【SS】ホシノと先生が過去のアビドスに行く話 1.8

  • 1二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 10:15:03

    今の先生とホシノが過去のユメホシに会ったらどうなる?ってことを多分色んな箇所でされてるだろうけど妄想を形にしようと思った
    勢いに任せて書き始めるのでだれたりするかも
    行き当たりばったりになるかも
    それでもいいなら読んでください
    だれてもちゃんと完結には持っていきたい

    って思ってたけど保守し損ねて落としました
    2度目の保守忘れすいません!!!
    続きもまだ書けてないです!
    ほんとごめん!

  • 2二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 10:15:58
  • 3二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 10:16:18
  • 4二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 10:16:34

    ほんと...ごめんなさい...気をつけます...

  • 5二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 10:17:47

    まぁ、仕方ない、SS書いてる訳だしね

  • 6二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 10:30:01

    保守がてら軽く前回のあらすじ書くか

  • 7二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 10:41:17

    落ちちゃった

  • 8二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 10:50:13

    10まで

  • 9二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 11:05:02

    ume

  • 10二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 11:08:51

    スレ立てありがとうございます
    保守できなくて申し訳ない

  • 11二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 12:10:23

    前回のあらすじ
    ホシノは先生を連れて日課のパトロールをしていた
    その際中で虹色に渦巻く謎の穴を見つける
    調査のために中に石を投げ込むとユメ先輩の声が聞こえて来た
    さらなる調査のためにホシノと先生はその穴に飛び込むのだった
    穴は過去の世界に繋がっており、まだ生きていたユメ先輩と過去のホシノに出会った
    先生はまだ発足前に動いているシャーレの先生として、ホシノはその護衛の小鳥遊ソラノを名乗ることに
    ユメ先輩とホシノが出会ったその日、詐欺師によるバイトをユメ先輩が行こうとしていた
    ホシノはそれを事前に教えて、回避しようとしたがユメ先輩は誘拐されて、ホシノが経験したことと概ね同じルートを辿ることになった
    その事から2人は歴史を変えようとすると世界が修正しようとする歴史の修正力があることに気づいた
    また、2人は穴について調査をする
    だが、穴は見つからず...唯一あった手がかりはユメ先輩が話していたアビドス七不思議にそれらしい物があったくらいだった
    4人で過ごす中、ユメ先輩救いたいと思う気持ちが強くなった
    だが、歴史を変えるのは歴史の修正力はもちろん...後輩達を失う可能性もあった
    しかし、ホシノは強欲だった
    ユメ先輩を救い、後輩達を手放さいと決意し...2人で世界に抗うのだった

  • 12二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 14:17:41

    たておつです
    気づいたら落ちてたから再び見れてホッとしてます

  • 13二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 14:55:43

    前スレ落ちたの朝6時か……
    寝てた………

  • 14二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 23:58:37

    保守

  • 15二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 00:10:35

  • 16二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 07:00:18

    全裸待機

  • 17二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 15:44:44

  • 18二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 18:17:48

    このレスは削除されています

  • 19二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 18:20:06

    このレスは削除されています

  • 20二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 18:20:21

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  • 21二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 18:20:40

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  • 22二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 18:20:55

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  • 23二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 18:21:14

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  • 24二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 18:21:47

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  • 25二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 18:22:00

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  • 26二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 18:22:12

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  • 27二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 18:22:24

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  • 28二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 23:20:27

  • 29二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 08:07:50

    明日はしっかり起きれるか

  • 30二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 12:13:07

  • 31二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 22:20:07

    読み返しておこう

  • 32二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 03:58:26

    保守

  • 33二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 12:33:09

  • 34二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 22:50:42

    明日はどうなるか

  • 35二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 08:25:42

    ほしゅの

  • 36二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 18:01:51

  • 37二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 23:57:31

    保守

  • 38二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 08:08:23

    追いつけた

  • 39二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 09:04:35

    持参した塩が役立つ展開を見てみたいです

  • 40二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 19:15:10

  • 41二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 20:13:31

    アラームが鳴り響く。
    私はその音で目覚める。
    深夜2時、アビドス0丁目を調べるために夜中にアラームを掛けて目覚める。
    隣で私を抱き枕にしている先生はまだ目覚める様子はない。

    ホシノ「先生起きて、起きて...時間だよ」

    "あと5分..."

    漫画やアニメで聞くようなことを言い出した。

    ホシノ「でも遅刻すると調査できないよ」

    "んー..."

    ホシノ「先生が起きないならおじさん1人で行くよ?」

    "それはダメだ!"

    最後の言葉に反応して先生は飛び起きた。

    ホシノ「...起きた?」

    "起きました..."

    ホシノ「にしても...そんなにおじさんを1人にしたくないの?」

    さっきの一言で血相を変えて飛び上がったので聞いてみる。

  • 42二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 20:14:36

    "そりゃまあ..."

    ホシノ「過保護だなー先生は...そんなにおじさんのこと信頼してないの?」

    "列車砲"

    ホシノ「すいませんでした」

    地雷を踏んだ。

    ホシノ「さ、さーて...それじゃあ準備しようか
    寝る前に準備は予めやったし、アビドス0丁目の条件の3時までは1時間あるけどぐずぐずしてたらあっという間に過ぎちゃうからね」

    なんだかジト目で見られている気がするが、私達はいそいそと準備を終えて隠れ家を後にした。

    深夜2:45。
    私と先生はアビドス11丁目と他学区の境界線付近に来た。

    ユメ「こんばんはー」

    ホシノ(過去)「こんばんは」

    ほぼ同時刻、ユメ先輩と昔の私もやって来て合流する。

    ホシノ(過去)「全員遅刻せずに来れましたね」

    ユメ「そうだね
    あっ聞いてください先生、ソラノちゃん
    実はホシノちゃん、さっきまで私の家に来て私と寝てたんですよ
    よっぽど怖かったんでしょうね」

  • 43二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 20:15:42

    ホシノ(過去)「な、ななな...何を言ってるんですか!?
    怖いことなんか何もないですけど!?」

    昔の私が大慌てしている。
    可愛いところがあるじゃんと思った。

    "さて、そろそろ時間だ.....あれ?"

    先生が言葉を途切れさせた。
    私も、ユメ先輩たちも気づいた。

    ホシノ「霧...ですね...」

    ユメ「珍しい...しかも急にだね...」

    珍しく霧が出ていた。
    夜のアビドスは寒い。
    そのため、厚着で来たはずなのに不思議なほど、寒さを感じ始めた。
    まだアビドス0丁目ではないのだが、不気味さはあった。

    ユメ「...うん、今3時ぴったり...行こうか」

    ホシノ(過去)「ほ、本当に行くんですか!?」

    ユメ「行くよ!
    だってこんなの...本当っぽいじゃん!
    やっぱり七不思議はあるんだよ!」

    ホシノ(過去)「わ、わかりました...けど、何か危険を感じたら首根っこ引っ張ってでも逃げますからね!」

  • 44二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 20:16:22

    ユメ「その時はよろしくね、ホシノちゃん」

    話も終わり、私達は境界線を越える。
    先程の会話の時にも霧はかなり濃くなり、遠くが見えなく...隣でさえ見るのは苦労する。
    逸れそうになるほど霧は濃い。

    ホシノ「みんな、ちゃんといる?」

    ユメ「いるよー」

    ホシノ(過去)「はい、います...」

    "私もいるよ
    霧で逸れないように手を繋ごうか"

    先生の提案に従い、私達は手を繋ぐ。
    私は先生とユメ先輩と手を繋いだ。

    ユメ「あ、あれ...?」

    手を繋いだ瞬間、ユメ先輩が声を挙げた。

    ホシノ(過去)「な、なんですか」

    ユメ「...ホシノちゃんが2人いるかも」

    ホシノ(過去)「ええっ!?」

  • 45二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 20:17:40

    ホシノ「いや、それ片方私です」

    ユメ「あっそうなんだ...2人の手の感覚も一緒だからびっくりしちゃった」

    ホシノ(過去)「お、脅かさないでくださいよ!」

    アビドス0丁目とは無関係に私と先生は冷や汗をかいていた。
    だが、何はともあれこれで逸れることはないだろう。
    そう思っているとだんだんと霧が晴れてきた。

    ユメ「とうちゃー...あれ?」

    霧はまだ残っているが、少し遠くを見渡せるようになって手を離した頃、ユメ先輩が声を挙げるが不思議そうにしていた。

    ホシノ「ここ、アビドス1丁目ですよね...」

    そう、霧の中辿り着いたのは他学区の町でもなく、見知らぬ街でもなく、アビドス1丁目だった。

    ユメ「そうだね...でもおかしいね、私達まっすぐ歩いてきたはずなのに...」

    ユメ先輩の言う通り、不思議だった。
    手を繋いでいたとはいえ、いつの間に私達全員が道を...しかも逸れたとかではなく、Uターンする形になって歩いていたのだろうか。

    ホシノ(過去)「...本当にここ、アビドス1丁目ですか?」

    ホシノ「えっ」

    昔の私が不安げな声を挙げ、周りを見渡す。
    街並みは見覚えがあるアビドス1丁目そのもの。
    ...だが、昔の私の言う通り...雰囲気が同じ町とは思えないほど不気味だった。

  • 46二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 20:18:01

    時刻は3時10分
    街灯は光をともさず、草木も眠る丑三つ時...人がいないアビドス...だとしても異常なほど、命の気配を感じなかった。

    ユメ「...見た目はアビドス1丁目だけど...ここがもしかして、アビドス0丁目?」

    ホシノ「...そうかもですね」

    昔の私はもう隠すこともなく、ユメ先輩に抱き着いていた。
    とはいえ、ユメ先輩も少し声は震えていて...隣の先生も余裕がなさそうだった。
    かくいう私も...恐怖を覚えていた。

    私達は恐怖を覚えつつも、アビドス0丁目を調査するために歩き出す。

    ホシノ「今更ですがユメさん...アビドス0丁目ってなんなんですか?」

    ユメ「あれ、知らないんだ...私も詳しくは分かってないし...本にもそんな書いてないからあれだど、説明するね
    このアビドス0丁目はね...地図になくて、行くことが出来ない...行ってはいけない死者の町
    昔のアビドスの生徒会長が行く方法...今の手順だね
    それを見つけて...誰にも見つからないように秘密の遺産を隠したんだって
    ってのが...私が聞いたのと本に書いてある内容の全部かな?
    あっ帰る方法としては日の出までにアビドス0丁目から出る必要があるんだって
    そうじゃないと...私達もアビドス0丁目の住人になっちゃうとか」

    ホシノ(過去)「ひっ...!?」

  • 47二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 20:18:26

    ユメ先輩の説明を聞いて昔の私がまた震えていた。

    "けど、その遺産って持って帰ってもいいのかな?"

    ユメ「まあ...人のものって言ったらそれまでですが...元々は生前の状態でここに隠したのであれば死者の町とは無縁ですし...それに」

    ホシノ(過去)「そうか...物品ならすぐに売ったり、お金ならすぐに使ったりすれば呪いとかはそっちに行きますよね」

    ユメ「す、すごいこと言うね...私はお祓いすればいいかなって思ってたんだけど...」

    恐怖に怯えても昔の私の考えることは物騒だった。
    やめて先生、そんな目で私を見ないで。

    クスクス...クスクス...

    ホシノ「...先生、何か言った?」

    "えっ...?"

    私の質問に先生は不思議そうな顔をしていた。
    今笑い声が聞こえたような気がしたが空耳だろうか?

    ホシノ(過去)「ところで、その遺産の隠し場所ってどこですか?
    まさかノーヒントじゃないですよね?」

    ユメ「あっうん...大丈夫
    ちゃんと本に書いてあるから
    ちょっと歩くけど...こっち、付いてきて?」

  • 48二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 20:18:51

    私達は再度歩き始める。
    霧もあるが、風も吹いている。
    風でものが動いたり、音を立てる度に昔の私が体を震わせて辺りを確認していた。
    その時、ひときわ大きな風が吹いた。

    ホシノ(過去)「う、うわああああ!」

    ユメ「ぶっ!?」

    "うわっ!?"

    それに驚いた昔の私は塩をぶちまけて、ユメ先輩と先生の顔にクリーンヒットした。
    私は躱した。

    ホシノ(過去)「あっ...」

    ユメ「ひぃん...しょっぱいよぉ...」

    "ホシノ...落ち着いて...今のは風だから"

    ほしの(過去)「すみません...」

    クスクス...クスクス...

    再度笑い声が聞こえた気がした。

  • 49二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 20:19:12

    ホシノ「.......」

    "ソラノ?"

    私は周りを見渡す。
    私たちの傍には誰もいない。
    この状況で笑っている人もいない。
    だから空耳なはずだ、今のは。
    だが今の声は...なんだか聞き覚えがあった気がする。
    また霧が濃くなってきた気がする。

    ホシノ「霧が濃くなってきた...みんな、また手を繋ごう。」

    私はみんなに声を掛ける。
    だが、返事はなかった。

    ホシノ「あれ...みんな...?」

    もう一度声を掛けるが、返事は変わらずない。

    ホシノ「ちょっとみんな...そういう冗談は...」

    誰かの体に触れようと腕を動かすが空を切るか、アビドス0丁目の町に触れるだけだった。
    霧はどんどん濃くなる。
    まずい、逸れたか?

  • 50二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 20:19:38

    クスクス...クスクス...

    いやだ、だとしても何時だ?
    足並みは揃っていた。
    3人...いや、1人でもこんな短時間で距離を開けるほどのスピードで移動した様子もない。
    訳の分からなさと孤独により、私はどんどん恐怖に包まれる。

    クスクス...クスクス...

    ホシノ「まさか...本にも書いてないアビドス0丁目で起きる怪異?
    いやでも...ビナーみたいになにか噂の元になるのがあるはず...」

    でもなんで私だけ...もしかしてさっき塩を避けたから?
    塩ってバカにできないな...なんて余裕ぶってみるが...恐怖と焦りは止まらない。

    クスクス...クスクス...

    誰もいないはずなのに以前笑い声は聞こえる。
    やめろ...笑うな...その笑い声は無性に腹が立つ...

    ホシノ「...とりあえず、アビドス0丁目から出る...?
    いや...それで私だけ出てみんな置き去りになる可能性も」

  • 51二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 20:19:55

    クスクス...クスクス...

    ホシノ「......さっきから誰!?
    私に何の用!?」

    私は遂に我慢できなくなり、声を張り上げる。

    クスクス...
    馬鹿だ...馬鹿が1人いる...
    自分の馬鹿さにも気づかない馬鹿がいる...

    ホシノ「...なに?」

    笑い声は言葉も喋り始めた。

    自分の罪から逃げようとしている馬鹿だ。

    ホシノ「...罪から逃げてるって...ユメ先輩のこと...?
    そもそもあれは...」

    そう、あれは事故だった。
    紛れもない事実だ。

    それでも、自分に責任がないとは思ってない。
    あの時せめて、喧嘩なんかしなければそれだけで変わったはずだ。

    ホシノ「そう...だけど私はそれも背負って前に進むと決めたんだ」

  • 52二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 21:39:41

    でも結局、逃げてるだけじゃない。

    ホシノ「...そんなことない...私は...!」

    じゃあ、なんで過去を変えようとするの?

    ホシノ「...それはユメ先輩を救いたくて」

    それも事実だけど、本当は自分の罪を消したいんじゃない?

    ホシノ「ちがっ...私はそんなこと...!」

    そうだね...そこまでは考えてないか。
    そもそも出来るかわかんないし...
    けど、結局は自己満足がでかいよね?
    ユメ先輩を救うことで少しで自分を許したい気持ちはあるよね...

    その声は不思議と酷く胸に突き刺さる。
    なぜだろうか...図星だから...?
    いや違う...そんなことのために動いてるわけじゃない。
    そう否定したいのに私に刺さる言葉はそれを許さない。

    結局自分可愛さで動いてるだけだよ、私は
    そんなこと、許されると思ってるの?

    ああ、わかった...この声は私だ。
    私の声だから否定を許さない。
    思ってなかったはずのこともきっと、心のどこかで思っていたのだろうか?

  • 53二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 21:40:29

    ホシノ「違う...違う...
    私はただ...ユメ先輩を...」

    違くないよ。
    結局私は自分の本当の気持ちも気づかない馬鹿で、過去の罪も消そうとしている最悪な奴なんだよ

    ホシノ「止めて...違う...私は...」

    私はその場に蹲ってしまう。
    声は絶えず私を批難し続ける。
    私はただ、時が過ぎるのをひたすらその場で待っていた。

    いつの間にか意識を失っていたのだろうか
    私の視界に見慣れた天井を見上げていた。

    ホシノ「...ここは」

    ホシノ(過去)「...ソラノさん?
    意識が戻りましたか!?」

    隣を見ると昔の私がいた。
    他にもユメ先輩や先生もその場にいた。
    2人とも昔の私の声に反応して私の傍に寄ってくる。

  • 54二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 21:40:55

    "ソラノ、大丈夫!?
    どこかおかしなところない!?"

    ユメ「ソラノちゃん!
    ごめんなさい...私がアビドス七不思議について調べようって言ったらまさかこんなことになるなんて」

    2人とも泣きそうな顔をしていた。

    ホシノ「えーっと...とりあえずどういうことか説明してもらえる?」

    "ソラノ...覚えてない?
    アビドス0丁目に着いて、霧がまた濃くなってきたからみんなで手を繋ごうとしたんだけど、急にソラノが進みだしたんだ
    慌てて追ったんだけど見失って...それでも探してたら蹲ってうわ言のように違うとか...ごめんなさいって言い続けてるソラノがいたんだ
    揺すったりしても特に変わらず...しまいには意識も失ったから慌ててソラノを抱えて帰ってきたんだ"

    ホシノ「そ、そうだったんだ...」

    なるほど...皆からしたらそういう風になってたんだ...

  • 55二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 21:41:26

    ユメ「ソラノちゃん...何があったの...?」

    ユメ先輩は心配そうに私を見ているが...

    ホシノ「すみません、覚えてないです...」

    私は嘘をついた。

    ユメ「.....そっか」

    ユメ先輩はそれっきり聞かなかった。
    なぜかすごく悲しそうな顔をしていた。
    私もユメ先輩の顔をあまり見れなかった。

    しばらくして私と先生は隠れ家に帰ることにした。
    ユメ先輩と昔の私は今日くらい泊っていけばいいと言ってくれたが先生と2人だけで話したい事があったのでそれは断った。
    帰り道、特に会話はなかったが...

    ホシノ「先生...?」

    先生が手を繋いできた。

    "...さっき何も覚えてないってのは噓でしょ"

  • 56二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 21:41:52

    ホシノ「ありゃ...バレてる...
    でも勘違いしないでね?
    2人っきりの時にちゃんと話すつもりだったから
    ユメ先輩達がいると離せないだけで隠し通すつもりじゃなかったから」

    "そっか...じゃあ、戻ったら聞くよ"

    そのまま手を繋いだま私達は隠れ家に着く。

    ホシノ「ふぅ...やっと帰ってこれた」

    "それで、何があったの?"

    ホシノ「とりあえず順番に話すね」

    アビドス0丁目で起きたことを順に話す。
    アビドス0丁目に入ってから笑い声が聞こえてきたこと。
    霧が濃くなってきたのでもう一度手を繋ごうと声を掛けたら1人になったこと。
    それでも絶えず笑い声は聞こえていたこと。
    そしてその声...私の声に糾弾されたこと。

  • 57二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 21:42:16

    ホシノ「こんな感じかな...そのあとは気を失って気づいたら昔の私の家にいたんだ」

    "そっか..."

    人通り話し終えると沈黙がその場を包んだ。

    ホシノ「...先生...過去を変えるってどう思う?
    そりゃ...許されないのは分かってるけどさ...それでも私はユメ先輩を助けたくてやってきたんだ...
    けど...やっぱりそれは許されなくて...自己満足でしかないのかな...私は...自分の罪から逃げたいだけなのかな」

    "それは違うんじゃないかな?"

    ホシノ「うへっ...?」

    先生は私の悩みをすっぱりと否定した。

  • 58二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 21:42:41

    "歴史を変えるのは...まあダメだろうね...でもこれは最初から私達は把握してたし今更だ
    それで...ホシノが自分の罪から逃げたいってのも...まあ断定はできないけどこれも多分...潜在的にどこか思っていたのは事実だ"

    先生にそれを肯定されて、私は俯く。

    ホシノ「でも...それならなんで...」

    "そもそも...人間なら誰だって過去の行いを...取り返しのつかないことならなおさら、誰だって逃げたいよ
    大小あるけど、そんなのは私もだ
    それについてはそんなに恥じることじゃないよ"

    ホシノ「...それでも」

    "ホシノ...ユメのこと、救いたい?"

  • 59二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 21:43:18

    ホシノ「そんなの...当たり前だよ!」

    先生の問いに私は声を張り上げる。

    "だったら、それでいいじゃないか?
    ホシノのその気持ちは...決して小さな気持ちじゃないでしょ?
    誰かを助けたい想い...私は胸を張っていいと思うよ"

    先生の言葉にハッとする。
    そうだ...自己満足だとしても...逃げたい気持ちがあったとしても...

    ユメ先輩を助けたい想いだけは否定させない。

    "...ホシノ、まだやれるかい?"

    ホシノ「...ありがとう、折れそうだったけど...先生のおかげで持ち直したよ」

    "どういたしまして
    私もどうかと思うんだけど...嫌なんだ、生徒が必ず不幸な目に逢うことが...エゴだとしても作りたいんだ...幸せになれる道を"

    ホシノ「ありがとう、先生」

  • 60二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 21:43:44

    "ところでホシノ...今回の事についてどう思う?"

    ホシノ「...歴史、変わってるよね」

    私が持ち直した様子を見て先生が話題を変えた。
    そう、歴史が変わった。
    手段と結果は分からないが...私達がやりたかったことは一部成し遂げられた。
    様子を見て、本格的にユメ先輩を救うために歴史を変えたいと思っていたのだが...

    "...確信はないけど...これ、歴史の修正力とかそういうものの力が働いたんじゃないかな
    ホシノの心を追って歴史を変えさせないようにするとか"

    ホシノ「...えっ?」

    先生はそういうが私には疑問が残った。
    まず、歴史の修正力が自分からアクションを起こすことなんかなかった。
    まあ...これに関しては相手はそもそも意識があるのか...それ以前に存在というのもあやふやなのでどういうアクションを起こすなんて予測は不可能ではあるのだが...
    それでも、今回のはやはり異例に感じる...

  • 61二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 21:44:05

    ホシノ「...そうだとしても...歴史の修正力自身が歴史を変えてまでする?」

    "今までの傾向を見るに...大局的に問題ないと判断すれば歴史の修正力的には問題と思うんだ
    だから今新しい歴史を増やしても最終的に変わらなければ問題はない...向こうからアクションを起こしてはいるけど、やってること自体にそんな変わりはないと思うんだ"

    ホシノ「...なるほど...だけど」

    "そう...今回のは明確に悪意というか...私達を排除しようとしてる意思を感じる...
    ホシノに起こった怪異も多分歴史の修正力が利用したものだと思う...
    ...向こうが歴史を変えるのだってそれ相応のリスクが発生するのにそれでもそんなことをするなんて、どうやら相手は自分自身で歴史を歪めるほど私達が嫌いみたいだ"

    まあ、それはそうだろう...仕方がない...

    ホシノ「でも...私は諦めないよ
    先生がいてくれるなら絶対...!」

    そういうと、満足そうに頷いてくれた。
    話も終え、もう日も昇ってはいるが眠ることにした。

  • 62二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 21:44:30

    ホシノ「ところで先生、あんな霧の中...よく見つけてくれたね?
    もしかして...先生の私に対する想いで...?」

    なんて茶化しながら聞いてみる。

    "いや...あの時は塩が道みたいに落ちててね、それを辿ったんだ"

    なんだ...つまんないな...

    "ホシノはそういう私がホシノを思う気持ちで見つけて欲しかった?"

    ホシノ「うへっ...!?
    そ、そういうわけじゃ...あーなんだかまた眠くなってきたなー!
    先生、早く寝よ!」

    自分でも無理矢理だなと思いつつも、私は先生と一緒に横になる。
    今更男女で一緒の寝具ってどうなのだろうか...いやまあ...この生活1か月続いてるし...先生と同じ寝具は以前砂漠でもやったし本当に今更ではあるのだが...今日に限って心臓のドキドキが止まらない。

    "ホシノ"

    後ろで先生の声が聞こえてくる。

    "仮に塩がなくても私はホシノを見つけてたよ
    なぜかそんな確信があるんだ"

    ホシノ「...そっか」

    心臓のドキドキはまだ収まらない。
    それでも私はきっと、幸せな顔をしていたと思う。

  • 63二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 21:47:02

    お待たせしました、更新です
    文章量が増える増える
    最初は1、2000文字だったのに今では4000は軽く超えてるよ
    SSってなんだっけ

  • 64二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 22:32:55

    続き感謝の寝る前ほ

  • 65二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 08:49:22

  • 66二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 18:09:04

  • 67二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 23:17:45

  • 68二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 09:25:29

    ゆめ

  • 69二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 19:57:16

    ぱい

  • 70二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 23:00:51

    えっ

  • 71二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 07:53:45

    良いSSだ

  • 72二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 18:34:23

    のんびり待機保守

  • 73二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 21:05:11

    ほし

  • 74二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 08:13:30

    保守

  • 75二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 16:29:49

    いいSSは急かさず、焦らず待つものだ……

    心のままに書いてくれ……

  • 76二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 00:28:45

  • 77二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 08:45:21

    ほし

  • 78二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 17:07:33

    初見だけど早めに保守しとくよ

  • 79二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 17:50:20

    前スレのビナー戦、ホシノの骨に影響が出るほどの怪我だったのか
    無事完治してくれて良かった
    にしてもアビドス0丁目おっそろしい場所だった、元々あった怪異を利用されたのかな、現代でも行ける可能性がありそう
    やはり良いSSだ

  • 80二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 23:04:26

    ほしゅの

  • 81二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 08:15:24

    塩のおかげでホシノを見つけれたのか、良かった
    歴史の修正力やはり難敵だ

  • 82二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 18:17:54

    次回予告:デート回

  • 83二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 23:18:16

  • 84二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 08:09:02

    デート回ですか楽しみです

  • 85二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 19:29:49

    大丈夫かね

  • 86二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 22:39:01

    アビドス七不思議についての事件から数か月が経った。
    依然私と先生は歴史改編のため日々勤しんでいた。
    結果はまあ...芳しくない。
    元々大々的な事件はそこまで起きておらず、主に小さな出来事を出来るだけ変えてアビドスの状況をよりよくし、昔の私とユメ先輩が喧嘩しないようにしていた。
    だが先ほども言った通り、結果は芳しくない。
    歴史の修正力はどんな些細な改変も許さなかった。
    これくらいは行けるんじゃないかと思っても全て最終的には概ね同じ結果にされる。
    最近はそれの繰り返しの日々だった。
    時間もいたずらに過ぎていく。
    このままではまずいと思う...
    私達には帰るべき場所がある。
    そのためには昔の私とユメ先輩が喧嘩する前日、アビドス七不思議にもある時空を超える穴を再び越えなければならない。
    その日まで約1か月前まで迫っていた。
    今でさえどのくらいの時間が向こうで経ったかのかわからないのにもしそれを過ぎれば1年はここにいなければならない。
    そんなこと、先生に付き合わせるわけには...

  • 87二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 22:39:28

    そんな考え事をしていると起床の時間を告げるアラームが鳴った。
    私はいつものようにアラームの前には起きて朝食の準備をしていた。
    今日は土曜日だがそれは変わらない。
    そのアラームによって先生が目覚める。
     
    "おはよう...ホシノ...悪いね今朝も朝食作らせて"
     
    ホシノ「いいんだよ、結構楽しいからさ
    普段はあんまりこだわりとかなかったけど、こういうのもいいよね」
     
    私は先生に笑顔を向けて答える。
    なんだかその笑顔は自分でもぎこちないなと思った。
     
    ホシノ「お待たせー」
     
    完成した朝食を持って私は食卓に座る。
    我ながら上手くできたと思う。
    数か月前までは下手だったが...誰かのために作ろうとするとこうも変わるのか。
    2人で手を合わせて朝食を食べる。
    先生はまだ若干寝ぼけてるのか静かに食べている。
    それでも時折小さな声で美味しい呟く。
    私はそれだけで嬉しくて頬がほころんだ。
    今度はぎこちなさはなかった。

  • 88二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 22:59:14

    "さて、ホシノ...今日はどうするか"
     
    朝食も食べ終わったあと、いつものミーティングをする。
     
    ホシノ「...流石にそろそろネタが尽きたかな...まずいよね...時間ないのに
    先生、なにかない...?」
     
    私は縋るような目で先生を見ている。
     
    "......よし、じゃあ今日はオフにしよう"
     
    そんなことを先生は言い出す。
    オフの日、それは歴史改編は考えずにただ楽しくその日を過ごそうという試みだ。
    アビドス七不思議の時をきっかけに先生が時折提案する。
    それは私の様子を見て提案しているので半ば強制だ。
    正直、タイムリミットまでもう日はないのに遊んでて良いのかと思う半面、いまはアイデアすらも浮かばない。
    今無理矢理何かやっても失敗して、1日を無駄にするのは私にもわかる。
    それなら有意義に使うのも手だ。
    焦る心を制して私は休むことにした。

  • 89二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 22:59:46

    ホシノ「また思い詰めてたか...いや、これに関してはタイムリミットもあるから自覚はあるな...
    ありがとう、先生...じゃあ改めて先生...今日はなにしようか」
     
    "ホシノが好きなことでいいよ"
     
    ホシノ「またー...?
    それ言われる身にもなってよね...先生はどんな事提案しても大抵は楽しそうにするからいいけど、考える方も大変なんだよ?」
     
    私は先生の返答に苦言を呈しながら考える。
    その中で1つの考えが浮かんだ。
    よくない。
    これを提案することは別に悪くはないが...考え方はよくない。
    そんな考えを押し殺し、私は先生に案を出す。
     
    ホシノ「じゃあ先生、私とデートしてよ
    こっちの世界にもすでに水族館はあるからさ...そこでデートしようよ」
     
    "で、デート!?"
     
    デートと言う単語に先生は顔を赤くして噴き出していた。
     
    ホシノ「私の好きなことでいいんでしょ?
    ほら、行こうよ」
     
    "し、仕方ないなー..."
     
    私には上手く感情を読み取れない顔をして先生は了承してくれた。
    朝食も終え、寝間着から着替える。
    本来、デートなんでおしゃれする状況なのだが、デート服などここにはない。
    そのため、お互いスーツと制服という代わり映えのない恰好で外に出た。

  • 90二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:00:24

    ホシノ「ごめんね先生...本来はもっと可愛い恰好したかったんだけどさ」
     
    "ホシノはどんな格好でも可愛いよ"
     
    そんな歯の浮きそうなセリフを先生は言いながら私の手を取る。
     
    ホシノ「ちょっ...先生!?」
     
    "デートなんだし、これくらいはね"
     
    顔を赤くして抗議する私を無視して先生は私を連れて水族館に行く。
    水族館に向かう途中、先生の行動を見ていたらいわゆる男の人としての理想に近いものだった。
    道路は必ず車道側を歩くし、細かな個所にもすぐに気付く。
    そんな様子に関心するばかりだった。
    対して私はデートなのもあり、がっちがちになっていた。
    ...大丈夫かな、これ
     
    ホシノ「よし、到着!」
     
    "2年しか差はないとはいえ、やっぱりあまり変わらないね"
     
    ホシノ「けど中は多分違うよ
    ほら早く行こ、私もう待ちきれないよ!」
     
    水族館を前にして私のテンションはかなり上がっていた。
    今度は逆に私が先生の手を引いて先へと促す。
    先生は少し困った顔をしながらも嬉しそうにしながら私に引かれて付いていく。

  • 91二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:01:53

    水族館を入ってすぐの道、演出の為照明は少なく周りは暗い。
     
    ホシノ「危ないから少し寄ろうか」
     
    なんてもっともなことを言いつつ私は先生との距離を縮める。
    先生の手を握るのではなく、腕を抱きしめていた。
    敢えて胸を当ててみる。
    先生の反応はない。
    自分の体が貧相なことは分かっていたがそれはそれでむかつくので軽く蹴った。
     
    "いたっ...!?"
     
    ホシノ「ごめんごめん、躓いちゃった」
     
    私は先生に笑いながら謝る。
    今度の笑顔は少し怖かったと思う。
    私達はそのまま通路を進む。
    通路の先では元の世界でもよく見た巨大な水槽が広がっていた。
     
    ホシノ「2年だけだし、あんまりおおきくは変わってないね」
     
    "そうだね"
     
    その水槽の前で私と先生は立ち止まって眺めている。
    ほとんどは変わらない顔ぶれだが、まだ幼かったり、元気そうな泳ぎ姿だったりとやっぱり異なる。

  • 92二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:03:42

    ホシノ「おっ...先生見てこの子...見覚えない?」
     
    "...うーん...ごめん、わからないや"
     
    ホシノ「じゃあ、このヒレ見てよ」
     
    "...このヒレは見覚えある...ってことはこの魚2年であんな大きくなるの!?"
     
    ホシノ「みたいだね、私もびっくりしたよ」
     
    なんて会話を私は先生とする。
    距離も近い。
    今の私達はどう見えているのだろうか...カップルに見えているのだろうか?
     
    ホシノ「...やっぱ時間も違うから新鮮で面白いね...先生、もっと奥行こうよ!」
     
    "わかった"
     
    私は手を取って先を促す。
    心臓は緊張で常に張り裂けそうだった。
    けれど幸せなのも事実だった。
     
    ユメ「あれ...ソラノちゃんと先生?」
     
    進んだ先でユメ先輩がいた...否、ユメ先輩だけではなく昔の私もいた。
     
    "やあ、ユメ、それとホシノ"
     
    先生はいつもの調子であいさつをする。
    たいして私はその場で表情すらも固まっていた。

  • 93二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:04:36

    ユメ「...ソラノちゃんが女の顔してる!」
     
    ホシノ「なっ!?」
     
    ユメ先輩のとんでもない発言と共に昔の私が動き出し、軽く乱闘騒ぎになった。
     
    騒動がひと段落したころ、私達4人は水族館にあるカフェに入った。
    4人がそれぞれ飲み物を頼み、席に座る。
    昔の私は不機嫌そうだった。
     
    ホシノ(過去)「...それで、2人は何をしていたんですか?」
     
    ホシノ「えっと...」
     
    "デートだよ"
     
    ホシノ(過去)「はあ!?」
     
    先生...それは事実だけど...ちょっとは気づいて...
    女心がわからないの...?
    昔の私を盗み見ると再度飛び掛かりそうな勢いで私を睨んでいる。
    だがまあ...言ってしまったものはしょうがない。
     
    ホシノ(過去)「...本当なんですか...ソラノ先輩」
     
    ホシノ「本当だよ」

  • 94二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:05:05

    隠さず言うことにした。
    昔の私は隠しているがショックを受けた顔をしていた。
    先生はそれに気づいてなかった。
    殴りたくなった。
    ユメ先輩も同じ気持ちなのかちょっと笑顔が怖かった。
     
    "しかし...まさか偶然出会うなんてね..."
     
    ユメ「はい、たまたま水族館のチケットをもらったんです
    それで、ホシノちゃんがお魚好きなんで誘って来たんです
    2人はデートだそうですが...どうして水族館に?」
     
    "ソラノも魚が好きでね"
     
    ユメ「へえ、ホシノちゃんとそんなところも似てるんだ」
     
    なんて言うので少しヒヤッとした。
    その時、館内アナウンスが鳴った。
    内容はクジラショーを知らせるものだった。
     
    ホシノ「先生!」
     
    "うん、行こうか"
     
    ホシノ「どうせだし、2人とも一緒に行こうか」
     
    私はユメ先輩と昔の私に声を掛ける。
    2人とも私の提案に乗り、4人でクジラショーに向かった。

  • 95二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:05:28

    ホシノ「うへぇ...すっごい人...」
     
    クジラショーには大量の人が集まっていた。
    そのため、結局...ユメ先輩と昔の私とは別々になった。
    ユメ先輩は頑張れとエールを送ってくれた。
    やはり昔の私は睨んでいた。
    ユメ先輩と昔の私とは少し離れた場所で先生と一緒に座り、クジラショーの開始を待つ。
    しばらくしてクジラショーは始まり、私も先生もその大迫力のショーを楽しんでいた。
     
    ホシノ「やっぱクジラいいね、先生」
     
    "私もソラノみたいにクジラにハマりそうだよ..."
     
    なんて笑顔で言い合う。
    クジラショーはあっという間に終わってしまった。
     
    ホシノ「終わっちゃったね...」
     
    "けど、すごい迫力だったね"
     
    お互い感想を言いながら会場を後にする。
    その時、ユメ先輩から連絡が来た。
     
    『ホシノちゃんは私の方でなんとかするから2人で楽しんできて』
     
    そんな内容だった。
    普段は頼りなかったりするのだが...なぜ色恋だけは敏感なのか...
    もう少しその敏感さを日常でも活かしてほしいなと思いながらも私はお礼のメッセージを送る。

  • 96二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:05:55

    "ソラノ、次はどう...うわっ...!?"
     
    私は先生の手を取って少し駆け足で歩きだす。
     
    ホシノ「今度は2人で色々回ろう?」
     
    "でも、ホシノとユメは..."
     
    ホシノ「先生、今日はデートなんだよ?」
     
    "...ごめん、そうだったね...じゃあ、2人には悪いけどそうしようか...ホシノ"
     
    先生は少し申し訳なさそうな顔をして歩くペースを速めた。
    私はそのまま手を引いて水族館を歩き出す。
    前とは違う水族館デート。
    水族館自体もそうだが、私の気持ちも違う。
    大好きな先生との...幸せな時間だった。
     
    "ふぅ...もう回り切ったかな"
     
    水族館を端から端まで見尽くした私達は海が見えるテラスに来ていた。
    時刻は夕方、景色は眩しくも奇麗な夕焼けだった。
     
    ホシノ「そうだねー...もう知らないところはないくらい見尽くしたね」

  • 97二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:06:11

    夕焼けを見て私の気持ちも落ち着いてくる。
    同時に今朝の事も思い出す。
    今でもやめろと言う声は聞こえてくる。
    なにも学んでいないのか...散々言われてるのにそれでもお前はその選択をするのか。
    そう問いかけてくる。
     
    ああそうだ。
     
    ユメ先輩の事は救いたい。
    後輩たち以外のことなら何を差し出してでも救いたい。
    だが、それと同じくらい...私は先生の事が好きだった。
    好きになった。
    きっと悲しい思いをさせる...かもしれない。
    酷いとは思いつつもそうだといいなと思った。
    それでも、私はユメ先輩と同じく、先生の事も守りたい。
    だからもし、タイムリミットが来たら私は...
     
    "ホシノ、タイムリミットが来たらどうするつもりだい?"

  • 98二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:06:38

    心臓が止まりかけた。
    どうして...?
    なんで...急に...
     
    ホシノ「...まだ決めてないかな...残るか帰るか」
     
    "私だけ帰そうとしてるでしょ...ホシノ"
     
    ホシノ「や、やだな...そんなことあるわけないじゃん...おじさんだってみんなに言われて...」
     
    誤魔化しながら答え、先生の顔を見る。
    その真剣な顔はもう誤魔化せないとわかった。
     
    ホシノ「...すごいね、先生
    私...そんなわかりやすく態度にでたりした?」
     
    "そういうわけじゃないよ...ただ、そう思っただけ..."
     
    ただの勘で当てられたのか...なんだそりゃと思ったが...まあいいや。
    私の答えに先生は悲しそうな顔をしていた。
     
    "ホシノ...どうして?
    私、何度ももう1人にさせないって言ったよね
    なのになんで...
    確かにいつもより足は引っ張ってるけど...そんなに私は頼りないかな"

  • 99二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:08:21

    ホシノ「それは違うよ先生!」
     
    思わず声を張り上げる。
     
    ホシノ「頼りなくないよ
    そりゃ、いつもより戦闘面で先生を守るために動きは増えたのは事実だけど別にそんなこと苦じゃない
    何度私が先生に救われたか...」
     
    "なら...どうして...?"
     
    ホシノ「大切だからだよ、先生」
     
    大切だから守る、大切だから危険を遠ざける。
    なにもそうしたいのは不思議じゃないはずだ。
    だから私は...
     
    "大切なのは私もだよ...ホシノを1人でなんて...先生がどうこう以前に私個人が嫌だよ!"
     
    先生が私の手を握る。
    その思いに、その手の温もりに絆されそうになる。
     
    ホシノ「だめだよ...私なんかよりも先生は大事なことがあるはずだよ」
     
    "違う...ホシノ、私はホシノのことが...!"
     
    ホシノ(過去)「やーっと見つけた!」
     
    昔の私の声が響き渡る。
    その声にハッとして先生は手を放し、私は後ろを見る。
    昔の私が走ってこっちに近寄ってきて、その後ろをユメ先輩が申し訳なさそうにしていた。

  • 100二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:08:47

    ホシノ(過去)「まったく...2人で抜け駆けなんてずるいです...なにかありました?」
     
    昔の私が私と先生を囲む重い空気を察した。
     
    ホシノ「ううん、大丈夫だよ
    おじさんたちはそろそろ帰ろうとしててね」
     
    ホシノ(過去)「そ、そうですか...わかりました
    私達も一通り周ったのでもう帰りましょうか...」
     
    過去の私は空気を読んでそういう。
    先生も異論はなさそうだったので4人で水族館の入り口に向かう。
    重苦しい空気のまま、水族館の入り口について私達は解散した。
    とりあえず明日は2人に謝っておこう。
    そう思いながら私と先生は無言で隠れ家に戻る。
    それからも私達は喋らない。
    隠れ家に戻っても、身支度が終わっても、食事を始めても...食べ終わっても喋らない。
    重い空気のまま、時間が過ぎていく。
    その中で先程のやり取り思い出す。
    あの時...先生は何を言おうとしていたんだろうか...
    それを考えていると、先生が口を開いた。

  • 101二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:09:10

    "...さっきの話の続きをしようか"
     
    先生がその重い口を開いた。
     
    ホシノ「わかった..けど先に食器だけ片そうか」
     
    私は了承し、食器を片付けようとして立ち上がる。
    その瞬間、力が抜けるのを感じた。
     
    "...ホシノ?"
     
    食器が手から零れ落ちて地面で割れる。
    同時に体から力が抜けその場に崩れ落ち、原因不明の苦しさが私を襲った。
     
    ホシノ「はぁ...はぁ...なに、これ...苦しい...力が...抜ける...」
     
    力の入らない手で自分の胸を掴み、その苦しみを耐える。
     
    "ホシノ...ホシノ!?
    どうしたんだ急に!?"
     
    先生が駆け寄って私を支える。
     
    ホシノ「わかん...ない...なにこれ...」
     
    原因は分からない。
    そんな苦しみにひたすら耐えていると徐々に苦しさは薄れていく。
    だが以前、力は抜けたままだ。

  • 102二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:09:29

    ホシノ「大丈夫...少し落ち着いたから」
     
    "ほ、本当に...?"
     
    そうは言うが説得力はないだろう。
    脂汗を流しながら、今も恐らく辛そうな顔をしている。
    何かの病気か?
    でもこんな急に?
    そんなことを考えていると先生に電話が来た。
     
    "ユメからだ...どうしたんだろうこんな時間に
    もしもし、どうしたのユメ?"
     
    ユメ「よかった..繋がった
    助けてください...先生、ソラノちゃん...!
    ホシノちゃんが...ホシノちゃんが...!」

  • 103二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:10:00

    更新完了!
    デート回と言ったな?
    ただのデート回だと思ったか!

  • 104二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 08:39:01

  • 105二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 19:03:40

  • 106二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 03:06:15

  • 107二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 13:46:36

    もしかして過去ホシノが死にかけてて、ホシノが消えそうになってる、とかじゃないよね?

  • 108二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 22:51:01

  • 109二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 08:58:55

    読み返しておこう

  • 110二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 19:40:11

    このレスは削除されています

  • 111二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 00:13:01

    ほしゅの

  • 112二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 09:13:21

  • 113二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 19:05:53

  • 114二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 00:49:06

  • 115二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 08:11:04

  • 116二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 18:51:02

  • 117二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 19:44:45

    沈んだ気持ちでユメ先輩を送って家に帰る。
    今日はユメ先輩と2人で水族館に行って楽しく過ごすはずだった。
    はずだった...。
    先生とソラノ先輩を見るまでは。
    別に2人の事は嫌いというわけではない。
    ソラノ先輩は苦手だがその言葉にはやけに重みを感じて納得できることが多く、無視できない。
    先生も嫌いな大人ではあるが...他よりは信用できる。
    もう一度言うが嫌いではない。
    むしろ先生に対しては...
    いや、これは関係ない
    ......関係なくはない。
    先生は信頼できない大人なはずだ。
    それでも...私は心動かされてる。
    私やユメ先輩の相談に真摯に向き合う姿。
    くだらないことも汚れなども気にしないで私達と楽しむ姿。
    間違ったときはちゃんとそれを指摘して正しい方向へと導こうとする姿。
    銃弾1つで死ぬこともあるのに危険を顧みずに私達のために動く姿。
    信頼できないとは言いつつも、その姿を見て信頼している自分がいるのはもう自覚していた。
    それは別に問題じゃない。
    ...問題は...いつしかそんな先生に惹かれている自分だ。
    先生を好きになったと言ってもいい。
    だが、これも問題と言ってもそこまで大きなものでもない。
    初めての恋でまともにアプローチも出来てないが...
    だが、一番の問題はソラノ先輩だ。
    ソラノ先輩が先生を見る目は全幅の信頼を置き、慕っているものだった。
    ぽっと出の私にはわからない経験と積み重ねがそこにはあるのだろう。
    それは先生も同じだ...私には絶対向けないであろう目をソラノ先輩にしているのがわかった。
    だからわかってしまう...この恋は決して報われないと。
    この2人に私が入る余地がないことを。
    それは今日のデート姿を見て確信に変わった。

  • 118二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 19:45:59

    ホシノ(過去)「初恋が失恋...か...」

    暗くなり始めた空を見上げ私は呟く。
    辛かった。
    今まで苦しい思いはたくさんしてきたが失恋とはこんなに辛いのか。
    そんな沈んだ気持ちの中、歩いていると背後から気配を感じた。

    ホシノ(過去)「...私に何の用?
    一体今日はどこから来たお礼参り?」

    私が後ろを振り向いて声を掛けると見知らぬ兵士が立っていた。

    兵士「ひでえな、小鳥遊ホシノ...この前散々うちの会社で暴れてくれたくせに忘れるなんて」

    ホシノ(過去)「興味ないから覚えてない
    それに...私が暴れたってことはアビドスで悪いこと企んでるからそうなるんでしょ...自業自得じゃん」

    私は銃を向ける。
    お礼参りがくることはよくあることだ。
    今日はユメ先輩に来ないあたりまだマシな部類だ。
    面倒なので早めに片を付けて帰ろう...
    そう思っていたが。

    兵士「おいおいちょっと待て
    今回はお前に見せたいものがあるんだよ...」

    ホシノ(過去)「...なに?」

    私は動きを止め、兵士がニヤニヤと嫌な笑い方をして近づいてくる。
    兵士は携帯端末を取り出して1枚の画像を見せる。

  • 119二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 19:47:28

    ホシノ(過去)「......先生?」

    そこに写っていたのは先生だった。
    ただ何の変哲もない道を歩いている先生の画像だった。
    だけどこれは...

    兵士「小鳥遊ホシノ...最近どうやらこの"先生"ってやつにずいぶんとお熱のようだな?
    ...さて、お前をこれから拘束させてもらう
    それから我々の指示に従え
    さもなくば...わかるな?」

    つまりは先生を人質に取られたようなものだ。
    普段であれば私はこの兵士をすぐさま倒して、先生の護衛に行く。
    だが...できなかった。
    先生にはそもそもソラノ先輩が付いている。
    だから心配はないはずだったが...嫌な考えばかりが頭をよぎる。
    ソラノ先輩の強さは分かっている。
    私と同じ...もしくはそれ以上の強さを持っている。
    例えこいつらの仲間全員が襲い掛かっても瞬く間に制圧するだろう。
    だけど...もし、ソラノ先輩が気づかずに先生を狙撃されたら?
    ソラノ先輩を信頼していないわけではない。
    それでも、ソラノ先輩だって人間だ...いや、ソラノ先輩に限らず私だって狙撃に気づかない場合もある。
    それがもし起きてしまったら先生はどうなる?
    先生は銃弾1つで死ぬ危険がある。
    そう思うと私は...動けなかった。
    私は先生を守る力がある。
    それは護衛をしているソラノ先輩もだ。
    だが、様々なもしを考えた途端...恐怖した。
    先生を失うことに...
    だから私は...

  • 120二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 19:47:45

    ホシノ(過去)「...わかった...それで、どうすればいいの?」

    兵士「いい子だ...まずは武器をすべて渡せ、そのあとは拘束して付いてきてもらう」

    私は...初めて戦う前に負けることを選んだ。

  • 121二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 19:48:54

    電話口でユメ先輩が慌てているのがよくわかる。
    尋常じゃない慌て方だ。
    ユメ先輩が慌てるのは少なくはないがここまでなのはそうそうない。

    "ユメ、とりあえず落ち着いて
    今から私達がそっちに向かう...詳しくはその時に聞くよ"

    ユメ『わ、わかりました
    待ってますから早く来てくださいね!』

    そう言うとユメ先輩は慌ただしく電話を切った。

    ホシノ「...何事だろうね」

    "わからない...ホシノ、出れる?"

    ホシノ「...なんとか」

    未だに体に上手く力が入らず...謎の苦しさがある。
    それでも一応は戦闘も可能だが...

    ホシノ「正直に言うね...今の状態で戦えるのは全力の大体4割が限度かも
    必要な時はそれを頭に入れて指揮お願い」

    私の全力は出せて4割。
    それがこの状態で出せる能力だと想定した。

    "...わかった"

  • 122二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 19:50:43

    先生もそれに頷いて軽く支度して私達は隠れ家を出る。
    家を出た瞬間、違和感を覚えた。
    ...囲まれている?

    ホシノ「先生、敵がいる...一旦家に入って」

    少し驚きながらも先生は私の指示に従って一度家に戻る。

    "敵って..."

    ホシノ「お礼参りだろうね
    にしてもちょっとおかしいかも...敵の数が多すぎる...本気の度合いがちょっと違うのを感じる」

    "...どうする、ホシノ....戦闘可能?"

    ホシノ「大丈夫、こいつら後で合流されると面倒くさそうだし、ここで倒しちゃお
    ...うん、ちょっと隠れながら行くかな...前みたいに正面突破は控えよう
    先生は家の中から指揮して、今日はなんか狙撃手が...」

    "ホシノ...?"

    言ってて気づいた...そう狙撃手が多い。
    相手もバカじゃない...私が遠距離狙撃でどうなる存在なのかはこの前の戦闘でわかってるはずだ...
    ならなぜこんなに狙撃手を多く配置したのか。
    答えはすぐに分かった。

    ホシノ「先生を狙っている...?」

    そうなると合点が言った。
    ざっと把握した敵の配置、明らかに先生を狙った配置だった。

  • 123二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 19:51:37

    ホシノ「先生を狙っている...?」

    そうなると合点が言った。
    ざっと把握した敵の配置、明らかに先生を狙った配置だった。

    ホシノ「なんだかきな臭くなってきたね
    先生、狙撃手が多いから指揮お願いね」

    "ホシノはどうするの?
    隠れながらって言うけど今家から出たら..."

    先生の言葉を遮るように私はベッドをずらす。
    その下には隠し扉があった。

    ホシノ「昔言ったでしょ、ここは隠れ家だって
    なら隠し通路ぐらい作ってあるよ」

    私は微笑みながら扉を開けて通路に入る。
    通路を歩き、出た先で丁度敵を見つけた。
    まだこちらには気づいてない。
    そのため、背後から気配を殺して近づく。
    十分な距離に近づいて背後から手早く武器を奪い、首を絞める。
    敵は急な攻撃に焦って手足をじたばたさせている。
    やはり敵の練度は低いようだ。
    声を挙げることも許さず、ひたすら意識が落ちるまで首を絞め続ける。
    敵は焦りながらも背後の私に向けて肘打ちをする。
    そんなもの、効かないのに...

  • 124二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 19:52:23

    ホシノ「...うっ...!?」

    そう、思っていたが甘かった。
    体に鈍い痛みが走る。
    おかしい...これくらいは普段なら何ともないはずなのに...
    痛みに顔をしかめつつも首を絞める手は緩めず、敵はそのままその場に崩れ落ちた。

    ホシノ「先生、聞こえる?」

    インカムで隠れ家にいる先生に連絡を入れる。

    "聞こえてるよ、そっちの状況は?"

    ホシノ「今通路出たら丁度敵がいてさ、とりあえず倒したよ
    運よく狙撃手だったね
    あとは...狙撃手が2人でもう3人が普通の突撃兵かな...残りの敵は
    けどけっこうきついかも...いつもより耐久力も低下してるみたいだから時間かかるけど慎重にいくね
    ユメ先輩にも遅くなるって連絡入れておいて」

    先生とインカムで話してると別の声が聞こえてきた

    『アルファ4、どうした...応答しろ!?』

    どうやら敵の無線による連絡のようだった。
    そして最悪なことに連絡相手は私が落としたので応答しない。

    ホシノ「タイミング最悪...先生、敵に襲撃がバレた!
    急いで隠し通路からこっちに来て合流して!」

    "わ、わかった...今行くよ!"

  • 125二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 19:52:54

    少し慌ただしい声が聞こえ、先生が歩く音が聞こえる。
    もう通路には入ったのだろうか...敵部隊の1人が隠れ家に入る様子が見えた。

    ホシノ「...大丈夫だよね、先生」

    心配しながら先生を待つ。
    その時間はやけに長く感じたが通路の扉が開いた。
    念のため警戒したが、先生1人が出てきた。

    "おまたせ...相手の様子はどう?"

    ホシノ「1人が家の中に入ったね
    きっと今頃私達を探してるよ
    そいつが戻る前に狙撃手はあともう1人倒しておきたいね
    じゃなきゃもっと警戒されて結構きついや」

    "了解、そうしよう
    一番近い敵はここで...ルートはこうしようか"

    ホシノ「わかった、それでいこう
    先生、結構駆け足で行くから頑張ってついてきてね」

    先生にそう指示すると私はバレないようにかつ、迅速に移動を開始する。
    指示されたルートをなぞり、移動していくがバレる様子はなく、敵の背後に到着した。
    私は一度振り向き、先生に仕掛ける旨をアイコンタクトで伝え、接近する。
    先程のようにすぐに武器を奪って...

    「うおっ...お前らは!?」

    あともう少しのところで気づかれた。

  • 126二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 19:54:12

    「こちらアルファ5、アルファ0応答せよ!
    対象がこちらに来ていた!
    至急応援を...がっ!?」

    敵が無線で連絡しているうちに私はその隙に接近し、その腹に複数の銃弾を叩きこむ。
    敵は呻き声をあげて倒れ込む。

    ホシノ「先生!」

    私は叫ぶ。
    それと同時に発砲音が聞こえてきた。
    私は狙撃ポイントと先生の間に入り、狙撃を防ぐ。

    ホシノ「先生、無事!?」

    "ホシノのおかげでなんとか...
    ホシノ、狙撃手の正確な場所見つけたから行ってくれ!"

    ホシノ「先生はどうするの?」

    "私は物陰に隠れてる
    私抱えながらだとホシノも動きづらいでしょ
    だから行ってくれ"

    ホシノ「...わかった
    じゃあ私の盾持ってて...その方が私も身軽になって早く行けるから
    それとスモークグレネードも渡しておくね...危険だと判断したらすぐに使って」

    "わかった、ホシノも気を付けてね"

  • 127二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 19:54:41

    先生に盾を渡して、私は走り出す。
    4割ぐらいの力しか出せないと言ったが...今は8割ぐらいは出している気がする。
    射線に身をさらすのをためらわずに私は最短ルートを走る。
    走りながらも銃弾は飛び交う。
    その都度、私は体を動かして銃弾を避ける。
    しかし、銃弾は避けきれず体をかすめて微量ながらも傷が増えていく。
    万全なら当たらないのに...

    「なんで...なんで当たんないんだ!?」

    だが、もう敵は目の前だった。
    敵はひたすら銃弾を躱し、接近してくる私に怯えていた。
    そんな怯え切って相手の銃を蹴り上げる。

    ホシノ「捉えた」

    冷たく言い放ち、的確に銃弾を撃ち込む。
    相手は情けない悲鳴を上げてそれから沈黙した。

    ホシノ「先生、狙撃手は全員倒したよ
    ...今から合流...はできないかな」

    気付けば残りの3人に囲まれていた。

  • 128二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 19:55:09

    リーダー格と思われるのが1人と...雑魚が2人。
    この雑魚2人はすぐに対処できそうだと感じたが...

    「あ、アルファ0...狙撃班のアルファ3、4、5が全員倒されました、どうすればいいですか!?」

    アルファ0「狼狽えるな、それくらい見ればわかる
    やはり最大の障害は貴様だな...小鳥遊ホシノに似た人物...戦闘力もそっくりと来たか」

    リーダー格のアルファ0と呼ばれた男だけは別だ。
    とはいえ、この男もそこまで強くはない。
    だが、今の私の状態に疲労度合からしてめんどくさいというのが正直な感想だ

    アルファ0「さあ、小鳥遊ホシノに似た者よ...じっくりとこの戦いを楽しもうじゃないか」

    ...寒気がした。
    やけに芝居かかったその態度に痛々しさを覚える。
    少なくとも私は戦いを楽しむタイプじゃないのでそのまでスモークグレネードを投げた。
    スモークグレネードを投げて辺りが白煙に包まれ、雑魚2人が狼狽している様子がすぐにわかった。

    「だ、だめだ...俺もう怖い...逃げるぞー!」

    「お、俺だって!」

    ホシノ「逃がさないよ」

    後々逃がしても厄介だと思い、私は逃げる2人を背後から撃ち、倒す
    そのついでにアルファ0にも数発ショットガンを放つ。
    だが、手応えはない。

  • 129二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 19:55:48

    アルファ0「流石だな...あっという間に私以外全滅か...おっと!」

    躱されたのは分かったのでスモークが晴れないうちに私は格闘戦をアルファ0に仕掛ける。
    だが、それも防がれる。
    歯がゆかった。
    今の攻撃もさっきの攻撃も...何もかもが全て足りない。
    スピード、重さ...etc...
    本調子ならもう制圧が終わってるであろう雑魚に毛が生えた程度の奴に苦戦している...
    その事実焦りと苛立ちを生み出し、私の動きはより精細を欠いていた。
    こんなはずじゃ...もっと速く...!

    アルファ0「隙だらけだぜ、小鳥遊ホシノに似た者よ!」

    ホシノ「くっ...!?」

    その焦りからか、私は銃を叩き落された。
    慌てて拾おうとするもそれも叶わず、頭にアルファ0の銃を突きつけられる

    アルファ0「がっかりだな...この前見たときはもっと強かったのに...お前、弱くなったな
    まあいいよ、命令に従ってお前をここで倒す...悪く思うな...」

    ホシノ「...確かにおじさん、弱くなったよ...おじさんでも原因はわかんないけど急に力が入らなくなったんだ
    ...でもさ、なにか忘れてない?」

  • 130二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 20:08:54

    私の質問にアルファ0は怪訝そうな顔をする。
    その瞬間、再度スモークグレネードが投擲される...私からではなく、アルファ0の背後からだ。

    アルファ0「なに!?」

    突然のことで狼狽えるアルファ0の銃をすぐさま奪い、地面に押し倒す。

    アルファ0「ま、ま...まて、まってくれえ!」

    ホシノ「...邪魔」

    先程の気取った態度とは違い、情けない命乞いに私は聞く耳を持たずに冷たい声で応答しながら弾が尽きるまで撃ち続けた。
    銃弾が尽きる頃にはアルファ0の意識も落ちて、襲撃部隊は制圧が完了した。

    "ホシノ、大丈夫だった!?"

    ホシノ「なんとかね...助かったよ先生...あのスモークグレネード、ナイスタイミング」

    駆け寄ってきた先生にお礼を言う。
    先生の身を守るために渡したスモークグレネードがまさか私を救うために使われるとは思わなかった。

    "ホシノ...怪我が..."

    ホシノ「ああうん、大丈夫...ちょっとした打撲とかすり傷だから」

    "本当に?"

    ホシノ「本当だよ、まだまだ戦闘は続きそうなんだし...大きな怪我は避けてるよ」

    "そ、そうか..."

  • 131二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 20:09:24

    私の怪我が軽微なものを確認して先生は安心した。

    ホシノ「先生、一度隠れ家に戻ろう
    結構私の体の不調がきついや
    万全な準備してから行こう」

    "わかった"

    先生を連れて一度隠れ家に戻った。
    隠れ家は少し荒らされていて、荷物が散乱していた。
    散乱していた荷物の中をかき分けて装備を集めていく。
    ここ数か月、現代で私が使っていたものに近いものをこつこつと集めていたが...使うときが来るとは...

    "...やっぱその姿は頼もしいね"

    ホシノ「おじさんはあんまり好きじゃないんだけどね...なんせこれで色々暴走してたし...
    でも先生はこの姿でもそんな風に言ってくれるんだね...ありがとう
    だけど、いまのおじさん結構弱体化してるから助けてね」

    "もちろん、全力でサポートするよ"

    先生の頼もしい言葉を背に、私は支度を終える。
    今度はちゃんと...守るために戦うんだ。
    そう決意して、家を後にした。

  • 132二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 20:10:09

    ユメ「あっ...先生、ソラノちゃん!
    よかった...遅くなるって連絡来てから全然こなくて心配してたんですよ!」

    支度を終え、私達はユメ先輩の家に着いた。
    道中に敵はおらず、ユメ先輩の家にも特に怪しい存在もいなかった。

    ユメ「って...ソラノちゃんどうしたの!?
    怪我してるじゃん!?」

    ホシノ「襲撃に逢いました...ですがそこまで大きなけがはありません
    それより話を聞かせてください...ホシノちゃんがどうしたんですか?」

    ユメ「そうなの...ホシノちゃんが誘拐されちゃったの!」

    私と先生が顔を見合わせる。
    昔の私が誘拐された?
    正直信じられなかった...今まで負けたこともない私がどうして...油断だって基本しないはずなのに...

    ホシノ「あの...それ本当ですか...?悪戯とかじゃなくて...?」

    ユメ「でも...画像が送られてきたの...」

    ユメ先輩がスマホを見せてくる。
    確かにそこには傷だらけで拘束されてる昔の私がいた。
    でも...誰がどうやって...昔の私ならユメ先輩を人質にしても構わずに戦っていた...なのに...

    "...もしかして...私?"

    先生がそんなことを言う。

  • 133二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 20:11:10

    ホシノ「どういうこと?」

    "さっきの襲撃...私を狙っての襲撃だって言ったでしょ?
    その狙いは私を人質にするためだよ"

    ホシノ「先生を人質に...?
    でもなんで...いつもはユメ先輩なのに」

    "いつもユメで効果がないからじゃないかな
    私はユメよりも弱い...銃弾1つで生死をさまようからね"

    ホシノ「たしかに...人質でって言えば先生の方が都合がいいかも...
    でも、それくらいで私が素直に捕まるかな...護衛に私が傍にいるのも知ってるはずだし...」

    言ってて愚問だと思った。
    同じ状況になれば私はどうするか。
    強い護衛がいても必ずというわけではない。
    想像してしまったのだろう...最悪を。
    私なら動けなくなる...
    それは、年齢は違えど同じ人を好きなったであろう...同一人物ならなおさらその行動はわかるものだ。

    ホシノ「......先生の言う通りかも...」

    "...とりあえず急ごう...この怪我、かなり酷い
    早く助けて治療しよう"

  • 134二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 20:11:32

    先生に同意を示すため返事をしようとするが再度謎の息苦しさが襲ってくる。

    ユメ「ホシノちゃん...どうしたの...?」

    苦しそうな私を見てユメ先輩が心配そうに私に声を掛ける。

    ホシノ「大丈夫です...ちょっと...体調不良で...」

    安心させるためにそう声を掛けた瞬間、自分の手が透けていることに気づいた。

    ホシノ「先生...ちょっと来て...」

    慌てて手を隠しながら私は先生を呼んで、ユメ先輩から離れる。

    "ホシノ、どうしたの...?"

    ホシノ「結構状況、やばいかも」

    私は透けた手を先生に見せる。

    "えっ...透けてる!?
    ホシノ...これって..."

    ホシノ「もしかして、昔の私が死にかけてるのかも
    それで、この調子でいくと死んじゃうかもしれない...
    そしたら未来の私が消えちゃうってことかも...
    だからこうやって体が透け始めちゃったのかな」

  • 135二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 20:12:07

    先生は唖然としていた。
    そりゃそうだ...今まで妨害はあれど、私を消そうとするほどの妨害はなかった...
    これでは修正ってレベルではない
    もはや見えない意思が怒って歴史を歪めているレベルだ。

    ",,,ホシノ、怖い?"

    気付けば手が震えていた。
    ...冷静さを装ってみるがやはり怖いものは怖い。
    以前勝てない見えない意思である歴史の修正力が本気で牙をむいてきて私を消そうとする。
    そんなもの...怖くないわけがない。

    ホシノ「...まあね...そりゃ怖いよ...死んじゃうかもしれないし
    でもさ...もっと怖いのは捕まってるほうの私だと思うんだよね」

    私は、それでも微笑んだ。
    きっと大丈夫だ...そんな確信があった。

    ホシノ「確かに怖いけど...こっちには先生が着いてるからなんとかなると思ってるよ」

    "そこまで言われるとあれだけど...大事な生徒を...ホシノを死なせることなんか絶対にさせないよ"

    2人での会話も終え、心配そうにしていたユメ先輩の元に戻る。

  • 136二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 20:12:28

    ユメ「ええっと...」

    ホシノ「大丈夫です、ユメさん...ホシノちゃんは私達で一緒に助けましょう」

    ユメ「ソラノちゃん...!」

    ユメ先輩は嬉しそうに手を取った。

    ホシノ「ただし、ユメさんにも働いてもらいますよ
    先程も言いましたが私はかなりの不調です
    かなりきついと思いますが、大丈夫ですか?」

    ユメ「いつも危険を顧みずに私を救いに来てくれてるんだよ?
    今回は援軍もいるのに...弱音なんか吐いてられないよ!
    待ってて、今準備するから!」

    頼もしい言葉を言ってくれたユメ先輩はへの奥に行きバタバタと慌ただしい音と共に準備をし始めた。

    ユメ「お、お待たせ...」

    準備が終わったユメ先輩はよたよたと大量の装備を体にくっつけて出てきた

    ユメ「こ、これなら私もソラノちゃんの役に...ひぃん!?」

    盛大に顔から倒れた。
    自力で立てないのか、じたばたしているだけだった。

    ホシノ「...装備はいつもの銃と盾だけにしてください...気持ちはありがたいですが...そっちの方が役に立ちます」

    ユメ「はい...」

  • 137二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 23:19:32

    ねるまえほ

  • 138二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 23:25:15

    ヤバい、バック・トゥ・ザ・フューチャーのマーティーみたいになってるぞホシノ

  • 139二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 09:54:00

    更新ありがとうございます

  • 140二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 17:22:34

  • 141二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 23:06:27

  • 142二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 08:51:11

  • 143二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 16:45:49

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