ちょっと、何してるの先生！？

1二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 10:44:51

セリカ「ちょっと先生！ハイランダーの人と一緒に何してるかと思ったら…！？アビドスが砂で埋もれて使えなくなった土地が多いからって、ゴミ捨て場にするなんて…！！いくらなんでもダメに決まってるでしょ！！！」

スオウ「お前は確か…廃校対策委員会の…」

"お、落ち着いてセリカ…！"

セリカ「言い訳なら聞かないわよ！！私たち、先生のことを信じてたのに…！！それも寄りにも寄ってハイランダーの人たちと一緒に…！！！」

2二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 10:47:27

"待ってってば！一回話を聞いて！"

シロコ「ん、先生の言う通り。セリカは落ち着くべき」

セリカ「シロコ先輩！！いいところに！！聞いてよ、先生がハイランダーの連中と一緒にアビドスの空き地に持ってきたゴミを捨ててるのよ！！」

ホシノ「大丈夫だよセリカちゃん～。この二人はなにも悪意でゴミを捨ててるわけじゃないんだよ～。ねぇ～スオウちゃん？」

スオウ「フン…」

セリカ「ホシノ先輩まで…？一体どうゆうことよ？」

3二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 10:50:14

ホシノ「ここ数日、セリカちゃんは紫関ラーメンのバイトで会議になかったでしょ～？大将さんが風邪ひいたからその間の店番をするって言ってたし」

セリカ「え、ええそうよ」

ホシノ「その件でセリカちゃんがいない間に、先生がウチの自治区とアビドス砂漠の緑化と砂嵐対策を両立したプロジェクトを提案してくれたんだ～」

シロコ「そのプロジェクトの第一段階がこれ。ハイランダー学園が鉄道を利用してゴミを集めると同時に各学園も処理に掛かる費用が浮くから、アビドスとハイランダーがその分お金や物資の支援を受けれるようになったの」

セリカ「…とりあえず、ただゴミを捨てに来たわけじゃなかったのは分かったわ。…ごめんなさい先生、話も聞かず怒鳴りつけて。それと、えーっと…ハイランダーの人も…」

スオウ「…朝霧スオウだ。こちらこそ悪かった。アビドス自治区での共同プロジェクトである以上、欠席していたアンタにも事前に情報を伝えておくべきだったと反省している」

"二人とも気にしないで、どちらかというとセリカに伝えるのは私がやるべき事だったし…"

4二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 10:54:55

どこの国の話だっけ？

>>6

5二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 10:57:06

セリカ「でも…このゴミがどうして緑化や砂嵐対策につながるのよ。私まだあんまりピンと来てないんだけど」

"そうだね…このプロジェクトは私が外の世界で聞いた話を基盤に、ミレニアムの各分野の専門家達と話し合って調整したものなんだけど、順を追って説明しよっか。まずセリカに聞いてみるんだけど、アビドスの雨季ってどんなことが起こるかな？"

セリカ「雨季…？そうね…ここはアビドス砂漠と違って普通の気候だしよく雨が降るから、毎回どこかしらの水路がダメになるのよね…。放っておくと土石流とか洪水みたいな大事になっちゃうし、基本的には悪いことばっかりね」

"そうだね、乾ききった砂地には保水力がほとんどないから大体の場合洪水が起きるんだ。鉄砲水なんて言われることもあるんだけど、実際の砂漠でも降水のたびに水害がよく起こる。砂漠地域の死者の奥の死因は溺死だとも言われてるぐらいに大きな被害をもたらしているしね"

ホシノ「アビドス自治区は私達が洪水を防ぐためによく水路を作ったり砂を除去したりするんだけど、流石に自然相手だから毎回毎回上手く防げるわけじゃないからね～」

6二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:02:31

>>4

前にニジェール共和国ってところでやってる話は聞いたことある

7二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:03:22

"そこで活躍するのがこの大量のゴミなんだ。このゴミたちを捨てた場所…元になった計画に倣って『サイト』って呼ぶね"

セリカ「早速ゴミが出てきたわね…！」

スオウ「字面だけ見ると激しい罵倒のように聞こえるな」

セリカ「う、うっさいわね！」

"ははは、このプロジェクトでアビドス自治区と砂漠の複数個所に捨てたゴミは、一般的に都市ゴミと言われるものが中心で主に生ゴミや大量のビニール袋、捨てられた靴や破損した器具なんかもあるね。もちろん環境に悪影響を及ぼしそうなものはちゃんと分別してるよ"

セリカ「ううっ…それでもやっぱりゴミは生理的にキツく感じるわね…」

スオウ「…それに関しては同感だな」

シロコ「ん………私も」

"私も分別作業に携わってたけど正直しんどかったな…。話を戻すけど、これらのゴミは一見なんの役に立たないように思うかもしれないけど、実はゴミと一緒にある生き物もサイトに放ったんだけど…"

8二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:12:31

ホシノ「ここでセリカちゃんにクイズだよ～！ここでサイトに放った生き物とは一体なんでしょう～？」♪

セリカ「ええぇ！？きゅ、急に言われてもわかんないわよ…！」

ホシノ「まぁまぁ、セリカちゃん。ダメ元でもいいから考えてみなよ～」

"…三人もヒント教えてあげてもいいよ、多分ノーヒントだとさすがに思いつかないと思うし"

スオウ「…私達がその生物を確保して集めてた際、アビドスでも確保したな。あの様子を見るに普段からこの地域で身近にいる生物なんじゃないか？」

ホシノ「そうだね～。しかも割と困らされてるねぇ」

シロコ「ん、私たちもアレの対処のために色々な対策をしてたからよく覚えてる」

セリカ「ええぇ…？……身近にいて…困らされてる…それでいて対処したことがある……？」

「ビナー…？」

9二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:14:05

草

10二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:16:13

モモトークでの連絡すらもらえないセリカ……

11二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:16:52

ビナー放ったらゴミ捨て場ごと吹き飛ぶだろ

12二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:19:00

セリカ「ちょっと！！！！そんなに笑わなくたっていいじゃない！！！！！」

"ごっ…ｗごめんセリカｗｗｗいろいろ予想してたけどｗｗまさかビナーが飛び出してくるとは…ｗｗ"

ホシノ「ひぃ～ｗｗｗおじさん笑い死んじゃうｗｗｗ」

シロコ「んｗ、大丈夫だよセリカ。わ、私は笑わな…フフｗ」

スオウ「………っｗ」

セリカ「ホシノ先輩も先生もそんなに笑わないでよ！！あとほかの二人も笑うの我慢出来てないから！！」

ホシノ「あはははｗいやぁ今のアヤネちゃんとノノミちゃん達にも聞かせたかったなあｗｗ」

セリカ「絶対言わないでよ！？…って、そういえばあの二人はどこに行ったのよ？」

スオウ「ふぅ…あの二人は今ゴミの運搬の手伝いでほかの学園に出向いてる。この時間だとおそらくトリニティでウチの連中と一緒に運搬の手伝いをしている頃だろう」

13二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:20:04

セリカ、ハブられてる？

14二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:20:33

大将の代わりに店番してたから仕方ない

15二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:21:23

実際看病で付きっ切りの人に気を揉ませたくない気持ちはちょっとわかる

16二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:22:41

数日で企画実行を行ったハイランダーがチートすぎる

>>19

17二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:23:31

"ふぅ…また話が脱線しちゃったね、正解はシロアリだよ"

セリカ「シロアリって…ウチの校舎の柱や壁にしょっちゅう巣を作ってるあいつら！？」

"そうそう。まぁシロアリの生態がわかんないとピンと来ないかもしれないけど…あ、電話が…"

スオウ「席を外すといい。その間に私がなぜサイトにシロアリを放つ必要があるのかレクチャーしておいてやる。

"助かるよ。それじゃあよろしくね"

18二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:24:29

スオウ「さて、まずは黒見セリカ。お前がシロアリについて知っていることはなんだ？」

セリカ「えーっと、木の柱や壁にしょっちゅう穴を掘って巣を作ってる…？」

スオウ「そうだな、古い木造家屋ではよくシロアリが建材の内部を食い進めている被害をよく耳にするな。だがコイツらは木材だけではなく、プラスチックやコンクリートすら食い荒らすのだが…都市ゴミもターゲットにするんだ」

セリカ「シロアリって本当にゴミでもなんでも食べるのね…なんか更に苦手になったかも」

スオウ「ゴミと言う分類も、人間が勝手に定めたものだからな。奴ら昆虫からすれば立派な餌という訳だ。で、奴らは餌を食べるだけ食べ、出した糞で蟻塚という地中や地上に伸びる大きな巣を形成する…少々汚い話であることは分かるが、だからと言ってそんなあからさまに嫌な顔をするな」

セリカ「………」

シロコ「セリカがフリーズした…」

>>24

19二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:29:55

>>16

しかも先生の話的にシャーレ、アビドス、ハイランダー、ミレニアムががっつり関わってるからな

他の自治区に話を通すのも考えたらヤシオリ作戦もびっくりのスピード

20二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:31:16

スオウ「……続けるぞ。奴らの形成する蟻塚は砂地と比べ非常に水を蓄えやすく、草木が育つのに適した環境を作り出すんだ」

セリカ「…な、なるほどね……でもあんなに小っちゃい蟻が少し巣を作ったぐらいじゃ砂漠全体を緑化するなんてすごい時間がかかるんじゃ…？」

スオウ「そこに関しては問題ない。ミレニアムの生徒が奴らの巣の規模と緑化予定地域の面積から算出した必要な数だけのシロアリは用意できているからな」

セリカ「………想像するだけでもおぞましい量の蟻を集めたってことは理解したわ…」

スオウ「…さっきからお前は奴らを蟻と呼んでいるが、シロアリは生物学的に言えば蟻の仲間ではなく…」

"戻ったよ、シロアリの生態についてセリカも納得できたみたいだね"

ホシノ「あ、おかえり～先生。なにか進捗はあった～？」

"うん。山海経の内部での話が付いたみたいで、今度の会議には私やホシノ、ハイランダーの代表としてスオウも出席してほしいって"

ホシノ「うへぇ！？トリニティの時みたいな仰々しい会議がまたある訳ぇ…？めんどくさいなぁ…」

スオウ「私は日程さえ調整できれば問題ない」

セリカ「…もしかして私がいない間にかなりの大事になってたの………？」

シロコ「数日前からミレニアムの人達が視察するためアビドスにたくさん来てたから、むしろセリカがなんにも気づいてなかったのが不思議なぐらい」

セリカ（そういえば紫関ラーメンにも他所の学園の人がたくさん来てたわね…）

21二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:40:16

"さて、話を続けるね。ゴミには他にもいろいろな役割があるんだ。粗大ゴミは日陰を作ってシロアリの活動しやすい環境を作ってくれる。ビニール袋みたいなゴミは土地の保水力を補助するし、鍋や鉄板のような金属も混ざることで大雨でも土地ごと流されにくくなるんだ"

スオウ「それに加え、シュミレーションによればゴミを撒くことでできた凹凸の地表が、風に乗ってきた砂や土壌を適度に確保する働きも期待できるそうだ」

セリカ「本当に余す部分ないぐらい活用できるわね…でもみんな覚えてる？」

ホシノ「なにか忘れてることなんてあったっけ～？」

セリカ「そもそもうちの自治区は元々砂漠じゃなくて、砂嵐に乗ってきた砂が覆いつくしてできた砂地なのよ？いくら土壌が良くなっても、上から段々砂を被されていったら意味ないんじゃ…」

"もちろん忘れてないよ。第一段階で段階で自治区の外縁部を中心にサイトを広げてるのはその砂嵐による飛砂の対策でもあるんだし"

セリカ「え、そうなの？」

22二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:45:13

しまった知識スレだ、囲め囲め！

23二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:46:06

"まぁこれに関しては百聞は一見に如かずって感じなんだけど…えーっと、あの写真はどこにしまったっけ…"

シロコ「ん、先生これ。私も同じのもらったからこれ使って説明してあげて」

"お、ありがとうシロコ！セリカ、これがなにかわかる？"

セリカ「えー…砂浜の近くにたくさん木が並んでるけど森…いや、林？」

"そうそう。ビーチとか海岸沿いでよく林があるでしょ？あれは防砂林と言って、浜の砂が住宅街や道路に飛散しないようにするために植えられているんだ"

スオウ「計算通りなら、防砂シートなどで一時的に小規模の壁さえ設ければ、砂嵐や飛砂がゴミや蟻塚を覆う前に改善が見込める。そうしてできた土壌に外縁部に防砂林となる樹木を植えることで飛砂の被害をより確実に抑えることができるという訳だ」

セリカ「こ、これなら本当に成功しそうじゃないの…！」

"もちろん、何事もシュミレーション通りにいくとは限らないから不安要素はあるけどね。ビナーの襲撃やカイザーの妨害も予測はしてるけど可能性が完全に排除できる訳じゃないし…ここで頓挫しちゃうとまた振り出しに戻るかもしれないから…"

ホシノ「でも先生。私たちからすればアビドス復興の足掛かりとしてこんなに現実的な計画に取り組めるのが初めてだし。むしろ感謝したいぐらいなんだよ？」

シロコ「ん、私も同じこと思ってた。先生は先生が思ってる以上に私達の力になってくれてる」

"ホシノ…シロコ…"

ホシノ「というか、ここまで熱心に手を貸してくれるんだから、おじさんもめんどくさがってる場合じゃないよね～」

スオウ「それはいいことを聞いた。なら山海経との会議の日付をもっと早めてもいいな？」

ホシノ「ちょっ！？それとこれとは別というか…っていうか前の列車砲の件の時と比べておじさんに対する扱いが雑になってない！？」

24二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:48:49

>>18

ちなみに排泄物を不衛生と考えてるのは人間その他少数の生物だけだそうだ

大抵は「食べた物を体内で変化させた別の資源」扱い

25二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:50:48

セリカ「……………」

"ん？急に黙ってどうしたのセリカ？"

セリカ「決めたわ！」

"！？"

セリカ「私もこのプロジェクト、全力で協力するわ！！先輩たちもああ言ってるんだから、私だって頑張らなきゃ！」

"セリカ…！！"

セリカ「さぁ先生！まずは何すればいい？私にできる事だったらなんだって任されるわよ！！！」

26二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:53:29

ビナー「ほーん、で？」掘削バリバリー
土壌グチャ……

これが現実

27二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 11:58:17

数日後…

セリカ「アヤネ～？そっちの車両のコンテナにシロアリのケースいくつある？」

アヤネ「…4、5…6箱あるので、これを運び終えたら今日の分は完了ですね」

ノノミ「私が4箱持っていきますから、残りの二つは二人に任せますね～！」

セリカ「……前から知ってはいたけど、やっぱりノノミ先輩はパワーあるわね」

アヤネ「あはは…セリカちゃんも結構力持ちだとは思いますけど、ノノミ先輩は戦闘の際にはいつもあの武器を持ち歩いてますから」

セリカ「蟻を運ぶだけとは聞いてたけど、巣を丸ごと引っこ抜いてきたのを丸ごと入れてるなんて…ここまで重労働だなんて聞いてなかったわ…」

アヤネ「…あれ？セリカちゃん知らないんですか？」

セリカ「え？……なんのこと？」

アヤネ「ほら、今シロアリのこと蟻って呼んでたじゃないですか？」

セリカ「そうだけどそれが何か……あー、そういえばスオウさんが『蟻の仲間ではなく…』みたいなことを言いかけてたわね。実際なんの虫の仲間なのよ」

アヤネ「ゴキブリの仲間ですよ！」

セリカ「」

28二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 12:12:18

※シロアリ（白蟻）は、昆虫綱ゴキブリ目シロアリ下目、アリとは全く異なる系統の昆虫
　白「蟻」と名がつけられているが、アリはハチ目の昆虫で翅を欠く社会性のハチであるのに対し、シロアリは朽木などの植物遺体を食べるゴキブリの中から社会性を著しく発達させた系統の昆虫である
（by wikipedia）

29二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 12:18:40

このレスは削除されています

30二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 12:36:18

再度フリーズするセリカ可愛い。

31二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 13:02:18

このレスは削除されています

32二次元好きの匿名さん24/12/06(金) 13:04:11

恐らく元ネタと思わしき京大教授の取り組み

餓えと争いをなくすため、砂漠をゴミで緑化する。「アフリカの人道危機を解決する実践平和学」｜京都大学学術研究展開センターアジア・アフリカ地域研究研究科教授大山修一 ※この記事は2021年10月15日にK.U.RESEARCHで公開したものです。京都大学創立125周年記念事業の一つとして設立された学内ファンド*「くすのき・125」。このファンドは、既存の価値観にとらわれない自由な発想で、次の125年に向けて「調和した地球社会のビジョン」を自ら描き、その実現に向けて独創的な研究に挑戦する次世代の研究者を3年間支援するというものだ。＊「学内ファンド」とは、京都大学がめざす目標に向けて、京都大学が持つ資金を学内の教職員等に提供する制度のことです。西アフリカのニジェールにおいて、砂漠化が問題となっnote.com