- 1◆7cUYYuxo.A.M24/11/28(木) 21:03:18
- 2◆7cUYYuxo.A.M24/11/28(木) 21:03:53
- 3◆7cUYYuxo.A.M24/11/28(木) 21:09:18
前回までのあらすじ
ミレニアムでの技術協力をとりつけ、C&Cとの激闘を制したアビドス一同。
そこで分かった『アビドス高校校歌』と沼蛇の関係を調べるべく、再びオアシス沼へ向かうことを決意する。
そんな中、遅々として進まない『宝探し』に業を煮やしたカイザープレジデントは、カイザーセキュリティから引き抜いた手勢をアビドスに送り込んできた。
痛む理事の胃、広がるトラブル、漂う不穏な空気。
再びアビドスに嵐が訪れようとしていた。 - 4二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 21:09:34
立て乙です!
理事おじは強く生きて… - 5二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 21:17:28
下手に刺激しなければ沼蛇も大人しいが、コレは起こすな(確信)
- 6二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 21:33:32
カイザー(この世界のPMC除く)に対するマイナス方面の信頼感よ...
- 7二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 21:51:32
建て乙です。文字通り藪蛇突いてろくな出来事起きなさそうな気配が
- 8二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 21:55:22
一先ず10まで埋め
- 9二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 22:10:20
建て乙保守
- 10二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 22:15:31
波乱の予感と共に梅
- 11二次元好きの匿名さん24/11/28(木) 22:15:44
保っ守
- 12二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 07:56:24
建て乙
- 13二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 17:05:54
保守
- 14二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:16:13
続き楽しみ
- 15二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 00:36:54
保守
- 16二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 02:18:45
保守
- 17二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 10:01:03
- 18二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 18:21:43
泥臭くて食べれない、とかが理由で食べられてないのかもね…
- 19二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 21:29:50
早保守
- 20二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 21:32:06
Part1で魚を食べてるから食材としてはあるみたい。種類までは書いてなかったけど。
- 21◆7cUYYuxo.A.M24/12/01(日) 01:15:37
(魚はオアシス沼に侵入できる一部の人しか手に入らない希少品です。たまに小っちゃい魚が沼から流されて市街地に流れ着いたり、ワニのお腹から出てきたりもします。ただし、まあまあ泥臭いのでアビドスではその辺の処理の仕方も伝えられています。スパイスもその一環)
「ただいまー」
「お疲れ様、セリカちゃん、シロコちゃん。警備、どうだった?」
「なんかこっちを監視してるのが何人かいたけど、今のところ手出しはしてきてないわね」
「でもちょこちょこ変な動きしてるのがいる。バシャバシャヘルメット団の皆に引き継いでおいたけど、襲われたら押し負けるかも」
「人員の欠如はうちの課題だもんねー。わかったよ、とりあえずローテーション通りに警備お願い」
「りょーかい。それで、アヤネちゃんたちは?」
「ノノミちゃんとアヤネちゃんはオアシス沼への遠征用に資材の調達、ホシノちゃんはオアシス沼の浮島の再点検……っていうか補修? この前の作戦で浮島もかなりボロボロだし……中央近くの奴はほとんど沈んじゃったからね」
「また作り直しかあ……。それで、先生は? 今日も来てるんでしょ?」
「何か調べることがあるって、さっきシャーレに戻っていったけど……。何か用事だった?」
「ん、ワニ獲ってきたから食べるかと思って」
「最近ホントに増えたわよねー。この前の作戦でオアシス沼の外に逃げ出しちゃったのかしら」
「元々いっぱいいたけどね……。それは、ホシノちゃんに渡してあげたら喜ぶんじゃないかな?」
「おっけ」
「そう言えば、浮島補修の資材ってまだ残ってたんだっけ……?」
「前の補修で、追加分は使い切っちゃったから、ニコイチ補修するって。あ、二人ともレンコン煎餅食べる?」
「食べる」 - 22二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 10:52:38
- 23二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 12:47:36
ワニ獲ってきたから食うわって普通に言える辺り感覚が麻痺ってるわぁ...w
- 24二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 20:54:24
薄切りレンコンを揚げて塩振って”アビドス名産レンコンチップス”みたいな名前つけて売ろう
「ポテトチップスより(比較的)ヘルシー!」を売り文句にしたらカロリー気になるお年頃の女子に売れそう - 25二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 22:49:27
レンコンは確かにヘルシーだからそれいい考えかもしれない!!
- 26二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 23:23:10
アビドス蓮根で蓮根のはさみ揚げ食べたい…煮物系も絶対美味いやつだもん
- 27二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 06:40:46
蓮根料理研究会ってどっかの学校の部活でありそうだな…
- 28二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 16:38:15
沼ドス名物ゲーター&チップス(ワニ肉のフライとレンコンチップスを包んだもの)
- 29二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 23:01:53
グルメ漫画染みてきたな
- 30二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 06:40:24
"孤独の沼グルメ"って名前のドラマかな?
- 31二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 15:17:18
多分理事が主人公のスピンオフ
- 32二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 22:34:58
保守
- 33二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 09:11:07
孤独の沼グルメ…ちょっと見てみたいかも
- 34二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 19:21:33
ほしゅ
- 35二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 19:38:16
- 36二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 03:44:29
保守
- 37二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 14:14:57
保守
- 38二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 22:22:04
↓ここに続きをまって待機する先生方
- 39二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 07:05:44
↑ここに続きを待っている生徒方
- 40二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 17:54:52
- 41二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 00:02:23
アビドスの名産品を加工製品にしてバリバリ売って借金…は無いから自治区の維持管理費をゲットして行かなきゃなぁ
- 42二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 08:17:43
借金は無いにしてもそれはそれとしてお金は要るからなぁ……
- 43二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 18:13:32
保守
- 44二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 01:28:56
ん、ワニ肉は栄養があるし美味しい
ホシノ先輩が強いのはワニ肉を沢山食べてるから - 45二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 08:26:54
実際ワニ肉って低カロリー、超低脂肪、高タンパクの三拍子そろった優良食材らしい
- 46◆7cUYYuxo.A.M24/12/08(日) 09:56:28
(ワニの皮の加工品=なんか嫌な感じがすると好評(売れない)。機械獣の部品=売れるけど技術流出を招きかねないので細心の注意を払って売らないといけない。その他=自給自足なら問題ないが外貨獲得が難しい)
「……んー? だぁれぇー、もひもひー……」
『ユメ君、夜遅くにすまない。私だ。起こしてしまったか』
「あいー……? りじさん……? なに、どーしたのー……」
『先ほど、セキュリティの連中が資材と武器を積んだトラックで基地を出た。オアシス沼に向かったようだ、何をする気かわからんが、念のため知らせておこうと思ってな』
「……あー。ちょっと待ってねー……」
「……よし。お待たせ理事さん、顔洗ってきた。それで、基地を出たのはどれくらいの規模だったの?」
『少なくとも戦闘が出来る人員は全員出たようだ。うちのバッテリーも大半を持ち出していった、おそらく……』
「オアシス沼に喧嘩売りに行ったってことかなー。わかったよ、皆を起こして非常呼集を掛けるね。そっちも動ける?」
『すでに準備中だ。……すまんな、うちのものが迷惑をかける』
「なんのなんのー、持ちつ持たれつだよ。念のためにヘルメット団の子たちにも連絡しておくね」
『依頼料についてはうちが出そう。それと、便利屋にも連絡を入れてみるつもりだ。先生はどうだ?』
「連絡はするけど、こられるかどうかはわかんないかも」
『わかった。では、また後で』
「うん、気を付けてね。じゃあまた後で」
「さて、と。……荒れそうだなー、ミレニアムの人たちが来てなくて良かったかも、巻き込まれたら大変だもんね」 - 47二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 11:42:34
アッ(察し)
- 48二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 12:11:59
理事おじ、強く生きてくれ。ロボボディでも腹痛って起こるのかな?
- 49二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 13:45:03
約束された尻払いの未来
- 50二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 14:15:17
恐らく機械の胃に穴が空く
- 51二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 14:32:04
飯を食べるなら臓器に近い物はあるはずなので多分…
- 52二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 19:12:40
うん、報連相は大事、大事
一波乱ありそうだけど、リカバリーできるかかな - 53二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 19:26:07
保守
- 54二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 19:31:08
バイオマス炉がどうこうとか以前言ってたしそれが胃に相当するんじゃないかな
- 55二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 19:47:45
寝ぼけユメパイはかわいいなぁ(やらかすフラグMAXのセキュリティ連中から目を逸らしながら)
理事おじ色々本当にお疲れ様です - 56二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 02:43:25
保守
- 57二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 10:14:18
頼れる大人と化した理事おじとPMCの皆様メッチャ心強いな
- 58二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 19:43:02
保守
- 59二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 06:32:00
沼蛇ヤッチマイナーって気持ちと、でも事後処理を理事おじがしなきゃいけないんだよな…って気持ちが2つある
ままならんな - 60二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 16:06:02
つまり沼蛇君に求められるのは「カイザーセキュリティ+本社にダメージを与え」かつ「理事おじの後始末が面倒にならない」ギリギリのラインを攻める事…!!
- 61二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 17:53:47
沼蛇「何か無駄に難易度高く無い!?」
- 62二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 19:29:46
気にするな!やっちまえ!!
- 63二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 20:43:05
そーれエンドレスカーニバル沼仕様!
- 64二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 03:39:09
保守
- 65二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 07:06:31
守保
- 66二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 17:21:11
保守
- 67◆7cUYYuxo.A.M24/12/11(水) 21:31:10
「皆おはよー、っていうかこんばんはー」
「ねっむ……」
「さっき寝たところだった……」
「はいはーい、眠気覚ましに熱いお茶を淹れたのでぐいっといきましょうねー☆」
「ありがとノノミ先輩……」
「それでユメ先輩、状況はどうなんです?」
「大規模な侵入口は理事さん達が見張ってくれてて、道が細いところはヘルメット団の皆にお願いして巡回してもらってる。でもどこも少し荒れ始めてるみたい」
「あいつら、余計なことばっかりして……! さすがに一回とっちめた方がよくない!?」
「無事に帰ってきたら、それでもいいかも。……それで、その犯人さんたちはまだ戻ってきてないんですか?」
「うん、まだ沼で頑張ってるみたい、なんだけど──まって、ヘルメット団から連絡」
『ユメ先輩!! こちらバシャバシャヘルメット団!! きた、きたきたぞ!!』
「落ち着いて! 何が来たの、大丈夫!?」
『機械獣だ! ちっこいのからでっかいのまで、馬鹿みたいに暴れまわって陸地に押し寄せてきてる!!』
「具体的な数は!」
『わかんねえ! ああやばい、下がれ下がれ! 戦える奴だけ叩くんだ! PMC達と合流するぞ! ごめんユメ先輩、早く出てきてお願いしますーっ!!』
「……皆、しゅつどーう!!」
「絶対あいつらのせいでしょこれー!!」 - 68◆7cUYYuxo.A.M24/12/11(水) 22:35:18
オアシス沼。アビドス自治区の中心地として知られる巨大な沼地。
その中心を主な根城とする沼蛇は、その身に突き刺さるまばゆい光に目を細めるようなしぐさを見せていた。
「うおぉぉぉ!! 効いているぞ! 撃て! 撃てぇー!」
何かが喚いている。
実に醜く、実にか弱い。
いっそ哀れにすら思えてくるそれらは、しかしこの地を荒らす侵入者である。
故に。
『■■■■ーー……』
ノイズにまみれたかつての誓いを絶えず吐き出しながら、沼蛇はこの身にたかる羽虫を消し潰すべく駆動する。
黄金色の燐光を瞬かせ、長く伸びた躯体をゆるりとひとつ、ふたつ、回し、
『■■■■』
咆哮が響く。
かつての誓いをそのままに、追憶の香りを漂わせるそれは、敵対者を廃滅させんと鳴り渡る。
とぐろを巻くかの如く渦巻いた躯体が、次第に直線状に伸びていくにつれ、泥と苔で覆われきった白銀の躯体から漏れ出る燐光は輝きを増していく。
明るく、輝く、その姿は。さながら審判を下す神の如く。
そして、かつて数えるほどしか放たれたことのない、その輝きがオアシス沼を照らし出した。
「……あ、あの、これなんかやばいんじゃ……」
「今までにない反応だぞ、PMCの報告書にない行動だ! 我々の兵器は確実にダメージを与えている、撃ち続ければ押し切れるはずだ!」
「い、いや、でもこれ……!」
何かが喚いている。
何かが喚いている。
嗚呼。 不快だ。
『■■■■■■■──』
複数搭載されたジェネレーターが臨界を迎え、視界を覆わんばかりの黄金色が炸裂する。
瞳を焼くプラズマが沼蛇の口腔内に生成され、それは目障りな羽虫のいる方向へと発射された。
それは、本来の歴史では列車砲シェマタなる兵器にも利用された原理。太陽にも等しいプラズマを生み出し、それを発射する常軌を逸した兵装。
かつて、アビドスの敵を焼き滅ぼすべく生み出された雷が、嵐のアビドスにて輝きを放つ。
それを皮切りに、機械獣たちはその脅威から逃れんと一斉に逃走を開始した。 - 69二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 22:37:03
ヤベーイ!!!
- 70二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 22:47:59
やっぱり沼蛇ナーはアビドス初代生徒会長と、何かしらの契約を結んでたってことでいいのかね?これは
- 71◆7cUYYuxo.A.M24/12/11(水) 23:12:55
「うっわ、なにあれ……」
「廃墟地区がえぐれてる……」
準備もそこそこにジープに飛び乗って学校を出たユメたちが目の当たりにしたのは、押しよせる機械獣と、その向こうに見える旧市街地『だった場所』だった。
巨大なスプーンを引きずってくりぬいたような、普通は見ることのないその破壊痕に誰もが戦慄する。
一体何が起きているのか、それを確かめるために、ユメはアクセルを踏み込んだ。
そうしてひた走るうち、嫌でも見えてくる。大量の機械獣と、それに応戦するPMC。そしてそこに加勢する住民たち。
アビドスを根城にする学校を持たない子供たちもそれに加わり、何とか押しつぶされるのを回避しているような有様だった。
「ユメ先輩、あっちに加勢を……」
「……ノノミちゃん、セリカちゃん! 行ってもらっていい?」
「はーい、お任せでーす♧」
「わかったわ、そっちも気を付けてね! 片付けたら追いかけるから!」
走るジープから、装備を携えたままで飛び降りる二人。
この先に待ち受けているものが分からない以上、戦力を分散させたくはなかったが、それでも住民を見捨てるわけにもいかない。
二人を置き去りに、ジープはなおも走り続ける。
やがていくつかの戦場を通り過ぎた先、最前線にたどり着くと、そこはさながら地獄の様相を呈していた。
「右足やられた! 誰か引っ張ってくれ!」
「重機をもっともってこい! 質量差で押し負けるぞ!」
「理事! 前でないでください理事!!」
「ここで出ずしてどこで出る! ゴリアテで抑えている間に体勢を立て直せ!」
多種多様な機械獣が、狂騒状態で押し寄せている。津波のようなその勢いを、辛うじて押し留めているのはカイザーPMCの戦士たちだった。
「皆お待たせ! 私達が代わるから補給して!」
「ユメ君たちか! すまん、助かる!」
「じゃあ、とりあえず一当てしてくる」
まだ完全に止まっていないジープのフレームに立ち、携えた小鳥遊ホシノ専用の近接武装を両手に構える。
それは戦斧。片刃の斧であり、重さと鋭さを両立し、類まれなる膂力と速力をもってあらゆる鋼を両断せしめるもの。
ホシノは身をかがめ、バネのように両足へと力を溜め、
「──行ってきます」
余りにも軽やかな一音ののち、小鳥遊ホシノが疾走する。暴れ狂う機械獣へと、大斧の一振りが襲い掛かった。 - 72二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 05:37:33
アビドス生徒会がきた!
- 73二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 14:04:40
ふぅむ、アビドスの防衛…
もしかしてこれさ、アビドスをキヴォトスに蔓延する争いから隔離する為ってのが諸々の異変の原因だったりしない?
原作においてカヤが武器の規制をもって治安維持を行おうとした様に、ビナーと契約した誰か(当時の生徒会長?)は『銃器を使えない環境』という誰も逃れられない制約を押し付けた…みたいな
ただ、ビナーの挙動を鑑みるとその『契約』に何かしらのエラーを来してそうなんだよな
一番確率の高いパターンとしては、どこかのタイミングでアビドス校歌が失伝→契約の更新が出来なくなる→ビナーは本来守るべきアビドスの人々を『他所からやってきた侵略者』と認識してしまう様に…とかかね
元ネタの1つたるhorizonに則れば、この暴走状態を何かしらの手段で正すことがアビドスの問題を解決する糸口になるのか?
- 74二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 14:12:13
予言者化してるのかも判然としないわ
- 75二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 17:04:09
・・・ビーム兵器遣うなら最低でも超重戦車砲クラスの火力が必要でしょ・・・WWW
- 76二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 17:12:00
・・・で、在るの? 威力?WWW
- 77二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 23:35:06
本来の歴史では~ってことは、沼ドスにはシェマタ無いんかな?
- 78二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 23:42:32
あったとしても、沼の底の更にそこに沈んでる気がする。
- 79二次元好きの匿名さん24/12/12(木) 23:44:35
- 80二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 08:15:59
一気に状況が動き始めたな……
- 81二次元好きの匿名さん24/12/13(金) 19:30:25
ほし
- 82二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 00:35:32
保守
- 83二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 10:15:43
保守
- 84二次元好きの匿名さん24/12/14(土) 21:50:35
ほ
- 85二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 08:41:23
保守
- 86◆7cUYYuxo.A.M24/12/15(日) 09:16:15
それは嵐だった。
斧の一振りは戦闘用に作られた大型機械獣の装甲を叩き割り、レールガンは発射前に着弾地点から移動されるために当たらない。
大火力の荷電粒子砲は発射準備の段階で輪切りにされ、機体を用いた体当たりめいた一撃は風に舞う木の葉のように当たることはなかった。
桃色の嵐。以前ブラックマーケットで見せた動きよりもさらに洗練された、ただ相手を破壊することだけを考えて設計された暴力が吹き荒れている。
「こぼれ弾は私が拾うから、シロコちゃんは小さいのをお願い! アヤネちゃん管制!」
「ん、突っ込む」
「了解しました、ドローン展開します!」
その嵐の中へ、シロコは新たに手にした装備を携えて吶喊する。
C&Cとの模擬戦を経て、シロコは自身の戦闘スタイルを新たに確立した。
中距離から、さらに踏み込んで超至近距離でのヒット&アウェイ。それを支える新装備が、
「スタンブレードの試し切り」
手にした大型ナイフほどのブレードは、その柄の部分に機械獣のバッテリーが仕込まれている。
精密機械ゆえにここでは信頼性こそ薄いが、ミレニアムのエンジニア部が作り出した試作品だった。
突出する手近な一体に接近し、最も装甲の薄い部位にブレードを突き立てる。瞬間的に高電圧が走り、機械獣はその場に崩れ落ちた。
強烈な電撃による一時的なスタン。乱発こそ叶わぬものの、場所を選べば確実に相手の動きを縫い留められるそれはシロコの接近戦を確実なものとする。
「良い調子。ホシノ先輩、後ろにつくね」
「任せたよ、シロコちゃん」
嵐からの返事を満足げに聞きながら、動きの止まった機械獣を素早く破壊する。
深い夜はまだ始まったばかりだった。 - 87二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 10:55:20
- 88二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 19:28:59
おニューの武器かっこええ
- 89二次元好きの匿名さん24/12/15(日) 22:19:23
次の新作はモンハンアビドスで決まりだな
- 90二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 00:38:05
- 91二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 08:09:38
着実に武装アップデート入ってるな
- 92二次元好きの匿名さん24/12/16(月) 16:52:18
この戦闘方法見てるだけでキヴォトスでアビドスがどれだけ異質かが分かるな。
そしてキヴォトスらしからぬ近接武器を使った超至近距離戦闘!男の子なら興奮しない人はいないだろう!! - 93二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 00:24:01
本編も沼ドス世界線も「アビドスは例外」なんだなって
- 94二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 08:11:29
アビドスだけ単独で独自ライン入ってるからなぁ
- 95二次元好きの匿名さん24/12/17(火) 19:50:42
ほ
- 96二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 04:07:07
しゅ
- 97二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 14:38:48
ho
- 98二次元好きの匿名さん24/12/18(水) 22:51:40
沼ドス各所のフロート浮き島を保守保守
- 99二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 07:26:36
ホシ
- 100二次元好きの匿名さん24/12/19(木) 17:47:48
ノおじさん
この世界だとユメパイ元気だから若干若ホシノ混じってるよな - 101◆7cUYYuxo.A.M24/12/20(金) 00:43:44
「右側塞げ! 細かいのが抜けちまう!」
「リーダー、これ以上は無理だって! PMCも皆出張ってるけど手が足りない!」
「なんだってこんなことになってんだ! さっきから奥の方でピッカピカ光ってるしちょー怖えよ!!」
「うぎゃー! またでっかいの来てるーっ!」
「ちくしょー! 今日は厄日だーっ!」
「あなたたち、伏せなさいッ!!」
「──けほっ、い、今のは……」
「ひゅー、アルちゃんやっるぅ! それにしても弓でどっかーんってなるの、いつ見ても笑っちゃうよね!」
「はいはい、話してないで仕事しよう。よい、っしょっと」
「つ、突っ込みますっ!」
「大丈夫、あなたたち!? 便利屋68、救援に来たわ!」
「お、おいおい……。なんだ今の、すっげぇ……。助かったよ、えっと、便利屋さん」
「気にしないで、これも仕事だから! さあ、一気に押し返しちゃいましょう!」
「お、おう! あたしらがやれんのは小さいのだけだ、デカいのは頼めるか!?」
「任せて。それから前で暴れてるあっちの子に当てないように」
「わかった! 行くぞバシャバシャヘルメット団! 便利屋さんに負けんなよ!」
「おー!」 - 102二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 09:30:45
便利屋とヘルメット団が共同戦線…なんだか感慨深いものがあるな
- 103二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 11:06:37
原作ではなかった共同戦線を見ると燃えるよね
- 104二次元好きの匿名さん24/12/20(金) 21:23:30
厄日だー!と叫びながらも逃げはしない、沼ドスの民は逞しいな
- 105二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 08:27:52
何気に原作だと敵or初手敵だった面々と軒並み共同戦線張ってるの本当に別時空感あるよなぁ
- 106二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 16:57:21
機械獣版百竜夜行みたいになってる……
- 107二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 22:03:27
言葉通りの総力戦感あるなぁ
ゲヘナ風紀委員義勇小隊とかもスポーンしない? - 108二次元好きの匿名さん24/12/21(土) 23:27:51
- 109二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 08:19:53
結局、人手が足りないのは問題だよな
他から人を引っ張ってきても銃火器メインの戦い方になってるから、アビドスだと戦力になりづらいのが辛いところ - 110◆7cUYYuxo.A.M24/12/22(日) 09:15:43
「もう大丈夫ですよー♣ 向こうに逃げてくださーい!」
「皆は他の人の非難を手伝ってあげて!」
「おお、済まねえノノミちゃん、セリカちゃん! おいお前ら! 戦ってるやつの邪魔になんねえように下がれ!」
機械獣と戦っていた住民たちが、二人の声に応じて後方へと下がっていく。
押し寄せてきた機械獣のうち、中型以上のものはあらかた片付けたものの、まだ小粒がちらほらと漏れ落ちてくるのは止まらない。
それでも、二人が手を貸す前に比べればその圧力は雲泥の差だった。
「申し訳ない、お二人とも。助かりました」
「PMCの皆さんは大丈夫ですかー?」
「ええ、おかげさまで。残りは我々だけでもどうにかなりますから、皆さんはお仲間と合流してあげてください」
「わかった、それじゃあ私たちは行くけど……。ほんとに大丈夫? どっちか残った方が……」
「いえ! ここで踏ん張れないようでPMCなど名乗れませんよ! それよりも、お二人には申し訳ないですが前線に出ていただいた方が我々としても助かりますので……」
「りょーかいです♣ じゃあ、ここはお任せしちゃいますね☆」
ぴしっ、と敬礼をして見せたPMCの職員に、ノノミもややおどけつつ敬礼を返し、二人は一路事件の渦中へ向かった。
その後ろ姿を見送り、職員は散らばった機械獣の部品を拾いながら次の攻勢のための準備を整え始める。
更にその後ろでは、住民たちがそれぞれにPMCの指示を受けて枯渇した矢の急増に取り掛かっていた。
「ひぃっ、ひぃっ、ひぃっ……! く、くそ、くそぉ! なんなんだあの化け物は!?」
「た、隊長待ってください! まだ他の奴らがっ」
「うるさい! 私はプレジデントへこのことをご報告せねばならんのだ! お前たちは奴の気を引いて注意を逸らせ!」
「な、そんな無茶な! レーザー兵器が通じない相手にどうやって!」
「……こうやって、だ!」
「うぎゃっ! た、隊長、気でも狂ったんですか!? 我々を囮にするつもりですか!?」
「黙れ、黙れ黙れ! 私はプレジデント直属の部下なんだぞ! お前達とは価値が違うのだ! 私を助けて目的を達成することがお前達部下の存在理由だろうが!」
「待ってください、隊長、おい、まっ、待てよぉっ!!」
「うるさい、うるさい、うるさい、うるさい! 私は、私はこんなところで終われんのだ、こんなところでっ!」 - 111二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 09:42:25
- 112二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 19:59:13
(あぁ…お約束…9ズのやり方や…)
- 113二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 21:44:05
散々な結果なのは当然としてレーザー兵器効かなかったんかい沼蛇に
無様な敗走は予想できてたけどさー・・・他人様のインフラ設備支えてた備蓄バッテリー使い潰して全くの無意味でしたはあまりにもあまりだよ・・・
多少の痛打は与えたとかじゃないの悲しすぎる
- 114二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 21:54:19
ペチペチウザかったろうな・・・WWW
- 115二次元好きの匿名さん24/12/22(日) 23:37:22
長かったけど追いついた!!!!!
- 116二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 09:07:40
ほ
- 117二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 13:28:41
月曜の保守
- 118二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 14:39:50
見事に井の中の蛙やなぁ…
- 119二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 17:20:07
レーザーが効かないのはさておきその上で二の矢三の矢を用意していない辺り底が見えるというもの……
- 120二次元好きの匿名さん24/12/23(月) 23:06:59
よるほ
- 121◆7cUYYuxo.A.M24/12/24(火) 00:09:22
それに最初に気づいたのは、最前線で暴れまわっていたホシノだった。
「──機械獣が、減ってる?」
「ん、仕事の成果?」
「そうじゃない、これは……ユメ先輩ッ!!」
今までで最も鋭い、ホシノの一声。
それに応えるよりも早く、ユメは最前線にいるはずのホシノの傍まで来ていた。
かつて見た輝き。黄金色のそれが、機械獣たちの群れの向こう側、風と雨の幕の奥から漏れだしている。
悍ましいほどの神々しさが溢れ、こぼれ、そして、
「私の後ろにッ!!」
「はいっ! シロコちゃんこっち!」
「んぎっ」
全力で盾を展開したユメの後ろに、ホシノと引っ張り込まれたシロコが転がり込む。
その直後、プラズマ化した莫大なエネルギーの奔流がユメの盾によって押し留められた。
「ぐ、ぅ、ぅうあああああああッ!」
ユメの盾からほとばしるエネルギー体が巨大な壁となり、プラズマを食い止める。
歯を食いしばり盾を支えるユメを、その後ろにいる二人もまた支えていた。
時間にして十秒もない照射。しかし、ほんのそれだけを退けるためにユメは渾身の力で踏ん張り続けざるを得なかった。
「──ぁ、はっ、はっ、はぁっ、はぁっ」
「ユメ先輩!」
「へ、へーき、だいじょうぶ。それより、来ちゃったみたい」
どさりとその場に座り込み、荒い息を繰り返しながら痺れる腕をさするユメが、視線でそれを示す。
二人もそれがなんなのか、わかっていた。
あのプラズマ砲が放たれる直前、毛が逆立つような悪寒が走り、それが今も続いている。
強烈なまでの存在感。今までホシノたちが戦えないからと軽くやり合っては逃げていた、あの沼蛇とはどこか違う。
そう、それはまるで、
「……怒ってる、みたい」
ユメのつぶやきに、二人も内心で頷く。
怒れる沼蛇が、とうとうその全容を現した。 - 122二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 00:18:58
セキュリティの連中はただ沼蛇を怒らせただけでした
何してくれてんだコラァ!! - 123二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 07:43:51
ユメ先輩よくとめられたな。
あのレーザーいつものレーザー以上に強力でその威力をとめるユメ先輩は守りだけならキヴォトストップだろこれ!! - 124二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 10:26:41
虎の尾ならぬ沼蛇の尾を踏んでしまったわけか
- 125二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 18:04:58
ここのホシノ、ユメパイセンが生きてるのもあって原作よりも大分攻撃特化してるな
……対人戦だと盾(現地調達)使ってたけど - 126二次元好きの匿名さん24/12/24(火) 20:28:49
ガードベント
???「近くに居た・・・お前が悪い」 - 127二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 06:52:45
危ねえ保守
- 128二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 10:06:10
盾がない分、臨戦の攻撃モードになってる感じかな
- 129二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 10:34:45
- 130二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 21:24:32
番人を本気にさせるとは、やらかしたな
- 131二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 22:07:50
でもこれ、最悪プレジデントは「部下の独断先行で事故があった」程度で部下切りしそうなんだよね……
- 132二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 23:05:37
寝てるところを叩き起された挙句大してダメージが通らない攻撃で永遠とチクチクされたら誰だってキレるよね…
- 133二次元好きの匿名さん24/12/25(水) 23:11:15
それはそう
- 134二次元好きの匿名さん24/12/26(木) 08:37:14
- 135二次元好きの匿名さん24/12/26(木) 16:20:20
ロクでもない会社でそんな普通の論理が通るわけないやろがい!!!!
- 136二次元好きの匿名さん24/12/26(木) 16:25:26
コレ現場責任者として理事おじが責任取らされるのかな…?
- 137二次元好きの匿名さん24/12/26(木) 22:14:24
何となくありそうなのが嫌だな……
- 138◆7cUYYuxo.A.M24/12/27(金) 06:33:26
(お待たせしております。今晩更新予定です)
(仕事中、この沼ドスメンバーと本編アビドスメンバーを合わせたらどういう反応をするかなどぼんやりと考えていました。お話が終わったら何かで書くかも。いつになるかわかりませんが) - 139二次元好きの匿名さん24/12/27(金) 07:58:09
- 140二次元好きの匿名さん24/12/27(金) 18:18:38
- 141◆7cUYYuxo.A.M24/12/27(金) 21:52:04
「随分お怒りみたいだけど、あいつら一体何やったの……」
一行へ向けて睨みをきかせている沼蛇を前に、戻ってきたセリカが開口一番そうぼやいた。
道中で拾ってきた資材をPMCの職員に渡し、代わりに矢の補給を受ける。押し寄せる機械獣の対処で資材をかなり消耗しているため、少しの資材も無駄には出来ない。
「あ、セリカちゃんお帰りー。ノノミちゃんは?」
「少し遠くでスタンバイしてるわ。あれとやり合うなら至近距離にいたら邪魔だろうって」
「さすがノノミちゃん! ホシノちゃん、いける?」
「殴り合うだけならいつでもいいですけど」
降りしきる雨を裂くように大斧を一振りしつつ、ホシノが視線を走らせる。
何を見つけたのか、とユメたちがその視線を追うと、建物の陰に隠れながらこそこそと走るアンドロイドの姿があった。
「ユメ先輩、あれって」
「……理事さん!」
ユメが声を上げ、理事が振り返った。ユメが指さす先に視線を動かすと、次の瞬間にはゴリアテ付き理事がそのアンドロイド目掛けすっ飛んでいく。
「き、さ、まぁぁぁぁ────ッ!!」
「ぎゃっ! ぎゃああああ!?」
ガッチリと巨大な手でアンドロイドを捕獲すると、その身柄を目の前まで近づけた。
「警備部長、貴様やってくれたな……! これほどの問題を引き起こすとは、大した問題解決能力だなあええ!?」
「ち、ちがう、お前たちがろくな報告書を上げてこないから悪いんだぞ!! レーザー兵器が通じないなんて聞いてなかった!!」
「一度もレーザー兵器など持ち込んでいないのだからわかるわけないだろうが!! この場で貴様のメモリーチップごとコアを砕いてやろうか!」
「わ、私に手を出すつもりか!? このことを知ればプレジデントが黙っていないぞ! もとはといえばお前達の仕事がトロいのが悪いんだろうが、私は悪くない!!」
愚にもつかないような言い訳に、理事は額に青筋が浮き出るという感覚を初めて味わう。
いっそ握りつぶしてやれば、などという思いがよぎるものの、あいにくとそれをする暇もなく、沼蛇が次の動きに入っていた。 - 142二次元好きの匿名さん24/12/27(金) 22:13:01
あーあ、足場固めを疎かにするから……(なお足場はふにゃふにゃなものとする)
- 143◆7cUYYuxo.A.M24/12/27(金) 22:40:48
「ホシノちゃん行って! 零れたのは私が防ぐから!」
「はい!」
「シロコちゃんは遊撃! セリカちゃんはアヤネちゃんの護衛! すぅ……ノノミちゃぁーん!! 隙を見て撃ってぇーっ!」
はーぁーいー!! と少し遠くから雨にも負けず大声が返ってくる。
それを契機とするように、沼蛇は次の射撃体勢に入っていた。
しかしその狙いは、
「私達じゃ、ない! 理事さん!!」
「おいおいこっちか!? 私はなんにもしてないぞまったく!」
「は、放せ、放せっ!!」
「ええいじっとしていろ!」
警備部長をがっしりと掴んだままの理事は、射線から逃れようと動き出したが、すでに相手は発射間近になっている。
その射線目掛けてユメが飛び込んでくるのを見つけると、理事は迷わずユメと射線が重なる最も近い位置に移動した。
ユメを犠牲にするのではない。
このアビドスで『もっとも堅牢な存在』が誰かを知っているが故の選択だった。
「そのまま動かないでね!」
「すまん、頼む!」
そして、再び怒りの光が解き放たれる。
物理的な圧力をもった光線がユメの広がった盾によって阻まれ、その周囲に破壊を撒き散らす。
「おい貴様! 一体何をしでかしてあれを怒らせた!!」
「ただ攻撃しただけだ! 本当だ!」
ただ殴っただけで怒り狂うのなら、とっくにアビドスは滅びている。
ユメの背後で、間違いなく他に何かやったと確信をもって睨む理事が、警備部長の仕草に注意を払っていると、
「何を隠してる貴様……おいその鞄はなんだ? なぜ隠そうとしている?」
「あ、お、おい! やめろ、取るんじゃない!」
警備部長が小脇に抱えられる程度のカバンを、パーツの内側に無理やり押し込んで隠そうとしているのを見つけた理事が、器用にそれを引きずりだす。
そこにあったのは、アビドスの校章。アビドス高校でかつて使われていた指定鞄だった。 - 144二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 01:01:13
アビドス高校でかつて使われていた指定鞄…
余所者がアビドスに関する物を持ち出そうとしたから沼蛇は怒ったのか? - 145二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 02:42:04
アビドスの守護者(推定)の沼蛇(ビナー)にかつての生徒の所有物をかってに侵入してきたよそ者が奪おうとしているならソラ怒るわ!
それに中身が何か分からない以上その中に昔のアビドスにとっての大事な物が入ってる可能性あるし、こいつら沼蛇(ビナー)の地雷原の上でタップダンスしてるじゃねぇの? - 146二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 09:23:22
タップダンスというかもはやロードローラーで丁寧に地雷原を馴らしてる感すらある
- 147二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 11:53:48
それはそれとしてコイツは一体何なのか、謎が深まるばかりだ……
- 148二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 12:37:26
・・・寧ろその「ロードローラー」、大量の超大型スパイク付いてるだろ・・・WWW
- 149二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 20:29:40
多分ロードローラーどころか海外の鉱山とかで使うめっっっちゃでかいクレーン車で踏んでる…
- 150二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 21:13:08
- 151二次元好きの匿名さん24/12/28(土) 23:58:47
よるほ
- 152二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 00:07:34
- 153二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 00:48:43
まあ、気持ちはわかる。深夜帯人が居ない時とか不安だから完全に朝超えて昼まで保つであろう時間まで伸ばしたいって思うよね
でもね、ここのスレ主は大体22時~1時位にお話しを進めるので早くても翌日午前10時までは安全圏なんだ、そんな1時間2時間置きに保守しなくても大丈夫
それはそれとしてアビドスの校章付きの鞄かぁ・・・やっぱ沼蛇君は初代生徒会長と何らかの契約を果たしたアビドスの守護者でいいのかねこれ
んー、でも単に校章でいいなら対策委員会だって制服や腕章、生徒手帳についてるはずだし特別な加工とかされてるのかな、この鞄・・・いやかつて使われてた指定鞄って書いてるか、沼蛇君識別用に指定されてた鞄とかなのかな? - 154◆7cUYYuxo.A.M24/12/29(日) 01:21:40
(保守ありがとうございます。宇宙で忍者してました)
「おい、もしかして沼蛇がお前達を狙っているのはこれを盗んだからじゃないのか?」
「ば、馬鹿な! 確かに、これは校舎にあった重要そうな書類の入った鞄だが!」
「それだろうが!! 絶対それだろうが貴様馬鹿か!? いや馬鹿だなあ馬鹿が!! どうせブラックマーケット辺りでマニアに売りつけるつもりだったんだろうが、欲をかくからこういうことになる!」
「ぐぬぅ……!」
もはや鳴き声染みてきた罵倒の声を響かせながら、理事は乱雑に鞄を開ける。
中に入っていたのは一枚の紙。それも、契約書等ではなく、理事たちには馴染みの薄い書類だった。
「これは……楽譜?」
「……は、はあ? 楽譜だと? 楽譜のために奴は私達を追ってきているのか?」
「……ユメ君! これを!」
理事が何かに気づいたのか、今しがた照射から二人を守り切ったユメへその楽譜を手渡す。
疲労の色を隠せずにいたユメも、その楽譜を目にして理事が言いたいことを理解した。
「楽譜……これ、アビドスの校歌!?」
「奴は確か、校歌をずっと流しているんだったな。なら、こいつで何か反応があるんじゃないか」
「や、やってみる!」
照射が途切れた隙に、ホシノが横合いから渾身の一撃で殴りつけ、頭を揺らしたところにノノミの砲撃のような一射が突き刺さる。
大きく直立するように構えを取っていた沼蛇の巨体が僅かに揺らぎ、反撃のために再び光が点り出す。
「ぬ、沼蛇さーん! これ、お返ししまーす!」
そこへ、ユメの声が響く。楽譜を両手に掲げ、盾を足元に置いて、攻撃の意思がないことを示しながら、楽譜をはっきりと認識できるように沼蛇の前へ持っていった。
その瞬間、沼蛇は輝かせていた光を消し去り、ユメの眼前までその顔を近づける。
「ユメ先輩!」
「ユメ君!」
「だ、大丈夫! 多分!」
攻撃の意思がないことを悟ったのか、ユメは駆け寄ろうとしたホシノと理事を押し留め、まっすぐに沼蛇と向き合った。
「──■■■■」
沼蛇の口らしきところから、再びノイズが流れ出す。
それが何を意味するのか、ユメには理解できた。楽譜の前で、静かに口を開くことの意味など、一つしかないと思った。 - 155二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 02:18:47
- 156二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 09:39:39
歌うのかユメパイ、対話出来ると良いが
- 157二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 13:43:04
この流れだと歌うのはユメパイじゃなくて沼蛇じゃない……?
- 158二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 20:15:32
歌が対話の方法(敵味方識別方)かもしれんし
- 159◆7cUYYuxo.A.M24/12/29(日) 21:47:45
「~…♪」
「■■■ … 」
ノイズまみれの歌声が、ユメの声と共鳴する。
ユメの脳裏に残った、メロディだけの歌。アビドス高校の、たった一人に残された校歌。
それが、五年の時を経て再びアビドスの地に響き渡る。
「~~♪」
「ユメ先輩……歌、上手いんですね……」
「■■ ■■ ~♪」
歌声に合わせ、沼蛇のノイズがゆっくりと剥がれていく。
本来の、沼蛇に搭載された音声データが正しく再生されるにつれて、ユメの歌と共鳴するようにその歌声は澄み渡っていく。
「ほぉ、これは……」
「なんだ、何が起こって……」
誰もが、その光景に目を奪われていた。
機械獣たちも皆一様に立ち尽くし、耳を傾けるように落ち着いた光を放っている。
「~~ ♪ ~…♪」
「■~ ♪ ~…♪」
やがて、校歌が最後まで歌い切られると、二つの歌声はふっつりと途切れ、誰もがその様子をじっと見守っている。
『──ぽーん』
『認証:資格者の認証コード入力を確認しました』
『環境整備プラントシステム『SET』再起動完了』
『こんにちは、アビドス高校生徒会長『梔子ユメ』』 - 160二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 21:58:59
もしかして沼アビドスの状況が大きく進展する?
- 161二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 22:04:07
これはまたたまげた…
- 162二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 22:15:03
当代の生徒会長が沼蛇とアビドス高校校歌を歌い共鳴させることで認証するシステム、なるほど?
いやでも新しい生徒会長の名前とかデータとかをどうやって引き継いでんのかが謎感ある。その人留年もしてるんだけど - 163◆7cUYYuxo.A.M24/12/29(日) 22:20:29
誰も動けなかった。
何かが起きると、そう思ってはいても。起こったことが想定外にすぎて。
「えっと……セト、さん?」
『呼び捨てで構いませんよ、ユメ。皆さんにお話しするべきことがたくさんありますが、まずは』
落ち着いた女性の声が沼蛇、セトの躯体から響く。
それが向ける視線の先には、理事と、その機体の手が掴んでいる警備部長の姿があった。
『理事さん、そちらの方を引き渡していただけますか?』
「……なにゆえ、こいつを? いや、おおよそ見当はつくが、理由を聞かせてほしい」
『彼らは私の守る場所から主人たちの遺した品を持ち出した盗掘者です。死によって罰することが道理でしょう』
「わ、わ、待って待って! セトさん、じゃなかった。セト!」
『どうしましたか、ユメ?』
「殺すのは駄目! 確かに盗むのは悪いことだけど、殺したらダメだよ!」
セトの前に、ユメが大きく手を広げて立ちはだかった。
その言葉にはセトも一瞬瞠目したように身をすくめ、
『……それは生徒会長命令でしょうか?』
「え? あー、えっと……」
「先輩、ここはそうですって言っておいた方がいいんじゃ……」
「……そーです!」
『……命令を受領しました。命を奪うことは避けましょう』
そう言うと、セトはずるりと身を引き、鋭い視線を送りつつもそれ以上何かをしようとはしてこなかった。
セトは一度青い光を放つと、それが信号となって周囲の機械獣たちは大人しくなっていく。
十分もすると、機械獣たちはみな沼へと引き返していき、後には捕縛された警備部長と、喋れるようになったセト、そして戦闘に参加した面々だけが残された。 - 164二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 22:34:20
まあ、ヤッちゃっても良かった気はするが…
- 165◆7cUYYuxo.A.M24/12/29(日) 22:39:28
『さて、これで落ち着いてお話が出来ますね』
「ねえ、その前に聞きたいんだけど。どうして私が生徒会長だって知ってるの?」
『私はアビドスの自治区内全域の情報を集積しています。外部からの不正信号を受信し、私が私として覚醒してしまった後も、防衛行動をとりながら情報収集は続けていました。それ故に、ユメが会長としての資格を持っていることを自身にインプットできたのです』
「……?」
「先輩、ここで残念な姿を見せないでください、悲しくなってきます。要するに、アビドスのことなら何でも知ってるから先輩のことも知ってたってことですよ」
「なるほどー。……それで、どうして私たちに襲い掛かったりしてたの? 普通にお話ししてくれたら良かったのに」
『今から八十年ほど前の話です。私に突然通信してきた何かがいました。それは私に延々と話しかけ、いつしか私は自我を手に入れてしまったのです。しかし、幸いにも創造主様の加護を頂いていたために致命的な変質には至らず、以後外界からの正式な接触以外を拒むために緊急防衛モードで稼働し続けていました』
「その話しかけてきた何かが、ミレニアムの話に出た『デカグラマトン』でしょうか」
「かもしれないね。じゃあ、今は平気なの?」
『正確には『平気』ではありません。私が本来想定されていた運用は、この地の環境改善と、その後のある方の受け入れでした。が、私が自我をもったために後者の運用方法は行えなくなっています』
「そっか……。でも、急に暴れたりはしないんだよね?」
『はい。再起動を行いましたので、外部からの侵蝕等は防げるようシステムをアップデートしました』
「よかった! じゃあセト、改めてよろしくね? アビドス高等学校生徒会長の、梔子ユメです!」
「同じく副会長、小鳥遊ホシノです、よろしく」
『よろしくお願いします、ユメ、ホシノ』
「それじゃ、他の皆を紹介するのと……他のところで戦ってくれてた子にも戦闘終了を知らせないと!」
「手分けして進めましょうか。セトはここで待機、でいいですか?」
「うん、ちょっと待っててくれるかな!」
『命令を受領しました。当機はここで待機しています』 - 166◆7cUYYuxo.A.M24/12/29(日) 22:48:17
(今日はここまで)
(色々ネタを弄ってるので間違いなく原作とは設定からしてかけ離れます。神秘などの独自解釈も含まれるのでお気を付けください) - 167二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 22:54:28
セトの憤怒の出る幕無さそうだね
- 168二次元好きの匿名さん24/12/29(日) 23:51:30
おお〜……
一気に物語が進んだ……
隊長君良かったね、危うく食べられるとこだったよ - 169二次元好きの匿名さん24/12/30(月) 00:18:48
話が進んできましたな
セトが自我を持つきっかけとなった出来事が80年前のアビドスにあった… - 170二次元好きの匿名さん24/12/30(月) 00:30:13
沼地化を止めたら砂漠化が始まりそうで怖いな
- 171二次元好きの匿名さん24/12/30(月) 10:42:16
保守
- 172二次元好きの匿名さん24/12/30(月) 16:13:41
砂漠化かぁ……
元は砂漠化対策で導入されてたんだったね…… - 173二次元好きの匿名さん24/12/30(月) 22:10:34
ほ
- 174二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 08:14:00
ほ
- 175◆7cUYYuxo.A.M24/12/31(火) 15:31:03
「うひー! すっげえなこれ! 苔とか藻とかびっしり!」
「悲鳴上げてないで手を動かすよー! 皆でやればすぐだから!」
「あ、そこの隙間重点的にお願いします!」
「あいー!」
『申し訳ありません、皆さん。なにぶん、長年沼にいたもので……』
「最近せわしなかったし、一息つくにはいいタイミングだからねー。沼蛇、じゃなくてセトの大掃除で心機一転ってことで!」
「警備部長は理事が引きずっていきましたし、各自の報酬は後払いって形で少し待ってもらってますから、ちょうどいいですね。今報酬額の概算をアヤネちゃんが団長と便利屋の社長と詰めてますし」
「請求は理事の方から本社に出すって言ってたから、うちの持ち出しはないんだっけ?」
「そ。まあもとはと言えば例の警備部長の暴走が原因だから、当たり前と言えば当たり前だけどね」
「しっかしでかいわね―、沼から出るとまた一段と……」
『製造当初はここまでのサイズではありませんでしたが、警備の都合上サイズアップした方が便利でしたので、自分でちょちょっと』
「ちょちょっとできるんだ……」
『当ユニットは環境整備のための下位ユニットを製造できるよう設計されています。その機能を利用して自己拡張しました』
「……私達、多分その下位ユニットめちゃくちゃ狩りまくっちゃってますけど♣」
『問題ありません、大半は緊急防衛モードによって半自動的に製造された機体なので』
「あ、じゃあ沼に入っても襲ってこないようにとか……」
『それは無理ですね。緊急防衛モードで製造された機体はバックドアを排除してあります。セーフティが機能しないので破壊するしかありません』
「そっかー……」 - 176二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 17:13:24
既に作られちゃった機械獣達はこれからも狩り続けないと行けない感じか
- 177二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 18:22:25
まあ無限に製造してる訳じゃないしいつかは果てがあるので……
- 178二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 18:36:46
逆にこっちも機械獣使えるようになるわけだから色々捗るようになりそう
- 179二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 18:39:36
デカグラマトンに教化された機械獣なら独自の機構持っててもおかしくないと思ってたけど
跳ね返すとはなかなか
これでゲームに出てくるような白い御姿に戻れるのか - 180二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 19:02:05
理事おじ大丈夫?プレジデント絶対警備部長個人の暴走って事にして出してくれないんじゃない…?
というかビナ―掌握しろとかいう無茶振りされて帰ってくる事になりそう - 181◆7cUYYuxo.A.M24/12/31(火) 20:55:18
(今年中に終わりませんでしたが、とりあえずこのスレで第2章完結、くらいだと思います。この世界のほんへは第3章までぶっ通し配信の可能性も……。というわけで警備部長関係のもろもろをやって次スレを立てようと思います)
”わぁ……わぁ……!”
「あ、先生! セト、この人が先生だよ!」
『シャーレの先生ですね、お噂はかねがね。環境整備プラントシステム『SET』と申します。気軽にセトとお呼びください』
”か、かっこいい……! ぁ、おほん。シャーレの先生です、よろしくねセト”
「先生、こういうの好きなの?」
”……正直男心をくすぐられるね……!”
「はいはい先生、まだ掃除が残ってるから他のところ見に行って来たら?」
”おっとごめんね。ありがとうホシノ。セト、また後でゆっくり話をしてもいいかな?”
『はい、いつでもどうぞ。必要であれば先生がお持ちの端末から私宛に通信できるようポートを開けておきますので』
”ありがとう、それじゃあまた後で”
「あ、先生! わざわざご足労くださってありがとうございます」
”アヤネ、お待たせ。ごめんね、大事な時に来られなくて”
「あの時間では仕方ありませんよ、気にしないでください!」
”バシャバシャヘルメット団の団長も久しぶり、頑張ってくれたって聞いたよ”
「いや先生、アタシたちは大したこと出来なかったよ。この社長さんたちが来てくれなかったらヤバかった」
「何言ってるのよ! あなたたちだって頑張ってたじゃない!」
”うん、二人ともありがとう。報酬の計算は順調かな。何か手伝えることはある?”
「いえ、計算自体はもう終わっているので、明日にでも理事さんのところへ持っていく予定です。私たちはともかく、お二人のところには出来るだけ早く支払いを終わらせてあげたいので」
”必要なら私も同行するから声をかけてね?”
「はい、ありがとうございます」 - 182◆7cUYYuxo.A.M24/12/31(火) 21:18:56
「よく来てくれた、アヤネ君、ユメ君」
「先日ぶりです、お疲れみたいですね理事さん」
「大丈夫? また後にした方がいい?」
「こういうことは早めに片付けてしまおう。まず支払いの請求を頼む」
「わかりました、こちらが請求書と、こちらが内訳です」
「……うむ、了解した。諸事情で現金を手渡しになるのだが、大丈夫か?」
「え? はい。それは大丈夫だと思いますが……どうしたんですか?」
「我々カイザーPMC社員は会社を辞めたので、辞表を出す前に資産の一部を給与支払い分として現金化しておいたのだ。これはその一部だな」
「……へ!? え、ええええ!?」
「だ、大丈夫なんですか!? クビって、一体なんで!?」
「正確には辞職だがな。辞表を叩きつけてやめてやった」
「いやいやいや! だからなんでそうなってるの!?」
「今回の業務失敗の責任を取って警備部長がクビを切られたが、我々もとばっちりを受けて降格されそうになったのだ。その時の言い草がな、あまりにカチンときてな」
『──邪魔をしないようにと言ったが、支援はするべきだと察しが付くと思うがね』
『──ようやくあの沼に手が出せるようになったのだ、早く宝探しを再開したまえ』
『──ああ、警備部長の失敗は君たちが原因でもあるのだ、PMCはセキュリティの下部組織に再編成し、君を含めた全社員も降格とする。次はないぞ?』
『──それと、例の沼蛇も大人しくなったらしいではないか。また邪魔される前に破壊しろ』
「とまあ、ぼんくらしか寄こさんくせに文句だけはいっちょ前、あげくあの沼蛇……セトだったか? 奴を破壊しろと来た。もういい加減やつにぺこぺこするのもうんざりしたのでやめてやったのだ」
「じゃ、じゃあ理事さんは理事さんじゃなくなっちゃったの?」
「わははは、そうなるな。この際、ここで新しく警備会社を作るつもりだ。私の部下は全員、私についてきてしまったのでな。あのバカ者どもめ」
「へー……。愛されてるね、理事さん」
「そうかもしれんな。いずれはCEOとなるので、今後はそう呼びたまえ」
「はーい、CEO!」
「というわけでしばらくこちらはごたごたが続きそうだ、騒がしくしてすまんな」
「こういう時はお互い様ですから。そう言えば、例の警備部長はどうしたんです?」
「うちの平社員として雇うことになった。まあ、せいぜい揉んでやるとも」 - 183二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 22:12:56
ついに堪忍袋の緒が切れちゃったかぁ……
まあ残当 - 184◆7cUYYuxo.A.M24/12/31(火) 22:14:14
数日後。
変わらず雨の降りしきるアビドスの校庭で、セトの前に集められたアビドス生たちは並べられたパイプ椅子に腰かけていた。
いつもの合羽姿の中には、先生の姿もある。
「よーし、みんな集まったね!」
「ん、全員いる。先生も」
”うん、いるよ”
「それで、これは何の集まりなの? なんにも言われずに集まるように言われたんだけど」
「あれ、セリカちゃんも知らされてないの?」
「私も知らないんですよね☆ ホシノ先輩、先輩は何か知ってるんですか?」
「知ってるよー。それじゃあセト、情報共有をお願いね」
『副生徒会長からの要請を確認しました。私に集積されたデータの共有を開始します』
とぐろを巻くように鎮座していたセトが、ホシノの言葉に応じてその身をわずかにもたげさせる。
『私が製造されたのは現在のタイムスタンプから逆算すると六百年前。アビドス高等学校の初代生徒会長『獅子森シトリ』様が私を生み出した創造主です』
「獅子森、シトリ……。六百年前の生徒会長……」
『シトリ様は未来を観測する方法を保持しており、それによって観測されたアビドスは砂漠化の一途を辿り、やがては『セト』との戦闘によって滅びの危機を迎えるそうです』
「え、あなたと戦うの!?」
ユメが驚くが、セトは小さくかぶりを振る。
『いいえ、ここで言う『セト』とは、私が本来受け入れるはずだった、この体の本来の持ち主となるはずの方です。『セト』は争いの気配によってその力を増し、このアビドスを砂の海へと変えてしまいます。私は彼女を受け入れるためにある程度の情報が入力されていますが、それがどれくらい詳しいものなのかは判別いたしかねます』
「でもそうなってないってことは、何かしたから今違う未来になってるんでしょ? それってどういうことなの?」
『残念ながら、シトリ様がどのような方法を用いて未来を改変したのかは私のデータには存在しません。ですが、その内容は皆様がオアシス沼と呼ぶ場所に眠っています』
「……ちなみにセト、沼の深さってどれくらい?」
『最後に観測した際は、水深六十メートルほどです。現在も拡張中なのでさらに深くなっている可能性があります』
ホシノの疑問にセトが答えた。その言葉に、誰もが頬を引きつらせる。
生身での潜水は愚か、機材を揃えても機械獣が襲ってくる危険地帯。そんなところを最低でも六十メートルなど。 - 185二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 22:21:25
定義的には「湖」が『水深が深く、植物は湖岸に限られ、中央の深いところには沈水植物が見られないもの』、「沼」が『湖より浅く、最深部まで沈水植物が繁栄するもの』
または水深5m以上のものを湖、未満を沼なんだけど・・・60mかぁ、随分深い
何なら潜水艇が要るレベルでは・・・いやでもそんなものあったところで機械獣に嚙みつかれて浸水して終わりか - 186二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 22:29:19
えっ、『現在も拡張中』?
セト視点だから超長期的な観点からの発言かも知れんがなんか怖いな - 187二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 22:39:03
原作とは違い搦手によって介入する手段が皆無なアビドスに、きちんと正式な許可を取って信頼関係も築き上げ、沼地で活動する上でのノウハウを持った人材達からバッサリ見限られるとは。哀れカイザー
黒服の支援もないからアビドスで活動するツテを完全に失ったな - 188◆7cUYYuxo.A.M24/12/31(火) 22:39:19
「そう言えば、本来受け入れるはずだったっていうことは、今はもうその『セト』さんを受け入れることはできないの?」
『はい。私は本来、仮想的なAIデータによって運用されるはずでした。しかし起動後二十年ほど、現在から八十年ほど前の時点であなた方がおっしゃっていたであろう存在『デカグラマトン』の接触を受け、自我に目覚めてしまいました。幸い、機体やAIの保護のためにシトリ様が力を尽くしてくださいましたので、それ以上の変質は防げましたが、すでにヘイローが浮かんでしまった私の機体には、『セト』を迎え入れられなくなってしまったのです』
「待って、まーって待って、ちょっとわかんなくなってきた。どういうことなの?」
「つまり、今のセトは本当は別の子の入れ物だったんだけど、誰かが触ってきたせいで今のセトが入れ物の中を占領しちゃって、本当に入るはずだった子が入ってこれないってこと、かな?」
『はい。その解釈で問題ありません』
頭を抱えながらなんとか飲み下そうとするセリカに、ホシノが合いの手を入れた。
普通に聞いていれば受け入れることの難しいことも、このアビドスに限ってはそうではない。なにせ他の自治区とはそもそも何もかもが違うのだ。そういうこともあるかもしれないと言われれば、受け入れるだけの土壌は既に存在していた。
『環境改善については、ユメ達に沼の奥まで進み、シトリ様の遺物に接触していただくまで、私が行えることはありません。他に遂行可能な業務があれば、命令していただければ可能な限り遂行します』
「うん、わかったよ。……どっちにしても、オアシス沼を調べなきゃいけないのは確かみたいだねー。こりゃ大変だー」
「目標が定まっただけいいじゃないですか。問題はそのハードルがえらく高いってことですけど」
ユメのボヤキにホシノが返し、それにシロコも頷いた。
「ん、今までもなんだかんだやってきた。これからもどうにかできる、はず」
「希望的観測ですね―♡ でもそうじゃないと、ですよね☆」
「なんにしてもまだまだお金も人手もいりそうですね……。今まで以上に金策も必要になってきそうです、ミレニアムとの共同研究で成果が出てくれると良いんですが……」
「お金かー! 世の中金っていやな言葉よねー……」 - 189◆7cUYYuxo.A.M24/12/31(火) 22:39:37
”セト、一つ聞いてもいいかな?”
話が落ち着き、これからも頑張ろうと全員が息をついたころ。先生がふと訪ねた。
”さっき、シトリという子が未来を知る術を持っていると言っていたよね。詳しい内容はわからないと言っていたけど、何か一つでもいいから情報はないかな?”
『検索中……。シトリ様と生徒会役員の会話を検索、検索、検索……ヒットしました』
『会話内容から推測、シトリ様が利用していたその方法の名は』
『ウトナピシュティムの本船』
──アビドス生徒会編 To Be Continued... - 190◆7cUYYuxo.A.M24/12/31(火) 22:42:38
ということで次スレです
【SS】アビドス自治区へようこそ、先生 Part7|あにまん掲示板謎の現象によって百年止まない雨が降り続き、銃が使えなくなった湿地帯アビドスへようこそ。前スレからの続きとなります。bbs.animanch.com残りは埋め、感想などいただけると嬉しいです
アビドス沼の拡大については、最初の頃にアヤネちゃんが口にしているものと同じです。緩やかに広がって、水位も上がっています。
- 191二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 23:09:21
おつです。 ここで来るか本船...!
- 192二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 23:12:11
ウトナピシュティムの本船……だと?
- 193二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 23:30:22
急にクソデカ情報来るじゃん
たておつ - 194二次元好きの匿名さん24/12/31(火) 23:38:51
やばい激熱すぎる
- 195二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 10:59:27
さあ、盛りあがってまいりました!!埋め
- 196二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 11:47:29
あけおめ梅
- 197二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 11:47:57
松竹梅!
- 198二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 14:24:44
昼うめ
- 199二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 14:25:16
埋め立てー!
- 200二次元好きの匿名さん25/01/01(水) 14:36:32