正義実現委員会の初代委員長は、実は二人いる。という話を聞いたことはありますか?

1二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 00:06:12

人々から尊敬され、正義実現委員会発足の原因とされる彼女は、未だに学園に記念学籍を残され、永劫不滅のもう一人の委員長として在籍しているそうです。
ですがその名は既に歴史から抹消され今は誰も知るものは居ません。一体なぜか。
伝承によれば、平民出身でありながらその厳格な規範意識で風紀委員長に取り立てられた彼女は、圧倒的なまでの武力と、ティーパーティーからゲヘナ生まで平等に扱う公平性、自他の傷を癒す異能を以て黎明期トリニティに正義と平穏を齎しました。

ですがいつの時代も平穏は長く続かぬもの。そして成功した者への嫉妬の感情もまた、いつの時代も変わらないものです。
すぐにとある生徒と彼女との関わりが学園では取り沙汰されるようになります。
曰く、桃色の髪に小柄な体躯、頭の左右から生えた立派な二対の黒い角。
彼女の力が穢らわしいゲヘナの悪魔との契約によって得られたものだと言う事、そして彼女らが単なる友情を超えた感情を互いに抱いていると言う事実は、彼女を疎ましく思う連中にとってあまりにも都合の良いものでした。
それが「魔女狩り」へと急速に発展していった事も、想像に難くないはずです。

ですが。彼女の「追放」以降、トリニティでは不可思議な現象が起こり始めます。
彼女が拠点としていた、今はもう放棄された廃教会。
もはや鐘も取り外されたそこから、時折響いてくると言うのです。聞こえるはずのない鐘の音が。
在りし日の彼女が、裁判の開始を告げるために鳴らしていた、審判の鐘の音が。

━━そしてその鐘の音が聞こえた日に生まれた赤子は。
皆一様に彼女と同じ、漆黒の髪に返り血のような真紅のヘイローを持っているというのです。

人々は大いに恐れ慄きました。これは呪いなのだと。
ですが、その日に生まれた彼らは違う感想を持っていました。
これは祝福であると。彼女が成せぬままに終わった正義を、彼女の遺志を、今度こそこの地に実現するチャンスを。自分たちは光栄にも与えられたのだ、と。そして「正義実現委員会」が発足したのです。
なんとも麗しい先輩後輩間の愛情。貴方もそうは思いませんか?

そういうこった!

2二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 00:06:42

━━彼女の帰還の理由は私たちにもはっきりとは分かりません。
ある人はトリニティへの復讐のためと言うでしょう。またある人は甘味好きで知られた彼女が、単に新作のスイーツを食べたかったからだと言うかもしれません。
そしてきっとそれらもあながち間違いではないでしょうね。
ですが卒業生が母校を訪問する一番の理由と言えば━━やはり後輩達の活動の視察でしょう。

まあそういうこったぁ!!

ふふふ……先生。貴方が愛する生徒たち、彼女らが実現する正義は、果たして彼の者の悲嘆と怨嗟を鎮めるに足る“崇高”を持っているのかどうか。
私としても大いに期待していますよ

3二次元好きの匿名さん24/11/18(月) 00:09:39