- 1佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/11(月) 02:57:43
今のうちに。
佐藤カガリ 16歳(2年生)
出身校:百鬼夜行連合学院
身長 130+40 (40) cm
胸 3 (3) 1.小盛 2.並盛 3.大盛
腹 2 (2) 1.細 2.中 3.中太
尻 2 (2) 1.小さめ 2.やわらか 3.もちっ
髪色:薄い黄色(3・1) 長さ64 (1で肩につかないくらい100で足元)
瞳の色:オレンジ(5・2)
肌の色:85 (1で芸術級スーパー美白、100で健康的こんがり褐色)
(ここ最近ホスト規制受けがちです!!!!めげずにやっていきます)
(しかしエニーリス編合計5セクションの予定がめちゃくちゃ長いことに今になって気付いてしまった まだ3つ目終わってないらしい しれっと削ってるかもしれません……計画性が無い……) - 2二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 03:03:45
たておつ
- 3二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 03:40:01
10まで
- 4二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 03:59:54
うめ
- 5佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/11(月) 04:18:54
情報まとめ
「佐藤カガリ」こと天童アリスのストーカー のまとめtelegra.ph1スレ目
【オリキャラ🎲】天童アリスのストーカーです、通して下さい|あにまん掲示板はぁ…………今日もかわいい……………………(スレ画は一番好きな表情)戦闘 dice1d100=@57 (57)@知性 dice1d100=@12 (12)@運動 dice1d100=@67 (67)@…bbs.animanch.com前スレ
【オリキャラ🎲ss】天童アリスのストーカーです、通して下さい【佐藤カガリ】Part7|あにまん掲示板せっかくの"お祭り"っぽいし、楽しく過ごしたい! 佐藤カガリ 16歳(2年生)出身校:百鬼夜行連合学院身長 130+40 (40) cm胸 3 (3) 1.小盛 2.並盛 3.大盛…bbs.animanch.com前回のあらすじ(1/2)
開発中の新作ゲームタイトル"エニーリス"を引っ提げ、マルチジャンル見本市イベント"K.PCE"へと展示参加することになったゲーム開発部一行。他ブースでの展示を見て回る中で新たな知見を得ながら、キヴォトスに潜む創作者たちのエネルギーに圧倒されたりもしつつ、多少の気苦労はありながらもそれぞれイベントを楽しんでいた。
一方、ヴェリタスからの提案で『K.PCE会場に来ることが予測されるサイバー犯罪者』の対処を内緒で手伝うことになっていたカガリ。作戦の途中でかなり予想外の事態に巻き込まれ、想定と大きく違う段取りに巻き込まれながらも、なんとかメンバー全員で協力して犯人こと「ドスケベなすび(HN)」を捕縛することに成功する。先生とカガリが協力して彼女へのカウンセリングを行った結果、再犯の可能性が低いこと、実質的な被害がほぼ無かったことを踏まえ、今回は大目に見ることで合意。当初の目標通り、なんとか事態を丸く収めることができた様子。
- 6佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/11(月) 04:38:16
(2/2)
気を取り直してイベントを満喫しようとしたカガリは、以降のブース巡りにあたってミドリと同行することをモモイから勧められる。お互いにあまり器用ではなさそうな2人だったが、モモイの目論見通り少しだけ相互理解が進んだような、それほどでもないような……ともかく、ミドリについて知らない部分を多く知ったことで考えあぐねるカガリの前に、"ゲーム開発部のファン"だと言う少女が現れる。
彼女の名は『桐生キキョウ』。彼女いわく、カガリとは不思議と何処かで会ったことがあるように記憶しているようで、逆に自分のことを覚えていないかとカガリに質問を投げかけたのだが……
カガリはその名前を聞いた瞬間、自分の中の"特異性"が大きく暴走し始める兆しを感じ取った。自分自身の昔の記憶と強い関連があるこの特異性は、キキョウの存在を記憶として思い出そうとしたことで暴れているのだろうか……思考はそれ以上続かず、その意識はブラックアウトしてしまった。どうなるカガリ。
(ついにあらすじが1レスに収まらなくなりました こんなに書かなくても良い気もします!というかあらすじでどうやって説明するか考えながら本編を書き進めたほうが良い気もします 精進します) - 7??? ◆IEd0n050V224/11/11(月) 05:01:44
─────────────────────────
聞こえていないでしょうが、一応断っておきます。少々荒っぽい手段を使わせてもらいました。
本当はこういうことしないほうがいいってわかってるけど。如何せん2回もしくじったおかげでビビってるっていうか……
とにかく、これで激発は抑えられました。今回は意識と同様に記憶も失ってもらいます……つまり、こちらが完全に主導権を握ることになります。初めての試みですが、裏がなんとか繕い切ることを祈るばかりです。
まあ、ずっとこのままって訳にも行かないし、対処されるのもまずいから、変な真似はしないと思う。しないよね?
……まったく、何故こんなことをしなければいけないのか。そんなことを考えられるだけでも、幸運というものなのでしょうか?
カガリちゃん、落ち着くまでは交代で見張っておかないとだし。じゃ後は宜しくおねがいします。
───────────────────────── - 8佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/11(月) 05:16:36
不気味なくらい穏やかに、目が覚める。
う、うーん。頭がスッキリする……すごく長い間寝ていた気はするけど。っていうか真っ暗! ここ何処?
「………………」
いつの間にか寝巻に着替えさせてもらったみたいだし。それに、匂いからして……ゲーム開発部? 誰かが運んでくれたのかな。えーっと、僕のベッドから電気のスイッチまでは……枕がここだから、右側に向かって起きて……
「むぎゅっ」
わ゛っ!? え、え? なんだこれ。
「ん……あぅ。カガリ? おはようございます……」
……!!?!?!??!!?!?!?? まっっっっっごめんアリスちゃんっ、そんなつもりじゃなくて、あの、いや、ごめん!!!! え、なんで!? 待って本当に何もしてないから!!!!!!!
「うるさいです。アリスは起きたばっかりですよ」
ごめんなさい………………
「体調は、どうですか? 特異性は……ヒマリ先輩に聞かないと、わからないかもしれませんが」
体調は全然平気なんだけど。……あの、僕をアリスちゃんと一緒に寝かせたのって誰?
「? ……『一緒に寝たい』って言ってくれたのはカガリですよ?」
……何も覚えてないんだけど。切腹するべきですか? - 9二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 05:36:03
生きておられんごっ!
- 10二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 05:41:11
キキョウといい謎の声といい、カガリには一体どんな秘密が隠されているのか
- 11佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/11(月) 05:51:08
「カガリが『気絶するかも』って言ったのをミドリが聞いたのは……確か、その日の18時頃でした。今が11時なので、大体今から17時間前ですね」
そんなに寝てたんだ、僕……
「いえ、寝ていませんよ。『気絶するかも』って言った後も、全然そんなことはなく、普通に起きたまま歩いていたみたいです」
え、ええっ???
「少し、様子がおかしくて……初めて見るくらい無口になっていたのと、歩き方も少しよろめいていました。ブースに戻ってきても、みんなと全然話さないまま、椅子に座ってじっとして、持ってきた本を静かに読んでいて」
……ヒマリ先輩から連絡来たりした?
「はい、ユズにモモトークの着信で。先生が居合わせてるってわかってからは、先生を通じていろいろ聞いたみたいです……アリスはあまり聞きませんでしたけど」
………………
「カガリはその後、ミレニアムに戻ってきて直ぐにヒマリ先輩のところへ連れていかれたのですが……それも覚えていませんか?」
全然。何を聞いたのかも、何を話したのかも……
「……でも、検査でわかる範囲で、身体に異常は無かったみたいです! それを聞いた時は、ひとまずみんな安心しました」
自分からはどうにも出来ないとは言え、心配かけちゃったなぁ。またヒマリさんとは話さないと……多分向こうもそのつもりだよね。
……そして恐らく、C&Cの皆さんの前で出てきた『あれ』と、同じものだってことも察しが付いた。その正体がキーちゃんなのか、そうでないのかはともかく。だとすると、あの時の100倍くらい大人しく振る舞ってくれたことになる……理由はわからないけど。 - 12佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/11(月) 06:02:29
「――それで……夜中の1時ごろ、寝る直前になってようやく、自分からみんなの前で言葉を喋ったんです。『アリスちゃんと一緒に寝てもいいですか』、って」
そうだった、その話だった。ごめん。
「アリスはその時になっても、詳しいことはあまり知らなくて。普通だったら断る理由はありませんが、普通じゃないその時は、どうすればいいのかわからなくなって」
……っぐ…………
「『私たちだけじゃわかんないから』と言って、モモイがすぐに先生と電話を繋いで、意見を聞いてくれたんです。先生は少し考えた後、"大丈夫だと思う"と」
ここでヒマリさんじゃなく先生に電話する辺り、すごくモモイちゃんらしくて、今聞いてる話が現実だって実感に繋がった。……ともかく、一応みんなに同意されて、一緒に寝たってことみたい。だから許されるって話でもない気がするけど。
「その、ごめんなさい。これはカガリが、アリスに『忘れてください』ってお願いしていたことなんですが。」
……な、何かあったの?
「一緒のベッドに入ってから、しばらくして……カガリ、眠れなかったみたいで。アリスもまだ起きてることを確認した後、質問してきたんです」 - 13質問 ◆IEd0n050V224/11/11(月) 06:04:30
『アリス、ちゃん。ゲーム開発部は楽しい?』
- 14佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/11(月) 06:27:36
「……勿論、楽しいに決まってますし、そう答えました! でも、やっぱり変だと思うんです。カガリのこと、まだ全部を知れている訳ではありませんが……状況とか、内容とか、アリスが知っているカガリとは違って」
………………
「も、もしかしてカガリ、"2重人格"の人なんですか?」
え゛。……ど、どうだろ。ちょっと色々事情が、ないこともないんだけど……
「ゲームで見たことあります、役割が違う2人が、1人の中に一緒にいて……その、ゲームに出る時は、片方の1人が殺人鬼だったりします……でも、"2重人格"は現実にもありえることで、全部が怖い存在ではないのも、知ってます」
う、うん。多分、もし僕がそうだとしても、そんなに危ないわけじゃないのかなって……
「アリス、大丈夫です。カガリの『もう1人』がどんな人か、まだわかりませんが……出来るだけ、優しくしたいです。助けになりたいって思いました」
アリスちゃん、優しすぎる。
気持ちがいっぱいいっぱいになってしまって言葉が出ない。僕からすると、半分以上が自業自得っていうか、実のところアリスちゃんの友達を自分の勝手で巻き込みながらこんな状況になってるから、心が痛む部分もあって……でも、ちょっと勇気に繋がった気がするし、まるで何かを許してもらえたような心強さがあった。
……前に進みたい。もしもこれが物語なら、僕がしたことにはまだ続きがあって、僕はそこに辿り着くべきなんだと思う。
精神力ステータスが成長します 73 +dice1d4=4 (4)
- 15二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 12:56:11
最大上昇だ
がんばれカガリちゃん - 16二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 17:43:56
悪いものではなさそうだけど…実際何なんだろうな
キーちゃんなのか? - 17二次元好きの匿名さん24/11/11(月) 20:53:56
アリス良い子や
- 18佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/12(火) 05:59:56
「今、照明を点けますね。その後は……時刻からすると、そろそろランチタイムです! カガリは昨晩何も食べていなかったので、きっとお腹が空いています」
寝台から暗やみに踏み出して、「光よ!」と唱えながら遠くのスイッチを押すアリスちゃん。……なんかいつもより微妙に薄着っぽかったので、明るさに目が慣れる前に顔を逸らした。危ない。
「そうでした。昨日のカガリの荷物、いつもの棚にそのまま入れてあるので、後で見てみてください」
ん、ありがと……待ってアリスちゃん、中身見たりした???
「はい、見ていません。アリスはむしろモモイが勝手に見ようとしたのをみんなで止めた側でした」
よ、よかった。最悪の事態は免れ――
「イベントから帰ってきた後、みんなで戦利品を披露し合った時、『カガリの分はまた後日に』ってことになったんです。もしよかったら色々見せてください!」
……うん。ちゃんと選んでおくね……
自分の生態に後ろめたい要素が多すぎて、少しめまいがした。2重人格とかはともかく……全然ともかくじゃないけど! えっちな本に関しては、昨日の自分が『隠し場所』のこととか何も考えないまま買っていたことに、たった今気が付いたし。
……もしかして僕って向こう見ずなのか? って思考した自分自身に、ちょっとびっくりする。どう考えてもそうでしょ。『なんだかんだ上手く行きそうな雰囲気』が備わってない点以外は、モモイちゃんと似たようなもんだよ。うぐぐぐぐぐ…… - 19佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/12(火) 06:22:43
「あっ、2人とも起きたみたいだよ!」
「おはようございます、カガリ先輩。その、もう喋れそうですか……?」
しゃべれ……うん、大丈夫! ごめんね、心配かけちゃったかも……
「よ、よかった……アリスちゃんも、大丈夫だった?」
「はい! 特にこれと言ったイベントは発生しませんでした、異常無しです!」
「………………」じーっ
ど、どうしたのミドリちゃん。
「今回は事情がありそうなので、追求しません。今回は」
……も、モモイちゃんが言うには、やっぱりというか、ヒマリさんから僕に呼び出しが掛かっているらしい。それなら早速行って来ようかなー!! 平静を取り戻すには一回この場から離れたほうが良い気がする!!!
「……あ。そうだった、私からもカガリ先輩に聞きたいことあってさ」
聞きたいこと?
「その……K.PCE、楽しかった? いや、そもそも私が言い出した割に、仕事量で言うと昨日かなり頼っちゃった気がして。最初の方とかてんてこ舞いだったし」
それは……楽しかったと思うよ? 勉強にもなったし、見るもの聞くもの全部面白かったし、僕が思ってるより世界が広いってのもわかったし……あと、これまで以上にみんなのこと知れたから。
「……そっか! そう言ってくれると、私も無茶を通した甲斐があったなって感じ。ありがとね」
う、うーん。あまり確信して言えなかった……なんでって、意識を失って中断しちゃった分、僕の中から『余韻』が無くなってるから。
特異性周りのこと、ある程度は割り切って受け入れて生活しようと思ってた、けど……今までに受けた悪い影響の中で、これが一番困るかも。『やり直せない体験』の途中でも、それが容赦なく挟まってくるかもしれないなら……やっぱりなんとかしたい。 - 20佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/12(火) 06:38:11
「……えっと、それとは別に、もう一つあって! 呼ばれてるのに何個もごめん」
大丈夫だよ。なに?
「今朝、ドスなすさんからメッセージ来ててさ。とりあえずまたゲーム作り始めるって」
! そうなんだ。なんていうか、よかったかもね、無理しないでほしいけど……
「それで、カガリ先輩に伝言してほしいって言ってたの。『お世話になりました』って……カガリ先輩、なんかした?」
……いや、特別なことはしてないと思うよ?
「そっか。まあそれだけ、聞いてくれてありがと」
こっそり心配してたけど、良いニュースが聞けてよかった。あの件に関しては、先生の判断がすごかったのもあるけど……僕もとりあえず、致命的に間違った選択はせずに済んだ、のかも。
本当に一瞬だけの関わりだったけど、知り合いが何かを乗り越えたって聞くと、自分も不思議なやる気が出てくる感じがした。……でも、具体的な気合いの入れ直し方って、よくわからないかもしれない。が、がんばるぞー! みたいな!? - 21二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 10:16:02
ドスなすちゃん前向きになれたのかな
- 22二次元好きの匿名さん24/11/12(火) 21:30:27
がんばるぞー
- 23佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/13(水) 06:08:31
「――ふむふむ、『あっちから押されている』ですか……非常に興味深い証言ですね。ただ記憶を秘めておくだけではなく、その想起を妨害するような作用も持っている……『隠匿』に留まらず『監禁』まで行っている。私が思っていたよりも強い力が働いていそうで……これはカガリさん本人に限った話でしょうか?」
そ、そうなんですかね。おっ、思い返してみると、"キキョウ"さんは僕を見て何か気付きそうだったかも……
「しかし、記憶能力そのものに不具合は見受けられないのが不思議なんですよね。それはつまり、カガリさんにとって不都合な記憶と普通の記憶が、頭の中で分別されているということで……分別されているということは、カガリさんの頭がその両方を正確に認識していたはずです。1人の人間が、無意識にでもそのような手品を試みるなら、ダイブ装置を利用した際にボロを1つも出さなかったことが奇妙ですよね。カガリさんの精神から独立した別の判断機能が関与しているのだとすれば説明は容易ですが、私が知る限り、これらの状況は<Key>の関与よりも前から始まっていそうですし……」
ヒマリさんが止まらなくなってきてる。厄介事を持ち込んでしまったのは僕のほうなんだけど……いや、これは本人の性質かもしれない。知的好奇心みたいな。まるでパズルを解こうと試行錯誤しているみたいな……解かれてる時のパズルの気持ちってこういう感じなんじゃないか。
「部長。カガリが聞きたいのって、もっと実践に適ったことだと思うよ」
「……そうですね。ええと、この状況で"実践"が必要そうなのは、件の別人格についてでしょうか? 実は昨日少し面会をしたんですけど」
は、はい、らしいって聞きました。……実践って言っても、僕から出来ることなんかあるのかなって……
「あれ、昨日で2度目の発現でしたよね。C&Cのみなさんの前で現れたものと同じだとすれば、ですが……そこの所、カガリさん本人はどう捉えていますか」
……同じ、だと思います。説明できないんですけど、あの時と同じ感覚があったので。
「なるほど。では、その方向で考えてみましょうか……1つアイデアがあるんです」
- 24佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/13(水) 06:32:30
「題して……題して、なんと呼べばいいんでしょうか。やることはただの交換日記なんですけど、仮にも自分が相手なんですから交換はしませんし」
……交換日記、ってことは。何か文字が書けるものを用意してみたり?
「そうですね。普段使っている手帳の、一番最後のページを専用としてみても良いでしょう」
ヒマリさんいわく、合計して7時間ほど出ていた筈の『別人格』は、その間ほとんど全てのコミュニケーションを拒んでいたらしい。何か喋らせるために様々な種類の誘惑をしたけど、結局何も言わなかったとか……
「でも、カガリさん本人が相手なら、私より幾分か喋りやすいかもしれません。『何か伝えたいことがあればここに記してくれ』って、意思を表明してみるだけならタダじゃないですか」
だ、大丈夫かな。その、自分で言うのもなんですけど、あれって話していい相手なんですか?
「さしたる問題は無いはずです。根拠として……それが如何なる存在であろうと、少なくともここ最近、アリスちゃんを目の前にしても全く不審な動きを見せていませんから。私の見立てでは、きちんとした理性と知性を備えているように思えてなりません」
……だとすると、僕があの時アリスちゃんを一目見た瞬間、急に暴れ出したのって……その、昨日出会った、コハルちゃんみたいなことか。そう考えたら納得できる。なにかすごく違う気もするけど。
「『別人格』さんについて知るには、カガリさんとアリスが今どういう関係なのか、そこに向き合うことが近道になると思いますよ」
アリスちゃんとの関係、ですか?
「別人格さんにとって、カガリさんにとって、今もアリスは大切な存在だと思います。……"昔はともかく今は落ち着いている"という部分も、言ってしまえば同じですね」 - 25佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/13(水) 06:59:35
……いざ考え始めてみたら、一瞬で手掛かりを思いついてしまった。その、僕にとってすごく、今までで一番ってくらい印象的だったからなんだけど……いや、でも、これって。
「何か、心当たりがありそうですね」
……あの時の僕の作戦が、成功してた……この『別人格』が、ダイブ装置から僕の頭に乗り移った<Key>そのものだったら、っていう話になるんですけど。いいですか。
「はい。元々、その可能性も考慮していますから」
アリスちゃんから……その、C&Cのみなさんと任務して、意識取り戻して、その晩の寝る直前の時、なんですけど。アリスちゃんから教えてもらったんです、『ケイ』のこと。
「! それは、どこまで聞かされましたか」
たぶん、全部です。再会して力を合わせたことと、その後すぐお別れになってしまったこと……聞いた時、僕もびっくりしたんですけど。
「……なるほど。そのエピソードは、それ以降の大人しさの理由として説得力がありますし……それでこういう心的変化を迎えたこと自体、<Key>である可能性の高さを示唆していると言えますね」
……堂々と喋っちゃったけど。もし本当にそうだとしたら、気持ちの動きに対してこうやって2人掛かりで推測しちゃってるの、なんか申し訳ないな……
少しの沈黙が続く。頭の中の音を聴いてみる……やっぱり何も感じられない。視界の端に、万が一の暴走に備えているのか、銃をいつでも撃てる状態にしてあるエイミさんが映った。ふと、ヒマリさんが口を開く。
「そちらにも事情があるのかもしれませんが。私個人の考えとして……あなたのことは、部分的に歓迎するつもりでいます」
……今のって、ケイちゃんに?
「はい、存在している可能性が高まったので。もっとも、私たち全員、もう暫くは考えを纏めるために時間が必要でしょうけど」
- 26二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 10:09:40
キーちゃん聞いてくれてるかな
- 27二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 13:21:58
どう解決できるのかねぇ
- 28二次元好きの匿名さん24/11/13(水) 20:28:08
これ今回のコミケのアレコレもキーちゃん見てたって事…?
カガリちゃんのあれやこれやが筒抜け…? - 29二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 07:46:16
保守
- 30二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 12:39:51
交換日記良いな
実際にもやるらしいねこういう場合って - 31二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 20:30:47
保守
- 32佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/15(金) 05:01:37
自分の考え事に気を取られながら歩く。……いるんだったら『いる』って言ってくれてもよくない!? もしもケイちゃんが存在してるとして、今に至るまで無言を貫く理由は何なのか。そもそもいないかもしれないのも承知で、考える。
ひょっとして、知ったら知ったで、何か余計なことするって思われてるのかな。直接話したのはあの時だけで……まあ、良い信頼関係を築けたとはとても言えない。なんならあの時ちょっと殺されかけたし、それが無くたって僕はいつも余計なことしてばっかりだし。
……それじゃあ今の僕って、こうやって自分の意思で行動できてることが奇跡なんじゃないか? 昨日の暴走を踏まえると、最低でもあっちは、何かきっかけさえ有れば僕の身体を乗っ取れるわけで……
「! ……あ、カガリ先輩おかえり。見て見てこれ、デリバリーのピザ取っちゃった!」
「だ、大丈夫かな。昨日何も食べてないのに……重いって思ったら、サラダとかも頼んであるので」
わー! いいのお昼からこんなに、パーティーじゃん!
「まごうことなき悪行です! ひとくち食べるごとにカルマ値が激増、もしかしたらアリスたちは収監されてしまうかもしれません」
「収監はちょっと言い過ぎだけど……あ、でも、綺麗に食べないとね。部室荒れてるとユウカに怒られちゃう」
(たまたま何も意識してないタイミングみたいですが、カガリは誰の隣に座る?)
dice1d4=2 (2)
1.ユズ
2.モモイ
3.ミドリ
4.アリス
- 33佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/15(金) 05:34:24
え~~~、どれから食べようかな。きのこのやつとか美味しそう……あ、お隣しつれいします。
「おっけー。あ、コップここね」
ありがと。よいしょ……
「「「………………」」」
……な、なんでみんなして無言で見てくるの??
「いやーとりあえず今は食べようよ。いただきまーす!」
なんでモモイちゃんはガッツポーズしてるの???
「そっちに行ったかぁ。まあ完成度は高くなりそうだし、いいのかな」
「き、気合い、入れ直さないと……間に合うかな、致命的なバグはもう出ないって信じたい、けど……」
「決まったことは仕方ありません、ここから更にギアを上げていきます!」
僕の知らない何かが決まったの!? 今!!?
「ちょっとね。まあまあ、簡単な話だよ」
……『今日からの制作で、カガリ先輩が誰の仕事を手伝うかは、部屋に入って来たカガリ先輩が誰の隣に座るかで決める』って約束だったらしい。なんだそれ……まあ皆が納得してるならいいんだけど、反論というか、気になったことを聞いた。僕が自分で選ぶんじゃ駄目なの? って。
「最初は、今までと同じで、そういうつもりだったんですけど……ちょっと、進捗がよくないじゃないですか。それって、誰か1人だけじゃなくて……みんな厳しくて」
う、うん。考えないようにしてたけど、K.PCEに向けて頑張ってた分がのしかかってくるよね。僕の労働力も考えて使わないと……いや、じゃあそれが殆どランダムになったのは何故???
「……その、アリスちゃんが言ったんです。『カガリの自由に選ばせたら、アリス1人だけが有利になってしまいませんか?』って。それなら、ランダムの方が良いって」
………………
「違いますか? カガリ」
本当に、文字通り、頭を抱える。どうやって答えればいいんだ。……いや、答えなくていいのか。あれって「違いませんよね!」っていう意味の微笑みか。あーもう。
……マルゲリータおいし。隣でモモイちゃんが、僕の現実逃避ぶりを見ながら笑いを堪えていた。まあ、決まったなら頑張るけどさ。 - 34断片 ◆IEd0n050V224/11/15(金) 06:41:10
──────────────────────────────
「ねえ。この筆箱、誰の持ち物かわかる?」
「えっ? ……わかんない。どこに有ったの」
「玄関。……私、227号に来たことがある生徒は、全員覚えてる自信あるんだけど」
「すごいよね、シグレちゃん。って言うってことは、これの持主は不明ってこと……?」
「うん。しかも、名前も書いてない……ここで暮らすことになったら、みんな書くように言ってあるはず」
「だったら、お客さんのものだったりして。滅多に来ないけど」
「……とすると、先生? でもノドカは見覚えないんだよね」
「先生のことなら全部知ってるわけじゃないよ!?」
「ま、とりあえず先生が一番ありえそうかな。連絡してみよっか」
────────────────────────────── - 35二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 09:50:17
アリスがいたから来たんだもんなカガリちゃん
- 36二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 14:44:36
色んな所で足跡が
- 37二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 16:56:31
ピザパじゃん
- 38二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 20:37:31
レッドウィンターじゃん
- 39佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/16(土) 05:49:45
「一応ね、ストーリーは殆ど完成版になってます。私の頭の中ではね! だから、もう一回書き起こすところから始めたいんだけど」
あれ、モモイちゃんが書いた手帳みたいなやつもう無かったっけ?
「んまあ、そうなんだけど~~~~……じゃあちょっと見てよ実際にこれ」
……お、おお。これは……ちょっと……
「こういう、ぐっちゃぐちゃのメモ書きでしかない状態から作り始めると、後でわりと痛い目見るんだよね。ふと気付いてみたら整合性取れてなかったり。わかってる筈なんだけどさ、いっつも時間無いから、このまま押し通しちゃって……」
そこでアテにしているのが僕の存在らしい。まあ、2人でやると能率が桁違いの作業っていうことは、なんとなくイメージがついた。ここから用意する土台は2つ、「ストーリーライン」と「キャラ相関図」。ここが大きく改変できる最後のタイミングだから、遠慮せずじゃんじゃんアイデアを出してほしい、ってモモイちゃんは言ってるけど。
あれから『インプット』みたいに言って、小説を読んだり、ゲームで遊んだり、出来ることは試した……ただ実際、どれくらい身に付いてるものだろうか。初めて手伝った時、本当になんの戦力にもなれなくて、ヒマリさんに丸投げした始末だったし! うぐぐ……今回は力になりたい……
(現時点の「知性」「勉学」ステータスの値を基に、新しく「創作」というステータスを生やします)
4(知性÷5) +13(勉学÷5) +10(小説・ゲームから得た知見分のボーナス) =27
+dice1d100=53 (53) ※どんな目が出てもこのダイスの上限は60とする
- 40佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/16(土) 06:23:06
「……ここで1回、主人公くんと"ハーウィン"を協力させたいわけなんだけど……正直、ここまでの挙動からして印象が味方のそれじゃないっていうか、敵にすら見えるだろうな、ってのが引っ掛かってて」
まあ、ハーウィンさんここまで殆ど悪口しか言ってこないのがずっと続いてるし……
「うー、やっぱり変な感じ。いくら主人公が喋らないタイプのゲームだからって、こんな不審者隣に置いて平然としてるってさぁ」
……味方っぽい理由があればいいんだよね? 説得力のある描写みたいな。
「というと」
なんだろ。シンプルに"魔物に襲われてるところを助けてくれる"とか……あっ、"食べ物わけてくれる"とか!
「おおっ! いいねいいね、フード理論ってやつ! そうだよ、この人別にオバケでもなんでもないし、人間味出してかないと」
ふーど理論っていうのがあるんだ……知らない……
「あるらしいよ。……知らないのにパッと発想で出てくるなら、それはセンスあるってことなんじゃない?」
褒めてもらっちゃった。やったー!
セオリーさえわかってれば、思ってたより無理な作業じゃない気がする。ストーリーを読む人に伝えたい『情報』が幾つかあるから、その間をどう補うか、どの順番で並べるか……いわばパズルみたいなもの。でも始まりと終わりの位置は最初から分かってるし、完成系は1つだけじゃなく、ただ全部のピースを余さず使えれば何でもいい。真面目に取り組めばしっかり終わりそう……それが大変なんだけど。
……手伝ってて思ったけど。長い物語を自分で考えるのって、大変すぎない? 例えるなら、たった今"糸を使って布を縫って繋げる"ことで褒めてもらった僕だけど、”その布をゼロから編む”ことは想像すらできない。でもモモイちゃんの話を聞くと、そこにはゼロに近い場所から生み出したのであろうアイデアが溢れていた。これって、どういう仕組みなんだ……??????
dice6d100=71 94 32 8 6 16 (227) ダイス1つにつき創作ステータス(80)以下で1回成功
- 41佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/16(土) 06:59:07
「モモイ、少しいいですか」
「……!? あ、アリス、どうしたの?」
「主人公の挙動について決めてるのって、モモイですよね。"フラム"の扱いって今のままで大丈夫なんでしょうか?」
「フラムちゃん? いや、ユズに任せるつもりだけど……生みの親だし」
「フラムは主人公にとても大きい好意を持っているキャラです。ユズが仕上げてくれたイベントシーンを見たんですが……具体的に主人公のことを好きになるキッカケを用意しないと、あそこまで献身的な振る舞いは不自然だと思います」
「……それは、そう、なんですが。一応この主人公くん、無言なのも含めて"プレイヤーが自分自身を投影できるように"ってので作ってるのよ。あまり大胆なことはさせづらいといいますか」
「このままだと、フラムは"思い込みが強すぎる一方的ヤンデレヒロイン"みたいになってしまって、エニーリスのテーマから浮いてしまいます。天秤に掛ければ、どちらを避けるべきか明らかです」
「わ、わかった。今からなんとかするね」
……そう言い終わると、真剣な表情のまま、アリスちゃんはテストプレイに戻っていった。
モモイちゃんからしても鋭い指摘だったらしく、2人で放心する。あ、アリスちゃん、そういう感じのことも躊躇なくできる感じの子だったっけ……
「ただのバグ取りは大体終わったっぽい。アリスがゲーム部分に直接意見出してくれるのって、『ゲームとしてのテストプレイ』が始まってからだから」
そうなんだ。ああいう感じ、僕が知らないだけでよくあるの?
「いやーーーー……かなり久しぶりだよ。アリスが来て最初の頃はそれなりにあったけど、期限との兼ね合いとか妥協とか覚えてから、滅多に。うちって基本的にゆるい感じだし」
だ、だよね。なんで急に……?
「"エニーリス"、これまでよりも期待してるんじゃないかな。理由はいろいろありそう」
ふとアリスちゃんの様子を窺うと、さっき僕たちに話したのと同じようなトーンで、ユズちゃんにも何か言ってるみたいだった。……期待。そういう言葉をイメージしながら横顔を見ると、静かだけど、情熱のようなものが感じられる気もする。
よくよく考えると、"ゲーム開発部"の中では僕よりもアリスちゃんの方が先輩なのであった。つまり、ゲームっていう分野において……遊ぶだけじゃなく、作る方でも、僕を導けるくらいの経験があるのかもしれない。 - 42二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 09:15:14
ダイスも結構成功してるしかなり良いんじゃないか
- 43二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 11:53:22
皆やる気溢れてんな
- 44二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 20:44:45
カガリも今までの学習の成果を見せるときだぜ
- 45佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/17(日) 05:45:33
「ユズ! "ブランカ凍原"の強制スクロール、中間が1つも無いまま走らせるのはやり過ぎな気がします。ライト層の人のことを考えると、ここだけ少し心配です」
「ミドリ、ここの背景って描き下ろしできませんか? 主人公の出発地点であり、"太陽"の墜落した場所ということを考えたら、見た目だけでさりげなく伏線を張っておいて、2週目のプレイヤーにアピールしたいです!」
「モモイ! やっぱり他のどの集落と比べても”カササギ村”の民度が最悪すぎます、木の葉隠れの里でもこんなに酷くありません! 最初はダークファンタジーかと思って納得していましたが、一通り見てから考えるとやっぱり異常な環境です!!」
「……えっと、ユズ、とモモイ! ちょっと来てください、"ナーバスウィップ"と他の技を組み合わせた時の、仕様のことで――」
かなり忙しい。思い返すとアリスちゃん、デバッグ作業もハイスピードで進めてたけど……その時は気付かなかったけど、たった1人が、この短時間でこんな大量の発見ができるって、すごいんじゃ?
……軽い気持ちで覗き込んだ先に、僕はとんでもない物を見た。どっ、同時に4画面起動してる!!!!! しかも、1画面使ってユズちゃんとモモイちゃんに何か説明してる横で、残り3画面が他の検証も進めてるみたいだった。こ、こわい……
「? どうかしましたか」
え゛。いや、凄い仕事ぶりだな、って……
「そうだ。カガリ、今の内からエンディングのテキストを練り込んでくれませんか? モモイは"エンディングだから1番最後に書きたい"と言っていたのですが、恐らく時間にそれほど余裕がありません」
「うぐっ……」
わ、わかった! エンディングは確か……ノーマルエンドの文章を土台に、分岐でちょっと内容を変える、んだっけ?
「はい! ユズ、エンディングの"日照"イベントの尺はどのくらいになりそうですか?」
「えっ!? その、長めに取ると、た、たぶん……3、いや4分くらい……?」
「みたいです。3分半を目安に、最初はノーマルエンドの内容からお願いしたいです」
わあああああああああ!!!! 急に重大な仕事が降りてきた!!!!!!
dice3d100=44 16 40 (100) ダイス1つにつき創作ステータス-15(65)以下で1回成功
- 46佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/17(日) 06:30:29
う、うーん。モモイちゃんは、明るいエネルギーと説得力でいつも周りをリードしてくれるし……ユズちゃんは、この部活動の理念を常に体現してる象徴みたいな存在だし……ミドリちゃんは、いつでも公平な意見を持ってお話を進めてくれるし……そしてアリスちゃんは、ひとたびスイッチが入ったらこの影響力だったし……
不法侵入時代、最初にゲーム開発部を見た時、『誰が部長なのかわからない』って思っちゃった、けど。実際に間近で見てみると、『部長に相当する資質は4人全員が持っている』って言っても、そんなに間違いじゃない気がした。
……やっていけるのか? 僕。もしリーダーシップが持てなかったとしても、一兵卒として頑張るつもりだけど……なにか、まだ僕が言葉に出来ていないエッセンスが残っている気がする。みんなに有って、僕に足りないもの。
「……んーーー。カガリ先輩、そっちどう? こっちね、主人公くんの動かし方で新しい方針出来つつある感じ。ミドリにおニューの差分お願いしたし、だいたいイメージ付いてきた」
ん、いいね。こっちもそれなりに書けてきたかも、文字送りの長さとか、スチルの遷移タイミングとかも考えてて……締めの文言だけ付いてないんだけど。見てもらっていい?
「なら一足お先に見ちゃおっかな~!!! どれどれ」
………………
「……え、めっちゃ良くない?」
ホントに!??!?!!??!!?
「うわ声大きっ。いや、イケてると思うよ……この、『その光は幼さゆえに優しく、優しさゆえに暖かい』ってところ、主人公くんっぽい内容だし、分岐ごとに変わるポイントとして書いてるやつだよね?」
! そうそうそう、登場人物のうち誰が太陽として昇るか決めるなら、それぞれどういう太陽になるのか考えたいなって……!
「プレイヤーが求めてるものっていうか、いろいろ悩みながらここまで来たプレイヤーが報われる描写だと思うな。少なくとも私はこれ流れてきたらめっちゃ嬉しい」
……やっていけるかもしれない! 直前までの不安が8割くらい吹き飛んでいる自分自身に気付いて、わっかりやすいなぁ僕、って少し内省した。 - 47二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 08:42:29
バリバリやってんなぁ
- 48二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 17:55:58
褒められてやる気が出るのは大事よ
- 49二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 20:38:25
がんばれがんばれ
- 50二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 00:16:29
ここまでしっかりと部活動してるスレも珍しい、青春を感じる
- 51二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 10:35:36
保守
- 52二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 13:57:27
忙しけど順調やね
- 53二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 21:06:17
保守
- 54佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/19(火) 05:30:49
「うーん、やっぱり喋らない主人公書くのって慣れてないな。恋愛シミュ作るってなるとそっちの方が良い気がするんだけど」
恋愛シミュって主人公喋らないの? やったことないんだけど……
「喋るパターンもある、でも個性的すぎるとプレイヤーが感情移入できないからさ。良くも悪くも普通の人っていうキャラ付けになってることが多いかも……それでも『主人公』であることは絶対だし! そう、この辺が難しいんだよー……」
今回の主人公くん、無口だけど、なんとなく"根は明るい子"って印象だよ。あと、1人でこんな旅に出るって時点で優しい性格に決まってるし……
「それはそう。そうなんだけど……例えばさ。目の前に悲しんでる人がいたとして、その場で励ますのはなんか違う気がするんだよね。ちょっとイメージ違う」
――随分長く話し合ってきた甲斐あって、この指摘の意味するところも理解できた。確かに、励ましたり慰めたり、そういう選択肢がパッと出てくる人物じゃなさそう……だからと言って冷酷ってことは絶対に無いんだけど! つまり、『優しさ』の表現にもいろいろあるってことで、その中から今回のシナリオに適うものを探す必要があった。
具体的には……具体的に、なんだろう? 1000人いれば1000種類の悲しみがあるわけで、それぞれ必要としている優しさは違う。全てに通用する万能薬とは言わないまでも、広い意味で心を和ませられるもの……
……というか、『優しさ』って何?
「うわあーーーー哲学始まっちゃった!!!!! いやもうキリ無いってこんなの、その時々で考えて決めよ、無理に納得するものでもなさげ!!! ハイ次!!!!!」
えええーー!? ま、まあ、そっか。極端な話、なんとか人間っぽく見えさえすればそれでいいし……
「今カガリ先輩超良いこと言った。そうだよ、現実の優しい人だって、全員が計算ずくで優しいわけじゃないんだから」
こんな感じで、色んな方向からモモイちゃんの考え方に触れている。
それが正しいか正しくないかはともかく、じっくり聞いていると、なぜか自分が生まれ変わっていくみたいな感覚に包まれがちだった。本当にすごい子だと思う。
(慈悲ステータスが上昇します)
62 +dice1d6=5 (5)
- 55佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/19(火) 06:02:54
「――メインストーリー、完成したんですか!? すごいですモモイ、今までで最速かもしれません!」
「で……出来たよ。いやーしんどい……もうなんも書けないわ……」
同じく……やってることは、考えては書いていくだけだったけど。やっぱり頭使うのって疲れるんだね……
「カガリ先輩ありがとうホントに助かった。シナリオ書いててこんなに"行き詰まり"感じないの初めてだったかも……その分ミドリへ差分の注文増やしちゃったし、実装作業もちょっと大変そうだけど……まあ諸君らのほうでそこは……」
気を遣わせないための癖みたいなものなのか。あえて尊大な言い回しをするモモイちゃん。これも『優しさ』の1つ……かもしれない。
座りっぱなしだったので身体がきしんでいて、伸ばすために立ち上がる。……そもそも、今回のコンセプト自体がモモイちゃんが1から持ち寄ったもので、だからこそ仰向けに転がっている表情には達成感というか、開放感が混ざっていた。大仕事、おつかれさまです……
「よーし、やっとサブクエスト執筆に着手できるよ! 期間いっぱい作り続けるからよろしく!」
「またそれやるの??? お姉ちゃんさっき『もうなんも書けない』って言ったばっかりじゃん」
「それはあれだよ、別腹ってやつ。なんならこの時のためにメイン頑張ってたと言っても過言ではないよ私は、おおむね書きたいもの書きたい放題だからね」
「う、うん。モモイならそう来ると思った……大丈夫、どんどん作っていいよ。導入はこっちに任せて」
「おおっ、べりーさんきゅーユズ!!! よーしお姉ちゃん張り切っちゃうぞー、とりまパパっと30個くらい出したいな」
……全然元気じゃん。ど、どうなってるの、モモイちゃんの体力…… - 56二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 09:27:31
船頭多くして、とは言うけど二人までならよりスムーズだね
- 57二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 13:08:14
ステータスも上がるし進捗も良しで最高だな
- 58二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 20:14:31
ガツガツ行くな
これなら期限には間に合うか - 59佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/20(水) 06:11:27
(こんばんは 大決戦ケセドを頑張りまくっていたらすんごい体力と時間を使ってしまったため本日はお休みいたします 初Tor攻略+チナトロとれました)
(ちなみに、実は「誰の隣に座るか」のくだりからセクション3はBパートに移っていて、しかも昨日の更新分で終わっています 要は書き忘れましたほんとすいません)
(これまでカガリちゃんがメンバーの誰を手伝うかは1d4で決まっていたんですが、被りが1回出たので次からはまだ出てないミドリとアリスの2択になります どっちだったとしてもK.PCEでの成果が反映される感じにしたい)
(ついでに、触れようと思って忘れてた前スレ178の言及に触れようと思います)
(具体的な描写物に触れる前までのカガリちゃんの性知識は、前スレのダイス結果を踏まえて「保健体育で得られるくらいの知見」+「道徳としての貞操観念」くらいだと踏んでいます 仕組みや意義は知ってて、かつ何がセーフで何がアウトか判断できるくらいの嗅覚はあるはず)
(例えば 口づけを長くしつこくするとなんか危ないとか、一方的に身体を掴んだり抱き締めたり、状況によっては腰に手を回すだけでそういう意味になるとか、そういうのを「えっちなこと」だと認識してる その上でアリスちゃんのことはえっちな目で見てるので、今挙げたようなシチュに興味がないわけでもないような……どうだろう……)
(そして、具体的にどういった行為が核心なのかは知っていつつも、見たことないし想像できないしで、ざわざわとタブーの予感だけ認識してる感じ まあ知っちゃったんですけどねこの子 健全でやってくつもりのスレだし閲注も付いてないのでね……のらりくらりと書いていきます……)
(ということで明日は場面転換してセクション4から更新したいです ホスト規制食らってたらすいません) - 60二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 09:01:50
まぁ別に好きだからって必ず性愛の方に行くわけでもないだろうし
- 61二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 20:20:59
保守
- 62二次元好きの匿名さん24/11/20(水) 20:21:07
このレスは削除されています
- 63前スレ17824/11/20(水) 23:07:00
- 64先生のメール ◆IEd0n050V224/11/21(木) 05:25:29
──────────────────────────────
『ミレニアムに来る前のカガリについて』
"おそらくカガリが忘れているであろう出来事について、私がたまたま知れたことがいくつかあるんだ 隠し立てするのも不誠実だし、カガリ本人にも伝えておこうと思う"
"もしかしたら不安になるかもしれないから、ここですべてを話すことはしないようにするけど"
"勿論、ヒマリを含めて、事前に相談しておくべき人々にはしっかり話を通してある"
"もし、最小限の情報であっても知ることを警戒するなら、このメールはここで閉じても大丈夫"
──────────────────────────────
dice1d100=19 (19) 精神力ステータス(77)以下で読む
- 65佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/21(木) 05:50:35
……百鬼夜行でもミレニアムでもない、2つの学校? に、僕が居たことがある、らしい。
僕が百鬼夜行を出て、ミレニアムに流れ着くまでの間……確かに、数ヶ月くらい不自然な隙間が空いてる。その間に僕はどこかに入り込んで、そこを出てからもう一度別のどこかへ居付いていて、その次にミレニアム……
う、うーん。びっくりするくらい思い出せない。なんというか、時間が経つにつれて『思い出せない』の度合いが強くなってる気がする……最初の方は『何かあったかもしれないけど思い出せないな』って感じだったのが、近ごろになって『何それ全くわからない』ばっかりになってるような。
「考え事、ですか?」
えっ!? ……か、顔に出てた? いや、ゲームのこととは関係ないんだけど。
「……送り主、先生ですよね。多分」
なんでわかったの!!??!?!?
「半分は当てずっぽうです。カガリ先輩、メールのやり取りする人ってまだ少なそうだし……何やら真剣な話を振られてるっぽくて、それにプラスしてスマホの画面を隠すような今の仕草を鑑みると、ごく個人的な話だってこともわかります。そうやって絞っていくと、候補は結構少なくて――」
ユズちゃん、僕以外の人にあんまりそういうことしない方がいいよ。
「…………ご、ごめんなさい、つい……」
まあ、ユズちゃんが作業中にこうやって半分気が散っている時は、決まって調子がとても良い時である。とりあえず僕も気合い入れ直さないと、こうして一緒の時間に横並びでコード書いてるからには……
うん、今は自分のことは後かな。"エニーリス"の完成度アップに費やしたいし、公開する瞬間やその直後の盛り上がりにも立ち会いたい……ただ空気に流されてるわけじゃなく、これは僕の望みっぽかった。いつかは自分のことにも向き合わないといけないかもしれないけど、今じゃなくていい! と思う。たぶん。 - 66二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 10:41:25
謎が深まるばかりだ
- 67二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 14:39:24
ひとまずエニーリス完成させないとね
- 68二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 20:31:15
何やったんだカガリちゃん
- 69二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 20:32:57
カガリにしかしないから大丈夫()
- 70二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 08:00:33
保守
- 71二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 16:57:58
大丈夫かな、色々と
- 72二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 21:43:20
保守
- 73佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/23(土) 04:35:33
-セクション4 Aパート-
「アリスの感覚で言ってくれたところによると……今の進捗が、78%! 昨日聞いたやつだから、今日になったら80くらい行ってるかな」
「はい、大体そのくらいです! いよいよ大詰めですね……!」
それぞれの作業にひと段落がついて、一度作戦会議をすることになった。
現時点でのみんなの疲れ具合はというと……満身創痍なのがユズちゃん、少し眠たそうなのがミドリちゃん、普通に元気そうなのがアリスちゃん、そしてむしろ昨日よりも元気になっているモモイちゃん。ずっと楽しそう。
「ユズ、コーディングって殆ど片付いたんだよね?」
「う……うん。カガリ先輩に手伝ってもらったし……あと、『見やすいように書く』っていうのが、意外と自分にとっても良い感じで」
「すごい、ハッキリ成長じゃん。あの時点で協力態勢こぎつけたの正解だったかもね」
ありがとうユズちゃん。その、やる時は一気に限界までやるタイプなんだね……しっかり休んでて、新しく出たバグの対応とかは僕がなんとかするから……
「はい…………」
「か、顔色がゾンビみたいになってます。回復魔法で逆にダメージを受けそうです」
「そうそう、カガリ先輩の今日からについてなんだけどさ。シナリオとコーディングは殆ど済んだから、あと2つ案があって」
モモイちゃんの言う1つは『アリスちゃんと完成間近になった"エニーリス"を最初から最後まで通しで遊びながらプレイ感を記録する』、いわばテストプレイのお手伝い。
もう1つは、『ミドリちゃんと一緒にBGMや環境音などの音響を検討しながら、それに合わせて画面に特殊効果を追加していく』、サウンドグラフィックの最終調整。
……どっちも気になる! なんだかんだ、アリスちゃんと2人でゲームを遊ぶ機会は今まで無かった気がするし……サウンドの方は、結局手付かずのままになってるK.PCEの戦果をばっちり活用できそうだし……どうしよう。
dice1d2=2 (2)
1.アリスちゃんと通しでテストプレイ!
2.ミドリちゃんと音作りの世界へ!
- 74佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/23(土) 05:56:51
「はい。効果付け作業、やっていきましょうか……」
……う、うん。なんか、あんまり機嫌よくない……?
「いやっ、大丈夫です! 確かに、やっててテンション上がらない工程なんですけど……その為にカガリ先輩呼んだので」
怠そうに目を薄くしたまま、僕が触ったことあるペイントツールの100倍すごいバージョンみたいなソフトを起動するミドリちゃん。いわゆる『ドット絵』で描かれた、揺れる火とか煙っぽいものとか、くるくる回る葉っぱとか、とんでもない量が並んでいる……
「あ、まずはやることの説明からですね。例えば……ゲームで爆弾がドカーンと爆発した時って、画面全体がズシンっと揺れたりするじゃないですか。『時フル』とかでもそうだと思うんだけど」
……言われてみればそうかも。
「後は、操作キャラが走った時に、そこの地面の種類によって出る足音を変えたり。『演出』っていうのかな……とにかく、そういうのは私がやることになってるんです。ただ、それが結構大変で」
ちょっと見てください、と言って示された画面の中に、モモイちゃんがいつも使ってるようなメモ帳アプリが開かれている。
上から順に、1行ずつ『ParticleLife=100』『ParticleAmount=8』『ParticleSpleadSpeed=14』『ParticleExpand=1.8』『ClearTime=60』みたいな文章が、下までずらーっと百数十個くらい……こ、これ、察するに……
「最初は、私が描いた素材をユズちゃんの所に送信して、うまく演出にしてもらうって感じだったんですけど……それだと限界があって。私が想像してるイメージを共有するのが大変過ぎて」
た、確かに、ここの数字を弄りさえすればすぐゲームに反映されられる造りなら、ミドリちゃんの思い通りに動かせる。ユズちゃんらしい解決法っていうか……
「はい、元はと言えば私の拘りが強すぎたせいなのに、すごく寄り添ってくれたと思うんです。……ただ、私、未だにこれ使うの下手くそで」
だ、だよねえ。如何せん項目が多すぎて、だだーっとスクロールしてるうちに、目が潰れるっていうか…… - 75佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/23(土) 06:21:17
「多分ですけど、これって元を辿ればこの部の体質の問題でもあると思うんです」
そ、そう? 話聞いてたら、2人とも頑張ってるなって思ったけど……
「……むしろ、ちょっとガムシャラに頑張ってきちゃったっていうか。世の中、もっとお金が沢山あってスタッフが大勢いるようなゲーム開発スタジオも、勿論あるわけで」
まあ、そっか。というか、そう考えるとうちって、作るゲームの規模のわりに小っちゃいのかな……
「そう、それなんです。チームの大きさはゲーム作品それぞれで違っても、遊ぶ人は同じだって考えたら、クオリティの部分で『お金がない』『人がいない』なんて言い訳にできないじゃないですか」
……ま、まあ。
「だから私たち、とにかく自分の役割だけに集中したんです。ちゃんと話し合ったわけじゃなく、自分から……そのせいでみんな、自分のことに精一杯になっちゃって、他の人がやってる仕事について勉強することも忘れてて」
す、すさまじいストイックさ……そして多分、ミドリちゃんが一番表に出るだけで、実際は他のみんなも同じくらい真剣に取り組んでるんだろう、って感じる話だった。
『ゲーム開発者として"背伸び"することを選んだ結果、いつの日からか連携が難しくなってしまった』のかも……と分析したミドリちゃん。この問題を解消する上で、つい最近入って来たばかりであり、今ちょうど色んな分野を勉強している最中の僕が、部へ良い影響を及ぼすんじゃないかと期待している、らしい。……でも、僕が自分でしっかり考えて一つずつアイデアをひねり出さないと、影響も何も無いよな。
……とりあえず、今は試しに効果付けの作業を一緒にやってみよう! 考えるにしたって手を動かしていたほうがいい、その方がお得だから。
(手当たり次第にアプローチを実施するようです)
dice3d100=42 76 69 (187) ダイス1つにつき技術ステータス(52)以下で成功
dice3d100=84 73 48 (205) ダイス1つにつきプログラミングステータス(56)以下で成功
dice3d100=94 82 18 (194) ダイス1つにつき芸術:視覚ステータス(25)以下で成功
- 76二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 09:02:37
さすがに苦戦している
- 77二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 13:59:32
全部一回は成功してるのは流石
- 78二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 20:45:18
どうだろ、悪くはない?
- 79佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/24(日) 05:00:05
………………
「………………」
僕の場合、エフェクト1つ調整するのに、7分くらい掛かるかも。そっちは?
「5分くらいですかね。っていうか慣れるの早い……」
うーん、ただの気合いかなぁ。地道なことの繰り返しだから……それで、これってあと幾つあるんだっけ。
「全部で288項目くらいを対象にとってます。今、13個終わってるので……」
……275個?
「はい」
ええと。これから僕の手際がよくなって、ミドリちゃんと同じ5分で出来るようになるとして……5に275をかけると……せんにひゃ、いや1300分超えるかなくらい……2人でやるから2で割って650、60で割るから、つまり――
「カガリ先輩、よくないこと考えてませんか」
ちょっとズルしよう、ミドリちゃん。
「……ズ、ズル、って?」
軽くやってみたけど、全部のエフェクトが全く違う動きするわけじゃないじゃん。"それっぽい動きならOK"までハードル下げたら、入力した数字をまるまる使い回せるのもあるはずじゃん。
「まあ、それは……元々、幾つかは使い回すつもりですよ」
いや、"幾つか"じゃ終わらないと思うんだよね。だからこの288項目、まず10種類くらいのジャンルに分けて、動きの種類も10種類に固めちゃおう!!!
「それって、何時間くらい掛かります?」
僕がめっちゃ頑張って1時間に納めます。11時間と比べたら誤差じゃない?
「……なるほど」
ここに来てもう一度気付いた。この子、ちょっと真面目過ぎる……1人でやってたら丸1日持っていかれる作業だよこれ……
『困難に真っ向から立ち向かう』ってスタイルは、モモイちゃんを彷彿とさせるものがある。でも、モモイちゃんなら一瞬で白旗を挙げるような課題にも、ミドリちゃんは一先ず手を付ける。努力してしまう……そりゃ、今までに何回もモモイちゃんの救援要請を助けてきたんだろうから、こうなるのもさもありなんって感じか。
とにかく、僕にはそうできない! 僕にもう少し体力とかスキルがあれば頑張った可能性もある、が、無理なので回り道を選びます。避けられる困難は避ける……! - 80佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/24(日) 05:58:55
……よく見ると、それぞれの変数の名前、どの項目も同じ内容で書かれてある。多分ユズちゃんがこの状態で渡したんだろうけど……ってことはユズちゃんも、まさかこれ全部手打ちしてるとは思ってなかったんじゃ? とにかく、弄りやすくて助かる。プログラミングはまだ初心者だし。
さて、実際にジャンル分けの作業。さっき10分くらいかけてミドリちゃんに書き起こしてもらった表通りに……結構大変かもしれない。うう、後で楽するために今すごく苦労することになる……人生みたいだ……
──────────────────────────────
「か、カガリ先輩、首と腰すごい曲がってますよ」
やばっ。うーん、ちょっと1回立って歩こうかな……もうちょっとで出来ると思う……
「……うわあっ!? こ、コントローラー付いてる!!!」
こんとろ……そうそう、これクリックして、ぐいーって動かすだけで数字変えられるようにした。独断だけど。
「えっ、作るの大変じゃないですか!? 私ここまで頼むつもりでは――」
そ、そんなにじゃないよ? あの、そもそも僕、数字とアルファベットの手打ちが苦手というか……キーボードの扱いが未だにへなへなで。だから1回こういうの作っちゃったほうが楽で。
「……カガリ先輩、自分ではそれほどじゃないって思ってるみたいですけど、私から見たら完全に『プログラム書ける側』の人ですよ。びっくりした……」
な、なんか最近褒めてもらえること多いな。もしかして成長?
……少し調子に乗りそうになったが、仮完成させてミドリちゃんにも渡した後、油断してたらバグがいっぺんに2個くらい飛び出してきて対処に追われた。うぐぐ……せめて僕が触ってる間に出てきてほしかった…… - 81二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 10:51:48
メッチャ頑張ったな二人とも
- 82二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 15:04:30
なんとかなっていたが故の弊害が
- 83二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 21:09:48
バグって嫌ねぇ
- 84佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/25(月) 05:48:55
「……これ、本当にすぐ終わりますね」
でしょ。まあ、火の粉と煙が全く同じ動き方なのとか、見てるとちょっと奇妙な気がしなくもないけど……
「でも、最初にこうやって目に見える形になってからの方が、手直ししやすいかも。全く見えないものを作るって大変だし」
とりあえず自分が使えるように、とだけ意識して作ったツールだったけど、ミドリちゃんもそこそこ親しんでくれてるかも。
芸術的な仕事をしている時のミドリちゃんは、横顔がきりっとしていてかっこいい……確かに早く済むようになったかもしれないけど、僕が感じ取る成果としては、ゲーム作りの時間を楽しんでくれることが一番嬉しい気がした。
「……何見てるんですか?」
え゛!? ああっ、そうだよね僕も手伝うんだった、今どのくらいまで――
「あっ、いや、厳しい言い方にするつもりじゃなくて! えっと……気にしないでください、ちょっと恥ずかしかっただけです」
そ、そっかあ。ふへへ……
「っ……まあ、新しい作業内容考えないとですよね。おかげ様でこっちは私一人で十分になったし」
新しい作業。ってことは……イラストとか?
とは言っても、パソコンでお絵描きって、今のこの人にできるのか? という視線を向けられてる気がする、今。僕もそう思う。そして多分すぐには無理!
うーんと考えながら首をゆっくり傾けていって、45度のところで意を決したように立ち上がったミドリちゃん。機材棚のような場所に手を伸ばして、取り出したものは何やら奇妙な形をしていて……
「とりあえず、そのヘッドホン差し上げます。それなりに音質もいいと思う」
……あーー!!! ミドリちゃんが付けてるのと同じやつだ!!!!
「サイズ調整のところ、髪巻き込みやすいので注意してください。そう、それで……ひとまず、ゲーム音楽の構造をわかってもらおうかなと。取っつきやすさはイラストより上なんじゃないかな」 - 85佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/25(月) 06:25:50
「……はい、プレイリスト送りました。届くかな」
ありがと……あっ来た! わー本当に80曲ある……すご……
「今回は、16bit……16bitっていうと語弊まみれなんですけど、ほどよくピコピコの、スーフォミ的な音楽を目指してます。リストの半分はそれで、もう半分は参考用にオールジャンルで入れました」
なるほど。まずこれを聴けばいいのかな……
「んーーー……適当に聴きながら、そっちのパソコンにDTM用のソフト入れて、触ってみてください。たぶんカガリ先輩ならなんとかなると思いますけど、わからないことが在ったら聞いてくれると」
それじゃ、と言ってミドリちゃんは効果付けの作業に戻ってしまった。な、なんか、猿とかカラスとかの賢い生き物に、人間の子ども用の玩具を与えて観察するみたいな、そういう映像の中にいる気分。
とりあえずプレイリストを再生! これは……『ほどよくピコピコ』って言ってた、16なんとかってやつかな……これを作るのか。大変そう!!!!
「………………」じーっ
ど、どうしたの。もしかして心配されてる?
「心配ではあります。でも、私が指図しすぎても新しいものが生まれなくなっちゃうので」
そういう気遣いなのか。なら、努めて気にしないようにして……
うーん。作るってことは、仕組みを理解するってことで。仕組みを理解するためには分解する必要がある。その点、この曲は……どの曲もそうかもしれないけど、『音の重なり』で出来てそう。つまり分解っていうのは、重なった音を1枚1枚剥がすというか……ピロピロってやつと、ドゥードゥーってやつと、ギュアーーーーってやつと、チャンチャカってやつを、それぞれ別々に……
そっか、音楽も『書き写して真似する』ところからかも! だからこのソフト入れさせられたんだね。じゃあ、これの操作方法を勉強しながら……ネットに転がってるといいんだけど。
dice1d100=80 (80) 技術ステータス(52)以下で発動
(芸術:聴覚ステータスを決定します)
dice1d100=87 (87)
- 86二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 10:00:32
流石に初っ端からは難しかったか
- 87二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 12:56:39
耳が肥えた
- 88二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 20:16:49
難しいね
- 89佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/26(火) 04:49:11
「カガリ先輩? そろそろ休憩取りませんか」
――はっ!!! えっ、どれくらい経った?
「いえ、まだ1時間です。でも止めないとこの人また夜までやり続けそうだなって思って」
ありがとう……
「捗ってるみたいですね。なるほど、カガリ先輩ってこっちだったのかな……」
肩や背中の固まった筋肉をほぐしてからテーブルに着く。チョコレート味のパイ菓子を一口食べて、飲み込んだ後の喉の甘ったるい感じをコーヒーですっきりさせながら、もう一口……ちょっと甘いもの好きが激しくなったかもしれない。でも充実感あるんだよなこれ。
ふと自分のパソコンに目を向けると、僕がさっきまでソフトをこね回していた成果に興味があるらしく、ミドリちゃんがヘッドホンに専念していた。流石にもう、自作の何かが友達に見られるくらいでいちいち縮こまって緊張していたころの僕とは……いや、全然まだ緊張する。一生慣れないかもしれない。
「うん、時間の短さからしたらまずまずかな。っていうか、コードの勉強から入ったんですね」
やったー!!! ……コードってなんですか。
「……えっ。わからない?」
は、はい。掃除機とかのコードの話じゃないよね?
「あの、同じタイミングで2つ以上重なって出てる音を『和音』って言うんですけど。この中だと、ベース……一番低くてどぅんどぅんべんべん鳴ってるやつ、和音じゃないですか。この和音ってどうやって打つ位置決めました?」
……適当。雰囲気。大ざっぱにアタリ付けてから、多分3つくらい音入ってるから、じゃあこんな感じかなって。
「………………」
テレビとかでたまに"絶対音感"って人出るけどさ、凄いんだなって思った。やってみたら音1つ拾うだけで精いっぱいっていうか――
「ちょ、ちょっと待ってて……いや、そのまま練習しててください。後でみんなに相談します」
??? 了解しました…… - 90佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/26(火) 05:21:51
う、うーん……自分の手が音楽を書いていくっていう感覚は楽しい、けど……このソフトの扱いにはしばらく苦戦しそう……
僕は確かにキーボードが苦手ですが、それはマウス操作が得意という意味ではありません。この前ユズちゃんに「マウス感度いじってみたらどうですか?」って言われたけどそんなに変わりませんでした。慣ればっかりは時間が経たないと身に着かないし……とにかく、地道な単純作業をする時の自分を呼び出して、根気よくやっていくしかない。根気パワーだけで全部どうにかする勢いです。
──────────────────────────────
(「芸術:聴覚」ステータスでダイスを振る際、挑戦数を3で割った数が成功数から引かれます 割る場合の端数は切り上げで、成功数は0以下にはなりません このペナルティはカガリがDTMソフトの使用感に慣れるほど軽くなっていきます)
dice5d100=17 24 11 10 25 (87) ダイス1つにつき芸術:聴覚ステータス(87)以下で成功、ダイス成功数-2
──────────────────────────────
つ、つかれる。脳の中の、普段全然動いてない部分をこき使ってる感じ……思い込みじゃなく、僕って元々クリエイティブな分野に向かって成長してきたわけじゃない気がした。
まあ……人間、自分のやりたいことと出来ることが一致する方が珍しいだろうし。あえて悲観するほどのことでもないんじゃないか。こういう言い訳がパッと出るあたり、自分に甘いのか厳しいのか……
「ただいま戻りました! 頭上に注意してください!」
! おかえりアリスちゃ……わあああああああああ!!?!??何それ!!??!??!?!?
「ミドリに頼まれて持ってきた、新しい機材です! アリスの身長以上に大きくて、しかもすごく重いので、もしかしたら巨大ハンマーとして有用かもしれません」
ご、ごめん、ごめんなさい!!!もうアリスちゃんが使った後のマグカップに変なことしたりしませんので許してください!!!!!!!
「!? ち、違います、単なる例えです! アリス、ネル先輩みたいに何もかも武器として装備してしまうキャラではありません!」
- 91二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 05:26:25
これマジで音楽関係の才能が開花したかも知れんね
- 92佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/26(火) 05:52:30
僕の方から吹っ掛けた誤解が解けて、部屋の隅っこに脱力してへなへなとしおれていたら、アリスちゃんに続いて3人が部屋に入ってきた。僕が騒いだせいで入るタイミングを失ったらしい……確かに、なんで殴られるって思ったんだ?? いちばん発想がバイオレンスなのは自分かもしれない……
「カガリ先輩」じーーーーっ
……なんでしょうか。
「野球のルールってわかりますか」
わ、わかるよ! ミドリちゃん野球やるの?
「いえ。ただ、今ので1アウトです。アウトの数には気を付けてください」
はい……
「ま、まあまあ! それで、結局これなんなの? 音楽の機材としか聞いてないんだけど」
「えっと……さっき聞いたところによると、『シンセサイザー』って」
しんせさいざー?
「見た方がわかりやすいと思います。さっそく開封……こっちから開ければいいのかな」
ずずずず、と段ボールの中から引き抜かれた、白と黒の縞模様……違う、これピアノってやつだ!!!
しかもなんか見た目が未来っぽい。鍵盤以外にもボタンが沢山ついてて、ケーブルを差すところがいくつもあって、デジタル時計みたいな画面も付いてて……ああっ!? 鍵盤に音名が書いてある、アルファベットと片仮名両方で!!! これ嬉しい!!!!
「うわすごっ。食い入るように見てるじゃん、こんなカガリ先輩初めて見た」
「……カガリ、音楽を作るんですか?」
「うん。一回試させたいなって……もし上手く行くなら、"エニーリス"でも書いてほしい」
dice1d100=63 (63) 技術ステータス(52)以下で発動
- 93二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 10:15:00
近いぞ
- 94二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 13:11:59
シンセとか大掛かりにやるじゃん
- 95二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 20:59:34
どうだこれは
- 96二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 08:39:47
保守
- 97二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 12:17:57
ゲーム開発部に新たな風が
いや今までもあったんだけど更に風が - 98二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 20:42:25
保守
- 99二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 07:50:36
保守
- 100二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 13:08:02
流石に失敗か?
- 101二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 22:20:36
保守
- 102二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 09:51:49
大丈夫かな
- 103二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 21:09:08
保守
- 104佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/30(土) 04:53:34
「ははあ。音楽の才能があるかもしれないってことね……まあ、イメージ付かないわけでもないよ」
「ま、まだ実物を聴いてないから、なんとも言えないけど……"エニーリス"に曲を書くって、大丈夫? 期間、足りるかな」
「私は十分行けると思ってる。っていうのも、カガリ先輩に才能があるって思った理由、曲のクオリティの部分じゃなくて」
……クオリティの部分じゃなくてね? はい。
「――びっくりするくらい、『作業が早い』の。音楽触るのもソフト動かすのも初めてで、ショートカットキーとか全く知らないと思うんだけど、そういう感じがしないっていうか……気力とセンスでなんとかしてるみたいで」
「て、てことは、早さを活かして何回も試行錯誤すれば、クオリティも上がってくかもしれないしね! きっとそう!」
「センスのことはあまりわかりませんが……思い返してみると、カガリが進捗を遅らせている所はあまり見たことが無いかもしれません。やっぱり真面目なんでしょうか」
センス。これってセンスなのか?? まあ、どうやって作ってるかって聞かれても言葉で説明できないし、感覚みたいなものではあるのか。勧められた通り、エニーリスに自分の作った曲を入れてみるっていうのは、やる気の出る目標ではあるけど……
まあ、そんなに上手く行かなかったとしても、音楽の部分は携わっていきたいかも。僕1人で出来る作業だしね……変なの作っちゃってもボツになるだけなら、みんなの手を煩わせることもない。気楽なものだ。
「言わんとしてることはわかるぞ妹よ。しかしだね、私が知ってるカガリ先輩って、そんなに器用なイメージが無いというか」
「で、でも、プログラミングはすごい早さで覚えてくれたし……! 今回も大丈夫なんじゃないかな」
ごめんユズちゃん、早速不安にさせるようなこと言うんだけど、入力こうなっちゃった時ってどうすれば……
「あー。Shift+Capslockです」
「……軽度だけど、ハッキリ言って機械音痴だよあれは。さっきシンセの電源入れるのに10分掛かってたし」
「でも、ゲームの操作にはすぐ慣れてくれました! ネル先輩の時とか、もっと遅かったです」
「うーん……なんなんだろ、この人。私にはよくわかんないや」
ぐっ……珍しい動物を見るような視線がミドリちゃんから……言い返すこともできないが。僕が何なのかって、僕が一番知りたいくらいだった…… - 105佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/30(土) 05:23:04
ピアノ、便利。コードとかキーとかよくわからないけど、直感に従って2~4個の鍵盤をべーんと押して、耳にしっくり来たらその通りに打つ……とにかく、『打ち込んでから一度再生する』って手間がない。たぶん上級者からしたらこの上なく初歩的な感動だろうねこれ!
本当なら実際のピアニストみたいに、単音だけじゃなくてちゃんと流れのある旋律を弾いて試すことができれば、もっと敏腕クリエイターっぽいんだろうけど……ちょっとカッコ悪いくらい別に良いか。指は動かなくても頭の中でイメージできてるし。
「カガリ先輩、調子どうですか?」
うーん、調子か。とりあえずオリジナル曲1つ書いたよ、8小節くらいだけど……
「えっ!? ま、まだシンセ届いてから2時間も経ってないですけど……」
いや、自分でもちょっと早すぎかなって思う。でも、模倣の上手さとか手の早さとか抜きにして、ゼロから作る能力がどれくらいかって、早めに見定めてもらったほうが良い気がして……
「わ、わかりました。じゃあ――」
「すたたたたたっ! 噂を聞きつけて参上しました、お披露目ですか!?」
「いやホントに早いね!! よーし、お姉ちゃんがレビューしてしんぜよう」
……無言だけどユズちゃんも来てる。みんな自分が持ってる作業の最中なのに、いっつもこういう時は来てくれるんだよな……仕上げまで済んでるわけじゃないけど、来てもらえたんだし、流しちゃうか。
「えっと……確かに急いで作ったものだと思うんですけど、その辺り考慮するのは程々にして、なるべく贔屓目無しの基準で聴きます。その方がいいと思うので」
うん! その、もしクオリティ足りてなかったら、この話は全部無かったことにしてくれて大丈夫だから……
「急に覚悟ガンギマリの発言するのやめて????それ悪い癖だよカガリ先輩の」
dice8d100=45 39 3 64 48 23 61 37 (320) ダイス1つにつき芸術:聴覚ステータス(87)以下で成功、ダイス成功数-3
- 106二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 05:45:48
全成功で一つはルールによってはクリティカル、マジで才能あるねぇ
エニーリスはもちろんだけどTSC3はサウンドもオリジナルでいけそうじゃない - 107佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/11/30(土) 06:11:55
「……ケルト調、ですね。確かに、私から共有したプレイリスト、そういうの入ってましたけど」
三連符打つのハマっちゃった。あと……ゆったりしたテンポでも間延びしづらいなって思って。
「な、なんか人生観って感じの曲だなあ。明るいんだけどこっそり物寂しいっていうか」
明るすぎる曲と、不気味な曲と、激しい曲にはならないようにしたからかな。なんとなく、味が濃すぎるとよくないかなって……
「パーカッションって、どうやって作りました? けっこう練ってありそうな響きに聴こえて……」
そうでもないよ?? 1小節作ってコピーペーストして、そこから主旋律に合わせる感じで足したり消したり……一番適当かも。
「なんだか、懐かしいような雰囲気があります。胸が躍る感じはしませんが、安心するメロディです」
……よし、『ループ再生仕様にすれば8小節が実質無限になる作戦』が実を結んでる。みんな聴き入ってくれている。聴き入れる音楽がすなわち良い音楽とイコールなのかは知らないけど!
まあ、狙い通りの効果を発揮させられた部分がそこそこ多かったから、自分的には満足です。……ミドリちゃんだけなんか難しい顔してるのはなんでだろう。お、お気に召しませんでした?
「"エニーリス"、工数が多くなるって分かり切ってたので、元々は8bit風の音源でBGM作ってたんです。カガリ先輩に紹介した16bitよりもっと古くて、音数も少ない」
あれより古いの!?
「実際、私がグラフィックに気合い入れた分、ちょっと古いなって思って……カガリ先輩に紹介したのも、既に出来上がってる8bit曲を16bitっぽく作り変えてもらおうかなって思ったからで。だから、オリジナル曲が出てくること自体、全然予想してなくて」
な、なるほど。それは……うっかり出過ぎた真似を……
「いや、このままオリジナルで書いてください。これ使わないのは、ちょっと勿体ないと思いました」
……オッケーってこと!?!??
混乱していたら「つまり、すごく良かったってことです」って言ってもらえた。やったーーー!!!! なにぶん初めての仕事だから、どんな作業量になるかさっぱりわからないけど、使える時間まとめて全部つぎ込むくらいのモチベーションが、とりあえず今この瞬間はあった。ふへへ。
(これは慣れダイス)
dice1d100=11 (11) 技術ステータス(52)以下で発動
- 108二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 08:47:37
調子良いな
- 109二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 11:24:44
流れ来てるぞ
- 110二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 21:41:41
やったぜ
- 111佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/01(日) 05:47:49
(慣れダイスが成功したため、次からは芸術:聴覚の成功数デバフが一律で-1になります やったね)
-セクション4 Bパート-
――これ、間に合うかなぁ……?
最初はどこの曲作ればいい? って聞いて、ミドリちゃんに「逆に、どこから作りたいですか?」って聞き返されたのが今朝のこと。本当に悪い癖なんだけど、僕はこういうこと聞かれると一瞬で固まる。僕には自主性がない! 未だに!
しかしぼーっとしてる暇はない。ミドリちゃんからカウンセリング(?)してもらって、自分のモチベーションを整理してみた結果、ひとまず『ゲーム中の美しい場所』に合わせて曲を書くことにする。"エニーリス"はイラストに並々ならぬ拘りが詰まってる作品だし、そこからインスピレーションを受け取って、花を添える感じにしてみたい……って、伝えてみた。
「……誤解を恐れずに言いますけど、カガリ先輩って普通に喋るだけで人の事口説きますよね」
……どういう意味????? しかし自分のことを気にしている暇もない。ミドリちゃんから共有してもらったアートワーク集を読み漁って、今の僕がメロディに出来そうな風景を探す。あんまり情熱的じゃない雰囲気の方が、今の気分に合ってるかも……
ということで、1つ目は"ブランカ凍原"を選んだ。世界から太陽が無くなったことで更に寒さを増した、雪が浅く積もる寒冷地帯……強風と氷の床ギミックでゲーム的にも難所。
そして、ミドリちゃんが作ったヒロイン、灯台守の"ドルミ"と出会える場所でもある。
dice4d100=11 65 29 3 (108) ダイス1つにつき創作ステータス(80)以下で成功
dice4d100=96 93 26 51 (266) ダイス1つにつき芸術:視覚ステータス(25)で成功
- 112佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/01(日) 06:09:14
"ドルミ"は、主人公に対して明るく接してくれるけど、秘密の全てを教えてくれるわけではない……モモイちゃんが作った"シエラ"もそうだけど、1つ上の視座を持っているキャラクターだった。いつも穏やかな孤独と一緒で、それもあってメンタルが強い側というか、周りの人を守ろうとする側というか。
そして、どことなく生気が無い。雪の中に佇んでいるとまるで幻みたいになる。だから、その性質を音楽に落とし込もうとする時……"長い長い独り言"っていうムードを作るのが良いかもしれない。ロングトーンとか多めに採用しながら、音階の起伏を少なくして、平坦にマイペースに進んでいく……『印象的なフレーズ』は作らない。曲が持っているべき面白みの要素は、和音とリズム感だけで成立させる……
「よっこい、モモイ参上。ちょっと見学していいですか」
よっこいって何? ……見学って言っても、そんなに面白いことしてないよ?
「いや、悩まし気な顔してたからさ。なんか今話しかけたら興味深いことが聞けそうだなって」
……要するに、相談乗ってくれるってこと?
「そ、相談? いいけど、適当に返しちゃうかも」 - 113佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/01(日) 06:39:59
「……『寒くなさそうに見える』? いやそんなこと言われても、これ完全に寒いところの絵じゃん」
そうなんだよね。僕もなんでそう見えるのかわからなくて……
「ははあ、そういう感じね……」
何か思いつくことありませんかモモイちゃんから見て。
「うーむ。じゃあさ、仮にこれが『寒くない』として、それって否定形じゃん。もっと肯定的な言い回しっていうか……○○ではない、じゃなくて、○○である、って感じで表現できないかな」
い、いやあ。ちょっと難しいかも。
「だよねえ」
でも、"肯定的"って言うのは的を射てる気がする。ブランカ凍原を描く上で、ミドリちゃんがそこに『寒そう』じゃない何か別の感覚をイメージしてて、それが『寒そう』より上に来るように描いてる……みたいな?
「……いっそ本人に聞いたら?」
…………なんか嫌だ。それ以上の理由は全く無いけど、自分で考えてみたい。
我ながら我儘すぎる感想だと思って言い控えたんだけど、しっかり顔に出てたらしく、モモイちゃんは疑問調に笑いながら頷いた。
「あー……『寒そう』っていうか、寒さに関係あることで、わりと昔のこと思い出したんだけど。話してみていいですか」
昔の? 気になるかも、そういえばモモイちゃんの昔の話って聞いたことないし。
「そうだね。あんまり話さないのは……今でこそ仲良くしてくれるけど、私とミドリって、元々あんまり相性よくなくてさ。たまに変な喧嘩することもあったの」 - 114二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 10:12:14
モモイが真面目だ
- 115二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 12:30:34
すごく先輩やってる
- 116二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 20:36:29
ある意味きょうだいあるある
- 117佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/02(月) 05:17:53
「その時、雪遊びの途中で……何がキッカケだったかも覚えてないんだけど、言い合いになっちゃって。たまたま周りに誰もいなかったから止められることも無くて、それでミドリの方が『もう知らない』って言って、たたーってどっか走ってったの」
あー……確かに、そういう時離れてっちゃうのミドリちゃんの方っぽいな……
「ホントにすっごい前のことだよ!? それこそ小学生くらい……まあ、互いに子どもだし、喧嘩はしても早く帰らないといけないじゃん。私の方から謝らないとなって思って探して、それっぽい場所で見つけて、なんて言おうか考えながら近づくじゃん」
うんうん。やっぱお姉ちゃんだね。
「いやー……そうでもないかも。話せる距離まで来ても、何言えばいいのか、何を謝んないといけないことがあるのかわかんなくて。ばーんって片手出して、『勝手にどっか行かないでよ』ってだけ言って手繋いで、そのまま引っ張って帰っちゃったの。我ながらよくない姉ムーブだったなって思う」
……そう? 十分立派だと思うけど……
「な、なるほど。そう思う人もいるかぁ」 - 118佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/02(月) 05:45:58
「そう、本題がさ! この時のことを数年後の冬に思い出して、話題にした時なんだよ。昔あそこで喧嘩したよねーって。そこそこ経って昔話になったから、そこでやっと、あの時ごめんねーって軽く謝って……いや、このやり方も良くないってのはわかってるよ!?」
うーん。モモイちゃんらしい。
「ぐっ……まあ、そこでミドリが話し始めたのが、"寒さ"の話。なるべく当時言ってた通りに話すんだけど――」
──────────────────────────────
『あの時、結構寒かったんだよ。身体動かしてるわけでもなく、ベンチに座ってるだけで、風も強いし……当たり前なんだけど』
『お姉ちゃん、なんにも謝ってくれなかったけど、お互い様でさ。よくわかんないけど帰る流れになったから、早く暖房効いてる家に入りたいなってだけで、ヘソは曲げたままついていったの』
『でも、その時……お姉ちゃんと手繋いで、"暖かい"って思った。変だよね? お互いにスキー用の分厚い手袋つけてて、体温なんか伝わりっこ無いのに』
『……"寒さ"って、相対的なものなのかな。"暖かい"っていう感覚……文字通りの意味だけじゃない、そういう明るい色の感覚を人間が持ってて、それが無くなった時に、寒いって感じる。みたいな』
「うん……だから、ホントは心細かったんだと思う。なんか恥ずかしいけど」
──────────────────────────────
「――みたいな感じ。私はそれを聞いて、なるほどなぁ、って思った」
……す、すごい良い話。僕が聞いてよかったの……?????
「良い悪いとかじゃなく、なんか連想ゲームで思い出しちゃって……押し付けようかなって。いや、たぶんミドリの方は忘れてるのに私だけ思い出してるの、なんか恥ずかしいじゃん!?」
……そうかなあ。少なくとも、ちょっとキッカケがあればモモイちゃんと同じようにすぐ思い出しそうだけど。
『双子の姉妹だから』って以上に、2人ともすごく仲良し……というか、お互いのこと大好きなんだろうな。家族なんだし、嫌な部分も知ってるだろうけど、それでも気持ちの根っこの部分には堅い何かがありそうだった。 - 119佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/02(月) 06:10:14
……とても響くお話を教えてもらったので、なんとかここからテーマを作り出して、作品にしたい!
モモイちゃんは「結局音楽とあんま関係ない話になっちゃったね。ま、カガリ先輩なら上手くこじつけられそうだし、いっか」って言ってどっか行っちゃった。身も蓋も無い表現だけど、モモイちゃんの創作理論に触れながら育ってきた僕も同じ意見。
……地道な勉強以外の、純粋な気合いだけで辻褄を考えるなんて、間違いなく"こじつけ"で。むしろそれこそ、ゲーム制作の現場では必須の方法だ。だって、勉強してる暇があったら手を動かさないと、いつまでも完成しない!!!!
dice5d100=100 76 22 91 51 (340) ダイス1つにつき芸術:聴覚ステータス(87)以下で成功、ダイス成功数-1
大事なのは、『心の状態によって世界の見え方はどんな風にも変わる』ってこと、だと思った。そういうことにした。
凍原のイラストなのに寒くないように見えるのは、そこに『心の状態』が写し出されているから。つまり、劇中で描かれる"ブランカ凍原"は、寒さっていうイメージを含まない……寒さとか心細さとか怖さとか、ネガティブな気持ちが伴ってなくて、だから明るく見える。
このステージにある雪も風も氷柱も、人を暗い気持ちにするためじゃなく、ただそこに在るだけで……この絵は、体温が奪われることの恐怖を通して見た景色じゃなく、自然に向けて尊敬の心を投影した時に現れる景色を描いたもの、なんだろう。
……全部こじつけってこういうこと! これでようやく、どんな曲調にするか決めるためのインスピレーションの、端っこの部分が掴めた。考え込むのは楽しいけど、書かなきゃいけない曲全てに同じことをしてたら、いつまでも終わらなさそう。
- 120二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 06:15:58
ファンブルだと
- 121二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 13:16:20
良い感じの話は聞けたがこのダイスはどうだ
- 122二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 20:46:19
カガリちゃんなりに解釈できたんだろうか
- 123佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/03(火) 05:21:15
「カガリ? その、大丈夫ですか?」
ん……大丈夫だよ。20分前に休憩したばっかりだし……
「いえ、その時も言おうかどうか迷っていました。アリスの目には、顔色がすごく悪いように見えます」
え、ホント? ……まあ、体調はちょっと悪いかな。でも、じっとしてるより手動かしてる方が、気分的に楽っていうか。
「なら、せめて上着をもう一枚着てください! それにプラスして今日は絶対に早寝です」
ありがと。優しいねアリスちゃん。
「アリス知ってます、自己管理が出来ない社会人はいつか豚の餌にされるらしいですよ。このままだとあまり遠くない将来にカガリはエナドリルートまっしぐら、若くして餌箱に片足を突っ込んでしまいます。先生と同じ末路です」
こわすぎ。どこでそんな言い回し覚えてきたのアリスちゃん……うまくリアクションが取れないまま作業を再開する。
まあ、気を付けなきゃいけないのは本当のことである。ここちょっと繊細な工程だし、今はまだ楽しいけど、気が滅入ってくる前に外の空気を吸ってみるとか、いいかも。ただでさえ最近、あんまり日の光を浴びてないっていうか……
「……っ!? カガリ、それ今すぐ止めてください!!」
わ゛ぁーーーーーー!!!?? いぃ言われれば自分で外すよ!!! びっくりした、両耳引っこ抜かれたかと――
「や、やっぱり、音量が大き過ぎます!! ヘッドホンでこんなの聴いてたら気持ち悪くなって当たり前です!!!」
(何か起こりそうなタイミングで100の目を引いたためファンブル処理です 今セクションの進捗を諦めて療養に専念しない限り、芸術:聴覚ステータスのダイスに-30のペナルティ補正を受けます 無理をすると悪化もありえます……) - 124佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/03(火) 05:49:01
「えぇー……いや、こう言っちゃなんだけどさ。途中で、アレッなんかおかしいな、とか自分で思わない? 普通」
「カガリ先輩って、集中したら止まらないタイプだからね。むしろ今回は早めに気付けたほうじゃないかな」
「……お、思えばわたし達、みんな様子見るようにしてるよね……特に相談したわけじゃないけど」
「カガリは先輩ですが、部員としては入って来たばかりの後輩です。こうやって後輩が負傷して動けなくなるのも、スポーツものなどでは良くある展開なので、それほど変なことだとは思いません」
……め、めんぼくない。バカなことしたな……うぐぐ……
耳元で鳴る高い笛の音色とか、大人数で一気に銃を連射する時とか、そういう『大きい音』は平気だった覚えがあって、自分を過信していた。ミドリちゃんいわく、人それぞれ苦手な音域は違うらしい……じゃあ、『ベース』の低い音が聞き取りにくかったのもそのせいで、ボリューム上げてどうにかしようってのが駄目だったのかな。無理やりはよくないってことか。
「カガリ先輩、私たちの声ってどう聴こえてますか? こう、前よりちょっと遠く感じる、とか」
小さく……言われてみれば、ちょっと小さいかも。というか、耳の奥が……重い? みたいな感じもある。
「……私も難聴の進み方に詳しいわけじゃないですけど、一度聴こえなくなると取り返しがつかないってのは知ってます。当分は休んでください、耳の感覚が元通りになるまで音の作業は禁止です」
えーーーー……そんなぁ……
「"えー"でも"そんな"でもありません!!! お姉ちゃんからそういう振る舞いは学ばないでください、カガリ先輩にまでそっち行かれたら私どうすればいいんですか!!!!」
「お、落ち着いてミドリ、声ちっちゃく……そ、そうですよね。カガリ先輩、BGMにかなりやる気出してましたし」
「ああっ、ごめんなさい……と、とにかく、その間のことはこれから考えるとして。ひとまず今日は、寝室のほうでゆっくりしててください」
そ、そんなに心配するほどでもないよ? 体調はもう全く大丈夫だし。
「いや、部室にいると事あるごとにお姉ちゃんの声が大きいじゃないですか」
「私なんだ原因。否定はできないけど……」 - 125佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/03(火) 06:12:27
ここはゲーム開発部の寝室。元は『資料室』というか、頻繁には取り出さないタイプの物を保管しておくための部屋だったのが、新作のたびに寝泊まり缶詰作業を繰り返していたら寝室になったらしい……で、僕のベッドも置かせてもらってる。運び入れ簡単、折り畳みのすごいやつ。
……寂しい。メインで使ってる部屋は壁1枚隔てた向こう側、みんなで何やら話し合っているのが微かに聴こえる。ただのストーカーだったはずが孤独を知ってしまった。
「―――! ――――、―――――――……」
「――? ―――――――……――――――――」
駄目だ、耳の調子の悪さもあって全然聴き取れない……ってかこんなことしてたら『ストーカーだった』じゃなくて現在形のストーカーじゃん、よくないよくない、なんか別のことしようよ僕……そう、K.PCEの戦利品とか! 軽く目通しただけで、しっかりは見てなかったし。
……ええと。そっか、今は耳が使えないから、Vaporwave? のCDも、しちゅえーしょんぼいす? のシリーズも聴けないのか。ってなると……
え、えっちな本??? い、いや、待とうよ。そりゃ目の前にはいないけど、みんな今まさに作業してる途中だよ? どうなの、それは。
dice1d100=53 (53) 倫理ステータス(54)以下で一旦なかったことにする
- 126二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 08:42:31
ギリッギリだ
- 127二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 12:53:38
とりあえず療養してくれ
悪化は悲しい - 128二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 21:02:26
無理しないでほしいな
- 129佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/04(水) 04:24:30
…………や、やっぱりよくないよね。ので、みんなが寝てからにしよう!!!
しかし思い返すと、僕はさっき『今日は早寝』ってアリスちゃんに言われたばかり。でも、あの言い付けの本旨が『しっかり休もう』ってことなら逆に、今のうちから寝ておけばいいんじゃないか? で、別に目覚まし掛けなくても今から寝たら、それなりにみんな寝てる時間に起きれると思うから、静かに向こうの部屋に移って一人で読む。よしよしそうしよう。
ということで準備。ささっと歯は磨いちゃったけど、他には……あ、みんな寝てる時に荷物開けたら起こしちゃいそうだな。本の実物はあらかじめ取り出して、枕の下にでも隠しておこう。これでおっけー……なんか、すごく悪いことしてる気がしてきた。いいや、疑問に思うよりも先に寝ちゃおう……
──────────────────────────────
――小刻みに、起きたりまた寝たりを繰り返してる、気がする。変な夢も見る、眠りがすごく浅い。目が開いても、見えるのは掛け布団の中だけだから、よくわからないんだけど……
意識がぼんやりしたまま、かれこれ3度寝くらいした後、そういえば寝る前にそこそこコーヒー飲んでたなって気付く。それで普通に眠れないのか……ってあたりで、かなり目が覚めて来てることにも気付く。
こりゃ駄目だ。一回起きちゃうか……重い腕でお布団を払いのける。ぐっ、眩し――
「あっ」
ぴゃっ?!!??!??!!?
「うわあっ!?? ご、ごめんなさい、起こしちゃいましたか……?」
……ちが、こっちこそごめん、びっくりして。ぉどっ、どうしたのユズちゃん。
「耳のことで、進展があって……大丈夫ですか? 今、気分が悪かったりは」
全ッ然大丈夫!!! ほら、このとおり。わーいわーい。くるくる。ぴーよぴよぴよ。
「……???????」
dice3d100=22 91 2 (115) ダイスが1つでも交渉ステータス-40(51)を下回れなければ失敗
(※寝起き+後ろめたいことなので特大デバフ 観念しろ!逆にこれで隠し通せたらすごいぞ!)
- 130二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 04:45:34
1クリ100ファンならセーフ、5クリ95ファンなら…
- 131佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/04(水) 04:47:31
「……もしかして、子猫とか拾ってきました?」
そんなわけなくない???? いやっ確かに、僕の挙動が不審というかそういう感じの後ろめたいことがありそうなのは認めるけど――
「後ろめたいことがあるんですね」
………………
「勝手に音楽聴いてましたか?」
そうではない! えーと……えーと。とにかく耳は平気だよ。
「………………」じろじろ
な、なんもないよ? 大して面白いものでもないし……
「……なるほど。そこの裏かな」
ユズちゃんの指が細く伸びて、まさに枕をぴしっと示す。……なんで。全く原理がわからない。魔法……?
「も、申し訳ないんですが……部室内のことなので、部長権限で確認したいです。カガリ先輩、本当にすごく大変なことでも、隠しちゃいそうだし」
……あっ、あーーーー。
「よいしょ、っと。失礼します……これ、かな?」
……本当にごめんなさい……
「――!!??!?!??!?!?!!!!?!??!?!??」 - 132佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/04(水) 05:35:26
今まで生きてきて、この瞬間が一番気まずい。
僕だけじゃなくユズちゃんの方も、この状況から次の一言を切り出せる性格じゃなかった。つまり沈黙が永遠に続く。助けてほしい。そんな自分の心に自分で応えるように、とりあえず不適切なものは枕の下にしまい直す……ひょっとして不適切なものって僕も含まれるか? だとしたらもう、布団被って二度と出てこない方がいいか?
「え、っと。耳の……"難聴"のこと、色んなところで聞いてみて。ヴェリタスの皆さんに協力してもらえたんです」
……そ、そうなんだー! わざわざありがとね僕なんかのために!!
「……ヒマリ先輩がモモトークで、『痛みが引いて少し経ったら、耳に小さいボリュームの音楽を流すことで、聴力のトレーニングを行うのも良いかもしれない』って提案してくれて。それで、ヴェリタスの人たちが、専用のアプリを」
ユズちゃんが制服のポケットから、何やらデータが入ってるらしいメモリを取り出した。……"アプリ"ってことは僕のスマホかな。起動してロック解除して差し出してみると。メモリから伸びたケーブルが、充電コードの位置に差さって、受信が始まり――
「あ、あの。カガリ先輩、スマホの中とか見られたり触られたりするの、抵抗ないんですか?」
えっ。いや、全く無いわけじゃないけど……言われてみれば薄いかも。
「プライバシーを気にしてるところ、見たことなくて……その、わたし達に気を遣ってくれることはあっても」
うーん。でも、ユズちゃんなら変なことしないだろうし……
「……こ……"これ"も、そうですよ。カガリ先輩が見られたくないっていうより、わたしとかアリスちゃんが見るのを防ぎたい、って感じ……だった、ような」
そう言ってもう一度指される枕の下。……確かに。ユズちゃん、僕よりも僕に詳しい……
「見ちゃったからには、責任とります。根本的な解決……部室とは別に、ミレニアムの"学生寮"、ひと部屋借りましょう……!」 - 133二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 08:33:01
親にエロ本が見つかった気分
- 134二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 13:28:04
カガリちゃんのプライベートはガバガバ
- 135二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 20:41:21
思わぬ方向に進展来たな
- 136佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/05(木) 06:00:53
ほ、本当に今から行くんですか。何もそんなに急がなくてもいいのでは。
「行きます。自由にさせると自分のことは後回しにしそうなので」
そうかなぁ!? ……でも、僕の資金面とか色々、足りてるかどうかわからないよ?
「それは問題ありません! それなりに活動実績のある部活の所属なら、部費と同じようにミレニアムの予算内からある程度降ります。万が一うちの部に何かあっても、カガリ先輩ならバイトとかで何とかなりそうですし」
ぐいぐい来る時のユズちゃんだ。ってことは……何か個人的に考えがありそう。まあ、僕自身いつかは考えるべきことだし、機会をくれたのは有難い。
そんなこんなで導かれてやってきた『学生支援課』。入ってすぐにちょっとしたカウンターがあり、そこで職員さんとお話が出来るみたい。
そして、なぜかユズちゃんが僕の背中に半分隠れてる。……緊張してるなら、ここからは1人で行こうかな、と思ったんだけど、むしろ後ろにぴったり張り付いて押してくる感じで、剥がれる気配がない。どういうこと……
「こんにちは、こちら学生支援課デス」
こ、こんにちは! えっと、学生寮の……申請? を、教えてもらおうと思って……あっこれ学生証です。
「はい、確認します! ……2年生の、佐藤カガリさんですネ。と、後ろの方は一体?」
うちの部のリーダーです! 今日はここまで案内してくれて――
「わっ、わたしも学生寮、申請しに来ました。学生証も、ここに」
……そ、そうだったんだ。てっきりもう入ってるのかと。
「な、なるほど、わかりました。ふむ、お2人ともゲーム開発部の……アッ、部長って花岡ユズさんのことですか!?」
「!? だ、だめでしたか?」
「イエ、駄目ではなくて……ふむ、そうですね。折角の機会なので、一度ご説明しておきましょうか」
……いつの間にか右手首がぎゅっと握られていて、その手がかくかくと震えているのが伝わる。なるほど、何かあるってことね。それっぽい様子ではあったけど……予め僕に言っててくれて良いんだけどな、って少し複雑な気持ちになる。
いや、迷惑だとか思ってるわけじゃなく、ユズちゃんにとっての僕ってまだあんまり信頼に値しないのかと……でも前科の数を考えたら当たり前か。さっきなんて部室にえっちな本隠してたのを部長に見つかったばっかりだし。当たり前か…… - 137二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 06:04:57
ユズ、お前…そっかぁ…泣けてきたよ…
- 138佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/05(木) 06:30:49
「ユズさん、既にご自分が学生寮で1部屋借りている状態なのはご存知ですか?」
「……ええっ!?」
「入学当初、少しだけお住まいになられていたようで。その後、部室の方に荷物の大半を移した後、残りを放置されているんです。一定期間の利用が見られなかった場合の規定通り、当時の担当者がオンラインで連絡したそうなのですが……その時は音信不通で」
「そ、そうだった。その時わたし、『TSC』のレビューで、ちょっとスマホ触れなくなってて……ご、ごめんなさい……」
「いえそんな、むしろお詫びしマス、本当ならもっと早くに再連絡するべきでしたので!!」
……えっと、ユズちゃんって新しくお部屋借りるの?
「今年の寮はそれなりに空いているので、ユズさんのお部屋は手付かずのままですよ! また、そちらを片付けた上で、部費と同じように申請内容を書いて下されば、強力な防音付きであったり、より面積が広かったりする別棟の個室に移ることも出来ます。これはカガリさんも同様ですネ」
こちら参考にどうぞ、と言って寮の見取り図を見せてもらえた。……ユズちゃんの部屋、すっっっごい端っこにある……しかも隣が3部屋に渡って空室。フロア単位で見てもかなり人が少ない。
なるほど、特に希望がない人は号数が少ない方から順番に入っていく中で、一番号数が多いところを希望したのか……入学した時からこういう感じだったんだなユズちゃん。
「その。カガリ先輩、どこが良いとかって、ありますか」
え、えー。どこが良いんだろう、どういう人が住んでるかもわからないし……その、どこでも良いんですか?
「はい! みなさん、日当たりを理由に南向きの部屋をご希望されたり……逆に、本が日焼けしたら困るということで北の方を選んだり。空いている所なら自由ですよ」
「………………」そわそわ
dice1d100=70 (70) 交渉ステータス(91)以下でなにかを察する
- 139佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/05(木) 07:05:35
ユズちゃん、お隣もらっちゃってもいい?
「……ふぇっ?!?!??」
いや、自意識過剰だったらごめん。でも、その……理由は色々ありえるけど、ユズちゃんの望み……望みでもないか?? なんて言うんだろ、"想定してる流れ"みたいなの、こうなんじゃないかって気がして。違ったらごめん。
「ち、違いません、それです!! あ、あうぁ……」
「アッハイ、お決まりみたいですね。じゃあ簡単に手続きのほう説明しマス」
……ということで、ユズちゃんの居る『Z-520号室』の1つ隣、『Z-519号室』で生活できることになった。学生支援課とはそれなりに近い位置関係なので。玄関の鍵のチェックと様子見を兼ねて.さっそくユズちゃんと一緒にZ棟へ。
うわあ、本当に人の生活の形跡が少ない……物々しい名称も合わさって、世界の果てに来たみたいな気分。ちょっとわくわくしながら入った室内も質素そのもので、基本的に真っ白いベッドと真っ黒いシェルフ以外何もない。あっ、よく見たら台所に電子レンジだけは……なるほど、やけにエレベーターが大きいと思ったけど、たくさん家具を運び込むからか。
「そっちのお部屋、どうでしたか。何か面白いものとか」
何も無いね……自分で面白くしろってことかも……
「……な、何も無いかもしれないんですけど、たまに遊びに行っていいですか?」
遊びに……は、大丈夫だけど。でも僕、ついさっきプライバシー意識の薄さを注意されたばっかりなような……
「ああっ、そうだった……」
ま、まあ、ユズちゃんなら大丈夫だよ。その、ほとんど初めての寮生活だろうし。助け合い……みたいな!
「……は、はい! ありがとうございます……えへへ……」
……インテリアとかのこと、真面目に考えておかないとな。このままだと話題がいかがわしい本しか無くなっちゃう……それはまずい……
(カガリとユズの好感度が相互に上昇します)
カガリ→ユズ 53+dice2d8=3 5 (8)
ユズ→カガリ 96+1 =97
- 140二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 07:17:25
好感度がチーちゃん・ユズ・ノアの順になった!
青春してて嬉しいよ、合間に不穏が挟まってるけど - 141二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 13:12:45
よかったなぁ二人とも
えっち本はまぁ、まぁ… - 142二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 21:02:44
どうあがいてもいかがわしい
- 143二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 08:00:16
保守
- 144二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 08:01:05
良い感じに解決したね
- 145二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 12:54:32
これはお買い物フラグ
- 146二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 21:09:45
保守
- 147佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/07(土) 05:19:35
新生活の始まりは、部活動の終わりを意味しない! というかどの道、まだしばらくは部室での寝泊まりが続くだろうから、始まってすらないだろう。でも、『今ある目標のさらに次の予定』が頭にあるっていうのは、なんとも不思議な感覚だった。見方を変えればこれも充実感かも?
次のタスクは……音の作業ってもうちょっと様子見ないとかな。イメージの部分だけなら僅かに進められなくはないけど、流石に限度がある。シナリオは大体済んだらしいし、絵は僕があんま得意じゃないし、コードはわざわざ2人掛かりするような仕事残ってないし。うーん。
「あっ、2人とも帰ってきた。どしたの、待ってたら思ったより時間経ったけど」
え、待たせちゃってた? なんか、一言でいうと寮を借りに行ってて……
「……そうだった。カガリ先輩いつまでもここに泊めるのどうなんだって話してたっけ。それでユズが付き添いしたのね! さんきゅーユズ」
「う、うん。それで、何かあったの……? いつも会議とかする時の陣形だけど」
確かに。座ってる位置もそうだし、アリスちゃんが背筋ぴんと伸ばして張り切ってて、隣でミドリちゃんが遠い目のまま考え事してる感じとか、会議の直前だ。にしては緊張感がないけど……いや、それはいつものことか。
「実際、本当に問題なのかはわからないんだけど……私とお姉ちゃんとアリスちゃんの間では一致しちゃって。もしかしたら2人は違うかも」
「では、改めてアリスから説明するので、2人も着席してください! そうだ、折角なのでホワイトボードも使いましょう」
あ、うん。って言われても予想つかないな……なんかあったっけ。
「こほん……問題点はたった1つ。我々ゲーム開発部は、今まで"エニーリス"の製作にとても集中してきました。時にはよく寝て、時には寝る間も惜しみ、時には学び、時には忘れ……人生の一部と言ってよいほどに情熱を傾けてきました」
「いよっ! よくやったゲーム開発部、えらい!」
「お姉ちゃん静かに」
「しかし、その過程で山場をいくつか超えたせいか、アリスたちはここまで来て、少し"ダレ"てしまっているのです! アリスはこれを深刻な事態だと考えています!」
ホワイトボードに太い字で書かれ、集中線で強調される『ダレ』の2文字。……そうなの? - 148佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/07(土) 06:04:16
「メインのシナリオ書き終わった後、ここからサブも充実させるぞー! って気合い入れてたんだけどさ。自分が書こうと思ってたくだりから書き始めたら、想定してたほどは時間かかんないで終わっちゃった……それでちょっとやる気の行き場が無いという」
「イラストの方も、今回はとにかく最低限完成させるのを重視で描き進めてたから……いざ余裕ができてクオリティアップに費やせるようになっても、どこから手を付けていいのかわからなくなっちゃって。まあ、トラブルが少なかったお陰でもあるかも」
「ゲーム自体が名作に仕上がりつつあるので、テストプレイはずっと楽しいです! ただ、その分『もう無理をしなくても販売できる』くらいのレベルには届いてしまっているみたいで、モモイやミドリがどこか持て余している理由も理解できます」
「な、なるほど……つまり、消化試合みたいになっちゃってるんだ。燃え尽き症候群っていうのかな」
"エニーリス"は今よりもっと良いゲームになるはずなので、時間をいたずらに過ごすだけでは勿体ありません、と熱弁するアリスちゃん。
でも、時間に少し余裕があるって言っても、やりたいことがなんでも出来るような長さじゃない。ここから派手な目標を立てたり、大きい要素を追加しようとしたりするのは、いくらなんでも無茶になってしまう。ちょうど良い時間の使い方って何かあるだろうか?
「わ……わたし、ちょっと思いついたかも」
「おおっ、さすが部長。ぜひ聞かせてください」
「そ、その、ゲームとは直接関係ないんだけど……"プロモーション"、あんまりしてないな、って思って。カガリ先輩が公式アカウント動かしてくれてるけど、それくらいで」
……た、確かに。あのアカウントも言うことなくなってきたし……
「最初のほうにやった生配信を最後に、あれくらい大きい情報発信はしてないね。言われてみればちょっと不足してるかも」
「じゃあさじゃあさ、ゲーム開発部ダイレクトもう1回やろうよ! ちょうどここ最近エゴサしてもひっかかる件数少なくて寂しかったんだよね私」
「では、さっそく準備してみましょう! 前回とても上手くやってくれたので、段取り決めはカガリにお願いしてもいいですか?」
え゛。いいんですか……まあアリスちゃんのお願いならがんばるけど。
「ここだけは本当にブレないですよね、カガリ先輩」 - 149二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 13:15:24
2度目のダイレクトだ
- 150二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 21:43:42
大役だなカガリちゃん
- 151二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 07:30:43
保守
- 152二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 16:07:10
ブレないなぁ
- 153二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 20:36:10
保守
- 154佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/09(月) 04:05:10
「……は、配信開始、押したよ! もう流れてるかな」
「うん、流れてるみたい。人が来るかどうかは……あっ、でも6人も来てる」
早くない!? 人気なんだね、ゲーム開発部……
「ありゃ、ちょっと音声途切れてるか。18時半まであと5分弱あるし、通信安定するまで待つ感じにする?」
「賛成です! あ、リスナーの皆さんこんばんは。今日はフルメンバーで配信したいと思います!」
『時間を有効活用するための配信なのに、それに時間を使いまくってたら本末転倒だ』っていうことで、詳しい台本も何も用意していない。ゲームに関わるトークテーマをいくつか用意して、談笑みたいな感じで進めながら、テンポ良く情報を発信していく……モモイちゃんの立案でこうなった。
……そのモモイちゃんが初っ端からコメント欄に喧嘩腰で話しかけている。いや、喧嘩って言うほどでもないのか?
「だからちゃんと作ってるって。確かにタイトルの発表だけしてポシャること何回かあったけどさ、今回は本当に凄いから! サブクエストが150個でしょ? マップが全部で11ステージあって、オリジナル楽曲は完成してる分だけでも8曲、攻略可能ヒロイン4人。しかもルート分岐でエンディングが9しゅる……いやホントだってば!! 今『にわかには信じがたい』って書いたやつユーザー名メモったからね!!!」
「も、モモイ、その辺にした方が……」
聞いててヒヤヒヤするなぁ……コメント欄の人たちがそんなに怒ってないっぽいとはいえ。モモイちゃんには割とよくあることなのかもしれない。
「落ち着いてお姉ちゃん、声ガッスガスで何言ってるかわかんないよ。今のうちにのど飴食べとくとかさ」
「うぐっ。わかった、あっちから取ってくる……適当に繋いでて」 - 155佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/09(月) 04:46:15
「うーん。カガリ先輩、やっぱり人気ありますね……どうしよう……」
人気あるんだ。それは……ある分にはいいんじゃないの?
「ミドリは最近、自分たちそのものをキャラクターのように扱ったり、ゲームに登場させてきたことについて、改めて考え直したいと思っているみたいです。少し前に聞きました」
あっ、僕もそれ聞いたかも……
「まあ、今話すようなことでもないか。時間になったしとりあえず始めちゃいましょう、なんかお姉ちゃん戻ってこないし」
ん、そうしよっか。こほん……では、改めて"ゲーム開発部ダイレクト"をお送りします! この配信では――
コンコン。低めに響くノックの音。頭の中に書き進めているカンペの上から覆いかぶさってきたので、口が半開きのまま動きが止まってしまう。数秒の間、みんなで扉の方を振り返ったり、顔を見合わせたりした。
「……あ、モモイ以外は全員いるのね。ちょっと急ぎの用事があるんだけど」がちゃり
えあぁぁぁユウカさん!? よ、用事って……
「次の四半期分の予算、申請書の期限が昨日の夜までで、モモイが滑り込みで出したのが届いてて……ちょっとこのままじゃ通せないなってくらい、内容がぐちゃぐちゃで。メールも送ったけど、返信来ないから捕まえに来たって感じ」
「つ……捕まえに……?」
「別に取って食べたりしないわよ、形になるまで書き直させるだけ。どこに居るか知らない?」
「なるほど、そういうことだったんですね。モモイの居場所は――」
ユウカさんの背後、半開きになった寝室のドアからモモイちゃんの頭と手がにゅっと現れて、ぶんぶんと拒絶するように暴れた。……言うなってこと? アリスちゃんもそう思ったのか、途中からそれっぽく首をかしげて無知をアピールし始める。
続けざまに指1本をとんがらせて、こっち側にある配信用のパソコンをぐいぐいと勢いよく指し示すモモイちゃん。……何??? こっちが意図が汲み取れなくて困惑している途中に、ユウカさんが振り返りそうな気配を鋭く感じ取ったのか、再びあっちの方に消えてしまった。 - 156佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/09(月) 05:15:16
「うーん、部室にもいないか……待ってれば戻ってきそう?」
い、いやぁ……正直なんとも言えないかなーって……その、もし本人が戻ってきたら言っておきますね! 単純にメールチェック忘れただけかもしれないし。
「助かるわ。そうね、次から書類のことはカガリに頼んでみようかしら。そんなに難しいこともないし」
「はい、まさにカガリはそういう仕事が無難に得意なタイプだと思います。むしろ派手なジョブは向き不向きが激しいです」
あ、あはは……
「……カガリ先輩、ちょっとこれ見てください」ひそひそ
ミドリちゃんから袖をひっぱられて、配信画面を一緒に確認する。今まさに配信中だってことユウカさんに言うタイミング無くなってしまった……というより、思ったよりも用事が一瞬で済まなかったっていうか……
マウスカーソルで示されたのはコメント欄。何やら太字のコメントが連続で投げられていて、背景色もちょっと黄色っぽくなっている。
『メール見るの完全に忘れてた ごめんユウカ』
『いや、これむしろチャンスじゃない?』
『今回かなり自信あるし 部としての活動実績をアピールするにはもってこいの機会なんじゃ』
『よしミドリ なんとか上手く誘導して、ユウカに"エニーリス"のテストプレイしてもらって!』
「これ、お姉ちゃんが書き込んでるコメントです」
だよね????
「このハプニングを利用して、視聴者さんたちにゲームの面白さをアピールしよう、みたいなことも思ってる気がします。寝室から出てくる素振りもないですし……ここにコメント書いたってことは、ユウカ先輩にも配信のこと教えないままやらせようって意味じゃないかな」
うわぁ……た、確かに、それで面白そうに遊んでたら、見てる側は興味湧くけど。湧くけど……
「……どうしましょうか。やります?」
dice1d100=55 (55) 目安は倫理ステータス(54)
dice1d100=65 (65) 目安は慈悲ステータス(67)
- 157二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 08:58:22
ハプニング発生
福となるか - 158二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 12:41:40
大分ギリギリだな、どうするカガリちゃん
- 159二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 21:22:31
開発に関わってない人にテストプレイしてもらうのは大事なことだけど、どうなるかな
- 160佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/10(火) 04:59:58
ゆ、ユウカさん! 今ってお時間ありますか?
「うん? 時間……まあ、仕事は済ませてきたし、あるけど。どうしたの」
ゲーム開発部の最新作、それなりに形になってきたんです。それで、もしよかったら、ちょっと体験してもらったりとか……
「……本当に? あなた達、この前イベント出てたばっかりじゃない」
訝し気なユウカさんを座布団の上まで招いて、コントローラーを受け取ってもらう。で、開発用コンソールを開いて、適当なセーブファイルをニューゲーム仕様にして……
──────────────────────────────
「むっ。この敵は正面からの攻撃が通らない……ただ道を通るだけなら回避ダッシュで大丈夫だけど」
そ、そうですね。倒すってなるとまた別の……
「やっぱり、"クレセントゲイズ"で注意を惹いたら背中がこっちに向く。あと……うんうん、"ポーラレーザー"なら盾ごと貫いてダメージを入れられる。この一帯はベリエちゃんから教わる技で攻略しろってことかしら」
ユウカさん、ゲームできる側の人だった。解説とか挟む暇が全然無い……!!! いや、逆にこれでいいのか?
さりげなくコメント欄を確認。モモイちゃんのアカウントが『いや早い早い早い』『早いってユウカ!!!!』『このままだとエニーリスがちょろいゲームだと思われてしまう』『カガリ先輩!!!適当なところで止めて!!!!』みたいなことを言い続けていて、おかげで視聴者さん達は盛り上がっている……と、止めなきゃ駄目かなこれ。でも今のところ、楽しんでくれてるっぽいんですけど……
「うーん、もうちょっと先まで行ってみたいけど……続きは製品版が出た時に取っておこうかな。そろそろモモイ連れて行くわね、あっちのドアの向こうで合ってる?」
あっ、はい。……はい!!?!?
「全くもう。まあ、いつもみたいにちょこまかと逃げ回られるよりは楽だけど」
そう言って寝室に踏み入ったユウカさん。ま、魔法……??? ここ最近、魔法ばっかり見てる気が…… - 161佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/10(火) 05:27:02
「……は、配信してた……!? じゃあ私が独り言喋りながらゲームやってるところ全部流されてたってこと!?」
「あれ独り言だったの? てっきりカガリ先輩に話し掛けてるのかと……」
「うわっ、ちょっと恥ずかしい……あーもう、なんで無断でやっちゃうの!! 頼まれたら普通に出たっていいのに!!!」
「むぐっ……い、いや、それだとリアルな感想引き出せないし……というより何故バレたかの方が私としては疑問……」
そ、そうですよ! いつからわかってたんですか!?
「いつからって、気付いたのは途中からだけど……カガリ、わざわざセミナーでセキュリティ研修受けてたのに、その場の思いつきで部外者の私に新規タイトル触らせる性格じゃないわよね」
……あ、あー。
「別の誰かが許可、もしくは指図してるって考えるのが自然で……勘だけど、モモイの指図かなって思ったの。いかにもやりそうなこと……まさか配信までされてるとは思ってなかったけど」
「いやーユウカも私の扱いに慣れてきたね。私たちミレニアムの中でもかなりの名コンビなんじゃなっっだだだだ痛い痛い痛い!!!!」
「申請書、書き直し! どうせ話も聞いてたんでしょ、さっさと終わらせるわよ」
あああああぁぁぁぁ……と声をフェードアウトさせながら2人は消えていった。
……気付いてからもしばらくは遊んでくれたわけで、それはつまりユウカさんの息抜きになったってことだし、つまりゲームとして楽しかったってことなんじゃ? と、ちょっと期待を持つ。ということは、配信を見た人たちの間でも……そういえばまだ配信中だった!!!
「配信なら、アリスちゃんがほとんど1人で繋げてくれてますよ」
「今回のゲーム開発部は例年と一味違います! 特にシナリオは……モモイが居ないのでハードルを上げすぎないよう気を付けますが、上手く行けば『UNDERTALE』と並ぶクオリティです! つまり、それくらい自信があります!」
えっあっ、ホントだ。すごいアリスちゃん。
「カガリ先輩、意外とすんなりお姉ちゃんの提案受けましたよね。断るんじゃないかなって思ってたんですけど」
……こ、これは。毎回かなり印象に残っているのでわかる。僕に対して、何か思うことがある時のミドリちゃんだ……
dice1d100=6 (6) 交渉ステータス(91)以下で成功
- 162佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/10(火) 05:43:49
んー……理由は2つくらいあって。1つが、あんまりモモイちゃんのやりたいことを止めないようにしたい、っていうか……
「お姉ちゃんのやりたいこと、ですか」
うん。いや、犯罪だったり人を嫌な気分にしたり、そういうのは止めるよ! でも、ちょっと勝手なくらいは良いんじゃないって思う。僕自身、そういうのを無暗に止めない人でありたい、みたいな。
「なるほど。わかりました、もう1つは?」
……余計なお世話かもしれないけど、モモイちゃんのこと止めるのって、ミドリちゃんの役目じゃない?
「……そうやって思われるようなことしてる自覚はあります。でも、結構大変なんですよ、それ」
絶対大変だと思う。思うけど……その役目はミドリちゃんから横取りしない方がいい気がする。理由は自分でもよくわかりません。
「………………」
だ、駄目?
「駄目じゃないけど、カガリ先輩のことちょっと怖くなりました。良い意味で」
そっか……
「良い意味で、ですからね?」
(カガリの倫理ステータスが減少します モモイの影響で……)
54- dice1d6=2 (2)
- 163二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 06:53:29
50越えてるままなら常識人判定だから…
- 164二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 13:40:51
気の置けない仲ってやつだな
- 165二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 20:48:05
まだ普通
- 166佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/11(水) 05:07:11
結果、今回のゲーム開発部ダイレクトは大成功と言ってよさそうだった。エゴサーチしてみた感じでは、快い感想を投稿してくれている人が多い! あの短時間で、無意識のままこのゲームの面白さを最大限に引き出してくれたユウカさんには、少し敬服の感情すらある……モモイちゃん持っていかれちゃったけど。
そして狙い通り、みんなのモチベーションにも再び火が付いた気がする。と言っても、穏やかな火……終着点を目指すのに十分な勢いの火が。もしかしたら、今流しているこの音楽のお陰かもしれない。
「こ、これ……なんだったっけ。どこかで聴いたことがあるような気が」
"Vaporwave"だって。スピーカーで流してるのは、その、まだヘッドホン使っちゃ駄目らしくって……
「この音楽からは"軽い"印象を感じます。"重い"とされる音の反対の特徴を持つ音が多く使われているから、でしょうか」
「なんとなく、古い……"懐かしい"って感じもするね。過去に向かっていくイメージ……まあ、本当に旧世代の音楽をオマージュしてるなら、たぶん私たちが生まれる前まで遡って参照してるだろうし。懐かしいって言い方も変かな」
「でも、記憶を旅するのにはうってつけ、かも。純粋な気持ち……初心を思い出せるっていうか」
初心、か。僕の場合、思い出すものじゃなく、これから手に入れるものをそう呼ぶことになりそうだけど。
……そんな僕の思案を知ってか知らずか、アリスちゃんからピンポイントな質問が飛んできた。
「まだ答えは出ないかもしれませんが……カガリにとっての"ゲーム"って、なんですか?」 - 167佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/11(水) 05:43:16
『オリエント急行の殺人』を初めから読むのはこれが2回目。納得はあるけど、驚きはない……その納得ですら強烈な興味深さを秘めているのだから、まったく恐ろしい読み物だった。一度休憩を挟む必要があると感じて、本を閉じる。
………………
色んなことを思い出せる体験、かなぁ。
「思い出せる……ですか?」
ゲームしてると、今までに無かった新しい感情とか感覚とか、そういうものの存在を知ることが多いんだけど。でも、その時の"知る"イメージって、外から"教えられる"のと違う、自分の中に元々あったものを"思い出す"ような感じで……
「あー、わかるかも。目の前から音が聞こえるわけじゃなくて、身体の中で響くっていうか……」
そう! まあ、それは文章とか音楽とかイラストだって同じかもしれないけど……そういう意味では、"良いゲーム"って、綺麗な文章とか感動する音楽と同じものなのかな。みたいな。
「……"体験"、ですね。ゲームデペロッパーが目指すものの一つ……その時間を通じて、プレイヤーの内面に何が生まれるか。創造性とか、刺激とか、ジレンマとか」
"体験"、しっくりくるかも! じゃあ……さくっと言っちゃえば"体験"だね。それが僕にとってのゲーム。
「なるほど! ……カガリがここまで着いてきてくれた理由、少しわかったかもしれません」
答えが出て、少し沈黙。Vaporwaveのゆったりとしたテンポで、どことなく砂を思わせるほど柔らかいドラムの上に、鈴みたいな主旋律が流れていく……なんとなく、今のやり取りはいつまでも覚えておける気がした。
「知っての通り、アリスは普通の人間ではありません」
!!?!? ごふぉっ、がはっ――
「うわっ、カガリ先輩が噎せた!!!!」
だ、大丈夫、びっくりしただけ……そうだね。アリスちゃんのことはどこかで聞いたことあるよ。
「その上でもう1つ、気になることがあります。"過去"の量が少ないアリスが、ゲームをプレイすることで"思い出す"感覚を得たとしたら、それは誤解に過ぎないのでしょうか」 - 168佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/11(水) 05:56:58
「……その、やってみて楽しかったら、それでいいんじゃないかな。ゲームなんだし」
うん、僕もそう思う。モモイちゃんに聞いても同じこと言いそう。
「そう、だね。お姉ちゃん、『ゲームをプレイすることで人間にこんな好影響が!』みたいなの、かなり嫌いだし」
嫌い!?
「うん。昔からあるんです、『ゲームをするためには、それによってどんなメリットが得られるのか、ゲームをしない人にも説明できるべき』っていうか……私もあんまり好きな考え方じゃないかな」
「わたしも苦手。よく知りもしないのに、勝手に決めないで、って思う……!」
ま、まあ、ゲームに限らずとも、娯楽って色々言われがちだよね……
「……アリス、変なことを気にしてしまっていたかもしれません。やっぱり、仲間に話を聞くと問題の解決が早いですね!」
(創作ステータスが成長します)
80+ dice2d4=4 4 (8)
- 169二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 10:42:13
エゴサとちゃんとエゴサーチって言ってるの可愛いね
- 170二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 13:27:15
郷愁って不思議だよね
- 171二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 21:35:54
マックス成長するやん
- 172佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/12(木) 05:47:25
「ユズちゃんから聞きました、"フラム"がカガリ先輩を元に考えたキャラだって。それで気付いたんだけど、私が作った"ドルミ"も同じような感じで、先生を元に考えてたかもしれません」
「全てを受け入れる寛容さって、何もかも受け入れない冷淡さと、表裏一体だと思うんです。ドルミの孤独は、境遇が生んだものである一方、自分から選んだ生き方でもあります……真の意味で隣に並び立てる人が居ないっていうか。本人もそれをわかっているからこそ、他人を遠ざけてしまう、ってイメージです」
「主人公たちを待ち受ける運命の数々は、ドルミにとって驚きの連続だと思います。ある意味、残酷な宣告でもあるような……でも、この物語の行く末を握るのはあくまで主人公なので、振り回されっぱなしです。"エニーリス"のヒロインの中では、かなり過酷な立ち位置かも」
──────────────────────────────
(ミドリとの好感度が相互に上昇します)
カガリ→ミドリ 76+dice1d6=4 (4)
ミドリ→カガリ 68+dice1d10=6 (6)
- 173いつかの夢 ◆IEd0n050V224/12/12(木) 06:00:37
──────────────────────────────
こんばんは、先生。はじめまして。
"……君は?"
名前っていうのはないから、好きに呼んで。
"ここはどこかな。どうやら、君に呼ばれたみたいだけど"
あなたに危害を加えようとは思ってない。ただ、伝えたいことがあって呼んだ。
"……わかった。それを覚えて帰ればいいんだね"
話が早くて助かる。じゃあ、始めるね。
――これから話すのは、私たちが経験した物語。
名前は『█████』。あなたにはいつか、この名前を聞いて、思い出してほしい……
あの子が、佐藤カガリが奪われたものを、一緒に取り戻してあげるために。
────────────────────────────── - 174佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/12(木) 06:26:33
-セクション5 Aパート-
(ここから少しの間かなり二次設定多めで進めます ご了承)
「部費が……なくなりそうです……」
ゲーム開発部ダイレクトの翌日。昨日は結局ユウカさんに連れていかれたっきり姿を見なかったモモイちゃんが、しんどそうな顔で俯きながらそう言った。
隣にはノアさんが控えていて、ノアさんもちょっと困った感じで振る舞っている。ミレニアムの部活の仕組みにあまり詳しくない僕にもわかるよう、いろいろ教えてくれるみたいだった。
「ええと……まず、ミレニアムの『学習単位代換』というシステムについておさらいします。と言っても、カガリさんを含め、この場の全員が日頃から使っているものですが」
そ、そうなんですか? 聞いたこと無い……
「ゲーム開発部の場合、ユズちゃんの判断で部員みんなの分をモモイちゃんに一任しているみたいですね。そしてその様子だと、モモイちゃんもカガリさんには説明してなかったようで」
「すいませんでした……」
「ご、ごめんなさい……」
いや、実際ちょっとややこしそうだし、結果的には助かってると思うよ……
「ややこしいと言えば、ややこしいですね。簡単に説明すると、『部活動によって得られる知識や経験が、通常の学習カリキュラムと同等以上に有意であると認定された場合に限り、部の予算から一部をミレニアムに返還することで、返還した額に応じて部員それぞれが進級・卒業までに必要とする学習単位を軽くできる』という制度なのですが」
……う、うーーーーん……
「ああっ、カガリが話に付いていけない時の顔になっています!」
「ふふ。時間はたくさんあるので、ゆっくりすり合わせしていきましょうか」
dice1d100=73 (73) 知性ステータス(22)以下で成功
- 175二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 08:52:57
カガリ は こんらんしている
- 176二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 14:44:20
しょぼしょぼピカチュウみたいな顔してそうなモモイ
- 177二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 16:14:53
ダメだったかぁ
- 178二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 01:07:59
保守
- 179佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/13(金) 03:45:00
……なんとなくわかった! 部活に専念したい人が、授業出たりレポート提出したりするのを減らして良いってことかな。えっと、僕がそもそもミレニアム入ってから殆どそういうのしてなくて……
「そう。で、このままだと明日から毎日授業出ることになるって感じ。ゲーム開発部全員ね」
そ、そもそもなんでそんな急に? 今まで何も聞いてないんだけど。
「……えーーっとねーーー」
「ゲーム開発部は以前、『ミレニアムプライス』という非常に大きいコンテストで特別賞を取ったことがあるんです。当然、その直後の部費は潤沢に支給されましたし、代換制度のレートもかなり低値になっていたのですが」
「ぶっちゃけ超調子乗ってて。全部の日付の全部の単位、部費で買うように登録してたの……ホントに見たこと無い桁数だったし、こんだけあったら無くならないでしょって……それが今、無くなりそうというか……」
……その。そういうの、普通だったら先に計算しておかない?
「うわああああやめてーーーーー!!!! わっ、私だってわかっているよそれは、うおおおおおおっっ私はなんでこんなことを……ぐっ……ぐおっ、ぉ、あがが……」
「お、落ち着いてモモイ、まだなんとかなるかもしれないし……」
「話は聞かせてもらったよ。お姉ちゃんは本当に1回くらい滝行とかしてきた方がいい」
み、ミドリちゃん! 今までどこに?
「出席が必要なタイプの単位があったので、朝の時間でいくつか授業受けてきました。実際に部費が無くなるのは単位それぞれの期日が過ぎる直前のタイミングだから、今からでも間に合う単位はある」
「さ、流石ミドリ、行動が早いです。アリスも動き始めるべきでしょうか」
「いや、それはいいんだけど……お姉ちゃん、カガリ先輩にこの話してなかったの? なんで?」
……ちょっとややこしかったが、全員の話をまとめると、こう。入部してからの僕の単位について、ミドリちゃんとアリスちゃんは『いつも通りあの2人が担当するんだろうな』と思ってて……
ユズちゃんは、僕に説明する役目をモモイちゃんに頼む時『カガリ先輩の単位のことはモモイに任せる』って言い方をして、モモイちゃんはそれを『私の裁量で決めてオッケー』って風に捉えてしまい……
つまり、えーと。実は誰も悪くないんじゃない? って言ったら、「流石にそれはお姉ちゃんにゲロ甘すぎます」と怒られた。すいません。 - 180佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/13(金) 04:24:09
「その、午前中の時間をほとんど授業に吸われるっていうのは、ゲーム制作に費やせる時間が半分になるようなものでさ。今まさに完成間近のタイミングだし、出来ることなら避けたいよね、って話」
「それはそうなんだけどさ。昨日ユウカが気付いて指摘しに来てくれなかったら、お姉ちゃんのせいで5人纏めて留年もあり得たってことを踏まえて、もう1回謝ってほしいな」
「まっ、まことに申し訳ございませんでした!!!!!!!!」
「よし! ……じゃ、改めて考えようか。どうする?」
モモイちゃんが言うには、「とにかく部費さえあればなんとかなる!」……らしい。ここで言う部費っていうのはいつもより広い意味で、『部活動の結果として得られた収益』でもいいみたい。実際、K.PCEの物販で出た儲けを申請して計算に入れてみたけど、正直焼け石に水だったとかなんとかで、別のアプローチが必要……
「――私、1つアテがあるんです。その、ノア先輩にも相談しないといけないんですけど」
ホント!?
「はい、是非聞かせてほしいです。余程怪しいものでなければ協力できると思いますし」
「うーん……ちょっと怪しいかもしれません。その、さっき授業受けてきた時、隣の席だった……『鑑定部』の部長、っていう生徒から、提案があって」
「鑑定部? 聞いたことあるよーな無いよーな」
「ふむ……なるほど。この時点でもう、大体の狙いはわかりますね」
「か、鑑定部ですか……? アリス、あそこの人たちあまり得意じゃありません……」
(カガリは『鑑定部』のこと知ってたり面識があったりするでしょうか そして覚えているでしょうか)
dice1d100=59 (59) 100に近いほど知ってたり面識があったりする
dice1d100=43 (43) 神秘ステータス÷2(42)以上で完全に覚えている 未満でも出た目によってうっすら
- 181佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/13(金) 04:44:25
あー……あれ、ですよね。物の値段を決める……なんとなく理数系っていうよりは人文系の。言っちゃアレですけど、あんまり評判良くない……
「はい。その名の通り『鑑定部』とは、歴史的価値、各分野からの見解、実用性、需要と供給のバランスなどを鑑み、時には物品を、時には形の無いものであっても、金銭によって取り扱うための『値段』を決定する、セミナーの小さな一部門です。ご指摘の通り、活動の過程で少々問題視されることも少なくないですね」
「お、思い出した……それって、アリスちゃんを見るなり開口一番、6億何千万とかって数字を言い出した人たち……?」
……うわぁ。
「それも覚えてるよ私、だからちょっと複雑で……でも、今回はアリスちゃんには近付かないって言ってた! その……結局、『競売』の話ではあるんだけど」
「競売? え、うちの部にお金になりそうな物なんてあるっけ?」
「……恐らく、"アレ"のことですよね。何処に保管してあるか、私は存じ上げませんが……カガリさんの性格的に、撤去してすぐ処分、なんてことは無さそうですし」
……ああっ!??!?!!? え、"アレ"のこと……?????
それは……僕の一存で決めていいのか? いや、僕以外の人に考えてもらうのも、たぶん違うんだけど…… - 182二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 08:48:32
あ、この前の?
- 183二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 13:06:53
面白い制度だなぁ
- 184二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 21:40:47
前から何となく思ってたけどここのミドリ、ゲーム部漫画の半眼ミドリ味あるよね
- 185佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/14(土) 06:00:54
ミドリちゃんがスマホに『情報部』部長さんの電話番号を打ち込む。何やら、その場で「部としての立場を抜きにしても、あの絵を描いたのがどんな人物なのか見てみたい」と言われていたらしく……
それを聞いた感じ、なんとなく僕と似てる、というか僕が嫌なタイプの交渉術の使い手だな、と思った。だからって応じない訳じゃないけど、それなりに気を付けて喋らなきゃ……ホログラムが始動して、目の前に浮かび上がった顔を前に、ちょっと緊張してみたりする。
『……初めまして。あなたが、佐藤カガリさん……で、大丈夫?』
はい。というか、よく僕のこと知ってましたね。
『そりゃあなた、今じゃ結構有名人よ? あのゲーム開発部の一員っていうのも勿論のこと、あちこちの著名な部活に出入りしてるって聞いてるし』
うーん……そっちじゃなくて、あの絵の持ち主って知ってたのが凄いなって。
『それは普通に張り込み! あの絵が出てきた時、これはいずれ我々の仕事で取り扱うことになるだろうな、って思ったんだよ。そして、まさにそれは今日かもしれない……くひひっ』
……やっぱりなんか苦手だな。みんなはどうだろう? と思ってちらりと後ろの様子を窺ってみた。うーん全員気まずそうな顔してる。まあ……今のところ、良い印象に繋がるようなものは何一つとして無いし、当然か。
「満足しましたか。これで、"顔を見る"というクエストはクリアされたはずですが」
『おお、天童さん! 変わらずご健勝そうで何より。それで、満足って何のこと?』
「……"アリスの顔は一度きり"、仏のそれとは違いますよ。たった一度でも失礼な言葉を使ったら、それで通話はおしまいですから」
アリスちゃん!? だっ、そんなには大丈夫だよ、この人まだ何か悪いことしたわけじゃ――
『ああ、当然気を付けるよ。じゃ、そっちも大体察しが付いてそうだけど、本題に入ってもいいかな』
……は、はい。
『んー……と言っても、正式なタイトルは知らないんだけどね。あの朝、突然現れた"モノレールステーション前の巨大グラフィティアート"、その実物……手続きはうちでやるから、競売に出してみないかい?』 - 186佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/14(土) 06:35:07
『……ふはっ。そんなに考え込まなくていいし、今はイエスやノーで返すべき時じゃないよ。まだ説明が済んでないじゃないか』
そ、そうですね! 色々教えていただけ――
「………………」じーっ
『んにゃ、さっきから天童さんには相当警戒されてるなワタシ。心当たりはあるけど……しかし、初対面の時はもっと、君自身は何が何だかわかってないって感じじゃなかったか?』
「アリスだって日々成長しています。それに、今ターゲットを受けているのは、アリスではなくカガリなので」
……お、怒ってる? 怒っては無いけど、その直前みたいな……あんまり見たことがない表情だった。胸がざわざわする。
『まっ、どちらにせよ君たちはお金が無いんだから。閑話休題、説明に戻ろうか……とはいえ簡単なことだよ。例の絵を一度、我々鑑定部に預けてもらえれば、あらゆる要素を考慮しながらそれに値段を付ける。極端な話、そこでカガリさんにとって満足行く値段が出てきたら、その金額を受け取って終わりにしても構わない』
なるほど、そういうのもあるんですね。……その、どれくらいになりそうですか?
『原価の原価で考えても、5万円は堅いんじゃない? 技術で関わってるのが新素材開発部とエンジニア部でしょ。まあ、その5万円も部費とやらの足しにはなるが、ワタシはあの絵の価値がその程度で留まるとは思わないわけで』
……その、それは褒めてもらえてるって取ってもいいのかな。
『そうだよー。まあ、曰くが付いてるって意味でもあるけど……その辺も、乗ってみればわかることさ。逆に、この話に乗らないなら、君はあの絵についてこれ以上知らなくていい。価値を知ったせいで美しさを見失うものなんて、この世にはごまんとあるのだから』
さあ、どうする? と、僕に明確な答えを要求する彼女。……どうしよう。お金の必要さはちょっと喫緊だし、僕が役に立てるならそうしたいけど……あの日、マキちゃんと話したことを忘れてるわけでもない。長い時間をかけてみんなで一緒に描き上げたことで、僕と同じように、ひょっとしたら僕以上に愛着を持ってくれていて……
そして、そこに宿っている心理的な"証"みたいな、無形の存在のことも教えてくれた。あの絵を『売る』っていうことが、それを傷付けたり消したりすることに繋がるとしたら……僕はそれについてもっと考えるべきだと思う。 - 187佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/14(土) 07:01:16
「落ち着いてくださいカガリ、きっとすぐに決める必要はありません! 部費のことも、要するにきちんと授業に出ればいいだけです。もちろん、このままだと部活動に集中できる時間は減ってしまいますが……」
「まあ、途中でもっと良いスーパー解決策が見つからないとも限らないしね。決めるのは今でもいいけど、今じゃなくてもいい! 焦らないことが大事なんじゃないかな」
そ、そうかも。じゃあ、とりあえず今日のところは保留みたいな――
『んー、まあそういう感じになるかぁ。こりゃまた嫌われちゃいそうだな、ワタシ』
……えっ?
『多分そろそろ誰か来るんじゃないかな? こっちからじゃ聴こえないけど、足音とか』
……ホントだ。廊下と靴がぶつかる堅い音……しかも走ってる速さで。
「――はあっ、はあ……っ、カガリ!!! あの絵、売りに出すってホント!??!?」ガラッ
マキちゃん!? え、あっ、それは……
「マキ、それ何処で聞いたの?」
「SNS! 掲示した時も話題になった分、ちょっと大きい噂になってて……その、一次ソースがどこかはわかんない、とにかく風の噂! こうなっちゃったら、本人に聞かないとわかんないから来たの」
……これ、あなたがやったんですか?
『まあ、そうだね。我々、セミナーの内部でも、ちょっと営利的寄りな活動をしてて……中々踏み切れない人の背中を押すところまでも、仕事の内っていうかさ』
「ちょっ、やり方がちょっと卑怯じゃない!? なんか一気に嫌な感じになったんだけど、どうしてくれんの」
「あ、あうぅ……」
まあ……こうなった以上、僕が公にコメントするのが、一番場が収まりますし……噂通り競売に掛けるのが、一番期待に応えられます、よね。
『そうなるねぇ。いや、ホントに申し訳ない限り……寛大なお心で受け止めてくれると嬉しいです。良い返事を期待してますよぉ、きひひっ』
話の途中だったけど、アリスちゃんがいつの間にかその場から居なくなっていて……通話を切った後、寝室の方で丸まっているのが見つかった。慣れない感情を持ちすぎて、頭の中がごちゃごちゃになったらしい。
……にしても、あの人メンタル強いなあ。正面からやり合うとキリが無いタイプっていうか……上手く受け流せるといいんだけど。とにかく、『あっちが何を要求してきているのか』には、常に注意を向けよう。 - 188二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 11:15:25
マキが関わってくるのは順当だが、混沌としてきたな…
- 189二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 18:33:19
強かだなぁ
- 190二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 18:56:48
いや、これは売りたくないな
ってかセミナー全体への印象が悪くなるわ - 191二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 20:30:44
けどここで売らなくてどうなるかと言うとほとんど死蔵なんだよなぁ
日常で飾るにはでかすぎるし、かといってゲーム部の趣旨とは違うからイベントとかで出すのも合わないし
まぁカガリちゃんとスレ主の判断を待つだけよ - 192佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/15(日) 05:22:12
『ところで。これは持論なんだけどさ……人間、判断材料がきちんと揃った状態から、なおも1日以上決めあぐねるような事柄は、積極的に取り組んだって良いことは無いと思うんだよ』
……????? そ、そうですか……
『やば。また変な言い方しちゃった……つまりね、いくら私が身勝手な人間だからって、はっきりノーと言えない状態の人間を付け回して言質を取るような真似はしたくない! その基準として、明日の18時にボーダーを設けようと思う。それまでに君から連絡が無ければこの件はナシ、勝手に撒いた噂の始末もこっちでしっかり付けるから』
行動のベクトルは衝撃的で恐ろしいけど、言っていること一つ一つは少しまともな気がする。そう思った時点で彼女の術中にハマっているんだろうか?
さて、前提の共有はひととおり終わったから、通話はその辺りで終了。ゲーム開発部も一旦お休み、それぞれミレニアムの授業を受けて部費への負担を和らげる作戦に出た……それはつまり、僕が"競売"の可否について考える時間を一緒に作ってくれるってことでもあった。みんなありがとう……
『……は、はい。全問、正解っぽいです!』
やったー!!! 数学、いちばん疲れるけど、達成感も大きいな……
『少し前に比べて、解くスピードも早くなったと思います。プログラミングを始めたのが影響してたりするのかな……?』
確かに、"いつ使うのか"ってイメージが出来てからはやりやすいかも。想像してたより身近だなって思うし。
『そう、ですね。すごく良いと思います』
予定をパズルのようにして対面授業を数個受けて、全部済んだら学生寮に戻って、過去分のオンライン授業を視聴して……今は隣の部屋のユズちゃんと通話を繋ぎ、数学のトレーニングをしている。幸運というべきか、1年次で成績がかなり良いユズちゃんと、2年次でへっぽこな僕は、悩みの一部が奇妙に共通していた。
「これの46頁までなので、もう少しですね。そこが終わったら今日は――」
あ、あのー。言うタイミング逃してたんだけど、なんで通話なの……? 隣の部屋だし、集まればいいんじゃ……
「……ま、まだ早いです。その……カガリ先輩、お部屋に何も無いですし」
そっか…… - 193佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/15(日) 05:40:59
適当なところで勉強時間を切り上げ、購買で買ってきたお弁当をレンジで温めて食べ、思い出したようにシャワーを浴びたり……まあ、今日の活動はここまでだろう。
なんというか、初めての寮生活とかそれ以前に、人間らしい暮らしが久しぶりだった。こんなこと言うとゲーム開発者が人ならざる存在みたいになっちゃうけどさ。折角の機会だし、天から降って来たこの暮らしを通じて、"エニーリス"のラストスパートのために英気を養おう……
……『ラストスパートのために英気を養う』、か。自然とそういう発想になるなら、僕って実は競売の話、結構前向きなのか? まあ、みんなの助けになりたいって気持ちはずっとあるけど……
なるべくなら、自分ひとりで決断できるのが一番。それはわかってる……でも、僕は恐らく他の人の気持ちを聞いておきたいんだろう。それはなんとなく、みんなで楽しく遊んだ時間が終わる時、忘れ物がないか互いに確認し合う、あの時間と似ている気持ちだった。
(どこに相談してみる?)
dice1d5=2 (2)
1.ヴェリタス
2.エンジニア部
3.新素材開発部
4.ゲーム開発部
5.……いっそのこと?
- 194二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 12:24:21
青春じゃなくて学生らしいことやってる
- 195二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 21:13:52
エンジニア部も結構縁あるね
- 196佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/16(月) 05:29:10
(こんばんはセルフ保守 ここにきて体力に余裕が無いため今夜の更新はお休みさせていただきます……)
(そして気付けばレス数が190台乗っかってるので昼~夕に時間を作って新スレを立てます! いきなりエンジニア部との会話から始まることになりそうなので、あらすじをしっかり気味に書いて違和感ないようにします)
(また、セクション5が長引きまくらない限りは次スレでようやく白亜の予告状編に入れると思います ようやく…… はっきりと原作のイベントに参加させるのは初めてなので、プロットにボロを出さないよう頑張っていく所存です) - 197二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 13:02:56
ごゆっくり
- 198佐藤カガリ ◆IEd0n050V224/12/16(月) 18:29:16【オリキャラ🎲ss】天童アリスのストーカーです、通して下さい【佐藤カガリ】Part9|あにまん掲示板うわーん、向き合うべきことが無くならない! ……もしかして、僕以外の人もそうだったりする?佐藤カガリ 16歳(2年生)出身校:百鬼夜行連合学院身長 130+40 (40) cm胸 3 (3) 1.小盛…bbs.animanch.com
(新スレが立ちました!!!!!!! 時の流れも早いものでそろそろ1スレ目から10ヶ月が経とうとしています 早すぎ)
(恐らくですが丸1年経ってもこのスレは完結しません! 年を跨ぐ確率に至っては120%です 大筋は決めてあるので、完結が存在するタイプのスレではあります)
(マジで、本当の意味で、スレ主が書きたいことを書いていくのが主目的なスレになっています これからも横道をたくさん通って大いに遠回りしながらゆっくり進めていきたいと思います 読んでくださってる皆様には心からのかんしゃあ~を……)
- 199二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 19:24:42
たておつです
- 200二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 23:24:58
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