- 1二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 11:03:29
ある日のトレセン学園の放課後。
スペシャルウィークはサイレンススズカとの併走トレーニングを終え、一緒にシャワールームに向かって歩く。
まだ寮の門限まで時間に余裕はあるが、この時間帯のシャワールームは決まって混雑し、利用したければ誰よりも早くそこに着かなければならない。
スペは走り幅跳びで何度も腹から突っ込んだせいで全身がすっかり砂だらけになっており、そのまま寮室に入ればきっと寮長に怒られるだろう。
何より砂だらけの状態でいるのは気分が悪く、二人は一刻も早くシャワーを浴びたい気分であったためシャワールームへ向かって足を早めた。
夕焼けに照らされた二人は、少し赤らんで見える。
スペは砂だらけな自分の格好を指し、「シャワーを浴びなきゃいけませんね。」と話しながら笑う。
そんなスペに対してスズカは、「そうね。」と微笑みながら返した。
しかし、今日はスズカの様子がなんだか普段と違う。
いつものように楽しそうなスペに対し、スズカは何かを伝えたそうなもじもじした顔をしている。
スペは他人の感情に比較的敏感な方であったので、すぐにそれに気付いて声をかけた。
「あの、どうかしましたか?」
「何でもないわ! ………いや、本当に何でもないと言うと嘘になるのだけれど………。」
友達のスペを心配させまいと慌てて笑って誤魔化すも、全く誤魔化しきれていないスズカ。
彼女はどうやら、何か言いたい事があるようだ。