- 1二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 22:11:37
- 2124/12/05(木) 22:11:50
前スレ
【クロス注意】ここだけ|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>個性は dice1d3=@2 (2)@1. 二人とも使えない2. かっち…bbs.animanch.com【クロス注意】幼馴染みinNRC|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com【クロス注意】幼馴染inNRC Part2|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com【クロス注意】幼馴染inNRC Part3|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com【クロス注意】幼馴染inNRC Part4|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com幼馴染inNRC Part5|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com【クロス注意】幼馴染みinNRC Part6|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com - 3124/12/05(木) 22:12:39
- 4124/12/05(木) 22:12:58
素敵な支援SS様
……ノーコメントで | Writeningパソスト風じゃなく普通のSSです。お目汚し失礼。 登場人物:出久+勝己+グリム+エース+デュース+ジャック+エペル+セベク ふわっと頭に浮かんだワンシーンを書きたいなと思ったらなんか長くなってしまいました…writening.netなんてことない普通の日 | WriteningパソストではなくSSです、ご注意を。 登場人物 トレイ・クローバー 尾白猿夫 砂藤力道(名前のみ) 個人的に尾白くんとトレイ先輩は仲良しであってほしいなぁと思う今日この頃。 アリアーブ・ナーリヤとかいっ…writening.net素敵な支援イラスト様は2スレ目に!
- 5124/12/05(木) 22:13:19
現在好感度まとめ
【出久→相手/相手→出久、 爆豪→相手/相手→爆豪】
*グリム 91/92、 67/46
*エース 74/98、 35/80
*デュース 100/100、 88/88
*リドル 61/70、 57/94
*ケイト 99/100、 85/87
*トレイ 30/27、 60/40
*レオナ 2/65、 36/16
*ラギー 14/59、 72/21
*ジャック 66/100、 17/67
*アズール 56/69、 73/21
*ジェイド 26/65、 21/43
*フロイド 8/33、 28/69
*カリム 50/79、 28/81
*ジャミル 84/66、 47/62
*マレウス 75/30、 -/-
*クルーウェル 56/-、 13/-
*トレイン 78/-、 36/-
*バルガス 16/-、 6/ - 6124/12/05(木) 22:15:01
前回までのざっくりあらすじ
作戦が上手くいって博物館の写真を入手した出久たち。
あとは写真をアズールのもとへ持って行くだけなのだが、リーチ兄弟の厄介な妨害が立ちはだかる。
勝己が単独で行っている別作戦が契約成功の可否を握っているのだが…… - 7二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 22:24:17
たておつ
かっちゃんの単独作戦上手くいくといいね - 8二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 22:30:13
多分無理だろうな〜…
- 9二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 22:30:31
たておつです
毎日楽しみにしています - 10二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 22:31:25
たておつ
たのしみ - 11124/12/05(木) 22:38:58
勝己は店員たちと話すアズールをしばらく観察していたが、アズールは途中で急にVIPルームへ戻っていった。その表情に一切の余裕はない。
(……店が忙しいからって顔色じゃねーな。俺たちの想定よりもヤベェトラブルが起きたか?)
それから1分もたたないうちに、VIPルームからレオナが出てきた。スタスタと歩いてモストロ・ラウンジを出ていくレオナを追いかけて、アズールが店内を走りぬけていった。
その姿はお世辞にも品があるとは言い難く、必死めいたものがあった。
「チッ……、あのライオン野郎、何か余計なことしやがったな。オイ、そこのモブ!財布持ってろ!」
レオナの財布を近くにいたサバナクロー生に思いっきり投げつけて、勝己もモストロ・ラウンジを出る。
財布を受け取りそこねたモブが「へぶッ!!!」っと奇声を発していたが、そんなことは気にしていられない。
「待てやライオン野郎!!!!」
アズールは非常に足が遅く、勝己がレオナを追いかける途中で追い抜いてしまった。
ラウンジを出て少しいった先、オクタヴィネル寮の校舎の裏に身を隠すようにしてラギーとレオナが何かを話している。
レオナの手には、黄金に輝く紙束が握られていた。それは紛れもない、アズールの生み出した契約書だった。
「ンの野郎、俺たちの作戦に便乗してコソ泥しやがったな、ふざけやがって!!!」
*対抗ロール
爆豪 dice1d1000=978 (978)
レオナ dice1d800=17 (17)
ラギー dice1d300=43 (43)
(レオナとラギーは合算)
- 12二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 22:40:30
かっちゃんつよつよすぎる
- 13二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 22:40:45
かっちゃんがほぼフルパワーとはいえやる気がないぞこの獣人コンビ
- 14二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 22:47:50
かっちゃんが来ること予想してた?
- 15124/12/05(木) 23:00:22
「シシシッ!うまく持ち出せましたね」
「フン、お前の手癖の悪さには恐れ入るな」
「にしても、この契約書の量すごいッスね。5、600枚はありそう」
「この学園に入るずっと前から悪徳契約を繰り返してコツコツ溜め込んでたんだろうぜ。これで契約書はVIPルームの外に持ち出せた。後は……」
レオナが魔法の詠唱に入る。自分たちの計画が上手くいったと信じている二人は隙だらけだった。
「盗んだモン返せやオラアアアアァァァァッッ!!!」
BOOOOOOOOOM!!!
あえて爆音が大きくなるように調整して爆破を繰り出すと、聴覚が優れた獣人である二人の動きが一瞬止まった。
その隙に勝己は契約書の束を取り返す。勝負はいつでも完全勝利。勝己は不当な手を使って契約を破棄するつもりはなかった。
「待ちなさい!!」
ここで、鈍足のアズールがようやくレオナに追いついた。
「―――チッ。バカ犬の妨害が入ったせいでタコ野郎に追いつかれちまった」
「か、返してください……それを返してください!」
アズールから紳士の仮面は完全に剥がれ落ち、肩で息をして汗を流している。曇った空のような目は、勝己の手の中にある契約書の束を見ていた。
必死なアズールの姿を、レオナが鼻で笑う。
「おいおい、少しは取り繕えよ。おすましごっこはもうやめたのか?その慌てぶりを見るに、アイツの予想は当たってたらしいな」
「なん……だって?」
レオナが言っているのは、昨晩に出久がブツブツと言っていたアズールのユニーク魔法に関してのことだ。
『大魔法士ユニーク魔法大全』と書かれた本から、特定の条件で魔法を強化する方法があるという情報を手に入れて、出久は『黄金の契約書』はアズールの手の中にあるときだけ無敵なのではないのかと考察を立てていた。そして、だからこそ普段は金庫の中に契約書を隠す必要があるのだと。
「テメェ、寝たふりして聞き耳たててやがったのか」
「情報ってのは取り扱いに注意しねぇとなぁ?あの兎野郎にも教えてやれよ」 - 16124/12/05(木) 23:13:23
「ミドリヤさんが……!?なぜだ、なぜアイツは僕の邪魔ばかりしてくる!?イソギンチャクから解放したって、アイツにはなんの得もないだろう!?」
アズールが混乱したように喚く。
確かに、出久の行動は端からみると無謀だ。彼は衝動的な面もあり、予想のつかない行動を取ることも多い。
ただ、そこには一貫して「誰かを救けたい」という想いがある。
「……イソギンチャクが救けを求めたから。理由なんてそんだけだろうよ」
「フン。まるで理解できねぇな。これに関してはタコ野郎に同意するぜ」
「言ってろ。……契約書は返す。俺たちは不当な方法でテメェに勝つつもりはねーよ」
勝己が契約書を返そうとアズールの方へ一歩進み出ようとした瞬間、勝己の喉が擦り切れそうな痛みを訴え、ヒュー、ヒューと笛のような音が鳴った。
レオナの魔法だった。
「おっと。勝手なことをされたら困るんだよ、バカ犬。……そこから一歩でも動いてみろよ、砂になるぜ」
勝己の左手からニトロの汗の代わりにサラサラとした砂が落ちていく。勝己の『爆破』はレオナの魔法と致命的に相性が悪い。
契約書の束には、レオナの爪がかかっているも同然だった。
「なあアズール。俺と取引しようぜ」
この場の主導権を握ったレオナは、意地悪な笑みを浮かべた。
*反動ダメージ振り忘れ >>15
dice1d10=9 (9)
- 17124/12/05(木) 23:17:14
先に言っちゃいますが、ここは負けイベです
かっちゃんには勝利の権化でいて欲しい気持ちはありますが、万全じゃないかっちゃんが個性を封じられるレオナと体術を封じられるラギーのコンビを前にして一人で勝つのは流石に無理ゲーです
かっちゃんでも腕を三つ折りにされることもあるので、失敗するときは失敗するということで
戦闘本番で巻き返してくれるでしょう - 18二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 23:29:29
アンブッシュでキングスロアーとか危機感知でもないと避けられませんからね・・・
- 19二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 23:35:16
ちゃんと強さのバランスが取れててどっちの作品も格好良く描いてくれるの本当にありがたい
てかこうして見ると契約だの取引だの学園もので出てくるフレーズじゃなさすぎない?治安が悪すぎるよこの学園! - 20124/12/05(木) 23:39:13
「……は?」
「ふざっけんなこのド腐れカス野郎!!」
「ワンワンうるせぇな……俺は今契約書の持ち主と話してるんだがなぁ。お利口な犬ならどうすればいいか分かるだろ。なぁ、アズール?」
レオナがアズールを顎で指す。アズールは悔しそうに手を握りしめ、「お前は黙っていろ」という視線で勝己を睨みつけた。
「チッ………!」
「この契約書をお前に返したら、お前は俺に何を差し出す?」
「な、なんでもします。テストの対策ノートでも卒業論文の代筆でも、出席日数の水増しでも、なんでもあなたの願いを叶えます!」
アズールがどんどん早口になっていく。それは昔の出久が勝己を前にしたときの口調とよく似ていて、自信のなさを浮き彫りにしていた。
「なるほど、実に魅力的な申し出だ」
「なら――」
「だが……悪いが、その程度じゃこの契約書は返してやれそうにねぇなァ」
レオナの口角が持ち上がる。弱い者をいたぶる愉悦が透けるそれは、きっとかつての勝己も浮かべていた醜悪な表情だった。
「俺はな、今、ミドリヤに脅されて自棄になってんだよ。お前らの契約がどうとかで、有り金全部巻き上げられちまってなァ」
「は……?」
「オイ!!テメェが胸糞悪ィことする理由なんかに出久の名前を出すんじゃねェ!!」
*爆豪 行動ロール
レオナを一発 dice1d2=1 (1)
1.殴る
2.殴らずに耐える
- 21二次元好きの匿名さん24/12/05(木) 23:51:51
レオラギコンビは確かにかっちゃんと相性悪いな
カリムの魔法とかも相性悪そうだけど水をよければいいし、条件揃えば水中爆発でカウンター狙えるし
トレイの魔法も個性無効化できそうだけど、フィジカルで勝てそうだし
ジャミルの魔法も無魔力だから効いちゃいそうだけど、アニオリとはいえかっちゃんが目隠ししたまま十分実践できるってのがお出しされてるし
ほぼ必中の範囲攻撃かつニトロの汗を封じられるレオナ+フィジカル制限かけてくるラギーの組み合わせは天敵だとしか
この二人はフィジカルも強いのが攻略の難しさに拍車をかけてる
A組でも単騎で突破できるのは強力な範囲攻撃出せる轟と上鳴くらいなんじゃなかろうか
あとは条件次第で常闇と、『愚者の行進』が無効になるレベルで腕増やしまくった障子とかかな - 22二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 06:33:47
- 23二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 08:29:11
耳郎も砂にできない音で攻撃+ラギーには動かせるどころかそもそもついてない耳たぶのイヤホンジャックが武器だから気絶させるだけなら十分戦力になる
ただフィジカル不利だからもう一人ぐらいの戦力必要になりそうだけど
- 24二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 17:18:27
A組以外でこのコンビ攻略するとなるとルミリオンが一番有効か
- 25二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 22:46:52
敵行為の口実にデクの名前使われたらキレるわな…
- 26二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 04:55:36
- 27二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 09:35:03
レオナが悪いのはそれはそうなんだけど、デクに脅されて手持ちの現金全部巻き上げられてるのは本当なのが草なんだ
あなたの現金はあなたの寮生の血と肉に変換されてますよ - 28二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 19:45:39
そういや目的のためなら手段も(非合法スレスレまでは)問わないデクを見てNRC勢は「あれ…?」とか思ったりしたんだろうか
本当は怖い緑谷出久… - 29二次元好きの匿名さん24/12/07(土) 22:43:58
誰か相澤先生呼んでこい
- 30二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 07:14:41
この後のアズールの反応を見たかっちゃんどんな反応するんだろ
デクの泣き声とかはよく聞いたことあるんだろうけど、アズールみたいな泣き方はしたことなさそうだからさ - 31二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 17:18:37
このレスは削除されています
- 32二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 19:12:15
構図がまんま中学時代の自分たちなんよな……(才能マンないじめっ子と努力家のいじめられっこ)
- 33124/12/08(日) 20:00:03
「おい詐欺眼鏡!!こいつ受け取れ!!」
「……えっ、はぁっ!?」
勝己は一発レオナにお見舞いしてやらないと気が済まなくて、邪魔になった手元の契約書の束をアズールに向かって投げつけた。勝己の剛腕は、空気抵抗をものともせずに紙束を剛速球のような速度で投げつけることができる。
いきなりのことにアズールは処理が追い付かず、硬直した。
「――へぶっッッッ!!」
「――――ア?」
失敗の原因は、勝己がアズールの鈍くささを見誤っていたことだ。
勝己の周囲の人間は身体能力が優れている者ばかりだったから、感覚が麻痺していた。
勝己にとっての“鈍くさい人間”の基準であった鍛える前のヒョロヒョロの出久でさえ、勝己に比べれば劣っていただけで身体能力が特別低かったわけではなかったことを今はじめて真に実感した。
要するに、アズールは非常に運動神経が悪くて、契約書の束を受けとることができなかったのだ。
契約書はアズールの顔面の上で派手な音を立て、空中分解してバラバラと舞っていった。
「おっと、殴るも拾うも今はナシっすよ、バクゴーくん。シシシッ!」
ラギーが歯で空気を擦るような音を立てて笑う。『愚者の行進』の魔法で、勝己の体は自由を奪われる。
「てめぇハイエナ!!」
「魔力がないって不便そうッスねぇ。魔法への耐性がまるでないんだから。『個性』とやらがあったって、もっと危機感もたなきゃサバンナじゃ生き残れないッスよ」 - 34124/12/08(日) 20:18:39
「あーあー……。これじゃあ目当ての契約書がどれだか見つけられなくなっちまったなァ。面倒くせえ、まとめて砂にしてやるか」
「は………?」
放心したアズールの視線が、呆然と空中を舞う紙束と目の前のレオナの間を行き来する。
「俺はここまでするつもりはなかったんだけどなァ。恨むなら、余計なことしたミドリヤとバクゴーを恨めよ」
「う、うそだ……やめろ!」
アズールの手は空中の契約書を拾おうとし、ひらりと空を切った。アズールの手を離れている間、契約書はただの紙切れ同然の強度しかもたない。
レオナの口が無情にも魔法の詠唱を紡ぐ。
「――『王者の咆哮(キングス・ロアー)』!!」
「やめろおおおおおおおおおおお!!!」
喉を潰すようなアズールの悲鳴は意味をなさず、舞い散る契約書が一斉に黄金の砂粒となり崩れていく。
「あ、あああ……あああああ……!!!」
意味のない音がアズールの口から漏れ、膝から崩れ落ちる。
「僕の、僕の『黄金の契約書』が……っ!全部、塵に…………っ!そ、そん……な……」
「…………」
レオナたちの妨害によって、勝己と出久が立てた作戦が破綻した。
勝己たちは正々堂々とイソギンチャクを解放するつもりで、過去にアズールが交わした契約にまで干渉するつもりはなかったのだ。
この一瞬でアズールは不平等契約を結んだ加害者でありながら、不当に契約を反故にされた被害者となった。
(クソッ、俺のミスで…………!)
なにか言葉をかけなければならないところだが、繊細な事象にかんして口下手なところのある勝己はすぐに言葉が出てこなかった。 - 35124/12/08(日) 20:37:34
「シシシッ!ミドリヤくんの脅しなんか、レオナさんならカメラごと砂にしてぶっ飛ばせちゃうのに……なんでわざわざ財布渡しちゃうのかなーって思ってたんスけど、オレ、理由が分かっちゃったッス」
ラギーが悪戯っぽくレオナに笑いかける。
レオナは過去に複数回アズールと契約したことがあり、勝己たちの作戦の陰に隠れて契約書を破棄しようという魂胆だったらしい。
「……はっ、詮索屋は嫌われるぜ?」
「レオナさんが前にアズールくんと交わしたっていう契約、砂にされる前にどんな内容だったのか見とけばよかったッス」
「………あ……あぁ……」
「ん?」
「ああ、ああああ……っ!」
アズールが意味のない音を発する。光を失った目は、かつて勝己に大事なノートを爆破されたときの出久の目と似ているようでいて、感情が抑えきれずに溢れてきている部分が決定的に違っていた。
「あ~~~~っ!!!もうやだ~~~~~~~~~~!!!」
「「「!?」」」
一瞬にして過去の努力が無に帰して精神的な限界をきたしたアズールは、小さい子どもが癇癪を起こしたかのように絶叫した。
*勝己の困惑 dice1d100=68 (68)
- 36二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 20:41:53
アズールのユニーク魔法まんまAFOじゃんとこのスレで言われ続けてたけど
突出した能力が何もないと思ってるアズールからしたらデクのOFAみたいなものだったのかもと思うと
かっちゃんこの場にいるのしんどくない!?!? - 37124/12/08(日) 20:53:59
予想と違うアズールの反応に、勝己は少なからず困惑した。
アズールの普段の取り澄ました姿とあまりにもギャップが大きすぎた。それに、どれだけ叩いても、嘲っても、大事なノートを爆破しても、出久は声を張り上げて泣いたことはなかったから、どこか勝己の中でそれがデフォルトの反応として刷り込まれていたこともある。
「おい……」
「消えた……コツコツ集めた魔法コレクションが!僕の万能の力が……!ああ、もう全てがパァだ!!なんてことをしてくれたんだ!!!!!」
アズールの曇り空のような色の目に涙が溜まる。
嫌悪と侮蔑と、燃え上がるような怒りを湛えて睨む表情は、理不尽に踏みにじられた人間の反応としては、本来こちらの方が正しいのだ。
「アレが無くなったら、僕は、僕はまた、グズでノロマなタコに逆戻りじゃないか!そんなのは嫌だ……いやだ、いやだ、いやだ!!」
目の縁に溜めきれなくなった涙がボタボタとアズールの両目から零れ落ちる。
「もう昔の僕に戻るのは、嫌なんだよぉ……っ!」
失ったものを嘆き、なにもなくなった自分に恐怖して、アズールは叫んだ。
*勝己のメンタルダメージ dice1d100=33 (33)
- 38二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 20:54:54
ちょっと過去の色々がチクチクしてきた感じかな
- 39124/12/08(日) 21:09:23
取り乱して心の傷を露わにするアズールの姿に、勝己の胸が罪悪感でほんの少しだけ痛みを訴えた。
クソだった時期の勝己は、出久の心の強さに甘えていたのだろう。あの頃の勝己がしていたことは、本来これだけ人の心を狂わせてもおかしくないことだったと改めて突き付けられたようだ。
(……今はくだらないこと考えてる場合じゃねぇ。今すべきなのは、詐欺眼鏡が暴れて二次被害が出ないように抑えンのと、こっちの不手際でコイツらに損害与えたことに関する折衝)
出久は出久。アズールはアズール。自分の罪は自分の罪。誰かの罪は誰かの罪。事実と感傷を適切に切り分け、目の前の現実の対処に向けて勝己の頭は冷静に動く。
「おい、お前―――」
「……………………。ふ、ふふふ」
勝己が呼びかける声はアズールの耳を通り抜ける。涙で濡れたアズールの目はあらぬ方向を向いていた。
「ああ、そうだ……。なくなったなら、また奪えばいいんだ……」
アズールの体から黒い何かが這い出る。
肌を刺すような禍々しいそれを、勝己は知っている。
(こいつ、ブロットが……!)
「くれよ。なあ、お前らの自慢の能力、僕にくれよぉ!」
狂ったような泣き笑いを浮かべたアズールは、ブロットとともに、どこか魔王を思いこそさせる禍々しい魔力を発した。 - 40124/12/08(日) 21:24:10
ちょっとこの辺は書きにくいシーンだったので解釈違いあったら申し訳ないです
この場でかっちゃんが何言うのか想像できないのと、何言っても「どの口が」案件でしかないのでアズールのオバブロ止めるのは難しいかなと判断しての展開になってます
ちなみにかっちゃんが博物館じゃなくてモストロ・ラウンジ担当なのは、水中移動するのに片腕のデバフが大きいので、リーチ兄弟が妨害してきた際に撤退が遅れて足を引っ張らないようにということで作戦が割り振られています
グリムも泳ぐのが遅そうですが、モストロ・ラウンジで食欲モンスターになって制御不能になると困るのと、サイズ的に出久が抱えて泳げることから博物館担当になっています - 41二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 21:31:59
クリティカルヒットまではいかなくても、そこそこ心に刺さってる…
- 42二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 21:52:54
出久もアズールも生まれ持ったもののせいでいじめられて、そこから努力して立ち上がったって点は同じだけど、いじめられて傷ついた心の歪み方が真反対だよね
無意識に人の善性に縋るようになった出久と、損得抜きの人の善性を信じられなくなったアズールと
ヴィラン側のアズールの方が感情移入しやすいのが面白いし、出久の精神構造が難解なのが改めて分かる - 43二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 22:20:36
境遇は似てるけど(単純に比べられるものではないとはいえ)出久の方が詰んでるレベルは高いんだよな
アズールは珍しい種族だけど親はおそらく同じ蛸の人魚(義父は分からんが)で魔力自体はもって生まれたけど、出久は親は個性もちなのに家族で自分だけ無個性で個性因子そのものがない - 44124/12/08(日) 22:39:42
レオナがアズールの契約書を砂にしたのと同時刻、出久たちが珊瑚の海でリーチ兄弟と戦っていたとき、突然グリムたちの頭に生えたイソギンチャクが光になって弾けて消えた。
「イソギンチャクが消えた……?」
お互いの顔を見合わせ、担保として奪われた魔法が戻ってきたことを確認し、グリムたちが歓喜する。
その一方で、作戦にはなかった事象に出久の胸がざわついた。
(おかしい……。モストロ・ラウンジで何かがあったんだ)
*出久の心配 dice1d100=47 (47)
(このときのジェイドの心配が70くらい)
- 45二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 22:44:43
なんかただ事ではないことは察したけど一応イソギンチャクからみんなを解放できたしあっちにはかっちゃんいるしでまあなんとかなるかって感じかな
- 46二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 23:48:31
デクは無個性のせいで本人の夢であるヒーローへの適正がゼロだったのが詰みポイントなのでいじめに関してはどっちも詰んでると思う
アズールは見返すための自分磨きもいじめ起因だから逆にデクみたいにブレない目標がない分メンタルを保つのが難しかったとも言えるかも
- 47二次元好きの匿名さん24/12/08(日) 23:51:57
異変を受け、ここまでずっと余裕のある微笑みを浮かべていたジェイドの顔から一切の表情が削げ落ちる。
「戻りましょう、フロイド。彼らの頭のイソギンチャクが消えたということは……」
「うん。なんか、ヤな予感」
長い尾びれを翻し、二人が学園へ繋がる鏡の方へ向きを変えようとする。
「おっと、待てよ。こちとらやっと本調子なんだ」
「すぐ帰るなんてつれないこと言わないで、もう少しオレたちと遊んでけよ」
ようやく得意魔法が帰ってきたデュースとエースは、好戦的な表情を浮かべながら魔法で双子の足止めを続行しようとした。
*先に反応するのは dice1d2=2 (2)
1.出久
2.フロイド
- 48124/12/09(月) 00:00:39
「うるさい小魚だな。秒で片付けてやる」
二人の妨害に苛立ったフロイドの表情が豹変する。瞳孔が極限まで開ききり、鋭い歯が剥き出しになった状態で、フロイドは再び出久たちに襲い掛かってきた。
「フロイド、今は放っておきなさい!……ああ、もう」
チッ、と鋭い舌打ちがジェイドの口から漏れる。彼もまたこの現状と気まぐれな兄弟に苛立っていた。
「エースくん、デュースくん!僕たちの目的は写真をアズールくんのところへ持って行くことなんだから、これ以上挑発する必要なんて……」
「うるせー!散々コケにされたままで、このまま黙っていかせるかっての!!」
「同感だ。やられっぱなしってのは性に合わない」
*戦闘ダメージ
出久 dice1d10=6 (6)
グリム dice1d10=7 (7)
エース dice1d10=5 (5)
デュース dice1d10=4 (4)
ジャック dice1d10=4 (4)
ジェイド dice1d10=3 (3)
フロイド dice1d10=6 (6)
- 49二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 09:43:50
アズールが個性奪えてたらかっちゃん以外にデク止めれなくなるんでは……?
心臓やられた時ミリオ先輩が無事を伝えて五代目が大人としてヒーローとして落ち着かせてくれたけど
言っちゃ悪いがグリム達の声じゃ多分届かない - 50二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 11:07:50
中学時代の体力テスト、かっちゃんの5秒台が速すぎるだけでデクの7秒台は普通に平均前後だから運動音痴ではないんだ
アズールはマジの運動音痴なので多分9秒台か下手したら10秒台くらいなんじゃないだろうか
握力だけは少なく見積もっても100kgくらいはありそうだけど
- 51124/12/09(月) 12:15:43
「あ”~っ、もう!こいつら、うざい!」
イソギンチャクが消えたことで得意魔法が使える戦力の数が逆転し、フロイドが鬱陶しそうにエースたちの魔法を跳ねのけた。
「ここは引きあげましょう、フロイド。彼らと遊んでいる場合ではなさそうです」
「チッ……わかったよ。行こう」
ジェイドがフロイドの腕を引き、戦闘を切り上げる。長大な二つの影は、あっというまに遠くへと離れていった。
「僕たちも学園へ戻ろう。何だか嫌な予感がするんだ、かっちゃんとアズールくんが今どんな状況なのか確かめないと」
「ああ。こっちは片付いたし、後は向こうのことだけだな。この写真をアズールに叩きつけて完全勝利だ!」
出久たちも二本の脚で水を蹴り、二人の後を追いかけた。 - 52124/12/09(月) 12:48:02
オクタヴィネル寮の周りで、沢山の学生が倒れている。
「そこのお前の雷の魔法、その隣のヤツの運動能力!全部、全部僕によこせぇ!」
アズールの体から這い出た半透明の幽鬼の手のようなものが無作為に周囲の学生に襲いかかり、“何か”を抜き取っていく。“何か”を抜き取られた生徒はみな体から力が抜けてその場に崩れ落ちいった。
勝己たちは魔力の手に触れられないよう、間一髪のところで躱し続けている。
「アズールくん、みんなからナニを抜き取ってんスか!?」
「アイツのユニーク魔法……出久が妙に気にしてると思ったら、そういうことかよ」
「どういうことっすか、バクゴーくん!?」
「おそらくアイツが使っとる契約書は後から付随したサポートアイテムみたいなもんで、本当のユニーク魔法は『すべての能力を奪う魔法』ってところなんだろう」
出久はアズールのユニーク魔法の概要を聞いた時から、どこか腑に落ちないように長考を繰り返していた。他者と比べて複雑すぎる条件のアズールのユニーク魔法になんらかの手が加えられていることに無意識に気づいていたのだろう。
契約書がアズールの魔法の条件を強めるものではなく、弱めて制御するためのものだったかまで気づいていたのかは定かではないが。
「えぇ!?怖すぎじゃないスか?」
「ああ。そんな禁術クラスの魔法、反動であっという間にブロットの許容量を超えるぞ」
「その前にアイツを止めンぞ!!大変なことになる!!」
次々と欲望のままに他者の力を奪っていく姿は、いやでも『AFO』のことを思い起こさせる。
厄介なのは、アズールの魔法は『AFO』と違い接近して直に触れる必要すらないことと、奪える対象の制限が緩いことだ。アズールの魔力の手に触れられてしまえば、勝己の個性もレオナの魔法も無差別に奪われてしまうだろう。
「……バクゴーくん、こんなときになに笑ってんスか!」
「うるっせェ!!シケた面で戦えっかよ!!」
絶対絶命のピンチを前に、勝己の口角はひとりでに吊り上がった。 - 53二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 15:33:18
ピンチのときこそ笑う!!さすダイナマイト!!
- 54二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 16:37:37
- 55二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 20:55:01
黄泉におかえり!!!
- 56二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 20:58:05
AFO…汝の魂のかたちは…アズカバン!
- 57二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 21:03:50
- 58二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 21:55:46
アズール・アーシェングロットとかいうある世界のラスボスすら上回る強奪能力を持つ男子学生
- 59124/12/09(月) 22:51:33
「アズール!貴方なにをしているんです」
「うわ、なにこれ、どーなってんの?」
珊瑚の海からリーチ兄弟がオクタヴィネル寮にかけつけた。少し遅れて出久たちも到着する。
「かっちゃん!状況の共有をお願い!」
「出久!――作戦は失敗だ!ライオン野郎の介入で詐欺眼鏡の契約書が全部砂になって、自棄になって暴走しとる!アイツの体から出とる透明な手に触れンな、“全部”もってかれんぞ!!」
出久は勝己と頭の回転の速さがよく似ていて、勝己の端的な説明で状況を理解できたらしい。
「それなら今すぐに止めないと……アズールくんが破裂しちゃう!!」
次々と他者の力を奪っていくアズールの姿に、出久も思うところがあったらしい。
破裂、という感覚は勝己には分からないが、このままではアズールがオーバーブロットするのは分かり切っていた。
「ジェイド、フロイド、ああ、やっと戻ってきてくれたんですね」
戻ってきたリーチ兄弟の姿を確認し、狂ったように涙を流すばかりだったアズールの表情が和らいだ。
ヒーローたらんと成長した今の勝己には分かる。それは、救けを求める表情だった。
「そこのバカどものせいで、僕の契約書が全て無くなってしまったんです。だから、あなたたちの力も僕にください。ねえ、僕にくださいよぉ!」
「お待ちなさい。貴方のユニーク魔法は強力過ぎるゆえに、契約書無しには制御できないはず。そんなことをすればどうなるか、自分が一番よく分かっているでしょう!」
「だって、なくなっちゃったんですよ、全部……。アハハ……アハハハッ!このままじゃ昔の僕に戻ってしまう!」
「あのさー、今のアズールって、昔のアズールよりずっとダサいんだけど」
譫言めいたアズールの言葉に、ジェイドとフロイドはそれぞれ正論と本音をぶつけた。それは本当に親しいものを想うが故の誠意であり、同時に心の傷に追い打ちを与える行為でもある。
寄り添う言葉を救いとして求めたであろうアズールの手は、跳ねのけられる形となった。
アズールの目から、最後の正気の光が消えた。 - 60124/12/09(月) 22:54:32
*口を挟むのは dice1d2=2 (2)
1.出久
2.爆豪
- 61124/12/09(月) 23:23:19
「あ~~~~~~、そうですか。どうせ僕は1人じゃなにも出来ない、グズでノロマなタコ野郎ですよ。だから、もっとマシな僕になるために、みんなの力を奪ってやるんです」
「チッ……、ブツブツ言ってねェで、もっと俯瞰して自分のこと見ろや、詐欺眼鏡!!」
「……?」
勝己の張り上げた声に、アズールが視線の向きを変える。
「たかが紙切れなくなったくらいで昔の自分に戻るだとか、笑わせンな。あの店も、そのユニーク魔法も、全部他人の力か?違ェだろ!!テメェの努力だろうが!!」
アズールの過去について勝己は知らないし、興味もない。だが、おそらく出久と近しいものがあったことは十分に察せられた。
OFAの力を失った出久がそれまでの積み重ねを失うわけではないように、アズールも契約書を失ったとしてそれまでの努力が泡になって消えるわけではない。
勝己も感心するようなモストロ・ラウンジの運営だとか、『個性』とは異なり生まれながらに授かるわけではないユニーク魔法でこれほど強力なものを有していることだとか。それはアズール自身が積み上げた力であるはずなのだ。
「アズールくん、僕も君のことすごい人だと思ってる!一日こっそり君のこと観察して、何事にも全力で努力を怠らないすごい人だって!だから、こんな風に無理矢理人から何かを奪う必要なんてないんだ!」
「うるせ~~~!!!!お前らに僕の気持ちなんかわかるもんか!グズでノロマなタコ野郎と馬鹿にされてきた僕のことなんか……お前たちにわかるはずない!」
「……全部じゃないけど、分かるよ。僕も、何にもできないってずっと馬鹿にされてきたんだ。……だから分かる。今の君は、名門のナイトレイブンカレッジで寮長を務められるくらい、努力して変わったんじゃないか!」
「気休めを言うな!お前たちは“持っている”じゃないか!!」
勝己と出久の言葉は、激昂したアズールの心には届かなかった。絶望の怒りが綯い交ぜになり、アズールの目が赤く充血する。
「美しい歌声も、強力な魔法も、……特別な力も、人に愛される力も、全部僕のものだ!寄こしなさい、全てを!!」 - 62二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 23:27:03
才能マンのかっちゃんはともかくデクは元々アズールと同じ「持ってない」人間だったけどアズールにとっちゃデクの過去なんて知ったこっちゃないからなあ…
- 63124/12/09(月) 23:57:40
「なんだよアレ?アズールの体から黒いドロドロが出てきてる。墨……じゃねーよな?」
「ユニーク魔法の使い過ぎです。ブロットが蓄積許容量を超えている!このままでは、オーバーブロットしてしまう!」
「あーっはっは!あーーーっはっはっは!」
あふれ出したブロットがアズールを包み込むと、アズールの体が変形していった。
スパンコールのように鈍く光る鱗に覆われた薄墨色の肌。大きな蛸の脚は毒々しい黒紫色。人魚としての本来の姿なのだろうが、寄生するように繋がったブロットの化身のせいで異様な雰囲気を纏っている。
「「アズール!!」」
ジェイドとフロイドは示し合わせたようにマジカルペンを構え、戦闘に移行した。
「ジェイドくん、フロイドくん、まって!協力を――」
「出久、いい。アイツらどうせこっちの言うこと聞かねェだろ。陣形整えンのに邪魔になる。こっちはこっちで別で動くぞ」
「……分かった」
「一発でもアイツのユニーク魔法が掠れりゃ片腕の俺ァ大した戦力にならねェ。今回も俺は後方で指揮を執る。ライオン、それでいいな!」
「仕方ねえなァ、上手く使ってくれよ?つまらねぇ指示出しやがったら、先にてめぇから砂にしてやる」
「言ってろ。出久、前線はお前に任せた。必要があれば後ろから援護する」
「うん。これは君に預けとくね。君の方が扱い慣れてると思うから」
出久はポケットから二個のカプセルを取り出し、勝己に渡した。水中でのリーチ兄弟との戦闘でどうにもならなくなった場合に備えて、ミステリーショップで材料をそろえて勝己が工作した手作りダイナマイトだ。
“閃光弾”を使う際のニトロの汗を爆薬としているため殺傷力は低いが、十分役に立つだろう。
「――よし!いこう、みんな!!」
「哀れでちっぽけなクズどもが!!!」
*戦闘ダメージ
出久 dice1d100=9 (9) 爆豪 dice1d100=50 (50)
グリム dice1d100=37 (37) エース dice1d100=19 (19)
デュース dice1d100=1 (1) ジャック dice1d100=38 (38)
ラギー dice1d100=48 (48) レオナ dice1d100=14 (14)
ジェイド dice1d100=35 (35) フロイド dice1d100=53 (53)
- 64二次元好きの匿名さん24/12/09(月) 23:59:42
ここで出久が「わかるよ。僕も彼にいじめられていたから」とか言ってかっちゃんを指差せば暴走が一時停止するかもしれんが出久がそんなことするわけないからな
- 65124/12/10(火) 00:02:39
- 66124/12/10(火) 00:07:23
3章ダメージ累積リザルト
出久 64
爆豪 86 (反動ダメージ修正アリ)
グリム 60
エース 52
デュース 37
ジャック 57
ラギー 48
レオナ 14
ジェイド 42
フロイド 67
今回はオバブロ戦までの事前ダメージ蓄積が多かったので一人くらい戦闘不能になるかと思ってましたが、全員無事でしたね - 67二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 09:49:17
保守ついでに
雄英生もマスシェフ参加してほしいな〜と思いながら描いたSSです
マスターシェフ〜地獄のニラ〜 | Writening登場人物:轟、リリア、砂藤、トレイ、エペル、デュース、エース、麗日、峰田、青山、学園長 ちょっと体調不良表現あるので苦手な方要注意、なんでも許せる人向け 「食」それは生命の礎。 清き海。強き山。優…writening.net終盤にちょっとだけ体調不良表現があるので苦手な人は要注意です
1-A全員がツイステ世界にいる事前提となっております、エミュおかしかったらごめんなさい
- 68二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 18:49:37
7章のデュースの夢で堂の入った世紀末っちゃんが登場しそうだな
- 69二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 18:54:31
- 70二次元好きの匿名さん24/12/10(火) 19:05:46
字がイカつ過ぎて読めないぜ!
- 71124/12/10(火) 20:41:16
- 72124/12/10(火) 22:15:21
「取引しましょうよ、僕と取引しましょうよぉ……」
「いつものアズールとだったら取引してもいいけど、今のアズールとはヤだな」
「ええ、同感です」
ズルズルと這うように移動するアズールから距離をとったまま、双子が魔法を乱れ撃ちにする。接近するのを躊躇っているようだった。
「アイツの蛸脚に絞められたら背骨ごとへし折られてお陀仏だ!狼は変身して、それ以外は接近すんな!」
「ガルルル……、ミドリヤ乗れ!!」
「ありがとう、ジャックくん!!」
蛸の脚は筋肉の塊だ。それが尾白の尻尾に匹敵する大きさとなれば、その馬力と破壊力は計り知れない。
蛸足に負けない体躯と俊敏さを兼ね備えた変身状態のジャックが出久を背に乗せ、アズールに向かって駆け出す。
「ライオン、テメェの魔法で詐欺眼鏡の魔法は相殺できっか」
「できるが、魔力のコストがでかすぎる。数発も打ち消せば俺の方がオーバーブロットしちまうぞ」
「十分だ、俺の合図でアイツの魔法を砂にしろ!!ハイエナは蛸足が狼に触れそうになったら動きを止めて援護しろ!!」
「ハイハイ。っても、オレの脚二本しかないんで、全部の脚は止められないッスからね!」
「ハート野郎とスペード野郎はぶっ倒れたヤツの保護にあたれ!」
「えっ、何で!?」
「俺たちも戦う!」
「実力の差ァ考えろ!テメェらの魔法じゃ攻撃が通ンねェんだよ!!」
アズールの体に双子の魔法が掠ったそばから傷口が再生していく。回復魔法を常時かけ続けているらしく、生半可な攻撃ではこちらが消耗するばかりだ。
「クソッ……。分かった、僕たちは僕たちにできることをする!」
「バクゴー!ミドリヤ!気をつけろよ!!」
「再生持ちに持久戦に持ち込まれたら勝ち目はねェ。最大火力で一気にカタつけンぞ!!!」 - 73二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 05:55:53
そういえばアズールのオバブロ戦って唯一同じ寮のキャラが戦闘のゲストになってないんだっけ
だからかっちゃんの指揮に入ってないのかな - 74二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 10:11:59
- 75二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 12:41:23
気になって本家確認したらマジでマブとジャックだけだった>オバブロサポート
- 76二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 21:36:46
ほ
- 77124/12/11(水) 21:58:12
襲い掛かるアズールの魔力の手を避けながら、勝己は慎重にタイミングを伺った。
戦い慣れした様子の双子が次々と息の合った魔法を繰り出していく。炎、水、その次は、勝己が待っていた木の魔法。
「――今だクソ狸!!ぶっ放せ!!!」
「おう!!ふな”~~~~~っ!!!」
グリムが吐き出した炎が双子の木の魔法を火種にして激しく燃え上がる。炎の渦に囲まれて生理的に怯んだアズールの蛸足が縮こまった。
「ライオン!詐欺眼鏡の正面一帯の魔法を全部砂にしろ!!」
「ったく人使いの荒い坊ちゃんだ……ハァッ!!!」
モーゼが海を割ったが如く、レオナの魔法によって炎の渦の一部が砂に代わって道ができる。
「今だ、お前ら!!!」
「ジャックくん、お願い!!!」
「ガルルル、ガォオオッ!!!」
レオナが作った砂の道をジャックが駆け抜ける。咄嗟に妨害しようとした大きな蛸足は、ラギーの魔法によって硬直する。
ジャックと出久がアズールに最接近しようとするそのとき、アズールの背後のブロット化身が巨大な三叉槍を振りかぶっている。このままではジャックもろとも串刺しにされてしまう。
「――出久、上だ!!」
「ミドリヤ!!行け!!!」
BOOOOOM!!
勝己がその剛腕で投げ上げたダイナマイトは雷鳴にも似た轟音と閃光を放ち、アズールは強すぎる光から目を庇って両腕で顔を庇った。間髪入れずにジャックがブロットの化身の横腹に突進し、巨体が傾いて三叉槍の軌道が逸れる。その直前に出久がジャックの背から跳躍し、アズールの上を取った。 - 78124/12/11(水) 22:16:39
「そうやってみんな僕をいじめる!僕がグズでノロマなタコだから?」
「……っ!!こんな止め方しかできなくてごめん!!でも、今は全力で君を止めるよ!!止めなきゃいけない!!」
「嫌だ!!来ないで!!!」
アズールの魔力の手が暗闇の中を探るようにのたうち回る。そのうちの一本が出久の気配を捉え手を伸ばした。
「僕のものが欲しいならいくらでもあげるから!!!だから、止まってアズールくん!!!」
重力に従って落ちる出久の体の中心を半透明な手が通り抜ける。魔力の手は出久の肉体を止めることはできない。
「“セントルイス・スマッシュ”!!」
重力加速度の力を借りた出久の足の甲がアズールの横腹を打つ。衝撃でアズールが口から血でも胃液でもない真っ黒な体液を吐き出した。
「僕はただ、力を手に入れてアイツらを見返してやりたかっただけなのに……!!」
「アズールくん……」
蛸足の踏ん張る力が失せ、ぐにゃりと傾いたアズールの体を出久が受け止める。
「僕は……僕はただ……っ!」
「「アズールっ!!」」
重たい蛸足が8本もあるアズールの体は非常に重く、アズールの魔法の影響を受けた出久の脚がカクンと折れて一緒になって倒れそうになる。
その瞬間、背の高い二つの影が出久と一緒にアズールの体を支えた。 - 79二次元好きの匿名さん24/12/11(水) 22:19:20
結局ダメかぁぁぁ!!!