荼毘くんの成長振り返り日記

  • 1二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:09:16

    冷たい風の吹く冬、優しい光の中できみは生まれます。
    柔らかな輪郭の白い頬が、薄ら赤く血を通わせていました。
    燃えるように揺れる赤い髪の毛も、夜明けのように透ける青い瞳も、神さまからの素敵なプレゼントでした。
    緩く開いた瞳を滲ませ、精一杯に生を叫んでいましたね。
    祝福のような、あるいはこれからの生を予期する呪縛のような、そんなきみの声を聞き、私の瞳からは思わず涙がこぼれるのでした。
    お母さまもまた、その冷たい相貌を溶かして、いっそ春の日差しのような暖かさできみを見て笑い、そして泣いていました。
    お父さまは席を外されているようでした。
    離れたところにいたけれど、きみの知らせが来た時に、緊張させていた肩を緩ませ、きみに似通った自身の赤髪を撫でていました。
    それからゆっくりと息を吐き、静かに頬を緩めていたのを覚えています。
    きみの誕生は、たしかに望まれ、愛され、幸福を願われていたのです。

  • 2二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:11:18

    出たわね

  • 3二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:14:34

    元気そうだな文豪妖怪

  • 4二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:14:51

    離れたところにいたけれど、きみの知らせが来た時に、緊張させていた肩を緩ませ、きみに似通った自身の赤髪を撫でていました。
    〉どうやって知らせが来たんですか?

  • 5二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:15:30

    やっぱり荼毘って妖怪の発生源なのでは?

  • 6二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:23:23

    さて、それからのきみは随分と愛らしくありました。
    触れると優しく押し返してくる柔肌。
    そっと手を伸ばすと力強く握る両の手。
    静かに私を見つめ、やがてゆっくりと弧を描く唇。
    ふんわりとして、ほのかに甘い香りを漂わせる頭髪。
    私は肺の深くまで息を吸い、それらすべてに惜しみなく愛を注ぎました。
    私の愛が人のかたちを作るなら、きっときみを象るだろうと思うほど、ただひたすらに愛を囁いたのです。
    お父さまは仕事に励み、お母さまはきみと共に過ごす。
    そんな円やかな生活を送っていましたね。
    私は、きみとお母さまが額を合わせ、よく似たやわらしい瞳を細めるのを見るのが、とても好きでした。
    好奇心旺盛なきみは、なにかと手を伸ばして掴み、口に入れようとするものですから、私もお母さまも大変だったのですよ。
    何度ふたりで慌てたことか思い出せないほどです。
    思い返せば笑ってしまいますが、私もお母さまも、そしてきっときみも、日々を一生懸命に過ごしていたのでした。

  • 7二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:25:54

    荼毘というからには荼毘になるまで日記続く…?

  • 8二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:27:19

    また荼毘に脳を焼かれた妖怪が出てきたな

  • 9二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:27:52

    家庭に入り込んでどんな立場なのか不明なだけでまだ妖怪じゃないだろ!

  • 10二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:31:07

    荼毘の妖怪になりたい
    理性に打ち勝った妖怪たちを尊敬する

  • 11二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:53:44

    少しして、雪のように白い、可愛らしい女の子が生まれます。
    冬美と名付けられた君とよく似たその子を、私はそっと抱きしめました。
    かすかに冷たい体温が、きみと彼女の大きな違いでした。
    頬をつけても、やわく撫でても、やはり私はきみが一番好きなのだと、そうじんわり心に思うのでした。
    ふと気づけばきみは四つん這いで歩くようになっていました。
    その頃からきみはお父さまのことが大好きで、なにをするにも着いて回っていましたね。
    私はそんなきみが大好きで、きみに着いていくものですから、三人で並んで歩くことも多々ありました。
    道を塞がないでと、お母さまに少し注意を受けたこともありましたね。
    きっとよく分からなかったろうに、怒られたことはわかったのでしょう、拗ねたきみの尖らせた唇はとても愛らしかったものです。
    ツンとしたその口先をちょんとつつくと、今度は頬をふくらませて、きみは自身の不満をあらわにしました。
    私はそれすら愛おしくて、怒るきみをぎゅっと抱きしめるのです。
    私よりも高いその体温を肌に感じて、柔らかなその髪に頬を埋めるのでした。

  • 12二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:56:17

    お前、荼毘くんの親愛なる私より書いたやつだろ

  • 13二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 18:59:32

    正直エンデヴァーと冷がどんな感じでこいつと付き合ってるのかが凄く気になる

  • 14二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 19:01:31

    誰なの?怖いよおッ!!

  • 15二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 19:04:25

    なんで生まれたときの冷さんと燈矢の様子を見てるのに離れたところで出産の連絡もらったエンデヴァーの仕草まで知ってるの?
    偏在してるの?

  • 16二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 19:07:02

    私もお母さまも、うっすらと思っていたのですが、やはりきみの第一声はお父さまを呼ぶ声でした。
    想像をそのまま沿っていくものですから、やはり私もお母さまも笑ってしまいます。
    つられてお母さまの抱いていた冬美ちゃんまで表情を緩めました。
    そんな私たちを不思議そうに見つめ、嬉しそうな気配を感じたのか、きみもゆるりと目尻を下げるのでした。
    きみは変わらず元気いっぱいであったので、お母さまによく似ている冬美ちゃんをとても気にしていましたね。
    隙あらば、と言わんばかりに彼女のそばに行ってはちょっかいをかけようとするのですから、これまた私もお母さまも大慌てできみたちのもとに飛んでいくのでした。
    いくら冬美ちゃんのお兄ちゃんといえども、きみはまだまだ幼い子どもです。
    お母さまがとられたように感じて不安だったのかもしれないし、冬美ちゃんがなんなのかがわからなくて気になっていたのかもしれません。
    それでも、私たちは仲良くできそうな二人の様子に、これからの幸福を信じて一層口の端に愛を滲ませるのでした。

  • 17二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 19:28:13

    お父さまに着いてまわるきみは、まるで小鴨のように一途でした。
    未だ幼いきみは、お父さまと行っている訓練をとても好んでいるように見えます。
    一生懸命に手足をばたつかせ、お父さまの動きを真似る姿は、けれども迫力や恐ろしさのない、遊戯のような可愛さが滲んでいました。
    きみはあらんかぎりの力いっぱいに全身を使うものですから、勢い余っていつかひっくり返るんじゃないかと、私はハラハラが止まりませんでした。
    きみは、お父さまから一言もらう度に、瞳に銀河を抱かせ、ひどく高揚して頬を赤らめていましたね。
    幼い肌がほんのりと赤く染まるさまは、夕空に漂う雲のようでした。
    周りの空気が華やぎ、めいいっぱいに目を開いて思い切り口角を引き上げる姿は、自分が愛されていることを信じきっていて、ひどく無垢で美しくありました。
    何故かきみが眩しく感じて、私は目を細めます。
    感嘆で滲んだ視界から、穏やかな雫が落ちてしまったことに驚きました。
    けれどもこの気持ちも、零れた涙も、きみへの愛で溢れていたので、私は安心してまぶたの縁を優しくなぞりました。

  • 18二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 19:37:14

    燈矢の顎の骨盗んだ怪異…!

  • 19二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 19:37:35

    個性が目覚めたきみは、お父さまとおそろいのそれに、飛び跳ねて全身で喜びを表現しました。
    お父さまは期待と違った個性だったので、やや残念そうでしたが、それでも自分の個性が受け継がれているのが喜ばしいのか、ゆるりと口角を持ち上げています。
    はしゃいだきみは、誕生日のケーキをかこんだときも、自分が火をつけるのだと張り切って指先をろうそくにくっつけていましたね。
    私にはあまり個性の善し悪しはわかりませんでしたが、きみがとても嬉しそうなのを見て、ひどくいい気分になりました。
    好きなひとが喜んでいると、自分も嬉しくなるものです。
    見上げた夜空が、美しく煌めいていた時に似た、高鳴る鼓動と染まる両頬を止めることができませんでした。
    いえ、もしかしたら、そもそも止める気もなかったのかもしれません。
    きっとお父さんのようなヒーローになるのだと、瞳を輝かせて宣言するきみを、私はずっと応援しようと、そう心に決めたのでした。

  • 20二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 19:42:10

    >>18

    あげませんよ

    荼毘くんの下顎部は私と共に幸福に過ごすのです

    幸せに暮らす者たちを引き裂くのはヴィランにも劣る外道極まりない汚泥のような存在ですからね

  • 21二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 19:44:15

    怖いよぉ…

  • 22二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 20:07:00

    これが噂の文豪か…

  • 23二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 22:54:13

    あるとき、お父さまがきみの変化に気づきました。
    首を傾げ、きみの赤にまじる白に、疑問を呈します。
    しばらく前からほんの少しずつ混ざっていく白に、私は言い知れぬ不安を感じていました。
    頭頂部あたりだったので、きみには自覚はありませんでした。
    ですので勿論、その理由はきみにはわかっていないようでした。
    ふわふわとした髪を自分で触り、直接その目で確かめようとくるくる回るきみは子犬のように加護欲を誘います。
    けれども、この時ばかりはなぜか、私はその愛らしさをうまく見つめることができず、静かに瞳を揺らしました。
    翌日も、翌々日も変わらず日々は続きます。
    きみはお父さまと訓練をし、白色は少しずつ比率を増していきます。
    炎の温度が上がって、お父さまに撫でられ、きみは嬉しそうに破顔します。
    更に温度を上げて、笑って、上げて、上げて。
    そしてある日、燃える音だけが聞こえる静かな部屋に、きみの声が響くのです。
    そこには、焼けた皮膚と、うっすら立ちのぼる焦げた煙がありました。

  • 24二次元好きの匿名さん24/11/29(金) 23:07:04

    連れられた病院で、お医者さまは静かに告げました。
    個性と体質が合っていないと。
    お父さまのご結婚の事情にも少々口を出し……けれど、口を噤みます。
    空気の凍った部屋の中、きみはよくわかっていないようで、不満そうな顔をしていました。
    どうして病院に連れてこられたのかも、なぜお父さまの表情が強ばっているのかもわからずに、きみは首を傾げます。
    火傷なんて気にしないのにと零し、こんなの痛くもないよと笑いました。
    それでもお父さまの顔は晴れません。
    冬美ちゃんはきみの火傷に眉を寄せ、たまに心配を口に出します。
    いつからか、お母さまが怯えの影をまとい始めました。
    きみはどうしてお父さまが訓練を止めるのかわからず、毎日毎日話しかけていましたね。
    お父さまは返事を濁し、目線を横に逸らしました。
    あくる日、母屋に新たな声が聞こえ始めました。
    やはり冬を纏った様相のその子どもは、夏雄と呼ばれます。
    私は、きみが心の芯の冷えていく予感にひぅと喉を強ばらせるさまを、うしろから静かに見つめていました。

  • 25二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 02:20:28

    この文豪は轟家のなんなの?
    勝手に住み着いてる妖怪なの?

スレッドは11/30 14:20頃に落ちます

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