- 1二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 22:47:07
ー山海経・某所、人通りの少ない路地裏ー
ツクヨ「な、長く険しい道のりでした……虫一匹すら通さないような何重もの検問、仕掛けられた無数の罠……」
イズナ「聞きしに勝る厳重な『よそ者』の侵入への警戒……イズナ達が忍者でなければ途中で見つかっていました!」
ミチル「とはいえ、ここからが本番……陰陽部からの依頼、しっかり達成しないとねぇ!」
ツクヨ「えっと、百鬼夜行に御禁制の薬を流している密輸組織……を、潰せば良いんでしたよね?」
イズナ「七囚人が一人、五塵の獼猴が残したという山海経から百鬼夜行への密輸ルート。忍者として絶対に暴いてみせましょう!」
ミチル「……んまぁ、それは一旦さておいてぇ――」
ツクヨ「で、ですね――」
イズナ「はい!まずは――」
「「「そこに隠れてる人、両手を上げて出てきてください!」」」
(三人同時に物陰にクナイを向ける忍術研究部)
(言われた通り両手を上げて出てくるキサキ)
キサキ「……流石。噂に違わぬ実力じゃな……これが百鬼夜行の誇る隠密諜報特殊部隊『忍術研究部』という訳か」
ミチル「えっ……り、竜華キサキぃ!? 本人!? なんでぇ!?」
ツクヨ「え、えっ……? せ、山海経の門主さん……一番偉い人、ですよね!?」
キサキ「いや何、偶然じゃ。妾も其方達と同じ目的で動いていてな……結果、こうして鉢合わせてしまった。ただそれだけの事よ」
イズナ「うん? 山海経の君主が自ら動いているのですか?」
キサキ「……其方達も感じておるじゃろう、一度内側に入った後の山海経の"脆弱さ"を。侵入路の遮断だけに傾倒し、それ以外の諜報・防諜を軽視してきたツケがこれじゃ。人材育成が間に合っておらん……妾が直々に動くほか無いほどに、な」
ミチル「えっと、キサキさん……様? なら、忍者活動……諜報任務ができる、ってコト? です?」
キサキ「まぁ、嗜む程度じゃがな。とはいえ、変装の腕前なら……本職にも負けない自信はあるぞ? ほれ、この通り」ササッ
ツクヨ「わ、わぁ……!? あっという間に、まるで別人に……!?」
イズナ「何と見事な変化の術……! キサキ殿も、凄腕の忍者だったのですね! そういう事なら心強いです! いざ、共に参りましょう!」
キサキ「ふむ。確かに、敵は山海経と百鬼夜行を跨ぐ密輸組織……ここは共同戦線と行こうかの。頼らせてもらうぞ、忍者達?」 - 2二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 22:47:43
という訳で、ここだけ忍術研究部が陰陽部直属の諜報部隊だった世界
というかキヴォトス諜報部スレの4スレ目です
なお山海経は閉鎖的過ぎて諜報部が育っておらず、よそ者の侵入だけは非常に困難なのに、『侵入など有り得ない』が前提になり過ぎて一度警戒網を抜けられた後の防諜は一切考慮されていないし、よそ者に対して興味も無いので外部に対する諜報活動も碌に行われていなかった模様 - 3二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 22:48:37
前スレのようなものたち
ナギサ「ヒフミさん、報告をお願いします」|あにまん掲示板ヒフミ「はい!今回はペロロ様とアイス屋さんがコラボした限定ぬいぐるみを手に入れました!これは本来もう販売終了していて――」ナギサ「ふふふ、良かったですねヒフミさん。ですがそっちでは無く……言い方が悪か…bbs.animanch.comモモイ「ユウカー、報告書出しに来たよー」|あにまん掲示板ユウカ「報告書……?何か頼んでたかしら……」モモイ「いや別に頼まれては無いけど、自主的にね?」ユウカ「自主的に、って……あなた達にそんな殊勝な心掛けがあるとは思えないんだけど」モモイ「そこまで言う!?…bbs.animanch.comマコト「美食研究会からの定期報告書か……」|あにまん掲示板マコト「……また食レポしか書いてないのか?」イロハ「そりゃそうでしょう、連中からすれば【特務諜報部隊】って肩書はマコト先輩が勝手に押し付けただけですからね」マコト「まぁ所詮は他校の目を逸らす囮としての…bbs.animanch.com - 4二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 22:51:31
また派生スレ出たのか
- 5二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 23:15:31
自分で書いといてなんだけどなんで銃じゃ無くてクナイを向けてるんだ忍術研究部って思ったけど、多分潜入任務中だから発砲音が響かない静音声を優先して敢えてクナイ投げの体勢を取ったとか、まぁそんな感じじゃないかな(後付け)
- 6二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 23:22:54
百鬼夜行の暗号通信はやっぱり理解どころか聞き取れすらしないコテコテの方言かな
- 7二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 23:24:50
スレ建て乙
- 8二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 23:33:07
- 9二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 23:33:49
- 10二次元好きの匿名さん24/11/30(土) 23:55:38
10埋め
- 11二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 10:31:03
保守
- 12二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 14:29:43
- 13二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 14:32:11
- 14二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 21:00:32
- 15シャーレの見せ札作る人24/12/01(日) 22:10:08
前スレ192より。
あらすじ:深夜にシャーレに呼び出されたサオリ。行ってみると、何故かワカモ・ヒナ・マコトが待っており、ついでにシャーレ中の盗聴器・盗撮カメラその他が撤去されてたよ。
私の問いに、あぁ、とでも形容出来そうな表情が先生から向けられる。
「そうね。両手じゃ収まり切らない位あったけれど、何とかしたわ」
「どうやら、様々な出自の者が『落とし物』をして行った様だな」
「ああ、バラバラとまでは言わないが、隠し方の癖が共通していなかった筈だ。……三人の仕事を疑う訳では無いが、まだどこかに隠されている気はするし、すぐに再設置されるとも思うが」
皆が先生の方を向くと、情け無さそうに笑いながら席を立つ。
“まあ、色々と事情があって……っ!”
不意にふらつき、頭から机の角にぶつかりそうに。狐面が咄嗟に支えようとしたが、
「先生、大丈夫ですか?」
“あ、セリナ? ごめん、ありがとう。大丈夫だよ”
「疲労から足がもつれたんだと思います。余りご無理はなさらないで下さいね」
“はは、気を付けるよ”
「本当にお願いします。では、私はこれで。皆さんもお疲れ様です」
……呆気に取られている間に、先生の転倒を防いだ小柄な生徒はいなくなっていた。
“……と言う訳で、ここのセキュリティの強化はあんまり意味無いんだよね”
脳が情報処理を拒んでいるが、どうやらこの部屋に任意のタイミングで自由に出入り出来る者が存在し、それを防ぐのは非常に困難、と言う事らしい。いや意味は分からんが。
“まあ、基本的には皆私の事を心配してくれてるだけで、何か組織的な物では無いらしいから”
「えー、本題に入っても宜しいでしょうか?」
“うん、お願い”
小さな咳払い。
「皆様ご存じの通り、このキヴォトスでの『情報管理』意識の高まりにより、いずれの学校も色々と『調べ物』に精を出していますが、とりわけシャーレに強い関心が向けられております」 - 16シャーレの見せ札作る人24/12/01(日) 22:13:40
先生がコーヒーを淹れる水音だけが話の間を繋ぐ。
「連邦生徒会長無き今、事実上の強権機関であるシャーレに注目が集まるのは当然ですが、拍車を掛けているのが、先生の周りに『誰もいない』事です」
「誰もいない、と言うと?」
言わんとしている事は分からんでも無いが、念の為に言い換えを求める。
「大概の学園は、何らかの形で独自の諜報部門を設置しており、多くの場合はその更に上澄みである特務部隊が重要な案件に当たっています。この常識に基いて他校の実力を見定める訳ですから、当然連邦生徒会長直下の連邦捜査部も何らかの諜報部門を持っているだろうと、どの学園も思っている筈。ですが、どれだけ調べようとも先生の周りにはそんな物は影も形も無い。にも拘らず先生はキヴォトスでもトップクラス、三大校の諜報部に匹敵する収集能力を持ってらっしゃる」
ちらりと視線を向けられたマコトが得意げに鼻を鳴らす。確かに、我々はこの女を裏切ったが、結局幹部格全員の飛行船からの脱出を許し、誰一人として抹殺出来なかった。考えてみれば、端から裏切りの可能性を前提として、我々の知らない脱出経路を用意していたとしか思えん。情報戦能力と言う点に関しては確かに優秀なのだろう。
「幾ら探した所で先生の急所は出て来ないのですが、それはそれ。いつまでも周りを嗅ぎ回られるのは先生としても気分が宜しくありません。それなら、代わりに『答え』を用意してあげれば宜しいとは思いませんか?」
「成程、つまり『見せ札』を用意して、詮索の方向性を定めようと言う事か」
ええ、とワカモは頷く。仮面越しでもその穏やかな笑顔を想像出来る、洗練された所作。
「で、その話にゲヘナの重役が関わるのはどう言う事だ? 彼女達も見せ札にするのか?」
「いいえ。私達はただのアドバイザー。さっきまで狐坂ワカモと相談していたの。それに、悔しいけど、このバカは情報戦だけは強いから、隠しても知らせても結果変わらないのよ」
二度目の得意げな鼻息。どうしてこいつはさっきからこんなに偉そうなんだ? まあ偉いんだが。
「キキキッ、そうともさ! このマコト様の手に掛かれば、先生が特定の手足を使っていない事などお見通しよ! 優秀たる我が情報部を以てしても先生の情報網の全貌は掴めなかったがな」
“私もマコトの情報網の全貌は見えてないからお互い様だね”
- 17シャーレの見せ札作る人24/12/01(日) 22:17:15
「先生とマコト議長は、収集可能な情報量では恐らくキヴォトスのツートップと言って差し支えありませんわ。一体どこから終末のきっかけが訪れるか分からないと判明した以上、シャーレとゲヘナの諜報合戦はそれこそキヴォトス全体にとっての損失ではないかとも思います。ですからゲヘナのお二人をお呼びしましたのは、今後シャーレ・ゲヘナ間での不要な詮索を行わないと言う協定の意味合いもございます」
「成程」
話し振りからするに、狐坂ワカモがこの話の発起人なのだろう。とすれば、呼び出されている私の役割は絞られる。
「私がその見せ札を務めると言う事か?」
「そうなのですが、あなたには、二枚目の見せ札をお願いしたいのです」
二枚目? 見せ札とは二枚も三枚も用意する物だったか?
「やはり引っ掛かりますわよね。ですが、今回は必要なのです」
「我が情報部に限らず、風紀の諜報部門も翼付きのティーバーティーも、これまで先生の周りを散々洗い直した筈だ。それが今になって急にこれ見よがしな情報が出て来たとて、取って付けた様な見せ札だと判断して疑うまい。ならば、もう一枚用意しておくのが正道だろう?」
「ふむ、そう言う物か」
二枚目と言う事は、他にも声を掛けられたメンツがいると言う事か。
「専門家に対してでは無く一般向けの分かり易さも必要ですから、一枚目の見せ札には過度にあからさまな人達をお誘いしました」
「……元特殊学園の四人か」
狐面が満足げに頷く。
「よくお分かりで。子兎さん方の指揮権は先生に帰属する事になっておりますので」
“あくまで形式上はね。連邦生徒会長の代理って感じだし”
「それから、このワカモめも、僭越ながら見せ札役として先生の尖兵を務めさせて頂きますわ」
「災厄の狐が先生に夢中って言うのは風紀委員でも報告あったし、まあ勝手に先生の意図を組んで私兵気取りの暴走をしてる、って建前なら殆どの生徒は納得する筈よ」
“ははは……”
おい何だその「確かにその通りの事をしてるから何とも言えない」みたいな微妙な反応は。
「以上が一枚目の見せ札、続いて二枚目の一翼を、サオリさん率いるアリウススクワッドの皆さんにお願いしたいのです」
「……スクワッドの皆もか?」
向くと、先生が微笑を称えてモモトークの画面を示していた。
- 18シャーレの見せ札作る人24/12/01(日) 22:19:36
- 19二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 22:20:31
- 20二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 04:15:11
>端から裏切りの可能性を前提として、我々の知らない脱出経路を用意していたとしか思えん。情報戦能力と言う点に関しては確かに優秀なのだろう
……撃墜される直前まで裏切りの可能性なんて全く考えて無かったし、脱出経路なんて存在しなかったんだよなぁ(
情報戦能力は確実に優秀だし「アリウスはトリニティ以上にゲヘナを憎んでいる」という情報はキャッチしてたんだ
その上で「おっ空崎ヒナとついでにトリニティまで纏めてフルボッコにできそうやんけ!」って思った瞬間全部がすっぽ抜けちゃうだけで
なので裏切りを考慮して秘密の脱出路を準備していた訳で無く、正解は「純粋にフィジカルとラックで無事だった」という
……多分ファウストでも辿り着けない真相よ(『ゲヘナがアリウスの情報を掴んでいた』までは探れるのでまさか情報ガン無視するのは想定外)
マコトが情報戦強者なの、マコト自身が時々アホになって誰にとっても想定外の挙動をするからってのが有りそう(
- 21二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 04:16:36
続き期待
- 22シャーレの見せ札作る人24/12/02(月) 07:23:16
そ、その内……pixivで良いんかな……
この世界ではエデン条約編の挙動とかちょっと怪しいしワンチャンあるかも知れないから(マコトの人格的に怪しいけど)
その辺触れるかは考え中です。
“ミサキには許可取ってるから、後は指揮官のサオリに直接お願いしようと思ってね”
そうか、通りでさっき『用事終わったら連絡ちょうだい』とミサキから連絡があった訳か。
「しかし」
“ちゃんと手伝って貰った分のお給金は出すよ。ワカモが生徒会長代行に話通してくれてね”
「それはありがたいんだが、そうでは無くてな。我々が先生の周りにいる事について、他の生徒達は……良いのか?」
風紀委員長の視線を伺う。議長はまあ大丈夫だろう、利用し合った仲だ。
「全く気にしないと言えば嘘になるけれど……正直な話、貴方達よりも確実に先生を守れるチームを私は知らないわ」
その声色から、嘘偽りは無いのだろうと思えた。いや、普段から雇い主に騙されまくっている私の判断など役に立たないか。
「ん、さっき二枚目の一翼と言ったな。他にもいるのか?」
「ええ、より諜報が得意な方が、あちらに」
手で示す方向を見ると、いつの間にか暗がりにメイド姿の生徒が立っていた。全く気付かなかった……!
「どうも、先生のメイドです。いえーい」
“えっと、ミレニアムのC&Cの子だよ”
「コールサイン04です」
「思いっきり特殊部隊の数字付きじゃないか!」
- 23二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 13:57:19
トキ!?!?何してんの!?!?
- 24二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 14:52:22
でぇじょうぶだ
一枚目の見せ札に既にティーパーティーのSexyFoxと百鬼夜行直属でゲヘナからも依頼をこなすNINJYAがいるから、ミレニアムからメイドの一人くらい平気平気……タブン - 25シャーレの見せ札作る人24/12/02(月) 19:07:37
「所属はそうですが形式上は違います。私の前主人が指揮監督権を放棄した後、セミナーが指揮権継承を拒否しましたので、私に指示出来るのは介入特権を持っている先生だけです」
「そんな事もあるのか……」
「セミナーと先生以外は殆ど誰も知らない情報ですから、隠し見せ札としては程良い説得力かと思いますわ」
「そう言うお前はどうして知っているんだ?」
「ふふふ、先生に関する事なら私、キヴォトスの誰よりも詳しいと言う自負がありましてよ」
情報戦で一番ヤバいのは実はこの七囚人なんじゃないのか?
ミレニアムのC&C、0から3までは当然把握しているし、最近欠番だった4が埋まったと言う話も聞いた。であれば、この生徒が飛鳥馬トキか。行方を晦ませたセミナー会長の直属エージェントで、空が赤くなった時、単身死ぬまで戦おうとした忠国の士だと言う話だ。ふむ、確かに先生の隠し玉がこの生徒なら、他の学校も納得しそうだ。
「私達スクワッドが荒事をメインで担当、飛鳥馬トキが諜報や工作を担当している異にする、と言う認識で合っているか?」
「そうみたいよ。当然、私達ゲヘナの情報関連担当としては形式上敵視せざるを得ないけど、先生の隠し玉って事になれば、他所からの風当たりは少しマシに、と言うか遠回しになる筈よ。誰もシャーレと直接対立はしたくない筈だし」
「私の部下かどこかの行政官が先生の拉致を試みていなかったかぁ?」
「終わった事でしょ」
- 26二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 23:29:18
………そういえば、雷帝ポエムを読んだヒフミ達……どうなったかな?
ヒナ……?
マコトとほぼ同じ反応しそうですね