【閲注】相澤先生関連のSSを書いていく・11

51二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 06:13:14

飯田くんの後ろを安全圏だと思ってるかっちゃん可愛すぎ
みんな大人になるとそりゃあの頃迷惑かけたなあって思うよね

52二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 07:20:51

大人になったからこその先生とのやりとりいいな
いつまでもこうやってA組とちょくちょく飲みに行っててほしい

53二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 12:36:46

峰田のところで大爆笑した
尾葉入籍報告ありがてえ…別シリーズで二人とも先生とセッしてるが

54124/11/21(木) 20:46:25

ただいま

>>50 >>51 >>52 >>53

感想とかありがとやで！！！

今日と明日は無理そうなぜなら一人ダウンして皺寄せがきてるから

みんなも体調には気をつけてなインフル怖いで

これどっかで話したかも知んないんだけどオナサポ音声を売ることになってしまった相澤先生の話とか書きてえなって思ってる

死んだ顔しながら女性向けの卑猥な言葉をあのど低音クソ甘ボイスで囁く先生

あとそろそろ乱交の続きか再教育の続きが書きてえ

私を労働から解放しろ

おやすみ

55二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 23:39:57

スレ主労働お疲れ様
スレ主も体調気をつけて
オナサポ提供する先生絶対面白いじゃんね
マジで虚無の顔しながら読んでそうだし途中から最早悟り開いてそう

56二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 06:07:37

うちも1人インフルでやられたから他人事じゃねえ…
スレ主がんばれ…

57二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 06:29:09

インフルただでさえ忙しい年末の時期に流行るの悪意あるよな頑張れスレ主
オナサポ先生絶対需要ありまくりだけど撮影風景想像したら地獄でしかないな

58二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 12:36:28

性教育の続き超楽しみにしてる
スレ主はお仕事頑張って…倒れないで…

59124/11/22(金) 21:01:43

ただいま

これはネコ澤（39）の話なんだけど
彼氏にケツ開発されすぎて前でイケなくなったばかりか乳首でイけるようになってしまい男の矜持がボロボロになって暫く立ち直れなくなっちゃった相澤先生
前でイく練習をするぞって後ろを封印したらあっという間に欲求不満になってしまって結局彼氏に不満たらたら顔でケツ掘ってくれっておねだりしに行く
彼氏は現場でたまたま一緒になった新人刑事でなんなら心操たちより年下だからめちゃくちゃ性欲旺盛でそのうえサドなせいで一回セッ始まると最終的に先生が「ごめんなさいもう掘るななんて言いません…！」「たすけてごめんなさい」「お尻掘られて嬉しいです」ってプライド投げ捨てて謝るまで許してくれない
なお謝っても許してくれない

そういう彼氏に理不尽セッで何もかも燃え尽きるまで抱かれる相澤先生っていいよねっていう話

寝ます

60二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 21:13:57

おかえり
またとんでもなく素晴らしい概念を落としていったなスレ主

61二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 21:22:41

また新しい概念がスレに芽生えたな…

62二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 23:37:47

お疲れスレ主
そしてとてもエッチな概念をありがとうスレ主

63二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 00:05:01

スレ主ありがとうドスケベ
いい夢見れます

64二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 00:51:18

同業者でも生徒でもない関係だから変に憧れとかないし一切容赦なく掘れるのいいな
普通にカップルしてるモブ相好きだから助かる

65二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 09:10:04

ラブラブ彼氏とのモブ相エロすぎて良い
スレ主いつも最高の概念をありがとう…

66124/11/23(土) 15:28:30

おはよう
モブ彼氏くんは先生のことを先生だと思ってない人なので学校の先生だって知ったら「エロいなあ」「ねえスーツとか着てくんない？」って言ってくる
学校にいる間はヒーロースーツだって言ったら「プレイでスーツわざわざ着るからエロいんだろ！」って言われて押し切られてスーツ着せられたりする

先生生徒プレイをやりたがってたら可愛い
「また赤点か…特別補習だぞ？とか言ってほしい」
「そういう日常的に使う言葉はちょっと」
「じゃあ「おちんちん勃てるなんて校則違反しやがって…性教育指導が必要だな」は？」
「それ萎えねえか？」
「消太くんに言ってもらえたら興奮がワンチャン勝つ」
「ワンチャンかよ」
みたいなことをやってほしい

あとモブ彼氏くんはめちゃくちゃヤキモチ焼きなんで「心操くんといつも一緒にいるのアレ何浮気？」とか言うしオールマイトとご飯行くと「オールマイトに勝てるわけないじゃん！勝てるわけないじゃん！金力品性ボロ負けだよ！やめてよ俺のこと不安にさせないでよ！」ってガチ泣きしながら縋ってくる
「お前だけだから…」って言うと「は！？当たり前だけど！？」って怒ってくる
ガキ相手で面倒だけど体の相性良いし好きって言ってもらえると不安が和らいで嬉しいから先生もできる限り好きだよって伝えてる

きっとすぐ飽きられんだろうなと思ってたら3年くらい長続きするし最終的に「もう結婚してよくね？」ってモブ彼氏くんの方から言ってくる
なお先生はまさかこんなおっさんと結婚してくれると思ってなかったのでめちゃくちゃ挙動不審になるしそのせいで浮気を疑われてめちゃくちゃ抱かれる

そういうモブ相
なんか書きたくなってきたな
夜になったらこれ書きにくるわ

67二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 15:31:22

おはよう
…おはよう！？
スレ主健康に気をつけて…

このモブ相最高！
気長に待ってます！

68二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 15:57:27

オールマイトに全パラメーターボロ負けで不安にさせないでって泣くの年下仕草すぎて可愛いな
こんなん先生もケツで甘やかしちゃうだろ

69二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 17:12:30

普通の年の差彼氏って感じで可愛いなモブくん
本当に業界違う人間だから逆に楽そう
そんなモブくんにいいようにされるおじさんはいくらでも見たい

70二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 17:48:22

年下彼氏の相澤先生の呼び方「消太くん」なの！？
ド性癖すぎて困る
スレ主の産み落としてく概念マジで好きすぎる本にしてくれ

71124/11/23(土) 21:14:45

今から書き始めるよ～
日付変わる頃に持ってくるぜ

72124/11/23(土) 23:47:26

へいモブ相R18おまちぃ！

予想以上にモブくんがヤバイ奴になった

先生は多分もう逃げられないし逃げるの諦めてる

モブくんは名前ないと厳しかったので名前を付けました

望実於　恵瑠（のぞみお　える）くんです

【R18】夢主♂ｘ相澤消太 | Writening　薄灰色の布が夜の闇を裂く。　息荒く路地裏をかけていた男は飛んできた布によってあっけなく足を取られて横転した。「クソッ！」　すぐさま体勢を立て直し、右の指先にオレンジ色の光をともす。暗闇によ…writening.net

73124/11/23(土) 23:57:05

なんか書きたいことがとっ散らかってしまったのでまたいつか書き直すかもしれん
今日は寝るぜ！
おやすみ

74二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 00:55:46

えるくん可愛いな〜と思って読んでたらとんでもない個性にくそ重メンヘラっぽい性格でびっくりした
それでも受け止める先生男前だけどセッ中はすごいえっちで可愛いね

75二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 07:11:03

ヒロアカにわかりやすいメンヘラっていなかったから若いメンヘラ男に好かれる先生新鮮で良いな
俺から逃げないでね♡な男夢主なえるくん可愛い

76二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 09:38:56

幸せになっちゃうって怖がってる先生エッ過ぎてヤバい
恵瑠くんもっとやってくれ

77二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 12:00:38

先生からセーフワード引き出すまでヤり倒す恵瑠くん凶悪すぎるな
スレ主の書く先生ちょいマゾっぽいの好き

78124/11/24(日) 13:13:47

うわあああああああああああ

相澤先生ポニテ！？ポニテだよねこれ！？

先生ポニテ！？アイエエエ！？ポニテ！？ポニテナンデ！？

これポニテだよな！！？？？？？

すまん今日オル相書くわ

— 2024年11月24日

79124/11/24(日) 13:17:41

もしかしたら見間違いかもしれないけど私はポニテの幻覚を見るよ…こんなん美女じゃん…オル相♀獣セッじゃん…

なんで昨日見逃してたんだろうな…

80124/11/24(日) 13:19:47

背中まであるロングヘアの可能性が見えてきたけどそんなん美女じゃん
オル相はトゥルーフォームが好きなんだけど今回はマッスルフォームの方で書きます
日付変わるくらいに持ってくるね

81二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 15:49:16

今日もスレ主が楽しそうで良かった

82二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 15:55:17

相澤先生デフォルメになると背中あたりまで髪伸びがちな気がする
下ろしっぱだと思ってたけどポニテの可能性もあるのかどっちも美味しいな

83二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 16:17:39

スレ主がポニテって言ってからポニテにしか見えなくなったし♀澤にしか見えなくなった
オル相楽しみにしてる

84124/11/24(日) 17:53:02

ごめんマッスルフォームって言ったけどやっぱトゥルーフォームでいく
あとホンマすまんなんやけど現パロ結婚からのゴムなし妊娠セッでいく
先生♀の黒髪が解かれて白いシーツに広がるところって絶対に官能的なので

85二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 18:13:39

スレ主がイキイキしてて嬉しい
自分もこれ見逃してたわ
なんか可愛いなこの先生

86二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 20:02:38

亀だけど恵瑠くんめちゃくちゃ癖すぎる
これ消太くんがちょっと長期任務で外したり学校の用事でしばらくいなくなったりしたらエグい不安定になったりすんじゃないの
俺のこともっと大事にしてって泣き喚く恵瑠くん見てえ

87124/11/24(日) 21:59:29

今から書き始めるぜ
時間ねえのでセッ部分だけ書く愚行になるが許してくれ

88124/11/24(日) 23:51:15

ポニテ澤（疑惑）と一緒に映っていたオルマイに滾りすぎてオル相書いたくせにポニテもオルマイ（マッスルフォーム）も何一つ生かせませんでした私は弱い

八木さんにはもっと相応しい人が居るはずだ…ってなる相澤先生は解釈違いなんですけどこんなに世界に愛されている人に俺は釣り合うだけの愛情を与えられているだろうかって不安になる先生は良いと思うんですよ

この人が世界から貰っている愛以上に俺が愛を伝えたいと考える恋人大好きだけど口下手な相澤♀

そんな感じで書きました

【R18】不明世界線オル相♀ | Writening　白いシーツに投げ出された黒い髪の毛が、美しいコントラストを描いていた。八木はその髪を一房掬うと恭しく口づけをする。「男って長い髪好きですよね」「嫌かい？」「いいえ、アンタのモンになったみた…writening.net

寝るぜ

89二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 06:03:14

女体化先生可愛くて健気で泣けてくる
オープンバストとオープンクロッチのドスケベ下着着てくるダウナー女子良すぎるな

90二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 07:20:56

お互いに相手のこと尊重し合ってて泣ける
でも先生の中にいっぱい出されてる描写で脳みそぶっ飛んだ

91二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 12:53:45

トゥルーのオルマイたしかに俳優っぽい色気あるよねわかる
良質なスケベありがとうありがとう…

92二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 19:19:21

普段身なりに無頓着そうな女が着るドスケベランジェリーは殺傷力が高すぎる
式のために髪伸ばしたり真っ当に女の子してる先生いいね

93124/11/25(月) 19:46:51

ただいま

>>89 >>90 >>91 >>92

感想ありがとうやで！

可愛い先生書いたつもりだから嬉しい

すけべは好きなんだけど量産するとどうしてもパターン化してしまうのでしばらくはほのぼのとか書こうと思うよ

ただすまん今から仕事に戻るので今日は無理や！

明日はね

色違いリオルを拾う相澤先生を書くよ

94二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 20:20:00

おかえりスレ主

これから仕事！？
大丈夫か…

95二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 00:17:54

スレ主仕事お疲れ様

ポケモン拾う先生の話前にスレ主がふらっと構想投げた時から気になってたから嬉しい！楽しみ！

96二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 07:07:54

ポケモン好きだから楽しみ
かわいいものとおじさんの組み合わせ大好き
リオルと先生は絶対ほっこりする

97二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 12:42:54

スレ主のポケモン話だやったー！
ポケモンあんまよくわかんないけどスレ主が楽しそうだから好き

98二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 19:34:23

リオルもルカリオもかっこよくていいよね………

99124/11/26(火) 19:41:51

ただいま

これは人怖の話なんだけど
いきなり雄英に「相澤の妹です」と名乗る電話が来て「俺に妹がいたのか…？」となる相澤先生
頭のおかしい人だと思うけど向こうが「大戦後から兄と連絡が取れなくて…！」と切羽詰まっているので塚内さん山田同伴の元会うことに
そしたら自称妹（相澤は連れ子なので血は繋がってない）から普段一緒にいないとまず出てこない情報がボロボロ出てきてもしかして本当に妹なのか…？となりかける一同
相澤もあまりにも自分のことを知ってる自称妹に「もしかして俺が個性事故にあってるだけで本当に妹が…？」と疑心暗鬼になり始める
だが色々と調べていくうちに自称妹は常時発動型の個性『盗聴』の持ち主だと判明
この個性は人の考えてることと人の話し声が気を抜くと1キロ先まで聞こえてしまう
普段は専用のヘッドホンで音を消しているが昔ヘッドホンを敵に壊されてしまい個性のせいで苦しんでいたところ敵制圧にやってきた相澤に個性を消してもらい救われてその時からずっと感謝を伝えたいと思っていた
けれど先生はアングラで全く情報がなく自称妹は感謝の気持ちが肥大していきしだいに先生への思いを拗らせ「この人を支えたい！できれば家族として！そう！例えば妹みたいな！」と思って自分のことを先生の妹だと勘違いしてしまう
そうしたらある日雄英の記者会見で先生を見て「お兄ちゃん！」となってしまいそこから個性を乱用して先生の情報をかき集めるようになる

全ての真相を暴いてから「まさか本当に自分を妹だと思い込んでる狂人だったとは…」とちょっと薄寒くなる先生
実害がないので放置の方向になった
時々ご飯に一緒に行くらしい

ポケモンは21時くらいから書き始めて日付変わるくらいに一回出しに来るね！

100二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 19:53:29

おかえりスレ主

ツッコミどころ多すぎないか？

101二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 20:27:25

>>時々ご飯に一緒に行くらしい

思わず笑った。色んな意味ですごいな先生

102二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 21:18:38

実害ない……？めちゃくちゃ盗聴されてたけどええんか……？？？
そんな人とご飯行く先生神経図太すぎて笑う
この中で先生が1番怖いよ

103二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 22:26:01

スレ主の書くssも好きなんだけど時々落としてく爆弾みたいな小ネタも好きなんだ
膨大な数になるから簡単にはやれないけどいつか纏めてえ

104二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 22:28:10

>>39

のss(？)だけじゃなくても

一発ネタでもすごい文字数ありそう

105二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 22:32:09

スレ主リンクにまとめてない小ネタ多すぎるからな
というか時々「それがSSでは？」みたいなやつを小ネタとして投げてくんだよなこの人

106124/11/26(火) 23:43:36

投げていくぜ！

　声がたくさん聞こえる。
　悲しみや怒りの感情があたりに溢れかえって。小さな自分は感情の奔流に飲み込まれてしまいそうだった。音にならない鳴き声を出して必死に家族を探す。
　瓦礫の下、血の海、それらを渡って自分は彼らの波動を探した。絶対にあの人たちは無事でいるはずだからと自分を励まして。
「……ォ、ル」
　けれど。
　波動を頼りに走りぬいたその先には、変わり果てた姿の彼らがいて。
「にげ、て」
　彼らの出す悲痛な感情に心臓が焼かれてしまうような痛みを発して、逃げるように走り出した。

　‡

>>107 >>127

107124/11/26(火) 23:43:52

>>106

「わ、わあ……やっぱりすごい……」

　緑谷は広がる大自然に感嘆の声を漏らす。人工的に作られた地形と思えないほどの広さには見たこともない生き物たちが群れを作って暮らしていた。

「デクくん！」

「わっ、麗日さんどうしたの？」

「ううん、デクくんはどこから回るか決めたかなって」

「うーん、そうだな。僕は残り火の問題もあるし、雄英の教職を選ぶつもりだからこういう学生生活で役に立ちそうな子がいるところを探すつもりだけど、でも最初っからそれだけって決めつけてポケモンを探すのはチャンスを棒に振る感じであまり良くないと思うし、まずはちゃんと全体を見てから」

「一回ざっと全部見る感じね！　懐かしいなその感じ」

　ブツブツと特徴的な台詞回しを緑谷が始めたのを勢いよく断ち切って、麗日は専用端末を作動させた。担任の相澤からから貰った位置情報を知らせることのできる装置だった。

>>108

108124/11/26(火) 23:44:09

>>107

「私もちょっとポケモン迷ってるからさ、一度一緒に見て回らない？」

「えっ、い、良いの？」

「うん。候補が多すぎて迷ってる同士さ。それに未来の先生からアドバイスも聞いときたいし」

　悪戯っ子のように麗日が笑うと、緑谷は顔を赤くしてそっぽを向いてしまう。

「ヒ、ヒーローじゃない雄英の教職って滅茶苦茶ハードル高いっぽいからどうなるかわからないけどね……」

　顔がトマトのように真っ赤なまま、緑谷も同じように端末を起動させた。地図が表示され、エリア全体が俯瞰して見える。本部と教職員の端末は真っ赤に光っており、呼び出しが出来るようになっていた。

「じゃあ最初は水辺の方見て見る？」

「そうだね、ここをぐるっと回る感じで……」

「森林エリアと雪山エリアは専用装備いるんやっけ？」

「たしかエリア入口に装備を貸し出してくれる小屋があったはずだよ」

　二人は地図と冊子を覗き込んで歩き出す。爽やかな風が頬をすり抜けていく。思わず空を見上げた。

「異世界ってこういう感じなのかな……」

「あー、ちょっとわかるかも」

>>109

109124/11/26(火) 23:44:25

>>108

　大戦を経てなお、この場所だけは変わっていないという。変わってはならない場所だからだ。緑谷は気を引き締めるように頬を叩き、麗日より半歩前に出た。

「本当ならプロヒーローじゃないと来れないところなんだ、ちゃんとしなきゃ！」

「デクくん……そうだね、がんばろ！」

「うん！　行こう、麗日さん！」

　二人はまっすぐ歩き始めた。小さな生き物たちがおびえるように道を開けていく。彼らはその様子をしっかりと目に焼き付けて、一つ一つ吟味していく。

　人口が少なくなった町を三つほど取り潰して作られた超巨大施設を、二人は大股歩きで歩いていく。

>>110

110124/11/26(火) 23:44:47

>>109

　ポケットモンスター、縮めてポケモン。

　“個性”が確認されてから急に発生し始めた摩訶不思議な生き物たち。“個性”の対応で手いっぱいだった人間社会は彼らを排斥しようとした。けれども“個性”を持った人間と同等かそれ以上の力を持った生き物たちを絶滅させることは難しく、早々に管理へと方向を変えた。

　日本では、広大なポケモン飼育エリアで野生で彼らを管理しつつ、ポケモンを制御できる程度に“個性”の扱いに長けたヒーローであれば相棒ポケモンとして飼育することが許可されている。

　当然それには仮免などではなくプロヒーローとしての死角が必要となるのだが。

「大戦でヒーローたちが大勢引退した。戦力補充のため、大戦経験をした仮免持ちヒーロー候補生には特例として相棒ポケモンの帯同を許可すると国から決定があった」

「ヒーローっぽいのきたぁ！」

　HRで相澤から告げられた知らせにクラス内が沸き立つ。ざわついた室内ににらみを一つ聞かせて静かにさせてから、相澤は分厚い冊子を配り始めた。

「まずはみっちり三時間座学をしてポケモンとはなんたるかというところから始める。そのあと国が管理しているポケモン群生エリアに行くぞ」

>>111

111124/11/26(火) 23:49:37

>>110

「きょ、今日ですか！？」

「今日で全部決めるわけじゃない。一度登録したら二度と解除できない大事な相棒ポケモンの選別だからな」

　相澤は全員に配った冊子を掲げる。

「群生エリアや他のプロヒーロー、それからレンタルポケモンなどを経験し一年かけてじっくり選別してもらう。本来ならプロの事務所に入所した初年度から五年目くらいでやる内容だ」

「それだけ我々が期待されているということですね！」

「その通りだ。俺もお前たちには期待している。自分の活動の幅を広げられるポケモンをちゃんと選べ。今配った冊子にはポケモン一体一体の情報が書かれている。これを研究所の博士と読みながら理解を深めていくのが今日の授業だ」

　そこから三時間、みっちりとした座学が始まった。

　ポケモンという生き物のことは皆知っている。だがよく知っているか、と聞かれるとそう言うわけではない者たちが多い。戦闘能力のあるポケモンたちは基本的に一般人の手には渡らず、情報も制限されている。ヒーローや特定の職業で資格を持った人たちが数名使う程度の物だ。

>>112

112124/11/26(火) 23:54:04

>>111

　ヒーロー候補生であれば知識はなくとも興味は人一倍あるだろう。体温調節をするためにクレベースを相棒ポケモンにしていたエンデヴァーや、イメージ通りムクホークを従えるホークス、殴り合いの末分かり合った結果相棒となったミルコとバシャーモ。プロヒーローとその相棒ポケモンは切っても切れないイメージがある。

「勿論、生き物に自分のコンディションを左右されてしまうことを嫌うヒーローも多い、これは一つの選択肢です。皆さんが悔いのない選択を出来るよう我々もサポートしてまいりますのでどうぞ遠慮なく頼ってください」

　そういかにも理科系の男といった講師が締めくくる。話が終わるころにはある程度の情報を叩きこんだ生徒たちが神妙な顔になっていた。

「はい！」

　子供たちの元気な返事に理科系の男は笑顔を見せる。相澤も少しだけほっと息をもらした。

　朝の八時から三時間の座学を終え、一時間半の移動。

　昼食をバスの中で食べてから生徒たちは一つの施設に降り立つ。巨大なドームで囲われた施設はあの大戦があってなお傷一つついてない。

>>113

113124/11/26(火) 23:54:29

>>112

「ここが国内に三つあるポケモン群生エリアの一つ、エリア『ウプシロン』」

「テレビで見たことある！」

「本当に来たんだ……」

　浮つきそうになるのを必死に堪えている子供たちに、相澤は淡々と説明を重ねる。

「ここはエリア屈指のポケモンの種類が群生している。野生のポケモンをおびき寄せ中に閉じ込め、野生の数自体を減らすことを目的としたエリアでもあり、気に入ったポケモンが居れば相棒に指名することも可能だ」

　係の者が現れて、生徒たちに一つずつ端末を配り始めた。スマホよりも少しばかり分厚いそれを皆がしげしげと眺めている。

　相澤は端末を手に持って掲げる。

「こいつはこのエリア内だけで使用可能な専用端末だ。今いる自分の場所がどこか、どんなポケモンが居るか、同じ端末を持っている人がどの場所に居るか……そういうのが分かる。なお端末を故意に手放したりすると密漁判定となって追い出すシステムが作動するから気をつけろよ」

>>114

114124/11/26(火) 23:54:47

>>113

　それから、と言葉をつづけた。

「第八洞窟エリアのさらに西側、大戦の影響で狂暴なポケモンたちが異常繁殖をしていると連絡があった。ここは絶対に近寄らないように」

　全体がピリ、と引き締まる。狂暴なポケモンの群れはヒーロー個人に勝ると先ほど説明を受けたばかりだ。

　他に数点の説明をし、相澤は確認事項を全部伝えたか施設の係に確認をした。オーケーのサインが出たのを見て、生徒たちに払うような手を向ける。

「それじゃあ好きに動け、解散！」

　散り散りになっていく生徒たちを見送って、相澤は本部を立ち上げる。エリアは管理されていると言ってもほぼ野生のポケモンたちが闊歩している。

　襲われたとして生徒たちであれば対処は可能だし、可能でなければポケモンを与えることはできない。専門知識がなければ危険なエリアに行く場合は専任の係が必ず同行する形となっているので問題もないはずだ。

　それでも、万が一がある。

　相澤はそういう時に動けるよう簡易テントと救急スペースを作った本部に椅子を置いて座った。

「……」

>>115

115124/11/26(火) 23:57:29

>>114

　ドームの向こう側に見える青空にため息が出る。飛んでいる飛行ポケモンはピジョンだろうか。

　近くでは小さなコリンクたちがじゃれ合っている。相澤のことを敵と見ていないのか、それともこの辺りは人慣れしているポケモンが多いのかはわからない。

　ネコ科の動物が戯れているようにも見えるそれに、相澤は思わず腰に差しているポーチから真っ黒なボールを取り出して眼前に掲げる。真ん中を押して大きくしようとするが、カチ、という音が鳴るばかりで大きさは変わらなかった。

「それ、モンスターボールですか？」

「……心操、お前」

「すみません。ちょっと助言を貰いたくて。そのモンスターボール市販で売られてる物じゃないですよね。それともヒーロー活動の道具ですか？」

　まだ行っていなかったのか、そう言いたげな相澤の言葉を流す弟子は相澤が持っているボールに興味津々の様子だった。相澤は思わず癖で腰のボールホルダーにそれを差し入れる。

「気にするな。なんだ助言って」

「……教えてくれないんですか？」

>>116

116124/11/26(火) 23:57:49

>>115

「教える必要がないからな。それで？　助言ってやつは必要ないのか？」

「あります」

　切り替えが早いのは良いことだ。

　心操は先ほどまでボールに執心していた様子など一切感じさせないまま冊子を手に相澤へと近づく。

「俺はゴーストタイプとか、活動補助のポケモンを視野に入れたいんですがちょっとこの辺りには見当たらないみたいで……」

　思わず「ああ」とため息が出た。

　冊子には載っているが端末には一匹たりとも出てこない。それもそうだろうと相澤は頭を掻く。

「ゴーストタイプか……捕獲可能なゴーストタイプは基本施設の中にいないんだ」

>>117

117124/11/26(火) 23:58:23

>>116

「え」

「捕獲禁止になってない奴らは基本すり抜け能力があるからな……。だから相棒にしたいなら野生を探すしかない、そいつらもお勧めはせんが」

「そんな……」

「ゴーストタイプは相手に気に入られて仕方なく相棒登録するってパターンが殆どだしな」

　こればかりは冊子にも説明にも載っていない情報だった。そも、ゴーストタイプは相棒にはあまり向いていない。性質が攻撃的なポケモンが多すぎるせいだ。元から相棒ポケモンにしようと考える人自体が居ない。

　やれ魂を導くだの子供を攫うだの挙句の果てには呪うだの、碌なやつがいない。殆どのゴーストタイプは所持することすら禁止になっている。

「ちなみにどんなポケモンが欲しかったんだ」

「索敵と潜入を考えてロトムを……」

「ロトム！？　やめろやめろ。あいつは人間の手に負えるポケモンじゃない」

　まさか出てくると思わなかった選択肢に相澤の声が裏返る。思い出すのは若かりし頃散々家電関係で苦しめられた苦い思い出だ。

　目を丸くした心操は冊子と相澤を見比べている。

>>118

118124/11/26(火) 23:58:53

>>117

「えっでも捕獲禁止ポケモンじゃありませんよね？」

「禁止しても勝手に家電に乗り移って悪戯してくるから仕方なく許可されてるだけだ。あれはポルターガイスト起こしてくる幽霊の類だと思え」

「そんな……」

　そう言うと心操は露骨に肩を落とした。

　相澤は顎を撫でる。

「……ヤミカラスみたいなどこにでも居るタイプのポケモンなんてどうだ。あいつらは賢いから索敵も出来るしそこら辺を飛んでても怪しまれない」

「ヤミカラス……？」

「あとはそうだな……例えばニューラとか。闇に紛れるし素早いからお前みたいな奴の武力面をカバーしてくれる」

　心操の戦闘スタイルを邪魔せず、尚且つサポートできるようなポケモンたちを挙げていく。特にニューラの選択肢は惹かれるものがあったのだろう、ぱっと顔色を明るくする彼に胸をなでおろした。

　他に聞きたいことはあるか。相澤が聞いて、心操が首を横に振った時。

>>119

119124/11/26(火) 23:59:23

>>118

　ピリリリリリリ

「っ」

　心操に一瞥せず相澤は端末を手に取る。表示されているのは緊急着信だ。弟子は視線を送ってくるが「お前に頼ることはない」と相澤が掌をひらひらとさせると一度頷いてから捕縛布で移動をした。

　その動作と並行してほぼワンコールで相澤は電話に出る。

「緑谷、どうした」

『せ、先生！　すみません、森林エリアに来てもらえませんか！？』

「用件を言え、簡潔に」

『明らかにエリア適正でないポケモンが怪我をして怯えているんですが、他のポケモンたちの圧で近寄れないんです！』

　相澤は眉根を寄せる。緑谷たちの現在地を確認すると、第六森林エリアだ。あの辺りはそこまで強い種族のポケモンはいなかったはずだが、同時にそこまで弱いポケモンもいないちょうと中間地点だ。

　相澤は端末を図鑑モードに起動する。

「ポケモンの種類は分かるか？」

『えっと、黄色くて……ちっちゃいです！』

「黄色……？」

『ちょっと遠くからでよくわかりません！　すみません！』

>>120

120124/11/27(水) 00:04:01

>>119

　緑谷はすぐに「図鑑モードは試しました！」と叫んだ。相澤も小さくて黄色いポケモンを片っ端から調べるが、あの辺りであからさまなエリア適正ではない黄色いポケモンなど心当たりがなかった。

　すぐに行く、そう言って電話を切り近くの移動用アーマーガアの背中に乗り移った。

「悪いがここまで行ってくれ」

　アーマーガアは小さく返事をして飛び立つ。隻眼になったが念のためゴーグルを持ってきていて良かった。目を保護するそれをつけ、アーマーガアを飛ばす。

　ものの三分で目的地に到着すると、そこには麗日と緑谷が半泣きの状態で立っていた。

「あっ、先生！」

　緑谷の視線の先には確かに黄色い小さなポケモンと、あからさまに圧をかけているウツボットがいた。野生のウツボットとは珍しいな、と思ったが今は大した問題ではない。

>>121

121124/11/27(水) 00:05:06

>>120

　エリア内の弱肉強食は基本黙認されている。だがそれはあくまで進化系のポケモン同士に限った話だ。子供である進化前ポケモンは基本保護対象となる。

「“個性”で対応しなかったのか」

「す、すみません。群れが近くに居そうで刺激したくなくて」

「麗日の『無重力』は？」

「木に蔓を巻きつけられて不発です。“個性”自体は切れてます」

　それ以上相澤は文句をつけなかった。対ポケモン相手は初めてなのだからここで教師を呼ぶ判断が出来たのは上々だろう。

　相澤は二人を下がらせると前に一歩出る。こちらと小さなポケモン、両方に視線を送っていたウツボットがぐるりと相澤を睨みつけた。

「……」

　相澤は仁王立ちし、ウツボットを睨みつける。すると何かに怯えたのか小さなポケモンに向けていた蔓をしまい、そろりと道を開けた。

　周囲に居た他の群れの気配も薄くなっていく。それを信じられない目で生徒二人は見つめていた。

「えっ、先生……何やったんですか今？」

「昔取った杵柄ってやつだ。それより保護」

「は、はい！」

　声をかければ緑谷と麗日がポケモンの元へと飛んでいく。

　──昔取った杵柄、なあ。

　相澤はボールホルダーに備え付けた黒いボールを撫でる。

「どっちかっつうと虎の威を借りる狐って感じだけどな」

>>122

122124/11/27(水) 00:12:12

>>121

「先生！　す、すみません！」

「今度はなんだ」

　小さなポケモンの元へとすっ飛んでいった二人から再度ヘルプを叫ばれてうんざりしながら相澤は返事をする。自分の感傷に浸った独り言が聞かれていないことに息をついた。

　相澤が近寄ってみると、そのポケモンの姿に思わず目を見開く。

「……リオルか」

「や、やっぱりリオルですよね？」

「でもこの子冊子と色が全然ちゃう……」

「色違いだろうな。時々染色体異常で産まれるんだが……だからこんな場所に放り込まれたのか」

　こちらを見て怯え切っているリオルに目線を合わせようと相澤は緑谷麗日に倣ってひざを折った。だが大きな人間が増えただけでリオルは余計に怯えてしまっている。

　相澤は施設の担当者に連絡を入れた。すぐに迎えに来るらしい。

>>123

123124/11/27(水) 00:12:40

>>122

「だからっていうのは？」

「色違いは例え既に登録済みのポケモンでも同一個体として認識できないんだ。野生ポケモンの選別は機械で行っているから……恐らく似た別のポケモンと判断されてこのエリアに放り込まれたんだろうな」

「そんな」

「とにかく逃げないように見張りつつ施設担当者の人が来るまで待つぞ」

　だが、相澤は冷や汗を流す。

　大戦のダメージから施設は免れたが、自宅等に待機していた職員は何名もの被害者を出した。まだ管理体制の普及が追い付いていないのだ。加えてリオルの怪我があまり宜しくない。出来ればすぐにでも手当をしたいが、近寄ろうとすれば逃げてしまう。

　リオルは一晩でも走れるだけの体力があるし、これだけ小さい生き物だと緑谷のOFAを持ってしてもけがを悪化させず捕まえるのは困難だろう。

「リオル、大丈夫だよ、こっちおいで」

　緑谷が優しく声をかけるが、やはりリオルは怯えたままだ。麗日が端末の図鑑説明を見ながら怪訝そうな顔を見せる。

「リオルって人の感情を波動？　で判断できるのにデクくんのことどうして怖がってるんだろ」

>>124

124124/11/27(水) 00:13:14

>>123

「恐らくこいつが外からやってきたからだろうな」

「外から？」

「色違いは希少だが希少ゆえに群れからはじき出されやすい。そういうわけで許可さえもらえれば一般人でも保護の名目上飼育することが可能なんだ」

「つまり……？」

　相澤は頭を掻く。

「どっかの家から逃げ出してきた可能性が非常に高い。そうすると、人間の感情なんぞ飽きるほど見てるだろうからな、優しかった人が実は……とか、心配の感情がいきなり反転して怒りに変わって……とかも普通にあり得る」

「そっか、人の感情がトラウマなのかもしれないんか……」

　麗日は納得した様子を見せるが、自体は好転しない。一瞬捕縛布に手が伸びかけるが、リオルは感情の変化を過敏に感じ取る。

　ここでにらみ合いをしてもいいが、職員が来たところでこのリオルを捕まえられるとは思えなかった。

>>125

125124/11/27(水) 00:14:02

>>124

「……緑谷、悪いが本部に戻ってポロック取ってきてくれないか。近くにいる職員にいえば貰えるはずだ」

「わ、わかりました！」

「私は」

「もし逃げそうになったら捕縛布を使う。一瞬くらいは止められるだろうから、一か八か『無重力』使ってくれ。上手くいけば足止めできる」

「わかりました」

　今は相澤の圧を受けて怯えているだけだが、すぐに逃げる姿勢を取るだろう。緑谷がリオルを刺激しないように後ろに下がり始め、相澤達が一歩前に出た。

　すると、リオルの視線が三人の顔から少し下に動く。

「？」

　何を見ているのだろうか。

　相澤たちは視線を動かそうとするが下手な動きはリオルを刺激してしまいかねない。するとリオルは自分で立ち上がり、よたよたと相澤の方へと歩いていく。

「な……」

　思わず後ずさりしそうになるのを堪えた。

　心から優しい言葉をかける緑谷や麗日ではなく、ほんの少しの焦燥感を持っている自分に来る理由がわからない。

>>126

126124/11/27(水) 00:14:27

>>125

　だがリオルは止まることなく、相澤の前で立ち止まった。そしてきゅう、と小さく鳴いて手を伸ばす。

「っ……」

　その伸ばした先が自分の腰──もっと詳しく言えばボールホルダーにある黒いボール──だとわかると、相澤は思わず息をのむ。

　そして、リオルは力尽きるように相澤の膝に倒れた。七十センチ弱、平均二十キロの体重が膝にのしかかる。小さな子供の様なソレを優しく抱きとめる。

　緑谷と麗日が「また先生！？」「今度は何をされたんですか！？」と賞賛と感嘆の声を漏らしているが、今度も相澤は何もしていなかった。

　リオルが手を伸ばした自分のボールに触れる。

「ゲンガー……？」

　恐らく教え子二人にも聞こえていたのか、二人は揃って首を傾げた。

　遠くから応援が来る音が聞こえる。

　頭を振って邪念をかき消し、リオルを抱えて立ち上がった。

>>127

127124/11/27(水) 00:17:28

>>126

ここまで！

私だけが楽しいリオル+相澤先生

もっと短くするつもりがプロット練ったらめちゃくちゃ長くなったのでみんなも気合入れて付き合ってほしい

スケベや原作沿いが好きな人はごめんよ

出来るだけ元ネタ知らなくても楽しめるように説明とか入れておくから読んでくれると嬉しい

時々小ネタとか落としに来るから許してくれ

朝これ見に来た人へ

開始は >>106 からだよ見てくれると嬉しいぜ

おやすみ！

128二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 06:27:38

もうすでにめちゃくちゃおもしろい…
ポケモン知らないからゴーストそんなにやべえのかと思って調べてみたけど結構ポケモンって怖いキャラ付けなの多いんだね
続きめちゃくちゃ気になる頑張って〜！

129二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 07:12:27

めちゃくちゃ面白い
リオルちゃん可愛すぎるし先生が過去何したのかめっちゃ気になる
最後に推しポケの名前まで出てきてまじで続きが気になりすぎる

130二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 12:10:58

ポケモン名前くらいしか知らないのに読んでて凄く楽しいしワクワクするし面白い
続きがめちゃくちゃ気になる

131二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 12:45:37

ゲンガー出るの！？
ゲンガー滅茶苦茶好きだからうれしい
エンデヴァーがクレベースなの意外だなって思ったけど確かに熱がこもりやすい弱点を補うためと考えたらそうかも
続き楽しみすぎる

132二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 18:32:09

全プロヒの相棒ポケモン見たくなるくらいには3人ともしっくりくる相棒選んでて楽しい
クレベースならエンデヴァーのクソ火力でも耐えてくれそうな謎の信頼感ある

133二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 19:07:45

クレベース氷だから炎耐えられないんじゃ？って思ったけど土との複合タイプだから等倍なのか
たしかにあのどっしりした感じなら耐えられそう

134二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 19:14:24

俺がエンデヴァーの相棒ポケモン考えたら安易にエンブオーとかにしてたと思うしミルコはミミロップにしてた
スレ主の解釈聞けるのほんと楽しい

135124/11/27(水) 20:28:08

ただいま

相澤先生の陥没乳首にピアス開けてえ〜って思いながら仕事してた

>>128 >>129 >>130 >>131 >>132 >>133 >>134

感想とか褒めとかありがとう！

プロヒの相棒ポケモンは

エンデ→メディアガン無視戦闘補助優先

ホークス→本人の役割的にこれ以上の能力は望まないので飼育コストや調教コストを考えメディア映り優先

ミルコ→ジャンプ力があってポケモンとトレーナーという立ち位置より友人関係に近い相手

で考えた！

続き書きてえがちょい難しいかもしれん！

でも短くてもいいから絶対出しにくるぜ

136二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 22:58:43

スレ主おかえり

＞相澤先生の陥没乳首にピアス開けてえ〜って思いながら仕事してた

初っ端の火力がおかしいんよ

137二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 23:01:53

おかえり
ハマったジャンルのキャラのポケモン手持ちを考えるの大好きだからニコニコになった

138124/11/27(水) 23:30:05

早速投げていくぜ

　リオル
　はもんポケモン
　波動と呼ばれる波の形を認識できる目を持っており、それによって人の感情を読み取ることが出来る。主に群れで行動しており、リオル同士は感情を読み取りあうことでコミュニケーションを行うことから野生のリオルは滅多に鳴くことがないのだという。
　強靭な体力を持ち、三つの山と二つの谷を一晩で超える者もいるのだとか。
　まだ謎の多いポケモンで、研究対象になることもしばしばあるというがその結果は振るわないらしい。
「イレイザーヘッド。リオルちゃん目を覚ましました」
「今行きます」
　相澤は見ていた冊子を閉じて立ち上がる。
　時刻は既に深夜になっていた。食い下がる麗日と緑谷を寮に戻し、現場の引継ぎをマイクにして相澤は今国立ポケモンセンターに居る。

>>139 >>148

139124/11/27(水) 23:30:28

>>138

　ポケモンは“個性”を持った人間よりも千差万別の肉体構造をしており、まともに怪我を診れるのがこうした大きな研究施設くらいしかない。

「怪我は大丈夫そうでしたか？」

「見た目ほど大きな怪我ではありませんでした。ですがご心配の通りやはり心の方に傷を負っているようで……」

「そうですか。……やはり一般ブリーダーからでしょうか」

「恐らくは。あんなに甘えて鳴くリオルは野生ではありえませんので」

「なるほど」

　案内されるまま奥の部屋へと行くと、そこにはきょろきょろと当たりを見回しているリオルがカプセルの中に居た。彼──どうやら雄らしい──は相澤を見つけると甘えるように鳴いてカプセルから出たがった。

　思わず看護師は口を覆う。

「凄いですねイレイザー、私たちなんかずっと目も合わせてもらえてないのに」

「……たぶん、俺じゃないです」

　疑問の表情を見せる看護師を他所に相澤はボールホルダーにある黒いボールを取り出す。リオルはそれに釘付けになって視線を送っていた。

>>140

140124/11/27(水) 23:31:08

>>139

「それは？」

「昔使っていたモンスターボールです。もう壊れちまいましたが」

「黒いボールがお気に入りなのかしら」

「随分長い間使っていたから、なんか染みついた波動？　みたいなやつが見えるのかもしれませんね」

　相澤はリオルに近づいていく。どうやら本当にボールにしか興味はないらしく、相澤の大きな体が近づくとカプセルの奥に逃げ込もうとする。

　出来る限り刺激しないよう、離れた位置からカプセルを開けてもらうとリオルに向かって黒いモンスターボールを投げた。

「ッ！」

　リオルは自分に投げてもらえたとわかったのか、喜んでそれを受け取る。だが玩具で遊ぶようにじゃれつくのではなく、大切な宝物をぎゅっと抱きしめるようにして腕の中にしまい込んだ。

「……処分の方法困ってたんですよ、こいつにやります」

>>141

141124/11/27(水) 23:31:46

>>140

　リオルの様子に看護師が思わず言葉を詰まらせていると、相澤が助け船を出すようにして提案をする。治療室の中はほんの少しざわついた。

「えっ、良いんですか……？　だいぶ年季の入った物ですよね」

「俺の曾爺さんから使ってた物ですからね。でも好きに捨てて良いって俺に渡した親からも言われてるんで大丈夫ですよ」

「まあ私たちも面倒を見るうえであれがあるのは有り難いですし……イレイザーがそうおっしゃるなら」

　貴重なリオルのさらに貴重な色違い。もし家族がいるならばそれまでにメンタルケアをして万全な状態で返さなければならない。看護師は頭を下げた。

「経過観察だけ教えてもらえますか、うちの生徒たちがだいぶ気にしていたので」

「勿論です。ご家族がわかるまできっちりやらせていただきます」

　胸を張る看護師に小さく会釈をした。

　リオルが抱えている黒いボールに一度だけ視線を送ってから相澤は背を向け、まっすぐ入り口に向かって歩き始めた。

>>142

142124/11/27(水) 23:32:10

>>141

「あっ、こら！」

「？」

　数歩歩いたところですぐに後ろが騒がしくなる。足を止めて振り向くと、看護師たちが焦った様子で相澤を……正確に言えば相澤の足元を見ていた。

　黒いモンスターボールを大事そうに抱えた状態で走ってきたリオルが、所在なさげに相澤のズボンを掴んでいたのだ。

「……は？」

　素っ頓狂な声が出るが、リオルは離れたがらない。

　相澤はなんだか、これからの予定全てが狂ったようなそんな気がした。

　‡

「……というわけで、暫くリオル同伴で出勤することになりました、よろしくお願いします」

「あっはっはっはっはっは！　似合ってるぜェイレイザー！」

「エリちゃんと言い、先輩小さな子と一緒にいるの案外絵になりますよね」

「てめえら他人事だと思って……」

>>143

143124/11/27(水) 23:32:36

>>142

　結局、あのあとリオルが相澤から離れることはなかった。相澤には怯えているのに距離を取ろうとすると慌てて近寄ってくる。どうやらボールを相澤に返そうとしているらしいことが分かってしまい、「それはお前にあげたやつだから」と何度相澤が言っても聞く耳を持たず、最終的に一時預かりの許可を得ることとなってしまった。

　リオルは相澤の腰よりもさらに下、そして一歩後ろの位置でボールを手に握って周りに気を配りながら立っている。相澤が動くと彼も一歩また動く様子はアヒルの子供のようで職員室が笑顔になった。

　仕事がやりにくいと心底嫌がっている相澤は自分のデスクのすぐ後ろにリオル用の椅子を作ってやり、周りの視線を無視して仕事を始める。

　五分ほど経つと、廊下が騒がしくなり始めた。なんだと教員たちが顔をあげたのとほぼ同時に職員室の扉が勢いよく開かれる。

>>144

144124/11/27(水) 23:33:14

>>143

「イレイザーが子連れになったって聞いたんだけど！？」

「復帰早々随分元気ですねミッドナイトさん」

「やだ！　あらあらあら可愛い～！　色違いのリオル？　イレイザーみたいな仏頂面に懐くなんて物好きなんだから～！」

　姦しい声と共に入って来たミッドナイトは相澤の後ろに居るリオルを見つけるとすぐに黄色い声を上げる。「怯えるんでやめてください」と相澤が言うと「そうだったわ失礼」とわざとらしく口を抑えた。

「そういやミッドナイトさんの復帰今日でしたっけ」

「地獄の縁から舞い戻ってきたわ！」

「それ洒落にならんやつでは」

　手術のため髪を切ってベリーショートになったミッドナイトは相澤の後ろで縮こまっているリオルを怖がらせないよう少し離れたところから手を振り声をかける。

　少し遅れて、ミッドナイトと一緒に入ってきていた彼女の相棒ポケモンであるヨルノズク『レイトナイト』が羽ばたき所定の位置に止まっていた。

「おっ、レイトも一緒っすか」

「そりゃね相棒だもの。それよりもイレイザー、リオルの名前は決めたの？」

「……必要ないでしょう」

「あるわよ～！」

　ミッドナイトは子供の様に頬を膨らませた。

>>145

145124/11/27(水) 23:33:43

>>144

「いーい？　名前って言うのはポケモンへの愛情にもつながるのよ。いざというときの連携にもろに影響するの」

「ミッドナイトさんはレイトと仲良いっすよね」

「そう！　私の時みたく相棒ポケモンに守ってもらう必要が出る日がきっと来るんだから、ちゃんと名前を付けてあげなさい」

「こいつは一時預かりなだけで別に俺の相棒ポケモンじゃないですよ」

　うんざりしたような相澤の声に、ミッドナイトはいやに真剣な表情を見せた。それが同僚としてではなく先輩としての顔であることを知っているマイクと相澤は二人して視線を背ける。

「相澤くん、貴方今目片方しかないんでしょう」

「それがどうかしましたか」

「ヒーローを続けるなら絶対に相棒ポケモンが必要だわ」

「余計なお世話です」

146124/11/27(水) 23:35:21

　取り付く島もないほどばっさりと言い切る相澤だが、周りの視線は冷ややかだった。AFOの脅威が去ったとは言っても敵による犯罪が無くなったわけではない。
　そんな中、片足もなければ“個性”の要である目も不十分な相澤が、これから先まともに活動していける保障などどこにもない。
　ミッドナイトは少しばかり感情的になって言葉を強める。

「ゲンガーのこと気にしているのもわかるけど、新しい子に目を向けたってバチは」

　ガタン。
　椅子はキャスターがついているから、こんな音にはならない。机を揺らして相澤が立ち上がった音だ。

「……授業なんで、行きます」

　いつもより心なしか早口で告げてから相澤は職員室を立ち去る。様子を伺っていたリオルも、ミッドナイトに一度視線を送ってから立ち上がり相澤の後をついていった。
　彼らが居なくなった職員室では、ミッドナイトが珍しく机に突っ伏している。

「やっちゃったわ……」
「ありゃ香山先輩が悪いっすよ」
「わかってるわよ……でも相澤くん危なっかしいんだもの」
「気持ちはわかりますけどね」

>>147

147124/11/27(水) 23:35:47

>>146

　かつての先輩後輩での呼び名で呼び合いながら、ミッドナイトは机の上で一人反省会をする。主人の様子がおかしいことに気付いたのかレイトナイトがバサバサと翼をはためかせ、彼女の席の近くにある止まり木に着地した。

　ミッドナイトよりも大きな体をかがめて主人を慰めようとしている。ミッドナイトは彼を見るとつい、思い出してしまう。真っ赤に染まった視界の中、必死に自分を安全地帯に運んでくれていたこの相棒のことを。

「有難うレイト」

「相澤だってわかってますよ。今までならともかくこれからはポケモンに頼んねえと無理だってことくらい」

「……そうよね」

「もう二年経つんです、きっとあいつの中でうまいこと折り合い付けますよ、俺たちは待ちましょうや」

「良いこと言うじゃないマイク。快気祝いで飲みに行きましょう」

　流れるような飲みの誘いに体育会系の奴隷であるマイクは断ることが出来ず「お手柔らかにィ……」と言うことしか出来なかった。

>>148

148124/11/27(水) 23:39:38

>>147

今日はここまで！

ミッドナイトの相棒ポケモンのヨルノズクは特性が「ふみん」っていう眠り状態にならない子です

眠り香を遠くまで撒き散らし夜を往く相性抜群のパートナーだと思う

この世界の特性とかの話はおいおいやっていく予定

リオルの名前どうしようかはまだ考え中

朝見に来た人へ今日は>>138が開始位置だよ

じゃあ寝るぜお休み！

149124/11/28(木) 00:04:08

そういえばURLも作ったよ

【書きかけ】リオル+相澤先生 | Writening　声がたくさん聞こえる。　悲しみや怒りの感情があたりに溢れかえって。小さな自分は感情の奔流に飲み込まれてしまいそうだった。音にならない鳴き声を出して必死に家族を探す。　瓦礫の下、血の海、それら…writening.net

これはスレに直貼りしたものを加筆修正して継ぎ足していくから更新は遅め

150二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 05:46:37

ミッナイとヨルノズク？って思ったけどそうか、特性ふみんだったな
本当に毎回ぴったりのポケモン選んでてすごい
ゲンガーと先生何があったのか気になるしリオルが優しくて癒される

151二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 06:09:03

そうか個性に影響されないポケモンじゃないと相棒にはなれないか
それはそれとしてミッナイが生きてる世界線で泣いた

152二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 07:22:06

陥没乳首の火力が凄すぎて朝から色々吹っ飛んだわ
ゲンガーのこともあってゴーストやめとけとか心操に言ってた説あるのか

153二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 11:58:36

ポケモンの名前だけ知ってて、知らんポケモンが出ては調べては解釈一致してすげぇってなってる
調べてゲンガーの特性とか初めて知ったんだけどキューティクルな見た目に反して結構えげつないの好き。そんなゲンガーとバディ組んでた相澤先生もすげぇ

154二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 12:30:56

ゴーストタイプはやめとけと言ったりかひいおじいさんから使ってるボールとかゲンガーと相澤先生のエピソード気になり過ぎる
マイクはなんのポケモンが相棒なんだろ

155二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 19:43:53

ふみんヨルノズクに撒き散らされる眠り粉エグすぎる
これヒーローの活動にもだいぶ大きく影響ありそうだな

156二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 19:51:41

クレベースとエンデのコンビで確保に来られたら俺は確実に““死””を覚悟する

157二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 20:04:06

AFOとか敵側はポケモン使ったんかな…？

158二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 20:24:31

AFOなんかめっちゃ伝説厨そう
とてつもない偏見だけど

159二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 21:29:34

いつかスレ主が考えるポケモンがいる世界のA組とか他のキャラの相棒ポケ見てみたいな…

160124/11/28(木) 22:03:25

ただいま！
今日はすぐ寝ないとだから早速投げていくぜ

　‡

　可愛らしい色違いのリオルに生徒たちは一時沸き立ったものの、すぐに落ち着きを取り戻す。皆が構おうとするとリオルが怯えた表情をすることに気付いているからだ。考えていたよりもずっといつも通りの授業進行に相澤は内心ほっとしていた。
　放課後、麗日と緑谷を空き教室に呼び出し、顛末を伝える。
「……そういうわけで、今トレーナーを捜索してるところだ」
「そうなんですね」
「もし見つからなかったらどうなるんですか？」
　少し離れたところでボールを抱きしめてリオルは横になっていた。生徒二人はまるで小さな子供の安否を心配するような瞳をしている。
「……余程のことが無ければ国に申請しているはずだからすぐに見つかる。もし見つからなかったら引き取り手を探すよ」
「先生は引き取られないんですか？」
「ただでさえ忙しいのにポケモンの調教まで出来ん」
「そんな」
「単純にリオルが戦力として足らない、という問題もある」

>>161 >>170

161124/11/28(木) 22:03:43

>>160

　冊子が音を立てて机に広げられる。

　リオルの研究結果が書かれている文書だ。麗日と緑谷二人分のコピーもあり、二人はさっと目を通していく。

「進化条件不明……？」

「この手の小さなポケモンは大抵進化するモンなんだが、まだ進化する時の条件が解明できてない。俺がいくら面倒を見てもただの徒労に終わる可能性の方が高いってことだ」

　進化。

　生物学的には変態というのだが、一部のポケモン愛護団体から「こんな可愛らしいポケモンたちの変身をなんて言葉で表すのか」というクレームを受けた結果、学術書に載らない一般の名称が進化という表現になったらしい。

　ポケモンたちは凡そ全体の九十パーセントほどが進化の可能性を秘めているとある研究者が発表した。特に体が小さく、共通点を多く持つ大きな別個体が近くの群れで暮らしている場合はその可能性が極めて高いらしい。

>>162

162124/11/28(木) 22:04:32

>>161

「……リオルは、この『ルカリオ』って子になるかもしれないんですか？」

　麗日が冊子の写真部分を指さしている。

　そこにはルカリオと呼ばれるポケモンが複数のリオルの面倒を見ている姿が映っていた。仲睦まじい様子は兄弟というよりも親子に見える。

「群れの暮らし状況とかを見るとな。だがリオルからルカリオになった瞬間を見たことがあるヤツはいないんだよ」

　リオルの体は七十センチほどしかない。

　いくら相澤より頑丈でタフだといっても多くの敵が持つポケモンたちは強力な進化系ばかりだ。敵退治が主な仕事内容の相澤についてこれるわけがなかった。

「じゃ、じゃあ！　リオルくんが進化すれば良いってことですね！」

「その前にトレーナーを探す」

「そ、そういえばそっか」

「個体情報を国のデータベースに問い合わせてる。戦後で今は混乱してるだろうから返ってくるとしても来週だろうな」

　以上だ。

　話を切り上げて相澤が立ち上がろうとすると、麗日は「そういえば」と思い出したように呟く。

>>163

163124/11/28(木) 22:04:54

>>162

「リオルくんの持ってるあの黒いモンスターボール、先生の私物って本当ですか？」

「う、麗日さん！」

「えっ、な、なんか悪いこと言ってもうた？」

　ただの純粋な興味だったのだろう。あれだけ人間を怖がっているリオルが懐いているのだ、気にならない方がおかしい。相澤は想定内の質問だったのか特に表情を崩さなかった。

　だが、聞かれた相澤よりも余程慌てていたのは緑谷の方だ。目線を泳がせてあからさまに「しまった」という顔をしている。

「……なんだ緑谷」

「え、ええと、そのお」

　不信極まりない姿に相澤の眉根が寄る。ふーと息を吐いて立ち上がりかけていた足を止め、ソファに腰かけた。

「緑谷」

「あ、あの。僕、イレイザーヘッドのことは、その、入学前から知っていて」

「それが……ああ、なるほど」

>>164

164124/11/28(木) 22:05:15

>>163

　それくらいは知っている。緑谷のノートにもきちんと相澤のことは書かれていたらしい。この重度のヒーローオタクにかかればメディアに出ていないことなど大した足かせにはならないのだろう。

　そして入学前から、となると。当然当時の活動方法も知っているはずだ。相澤は結んでいる頭を掻いた。

「悪いな麗日、混乱しただろう」

「え、いえ……あの、私何かいけないこと聞きましたか？」

「いや。まあこんな事態になったんだから聞きたくもなるだろう、説明しなかった俺の落ち度だ」

　声に陰りを見せた麗日に首を振る。勝手に口を挟んでしまった罪悪感だろうか、緑谷もきゅうと口を結んで俯いてしまった。

　相澤は二人を見て少し視線をさ迷わせた後、廊下の方へと目を動かす。

「心操、お前も入って来い」

「えっ」

　この場に居ない人間の名前に二人の頭が弾かれたように上を向く。暫くの間を置いてからカラカラと扉が控えめに開き、紫色の髪をしたクラスメイトが分厚い冊子片手にこちらを見ていた。

「し、心操くん」

「先生に色々聞きたいこととかあって……探してて、その。盗み聞きするつもりはなかったんですけど」

>>165

165124/11/28(木) 22:06:01

>>164

「別にいい。お前も気になるんだろう、座れ」

「はい」

　心操はわざと遠回りをしてから緑谷の隣に座った。気になるのは本当らしい。素直な態度に若さを感じつつ、相澤は眠っているリオルが抱きしめる小さなボールに少し視線を落とし、再び三人の方を向く。

「二年前まで俺には相棒ポケモンが居た。それがそのボールに入っていた、ゲンガーっていうやつだ」

「ゲンガー……？」

　心操と麗日はピンと来ていないようだが、緑谷はヒーローを調べる過程である程度頭に入っているのだろう、特に驚いた様子はない。

　二人の為に冊子を手に取ってゲンガーのページを開いてやる。

　ゲンガー

　シャドーポケモン

　人の命を狙い、陰に潜む。ゲンガーが居るだけで部屋の温度は五度下がり、狙われた獲物は寒気が止まらない。

>>166

166124/11/28(木) 22:06:39

>>165

「……お化けやん！」

「ゲンガーは『どく』と『ゴースト』の複合タイプポケモンだからな。物騒なんだよ」

　冊子の途中で弾かれたように声を上げた麗日に「まあお化けみたいなもんだ」と相澤は頷いた。心操はそのあとも冊子に書かれている文字を見ていくが、どこを見てもポケモンの生態とは思えない言葉ばかりが羅列されている。

　影が勝手に笑うとか、狙われてしまったら逃げられないとか、とにかく理解できない化け物のような書かれ方に困惑の顔をする。

「って……先生、たしかゴーストタイプって簡単に捕まえられないんじゃないんですか」

「ああ。ゲンガーは俺が捕まえたんじゃないよ」

　捕まえていない。

　少々理解し難い言葉に緑谷も首を捻っていた。どうやらそこまでは知らないらしい。

「“個性”が出現し始めたのがちょうど俺の曾爺さんの世代なんだが……その時に曾爺さんがゲンガーに気に入られちまってな」

>>167

167124/11/28(木) 22:07:13

>>166

　相澤は遠い目で話し始めた。これは実家に居た頃部屋に居座ってやたらと室温を下げたゲンガーをどうにか追い出せないかと祖父に泣きついたとき、嫌というほど聞かされた話だ。

「曾爺さんは自警団……今で言うところのヒーロー活動をやっていたんだが、その時古い洋館が焼けてな。中にいる子供を助けたと思ったら寂れた置物だった、という事件があったんだ」

「えなにホラーの話されとる？」

「実話だよ」

　相澤が淡々と話すせいで恐怖は薄れているが、B組の柳あたりが真面目に話せばきっとヒーロー科を震撼させることが出来るだろう。

「で、だ。その日からやけに体が重いとか、寒気がするとか、色々あって……殺しに来たゲンガーを返り討ちにしたわけなんだが」

「一番大事なところ！」

「そここの話のサビじゃないんですか？」

「絶対お祖父さんとかちゃんと話してたはずですよ！」

「やかましい」

>>168

168124/11/28(木) 22:07:56

>>167

　実際ここは実家に居た時かなり熱弁をされていた部分ではあったが、特に今関係ないので相澤は徹底的に省く。

「そうしたらゲンガーに気に入られちまってな。曾爺さんはその日からゲンガーに憑りつかれて……その頃はまだまともなモンスターボールもなかったから、しょうがなく仕組みを見て手作りして、あのボールに入れたんだとよ」

「な、なるほど……」

「そんで家を継ぐ子供が産まれると男女問わず憑りついて命狙ってくるから、じゃあどうせ離せないならヒーロー活動で利用したほうが良いよなって話になってな」

「だから古いボールなんですね」

「合理性一族……」

　自分の命を狙っていた相手を相棒ポケモンとして使えるものなのか、と緑谷の目が胡乱気になる。

　麗日は結論まで聞いてやはり首を捻った。

「じゃあ今ゲンガーはどこに？」

「ぁ……」

>>169

169124/11/28(木) 22:08:14

>>168

「死んだよ」

　緑谷が止める間もなくされた質問と返された返答に、室内が凍り付く。聞いていただけの心操も表情を硬くした。

170124/11/28(木) 22:12:02

>>169

ここまで！！！

相澤先生とゲンガーの話はちゃんとやるとホラーになっちゃうからほどほどにするつもり

先生は下手に話を盛ったりしないし淡々と話してくれるだろうなという信頼がある

>>150 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>156 >>157 >>158 >>159

感想とか保守とか反応とかありがとう～！

世界観に反応してもらえるの練り練りしたかいがあったぜ嬉しい

他のプロヒとかも出す予定だから楽しんでほしい

今日は短いけど寝るぜ！

今日は>>160が開始地点です

お休み！

171二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 22:14:11

リオルの進化方法が好きな俺満面の笑みを浮かべている

172二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 22:28:08

>> 中にいる子供を助けたと思ったら寂れた置物だった、という事件があったんだ

すげえ淡々と話してるけどはちゃめちゃにホラー案件

そのあと返り討ちにしてるのひいお爺さん格好良すぎる

173二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 06:35:26

ゲンガー好きだから相澤家が羨ましくてしかたない
薄々気づいてたけどゲンガー亡くなってたんだね
それでトラウマになったのかな先生

174二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 07:10:56

この先生の元でリオルちゃんが進化した日には鬼のように泣く自信ある

175二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 12:40:46

合理性一族に笑っちゃった
こうしてみるとゲンガーの説明ってマジで生き物と言うより化け物って感じでちょっと怖いな
リオルはずっとボール抱きしめててかわいい

176二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 14:12:58

波導の勇者見たくなってきた
他のプロヒのポケモンも気になるし、A組のみんながどんなポケモン選ぶのかも気になる

177二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 20:42:07

波動の勇者でゴリゴリに泣いてからルカリオ並びにリオル大好きになったから相澤先生とリオルの絡みに可愛い…可愛い…ってなってる