【オリ生徒/🎲はフレーバー】わたくし、颯爽登場ですわ!!【其の2-2】

  • 1お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/19(灍) 08:52:41

    週末のバタバタで即落ちかまして5スレ目の2-2ですわ!!
    多忙で立て直し遅れましたことお詫び申します。
    お待ちいただいた皆様に報いるためにまたぼちぼち進めて参りますわ。

  • 2二次元好きの匿名さん24/11/19(灍) 08:55:14

    立て乙

  • 3お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/19(灍) 08:56:09

    まともにスレ移行する率が低すぎて前後スレ繋ぐよりも目次を作るべきだと気付きましたわ!

    と言う訳でこちら目次になりますわ!!


    わたくし、颯爽登場ですわ!! | Writening其の1 https://bbs.animanch.com/board/3848273/ 其の1-2 https://bbs.animanch.com/board/3883394/ 其の1-3 https://bbs.animanch.com/board/3938697/ 其の2 https://bbs.animanch.com/board/4101006/ 其…writening.net
  • 4お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/19(灍) 08:57:05

    パーソナルデータですわー

    名前:落成カナデ

    ケイオス・イシス元社長令嬢
    (現在はほぼ倒産状態)
    アビドス編入生
    開始時の時系列。過去アビドス
    ホシノと同級生。

    身長:161
    髪 :金髪縦ロール(鋼の意思!!)
    性格:なんちゃって高飛車お嬢様
    お胸:たゆん

    瞳色:#78D757
    ※カラーコード

  • 5お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/19(灍) 08:57:29

    ステータスですわー

    (矢印付きの物は開始時→現在値)
    戦闘:36→51
    神秘:94
    知識:79
    学力:55
    倫理:79→84
    慈悲:48
    礞交:35
    財力:55
    経理:64
    グルメ度:52
    料理:95
    ???:0→30
    戦闘詳細
    近接:33
    射撃:99
    防御:36→46
    耐久:54→57
    敏捷:96
    技術:59→53
    戦術:74

  • 6お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/19(灍) 08:57:50

    その他細々したやつですわー

    属性
    貫通/軽装甲

    立ち位置/役割
    Back/サポーター

    兵装
    AR(デザートイエローのM4A1)

    スキル
    【EXskill:Noblesse Oblige】
    指定した位置に移動した後、ポジションをFRONTに変更。
    自身の戦術の50%(小数点以下切り捨て)を近接、防御、耐久に加算。
    【Nskill】?
    【Pskill】?
    【Sskill】?


    所持車両
    73式大型トラック中距離多目的誘導弾搭載【レガーツ1号】

  • 7お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/19(灍) 08:59:06

    好感度ですわー

    好感度

    カナデからの好感度
    【アビドス】
    ユメ:99
    ホシノ:193
    シロコ:77
    ノノミ:82
    セリカ:80
    アヤネ:84
    【ゲヘナ】
    アル:100
    ヒナ:15

    カナデへの好感度
    【アビドス】
    ユメ:98
    ホシノ:193
    シロコ:54
    ノノミ:80
    セリカ:77
    アヤネ:56
    【ゲヘナ】
    アル:37
    ヒナ:93

  • 8二次元好きの匿名さん24/11/19(灍) 09:02:01

    お待ちしてましたお嬢

  • 9お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/19(灍) 09:03:55

    ※前回の3行あらすじ

    アビドス廃校対策委員会、ゲヘナ風紀委員会、便利屋68による共同戦線の樹立に成功。
    アビドス自治区の売られた土地が競売に?土地奪還のチャンス!?
    目立つと危険かもしれない?ならば奴らの出番、我ら覆面水着団!!

  • 10お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/19(灍) 09:08:06

    ※前書き的なやつ

    立て直し遅れてしまってすみませんでした。
    週末、年末にかけて落ちてしまった場合今後も立て直しにお時間がかかる場合がありますが沙汰無く失踪することは致しませんので気長にお待ちいただければ幸いです。
    それはそれとして前スレでもたくさんの保守や感想、♡大変感謝ですわ!

  • 11お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/19(灍) 09:44:29

    ~ブラックマーケット地下オークション会場~
    「では皆さん手筈通りに。流れ次第ではそのままプランBに移行しますわ。」
    目立たぬ格好で競売の行われるオークション会場に乗り込んだ対策委員会の面々はカナデの指示でバラバラに待機していた。
    アビドスの企業団体や他自治区の投資家など広い層が集まる会場は予想よりやや混雑している状況で潜伏する自分たちにとっては有利な状況だった。
    競売が始まり様々な土地や権利書を巡って競りが行われていく。目当ての物の出番はまだ先のようだ。
    「カナデ先輩、カイザー関係者が今入っていったよ。リストにあったPMC理事は居なかった。」
    入り口付近に待機しているシロコからの報告がインカム越しに聞こえてくる。
    要注意人物は今のところ居ないことが判明しカナデは小さく胸をなでおろす。
    「ホシノさん、このままいけばプランAで進行できそうですわ。」
    「了解、それじゃあ私はカナデと合流するね。みんなは引き続き警戒と脱出経路の確保を。」
    着実に盤面が整っていく。競りは順調に進んでいき目当てのアビドス自治区の土地権利書がお目見えした。
    『皆様お待たせいたしました。本日のメインイベント、アビドス自治区○○区の競りに移らせていただきます。』
    土地の価値自体は低いはずだが参加者たちは挙って札を上げて値を釣り上げていく、今は衰退したとはいえ昔はキヴォトス有数の一大勢力であったアビドスの土地、箔が付くという理由で求める者も居るのだろう。

  • 12二次元好きの匿名さん24/11/19(灍) 14:42:37

    値上がりしていく…
    ちょっと嬉しい

  • 13二次元好きの匿名さん24/11/19(灍) 20:32:59

    面倒ね

  • 14not >>124/11/19(灍) 23:46:06

    すまぬ…すまぬ…

  • 15二次元好きの匿名さん24/11/20(ć°´) 07:52:54

    保守

  • 16二次元好きの匿名さん24/11/20(ć°´) 11:12:13

    どうするかな

  • 17二次元好きの匿名さん24/11/20(ć°´) 20:28:40

    保守

  • 18二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 07:44:55

    保守

  • 19二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 15:20:42

    大丈夫かね

  • 20二次元好きの匿名さん24/11/21(木) 20:37:54

    保守

  • 21お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/21(木) 23:00:07

    参加者たちの価格釣り上げ合戦も佳境に入り細かく値段が上乗せされ始める。

    「こちらブルー。新規参加が閉め切られて入り口が閉じたよ。私はいつでも動けるように準備しておくね。」

    「了解ですわ、4号さんとクリスティーナさんはブルーさんに合流。撤収の出口付近を抑えておいてくださいな。」

    「了解です~。」

    「分かったわ。」


    『おや?もう札は上がらないですか?上がらなければ落札決定となります。』

    視界の男が見回して告げる。さぁ、覆面水着団の行動開始だ。


    現在の価格

    dice1d100=53 (53) ×100万円

  • 22お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/21(木) 23:25:00

    『5300万円!この価格で落さ…。』

    司会の男の言葉を遮りカナデ…改め覆面水着団パピオンが声を上げる。
    「6000万円…。ですわ。」
    途端にざわつき出す会場。
    『おぉーっと。ここに来て700万円の上乗せだ!今の方は?』
    声の主を確認しようとした男にサッと二つの影が近寄る。
    「この土地はわたくし達覆面水着団が頂戴いたしますわ!」
    視線を集めるために壇上へ躍り出たカナデとホシノは仰々しい仕草で参加者たちに告げる。
    「金額の乗せ合いなら望むところですわ。もし無理に奪うというなら覆面水着団への宣戦布告とみなしますわ。」
    「パピオンちゃんの言う通りだよー。私たちはあくまで参加者として来てる。やり合う気ならお金でかかってきな
    ホシノが持ち上げたアタッシュケースの留め金を外す。
    バサバサと壇上に落ちる札束を見るに裕に1億円は下らないだろう。
    「覆面水着団だって?」
    「ブラックマーケットの銀行を襲撃したって噂の?」
    参加者が次々に口を開く。
    耳を傾けると紙屑のように人の命を奪うだの逆らえば家族も関係者も失踪するだの散々な尾鰭がついているらしい。
    結局対抗して値を上げようとする参加者は現れず土地の権利書はカナデの手へ渡ることになった。
    「此処までは上々、後は撤収ですわ。」
    カナデのその言葉を合図として作戦は次のフェーズ。撤退戦へと移行するのだった。

  • 23お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/21(木) 23:54:28

    出口を確保していたシロコ、ノノミ、セリカの誘導により会場の外へ出る。
    そこには事前の想定通りマーケットガードが集結しつつあった。
    「テロリスト共をみすみす逃がすな!!」
    そんな怒号が聞こえてくる。
    「各自散開して逃走いたしますわ。追手を撒いた方から変装を解いて帰還、なるべく戦闘は避けるように。」
    全体への指示を出したカナデは自分を追ってくる数人を確認して逃走を開始する。
    目論見通りであれば派手に目立った自分とホシノへの追手は多いはずだ。
    カナデは駆け出す、相手が自分を見失わないギリギリの距離を意図的に保ち追手を引き付け全員が離脱する時間を稼ぐ。
    「カナデ、しつこい相手だけ倒しておじさんはそろそろ離脱できそうだよ。そっちは大丈夫?」
    ホシノからの連絡が届く。自分の方もそろそろ離脱できそうだ。
    「わたくしも問題ありませんわ。予定通り学校付近で落ち合うことになりそうですわ。」
    目減りする一方だったアビドス自治区の土地を奪還することが出来た。
    規模としてはそう大きくはないもののこの一歩を皮切りに事態は少しずつ好転していくだろう。

  • 24お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/22(金) 09:34:31

    「今回は自分たちの勝ちだ。そう思うのは随分と早計では無いかね?」
    不意にそんな言葉を投げかけられる。
    「あら、まさかわざわざ待ち伏せて居たんですの?それにしてもお一人だなんて随分と舐められたものですわね。
     カイザーPMC理事。」
    道の中央を塞ぐように横止めされたリムジンの傍ら。PMC理事は尊大な態度で立ちはだかっていた。
    「なに、懐かしい顔を見た者でな。人払いは済ませてある。大人の取引と行こうじゃないか。」
    変装は意味をなさない。目の前の男はこの仮面も、それと自分のかかわりも知っているのだから。
    腹の底から湧き上がってくる憤怒の感情を冷静に抑え込み仮面を外す。
    「生憎、貴方との取引に応じる気など毛頭ありませんわ。少しはご自身の所業を顧みてはいかがですの?」
    精一杯の皮肉を込め言葉を返す。見極めなければいけない。
    自分が落成の娘として見られているのか、対策委員会のメンバーとして見られているのか。
    「まさかまだアビドスの覇権を狙っているとは思わなかったぞ。噂のテロリストまで雇うとはな。」
    前者、朗報だ。これで万一があってもアビドスが不利を握らせられることは回避できる。

  • 25二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 16:16:32

    お家騒動?

  • 26二次元好きの匿名さん24/11/22(金) 22:19:26

    もうひと悶着ありそうだなぁ

  • 27お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/23(土) 01:14:21

    「まるで手段を選ばずに、とでも言いたそうな物言いですわね。
     目の上のたん瘤だったお父様とお母様を間接的にとは言え手にかけた分際で。」
    気を抜けば衝動的に撃ってしまいそうになる。
    「当然だとも。お前たち子供と我々大人では手段を選ばないという選択の重みが違う。
     大変残念な知らせだが、私がこうして姿を見せた意味が理解できなかった時点で詰みというものだ。」
    PMC理事は意味有り気に嗤う。
    「いったい何を…」
    問いただそうとした言葉を言い終わる前にカナデの足元が爆ぜる。
    「特注の睡眠ガス地雷の味はどうかね?私が丸腰だと思って悠長に留まっていたのは失敗だったなぁ?」
    「は…じめから、これが…狙いだったんですわ…ね。」,
    爆発の衝撃と大量に噴出した睡眠ガスの影響で霞む視界の中、カナデはPMC理事を睨む。
    「アビドスの双璧、大層な通り名じゃないか。我々が知らないとでも思ったかね、対策委員会副委員長落成カナデ。」
    爆発を皮切りに辺りに潜んでいたのだろうガスマスク装備のPMC兵が姿を現す。
    近寄ってきた兵士たちはまともに抵抗できないカナデを拘束しその口元に何かの布を押し当てる。
    拘束を払おうと藻掻くカナデだったが抵抗は長くは続かず眠りに落ちてしまう。
    「対象の無力化を確認しました。」
    PMC兵が事務的に告げる。
    「連れていけ。アビドスの連中共の厄介な抵抗もこれで終わる。我々カイザーがこの地を掌握するのだ。」

    ――――――――――――――
    「遅いなぁ。カナデ……。」
    その日、合流地点で待つホシノの許にカナデが現れることは無かった。

  • 28二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 08:10:32

    相手の方が一枚上手だったか

  • 29二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 14:04:52

    今度はカナデがか

  • 30二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 20:46:10

    ここで人攫いイベントか

  • 31二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 08:06:44

    そ

  • 32二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 15:05:14

    このレスは削除されています

  • 33二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 21:08:49

    保守

  • 34二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 07:49:03

    大丈夫かな

  • 35お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/25(月) 15:23:07

    "カナデが行方不明?"
    「はい、例の競売会の後連絡が取れなくなって、ホシノ先輩が捜索したところカナデ先輩の銃だけが見つかって…。」
    アヤネから連絡を受けた先生はアビドスを訪れていた。
    "そっか。ホシノはどこに?"
    「今は旧生徒会室に、あんな様子のホシノ先輩を見るのは初めてで私たちもどうしたらいいのか…。」
    普段賑やかなアビドスの面々は今はその面影も無くみんな沈黙してしまっている。
    それだけホシノとカナデの存在は大きいという事なのだろう。
    "私がホシノと話してみるね。"
    そう言ってホシノが居るという旧生徒会室へ赴き扉をノックする。
    反応は無い。
    「ホシノ、私だよ。入らせてもらうね。」
    鍵はかかっておらずその扉をそっと開ける。
    「……。」
    ホシノは中央の机に山の様に書類を積み普段決して見せることのない鋭い目つきでそれらと向かい合っていた。
    「ホシノ?」
    「うへっ!?あぁ、先生か。ごめん気付かなかったや。」
    先生の顔を見たホシノは謝りながら表情を緩める。大分無理をしている様子だ。
    "大丈夫?少しは休んだら?"
    「心配してくれてありがとうね、先生。でも、これはおじさんがやらなきゃいけない事だから。」
    軽く書類に目を通す。どれもカイザー関連の調査書だった。
    "これ全部ホシノが?"
    「うぅん。此処にあるのの大半はカナデが調べてまとめてくれたやつだよ。おじさんは少し手伝っただけ。」
    書類に記載されている日付には過去の物、まだアビドスがユメ、ホシノ、カナデの3人だった頃の物も数多くある。
    「昔ね……。」

  • 36お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/25(月) 15:23:36

    ホシノはぽつりぽつりと洩らし始める。
    「おじさんとユメ先輩が険悪になっちゃったことがあって。
     その時に言っちゃったんだ【生徒会長なんだからその肩にかかる責任を自覚しろ】みたいなことをさ。
     今になってその言葉が自分に帰ってきてるよ。
     おじさんはカナデにずっと甘えてきてた。腕っぷしくらいしか取り柄のないおじさんはみんなの矢面に立ってればいいやって。
     ほかのことは全部カナデ任せにしちゃってた。」
    "ホシノ、それは…。"
    「信頼して任せてたって言えば聞こえは良いよ?でも、その結果がこれなんだ。
     【カナデなら大丈夫】って甘えて、助けなきゃいけない時に隣に居なくて…それで…。」
    独白する声に嗚咽が混じる。
    「ぜん"ぜぇ"……どうしよう……。もしカナデが、カナデが……。」
    その言葉を言ってしまえばそれが現実になってしまう気がして、最悪な光景が幾度も脳裏を過り。
    堪え切れずにぼろぼろと溢れ出す涙が頬を伝い落ちていく。
    "きっと大丈夫…。なんて、無責任なことは言えないけど。私も全力で協力する。"
    "だからホシノはカナデを信じてあげて。【それ】が今ホシノの手にあるってことは。きっと偶然じゃないから。"
    先生はホシノが抱くように抱えているカナデの愛銃を指さす。
    「うん…うん……。」
    先生の言葉にカナデの愛銃をぎゅっと抱きしめるホシノ。その頭にぽんと手を乗せ落ち着かせるようにゆっくりと撫でる。
    "まずは少し休んで。肝心なとことでホシノが倒れちゃったらカナデも悲しむよ?"
    「分かった。ありがとうね先生……。それとお願い。おじさんたちを助けて。」
    "必ず。"
    それきりホシノは気を失うように眠りに落ちる。きっと寝ずにカナデの足取りを探っていたのだろう。
    ホシノをソファに寝かせ毛布を掛け部屋を出る。
    "私に出来ることは何だってするからね。"
    対策委員会のメンバーに声をかけて校舎を出る。
    "みんなに力を貸してもらわないとね、アロナ。"
    先生はいつも肌身離さず持ち歩いているタブレットをひと撫でした。

  • 37出先お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/26(灍) 00:09:13

    ほ。ですわ

  • 38二次元好きの匿名さん24/11/26(灍) 08:20:54

    正に後悔だなぁ

  • 39二次元好きの匿名さん24/11/26(灍) 13:40:29

    ホシノの弱点が増えている

  • 40二次元好きの匿名さん24/11/26(灍) 21:01:46

    スーパーアロナちゃんの出番か

  • 41二次元好きの匿名さん24/11/27(ć°´) 07:56:56

    保守

  • 42お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/27(ć°´) 09:36:14

    「ん…ぅ。」
    くぐもった声を上げカナデは目を開ける。
    酷い倦怠感と眩暈を覚え顔を顰める。
    「…ここは。」
    目を凝らしても暗闇の先を見通すことが出来ない、埃っぽい。いや、砂っぽいと言うべきか。
    「恐らく砂漠に作られた施設ですわね。」
    自分の状態を確認する。
    両手が頭上で拘束されて吊り下げられている様だ。足を動かしても床に触れることが出来ない。
    「わたくしの失態ですわね。もっと備えておけば…。」
    拘束されたときに咄嗟に放り投げた銃は無事にホシノの許へ辿り着いただろうか?こればかりは信じるしかない。

    ……信じる?

    胸の奥にちくりとした痛みが走る。

    ……結局一人で突っ走った自分が何を、誰を信じると?

    口では信頼しているなどと都合のいいことを言っておきながらその実重要なことを誰にも話していない自分が?

    壮絶な自己嫌悪と自身への嘲笑が湧き上がる。
    「結局わたくしは、また一人でこんなところに……。」
    幾度となくホシノが差し伸べてくれた手。
    先生や後輩たちが広げてくれた輪。
    それをすべて蔑ろにして一人で戦ってしまっている。
    「愛想を尽かされたとしても。仕方ないかもしれませんわね。」
    自責の念が押し寄せる。それでも、自分はまだ止まるわけにはいかない。
    「まずはどうにかして脱出を、せめてホシノさんたちに連絡を……。」
    足音が近付いてくる。
    理事だろうか?それとも見張りのPMC兵か……。

  • 43二次元好きの匿名さん24/11/27(ć°´) 13:43:33

    なんだ
    誰だ

  • 44二次元好きの匿名さん24/11/27(ć°´) 20:55:11

    保守

  • 45二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 07:51:42

    まだカイザーかな

  • 46二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 17:01:25

    保守

  • 47お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/28(木) 19:57:58

    足音が止む。

    「…?」
    そこからの動きが無い。
    誰かが入ってくる様子も電気が灯るというアクションもない。
    「わたくしが目的ではない?」
    それは考えられる。自分の捕らわれている部屋?以外にも付近に部屋があり単にそちらに用事があったのか。
    はたまた足音自体が気のせいだったのか…。
    光のない空間に居続けたことで自分の感覚があやふやになっていることも十分に考えられる。

    「ヒヒ、機は熟した。このシナリオを以てキャンペーンは幕を下ろす。小生の勝利によって。」

    誰も居ない、その筈だった。
    突如背後から響く掠れた声に怖気が走る。
    「貴方は…誰ですの?」
    振り向くことが出来ない、いや。例え振り向けたとしてもこの暗闇の中で相手を視認することは出来ないだろう。
    「小生は地下生活者。真なるゲマトリア也。」
    「合点がいきましたわ。貴方が黒服の言っていたゲマトリアを追放された者…。」
    「黒服?追放?あのような観測者気取りの日和見紛い物と同列に語るなァァ!!」
    地下生活者の声に明らかに怒気が混じる。
    悪意と憎悪を混ぜ合わせたかのような醜悪な気配がひしひしと伝わってくる。
    「…っ。わたくしを捕らえたところでアビドスは折れませんわ。ホシノさんや先生がきっと。」
    地下生活者に気圧されながらもカナデは気丈に振舞う。自分の失踪を察知した仲間たちが状況を打開すると。
    それができるだけの仕込みはしてきたという自負があった。

  • 48お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/28(木) 19:58:17

    「奇跡の担い手?暁のホルス?それが何になる。全てはお前が穢し堕とすのだ。現在を刻むノルンの一柱。」
    心臓が跳ねる。二年前、あの場に居たのは自分と黒服だけだったはず。
    「それとも…。こう言うべきかね。外より齎された運命の断片。【曙のヴェルダンディ】よ。」
    冷えた手で臓腑を鷲掴みにされているかのような息苦しさを感じる。
    「梔子ユメの生死、カイザーとの雌雄、他校生との繋がり。全て思うままにお前が選んだ結果が今この時だ。
     ヒヒヒ、その神秘の代償が無ければ。あらぬ厄災の目覚めはまだ遠かったやも知れぬというのに。」
    ユメを救いたかった、ホシノに親しい人を失う苦しみを味合わせたくなかった。
    黒服と取引をし、神秘という得体のしれない力に縋ってでも。
    「わたくしが、わたくしの選択が……。過ちだったというんですの?」
    「死すべきものが死に、衰え行くものが衰える。それを捻じ曲げておいて何を今更。」
    嘲笑が響く、耳を塞ぐことも出来ずに。言葉が、滲みだす悪意が徐々にカナデを蝕んでいく。
    「事を急いたカイザーは間もなく機の神の眷属を刺激するだろう。」
    カナデの長い髪が乱雑に引っ張られ無理やり正面を向かせられる。
    薄暗い光を放ちモニターが起動し何かの資料が映し出される。
    「これはまさか…。」
    機密と記された資料、その中央に鎮座する巨大な機械。
    【BINAH】と銘打たれたそれは数十年前に突如としてアビドス砂漠に現れた天災。
    目的も正体も不明なそれは稀に姿を見せ破壊を振りまく機械の怪物。
    「休眠を邪魔された彼の兵器が怒りに任せアビドスの地を消し去る。これがお前の選んだ結末だ。」
    「わたくしの…せいで……。」
    突如突き付けられた絶望。
    ズタズタに傷付けられた心は抗う意思を喪っていく。

    ガシャン

    身を捩り抵抗する事すらしなくなったカナデも目元に怪しげな装置が取り付けられる。
    再び視界を奪われたカナデの思考はノイズに掻き乱されていく。
    「ごめんなさい、ホシノさん…。わたくしは……もう…。」
    そこでカナデの意識は昏く深い闇に呑まれた。

  • 49二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 22:31:53

    こいつかよ

  • 50二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 08:24:59

    同学年が増えたからここで動き出しやがったのか

  • 51二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 19:08:47

    まだ何かやるつもりか?

  • 52二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 20:57:18

    このレスは削除されています

  • 53お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/30(土) 00:46:40

    「ヒヒ、ヒヒヒ。運命の女神は小生の手に堕ちた。もはやカイザーもアビドスも眼中にない。
     最後に全てを小生が手に入れ。至高へ至る礎となるのだ。」
    既に意識のないカナデの隣で地下生活者は乾いた高笑いを奏でるのだった。
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    "やぁ、ヒナはいるかな?"

    ゲヘナ学園・風紀委員会本部

    「はぁ?いきなり来て風紀委員長に会いたい?そんなに簡単に合えると思ってるのか?」
    "緊急事態なんだ。何とか頼めないかな?"
    ゲヘナにやって来た先生は対応に出てきたイオリに袖にされていた。
    「そうだな、どうしてもと言うなら。土下座でもして私の足を舐め…。」
    "分かった。"
    イオリが言い終わる前に先生は動いていた。
    「ひゃん!?
     ちょっ、まだ話しの途中……んっ!ちょっと!?
     大人としてのプライドとか、人としての迷いとかは無いのか!?」
    "そんな安い物、幾らでも投げ捨てられるよ。"
    「おかしい!ヘンタイ!!歪んでる!!!
     こんなヘンタイの大人に……」
    「何だか楽しそうね?」
    「い、委員長……?」
    喧騒を聞きつけたのかヒナが現れる。
    「……自分の望みのために膝をつく姿なら、これまで何度も見てきた。でも、生徒のために跪く先生を見たのは初めて。
     顔を上げてちょうだい、先生。
     言ってみて、私に何をしてほしい?」
    「いや、その、委員長……先生は跪いてるんじゃなくて、その、足を、舐め……」
    イオリは助けを求めるような視線をヒナへ送る。
    「?     !!!!???」
    ヒナのその表情を見たことがある者は多くは無かっただろう。

  • 54お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/30(土) 00:47:41

    トリニティ総合学園・ティーパーティーテラス

    「なるほど、状況は分かりました。ヒフミさんが仰っていたことの真相は分かりました。
     先生の言葉が事実であるなら、私たちも対岸の火事では済ませられないでしょう。
     例の条約も目前に迫っていますし、今は下手に動くわけにはいかないのですが……。」
    トリニティ生徒会。ティーパーティー現ホストである少女は茶器を静かに置き思案する。
    「まぁ、今回のこれは例外という事にして何か考えましょう。」
    「あ、ありがとうございます、ナギサ様。」
    相対するヒフミは深々と頭を下げる。
    「そうですね……確かちょうど、牽引式榴弾砲を扱う野外授業の予定があったはずです。
     せっかくですし、ちょっとしたピクニックなどいかがでしょう。」
    「えっと、牽引式榴弾砲ということは……L118の……?」
    「はい。他ならないヒフミさんですし、全てお任せします。細かいことは私の方で。」
    「ありがとうございます!!」
    ヒフミは頭を下げ駆けていく。
    「ナギちゃんてば。ちょっと甘いんじゃないの~?」
    「ミカさんですか。立ち聞きはあまり感心しませんね。」
    ミカと呼ばれた少女は桃色の髪を靡かせナギサの向かいに座る。
    「【シャーレの先生】に借りを作れる絶好の機会です。それに…。
     【彼女】が仕える【お嬢様】ミカさんも興味がありませんか?」
    「あはは☆ナギちゃんてば悪い顔してるよ~?」

  • 55お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/30(土) 00:47:57

    ミレニアムサイエンススクール・セミナー部室
    「急に押しかけちゃってごめんね?ユウカちゃん。」
    「いえ、先生。それにユメ先輩にも良くしてもらってますし。気にしないで下さい。」
    普段活動している研究室から離れミレニアムの生徒会であるセミナーを尋ねたユメ。
    「頼まれていたもの。エンジニア部から預かっていますよ。」
    大きな包みを手渡すユウカ。
    「ありがとうねユウカちゃん。このお礼は必ずするからね。」
    「そんな、気にしないでください。ユメ先輩のおかげで私たちも随分助かってますから。」
    そんなやり取りの後、ミレニアムタワーを後にしたユメは空を見上げ呟く。
    「私もたまには先輩らしいことしなくちゃね。ホシノちゃん、カナデちゃん。いつでも準備は出来てるよ。」

  • 56二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 08:18:23

    イオリの足は舐められる運命なのか

  • 57二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:51:34

    作戦開始か

  • 58お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/11/30(土) 23:03:09

    時間調整保ですわー。
    深夜規制に刺されるまでに続き書きあがるかしら?

  • 59二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 09:56:42

    保守

  • 60二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 20:38:41

    保守

  • 61二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 08:16:07

    大丈夫かな

  • 62お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/02(月) 08:19:47

    ドアノブに手をかけ、引っ込める。
    そんな繰り返しをかれこれ1時間はやっているだろうか。
    体育館の片隅。カナデの部屋の前でホシノはその一歩を踏み出せないでいた。
    扉を開けて、カナデが居ないことを確認してしまえば、認めてしまえば。
    もうカナデは戻ってこない気がして。

    「先生が、みんなが協力してくれてるんだ…。だから……。」

    震える手をどうにか宥めノブを回す。
    少し錆びた鉄製の扉が重い音を立てて開いていく。

    「この部屋に来るまでに、随分時間がかかっちゃったよ。カナデ。」

    整頓された室内、小ぢんまりと纏められているカナデの私物。
    前に訪れてからそれほど時間は経っていないはずなのに、ひどく懐かしさを覚える。

    「何か…、手掛かりは……。」

    求める物はカナデの居場所に繋がる手がかり。
    そのピースが埋まれば、みんなの力を借りてカナデを取り返しに行ける。
    僅かでもいい、何か手掛かりを。
    そうして部屋を見渡したホシノの視線を釘付けにしたものがあった。

    「これ……。何でここに……。」

  • 63二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 19:27:04

    なんだ?

  • 64二次元好きの匿名さん24/12/03(灍) 00:05:26

    手帳、じゃないよなこの世界だと

  • 65お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/03(灍) 00:42:43

    ホシノの目に留まったのは1枚のポスターだった。
    破れた個所をテープで丁寧に補修されたポスター。
    ホシノにとっては過去にユメとぶつかるきっかけになった苦い記憶の品。
    アビドス砂祭りのポスターだった。

    「これ、確かユメ先輩が持ってたはずじゃ…。」

    少なくとも前回この部屋に来た時には無かった。
    それが此処に貼られているという事は……。

    「カナデ、ユメ先輩に会いに行ってたんだ。それもつい最近。」

    そしてそれはカナデからホシノに宛てた一つのメッセージでもある。
    ホシノはポスターを綺麗に剥がし懐にしまい込む。
    そしてスマホを取り出すとモモトークを開き短い文を送った。

    【ユメ先輩、今から会いに行きます。】

    部屋を飛び出し駆け出す。
    埋まらなかった最後のピースへ続く鍵はずっと近くにあったのだ。
    「ごめんカナデ。私が臆病だったから、気付くのが遅くなっちゃった。」
    途切れたように見えた絆はきちんと繋がっている。
    枷が付けられていたかのように重かった足が今は羽のように軽い。
    「どこに居ても、必ず迎えに行くから!!」

  • 66二次元好きの匿名さん24/12/03(灍) 08:28:46

    がんばれホシノ

  • 67二次元好きの匿名さん24/12/03(灍) 13:53:04

    ユメホシ対談か

  • 68二次元好きの匿名さん24/12/03(灍) 20:59:01

    保守

  • 69二次元好きの匿名さん24/12/04(ć°´) 07:26:59

    カナデちゃん見つけるヒントがあればいいんだけど

  • 70二次元好きの匿名さん24/12/04(ć°´) 15:32:52

    保守

  • 71お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/04(ć°´) 23:19:09

    保守ですわー。
    今晩中に続き上げたいのですが持ち帰りの仕事が捌けず深夜規制されそうですわー;;

  • 72二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 08:43:37

    大変

  • 73二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 19:52:46

    待ちますわ

  • 74お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/06(金) 00:03:58

    「待ってたよ。ホシノちゃん。入って入って。」
    ユメの暮らす部屋にやってきたホシノは穏やかな顔で出迎えたユメに促され部屋へ上がった。
    「ユメ先輩……。カナデが……。」
    「うん、ホシノちゃんなら気付いて此処に来るってカナデちゃんが言ってたから。なんとなく事情は分かってるよ。」
    ユメは部屋の奥から一つの包みを取り戻ってくる。
    「ホシノちゃんが此処に来たら渡してってカナデちゃんに頼まれてた物だよ。」
    ホシノが緊張した面持ちで包みを解くとそこには小箱と一通の手紙。
    「私は見ないほうが良いかな?お茶を淹れてくるね?」
    ユメが席を外しホシノは手紙を開く。

    ホシノさんへ
    この手紙を開いた、という事はわたくしの足取りが分からなくなった。
    或いは、わたくしが敵対することになってしまった。という事だと思いますわ。
    わたくしの目論見が上手くいっていれば。わたくしの【sacred_buddy】がホシノさんの手元にあるでしょう。
    文字通りわたくしの相棒であるその銃を、かけがえのない相棒であるホシノさんに預けますわ。

    同封してある地図は、わたくしの今の家の物です。そこに皆さんで行ってください。
    今必要な最後のピースがそこにあるはずですわ。

    最後に。もし、もしもわたくしの奪還が不可能だと。ホシノさんが判断したならば。
    わたくしを、わたくしのヘイローを。壊してくださいな。

  • 75お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/06(金) 00:04:16

    「一人で突っ走って、勝手なことばかり言って……。」
    読み終えたホシノの手が震える。
    「私が、カナデを撃つなんて……。殺すなんて……。」
    そんなことできるわけがない。
    その道にどんな地獄が待っていようとも。必ずカナデは取り戻す。
    そう奮い立つ心の裏で、不安に押しつぶされそうな自分も確かにここに居る。
    「最後にここに来たカナデちゃんも、今のホシノちゃんみたいな顔をしてたよ。」
    湯気の立つカップを二つ持って戻って来たユメは、ホシノの正面ではなく隣に腰を下ろす。
    「二人ともしっかりしてて、頼りになるけど。実は甘えん坊で、誰かに頼りたくて。」
    ユメはホシノの頭を優しく撫で、その身体を自身に預けさせる。
    「大丈夫だよ、ホシノちゃん。だって、私の知ってる二人は。アビドスで…ううん。キヴォトスで最強のコンビなんだから。」
    「ユメ先輩……。うん、そうですよね。私も。カナデを信じます。」
    不安に押しつぶされそうなホシノの心が上を向く。
    そうだ、カナデは自分を信じて託してくれた。ならば自分もカナデを信じてやれることをやるだけだと。
    「うん、いつもの頼りになるホシノちゃんの顔に戻ったね。これ、遅くなっちゃったけど。」
    ホシノの持つカナデの愛銃に何かを取り付けるユメ。
    「これは……。」
    銃口の下に取り付けられたアンダーバレル。
    「前にカナデちゃんに頼まれてた追加装備だよ。ミレニアムのエンジニアの子に頼んで作ってもらったんだ。それともう一つ。カナデちゃんがアビドスに戻ってきたお祝い。これもずいぶん遅くなっちゃったけどね。」
    ホシノに託された【IRON HORUS】と銘打たれたカバン。それの正体を、ホシノはよく知っている。
    「これで3つ目。私は今は離れちゃったけど。アビドス生徒会3人のお揃いだよ。カナデちゃんに渡してあげてね。」
    また一つ。カナデを連れ戻す理由が増えた。けれども、もうそれを重荷とは思わなくなった。
    それは願いで、希望で、きっと叶えなければならない運命なのだと。

    「ユメ先輩。私、行ってきます。」
    ホシノは立ち上がりユメが淹れたお茶を飲み干す。
    「うん、行っておいで。応援してるね。」
    手紙と一緒に包まれていた小箱の中身は鍵。どこの物かは最早言わずもがなだろう。
    行こう、例えどんな困難が待ち受けていたとしても怖くはない。
    カナデの魂が、ユメの想いが。今の自分には託されているのだから。

  • 76二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 08:26:38

    よしよし
    がんばったね

  • 77二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 18:38:07

    保守

  • 78二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 22:03:56

    頑張れホシノ

  • 79二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 08:33:15

    保守

  • 80二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 19:34:22

    大丈夫かな

  • 81二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 00:44:45

    保守

  • 82二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 09:16:06

    保守

  • 83二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 20:27:58

    保守

  • 84二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 07:52:52

    待とう

  • 85二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 12:50:57

    規制?

  • 86二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 23:03:28

    心配だ

  • 87お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/10(灍) 09:19:38

    「ここが、カナデのお家か……。」
    ユメと別れたホシノはその足で地図の指し示すカナデの家まで来ていた。
    豪邸、とまではいかないが広い庭のある立派な佇まいにカナデが社長令嬢であったことを再確認する。
    「誰かいるのかな……。」
    カナデの話ではもうずいぶん帰っていないとのことだが。
    手入れの行き届いた庭や家を見ると幾らか人の出入りはあるように思える。
    庭を進み扉に据え付けられたノッカーを打ち鳴らす。
    少しの沈黙の後扉の向こうに人の気配を感じ一歩下がる。
    「お待ちしておりました。小鳥遊ホシノ様ですね?」
    扉が開き中から現れたのは燕尾服に身を包んだ同年代に思える女性だった。
    「もしかして、カナデの【爺や】さんですか?」
    「えぇ、ご明察です。お嬢様がいつもお世話になっております。」
    よく見れば燕尾服の胸元にはトリニティ総合学園の校章が縫い付けてある。
    「私の自己紹介は…。まぁいいでしょう。それはまたの機会に取っておきます。
     こうしてホシノ様が訪ねていらしたという事は、お嬢様の身に何かがあったという事。どうぞお上がり下さい。」
    「お、お邪魔します。」
    案内されるままにホシノは居間へ通される。
    「カナデお嬢様は滅多に帰らないどころか私に連絡も寄こさないので困ったものです。余程アビドスを気に入っているのでしょうね。」
    茶器が並べられ紅茶が淹れられる。
    「えっと、爺やさん…。でいいのかな?カナデに何かあったって分かってるのに随分落ち着いてるんだね。」
    正直な所、カナデを一人危険な目に合わせていることをなじられる位の想像はしていたホシノは、その対応に少し困惑していた。
    「えぇ…。心配していないといえば言えば嘘になりますが、カナデお嬢様は知っての通りの方なので。」
    確かに、従者が居る上に環境の整っている三大校の一角トリニティへの入学を蹴って単身アビドスへ来るようなカナデだ、幼少の頃から付き合いのあるらしい彼女は慣れているのだろう。
    「それでホシノ様、掻い摘んで状況をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
    「…うん、実は……。」
    ホシノはこれまでの経緯を語り始める。

  • 88お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/10(灍) 09:31:56

    「そうでしたか。ご苦労なされているのですね。ホシノ様。」
    一通り話し終えたホシノに労うように言葉を掛けた彼女は少し思案顔になる。
    「カナデお嬢様の居場所…。ホシノ様、鍵はお持ちですか?」
    「うん、ここの地図と一緒に託されたよ。」
    「そうですか。それならばカナデお嬢様の居場所は分かります。ですが、その手段は恐らく1度きりしか使えません。
     ですので、明日。最後の作戦会議を挟みカナデお嬢様の奪還へ即座に移行することになるでしょう。」
    「分かった。みんなへの連絡と装備を整えるね。鍵は預けていたほうが良い?」
    「話が早くて助かります。鍵は…。カナデお嬢様が託したのであればホシノ様がお持ちになっているのが最適でしょう。」
    それから互いの連絡先を交換しホシノはカナデの家を後にする。
    全てのピースは整った。カナデ奪還に向けた因縁の決戦が幕を開けようとしていた。

  • 89お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/10(灍) 09:33:44

    ※皆様大変お待たせしました&ご心配をお掛けしました。
     私情で中々来ることが出来ずに申し訳ありませんでした。
     保守いただいた皆様に感謝を。

  • 90お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/10(灍) 10:34:45

    "ホシノ?電話なんて珍しいね。"
    「突然ごめんね先生。カナデの居場所を特定する方法を手に入れたから、私たちは動き出すよ。」
    "ついに必要なものが揃ったんだね。私の方も準備を終わらせておくね。"
    「ありがとう先生。」

    ――――――――――――――――――――――――――――――――
    「なるほど、これは外付けのグレネードランチャーか。」
    自分の装備とカナデの愛銃。それらを整備しながらホシノは呟く。
    ユメがカナデに頼まれて用意していたアンダーバレルと各種の弾薬のチェックも怠らない。
    今まで以上の激戦になる予感がする。
    「焼夷弾に閃光弾、煙幕弾…。カナデらしいね。」
    用意された弾薬の殆どは打撃力ではなく仲間の支援のための物、味方を支えることに主眼を置いた彼女のスタイルそのものだ。
    「ん?何だろうコレ。」
    そんな中で見慣れない弾薬が1つだけ混ざっている。
    「EMP弾頭…。」
    本来高高度から超強力な磁器によって計器類を灼き切るために用いる物。
    携行火器での運用は極めて困難だったそれをミレニアムで開発成功した、という話は聞いたことがある。
    …とはいえ。最新のドローンや自立兵器は対策が施されているためにすぐに廃れた、というオチが付いていたはずだ。
    「カナデが用意してたってことは、使う場面があるのかな?」
    武装のチェックを終え装備していく。
    髪をポニーテールに結わえ、防弾ジャケットを着こむ。
    手には自身の愛銃であるショットガン、腰にはカナデの愛銃。胸元のホルスターに拳銃。
    そして折り畳みカバン状になった二枚の盾を背負う。
    「うへぇ~。やっぱりちょっと重いかも。」
    だが、今はその重さが心地いい。
    「さぁて。始めよっか。」

  • 91お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/10(灍) 10:43:23

    「みんな、準備は出来た?」
    校庭には真剣な表情の後輩達。
    「ん、いつでも行ける。」
    「はい~。準備万端ですよ~♧」
    「今回は私も現地まで行ってサポートします。」
    「カナデ先輩に文句の一つでも言ってやるんだから!」
    士気は上々。装備は完璧。そして何より……。
    "みんなお待たせ。全体の指揮は私に任せてね。"
    信頼する。頼れる大人も味方してくれている。
    「まずはカナデのお家に行くよ。カナデの執事さんと顔合わせして、最後の作戦会議だ!」
    「「「「"おー!!"」」」」

  • 92二次元好きの匿名さん24/12/10(灍) 20:11:54

    よかった

  • 93二次元好きの匿名さん24/12/11(ć°´) 07:39:04

    完全アビドスじゃん

  • 94二次元好きの匿名さん24/12/11(ć°´) 13:57:21

    爺やちゃんでないかと思ってた

  • 95お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/11(ć°´) 19:06:30

    「アビドス対策委員会の皆様。そしてシャーレの先生。お待ちしていました。」
    対策委員会と合流した先生がホシノの案内でカナデ宅へ来ると門前でカナデの執事であるトリニティの生徒は出迎えた。
    「自己紹介をいたしましょう。私はカナデお嬢様の従者にしてトリニティ総合学園の三年、苑守(そのもり)シオリと申します。」
    シオリは丁寧な所作で頭を下げる。
    "カナデから色々話は聞いているよ。今回はよろしくね、シオリ。"
    先生はにこやかにお辞儀を返す。
    「さて、それでは早速ですが皆様こちらへどうぞ。」
    一同はシオリの案内で書斎と思われる部屋へ通される。
    一見何の変哲もない飾り気のない書斎だ。
    「ホシノ様、こちらへ。」
    シオリはホシノを置く側の壁へと導く。
    よく見れば本棚の間に小さな鍵穴が付いているのが見える。
    「わかった、これだね。」
    ホシノはカナデに託された鍵を取り出し鍵穴へ差し込む。
    ガコンと重厚な音が響き何かの仕掛けが作動したことが伺える。
    本棚が左右に分かれ壁面がせり上がる。その奥から鋼鉄製の扉が顔を覗かせる。
    「緊急時のシェルターとして旦那様……。カナデお嬢様のお父様がご用意したものだと伺いました。」
    シオリがその扉について説明を挟む。
    「この先はカナデお嬢様しか入ることが無かったので私も何があるかは存じません。ですが、現状を打破する何かがあるとすれば此処だけでしょう。」
    「わかった。それじゃあ、入るね。」
    決意を固めたホシノはその重い扉を開き中へと入っていく。

  • 96二次元好きの匿名さん24/12/11(ć°´) 22:15:44

    大がかりだな

  • 97二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 08:56:15

    何があるのか

  • 98二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 16:17:01

    保守

  • 99お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/13(金) 00:07:59

    その薄暗い通路はすぐに突き当たった。
    どうやらもう一枚扉があるらしい。
    その扉はホシノが近付くとひとりでに開いた。スライド式の自動ドアらしい。
    「随分大がかりだね。」
    ホシノを先頭に一同がその部屋に入ると部屋に明かりが灯る。
    壁一面に並んだモニターとコンソールに電源が入りスピーカーから声が発せられる。
    『お待ちしていましたわ。ホシノさん。』
    中央の大きなモニターにカナデの姿が映る。
    「カナデ?無事?今どこなの?」
    ホシノは呼びかけるが画面の中のカナデは少しバツの悪そうな顔をする。
    『申し訳ありませんわ。この映像と音声は事前に撮っておいたもの。受け答えの準備はありませんわ。』
    ホシノは少し肩を落とす。
    『画面の前の中央のコンソールに鍵を。それでわたくしの隠し持っている発信機が一度だけ感知できるはずですわ。
     わたくしが今どんな状況にあるかわかりませんので1度しか使えないように設定したのですわ。
     準備が整ったら起動してくださいませ。』
    その言葉に、ホシノは深呼吸をして振り返る。
    「おじさんはすぐにでも行きたい。だけど、これは失敗しちゃダメな作戦なんだ。ちゃんと会議をしよう。」
    "そうだね。ホシノが冷静な様で安心したよ。私が止める必要もなかったね。"
    逸る気持ちとの葛藤を制したホシノへ先生は賞賛の言葉を掛ける。
    「では、一度戻りましょう。お茶をお淹れ致しますので。」
    シオリがそう言葉を引き継ぎ一同は来た道を戻るのだった。

  • 100二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 08:41:10
  • 101二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 19:18:05

    なるほどそういう仕掛けが

  • 102二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 00:52:35

    万全にしたい

  • 103二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 09:22:36

    追い詰められがないからかなり冷静になれてる
    いいぞホシノ

  • 104二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 18:28:24

    保守

  • 105二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 00:32:31

    どう動くかね

  • 106二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 12:24:57

    保守

  • 107二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 22:08:53

    保守する

  • 108二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 09:59:31

    そ

  • 109お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/16(月) 10:15:59

    ※お知らせ
     次更新は今晩深夜か明日朝になります。もうしばらくお待ちください。

  • 110二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 21:18:43

    保守

  • 111二次元好きの匿名さん24/12/17(灍) 08:21:26

    大丈夫かな

  • 112二次元好きの匿名さん24/12/17(灍) 19:30:15

    そ

  • 113お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/17(灍) 19:59:42

    "それで、実際のところどうする気なの?"
    カナデ宅の居間、広めのテーブルを囲んだ一同はどう動くかの会議を始めていた。
    「カナデが居る場所次第だけど、みんなにはおじさんがカナデを連れて戻ってくるまでの陽動と足止めをお願いするね。」
    「それってホシノ先輩が一人で相手の拠点に潜入するってこと?いくらホシノ先輩でも危険なんじゃ…。」
    セリカはホシノの提案に抗議する。
    「ごめんねセリカちゃん。でもおじさんはこれが一番安全だと思うんだ。」
    "何か考えがあるんだね?"
    セリカの心配はもっともだ、それを承知でこの提案をするホシノに先生は真意を問う。
    「うん、まず第一に。まだ空いての正体と規模が分からないってこと。
     ヘルメット団なのか、カイザーなのか、それともおじさんたちが知らない組織なのか。
     だからできるだけ分散したくない。
     そしてもう一つ。何か理由があってカナデが敵として出てくることになった場合。
     純粋な力押しでカナデに負けることは無いと思うけど。こっちの数が増えた時に皆を守りながら戦えるほど甘い相手じゃないんだ。
     だから狙われる可能性のある頭数は少ないほうが良い。」
    「賢明な判断だと思います。私はカナデお嬢様とホシノ様の間にどれだけの力量差があるかは存じませんが。
     それでもカナデお嬢様の射撃勘はずば抜けていると思いますので。」
    シオリがホシノの言葉を引き継ぎ同意する。
    「わかりました。それでは私がホシノ先輩のオペレーターをします。先生は全体指揮を。」
    "うん、わかった。シオリはどうするの?"
    「私は今回戦線には立ちません。ですので皆様の足をご用意しましょう。少し席を外させていただきますね。」
    そう言い残しシオリは部屋を出ていく。
    「ん、作戦は分かった。」
    「はい、正面の敵は任せてください~。」
    シロコ、ノノミも同意を示し大まかな作戦が決まる。
    「それじゃ、細かいことはカナデの居場所が分かってからにしよっか。」
    ホシノは立ち上がり、再び隠し部屋へと入っていくのだった。

  • 114お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/17(灍) 20:01:00

    ※朝更新できずにすみませんでした。
     予定通りにいかないと焦りますね…。

  • 115二次元好きの匿名さん24/12/18(ć°´) 01:34:41

    待ちますよ

  • 116出先お嬢◆z0ZMMcroKNLO24/12/18(ć°´) 13:18:40

    保守ー
    せふせふ

  • 117二次元好きの匿名さん24/12/18(ć°´) 21:43:06

    どうやって進めるかな

  • 118二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 09:16:14

    保守 

  • 119二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 20:04:23

    保守

  • 120二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 07:21:20

    大丈夫か

  • 121二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 18:53:41

    保守しよう

  • 122二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 00:16:33

    規制かな

  • 123二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 11:28:21

    もうちょっと待ちたい

スレッドは12/21 23:28頃に落ちます

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