- 1二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 23:45:47
- 2二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 23:49:33
- 3二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 23:52:17
保守
期待
過去スレ見てくるよ - 4二次元好きの匿名さん24/12/01(日) 23:59:10
オモコロでも紹介されてたらしい「怪奇と恐怖名作集」から書いていく
人はいつホラー好きになるのか?「怖」との遭遇座談会 | オモコロホラー好き/嫌いを分けるものって何なんだ!?という出発点から、ホラーについてあれこれ語り合います。omocoro.jp一応対象は子供のための「欧米の怖い話を集めました」って体だけど、普通に大人も楽しめる名作ぞろい。というか肝心の子供がこれの怖さにぴんと来なさそう
- 5二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 00:13:24
オーガスト・ダーレス「シデムシのうた」
心臓の弱いコーニロさんの近所に住むのは、ホルモンを研究してるらしい科学者の老人。ただでさえ不気味な男の孫たちまで、シデムシという動物の死肉をあさる虫に夢中になっている
まるで神を礼拝するようにシデムシを扱う子供たちと、狂気じみた科学者の男に日常を次第に破壊され、正気を削られていく感じがクトゥルフ神話を思い出す(作者はラブクラフト先生の仲間で、彼の死後にクトゥルフ神話を体系化した)
オチはなかなか衝撃的。無邪気な子供たちが悪意なく歌う「シデムシ シデムシ コーニロ死んだら埋めに来い」っていう歌が一番ゾッとした - 6二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 00:22:42
シリア・フレムリン「アパートの空き部屋」
専業主婦の主人公は、息子と共に家に入って来るみすぼらしい身なりの赤毛の男の子が気になってしょうがない。しかし息子にあの子のことを訪ねても「そんな友達はいない」と言うばかり。そのうえ過去に自分を虐待した母を殺した赤毛の男が脱獄し、この近所に身を隠しているらしいという不吉なニュースが飛び込んでくる……
これは怖いよりも幻想的で、哀しさと温かみを感じる
虐待や憎しみの連鎖は、優しく自分を抱きしめてくれるたった一人の誰かがいれば、断ち切ることができるのかもしれない。哀しいけど少し希望のある話 - 7二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 00:29:51
チャールズ・ボーモント「もしも夢を見たら…」
睡眠障害を患っている男が精神科医に相談に来る。実は眠るたびに悪夢を見て、耐えられないほど恐ろしい目に遭うのだと言う。医者に理解して貰おうと必死に説明し続ける男だったが………
男が語る悪夢の内容は、読んでるこっちが想像しても「うわー嫌だぁ……」ってなる。高所恐怖症の人はなおさらだと思う
ちょっとブラックジョークじみた話で、オチは滑稽でありながら救われなさを感じる。つくづく子供向けじゃないよこの話 - 8二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 00:42:22
D・H・ローレンス「木馬に乗る少年」
ポール少年の見栄っ張りの母親は、いつもお金の心配ばかり。急にポールは木馬にまたがりだして一心不乱に漕ぎ始める。その木馬に乗って辿り着く先には幸運があるのだと言う
実はポールが木馬にまたがることで見ていた景色とは、「競馬の勝ち馬」だった。こっそり庭師のバセットに頼んでその馬に賭けてもらうと必ず当たる。そのお金は叔父に預けてうまく母に渡してもらうことに。しかし母の欲望は留まるところを知らず……
大人向けの寓話って感じのお話。幼い子供が必死に馬を走らせて見たかった景色は、家族で穏やかに暮らせる平和な未来。しかし母にはそれが通じない。親という「呪い」を背負ったまま走り続ける子供の姿は、現代人の方が刺さるかもしれない - 9二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 00:51:47
ロッド・サーリング「真夜中の太陽」
地球が突然その楕円軌道をはずれ、しだいに太陽に接近していく軌道をとりはじめた。気温は刻一刻と上昇し、もはや真夜中でも昼間の温度と変わらない。人々は逃れようのない終末にパニックを起こし、国も機能停止状態になる。そんな中、生き残っている2人の女性はなんとか正気を保って暮らしているのだが……
実は何度も映像化されてる小説。この話はめちゃくちゃ怖いうえに希望がない。どんどん気温が上昇し、普通に生きる事さえ困難になっていく環境の中で人々も次第に正気を失っていく。その姿があまりにも生々しすぎて、読み進めるのが辛いほど
それにここ最近の異様な気温の高さを思い出すとさらに怖い。これを単なるSF小説の話と笑い飛ばせなくなってる気がする…… - 10二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 00:52:02
保守
- 11二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 00:57:09
シャーリイ・ジャクスンは全作品がおすすめ 「ずっとお城で暮らしてる」や「丘の屋敷」がマイベスト
- 12二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 11:42:35
保守
- 13二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 19:16:27
いい感じにあらすじ紹介してくれる良スレ
- 14二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 23:42:05
スレ主色々な本知っててすごい
参考になります
自分は皆川博子作品が好き - 15二次元好きの匿名さん24/12/02(月) 23:43:42
海外のか…日本のしか読んだ事ないから気になるな
- 16二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 01:56:04
H・P・ラヴクラフト「ランドルフ・カーターの語ったこと」
人知を越えた恐怖を垣間見てしまった男の回想
友人のオカルト研究家と共に、古代の埋葬地を調査していたカーター。友人は彼を地上に残し、自分は通信機を持って地下に降りていく。そこで友人は混沌と恐怖の化身を目にしてしまい……
説明不要の、ラブクラフト御大の作品。もはやクトゥルフ神話はオタクの中ではポピュラーな作品だけど、原作はどこまでも陰惨でじっとりとしている。正直展開は古臭いけど、最後の台詞で鳥肌が立つ - 17二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 02:23:55
レノックス・ロビンスン「水のなかの顔」
人里離れた山懐に住むジェリーが湖を覗き込むと、美しい女性の顔が見えた。ジェリーはその顔に夢中になり、両親が亡くなってもずっと湖に通い続ける。そんなある日、湖の顔そっくりの生身の女性が家の前にいて……
こっちはロマンチックで切ない異類婚姻譚。ちょっと日本の「雪女」にも近い。「人ならざるモノ」との交わりからは、何も生まれないのだろうか、それとも……? - 18二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 02:29:14
自分はぼっけぇきょうてぇが良かった
- 19二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 02:43:54
リチャード・マシスン「高度7000メートルの悪夢」
ウィルスンは飛行機に乗っていた。ふと窓の外を見ると、翼に得体のしれない生き物がしがみついている。よく見るとそれは、飛行機を破壊しようとしている。それを必死に周囲に訴えようとしても、自分以外にその生き物は見えないらしい。追い詰められた男のとった行動とは……
飛行機が怖くて堪らない人は多いらしく、作者もそうだったとか。危機が目の前に迫っているのに、誰もそれに気づかず却って自分が狂人扱いされてしまうという二重の恐怖。これもちょっとブラックジョーク風だったけど、じりじりと追い詰められていくような恐怖感が印象に残る - 20二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 10:48:20
支援保守
このスレに出てきた小説を年末年始に読む小説リストに入れさせて貰うことにする - 21二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 18:05:09
怪奇文学なのかは分からないけどダフネ・デュ・モーリアの「レイチェル」が好き
世間的にはレベッカのほうが知名度高いけど
スレチだったらごめん - 22二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 19:20:11
サキの「スレドニ・ヴァシュタール」がこよなく好きだ
ホラーかどうかは微妙かもしれないが(でもホラー系のアンソロジーで読んだ気がする) - 23二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 20:06:38
ジェローム・ビクスビイ「今日もいい天気」
アンソニー坊やの暮らす村は平和だ。大人たちはみんな笑顔で「今日はいい日ね」と囁き合う。アンソニー坊やは単純に村が「いい人」ばかりになってほしいし、みんなが心地よく暮らせるようになって欲しい。邪な気持ちを持つ者は人間であろうと動物だろうと、この村にはいて欲しくない
だから彼は自分の『力』を使う。好きなおばさんが嫌がるネズミが「自殺」するように仕向け、夫の死を嘆く女性が居れば夫を「墓から甦らせ」てやり、悪い考えを持つ大人は「黙らせる」
だから大人たちは必死に笑顔を保つ。ぶつぶつと囁き合う。坊やに不満が悟られないように。自分の考えが読まれないように。この村が終わる日まで、ずっと、ずっと
いわゆる超能力モノなんだけど、べらぼうに怖い
あまりにも強大な力をもってしまったのが、善悪の区別もつかない子供だったらどうすればいいのか(大友克洋先生の『童夢』を連想するけど、こっちはその役割が痴呆老人)
アンソニー坊やの所業はぼかされてはいるけど、十分に察せられるから恐ろしい。大人たちがそれに逆らうすべはなく、いずれ訪れるだろう滅びの日を待つしかない。しかも当の子供本人が、自分の期待通りにはならない村や大人たちに対してとっくにうんざりしている。誰も救われない
本当に怖かった話。このシリーズのセレクションは希望のない話の希望の無さが半端ない - 24二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 20:25:15
リチャード・ミドルトン「幽霊船」
嵐の晩に、平和な村のカブ畑に幽霊船が漂着する。この村の幽霊たちはみんな純朴で穏やかだったのに、海賊の幽霊たちに影響されて夜毎に乱痴気騒ぎをしだす。これではイカンと牧師さんが船長に苦情を伝えに行くが……
こっちはホラーどころかコメディタッチの幻想譚。「当たり前でしょ?」みたいな顔で特に説明なく幽霊たちが村を闊歩する。のほほんとした幽霊たちと、もっとのほほんとした村人たちの民話みたいなお話
ちなみにこの幽霊船の船長、オタクの中ではすっかり目かくれオタクのイメージがついたあのバーソロミュー・ロバーツです - 25二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 20:31:02
パオラ・カプリオーロ『エウラリア 鏡の迷宮』もおすすめ、幻想的な短編集だよ
- 26二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 20:40:45
稲生平太郎の本が好きだな
『アクアリウムの夜』お勧め - 27二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 22:19:47
石神茉莉の「海聲」も幻想小説かな?
幽霊船と異形の人魚の話なんだがおぞましさと美しさの両方を感じる - 28二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 22:45:58
ブルーノ・シュルツ「肉桂色の店」「クレプシドラ・サナトリウム」
「ストリート・オブ・クロコダイル」の原作の人と言った方が通りが良いかもしれない - 29二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 22:57:54
ミンドレット・ロード「メリフロア医師の最後の患者」
温厚で、ミニチュアの大聖堂を作るのが趣味のメリフロア医師の許には、ひとり奇妙な老婆が押しかけてくる。しかも押しかける理由が「蝙蝠に咬まれた」だの「硫黄中毒」だの、訳の分からない内容ばかり
純朴な家政婦は、あんな変なおばあさんのために無理して働かなくても、と止めるが医師は「これが私の最後の仕事だから」と聞かない。メリフロア医師の「最後の仕事」とは……?
ホラー感はほぼない。洒脱な大人のファンタジーって感じ。結末は見事な伏線回収って感じでクスっとくる - 30二次元好きの匿名さん24/12/03(火) 23:14:54
ナイジェル・ニール「鏡よ鏡」
ある少女を赤ん坊のころから育てているおばさんの一人称で進んでいく物語
おばさんは淡々と、少女に絶対に外に出てはいけない理由を切々と語る。あなたは異常、世の中はあなたのような人間に対してどれほど残酷か……。そして怯える少女を優しく慰め、『解決策』を提示する
しかし第三者の視点で見ると、真の異常者が誰かはすぐに分かる。何も知らない子供に嘘を吹き込み、がんじがらめにしていく恐ろしさ……。おばさんが語る「醜い白鳥」の寓話と、最後の一言に鳥肌が立つ。このおばさんも大きな孤独を抱えながら生きてきたんだと察せられるからこそ後味が悪い
2作品くらい幻想色強めな作品で油断させてからの、急なサイコホラーをぶち込んでくる編者には参るね
ただ、個人的にはこの作品は編者の解説する「嫉妬」の話とは思えない。これも「愛情」の一側面だと思う。あまりにも歪んでいるけど - 31スレ主24/12/04(水) 00:41:41
色々本をお勧めしてくださった方、ありがとうございます。楽しみがまた増えました
自分の知らない本ばかりだ……。サキとシャーリー・ジャクスンはいいですよね! - 32二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 01:00:30
「虚無への供物」「アラビアの夜の種族」あたりは幻想小説に入りますか?
- 33二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 11:03:15
保守
- 34二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 15:51:41
エドワード・ケアリーの小説とスレ主が教えてくれた小説を年末年始に読む予定
- 35二次元好きの匿名さん24/12/04(水) 22:53:17
文庫化された「百年の孤独」読みたいんだけど読んだ人いたら感想聞かせて欲しい