- 1二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 08:58:47
シン「そうそう怪談のシーズンだよな。ディケンズのクリスマスキャロルとか王道だし」
ルナ「え？（何そのシーズン。それにあれ怪談だったの……？）」
シン「んー、実写もアニメも配信で見れるのか……。ホリデー休暇に一緒に見る？」
ルナ「この流れでおうちデートのお誘い……？（シンのバカ……ガキ……）」
※英国ではクリスマス時期に怪談のシーズンが来る。 - 2二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 09:07:53
ほう、クリスマスデートですか
- 3二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 09:12:06
クリスマスデート(怪談)
- 4二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 09:23:44
シン「どうせなら略式の百物語とかやる？蝋燭は10本か12本くらいで交互に怪談話すやつ」
ルナ「もっと心の落ち着くキャンドルにしない？百物語ってオーブっていうか日本の肝試しよね？」
シン「あっ、１２個入りのLEDキャンドルライトがある」
ルナ「それ絶対百物語用じゃないわよ！」 - 5二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 09:45:26
シン「そう言えばオーブでは日本人から影響されて墓場で肝試しするんですよ。本式は夏って言ってましたが、まあ要はお盆の時期らしいです。でも日本の古い怪談集とかだと肝試しは廃寺とか廃墟とかでやってるのが謎でしたね」
イザーク「恐らくお前が読んだ『古い怪談集』というのが江戸時代に成立したものだからだろう。江戸時代に戦乱が終わって平和になったため肝試しに怪談ブームが来るんだが、当時は土葬が一般的でな。大きな丸い桶に遺体を入れて埋葬した。……するとどうなるか分かるか？」
シン「あー、腐りますね。桶も中身も」
イザーク「そうだ。暗闇に死体の入った落とし穴が幾つもあるというのが江戸時代の夜の墓場だ」
シン「それで一応安全な屋内でやってたんですか……」 - 6二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 10:07:36
- 7二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 11:23:42
趣味に走り過ぎたから百物語の怪談は切ないのとか恋愛系で揃えておこう。（本読み読み）
- 8二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 11:26:48
文句言いつつちゃんと付き合ってくれる優しい彼女
- 9二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 11:58:48
ルナと楽しいこといっぱいやりたいんだろうな
ルナもショッピングとかに付き合わせせりゃええで - 10二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 12:28:14
ホリデーおうちデート当日 シンの部屋
ルナ（シン、やれば出来るじゃない……。今日のメインディッシュが怪談じゃなければ最高だったのに）
シン「まずは食事にして……映画と百物語どっちが先がいい？」
ルナ「百物語にしましょ。言っておくけど私はネットで集めた話しか出来ないわよ？（百物語でムードがあれでもクリスマスキャロルの力でなんとか持ち直せるはず）」
シン「わかった。じゃあシャンパン開けよう」
ルナ「メリークリスマス！」
シン「メリークリスマス！」 - 11二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 12:31:16
クリスマスキャロルって怪談だったのか…
- 12二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 13:11:36
ルナ「美味しかった～！」
シン「お粗末様でした。じゃあ、俺百物語の用意するからルナは休んでおく？風呂も沸いてるけど」
ルナ「うう……お風呂で……」
シン「バスボムとか好きなのあったら使っていいから」
ルナ「ありがとう……」
ルナ（あああ！ムードがあるのかないのか分かんない！！なんで？なんでクリスマスに怪談なんかするのよぉ！？） - 13二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 13:27:13
いや本当、何でだろうね？ わっかんない
- 14二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 13:38:02
怪談が冬なのはハロウィンに関係している
そもそもの由来はギリシャ神話において、農耕神デメテルの娘、ペルセポネが冥界の神であるハデスに連れ去らわれ婚姻した
デメテルは娘がいなくなったことを嘆き悲しんだため、地上において作物が育たなくなってしまった
これはいかんとハデスはペルセポネを地上に帰したが、その際、ペルセポネはザクロを3つ食べたため、1年の内3か月は冥界で過ごすことになった
その3か月がデメテルが仕事をしない季節である冬となり、ペルセポネが冥界へ行くその時に扉が開くことから地上に魑魅魍魎が溢れ出てくる
よってハロウィンでは幽霊や妖怪の仮装をして仲間と思わせて被害に遭わないようにしているわけだ - 15二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 14:32:27
ルナ（わぁ、綺麗なキャンドル……。レイアウトもロマンチックなのにこれを消しながら怪談するのか……）
シン「はい、水。喉乾いただろ？」
ルナ「ありがとう」
シン「軽めのつまみと酒もあるし、百物語はじめようか？」
ルナ「……うん」
先手 dice1d2=1 (1)
１シン
２ルナ
- 16二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 15:38:43
シン：道成寺伝説
昔々、若く美男の僧侶がご利益のある寺院に詣でるための旅の途中で豪族の屋敷に泊まった。その屋敷に若い娘――当時ギリギリ成人したかどうかの――がいて、父である屋敷の主は冗談であの美男の坊様がお前の結婚相手だと言った。それを真に受けて夜這いまでした娘に僧侶は帰りに必ず立ち寄る、その時結婚しようと嘘をついてその場をしのいだ。
嘘って必ずバレるものだろ？娘は僧侶に騙されたことに気付いて悲しみと怒りで駆けだした。走って走って僧侶に追いついた時には可愛らしい少女ではなく大きな蛇に変わってしまっていた。
恐れをなした僧侶は逃げ出し、道成寺という寺に駆け込んで鐘の中に匿って貰ったはいいが大蛇となった娘に最早嘘は通じない。結局、そいつは鐘に巻き付いた大蛇の吹いた火に焼かれて死んだそうだよ。
カチッ - 17二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 15:42:28
ま、まぁクリスマスシーズンの定番映画の中にグレムリンもあるし…（震え声）
- 18二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 15:45:08
ルナ：トミノの地獄
これはネットで見た話。
トミノの地獄っていう声に出して読んだらいけない詩があるらしいの。この詩を音読すると凶事が起きるとか、死ぬとか……。
内容はトミノという少年が一人で地獄に落ちて真っ暗な地獄を旅するっていう何を考えて書いたか分かんない詩だったわ。
「姉は血を吐く、妹は火吐く、可愛いとトミノは宝玉を吐く。ひとり地獄に落ちゆくトミノ、地獄くらやみ花も無き……」
ちょっとなんで暗唱できるのよ、あんた！はぁ？普通に原典の詩集を持ってる？……ゲン担ぎよ。音読するのはやめて。
カチッ - 19二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 15:45:48
- 20二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 15:48:14
原典の詩集を持ってる
↑流石というかなんというか...... - 21二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 16:50:22
シン：六条の御息所
源氏物語に六条の御息所っていう高貴な女性が出て来るんだけど、平たく言うと嫉妬のあまり生霊になってる。
始まりは主人公光源氏が彼女のサロンに顔を出さなくなって、身分の低い女と遊んでいた時。光源氏と身分の低い女が廃墟でいちゃついている時に物の怪として身分の低い女の命を奪っていく。
次は光源氏の正妻といさかいを起こした後、正妻の出産時にまた物の怪が現れ正妻を苦しめ死に至らしめる。この時の祈祷の護摩の匂いが衣服についていたことで六条の御息所本人も生霊になる程の嫉妬に苦しめられていく。
一夫多妻制の時代の話だけど、浮気してもここまで愛するってなかなかだよな。
カチッ - 22二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 17:19:00
ルナ：ブラッディ・マリー
これは鏡の怪談よ。
暗闇の中で三回ブラッディ・マリーの名前を呼ぶと鏡の中に血濡れの恐ろしい形相の女が現れるって話。
地獄に引きずり込まれるとか這い出て来て顔をひっかいていくだとか、色々バリエーションがあるわね。私は信じてなかったけど、メイリンのクラスだと将来の結婚相手を教えてもらえるっていう噂が流行ってて、何度か付き合わされたわ。
なんで暗いのが怖いのに血濡れのお化けは平気なのよ……。
カチッ - 23二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 17:25:47
シン……怪談に出てくる恋バナって大体悲恋ばっかりでは…
- 24二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 17:36:03
シン：女は天性胆ふとき事
今度は通い妻の話。
小川を隔てた隣村に住んでいる男の所に毎晩通う女がいた。いつもは丸太が小川に渡してあるのにその日は丸太がない。代わりの橋を探していると行き倒れの死体があった。
死後硬直でピンと真っすぐになった死体を見て女はこう思った。丸太の代わりになるんじゃないか、と。
そうして死体を橋にして愛しい男の下へ行ったけど、それが原因で女は二度と来るなと言われてしまう。胆が太いにしても死体を足蹴にするような女は御免だってさ。……それだけ愛されてるなら幸せだろうに。
カチッ - 25二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 18:02:15
ルナ：ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラって本は知ってる？
内容も頭が痛くなるような話らしいんだけど、書評を書くために読み込んでいたある作家が気がついたら暴れて部屋が滅茶苦茶になったそうよ。それ以来、ドグラ・マグラは読んだらおかしくなる本だって言われてる。
シン？なんで本棚を気にしているの？ねえちょっとまさか！
「ドグラ・マグラ、虚無への供物、黒死館殺人事件。全部紙であります……いたっ！痛いってルナぁ！！」
カチッ - 26二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 18:07:22
日本三大奇書…まだ現存していたか…
- 27二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 18:14:15
シン「もうキャンドルが半分かぁ」
ルナ「本当にキャンドル以外光が見えないじゃない」
ルナ（お酒も回ってきたし、部屋もほんのり暗くて……これで怖いって言ったらシンとスキンシップが出来るのでは……？あれ？なんかシンが遠くない？そんなに飲んだつもりないのにおかしいわね） - 28二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 18:19:44
おおっと、百物語の弊害が......
- 29二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 18:47:18
シン：葬られた秘密
ラフカディオ・ハーンの紹介した話だからルナも知ってるかも。
地方の裕福な商人の娘が器量も性格もいいから京の都で行儀作法を勉強して、故郷に帰って結婚した。子供も生まれ他人もうらやむような幸せな生活だったけれど五年もたたずに死んでしまう。
葬儀を終えたら子供がおかあさんがいるというので部屋を見てみると娘はどうやら衣服やアクセサリーに未練があるようで半透明の姿で部屋にいる。それですっかり遺品を供養してもらったけれど娘の幽霊はまだ家にいる。
困った姑が和尚――司祭でいいかな？――に相談して和尚が一人寝ずの番をすることになった。娘の幽霊は和尚に皆に隠していた京の都で貰った恋文を密かに焼いて供養して貰うとそれから二度と現れることはなかった。
カチッ - 30二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 18:55:25
ルナ：ロンドン塔の幽霊たち
昔、英国の女王が住んでいたロンドン塔っていうお城があるのよ。
飼ってるカラスが六羽以下になると国が亡びるとか言われてるあのお城。あそこは古代ローマにまで起源をさかのぼるくらい古いお城らしいの。それだけ古いってことは色々あったってことでしょう？小さい王子たちを監禁して人知れず……なんてこともあったみたいね。
コズミックイラに入ってロンドン塔に出る幽霊は４０人を超えたそうよ。いくら広いお城でもそんなに同居人がいるのは御免だわ。
カチッ - 31二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 19:02:27
ブラッディメアリーの幽霊も出るというあそこか…
- 32二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 19:20:04
シン：『トビト記』のアスモデウス
悪魔アスモデウスに憑りつかれた女は七人の夫と結婚したけど悉く初夜に殺されてしまう。それで忌み嫌われて召使にまで罵られ、もうどうしようもないと思い詰めてしまうけれど老いた父親を悲しませられないと踏みとどまる。
そこに天使とトビトがやってきて、天使に勧められて結婚し、初夜には魚の内臓を入れた香炉を焚いて二人は難を逃れる。悪魔はその匂いで女から離れ、遠く離れた地で天使に倒された。
ちなみに夫は殺したのに女には全く手を出さなかったのを悪魔が女に恋していたからっていう創作はそれなりにある。
カチッ - 33二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 19:33:27
ルナ：メン・イン・ブラック
映画にもなっているけど、アメリカの都市伝説。
宇宙人や超常現象に遭遇した一般人の記憶を消したり、場合によってはその人を消したりする黒服の男たち。銀色の宇宙人に出くわしたなんて言っていた人がそのことをすっかり忘れてしまったとかそういう話ね。
かのジョージ・グレンの暗殺にも関わっていたなんて言われているけど、さあどうでしょうね？
カチッ - 34二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 19:44:28
シン：『デカメロン』第四日第五話
結構美術の題材になってるらしい話。
商家の娘が手代と恋仲になったけど、兄弟が妹の不名誉になっては大変だと言って恋人の手代を人気のない所に連れて行って殺してしまった。
手代が連れて行かれてから心配して泣き続けていた娘の所に手代の幽霊が現れて埋まっている場所を告げて消える。そこに行ってみると幽霊の言葉通りに死体があった。しかし女の力で成人男性の死体をどうこうできるわけもなく、泣く泣く首を切り取ってバジルの植木鉢に埋め直す。
バジルを溺愛してやつれていく妹を兄弟は不審に思って今度はバジルの植木鉢を叩き割る。すると出てきたのは自分たちが殺した男の生首だった。
カチッ - 35二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 19:45:42
ルナ：処刑された女
これはフランスの話。
昔、男がパリでチョーカーの似合う美女に出遭って意気投合したの。何度か会ううちにまあ、ね。男女の仲になったわけ。でも美女はピロートークもそこそこに朝になる前に出て行ってしまう。
男はさてはのっぴきならない事情……不倫に巻き込まれたんじゃないかみたいな疑いを抱いて美女の後をつけてみることにした。夜の明けきらない薄闇の中を美女は一人で歩いていく。そうして着いた先はフランス革命で処刑された人々が眠る墓地だった。墓地に入った美女はその首を小脇に抱えて墓の中に戻って行ったの。
男は美女がベッドの中でもチョーカーを外さなかった理由に思い至って慌ててパリから逃げたそうよ。
カチッ - 36二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 19:47:13
レイ：シンの本棚
何でお前は聖夜に怪談とは言えヤンデレの話をしているんだ、シン。
アカデミーの時から変な本ばかり集めて……。中身がホラーや難解なだけならまだしも妙な素材で装丁された本は捨てろと言っただろう。ルナマリアに何かあったらどうするつもりだ？
どうせ捨てても戻ってくるタイプの物だろうから俺がリストアップしたものはこの店で売って来るといい。変な本がある場所で百物語までされるとこちらも手一杯だ。
パチンッ - 37二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 19:48:23
！？
- 38二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 19:49:45
シン「勝手に灯りがついた」
ルナ「レイね」
シン「レイだよな」
ルナ「それでこのメモぎっしりの妙な本！あんた一体本棚に何仕舞ってるの！？」
シン「レイに叱られた……ルナにも叱られてる……」
ルナ「明日も休みよね！？今から本を箱詰めして売る準備するわよ！！」
シン「レイー、何も今日言わなくてもよかったじゃんかぁ……」
ルナ「聞いてるの！？」
シン「分かったってばルナぁ」 - 39二次元好きの匿名さん24/11/15(金) 20:03:12
ルナ「……と言うわけでホリデー休暇は色気無しだったわ。メイリン？ヴィーノ？どうしたの？」
メイリン『あのね、お姉ちゃん。同期で親友って言っても死んだ人が出て来て灯りつけてメモまで残していくの、どう考えても超常現象っていうか、心霊現象だよ』
ヴィーノ『ヨウランならこう言ったろうな……これがホントのシンレイ現象』
ルナ「～～～ッ！！」