カフェファラオ「どうすりゃいいんだ・・・」

1二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 16:45:36

遠征地、メイダン2000mで迎えたドバイワールドカップ
ワンターンじゃない上に、距離延長が響き惨敗だった
テレビ前に響くファンのため息、どこからか聞こえる「次戦はマイルチャンピオンシップ南部杯だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、左回りワンターン1600m希望のカフェファラオは独り馬運車で泣いていた
フェブラリーSで手にした栄冠、喜び、感動、そしてしのぎを削るワンターンの精鋭達・・・
それを今のドバイで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」カフェファラオは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、カフェファラオははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいゲートの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、盛岡に遠征をしなくちゃな」カフェファラオは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、カフェファラオはふと気付いた

2二次元好きの匿名さん24/11/19(火) 16:45:55

「あれ・・・？芝が生えてる・・・？」
ゲートから飛び出したカフェファラオが目にしたのは、ダートまで埋めつくさんばかりの野芝だった
千切れても大丈夫そうなほどに根を張り、地鳴りを響かせる競走馬の脚を支えていた
どういうことか分からずに呆然とするカフェファラオの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「芝なんて固くて走れたもんじゃない」声の方に振り返ったカフェファラオは目を疑った
「ジ・・・ジュンライトボルト？」「ダートこそ足がとられて走り辛い」
「ヴ・・・ヴェラアズール？」「芝もダートも走れば良いじゃん」
「パンサラッサ・・・」　カフェファラオは半分パニックになりながら出走レースを見上げた

東京競馬場芝左回り 1600m 農林水産省賞典安田記念

暫時、唖然としていたカフェファラオだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には疑問しか無かった
「走れる・・・走れるのか？」
堀のメガネを弾き飛ばし、コースへ全力疾走するカフェファラオ、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっている内川が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った