- 1二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:29:32
ハルナ「ジュンコさん、こちらを向いていただけますか?」
ジュンコ「? どうしたの、会ちょ んっ!?!?」
突然、ハルナに口づけをされて目を見開いた。
何が起こったのか理解できないでいると次に感じたのは、唇をこじ開けんとするハルナの舌の感触。
そこで塞ぎとめることもできず、あっけなく舌の侵入を許してしまう。
柔らかさ、生温かなぬめりの中に、異質な感触がある。
ジュンコ(痛・・・・・・いや、辛っ!?)
辛い、とにかく辛い!
とんでもない辛さが刺激となって口内を支配し、蹂躙する。
むせ返るような辛さだが、ハルナに後頭部をがっちりと抑えられて逃げることができない。
たまらず、涙目になっているとようやく二人の口が離れる。
ハルナ「どうですか? スコヴィル値1千万級の口づけのお味は?」
ジュンコ「ケホッ、ケホッ!! かっっっらい!!! 何なのよもーーー!!?」
ハルナのしなやかな指が、私の頬にそっと触れ、顎を支えるように持ち上げるとハルナと視線が合わさった。
ハルナ「ジュンコさんが悪いんですよ」 - 2二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:30:32
話が通じない!怖い!
- 3二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:30:42
このレスは削除されています
- 4二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:31:02
そうだねジュンコがわるいね
- 5二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:31:14
1000万?ペッパーXは318万なのでその3倍は辛いということになります
- 6二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:31:21
ゆっくり書いていってもいいかな?
こんな導入になってしまったのでわかりにくいがエ駄氏ではない予定だ - 7二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:31:57
このレスは削除されています
- 8二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:32:05
ハルジュンなんてデータにありませんよ?
- 9二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:32:10
よろしゅうございますわ
- 10二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:33:44
それはそれとしてハルジュンは美味しいですわ
- 11二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:34:48
これは騙されて激辛食わされたハルナが錯乱したやつだよ間違いない
- 12二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:39:21
ジュンコ「いきなりなんなの、本当に・・・・・・」
ハルナからは、謎の激辛キス以外のことはされなかった。というか、耐えきれなくなって逃げだした。
今は水を飲みながら一息ついているところだ。
ジュンコ(会長がおかしくなった・・・・・・? いや、何かのイタズラだったのかも・・・・・・)
アカリ「あら~、ジュンコさん。何をしているんですか~?」
ジュンコ(イタズラなら、アカリが何か知ってるわよね)
私はアカリの顔をじっと見た。
イタズラ大成功! と思っているなら顔に出ているはず。
そう思って、よ~~く観察してみる。
私より高い背丈だから少し首が痛い。
金色の柔らかな髪が風に少し揺れていて、赤くて丸い瞳孔がこちらを見据えていた。
ジュンコ(え……? 丸い・・・・・・赤い、瞳孔・・・・・・?)
そう思った次の瞬間、アカリの両腕が伸びて来た。 - 13二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:51:12
死ぬのかと、そう思った。
あの光景はきっと草食獣が肉食獣に襲われた時の最期の光景に違いない。
一瞬で私の頭は引っ掴まれて、アカリに引き寄せられた。
圧倒的なパワーで、逃げるとかもがくとか、そんな次元じゃない、
両耳を塞ぐみたいにガッチリホールドして私の顔を上に向けさせて、覆いかぶさるみたいに強引に唇を奪う。
ジュンコ「んっ・・・・・・!? んぅううううう~~~~!!!!」
アカリは無言で、私の唇をこじ開けて舌を堪能している。
ジュンコ(苦しい、というか・・・・・・な、なんなの!? 吸引力が強すぎて舌が帰ってこないんだけど!? プールの排水溝か何かなの!?!?)
アカリは何かをじっくりと味わうかのようにたっぷりと数分間はその態勢を維持していた。
私はその間、アカリの体を押し戻そうと無駄な努力をしていたけど、そうするとアカリが手に圧をかけるから、怖くなってそれも途中からしなくなった。
そうした後、アカリはようやく私から口を離してくれた。
私はお互いの口と口の間に透明なアーチが一瞬掛かって、垂れ落ちていくのを呆然と見ていた。
ジュンコ「な・・・・・・なん・・・・・・どういうことなの・・・・・・」
アカリ「あら~~、ジュンコさんが悪いんですよ~♡」 - 14二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:52:51
ジュンコはシャミ子だった…?(錯乱)
- 15二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:53:08
イズミ……イズミだけは大丈夫だよな……?
- 16二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 16:54:00
目ぇ赤いの…?
誰なの…コワイよぉ - 17二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 17:05:53
こっわ捕食モードじゃん
- 18二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 17:07:15
「ジュンコさんが悪いんですよ」
それ、ハルナにも言われたっけ?
私が悪いってどういう意味? わかんない。
イズミ・・・・・・そうだ、イズミならなにか知ってる?
ジュンコ「い、イズミは・・・・・・」
アカリ「イズミさんなら、そこにいますよ~」
そう言われて振り向くと、そこにはイズミが居た。
彼女の様子はいつもと変わらないように見える。
ジュンコ「い、イズミ! 聞いてよ、会長とアカリがなんかおかしくて・・・・・・!」
イズミ「そ、そうなの・・・・・・!? それは大変かも・・・・・・」
ジュンコ(よかった、イズミはこのイタズラと無関係なのね!!)
私はイズミに、ハチミツとコショウとコーヒーパウダーをまぶされた。
もう終わりだ。
そう、思った。
美食研究会のみんなが狂ってしまった。原因は分からないけど。
イズミにハチミツコショウコーヒーパウダーを舐め取られながら、私はどうすればいいのか分からないで居た。
ジュンコ「イズミ・・・・・・アカリ・・・・・・ほんとにどうしちゃったのよ・・・・・・!!」
アカリの舌が今度はジュンコの角をひと舐(ねぶ)りして、二人の声が揃う。
「ジュンコさんが悪いんですよ~」「ジュンコが悪いんだよ~」
私の背中を今更みたいに、鳥肌が駆け上る。
イズミとアカリの間を抜けるようにして私は走り出して、その場から逃げ出した。 - 19二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 17:27:01
ゲヘナの本校舎の中を走りながら私はどこに助けを求めるか考えていた。
私と関りがあって、何かあったら助けてくれそうな人柄で、大体どこにいるか分かる人物はそう多くはない。
ジュンコ「フウカ!! た、助けて!!」
フウカ「ジュンコ? どうしたの?」
フウカは厨房の中で調理道具を片付けながらこちらを見た。
どうやら調理が終わったところらしい。
ジュンコ「美食研のみんながなんか変なの! 私にヘンなことしてくるっていうか・・・・・・! とにかく、しばらくの間匿ってくれない?」
フウカ「ああ、そういうこと。別にいいわよそのくらい」
フウカがエプロンを外しながら言う。
ジュンコ「本当!? 良かった~~すっごく助かる! ありがとね、フウカ!」
フウカ「ううん、お礼なんていいわよ。それに丁度良かったし」
ジュンコ「ん? 丁度良かった・・・・・・って?」
フウカ「ジュンコ用にご飯作ってたから、呼ぼうと思ってたのよ。ほら、スッポン鍋とウナギの蒲焼き、それにイオリの黒焼きだよ」
ジュンコ「何と何と何!? さ、さてはアンタもおかしくなってる!?!?」
フウカの雰囲気がスッと暗くなる。
フウカ「はぁ・・・・・・おかしいだなんて、ジュンコは『悪い子』だね・・・・・・。
『悪い子』には、お仕置きしないとね・・・・・・」 - 20二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 17:34:41
- 21二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 17:37:01
- 22二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 17:39:34
- 23二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 17:47:32
- 24二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 17:50:32
『お仕置き』の内容が何なのか、それは分からない。
けれどフウカはどこからか大量の錠剤が入った小瓶を取り出して、それを無造作に自分の掌に取り出す。
絶対に、ビタミン剤やカフェイン錠の類でないことだけは理解できた。
ジュンコ(こ、これ飲んじゃダメなやつだ!!!!)
フウカが数歩、にじり寄って、そのたびに数歩後ずさる。
もう一歩後ろに下がろうと踵を引くと、落ちていた小瓶にぶつかる。
一瞬、ほんの一瞬足元の空き瓶に視線を向けたタイミングを逃さず、フウカが距離を詰めてきた。
右手で私の腕を掴んで左手に盛った薬を強引に口に放り込もうとしてくる。
でも、フウカの細腕なら、抵抗できる。
ジュンコ(とはいえ・・・・・・押し返せない・・・・・・っ)
フウカと狭い厨房で格闘していると、ジュンコの背後にあった壁が、メリメリと軋みながら膨張していく。
ドカン!! と轟音を立てながら壁が崩れ、細長くウネウネしたモノが食堂に侵入してくる。
紫色の舌先のような形をしたそれは見覚えがある。
ジュリ「うわーーん! パンちゃんが逃げ出してしまいました!! ジュンコさんのせいです~~!!」
フウカ「そうね、ジュンコが悪いよね」
ジュンコ「泣きたいのはこっちなんだけど!? なんでもかんでも私のせいにするなああああああ!!!!」 - 25二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 17:51:13
ジュリもアカンか…
- 26二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 18:06:15
ガラガラと崩壊していく瓦礫の中で、紫の触手の先端がクパァ・・・・・・と開花し、粘つく謎の粘液がダバダバと床を濡らしていく。
目なんてあるわけないのに、その『パンケーキ』と目が合った気がした。
私はとうとう、愛銃のダイナーズアウトローを手に取った。
友達だから、本当はそんなことしたくない。
なんだかヘンになっているとしても申し訳ないし、ケガをさせたいわけでもない。
でも・・・・・・。
ジュンコ「でも、そのパンちゃんの形状はアウトなやつ!!! 捕まったら終わるやつっっっ!!!!!」
フウカを振りほどいた一瞬間の隙があれば十分だった。
ジュンコ「うわぁあああああああああああああああ!!!!!」
違法に改造された二丁の赤い銃のトリガーを引き絞り、半狂乱になりながら銃弾をばら撒いた。
もうこれにしか頼れない・・・・・・。
恐怖のあまり引き金から指が離せなかった。
銃声が鳴りやんだのは、二人が気を失い、パンちゃんが跡形もなくぐちゃぐちゃになった後だった。
ジュンコ「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」
とりあえず、ゲヘナから出よう・・・・・・。
トリニティかミレニアムなら身を隠せるはず。
ミレニアムならみんなが『こうなった』原因を探れるかもしれない。
私は食堂に空いた大穴から外に出て、ひとまず知り合いの居るトリニティ総合学園を目指すことにした。 - 27二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 18:08:54
物語進んでるようで何一つ情報が集まらねぇw
- 28二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 18:13:26
食券をなくしたばかりに…
- 29二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 18:25:24
ゲヘナの町中を郊外に向けて歩いていく。
ひとりでトボトボと歩いていると後ろから声をかけられた。
ヒナ「赤司ジュンコ・・・・・・ひとりなんて珍しい。ほかのメンバーはどうしたの?」
ジュンコ「ひ、ヒナ・・・・・・」
普段なら気にすることもないような出会いだ。
今日はまだ何もしていないのだし。
先ほどまでの光景がフラッシュバックする。
アカリにやられた時のようなことをヒナにされて、さっきのパンちゃんの時のようなことをヒナにやったとして・・・・・・。
ジュンコ(逃げられるわけがない!!!)
私は逃走を選んだ。さっきまでの私は、みんなのことを信じて馬鹿正直に真正面から相手していたせいで裏目に出てしまっていた。
最初から距離を取ればヘンなことにはならないはず・・・・・・!!
ヒナ「・・・・・・そう、逃げるのね・・・・・・治安維持組織の前で逃亡することの意味、アナタは分かってるのかしら・・・・・・」
あっさりと拘束された。
学園最強からそう易々と逃げられるわけが無かった。
ましてや今はメンバーの援護もない。
ジュンコ「・・・・・・っ、グス、もう好きにしてよ・・・・・・っ! 風紀委員長もみんなみたいなことしてくるんでしょ!?」
ヒナ「・・・・・・? なにか気が動転してるみたいね、家に来て休んで行っても良いけれど・・・・・・?」
ジュンコ「風紀委員長・・・・・・?」 - 30二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 18:49:29
ヒナ「それで、何があったの?」
気持ちが落ち着くまで十分待ってから彼女が訊ねてくる。
私はこれまでの経緯を話した。
今日は朝から美食研究会のみんなの様子がおかしい事、フウカやジュリまで変だったこと。
そして、ヒナまでおかしくなっているのではないかと思い、咄嗟に逃げ出したということ。
ヒナ「なるほど・・・・・・原因は不明なのね・・・・・・」
ジュンコ「うん・・・・・・どうしてか分からないけど、みんな私が悪いって言ってくるのよ、それも口を揃えてね!」
ヒナ「・・・・・・こちらでも調べてみるわ、アナタはアナタで気をつけなさい。あまり外を出歩かないように」
ジュンコ「うん・・・・・・ありがと・・・・・・」
私は小さな声で呟くように礼を言った。
まさかこんな風に、風紀委員長に世話になるなんて思っても見なかった。
ヒナ「着いたわよ」
初めて風紀委員長の家に来た。思ったよりも普通だ。
小奇麗(ゲヘナ比)なマンションの3階の一室。
昼間だというのにカーテンが閉め切られていて中は暗い。
部屋に入ると背後から カチャン と鍵の掛かる音がした。
※ヒナの住居が3階にあるとかは分からんかったので都合の良いように書いてます
※一旦飯やらなんやらを済ませて来ようと思うので続きは一時間後くらいになるとおもいます - 31二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 19:52:07
ミスっても毎回注釈で言う必要はないですよ
- 32二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 19:56:22
百合の気分で読めばいいのかホラーの気分で読めばいいのか未だに決めかねてる
- 33二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 20:03:34
ヒナにそれやられるともう 終わりだ─── なのよ
- 34二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 20:18:51
やはり…食券の貸しなのか?
- 35二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 20:50:54
真っ暗な部屋の中で、冷たい汗が背中を伝う。
ジュンコ「ねぇ、風紀委員長、今・・・・・・鍵かけた?」
ヒナ「えぇ・・・・・・邪魔が入ると困るもの、気付けたのは偉いわね」
ジュンコ「風紀委員長、私のこと・・・・・・騙した?」
ヒナ「そうね、でもあなたに外を出歩いて欲しくない気持ちは本当よ」
ジュンコ「これも・・・・・・私が悪いの?」
ヒナは小さく頷く。
ヒナ「こんな所まで着いてきてしまったアナタが悪いのよ、赤司ジュンコ
ジュンコ「・・・・・・そんなの・・・・・・納得出来るわけ、無いでしょおおおお!!!!!!!」
振り向いたジュンコの手にはライトの光を限界まで強めたスマホが握られている。
ヒナ「・・・・・・っ!?」
同時に炸裂するダイナーズアウトローから放たれる弾丸。しかしそれはヒナに向けてではない。
弾丸はけたたましい音で側方にあった窓ガラスを粉々に粉砕した。
ジュンコの足はそのまま窓枠を踏み越え、3階の窓から外へ・・・・・・。
ジュンコ「ひぃいいいいぃいいい!?!?」
覚悟していたとはいえ怖すぎる。
そのまま植木の中に落下し、落としてしまったスマホを鷲掴みにしてまた走る。
まだ走れるのが不思議だったが、怖くて後ろを振り向く事すら出来なかった・・・・・・。 - 36二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 21:28:24
ジュンコ「ゼェ・・・・・・ゼェ・・・・・・逃げ・・・・・・きれたの・・・・・・?」
奇跡だ・・・・・・。
相当走った後、へろへろになりながら後方を確認するが、ヒナの姿はない。
あの風紀委員長に監禁されそうになるなど、これはいよいよただ事ではない。
息を整えて落ち着く為に自動販売機でスポーツドリンクと、ついでに弾薬も買い足しておく。
しばらくベンチで休みながら、スマホを手に取る。
先ほどの飛び降りた時の衝撃で画面が割れていた。
ジュンコ「サイアク・・・・・・」
その画面のヒビの向こう側に通知が見える。
着信113件。未読メール521件。
ジュンコ「ヒェッ・・・・・・」
安心して息抜きしようとした拍子に見てしまったせいで余計に驚いて危うくスマホを落とすところだった。
ジュンコ「一応・・・・・・確認だけ・・・・・・」
最新のメール、タイトルなし。送り主不明。
アドレスは明らかに使い捨てっぽいということは分かる。
指を切りそうな画面にそっと触れると、簡単にそのメールが開かれる。
スマホに映し出される画面いっぱいの『君が悪いよ。』の文字。
私は失神した。 - 37二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 21:36:01
起きろ!!そんなところで寝たら即行でお食事()だぞ!!
- 38二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 22:05:25
気が付いた時、時間はそこまで経っていなかった。
せいぜい20分ほどだろう、誰にも見つけられなくて本当に良かった。
一瞬でも寝たおかげか、少しは疲労感も抜けている。
ジュンコ「他の学園も、こうなってるのかな・・・・・・」
それを確かめるためにも、ジュンコはトリニティへと足を進める。
トリニティ総合学園でまず最初に探そうと思っていた生徒がいる。
放課後スイーツ部のヨシミだ。
個人的に交流のあるトリニティ生はあの子と、ペロロが好きなあの子くらいしか候補がない。
トリニティ・スクエアにつく頃にはすっかり昼も回って空腹がピークに達していた。
こんな意味不明な状況でもちゃんとお腹は空いてくれる。
校内の売店はすでにほとんど誰もいない。
こういうタイミングなら、案外ゲヘナ生でもお行儀よくしてさえいれば残り物を売ってくれたりするものだ。
ジュンコ「ハムエッグサンドとカスクートでハムがダブっちゃった・・・・・・まぁ、しかたないわよね、他に選択肢が無かったんだし」
トリニティ・スクエアに鎮座する噴水の前でモソモソとパンを頬張る。
遠くを行く人を眺めながらヨシミの姿を探してみるけど、そう簡単には見つからないか。
近くから「あら、あなたは・・・・・・」という清楚系の声が聞こえてきた。 - 39二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 22:12:39
ジュンコミサイル再びトリニティへ
- 40二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 22:32:41
ハナコ「美食研究会の赤司さん・・・・・・ですよね?」
ジュンコ「えっと・・・・・・あなたは確かペロロキチ、じゃなくて、ペロロ好きな子と一緒にいた・・・・・・」
ハナコ「ハナコ、です。浦和ハナコ・・・・・・」
ジュンコ「・・・・・・大丈夫? なんだか今日私と関わる人皆おかしいのよね、あなたはそうじゃないと良いんだけど・・・・・・」
ハナコは何かに気が付いた顔をする。
むしろ最初から、何かに気が付いたから声をかけて来たような気も・・・・・・?
ハナコ「具体的にはどのような・・・・・・?」
ジュンコ「変なイタズラしてきたりするのよ、具体的には、ちょっと言いたくないかな・・・・・・」
ハナコ「なるほど・・・・・・で、あれば私はお力添えになれそうもありませんね・・・・・・」
ジュンコ「つ、つまり・・・・・・?」
ハナコは体の前できつく腕を抱きこむようにして、何かを我慢しているように見える。
ハナコ「くっ、到底我慢できませんね・・・・・・後数秒でこの感情は爆発して私は我を失うでしょう。そうなれば私はきっとアナタと二人でこの噴水の前で■■■■をすることになります!」
ジュンコ「そ、そんな宣言聞きたくないんだけど!?」
ハナコ「・・・・・・ですので!」
一発、銃声が響く。
ハナコが放った弾丸はハナコ自身の足に直撃していた。
ハナコ「数秒は稼げる、ハズです。逃げてください」
ジュンコ「!? あ・・・・・・ありがとう! ごめんね!!」
私は再び走る。ハナコの犠牲を無駄にするわけにはいかないから。 - 41二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 00:59:59
SAN値チェック失敗
- 42二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 01:01:55
寝る前保守
めちゃめちゃ楽しみにしております - 43二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 02:20:49
ハナコすごい、自分の状況を的確に察知した上でノータイムで自分を撃つ選択した……
- 44二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 09:29:45
…これやっぱりホラージャンルだよな!?
なんなの?ジュンコは歩くミーム汚染と化してるの? - 45二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 11:46:18
やっぱりホラーじゃねーか!!
- 46二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 19:32:35
これゲヘナ以外にも感染となるとキヴォトス大パニックでは……?
- 47二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 20:58:11
ヒナすら全く耐性とか無いのがやばい
- 48二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 21:56:15
この状態になる原因が分かればいいんだけど
ド〇えもんの何でもおいしく食べれる調味料的な物でも被った? - 49二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 08:58:06
- 50二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 17:53:18
保守
- 51二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 23:08:08
とりあえず寝る前ほ
- 52二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 07:17:14
朝ほ
- 53二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 16:20:41
ひるほ
- 54二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 20:49:22
とにかく理不尽なタイプのホラーも好き
イオリの黒焼きもなんか悪夢っぽい - 55二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 06:46:15
保守
- 56二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 13:44:47
このタイプでジュンコ主人公は珍しいな
いいぞもっとやれ - 57二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 20:56:11
ほす
- 58二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 21:15:01
ハナコのおかげでようやく情報が増えたし、ヒナすら抵抗不能だった以上に少しとはいえ抗えた
格の高さを感じちまうよ…… - 59二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 21:19:37
保守
- 60二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 23:54:06
やはりホラーはこうでないと。
理不尽で、圧倒的で、正体はわからないが解決する。
これがホラーと怪物の鉄則だよ。 - 61二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 00:18:17
トリニティ自治区の飲食店の立ち並ぶ通りを歩く。
もしヨシミがいるならこの通りでほぼ間違いないはず。
一軒、二軒、と順に探していって、五軒を数えたあたりで、背後からガバっと誰かに抱き着かれて、心臓が口から飛び出すかと思った。
ヨシミ「ジュンコ! トリニティに来るのなんて久しぶりじゃない? 来るなら連絡しなさいよね」
ジュンコ「び、びっくりした・・・・・・驚かさないでよ! ヨシミ」
ヨシミ「え~~だって、『ジュンコが悪いんじゃない』」
「ヒュッ」と喉から音がして心臓が止まったと思うほどの緊張が走る。
生暖かい、ヨシミの手がぺたりと私の喉元に触れる。
耳元で囁いていたヨシミの吐息がさらに近くなって、ねっとりとしたものが耳の中に侵入してくる。
同時に全身総毛立った。
ああ、ジ〇リ映画でよく見るあのリアクションって本当にあるんだって、そう思った。
ジュンコ「ああもうっ!! 私の何が悪いっての!?」
声を荒げてみても、ヨシミは私の耳を舐るのに夢中で聞いちゃいなかった。
ゴメンヨシミ、ちょっと痛いかもだけど我慢してよね。
後でなんか奢るから!
私は、ヨシミの目の前で自販機で弾薬と一緒に買っておいた閃光弾を炸裂させた。
ヨシミ「ッ・・・・・・!?」
弛んだ拘束を跳ねのけて逃げる。
もう、生徒がみんな”こんな状態”なんだ、じゃあもう頼れるのは・・・・・・。走りながら喘ぐように呟く。
「先生・・・・・・っ 助けて・・・・・・」 - 62二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 00:21:10
ここんとこ力尽きててごめ”んよぉ・・・・・・保守ありがとぉおおお
- 63二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 00:22:30
先生に助けられて欲しいという気持ちと先生もダメだったらもう誰も頼れないねぇ…という気持ち、心が二つあるのもジュンコが悪いんだよ
- 64二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 01:00:20
トリニティからD.U郊外、連邦生徒会の前を通り過ぎてようやく、見覚えのあるビルの前にたどり着き、顎を伝う汗を拭いながらそのビルを見上げる。空はもう日が傾き始めていた。
シャーレオフィス。今なら先生は仕事をしているはず。
先生に匿ってもらえれば安全よね!
エレベーターに乗り込み、もう慣れた階のボタンを押す。
扉が閉まり、私を乗せた箱は上階まで登っていく。が、途中でふと、不安がよぎる。
(もし、先生まで皆と同じになってたら、私どうすればいいんだろう・・・・・・)
答えが出る前にエレベーターは目的の階についてしまった。
ポン と音が鳴って、ドアが開く。
私は、足を踏み出せなかった。
もし仮に、先生が”そうなっていた”として・・・・・・先生に銃を向けるなんて、できない。
先生に怪我・・・・・・させちゃうかもしれない。
皆が変になってるのは怖いけど、先生を怪我させるのは、ましてや先生を失うのは、もっと怖い。
だから・・・・・・。
ジュンコ「ゴメン先生、また来るね・・・・・・」
私は、その階に降りることなくまたエレベーターのボタンを押した。
エレベーターの扉の外、お気に入りのグルメ手帳の1ページを破り取った『先生へ 今ちょっと困ったことになってて・・・ 赤司ジュンコ』という中途半端な書き置きを残して。 - 65二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 01:39:17
一階へと下っていくエレベーターの中。
うっすらと赤くなり始めた西の空を見る。
透明な窓に自分の姿が反射して映りこんでいた。なんだかいつもより疲れた顔してる。
『ジュンコさんが悪いんですよ』
今日散々言われた言葉と、そのシーンが脳裏に浮かんでは消えていく。
ジュンコ(私の何が悪いんだろ・・・・・・そりゃ、優等生ってわけじゃないけど、そんなの私じゃなくてもそういう子はいっぱいいるし・・・・・・でも、やっぱり私に原因があるのかな・・・・・・だとしたら、原因は何・・・・・・?)
原因になりそうな事を考えていた。
どこからか、声が聞こえた。
ジュンコ?『私が悪いんだよ』
エレベーターの窓に映った私がこっちを見ている。
あまりの不意撃ちに腰が抜けて、ぺたりと床にへたり込んだのに、窓に映った私はそのままの姿勢で私を見下ろしていた。
ジュンコ「もう・・・・・・ヤメテよ・・・・・・」
恐怖で動けない。
目から涙が垂れ落ちてくる。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・・・・。
私が悪いことしてたなら謝るから、土下座でもなんでもするから、だから・・・・・・。
ジュンコ「ヒック・・・・・・グス 私の何が悪いの”が教え”てよぉ・・・・・・っ!!」
何も返ってこない。
静寂が、私をひたすら責め立てているように思えて辛かった。 - 66二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 01:40:58
つづききてるぅ〜!
- 67二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 01:44:27
今日はちょっとここまでで
進行遅くて申し訳ねえんだけど、ジュンコ最推しだからジュンコが辛い目に会ってるのが可哀そうで具合悪くなってくるんだよ・・・・・・お前が書いてるんじゃねーかって意味不明に思うかもしれねーけど、それもこれもジュンコが悪いんだよ・・・・・・ - 68二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 01:49:34
ジュンコみたいな打てば鳴るような反応のいい子が打たれ過ぎてぐずぐずになってるのは可愛いけどつらいよね
- 69二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 13:05:49
先生にも頼れなかったか…
- 70二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 13:16:30
「何はなくともお前は”悪い子”なのだ」って押し付けられるの、アリウスの洗脳教育っぽくて恐ろしいですね。(ニコリ
- 71二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 13:32:53
保守
- 72二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 21:27:19
保守
- 73二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 22:14:46
保守
- 74二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 02:13:23
私はひとしきり泣いた。
鼻水、制服の袖で拭ったせいでカピカピになるな、これ・・・・・・。
ジュンコ「はぁ・・・・・・グスッ」
エレベーターの中に居るのは嫌だったから、とりあえずシャーレから出て、とぼとぼ泣きながら歩いた。
歩いて、歩いて、歩いて・・・・・・。
あてどなく歩いていたら公園を見つけて、その公園に居座ることにした。
今はブランコを椅子代わりにして、足元の砂粒をじっと見ている。
なんとなく、いつも使っているグルメ手帳を取り出す。
ページを捲っていくと、書き覚えのない文字が走り書きされている。
〇月×日 美食研の皆と△市のラーメン屋を爆破。
〇月■日 寝坊してバイトに遅刻。
〇月××日 美食研の皆と漁船を借りて地引き網漁したら禁漁中だった。
△月◇日 フウカを拉致。
△月〇日 先生の手伝いを忘れて遊んでた。
上の方の数行が目に入った瞬間、私は目を反らすように手帳を閉じた。
ジュンコ「アンタも私が悪いって言うんだ・・・・・・でも、そうだね・・・・・・本当に悪いことばっかりしてるかも・・・・・・」
ピロン と今日何度目なんだか分からない着信音。
今の音は多分モモトークの方。
ジュンコ「先生だ・・・・・・」 - 75二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 02:22:52
ーーモモトークーー
先生:ジュンコ、今どこにいるの? 大丈夫?
ジュンコ:今は、とりあえず大丈夫。
先生:今から行くよ、どこ?
ジュンコ:先生
先生:なに? ジュンコ
ジュンコ:私って悪い子なのかな
先生:どうしたの? 何か悩み事とか?
ジュンコ:正直に答えて、私は悪い子なの?
先生:・・・・・・うん。ジュンコは悪い子だね
ジュンコ:そっか。
スマホの画面に大粒の涙が落ちる。
全部、ダメになってしまったのかな。
今までの楽しかった思い出も、おいしかったご飯のことも、先生のことも、私が台無しにしちゃったのかな。
私が、悪いのかなーーー・・・・・・。
先生:でも私はそういうジュンコが好きだよ - 76二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 02:29:01
深夜帯の変な時間に投稿しててごめんね・・・・・・俺が悪いんだよ・・・・・・
昼にスレ見て保守しようとしたけど規制掛かってて投稿できなくて落ちたな(確信)って思ってたら生きてたんだ・・・
確認を怠った俺が悪いんだ・・・・・・・ - 77二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 09:11:10
- 78二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 09:32:53
先生…!あんただけが希望だよ!
- 79二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 09:40:23
- 80二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 09:58:10
- 81二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 12:25:05
最近かなり気になるここのジュンコ
- 82二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 21:50:01
保守
- 83二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 23:51:57
- 84二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 02:42:32
ーーモモトークーー
先生:この間私との約束すっぽかされたのはショックだったし
先生:いつもトラブルを起こして、私は方々に頭を下げて回らないといけないし
先生:突拍子もないことを言い出してびっくりしたりもするよ
先生:でもジュンコは私の大切な生徒のひとりだよ。
先生:ジュンコがもし悪い事したのなら私が叱って、私が責任を取るよ。
先生:それから・・・・・・もしも仮にジュンコが悪い子だったとしても
先生:ジュンコが悪い子なのは悪い事ではないからね
ジュンコ:なに、それ・・・・・・難しくて分かんないよ
ジュンコ:でもありがとう、先生。
先生:<投げキッスの絵文字>
ジュンコ「フフ、先生は本当に・・・・・・いつでも先生なんだね」
もう一度私は、グルメ手帳を開く。
そこにはやっぱり私を責め立てるように『悪いジュンコ』が列挙されている。
くだらないイタズラ。
爆破した店。
フウカを困らせたこと。
お団子やおせちをダメにしたこと。
ハルナやアカリを困らせたこと。
イズミを置いて逃げたこと。
店長に迷惑かけたこと。
羅列された、私が『悪い子であることの証拠』をひとつひとつ噛みしめていく。
今なら、真正面から向き合える気がする。
『ジュンコが悪い子なのは悪い事ではないからね』
先生の言葉が、強く支えてくれるから、大丈夫。
- 85二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 08:45:12
初めて知った……
- 86二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 20:02:36
怖い
- 87二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 21:45:50
保守
- 88二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 08:51:46
保守
- 89二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 14:04:58
手帳の中に書かれたすべての自分の悪事を飲み込んだころ、公園の前の道路からエンジン音が聞こえてきた。そして、そのエンジン音と共に、聞きなれた声もする。
イズミ「いたーー! ジュンコいたよ!」
ハルナ「ふぅ、お探ししましたよ、ジュンコさん。今までどちらにおいでだったのですか?」
ジュンコ「げっ、みんな・・・・・・!?」
「『げっ』とは何よ! 『げっ』とは!!」といいながらイズミが給食部の車から身を乗り出している。
アカリ「早く乗ってくださいなー、私もうお腹ぺこぺこで」
ジュンコ「・・・・・・」
少し緊張しながら車に近づいていく。
大丈夫、大丈夫・・・・・・またアレを言ってきたら、たとえ先輩でもぶん殴って目を覚まさせてやるんだから。
そして、給食部の車の数歩手前まで来た。
ジュンコ「えっと、みんなしてどうしたの・・・・・・?」
ハルナ「ジュンコさんを探していたらこんな時間ですよ、ほら、もう日付も変わってしまっています」
ハルナが見せてきたスマートフォンの画面を見ると、時刻は00:06になっている。
ジュンコ「探してたって何」
イズミ「勝手に居なくなるからでしょ~!!」
ハルナ「ですが、そのおかげでこうして深夜ラーメンを堪能する口実ができたというわけです」
アカリ「怪我の功名ですね☆」
ジュンコ「えっと、みんなもうなんともないの? 私のこと悪いとかなんとか言ってたじゃない!?」
三人は一様に首を傾げた。 - 90二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 14:05:20
ハルナ「ジュンコさん・・・・・・? わたくし今日はジュンコさんのお顔を見るのは初めてですが、なにかありまして?」
ジュンコ「・・・・・・え?」
アカリ「私もです」
イズミ「私も~~」
ジュンコ「・・・・・・えぇ・・・・・・なにそれ、怖・・・・・・」
イズミが後部席のドアを開けて、隣に誘ってくれた。
「変なことしたら叩くからね? 頭に急にハチミツ掛けたりとか」 と釘を指しながら隣に座る。
「えぇ~~そんなことしないよぉ!?」 って狼狽えるイズミは本当に困惑しているみたいだった。
アカリが給食部の車を走らせ、目的地に向かっていく間も3人の様子はいつもとなんら変わらない。
その様子をみて、ようやく深く呼吸ができるようになった気がした。 - 91二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 14:38:17
ジュンコ「あのね、会長。聞きたいことがあるんだけど」
ハルナ「はい、なんでしょうか?」
ジュンコ「もし会長がさ、周りの人皆から悪者扱いされたらというか・・・・・・口を揃えて『お前が悪い』って言ってきたらどうする?」
イズミ「ジュンコがそんなこと聞くなんて、なにか悩み事があるの!? 誰かに言われたとか!?」
ジュンコ「えっと・・・・・・うん、まぁ・・・・・・そんなとこ」
アカリ「どなたかは知りませんがラーメンの前に締めておきますかー? あ、〆るならラーメンの後の方が良いですかね☆」
ハルナ「なるほど、ジュンコさんが何者かに悪し様に言われている、あるいはジュンコさんの悪行を責めてくる者が居る、と・・・・・・?」
ジュンコ「えっと、物の例えというか・・・・・・っ!」
会長はフム、と少し考える様子を見せた。でも答えはすぐに見つかったらしかった。
ハルナ「もしそうなってしまったとしても、それはわたくしの求める美食の真髄とは関係のない事ですわ。わたくしはわたくしの信じる道を行きます。・・・・・・もちろん、皆さんがついて来てくれなくなるのは少し寂しいですが、無理強いは致しません」
会長はきっぱりと言い切った。さすがにちょっとだけかっこいいと思った。
ジュンコ「質問を重ねてゴメンなんだけど、アカリが『ハルナさんが悪いんですよ~☆』っていいながら無理やり肉体的な、というか、ちょっと性的な暴力に訴えてきたらどうする?」
ハルナ「な、なんですの・・・・・・そのとんでもないシチュエーションは・・・・・・」
アカリ「私、そんな風に見られてるんでしょうか~?」
ハルナ「ですが・・・・・・考えるまでもありませんわ、おそらく腕のひとつでも掴まれれば『詰み」ですので、そうなった時点でわたくしの美食の探求はおしまいですわね・・・・・・」
ジュンコ「そっか・・・・・・答えてくれてありがと。参考にするね・・・・・・」
イズミ「なんの参考になるの!?」
さっきのかっこいいと思った気持ちは撤回しておこう・・・・・・。 - 92二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 17:10:42
>> アカリ「どなたかは知りませんがラーメンの前に締めておきますかー? あ、〆るならラーメンの後の方が良いですかね☆」
この台詞を笑顔で言ってるアカリが思い浮かぶ…
- 93二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 17:23:26
- 94二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 17:35:31
- 95二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 17:37:20
アカリ「う~ん、よくわかりませんが『ジュンコさんが悪いんですよ☆』っていっぱい言われたということですかね~?」
ビクッ、と体が跳ねる。
警戒するけど、みんなの雰囲気が変わった様子もない。
ジュンコ「・・・・・・アカリ、それ二度と言わないで」
アカリ「嫌です☆ と言いたいところですが、ジュンコさんがそういうのなら、封印しておきますね」
アカリはすぐに引き下がってくれた。
私の様子が普段と違うのは多分、この場にいるみんなが気づいてると思うから。
よくよく考えると、今この状況で昨日のことをまだ引きずってるのは私だけなんだ。
みんなの様子が変だったのか、それとも最初から・・・・・・。
ーー私だけがおかしかったのかなーー
イズミ「安心してよジュンコ、ハルナやアカリに比べたらジュンコは充分良い子だよ!」
ジュンコ「あ、あはは・・・・・・そう、かもね」
ハルナ「・・・・・・」(汗
アカリ「うーん、ひどい言われようですね~。まぁ、事実ですが☆」
イズミの言葉を聞いた途端、一日の疲れがドッと押し寄せてきて、私は目を開けていられなかった。
私の意識は微睡みに沈んでいく。
珍しくゆったりと走ってくれるアカリの運転が妙に心地良くて、もたれ掛かったイズミが妙に心地良くて、『帰ってきた』って感じて・・・・・・。 - 96二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 17:39:17
ジュンコ「・・・・・・スゥ・・・・・・スゥ・・・・・・」
イズミ「ジュンコが私の膝で寝ちゃったんだけど~~」
アカリ「あらー、もうすぐ着きますけどねぇ」
ハルナ「起こすのも悪いですし、そのままですわね」
イズミ「私は!?」
アカリ・ハルナ「フフッ、『良い子』の二人はお留守番です」
イズミ「うわーん意地悪~~!」
結局私は(イズミも巻き添えだったけど)深夜のラーメンにありつけなかった。
アカリとハルナの二人は今度は四人で、と言ってくれてたけど・・・・・・。
勿論、あれ以降、みんなが変なことをしてくることもなくなっている。
結局、あの日のことを覚えている人は誰も居なかった。
原因が何だったのかも分からない。
だけど『あの1日』が存在したことは間違いない。
その証拠はジュンコのグルメ手帳とスマホのメール履歴に残されたままだ。
ジュンコは、あの不可思議な一日を記憶の片隅にそっと追いやることにした。
考えてもきっと無駄に脳みそが疲れるだけだろうから。 - 97二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 17:50:57
これで書きたいことはほとんど書きました。
・ジュンコが悪いんだよ
・先生に「ジュンコが悪い子なのは悪い事ではないよ」と言わせる
・最後に誰かに『良い子』と言ってもらって〆
くらいのことだけ決めてスタートしたのでgdgdしたうえに投稿する時間も中途半端でごめんなさいね、ホント・・・
自分の初めてのSSを保守しながら見守ってもらってありがとうございました。 - 98二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 17:59:18
これが初めてだと……?
程よい匙加減のホラーでとても面白かった
乙 - 99二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 18:04:59
末っ子のような扱いされてるジュンコ可愛い
- 100二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 18:05:28
初SSを書く勇気、完走した根気、丁寧な描写、そしてジュンコ愛、すべてに感謝を言わせてください
ありがとう…… - 101二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 18:06:25
このレスは削除されています
- 102二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 18:06:30
- 103二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 18:11:13
乙です!
面白かったですよ - 10410024/12/08(日) 18:12:45
- 105二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 18:28:10
ここはトリニティスクエアの噴水前。
浦和ハナコが、ゆっくりと歩いてくる。右足を庇うように少しぎこちなく歩いて、地面に落ちた小さなものを拾い上げている。
(やはり、私の銃の薬莢。記憶にない足の傷、そして唐突に過ぎるジュンコさんの『差し入れ』)
そう、ほんの先ほど、ゲヘナの美食研究会に属する赤司ジュンコさんが『差し入れ』なるものを私に持ってきた。面食らう私に『覚えてないと思うけど、あなたのおかげで助かったから、これあげる。 じゃあね』 と言ってルワゾー・ブッレの菓子を押し付けるとさっさと帰ってしまって、詳しいことは聞けなかった。
ハナコ(何があったのか聞きたかった私に対して、彼女は明らかに『深くは話したくない』という意志を持っていた・・・・・・一体何があったのでしょうか? このトリニティで、いえ・・・・・・このキヴォトスでいったい何が起きていたのか・・・・・・)
「また、小難しいことを考え、そして首を突っ込もうとしているんだね、ハナコ」 背後から声がした。振り向くまでもない、その声はとてもよく知っている。
ハナコ「セイアちゃん」
セイア「この件はすでに終わっている。”物語”が日常が壊れる事から始まるのなら、今は物語は始まっていない状態だ。わざわざその均衡を壊してまで物語を始めることはないだろう?」
ハナコ「いいえ、セイアちゃん。物語というのは『誰かが物語を書く』そう決めた瞬間から始まっているんですよ。昨日、何かがこのキヴォトスで起こっていたことは確実。私は補習授業部をその”何か”から守りたいだけです」
セイア「であれば、なおさら君はこの事を忘れてしまうべきだ。その薬莢を噴水の中に捨てて、足の怪我は何かの不注意とでも結論付けて早く補習授業部の日常に戻りたまえ・・・・・・それこそ『次の物語』が始まってしまう前にね」
ハナコ「うふふ、ご忠告痛み入ります、セイアちゃん。でしたらこれは、物語を書き起こした”ストーリーテラー”への、牽制射撃です」
次回、浦和ハナコと百合園セイアが挑む第二幕 解決編
※始まりません※ - 106二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 18:29:24
- 107二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 18:31:43
- 108二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 18:43:36
よし、やりたかった嘘予告もやったので本当に満足しました。
あとはスレ主がちょいちょい過去のレスに返事するかもですが、落としてもらって大丈夫です - 109二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 18:52:05
- 110二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 19:21:57
一件落着だけどジュンコはその可愛さが罪だから一度裁かれたほうが良いと思う
あまりにも可愛すぎるって - 111二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 19:26:17
うーん、それはそうだね!
- 112二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 19:58:53
立ち向かう覚悟したら唐突に終わって解放されるのも不条理なホラーって感じでよかった
即興で書き切るのはえらいと思う、乙でした - 113二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 20:45:34
ジュンコが先輩達から大切にされてる感じがして大変良かった
乙 - 114二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 23:54:51
乙
すごい楽しみにしてたので毎日保守頑張った……
なんとも言えない不気味なホラーで面白かった……
多分ホラー作家の才能があるのでこれからもバンバン書いて欲しい…… - 115二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 00:00:48
そんな風に言ってもらえると「書くか!」ってなりますね
ここから美食研の四人を順繰りに書いていこうかと思っていまして
ホラー気味の話も一応候補には入ってるので、なるべく早く書こうと思います!
保守ありがとうね!!
- 116二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 00:02:50
- 117二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 02:19:28
- 118二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 02:23:58
小説形式も良いね。
ところで映像化はいつだい? - 119二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 09:37:37
つべの「先生の職員室」さんみたいなスレを上手く編集してくれる人が取り上げてくれれば疑似的な映像化になるかな
- 120二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 17:53:39
- 121二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 18:08:57
- 122二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 21:59:42
- 123二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 22:12:14
じゃあここは解散かな……
ありがとうイッチ、素敵で怖い物語でした - 124二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 22:23:41
今週末くらいに上げれたら理想なんですが・・・いかんせん時間が無くて。
呼んでくれた人ありがとうね! 次回作のスレでも会えるといいですね!