大本命のうちの1人コードヘブンの番が回ってきた。
「秋華賞の思い出か…」
コードヘブンにとっての秋華賞は初めての敗北、怪我による長期離脱の原因とファンから見ると散々なレースとして記憶されていた。だがしかし、コードヘブンにとってはその逆、何物にも変え難いほどの大切な1戦である。だからこそ最も相応しい言葉を選ぶためにしばらくの間黙りこくっていた。
「アタシにとってのこのレースはそうだな….久しぶりにもっと走りたいって心の底から思えた最高に楽しくて無我夢中で走った大事なレース…かな」
長考の後にコードヘブンの語った言葉は驚くほどにシンプルで、それでいて彼女の心をそのまま言葉にしたモノであった。
秋華賞以前の彼女は壊れるように走って、それで天国に行けるのならそれが1番だとずっとそればかりに囚われていた。だが夏合宿のあの夜、友達として自分を倒すと啖呵を切ったあの小さなウマ娘、彼女がコードヘブンのそれまでを全て変えてしまった。
あのレースの事は今でもハッキリと思い返せる。最終コーナーを曲がり切って最終直線へと入るその瞬間、遙か後方から聞こえない爆音と共に爆ぜた青い砲弾が凄まじい速度で追い上げてくるのを見た時、コードヘブンの心は久しぶりに踊った。
今にしてみればあの時の自分は多分笑っていたんだろうなとコードヘブンは考える。 - 140君は繁殖牝馬になれるちゃん24/12/01(日) 21:38:09
母が走ったティアラ路線での三冠ウマ娘という当初の自分の目標にあと一冠の大手がかかった重大な局面であったのに、彼女の心にあったのは必ず勝たなければいけないという執念やこれさえ取ればどうなってもいいという決死の覚悟でもなく、楽しい、走る事が楽しくて仕方がない、このレースに勝ちたいという、昔、コードヘブンが取りこぼして無くしてしまっていた純粋な気持ちだった。
「それまでのアタシは"勝たなくちゃ"ってそればかりだった。だけどこのレースは"勝ちたい"ってそう思えたんだ」
ゴール板を、割った時キンペイバイとはほぼ同着であった。だが掲示板は嘘をつかないようで2着の位置に表示された自分の番号を見て少しも悔しくなかったと言えば嘘になる。本当は今すぐ叫びたいくらいに悔しかった。あと数センチで勝てたのにという悔しさで顔を覆いたくもなった。だが、負けたことに後悔や絶望という感情はなかった。それまでのコードヘブンであればその場で自ら命を断ちかねないほどの絶望に襲われただろう。だが、今彼女の胸にある思いは一つ。
「トゥインクルシリーズで初めて負けてすっごく悔しかった。でも、その時こう思ったんだ、"次のレース早く走りたいな"って。本当に自分でもびっくりだったよ、楽しかったからまた走りたいってそう思える自分がまだいたんだって」
柔らかな笑顔で語るコードヘブンはそう語り合えるとキンペイバイへと目線を向ける。まるで「アナタのおかげ」とでも言いたげなその視線にキンペイバイも同じように微笑みを返すのであった。 - 141二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 00:39:17
悔しいはポジティブな感情って偉い人が言ってたな
- 142二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 06:48:08
- 143二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 12:06:21
『天国に行きたい』が最優先だったコードヘブンが、未来を見始めた転換点…それがあの秋華賞なんだよね…だからこそあのキャッチコピー思いついたんだけど
(投稿時のスクショが撮れてなかったので、コピペするためのメモを証明として
日時を>>109と照らし合わせてもらえば
(長期休養)は『生きるための選択…具体的にしとくか』ってコピペ後に付け足しました)
- 144二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 20:55:54
めっちゃわかる
- 145二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 00:18:41
良いよね
- 146二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 08:42:55
全員妊婦さんとかさすがティアラ路線
- 147二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 08:50:29
引退して繫殖牝馬になれば、そりゃ毎年お腹大きいわなってなる
- 148二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 17:54:48
ほしゅ
- 149君は繁殖牝馬になれるちゃん24/12/03(火) 20:12:43
そして最後にキンペイバイの番が回ってきた。このレースの勝者である彼女はどんな言葉を紡ぐのか、司会や撮影スタッフだけではなく同期達5人も注目する中、少しばかりの思考を要して吐息一つと共に彼女はあのレースのことについて語り始めた。
「本当のことを話すとあの当時のことはあまりよく覚えていないんです。追い上げるぞ!ってところからもう無我夢中で頭真っ白で、気づいたらゴールの向こう側にいたんです」
秋華賞でキンペイバイは2つのもののために戦っていた。
一つは当たり前だがこのレースに勝利しティアラ路線最後の冠を頂き、憧れの「女帝」エアグルーヴのようなカッコよくて強くて美しいウマ娘になるという目標を叶えること。
そしてもう一つ、友達としてコードヘブンと戦い勝利すること。
あの夏合宿で彼女が抱える孤独と闇に触れたキンペイバイは、言葉で貴方は1人ではないと伝えることができたがレースの中では依然としてコードヘブンは孤独なままであった。以前はあれほど強く、大きく見えたコードヘブンの背中は今ではまるで列を成す死神から逃げ惑う子供のように誰よりも早く、何よりも安息の場所─天国─を求めて、がむしゃらに走る寂しい背中に見えて仕方がなかった。大逃げを武器にありとあらゆるレースを蹂躙する彼女をいつしか人は「孤独の女王」と呼んだ。誰よりも他者との繋がりを求め、だけど怖くて1人泣いていた脆い少女をである。
だからこそ、キンペイバイはこのレースに必ず勝たねばならなかった。勝って証明しなければならないのだ、貴方のレースは孤独ではないと。 - 150君は繁殖牝馬になれるちゃん24/12/03(火) 20:20:53
最終コーナーを抜け最終直線に入るその瞬間、キンペイバイは持てる全ての力を出し切るため限界を超えて脚を回し、体がバラバラに引きちぎれてしまいそうなほどのスピードに乗った。
これまでのじじトレとのトレーニングの成果、指導・併走してくれた先輩ウマ娘達のと経験、その全てをこの短くも長い約300メートルに注ぎ込んだ。
だがそこまでしても世代最強の女王の壁は高く、必死に追いかけるその背にはあと一歩足りない。あとひと押し、ほんの些細なきっかけがあれば、そう心から渇望したその時であった。
無我夢中であったためにキンペイバイさえ自覚できなかったその"力"はだが確かに彼女の欲するあとひと押しとなり、キンペイバイは秋華賞を制したのである。
その一瞬の輝きを見ることができたものはほんの僅かである。だがあの瞬間、確かにキンペイバイが見せたあの輝きは不完全ながらも『固有』の力だったと言えるだろう。GIF(Animated) / 2.96MB / 700ms
- 151君は繁殖牝馬になれるちゃん24/12/03(火) 20:33:51
「観客席から拍手がして、それでレースが終わったことに気づいて掲示板を急いでみたんです。酸欠で頭が痛くて目も霞んで最初は上手く見えなかったけどだんだんそれがわかってきて…そしたら今度は涙でうまく見えなくなっちゃって」
自身初めてのGⅠタイトル勝利、憧れの女帝へと一歩近づいた瞬間、そしてなにより最大のライバルであるコードヘブンからようやくもぎ取った勝利。その全てがないまぜになりキンペイバイの感情は爆発した。
あの時、嬉し涙をポロポロと流しへたりこんでいた自分の手をコードヘブンが取り、勝者としての振る舞いを示してくれた事をキンペイバイは今でもよく覚えている。
「その後も天皇賞春にジャパンカップ、それにラストランの有馬まで勝って、全部たくさん思い出があるけれどその中でも1番嬉しかったのはこの秋華賞です」
このレースの勝利をもってキンペイバイの人生も世界も大きく変わってしまった。それは彼女が世間に大きく認知されると同時に、様々な人間関係の変化、今後GⅠウマ娘として扱われる重圧、様々にあるが彼女にとってこのレースは何よりも大きく重いターニングポイントであったと言えよう。 - 152君は繁殖牝馬になれるちゃん24/12/03(火) 21:17:03
続いてインタビューはそれぞれのヒーロー列伝のポスター感想のコーナーへと移っていく。
「自分で言うのもなんだがカッケェじゃねぇか!」
<世界に、喰らいついた脚>
ポスターの中でテュランダイナは硬く拳を握り、ガッツポーズで天へと吠えている。これは彼女のラストランとなった「香港マイル」での一枚である。同年に安田記念を制し、強豪マイルウマ娘として期待され望んだ世界での大一番。
弱気な内面をコートに隠し、誰よりも強くカッコいい自分を目指したウマ娘はその名前と驚異的な「快速」っぷりを世界に示してみせた。
そんな彼女をポスターはこう綴っている。
『鮮烈な勝利を飾った安田記念、その走りはまさに快速。次なる獲物は香港マイル、黄金色の暴君が今、征く』
- 153二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 21:22:26
好き…
- 154君は繁殖牝馬になれるちゃん24/12/03(火) 21:45:28
自分のポスターの出来にご満悦そうなテュランダイナとは対照的にリリスファタールは薄らと苦笑いを浮かべていた。
<その蹄音は、美の奇跡を刻む>
引退レースとなってしまったエリザベス女王杯のウィナーズサークルでの勝利インタビューの際に撮られた彼女の横顔がポスター全面にどーんと配置されている。流石は絶世のウマ娘、これだけでピューリッツァー賞が狙えそうなレベルである。
「奇跡とは…いささか盛りすぎではないでしょうか」
おそらくポスターの担当者が相当にリリスファタールのファンだったのだろう。明らかに文面に力が入りすぎている。
『何度も何度も何度も負け続けた。その度に聞こえる落胆の声が彼女の青毛を濡らす。だがその滴りすら美しさに変え彼女は輝く。光は望む者の真上に来る。異国の女王の名の冠はついに彼女の手に』
極め付けはポエム調のこれである。共するとイタすぎるこの文面はリリスファタールの美貌あってこそではあるものの、当の本人は若干引き気味なのが尚更ファンの空回り感を増強させている。
「しかし私には勿体ほどのお言葉です。このポスターを作っていただいた方、本当にありがとうございます」
背筋が伸びた綺麗なお辞儀でカメラ越しに感謝を告げるリリスファタール。実はスタジオの端で天高く拳を掲げていた人物がいた事を彼女は知らない。
- 155君は繁殖牝馬になれるちゃん24/12/03(火) 22:47:54
続いてはフェルティローザの番である。
彼女のポスターは引きで彼女の体全体を映すものであり、この場面はラストラン終了直後に観客席のトレーナーの方へと振り返った時のものである。
<君に見惚れる>
キャッチコピーは非常にシンプルなもので、その大きさに誰もが一度は振り返り、振り返って見た彼女の可愛らしい容姿に誰もが見惚れてしまうという彼女らしい要素を短く分かりやすく表す名文である。
大きさを強調せずに彼女の持つ美しさや、やり切った後にトレーナーの方へと振り向く少女性などを表現しているのはまさに匠の技であろう。
『阪神ジュベナイルフィリーズの栄光から3年。GⅠの栄光は遠く、伸ばしてを掠めて届かない。だが今日は違う。ラストラン、エリザベス女王杯。2400mの果て、栄光を再びその手に』
そしてこのテキストである。阪神JFを勝つもその後3年近くGⅠ勝利に恵まれない時間を過ごしても、腐る事なくレースに出走し続け、そして最後の最後に栄冠を掴み取ってみせたそのドラマ性もまたフェルティローザの大きな魅力であろう。
「こげんよか事ば書いてもろうて、嬉しかばってんちょっとかっこよすぎて恥ずかしかかも。ばってんうち、こんポスターばり気に入ったばい。ばり好きったい!」
妊娠する事に大きくなっていく胸を揺らして喜ぶフェルティローザに男性スタッフ一同、密かに鼻の下を伸ばしていたのは言うまでもあるまい。