- 1R.H24/11/14(木) 00:07:56
- 2R.H24/11/14(木) 00:08:53
翌日/自室
今日は休日。補習授業部も休みだ。今日は何をして過ごそうかな?最近ずっと補習授業部にいたせいか、普段何をしていたか忘れてしまった。まあとりあえず…
1.街に出よう
2.部室に行ってみよう
3.学園を散歩してみよう
4.シャーレを訪ねてみよう
5.ブラックマーケットに行こう
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- 3R.H24/11/14(木) 00:45:24
よし、ブラックマーケットに行こう。ペロロ様のグッズの掘り出し物が見つかるかもしれないし。誰かに見つからないよう、早めに出発しよう。
ブラックマーケット、そこはキヴォトスの中でも有数の無法地帯。あのゲヘナと治安が同じくらいというのだから、その凄まじさが窺える。とはいえここには、トリニティ周辺では手に入らないようなものが沢山あるわけで。
「ダムダム弾バラ売り、まとめ買いの方がお得だよぅ」
「山海経から直送、最高にトベるのが入ってるぜ!」
初めて来た時はこの雰囲気に気圧されたものだけど、もう何度も来ているせいで慣れてしまった。ペロロ様を含むモモフレンズのグッズはブラックマーケットでも取り扱い数が少なく、目を光らせておかないとすぐになくなってしまう。人気があるのは素直に嬉しいけどね。さて、確かこのあたりに……
「大将、やってる?」
「坊主、そろそろ来る頃だと思っていたぞ」
裏路地を少し進んだ先にある、まるでラーメン屋のような見た目の店。暖簾をくぐった僕を出迎えたのは、所々錆びついた一体のロボット。
「坊主、ご注文は?」
「いつもの」
もちろん、この店はラーメンを売っているわけではない。僕が欲しい物は……
「モモフレンズ、ペロロ様のぬいぐるみシリーズ、新しいのが入ってる」
「さすが大将。腕がいいね」
ロボットが取り出したのは、ぬいぐるみではなく3つの箱だった。それほど大きくなく、それぞれ赤、青、緑の色がついている。
「それは?」
「中身はご所望の品だ。二つはそこそこの品。しかしたった一つだけ、プレミア付きのレアな品が入ってる」
「!?!?!?」
「一つだけ売ってやる。どれにする?」
「いつものゲームってわけだね」
この店主、腕はいいのだが、何故か客にゲームを吹っ掛けるきらいがある。それも時には赤字覚悟で。
「決めた。赤にするよ」
「毎度!」
渡された箱を早速開けてみると、そこには…
1、2 ノーマルペロロ様が
3 レア物のペロロ様が!
dice1d3=1 (1)
- 4R.H24/11/14(木) 00:50:00
箱の中には、ペロロ様のぬいぐるみが入っていた。それも最近は珍しい、完全にプレーンな、オーソドックスなペロロ様だ。
「残念だな、坊主。だが、シンプルなアイテムってのも、たまにはいいもんだろう?」
「……」
正直、すごく惜しいけど、ブラックマーケットには流儀というものがある。ここは大人しく引き下がろう。 - 5R.H24/11/14(木) 00:50:45
「これはおまけだ。次もよろしくな」
そう言って店主は、
1 黒い箱を押し付けてきた
2 白い箱を押し付けてきた
3ピンクの箱を押し付けてきた
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- 6二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 00:54:59
支援
- 7R.H24/11/14(木) 01:06:19
まあ、貰える物は貰っておこう。
「また来るよ」
そう言って店を出る。概ね目的は果たしたし、そろそろ帰ろうか。
その時、サイレンの音が聞こえてきた。マーケットガードだ。どうやら誰かを追っているらしい。巻き込まれたら面倒だし、しばらくこの路地でやり過ごそう。
「あれ、ヒフミ。久しぶり」
この声は…
「シロ……」
コさん、と言いかけて、背後に立っている少女の姿を見て言葉を失う。制服を着て、覆面を被って、黒いボストンバッグを抱えている、知り合いの姿を。
「ヒフミ、ちょうど良かった。手伝って欲しい」
「人違いです」
面倒ごとは避けたい。早急にここを離れよう。そう思っていたのに。
「いたぞ、あそこだ!」
路地の入り口に、こちらを指差すロボット兵が。続いてドタドタと幾つもの足音が聞こえる。
「まずいッ」
「逃げよう」
路地の奥へ奥へと走る僕と覆面の少女。というか、仲間だと思われた!捕まったらまずい…どころか、顔を見られるのも避けたい。何か、顔を隠せるもの…
「ん、お困りのようだけど」
何故かドヤ顔をしているような雰囲気のシロ…覆面の少女と目が合う。その手にあるのは、紙袋。
「顔、見られたくない、でしょ。これが欲しければ、仲間になるべき」
「そこだー!逃すなー!
「くっ!」
マーケットガードは執念深い。ブラックマーケットを抜けるまで、どこまでもどこまでも追ってくる。
ダダダダダダダダッ!!!
後ろから銃を乱射する音が響く。当たっても大したダメージにはならないけど、このままじゃまずい
バスッ
「え?」
乱射された銃弾が跳ね回り、そのうちの一つが僕が手に持っている赤い箱を貫いた。衝撃で、手を離してしまう。そして振り向いた僕の視線の先で、落ちた箱がロボットの集団に踏み潰された。 - 8二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 01:09:09
このレスは削除されています
- 9R.H24/11/14(木) 01:12:42
今日は散々な目に遭った。結局グッズは潰されてしまったし。
「はあ」
ため息を吐きながらバッグを開けると、見慣れない箱が。
そういえば、おまけを貰っていた。こっちは小さめだからバッグに入れていたんだ。中身は…
ボールペンだ。何のことはない、側面にペロロ様がプリントしてあるだけの、ただのボールペン。でも、それを見ていると、なんだか元気が湧いてくるような気がする。そうだ。僕だって初めのころはこういうものを集めることから始めたんだ。限定品を変えなくても、手に入れたグッズが潰れてしまっても。また集めればいい。初心を忘れるなという意味で、あの店主はこのおまけを僕に渡したのかもしれない。こういうところがあるから、あの店に行くのは止められないんだ。
アチーブメントを獲得
『不良生徒lv.2』
アイテムを取得
〈ペロロ様のボールペン〉
フラグ[アビドス廃校対策委員会]を獲得 - 10二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 02:59:49
10
- 11二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 13:04:24
保守
- 12二次元好きの匿名さん24/11/14(木) 23:19:56
保守
- 13R.H24/11/15(金) 00:02:22
数日後/補習授業部の部室
「さて、皆さん。今日は第一次学力試験の日です。ここで全員合格すれば、晴れて補習授業部を卒業できます。逆に不合格であれば、強制的に一週間の合宿になります。そうならないように頑張りましょう!」
と、一応部長らしく挨拶をしてみる。頑張るのは僕もなんだけどね。
「私の実力を見せてあげるわ!」
「うん、始めよう」
「あらあら、ふふふ」
それぞれ自信があるみたいだし、きっと大丈夫。
「それじゃ、試験、開始!」
先生の合図で、学力試験が始まった。
「さて、先生。結果発表をお願いします」
「ん、うーん、そうだね……」
妙に歯切れの悪い先生が発表した試験の結果は以下の通り。
阿慈谷ヒフミ 72点
白洲アズサ 32点
下江コハル 11点
浦和ハナコ 2点
結果 不合格
「あれ?」
「残念。紙一重といったところだな」
「う……今回のテストは難しかったから……」
「あらあら〜」
三者三様の反応を見せる少女達。それを見て、絶句する僕と先生。
「合宿決定、だね。ヒフミ……」
「あはは……」
泣きたい。 - 14R.H24/11/15(金) 00:02:51
翌日/ティーパーティー専用テラス
コンコン
「失礼します。桐藤ナギサ様の招待に応じ、参上いたしました」
「どうぞ」
試験の後、僕はナギサ様に呼び出されていた。遠慮しつつも着席する僕に、ナギサ様が話しかけてくる。
「まずは試験、お疲れ様でした。結果も、既に聞き及んでいます」
「あ、あはは…そうですか…」
「そんな顔をなさらなくても、私はヒフミくんを責めるつもりはありません。大体これくらいの結果になることは予測していましたし、そもそも点数がどうであれ、本質的には関係ないのです」
「?ナギサ様、それはどういう…?」
「ええ、ここでヒフミくんにはお話しておかなければなりませんね。私が補習授業部を作った、本当の理由を」
それからナギサ様が語ったことは、耳を疑うような、ありえないような真実だった。
「さて、前提条件が共有されたところで、ヒフミくんに改めてお願いします。補習授業部に潜む、トリニティの裏切り者を探して欲しいのです」
「しかしナギサ様…」
「協力していただけないというのであれば、それでも構いません。ただし、このままではヒフミくんも、裏切り者と同じ末路を辿るということをお忘れなく」
「ナギサ様!」
「お話は終わりです。帰っていただいて結構ですよ」
ここでできる話はここまでみたいだ。
「失礼しました」
どうしよう。こんな話を聞いて、僕に何が出来るというのか。誰かに相談するべきなのだろうか?それとも…。 - 15R.H24/11/15(金) 00:07:33
数日後/トリニティ総合学園別館
「やっと着いたー!」
ティーパーティーから貸し出された合宿所は、トリニティの校舎から数十分歩いた先にあった。長い間使われていなかったとはいえ、管理はされていたようで、しばらく過ごすのに支障はなさそうだ。
「よし、じゃあ早速勉強を」
「いえ、待ってください。勉強の前に、まずやるべきことがあります」
「?」
「お掃除、ですよ」
「うん。衛生面は実際の戦場でも士気に関わる重要な要素。優先的に整えておくべきだろう」
と、いうわけで、全員体操服に着替えて掃除をすることになった。スクール水着で掃除をしようとする浦和さんを説得するのに、しばらくの時間を要した…。
「さて、それじゃ、場所を分担してそれぞれ掃除をしよう」
「そうですね。本校舎に比べてそんなに広くはないとはいえ、5人だけではちょっと時間がかかりそうですし、効率的にいくべきだと思います」
割り振りを行い、それぞれ掃除に取り掛かった。
「ふう、こんなところか」
外の草むしりを引き受けたけど、このペロロ様印の草刈りマシンがあれば大したことはなかった。早く終わってしまったし、みんなを手伝いに行こうかな?大変そうだったところといえば…
1.廊下とお手洗いとシャワー室
2.ロビー
3.寝室
4.教室
dice1d4=4 (4)
- 16R.H24/11/15(金) 01:17:12
確か教室を、先生が担当してくださってるはずだ。ただでさえ迷惑をかけまくっている先生に掃除まで手伝わせるのは心苦しい。サポートして少しでも早く終わらせるべきだろう。まあ、あの先生のことだ。もうとっくに全部終わらせているかもしれない。
「先生、お手伝いしにきました」
「うぇっ!?」
ガラリと扉を開けて、僕は言葉を失った。床にはゴミと埃が敷き詰められ、机や椅子が横倒し、もしくは逆さまになって転がっている。それによく見ると、床や壁が水浸しだ。おまけに天井には、何本か箒が突き刺さっている。そして惨劇の教室の真ん中で、腕まくりをした先生が仁王立ちしながらばつの悪そうな顔でこっちを見ていた。
「先生?」
「何かな、ヒフミ?」
「何があったんですか!?」
「…私、掃除が苦手なんだよ」
「苦手ってレベルで片付けられる範疇を超えてますよ!?何があったら天井に箒が突き刺さるんですか!?」
「だからね、掃除をしようとしたら、教室の中で虫とネズミがシェアハウスをしてたわけ。半分パニックになりながら追い出そうとしてたら、ゴミ箱をひっくり返したり、机や椅子を蹴飛ばしたり、箒を投げつけちゃったり…それで収集がつかなくなって、教室を丸ごと水洗いしたら、いいんじゃないかって……」
「……」
言葉を失う。これが、いつも格好いい先生の
掃除の実力だというのだろうか。
「あの、ヒフミ?大丈夫だよ?ここは私がなんとかするから」
「いえ、先生はもう十分に働いていますから、休んでいてください。あとは僕がやっておきますから」
「うん、ありがとう。でも、せめて手伝わせて」
「わかりました。では、一緒に頑張りましょう。まずは…濡れているので本当は良くないのですが、箒でゴミと埃を集めてしまいましょうか」
言いながら、掃除用具入れを開く。あれ?
「先生、この教室、箒はないんですか?」
黙って天井を指差す先生。机を積んで届くだろうか。 - 17R.H24/11/15(金) 01:18:09
「やっと、なんとかなった、かな」
正直、細かいところをどうにかする余裕はなかったけど、最低限使えるところまで回復したはずだ。
「おつかれ、ヒフミ。ごめんね、余計な手間を増やしちゃって」
「いえ、大丈夫ですよ。こうやって、なんとかなりましたし。…これは?」
先生がペットボトルを差し出してきたので受け取る。
「カフェオレだよ。掃除を頑張ったご褒美と、お詫びも兼ねて」
キャップを開けて、一口。コーヒーの苦味がミルクと砂糖で覆い隠され、甘いまろやかな風味が広がる。疲れた体と頭に染みるようだ。 - 18R.H24/11/15(金) 01:18:23
「そう言えば、この掃除の腕前で、普段はどうしてるんですか?シャーレの部屋はそんなにきたな、散らかってると思わなかったですけど」
「うーん、何日かに一度、シャーレの部屋を掃除しにきてくれる子達がいるんだよ。その子達には「一週間に一度以上は必ず来るようにしますから、何があっても絶対にご自分で掃除をしようとなさらないでください」と釘を刺されててね。おかげでシャーレは今日も綺麗だよ」
「なるほど…」
「その、さ。やっぱり、ちょっと幻滅だよね?大人である私が、掃除すらまともに出来ないなんて。できる限り生徒に信頼される先生でありたいから、普段は隠すようにしてるんだけど、ほんとは私、料理洗濯とか、家事全般ダメで。生徒の模範であるべき先生がこんなのなんて、信頼を裏切るような…」
「そんなことないです」
結構今回の失敗がこたえてるみたいだ。元気がない。僕に弱点を知られたことで信頼を失ったんじゃないかと心配しているらしい。けど。
「この程度のことで、先生を信じられなくなるわけないじゃないですか。確かに先生の掃除の腕は壊滅的かもしれませんが」
「うぐ」
「先生が、誰よりも僕らのことを考えてくれていること、知ってます。きっとみんな知ってると思います。先生がいつも優しくて、綺麗で、そして時々すごくカッコいいということ、誰もが知っています。むしろ、ちょっとぐらい弱点があった方が親近感が湧くんじゃないでしょうか。僕も、完璧超人じゃない先生のことが、もっと好きになりました」
精一杯の言葉を伝える。
「そっか、そうだよね。生徒に信頼されようっていうんだから、私も生徒を信じなくちゃ。ありがとう、ヒフミ。ちょっと元気出たよ」
「っ!それならよかったです」
「あと。軽々しく好きとかいうんじゃないよ。それは好きな人への告白の時にでもとっときなさい」
「あっ、すみません。慌てるとすぐ本心が口に出ちゃうのが、僕の悪い癖なんです」
「…………うーん、先生はヒフミのことが心配になってきたかもしれない」
何はともあれ、大掃除はそろそろ終わりそうだ。
/先生の好感度が上がった/ - 19二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 12:34:32
保
- 20二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 00:24:02
それぞれの持ち場を掃除し終わった僕たちは、もう一度外で集まることにした。
「結構綺麗になったわね。気持ち良い」
「うん、悪くない」
「これで掃除は終わりかな?」
「いえ、あと一箇所だけ残ってますよ。こちらです」
浦和さんに連れてこられた先は。
「プール?」
「はい。この屋外プールを掃除して、大掃除の締めと致しませんか?」
「しかし、補習授業に水泳の項目はなかったはずだけど?」
「試験に関係ないなら、別にこのままでいいじゃん。掃除する必要ある?」
「それは…よく考えてみてください。キラキラと水の輝くプール。はしゃぎ回る生徒たち。素晴らしいと思いませんか?」
「え、何!?私にはわからない次元の話してる?」
確かに試験には必要ないかもしれない。けれど、こうして放置されているプールを見ていると…
「なんだか寂しい気持ちになるね」
「きっと昔は沢山の生徒たちで賑わっていた場所だろう。それなのに、いつかこうして寂れてしまう。「vanitas vanitatum」…それが、この世界の真実」
「ばに…?」
「古代の言葉ですね。「全ては虚しいものである」…確かにそうなのかもしれません」
ハナコさんは一度言葉を切った後、意を決したように言う。
「アズサちゃん、コハルちゃん、ヒフミくん。今から遊びましょう!」
「えぇっ!」
「今から掃除して、水を入れて、飛び込んだりしましょう!明日からは毎日勉強…今のうちにここで楽しく遊んでおかないと!さあさあ、はやく濡れてもいい格好に着替えてきてください!」
「うん。たとえ全てが虚しいとしても、それは今日最善を尽くさない理由にはならない。待ってて」
「はやっ、アズサさん…」
「さあ、ヒフミくんとコハルちゃんも。濡れてもいい格好に!さあさあ!」
「ハナコ、なんだか目が怖いよ…」
「補習授業には関係ないんでしょ、なんで私まで…」
「コハルちゃん…」
「な、なんで無言で近寄ってくるわけ…え、あ、ちょ、わかった、わかったからこっち来ないで!」
走り去るコハルさん。うーん、あんまり気乗りはしないけど、仕方ないか…。 - 21二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 00:24:59
保守
- 22二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 00:27:48
こういうss書ける人尊敬する
- 23二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 01:07:32
「……」
「……」
「……」
「さて、それでは、プール掃除を始めましょうか?」
「「ちょっと待って!」」
コハルさんと声がハモる。
「どうして制服なの!あんたはどうしていつもそうなの!」
「ハナコさん、汚れるかもしれないし、制服は流石に…」
「ふふ、心配ありませんよ。中にちゃーんと着てるので♡それとも、そんなに私の水着姿を見たいんですか♡」
「ハナコさん!?」
「コハルちゃんとヒフミくんがどうしても、と言うのであれば、披露するのも吝かではないのですが…」
「な、何言ってるわけ…」
「どうですか。言ってくれないんですか?」
「あ、あわわわわわ…」
半分くらいパニック状態のコハルさん。そこに助け舟が出される。
「みんな、そろそろ掃除に取り掛からないと、時間がなくなる」
「そ、そうだね、アズサさん。早速掃除を始めよう!」
「ふふふ、それでは改めて、お掃除始めましょうか♡」
「見てください、虹ですよ!虹!」
「こちらのブロックは完遂した。続けて次のブロックに向かう」
「うぅ、どうしてこんなことに…」
水が弾け、日に当たってキラキラ光る。そして三者三様の少女たち。それも水着姿の。目のやり場に困る…!さっきまでハナコさんが変な話をしてたせいで、余計に意識してしまう…コハルさんは上着がぶかぶかなせいでほとんど水着見えないのがなんかあれだし、アズサさんはポニテ似合ってるし、ハナコさんはスカートで掃除するのは諦めてくれたけど、ということは下だけ水着ということに…もしかしてスカートのままの方が良かったんじゃ…というかスクール水着じゃないんだ…どっちを向いても見ちゃいけないものが映り込んで、目が休まらない…!あ、プールサイドの先生なら。ふと顔を上げた先生と目が合う。ひらひらと手を振ってくる先生に手を振り返す…。
バシャッ
「うわっぷっ」
「ふふふ、ヒフミくん、集中しないといけませんよ!」
「わわ、わかったから、ホース下げて…」
掃除は意外とはやく終わったものの、水を入れるのに思ったより時間がかかり、水が溜まった頃には日が暮れてしまっていた。 - 24二次元好きの匿名さん24/11/16(土) 01:08:52
「流石にこの時間から勉強というわけにもいかないですね。今日は早めに休んで、明日からまた頑張ることにしましょう」
「ん、今日は疲れた…」
「コハルちゃんもおねむみたいですし、早めに寝るのは賛成なのですが、一つ問題が……どうやら寝室が2部屋しかないようなんです。一つは先生の部屋として、もう一つを私たちの部屋とすると…」
「何か問題が?」
「なるほど、確かにそれは…」
僕たちは生徒4人、先生1人。大人である先生を生徒と同じ部屋に寝かせるわけにはいかない。けれど、男である僕が、みんなと一緒の部屋というのは…
「ヒフミ、私の部屋で寝る?」
「!?!?!?どどど同衾!?エッチなのはダメ!」
「コハルちゃん、おねむだったはずでは?」
「私は別に、ヒフミが同じ部屋でも気にしない」
「!?!?!?!?大人数!?余計にダメ!ていうか私を巻き込まないで!」
「コハルちゃん、深夜テンションなんでしょうか…」
結局、僕は廊下にマットレスを引いて、毛布に包まって寝ることになった。意外と快適で、すぐに眠れそうだ。そのはずだったのだが…
「ね、眠れない」
眠ろうとするほど、頭に色々なことがよぎって頭が冴えてしまう。どうしようか。誰かわからないが部屋から出て行ったような気もするし…少し散歩でもしてみようか?
1.ロビーの方に行く
2.教室の方に行く
3.2階に行く
4.先生の部屋を訪ねる
dice1d4=1 (1)