SRT特殊学園に3人組を増やしたい ep5【🎲・オリ生徒】

  • 1◆Uy3fVwZzyBcj24/11/17(日) 19:17:28

    いつも通り謎のカンでゲヘナに来たヤタ

    想像よりも静かだと思いながらセナと話していると、いつも通りのゲヘナが帰ってきた……?

  • 2二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 19:18:11

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  • 3◆Uy3fVwZzyBcj24/11/17(日) 19:19:32
  • 4◆Uy3fVwZzyBcj24/11/17(日) 19:20:11

    名前:熊野ヤタ

    所属:RATEL小隊 RATEL1

    使用武器:RATEL-556式自動小銃改

    射撃 74 格闘 77
    医療 34 運転 97
    電子 62 交渉 18
    料理 36 指揮 17
    目星 25 神秘 118
    身長 179cm
    胸 貧
    出身 ゲヘナ
    髪:赤 長さ:ミディアム 肌:黄 目:黒
    ・全裸で寝るタイプ
    ・八咫烏の加護がついた。

  • 5◆Uy3fVwZzyBcj24/11/17(日) 19:21:29

    名前:不落シロ

    所属:RATEL小隊 RATEL2

    使用武器:RATEL-416式自動小銃

    射撃 56 格闘 87
    医療 69 運転 87
    電子 24 交渉 83
    料理 39 指揮 90
    目星 40
    身長 177cm
    胸 貧
    出身 山海経
    髪:銀 長さ:ボブ 肌:黄 目:赤
    ・ロリコン
    ・めっちゃ物を持ち込む
    ・上だけ脱いで寝る。

  • 6◆Uy3fVwZzyBcj24/11/17(日) 19:22:59

    名前:煙ヶ谷シエン

    所属:RATEL小隊 RATEL3

    使用武器:RATEL-110式自動小銃

    射撃 74 格闘 56
    医療 7 運転 50
    電子 53 交渉 18
    料理 67 指揮 93
    神秘 66 目星 31
    身長 151cm
    胸 貧
    出身 アビドス
    髪:橙色 長さ:ミディアム 肌:白 目:茶
    ・ノノミに会ったことがある。
    ・上だけ脱いで寝る。
    ・下着が派手
    ・催涙ガスを手から放てる。

  • 7◆Uy3fVwZzyBcj24/11/17(日) 19:23:38

    先生
    ・外見は便利屋先生
    ・最近クマが深くなってきた。
    ・今のところ目立った怪我無し。
    ・最近若干影が薄い

  • 8◆Uy3fVwZzyBcj24/11/17(日) 19:25:56

    前回までのあらすじ

    とうとう閉鎖となったSRT特殊学園

    RABBIT小隊は子ウサギ公園に、RATEL小隊はアビドスへと向かう。

    バイト生活を始め、順風満帆とは言えなくとも普通の生活はおくれていた。

    それを妨害するかのように降る大雨に対処し、アビドス高校の支援、RABBIT小隊の様子見をしていた。

    無事であったことに胸をなでおろすも、装備がほぼダメになってしまうRABBIT小隊。

    駄目になった装備を売ろうとした矢先、ヴァルキューレの公安局が突然取り締まりを行いに来る。

    何とかその場を乗り切るが、ヴァルキューレ公安局の装備が違法リベートによるものではないかと疑問が生じる。

    その証拠をつかむため、RABBIT小隊はヴァルキューレに潜入、任務を完了させるのだった。

    そして、普通の日常が帰ってきた……はずだった。

  • 9二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 19:31:50

    たておつ

  • 10二次元好きの匿名さん24/11/17(日) 19:36:12

    たておつです
    帰ってきたはず、か
    不穏だね

  • 11◆Uy3fVwZzyBcj24/11/17(日) 19:38:36

    揺れる床、振動するガラス。

    ……爆発だ。いつもの。

    「どうやらいつもの騒ぎのようですね。すぐに風紀委員が制圧するでしょう」

    「一応見に行きますね……」

    まぁ、今私が関与したところで何という事もないだろう。学校はないはぐれ者だから制圧"される側"に近いが。

    「では私は死体の回収準備をします」

    「負傷者ですよね?流石に死体は出ませんよね?」

    セナさん、真顔で言うから本当っぽく聞こえるんだよね……。

    とにかく、うるさい方へ向かって走る。

    現着したが、うん、いつも通り不良が暴れに暴れてる。これこそゲヘナって感じだ。

    とはいえ程度としては軽度、のレベルだ。手を焼くテロリストに比べればチワワみたいなもの。

    邪魔にならない程度に加勢しよう。

  • 12◆Uy3fVwZzyBcj24/11/18(月) 02:02:44

    理由……は確認するまでもないか。まぁ、なんというか、その、暴れられればいいみたいな人ばっかだからなぁ。

    「下手に弾丸を消費することもなさそう」

    練度は見てわかる。一般的な不良だ。それが複数名。

    こっちは今バイト生活で、SRTからの潤沢な支援は受けられない。弾の一発は血の一滴というやつだ。

    まだ風紀委員の人たちは来ていないようで、逆に今が好機かも。

    見つかる前にぱぱっと解決してしまおう。

    「あ?あんだお前。見せもんじゃねーぞ!」

    不意に、こっちに気づいた一人が撃ってきた。読みやすい弾道に、甘ったるい補足。

    SRTなら一年生でもアレの10倍マシだ。特に苦も無く避けられる。

    「どうしたんですか?撃つんじゃなかったんです?」

    こういう手合いは、すぐキレてくれて余計に対処が楽になる。

    ……なんか久しぶりに一人で格闘戦していると変なテンションになっちゃうな。今度シロさんとスパーリングでもしよう。

  • 13◆Uy3fVwZzyBcj24/11/18(月) 02:04:33

    「ざけんな!」

    数発が顔の傍をかすめるが、当たっていない。そのまま勢いで一気に距離を詰める。

    「よそ見してたら、こうですよ!」

    腹に膝を一発。その勢いを乗せて背負い投げを決める。土の上でも受け身を取れずに背中から落ちれば――。

    「がっ!?」

    当然、意識を失うレベルの痛みになる。うーん、これ痛いんだよね。

    それを見て他の不良が固まっていた。まぁ、知らない制服の奴がいきなり格闘戦仕掛けてきたらそりゃ驚くだろう。

    「どうしたんです?来るんじゃないんですか?」

    拳を平手に打ち付けて、そう言い放った。

    喧嘩を売られて買わない不良はいい不良だ。対処がそれで済む。まぁ、ゲヘナにいる不良は……。

    「…………なめてんじゃねぇぞゴラァ!」

    そうなるよね……。

    というわけでそのまま数名の不良とのスデゴロとなり、90秒ほどで片付いた。

    飛び込み回し蹴りやらかかと落としやら連続蹴りやらを叩き込んでおとなしくさせる様はキヴォトスでは異常な光景に映りそうだ。

  • 14◆Uy3fVwZzyBcj24/11/18(月) 02:05:19

    「……風紀委員の到着を待つまでもなかったようですね」


    車両で駆け付けたセナさんがそう呟いていた。というか負傷者をぶん投げて入れていたんですがそれは大丈夫なんですか?


    「乗っていきますか?」


    「え、あ、はい」


    あっけにとられている間にすべて終わっていたらしく、車に乗せてもらって救急医学部の病室まで届けてもらった。


    不良の治療はきっちり病室でセナさんがやっていた……。


    dice1d4=4 (4)

    1.来客無し

    2.不良が起きて暴れる

    3.チナツが来る

    4.+ヒナも来る

  • 15二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 08:16:39

    チナツとヒナが来たか

  • 16二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 17:38:58

    大御所との出会いじゃん

  • 17二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 19:19:13

    あれ、これスカウトされちゃう流れか?

  • 18二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 21:20:10

    そういや3人とも今フリーなんだった

  • 19◆Uy3fVwZzyBcj24/11/18(月) 22:51:38

    暫く治療の様子を見ていると、来客がやってきた。どうやら負傷者という感じではない。

    あれ、たしかあの人は。

    「チナツさん?」

    「あなたはたしか、SRTの」

    シャーレを奪還するときに一緒に戦ったゲヘナの人だ。それでその奥にいるのは……驚いた、風紀委員長さんだ。

    「チナツ、どうかしたんですか?救急医学部に戻ってくる気にでもなりました?」

    「注射器の補充をしてもらいに来ただけです……」

    「私の前で引き抜こうとしないでもらえる?」

    まぁ、これ以上ここに居る理由もない。そっと出ていくことにしよう。

    「待って」

    「はい!?」

    ……結構うまく気配を消したと思ったんだけど……。

    「少し、話す時間はあるかしら。熊野ヤタ」

    名前まで知られてるっ……!?

  • 20◆Uy3fVwZzyBcj24/11/18(月) 23:01:05

    というわけで、少し静かな――ゲヘナにしてはだが――救急医学部の誰もいない病室で二人きりとなった。

    ……何かやった……いや、他校で不良を殴り飛ばしたは殴り飛ばしたが。

    「あなたに少し聞きたいことがあるの」

    身長差約40㎝とは思えない覇気だ。流石、というべきなのかもしれない。

    「梔子ユメ、それに小鳥遊ホシノの事についてよ」

    「ユメさんの事……ですか」

    「ええ、"死んだはず"のアビドスの生徒会長。それが今生きている事に関与していると」

    「少し長くなりますが、それでも良ければ」

    隠し事は多分通用しない。一対一で勝てる見込みもない。それにユメさんの名前を知っている時点で、一年の頃からこの事件を知っているという事になる。それならば話しても問題はなさそうだ。

    というわけで掻い摘んで短めに話した。カイザーの事や、ホシノさんと再開させた事や、ユメさんを使って何をしようとしていたのかを。

    「…………」

    黙ってしまった……。

    「……ありがとう。あまり話したくない事を話させたわね」

  • 21◆Uy3fVwZzyBcj24/11/18(月) 23:19:09

    「SRTですから、慣れっこですよ。まぁ元、になっちゃいましたが」


    「……今の状態はわかったわ。過去に色々調べていたの。そんなことになっているとは思いもしなかったけれど」


    「私たちも乗り込んで驚きましたからね」


    アレはまぁ、強烈だった。


    「ところで、なんでセナと会っていたの?」


    ああそれは――。


    dice1d4=3 (3)

    1.……なんででしょうね?

    2.何となくですかね

    3.今度一緒にCDでも探しに行こうかと

    4.(……あれ?)

  • 22二次元好きの匿名さん24/11/19(灍) 09:02:04

    一緒にCDを探しに行くのか、いいね

  • 23二次元好きの匿名さん24/11/19(灍) 14:41:23

    ショップ巡り楽しいよね

  • 24二次元好きの匿名さん24/11/19(灍) 20:53:24

    この流れじゃ今は無理かな

  • 25二次元好きの匿名さん24/11/20(ć°´) 07:54:45

    保守 

  • 26二次元好きの匿名さん24/11/20(ć°´) 13:58:36

    ヒナちゃん達も誘う?

  • 27二次元好きの匿名さん24/11/20(ć°´) 20:41:08

    保守

  • 28◆Uy3fVwZzyBcj24/11/21(木) 00:52:01

    「まぁその、これと言った理由があったわわけでもないんですが……今度一緒にCDでも見に行こうとお誘いしたくですね……」

    「そう。ありがとう、つき合わせて悪かったわね」

    なんか、意外と話が分かってくれる人なのかもしれない。

    話だけ聞くと容赦のない風紀委員長って感じだったから、その辺勘違いしてたかも。ホシノさんと同じタイプなのかな?

    「ではこれで」

    「ええ、あ、そうだ」

    ?なんだろう

    「不良の件、対応してくれてありがとう」

    「まあ、殴り倒しただけですが……」

    「殴り……?」

    まぁ流石のゲヘナとはいえ、不良に対してグーで挑む生徒はいないだろう。緊急時を除いて。

    「と、ともかく。今日はこちらもありがとうございました。RATEL1、退室します!」

    うーん、SRT式が抜けない。変なものを見たという目で見られつつその場を後にした。

  • 29◆Uy3fVwZzyBcj24/11/21(木) 00:52:21

    「お帰りなさい」


    「もどりました」


    セナさんは治療をとっくに終えて、カルテ?らしきものを書いていた。


    「……なにか?」


    「あー、その、もしよければなんですけど」


    と、友達相手にこういうことを言った事無いから緊張するなぁ。


    「今度、CDショップとか行ってみません……?」



    dice2d2=1 1 (2)

  • 30◆Uy3fVwZzyBcj24/11/21(木) 01:04:47

    珍しく、セナさんが目を丸くしていた。

    「そういった事に誘われるのは初めてですが……私でよければ、是非」

    キュッと結ばれていた口の口角がほんの少し上がった。

    雪に埋もれていた花を見つけた時のような、何とも不思議な感覚。心の奥が、暖かくなるような。

    「えっと、よろしくお願いします……」

    「いつにしますか?」

    「あ、ちょっと待ってくださいね」

    バイト先にも連絡を入れると、すぐに返事が返ってきた。好きに休んでいいとの事だ。

    ……それでいいんだろうか。

    「じゃぁ、来週とかで」

    「わかりました。予定を開けておきます」

    「あ、モモトークも交換してもらっていいですか?その方が楽だと思うので」

    「そうですね、私用の電話番号もお伝えしておきます」

    会社かな?というか、先生とSRT、アビドス以外で連絡先を交換したのは久しぶりかもしれない。

  • 31◆Uy3fVwZzyBcj24/11/21(木) 01:20:35

    「来週か……楽しみだな」

    ゲヘナから離れてアビドスへと向かう電車の中、気味が悪いほどにへらと笑いながらスマホをつけたり消したりしている。

    カレンダーに追加された予定と、新しく入った連絡先。

    シロさんやシエンさんと一緒に買い物に行くのとはまた違う、一緒に買い物へ行くという行為。

    SRTにいた頃はできなかったかもしれない。怪我の功名と言えるが、何とも複雑な事情だ。

    でもそれはそれ、これはこれである。楽しみなものは楽しみなのだ。

    「早く来週にならないかな……」

    なんて、遠足前の小学生みたいなことも口にできる。だって楽しみなのだから。



    不意に、電車の窓から空を見上げる。

    私のカンがそこを指した。

    「…………なにか、いる?」

    日が落ちる前の済んだ空に、確かに何かを感じ取ったのだった。

  • 32二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 08:21:21

    恋の予感…?

    それはそうと、果たして、空に何がいるのか…

  • 33二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 12:37:08

    兎編終わったからな……
    次は宇宙が朱く……

  • 34二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 19:57:05

    始まるのか、最終編が

  • 35二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 20:52:41

    友達が出来てハッピー
    じゃ終わらないんだよな残念ながら

  • 36二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 21:28:05

    このレスは削除されています

  • 37二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 21:28:42

    このレスは削除されています

  • 38二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 08:16:59

    やったか

  • 39二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 17:29:45

    奇跡はそう簡単に起こるものじゃないよな

  • 40◆Uy3fVwZzyBcj24/11/22(金) 18:22:01

    「とばせとばせ!」

    バイト先に話したところ、そう言う事なら喜んで貸すし何なら最悪ぶっ壊して持って帰ってもいいと言われた。いやその、結構この子気に入ってるので壊す気はないです……。

    それはともかく、連邦生徒会よりも先について準備しておかないと。何時に来るのかもわからないまま突っ走ってるのは一旦おいておこう。間に合わなかったらシロさんとシエンさんが喧嘩するだけだ。

    (いつもよりもカイザーが多い気がする……)

    D.U.に向かうにつれて、見かける数が増えている気がする。

    カンもささやいている。これは良くないぞ、と。

    「シロさん、さっきとばせって言いましたよね」

    「あ?ああ」

    「シエンさんも、シートベルトしっかりしておいてくださいね」

    タイヤが白煙を上げ、独特の匂いが車内を包んだ。6速に入れっぱなしで、速度制限は申し訳ないが今は無視させてもらう。

    (ここを曲がれば、もうすぐ着く!)

    赤信号になりかけの交差点に突っ込んだ。もちろんこのままだと青信号側の車に突っ込まれて終わる所だがーー曲がりながら無理やり車線に車をねじ込む。横方向にGがかかるが、あいにく片輪走行でも走り切れる自信がある。この程度どうって事は無い。

  • 41◆Uy3fVwZzyBcj24/11/22(金) 18:28:25

    それ以降もUの字カーブを早めにブレーキをかけて惰性で車の後方をすべらせながら反対車線に少々はみ出つつ無理矢理まがったりして最速でシャーレまでたどり着いた。

    「わかった、二度とお前に車で急げとは言わねぇ」

    「お昼少な目でよかったわ……」

    「……やりすぎました?」

    携帯缶からガソリンを入れつつそう言った。申し訳ない事をしたなと思いつつも、ちょっと楽しかった自分もいる。

    「さーて、連邦生徒会の連中はまだ来てないみたいだな」

    「先生に話を通しましょ」

    ふと空を見上げると、ヘリがこちらに向かってきていた。

    「あれ、うちでも扱ってない輸送ヘリですよね」

    「ああ、中に車両も搭載できる大型の奴だ……当然連邦生徒会ももってねぇはずだが」

    「嫌な予感がする、いそぎましょ」

    そうして、シャーレの中へと入っていった。

  • 42◆Uy3fVwZzyBcj24/11/22(金) 18:35:45

    「先生!居ますか!?」

    不安が先走って大声になったが、普通に居た。

    "ど、どうしたの?そんなに慌てて……もしかして何かあった?"

    「何もないから来たんですよ……連邦生徒会から呼び出されてましたよね?」

    "うん、車で迎えに来てくれるって言ってたから。もしかしてヤタたちが?"

    「いや、連邦生徒会に恩を売れるかと思って先に来ただけだぜ先生」

    "そうなんだね……"

    シロさん、先生あきれてます。

    「……さっき、車と言いました?」

    "うん、そう連絡が来てたけど"

    「では、来ていたヘリは先生が存じていない、という事でよろしいですね?」

    シエンさんがそう確認して、揃って銃のセーフティを外し、先生を守る陣形を取った。

    なるほど、どうやら早速面倒ごとに巻き込まれる形になったらしい。

  • 43二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 22:26:09

    セーフ

  • 44◆Uy3fVwZzyBcj24/11/22(金) 23:03:38

    「先生、お迎えに上がりました」

    KSPDの盾にあの制服……ヴァルキューレ?

    「おー、これはこれは心強い。ヴァルキューレも護衛に加わってくれりゃぁ鬼に金棒だな」

    わざとらしくシロさんが言う。多分、もうやる気になってるな。

    「……なぜSRTが?」

    「野暮用で来ててな。ヘリで行くんだろ?俺らも乗れないくらい狭いわけじゃねぇだろうし乗せてってくれよ」

    「……了解です、こちらへ」

    「わりぃな」

    シャーレの非常用ヘリポートにヘリは既に止まっていた。近くで見ると余計に大きい。

    それこそ"違法リベートでごたごたがあった"割にはよくぞそろえられたものだと感心するほどに、だ。

    「こちらです、どうぞお乗りください」

    「ほー、SRTでも乗ったことないデカいヘリだ。この前のリベートでもらったんだったっけ?流石真面目なヴァルキューレだよな」

    「……ええ、確かそうだったかと」

    "……"

    先生も気が付いた。こいつらはヴァルキューレの生徒ではないという事に。

  • 45二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 09:28:47

    ここで戦ってもなぁ

  • 46二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 18:46:23

    そのヘリを制圧するのか

  • 47◆Uy3fVwZzyBcj24/11/23(土) 18:55:35

    「よーし、じゃ行こうぜ」


    シロさんがそう言った。が、この後とるべき行動は既にわかっている。


    シロさんがライフルをスリングに預けてハンドガンのホルスターに手をかける。


    シエンさんが私の後ろに回り、奥の操縦席を見据える。


    私が先生の手をにぎって、足に力をこめる。


    3点バーストの発射音と同時に、先生を寝転がせるように、横へ飛ばせる。さらに同じく、シエンさんが操縦席に目掛けて発砲を開始。ここまで、ほぼすべてが同時に発生した。



    負傷ダイス

    ヤタ シロ シエン

    dice3d2=1 1 1 (3)

    1.負傷

    2.無傷

  • 48二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 19:06:34

    みんな揃って負傷かい!
    腕が鈍ったか?

  • 49◆Uy3fVwZzyBcj24/11/23(土) 19:17:53

    ダメージ


    ヤタ

    dice1d100=81 (81)


    シロ

    dice1d100=88 (88)


    シエン

    dice1d100=39 (39)

  • 50二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 21:07:01

    いったいなこれ
    大丈夫か

  • 51二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 08:45:31

    シエンだけ軽い、というよりは他二人が前に出てたからかな?

  • 52◆Uy3fVwZzyBcj24/11/24(日) 15:14:12

    正直な事を言うと、体が鈍っていたのは事実かもしれない。

    それはそれとしてだが、運がなかったのもまた事実だ。

    シエンさんが放った弾はきれいに操縦手に命中したが、それの所為ですぐに飛べるようにしていたヘリがふわっと浮いた後、体勢を崩した。

    やらかしたな、と思った瞬間に傾いたヘリがヘリポートに墜落。

    後ろにいたシエンさんは咄嗟に伏せていたが、シロさんは吹き飛ばされてヘリポート出入口に吹き飛ばされるのが見えた。

    私は先生の上にまたかぶさり、爆発から守っていた。だた爆発で一番怖いものは爆発そのもので生じる衝撃と――。

    「っ!!!」

    その衝撃に乗っかかり飛んでくる破片であることを。教わっていたのだが、今改めて身をもって知った。

    全てがおさまった後、シエンさんが駆けつけてくる。

    「大丈夫?!」

    「先生は、無事です」

    「あんたを心配してんのよ馬鹿!」

    左上腕にヘリのローターブレードの破片がかすめたのだろうという傷と、その他吹き飛んできた何かが刺さったり切り裂いたり貫いた傷ができていた。

    今はあまり痛くないけど、アドレナリンが切れたら痛むんだろうな。

  • 53◆Uy3fVwZzyBcj24/11/24(日) 15:15:12

    "ヤタ!大丈夫!?"


    「なまりましたね……少ししんどいかもしれません」


    「ったくもう……!」


    そう言いながらシロさんを確認しに行った。多分同じぐらいひどいと思う。


    「っつぅ……」


    声の方を向くと、思い切り頭から出血していたシロさんがいた。白とグレーの制服が赤に染まっている。


    「ほら、しっかりしなさい!」


    「……声が響くんだが」


    「減らず口が聞けるなら大丈夫ね!」


    ※ファンブル、クリティカルなしの判定のみ行う。

    ヤタ

    医療 34

    dice1d100=62 (62)


    シロ

    医療 69

    dice1d100=17 (17)

  • 54二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 21:16:40

    大事なし
    セーフ

  • 55二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 08:19:17

    重体にはなってないみたいでよかった

  • 56◆Uy3fVwZzyBcj24/11/25(月) 08:20:39

    "とにかくここから離れた方が……。"

    「いや、もうちょい待ってくれ」

    シロさんはセルフで治療済み、かつ今は私を治療してくれている。私も私でやろうとしたが、オレの方が早いと言ってやってくれた。

    なんとも心強いポイントマンだ。

    「よし、とりあえずとれる破片と治療は終わった。で、後はこいつらだな」

    偽装していたであろうソレが剥がれて下から出てきたのは、いつもおなじみのあいつら――カイザーPMCだった。

    「いつものって事……でも何かおかしいわね」

    「痛った……と言いますと?」

    やっぱり痛み出した。まぁ、これは織り込み済みだ。

    「タイミング、状況、やり方……いつになく搦め手だ。なにか裏があるのは確かだが、今は時間がねぇ」

    その時、やつらの無線から声がした。

    ≪確保チーム、状況を≫

    シエンさんはシロさんに目配せをして、シロさんは先生を見る。先生はそのままこくりと頷いて、シロさんが無線を取った。

    「くたばれ」

  • 57二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 17:17:25

    やるぜやるぜ

  • 58二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 19:25:57

    くたばれカイザー!

  • 59二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 21:01:07

    徹底抗戦だ

  • 60◆Uy3fVwZzyBcj24/11/25(月) 21:05:51

    それだけ言って、無線機をヘリポートからぶん投げた。

    「あれでよかったんです?」

    「どうせ何も言わねぇよ。なら啖呵だけ切って放置しときゃいいんだああいうのは。どうせ向こうから来る」

    「なるほど……」

    「参考にしないでよ、それ」

    "とにかく、サンクトゥムタワーに向かおう。まだみんないるはずだよ。"

    「そうですね、状況を伝えるだけ伝えましょう」

    シエンさんはスマホで周囲の状況やPMCの兵を撮影していた。流石、やることがわかっている。

    「運転できる?」

    「シートは後で交換でしょうけどね」

    ガーゼから血が少しにじみ始めた。縫う暇もなかったし、もうこれは諦めよう。もしセナさん見られたら怒られそうだ。

    「先生、後ろに」

    助手席にシロさんが乗って、後ろにシエンさんと先生を乗せて出発した。

    会議がまだ終わって無ければいいけれど……。

  • 61◆Uy3fVwZzyBcj24/11/25(月) 21:32:07

    ボロボロの状態でサンクトゥムタワーに到着したところ、入り口の人にとんでもない目で見られた。傍から見たらまぁ、そうなるよね。

    "ごめんね、非常対策委員会は何処でやってるかな。"

    「えっと、エレベーターを上がって……」

    先生に対応は任せて階層と部屋を教えてもらえた。急ごう。

    「ったく、綺麗な床を汚すのは忍びねぇな」

    頭から垂れた血が床に数滴落ちていた。シロさんもかなり深い怪我なのは見て取れる。

    「とにかく、先生を部屋に送るまで耐えるしかないわね」

    「もしこれも罠だったら?」

    "考えたくはないけど……。"

    もしそうなら、シエンさんに任せて私たちが道を塞いで時間稼ぎをするしかない。

    言われた階層につくと、以外にも静かだった。とりあえずエレベーターのドア前や壁を確認しても、トラップはなさそうだ。

    「此処よね」

    「声は聞こえますが」

    聞き覚えはある。リン首席行政官の声だ。に交じってなんか席が一気に引かれた音もする。

    「やべ、もう終わっちまったか」

  • 62◆Uy3fVwZzyBcj24/11/25(月) 22:10:40

    ドアを蹴り破る勢いでシロさんが開けた。というかノブ捻った後蹴りましたよね?

    当然ながら、視線が一気に私たちに刺さった。あ、奥の席にSRTってある。

    「……RATEL小隊の方々、申し訳ないのですが……先生?!」

    おお、流石に首席行政官とはいえどもこの状況だと声って荒げるんだ。

    ……当たり前か。血まみれのSRT二人にちょっと怪我してる一人、それの後ろに先生がいれば何事かと思われる。

    「説明してぇからプロジェクター貸してくれ」

    "遅れてごめんね。色々とあったし説明もしないといけないんだけど……"

    シエンさんが連邦生徒会の人からPCを借りて、スマホから画面にさっきあった事を画面に写そうとしていると――。

    がしり、と腕をつかまれた。シロさんもだ。

    「怪我を見せてください」

    「はい?」

    「怪我を、今すぐ!」

    白い服に、十字……トリニティ……救護騎士団のミネさんだったっけ、たしか。

    そういえばあの人もかなりの地位の人だ。来ていて当然ではあるだろう。

  • 63二次元好きの匿名さん24/11/26(灍) 00:04:22

    あ、ヤバい
    救護ぉ!されちゃう

  • 64二次元好きの匿名さん24/11/26(灍) 08:24:24

    あぁっ、ついに救護の餌食に…

  • 65二次元好きの匿名さん24/11/26(灍) 13:47:21

    まぁ戦闘ではないし逆らいもしないから大丈夫やろ

  • 66二次元好きの匿名さん24/11/26(灍) 21:07:23

    これでちゃんと治るやろ

  • 67二次元好きの匿名さん24/11/27(ć°´) 08:08:31

    保守

  • 68◆Uy3fVwZzyBcj24/11/27(ć°´) 12:32:48

    「このような怪我でここまで……先生、お隣の部屋をお借りします!」

    「いやあの別にそこまでしていただかなくても」

    「いまあなたたちに必要なものは救護です!それに血は感染症の元になるんです!こちらへ!」

    あ~~~と言いつつ二人引きずられていった。

    隣の誰も使っていない会議室に叩き込まれ、ミネさんは持っていた医療器具と私たちのメディックキットでそれはそれは綺麗に治療してくれた。

    ……凄い力で引っ張られたけど、もし断り続けてたらどうなってたんだろう。

    「おかえり、準備できたわよ」

    ほぼ怪我のないシエンさんは先生と準備を完了させていた。

    先生は先生で首席行政官に謝ったり他の生徒の人に囲まれていたりしたが、一旦席に戻ってもらった。

    そして、ここに来るまでにあった騒動をスクリーンに映す。

    「まず最初にヴァルキューレの生徒に偽装したカイザーPMCに襲われ……」

    単語だけ抜き取ると頭が痛くなる文章だが、実際そうだったから困ったものだ。

  • 69◆Uy3fVwZzyBcj24/11/27(ć°´) 12:56:40

    「……以上が先ほどまでに起こった事象です。この事から察するに、この正体不明なエネルギー体が何であれ、何か良くない事が起こりつつあるのは確かかと思います、以上です」

    シエンさんの発表が終わった後、先生を交えた会議がなんとも奇跡的な事にまともに進んだ。

    ……まぁ、相変わらずゲヘナとトリニティは仲が悪そうだったけど、それはもうどうしようもないだろう。

    そんな会議にシロさんとシエンさんが混ざって話しているのを聞いていると――。

    「少しいいかな、熊野ヤタ」

    手に小鳥を乗せた金髪の人が話しかけてきた。大きな耳がかわいらしい。

    というかなんで私の名前を?

    「はい、大丈夫ですが……あなたは?」

    「私は百合園セイア、いまキヴォトスに起きようとしている事で君に話があるんだ」

    「は、はぁ」

    一体何の事だろうか。エネルギー体の事だとは思うけれど、まだほかにも何か起ころうとしてたりするのかな。

    「今から話す事をすぐに信じろ、とは言えないが……」

    「……君の未来に関係することだ」

  • 70二次元好きの匿名さん24/11/27(ć°´) 14:47:42

    何言われるんだ

  • 71二次元好きの匿名さん24/11/27(ć°´) 22:59:56

    怖いんですけど

  • 72◆Uy3fVwZzyBcj24/11/28(木) 07:48:31

    先ほど治療してもらった横の部屋に二人で移動する。

    なんでもあまり人には聞かれたくない話らしい。というか、未来ってなんだろう。

    とりあえず、お互いに再度自己紹介をした。なんでもセイアさんはティーパーティーの一人らしい。

    そして今は無くなってしまったが、前は未来予知ができる能力があったとか。

    そしてその未来予知で最後に見たものが、このキヴォトスの終焉と――。

    「先生が……死ぬ未来……」

    ……だそうだ。過程の詳しい事まではわからないが、それが見えたらしい。

    「ただ、それと私に何の因果関係が……?」

    「ここからが問題なんだ。最後に"もう一つ"見えたものがあった」

    静まった部屋に、凛とした声だけが響いた。

    「熊野ヤタ、君が――」

  • 73二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 13:45:55

    怖い怖い
    そこで切らないでよ

  • 74二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 19:57:53

    君が、なんなんだよお!!

  • 75◆Uy3fVwZzyBcj24/11/28(木) 21:01:12

    話を聞いた後、私は皆の元へと戻った。奇跡的に終わった会議は、とりあえず現状維持のまま警戒を続け、何かあったら即座に各学園が協力し対応する、そのための専用回線等も設ける、ということで終わったらしい。

    ちなみに先生はしばらく専用の警備付きでシャーレにいるらしい。その専用の警備に私達も含まれてるけれど。

    「そういえば、さっきは何の話してたんだ?」

    「たしかティーパーティーの子と出てったわよね」

    「まぁ、なんてことない話ですよ。ちょっとお友達になろうってだけです」

    …………。

    先生を乗せた車でシャーレに戻った。RABBIT小隊にも声をかけて、ここに常駐して朝晩2交代で警備することになる。

    ついでに聞いた話では、あのカヤ防衛室長が行方不明だそうだ。このタイミングでという事は、あの人も何かに巻き込まれた可能性が大だろう。今は大っぴらに動けないから、情報を集めつつ救出できそうなら実行しよう。

    「先輩、RABBIT小隊到着しました」

    「くひひ、戦車も外に持ってきておいたよ」

    うん、戦力はあるに越したことはない。後で整備しないと。

    「……ヤタ、あんた大丈夫?」

    「え、何がです?」

    「いや、なんかいつもと様子が違う気がしただけよ」

  • 76◆Uy3fVwZzyBcj24/11/28(木) 22:13:41

    気のせいでしょう、とだけ言っておいた。

    その日は私たちが残り少ない時間の昼警備について、夜はRABBIT小隊に任せた。

    それから数日は、警戒はしつつも昔のSRTを思い出すような生活をしていた。

    ただ、それは唐突に終わりを迎えることになる。

    空が赤く染まり――

    アビドスからの連絡――シロコさんがいなくなったと。

    そして――空から降ってきた塔によって、サンクトゥムタワーが崩壊したと。

  • 77◆Uy3fVwZzyBcj24/11/28(木) 22:19:04

     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
    「熊野ヤタ、君が――」

    「……君が、先生の代わりに死ぬ未来だ」
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     

  • 78◆Uy3fVwZzyBcj24/11/28(木) 22:26:40

    4. 濃霧の果てに  完

    to be continued......



      次回
    Final. 太陽の見える空

  • 79二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 08:20:42

    先生の代わりに…?もしかして先生を庇って亡くなるのか…?

    それにFinal…このスレももう終わりが近いってこと?これからどうなるのか…

  • 80二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:05:32

    未来を変えることができるのか

  • 81◆Uy3fVwZzyBcj24/11/29(金) 22:02:00

    Final. 太陽の見える空

    「方位確認!撃て!」

    「全く雨後の筍みたいに出てきてっ……!」

    あの塔が降り立ってすぐ、いたるところから敵が湧いて出てきた。

    幸いにも戦車が完璧な状態であったため、それを乗り回して住民避難に手を貸していたけれど……。

    「RATEL3、残弾ほぼありません!注意を!」

    「わかってるわよ!RATEL2、一時撤退でいいわね!」

    「そうだな、残りは引き潰して一旦シャーレまで戻るぞ」

    後方から撃たれつつ、シャーレに一度引き返す。幸いにもこの戦車はちょっとやそっとじゃ壊れないようにできてる。

    少々撃たれたところで塗料が剥がれるだけだ。

    「だー、疲れた」

    「もう10時間近く戦闘してるわよ……」

    「残った弾もほぼないですし燃料切れです。戦車はしばらく使えませんね」

    「あー、クソ、後は足だなこの野郎」

  • 82◆Uy3fVwZzyBcj24/11/29(金) 22:07:20

    シャーレには連邦生徒会の人たちと先生を筆頭に、各学園から招集された人たちで作戦会議をしているらしい。

    まぁ、私たちはそういうの苦手だし……。

    「RATEL1、はい弾」

    「ありがとうございます。RATEL2、フラグと9mmはこっちに」

    「あいよ、ああったく、LMGが欲しいな」

    水を飲みながら空のマガジンに弾を込め、装備を少々点検する。

    こういう時は最新型のぴかぴかなものよりこういう使い慣れてるものの方がいい。

    「電池は交換した?」

    「サブも問題なく、行きましょう」

    「RATELが道を切り開く。お次は何処だ?」

    「とにかく人が残ってそうなとこをしらみつぶしにするわよ。ガソリンは残ってたわよね」

    「ええ、戦車はだめでも車は行けます」

    「歩かなくて済みそうで助かったよ」

    装備やら物資を車に積んでいると――

  • 83◆Uy3fVwZzyBcj24/11/29(金) 22:30:30

    「RATEL小隊の皆さん、少々いいですか」

    リン首席行政官だ。何かあったのだろうか。

    「こっちは救助で手いっぱいだ、それ以上に大事な事か?」

    「あの塔に関する事です。RATEL小隊はそれに関して色々と関係があるらしいので……」

    まぁ、ないと言えばうそになるかもしれないけど。

     
    「熊野ヤタ、君が――」

    「……君が、先生の代わりに死ぬ未来だ」
     

    ……今は余計なことは考えない。とにかく目の前の事を片付けよう。

    色々な学園から集まった人たちがいる部屋に通された。アヤネさんやユウカさんもいる。

    「結論から申し上げますと、あの塔を2週間で破壊しなくてはなりません」

    「えらく急だな。まぁ、放置しておいていい事は無いと思ったけどよ」

  • 84二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 08:16:00

    流石に放置するものじゃないからね

  • 85二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 13:56:19

    そうなるのかぁ

  • 86二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 19:49:00

    保守

  • 87◆Uy3fVwZzyBcj24/11/30(土) 20:46:12

    それから色々と説明を受けた。

    …………が、説明を受ければ受けるほど、謎の頭痛が酷くなっていく。

    特にこの、”色彩”とかいうものの説明を受けると顕著に。

    「ちょっとヤタ、大丈夫?」

    「平気です……ええ……」

    過去の様々な風景が頭の中をよぎった。

    ―最初にアビドスの砂漠で何かを感じ取った時

    ―電子ロックを解除し損ねて死にかけた時

    ―ユメさんを謎の空間の砂漠で救った時

    あの時もしかして私を見ていたのは――。

    けれどによしんば仮にそうだったとして、今私に何ができる?

    色彩とか言うものに対して、対抗できるだけの力が存在するのだろうか……?

  • 88◆Uy3fVwZzyBcj24/11/30(土) 21:26:51

    正直、頭が爆発しそうだ。


    痛いという意味でもそうだし、今起きている事すべてに対しても。


    後14日で世界は終わろうとしているし、その源みたいなものに触れた……いや、認識しただけか、という事もある。


    それに何より、この事件が解決する頃には私は死んでいるかもしれない。


    何をどうすればいいのかなんて、今すぐに答えを出せない。


    時間が欲しいけれど、それも許されないのだからもうこうなれば当たって砕けろだ。


    やれるだけやってやろう。


    ……セナさんには、遺書でも書いておこうかな。ごめんなさいって。



    dice1d4=4 (4)

    1.いずれかのサンクトゥム攻略戦に手を貸す

    2.シャーレに残り防衛線を構築する

    3.付近の逃げ遅れた人を救助する

    4.お話

  • 89◆Uy3fVwZzyBcj24/12/01(日) 08:21:33

    まともに会議を聞いていられるような状態ではないとシエンさんに休むように言われてしまった。

    全く……厄介だ。

    「……あれ、なんでここに……」

    気が付くと、シャーレの屋上にいた。

    この感じだと、また足が勝手に動いたらしい。空は赤いし、奥に虚妄のサンクトゥムが見える。

    「何とか出来るのかな……」

    出来なければ、世界が滅ぶ。そう言われても今の自分に何ができるのだろうか。

    「やっとお会いできましたね」

    メインは持ってきてない。咄嗟にホルスターからサブを抜いて声の方へ向ける。

    「……誰?」

    「これは失敬……そしてこのような格好で申し訳ないですね」

    ボロボロのスーツを身にまとった人がそこにいた。ホシノさんとの会話で前聞いたことがあるような。確か――

    「……もしかして、黒服さん、ですか?」

    「これはご丁寧に」

  • 90二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 08:53:20

    黒服との邂逅
    というかこのスレでは初登場か?

  • 91二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 18:31:29

    先生はいないのか...?

  • 92二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 20:42:39

    生徒一人と顔会わすとなるとやはり緊張が

  • 93◆Uy3fVwZzyBcj24/12/02(月) 08:11:08

    「少なくとも善人じゃないとは聞いています。私は誰に対してもこう話すだけですから、勘違いしないでください」

    「ええ、別に構いません。私はあなたに警告をしに来ただけですので」

    警告……もしかしてこの頭痛の事?

    「これ以上、この件に関わるのは止してください」

    「お断りします。仲間が戦っているので」

    「そう言われるとは思いましたよ。ですが、貴方だけの問題ではないのです」

    「……どういうことですか」

    「あなたの神秘に関する力は、既にあなたの制御できる枠を大きく超えかけている……と言えばわかるでしょうか?」

    この力が?ただ単に道がわかったり弾が誘導されたりするだけ……じゃないって事?

    「もしもその力がなんらかを誘導するだけの力だと思っていたら大間違いです。それは誘導ではなく導き、いえ、因果律の操作……とでも言いましょうか」

    「ええ、理解できない事はわかります。ですので簡単に言い換えましょう」

    「その力は、貴方が望んだ結果に導く力です。行きたいと願えば願った場所に、当てたいと願えば狙った場所に」

    「そして、救いたいと願えば救うという"結果"に、因果を導く」

  • 94◆Uy3fVwZzyBcj24/12/02(月) 08:25:05

    黒服さんは話を続けた。

    「ただし、その力を使えば使うほど貴方の因果はねじれていきます。そしてねじれた因果が戻る反動であなたは恐らく……命を落とし、そしてこの世界にあの塔より酷い混沌をもたらすでしょう」

    銃を持つ手が震える。セイアさんの見た夢、というのはもしかしてこの事……?

    「幸い一度は色彩の嚮導者を退けているとはいえ、次も同じようにできるとは思えませんので」

    意味は分からない、でも、私が原因で何かが起こる事だけは理解できた。

    「…………これ以上戦うな、と?」

    「単純に言えばそうです」

    それが可能なら、やっていただろう。でも――

    「あなたの言っている事を理解できたとは思いません。多分、1割もわかってないと思います」

    「だからこそ言いますが、私はそれでも戦います。もしも私がその混沌とやらになるなら、その前に救える人を全て救って一人で死にますよ」

    「死を恐怖していないと?」

    「覚悟の上です」

    「……自分の命に代えても他人に尽くす、ですか」

  • 95二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 16:44:25

    難儀な

  • 96二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 21:39:20

    死ぬの怖くないのかな

  • 97二次元好きの匿名さん24/12/03(灍) 05:00:16

    まあ、SRTに居続けるっていうのは、キヴォトスの厳しさを見続けるって言うのと同義だから、その手の覚悟は自然と出来るんじゃないかな

  • 98二次元好きの匿名さん24/12/03(灍) 14:03:40

    思ったよりすごいパワーだった

  • 99二次元好きの匿名さん24/12/03(灍) 21:07:25

    保守

  • 100二次元好きの匿名さん24/12/04(ć°´) 07:29:31

    まぁそうなんだろうけど、その結果は嫌だなぁ

  • 101二次元好きの匿名さん24/12/04(ć°´) 11:50:54

    このレスは削除されています

  • 102二次元好きの匿名さん24/12/04(ć°´) 11:56:18

    このレスは削除されています

  • 103◆Uy3fVwZzyBcj24/12/04(ć°´) 18:14:19

    モモフレンズダイス


    ヤタ シロ シエン

    dice3d2=1 2 1 (4)

    1.好き

    2.興味なし


    好きなら

    dice3d7=4 7 2 (13)

    1.ペロロ

    2.ウェーブキャット

    3.ビッグブラザー

    4.Mr.ニコライ

    5.ピンキーパカ

    6.アングリーアデリ

    7.スカルマン

  • 104二次元好きの匿名さん24/12/04(ć°´) 19:42:38

    あ、色彩ペロロジラとKAITEN FX MK.∞の戦いに巻き込まれるのか

  • 105二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 00:08:06

    ヤタはMr.ニコライ
    シロは興味なし
    シエンはウェーブキャットか

  • 106二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 08:15:21

    どうなるかな

  • 107◆Uy3fVwZzyBcj24/12/05(木) 08:16:58

    「先輩たちも気を付けてください」

    「こっちの心配はいいの、あんたらも危なかったら下がりなさいよ」

    RABBIT小隊は第3サンクトゥムの攻略に手を貸すらしい。あの子たちならきっと大丈夫だ。

    何より味方にヒナさんがいるらしいし。安心に安心を重ねられる。

    アビドスの人たちは第1サンクトゥム。というか第1サンクトゥム自体がアビドスにあるからそれ以外の選択肢はなかった。

    いなくなったって言ってたシロコさん、見つかると良いんだけど……。

    そして私たちは第6サンクトゥム、D.U.に来ている。

    守護者とかいうボス的存在は未だ確認できていないが、各所のそれを倒さなければいけないし、ここのエネルギー反応は強力らしい。

    なので今は出てきたときに誘導できるよう警戒というわけなのだが……。

    「よ、よろしくお願いします!」

    「よろしく、前にも会ったよね」

    トリニティの前に会った白洲アズサさんと戦車の操縦になれているらしい阿慈谷ヒフミさんが一緒にいる。

    アズサさんの方はとても強いと聞いているし、ヒフミさんはなんかすごい運転技術があるらしい。

    ……私とどっちがうまいんだろう。

  • 108◆Uy3fVwZzyBcj24/12/05(木) 08:19:20

    「今日はペロロ様の特撮映画を見る予定だったのに……」

    「うん、私も楽しみにしていた」

    二両の戦車の準備をしていると、二人のそんな会話が聞こえてきた。

    「あら、モモフレンズ好きなの?」

    「!もしかしてお好きなんですか!?」

    「え、ええ。まぁ程々に。ほらこれ」

    シエンさんはスマホの手帳型ケースを開けた。中にウェーブキャットの絵が描いてある。

    「あ、かわいいですね。私もこういうのは持ってますよ」

    私はMr.ニコライのコラボモデルのイヤホンを取り出した。なんかこの、何とも言えない感じの顔が好きだ。

    「わぁ……!」

    同志が見つかった感じの顔をしている。アズサさんも独特な顔でスカルマンを掲げていた。好きなのかな。

    「……流行りなのか?」

    シロさんはよくわかっていない感じだ。色々ものを買うタイプだったけどこういうのは興味ないのかな。

    「何もかもが終わったら色々話しましょ、じゃ、行くわよ」

    「最善を尽くしましょう!」

  • 109◆Uy3fVwZzyBcj24/12/05(木) 13:22:07

    その後は各所の報告を聞きつつD.U.の警戒を続けた。

    ひとまずは防衛という事であたりに出てきた敵をなぎ倒すこととなる。

    その過程でちょっとした出会いもあったけど……。

    「あいつらごと引き潰してもいいのか?」

    「いいわけないでしょ、今は何もやってないから無視よ」

    美食研究会、ゲヘナどころか各所で問題行動を起こしているテロリスト扱いを食らっている団体だ。

    よしんば何かやっていればまぁ私たちが対処するかもしれないが……今は猫の手も借りたい状態、戦力になってもらおう。

    「6時方向に4、さらに3時から5体!6時の方はヒフミに任せるわよ!」

    ≪わ、わかりました!≫

    「7時からさらに来てる、居るなら仕事してもらうぞ!」

    ≪あら、何もできないと思われています?≫

    ≪こっちの敵は吹き飛ばしちゃいましょう★≫

    ……かなり戦闘はできるらしい。

    それに更におまけと言わんばかりに付随して出てきた――

  • 110◆Uy3fVwZzyBcj24/12/05(木) 17:38:11

    「無限回転寿司戦隊・カイテンジャー!参上!」

    ……カイテンジャーも加わってくれた。

    「この状況じゃなきゃあいつらこそ引き潰してる!」

    一応指名手配犯だ。テロリストと指名手配犯の二つと共同作戦しているSRTなんてサキちゃん見たら卒倒しそう、居なくてよかった。

    「ガタガタ言わないの!使えるものは何でも使うのよ!」

    「このまま角に追い込んで掃討します」

    なんだかんだあって整備できた戦車の調子はいい。やっぱりよく動く車両は乗ってて気分がいいな、気がまぎれる。

    今は諸々の事を考えずに目の前に集中だ。

    それから数十分戦闘を続け、居る分は退けることに成功。

    ちなみにではまた会おうみたいな感じでカイテンジャーはどこかに去った。できるならこういうとき以外出てきて来ないでほしい。

    「少し休憩しましょ、この後もまだまだ忙しいわよ……ほら、一応食料はあるから」

    そう言って美食研究会に食料を渡していた。シエンさん色々抑えて対応してるなぁ。

    「ではお言葉に甘えて」

    ……向こうも躊躇ないなぁ。

  • 111二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 23:58:46

    呉越同舟

  • 112二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 08:20:02

    今まで敵対していた組織が共通の敵が現れると一時休戦して共闘する王道の胸熱展開だね

  • 113二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 18:34:36

    そ

  • 114◆Uy3fVwZzyBcj24/12/06(金) 21:04:51

    この後はペロロジラ対KAITEN FX MK.∞戦となるわけですが


    dice1d2=1 (1)

    1.原作通り行くから援護だよ

    2.…………。

  • 115二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 21:51:27

    ニチアサ展開そのままか

  • 116二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 08:32:45

    流石にでかすぎるか

  • 117二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 12:18:37

    >>52

     「全員負傷って何があった!?」と思ってたけど、ヘリコプターの墜落に巻き込まれるとは…相変わらず落とし所(*)が上手いっ…!


    >>56

    >偽装していたであろうソレが剥がれて下から出てきたのは、いつもおなじみのあいつら――カイザーPMCだった。

     僕は「生徒崩れの兵隊(*)が変装していた」とする方が自然だと考えていますが、ここでは「人工皮膚を纏ったオートマタ」として描いているんですかね?


    (*)

     墜落だけに。


    (*)

  • 118◆Uy3fVwZzyBcj24/12/07(土) 21:57:52

    暫くすると、各サンクトゥムの攻略報告が入ってくる。

    そして総攻撃が始まり、守護者とやらを倒す戦いが始まったのだが――。

    「か、怪獣じゃねぇか!」

    「ペロロジラです!」

    ≪私たちも確認いたしましたわ≫

    とても大きな――ペロロ、いや、ペロロジラらしいそれがD.U.を破壊しながら闊歩している。

    「あれ砲弾効きますかね」

    「やるしかないでしょ!戦闘用意!」

    攻撃しながらペロロジラを誘導、半壊したビルに誘い込みそこで直接攻撃をしかけることになった。

    まぁ、今までの戦闘でもう砲弾も弾薬もミサイルも燃料も全部無くなりかけだ、これ以外選択肢がない。

    「よーし、行くぞ!」

    美食研究会の人たちとも合流し、ペロロジラと至近距離で対面する。

    ……小さければかわいげもあったろうに、これだけ巨大で変な色をしていると不気味さが勝つ。

  • 119◆Uy3fVwZzyBcj24/12/07(土) 23:15:24

    「ウワーッ!小さいのも出てきやがった!」

    「的の形は一緒ですがね!」

    秘蔵の強装徹甲弾をこれでもかと叩き込むが、本当に効いてるんだろうかこれ。

    「ウェルダンでお願いします~」

    「ブッ壊してやる!」

    グレネードと二丁のアサルトライフルによる連射。うん、やっぱりあの人たち強いな。狙いにあんまり迷いがない。

    それはそれとしてヒフミさんが辛そうにしているのは多分ペロロジラ撃ってるからなんだろうな……カバンもペロロだし。

    途中目から出たビームで一階層落とされたりもしたが、ヴァルキューレのヘリの支援も受け、何とか倒しきることができた。

    …………はずだったのだが。


    「おい、なんか雰囲気やべぇぞ!」

    ミレニアムのヒマリさんによると、ここに最後のサンクトゥムタワーが作られようとしているらしい。

    他の所からエネルギーが集まってペロロジラが再度……復活してる……。

    とはいえ、ここを落とせば解決するはずだ。何とかしないと。

  • 120◆Uy3fVwZzyBcj24/12/08(日) 09:12:02

    と思っていたらやたらテンションの高い先生と再度出現したカイテンジャーがなんか会話していた。

    するとどうだろう、あまり大きくないはずのあのカイテンジャーのロボがペロロジラと同じくらいに大きくなった。

    「何?どういう事?」

    「良くはわかんねぇな……」

    「この前映画で見たな!」

    「な、何でしょうかこれは……?」

    本当に何なんだろう。まぁもうどうでもいいかもしれない。解決してくれるなら。

    「RATEL1、現実を見なさい」

    「あ、はい」

    結局、怪獣VS巨大ロボというあまりに突拍子のない戦闘はカイテンジャー側の勝利で幕を閉じ――

    空が、青色に戻ったのであった。

  • 121◆Uy3fVwZzyBcj24/12/08(日) 09:19:37

    「やった……の?」

    「やったんじゃねぇか……?」

    「それ、フラグって言いません?」

    お約束はさておいて、どうやら作戦は成功したらしい。一旦、先生の所に戻ることにしよう。

    ……カンがそう言ってる。前よりはっきりと。

    「一度先生の所に戻りましょう」

    「珍しいわね、まぁ丁度弾も何も底をついてたし補給もかねて戻りましょうか」

    「戦車もギリギリだな、バッテリー駆動モードで丁度着くぐらいだ」

    遥かに静かな駆動音で、シャーレへと向かう戦車。

    その中から遥か空の上に違和感を覚えていた。空は赤くないはずなのに、だ。多分まだ何かあるんだろうけど……。

    それを私だけでは解決できない、そうカンは言ってるんだろう。

    (あまり使うな、か)

    それにしても、なんでシャーレなんだろう。ああいう空に浮いてるものならミレニアムとかに行けば届くようなものがありそうだけど。

  • 122二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 14:14:42

    勝ったけど
    大丈夫かなヤタちゃん

  • 123二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 21:45:22

    保守

  • 124二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 08:04:26

    ここからよな問題は

  • 125◆Uy3fVwZzyBcj24/12/09(月) 12:22:23

    「RATEL小隊のみなさん、どうかしましたか?」

    シャーレにつくとリン首席行政官がいた。そういえば今はメガネ外してたっけ。

    「弾と燃料とバッテリーが無くなったので補給に。後先生に少しお話が」

    「そうですか……ですが後になるかもしれません、少し今問題が起きていますので」

    「ま、なら後でいいさ。とりあえず向かおうぜ」

    モモカさんとアユムさんも一緒に、先生の所へ向かう。

    ……なぜだろうか、ここに来て頭痛が酷くなってきた。さらにカンが囁く。

    「…………誰かいる」

    「は?」

    半透明のマガジンから残弾を確認、次いでサブの弾倉もチェックする。一人分くらいは残ってるから大丈夫だ。

    他の5人は何のことかという目で私を見ているが、このカンが外れたことはない。

    エレベーターの扉が開くと同時に走って先生のいる部屋に走りこんで、扉を蹴り開けた。

    そこにいたのは――

    「シロコさん……?」

    「"やっぱり"来たんだね、熊野ヤタ」

  • 126◆Uy3fVwZzyBcj24/12/09(月) 12:42:07

    雰囲気が変だ、いつもと違う。服もそうだけど、一体何が……?

    というか、やっぱりって何のことだろうか。

    「あなたがいても、キヴォトスは終焉を迎えることは変わらない。たとえこの世界で生徒会長を救えたとしても、あなたが色彩を使ったとしても、それは変えられない未来」

    「何を……」

    スッと、先生が私の前に手を出した。

    "シロコは、本当は――"

    先生は、何か知ってるんだ。

    「違う、これは私自身の”本質”」

    「この世界を定められた未来へと導く。ヤタ、貴方の力とはまた違うけれど、これはもう確定した未来」

    頭痛が余計にひどくなっていく、立って前を向くのがやっとだ。

    「私は先生を傷つけたくない、だからキヴォトスからいなくなってほしい」

    "シロコ……"

    「それに、ヤタ。あなたももう関わらない方がいい。きっと今立っているのもやっとなはず」

    ……よくお分かりで。

  • 127二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 21:32:25

    ペロロジラとはまた別の大変なことになってきた

  • 128二次元好きの匿名さん24/12/10(灍) 08:02:01

    どうしたんだヤタちゃん

  • 129二次元好きの匿名さん24/12/10(灍) 17:59:13

    保守

  • 130◆Uy3fVwZzyBcj24/12/10(灍) 18:08:26

    「最初に先生をここに導いたのも最後に見送るのも、それがわたしに与えられた本質なんだと思う」

    という事はもしかして、セイアさんの言っていた死ぬ未来って――

    シロコさんが、先生を……?

    「ヤタさん、急に走るのは――」

    「ちょっとヤタ、どうしたって――」

    リン首席行政官がホルスターから銃を抜いて撃つのと、先頭にいたシエンさんがライフルをほぼ同時に撃った。

    「リン先輩が撃つなんてレアじゃん!どうしたの!?」

    「し、侵入者です!」

    「お前……シロコか?」

    各々が口々に言葉を発するが、それを意に介さず目の前のシロコさんは何も言わなかった。

    「侵入者です……し、シロコ先輩……?」

    アヤネさんだ。ああもう、クソ、頭が……。

    私の限界と同時に、シロコさんは空間に消えるようにいなくなった。

    それに先生が突っ込むのを止めることもできず、私は地面に倒れこんだ。

    「ちょっと……大丈……!」

  • 131二次元好きの匿名さん24/12/10(灍) 21:40:49

    大丈夫か

  • 132二次元好きの匿名さん24/12/11(ć°´) 08:02:42

    リンちゃんが撃った!
    けどそれどころじゃねえ!

  • 133二次元好きの匿名さん24/12/11(ć°´) 17:29:39

    倒れちゃった!?

  • 134二次元好きの匿名さん24/12/11(ć°´) 22:16:11

    これはまずい

  • 135◆Uy3fVwZzyBcj24/12/12(木) 08:13:17

    「……痛っ……」

    「よかった、気が付いたわね」

    意識が戻ると、傍には二人がいた。シャーレの一室のようだ。

    「すいません、ご迷惑を……」

    「お前、大丈夫か?なんか最近変だぞ?」

    「疲れてるんだと思います。いつもと違うことだらけですから」

    「……ならいいけど」

    とりあえず誤魔化して現状を聞いた。あのシロコさんは結局行方知れずで、壊したサンクトゥムがまた出現しようとしている事、そしてーー

    「上空75000m、ですか」

    遥か空の向こうに、全ての元凶が存在する事。帰るときに覚えた違和感はそれか。

    「色々手は打ってるが、どうしようもないのが現状らしい」

    「そもそもそこまでどうやって行けっていうのよって話ね」

    ……何か方法は存在するはずだ。飛行機では無理だろう、もっと大きな何か……何か?

    「……あ!」

    「うわ、何だよ」

  • 136◆Uy3fVwZzyBcj24/12/12(木) 08:19:18

    「アビドス」

    「は?」

    思い出した。

    「アビドスにあったカイザーの基地を襲撃した時に見つけたじゃないですか」

    「だからなに……あ!」

    シロさんとシエンさんも思い出したようで声をそろえて言った。

    「「宇宙戦艦!」」

    早速、戦車の中に保管していた資料を引っ張り出して先生や連邦生徒会の人たちに共有することにした。

    ……下手な金庫より強固とは言え、あそこに置くのは何か間違いな気がするが……。

    "うん、これについては聞いたよ"

    「知ってたんですか?」

    "ついさっき、だけどね……"

    よくはわからないが、先生もどうやら知っているらしい。なら話は早いだろう。

    "とりあえずアビドスに行こうか"

    ミレニアムのヒマリさんやリン首席行政官も含めて、アビドスに向かう事になった。

  • 137二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 16:19:25

    とりあえずヤタちゃんは何もなかったか、良かった

  • 138◆Uy3fVwZzyBcj24/12/12(木) 21:21:24

    「懐かしい、っつうか嫌な記憶しかねぇなここは」

    戦車に過剰積載……というかホシノさん筆頭に全員をのっけてその宇宙戦艦が見つかったらしい場所へ向かっている。

    ちなみにユメさんも中にいる。ホシノさんはすさまじく渋い顔をしていたけど。

    ≪別にユメ先輩までついてくる必要はなかったんですよ≫

    「ううん、皆が大変なんだもん。私だって頑張らないと!」

    ≪……傍からは離れないでくださいね≫

    ≪なんかこれはこれで調子狂うわね≫

    ≪いいじゃないですか~☆こういうのも青春、って言うんじゃないですか?≫

    ≪あははは……確かにいつもとは違いますが、ユメ先輩の前だと後輩っぽさが出ますよね≫

    ≪おじさんをからかうのはそこまでにしてよ~!≫

    「楽しそうで何よりだよ」

    「私達にはない輝きねぇ」

    「なんで二人そろってそんな感想が年寄り臭いんですか……」

  • 139◆Uy3fVwZzyBcj24/12/12(木) 21:41:35

    何はともあれカイザーの基地につき、早速戦闘を開始する。ホシノさんは盾をユメさんに託して……いや、返して?いるのでショットガンのみの装備だが、とてつもなく身軽だ。流石というべきか。

    「この程度なら造作もないわね」

    「あの丸っこい敵も来ます!」

    「戦車を盾にしろ!」

    こういう時のための戦車だ、機械化歩兵とか言うんだっけ?違ったかも。

    まぁ、戦車とこれだけのメンバーだ。戦闘によって大幅に減ったPMCと少々の敵程度は簡単に撃滅できた。

    「安全確保できたわね」

    私たちも戦車から降り、その宇宙戦艦とやらを探す。

    (今は頼らせてね)

    カンがこっちに行けと囁く。それに沿って行くと、地下への道を発見した。

    「よし、オレ達が先に行く」

    「嫌な記憶が蘇りますね」

    色々と、思い出深い。トラウマとも言うか。そして下りて行った先には――。

  • 140二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 08:19:53

    朝の保守

  • 141二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 08:20:43

    ホシノは年相応の元気さを取り戻していってるみたいかな?

  • 142二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 18:53:42

    流石に破壊されてるってことは無いよな

  • 143二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 00:07:40

    ドキドキするね

  • 144◆Uy3fVwZzyBcj24/12/14(土) 07:19:14

    dice1d4=4 (4)

    1.原作通りのウトナピシュティム

    2.1+戦闘機みたいなのがある

    3.1+大型の戦闘機みたいなのがある

    4.1+ロボットみたいなのがある

  • 145二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 13:06:14

    うん?ロボット!?

  • 146二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 00:07:46

    保守

  • 147◆Uy3fVwZzyBcj24/12/15(日) 11:04:38

    「宇宙……戦艦?」

    超巨大……というほどのレベルではないが、それにしたって大きい。

    なるほど、これを使ってキヴォトスを制圧しようとしていたわけだ。全くもって恐ろしい考えだが。

    「なんか横にあるわね」

    セリカさんが何かを見つけたようだ。

    「これは……なんでしょうね?」

    全長は5mほどだろうか、ロボットみたいだ。腕は細く平べったい。肩というか背中には武器がついてるみたいだ。PMCの装備にしては見た事が無いけど……。

    「うーん、不用意に触らずにミレニアムの人に任せましょうか」

    という事でとりあえず施設は確保したので先生や連邦生徒会の人たちにも来てもらうことになった。

    暫くしていろんな人が来ると一気ににぎやかになった。やっぱりエンジニア部の人は宇宙戦艦って喜ぶんだ。

    それに確かゲーム開発部、だっけな。RABBIT小隊と一緒に戦ったって子たちも来ている。

    「RATEL2、手は出さないでくださいね」

    「…………善処する」

  • 148◆Uy3fVwZzyBcj24/12/15(日) 11:33:58

    それでこっちのロボットも見てもらうことになったんだけれど、これもなんかよくわからない技術で作られているらしい。

    「うーん、中々こっちも見どころがあるね」

    「そうなんですか?」

    ウタハさんが周りを見渡しながらそう言った。

    「対レーダー用の装甲が貼られているみたいだ。既存のレーダーには映りもしないだろうね」

    なんかすごそうだな、という事はよくわかった。ステルスロボなのだろうか。

    不意に私が足に触れると、何かが作動したらしくいきなりしゃがんで頭?に当たるであろう部分が開いて座席が展開された。

    これ、人が乗るように作られてるんだ。

    「なるほど、ここはコクピットのようだ」

    「乗って大丈夫なんでしょうか……?」

    「元々人が操るようで作られているみたいだ。君は確か運転技術に秀でていると聞いたけれど」

    「ヤタでいいですよ。まぁ人よりうまい自身はあります」

    「じゃぁヤタ、乗ってみてくれるかい?」

    そう言われて、コクピットに入る。座るというよりほぼ寝るに近い姿勢だ。

  • 149◆Uy3fVwZzyBcj24/12/15(日) 11:57:14

    -Initializing. Ready.-

    「わっ」

    恐らく搭載されている自動音声……AI?の声なんだろうけど、いきなり言われるとびっくりする。

    それと同時に座席が少し後ろに引かれて、ハッチが閉まった。

    「凄いな……」

    右に左に所狭しと計器が並んでいる。ここは高度計……こっちは残弾……こっちに表示されているのは……名前かな?

    「GAN-3AM、Triseed……トライシードがあなたの名前?」

    まぁ、答えてはくれないけどそう言う事なんだろう。

    ≪ウタハさん、この子トライシードっていう名前っぽいです≫

    そう言いつつ色々と動かしてみる。意外と軽快に動くな。

  • 150◆Uy3fVwZzyBcj24/12/15(日) 12:19:58

    「ここをこうして……こう!」

    腕が横に開いてブレードを展開した。近接能力もあるんだね。

    「でここをこういじると……」

    ホバリングのモードに変わった。腕を後ろに回してフワフワと浮けるらしい。

    「……で、ここをこうかな」

    更に腕を前に出して足もたたむとまるでエイみたいな恰好になって飛行機みたいになった。これは楽しいかも。

    ただこの状態だと備え付けのミサイルしか撃てないらしい。

    暫く動かしまくって下に降りた。ウタハさん以外のエンジニア部の人たちも来たようだ

    -Entry Standby Releasing Pilot-

    下りる時にも声がするんだ。

    「えっとその、役に立ちそうです」

    「宇宙戦艦もそうですが、こちらも解析したいですね!」

    「暇があれば、だけどね」

    「戦艦の方を優先してください、こっちは最低限動くことはわかったので……」

    あっちが本命だし、それに力を注いでもらわないと。

  • 151◆Uy3fVwZzyBcj24/12/15(日) 12:24:05
    「ロスト プラネット 2」バイタルスーツ紹介ムービー第2弾は,複座型VS「ドライオン」と可変VS「トライシード」が登場 カプコンから発売中の「ロスト プラネット 2」(PlayStation 3版 / Xbox 360版)にて,同作に登場する兵器“VS(バイタルスーツ)”を紹介するムービー2本が新たに公開された。今回のムービーに登場するのは,複座型VS「ドライオン」と,可変VS「トライシード」。ほか2体のVSについても紹介しているので,合わせてチェックしてほしい。www.4gamer.net

    PS3/Xbox360『ロスト プラネット 2』VS紹介映像 トライシード((GAN-3AM)

    はい、元ネタはロストプラネット2となっております。

    ガンダムでも出そうかと思いましたがなんか違うかなとなってやめました。

  • 152二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 12:26:34

    コックピットの表現でMSでもACでもなさそうだしスーパーロボット系も違うよなあと思ったらロストプラネットかあ
    名前は知ってるけどやったことないんだよな

  • 153二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 21:54:31

    はえー、なんか面白そうだな

  • 154二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 08:19:05

    保守

  • 155◆Uy3fVwZzyBcj24/12/16(月) 11:23:34

    そして、着々と準備が進み、リン首席行政官からのブリーフィングが始まった。

    どうも原理はよくわからないが、この船で突入して中から破壊するらしい。まぁ私たちは突っ込んで破壊するいつもの動きをすればいいわけだ。

    なんらかが間違っていたらバラバラになるか75000mから落下するらしい。

    ……そうはなりたくないかな。

    それに伴ってブリッジの人たちはコスチュームを着るようになったらしい。私はパイロットで良かった……。

    そして、8時間後の夜明けとともに発進する事となった。

    「地上最後の夜、か」

    「生きて帰ってくるわよ。私たちは」

    「……そうですよね」

    「あんたはとりあえず行きたいとこに行ってきなさい、ほら」

    …………??????

    「おまえ、流石にオレでも気づいてるぞ。ついこの前もスマホ見ながらにやけてたろうが」

    あっ。

    「ほら、さっさと行って帰ってきなさい!時間ないんだから!」

  • 156◆Uy3fVwZzyBcj24/12/16(月) 11:51:36

    蹴りだされるように外に出て、急いで向かった。

    ゲヘナの救急医学部へ。

    「……ヤタさん」

    「ど、どうも~……」

    そこら一帯はボロボロになっていて、けが人も多い。当然セナさんも暇じゃない。

    「またお怪我ですか?」

    「いやまぁ、学校柄というか、体質というか……」

    「……来週の予定も、組みなおさないといけませんね」

    ……来週、か。

    「その事、なんですけど……」

    「はい」

    「その、私もこの惨事を解決する作戦に参加することになりまして」

    「……はい」

    「それでその、あの…………」

    からからになってしまった口から、何とか言葉を紡ぎだす。

  • 157◆Uy3fVwZzyBcj24/12/16(月) 12:28:23

    「…………多分、死にます。そう、言われたというか。未来が決まっている、というか……」


    「……」


    私は頑張って笑った。


    「あははは、いきなりこんなこと言われて、びっくりしちゃいますよね。いやーホントなんでこう」


    「ヤタさん」


    「は、はい――」


    dice1d2=1 (1)

    1.そっと抱きしめた

    2.……!

  • 158◆Uy3fVwZzyBcj24/12/16(月) 12:45:53

    「ハグにはストレスを解消する効果やリラックスする効果があります」

    「……」

    身長差約24cm。セナさんの頭は大体首のあたりだ。私にはないものがめっちゃくちゃお腹辺りに押し付けられてるけど気にしてないのか素なのかわからない。

    「とりあえず落ち着いてください」

    ……セナさんがそう言うなら、そうさせてもらおう。割れ物に触るようにゆっくりと抱きしめ返す。セナさんには私の心音が聞こえてるのかな。

    「……心拍数が上がっているようですが」

    ですよねー!

    「こ、こういうのはその、よくやるんですか?」

    「いえ……私も不思議に思っています」

    「……ヤタさんだから、きっとこうしているのだと思うのですが」

    そのまましばらく静かに抱きしめていた。遠くでする爆発音、近くの瓦礫が少し崩れる音。静かでもないし、そういうムードでもない。

    でも、不思議と落ち着いてきた。

  • 159二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 18:14:06

    あれ、まさかのキマシ展開?

  • 160◆Uy3fVwZzyBcj24/12/16(月) 21:54:37

    「落ち着きましたか?」

    「……はい」

    セナさんが私から離れる。残った暖かさと、ほんのりとする消毒液の香りだけがさっきまで抱き合ってたんだなと思わせてくれた。

    ……これ以上はやめよう。

    「死ぬとかどうこう言っていましたが」

    「えっとですね……」

    とりあえずセイアさんの言っていたことを話す。先生もセイアさんの事は信じていたみたいだし……。

    「……なるほど、つまりヤタさんは行ったら死んでしまう、と」

    「おそらく、ですが」

    「来週の予定は私に何も言わずにキャンセルする気だったと」

    「……怒ってます?」

    少し目が細まっているような気がする。

    「はい。初めて友人とそういった事をするのでそれをこういった形で捨てられるのは私でも怒ります」

    「ご、ごめんなさい?」

  • 161二次元好きの匿名さん24/12/17(灍) 08:25:53

    このレスは削除されています

  • 162◆Uy3fVwZzyBcj24/12/17(灍) 09:28:57

    「謝罪するのでしたら」

    もう一度、頭を私の胸に預けてきた。こういう時は無くてよかったと思う。

    「……生きて帰ってきてください。貴方の死体は、見たくありませんので」

    「それって――」

    「セナ先輩!こっちに手を貸してください!」

    バっと離れた。声の主は多分救急医学部の人だろう。

    「……言いましたからね。絶対に帰ってきてください」

    「CDショップ巡り、楽しみにしていますから」

    ほんのり頬を染めたセナさんが、奥へと駆けていった。

    「生きて帰って来い、か」

    何とかしてみよう。今は、帰る理由がもっと増えたから。


    ――そして、戻るころには作戦開始時刻となった。

  • 163◆Uy3fVwZzyBcj24/12/17(灍) 12:02:18

    ブリッジの人たちは皆間に合ったらしく服が変わっていた。先生はテンションが上がってたけどああいうのはお約束、という物なのだろうか?

    「それでは、点呼を取ります」

    リン首席行政官が、淡々と今回の作戦に参加するメンバーを呼んでいく。

    「――アビドス対策委員会の梔子ユメ、小鳥遊ホシノ、黒見セリカ、十六夜ノノミ」

    「心配しないで、皆の事は私が守る。それにシロコちゃんも取り返す」

    ……ホシノさんが今までに見た事無いくらい真剣だ。それに髪も後ろでくくって、ボディアーマーまで装備してる。

    なんかこう、臨戦態勢って感じ。

    他にもゲーム開発部の子たち、それに美食研究会とフウカさん……完全に巻き込まれたんだろうな。

    そして――。

    「最後に、SRT特殊学園、熊野ヤタ、不落シロ、煙ヶ谷シエン」

    3人そろっていつもの癖で足をそろえて敬礼をする。まぁこれは染み付いたものだから取れないだろうなぁ。

    「特にヤタさんはあの発掘されたロボット、トライシードで戦闘の援護をお願いします。現状あの高度で飛行して戦闘が可能なのはあれだけですので」

    「任せてください」

    ≪念のために自動操縦モードを追加しておいたよ。施設が大きくても下りないと戦闘できない所も出てくるだろうからね≫

  • 164二次元好きの匿名さん24/12/17(灍) 21:23:58

    機能増えとる

  • 165二次元好きの匿名さん24/12/18(ć°´) 08:15:22

    自動操縦はありがたいな

  • 166二次元好きの匿名さん24/12/18(ć°´) 18:22:10

    至れり尽くせりだな
    頑張らなきゃ…だけど今のところ不吉なんだよなぁ

  • 167二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 00:08:59

    保守

  • 168二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 08:19:29

    そ

  • 169◆Uy3fVwZzyBcj24/12/19(木) 11:50:10

    いよいよ船が起動すると、艦内に軽い振動が起こる。

    アヤネさんには「ヤタさんが操舵をした方がいいのでは……?」と言われもしたが、今回はこっちに専念したいので断っておいた。

    まぁ、目標は大きいしこれに関してはまっすぐ突っ込む形になる。私の力は着くまで必要なさそうだ。

    「さてと、いよいよだな」

    「ヤタ、体調は大丈夫?」

    「ええ、平気です」

    やっぱりお母さんみたいなことを言われると若干のくすぐったさを感じるなぁ。

    到着まで準備をしようと思ったが、カンが囁く。ブリッジへ行けと。

    (……きっと何か起こったんだ)

    「すいません、ちょっとブリッジに上がります」

    「ん?おお、用事か?」

    「……まぁ、そんなところです」

    それに従って上がると、何か口論のようなものが聞こえてくる。

    船に何か起こったのかな?

  • 170◆Uy3fVwZzyBcj24/12/19(木) 12:20:46

    話が難しすぎてあまり理解はできなかったが、とりあえず今この船であのアトラ・ハシースの箱舟に突っ込んでも無駄な状態らしい。

    そしてそれを何とかするには、そこのアリスちゃんの力が必要、と。

    今出会って間もないけれど、彼女もきっと大変な目にあってきたんだと思う。周りの人たちの心配具合でそれが分かった。

    「つまり、アリスちゃんの力であのバリアを破壊すると」

    「はい!」

    「じゃぁ、援護します」

    「え?!どうやって?」

    傍にいたピンク色の……モモイちゃんだったかな。が驚いたように言う。

    「私にはその……なんていえばいいかな。自身の武器の命中率を100%にする力があるから、それで」

    ≪私も目の前で見たから信じていいと思うよ。ヤタがいれば何をするにしても確実性が上がるだろうから≫

    と、ウタハさんも同意してくれる。

    「凄いです!アリスはさらにバッファーを得ました!」

    「じゃぁ、行こっか」

    お願い、もう少しだけ、もう少しだけ耐えてね、私の体。

  • 171二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 21:27:18

    協力技で盛り上がるところなんだけど不安が…

  • 172二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 08:18:40

    大丈夫かな…

  • 173二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 19:02:34

    保守

  • 174◆Uy3fVwZzyBcj24/12/20(金) 19:13:33

    船の外はめちゃくちゃに強い風だった。当たり前だが目を開けるのでも精一杯。

    「ここでいいの!?」

    「はい!」

    丁度舳先ぐらいの位置で二人して止まる。すると、アリスちゃんの持っていた大型の武器がさらに大型の武器に変化していく。

    原理はわからないにしても、すごい。

    「ターゲット確認、出力臨界点突破……!」

    「魔力充電……100%!」

    そっとその武器に触れ、イメージする。力を流し込むような、そんなイメージ。

    「いきます!」

    「光――――!」

    「当たって――――!」

    「――――よ!」

    発射された光は、淡いオレンジの光輪をまといながら飛んでいく。

    そしてそれは吸い寄せられるように前の黒い玉に当たり――爆ぜた。

  • 175◆Uy3fVwZzyBcj24/12/20(金) 20:32:11

    二人で船の後部まで戻ってくると、アリスちゃんがパタリと倒れてしまった。咄嗟に手を出したので頭なんかは打っていない。

    「ああっ……!」

    「アリスちゃん!」

    「アリス!しっかりして!」

    ゲーム開発部の子たちが寄ってきて、心配そうにのぞき込んでくる。

    「脈拍……自発呼吸……大丈夫、多分気絶してるだけだと思う」

    「よ、よかった……医務室に連れて行こう!」

    アリスちゃんを3人に任せて、姿が見えなくなるまで見送った。

    「…………っ」

    その場にうずくまり、せき込む。脳が焼ききれそうな感覚すら覚える。

    全身の神経をやすりで擦られているようだ。

    「……お願い、あと少しだけ頼らせて」

    息を整えてから、2人の元に戻った。

  • 176二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:02:17

    死んじゃいかんぞ、君の帰りを待っている人がいるんだから!

  • 177◆Uy3fVwZzyBcj24/12/21(土) 07:37:46

    ――CDショップ巡り、楽しみにしていますから

    ――……君が、先生の代わりに死ぬ未来だ

    「随分と色々背負っちゃったなぁ……」

    痛む体をトライシードの中で何とかしようともがくが、何ともならない。モルヒネでもあれば打ってる所だ。

    ≪おい!もうすぐ箱舟に突っ込むってよ!≫

    「了解です!」

    グッと操縦桿を握りしめ、シートベルトを確認しなおす。そして――

    交通事故にでもあったんじゃないかというほどの衝撃。

    騒音。

    暗転。

    ……一瞬意識が飛んでたが、生きてるってことは成功なんだろう。

    ≪無茶するぜ……≫

    ≪いつもほどじゃないでしょ、ほら立って!≫

    レーダーを確認すると、敵の反応がちらほらと出てきている。当たり前か、敵の庭で騒ぎながらバーベキューをしてるようなものだ。

  • 178二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 17:38:59

    戦闘だ

  • 179二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:16:26

    生きててよかった…

  • 180◆Uy3fVwZzyBcj24/12/22(日) 09:22:37

    他の人たちは各校の人のサポートがついている。

    私たちは個人での行動が可能だ。元々作戦行動は十八番みたいなものだし。

    ≪ヤタ!ぶっ飛ばして!≫

    「了解!」

    トライシードに元々搭載されていたガトリングガンをスピンアップさせ――

    姿が見えた瞬間、一気に発砲。振動と発砲音と薬莢の落ちる音がコクピットに響き渡る。

    操作画面に出ている残弾数が面白いくらいに減っていった。

    後々の戦闘に備えていい所で止めて、ブレードに切り替える。

    展開したブレードがヘリのローターみたいにぐるぐると回転し、スラスターで突っ込みながら敵を切り裂いていく。なるほど、これはかなり良いぞ。

    「このぉ!」

    ちまちまとした相手を真っ二つにしながら、味方の援護に入る。

    ≪ヤタちゃん!≫

    ホシノさんが先頭で戦ってる。ハンドガンとショットガンをあんなうまく使えるのか……すごい。

  • 181◆Uy3fVwZzyBcj24/12/22(日) 18:32:26

    「よし、とりあえず目の前の敵はこれで最後みたいです」

    ブレードで持ち上げた敵を壁に叩きつけながら言った。使いながら使い慣れていく感じがする。

    ≪一旦ブリッジに報告に行こうぜ≫

    「ですね」

    そうしてアビドス組とRATEL小隊で報告に行こうとしたのだが……。

    ブリッジから爆発音が聞こえた。

    「急ごう!」

    ホシノさんが全速力で突っ込んでいく。

    「ま、待ってホシノちゃん!」

    盾を抱えながらユメさんもそれに続いていった。

    爆発で生じた煙の奥にいたのは――。

    「……止まって、シロコちゃん」

    あの雰囲気の違うシロコさんだった。また何か言うのかと思いきや、何も言わずに消えようとする。

    「待っ――」

    聞いたことのある、何かが落ちる音。フラググレネードっ……!

  • 182◆Uy3fVwZzyBcj24/12/22(日) 18:37:45

    「危ないっ!」

    咄嗟に――ユメさんが盾を持ってそれにのしかかる。

    刹那、爆発と爆炎が目の前を包み込んだ。

    「先輩っ!」

    ホシノさんがとんでもない声量で叫んでいた。

    「い、いったぁい……」

    幸いというかまぁ盾越しに爆発を食らった程度で死ぬことはないが、それでも吹き飛ばされはしたので怪我はしていた。

    「毎回人に無茶をするなと言っているのに……!」

    「で、でも今ホシノちゃんは盾を持ってないし……」

    「そういう問題じゃ……!」

    「はいはい、喧嘩は後でして。シロコの事と過去の事でしっちゃかめっちゃかになってるのはわかるから抑えなさい」

    RATEL3が止めに入った。

    「…………そうだね、ごめん。先輩もごめんなさい」

    「大丈夫、皆でシロコちゃんを助けよう?ね?」

    「オレはこの船に爆発でダメージが入ってないかも不安なんだが……」

  • 183二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 23:04:53

    ユメ先輩はやっぱりユメ先輩だね

  • 184二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 08:51:01

    本当に心配させるようなことをするな…

  • 185二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 19:54:02

    爆発はまぁ頑丈だから大丈夫でしょう

  • 186◆Uy3fVwZzyBcj24/12/23(月) 23:45:18

    船の状態はエンジニア部の人たちに任せ、私たちはこのアトラ・ハーシスの箱舟を制圧する事となった。


    「3つのエリア、か。どうする?」


    「先生、他の方たちとそちらに回ってください。私たちはこの船を防衛します」


    元より追加要員だ。なら派手に動き回るよりはこちらにいた方がいいだろう。


    "わかった。みんなも無茶しないようにね"


    「そっちもご無事で」


    先生は他の子たちを率いて占領戦に向かった。


    皆無事に帰ってきてくれるといいのだけれど……。


    「ガトリングガン、弾薬込めておこうかな」


    トライシードはまだまだ元気だ。この子にはここに居る間世話になる。今のうちにできる事はしておこう。


    dice1d2=2 (2)

    1.気づく

    2.気づかなかった

  • 187二次元好きの匿名さん24/12/24(灍) 09:17:03

    ありゃ

  • 188◆Uy3fVwZzyBcj24/12/24(灍) 12:05:39

    先生の指揮のもと、何とか他の生徒の人たちが各エリアを占領していっていた。

    「馬鹿みたいに湧くなこいつら!」

    「無駄口の前に手を動かしなさい手を!」

    ……こっちはこっちで船を守るのに精いっぱいだったが、敵の拠点だ。当然こうなることは織り込み済み。

    弾薬は余るほど持ってきている。どんとこいだ。

    あと、その最中でシロコさんが見つかったらしい。通信越しに聞いた声も聞き覚えがあった。

    あの雰囲気の違うシロコさんが何なのかはわからないが、今はとりあえず安心だ。

    そして、全エリアの占領とヴェリタスの人たちによるハッキングが完了。

    箱舟の自爆シーケンスが起動可能となったのだが――。

    「とっとと逃げてぇもんだな」

    ≪……なにか様子がおかしい≫

    「どうしたのよ、またいつものカン?」

    ≪ええ、なにか嫌な感じがします……≫

    ―自爆シーケンスが起動―

  • 189◆Uy3fVwZzyBcj24/12/24(灍) 12:16:32

    ≪危ないっ!≫

    咄嗟にトライシードを二人の上に覆いかぶせた。その瞬間、振動と同時に各所から爆発が起こる。

    「おいおい!まだやるなんて聞いてねぇぞ!」

    「カンが当たったわね!多分想定外よこれ!」

    諸々がおさまり、あたりを確認する。幸い二人は怪我をしていないし、トライシードも深い損傷は受けていないようだ。

    「大丈夫?」

    ≪機体は問題なし、私も無事です……でも厄介なことになりましたよ、外が≫

    「外って……!また空が赤く!」

    「これってまずいんじゃねぇのか……!」

    ≪……できる事は、やるだけやります≫

    「は?」

    私はトライシードのハッチを開け、RATEL3にデジタルオーディオプレーヤーを投げ渡す

    「すいません、もしもの時はお願いします」

    それだけ言って、トライシードをアタッカーモードに変更、船から飛び出した。

  • 190◆Uy3fVwZzyBcj24/12/24(灍) 21:34:12

    仕事の兼ね合いで明日新スレは立てます。
    時間がかかりそうなのと終わりが見えてきたので
    なにか質問があれば答えます……。

  • 191二次元好きの匿名さん24/12/24(灍) 22:19:33

    >>190

     偽ヴァルキューレ生、今作では「人工皮膚を纏ったオートマタ」として描いているんですかね?(>>117から再投)

     あと、RATEL小隊3人の主武装については毎スレ冒頭で言及されてますけど、副武装についてはどこかで言及されてましたっけ?

  • 192二次元好きの匿名さん24/12/25(ć°´) 08:22:04

    ヤタとセナに恋の感情はあるのだろうか…

  • 193二次元好きの匿名さん24/12/25(ć°´) 19:47:52

    ホ

  • 194◆Uy3fVwZzyBcj24/12/25(ć°´) 19:57:44

    >>191

    >偽ヴァルキューレ生

    この世界ではそうです。ターミネーターみたいなもんです。


    >副武装

    設定上ではヤタがGlock17、シロがM93R、シエンがStaccato P DUO としてます。

    パーツ単位で組んでますがそこまで銃を細かく書いてもあまり……という思いで切りました。

  • 195◆Uy3fVwZzyBcj24/12/25(ć°´) 19:59:57

    >>192

    現状は"ある"という体で書いてます。


    友情ダイス一回も成功しなかったら自然消滅してました。

  • 196◆Uy3fVwZzyBcj24/12/25(ć°´) 20:06:15
  • 197二次元好きの匿名さん24/12/25(ć°´) 20:47:31

    立て乙

  • 198二次元好きの匿名さん24/12/25(ć°´) 20:48:38

    たておつです

  • 199二次元好きの匿名さん24/12/25(ć°´) 21:07:31

    たておつ

  • 200二次元好きの匿名さん24/12/25(ć°´) 21:07:48

    うめ

オススメ

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