この…クズ！ゴミ！変態！さいっていです…！

先生という存在はキヴォトスのどんな最弱生徒よりも弱いわけで。
力も気も弱く、いじめられっ子の自分でさえちょっとその気になったらひな鳥を握りつぶすように簡単に壊せてしまう。

その一方でゲヘナの風紀委員長、トリニティ正義実現委員会委員長、ミレニアムの約束された勝利の象徴らのような規格外や、万魔殿、ティーパーティー、セミナーらのような貴人達────すなわちキヴォトス生態系の頂点達からともすれば恋慕ともとれるような入れ込まれようをしており、本人は否定するだろうが、まるで彼女らよりも上位に君臨している王様ようにさえ見えることがある。

特に驚いたのは、たまたま見かけた地獄の羅刹よりも恐ろしいあの七囚人ワカモのありえない姿。先生に叱られ、顔面をクシャクシャにして赤子のように泣いていた。この世にあの化物をあんな姿にできる存在がいるなんて。今でも夢を見ていたのではないかと自らを疑うことがある。

そんな不思議なパワーバランスについて、時折思うことがある。先に挙げたような超人的な生徒たちも自分のような底辺も分け隔てなく平等に扱う先生と接していると、いつか自分はふと魔が差してしまうのではないか、と。
この人を力で屈服させてしまったら、一瞬でも私はあの決して敵わない人達の上に立つことになるのではないか、と。

つい衝動的に湧き上がらせたそんな暗く破滅的な妄想を、私は静かに頭を振って追い出した。

"どうしたの？"

突然の私の奇行を見逃さず、心配そうにこちらの顔を見つめる先生の瞳と一瞬目が合う。
慌てて目を逸らし、なんでもないです、と小さく呟いて仕事机へ意識を向ける。私は今、シャーレの執務室の中だ。
並み居る雲上人達を差し置いて、公平なくじ引きで選ばれた今日のシャーレ当番。
きっと私のような、この世界ではモブのような役割の人間には、一生に一度の奇跡。

だからせめて、願う。
今日の今を、良い想い出で終わらせられますように。
この小さな胸のうちの昏い欲望を、現実にはできませんように。

24二次元好きの匿名さん24/11/23(土) 23:55:10

>>12

スレチかもしれないけどこのレス参考にしてつい書いちゃった

どこかのモブちゃんで気弱ないじめられっ子設定で。