- 1二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:13:32
長い旅路の果て、彼女は全てを成し遂げた。あらゆる犠牲を払って。
「終わった・・・なにもかも・・・」
白紙になった地球に色が戻って行く。ここはどこだろう?地球をまるで俯瞰するように見る中で立香は一人つぶやいた。
「終わったよ・・・みんな!」
振り返って、彼女は言う。しかしその声に返答はなく・・・。
「あ・・・あああ・・・、ねえ、みんな・・・おわったんだよ・・・」
目標があるから、願いがあるから、だからこそ歩いてこれた。そして、仲間がいたから・・・。
けど、もう、何もない。
仲間も
目的も
敵さえも・・・。
「ひ・・・う、ふぐっ・・・だれか・・・だれかいないの・・・?」
糸が切れたようにへたり込んで呆然と宙をみやる彼女に応える声はなく・・・
「あああああああああ!!!」
ない、もう、なにもない。ひとつも。すべてが、意味もなく流れて。全てを失った。
それでも、と立ち上がる理由もなく。旅路の果てに待っていたのは・・・
「だれか・・・!だれかぁ・・・!こたえてよぉ・・・」
目の前が滲んで、声を上げても誰も答えてくれない。誰も誰も誰も。
絶望のまま、立香は倒れ伏した。子供のように自分の体を抱いて震えていた。
目を伏せて、涙を流す彼女に一筋の光がさした。 - 2二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:14:30
- 3二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:15:40
- 4二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:16:20
あ〜あ変なのきちゃったわ
- 5二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:16:49
すまぬ、思わずわろてもた
- 6二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:17:16
どうすんだよこれ
- 7二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:18:10
ま、いいや。変なの面白いから採用!(スレ主
- 8二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:18:16
1スレ目で本題に入れなかったお主の油断よ
隙を見せたら変なのが入る - 9二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:18:44
これがギャグ注意か…
- 10二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:19:17
こんな使い古されたネタで笑うとはこのリハクの目をってしても
- 11二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:19:38
- 12二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:20:12
「・・・だれ・・・?」
「うーっす、俺が誰かわかる?」
「えーと・・・いや、だれ?」
「わかるわけねーかwんじゃま、簡単に言うと俺は人理が形になったもんとおもってちょ」
「人理・・・、え、なにそれこわ・・・」
「だよなーw」
先ほどまでの悲壮感はどこへやら。人理は長い胴体を揺らしながら立香の隣に腰を下ろすとつづけた。
「とりあえずよ、おつかれさん」
地球と、日の出を見ながら人理?はしみじみと呟いた。 - 13二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:20:43
何これ…(困惑)
- 14二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:21:17
心が強いスレ主なのか
- 15二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:22:27
あらさがしと荒らしに比べりゃ軽い軽いw(スレ主
- 16二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:23:04
一応聞くけど、スレ主どんなSS書くつもりだったん?
- 17二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:24:30
- 18二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:24:33
>>2が強いと見せかけてスレ主の心が強いスレ
- 19二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:27:10
これが人理かあ…
- 20二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:27:59
労いの言葉がこんなにも心に沁みるものだったのかと立香は思いながら、それでもこの得体のしれない風体の生物の言葉を待った。
「いやぁ、なんつーか、概念みたいなもんでも感謝はしたいって思うワケ。だからこうして形まで作ってきたんよ」
「うん・・・」
嬉しい、と思いつつも寂しさを、喜びを分かち合えない悲しさに立香の表情は暗いままだった。
「みーんな脱落してお前さん一人か、そんな中でお前さんはホントに頑張ったよ。偉い、口だけじゃどうにも表現はできないけどさ」
みょんみょんと体を揺らしながらおどけたように言う。
「うん・・・ありがと」
「なんだ、逆に感謝されちまったな」
「励まそうとしてくれてるから・・・」
鼻をすすって自身も座り直した立香は同じように日の出の光を見つめる。 - 21二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:30:04
どんなに真面目な文章でも>>2が浮かぶだと台無しだし、なんなら今まで真面目だったくせに、みょんみょんと体を揺らして、でもうダメだった
- 22二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:30:55
言ってることはシリアスなのに絵面がどうしてもギャグなせいで情緒さんが困ってる
- 23二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:32:50
こいつがエミヤ酷使しまくってたと考えると人の心がないように見える
- 24二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:33:50
「バレてるな。なんつーか、人の感情ってやつは難しくてよ。こっちも自分の感情で手一杯って奴なんだ」
上手い事言えないけど簡便な、と手で謝るジェスチャーをしつつ人理?は言う。
「ううん、いいよ。一人は辛かったからさ・・・」
「まあそうだろうなぁ、でもよ、悪い事ばかりじゃないんだ」
カモン!と指パッチンをしようとして不発に終わりつつ人理?が手を上げると
「・・・うそ、え・・・そんな・・・」
「なんていうか、本当に頑張ったね。うまく言えないのは僕も同じだけど」
立香にとって忘れられない人物が立っていた。 - 25二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:39:14
「ど・・・ドクター・・・?」
「立香ちゃん、お疲れ様。こんなのの後にでてきたらなんだか地味に見えるかも・・・おっと!」
ロマニ・アーキマンが立っていた。それだけで立香は反射的に彼の胸に飛び込んでいた。
「どくたぁ・・・、私・・・わたし・・・」
「よしよし、いくらでも泣いていいよ。本当に・・・辛かったね」
感情が溢れて、涙もなにもかもが止まらなかった。偽物でもいいとすら思えるほど、今の彼女にとっては嬉しい存在だった。
「・・・うぅ・・・本当に、ドクターなんですか・・・」
「性格には人理によって再編された存在って奴かな。記憶は引き継いでるから、僕といっても差し支えないかもだ」
記憶と寸分も違わない声と姿、それに優しさに立香はしばらく声を上げて泣いた。 - 26二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:41:21
- 27二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:42:44
あれ自体が突発すぎるんだよw
- 28二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:45:09
いつものこの手のスレの流れなら、ロマニとの再会なんて何度擦られてもドクター・・・!ってなるのに、>>2のせいで素直に受け止められないんよw
- 29二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:45:33
とってもいいシーンなのにあの妙なヤツが頭をよぎっていくんだが
- 30二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:46:43
これが⋯⋯ギャグ注意⋯⋯!
- 31二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:47:35
- 32二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:49:45
「ドクターは・・・どうしてここに・・・?」
立香が泣き止んでぐすぐすと鼻をすすりつつ尋ねる。
「そr「それには俺が答えよう!」」
人理?がロマニを体当たりで突き飛ばしながら割り込む。
「彼には君の事後を託そうとおもってさ」
「事後?」
「この世界の行く末を頼むのさ、人理焼却、異聞帯、いろんなことからこの星を守ってくれた大切なこの星の行く末を」
ドクターに?と不思議に思った立香だったが人理?は大真面目?に続ける。 - 33二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:50:07
多分結構な振れ幅で左右に揺れてます
- 34二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 22:58:57
「でも、それなら私も・・・」
「おっと、それはちょっと難しいんだ」
「ど、どうして・・・」
人理?は立香を制してつづける。
「一言で言うと君はもうすでにこの世界線にいるには情報量が多すぎる」
「じょうほうりょう・・・?」
「抑止力と契約してたり、ビーストと契約してたり、平行世界やユニバースなんかと関係あるでしょ?」
驚く立香に人理?はちょっと自慢げになりながら立香を見る。
「うぐぐ・・・本来なら君が新しい人理の守護者・・・抑止力の存在として登録されるはずだったんだけど・・・」
ロマニが脇腹を押さえながら戻ってくる。
「戦闘向きじゃないのに人間のすることじゃないことを色々やっちゃっててさ、人理的には対価を支払いたいワケ」
「対価・・・」
「そそ、でも今の疲弊した世界じゃまたコツコツと時間かけなきゃそれは難しい。それどころか君をこのままこの世界にとどめとくのもだ」 - 35二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 23:05:45
そしてなにより、と人理?は言う。
「対価は何百年と先の話で、その間ずっと一人じゃあ、寂しいでしょ」
「・・・」
タダ働きで、独りぼっち、しまいにゃ世界から弾かれてどこかの暗闇に真っ逆さまなんてことになりかねない。
と人理?は付け加えた。
「たとえが酷いけどここはもう核戦争が起こったあとみたいなもんなの。さらにそこに核兵器の爆発に耐えるエネルギー(情報や奇跡運命などなど)を持った個体が居たら荒れた土地には耐えられないんだ」
「私にそんな力はないはずですけど・・・」
「それは君個人の話だろ?君が大事件の渦中で生き残れるだけの運命力があるんだ。それが消費されて星も君もすっからかん。でもそれは中身の話で、外身には後付けで積み上げたものは増えに増えて天に届く勢いなわけだ」
そうなると空箱の上に重量物を置いたようなもの、と人理?は説明した。 - 36二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 23:07:52
空箱の上で激しくダンシングする人理?君
- 37二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 23:17:08
「下手するとその情報量が持つ重量で星ごとぺっちゃんこ!なんてことになりかねない」
「ええ・・・私の情報にそこまで・・・?」
「そんくらい星が疲弊してると思ってよ。なんせ短時間に星の情報がガラッと変わる事件が立て続けに起こってるんだからさ」
それに星が滅ぶ可能性っていう野蛮な事件の情報なんかもあるんだから!とミカン箱の上に乗った人理?は空箱が容易く壊れて転げ落ちながら今の可能性を示唆する。
「そこで人理は考える。君達の中で途中離脱して、なおかつこの世界を引き継いでくれる奇特な人はいないかなーって」
「・・・それでドクターが?」
「そういうこと」
ま、人選にはご褒美の一端もあるけどさ。と人理?は続ける。
「最初のご褒美は君の恩師ともいうべき人物の蘇生、まこれは人理の守護者を召喚するっていう抜け道なんだけど」
「じゃあほかの人は・・・?」
「積載量オーバー。無理だ」 - 38二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 23:33:25
「そんな・・・」
立香は皆が戻ってこないという事実に涙ぐみながら俯いた。
「そこで、もう一つの方法がある」
「もうひとつ・・・?」
「レイシフト・・・って言っていいのかな?」
「僕に聞かないで・・・」
「役に立たねえな!グランドキャスター!」
人理?に小突かれながらもロマニは立香に言う。
「君を平行世界の2015年に飛ばすことだ」
「平行世界?」
「向こうで君は情報と共に『人理の守護者の卵』としてその世界に存在してもらいたい」
「でもそれじゃあ結局同じことじゃ?」
「いんや、その為のキミだよ。君を混ぜ込むことでその世界に起こる歪みを消すのさ」
人理焼却という概念に、人理守護を完遂したという概念をぶつける。
「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!の概念だ」
「酷い言われよう・・・」 - 39二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 23:44:21
「核戦争が無くなっちまえば君が居てもオールオッケー、そして君が居ればかつて人理を守った人たちがいつでも回復した君の運命力に導かれて人理を守る為に集結できるってワケだ」
「そうなると記憶とかは・・・」
「情報マルっと持ってってもらうことになるからなぁ・・・そこはちょいと未知数だ」
「危ないんじゃ・・・?」
「それでも人理焼却や異星の神の降臨とかよりはマシってことだね」
二人はそう言うと立香に向かいあった。
「これから引っ越し作業に移ってもらう」
「引っ越し作業・・・」
「君が持っていた情報とかものとかを全部持って行ってもらうんだけど鞄なんかに収まんないしどっかに落っことしたりしたら大変だから・・・」
そう言うと人理?は手をわきわきさせながら目を光らせた。
「君ん中にぶち込んでいきます」
「え・・・!?えええ?!」 - 40二次元好きの匿名さん24/11/24(日) 23:48:52
今日はここまでにしときます
- 41二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 00:00:18
どうせならマシュの盾デザインとカルデアの紋章が合体したような光輪を持ってて欲しいです…
- 42二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 00:01:11
誰が?まさかあの人理?が?!
- 43二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 04:17:39
今のところ人理?普通にいい奴だな
- 44二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 06:59:58
ほしゆ
- 45二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 13:24:38
ほ
- 46二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 13:31:28
細目イケメン cv石田彰の真逆だから信頼感ある
- 47二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 21:45:17
保守
- 48二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 22:16:47
保守ってくれてるからには再開せねば!
- 49二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 22:23:33
人理?は長い胴体をさらに細く長く伸ばして立香の手足を拘束すると上着を脱がした。
「ちょっとぉ!」
「スケベなことはしないから安心していいぞ。一応聞いとくがお腹と胸、どっちがいい?」
「おなかと胸?」
「おうさ、君ん中に大量の情報を詰め込むわけなんだけどそれを突っ込む場所ね」
立香はかつて平安京で経験した記憶がフラッシュバックして悶える。
「いやー!内蔵いじるのいやー!」
「経験済みかよ、れべるたけーなー」
「いやぁぁぁぁ!」
「ああもう、じゃあ腹でいいよ!」
「リクエストじゃなかったのぉ!?」
人理?の両腕に魔術回路のような紋様が浮かび上がったかとおもうと立香のむき出しのお腹に貫手をするように突っ込まれた。 - 50二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 22:41:36
>>49平安京じゃねえ、下総だった
ずぶりっ、とまるで泥に手を突っ込んだような音と共に鈍い痛みが立香の体に走った。
「うぐぶぇっ!」
「開けるまでもうちょい我慢だ」
「-ッ!、ぅぅぅぅ!」
ロマニが食い縛れるように布を口に入れてくれた。悶えること数十秒。
「よっしゃ、開通完了」
「ふー・・・うぐぅ・・・」
「よく頑張ったね、これって経験の賜物なのかな?」
「むぐーっ!ふぐー!」
「怒ってるぞ、お前馬鹿か」
「えぇ・・・?」
一悶着ありつつも人理?は作業を続ける。
「情報を物体にして、それをこの腹の中にぶっこむわけなんだがその最適な形ってなんだとおもう?」
「へーはひ?」
「そうだね、聖杯だね」
口に詰め物をしたまま答える立香にロマニが正解と答える。その最中にも人理?の作業は続く。
「魔力に色を付けて杯に注ぐ、中身が満杯になった聖杯をどんどん入れていきまーす。」
立香の腹にはまるで異空間にでもなったような穴がぽっかりと開いている。そこに聖杯を梱包するように一つ入れる。
「これで記憶のほとんどは君の中にある。レイシフトで移動しても消えない」
- 51二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 23:01:14
「んでもっていざという時の平行世界の人たちの記憶のバックアップも兼ねてる」
「むぐむ?」
「元より未知数な事もあるけど未来で同じことが起こったら対処しなきゃだし必要なのさ」
それより!と人理?は指パッチン(不発)をして立香がこの旅路で溜め込んだ物品を取り寄せた。
「物持ち良すぎでしょ、これ全部持ってかなきゃだし・・・ラストエリクサー現象おきちゃってんじゃん」
箱の中を覗くと大漁の聖杯が・・・。
「これ使ってりゃ結構やれたんじゃないのー?」
「うぐむぅ・・・」
「とりあえず置いてけないからどんどんいれるぞー」
一個目の聖杯の扱いはどこへやら。箱ごと持ってきてがらがらとひっくり返して詰め込んでいく。
「あぁ・・・貴重な聖杯が・・・」
「貴重たって所詮なんの情報もない魔力の塊だべ」 - 52二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 23:10:20
ロマニの嘆きもどこ吹く風。まるでゴミ箱に放り込むようにすべての聖杯が落ちていく。
「あとは服か、女の子だからしょうがないけどこれ魔術礼装?」
「むぐむむ」
「水着とかもあるけど・・・まあいいか、情報として流し込んで・・・英霊の霊衣みたいに上から着込めるようにして・・・」
魔術礼装を束ねてぐねぐねと粘土のようにこねると宝石のような石に変化させてこれも穴の中へ。
「・・・こんなもんかな、これでこの星もずいぶんと軽くなった」
集めた物品や魔術礼装は全て彼女の中へ。聖杯を経由して立香の体を覆う霊衣として機能するだろう。
「さて、これで穴は塞いで・・・よしと」
「むふぅ・・・」
腹に空いた穴がふさがり、ようやく一心地である。 - 53二次元好きの匿名さん24/11/25(月) 23:44:55
「引っ越し準備はこれで完了・・・っていいたいとこなんだけど」
「?」
人理?はそう言うと立香にとある方向を指さした。
「皆がお前さん個人と縁を結びたいってさ」
指さした方向には共に戦場を駆け抜けた英霊たちが立っていた。
「皆・・・」
「カルデアの契約をお前さん個人に切り替えて縁を残したいって言ってるぞ」
涙で滲む目を擦って皆と立香は向かい合った。 - 54二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 00:02:54
それでだ、と人理?は後ろ手に手を組んで立香の周りをうろうろと歩きながら続ける。
「英霊召喚のシステムでは一人一騎が普通なわけだがお前さんは例外中の例外でこの名だたる英霊の多くと契約してもらうことになる。ああ、魔力とかは心配すんな、溜め込んだ聖杯でどうにかなるかんな」
「だったらなにが問題なの?」
「あれだよ、令呪!事前にアンケート取ったんだけど皆が皆自分のシンボルをお前さんに残したいってんで人理的にはこれをもちろんOKしたわけ。彼らだって頑張ったわけだし」
問題はその数よ。と人理?は言う。
「まさかここにいる全員が?」
「そうなのよ」
立香は嬉しさとなんだか恥ずかしいような、誇らしいような気持ちで皆を見る。
「単騎なら手の甲とかでいいじゃん?でもさ、この数となると手のひらなんて悠長なこといってらんないじゃん?」
「うん、それはそうだけども・・・」
「となるとだ、君を今度は平べったい平面にして寄せ書きよろしく開いた隙間に皆で寄ってこって令呪を刻んでもらうことになるね」
「え・・・?」
人理?が立香の体を掴むとまるで巻物を広げるように引っ張る。すると立香の体は今度はまるでプレスされたように平べったく広がり、スクエア状に広がった。 - 55二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 00:23:03
「なーにーこーれー!」
長方形の板になってしまった立香は空中にふわふわと漂いつつも目を白黒させている。
「いや、普通の体のままだと場所がないし・・・素っ裸にならないとだしね」
「そういわれてみればそうかも」
「でしょ、というわけでどんどん書いちゃってちょーだいな!」
人理?の旗振りで英霊たちはどんどんと立香の体に令呪を刻んでいく。
揉めなかったかって?もちろん揉めた。宝具や怒号が飛び交う大乱闘を経ての結果である。 - 56二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 00:29:15
今日はここまでにしときますまた明日!
- 57二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 00:38:23
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- 58二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 01:03:25
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- 59二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 01:03:41
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- 60二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 01:05:18
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- 61二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 09:07:25
ほ
- 62二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 13:32:18
ほし
- 63二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 15:55:04
人っぽい何かっていう形の人理がなぜかアニメーション付きで脳内再生される。
- 64二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 16:25:53
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- 65二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 17:59:44
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- 66二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 18:14:31
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- 67二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 18:37:49
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- 68二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 18:57:46
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- 69二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 18:59:30
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- 70二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 19:04:45
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- 71二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 19:09:48
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- 72二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 19:16:35
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- 73二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 19:17:48
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- 74二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 19:27:45
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- 75二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 19:28:48
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- 76二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 19:29:11
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- 77二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 19:29:54
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- 78二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 19:50:44
申し訳ないけどもスレ内容と離れてきたんで一旦整理させてもらいます。
- 79二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 22:48:19
全員が各々が令呪を刻んでいく中、順番待ちで揉める者、場所で揉めるもの、団体は団体で統一すべきでは?と遠慮するものなどなど様々な意見も飛ぶ。
「徐々に埋まってきましたね!」
元気よくやってきたのはアルトリア・キャスター。かつて共にブリテンの異聞帯を歩んだ時の恰好で村正と共に立香の元へ。
「えへへ、なんだか不思議な感じだよ」
「感じっていうか見た目が不思議な状態だな」
板状になったままはにかむ立香に村正はちょっと困惑気味。アルトリアはそんな中で令呪を刻む場所に悩んでいた。
「上の方はそろそろ手狭になってきましたね・・・」
「数百騎ともなると仕方ねえだろう、ちゃっちゃと決めちまえよ」
「とは言ってもなんか被ったりしたら申し訳ないしなー」
そうなると、とアルトリアの目線はまだがら空きな長方形の下半分に向く。 - 80二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 23:02:24
「こっちが空いてるね、よし・・・じゃあここらへんに」
「あ」
「あ」
心臓の位置など人気の場所は既に別の英霊が取ってしまっていたのでその下に。真ん中に近いしいいかなーと気楽にきめたのであるが・・・。
「おまえ・・・」
「な、なに!?私なんかした?!」
「随分と攻めたな・・・」
頭に?を浮かべながらきょとんとしているアルトリアに村正は額を押さえながら溜息をついた。
「???」
「わかってねえ・・・か、まあ当然か。わかってたらここにゃ描かねえだろうしな」
「え?ど、どういうこと?」
板状になった立香であるがこれは3Dモデルのテクスチャよろしく体の表面をギリギリまで引き延ばして平面にしたもの。つまるところ真ん中の下方面となると・・・ - 81二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 23:10:26
「下腹部だな、ちょうど股とへその真ん中だ」
「・・・はあっ?!!?!?!??!」
意味を理解したアルトリアの顔がみるみる赤く染まっていく。
「まさかアルトリアにそんな趣味があったとはな・・・」
「ち、ちがっ・・・!そんなつもりなくてですね!?」
「きゃーえっち」
「スケベ虫」
「だからちがうって・・・そういうところだぞ村正ァ!!!」
「いや儂は悪くねえだろ」
顔を真っ赤にしたままキレるアルトリア。村正は立香と二人でアルトリアを茶化しつつ・・・
「描き直せるのかこれ?」
「どうなの?」
「んー?え?描き直し?いや、想定してないから・・・うわ、すげえとこに描いたな」
人理?もやってきて覗き込むもどうやら描き直しは難しいようだ。 - 82二次元好きの匿名さん24/11/26(火) 23:27:53
「てっきり鬼種とかもっとエッチな英霊がここに描くとおもったけど」
人理はアルトリアと令呪を見比べて・・・
「お嬢ちゃん・・・エッチだな」
「ちーがーうー!」
描き直し!描き直しーっ!と叫ぶアルトリアを村正は引きずっていった。
「ふむ、我が妻、令呪を刻んであげましょう」
次にやってきたのはモルガンだった。村正はちょっと嫌な予感がしつつ遠巻きにそれを見守っていたが・・・
「淫蕩などと謳われるのですから、やはり私はここを・・・む」
立香の下腹部にすでに先客がいることを確認して硬直した。 - 83二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 00:07:33
今日はここまでにしときます。また明日。
- 84二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 06:54:23
保守
- 85二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 12:24:16
ほ
- 86二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 20:52:58
保守
- 87二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 22:06:21
「なんですか・・・これは」
「・・・」
ピシッと空気に罅が入ったような感じがする。
「間違えて書いちゃったんだって」
「間違いですか・・・?」
「うん」
(おっかねーねーちゃんだな・・・こんなのつれて人理修復とかやってたのかコイツ)
人理?は若干引きながら立香を見る。モルガンはアルトリアの令呪を見てこめかみに青筋を浮かべると
「アルトリアと名がつくやつは本当に・・・えい」
「あ、足の裏に・・・」
「どうやったのかしらんけど・・・ひ、ひでぇ・・・!」
「毎日我が妻に足蹴にされるのがお似合いです」
アルトリア・キャスターの令呪を足の裏に追いやった。クスクス笑いながらアルトリアの令呪を杖でぐりぐりする。 - 88二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 22:56:08
「うくく・・・!」
「我が妻もこの愉悦がわかりますか」
「足の裏杖で突いてるからくすぐったいだけじゃねえかな」
人理?がボソッと呟くもモルガンはどこ吹く風。一通りクスクスしたあとバーヴァン・シーと一緒にどこかへ。
それからはまあ、あまり揉めずに、恙なく、令呪は刻まれたけども・・・。
「百超えてくるともう、隙間が無いよ!」
「せめてクラスで統一するとかすればよかった・・・」
人理?は雑多な寄せ書き状態になった立香を見て困ったように体を揺らした。二人が困り果てていると・・・
「我が妻、どうしたのです。まだ終わらないようですが・・・」
「ああ、描くとこがなくなっちゃって・・・」
未だに板状のままふわふわしている立香を見てモルガンが再びやってきた。 - 89二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 23:10:15
「なるほど、描く場所が・・・諦めさせればいいのでは?」
その一言に順番待ちの英霊から「えっ!?」という声が一斉に響いた。
「さすがにそれは・・・」
「それではクラス毎に令呪を収納展開できるようにするのですか?」
「できればそれがいいかなって」
「なんとも面倒な・・・。代表者一人に描かせれば良いものを・・・わが妻は優しすぎます」
「ごめん・・・」
「謝る必要はありません、ただ・・・」
「?」
「バーサーカーは私一人でいいのでは?」
立香はしばらくごねるモルガンを宥めるのに苦労した。 - 90二次元好きの匿名さん24/11/27(水) 23:24:54
今日はここまでにしときます。また明日!
- 91二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 10:59:19
ほ
- 92二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 18:41:22
保守
- 93二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 22:51:27
「おお、カッコよくなった?」
「生命の木みたいになったな」
立香と人理?が胴体にできた各クラスのアイコンとそれを魔力で繋ぐパスを意味する文字列と線がそれぞれ伸びている。
「ビーストのアイコンが真ん中で、囲む用に六つのクラス。それを大きな四角で囲むようにアヴェンジャー、ルーラー、アルターエゴ、プリテンダーか・・・」
「ビーストの配置が真ん中なのは全ての英霊が非常時にビーストを抑え込むためでもあります」
本来の英霊召喚の形、それを補強するものでもあるのです。とモルガンは言う。
「フェイカー、フォーリナー、ムーンキャンサーは特殊すぎてこの陣に組み込むとバグを起こしかねないので背中に移動させました。星の外よりあなたを見守る存在ならば・・・背でも十分でしょう」
あとはこのアイコンに触れると・・・と言いながらモルガンがセイバーのアイコンに触れると英霊の刻んだ令呪が全身に浮かび上がった。
「触れて、祈り、名を呼びなさい。それが私達を呼び出す鍵になります」
モルガンは自身の描いた図式と術式に納得の出来栄えなのかどこか自慢げだ。 - 94二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 23:23:00
「これでここでの仕事はもうおしまいですか?」
「そうなる、やはりブリテンの支配者ともなると仕事が早くて助かる」
「見え透いた世辞ですが、妻の手前・・・受けておきましょう」
モルガンは不敵な笑みを浮かべて立香の頬を撫でると今度こそ何処かへと消えた。
それからスペースの問題が解決したことでこんどこそ令呪の記載は滞りなく進んでいった。
「さて、英霊のお歴々の用事も済んだことだし・・・いよいよお別れだ」
「・・・」
どっこいしょ、と人理?は立ち上がると立香を元に戻す。板状から元の人間の形に戻った立香は名残惜しそうに人理?とロマニを見て、それから視線を元通りになった地球へと向ける。
「お別れか・・・」
「ああ、でも・・・死別じゃないぜ」
「・・・うん!」
人理?の言葉とロマニの笑顔に立香は強くうなずく。 - 95二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 00:06:44
今日はここまでにしときます。また明日!
- 96二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 01:34:18
人理くんさん、ビジュアルに似合わずしっかりなすべき仕事をやってくれるの凄い頼もしいなw
- 97二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 07:58:26
ほ
- 98二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 09:04:34
保守
- 99二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:47:28
ほし
- 100二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 23:03:24
「長い・・・旅だったと思う・・・」
「そうだな、でもよ・・・これからだぜ。お前さんは」
さて、最後の仕上げだ!と人理?は何時の間にか持っていた棒(先端に星付き)を持って大げさにポーズを取ると。
「ビーストほどじゃないが・・・ちんからほいっ!」
「え・・・あ、こ・・・これ」
くるりと回って杖を立香へ向ける。
すると右手の甲に、消えかかっていた令呪が戻った。かけがえのないファーストサーヴァントの証が。
「完全復活には時間がかかるが、聖杯からのリソースと月日がお前さんと後輩ちゃんをきっと引き合わせるさ」
「・・・あ、・・・」
ありがとうと、言おうとしても嗚咽が先走って、目の前が霞む。
「これからの旅路に幸多からんことを祈るぜ」
「あ・・・りがと・・・」
目をこすりながら、なんとか振り絞った言葉を受けて人理?はにっこりと笑顔で頷いた。 - 101二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 23:28:16
「ほんじゃま・・・いってらっしゃい」
「いってらっしゃい、立香ちゃん」
「いってきます!」
二人に見送られて立香がそう返事すると同時に二人と今まで自分が立っていた場所が急激に遠ざかり始める。
「これで・・・私は2015年に戻るのか・・・」
戻ったらなにをしよう・・・友人を訪ねようか、それより先に家族の顔を見るべきだろうか。
そう思いながら遠ざかっていく景色を眺めて・・・そして、降り立ったのは・・・。 - 102二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 00:08:07
「・・・っと、ここは・・・?」
標識の文字からするに日本であることは間違いない。しかし立香にはおおよそ見慣れない風景だった。
「ここ、東京・・・?私の故郷じゃない・・・よね」
色々と見てみるものの立香の記憶に残っているようなものが無かった。あまりに濃い経験をしたためかもしれなかったが、とはいえ自分の故郷を忘れてしまうわけもない。
「・・・誰かに聞くか、それとも地図をどこかで見せてもらうしかないか・・・」
なんとかなるだろう、なんて持ち前の呑気ぶりをみせながらてくてくと歩いていく。
すると地図を得るまでもなくここが立香の故郷でないことがわかった。
「あーもう・・・ここ東京じゃないじゃん・・・しかも・・・2015年じゃないな・・・?」
時間は少なくとも2015年ではない。携帯電話の広告とそれから見えるデザインからそれはわかった。それ以外にもちらほらと懐かしい?と言えるような物や服装が・・・。
この事態を説明すべく立香の記憶の中から朧気ながらあーだこーだいっていた魔法の話が浮かぶ。
「えーっとたしか第3(×)魔法?のゼルエッチ(×)さんが・・・平行世界に行く魔法の・・・やつ・・・」
誤差がどうとか・・・と思い出したことを並べてみたものの・・・。
「わ、わからん・・・!とりあえず私は迷子だ」
そこら中を歩きながら立香はいつの間にか建設中の建物の工事現場まで来ていた - 103二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 00:40:22
今日はここまでにしときます。また明日・・・!
- 104二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 08:23:04
ほ
- 105二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 17:36:05
ほし
- 106二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 22:59:08
立香は工事現場の看板を見て、驚いた。
「市民会館建設予定地・・・」
公共施設の建設のための場所・・・そして
「冬木・・・?」
かつて一度目にしたことのある土地の名だった。 - 107二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 23:25:10
冬木って確かーーーー
そう思いながら立香は建設予定地の中にある建築完了の予定時期を見た。
「1995年完成予定・・・」
あっ!と時期と冬木という場所。この二つの関係性を思い出して立香は驚いた。
第四次聖杯戦争、遠坂家、間桐家、アインツベルン家、時計塔とイレギュラーの二人のマスターによって行われた
聖杯を巡る戦いの場所である。
「じゃあここって・・・」
「戦いの終着点だ」
不意に届いた声に立香は振り返った。
「エミヤ・・・」
「マスター、帰還した早々にこんな場所に呼ばれるとはな・・・」
アサシンのエミヤだった。
「呼んだ覚えがない、そう言いたいんだろう」
エミヤの言葉に頷く。それに対して少し考えるそぶりを見せつつも彼は答える。
「おそらくは土地の縁が呼び寄せたんだろう。何しろリソースは無限に等しいからな」
エミヤは視線だけを動かし、立香の体内にある聖杯を見ていった。
「しかしそうなると・・・我々のすることは二つある」
「二つ?」
「このまま流れるか、これから起こる悲劇を食い止めるか」 - 108二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 23:43:21
今日はここまでにしときます。冬木に訪れた立香の運命やいかに・・・
- 109二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 08:01:12
ほ
- 110二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 17:59:35
ほし
- 111二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 22:12:48
「悲劇・・・?」
「聖杯戦争の終盤にここで大規模な災害が起きる。その原因はセイバーのマスターが聖杯を破壊したことだ」
「聖杯戦争は皆が聖杯を求めて戦ったのに?」
「聖杯は汚染されていた、呪いの塊になっていたんだ。セイバーのマスターはギリギリでそれに気づいた」
結果として、愚かな男が果てない夢を追い求めて、どうしようもない現実にぶつかって絶望した・・・・
「くだらない幕引きが起こる」
立香はエミヤの言葉に少し考えると
「でも、まだ起きてないんだよね?」
「・・・ああ」
「なら、止めに行こう。今なら間に合うはず」
そうだよね?と問いかける立香にエミヤはただうなずいた。 - 112二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 22:26:33
「まずはセイバーのマスターに会うといい、アインツベルンの・・・セイバーのマスターの家族が体内に聖杯を宿しているはずだ」
「わかった!」
エミヤは霊体化し、立香の後ろに立ってナビゲートしながら進む。
「アインツベルンの家に行く方がいい?」
『いや、近くに隠れ家が・・・』
言いかけたところでエミヤの足が止まった。立香は少し遅れてそれに気づき振り返った。
「どうしたの?」
『セイバーのマスターだ、あそこを見ろ』
エミヤが実体化して指さした先にはくたびれたコートを羽織って街を歩く男性の姿があった。
「あの男がセイバーのマスター・・・衛宮切嗣だ」
「キリツグ・・・え、エミヤ?」
「追いかけるぞ、きっと隠れ家に向かうはずだ」
疑問をあえて無視するようにエミヤは男性を追いかけていく。 - 113二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 23:08:21
「「・・・」」
二人は衛宮切嗣を追いかけたが・・・
「ここ、おもちゃ屋さんじゃない?」
「そ、そんなはずは・・・」
衛宮切嗣は玩具屋のショーウィンドウの前に立ってあれこれ悩んでいる。
「人違い?」
「いや・・・そんなはずはない、それにあの右手の甲をみろ」
エミヤが示した彼の右手には・・・
「令呪・・・!」
「彼がセイバーのマスターだ、だが気をつけろ。奴は魔術師との戦闘に長けている」 - 114二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 23:54:42
そう言われてしばらく観察を続けていた二人だが
「店に入るようだ・・・」
「追いかける?」
「いや、待ってみよう」
しばらく待っていると・・・。やがて大きな包みを持った切嗣が笑顔で店から出てきた。
『あー、買っちゃったな。アイリに怒られるかな』
「なんか買ってきたみたい」
「子供向けの玩具のようだが・・・おかしいな」
そんな事した記憶が・・・とぶつぶつ呟いているエミヤを他所に二人は歩いていく切嗣を追いかけていく。
「・・・!」
『誰だ、ついてきているのはわかってるぞ』
路地に入ったのを追いかけたところで不意に切嗣が振り返った。
「気取られたか」
「いかにもな足音、それだけならまだしも足音や物音を消したような気配。そちらの方が気になってね」
やや剣呑な雰囲気の中、エミヤは切嗣に尋ねる。
「君がセイバーのマスターだな?」 - 115二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 23:55:11
今日はここまでにしときます、また明日!
- 116二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 08:09:45
ほ
- 117二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 09:02:47
ほし
- 118二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 19:40:29
ほし
- 119二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 22:54:15
「セイバーのマスター・・・セイバー?」
切嗣がその言葉を確認する口を開く。そして・・・
「お前らセイバーとどういう関係だ?」
「同僚というかなんというか・・・」
立香がそう答えた瞬間。
「じゃあお前らあの大食らいの仲間か!」
「え」
「え?」
切嗣が憤慨した様子で立香とエミヤを指さして声を上げた。
「蔵の中にいつの間にかいたかと思えば家に居ついてただ飯を食い続ける!その上大喰らいで何故か俺には冷たいんだ!」
「え、えぇ・・・」
「アイリとイリヤにはいい顔して!二人とだけ仲良くしてるおかげで何故か俺の居場所がないんだよ!」
家族の団欒を返せー!と嘆く切嗣に二人は呆然としていた。 - 120二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 00:11:42
すいませんが今日はここまでにしときます。
- 121二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 07:56:36
保守
- 122二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 18:23:04
ほ
- 123二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 20:13:46
これが2の強いスレですか…
あ、初見です - 124二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 20:29:29
のんびり執筆するんで気長にお待ちください
- 125二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 23:44:45
「とりあえず、あの、セイバーさんに会わせてもらっていいですか?」
「と、取り乱したね、すまない・・・ついてきてくれ」
切嗣に頼んでみるとどうやら会わせてくれるようだ。案内されるまま、立香とエミヤは切嗣に連れられて冬木市深山町を歩いていく。
「どこまで?」
「自宅さ、あの大喰らいは今頃家でアイリ達と夕飯を食べているんじゃないか?」
こそっとエミヤに確認してみるとエミヤからもちゃんと衛宮切嗣の自宅に向かっているとの情報が。
立香はなんとなくエミヤと切嗣に共通点を見出していたが口と表情には出さず、切嗣と並んで歩いた。 - 126二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 00:06:05
立香はかつて見た資料で聖杯戦争を戦ったマスターたちの事を調べていた。その中で今、顔と名前で思い出した記録の上での衛宮切嗣と目の前の男性があまりにもかけ離れた様子なので戸惑いながら話を合わせる。
「それでね、イリヤの好き嫌いをなくすために努力してるんだってさ」
「好き嫌いかぁ・・・」
なんて普通な会話なんだろう。何年も前に自分もしていたはずの会話が、ひどく自分と乖離して聞こえた。
「ここだ、とりあえず入ってくれ」
案内されたのは広い屋敷ともいうべき和風建築だった。
「すごい!衛宮さんってお金持ち?」
「ここの所有者と知り合いでね、無人だったから格安で譲ってもらったんだ」
部屋が多すぎて持て余してるけど・・・と言いながら玄関を潜る。 - 127二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 00:24:10
「おふぁえひははぁーい」
どたどたと足音が聞こえてきたかと思うと頬を膨らませたアルトリアが顔を出した。
「もぐもぐ・・・ごくん、もう皆で先に食べてますよ。早く上がって・・・」
アルトリアは切嗣を見てそう言ったが立香を見つけると・・・
「お久しぶりですね、マスター。これもなにかの運命なのでしょうか」
「右手のお茶碗とほっぺたのご飯粒とってからじゃないと締まらないよ」
キリっとしつつおそらくカリスマのスキルを発動させたが・・・不発だった - 128二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 00:29:31
ギャグ路線から抜けて真面目になったかと思ってたけどちゃんとギャグ路線だった
- 129二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 00:31:11
気を抜くとすぐシリアスになるんだよね・・・
- 130二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 00:34:35
今日はここまでにしときます。また明日!はらぺこ騎士王と合流した立香。
- 131二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 09:53:52
保守
- 132二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 19:40:51
ほ
- 133二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 23:05:11
「お、お恥ずかしいところを・・・」
「・・・」
「まったくだ」
エミヤに追い撃ちをされてアルトリアは顔を真っ赤にしている。漂う匂いを立香はくんくんと犬のように嗅いでいると
「すき焼きかな?」
「そ、そうです!アイリスフィールはとても料理が上手で、アーチャーに負けないくらいですよ」
「へー!」
日本の食事、風景に立香はなんとなく安堵した。そしてそれと同時にお腹が鳴った。
「元気な証拠だ、良かったら君も食べていくといい」
「え!良いんですか!?」
「そっちの青いのがちょーっと我慢するだけで一人分は用意できるさ」
「き、切嗣!私はそんなに食べてませんから!人並みです!」
ふふん!とどこがかはしらないが自慢げにふんぞり返るアルトリアだが・・・
「セイバー、ご飯の追加炊けたわよ」
という女性の声でそれも瓦解した。
「君の同僚はマジで遠慮がないんだよ」
「・・・なんかすみませんね」 - 134二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 23:25:43
立香が玄関で履物を脱いで上がろうとすると・・・
「マスター、こっちは少し町を見てくるよ」
「食べないの?」
「魔力の供給はちゃんと来ているから必要ない、それにそこの青いのと違ってずけずけと相伴に預かるほど厚かましくない」
「アーサーシーンー!」
(キャスターっぽい!)
エミヤは少し、声の方を気にしたがすぐに振り返ってそう言うと騒ぐアルトリアを無視して深山町の探索に行ってしまった。
「気を使わせたかな・・・?」
「気難しいところがあるだけですから」
「そうかい?まあ、悪い人ではなさそうだけど」
そう言いながら三人は食卓があるであろう部屋へ。 - 135二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 23:40:27
「ただいま、アイリ、イリヤ」
「おかえりなさい、あなた」
「おかえりなさいパパ!」
(うおっまぶしっ!)
立香はアイリスフィールとその娘だろうイリヤスフィールの笑顔に思わず目を細めた。
「パパ、その人は?」
「ああ、帰り道で知り合ってね。どうもその無駄飯・・・セイバーと知り合いらしくて」
「切嗣?」
セイバーが若干キレ気味で話しかけるも完全に無視して切嗣はイリヤにプレゼントを渡す。
「それとこれ、欲しがってただろう?」
「え、じゃああの玩具買ってくれたんだ!」
「あらあら、良かったわねイリヤ」
「うん!」
立香は三人が和気藹々としているのを見て、何となく羨ましく思う。
家族とはもう何年も会ってない。そして・・・
(そういえば・・・私は、『この世界に本来いるはずの私』はどうなっているんだろう・・・)
と考えていたが。
「とりあえずお肉焼いちゃうわね、セイバーの為にたくさん買ってきたのよ」
「きろきろー!」
「ブロック単位?!」
「我が家のエンゲル係数が・・・」
アイリが取り出した追加用の肉の量で思考が中断された。 - 136二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 23:55:35
「一人であれくらい食べるの?」
「えっと、その・・・は、はい」
「はらぺこすぎるだろう」
「うぅぅぅ・・・だって美味しいし、用意してくれるし・・・」
切嗣の視線は冷ややかだがアイリは笑顔でブロック肉を斬りまくっている。
「切嗣もイリヤもそれほど食べないからなんだから不完全燃焼だったのよ、作り甲斐があって楽しいからつい作っちゃうわ」
「食費が凄いことになってるけどね」
「まあ最近は菜園も始めたし軌道に乗ればどうにかなると思うわ」
「農場じゃなきゃコイツの面倒は見れないとおもうよ?」
よほどの食欲なのか切嗣の言葉が刺々しい。セイバーはというともうすでに意識が肉に向いている。
そういうとこだぞ!アルトリア! - 137二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 00:00:23
今日はここまでにしときます。また明日!
- 138二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 07:30:04
ほ
- 139二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 18:16:16
ほし
- 140二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 23:48:11
立香は賑やかな、それでも家族の団欒の中に参加するという一味違った食事に大満足だった。
「食べたなぁ・・・」
「彼女も君くらいだったらなぁ・・・」
「切嗣!」
切嗣が立香の食事量にぼそっと「普通の女の子はこれくらいだよなやっぱ・・・」と言っていたが
ブロック単位の肉とごはんを食べきってしまったアルトリアを見れば致し方ないのかもしれない。
「そういえば立香ちゃんはどこの子なの?」
「どこの子というと?」
「御家よ、どこからきたのかってこと」
アイリスフィールの言葉に立香はハッとなる。考えてみればそうだ。東京生まれの彼女は当然冬木に拠点なんかあるわけもなく・・・。
「そうだった、仕方ないから野宿でも・・・」
「ホテルとかに泊まってないの?」
「ええと、どういったらいいんだろう」
まさか平行世界から来ましたと言えるはずもなく。
「うーん・・・」
「なにか訳があるのね?」
「そうなりますね、手ぶらだし帰る方法もないし・・・」
よく考えるとあの時もらった口座のお金も使えないのである。ああ、無情。 - 141二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 00:02:39
「仕方ないし、今日はここで泊っていくと良いわ」
「えっ、いやでも・・・」
「野宿するとまで言われちゃはいそうですかとは言えないでしょ?」
失言だった、と立香は思ったが時既に遅し。お母さんモードのアイリスフィールに流されるまま立香はセイバーとお風呂へ。
「いやぁ・・・ほんとに、どこまでもお世話になっちゃうなぁ」
「仕方ないんです、なんというかアイリスフィールのこういう時の押しはとにかく強くて」
「アルバイトでもしようかなぁ・・・」
「マスターって身分証とかあるんですか・・・?」
「そ、そうだった・・・」
この時分だとまだ産まれていたかすら怪しい。いくらこの時代がそこまで厳しくないとしても身元不明の人物が働けるほど甘くはないだろう。
「かくいう私も・・・」
「あんまり気にしないところ探すかなぁ・・・」 - 142二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 00:33:47
今日はここまでにしときます。また明日!
- 143二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 08:56:04
保守
- 144二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 18:07:04
ほ
- 145二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 00:01:58
立香たちが明日の事を考えている中、エミヤはランサーの陣営だったケイネス達を発見していた。
「生前の私がああだったから嫌な予感はしていたが・・・」
物陰に隠れながら件の人物を観察していると・・・
「そ、ソラウ!どこへ行くのだ!待ってくれ!」
「あーもう、なんで貴方はそう弱腰なの!」
「しかしだな、こんな夜更けに出掛けるなどと・・・物騒ではないのか?」
「ロンドンやらの裏路地と一緒にしちゃ失礼でしょ」
(ここでもケイネスは妻に振り回されているようだな・・・)
ケイネスはおっかなびっくりと言った様子で婚約者のソラウを追いかけながら繁華街を歩いている。
夜更けとはいいつつもまだまだ町は活気に満ちており、酒精を求めて店を巡る仕事帰りのリーマンや浮世の垢を落とすべく店へと急ぐ若者の姿なども見える。
「日本に来たからにはやっぱり酒よ!酒精に酔う瞬間の高揚こそ至宝なのよ!」
「飲みすぎてくれるな、酔って暴れてを繰り返すと今に大変なことになるぞぉ・・・」
ケイネスが及び腰の理由はどうやら婚約者の酒癖にもあるようだ。
「主、いざとなれば私めが奥方の盾になります」
「おお、頼むぞランサーとやら。最初は不審者かと思ったが・・・お前だけが頼りだ」
満面の笑顔の婚約者に心配半分、嬉しさ半分といった様子でケイネスはランサーことディルムッドの手を取っている。
(・・・ここでは頼りにされているようだ。ヤツも幸運なことだな) - 146二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 08:58:05
ほ
- 147二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 20:01:21
し
- 148二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 00:10:34
ゅ
- 149二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 00:46:23
エミヤは時計の時間を確認する。もう立香たちは寝てしまっただろうか。
(今日はここまでにしておくか・・・問題はアサシンとキャスターの陣営だが調べるには時間が足りない)
調査をいったん切り上げてエミヤは切嗣の屋敷へと引き上げることに。
「・・・」
屋敷に戻る頃には夜も更けており、屋敷は静まり返っている。
(こんな景色が見られるなんてね・・・)
縁側から月を眺める己の姿。そして、その隣に寄り添う妻の姿。得られるはずのなかった、平穏な光景。
「切嗣、私はそろそろ寝るわね。セイバーたちが一緒に寝てくれてるからあの子も寂しくはないと思うけど」
「そうだね、僕たちもそろそろ寝るとしようか」
そんな会話が聞こえてくる。べ、別に羨ましくなんかないぞと誰にむかってかわからない独り言をつぶやきつつ、切嗣のスリッパにエミヤはレゴを入れた。
「マスターは上手くやれているだろうか・・・」
気配遮断のスキルを駆使して庭先に降り立ったエミヤはマスターの無事と、この世界の娘の姿を確認する。 - 150二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 09:28:21
ほ
- 151二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 09:33:09
- 152二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 20:52:02
ほ
- 153二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 21:59:33
- 154二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 22:01:36
- 155二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 02:26:37
ほ
- 156二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 13:35:12
し
- 157二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 17:22:23
ゅ
- 158二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 23:28:48
エミヤが部屋をこっそりと覗くとイリヤとセイバーが何故か立香に抱き着く形で眠っている。
「・・・」
心なしか立香は苦しそうだったが視線をずらすとイリヤはすやすやと寝ているのでエミヤは知らないふりをした。
「おはようございます!」
「おはよー!」
「・・・おはようございます・・・」
翌朝、食卓に着いて挨拶をするのはセイバー、イリヤ、立香の順番である。
「あらあら立香ちゃん大丈夫?」
「海魔に巻き付かれる夢をみたので・・・」
「誰かさんのいびきでもうるさかったんじゃないのか」
時折うつらうつらとしている立香を見てアイリが心配そうにしていると切嗣がすかさず嫌味を言い始める。
「だ、だれのいびきがうるさかったですって!?」
「もしくは立香ちゃんを食い物と寝ぼけて間違えたとか」
「がー!」
「二人とも朝から喧嘩しないの!」
アイリが言うと二人は不承不承と言った様子で食卓に座るとお茶碗を並べたり、お箸を配ったりといそいそと準備を手伝う。 - 159二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 01:28:33
朝食を済ませると切嗣は仕事へ、イリヤは立香と遊ぼうかと思ったが昨日の夜よく眠れていなかったのかうとうとしていた立香は食事もそこそこに日の当たる場所で寝息を立てていた。
「寝ちゃってるのね」
すやすやと寝息を立てている立香を見てふとイリヤは悪戯心がわいた。立香のお腹を枕にしてみようと思ったのだ。
「ちょうどいい高さかも!」
どうせ退屈だし、とイリヤは眠る立香の両手をいい位置にどかしてお腹に後頭部を置いた。
「おー・・・ほどよい硬さと・・・あれ・・・?」
ぐるぐると視界が回る。そして、暗転して・・・。
「・・・すっっごい・・・なにこれ・・・」
イリヤは立香の冒険の一部を体験した。
興奮冷めやらぬ中体を起こすと時刻は一時間を回ったところ。立香はまだ起きる気配がない。
「ええ、なにこれなにこれ、立香のお腹を枕にすると不思議な夢がみれるのね」
声を抑えてイリヤは立香が起きないように注意しつつ再び彼女のお腹に頭を置いた。 - 160二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 11:30:15
ほ
- 161二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 21:08:57
し
- 162二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 23:26:09
再びの夢の大冒険の中、イリヤは立香がその夢の中にいることに気付いた。
なんとなく、今よりも若くて、元気なような・・・?そして、メガネをかけた女の子の姿が映って・・・
「お互いの顔みて笑ってる・・・」
気が付いた。自分の言葉で目が覚めたのだ。呼吸のリズムから彼女がまだ眠っていること、そして前回と違ってまだ30分と経っていないことが分かった。
「あの女の子誰だろう?夢の中にたくさんの人が出てきた・・・不思議」
そう思いつつもこれ以上寝たら夜に眠れなくなると思い、イリヤはこれ以上は立香のお腹を枕にすることはなかった。
「うー・・・ん?ああ・・・良く寝た」
それからさらに30分ほど過ぎた頃に立香は目をさました。 - 163二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 23:40:12
お昼ごろになるとエミヤがセイバーと立香をとある場所に呼び出した。
「ここはどこだろう?」
「柳洞寺ですね、ここがどうしたんでしょうか・・・」
山にある古いお寺のようだ。二人が境内に入るとエミヤが姿を現した。
「マスターはともかくお前がしらないのはどういうことだ?セイバー」
「なにがですか」
「ここは聖杯戦争ではかなり重要な土地だぞ」
「そうなの?」
立香がセイバーを見ると即座にセイバーは目を逸らした。
(忘れてたな・・・?)
「ポンコツのことはほっといてここの地下に行こう。おそらく異変の原因があるはずだ」
「原因って・・・聖杯のこと?」
「正確には聖杯の源、大聖杯だ」
お寺の地下に入るとそこは天然の鍾乳洞になっており、そこを少し進むと・・・
「あった、あれが・・・大聖・・・はい?」
「そのはずだが・・・」
「杯というより・・・どんぶり?」
金色に光っているが・・・どんぶりっぽかった。しかし・・・
「感じる魔力は本物だ、大聖杯には違いない・・・はずだ」
見た目が見た目なのでエミヤも少しばかり不安げだ。 - 164二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 23:55:34
「これを回収したら特異点は無くなる?」
「おそらくは、聖杯戦争が起こっていない以上異物であるこの大聖杯が残っていることは好ましくない」
「わかった」
立香は聖杯に歩み寄ると手を伸ばした。
「これを回収すれば・・・」
触れた刹那、聖杯は金色の粒子になり立香のお腹に吸い込まれていく。
「あ、あれっ!?聖杯が・・・」
「回収・・・されたということか?」
エミヤも少し自信がなさそうだが、ともかく魔力の反応は消失したようだった。
「これで特異点は消失するってことでいいのかな・・・」
「おそらくは」
三人はしばらく聖杯を回収したことによる世界の修復作業を待った。 - 165二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 00:11:24
丼…?
- 166二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 00:18:25
ふふふ・・・と、思ったけどこれギャグ路線だったんだよ・・・書いてから思い出したよ!
- 167二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 00:21:34
ギャグ辛い、なんであんなに皆面白く書けるの!?
- 168二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 08:05:54
ほ
- 169二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 18:56:00
し
- 170二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 23:06:01
「なにもおこらないね・・・」
「エミヤ・・・?」
「なんで僕を見るんだ?」
修正されるはずの特異点が集束せず、英霊たちの退去も一行に始まる気配がない。
三人は顔を見合わせて少し考えたが・・・。
「やっぱりあれ、なんか変だったんじゃない?」
「変・・・とは?」
「いや、明らかに見た目がおかしかったですよ。丼みたいだったし」
魔力量は間違いなく聖杯のそれだったが、とエミヤは考え込む。それに対してアルトリアは
「聖杯が形を変えることは・・・なくはないですがやはり杯の形は崩さなかったと思います」
「ということは・・・一部を誰かが持ち去ったと?」
「だとすると大変なことになるぞ、一部とはいえこうして実体化した聖杯の一部だ。何が起こるかわかったものじゃない」
持ち去りそうな人物に心当たりがあるか、とエミヤが問いかけたがもちろんそんなことを知るはずもなく。
エミヤの記憶でも大聖杯をまだ見つけていなかったはずだと結論付けた。 - 171二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 23:21:29
「聖杯の一部をわざわざ持ち去る理由がわからないが・・・」
「もしくは聖杯が不完全だったからこのようなことになった?」
「そうだとしたらマスターが聖杯を回収した時点で聖杯戦争は中断されるはずだ」
二人が喧喧囂囂と話し合う中、立香は考える。
(専門家が居ないのに素人が話し合っても無駄なのでは?)
と。
「ねえ、キャスター呼ばない?」
「キャスター・・・?」
「マスター、ここのキャスターは魔術にはそこまで造詣は深くなかったはずだが」
エミヤとアルトリアにはジル・ド・レェの顔が浮かんだらしく怪訝そうな顔。それを立香は否定しつつ答える。
「いや、第四次の話じゃなくてね?聖杯とかに詳しそうな・・・メディアとか、ダヴィンチちゃんとか・・・」
「なるほど・・・それは盲点だったかもしれない。マスターなら召喚ができるかも」
「大丈夫なんですか?」
「ここは霊脈で、マスターは今しがた大聖杯を所有した。理論上は可能なはずだ」
エミヤの後押しを受けて立香は右手の令呪を元に英霊召喚を行うことに。 - 172二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 07:03:40
「よーし、じゃあ無難にメディアさんから・・・!」
令呪を翳し、ぬん!と気合を入れると服の内側から一点が光り始める。
「・・・!」
「モルガンの魔術でなければ素直に感心できるのですが・・・」
ずらっと令呪が体中に広がり、その中の一つであるメディアの刻んだ令呪が光り始める。
「我が呼び声に応えて!メディア!」
右手の令呪が光り、そこから魔術回路のように光の筋が伸びてメディアの令呪と繋がるとその光を増して
やがてその場の三人が目を開けていられないほどの光を放った。
「成功・・・ですか?」
「・・・マスター?」
光が収まるとそこに居たのは・・・。
「『キャスター、メディア。召喚に応じてやって来たわよ?』」
キャスターの服を着た立香だった。しかしその口から響くのはまさしくメディアの声だった。 - 173二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 18:09:34
ほ
- 174二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 00:04:22
す
- 175二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 00:53:42
「マスターの姿が見えないけど・・・どうかしたの?」
「いや・・・その、メディア、なのですね?」
「なによ改まって、確かに私はコルキスの魔女、ヘカテの弟子である魔術師メディアよ」
あくまでもそのように振る舞うものの見た目が立香なので二人は戸惑うばかりだ。
「もしかすると召喚陣を書かなかったからか・・・?」
「?」
「自分の顔を確認してみるといい」
そう言われてごそごそと手鏡を取り出したメディアは自分の姿が立香になっていることに気付き・・・。
「・・・あらやだ、マスターったらお化粧しないのね・・・えっ?」
エジプトの女王に怒られちゃうわよ。と呟いて・・・フリーズした。
「なにを言ってるんだ?」
「混乱してるんでしょ・・・明らかに」
手鏡を握りしめて硬直しているメディアを他所に二人はどう声を掛けたものか迷った。 - 176二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 12:00:27
ほ
- 177二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 23:06:07
し
- 178二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 23:26:11
「どういうことかしら・・・え、召喚じゃないの?」
「いや、確かにマスターは召喚を行おうとしたが・・・」
エミヤとアルトリアを見て現実に戻ってきたメディアは周囲を見渡した。
「なるほど・・・え、でも魔法陣もなにもないんだけど?」
「そういえば令呪だけで呼ぼうとしてました」
メディアはそうアルトリアが言ったのを聞いて
「ば~~~っかじゃないの?魔術舐めてるの?」
と盛大に溜息をついた。
「触媒・・・は、まあ、令呪のパスもあるけど再召喚は普通陣を書くでしょ?!」
「霊脈の上だから大丈夫だと思ったのかもしれない」
「まあ、この事態の原因は分かったわ。つまるところマスター自身が魔法陣になって依り代になっちゃったってことね」
陣を描かなかったことで降霊術的な扱いになったのだろうとメディアは結論づけた。
「肉体は・・・まあ、私はセイバーやランサーみたいに動き回るタイプじゃないし、魔力はマスターの体内の聖杯から引っ張ってこれるからいいけど・・・依り代の耐久値がマスター基準だからダメージが即、活動時間に直結するわね」
「右腕の令呪と切り離されるのは?」
「令呪以前にダメージがでかすぎるわ、マスターのダメージをこちらで多少はコントロールできるけど切断レベルまで行ったらおそらく憑依は解除されると思う」
前衛を憑依させるのはいろんな意味でリスキーね。とメディアは続けた。 - 179二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 00:15:03
「気を取り直して・・・で、なんの用だったかしら・・・」
「大聖杯がそこにあったんでマスターに回収してもらったんですが・・・」
「大聖杯・・・?ああ、そういうことね。特異点になりかけてるから回収するってことでいいのね?」
「そうなる。それで、見た目も聖杯というよりは丼のような見た目になっていたからおそらくは不完全な状態だったのではというのが今のところの見解だ」
メディアはその言葉を受け、聖杯が安置されていた場所を調べ始める。
「うーん、これは・・・確かに皆の推測通り聖杯が中途半端に生成されたみたいね・・・」
「そんなことがあり得るのか?」
「聖杯戦争の仕組みとそもそも違う感じよ。普通なら英霊を呼んで七騎の英霊の命を捧げることによって聖杯が鋳造される。そしてその聖杯を鋳造するためのシステムとしてあるのが大聖杯・・・なんだけど・・・」
「?」
「聖杯が鋳造されている途中というか、システムが組まれてる途中でマスターやセイバー、アサシンたちがこの世界に来たせいでバグを起こしたのかも」
英霊の命を捧げることで聖杯を鋳造できるシステムが、本体が正常に動作するまえに成果物ともいえる聖杯がここにやってきたのでバグったのでは?とメディアは言う。 - 180二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 08:48:37
ほ
- 181二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 20:18:47
し
- 182二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 22:23:48
ゅ
- 183二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 00:10:12
「丼って言ってたかしら?おそらくだけどそれは鋳造途中だった大聖杯そのものなんでしょう」
「となると未完成品を回収したことになるが・・・」
「そうねぇ・・・」
メディアは少し考えると大聖杯が安置されていた魔法陣に別途平な石を見繕って魔力を生成する炉の陣を書き込むと生成した魔力を魔法陣に供給し始める。
「ここをこうして・・・ほら!」
「おお、聖杯の残りの部分が・・・!」
大聖杯の鋳造が再開され、残った足の部分が出現した。
「あとはこれをマスターが回収すればこの特異点は解消されるはずよ」
「なるほど」
大聖杯の足の部分にメディアが手を伸ばそうとしたとき・・・
「っ!」
「何者だ!」
飛来した剣が聖杯の足部分を弾き飛ばした。 - 184二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 00:18:22
「はーっはっはは!我を差し置いて特異点を解消しようとは・・・差し出がましいにもほどがあるぞ!雑種共!」
やってきたのはこの場においては間違いなくトラブルメーカー。英雄王ギルガメッシュであった。
「何をするのよ!聖杯を回収すれば全てが丸く収まるのよ?」
「そうだぞ金ぴか」
「そーだそーだ!」
メディアを筆頭に抗議する声もどこ吹く風。ギルガメッシュは高笑いとともに鎖を器用に引っ掛けて聖杯の一部を奪い取った。
「聖杯が欲しければ我を興じさせてみよ、雑種。と・・・言うかだ。現界してみれば言峰はなんか普通だし、間桐もなんか仲良しだしで退屈しているのだ」
「・・・ここじゃあの神父もまともなのか・・・」
「辛い豆腐ばかり勧めてくるがな」
エミヤがすごく複雑そうな顔をしながら銃を構える。メディアとアルトリアも武器を構えるが・・・。 - 185二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 08:02:55
ほ
- 186二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 19:12:11
し
- 187二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 19:15:26
し
- 188二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 00:26:13
「三騎がかりとて異論はないな?」
「ふふん、当然だ」
エミヤの問いかけにギルガメッシュはふんぞり返って答える。それに対して三人は・・・
「作戦タイムいいですか?」
「ふはは!認める!」
作戦会議を始めることに。
「どうする?」
「気配遮断で裏取りして背後から攻撃しつつエクスカリバーで吹き飛ばせばいいんじゃないか?」
「でもそれだとここが派手に吹っ飛ぶわよ?」
「特異点なんだから痕跡が残るのはよくないのでは?」
しゃがみこんで円陣を組みつつ三人はあーだこーだと話合う。
「でもなぁ、腐っても金ぴかはトップクラスの英霊だぞ」
「金は腐りませんけどね」
「そこ今気にするところ?二人ともなんか刺々しくない?」
「「そんなことはない(です)」」
エミヤとアルトリアがなんとなくぎすぎすしているのにメディアはげんなりした。こういう時の緩衝材というか清涼剤的な立香は残念ながら自分の依り代になっているので助けてはくれないのだ。 - 189二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 11:32:59
ほ
- 190二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 21:35:03
「それじゃあ穏当に、もしくは隠れてヤツを仕留める必要があるわけだが・・・」
「話せばわかってくれるかしら?」
チラッと三人はギルガメッシュを見る。
「・・・」
そわそわと何かを期待するようにこちらを見ている金ぴかを見て。
「「「無理だな」」」
「そうなると作戦が必要だ、彼にあの宝具の斉射をさせないで戦わせる方法が」
「いくらなんでもそれは・・・」
「どちらにせよこちらも宝具は使えないんだ、相手の宝具はもちろん、それらを使っての大規模な破壊も避けないといけない」
ひそひそと作戦タイムを続ける中でふとメディアが一つのアイデアを立香の記憶経由で思い出した。
「退屈ならゲームに絡めて挑発すればいいんじゃない?」
「ゲームに?」
メディアはひそひそと二人に情報を提供するとあれこれと話し合い、三人は改めて武器を構えると金ぴかに向かいあった。
「英雄王、巷ではこんな遊びがあるそうだ」
「・・・?なんの話だ」
「遊戯の話だ、それには格上の英雄しかできない遊び方というものがある」
「格上の・・・面白い、言ってみるがいいぞセイバー」 - 191二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 21:58:06
アルトリアはメディアから伝えられた作戦通りにギルガメッシュに戦い方に制限を設ける提案をした。
「ゲームの遊び方に『縛りプレイ』なるものがあるそうです」
「縛り・・・?縄で縛るのか?」
「意味合いは似ているが、要は自分に制限を掛けて格下との差を埋め、戦いを白熱させるというものだ」
「なるほどな、それで?我に何かして欲しいと?」
理解が早くて助かる、とエミヤが言うと彼はこう提案する。
「宝具無しで、我々を降せるかな?英雄王」
「こちらももちろん宝具は使わない」
「まさか天下の英雄王ができないとはいえませんよね?」
三人は武器を置いてファイティングポーズを取る。それを見たギルガメッシュは・・・
「面白い!かかってこーい!」
ノリノリで鎧をパージして三人に飛び掛かった。 - 192二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 22:04:44
AUO…??
- 193二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 22:06:01
以下四騎の英霊による激しい戦いの様相である
「とった!ここをこうして!」
「いだだだ!」
「見事なサブミッションだ」
「ギブ?ギブなの?」
「ノーっ!」
「ちょ!全裸にならないでよ!」
「フハハ!」
「弱点を晒すとはね」
「おいこら雑種!我の我に石を投げるな!いっっっっったっ!」
「何故に全裸に・・・」
「ルールブレイカー!」
「目つぶしは流石に不味いですよ!」
「なんの!エヌマエリシュ!」
「こっちはこっちでちゃんと服を着なさい!」
「起源弾」
「ぐっ!さっきから執拗に石を投げおってからに!」
「足の裏に起源弾」
「ッッッッ!(石ころ踏んだ」
「さすがきり・・・エミヤ汚い」 - 194二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 22:08:36
仲良しか???
- 195二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 22:09:17
記憶共有してるカルデア組ですからねw
- 196二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 22:27:46
「「「長く苦しい戦いだった・・・」」」
三人はボコボコにした英雄王を見ながら荒い息を整える。
「とりあえすこれで残った聖杯も回収できるわね・・・」
「敵がいないはずの特異点の修正にここまで手間取るとはね」
後半石を投げていただけのエミヤも何故か疲労困憊といった様相だ。なんでさ。
「よし、これで回収できたわ・・・」
メディアは聖杯を回収すると立香のお腹のあたりの収納スペース(人理製)に残った大聖杯の一部を収納した。
「座標がズレて、本来ないはずの大聖杯が産まれてしまったこの特異点もこれで終了・・・ね」
「・・・そうか」
今度こそ退去が始まった。全員が座に還る。
そして、立香の痕跡も、英霊たちの痕跡もまた消えていくのだ。
「マスターも今度こそ自分の時代に帰れるといいのだけど・・・」
メディアも立香の体から抜け出て、倒れた立香を支えながら言う。
彼女は今度こそ、あの日に帰れるのだろうか。
修正作用に弾き出され、時空間の渦に落ちていく立香を見送りながらメディアもまた座に還る。
次は何処に?放浪はまだ続く。 - 197二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 22:31:24
次スレいるかなぁ・・・
- 198二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 03:21:56
一応ほ
- 199二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 14:29:12
最後の保守
夜に新スレ立つかどうか - 200二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 14:30:24
200ならきっと立つ