1が小説執筆するのを監視するだけのスレ2

  • 1二次元好きの匿名さん22/03/02(水) 23:36:28
  • 2二次元好きの匿名さん22/03/02(水) 23:40:27

     アカネとジイクさんを置いて大広間を駆け抜け、僕とリリィさんは目的の『祈りの間』にたどり着いた。

  • 3二次元好きの匿名さん22/03/02(水) 23:45:23

    「とりあえずここまでくれば安心、っと。そっちは――」

    「ああもうちょこまかと! 爺!」
    「お任せください!」

     アカネたちの様子を聞こうとしたが、|VC(ボイスチャット)から伝わる様子にそれどころではないようだ。

     オーダーである僕は既に別の部屋に移っているため状況も分からず指示も出来ない。だが、敵も味方も足止めのためにクロスレンジまで接近していた。

  • 4二次元好きの匿名さん22/03/02(水) 23:52:25

     作戦よりもお互いの戦闘センスが物を言う距離、だったら『特攻前衛』のアカネに任せておけば問題ない。長年コンビを組んでいた『戦場把握』のジイクさんのサポートもある。



    「よし、アーマー割った!」
    「アカネ様、フォローが来ます!」
    「っ!」
    「少々耐えてください……よし、ダウンさせましたぞ!」
    「ナイス、爺! これで……トドメ!!」

     勝負は一瞬。
     アカネとジイクさんによって敵をダウンさせたログが流れる。相手の名前が表示されるがやはり『GD』の『以心伝心』コンビだったようだ

  • 5二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 00:00:08

    「勝った! ……って、うわっ!!」
    「まあそう来ますな」

     ダウンさせた敵とは別方向から飛んでくる銃弾。戦闘音を聞きつけた漁夫部隊によるものだ。

     分かっていたことだった。2対2の勝負は仲間を通過させるための時間稼ぎ、どちらが勝とうとも漁夫が来て蹂躙することは。

    「……まっいいわ、『GD』のアポロンとかいうやつへの復讐は出来たし」
    「後は頼みましたぞ」



     そうしてアカネとジイクさんはダウン、アポロン・アルテミス選手と共に確殺まで入れられる。
     その4人を倒した部隊もまたさらなる漁夫部隊に倒され、新たなスパイラルが生まれていく。

  • 6二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 00:05:59

    ========

    『GD』サイド



    「ああもう負けたぁぁぁっ!!」

     アポロンの慟哭が|VC(ボイスチャット)に響き渡る。

    「どうせ勝っても漁夫部隊に倒されるだけでしょう、カイトたちが進むための時間を稼いだ時点で私たちの役割は完遂よ」

     対してアルテミスは冷静だ。

    「いや、そんなん分かってるけど、でもせっかくやったら勝ちたいやん! あの巫女、『APG』のチビガキやろ! 絶対俺倒してドヤ顔してるって!」
    「最終的にカイトが勝てば私たちの勝ちよ。それで二人は目的の場所までたどり着いたの?」
    「ああ、おまえたちのおかげだ」

     カイトこと俺とシズカの二人は『神殿の廃墟』の中心部『祈りの間』にいた。
     

  • 7二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 00:10:32

     ここが最終安置に近くなるはずだが、周囲で起きた戦闘に引き寄せられたのか誰もいない。
     いや、いなかった、というべきか。

    「『APG』ですか」
    「ああ」
    「上を取られましたね」
    「問題ない。ゲームの仕様的に最後は降りないといけないはずだ」

     大広間を駆け抜けて俺たちがたどり着いたのが一階部分、『APG』がたどり着いたのが二階部分だ。

  • 8二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 00:15:53

     やつもこの場所に弾き出すとは……いや、やつのオーダーとしての能力を考えれば必然か。

    「どうしますか?」
    「しばらく待機だ。警戒もいらない。やつだって今戦えば漁夫が押し寄せてくるのは分かっている。仕掛けてくるのはもっと部隊が減ってから……俺たちと残り2部隊だけになってからだ」

     同じレベル、同じ目的、故に導かれる最適解は一緒だ。
     

  • 9二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 00:21:10

    ========

    『APG』サイド



    「罠かかりました!」
    「これで壊滅だね」

     安全地帯の収縮が開始され、範囲の内側にいる僕たちのところ目指して駆け込もうとする敵部隊を排除する。

     漁夫スパイラルでかなりの部隊数が減った。残り4部隊だったところから3部隊となって……すぐに2部隊となった。

  • 10二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 00:25:21

    「『GD』の方でも敵部隊を倒したようですね」

     僕らも彼らも二人しかいないが場所の有利が大きい。この激戦の中、仲間を犠牲にしてでも取っただけの理由はある。

    「残ってるのアカネたちと『GD』だけ……ってことはどっちが勝っても優勝が決まるってこと? えーアカネもっと戦いたかったのに」
    「見ているだけとは存外もどかしいですな」

     ジイクさんとアカネの蘇生は無理だ。同様にアポロンアルテミス選手の蘇生も無理だ。

  • 11二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 00:29:44

     僕とリリィさん、カイト選手とシズカ選手の2対2で優勝が決まる。

     最終収縮が始まるまでまだ少し時間があるので考える余裕はある。

     鍵となるのは互いのポジションだ。
     僕らは吹き抜けとなっている『祈りの間』の2階部分にいて、『GD』は一階部分にいる。
     上を取れているのは有利だが、カイト選手たちが隠れている場所の方に回廊が伸びておらず、上から一方的に撃つということは出来ない。
     だが上から下に飛び降りる、仕掛けるタイミングは一方的に持っていると言える。

  • 12二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 00:35:51

     対して敵にもアドバンテージがある。最終収縮の最終範囲が近い場所に設定されたことだ。
     故に僕らが迎え撃つことが出来る。



     状況的に僕らが積極的に行かないといけなく、『GD』は消極的に行かないといけないわけだ。



    「待つ方だったら罠を仕掛けたり色々考えられたんだけど……」

     僕が慣れないことをしないといけないのに対し、『完全指揮(パーフェクトオーダー)』はそれでも卒なくこなすだろう。

     考えるべきは三点。

     一つはどう仕掛けるか。
     二つはいつ仕掛けるか。

     三つ目は――。

  • 13二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 00:40:57

    ========

    『GD』サイド



    「考えるべきは『技能|模倣(コピー)』に誰を模倣(コピー)させてくるか」



     『技能|模倣(コピー)』。
     おおよそのプロの技能を再現できる規格外の戦士の力をどう使う?

     中距離で仕掛けさせるか、近距離で仕掛けさせるか、はたまた手榴弾を投げさせるか。

     選択肢は無限大。
     だが取れるのは一つだけ。

     俺がもしマモルの立場だったとしたら決めきれないだろう。

  • 14二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 00:42:23

    それほどに悩ましいが。

    「何が来ようとも対応してみせる」








     残り二部隊、生存人数4人。
     最終決戦の時、迫る。

  • 15二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 00:43:32

     94話 終了

     勢いで書いてちょっと抜けがあるから、一日置いて明日修正してから投稿します。

     おやすみなさい。

  • 16二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 12:30:21

    保守

  • 17二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 23:35:08

    どこからともなく保守マンありがとうございます。

    やっていきます。

  • 18二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 23:40:09

    『さあて第十マッチも佳境!! 現在の生存部隊数はなんと2!! 『Golden Dragon』と『Akane and Palace Guard』どちらもビクトリースタンバイ状態のチームだ!!』

    『これで優勝が決まりますね』



    『お互い最終盤手前で味方二人が落ちているため2対2! 人数差はありません!』
    『どちらもポジションを取るために犠牲になったという感じでしたね。実際そのポジションのおかげで二人でも最後まで生き残れていますし、戦況読みはどちらのオーダーも流石です』

  • 19二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 23:45:40

    『さて戦場の説明をしたいですが……これまでの激しい漁夫合戦から一転、静かですね』
    『『GD』は一階に、『APG』は二階に、遮蔽に隠れて範囲ギリギリの対角線上にいますね。銃弾が届かないためまだ動きが無いようです』

    『となると最終収縮が始まり遮蔽から出ざるを得なくなったときに勝負、ということでしょうか』
    『基本はそうですが、変化も十分考えられます。仕掛ける権利は上の『APG』のオーダーマモル選手が持っていますね。対して『GD』は迎え撃つしかないでしょう』

  • 20二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 23:49:45

    『消極的オーダーがどう攻めるか! 『完全指揮(パーフェクトオーダー)』がどう守るか!』
    『最終収縮まで残り一分。ドキドキハラハラしますね』



    ========

    『GD』サイド



     最終収縮開始まで残り一分。
     ギリギリではなくマモルが早めに仕掛けてくる可能性もある、警戒は怠らない。

  • 21二次元好きの匿名さん22/03/03(木) 23:54:27

     『技能|模倣(コピー)』がどの技能を模倣(コピー)するか、結論が付かないことを考えるのは止めた。
     起こったことに対処するだけ。
     大丈夫だ、俺なら対処できるし、『絶対順守』のシズカなら応えられる。

    「シズカ」
    「何でしょうか?」

    「勝つぞ」
    「……はい!」



     動きを待ち続けること1分、敵ではなく戦場が先に動いた。

     最終収縮の開始。

  • 22二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 00:00:59

    (早仕掛けはしてこなかったか)

     意表を突くために何かしてくるかと思ったが。
     こうなれば徐々に狭まる範囲に合わせてジリジリと前に歩を進めるしかない。
     そうして今まで隠れた遮蔽から体を晒すしかなくなったその瞬間。

     ドン、と横手に着地する音がした。



    「――っ」

     キャラを確認、罠師、オーダーのマモル、ダッシュから飛び降りた、至近距離、着地隙、フォーカスを合わせて早々に排除――。



    「正面だ!!」

     無防備な敵を倒すというSSSをプレイしてきてもはや染み付いた反射をどうにか振り切って、視線を正面に戻す。

     視界の端で罠師がかがむ姿と、正面に鳥使いが着地した姿を捉える。

  • 23二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 00:05:28

    (それは想定済みだ……!)

     『技能|模倣(コピー)』に対応しようと身構えていれば、いきなり現れた無防備な罠師を撃ってしまうだろうと読んだのだろう。

     ダウンされるまでの間にスキル『罠設置』を発動。このスキルは罠の設置に1.5秒、立ち上がって汗を拭うのに1.5秒で隙を晒す。
     だがダウンしても設置にさえ成功すれば罠の効果は発揮する。
     俺とシズカをスロウにすれば『技能|模倣(コピー)』が余裕で1対2でも制せる……そういう考え方だったのだろう。

  • 24二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 00:10:29

     マモルは戦闘面が拙いという弱点を持っている。なので割り切って囮に徹するという考え方。

     同じ策を非公式大会『スター杯』でも使われたが、俺はそれを見破った。
     だからこそもう一回はやらないと考えたか? いや、だからこそやってくると思っていた。

     罠の範囲から逃れるように前進しながら一瞬罠師に向けてしまったフォーカスを正面に戻す。
     その間に鳥使いは着地を終えて銃口をこちらに向けている。

  • 25二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 00:15:13

     お互いに周囲に遮蔽は無い。早打ち勝負。

     敵は一人だが『技能|模倣(コピー)』の化け物。
     対してこちらは二人だがマモルによって意識を逸らされ、前進しながら照準の定まらない中、撃たないといけない。

     この距離……模倣(コピー)させたのは『中間支配』か?

  • 26二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 00:20:13

    完璧な反動制御(リコイル)によって中距離での撃ち合いを支配する技能。

     だとしたら分が悪いかもしれないが――それでも。

    「倒すぞ!!」
    「はいっ!!」

     瞬間出たのは曖昧な指令、だがシズカは合わせてくれる。

     二人で鳥使いにフォーカスを合わせて――撃つ!

     お互い正面から撃ち合えば勝負は一瞬だ。

     敵は先にシズカを狙ったようだ、体力が溶けるように消えてダウン。

  • 27二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 00:24:41

     しかしその間にきちんと敵の体力を削っていて、アーマーは割れている。

     後は俺が――。



    「よしっ!」

     鳥使いがリロードしてこちらに銃口を向けなおす前にダウンさせる。

     俺は無傷のまま。

     完璧だ。

     これで後は振り返って罠の設置を終えて無防備な罠師を撃てば優勝が決まる。

     そうだ、俺たちの勝ち――――。



    (いや、どうして無傷なんだ?)

  • 28二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 00:30:31

     不穏な予感が鎌首をもたげる。

     おかしい、『技能|模倣(コピー)』と戦ってどうしてここまで上手く行った?

     これでは単純にシズカと相打ちになっただけ。

     おおよそプロの技能を模倣(コピー)したとは思えない戦果。

     意図は分からないが……だとしたら、もしかして――。

     『技能|模倣(コピー)』に誰も模倣(コピー)させなかったのか――?

    ========

    『APG』サイド

     最終衝突前まで時間を遡る。





     リリィさんにどの技能を模倣(コピー)させるのか。

     迷っている僕に対して。

  • 29二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 00:32:51

    (´◉ω◉` )

  • 30二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 00:35:28

    リリィさんは。


    「マモル君、はい、これ」


     そう言いながら渡されたのはリリィさんが持っていたEXウェポン、『EXマシンガン』だ。




    「え……?」


     これまでで運よく一本拾えていたEXウェポン、強武器を十全に扱えるリリィさんが持つのは当然ということで持たせていたのだが。


    「どういうつもりですか?」

    「え、それは、その……EXマシンガンがマモル君に使われたいよー、って言ってたからさ」

    「は?」


     ヤバい。素で聞き返してしまった。

     この最終決戦の迫った土壇場で何を言い出すのだろうか。


    >>29

    (´◉ω◉` )

  • 31二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 00:40:19

    「察するにですが」

     ジイクさんが割り込んでくる。

    「リリィ様は緊張しているのでございますね?」
    「うっ!」
    「緊張……?」

     まだピンと来ない。



    「だ、だってマモル君のことだから私に撃ち合い任せようと思ってるでしょ! そりゃ私の方がマモル君より強いけど」
    「辛辣ですな」
    「で、でもそんな重役、私なんかじゃやりきれないって!」

  • 32二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 00:44:36

    「……なるほど」

     リリィさんの言う通りだ。
     何の技能を模倣(コピー)させるにしても、僕は補助で、リリィさんがメインの作戦で行くつもりだった。
     強い人に重要な役を任せる、それが勝率が高いからだ。

     だけどリリィさんは技能はすごいけど、メンタルは初心者に毛が生えた程度。
     勝つも負けるもリリィさん次第である、というプレッシャーをかけていることに……僕は気付いていなかった。



    「リリィのビビリ~」

     アカネが煽る。

  • 33二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 00:50:21

    「そ、そんな言われても……! ううっ、やっぱり私がやらないといけないよね?」

     リリィさんがEXマシンガンを拾いなおそうとして。

    「いえ、その必要はありません」

     僕がEXマシンガンを拾う。



    「マモル君……いいの?」
    「いいのも何も、リリィさんこそいいんですか?」
    「え?」


    「この優勝が決まる大一番、そのラストキルともなればもっとも注目される場面です。おそらく大会公式SNSにもハイライトとしてクリップが投稿されて、何万回も閲覧されめちゃくちゃ目立てるんですよ。そんな栄誉をわざわざ僕に譲ってくれるなんて」


    「そ、そう言われると……惜しいことをしてるの、私?」
    「残念ながら今さら譲り返したりはしませんからね」

    「ズルいわよ、マモル! っていうか、やっぱりアカネより目立とうとしてるんじゃないの!?」

  • 34二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 00:55:37

    「ふぉっふぉっ、これはまた特集組まないとですな」

     まるで優勝のかかった大一番の最中であるとは思えないほど和気藹々と盛り上がる|VC(ボイスチャット)。

     そうだ、忘れていた。
     僕の目的はこの大会を優勝することではない。
     それは手段でしかない。

     本当の目的はこの仲間たちとゲームを楽しむこと。



     だったら取れる作戦は一つだ。

    「リリィさんはリリィさんらしく動いてください」

    「私らしく?」

    「はい。後は僕が決めますから」

  • 35二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 01:00:24

    ========

    『GD』サイド


     『技能|模倣(コピー)』は誰も模倣(コピー)していない。

     そして普通の武器を使っている。

     だからシズカと相打ちするのが精一杯だった。



     まるで捨て石……だとしたら本命は――。

     撃ち切った銃弾をリロードしながら俺は振り向く。

     そこにはこちらにピタリと銃口を向けている罠師がいた。



    「…………」

     マモルは策を読まれることを読んでいた。

     だから『罠設置』のスキルを使うとみせて、すぐキャンセルした。

  • 36二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 01:05:19

     もしマモルをそのまま撃っていれば罠設置をキャンセルしているため、罠は無くこちらが勝っていただろう。

     この場面で『技能|模倣(コピー)』の方を囮にする。



    「見事! ――だが負けてたまるか!!!」



     まだ体力は尽きていない、負けは確定していない。

  • 37二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 01:11:06

     最後の時まで、諦めたりはしない。

     世界の滅亡を防ぐ……なんてどうでもいい!

     このチームを優勝に導くためにも……!

    「ああああああああああああっっっっっ!!!!!!!!」



    ========

    『APG』サイド



     リリィさんはシズカ選手と相打ちに持って行ってくれた。

     後はカイト選手を倒すだけ。

     僕が、倒すんだ!



     罠設置を即キャンセルして銃を構える。

     一度かがむモーションを入れたため視界が大きく変わる。

     ここからしっかりカイト選手に狙いを付けて撃たないといけない。

  • 38二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 01:17:41

     戦闘の基本ではあるが少しでも狙いがズレれば倒しきれずアウトだ。

     苦手意識はまだある。

     それでも僕だって頑張って来たんだ……!!



    「ああああああああああああっっっっっ!!!!!!!!」




    ========



    『第十マッチ決着!! 勝ったのは――

     チーム『APG』!!!!!!!』



    『ビクトリースタンバイでのスターの獲得!』

    『ええ! これにより『APG』がSSS全国大会、アマチュア部門制覇!! 優勝だぁぁぁっ!!!!!!』

  • 39二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 01:30:18

    95話 終了

    約4500字 最終決戦だけに長くなった。
    決着ついたので後はエピローグ代わりの最終話で終わりですね。

    おやすみなさい。

  • 40二次元好きの匿名さん22/03/04(金) 13:24:05

    保守

  • 41二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 00:00:52

    今日はお休みの保守

  • 42二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 11:54:53

    保守

  • 43二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 17:11:06

    昼間ですが夜に投稿したいので今から始めます。
    最終話ですがノープラン。
    まあ筆の赴くままに書いていきましょー

  • 44二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 17:20:10

    『ええ! これにより『APG』がSSS全国大会、アマチュア部門制覇!! 優勝だぁぁぁっ!!!!!!』

     大会会場に実況の雄たけびがこだまする。
     しかし、それすらもかき消さんばかりに観客による熱狂の叫びが響く。



    「勝った……のか」

     マモルこと僕はデバイスから手を放し、ヘッドセットを取り外す。
     まるで他人事のような感想を呟きながら背もたれに全体重を預け、天井を見ながらもう一度呟く。



    「勝ったんだな……」



    「なーに浸ってんのよ、マモル!!」

    「うわっ……!」

     背もたれを蹴られた反動にビックリしながら立ち上がる。


    「最後よくやったじゃない!」

  • 45二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 17:25:21

    「……ああ、合宿からずっと戦闘訓練したおかげかな」

    「ふふーん、つまり訓練に付き合ってあげたアカネのおかげってわけね」

    「そうだな、そのおかげでもうアカネより強くなったかもな」

    「は? 調子乗んな。っていうか最後の戦闘も最初の方エイム合ってなくて弾切れギリギリだったから」

    「すいません……」

  • 46二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 17:31:08

     アカネにシメられる。

    「アカネ様そこらへんで。実際戦闘特訓前とは別人のようになられたと思いますぞ」

    「ありがとうございます、ジイクさん」

    「それにしてもこれにて優勝、プロ入り決定ですな。この年にして新たな戦場に登ることが許されるとは……年甲斐もなく血沸き肉踊りますぞ」

  • 47二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 17:35:36

    「ジイクさん……いつの日か、これまでに巡ってきた戦場について話してくれませんか?」

    「ふぉっふぉっ……確約は出来ませんな。一つや二つの秘密が魅力的な年寄りには必要だと思いますので」

     ガードの固いジイクさんでも今の昂揚した状態なら、と思ったがはぐらかされる。

  • 48二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 17:41:08

    「わあああああっ! 良かった、良かった! ありがとね、マモル君!!」

     リリィさんが僕の元にやってくるや否や、僕の肩を掴み高速で頭を下げる。

    「どうしたんですか?」
    「だって最後の2対2、私が先に落ちちゃった瞬間『あっ!? ヤバっ……!?』って頭が真っ白になっちゃって……でもその後マモル君が勝ってくれたから、もうほんと……!!」
    「それなら大丈夫ですよ、最初からリリィさんを囮にするつもりだったので」

  • 49二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 17:46:38

    「えっ!? 私、囮だったの!?」

     どうやら自分でも気づいていなかったようだ。
     最終衝突、あのまま僕が作戦を考えてたら、それを『完全指揮(パーフェクトオーダー)』に読まれて負けていただろう。
     でもリリィさんが僕たちらしく戦うことを思い出させてくれたおかげで、結果的に裏をかき勝つことが出来た。

     この優勝はリリィさんのおかげ――。



    「囮……知らないうちにそんな上手くやってたなんて。もしかしてこれが私の才能? だったら最後勝てたのも私のおかげだよね? ねえ、マモル君、ちゃんとそのこと言って私も注目を浴びるように……」

    「ええ、分かりました。いい年して制服着た写真と一緒に拡散してあげますよ」

    「それは止めてよっ!!!!」

  • 50二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 17:50:18

     何やら調子乗りだしたので黒歴史を持ち出して対抗する。
     そういえば実際に会うまでは高校生だと騙されてたなー……もう既に懐かしい記憶だ。

     それだけに出会ってからの日々が濃密だった、ということなのだろう。



    ========



    『GD』サイド

  • 51二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 17:55:12

    「すまない……」

     最後の最後で、マモルとの一対一に敗れ優勝を逃してしまった。



    「まあ仕方ないでしょ。敵が一枚上手だったわ。この結果にケチ付けるようなやつがいたら私がぶん殴ってあげるわ」

    「おうおう、カイトのあんちゃんよぉ? なーに最後負けてんだ、ああん?」

    「あっ、早速いたわね」

    「いたっ!? いや、本気で殴るやついるか!?」

     アルテミスとアポロンがいつものバカをやって雰囲気を和らげようとしている。

     そう分かっているのに、すぐには立ち直れそうにない。

  • 52二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 18:00:22

     おかしいとは思ったんだ、一度破られた策をまた愚直に繰り返すなんて、もう少し罠師の方を見てスキルの使用をキャンセルするかを確認していれば、いやしかし正面の『技能|模倣(コピー)』も脅威だったし、結局こちらの思考が読まれていた時点で…………。

     グルグルと今の反省が頭を巡る。



    「あーしかし負けちまったけど任務はどうするんかいな」

  • 53二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 18:06:16

     アポロンが思い出したように言う。

     任務、僕らに課せられた任務はこの大会で優勝することによってSSSのプロ界隈に潜入し『組織』の計画を、世界の滅亡を防ぐことだ。

    「そうね……私たちがプロになれないとなると……予備のプランでもあるのかしら……?」

     すっかり忘れていたがこのままでは世界は滅亡して――。



    「それなら問題ありません」

    「シズカ?」

    「昨夜ですが内々に打診がありました。DAY1での活躍を見て、もしこの大会で優勝出来なくても、私たちと契約してプロチームを立ち上げたいというスポンサーが」

    「それは……本当か?」

    「ええ。これから契約の詳細を詰める必要があるので『APG』よりは遅れるでしょうが、私たちもプロ入り出来ます」

  • 54二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 18:10:09

     プロ入り出来る……ということはつまり。



    「『APG』にリベンジ出来るってことか……!!」



    「いや、そこは建前でもいいから世界の滅亡を防げる、って言いなさいよ」

     アルテミスのツッコミ。



    「うぉぉぉっ!! そうや! 次は負けへんで!!」

  • 55二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 18:16:06

    「あんたも……ったく」

    「ふふっ……」

    「何か傍観者のように振る舞っているけどシズカも。昨夜の内に打診があったならちゃんと共有しておきなさいよ」



    「そうだな、重要な情報は共有するように言ってたはずだが」

    「……ええ、ですがもし負けてもプロになれると分かっていたら今日の戦いはこれほどまでに楽しめなかったでしょう?」

    「それは……」

    「まっ、そうやな」

    「あんた……『絶対順守』失格よ。ああもうチームメンバー全員ポンコツなんだけど!?」

  • 56二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 18:21:16

    「そう言ってるアルテミスだって、また『APG』と戦えるのワクワクしてるのバレバレやけどな」

    「なっ……!?」

    「そういえばアポロンはところどころ『APG』にやり返してるのに、アルテミスはあまりいいところは無かったな」

    「重要な情報ですね、共有しましょう。アルテミスもポンコツ……っと」

    「あんたたちは~~~~~っ!!!!!」





     その後、『GD』は南の島でバカンスを楽しみながら契約の話を進め、一か月後プロデビュー。
     『APG』やその他プロチームと鎬を削りながらも、プロ界隈に潜む『組織』の陰謀に立ち向かっていくのだが――。

     それはまた別の話。

    ========

    『APG』サイド

  • 57二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 18:26:37

    「え、僕が優勝インタビュー受けないといけないんですか?」

    「アカネが変わってもいいのよ」

    「そうは行かないでしょう。ほら急かされてますから」

    「マモル君、ファイト!!」

  • 58二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 18:30:32

     お立ち台に呼ばれた僕は実況と解説の質問に答える形式で話していく。



    「きっかけは本当、偶然で野良マッチで味方となったリリィさんとこれからも一緒に遊ぼうと誘われて」

    「アカネとジイクさんとは最初はちょっと合わなくて、思いっきり戦ったこともあって」

  • 59二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 18:36:35

    ↑ 会話前に追加
    「もともと違うチームに僕は所属していたんですけど、ちょっと方針が合わなくて脱退して」



    「チームを組んで最初は非公式大会に出たんです。予選も大変だったけど突破して」

    「本選では今日戦った『GD』に敗れたんですけどね」



    「そこからはこの大会で優勝するために合宿もしたりみんなで強くなって」

    「予選は本当毎回大変でしたね」



    「ああでも昨日のDAY1が一番大変だったかもしれません」

    「ラストマッチは本当に緊張しました」

  • 60二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 18:46:12

    「逆に今日はのびのび戦えたと思います」

    「最後も勝ったことより、僕たちらしく戦えたのが良かったです」



    「最後に一言……ですか? ええとこんな素敵な大会を開いてくれて関係者には感謝です。大会楽しかったです。SSS楽しかったです。ゲーム楽しかったです!」

    「これからもチームのみんなと一緒に楽しんでやっていきたいと思います!!」

  • 61二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 18:52:03

    おしまい。

    というわけで『消極性FPS理論』は完結です。
    少々調整などしてから投稿します。


    こんな酔狂なスレに付き合ってくださりありがとうございました。
    一週間に一話投稿すればいい方だったスレ主が、この3週間で15話ほど投稿出来たので、この執筆方法いいかもしれません。
    『中二病w』とか『自分に酔ってるw』みたいな書き込みあるかと思っていたのですが、特に無かったですね。

    ……いや単純に『何だこのアホは?』とスルーされてるだけか。

    また新作作成するつもりなので、いつかこの執筆方法再開するかもしれないので、その時はお願いします。

  • 62二次元好きの匿名さん22/03/05(土) 19:50:33

    お疲れ様  新作も楽しみにしてる

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